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2013年03月FF・ドラクエ172: FFDQバトルロワイアル3rd PART17 (214) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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FFDQバトルロワイアル3rd PART17


1 :2012/09/29 〜 最終レス :2013/03/09
━━━━━説明━━━━━
こちらはDQ・FF世界でバトルロワイアルが開催されたら?
というテーマの参加型リレー小説スレッドです。
参加資格は全員、
全てのレスは、スレ冒頭にあるルールとここまでのストーリー上
破綻の無い展開である限りは、原則として受け入れられます。
sage進行でお願いします。
詳しい説明は>>2-10…ぐらい。

2 :
+基本ルール+
・参加者全員に、最後の一人になるまで殺し合いをしてもらう。
・参加者全員に、<ザック><地図・方位磁針><食料・水><着火器具・携帯ランタン>が支給される。
 また、ランダムで選ばれた<武器>が1〜3個渡される。
 <ザック>は特殊なモノで、人間以外ならどんな大きなものでも入れることが出来る。
・生存者が一名になった時点で、主催者が待つ場所への旅の扉が現れる。この旅の扉には時間制限はない。
・日没&日の出の一日二回に、それまでの死亡者が発表される。

+首輪関連+
・参加者には生存判定用のセンサーがついた『首輪』が付けられる。
 この首輪には爆弾が内蔵されており、着用者が禁止された行動を取る、
 または運営者が遠隔操作型の手動起爆装置を押すことで爆破される。
・24時間以内に死亡者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する。
・日没時に発表される『禁止技』を使うと爆発する。
・日の出時に現れる『旅の扉』を二時間以内に通らなかった場合も、爆発する。
・無理に外そうとしたり、首輪を外そうとしたことが運営側にバレても爆発する。
・魔法や爆発に巻き込まれても誘爆はしない。
・首輪を外しても、脱出魔法で会場外に出たり禁止魔法を使用することはできない。

+魔法・技に関して+
・MPを消費する=疲れる。
・全体魔法の攻撃範囲は、術者の視野内にいる敵と判断された人物。
・回復魔法は効力が半減。召喚魔法は魔石やマテリアがないと使用不可。
・初期で禁止されている魔法・特技は「ラナルータ」
・それ以外の魔法威力や効果時間、キャラの習得魔法などは書き手の判断と意図に任せます。

3 :
+ジョブチェンジについて+
・ジョブチェンジは精神統一と一定の時間が必要。
 X-2のキャラのみ戦闘中でもジョブチェンジ可能。
 ただし、X-2のスペシャルドレスは、対応するスフィアがない限り使用不可。
 その他の使用可能ジョブの範囲は書き手の判断と意図に任せます。
+GF継承に関するルール+
「1つの絶対的なルールを設定してそれ以外は認めない」ってより
「いくつかある条件のどれかに当てはまって、それなりに説得力があればいいんじゃね」
って感じである程度アバウト。
例:
・遺品を回収するとくっついてくるかもしれないね
・ある程度の時間、遺体の傍にいるといつの間にか移ってることもあるかもね
・GF所持者を殺害すると、ゲットできるかもしれないね
・GF所持者が即死でなくて、近親者とか守りたい人が近くにいれば、その人に移ることもあるかもね
・GFの知識があり、かつ魔力的なカンを持つ人物なら、自発的に発見&回収できるかもしれないね
・FF8キャラは無条件で発見&回収できるよ
+戦場となる舞台について+
・このバトルロワイアルの舞台は日毎に変更される。
・毎日日の出時になると、参加者を新たなる舞台へと移動させるための『旅の扉』が現れる。
・旅の扉は複数現れ、その出現場所はランダムになっている。
・旅の扉が出現してから2時間以内に次の舞台へと移らないと、首輪が爆発して死に至る。
現在の舞台は闇の世界(DQ4)
ttp://www43.atwiki.jp/ichinichiittai?cmd=upload&act=open&pageid=16&file=%E9%97%87%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C.PNG
━━━━━お願い━━━━━
※一旦死亡確認表示のなされた死者の復活は認めません。
※新参加者の追加は一切認めません。
※書き込みされる方はCTRL+F(Macならコマンド+F)などで検索し話の前後で混乱がないように配慮してください。
※参加者の死亡があればレス末に、【死亡確認】の表示を行ってください。
※又、武器等の所持アイテム、編成変更、現在位置の表示も極力行ってください。
※人物死亡等の場合アイテムは、基本的にその場に放置となります。
※本スレはレス数500KBを超えると書き込みできなります故。注意してください。
※その他詳細は、雑談スレでの判定で決定されていきます。
※放送を行う際は、雑談スレで宣言してから行うよう、お願いします。
※最低限のマナーは守るようお願いします。マナーは雑談スレでの内容により決定されていきます。
※主催者側がゲームに直接手を出すような話は極力避けるようにしましょう。

4 :
書き手の心得その1(心構え)
・この物語はリレー小説です。
 みんなでひとつの物語をつくっている、ということを意識しましょう。一人で先走らないように。
・知らないキャラを書くときは、綿密な下調べをしてください。
 二次創作で口調や言動に違和感を感じるのは致命的です。
・みんなの迷惑にならないように、連投規制にひっかかりそうであれば保管庫にうpしてください。
・自信がなかったら先に保管庫にうpしてください。
 爆弾でも本スレにうpされた時より楽です。
・本スレにUPされてない保管庫の作品は、続きを書かないようにしてください。
・本スレにUPされた作品は、原則的に修正は禁止です。うpする前に推敲してください。
・巧い文章はではなく、キャラへの愛情と物語への情熱をもって、自分のもてる力すべてをふり絞って書け!
・叩かれても泣かない。
・来るのが辛いだろうけど、ものいいがついたらできる限り顔を出す事。
 できれば自分で弁解なり無効宣言して欲しいです。

書き手の心得その2(実際に書いてみる)
・…を使うのが基本です。・・・や...はお勧めしません。また、リズムを崩すので多用は禁物。
・適切なところに句読点をうちましょう。特に文末は油断しているとつけわすれが多いです。
 ただし、かぎかっこ「 」の文末にはつけなくてよいようです。
・適切なところで改行をしましょう。
 改行のしすぎは文のリズムを崩しますが、ないと読みづらかったり、煩雑な印象を与えます。
・かぎかっこ「 」などの間は、二行目、三行目など、冒頭にスペースをあけてください。
・人物背景はできるだけ把握しておく事。
・過去ログ、マップはできるだけよんでおくこと。
 特に自分の書くキャラの位置、周辺の情報は絶対にチェックしてください。
・一人称と三人称は区別してください。
・極力ご都合主義にならないよう配慮してください。露骨にやられると萎えます。
・「なぜ、どうしてこうなったのか」をはっきりとさせましょう。
・状況はきちんと描写することが大切です。また、会話の連続は控えたほうが吉。
 ひとつの基準として、内容の多い会話は3つ以上連続させないなど。
・フラグは大事にする事。キャラの持ち味を殺さないように。ベタすぎる展開は避けてください。
・ライトノベルのような萌え要素などは両刃の剣。
・位置は誰にでもわかるよう、明確に書きましょう。

5 :
書き手の心得3(一歩踏み込んでみる)
・経過時間はできるだけ『多め』に見ておきましょう。
 自分では駆け足すれば間に合うと思っても、他の人が納得してくれるとは限りません。
 また、ギリギリ進行が何度も続くと、辻褄合わせが大変になってしまいます。
・キャラクターの回復スピードを早めすぎないようにしましょう。
 (今までの話を平均すると、回復魔法使用+半日費やして6〜8割といったところです)
・戦闘以外で、出番が多いキャラを何度も動かすのは、できるだけ控えましょう。
 あまり同じキャラばかり動き続けていると、読み手もお腹いっぱいな気分になってきます。
 それに出番の少ないキャラ達が、あなたの愛の手を待っています。
・キャラの現在地や時間軸、凍結中のパートなど、雑談スレには色々な情報があります。
 雑談スレにも目を通してね。
・『展開のための展開』はイクナイ(・A・)!
 キャラクターはチェスの駒ではありません、各々の思考や移動経路などをしっかりと考えてあげてください。
・書きあがったら、投下前に一度しっかり見直してみましょう。
 誤字脱字をぐっと減らせるし、話の問題点や矛盾点を見つけることができます。
 一時間以上(理想は半日以上)間を空けてから見返すと一層効果的。

+修正に関して+
・修正(NG)要望は、名前欄か一行目にはっきりとその旨を記述してください。
・NGや修正を申し立てられるのは、
 「明らかな矛盾がある」「設定が違う」「時間の進み方が異常」「明らかに荒らす意図の元に書かれている」
 「雑談スレで決められた事柄に違反している(凍結中パートを勝手に動かす等)」
 以上の要件のうち、一つ以上を満たしている場合のみです。
・批判も意見の一つです。臆せずに言いましょう。
 ただし、上記の修正要望要件を満たしていない場合は
 修正してほしいと主張しても、実際に修正される可能性は0だと思って下さい。
・書き手が批判意見を元に、自主的に修正する事は自由です。

6 :
+議論の時の心得+
・議論が紛糾すると、新作や感想があっても投下しづらくなってしまいます。
 意見が纏まらずに議論が長引くようならば、したらばにスレを立ててそちらで話し合って下さい。
・『問題意識の暴走の先にあるものは、自分と相容れない意見を「悪」と決め付け、
 強制的に排除しようとする「狂気」です。気をつけましょう』
+読み手の心得+
・好きなキャラがピンチになっても騒がない、愚痴らない。
・好きなキャラが死んでも泣かない、絡まない。
・荒らしは透明あぼーん推奨。
・批判意見に対する過度な擁護は、事態を泥沼化させる元です。
 同じ意見に基づいた擁護レスを見つけたら、書き込むのを止めましょう。
・擁護レスに対する噛み付きは、事態を泥沼化させる元です。
 修正要望を満たしていない場合、自分の意見を押し通そうとするのは止めましょう。
・嫌な気分になったら、モーグリ(ぬいぐるみも可)をふかふかしてマターリしてください。
・「空気嫁」は、言っている本人が一番空気を読めていない諸刃の剣。玄人でもお勧めしません。
・「フラグ潰し」はNGワード。2chのリレー小説に完璧なクオリティなんてものは存在しません。
 やり場のない気持ちや怒りをぶつける前に、TVを付けてラジオ体操でもしてみましょう。
 冷たい牛Rを飲んでカルシウムを摂取したり、一旦眠ったりするのも効果的です。
・感想は書き手の心の糧です。指摘は書き手の腕の研ぎ石です。
 丁寧な感想や鋭い指摘は、書き手のモチベーションを上げ、引いては作品の質の向上に繋がります。
・ロワスレの繁栄や良作を望むなら、書き手のモチベーションを下げるような行動は極力慎みましょう。

7 :
参加者名簿(名前の後についている数字は投票数)
FF1 4名:ビッケ、スーパーモンク、ガーランド、白魔道士
FF2 6名:フリオニール(2)、マティウス、レオンハルト、マリア、リチャード、ミンウ
FF3 8名:ナイト、赤魔道士、デッシュ、ドーガ、ハイン(2)、エリア、ウネ、ザンデ
FF4 7名:ゴルベーザ、カイン、ギルバート、リディア、セシル、ローザ、エッジ
FF5 7名:ギルガメッシュ、バッツ、レナ、クルル、リヴァイアサンに瞬殺された奴、ギード、ファリス
FF6 12名:ジークフリート、ゴゴ、レオ、リルム、マッシュ、ティナ、エドガー、セリス、ロック、ケフカ、シャドウ、トンベリ
FF7 10名:クラウド、宝条、ケット・シー、ザックス、エアリス、ティファ、セフィロス(2)、バレット、ユフィ、シド
FF8 6名:ゼル、スコール、アーヴァイン、サイファー、リノア、ラグナ
FF9 8名:クジャ、ジタン、ビビ、ベアトリクス、フライヤ、ガーネット、サラマンダー、エーコ
FF10 3名:ティーダ、キノック老師、アーロン
FF10-2 3名:ユウナ、パイン、リュック
FFT 4名:アルガス、ウィーグラフ、ラムザ、アグリアス
DQ1 3名:勇者、ローラ、竜王
DQ2 3名:ローレシア王子、サマルトリア王子、ムーンブルク王女
DQ3 6名:オルテガ、男勇者、男賢者、女僧侶、男盗賊、カンダタ
DQ4 9名:男勇者、ブライ、ピサロ、アリーナ、シンシア、ミネア、ライアン、トルネコ、ロザリー
DQ5 15名:ヘンリー、ピピン(2)、主人公(2)、パパス、サンチョ、ブオーン、デール、王子、王女、ビアンカ、はぐりん、ピエール、マリア、ゲマ、プサン
DQ6 11名:テリー(2)、ミレーユ、主人公、サリィ、クリムト、デュラン、ハッサン、バーバラ、ターニア(2)、アモス、ランド
DQ7 5名:主人公、マリベル、アイラ、キーファ、メルビン
DQM 5名:わたぼう、ルカ、イル、テリー、わるぼう
DQCH 4名:イクサス、スミス、マチュア、ドルバ
FF 78名 DQ 61名
計 139名

8 :
生存者リスト (名前に※がついているキャラは首輪解除済み)
FF1 0/4名:(全滅)
FF2 0/6名:(全滅)
FF3 0/8名:(全滅)
FF4 0/7名:(全滅)
FF5 2/7名:バッツ、ギード
FF6 4/12名:リルム、マッシュ、ロック、ケフカ
FF7 2/10名:ザックス、セフィロス
FF8 3/6名:※スコール、アーヴァイン、サイファー
FF9 1/8名:サラマンダー
FF10 0/3名:(全滅)
FF10-2 2/3名:ユウナ、リュック
FFT 2/4名:※アルガス、ラムザ
DQ1 0/3名:(全滅)
DQ2 0/3名:(全滅)
DQ3 1/6名:セージ
DQ4 2/9名:ソロ、ロザリー
DQ5 2/15名:ヘンリー、プサン
DQ6 1/11名:クリムト
DQ7 0/5名:(全滅)
DQM 0/5名:(全滅)
DQCH 0/4名:(全滅)
FF 16/78名 DQ 6/61名
うち首輪解除済み 2名
計 20(22)/139名

9 :
■現在までの死亡者状況
ゲーム開始前(1人)
「マリア(FF2)」
アリアハン朝〜日没(31人)
「ブライ」「カンダタ」「アモス」「ローラ」「イル」「クルル」「キノック老師」「ビッケ」「ガーネット」「ピピン」
「トルネコ」「ゲマ」「バレット」「ミンウ」「アーロン」「竜王」「宝条」「ローザ」「サンチョ」「ジークフリート」
「ムース」「シャドウ」「リヴァイアサンに瞬殺された奴」「リチャード」「ティナ」「ガーランド」「セシル」「マチュア」「ジオ」「エアリス」
「マリベル」
アリアハン夜〜夜明け(20人)
「アレフ」「ゴルベーザ」「デュラン」「メルビン」「ミレーユ」「ラグナ」「エーコ」「マリア(DQ5)」「ギルバート」「パイン」
「ハイン」「セリス」「クラウド」「レックス」「キーファ」「パウロ」「アルカート」「ケット・シー」「リディア」「ミネア」
アリアハン朝〜終了(6人)
「アイラ」「デッシュ」「ランド」「サリィ」「わるぼう」「ベアトリクス」
浮遊大陸朝〜日没(21人)
「フライヤ」「レオ」「ティファ」「ドルバ」「ビアンカ」「ギルダー」「はぐりん」「クジャ」「イクサス」「リノア」
「アグリアス」「ロラン」「バーバラ」「シンシア」「ローグ」「シド」「ファリス」「エッジ」「フルート」「ドーガ」
「デール」
浮遊大陸夜〜夜明け(19+1人)
「テリー(DQ6)」「トンベリ」「ゼル」「レオンハルト」「ゴゴ」「アリーナ2」「わたぼう」「レナ」「エドガー」「イザ」
「オルテガ」「フリオニール」「ユフィ」「リュカ」「ピエール」「ハッサン」「ビビ」「ブオーン」「ジタン」「ライアン」
浮遊大陸朝〜終了(7人 ※うち脱落者1人)
「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ウィーグラフ」「マティウス」「アリーナ」 ※「ザンデ」(リタイア)
闇の世界朝〜 (12人)
「サックス」「タバサ」「テリー(DQM)」「ルカ」「パパス」 「フィン」「ティーダ」「スミス」「カイン」「ピサロ」
「ターニア」「エリア」

10 :
■過去スレ
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1099057287/ PART1
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1101461772/ PART2
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1105260916/ PART3
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1113148481/ PART4
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1119462370/ PART5
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1123321744/ PART6
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1128065596/ PART7
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1130874480/ PART8
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1142829053/ PART9
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/ff/1143513429/ PART10
http://game11.2ch.net/test/read.cgi/ff/1157809234/ PART11
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1179230308/ PART12
http://game13.2ch.net/test/read.cgi/ff/1208077421/ PART13
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1218211059/ PART14
http://schiphol.2ch.net/test/read.cgi/ff/1249315531/ PART15
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ff/1295278544/l50 PART16
FFDQバトルロワイアル裏方雑談スレPart14
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/ff/1225283405/l50
※part13以前の裏方雑談スレログはまとめサイトに保管されています

11 :
■その他
FFDQバトルロワイアル3rd 編集サイト
http://www.geocities.jp/ffdqbr3log/
FFDQバトルロワイアル3rd 旧まとめサイト
http://www.geocities.jp/ffdqbr3rd/index.html
1stまとめサイト
http://www.parabox.or.jp/~takashin/ffdqbr-top.htm
1st&2ndまとめサイト
http://ffdqbr.hp.infoseek.co.jp/
携帯用まとめサイト
http://web.fileseek.net/cgi-bin/p.cgi?u=http%3A%2F%2Fwww.geocities.jp/ffdqbr3log/
FFDQバトルロワイアル保管庫@モバイル(1st&2ndをまとめてくれています)
http://dq.first-create.com/ffdqbr/
番外編まとめサイト
http://ffdqbr.fc2web.com/
1stまとめ+ログ置き場 兼 3rdまとめ未収録話避難場所
http://www11.atwiki.jp/dqff1st/

保管庫
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/2736/1201201051/
したらば
http://jbbs.livedoor.jp/game/22429/
あなたは しにました(FFDQロワ3rd死者の雑談ネタスレ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/22429/1134189443/
ロワらじ
http://jbbs.livedoor.jp/game/22796/
お絵かき掲示板
http://blue.oekakist.com/FDBR/
現在の舞台は闇の世界(DQ4)
ttp://www43.atwiki.jp/ichinichiittai?cmd=upload&act=open&pageid=16&file=%E9%97%87%E3%81%AE%E4%B8%96%E7%95%8C.PNG


12 :
新スレ+テンプラ乙!

13 :
「また会いましたね」
「……」
「酷い怪我ですけど、あなたの探し人には会えたんですか?」
「……さあ、な」
「治してあげてもいいですよ。
 あいつの行き先を知っているなら、ですけど」
「……アーヴァインだったか。奴なら……城の方に行った。
 寄り道ぐらいは、している、かも……しれんが、な」
「本当ですか?」
「……信じる……も、信じないも、お前の、勝手だ」
「そうですね。
 ……では、さようなら」

14 :
リルムやサックスさんが言っていた。
この殺し合いには、自分たちの手で倒したはずの、悪い人が参加していると。
既に死んだはずの存在が生きているのは、時間を越えて呼び寄せられたから?
ううん。
もっと単純な答えを、私は知っている。
想いは、形に変わる。
強い願いは幻光虫と結びつき、恨みつらみが人を害する魔物となり、悲しみや未練が死人の姿を取る。
この世界にいる人達の幾らかは、きっと、そんな存在。
ずっと昔に亡くなった人たちが、自分は生きているのだと思い込んだまま、殺し合いをしている。
あの魔女や『  』の手によって、闇色に染められた幻光虫に、魂を縛られて彷徨っている。
異界に行ったはずのアーロンさんがいたのも、『彼』の姿をした魔物がいたのも……
きっと、それだけの話だった。
でも、私は確かに『生きて』いる。
それだけは信じていられる。
だってこんなにも『彼』の事を思い続けていられるんだもの。
私が魔女によって蘇らされた死人であるなら、きっと、あの魔物に惑わされたまま、『彼』の事を思い出せずにいるはず。
でも私は思い出した。
大好きな『彼』を、『キミ』を思い出した。
その笑顔に、胸の鼓動を高鳴らせることができる私が、死人なわけがない。
無論、私と同じように、生きている人はいるのだろう。
それでも私は『彼』に会いたい。
手を握って、その胸に身体を預けて、一緒に夢を見ていたい。
その為なら、死人であろうとまだ生きている人であろうと、踏み拉いていける。
"君のは、愛とは違う"
――あの男はそう言ったけれど、これほどまでに狂おしい切望が愛でなければ、何が愛なの?
"貴方が抱いてる感情って、本当に愛なんですか?"
――あの女はそう言ったけれど、真実に気づく切欠を与えてくれた思い出が愛でなければ、何が愛なの?
この男を見逃す気なんて、最初からなかった。
たとえ放っておけば死にそうな殺人者でも。
私は、彼を愛している。
だから『  』でなくとも、誰であろうと殺し尽くす。
私が銃を構え、引き金を引くのは――ただそれだけの話。

15 :
思うに、生きるとは、死ぬことだ。
このような殺し合いなどに巻き込まれずとも、人は生まれた以上、必ず死ぬ。
死を怖れて足掻いたところで、永遠の闇という幻影を生み出し、破滅へ引きずられていくのみだ。
だからこそ、俺は生きることを選んだ。
満ち足りた生を送る為に、いつ何時でも満ち足りた死を迎える為に、戦いの道を選んだのだ。
だが、俺は己が考えていた以上に様々なものを錆びつかせていた。
鈍った腕は、何度も無様な敗北を掴んだ。
欠けた覚悟は、相手を弱者と一方的に決めつけ、不要に見逃すなどという愚を犯させた。
それでも今日まで命を繋いでいたのは、幸運などという得体の知れない何かの気紛れが味方したからにすぎない。
今、俺の眼前には、1人の女が立っている。
笑顔の仮面を貼り付かせたまま、女は救いの言葉を口にする。
その声音の、その言葉の、なんと甘いことか。
例えその薄紅色の服が、落としきれない返り血の色に染まっているのだと気付いても――
聖母を思わせる微笑みと、指し示された生への道標は、強烈に心を揺さぶる。
『正しい答えは一つではない』
それは事実だ。認めよう。
一人で戦うことが強さであるように、仲間と生きることも一つの強さだ。
それも事実だ。認めよう。
他者と信頼関係を築き、命を預け。他人の為に己の命を賭して戦うなど、精神的弱者には選べない。
瞼の裏を、小柄な三つの影が過ぎる。
彼らは紛れもない強者であった。
それでも彼らが敗北したのは、実力が足りなかったから。
あるいは、覚悟が足りなかったから。
そして何より、運が及ばなかったから。
ただ一歩。あと一歩の差で、勝利に逃げられた。
敗北にて幕を閉じた彼らの生は、果たして満ち足りたものだったのか――俺にはわからんし、答える権利もない。
それでも、一つだけ断言できることがある。
その、たった一つの答えが、死にかけた俺の体を突き動かした。

16 :
今にも消え逝かんとする生命の灯を燃やし尽くしながら、全身のバネをしならせ、飛び起きる。
そのまま距離を詰め、銃口を推しのけて、渾身の一撃を放つ。
「なっ……!」
狼狽した女が驚愕の叫びを上げるより早く、拳が腹部を捉えた。
命と、魂と、矜持。残された全てを乗せた一撃は、確かに、女に片膝をつかせた。
しかしてその先を俺が知る事は叶わない。
全ての力を使い果たした体は、振り抜いた腕に抗うことすらできず、引きずられるように地面へと落ちていく。
倒れていく感覚すら、ゆっくりと。ただ、ゆっくりと。
視界が、感覚が、意識が、闇に消えていく。
最期に聞いた気がしたのは、幼子の声。
『サラマンダー、どうして?』
ああ、そういえば、理由を話していなかったな、と。
教えてやればよかったか、等と、らしくもないことを考えた。
"己が手で掴み取れぬ生に、何の価値がある"
俺が戦いを選んだのは、ただ、それだけの――

【ユウナ(ガンナー、MP微量、HP9/10)(ティーダ依存症)
 所持品:銀玉鉄砲(FF7)、官能小説2冊、
 天空の鎧、血のついたお鍋、ライトブリンガー 雷鳴の剣
 スパス スタングレネード ねこの手ラケット
 ビーナスゴスペル+マテリア(スピード) 水鏡の盾
 第一行動方針:ラムザの姿をしたアーヴァインをR
 第二行動方針:邪魔なギードを葬る /なんとしてでも生き残る
 基本行動方針:脱出の可能性を密かに潰し、優勝してティーダの元へ帰る】
【現在位置:南東の祠北・北東の祠への分かれ道付近】
【サラマンダー 死亡】
【残り 21人】

17 :
新作乙! サラマンダー…

18 :
投下オツ!
うおおお!? サラマンダー、マジか! マジなのか!
FFDQを代表するアイドルの一人も、ここで落ちるか……
そしてユウナのヤバさがどんどん加速しててヤバイ。
そらケフカも逃げますわ。

19 :
投下乙!!
とうとうサラマンダーが逝ってしまった……何だかんだで愛されてたよなこいつ
とりあえず天国でビビに一度詫びいれて、また仲良く過ごしてほしいと祈るばかりだ
にしてもユウナさんヤバすぎる

20 :
投下乙!!
うわああああサラマンダー…!
ついに9勢全滅か・・・サラマンダーもおつかれ。
あの世でジタン達に手荒い歓迎受けてビビに謝って、あとは仲間同士よろしくやってほしいよな
そしてユウナ様こわすぎてちびる…。アーヴァインとリュック逃げて超逃げて
でももう最愛の人は自分の手で葬ってもういないことを思うと些か滑稽というか哀れでもある

21 :
そろそろ放送に入っても良いのではないかと思うのですが、
放送前に書き進めたいパートがある方いますか?

22 :
私は大丈夫です。
2〜3日もたって誰もいなければ、突入しちゃってもいいかと

23 :
展開的に一段落つけないと行けないところってなかったっけ?
サイファー周りとか

24 :
マーダー減ったなあ

25 :
マーダーはセフィロス、ケフカ、ユウナ、セージの4人
4/21で約1/5がマーダーと考えれば、対主催戦もあるだろうしそこまで悪くはない

26 :
セージはマーダーとは違う気がするなぁ
いろいろとヤバいのは間違いないけど
あとセフィロスが大人しくなったもんだから、マーダーだったことすっかり忘れてたw

27 :
大人しくなったというか、カッパになったというか
今動いてんのは走りだしたサイファーと、それを追う動物たちやソロたちかな?

28 :
セフィは黒マテリア手に入れたあとどうなるかが気になるな
手に入れられたらの話だけど

29 :
対主催が分断されてる現状だとセフィロスが元の姿に戻ったら各個撃破されそうだな
城組がサイファーと合流後、さらにソロ達に合流すればいけるかって感じかな

30 :
最近セフィロスは目的優先な感じだからな
もちろん目的のために必要ならば大量殺戮もするんだろうけど

31 :
動いてるといっても放送後にフォロー入れられるところだし、
土日に書いてる人が出てこなかったら放送ぶっぱでいいんじゃないですかね

32 :
娯楽を続ける為に必要なモノとはなんでしょう?
時間? 物資? それとも熱意?
何かを楽しむという思考回路を持たない我々には、推測する事しかできないのです、
『定刻だ。
 太陽無き闇の世界にて、命を散らせた愚者たちの名を告げる』
ヘッドホン越しにアルティミシア様の御声が聞こえました。
首輪に仕込まれた盗聴器が、放送を拾っているのです。
半日置きに訪れるこの時間こそ、我々が主の存在を感じることの出来る唯一の機会。
蘇らせる価値も無いガラクタの端末は、アルティミシア様にお目通りする事など叶わないのですから。
『「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ザンデ」「ウィーグラフ」
 「マティウス」「アリーナ」「サックス」「タバサ」「テリー」
 「ルカ」「パパス」 「フィン」「ティーダ」「スミス」
 「カイン」「ピサロ」 「ターニア」「エリア」 「スコール」
 「アルガス」「サラマンダー」
 ――以上、22名だ』
忍び笑いと共に告げられた名の数々に、生存者は何を思うのでしょう?
悲哀? 憎悪? それとも――……?
『素晴らしい……実に素晴らしいペースだ。
 今や生存者は残り20人を切った。
 そろそろ現実が見えていない者共も、愛だの友情だの、何の価値もないと思い知った事だろう』
………。
『さあ、隣にいる者を裏切り、Rがいい。
 それが出来なければ、先に死体となった百人余りの後を追うのみだ』
美しい御声の残響を、首輪の持ち主の無粋な罵声が打ち消しました。
『くそっ!!!』と怒鳴り散らし、壁か床を叩いているようです。
苦悩と後悔と絶望に満ちたその様は、さぞやアルティミシア様を愉しませる事でしょう。
……それでよいのです。
この遊戯は、アルティミシア様の御心を満たすために行われているもの。
たかが機械に過ぎぬ我々の推測などで、偉大なる主の御機嫌を損ねるべきではないのです。
そう、【死者とされた数人が、首輪を外して生きているかもしれない】など――
そんな不安を掻きたてるだけの可能性など、進言すべきではないのです。
 殺人劇が起こる数十分前に、爆破信号を発信した死亡者の首輪……
 生存者を殺そうとせず、連絡ツールも、恐らくは武器類も置いていった殺人者……
 仲間の死体を確認にもいかず、殺人者を殺さないように訴える生存者……
無論、我々は課せられた職務に従い、謁見を許されているお偉方に音声データを提示したのです。
疑いを抱かなかったのはお偉方であり、アルティミシア様御自身です。
咎められる謂れなどありません。
娯楽を続ける為に必要なモノとはなんでしょう?
我々が推測した答えは【環境】です。
不安や不快感から隔絶された環境があってこそ、楽しみを感じていられると、そう考えるのです。
故に。
我々は、忠実に命令を遂行します。
我らが主、アルティミシア様が、娯楽に興じていられるように。

【闇の世界:昼→夜へ】

33 :
放送乙!
ほんとにどうでも良い事ですが、ザンデの方がウネより先だと思います

34 :
 すいません
ウネのほうが先 って言いたかったんです

35 :
34聞かなかった事にしてください

36 :
放送乙
ついに三日目も終盤か……

37 :
放送乙
新展開楽しみ!

38 :
このタイミングで申し訳ないけど本スレにも転載しておくわ
108 自分:名無しさん[sage] 投稿日:2012/05/28(月) 18:34:30 ID:???
こんなタイミングで申し訳ないけど、把握しづらい現在位置をまとめるためにCGI設置してみました。
皆で編集していきましょう。
ttp://www20.atpages.jp/~r0109/ffdqbr3/
使い方はDQ2ndWikiが詳しいです。
ttp://w.livedoor.jp/dqbr2/d/MAP

39 :
ほし

40 :
思えば、俺の人生は不幸って奴に満たされていた。
生まれを呪うつもりなどこれっぽっちもないが、掛け金が一つ違えば――
例えば爺さんが上手く立ち回っていたら、有り得たかもしれない『可能性』に、想いを馳せたことは数知れない。
無論、幸運だと思えた出来事もあったが、ベオルブ家に従った結果、平民風情に殺されるという最大級の不幸の前では、全て帳消しだ。
魔女の気まぐれで得た二度目の生は、こびりついた死の恐怖に汚され、気づけば剣を敵に向ける気概さえどこぞに無くした。
今の今まで、俺の人生の天秤は不幸に傾いていたのだ。
そう、今の、今までは――

手にはめた腕時計が午後6時を告げる。
放送を聞く為に夢の世界から抜け出したスコールと共に、俺はじっとその時を待った。
数秒後、小さくも無い地震と共に、どこからともなくおぞましい女の声が響き渡る。
『定刻だ。
 太陽無き闇の世界にて、命を散らせた愚者たちの名を告げる』
ちら、と隣に目をやれば、スコールは焦りも期待も浮かべずに、ただ虚空を見つめていた。
その静かな佇まいは、俺の胸で鳴る早鐘の音を引き立たせる。
うるさい、と思う余裕さえなく、俺はじっと汗ばむ手を握り締めた。
この期に及んでも刺客が訪れない以上、安全は保障されているようなものなのに。
俺の恐怖を知ってか知らずか、魔女はつらつらと名前を読み上げていく。
当然のようにウネの名前が混ざっていた。
忌々しい骸旅団の長・ウィーグラフの名も呼ばれた。
アリーナとマティウスの名前は予想の範囲内だった。
ティーダのことはスコールから聞いていた。
カインとピサロの名にはさすがに度肝を抜かれたが、そういうこともあるだろうと気を取り直した。
そしてイザの妹と、もう一人女の名が呼ばれ――
『―― 「スコール」 「アルガス」「サラマンダー」 。
 以上、22名だ』
聞こえた。はっきりと、聞こえた。
俺達の名前が。
まだ生きている俺達の名前が。
揺れていた天秤を幸福へと傾ける福音がッ!

41 :
******************
思えば、僕の行動は裏目に出ることが多かった。
あの時ああしていれば救えたんじゃないかと思う、そんな人達は、数える気になれないほどたくさん居る。
けれども、選ばなかった道には、『その先』など存在しない。
自分が掴み取った道だけが未来へ続く。
だから、後悔など、……後悔など、出来る限り、したくない。
ヘンリーとリルムの後を追い、祠の地下へ降りた僕は、二人の怪我人と出会った。
筋骨隆々の体躯ながらも片腕を欠いた格闘家、マッシュ。
氷の剣と血のにじむ足を抱えた青年、バッツ。
後者の名に覚えがあった僕は、ある人物の名を尋ねてみた。
奇しくもマッシュと同様に片腕を失った弟を連れた、元海賊と名乗っていた女性――ファリス。
僕の言葉に、彼は予想通り顔色を変えて矢継ぎ早に質問を浴びせかけた。
どこで出会ったのか。
どうしていたのか。
どうして死んだのか。
答えられたのは上の二つだけで、弟の下りには何故だか首を傾げていたが、
それでもバッツの気持ちを納得させることはできたようだ。
「きっと、そのテリーって奴のことを助けて、弟分にしてたんだろうな。
 ……ははっ、ファリスらしいや」
明るい、けれどもやはり憂いを帯びた笑顔に、彼女と彼を引き合わせることができればと一瞬だけ思い。
そんな夢想を抱いた所で何の救いにもならないと、首を横に振った。
時は戻らない。
死者は還らない。
無情に流れていく時が日没の区切りを過ぎたのだと気付かせたのは、
大きな揺れと、いつしか聞きなれてしまっていた魔女の声。
『定刻だ』という前置きから入り、僕らをひとしきり嘲笑した後、淡々と名前を読み上げていく。
当たり前だがウィーグラフの名も入っていた。
あと少しだけ彼と歩調を合わせることができたなら、彼ではなくセフィロスの名を加えることができただろうか?
考えるだけ愚かな問いが脳裏を過ぎる。
そうやって僕が煩悶している間にも何人かが呼ばれ、最後に、『アルガス』『スコール』と聞こえた。
剣を取り落した事に気付いたのは、カラン、と石畳が音を立てた後だ。
その名の持ち主達とは、別段仲が良かったわけじゃない。
後者に至っては会った事さえない。
けれども、例えばたった数時間前に交わした言葉だとか、例えば主人の恋人を探していた利発な犬だとか……
色々な事が渦巻いて、頭が、回らない。

42 :
アルガスは、生きて、リルムと一緒にいたんじゃなかったのか?
どうして彼が死んだ事を言わなかった?
知り合いだと知っていたから気遣ったのか?
それともあの女の子達が嘘をついていて、最初からここにはいなかったのか?
冷静であれば気づくこともあっただろう。
しかしそれは、現実にはなりえない、可能性の話だ。
疑問で満たされた頭は、何一つ真実を導き出せないまま、その音を聞いた。
――…ツン、コツン、コツン。
僕を除けば四人しかいないはずの祠で、有り得ない足音が響き渡る。
それも地上からではない。明らかに、階下からだ。
身構える僕を、しかし、リルムが手で制した。
その手には青い宝玉が握り締められていて、一瞬、眩い光を放つ。
『何をしたんだ?』と問いかける事さえ忘れ、僕は幼子の顔を――多分間抜けな表情で――まじまじと見つめた。
リルムはただ、人差し指を口に当て、それから扉を見やった。
――コツン。
扉を隔てた、その先で、足音が止まる。
軋みすら立てずゆっくりと開いた、二枚の金属の隙間から覗いたのは、一対の瞳。
闇の向こうに浮かんでいるのは、額に傷を刻んだ男の顔。
それが誰なのか悟る前に、『彼』は僕の姿を見咎めたのか、素早く扉を閉じてしまった。
数十秒の間を置いてから、一枚の紙片が、下の隙間から差し込まれる。
『説明はしたのか?』
表に綴られた文は、男の存在が夢や幻で無い事を証明しており。
僕以外の全員が、それを見て声を出さずに笑う。
何が起きているのか、尋ねたいことだらけではあったが、僕はリルムのジェスチャーに従い、口を噤んだ。
リルムは賢い。僕を出し抜き、舌を巻かせるほどに。
そしてそれ以上に、彼女は正義感が強い。
あのウィーグラフが、骸旅団長の称号を贈るなどと言い出すほどに。
だからきっと、彼女の指図も、この全く持って不可解な状況も、何か深い意味があるに違いないのだ。

43 :
ヘンリーが指先をナイフで薄く切り、紙に血文字を書き記す。
『まだだ』
その短い返事を挿し送ると、今度は二分ばかりの間を置いて、別の紙片が返された。
『俺の相方が、夢を通じて会話する道具を持っている。
 それを使って事情説明をしたい。
 俺達二人とそこの四人を信用してくれるだろうか』
明らかに僕宛の内容だ。
四対の目が紙片から離れ、僕に注がれる。
敵意があるようには見えない。
けれども、『夢を通じて』ということは、十中八九『眠らなければならない』ということだ。
だからこそ、自分達を信用するかどうかを聞いているのだろうが……
頭の中で振り子が揺れる。
先が描かれてない分岐路の地図、その上で、左右に振れる。
けれどもその振れ幅は最初から片側に寄っていて、時間と共に止まってしまった。
片一方の道を指し示して。
『わかった』
僕はそう書き記し、突き返した。
リルムが加担している時点で、悪事である可能性は限りなく低いのだ。
それに僕を罠にはめるつもりなら、こんなことを聞いたりはしない。
何より了承しなければ、彼らの行動の意味や二人の少女、それにアルガスの死に関する事情を知る機会は、廻ってこないだろう。
扉の向こうで、僕の返事を受け取った男は、どんな表情を浮かべたのだろうか。
そもそも彼は何者なのだろう。見覚えはあるのだが、なかなか思い出せない。
色々な事を考えているうちに、三枚目と四枚目の紙片が隙間から顔を覗かせた。
『英断に感謝する。
 その道具はウネの鍵、同名の参加者が作った魔法具だ。
 作り主の顔と名を意識しながら眠ると、夢を共有できる』
『全員、リストで彼女の顔を確認してほしい。
 それが終わったら、ラムザとバッツを眠らせてほしい。
 方法は任せる』

44 :
******************
『了解した』
戻ってきた紙片を確認して、俺は扉から離れた。
廊下を戻りながら、ゆっくりと息を吐く。
ちらと中を覗いただけだが、仲間達は全員生きていた。
少なくともアルティミシア側には俺達の動向はバレていないようだ。
ついでに、あの程度の足音なら、首輪内臓の盗聴器では拾われない可能性が高いことも判明した。
リルムが使える透明化の魔法『バニシュ』があれば、旅の扉までの移動は、ほぼ問題ないだろう。
(アルティミシア、あんたは一つ勘違いをしている。
 俺達は現実を見ていないんじゃない。
 現実を見ているからこそ、愛とか友情とか……そういうものの価値を、思い知ったんだ)
愛と友情、勇気の大作戦。
時間圧縮を乗り越え未来にいるアルティミシアへ挑もうという時、そんな作戦名をつけた男がいた。
過去も現在も未来も溶けた世界では、存在を認識する他者がいなくては時の流れに飲み込まれてしまう。
それ故に、人と人とを結びつける二つの絆と、作戦そのものを信じる感情を、作戦に冠したと言っていた。
命名者のことだから先に作戦名ありきで、後から理由を付け足した可能性も否めないが……
……いや、俺が言いたいのはラグナの古臭いネーミングセンスや性格じゃない。
とにかく、今度の作戦も、『愛や友情』がキーになるだろうということだ。
例えば、故郷で待つ家族への愛。元々持ち合わせていた友情。
例えば、ここで出会う事で初めて生まれた友情。この地で失われた最愛の人への愛。
その思いが生み出した、各々の決意と行動が、パズルのように組み合わさった結果、俺はこうしてここにいる。
『誰かのロマンチストっぷりが感染った』と茶化されては癪だから、口に出す気はないが。

「どうだった?」
奥の部屋に戻ってくるなり、アルガスが聞いてきた。
「全員無事だった。
 それと、あんたの知り合い――ラムザがいた。
 詳しい話は聞いていないが、大方、リルムを追いかけてきたんだろうな」
「素晴らしいッ、予想以上に上手く行ってるじゃあないか!!
 ガキもたまには役に立つもんだなッ」
数時間前の怯え方が嘘のように、アルガスは上機嫌で笑う。
確かに、『予想よりは』上手く行っているのだから、それも致しかたないだろう。

45 :
だが、俺達はまだ、薄氷の上にいることも事実だ。
盗聴器に俺達の声を拾われる。監視に見咎められる。
アーヴァインとバッツが死ぬ。リュックと俺が死ぬ。
中央の城が破壊され、脱出の手がかりが失われる。
どれか一つでも引っかかってしまえば、そこで希望は立たれる。
たまたま氷を割らずに歩けているからといって、油断をすれば、足元を割り冷水に落ちて死ぬように。
だから、打算によらず、お互いに協力し、信頼する心が――
『愛と友情』こそが、キーなのだ。
「アルガス、喜ぶにはまだ早い。
 夢世界での会話を成功させて、バッツの首輪を解除してからが本番だ」
「フン、ずいぶん慎重だな」
アルガスがせせら笑う。調子に乗りすぎだと思うが、一線を越えない限りは止める気にもならない。
「上手く行くさ。行かない道理がないからなッ。
 うすのろの魔女が気づく前に、輝かしい『未来』を掴み取ってやるッ!!」
声量こそ押さえているが、いささか耳障りな高笑いが響く中。
"さしずめ、『愛と友情、未来の大作戦』ってところか?"
――そんな台詞が、ご丁寧にラグナの声で、脳裏を過ぎって行った。

【アルガス(左目失明、首輪解除、睡眠中)
 所持品:インパスの指輪 E.タークスの制服 草薙の剣 高級腕時計 ウネの鍵 ももんじゃのしっぽ 聖者の灰 カヌー(縮小中)天の村雲(刃こぼれ)
 第一行動方針:夢世界で今後の作戦会議
 最終行動方針:とにかく生き残って元の世界に帰る】
【現在位置:南東の祠(最深部の部屋)】
【スコール (HP2/3、微〜軽度の毒状態、手足に痺れ(軽度)、首輪解除)
 所持品:ライオンハート エアナイフ、攻略本(落丁有り)、研究メモ、 ドライバーに改造した聖なる矢×2
     G.F.カーバンクル(召喚○、コマンドアビリティ×、HP2/5)
 吹雪の剣、ガイアの剣、セイブ・ザ・クイーン(FF8) 、貴族の服、炎のリング
 第一行動方針:夢世界で今後の作戦会議
 第二行動方針:首輪解除を進める/脱出方法の調査
 基本行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠:最深部の部屋】

46 :
【ヘンリー(HP1/3、リジェネ状態)
 所持品:アラームピアス(対人) リフレクトリング バリアントナイフ 銀のフォーク キラーボウ
     グレートソード、デスペナルティ、ナイフ  命のリング(E) ひそひ草 筆談メモ
 第一行動方針:祠の警備
 第二行動方針:出来れば別行動中の仲間を追いかけて事情を説明したい
 基本行動方針:ゲームを壊す(ゲームに乗る奴は倒す)】
【リルム(HP1/3、右目失明、魔力微量)
 所持品:絵筆、不思議なタンバリン、エリクサー、 静寂の玉、
レーザーウエポン グリンガムの鞭、暗闇の弓矢 ブラスターガン 毒針弾 ブロンズナイフ
 第一行動方針:アーヴァイン達とソロ達が心配
 第二行動方針:他の仲間と合流
 最終行動方針:ゲームの破壊】
【ラムザ(話術士、アビリティ:ジャンプ・飛行移動)(HP3/4、MP3/5、精神的・体力的に疲労、沈黙)
 所持品:アダマンアーマー、ブレイブブレイド テリーの帽子 英雄の盾 エリクサー×1
 ミスリルシールド、スコールのカードデッキ(コンプリート済み)、スタングレネード×2
 エクスカリパー、ドラゴンテイル、魔法の絨毯、黒マテリア
 第一行動方針:夢世界で説明を聞く
 第二行動方針:アーヴァイン、ユウナのことが本当なら対処する
 最終行動方針:ゲームから抜ける、もしくは壊す】
【バッツ(HP3/5 左足負傷、MP1/10、ジョブ:青魔道士(【闇の操作】習得)
 所持品:アポロンのハープ アイスブランド うさぎのしっぽ ティナの魔石(崩壊寸前)
      マッシュの支給品袋(ナイトオブタマネギ(レベル3) モップ(FF7) バーバラの首輪)
 第一行動方針:夢世界で説明を聞く
 第二行動方針:機会を見て首輪解除を進める
 基本行動方針:『みんな』で生き残る、誰も死なせない】
【マッシュ(HP1/20、右腕欠損) 所持品:なし】
 第一行動方針:休憩
 第二行動方針:アーヴァインと緑髪(緑のバンダナ)の男、及びエドガーを探す
 第三行動方針:ゲームを止める】
【現在位置:南東の祠(奥の部屋)】

47 :

着々と大世帯になっていくな

48 :
新作乙
ラムザはようやく落ち着いて話せるのかな?
波乱続きだったからなあ

49 :
投下乙!
ついに核心に迫る……!
スコールが主人公しててかっちょいいなあ

50 :
投下乙
ラムザとのコンタクトで一波乱あるかと思ったけど無事な感じでよかった
スコールは頼りがいがあるけど
それだけにゲームの参加者同士の戦闘には加われないのが痛い気もするね

51 :
ねえ。
意味なんかないって思えるようなことでも、やってみたら、とても大切なものが手に入ったりするんだよね。
キミとの旅で、知ったんだ。
色々な事をやったよね。
雷を避けてみたり、階段を上り降りしてみたり、飛空艇で行ったことのない場所を探してみたり。
昔は、ちょっとだけ退屈だなって思うこともあったけど……
こうして思い返してみると、やっぱり、楽しかったよ。
もちろん、傍にキミがいたからだろうけどね。
ねえ。
私ね、キミにもう一度会いたいの。
誰かを殺してでも、キミに会いたいの。
本当のキミなら、この気持ち、わかってくれると思うんだ。
でも、愛は、形にできないものだから。
愛は目に見えないものだから、誰でも好き勝手言えるんだ。
『そんなの愛じゃない』とか、ね。
おかしいよね。
自分が理解できないから、それだけの理由で、偽物と決めつけるなんて、理不尽だよ。
私の愛は――キミへの気持ちは、本物なのに。
お腹が痛くて、頭がズキズキする。
目の前で死んでる男に殴られてた時、はずみで、頭を打っちゃった。
私はキミに会いたいのに、こいつは邪魔をしたの。
ひどいよね。
ずっと会いたくて触れたくて探し続けてきたのに。
『    』や、周りの奴らが邪魔をして、キミに伝えることができないよ。
それが悲しくて苦しくて、どうにかしたくて。
私、一生懸命考えたんだ。
どうしたら私の愛を、キミへの愛を、形にできるのかって。
伝えられない想いでも、形にして残せたなら、本当のキミに会えた時、見せることができるでしょう?
考えて、考えて……そして、気づいたの。
私の愛は、ちゃんと、カタチに残っているって。

52 :
私は、キミに会うために人も魔物もRんだよ。
魔物は消えちゃうかもしれないけれど、人の死体は残るよね。
私がキミのために頑張れば頑張る程、死体は増えるんだよ。
ね、わかるよね。
私が築き、これからも重ねていく死体の山こそが、キミに捧げる愛のカタチそのものなの。
偽者じゃないキミなら、きっとわかってくれるよね。
私、信じるよ。
だから、だからこそ、私以外の誰かが、誰かをRなんて許せない。
私の気持ちをキミに伝える機会を、奪うなんて許せない。
ましてや、『  』が、私からキミを奪う事なんて。
そんなことが起きるなんて、許したらいけないの。
もちろん、わかってるよ?
目の前の人がとっくに死んでいる、なんてことは。
死んだ人を撃ったって、もう一度殺せるわけじゃないってことは。
でもね、この人は『   』と戦ったんだよ。
『   』と戦って、私が引き金を引く前に死んでしまったら、それは『   』に殺されたってこと。
――そんなの、ダメに決まってるじゃないッ!!
許せない!! 許さない!! 絶対に許さないッ!!
私はキミに会いたくて人をRの!
私が殺した人の数がキミへの想いなの!!
私が殺さなきゃいけないの!!!
誰であろうと私が、私が、私が殺さなきゃいけないの!!
『   』に奪われるなんてそんなこと絶対に許せない!!!
『   』は許せない!!!
『   』が許せない!!!
許せない!! 許せない!! 許せない!!!
『   』なんかじゃない、私が!! Rの!!!!
だから銃を撃つの。
私が殺した事にするために銃を撃つの。
何度でも。何発でも。何分でも。ずっと。

53 :
ねえ、見て。
人ってこんなに、元の形がわからなくなるんだよ。
これだけ壊れてしまったら、きっと生きていないよね。
ねえ、認めてくれるよね。キミなら、こいつは私が殺したって、そう思ってくれるよね。
信じてくれるよね。これが私の愛だって、キミならわかってくれるよね。
愛してくれるよね。本物のキミなら、『   』なんかに騙されたりしないよね。
手を止めて、空を見上げる。
太陽は何処にもない。
岩の壁で覆われた異世界の天蓋は、どこまでも陰鬱で息苦しい。
やっぱり、私はスピラの空が一番好き。
キミの髪みたいに輝く太陽と、キミの瞳みたいに透き通った蒼天の色が、大好き。
こんな世界にいつまでもいたくない。
キミが待ってるスピラに帰りたい。
本当のキミは、きっと、そこで待っててくれる。
キミは絶対に、私の愛を真っ直ぐに受け止めてくれる。
誰よりも、何よりも、キミだけを愛してる。
地面が揺れて、彼方に魔女の幻影が現れる。
死者を知らせるいつもの放送だろうけど、もう、そんなのはどうでもいいの。
大事な事は、私がどれだけキミへの愛を形にできたか。
そしてこの先、どれだけキミへの愛を証明できるか。
死んだ男は、『   』が城に行ったと言った。
ギードさんもプサンさんもクリムトさんもロックさんも、みんなあそこにいる。
これはキミがくれたチャンスなんだよね。
わかってる。ありがとう。
私、頑張るから。
だから、待っててね。

54 :
【ユウナ(ガンナー、MP微量、HP9/10)(ティーダ依存症)
 所持品:銀玉鉄砲(FF7)、官能小説2冊、
 天空の鎧、血のついたお鍋、ライトブリンガー 雷鳴の剣
 スパス スタングレネード ねこの手ラケット
 ビーナスゴスペル+マテリア(スピード) 水鏡の盾
 第一行動方針:皆殺し(アーヴァインと、ラムザの姿をした者が最優先)
 基本行動方針:脱出の可能性を密かに潰し、優勝してティーダの元へ帰る】
【現在位置:南東の祠北・北東の祠への分かれ道付近→デスキャッスルへ移動】

55 :
投下乙!
ユウナ様怖いよユウナ様……
自分の思い描く理想が、ティーダが、全てなんだろうなあ。
壊れていくタイトルも合わせて凄く怖かったです、夢に出そう

56 :
投下乙!
ユウナの壊れっぷりがまたひどくなってる……
城に向かったから、南東の祠にユウナ乱入という大惨事は起こらなさそうでひとまず安心…なのかなぁ

57 :
乙です!
>自分が理解できないから、それだけの理由で、偽物と決めつけるなんて、理不尽だよ。
何てでかいブーメランだw

58 :
初めまして、そうでない人はお久しぶりです。
現在、投票で決めた各パロロワ企画をラジオして回る「ロワラジオツアー3rd」というものを進行しています。
そこで来る11/24(土)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。
詳しくは
http://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
をご参照ください。

59 :
集計お疲れ様です。
FFDQ3 667話(+ 5) 21/139 (- 1)  15.1(- 0.7)
まとめサイトの表記に合わせました。

60 :


61 :
【16:15】
ガシャン、ガシャン。
金属の触れ合う音が、廊下中に響き渡る。
隼の剣と死者の指輪を飲み込み、カタカタと揺れる釜の前で、ロックはじっと成り行きを見守っていた。
しかし、複数の材料から一つの強力な武具を作り出すのが錬金釜の真価とはいえ、材料にも相性というものがある。
余り相性の悪い素材同士を放り込んでも、釜から放り出されれるだけであり……
「あー、これもダメか」
ボンッ、と、蓋を弾きながら飛び出た剣と指輪が、床をけたたましく鳴らした。
さて、一つ断りを入れておくが、ロック=コールは護衛であり見張りである。
扉一枚隔てた部屋の中で、二人の賢者と一人の男が、脱出に向けて研究を続けている――
その意思と行動が妨げられぬよう、外敵の接近を阻むことが、彼の第一目的である。
では、何故、錬金釜を持ち出して実験ごっこに興じているのだろうか?
答えは簡単。
護衛はともかく、見張りなどというものは、道具を使えば代用できるからだ。

62 :
彼らがいる一帯は、――ロック本人は名など知らないが――進化の秘法という禁呪の研究棟だった。
薬品類を混ぜ合わせるためのフラスコやビーカー、アルコールランプ、天秤や分銅、
参考書籍類、実験体と思わしき剥製、それ以上に使い道のわからない器具。
言ってしまえば、道具は幾らでもある。
ガラス製品を叩き割って床に撒けば即席のトラップだ。
小銭を混ぜて、歩いた時に音が鳴るようにしてもいい。
あるいは、薄暗く狭い通路に本棚や大量の本を積み上げて、偽りの壁に見せかけてもいい。
盗みに長けているものは、得てして凡人以上に防犯の知識や技術を持っているものだ。
そんなわけで、ロックは遠慮することなく錬金釜を弄っていた。
不要な道具を手当たり次第に入れているだけなので、一回も成功していないが。
「………」
――なお、部屋の中で研究を続けていたギードは、床から伝わる金属音を煩いと思っていたが、結局口に出すことはなかった。

63 :
【17:00】
賢者達の研究は、予想以上に早く完成へと向かっていた。
そもそも、片や次元の狭間に関する知識を持ち、片や旅の扉の創造法を知っているのだ。
言わば専門家、門外漢に劣る謂れはない。
おかげでプサンは、マスタードラゴンとしての知識をひけらかす必要もなく、部屋の隅で瞑想を続けることができた。
――けれども、見えない。
白いローブを着た青年の行方は、何度試しても、狂った少女をRシーンで途切れる。
最初はそれが、プサン自身の動揺から来るものだと思っていた。
違うと気付いたのは、追跡する対象を魔王から、力ある紅玉を持つ魔王の恋人へと切り替えた後。
焔色の髪を持つ男に襲われ、大人三人が眠る中、銀髪の少年が剣を持って立ち上がり――そこで、切れた。
唐突に。不自然に。
もしもここに、別れた青年達……ティーダやアーヴァインがいたら、こう言って茶化したことだろう。
『もしかして【電波圏外】なんじゃない? なーんてね』と。
だが、二人はここにおらず、故にプサンが原因に思い至る事もなかった。
彼の世界には存在すらしない概念と現象なのだから。
ため息をつくプサンの耳に、騒音が届く。
こちらはすぐに何が起きたのか理解できた。
ロックがまだ錬金釜を弄っているのだ。
扉を開け、上半身だけを廊下に覗かせる。
「あ、オッサン。
 この錬金釜ってヤツ、思ったより使いづらいなあ」
隼の剣を片手に、魔封じの杖を拾い上げながら、ロックはぽりぽりと頭を掻いた。

64 :
sien

65 :
sien

66 :
「隼の剣を強化するなら、速さを上げる装飾品や、破壊の力を秘めた魔剣が良いと言いますが」
プサンの言葉に、青年は渋い表情を浮かべ、身に着けた装飾品を触る。
「うーん。皆伝の証を使うのは、なんだか勿体ないんだよなあ。
 魔剣なんてのもないし……そうだ、魔石を入れてみようか?
 あ、でも、それはそれでやっぱり勿体ないし……」
「いっそベースを変えて、貴方の水晶の剣と、炎の鞭なんてどうですか?
 きっと炎の剣が出来上がると思うのですがね」
異世界に伝わる勇者の剣、それに次ぐと謳われた魔剣を脳裏に浮かべながらプサンは言った。
だが、ロックは『世間知らずだなあ』と言わんばかりに鼻で笑い飛ばす。
「おいおいおっさん、クリスタルソードがフレイムタンになっても嬉しくねーや。
逆に弱くなるじゃないか」
「えっ?」
「それじゃなくても属性攻撃なんて、対策立てられたら終わりだぜ?
 氷漬けの幻獣を解凍しに行くってならともかく、今は要らないって」
「えっ……」
"世界って広い。"
齢数万年を経た竜神は、生まれて初めて、そんなことを考えた。

67 :
 

68 :
sien

69 :
 

70 :
.

71 :
【17:45】
『☆スライム類の進化要因
 ――食性の変化……スライムベス(雑食化)
 ――環境の変化……バブルスライム(毒沼環境への適応)、マリンスライム(海底環境への適応)
 ――外部刺激………ホイミスライム系統(薬品汚染)、メタルスライム(流体ミスリルとの融合)
 ――その他…………キングスライム(異世界の巨大化スライムから派生した種)
 
 ☆動物種の魔物への進化要因
 ――瘴気汚染による巨大化、奇形化>外部刺激
 ――魔族や高位魔物種の血肉を捕食>食性の変化  [‡:D)+= <ノレブト"ラ ぉぃUぃね
 
 上記から立てた仮説:
 ◎進化には、高濃度の瘴気=そこに含まれる闇の力と、対象よりも高度な存在の血肉が必要である。
 →黄金の腕輪が必要とされたのは闇の力を増幅させることで安定した進化を可能とするため
 →異世界の文献に、『熊型獣人の心臓を喰らった狼が獣人化し、大量の眷属を築いた』という記述ああり。
 問題点:魔王様以上に高位の存在などいるのか?  ←アッテムト!
                           =+(o:‡]<ぃっ |よ゜い ぃるっしょ
 検証:
 ◎被験者にアンドレアル様から採取した血を飲ませ、進化の秘法を用いた
 →結果:悪魔魔族と竜族を合わせた形状に進化し、より強大な能力を得た。
                             〈ξXD)+<|= <セフィもひ〃っ<り
 比較検証:
 ◎被験者と同様に処置を果たした人間に、血を飲ませず進化の秘法を用いる
 →結果:異常進化による過剰再生により形状と自我の崩壊を起こす
 
                          >+(D:‡] <|ニ ん|ナ" ωご て" ぉk
                       ―132―    』

72 :
 

73 :
「……なんでアイツ、人んちの本に、こんなに落書きしてるんだ?」
「ピサロ卿が起きるまで待っていたようですし、相当暇だったんじゃないですかねぇ……」
それにしたってやりすぎだ、とため息をつきながら、ロックは本を棚に戻す。
開け放たれた扉越しにその様子を眺めていたプサンは、首を横に振り、廊下へと視線を戻した。
『食事ぐらいは部屋の中でゆっくり取った方が良いだろう』と、見張り役を交代しているのだ。
もっとも、ロックが作った仕掛けのおかげで、やる事は殆どない。
耳をそばだてていればいいだけだ。
「あーあ。ティーダの奴、上手く見つけられたかなー……
 つーかあの野郎、迷惑ばっかりかけやがって、どこで何してるんだ?」
椅子に寄り掛かり、両手を上げて背を伸ばしながら、ロックが呟いた。
彼の疑問に答えることもできぬまま、プサンは苦笑いを浮かべた。

74 :
sien

75 :
【18:00】
大きな揺れと共に、決して小さくない衝撃音が鳴り響く。
ロックが施した仕掛けのいくつかが崩れたのだ。
だが、二人の――いや、四人の思考を占めたのは、そんなことではなかった。
地震が起きたということは、即ち、放送が流れるということなのだから。
四人の予測通り、数十秒もしないうちに嘲笑めいた魔女の声が湿った大気を振るわせる。
読み上げられる死者の名に、誰もがじっと耳を傾ける。
そこに絶望しかないと知りながら、『仲間の名が呼ばれない』という希望を求めて。
……だが、そこには、やはり絶望しかないのだ。
『「アルス」「ギルガメッシュ」「ウネ」「ザンデ」「ウィーグラフ」
 「マティウス」「アリーナ」「サックス」「タバサ」「テリー」
 「ルカ」「パパス」 「フィン」「ティーダ」「スミス」
 「カイン」「ピサロ」 「ターニア」「エリア」 「スコール」
 「アルガス」「サラマンダー」  ――以上、22名だ』
賢者であれば、神であれば、『そういうこともあるだろう』という言葉で自らを納得させられるだろうか?
否、そんなはずはない。そんなわけがない。
彼らの胸に去来する言葉は、『何故、そうなる可能性を予見できなかったか』だ。
ロックが俯き、拳を固く握りしめる。
遠くで響く誰かの嘆きの咆哮が、その姿に重なって聞こえたのは、果たして偶然だったのだろうか?
そんなはずはない。
そんなわけがない。
絶望に彩られた幻想の語り手は、紛れもなく、彼らに出会う為に魔城へと足を踏み入れていたのだから。

76 :
.

77 :
sie

78 :
sie

79 :
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80 :
【プサン(左肩銃創) 所持品:錬金釜、隼の剣、メモ数枚
 第一行動方針:脱出方法と首輪の研究
 基本行動方針:仲間を探しつつ人助け】
【ギード(HP3/5、残MP3/5)
 所持品:首輪 
 第一行動方針:脱出方法と首輪の研究
 第二行動方針:アーヴァインが心配】
【クリムト(失明、HP3/5、MP3/5) 所持品:なし
 第一行動方針:脱出方法を研究
 第二行動方針:首輪の研究
 基本行動方針:誰も殺さない
 最終行動方針:出来る限り多くの者を脱出させる】
【ロック (左足負傷)
 所持品:キューソネコカミ クリスタルソード 魔石バハムート 皆伝の証、かわのたて
 魔封じの杖、死者の指輪、ひきよせの杖[0]、レッドキャップ、ファイアビュート、2000ギル
 デスキャッスルの見取り図
 第一行動方針:ギード達の研究の護衛
 第二行動方針:リルム達と合流する/ケフカを警戒
 基本行動方針:生き抜いて、このゲームの目的を知る】
【現在位置:デスキャッスル内部・隠し通路内部の一室】

支援ありがとうございました

81 :
投下乙です!
落書きwww くそwww
クリスタルソードがフレイムタンになったら、そりゃあ弱体化だわなwww
さて、ロワラジオツアー3rd 開始の時間が近づいてきました。
実況スレッド:http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1353757919/
ラジオアドレス:http://ustre.am/Oq2M
概要ページ:http://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
よろしくおねがいします

82 :
乙!
このチームも何だかんだで安定してるなあ
基本的に受け身の人達だからロックが警戒し過ぎる位が丁度良いね

83 :
FF

84 :
一度目のRは、突然の出来事でした。
まるで嵐のように突然現れ、貴方は去っていきました。
それが、全ての始まり。
いつも貴方は、私に会いに来てくれていました。
私を守るため、部下を配下させ、私の名を冠した町を造り。
いつだって、貴方は私のことを思ってくれていました。
一度目の別れも、突然の出来事でした。
人間達の襲撃、醜い私利私欲に私は利用されました。
価値が無いと判断されるや否や、私は人間達に切り捨てられました。
貴方は狂いました、そして誓いました。
人類全てを滅ぼすと、心に強く。
そして、進化の秘宝を用いて力を手に入れました。
二度目のRは、運命だったのでしょうか。
ソロさんの手によって蘇った私は、ソロさんたちと共に魔界に向かいました。
全ての真実を話し、力に狂う貴方を連れ戻しました。
そして、平和が訪れたはずの世界。
私は、貴方と共に平穏に過ごしていたはずでした。
そう、この場所に来るまでは。
二度目の別れ、今までの中でも本当に突然すぎる出来事でした。
進化の秘宝や、人間の醜悪さよりも遥かに「黒い」何かを纏った魔女。
彼女が、私たちを殺し合いの舞台へ招きました。
異次元の存在をにわかには信じられずにいましたが、この地でもたくさんの人にRました。
ソロさんのように清い人間や、邪悪をかき集めたかのような醜悪な人間。
様々な人とRながら、私は生き残ることが出来ました。
三度目のR、貴方はあの時と同じ眼をしていましたね。
人間全てを、殺してしまうかのような。
それも誤解だと、分かってはいたのですが。
間もなくして、三度目の別れが来ました。
道化師の嘲笑う姿と、貴方の手を伸ばす姿が見えました。
でも、私はその手を取れませんでした。
暗闇の中で、私はザンデさんに託されました。
この殺し合いを破壊する貴重な情報を手に、この舞台へ戻ることを。
そして、もう一度貴方に会うことを夢見て。

85 :
でも、四度目のRは来ませんでした。

先に告げられたのは、今生の別れ。
大空に浮かぶ魔女の顔が、愛する貴方の名を告げました。
それは、貴方がこの地で命を落としたという証拠。
ああ、そういえば初めてですね。
私より、先に貴方が別れを告げることになるのは。
いつもは、私が貴方に別れを告げる立場だったのに。
置いていかれるというのは、こんな気持ちなのでしょうか。
寂しくて、辛くて、悲しくて、たまらないです。
貴方がいない、もう会えないと分かるだけで胸が張り裂けそうです。
この殺し合いさえなければ、何も無く幸せに過ごせていたのに。
私が無力だったのがいけなかったのでしょうか?
疑うことを知っていれば、守られるという立場から抜け出せていれば。
ああ、貴方が力を欲したときの気持ちがわかります。
なんとなくですが、今の私には分かります。
どうしてでしょうか。今、すごく力が欲しいです。

誰にも頼らなくても生きていけるような、力が――――

ゴボッ

.

86 :
「ロザリー!!」
はっと意識を取り戻す。
目の前には心配そうな目で自分を見つめているザックスと、肩を掴んでこちらを見ているソロの姿がある。
「大丈夫、ですか」
「……はい」
鮮明に覚えているようで、ぼやけている自分の意識をハッキリさせながらソロの問いに答える。
よかったと一息零したあと、ソロがロザリーを見つめなおす。
「ロザリーさん、いいですか」
しっかりとロザリーの目を見つめて、ソロは語りかける。
「つらい、気持ちはわかります。
 ただ、貴方は堕ちちゃいけない。貴方は前を向いて、しっかり生きなきゃいけない。
 貴方が笑っていることが、ピサロ……アイツが望んだことだから。だから、しっかり前を向いてください。
 僕も、この地でたくさんの仲間を失いました。
 でも、下を向いてる時間は無い。
 彼らに笑われてしまうから、そんな暇ないだろって言われるから」
ソロは語る。
仲間を失ったこと、日常を奪われたこと。
ピサロという最愛の人を失ったロザリーへ語る。
そう、親友……最愛の人を再び奪われ、かけがえの無い仲間を奪われ。
ロザリーだけではない、日常を奪われたのは彼も同じなのだ。
だが、ソロは前を向いている。
その姿に、ロザリーは再びハッとする。
「行きましょう」
ロザリーの体から手を離し、ソロはロザリーに合わせて再び走り始める。
「……はい」
少しだけ流れたルビーの涙を拭い、ロザリーも前へ進んでいく。
そうだ、今はやるべきことがある。
愛する人を失ったことに、怒り狂っている場合ではない。
沢山の命が奪われたこの場所で、これからも命が奪われるこの場所で。
これ以上、悲劇を繰返さないために。
ロザリーも走り始める。

87 :
.
「……いいな、そういうの」
走り出した二人の横に合わせて走っていたザックスが、一連のやり取りを見てポツリと零す。
「信じられる仲間とかさ、愛する人とかさ。
 俺……あんまそういうの、いねぇからさ」
ソロには信じられる仲間が、最愛の人がいる。
ロザリーにも、この上無く大切な最愛の人がいる。
だが、自分はどうだ?
これだけの命が奪われても、ここまで深く落ち込むような仲間と呼べる存在はいなかった。
この地で出会った仲間の仇、復讐に駆られることはあっても、以前からの知り合いというのは少なかった。
彼は、この三人の中でもっとも孤独に近い人間だ。
「僕たちがいますよ」
そんなザックスに、ソロは笑顔で答える。
そうだ、先ほどのソロの言葉のように過去を振り返っている場合ではない。
今は前を向き、為すべきことをする。
これ以上、あの魔女に自由にさせないために。
共に戦ってくれる仲間と一緒に、前へ進んでいくだけだ。
「そうだな」
心強い仲間へ、一言と笑顔を返す。
「ありがとよ」
こうして一行はサイファーの後を追い、ピサロの城へ。
たくさんの思いが詰まった城へ。
彼らは、辿り着こうとしていた。
【ソロ(HP3/5 魔力1/4)
 所持品:ラミアスの剣(天空の剣) 天空の盾 さざなみの剣  ひそひ草
      ジ・アベンジャー(爪) 水のリング 天空の兜
     フラタニティ 青銅の盾 首輪 ケフカのメモ 着替え用の服(数着) ティーダの私服
 第一行動方針:サイファーの後を追う
 基本行動方針:PKK含むこれ以上の殺人を防ぐ+仲間を探す
※但し、真剣勝負が必要になる局面が来た場合の事は覚悟しつつあり】
【ザックス(HP1/2程度、左肩に矢傷、右足負傷)
 所持品:バスターソード 風魔手裏剣(11) ドリル ラグナロク 官能小説一冊 厚底サンダル 種子島銃 デジタルカメラ
 デジタルカメラ用予備電池×3 ミスリルアクス りゅうのうろこ
 第一行動方針:サイファーの後を追う
 基本行動方針:同志を集める
 最終行動方針:ゲームを潰す】
【ロザリー
 所持品:守りのルビー、力のルビー、破壊の鏡、クラン・スピネル、E猫耳&しっぽアクセ ウィークメーカー
 ルビスの剣 妖精の羽ペン 再研究メモ、研究メモ2(盗聴注意+アリーナ2の首輪について) 、ザンデのメモ、世界結界全集
 第一行動方針:サイファーの後を追う
 第二行動方針:脱出のための仲間を探す[ザンデのメモを理解できる人、ウィークメーカー(機械)を理解できる人]
 最終行動方針:ゲームからの脱出】
※ザンデのメモには旅の扉の制御+干渉のための儀式及び操作が大体記してあります。
【現在位置:デスキャッスル付近】

>>85 冒頭に改行三行が抜けてしまいました、申し訳ない。

88 :
>>87
たくさんの思いが詰まった城へ。
彼らは、辿り着こうとしていた。

たくさんの思いが詰まった城へ、辿り着こうとしていた。

89 :
新作乙!
ロザリーが堕ちなくてよかったー…

90 :
投下乙。
生存者の中でヒロインらしいヒロインってもはやロザリーだけだよな
頑張って生き残ってほしいわ

91 :
保守

92 :
薄暗い城内に、叩き付けるような靴音が響く。
薄汚れたコートをはためかせ、青年は一人、通路を駆け部屋を廻る。
けれどもここはデスキャッスル、人を拒む魔王の居城。
明かりは乏しく、道は広く、壁は厚く、仕掛けと隠された小部屋は多く。
探し求める賢者達の姿も、殺人者と化した知己の姿も見つけられぬまま、時だけが無為に過ぎて行く。
その現実に青年――サイファー=アルマシーは焦りを募らせていた。
それ故に、己を追いかけた動物達の姿に気付かぬまま、上階へ、上階へと探索の手を伸ばしていた。

『全く、サイファーったらどこまで行っちゃったのかしら』
『さあな』
ワンワンと犬が吠え、カーカーとカッパが鳴く。
サイファーが向かわなかった道の先、バリアに守られた石像の前で、アンジェロとセフィロスは会話を続けていた。
『落ち着いてる時はすごい頼りになるのに……
 焦ったり、変にカッコつけようとするととんでもない失敗をするのよね、サイファーって』
『そうか』
最低限の相槌を打ちながら、カッパは筆記具を弄ぶ。
人間と会話が出来ない不便さを悟ったセフィロスが、この場所に来る途中立ち寄った部屋――
かつて、彼がプサン達を見かけた部屋から持ち出してきたものだ。
そしてそこに残っていた臭いをアンジェロが追跡することで、一人と一匹はここまで辿りつくことが出来た。
邪魔な石像を動かし、背後の通路へ進んでいけば、間違いなくプサン達に出会えるだろう。
だが、二つ、問題があった。
一つは、サイファーがアンジェロ達の存在に気付いていなかったということ。
周りの意見を聞かずに飛び出し、城へと急いだサイファーに、背後を顧みるゆとりなどあるわけがない。
もう一つは、通路を守る雷撃のバリア。
その効力は城の入口で嫌と言うほど味わわされた。
知能こそ高けれど、犬に過ぎないアンジェロでは、再びバリアを超えるだけの体力はない。
無論、セフィロスならば容易く石像の元へ辿りつけるが、彼にはそこまでする理由がない。
ドラゴンオーブが手元にあるか、殺人者がプサンの元にいるならば話は別だったが、
現状では無様な姿を晒すリスクを推してまで会いに行く意味がない。
だから、一匹と一人は、通路に留まっていた。
留まるしか出来なかったというべきか。

93 :
『広いと言っても限りがある。遅かれ早かれ調べ尽くしてここに辿りつくだろうさ』
セフィロスはそう呟いて、ペンの軸を拳で握り締めた。
普通に持とうとすると、指の間に生えた被膜と皮膚を覆うぬめりが邪魔をして、滑り落としてしまうのだ。
さらに試行錯誤の末、床に紙を置いて安定させて、ようやく文字を書くことに成功する。
だが、その様子はまるで、
『……人間の赤ちゃんみたいな書き方をするのね』
アンジェロの言葉に、空気が凍った。
ややあって、セフィロスは咳払いをしたあと、紙を破り捨てる。
『全く忌々しい……!
 ケフカめ、この恨みはいずれ必ず晴らさせてもらうぞ……!』
復讐を誓う声音に含まれる殺気は刃のように鋭く、アンジェロの背筋を撫でつけた。
気弱な人間がこの場に居合わせたなら、それだけで卒倒してしまうだろう。
しかし、リノアと共にアルティミシアと相対したことがあるアンジェロには通じなかったし、
傍から見れば、かんしゃくを起こしてカーカーと鳴くカッパでしかなかったが。
『……はぁ』
クゥン、と一声鳴いて、アンジェロは通路の先を見やった。
サイファーは本当にアーヴァインをR気なのだろうか。
アーヴァインは本当にスコールを殺してしまったのだろうか。
答えはわかりきっているのに、それでも薄い希望に縋りたくなるのは、弱さなのだろうか。
『そうだ、犬。一つだけ確認しておくが……
 件の男は、今でも貴様の「仲間」に入るのか?』
彼女の思考を読んだかのように、セフィロスが問いかける。
アンジェロは尾を項垂れさせたまま、しばし目を閉じ、ゆっくりと首を振った。
『……リノアやスコールがここにいたとして、多分、彼を殺せとは言わないと思う。
 だから……私からは、「死なせないでほしい」としか言えないわ。
 貴方がそれを聞いてくれるとは思わないけれど』
『そうか』
陽無き闇の世界には夜もない。
テラスに続く開け放たれた扉からは、わずかな光が差し込むだけだ。
彼らに時を教えてくれるものは、数分後に流れるであろう放送のみであった。

94 :
溶岩の海に煽られて、生暖かい風が世界を駆け抜ける。
その流れに乗るように、黄色い巨鳥が茂みを掻き分け、道なき道を駆けていく。
背には金髪をなびかせる、同じ顔の少女が二人。
片や非常な軽装でチョコボの手綱を握り締め、片や白亜の騎士服に身を包み、顔を背けてまたがっている。
けれども不思議な事に、二人とも傷ついているようには見えないのに、鳥の羽や手綱にはところどころ赤い染みが出来ていた。
「もう、最初っから呼んどけばいいのにー……」
「ぶつくさ言われても、状況が変わったんだからしょうがないだろ」
白服の少女に、軽装の少女が答える。
けれども前者の可憐な声に対して、後者の声は男のソレだ。
彼女――否、彼が姿を偽っているのだと知っているのは本人達だけ。
走るチョコボは背中のやりとりを聞きながら、「クエッ?」と怪訝な表情を浮かべている。
「予定より時間も食っちゃったし、変化の杖なんて便利なモノも手に入ったしね。
 メリットがデメリットを上回るなら、そりゃ〜頼るよ」
軽装の少女の姿をした青年・アーヴァインの言葉に、本物の少女・リュックは首を横に振った。
「はーいはい、もう勝手にしてってば。
 ワケわからないこと言い出したり、一人で戦ったり、あたしのこと眠らせたり……
 あんたに付き合ってると、頭がウニウニしちゃう」
顔も視線も向けないまま、肩をすくめる少女に、青年はわざと同じポーズを取ってみせる。
「僕にしてみりゃ、君に振り回されっぱなしなんだけどね。
 ……さ−、ボビィ! もっとスピードだしてGOだ!」
「クエー!」
振られた手綱に反応したのか、青年の言葉を理解したのか。
首元の、『ボビィ=コーウェン』と刻まれたネームプレートをひときわ大きく揺らしながら、チョコボは勢いを増した。
「……妙〜に懐いてるよね、この子。
 呼び出せるのって、そこらにいる野良チョコボじゃなかったの?」
「よくわからないけど、名札ついてるし、飼われチョコボだったんじゃないかなあ……
 きっと、僕らと同じで、性格の悪いオバさんに拉致されてきたんじゃない?」
「クエッ!」
「ほら、そうだってさ。
 ボビィも大変だね、早くおうちに帰りたいよね〜」
「クエ〜!」
自分と全く同じ顔で、しかしどこか暗い影を落として笑う青年に、リュックはため息をついた。

95 :
(ホンットに何を考えてるかわかんない。
 人の事眠らせて指輪盗んだかと思ったら、チョコボ呼んで急ごう、だなんて。
 あたし、コイツの事信じてていいのかな?)
リュックは内心の疑問を解けないまま、アーヴァインにしがみつく。
それでも手を離さないのは、彼が己の思考を説明できない理由を知っているからであり、
信じようと信じまいとも、彼を見捨てるという選択肢は存在しないからだ。
(……あんまり変な事しようとしたら、ひっぱたいて止めないとね。
 いっくら人質役って言ったって、こいつのオマケじゃないんだもん)
彼女は決意を新たにすべく、ぐっ、と拳に力を入れ――た、ちょうどその時、地面が大きく揺れた。
「クエッ!?」「うわっ!?」
驚いたボビィが思わず足を止め、アーヴァインもたまらずバランスを崩してしまう。
だが、両手を握りしめていたリュックは、バランスを崩すだけではすまなかった。
「きゃああああああああああ!」
思いっきり振り落とされ、地面に強かに頭を打ち付けてしまう。
アーヴァインは呆れながらも、ボビィから降りてリュックの手を取り――
空から響き渡った大音声が、二人の意識を引き戻した。
 『定刻だ。太陽無き闇の世界にて、命を散らせた愚者たちの名を――』
「……良かった」
魔女の声が途切れた後、アーヴァインが最初に言ったのはそれだった。
リュックの手を握ったまま、彼女の顔で嬉しそうに笑い、言葉を継ぎ足す。
「ユウナが生きてて、本当に良かったよ!」
彼には珍しく真っ当に明るい口調と朗らかな笑みは、それが本心だと主張している。
けれども、リュックには、別の感情が隠されているように思えた。
彼女自身が、手放しでは喜べなかったからだ。
「……あのさ。もし、ユウナが、本当に」
ぶつけた頭をさすりつつ、言いよどむリュックに、アーヴァインの声が重なる。
「言うなよ」
短い返答は、彼が、リュックと同じ不安を抱いていたという証左だ。
だから、リュックは彼の言葉に従い、黙って一緒にボビィに乗った。
そして彼らが再び城を目指してから、ほんの数分後――
群生する草が急激に途切れると同時に、ボビィが足を止め、小さな声で鳴き出した。
「クエッ、クエ、クエー」
首を回したり、振ったりして、何かを伝えようとしているようだ。
リュックとアーヴァインは同じ顔を突き合わせ、小首を傾げる。

96 :
「どうしたんだい、ボビィ?
 あのお城は確かに怖いオジさんの家だけど、別に怯えなくても大丈夫だよ?」
「クエー!」
アーヴァインの言葉に、ボビィが羽をばたつかせる。
どうやら『違う!』と抗議しているようだ。
「……ね、もしかして、あっちに誰かいるんじゃないの?」
リュックがアーヴァインの背中を突っつきながら呟くと、ボビィは大きくうなずいた。
「クエー。クエッ、クエークエー」
ぱたぱたと羽を振るボビィに、リュックは胸を張ってみせる。
「へっへーん、スフィアはどっか行っちゃったけど、調教師の経験はダテじゃないもんねー」
そんな彼女を一瞥し、アーヴァインはひらりとボビィから飛び降りた。
「ふーん、すごいね〜。
 ドヤ顔してる暇があったら、ちょっと前にズレてくんない?」
「へ?」
ぽかんと口を開けるリュックの視界に、小さな銃口が映る。
「前にズレろって言ったんだ。僕があんたの後ろに座るから」
「わ、わかったってば……」
冷酷な表情が演技で、向けられているのが弾を抜かれた拳銃だとわかっていても、あまりいい気はしない。
リュックはしぶしぶ手綱を掴み、自分の身体を前へとずらす。
「これでいいの?」
「ああ」
怪我人とも思えぬ身のこなしで、アーヴァインはボビィに飛び乗る。
黄色の羽を赤く染めるのは、幻光の像に隠された彼の身体に纏わりついた、また彼自身が流した血の跡だ。
「何をする気なの? まさか、悪い事しようってんじゃないでしょーね?」
「するよ。悪い事」
眉をひそめるリュックに、アーヴァインはあっけらかんと言ってのけた。
堪らず彼女が振り向けば、そこにいるのは、折れていたはずの右腕を回す薄汚れたローブ姿の男だ。
左手に光線銃を携えた、限りなく殺人鬼に近い青年は、先刻までとうって変わり酷薄な笑みを浮かべる。
「いるのがユウナやソロ達ならともかく、僕の同業者だったら、あんただって困るだろ?
 こーゆーのは、先手必勝だよ、必勝」
どこまでが演技でどこまでが本心なのか。どこまで正気でいるというのか。
吐息にさえも血の臭いを混じらせ、青い瞳の奥に闇の色を揺らす青年の姿からは、最早判別はできない。
それでもリュックが何も言わなかったのは、『ユウナやソロ達ならともかく』という言葉を聞けたからだった。
「さあ、ボビィ! 後ろに回り込んでやれっ!!」
「クエーー!!」

97 :
エルフの耳は人のそれよりも大きく、敏い。
外敵から身を守る為に発達したとも言われているし、
森に生きる民として、獣の声を聞く為に大きくなったのだとも言われている。
だから、彼女が遠くから響いた奇妙な鳴き声に気付いたのは、至極当然の事であった。
「あら? あれは……?」
振り向いたロザリーの視界に映ったのは、草や石を巻き上げながら疾走する、黄色い何か。
彼女の声につられ、ザックスとソロも剣を手に向き直る。
けれども、世界を回ったソロにも正体はわからず、唯一人、ザックスだけがその生き物の名を言い当てる。
「チョコボ……みたいだな」
「「チョコボ?」」
「あれ、知らないのか? 人を乗せて走れるぐらい、でっかい鳥だよ。
 たまに野生種がいるらしいけど、こんな所にいるとは――ッ!?」
ザックスの言葉を遮ったのは、チョコボの背から放たれた一条の光線。
特徴的な音と高熱を伴い飛来するその射撃は、外れたのか、外したのか。
立ちすくむロザリーのつま先からきっかり一センチ先に命中し、地面を焦がす。
そしてソロが反応するよりも早く、二発の続射が男二人の足元をも焼いた。
「敵だ! ロザリー、急いで城の中へ走れッ!
 ソロ、彼女を守りながら退くぞ!」
「わかりましたっ!」
ロザリーの背を押し、彼女を庇って前に出たザックスと共に、ソロもまた盾をかざす。
ソロもザックスも接近戦を得意とする反面、遠距離戦には弱い。
それでなくても圧倒的な機動力を持ち、遠距離射撃を仕掛けてくる相手に、開けた場所で戦うのは愚策中の愚策だ。
剣で光線を弾きながら、ザックスはソロに話しかける。
「ソロ、相手の武器はレーザービームかなんかだ!
 実銃に比べて弾速は早いけど、貫通力はそれほどじゃない。
 落ち着いて防御しながら後退すれば、問題は――」
「れーざーびーむ……ビーム?!」
ザックスが口にした耳慣れぬ名称の武器に、ソロはひそひ草から漏れ聞こえた『音』を思い出した。
チョコボは数百メートル先で、ぐるぐると不規則に走り回っている。
いかにソロといえども、鳥の頭と羽に隠れた射手の姿は見えない。
だが、先ほどから自分達を狙っている射撃音は、紛れもなくリュックを撃った武器と同じ音を発している――
(まさか、アーヴァイン……! だとしたら……!)

98 :
「近づくな!」
チョコボに向かい足を踏み出したソロの身体を、ザックスが掴んで引き止めた。
同時に、光線がソロのイヤリングと、ザックスの肩を掠める。
「なあ、あれが噂の、お前の知り合いだったとしてだ。
 なんでチョコボの足を止めて撃ってこないと思う?
 動いてる状態でこれだけ狙えるんだ、立ち止まらせりゃもっと正確に撃てるだろうにさ」
「……反撃を喰らわないためじゃないんですか?」
「この距離でどうやって反撃するんだよ。
 魔法でも余裕でかわされるだろ」
チョコボとソロを交互に見やりながら、ザックスは言葉を継ぐ。
「十中八九、この攻撃は挑発だ。
 相手がお前だと踏んで、その気になれば追いかけてこれるように、わざと隙を見せたり狙いを甘くして撃ってるんだ。
 ――実際、お前、あいつの所へ行こうとしただろ?」
「……」
図星を指され、ソロは口を噤んだ。
リュックの救出とアーヴァインの説得、その思考を読んだ上での攻撃――
言われてみれば、彼ならやりかねないと思える。
「分断して確固撃破なんてのは、戦術の基本だ。
 基本になるぐらい有効な策なんだ。
 可愛いお姫様を放り出して、わざわざハマってやる必要はない。違うか?」
――最もな意見だった。
ソロは盾を構え直し、息を吐く。
「……すみません。急いで退きましょう」
「おっし。行くぞ!」
二人はじりじりと後退しながら、ロザリーが城内に逃げ込んだのを確かめる。
そして目くばせをしながらタイミングを見計らい、一気に走り出した。
背中越しに銃声を聞きつつも、光線が命中する事はなく、二人とも無事に扉まで辿りつく。
「ソロさん、ザックスさん!」
「まだ危ないからこっち来ちゃダメだ!
 ソロ、扉閉めるぞ! 奴が入ってこれないようにするんだ!」
「はいっ!」
安堵の表情を浮かべるロザリーを手で制し、ザックスはソロと共に大扉を閉ざす。
取っ手にソロが持っていた剣を通し、閂代わりにすると、彼はようやく額の汗をぬぐった。
「よーし、これでしばらくは大丈夫だろう。
 バズーカかなんかで扉ごと吹っ飛ばされたらお手上げだけどな」
ザックスは真剣な表情を崩し、にっかりと笑う。
その曇りのない笑顔に、ソロは何故か、幼馴染の少女を思い出した。
普段は友人として、時に姉のように振舞いながら、自分の手を引いてくれていた少女を。

99 :
「僕は……傲慢ですね」
ソロはぽつりと呟いた。
「え?」とザックス達が視線を向ける。
それでも彼は、拳を握り締め唇を震わせる。
「シンシアも、デールさんも……ビビもレナさんもわたぼうも、スコールもアルガスも……
 救えなかった人の方がずっと多いのに、今も……
 守るべき人を守ろうともしないで、そのくせ、リュックやアーヴァインを救いたいだなんて……」
俯いたソロの脳裏に、かつて殺めた青年の姿が過ぎる。
その時、彼は既に片腕を失い、半身を焼かれ、返り血のみならず己の血で全身を染めていた。
どうやっても助からない。もはや命を救う術などない。それほどの状態だから殺せたのだ。
もしも彼が五体満足であったならば、Rよりも先に、説得の術を考えただろう。
アーヴァインに対してそう考えているように。
けれども、もしもデールが生きていたら、ヘンリーは今生きていただろうか?
人を狂わせる【闇】の存在を知らぬまま、正気を取り戻させる事が出来ただろうか?
そもそも存在を知った今でも、【闇】を祓う術などわからないのに、取り込まれた人間を救えるものだろうか?
『傲慢ってのは、生きている相手を殺さない事だ』――サイファーはそう言った。
それは『生きている相手を殺せない』ソロに対する非難ではなかったのか。
実際、レーベでアーヴァインが死んでいたなら。
あの時ピサロを止めなかったなら、少なくともスコールとアルガスは死なずに済んだのだ。
「あ、あの……」
ロザリーが言いよどむ。言葉が見つからないのだろう。
そんな彼女を手で制し、ザックスはソロの肩を叩いた。
「なあ、ソロ」
「……?」
呼びかけられ、ソロは顔を上げる。
「てりゃっ」
その額に、突然パチンと衝撃が走った。
緑の目を瞬かせると、ザックスの顔と人差し指が目に入る。
指で額を弾かれたのだと思い至ったのは、たっぷり十秒ほど経ってからだ。
「はき違えちゃいけないぜ。
 そりゃ、人の手は二本しかないし、一度に掴める数は限られてる。
 誰も彼も救いたいなんていうのは『夢』さ。
 ――だけど、『だから』大事なんだ」

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