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リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第83話


1 :2013/07/31 〜 最終レス :2013/08/18
でも、えり、強くなりましたよ。
色んなことを経験して、色んな人と出逢って。
平和を守るヒーローに、少しでも近づけてるとかいな?
 第82話 『INNOCENCE』より
前回のお話はこちら↓
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ 第82話
ttp://hayabusa3.2ch.net/test/read.cgi/morningcoffee/1368503823/
リゾナントブルーAnother Versからストーリーを想像するスレ@wiki
ttp://www39.atwiki.jp/resonant/
第1話から20話までのログまとめ
ttp://resonant.web.fc2.com/
まとめサイト(仮) (1話〜24話までの小説は収録完了。シリーズ作品のリンク作業をまったり進行中)
ttp://www45.atwiki.jp/papayaga0226/
まとめサイト Ver.2(25話〜43話) IEで閲覧できない場合は火狐かChromeの導入を推奨
ttp://resonanter.blog47.fc2.com/
リゾナントブルーAnother Vers(ry 暫定保管庫(まとめサイト3) (44話〜最新)
ttp://www35.atwiki.jp/marcher/
掲示板 (感想スレ、作品題名申請スレ、あとがきスレ他)
ttp://jbbs.livedoor.jp/music/22534/
リゾナントブルーAnother Versから(ryのための掲示板@wiki ↑上記掲示板のスパムがひどいので作った避難所
http://www3.atchs.jp/resonant/
テンプレ>>2-7くらいまで

2 :
このスレの始まりと 今まで出てきた設定やイメージ画像
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/43.html
高橋愛
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/12.html
http://resonant.web.fc2.com/data/toro17097.jpg
新垣里沙
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/13.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17101.jpg
亀井絵里・道重さゆみ
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/14.html
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/15.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17110.jpg
田中れいな
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/16.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17099.jpg
久住小春
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/17.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17113.jpg
光井愛佳
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/18.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17114.jpg
ジュンジュン・リンリン
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/19.html
http://www39.atwiki.jp/resonant/pages/20.html
http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumbtoro17108.jpg

3 :
リゾスレ初心者向けQ&A
Q.このスレについて教えて!
A.このスレはモーニング娘。36thシングル「リゾナント ブルー」のPV(Another ver.)から想像に想像を膨らませて生まれたスレです
 作者一人ひとりによって設定は異なりますが、大まかに共通している設定は
 【超能力を持つ「リゾナンター」を名乗る少女たちが仲間同士心を通わせつつ「ダークネス」を名乗る敵の組織と戦う】といった感じです
Q.どの話から読めばわかりやすい?
A.テンプレ
>>1の過去ログまとめで第1話(第1スレ)に目を通すことを推奨。
スレの雑談では『蒼の共鳴』の名がよく上がります。但し一大長編ですけどねw
2周年を記念してスレの住人が色んな質問に答えているスレhttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/music/22534/1271246993/も参考になるかと
Q.メンバーのキャラ設定は?
A.作者個々によって違うが多くの作品で共有している設定は以下の通り
 高橋愛…………リゾナンターのリーダーで戦闘も強い実力者。喫茶店のマスターをしている
 新垣里沙………リゾナンターのまとめ役?だがその正体は「ダークネス」から放たれたスパイ。後に真の仲間となる
 亀井絵里………心臓病を患っておりよく入院している。さゆみと親友
 道重さゆみ……絵里と親友。心の奥には「さゆみの姉・さえみ」という別人格が眠っている
 田中れいな……喧嘩最強でリゾナンター屈指の武闘派。愛の喫茶店で住み込み店員をしている
 久住小春………売れっ子芸能人。何も考えていないように見えて案外熱血だったりするかも
 光井愛佳………家庭の内外で孤独を感じていたところを愛に救われた。リゾナンター随一の常識人
 ジュンジュン…パンダに変身する一族の生まれ。変身が解けると裸になる
 リンリン………パンダ一族を守る組織「刃千吏(バッチリ)」の一員。ギャグセンス以外はエリート
 譜久村聖………出てきた設定は、サイコメトラー、譜久村財閥のお嬢さん、変2など
 生田衣梨奈……出てきた設定は、KY、無感情、新垣さん命
 鈴木香音………出てきた設定は、物体をすり抜ける、すごい聴力、数少ないツッコミ要員など
 鞘師里保………出てきた設定は、水軍の家系の末裔、御神刀使い、念動力(水限定)など
 飯窪春菜………出てきた設定は、はう、ラブベリーナ魔法学院最終学年、ジョジョバカ
 石田亜佑美……出てきた設定は、蒼の剣士、ぺったん、貧しさが憎い、石プロ
 佐藤優樹………出てきた設定は、こんちくわ〜、たなさた〜ん
 工藤遥…………出てきた設定は、強い責任感、男前

4 :
【今まで出てきた能力まとめ】
高橋愛:精神感応(リーディング) /瞬間移動(テレポーテーション)/光使い(フォトン・マニピュレート)
新垣里沙:精神干渉(マインドコントロール)/鋼線使い/熱制御(ヒート)
亀井絵里:傷の共有(インジュリー・シンクロナイズ) /風使い(ウィンド・マニピュレート)
道重さゆみ:治癒能力(ヒーリング)
  さえみ(姉人格):物質崩壊(イクサシブ・ヒーリング)
田中れいな:共鳴増幅能力(リゾナント・アンプリファイア)
久住小春:念写能力(ソートグラフィー) /幻術(ハルシネーション)/発電(エレクトロキネシス)
光井愛佳:予知能力(プリコグニション)/心の浄化(ハート・プリフィケイション) /水守(みまもり)
リンリン:念動力(サイコキネシス)/発火能力(パイロキネシス)
ジュンジュン:念動力(サイコキネシス)/獣化(メタモルフォシス(トゥ・ビーストorパンダ)
譜久村聖 :能力複写(リプロデュスエディション) /残留思念感知(サイコメトラー・オブジェクトリーディング)/液状化(リキュエファクション)
生田衣梨奈:精神妨害(マインドジャミング)/精神破壊(マインドデストロイ)/植物と会話(スピリチュアル・トーキング)/鷹の目(ホークアイ)/空間誘導(スキップ)
鞘師里保 :水限定念動力(アクアキネシス)/水軍流の達人
鈴木香音 :非物質化(ディマテリアリゼーション)・物質透過(ペネトレイト)/超聴覚(ハイパー・ヒアリング)/獣化(マンティス)
飯窪春菜:五感共鳴(センス・リゾナント)/魔術(マジック)/粘液放出(アドヒア・セクレイト)/土念動力(ウォール)
石田亜佑美:幻獣召喚(イリュージョナル・ビースト)/小石限定念動力(ペブルキネシス)/加速(アクセレレーション)
佐藤優樹:瞬間移動(テレポーテーション)/死霊魔術(ネクロマンシー)/音響分析(アナライズ)
工藤遥:千里眼(クレヤボンス)/精神??(マインド・ブラスト)
小田さくら:幻獣召喚(イリュージョナル・ビースト)/精神干渉(マインドコントロール)

5 :
ジュンジュン獣化参考画像
http://resonant.web.fc2.com/data/panda.jpg
喰らってくたばれ!
必殺!
http://resonant.web.fc2.com/data/toro17054.gif
【喫茶店リゾナントイメージ】
間取り
http://resonant.web.fc2.com/data/142-1.gif
本日のランチ
http://resonant.web.fc2.com/data/155-1.jpg http://resonant.web.fc2.com/data/thumb/thumb156-1.jpg
タウン誌紹介文
http://resonant.web.fc2.com/data/toro28378.jpg
【TV・映画イメージ】
リゾナンター予告イメージ
http://jp.youtube.com/watch?v=wSVKqpCYrQs
リゾナンター予告編・i914Ver.  ※血液等の映像が含まれますので苦手な方は見ないほうがいいです
http://jp.youtube.com/watch?v=TEsl4BjQ8sA
リゾナンターの予告編パート2/映画風
http://jp.youtube.com/watch?v=9Rvh02cQQoI&fmt=6
リゾナンター/共鳴セヨ
http://jp.youtube.com/watch?v=3m65hxrvduY
リゾナンター予告編/ダークネスVer.
http://jp.youtube.com/watch?v=OkFqDKBJUBg&fmt=6
リゾスレ一周年記念動画
http://www.youtube.com/watch?v=VBgPc_o1u0E&fmt=18
The loneliness of the girls
http://www.youtube.com/watch?v=4IAclB1_-zs
リゾナンターOP
http://jp.youtube.com/watch?v=EXNriFUNuUY

6 :
【まとめサイト(仮)で投稿日順に読む裏技】
裏技などございません。小説に関してはトップページからストーリー:スレ別分類のページに飛んでいただければ投下順に並べております
タグによる分類など作業中ですがいつ完成することやら(遠い目

【まとめサイトVer.2で投稿日順に読むには】
タグでスレごと(第○話)の作品群を見ることができます。
登録日の順になっているのでそこからたどっていけばおk
閲覧できないよという場合は火狐やChromeなどIE以外のブラウザを導入してみて
【暫定保管庫(まとめサイト3)で投稿日順に読むには】
トップページからスレ別分類に飛んで(ry
最近の作品に関しては簡単な解説のページもありますのでそちらも参考に
【代理投稿を依頼するときのお願い】
したらば掲示板のアク禁スレに作品を上げるときは対処方法の指示も書いてください
例えば
・規制食らったので転載してほしい
・レス数多いから掲載を手伝ってほしい
など
転載する人は必ず投下する旨をアク禁スレに宣言していってください
(投下かぶり防止のため。宣言が同タイミングなこともあるのでリロード&しばらく待つのも大事)

7 :
ラーメンつけ面

8 :
カメラの正面

9 :
る揖斐

10 :
川*’ー’) < テンプレの設定やまとめサイトを参考にして自由に想像するやよ
ノ|c| ・e・) < 登場人物の能力やストーリーの背景・設定は作者さんの自由なのだ
ノノ*^ー^) < シリアル路線でもコメディ路線でもお好きなものどうぞ
从*・ 。.・) < AAを使ったものや1レス完結ものでもOKなの
从*´ ヮ`) < 他の作者さんの設定を流用するのもありっちゃ
ノリo´ゥ`リ < 気に入った話の続きや繋ぎの話を書いてみるのもありカナ☆
川=´┴`) < プロットを書いて他の作者さんにストーリーを書いてっておねだりしてもええで
川*^A^) < アーでも書いてくれるかは作者さん次第ヨ
川´・_o・) < ソッカー
作品投稿の際、10レスを越える場合は連続投稿規制(バイバイさるさん)がかかるので注意。
それから1レス当たり最大32行までしか入らないのでそれも注意。
http://resonant.web.fc2.com/data/toro18266.jpg
君の作品を待ってる
<※初めてスレを訪れた方へ>
 お勧めの作品やわからない用語については遠慮なく質問してみてください
 スレに何人もいるであろう「生き字引」が24時間以内に答えてくれるでしょう(多分)

11 :
スレ立ておつですよ〜

12 :
リゾスレキタキタキタキター
落ちてる間生きた心地がしなかったわ
ともかくスレ立て乙です

13 :
新スレ立っとる
>>1乙です

14 :
北の国から英気を養って帰還あげ

15 :
腹パンまち

16 :
新スレ乙
やっぱりここないと落ち着かないわ…いつの間にやらリゾナン病
17 :あぼーん:あぼーん
あぼーん

18 :
http://popup3.tok2.com/home2/rabsi/up/src/maturi48_1632.jpg

19 :
なんだまだやってたのか糞スレwww

20 :
おースレ立て乙です!
まだ作品も来てるからねー今度は落さないように。

21 :
うええおええ

22 :
ネタというか作品が途切れないのが凄いなといつも思う
ネタなくて落ちるならまだしも作品あるなら保全していきたい
そんな酔っぱらいホゼナンター

23 :
おはようホゼナンター

24 :
ホゼナンター到着っ

25 :
>>1ありがとね

26 :
昼休み前あげ

27 :
昼休み後あげ

28 :
 「なあ、小春。小春はなんで、リゾナンターになってくれたん?」
 「別に、面白そうかなあって。それにイマドキ正義の味方とか
 どんな人達が集まるのかなって見てみたくて」
 「そうか。そうやな、あーしもなんで結成したんやろ。
 ホントに、イマドキ正義の味方なんて流行らんわな」
 「……愛ちゃんって、冗談も通じないですよね」
 「冗談やったの?」
 「……」
 「愛ちゃんはなんで、リゾナンターを作ろうなんて思ったの?
 チカラがあるだけで、誰かも知らない人の助けになろうなんて。
 お人好しを通り越して、世間知らずもいいところですよ。
 利用されるだけされて、愛ちゃんが得られるものなんてないのに」
 「なんか今日はよく喋るね。気にしてくれとるんやな」
 「……」
 「ごめんごめん、真面目に答えるからそんなにぶすくれんといてよ。
 …得られるもんはあるよ。こうして自分のやりたい事もしてるし
 とりあえず、皆がおるっていうのはあーし的には一番大きいな。
 正義の味方なんてもんを助けてくれるあんたらは、ホントに良い子やよ」
 「ならもし、小春達がその良心を利用しただけの人間なら、どうします?
 良い子ぶった顔をして、愛ちゃんを笑ってる人間なら、今までどおり接してくれます?」
 「小春、そこが、良い子なんやよ」
 「え?」
 「あんたは自分がやりたい事をしたらええんよ。
 あーしが自分のやりたいように正義の味方をしてきたように。もちろん皆もな。
 自分が信じた力、それが一番のチカラになるんよ」

29 :
久住小春がタクシーで移動していた時、異様なほどの震えが襲った。
全身を覆うような震えは心臓に達する。鼓動が荒い。
呼吸がしにくい、この状態は以前にもなったことがある気がする。
 『i914』と対峙した、あの時のよう。
感情が高ぶる。これは恐怖、いや、むしろ戦う場所へ身を投じる時のような興奮。
悔しい。悔しい。悔しい!
何故こんな想いをするのか分からない、感情が混濁する。
乱される、掻きまわされる、ぐちゃぐちゃに。
何かが違う、これは、自分の心なのかどうかがハッキリしない。
どうしてここまで自身の心を縛るような事態になっているのかが分からない。
分からない。
分からないが。きっと、理解している。
自分のこの手で終わりにする。そうしなければ何も進めないならば。
 「ここで降ります」
 「お客さん、すごい汗だけど、大丈夫かい?」
 「おじさん、すぐにここから離れた方がいいよ。出来るだけ遠くに」
サングラスを掛け直し、久住は運転手の言葉を聞き流しながら
財布から紙幣を取り出して足早に外へ飛び出した。
そこは公園の一角であり、真上にはモノレールの高架がある。
その先は運河へと続き、歩いても10分はかからずに辿り着く。
線路の下に公園があるというのも不思議な景色ではあるが
昼間であれば憩いの場としてそれなりの人も居ただろう。
普段なら人々の心をいやす公園内に生えている木々。

30 :
それが今は空恐ろしく感じるのは気のせいだろうか。
ざあっと風が吹き、木々の葉を騒がしく揺らした。
その木の葉のざわめきが、唐突に途切れる。
 それはとても、薄い世界。 
 虚ろな殺意と殺気に支配された世界。
そして、ほんの数メートル先にいる小さな影
こんなに接近されるまで気が付けなかった。感覚の衰えを痛感する。
相対する鬼の容姿を見た。
あれが、本来の姿なのだろう。
戦闘衣装を纏った全身に回路のような筋が這いまわり、それが
不気味な虹色の燐光を発している。
異能を保持する証として瞳には黄金が煌めき、金髪が燃えるように逆立つ。
もはや人間ではないあの人の命が煌々としている。
あの命を奪うか、奪われるかのみの関係。
ただ殺し合うのみの関係へと堕ちてしまった自分達。
言葉は通じるのかは分からないが、あの状態ではもう無意味なのかもしれない。
久し振りに会えたというのに、感動も何も無い。思い出話さえ浮かばない。
相手が何故、久住を選んだのか、その理由を本人は知らない。
i914が空虚な笑みを浮かべてきた事によって、考えることを止めた。
 「――――ッ」

31 :
【瞬間移動】で眼前に現れ、脳天を砕こうとでも言うように拳が打ち落とされる。
だが、遊具に【念写能力】を付与させた久住の姿が破壊されただけに過ぎない。
地面の砂ぼこりから飛び出す影。
久住は乾電池を挟んだ拳を握り、低く構えて半歩前進、同時に拳を打ち上げる。
狙ったのは顎。サングラスに光の筋が煌めく。
【発電】を付与させたこの一撃で、脳が揺れるという人間の常識が
通じてくれるかは分からない。
電流による火花を散らせながら、そのまま勢いを殺さずに打ち抜く。
その一撃は【精神感応】で既に把握され、i914は回避しつつ右手を腰にまわしてナイフを抜いた。
狙ったのは腹。内臓を引き裂こうとする金属の刃は、磁力操作の下で回避した。
瞬間、足で踏ん張り、膝と肘を上下からi914の手に正確にぶち当てた、指から嫌な音が鳴る。
そして一瞬だけ片足を下ろすと、そのまま大地を蹴って前蹴りを敢行する。
鳩尾への狙いはあっさりと跳躍で避けられ、その軸足をナイフで刺された。
激痛に呻き声が上がり、サングラスが地面に落ちる。だが一瞬の隙も与えてはいけない。
一つでも見せれば命は無い。死。死ぬくらいなら!
唇を噛み締めながら、久住は紫電で囲んだ頭突きをi914に喰らわせた。
体勢を崩すi914の視界から抜け、サングラスを拾うと【念写能力】で風景に紛れ込み
遊具の影へと隠れると、刃を手で思いっきり引き抜いた。傷口から大量の血が吹き飛ぶ。
 「っ…ホント…面倒くさいなあ…」
久住が取り出したのは、以前、道重さゆみから預かっていた【治癒能力】
が付与されている消毒液だ。
もしもの為にとメンバーに一人ずつ渡していたもの。
【ダークネス】には道重のような異能者はおらず、これに頼るのは三度目。

32 :
靴を脱いで吹きかけると、みるみる傷痕が癒えていく。
細胞の再生による痛みはあるが、それさえ我慢すればあっという間に完治する。
まるで魔法のような異能だ。靴の穴は直せないのは惜しいが。
 道重の顔が浮かんで、一瞬、想う。だがすぐに消えて、周りの様子を伺った。
 
i914は久住の光景をただ見つめていた。
現在進行形で【念写能力】を行使する久住の姿がどこにあるか知っているように。
余裕だとでも言いたげに、苛立ちを思える歪んだ笑みに、久住は口を開く。
 「こんな情けない小春が可笑しい?愛ちゃん」
それは親しげな人間に対しての呼び名。
思わず、という訳ではない、意図的に、意識的にそう呼んだ。
眼前の人物がどんなっだったのかを確認するように。
自身の胸中にある本人だと認識するために。
 「だけど、こんなあたしでも、意地ってのがあるんだよね」
久住はサングラスを掛け直し、自分の掌から紫電を生みだす。
ただ一発。渾身の一撃を与えれば、勝てる。
心臓を止める為に、この雷霆があるのだから。

33 :
>>28-32
『異能力 -That's why murder of-』
以上です。
前スレ>>363
りりりリホナンター待ってたよリホナンター!
規制だと思ってたけど核爆弾(カビ事件)抱えて帰ってきてくれると思ってた!
朽ち果てよ鞘師腐乱(サヤシンランドール)!!とか何それカッコいい!
-------------------------------------------------------------ここまで代行

34 :
更新代行乙
小春が一矢を報いることができるか
次回の更新も待ってます

35 :
作者も戻ってきたね

36 :
おっと

37 :
夜保全

38 :
>>33
乙です
覚悟を決めた小春の姿が某コミックの雷神アドルフさんと重なって見えてしょうがない
i914と小春の刃はどちらも速いが対決の行方が気になる

39 :
つまんねーな

40 :
さ保全だ

41 :
あまり主人公じゃない人間が二種類も三種類も能力使うのは好きじゃないがこの小春はいいね
続き待ってます

42 :
さっそく作品がきてよかった!良作が豊作で良かった
初めてスレ立てて思ったのはテンプレ最新版を掲示板に残してほしいなと
今回能力設定とか更新したけどもれがありそうな気もするし
あと修行不足でテンプレを最後まで書き込めず他の方の助けをいただいたのもあり(>>10さんに感謝!)
ずっと続いたテンプレだけど内容を整理してレス数を減らすとか駄目なんでしょうかね
長文失礼!

43 :
>>42
何気に能力更新されてるんですね〜忘れてたのもあるので助かります
確かにテンプレ長い気もするけど…今までの作者さんやスレ住民の歴史が詰まってる事を考えると…100スレいったら、記念に会議してみては?

44 :
今度の新曲の衣装(愛のジョーク)が戦闘服ぽいな
リゾブルの衣装の継承形みたいで悪くないね

45 :
ねるなんと

46 :
進化するスレ

47 :
おはナンター

48 :
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/816.html の続きです

49 :
繁華街から少し離れた、雑居ビル。
ぎらついた光と色の洪水から逃れるように、その小さなバーはビルの地下に佇んでいた。
闇に潜るように、還るように。
「永遠殺し」は、地下へと続く階段を降りてゆく。
世間から隔離されたような、場所。
扉を開けると、寡黙なマスターが静かにシェイカーを振っているのが見える。
カウンターには、女が一人。銀色のファーを纏った、ショートカットの女性だ。
「遅いじゃないですか、姉さん」
「待たせたわね。でも、組織の『茶番』の参加をかわすために、これでも色々と苦労したのよ」
言いながら、ショートカットの隣に座る「永遠殺し」。
テーブルには、華奢なグラスに満たされた青い液体、同じものを、とだけ言いそして再び女に向き直る。
「ダークネスのほうは、順調なんですか?」
「おかげさまで。飛ぶ鳥を落とす勢いのあんたのとこほどじゃないけど」
「実入りはいいけど、うちの『先生』は姉さんのところを恐れてる」
女が、戯れに懐からけん玉を出して弄びはじめた。
剣先から大皿へ玉を移動し、中皿へと動かそうとしたところで、玉が宙に止まる。
「よしなさい。今日はそんなことをするためにあたしを呼び出したんじゃないでしょう?」
時を止められた、けん玉。
女は小さくため息をつき、それから。
「組織を、抜けることになりました」
「意外ね。『後輩に席は譲らない』んじゃなかったの?」
「来たんですよ、そういう時代が。この前の組織編成で、成り上がりがトップに立った。支店の連中も獣化能力者の取引がどうのこう
のって話で大きく序列を上げた。あの場所での私の役目は終わったんです」

50 :
女の表情に見えるのは、寂しさかそれとも次世代への期待か。
「永遠殺し」にはそれはわからなかったし、理解するつもりもなかった。
「あたしたちはそう簡単に退かないわ。能力者にとって理想の国家を作る、その願いが叶うまではね」
「そういうのは、私にはわかりません。私は、私たちは理念よりも本能で行動しますから。姉さんのところの『a625』のように」
アルファベットのaから始まる型番を持つ、人造人間。
ダークネスと女の所属する組織がクローン技術を互いに共有している、ただ一つの揺ぎ無い証拠。
文字通り、流れることのない時の中で二人が佇む。
誰にも遮られることのない空気を、言葉にならない意思が交わされた。
だが、永遠さえ死に至るその場に、いつまでも浸っているわけにはいかない。
女が青色のカクテルを飲み干したのが、時の終わりの合図だった。
「そろそろ行きますよ。何か助けが必要だったら、声をかけてください。組織から離れるとは言え、それくらいの力はあるつもりです
から」
そう言い残し、女はファーコートを翻し店を後にした。
その背中を見送りながら、「永遠殺し」はふと彼女の言う「先生」とダークネスの先代科学部門統括の間に親交があったことを思い出した。
片や子供を庇護し、片や自由のために子供を手放した、か。
庇護は束縛でもあるし、それが本人のためになるとは限らない。
だが、女の言うところの「a625」は、いなくなった親の代わりに自らの友を生きる指針とし、生きる目的に摩り替えた。結局どちらが
幸せなのかは、誰にもわからない。
出す事のできない答えを求めるように、「永遠殺し」もまたグラスに揺れる青を喉に流し込むのだった。

51 :


「もう、本当に…本当に心配したんだから!!」
喫茶リゾナントに戻った面々は、予想通りさゆみに叱責を受けることとなった。
さゆみが任務から戻って来ると、壊れたテレビと不機嫌なれいなの姿。後輩たちの身に尋常ならざる何がが起こっているのは明白だっ
た。
訪れる不安、焦燥、想像したくない結末。
無事な姿を見せることで緊張は緩み、同時に溜まっていたものが一気に噴出するのも、また仕方がないこと。
「『赤の粛清』と戦ったって、何でそんなこと…せめてさゆみやれいなにどうして一言かけてくれなかったの!!」
避難先の廃屋で愛に言われたことと、同じ。
返す言葉もなく項垂れている後輩たちの中で、ただ一人さゆみをまっすぐ見据えるものがあった。
「でも、でも! 敵は、優樹ちゃんを人質にして、先輩たちに話したらRって!!だから、だからしょうがなく…!!」
新しく入ったリゾナンターたちのまとめ役として。
聖は、言わないわけにはいかなかった。確かに見通しは甘かった。けれども、その時点での自分達では他に取る方法が見当たらなかっ
た。やり場のない気持ちを抱えているのは彼女たちも一緒だったのだ。
「…じゃあ、敵がRって命令しよったら、フクちゃん死ぬと?」
さゆみの後ろで、それまで黙ってやりとりを聞いていたれいなが口を開く。
「えっ…そんなことは」
「敵に弱みを握られて、仲間の一人を殺せって言われたら、言うとおりにすると?」
れいなの強い眼光が、聖を射抜いた。
答えられない聖は涙を浮かべ、その場に泣き崩れてしまった。

52 :
「れいなは。ここでみんなを待っとる間、ずっとみんなのことを信じてた。やけん、みんなもれいなやさゆのこと、信じてるって思ってた」
「それは…」
「互いに信じあうのが、リゾナンターっちゃろ? それができないなら、リゾナンターやめり」
何かを言いかけた春菜だが、「リゾナンターを辞める」、その一言で言葉を発する事ができなかった。春菜だけではない。遥も、亜佑美も、
香音も、衣梨奈も、里保も。優樹でさえも。それだけ、れいなの言葉は重かった。
「…今日はもう帰り。一晩休んで、それから、もう一度リゾナントの玄関に入る覚悟があるやつだけ、来たらいいけん」
れいなの言葉に頷く後輩たちだが、どことなく力がないように見えた。
「これからリゾナンターとして、ダークネスと戦わなきゃならないこと。厳しい戦いになると思う。だから、自分達の胸に、もう一度だけ
問いかけてほしい。成り行きじゃなくて、本当にあの恐ろしい人たちと戦う事ができるのかって」
れいなの言葉を継ぎ、さゆみが全員に問いかける。
ダークネスの幹部クラスと戦った経験があるからこそ、その言葉には真実があった。

53 :

新しいリゾナンターたちが出て行った後の、喫茶店。
キッチンに入り込んでいたさゆみが、小さなコーヒーカップを二つ携えて戻ってくる。
カウンターに佇むれいなの前にカップを置き、さゆみもれいなの向かいに座った。
「ごめんねれいな。本当はさゆみが言わなきゃいけない言葉だったのに」
申し訳無さそうに言うさゆみに、れいなは手を振り否定する。
「れいなが言いたかったから言っただけやけん。別にさゆのポジションを奪おうと思ったわけやなかよ」
「ううん、さゆみだったら、きっとあそこまで言えなかった。ありがとね」
さゆみは。
若い後輩たちにこれからの戦いについての覚悟を正すことができなかった。
組織随一の実力とは言え、たった一人の能力者にまるで歯が立たなかった自分達が、偉そうに後輩に決意を問うことをしてもいいのか。
思いは逡巡する。
それにしても、れいながまさかあんなことを言うとは。
かつての9人だった頃なら、きっとれいなは我関せずの態度を取っていただろう。
リゾナントを襲った悲劇から、数年が過ぎた。
後輩の育成に力を注ぎつつも、さゆみは、そしてれいなは。あの時よりも強くなった。それでも、再び「銀翼の天使」クラスの実力者の
襲撃を退けられるかどうかはわからない。
「あの子たちが、形はどうあれダークネスの幹部クラスに接触した。ある意味、ピンチだったかもしれんけど、逆にチャンスなのかもし
れん」
れいなが最初に気づいたのは、無事に戻ってきたはずの後輩たちの顔色が一様に冴えないことだった。ダークネスとの戦いの中で、自分
を含めた仲間たちが時折する表情にそれはとてもよく似ていた。ぎりぎりの死線を辛うじて潜り抜けてきた時の、表情に。

54 :
彼女たちには、その壁を乗り越えて欲しい。
だからこそ、れいなは敢えて厳しい言葉をぶつけた。敵に与えられた恐怖に、リゾナンターとしての使命や心の繋がりが打ち克つように。
「あの子たち、大丈夫かな」
言いながら、カップに口をつけるさゆみ。
湯気の向こうには、頼もしい同期の顔。
「れいなは、あの子たちのこと、信じてる。だってれいなの後輩やけん」
「さゆみの後輩でもあるけどね」
「もちろん、さゆのことも信じとうよ」
れいなが、いなくなった後も。
その言葉は口にすることなくれいなの中に消えてゆく。
自分のいない、喫茶リゾナント。そんなことを自然に考えるようになった。この体にあの忌々しい黒い血が流れている限り、その未来図は確
実なものとしてれいなに差し迫っている。
怖くはない。けど。
徐に啜ったカップの中の液体は、思いのほか、苦かった。

55 :
>>48-54
ここまで代理

56 :
>>44
同じ事考えてる人発見wあれ見て最初の印象がそれだった

57 :
>>55
更新そして朝から代理乙です
何だか今回の話の軸が見えてきました
イアを逆から読んだらアイですもんねw

58 :
>>55
段々世界の全体像が形を為してくるのがワクワクしますね
多くの登場人物それぞれが向かう先も気になります
>>57
パロディでそのネタ使おうと思ってたのに先越されたw

59 :
いろんな物が繋がりつつある感じだね

60 :
読む前保全

61 :
>>42
古参だけどテンプレの整理するの賛成です
これまでも何度か整理してきましたし

62 :
ほぜっ

63 :
どう

64 :
>>58
パロディもお待ちしておりますw

65 :
上げとくんだろうね

66 :
うむ

67 :
おやすみずき

68 :
83話かあ
すごい

69 :
就寝前にホゼナント

70 :
起床後にホゼナント

71 :
>>70は健康的ホゼナンター

72 :
さあ大量投稿の週末がやってきましたよ

73 :
自分の場合週末に色々考えるので投稿は週明けっすw

74 :
楽しみにしています

75 :
あげ

76 :
よう

77 :


78 :
あげ

79 :


80 :


81 :
寝る前にほぜなんとしとく

82 :
おやすみ

83 :
おはよう

84 :
『闇に棲む者』 ↓
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/175.html
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/187.html
http://www35.atwiki.jp/marcher/pages/715.html
の続きです。
当初は数行で終わる予定のエピソードでしたが、せっかく“見えた”ので…。
めちゃ遅いですが「田中れいな卒業記念」(?)として書いてみました。
今回はエロ無し。若干残酷シーン有り。
『闇に棲む者』 part4

85 :
物語は、新宿で起きた通称「歌舞伎町マル暴ビル火災事件」の数ヶ月前へとさかのぼる。
深夜の渋谷。曲がりくねった、細い「ビルの谷間」とでも言えそうな暗い路地裏を、疾走する一人の女がいる。
華奢で細身な肢体に、ゴスロリ系・・・とでも言うのか、フリルの付いた黒のノースリーブのトップスに、白いフリルの付いた黒のミニスカートを纏い、右のふとももにだけ、やはりフリルの付いた黒いガーターリングをしている。
指先の見える、オープンフィンガータイプの黒革の手袋のハードさは、ややコーディネートとしては不釣合いかも知れない。
履いている爪先まで厚底のハイヒールブーツは相当走り辛いはずだが、その走るスピードは異常なほどに速い。
走りながらふと女は振り返り、ウェーブのかかった茶髪の隙間から猫のような鋭い眼を覗かせ、口角を微かに上げる。
路地を追ってくるのは5〜6人の柄の悪そうな男たちだ。ド派手なシャツやらジャージやら…。『ヤクザ』というより『チンピラ』に近い、そんな連中が手に手に得物を持って一人の女を追いかけている。
得物といっても鉄パイプ、ナイフといったものから、拳銃、はては日本刀らしきものを抱えた者までが、必死の形相で足場の悪い裏路地を駆け抜けていく。
追われていた女が路地を急速度で左へと曲がり、すっと姿が見えなくなる。
先頭を走っていたチンピラの一人が慌てて拳銃のトリガーを起こすと、ダッシュして細い路地へと駆け込んで行った。少し遅れて他の男たちも後に続こうとした、その時…。
ゴンッ…!!っという音と共に、先に駆け込んだ男が、棒のように硬直した姿で路地から倒れこんでくる。
路地のコンクリの地面に脳天を打ちつけた男は、両脚をピンと伸ばして硬直させ、ビクビクと痙攣する。

86 :
その右の眼球には、アイスピックを長くした様な…長く太い『針』のような得物が深々と突き刺さり、その先端は後頭部まで貫通して、飛び出していた。
「ち、畜生ッ!!」「あの野郎ッ!!やりやがったな!!、」
口々に叫びながら男たちが路地へ飛び込んでいくと、そこは20m四方程の、ビルに囲まれた暗い袋小路のスペースだった。
ドラム缶やら木箱やらが無造作に積み上げられた雑然とした空間。周囲のビルの照明も既に消え、一本の常夜灯だけがポツリと闇を照らしている。
…女の姿は見えない。
「野郎… どこへ行きやがった?」
一人の男が叫んだ瞬間…。 パンッ!!という音が響き、男の眉間にきれいに丸い穴が穿たれ、男は崩れ落ちるように倒れる。
男たちが慌てて見上げると、すぐ横のドラム缶の上に女が腰掛け、足をぶらぶらさせながら、先程の男が抱えていた拳銃を構えていた。
「て、てめえは拳銃(ハジキ)は使わねえって…」 
…パンッ!!
言い掛けた男の眉間にも銃弾が炸裂する。
「拳銃は好かんっちゃけど…。使わないなんて言った事はなかとよ…」
女は言いながら次の標的を探す。
男たちは慌ててドラム缶や木箱の陰に、飛び込む様に身を隠す。
標的を見失った女は顔をしかめると、指で耳をほじる様なしぐさを見せ、
「…やっぱれいなはうるさいのは好かんと」
そう言って、拳銃を男たちの隠れたあたりの空中に高く放り投げた。
「うおっ!?」「…おお!?」
近くに隠れていた男が2人飛び出すと、空中をくるくると飛んでくる拳銃に手を伸ばす。

87 :
ちょうど拳銃の落下地点近くにいた男が「確実に取れる…!」 そう思った瞬間には、恐ろしいほどの俊敏さを見せた女が、既に男の足元に飛び込み、屈みこんでいた。
眼にも留まらぬスピードでガーターリングから『針』を引き抜くと、立ち上がりながら男の顎の下の柔らかい皮膚に突き刺す。
『針』は口内の上顎を突き抜け、脳を突き刺し、最後に女が皮手袋の掌底を『針』のエンドに叩きつけると…。
ガコンッ!! 鈍い音が響き、男の頭頂部から頭蓋骨を打ち抜いた『針』が飛び出す。
男は手を伸ばした姿のまま、人形のように固まってばったりと倒れた。
「て、てめえっ!?」
飛び出したもう一人の男が硬直している前で、女は落下してくる拳銃を自らキャッチして見せ、そしてそのまま素早く拳銃を男の顔に向けた。
男も慌てて自らの拳銃を引き抜き、同時に女の顔へ向ける。
「う、動くんじゃ…」 …パンッ!!
言いかけたまま、男は額を打ちぬかれて崩れ落ちた。
「…アホとちゃう?動くに決まっとろう?」
女が嘲笑う。
「野郎!!」
怒りに駆られて、隠れていたもう一人の男が思わず飛び出す。
パンッ!! …女が振り向きざまに拳銃をぶっ放すが、これは的を外した。
顔をかすめる弾丸に我に帰った男が逃げ惑うのに向け、パンッ!!パンッ!!っと無造作に女は弾丸を放つが、すべて外れ、周囲のビルのコンクリの壁に白い煙が上がった。
ガチッ…!ガチッ!! 回転式の拳銃は6連発だったらしく、弾が切れ、激鉄が空しく音を立てる。
「ハッハーッ!!弾が切れやがったな!!」
逃げ惑っていた男がやにわに勢いづいて女のほうへ向き直る。…しかし。

88 :
ブンッ!! 風を切る音が響き、猛烈な回転を与えられた拳銃が、恐ろしいスピードで男の額に激突する。
…ドゴォッ!! 赤いアザミの花でも咲いたかのような血飛沫が派手に飛び散り、男は体ごと吹き飛ぶと、ビルの壁に激突して動かなくなった。
しん… と静まり返る空間。
ザシッ… 
コンクリートを踏む音が響き、一人の男が物陰から姿を現わす。180cm程の痩躯。赤い革のロングコートを羽織り、質素な黒鞘の日本刀を携えている。
こけた頬に薄い唇。オールバックに撫で付けられた髪の下の眼光は、これまでの「チンピラ」どもとは桁の違う殺気を放っていた。
*** *** ***
アイツも逝ったな…。頭蓋骨がヤラレちまってやがるぜ、あのザマではよ…。
あの女、なんてェ腕力だ…?ゴリラかよ…。
俺はそんな事を考えながら、ゆっくりと女の前に姿を現す。
俺が連れてきた舎弟はみんな死んじまったようだな…。
…だが不思議と腹も立たねえよ…。この女はヤベえ。
コイツを相手にしようと思った時点で、アイツらは身の程知らずだったってこった。
俺は自慢のダンビラを鞘から抜き放つと、鞘を放り投げた。
カラーン… と乾いた音が響く。
鞘を捨てて勝負に負けたヤツってのは誰だっけな…? 巌流島の小次郎か…?

89 :
俺は基本に忠実に…、正眼に刀を構える。この女相手には遊んでいる余裕はなさそうだ。
こんなに真面目に刀を構えるのはいつ以来だ…?そう、俺がこのヤクザな道に入るきっかけになった、「あの日」以来かも知れねえ…。
*** *** ***
ヤクザの家に生まれた俺は、幼い頃から「後ろ指を指される人生」を送ってきた。
だが俺には「天分」があったらしい…。高校のときに剣道に“はまった”俺は、あっという間に腕を上げ、一時は「天才高校生剣士」などともてはやされたもんだ。
そして「あの日」…、俺は高校総体の個人戦決勝に臨んでいた。
…しかし…。俺が何度技を決めても「一本」にならねえ。どうも妙な雰囲気だった…。
…真相は今もわからねえ。
だがな、剣道の世界には警察関係者が多いんだよ…。それまでも俺はオヤジの素性を知る警察関係者に、競技場で嫌味を言われたりする事は珍しくなかった。
俺はそれを、俺の素性を知る審判員たちの偏向ジャッジと理解した。
そして… 俺は「試合に勝つ」事よりも「勝負に勝つ」事を選んだ。
ダンッ…!! 激しく音を立てて右足を踏み込む。まずは「面」撃ちだ。決まった…!だがそんな事は関係ねえ。どうせ判定は取れない。
俺はそのままさらに激しく踏み込み、打ち込んだままの体制で相手に思い切り体当たりをかます。
そして俺はバランスを崩し吹っ飛ぶ相手の喉元に、追い討ちの「突き」を全力で叩き込んでやった。

90 :
狙い通り…! 相手は宙を飛ぶように吹き飛び、床に叩きつけられる。…これでいい。もうヤツは起き上がってはこれねえよ。俺は危険行為で判定負けだろうが…。
俺は「勝負」には勝った。そう思った。 …だが、それは間違っていたらしい。
ヤツは本当に起き上がっては来なかった。 …永遠に。
この件以来、剣道界も追放となった俺は、お約束のように「この道」に入った。
最近はあまり泥臭いシノギも流行らなくなったこの業界で、いまだにダンビラ振り回して暴れているのは、俺なりのこだわりなのか…? 
それとも、真剣を「人切り包丁」として使うことで逆に貶めてやりたい… という俺なりの意趣返しなのか…?それは自分でも良くわからねえ。
…おっと。 …何だよこの「走馬灯」シーンは…?
女と向き合ったほんの一瞬の内に、俺はそんな過去の情景を見た。
やべえな…。「死亡フラグ」立っちまってんじゃねえのか?
…まあいい。こいつは「あの日」以来のまともにやり合える相手かも知れねえ。
*** *** ***
「…来な」
…俺がその言葉を発し終わるより先に、既にあの女の顔が俺の眼の前にあった。
猫のような大きな眼が、長い睫毛の下でキラキラと輝いている。
息遣いさえわかる… 吐息も掛かりそうに思える距離で、小振りな唇が艶々と光っているのがはっきりと見えた。
気のせいか…? 俺は女の発する芳しい雌の香りさえ嗅いだような気がした。
ギィンッ…!!

91 :
金属音が響いた。
眼の前わずか数ミリを『針』の先端がきらめきながら通り過ぎる。
この女の超高速の一撃をかわせたのは、俺自身にもどうしてかわからない。一時は「天才」とも呼ばれた俺自身の反射神経のおかげか、それとも昔の反復練習が身体に染み付いていたのか…?
とにかく、俺は自分でもよくわからない内に真剣をなぎ払い、俺の左の眼球を目指して飛び込んできた、女の『針』の一撃を凌いでいたらしい。
…いや。凌げてはいなかった。
左の頬に激痛が走る。…やべえ。相当深く抉られてるぜこいつは。
頬の肉が骨までも達しそうな勢いで、深く切り裂かれているのがわかる。血が盛大に頬を流れ落ちてシャツを汚していく。
だが、それを気にしている暇はない。いつ第二撃が飛んでくるかわからねえ。
目ン玉をぶっ刺されなかっただけ運が良かったってこった。
女は既に先程と同じ… 数メートル先の暗がりに佇み、こちらを伺っていた。
信じがたいほどに高速のヒットアンドアウェイ…。 それがコイツの戦法だ…!ほんのわずかの隙も見せるわけにはいかねえ。次はかわせるかどうか…!
全身が総毛立ち、心臓がバクバクと音を立てる。
ヤベェぜコイツは…!!
「ふぅん…」
女が感心したようにつぶやく。
「…れいなが一発で仕留められんかったのはアンタがはじめてっちゃよ」
「…はぁ…!? …ンなこたぁ知るかよ」
俺はことさらにさりげなく応えるが…。
…そうだろうともよ。俺も正直何でかわせたかワカラねェよ。
…眼を外すな…!焦りを悟られるな…!落ち着け…!

92 :
>>84-91
連投規制回避の為ここで一旦休憩
一時間後に再開予定

93 :
「…アイカが言ってただけの事はあるっちゃね…」
…アイカ…? 誰の事だ…?
ギンッ…!! 金属音が響く。
「うおおおおお!!」
思わず叫び声が出る。またしても眼の前に女の顔があった。異常なほどのスピードで飛び込んできた女は、ほんの一瞬俺と眼を合わせてニヤッと笑うと、またあっというまに間合いの外へと飛び去る。
…またしても紙一重で払いのけた『針』は、今度は顔面をかばった右手の甲をザックリと切り裂いていった。血がボタボタとしたたる。
ふざけんなっ…!!なんなんだあのスピードは!!
わけがわからねえ…!どんな鍛え方をすればあんな動きが出来るんだ…!?
闇の中に立つ女の脚は頼りないほどに細く、少女のように華奢な、むきだしの肩や腕は、鱗粉でもまぶしたような…、鈍い、しかしきめの細かい輝きをまとっている。
コイツはあれか…?軍流れかなんかの…「身体能力増幅薬」でも使ってやがるのか?
そうしたらコイツは“疲れ知らず”な可能性もあるぜ…?マズい…!マジでマズイ…!
このまま続けられたら確実に俺もお陀仏だぜ…!!
タンッ…!! 軽やかな靴音を立てて、再び女が動いた。
…見える…!! 初めて女の初動が見えた。
女の顔はあっというまに眼の前に迫っていた。マスカラで纏められた睫毛が3本、くっきりと見えている。

94 :
ガッ…!! ガッ…!! ガキィッ…!!
女は逆手にもった『針』を俺の顔面へ… いや、眼球をめがけ、今度は3連発で叩き込んできた。 …畜生!!ふざけんなッ…!!
「だあああああ!!」
気合とも悲鳴とも付かない声が出る。
…受け切れた…!信じられねえ…!
俺はほとんど夢中で刀を振るっていた。そして俺は初めて女の攻撃を無傷で凌いだ。
「うおおおおお!!」
反撃だ!…俺は全力で女めがけ横殴りに刀を振るう。
…ブンッ!!
俺の人生の中でも最高に力の乗った一振りは、だが空しく風を切った。
…女は既に数メートル離れた位置で、何事もなかったかのように、軽くダンスのステップを踏むような動きを見せている。
…ふざけやがって…! 頭に血が昇る。
…女の攻撃は恐ろしく速い。そして腕力も十分に強い、だがいかんせんヤツは軽い。
だからこそ、『針』でその力を一点に集中させ、骨の無い、抵抗の少ない「眼球」を貫くという戦法を選んだのだろう。
けっこう考えてやがる…。やべェぜ。このままじゃあジリ貧だ…。確実にやられちまう…。
刀を握る手が汗ばんでいる。しかし汗を拭く隙さえも今は無い。
…どうする? …どうすれば良い?
「こりゃあ…。 …ひょっとすると“あたる”んかいな…?」
女がポツリと何事かつぶやく。
その顔が、何か決意をするかのようにひきしまった。
…来る…!!

95 :
タンッ!! 女が軽やかにダッシュする。
いちかばちかだ…!!
女がスタートした瞬間、俺は右脚を思い切り右斜め前方へ踏み出し、身体を思い切り左に回転させると、“たったいま自分がいた空間”を全力で切りつける。
賭けだった。
女の攻撃は、カウンターを取りようもないほどに速い…。だが、ヤツは必ず俺の眼ン玉を狙ってきやがる…。
ならば、いっそヤマカンで…!ヤツの飛び込んでくる空間を薙ぎ払ってやるぜ…!!
ブンッ…!!
俺は渾身の力で刀を振るった。 …狙い通り…!!飛び込んできた女の顔が間近に見える。
極限状態まで研ぎ澄まされた俺の眼に、スローモーションのように女の表情が見えた。
…畜生ッ…!!
女の喉元を襲う俺の刀に、女は確かに虚を衝かれたはずだった。…だが、女は「おや?」とでも言うような表情を微かに見せ、次にはあきらかな微笑を浮かべながら俺のダンビラの切っ先を紙一重でかわして見せた。
…だが、次の瞬間、突然女がガクリとバランスを崩して腰を落とす。ブーツの紐が何かに絡んだのか…!?…理由はわからない。
だが俺はもう一度全力で踏み込む。左から右へ。しゃがみこむ女へ、袈裟懸けに切りつける。

96 :
女は冷静な表情を微塵も崩すことなく、再び俺の切っ先を紙一重でかわそうとした。
だがその瞬間…!! 踏み込んだ俺の革靴が、石畳の上を激しくスリップする。
俺は体勢を崩し、ほとんど飛び込むように女の方へと倒れこんだ。
それが俺の…、 そしてヤツの、予想を越えた刀のスピードと到達距離、そして角度の変化を生んだ。
女の喉元をかすめるはずだった切っ先は、グィッと方向を変え、女の細く、白い左の肩口に食い込む。
「うぉぉぉぉぉおおおおおーッ!!」
身体を投げ出すような不安定な体勢で、俺は両手に全体重をかけて刀を振るう。
ゴリッ… という骨を捕らえる感触。
俺のダンビラの切れ味は伊達じゃねえ…!!
バシュッ…!!という肉を切る鈍い音が響き、眼の前に赤い血飛沫の霧がかかる。
宙を飛んだ女の白い腕が、ボトリと目の前に落ちた。
もらった…!!
俺の、勝ちだ…!! この先の光景は、もう俺には見えている…!
「…ぁぁぁぁぁ…」
女の口から細い、悲鳴とも付かない声が漏れる。
女の顔から見る見るうちに血の気が引き、蝋細工のように真っ白になっていく。
血がボタボタと溢れ出る肩の傷口を押さえながら、女はコンクリートの床に弱々しく膝をつく。
…もうこの女にたいした時間は残されて無いだろうが…。
殺られちまった舎弟達の分もいたぶって、苦しめて殺してやるべきか…?それともその強さに免じて、ひとおもいに殺してやろうか…。

97 :
…だが。それは、俺の油断が見せた一瞬の幻だったらしい。
気付いた時には、女は流れ出る血を流星の尾のように振り撒きながら、俺の眼の前に飛び込んできていた。
数センチの距離で女の蒼ざめた顔が見えている。微かに汗ばんだ肌。やや色を失った艶やかな唇。そして大きな瞳…。
ガコンッ…!!
鈍い音がバカでかく響く。
それは、俺の左眼球を貫いた『針』が、俺の後頭部の頭蓋をぶち抜いた音だった。
…クソ野郎が…ッ!! 
…片腕切り落とされて… 一瞬も怯まねェヤツなんてアリかよ…!!
…そして俺の意識は、完全な闇へと堕ちた。
*** *** ***
女は暗闇の中で ほうっ… と息をつく。
もとより白かった肌の色が、みるみるうちに、さらに透けるように白く変わっていくのが見える。
操り人形の糸が切れるように、カクリと女の膝が折れた。
膝が地面につくと、上半身もふにゃりと崩れ落ち、女はその頬を地面にぺたりと付けて横たわる。
女はお尻を持ち上げたままの、猫が「伸び」をするような態勢で地面に伏し、眠そうに瞳を閉じた。剥きだしの太腿が暗闇の中に白く浮かぶ。
地面を流れる血が、女の頬を汚していった。

98 :
「…ィ… チャ…」
暗闇の中にかすかな女の声が響く。
…そして静寂が訪れた。
夜の闇が次第にその色を深めていく。
女の肩がわずかに動いたように見えた。
「…ァィ… チャンッ…!!」
女はかすかに頭を上げると、再び小さな声で、しかしはっきりと叫ぶ。
再び静寂が訪れた。
…永遠に続くかのような静寂。しかしそれは実際にはほんの一瞬であったらしい。
横たわる女の背後の「闇」に変化が現れた。
…「闇」がその色をさらに、さらに深く、濃く変えていく。
「真の闇」にも見えるその空間は、そして急速に人の型を形作っていった。
そして… 闇の中に、突然白い女の顔が浮かび上がる。
闇の中から歩み出た漆黒の衣を身に纏った女は、横たわる女を認めると、気忙しく周囲を見回す。
そして落ちている「腕」を見つけた女はすばやくそれを拾い上げ、再び横たわる女に歩み寄っていった。

99 :
今は乾いて艶を失ったように見える、女のボサボサに見える茶髪の頭を撫でると、
「…無茶したらあかんよ…」
小さな声でつぶやく。
次の瞬間、2人の女の姿は漆黒の闇につつまれ、忽然と消えた。
闇の中には、男たちの遺骸と、静寂だけが残っていた。
*** *** ***

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