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世界一の昆虫 リチャード・ジョーンズ


1 :||‐ 〜 最終レス :||‐
いちばん古い昆虫
リニオグナータ・ヒルスティ ( Rhyniognatha hirsti )
発見場所 英国スコットランド・アバディーン州

2 :
昆虫の化石が見つかった場合、その化石は徹底的に調べ尽くされなければならない。
昆虫は個体数も多く、地球上で最も栄えている生物といえる。
しかし化石としてはとても残りにくい。
昆虫は相対的に小さく、さまざまな生物に食べられることが多いうえ、たやすく消化されてしまうからだ。
また食べられなかった場合でも、遺骸が残ることはまずない。
かたい外骨格(外側のかたい殻)ですら、さまざまな微生物が容易に分解できる化合物でできているからだ。
1919年、スコットランドのアバディーン州ライニーのライニー・チャートと呼ばれる岩石から発見された化石は、
4億700万年〜3億9600万年前に生きた、トビムシの遠い祖先とされた。発見者はW・クラン牧師だった。

3 :
そして、1926年、S・ハースト、S・モーリック、D・J・スコーフィールドの3人の古生物学者により、
この化石はアケボノトビムシ ( Rhyniella praecursor ) と名づけられた。
2年後、この化石はオーストラリアの昆虫学者であるロビン・ティルドヤードによって再調査された。
その結果、アケボノトビムシの頭部の一部だと思われていた断片が、実は異なる生物の一部であることが判明した。
つまり、アケボノトビムシの化石には、断片ではあるが、もう一匹いたのだ。
ティルドヤードはこの生物をリニオグナータ・ヒルスティと名づけた。
リニオグナータという属名は「ライニーの顎」という意味だ。
この段階では、アケボノトビムシとリニオグナータ・ヒルスティは、どちらも世界最古の昆虫化石だった。
ところが20世紀が終わろうとする頃、トビムシの分類学的な位置が再検討され、
トビムシは昆虫から外された。

4 :
最古の昆虫化石は「昆虫」ではなくなるのか。
2004年、進化昆虫学者のマイケル・エンゲルとデイビッド・グリマルディが、
リニオグナータ・ヒルスティの化石を再調査した。
ヒルスティの化石化した顎は、新しい顕微鏡を用いてより詳細に調べられ、驚くべき発見に結びついた。
ヒルスティの顎の形態は、幅の広い三角形で、そこには歯状突起があり、口器のほかの部分よりも明瞭な2つのふくらみがあったのだ。
この事実は、ヒルスティがトビムシではなく、おそらく翅をもつ真正の昆虫であることを示していた。
この化石が発見されたライニー・チャートは、活動が盛んな温泉や間欠泉が点在する地域で形成された岩石だ。
翅や軟組織などの顎以外の部分は、火山性の熱湯によってダメージを受けたためか残されていない。
リニオグナータ・ヒルスティがどのような姿をしていたのか全体像に迫ることはできないが、
少なくとも最古の「昆虫化石」であることだけは間違いない。

5 :
昆虫界の巨漢
タイタンオオウスバカミキリ ( Titanus giganteus )
生息地 ベネズエラ、コロンビア、エクアドル、ペルー、ギアナ、ブラジル
特徴 現世で世界最大の昆虫

6 :
体長が17cmもあるこの甲虫は、学名を Titanus giganteus という。
巨人タイタンにちなんだ学名は1771年、スウェーデンの博物学者カール・フォン・リンネが、
自分の考案した新しい命名法 ( 属名と種名を並べた二名法 ) にのっとって命名した。
その大きさにじつにふさわしい学名だが、リンネは百科事典の挿絵を見ただけで、この名前をつけたのだ。
リンネが実物を見ることができなかったのにはわけがある。

7 :
当時この昆虫は、大変珍しかった。18世紀にはブラジル北部の都市、マナウス近くのネグロ川岸に、たまに死骸が打ち上げられることはあった。
実際に生きた姿が目撃されたのは1958年、新しく設置された街灯に誘われて出てきたのが初めてだった。
いまだに成虫以前の生態については詳しくわかっていないが、類似種の幼虫は脚のないテッポウムシ型で、
朽ち木のなかで育つことはわかっている。

8 :
タイタンオオウスバカミキリが本当に世界最大の昆虫かどうかについては、議論の余地がある。
生きたまま採集された標本からの信頼できるデータが少なく、大きな重要な指標となる体重についてもほとんどデータがない。
そのため世界最大の栄冠のライバルとして、ほかの4種類があげられる。
南アメリカにいるゾウカブト属のアクテオンゾウカブト Megasoma actaeon (13.5cm) と
エレファスゾウカブト Megasoma elephas (13.7cm)、アフリカのオオツノハナムグリ属のレギウスオオツノハナムグリ Goliathus regius (11cm) と
ゴライアスオオハナツムグリ Goliathus goliathus (11cm)。
いずれも体長は現チャンピオンよりも短いが、見劣りしないいい体格をしている。

9 :
世界一の長い体
チャンオオナナフシ ( Phobaeticus chani )
生息地 ボルネオ
特徴 体と脚を合わせた体長が最も長い

10 :
昆虫が捕食されないための最良の策はなんだろう。答えは姿を隠すことだ。
カムフラージュによって周りの状況に溶け込むことは、うまい隠れ方といえる。
鉛筆のように細い体と針のように細い脚をもったナナフシの姿は、彼らが登る木の枝にそっくりだ。
身を隠すのが得意なうえ、天敵もいない場所においては、数種類のナナフシが当然の進化をとげた。巨大化したのだ。

11 :
およそ100年間にわたって、世界最長のナナフシはボルネオのセラティペスオオナナフシ Phobaeticus serratipes と信じられてきた。
これは体だけで328mm、脚を伸ばすと499mmにも達する。ところが1995年にマレーシアで巨大なナナフシが発見されると、
皮肉なことにこの種が本当のセラティペスで、ボルネオのセラティペスは、
じつは近縁のカービーオオナナフシ Phobaeticus kirbyi であることが明らかになった。

12 :
セラティペスの体と脚を合わせた総体長は555mmもあったが、体の部分はカービーよりもわずかに短かった。
昆虫を計測するのは非常に難しく、必ず議論の的となる。
ほとんどの場合は脚、触覚、尾、口先は除いて計測する。
同じ種でも個体差があり、オスとメスとでも大きく違ってくるからだ。
また同じ固体でもナナフシの脚の場合、どちらに向けて計るかによっても長さが変わる。

13 :
しかし2008年10月、マレーシアのサバ州 ( ボルネオ島北西部 ) で新種のナナフシが発見され、この件は落着した。
チャンオオナナフシは、マレーシアの昆虫学者ダトゥック・チャン・チュウ・ルンの名前から命名された。
彼は地元の昆虫採集者が発見した3匹のうち、最大のものをロンドンの自然史博物館に寄付した。
長さは体だけで357mm、脚を含めると566mmもある。測り方を問わずとも、文句なしの最高記録だったのだ。

14 :
基地外 こ わ い

15 :
俺は楽しく読んでるぞ
続けろ>>1

16 :
驚くほど真っ白
シロコガネのなかま ( Cyphochilus sp. )
生息地 東南アジア
特徴 あらゆる昆虫の中で最も体色が白い

17 :
シロコガネは自然界で最も白い、「純白の虫」だ。
体の色が白いだけでも昆虫としては珍しいが、その色は動物の歯や牛Rよりも白いという。
シロコガネのなかまは東南アジアに広く分布し、成虫はサトウキビの害虫だと考えられている。
幼虫はキノコ類を食べて成長する。

18 :
それにしても茶色や緑色があふれる自然界において、白はあまりにも捕食者の目につきやすい色だ。
最もよく知られている白い昆虫はモンシロチョウなかま Pieris sp. だが、これは他のチョウと同じように、
交尾のときにその紋様でお互いを認識するためだ。
ではシロコガネはなぜ白いのだろうか。幼虫が食べているキノコの白さに溶け込んで、姿を隠すためではないかという説もある。
シロコガネの体を詳しく調べたところ、外骨格 ( 外側のかたい殻 ) は、濃い茶色または黒い色をしており、
白く見えるのは真っ白な鱗片が体表をおおっているせいであることがわかった。
鱗片は非常に細かく、一片は0.25×0.1mm、厚さは0.005mmにすぎない。
この微細な鱗片が体だけでなく頭や脚までくまなくおおっているため、シロコガネは白く見えるのだ。

19 :
とはいえ全身がうす茶色の台湾産のキフォチルス・ウニデンタートゥス Cyphochilus unidentatus が示すように、
シロコガネ属すべての種が純白の鱗片におおわれているわけではない。
この鱗片についてはイギリスのエクセター大学の光物理学者ピート・ビュクシッチが研究している。
それによると、鱗片のなかに存在する約0.00025mmの細かい繊維 ( フィラメント ) が不揃いな網状になっているため、白く見えるのだという。
フィラメントが不揃いであることによって、自然光に含まれているさまざまな色が均一にむらなく散乱し、どれか一色が突出することがない。
その結果、白く見えるというわけだ。

20 :
ぴかぴかに輝く体
プラチナコガネのなかま ( Plusiotis sp. )
生息地 中央アメリカ、南アメリカ
特徴 磨き上げた金属のような光沢を帯びている

21 :
昆虫の体色には、さまざまな目的がある。
例えば緑色や茶色をしていれば葉や幹、枝などにカムフラージュできる。
あるいは鮮やかな黄、オレンジ、赤色は、そこに黒い模様が混じる場合もあり、毒や針をもっているかもしれないという威嚇になる。
しかしこのプラチナコガネのなかまのように美しく輝く色は、どちらの役目も果たさない。
甲虫やハチ、ハエ、チョウなどにはブロンズ色、青、緑、赤、紫色がメタリックに輝くものが多くいる。
例えばテントウムシの翅が赤く見えるのは、太陽光線のうち黄、緑、青色の波長は翅に吸収され、赤色の光の波長だけが反射するためだ。

22 :
一方、動物の体色としては珍しいメタリックゴールドの光沢は、白色の太陽光が屈折することによって生まれる。
プラチナコガネの輝きは、まるでダイヤモンドを通した太陽光が虹色に輝くようなものだ。
電子顕微鏡を通して見ると、プラチナコガネの表皮には細かい溝が平行して走っていることがわかる。
この溝に決まった角度で光が入射すると、磨いた金属のように光るのだ。
プラチナコガネのきらきらと輝く色は、チョウのように異性に対するアピールのためだけにあるのではない。
最も重要な目的の一つは、むしろ注目されないことだ。濡れた木々の葉や水たまりは、まばゆい陽光を受けてきらきらと光る。
そのなかでプラチナコガネの輝きは、形を頼りに獲物を探す捕食者の目をくらますことができるのだ。

23 :
ねばねばしたわな
ツノキノコバエの幼虫 ( Keroplatidae )
生息地 世界各地
特徴 食物を集めるために粘液で巣をつくる

24 :
ツノキノコバエは幼虫期のあいだ、唾液腺から粘液を出す。
粘液とは、ねばねばした分泌物のことで、特に軟体動物や脊椎動物にとっては有用なものだ。
例えばカタツムリやナメクジは、彼らが進む道をなめらかにするためや、防御のために粘液を出す。
ぬるぬるした体を捕食者がいやがるからだ。粘液を利用する昆虫はあまり思いつかない。
しかし、これだけ便利なのだから、粘液を利用する昆虫がいても不思議ではない。
粘液はムチン分子でできている。ムチン分子とは、糖鎖におおわれた長いタンパク質だ。
糖鎖には保水性や吸着性があり、ムチン分子がお互いに触れ合うと、弱い接着剤のような働きをする。
粘液は乾いたり、かたまったりせず、終始濡れた状態と粘着性を保つ。

25 :
ツノキノコバエの幼虫は、朽ちた木の下や菌類の子実体の下、もしくは洞穴のなかに生息し、
ねばねばした粘液で目の粗いシート状の網をつくる。
網は小さな雫でおおわれており、ときには隠れ家にするための柔らかい管を設けたりもする。
ツノキノコバエの多くの種は、非常に栄養価の高いキノコの胞子を食べる。
空中を浮遊する胞子は捕まえにくいが、粘液の網ならば捕まえやすい。
またツノキノコバエのなかまには、シュウ酸を含んだ巣をつくる種もいる。
シュウ酸とは酢に似た単純な化学物質だが、酢よりもずっと刺激が強く、人間を含む多くの動物にとって有毒だ。
網に掛かった獲物はシュウ酸によって命を落とす。
ほかの昆虫などを食べるツノキノコバエは、そのような特殊な網を使って、捕らえた獲物を食べる。

26 :
なんの本書き写してんの?

27 :
>>27
スレタイググレば見つかる

28 :
頭で巣穴をブロック
トランカトゥスヒラズオオアリ ( Colobopsis truncatus )
生息地 世界各地
特徴 生きている巣穴の扉として自分の頭を使う

29 :
アリの営みは、複雑な社会的分業システムによって守られている。
働きアリは食物を探し、巣をつくる。そして兵アリは敵と戦い、巣を防御する。
自分たちで作り上げた守るべき砦である巣は、アリにとって最も重要な資産だ。
まだ巣のなかの幼虫やさなぎ、冬のために貯蔵してある食料を、捕食者や寄生者、他種のアリなど多くの敵から守らなくてはならない。

30 :
ヒラズオオアリの巣の守り方はユニークだ。
兵アリは木槌のような形をした頭をもっており、それで巣穴の入り口を塞いで守る。
小さな穴は1匹で塞ぐことができるが、大きな穴の場合は、何匹かが集まりバリケードを築く。
兵アリは巣を離れることはほとんどなく、巣に出入りする働きアリが兵アリ用に運んでくる食物を食べる。
働きアリが巣を出入りするときには、入り口を塞いでいる兵アリがいったん後ろによけて通す。
兵アリはその巣に独特のにおい ( 科学的刺激 ) と、働きアリと触覚を触れ合わせ、相手の触覚に生えている微毛からうける刺激 ( 物理的刺激 ) の両方によって、
同じ巣のなかまかどうかを識別しているのだ。もしも巣が攻撃されれば、危険を察知したアリは警戒フェロモンであるウンデカンという化学物質を腹部の分泌線からだす。
するとこの化学物質を感知したなかまのアリは興奮し、兵アリは急いで入り口を塞ぐのだ。

31 :
似ても似つかぬオスとメス
キイロホタルモドキ ( Drilus flavescens )
生息地 ヨーロッパ本土、イギリス
特徴 オスとメスの形が全く違う

32 :
全く違う生物に見えるほど、オスとメスの見た目がかけ離れた昆虫がいる。
ホタルやベニホタルに近いなかまであるキイロホタルモドキだ。
そのオスは体長4〜7mmと小さく、体色は茶色で黒い胸部と頭部、羽毛状の触覚をもつ。
一方のメスは対照的で、オスの50倍もの大きさがあって柔らかく、たるんだイモムシのような姿だ。
またオスは暑い晴れた日には空を飛ぶのに対し、メスにはかたい前翅も、飛ぶために使う膜のような後翅もない。
さらにオスは石灰岩の土の上にいることが多いが、メスはあまり見かけることはない。
2003年に交尾するペアが写真撮影されるまで、メスの姿はほとんど確認されなかったほどだ。

33 :
一般的に昆虫のオスはたくさんの精子をつくり、できるだけ多くのメスにばらまこうとする。
メスは気をひくことに成功したオスと交尾をするが、複数回の交尾は避けようとする。
それは時間の無駄であると同時に、身体的なダメージを受けることもあるからだ。
このようなオスとメスの生物学的な動機は、全く違う行動を生み出し、体の形を変えてしまう。
ほとんどの昆虫のオス、メスは性差は小さなものだが、このキイロホタルモドキの性差は破格に大きい。
キイロホタルモドキの幼虫は、小さなカタツムリを食べる。広い地域に生息する昆虫にしてはメスやその幼虫がとても少なく、
あるいは隠れているため、その生態は1903年までほとんどわかっていなかった。
なぜオスとメスがこれほどまでに違うのかはいまだに謎だ。
日本産のイリオモテボタルやキベリクシヒゲボタル ( いずれもホタル科 ) なども幼虫がカタツムリを食べ、やはり性差が大きい。
これらの種の研究から、キイロホタルモドキの謎も、解き明かされていくだろう。

34 :
オスとメスが半分ずつ
マーシュヒョウモンモドキ ( Euphydryas aurinia )
生息地 世界各地で見られるが、この場合は飼育による
特徴 ギナンドロモルフ ( 雌雄モザイク )

35 :
てs

36 :
ウザイからやめい

37 :
昆虫は通常、完全にオスかメスかのどちらかだが、
ごく稀にオスとメスの特徴を半分ずつもつ個体が現れることがある。
正中線を境界として左右で性が異なる雌雄両型を 「 ギナンドロモルフ 」 という。
さまざまな種に見られる現象だが、特にチョウによく見られ、その特徴が最もはっきりと現れる。
チョウもほかの動物と同じように、性別は性染色体によって決まる。
メスは2つのX染色体をもち ( XX ) 、オスは1つしかもっていない ( XO ) 。
従って、チョウの精子はX染色体を1つもつか、もっていないかのどちらかだ。

38 :
このマーシュヒョウモンモドキは、卵子に受精した精子にX染色体があったため、子はXX、すなわちメスになると決まっていた。
しかし最初の細胞分裂のあとで一方の細胞がX染色体を1つ失ったためにXO、つまり半分はオスの細胞になってしまったのだ。
この後、何百万回かの細胞分裂のうちに幼虫になり、さなぎになり、この個体は右半分はメス、左半分はオスとなった。
成虫になったときも右半分はメス、左半分はオスのままだった。
ギナンドロモルフは非常に珍しく、その個体も長生きすることはほとんどない。
繁殖器官はオスとしてもメスとしても機能しないので子孫を残せない。また、
チョウのなかでオスとメスの翅の模様が違う種では、1つの個体に両方の模様が現れる。
マーシュヒョウモンモドキの場合、オスはメスよりかなり小さいため、
野性では、螺旋飛行をしながら死んでしまうだろう。

39 :
腹をぱんぱんにふくらます
ミツツボアリのなかま ( Myrmecocystus ihflatus )
生息地 オーストラリア、ニューギニア、南アフリカ、アメリカ西部からメキシコにかえての一帯
特徴 体のふくらませて蜜や水分を貯める

40 :
多くの地域では、何千年ものあいだ糖分といえばミツバチの蜜だった。
しかしオーストラリア、アメリカ西部、メキシコ、南アフリカ、ニューギニアなどでは、ほかからも糖分を取ることができた。
大きくふくらんだミツツボアリだ。
ミツツボアリは、はち切れんばかりに大きくふくらんだ胸部をもつ。
彼らの仕事は巣穴の天井からぶら下がって動かず、なかまの働きアリがもち帰る、アブラムシなどの甘露 ( 甘みの強い排泄物 ) を腹に貯めておくことだ。

41 :
この生態は世界中のさまざまな種に見られるが、主に砂漠に住む生物に多い。
食料が見つからない時期に、厳しい環境下でなかまと共に生き残る手だてとなっている。
このような貯蔵アリは、自分の体を働きアリの何百倍にもふくらますことができる。
彼らの透きとおった体は、無色透明から黄色がかった茶色、そして濃い琥珀色まで、そのとき貯めているものによって色を変える。
濃い色のときはブドウ糖や果糖、色が薄くて重たいときは薄い糖液が入っている。
腹部に蜜などを貯蔵するように進化したのは、いつ咲くか予想のつかない砂漠の花から食料を得なければならないという、厳しい環境のためだろう。
貯蔵アリは涼しく湿気の多い時期に腹部をふくらませ、暑く乾燥した時期にはなかまたちに中身を提供する。
その境目は、気温が30〜31℃くらいのときだ。ミツツボアリの本当の目的は、
干ばつ時に備えて水分を貯めることにある。

42 :
生まれる季節で容姿が異なる
アカマダラ ( Araschnia levana )
生息地 ヨーロッパ、アジア北部、日本 ( 北海道 )
特徴 育った季節により外見が違う

43 :
ヨーロッパに生息するアカマダラには 「 ヨーロッパ地図 」 という愛称がある。
翅の裏側を彩る美しい模様が由来だ。
その模様はオレンジ色の背景に茶色がまだらにさし、鮮やかな白い線の十文字が方位磁石のように描かれており、確かに古い地図のように見えないこともない。
しかしもっと注目すべきなのは翅の表側のほうだ。
さなぎで冬を越し、春に成虫となったアカマダラの翅の表には、鮮やかなオレンジ色の地に黒い斑点がある。
春のチョウが産んだ卵から生まれた幼虫はイラクサを食べ、数週間後の夏には成虫となる。
ところがこの夏に見られるチョウは、春のチョウとは全く違い、真っ黒な翅にまぶしい光の筋のような白い模様があるのだ。
色や模様があまりに違うので、長いあいだ両者は、別種のチョウだと考えられていた。
これほど差がある2つの型をもつ理由を求めて、多くの昆虫学者がアカマダラを研究した。
その結果、今では色や模様を決定する要因についてかなり解明ている。
どうのような成虫に変態するかは、さなぎの時期の日の長さや気温により決まる。

44 :
もし日が短くて寒ければ越冬し、春にオレンジ色の春型が生まれる。
一方日が長く暖かければ、白黒の夏型が生まれる。事実、人工的に作った実際の季節の反対の環境でさなぎを生育したところ、
全く反対の色相をもつ成虫が生まれたのだ。
しかしなぜアカマダラが2つの型を示すのかはまだわかっていない。しかも分布図の北の地域では1つの色相しか存在せず、
南の地域には3つめの色相、つまり春型と夏型の中間が存在するのだ。
色や模様が違うように、形にも違いが現れる。夏型の翅は大きく。あまりとがっていない。
より重く筋肉のついた胸部と、それに比べて小さめの腹部をもつ。
これらの特徴から、夏型は別の土地に移動するのに向いているのではないかと思われる。
反対に春型は定住性なのではないか。
しかしこれもまた、なぜ1種のチョウが全く違う外見を持つ必要があるのかの説明にはならない。

45 :
児童書のような書き方だな

46 :
翅の数が世界一
ニジュウシトリバガ ( Alicita sp. )
生息地 世界各地
特徴 どの昆虫よりも翅が多い

47 :
トリバガには、はたして何枚の翅があるように見えるだろうか。
ふつう昆虫の翅といえば4枚だ。
一見翅がないように見える甲虫も、じつは飛ぶための後翅2枚を、かたい前翅2枚が大切におおっている。
もちろん例外もある。例えばハエには2枚の翅しかないし、ノミやシラミになると翅は1枚もない。
ニジュウシトリバエも、基本の翅は4枚だ。しかし、4枚の翅それぞれが手をひらいたように、さらに6本ずつに枝分かれしている。
というわけで、このガの翅の数は「24枚」が答えとなる。

48 :
トリバガのなかまの翅はどれも細長く、毛が生えていて、まるで鳥の羽のようだ。休むときにはその翅を揃えて閉じるが、
その様子は枯れた枝や草のように見える。種によっては写真のトリバガのように、翅が毛の生えた小枝のように分かれているものもある。
この小枝のような翅は1枚1枚が翅脈にあたり、飛ぶときに翅を広げるために使われる。
翅脈というのは、ハチやハエのように透きとおった翅だとはっきりと見える、植物の葉脈のような管だ。
水生だった昆虫の祖先がエラとして使っていた器官が、4億年ほど前に進化し、翅になったと考えられている。
その証拠として、現代でもカワゲラ目やカゲロウ目の幼虫に、原始的なエラを見ることができる。
そして翅脈は、呼吸器官の名残だと考えられている。
いろいろな昆虫の翅の構造を研究した結果、最初に飛んだ昆虫はそれぞれの翅に8本ずつ翅脈をもっていたが、その後6本となったことがわかった。
6本の翅脈はニジュウシトリバガの翅にもはっきりと見てとることができる。

49 :
いちばんぺしゃんこ
バイオリンムシ ( Mormolyce sp. )
生息地 東南アジア
特徴 最も平たい形状をしている

50 :
歩行虫とも呼ばれるオサムシのなかまは、その名前が示すとおり地面の上を敏速に歩行し、他の昆虫や無脊椎動物を食べている。
最も多様性がある昆虫の一つで、世界中に分布が広がった理由として、後脚の特殊な構造があげられる。
腿節( 胴から3節目 )と基節( 胴から1節目 )とのあいだに、転節( 胴から2節目 )と呼ばれる、小さな筋肉でみたされた環節がある。
この構造のおかげで、後ろ方向だけでなく下へも長い脚で強く蹴ることができるのだ。
オサムシのなかまは、草の根のあいだや石の下など狭いところにもぐり込むのが得意だ。
まずはくさび形の平たい体を隙間のできるだけ先まで押し入れ、さらに体を上げ下げしながら草や土を押し、前進していく。
このユニークな方法で、地中の根や落ち葉のなかを分け進み、獲物を深く追うことができる。
オサムシのなかまであるバイオリンムシは現在5種確認されているが、すべて東南アジアに生息していて、
どれも狭いところにもぐり込む習性をもっている。
土や草ばかりでなく、枯れ木の皮や切り株の細い裂け目のなかにまで平たい体と細い頭、胸部を押し込み、獲物を探すのだ。
パイナップル科の植物であるアナナスの葉のつけ根で見られることもある。

51 :
>>45
直訳調だし、編集の際に文章を整えてないようなところも見受けられる。

52 :
前後があべこべ
モモハモグリガ ( Lyonetia clerkella )
生息地 ヨーロッパ、マダガスカル、アジア南部、日本 ( 北海道を除く )
特徴 脚、目、触角が翅の先についているように見える

53 :
モモハモグリガの幼虫はリンゴやナシ、サクランボ、モモといったバラ科果樹の葉が大好物だ。
非常に小さな体を歯の内部にもぐり込ませて食べるため、空洞になった食べ跡は、くねくね曲がった色の薄い筋として葉に残される。
モモハモグリガが最も変わって見えるのは、成虫に変態したときの姿だ。4mmほどの翅の先には、灰色と黒の模様がついているが、それ以外は白っぽいのだ。
その模様が見方によっては、濃い色の体に6本の足、2本の触覚と黒い目をもつ小型の昆虫が、もう1匹いるように見える。
このような見せかけだけの眼、頭部、触角の模様は、チョウの翅にもよく見られる。
チョウの場合、眼のような黒い斑点が後翅の端にあり、尾のように伸びた部分はまるで触角のように見える。
一方ハモグリガ ( Lyonetia ) は細長い翅をもつ小型のガで、翅の先に偽の脚と偽の頭部に見える模様をもっている。
ヨコバイにも腹をおおうテントのようにたたんだ翅の先に、ハモグリガと同じような模様をもつものがいる。
この模様は、敵にわざと偽の頭部にかみつかせることで、ほかの重要な器官へのダメージを回避するためにあると考えられてきた。
しかしそれでは、むしろ本当の頭へ誘導してしまうのではないかという興味深い説もある。
敵は後ろからそっと近づいたつもりが、じつは本当の頭に真正面から近づくことになる。
その場合、ハモグリガは本物の眼と本物の触角で、敵を感知できるだろう。

54 :
世界一長い産卵管
オナガバチ ( Rhyssa )
生息地 ヨーロッパ、北アフリカ、アジア、北アメリカ
特徴 体長より長い、注射器のような産卵管をもつ

55 :
ヒメバチは、幼虫のための巣をつくらない。
そのかわり、もっと悪賢い方法をとる。ガやチョウなど、ほかの昆虫の幼虫の体内に卵を産みつけるのだ。
さなぎに産みつける場合もある。卵からかえった幼虫は、寄生した相手を生きた食料として内部から食べて、いずれ殺してしまう。
このように寄生した相手が死ぬまで食べ尽くすことを「捕食寄生」という。
ヒメバチをはじめとする寄生バチは多種多様であり、じつにいろいろな昆虫に寄生する。
非常に小さなホソハネコバチからかなり大きなオナガバチまで、体の大きさもさまざまだ。
オナガバチは大きな幼虫の食欲に見合うルリキバチ ( Sirex ) の幼虫を寄主として選ぶ。

56 :
ルリキバチはスズメバチの巨大なものほどの大きさがあり、枯れ木や幹に卵を産みつけるために使う頑丈な尾がある。
ルリキバチの幼虫は枯れ木のなかに穴を掘りながら食べ進み、成虫となるまでの1〜3年を過ごす。
しかし穴のなかにいても幼虫がオナガバチから隠れることはできない。
オナガバチのメスは、厚さ4cmほどの幹ごしに、ルリキバチの幼虫が出す化学物質を感知できるのだ。
オナガバチの長さ4cmほどの細い尾は、体より長く、3つの部分に分かれている。
針のように細い1本の産卵管を、2つの細長い鞘が保護している。
メスは長い脚を木の幹に踏ん張り、体を高い位置に引き上げて固定し、
柔軟な腹部を押し下げながら、細長い産卵管を木のなかの幼虫に届くまでゆっくりと刺し入れる。
こうしてオナガバチの幼虫は成虫になるまでの食料を確保し、ルリキバチの命運はここに尽きることになる。

57 :
頭の横幅がいちばん広い
シュモクバエのなかま ( Diopsidae )
生息地 熱帯地方、特に東南アジアとアフリカ南部
特徴 体長より長く横に広がった枝状の突起に眼がついている

58 :
動物界では、メスの気ひくために争うのはオスのさがともいえる。
勝者は特権として、メスに囲まれて暮らすハーレムを得たり、たくさんの子孫をもうけることができる。
しかし、争いは体力を消耗して体に受けるダメージが大きいことから、オスの寿命は短くなる。
オス同士が戦う前に敵の大きさを測り、無駄な争いを避けることができれば好都合だろう。
シュモクバエのなかまはそんな、相手の強さを測る尺度をもっている。
それは左右の眼の感覚だ。

59 :
熱帯地方に生息するハエには、比較的頭の幅が広いものが多いが、なかでもシュモクバエのなかまは極端に広いといえる。
シュモクバエ科に属する150種以上のハエは頭部がとても幅広く、そのため両目がありえないほど離れて飛び出している。
多くは頭部の横幅が12〜14mmと、体長の2倍もある。
頭部の幅 ( 枝状の突起の長さというべきか ) は、体長に比例している。
つまり幼虫時代の栄養摂取量と直接関係しているため、強さの指標ともなるのだ。
シュモクバエのオス同士は頭部を突き合わせて、どちらが広いかを比べることで対決する。
勝者はメスを得て、敗者は無傷のまま立ち去る。
熱帯地方に生息するハエがこのような対決の方法を選んで進化してきたのは、
ハエのなかでは比較的長寿 ( 12ヵ月という記録がある ) であること、そして守るべきものがあることがその理由だと考えられている。
シュモクバエのオスが大事に守っているもの、それは森林を流れる小川の土手からぶら下がる細長い根だ。
ありふれた木の根だが、ここがなかまのすみかでありメスにとってのねぐらとなるの場所だ。
シュモクバエはここに集まり、頭を上に向けて敵がこないかどうか見張りながら休む。
シュモクバエのオス同士の対決は、幅広い頭部を誇示することによって勝利を収めたものがねぐらを統治し、ハーレムの安全を守っているのだろう。

60 :
いちばん明るく光る
ヒカリコメツキ ( Pyrophorus noctilucus )
生息地 中央アメリカ、南アメリカ
特徴 どの昆虫よりも明るい光を発する

61 :
発光する昆虫はいろいろいる。
例えばトビムシ、カメムシ、キノコバエの幼虫がそうだ。よく知られているのはホタルだろう。
ホタルのなかまは世界中にたくさんの種類が生息しており、発光することによりパートナーをひきつけたり、なかまとコミュニケーションを取ったりしている。
なかまだけにつうじるリズムで光るものもいれば、ただ青白く光り続けるものもいる。
光る昆虫のうち、どの種がいちばん明るいかという問題は、長いあいだ議論の的となってきた。
つい最近まではロウソクの光や星の明るさを見るように、主観的に比較されてきた。
しかし、現在では高度な光測器で正確に計測ができるようになり、ついに勝者がはっきりした。
いちばん明るく光る虫はホタルではなく、西インド諸島の森林に生息するヒカリコメツキだった。
ヒカリコメツキがいちばん明るいことがわかったのは、幸運な偶然からだった。

62 :
1885年、フランスの生理学者ラファエル・デュボワは、ヒカリコメツキの胸部の発光する部分を解剖し、
ルシフェリン ( 発光物質 ) とルシRーゼ ( 発光酵素 ) の化学物質を抽出することに最初に成功した。
すると同じ化学物質がすべての発光する生命体から見つかったのだ。
さらに生物発光に伴う温度の上昇は驚くほどわずかであることもわかった。
例えばロウソクの光とホタルの光は、同じ明るさにしたとする。そのときホタルの発熱量は、ロウソクの8万分の1なのだ。
ルシフェリンとルシRーゼが反応すると発光が起こるが、それを支えるエネルギーはアデノシン3リン酸 ( ATP ) から供給される。
デュボワの発見の重要性が理解されたのは、ATPがすべての生命活動のエネルギー源であることが明らかになった60年後のことだった。
ATPとはいわばエネルギーの貯蔵庫のようなもので、
おおもとは光合成のときに葉緑体表面でアデノシン2リン酸 ( ADP ) が太陽光のエネルギーの助けを借りて変身したものだ。
言い換えるとATPが蓄えているエネルギーは、光エネルギーといってもよいだろう。
生物発光では、光を巣って生み出されたATPがADPに分解されるときに、蓄えられていたエネルギーが光となって放出されるのだ。

63 :
色がいろいろ
トモンテントウ ( Adalia decempunctata )
生息地 ヨーロッパ
特徴 80パターン以上の色、模様をもつ

64 :
食物や動物の名前をつけるのは、比較的単純な作業といえる。
スウェーデンの博物学者リンネが属名と種名を併記する、学名のシステム「二名法」を考案してから、
すべての生物はこの手法に従って名前がつけられるようになった。
例えばナナホシテントウの属名は Coccinella といい、その意味は「テントウムシ」だ。
そして種名の septempunctata は「ナナホシ」という意味で、そのとおり翅に7個の星をもっている。
しかし非常に近い種であるトモンテントウは、その名前に反して10個の星をもつことはほとんどない。それどころか星がないことすらある。
赤色に黒い斑点があるもの、黒に黄色の肩章のような模様があるもの、
チェック柄、網の目模様、小さな斑点、縞模様など、じつにバリエーションが豊かだ。
そのためそれぞれが違う種であると考えた博物学者は、トモンテントウに片っ端から種名をつけてきた。
星の数から、ムツボシ型には6を表す Rmaculata と Rpuntata 。
ヤツボシ型には8を表す octopunctata 、ヨツボシ型には4を表す quadripunctata 。
semicruciata は背中に十字の模様をもち、 semifasciata は半分縞模様、
triangularis は3つのマークがあり、abscura は曖昧な模様がある。
centromaculata は真んなかに反転、subpunctata は小さな斑点がある。

65 :
トモンテントウには、このように80以上の名前がついていて、
その多くは別の種類であると考えられてきた。
今ではこれらが同種であり、遺伝によってこれだけ違った色相が生まれるということがわかっている。
といっても種や亜種のように、個々の地理的条件によって決まった色相になるわけではない。
同じ条件化で違うパターンになったり、繁殖の実験では、よく似た10個の星をもつ両親から、
たくさんの違うパターンの子供が生まれたりしているのだ。
遺伝学者はこの模様が、遺伝子やDNAのレベルでどのように決定されているのかを、いまだに研究中だ。
色相パターンが多様化した理由として、捕食者の存在が考えられる。
例えば捕食者である鳥などが特にある色相を好む場合、敵は頭のなかのイメージで獲物を探すため、
そのイメージに少しでも合わないものは見逃してしまう。たくさんの違うパターンをもつことによって、
少なくともいくつかのパターンは子孫繁栄のために生き残ることができるのだ。
しかしテントウムシはどれも、食べてもまずいことをアピールする鮮やかな色をしている。
捕食者はあらかじめまずいことを知っているはずではないか。
それならなぜ、わざわざトモンテントウが多様な色相をもつ必要があったのだろう。
議論の余地はまだまだありそうだ。

66 :
血みどろの昆虫
ハナヂムシ ( Timarcha tenebricosa )
生息地 ヨーロッパ、中央アジア
特徴 自分の血を吐き出す

67 :
有毒な物質をもつ植物は多い。
植物の毒は草食動物から身を守るが、昆虫のなかにはこの植物をたべることで、自分の体内に毒を蓄えるものがいる。
そして身を守る武器として、体内の毒を利用する。
だが体内で毒をもつだけでは、万全の防御とはいえない。
昆虫の捕食者である鳥は、毒をまずいと感じれば、次回からはその昆虫を避けるようになる。
しかし少なくとも最初に食べられた虫は、その時点でつつかれ、かみ砕かれているのだ。
すぐに吐き出されても、もう死んでいるだろう。
なかまを守ることはできるかもしれないが、自分は犠牲になってしまう。
できればどんな味かを敵に想像してもらい、食べる前に避けてもらうのがのぞましい。

68 :
そこでハナヂムシは、鳥のくちばしでつぶされる前に、口から「血リンパ液」と呼ばれる液体をにじませる。
血液のように毒々しく赤い血リンパ液を、鳥のくちばしに数滴たらすのだ。
このように、敵に襲われたときに口器や関節などに起きる出血を「反射出血」という。
血リンパ液の苦さを味わった鳥は急いで吐き出し、この昆虫を食べようとはしなくなる。
反射出血を利用する甲虫として、テントウムシも有名だ。
テントウムシは黄色い血リンパ液を膝の関節の特別な孔から出す。
しかしハナヂハムシはさらにうわ手といえるだろう。
テントウムシのように、鮮やかな色で相手に警戒させることもないハナヂハムシだが、地味な黒色は草原の緑色のなかでよく目立つ。
しかも大きくて動きは鈍く、飛ぶこともできない。
それにもかかわらず、ハナヂハムシが捕食者を怖れることなく明るい日差しのなかで食事ができるのは、反射出血という大技のおかげといえる。

69 :
いちばん美しい昆虫
アカメガネトリバネアゲハ ( Ornithoptera croesusu )
生息地 インドネシア・バチャン島
特徴 あまりの美しさに、経験豊かな博物学者が思わず気絶しそうになった

70 :
美とは見る者だけが感じる主観的なものだ。
例えば昆虫学者が昆虫につけた名前を見ると、いかに思い入れが深いかがわかる。
学名には、きれいな ( formosa )、最もすばらしい ( splendidissima )、美しい ( pulchrina )、
高貴な ( nobilis )、すてきな ( venustus )、エレガントな ( elegans ) などという種名が非常によく使われている。
たくさんの研究者が無数の昆虫を、「最も美しい」と称してきたが、ビクトリア時代の博物学者にして科学者であり、
探検家でもあったアルフレッド・ラッセル・ウォレス以上に、美について語り尽くした者はいないだろう。
ウォレスはパトロンによる資金に頼ったり、珍しい標本を売ったりして費用をまかない、研究調査のための旅行をしていた。
1852年8月6日の朝、南アメリカから帰る途中の大西洋上で、彼の乗っていた船ヘレン号が火事になり沈没した。
ウォレスと乗組員は救命ボートの上で9日間漂流したのち救助されたが、大切な標本は失われてしまった。
失われた中には美しいゴクラクチョウやトリバネアゲハなどの価値のある標本もあった。

71 :
災難にも負けず、彼は『アマゾン川・ネグロ川紀行』という本を出版、すぐにまた東南アジアへの探検へと向かった。
今度は標本をもち帰ることに成功し、1859年、その探検のようすや動物や昆虫の発見を書いた『マレー諸島』という本を出版した。
その旅行中、インドネシアのモルッカ諸島にあるバチャン島の森林を探検したとき、彼はすばらしいチョウを発見し、2ヶ月かけて採集に成功した。
ウォレスはこのチョウを紀元前6世紀のリディア( 現在のトルコ )を治めたクロイソス王にちなみ、Ornithoptera croesus ( 和名アカメガネトリバネアゲハ )と名づけた。
ウォレスが残した次の言葉は今なお読者の心に響くだろう。
「この昆虫の美しさとすばらしさは、言葉で表すことができない。
そして自然を愛する者だけが、私がついに経験することのできたこの深い興奮を理解できるだろう。
私の網にかかったこのチョウを取り出し、うるわしい翅を広げるとき、
私の心臓は激しく打ち、血が頭にのぼり、死んでしまうのではないかと思うほど気が遠くなった。
チョウごときでこれほど興奮することの意味が、理解できない人のほうが多いだろう。
しかし私にとっては、それほどの興奮だったのである」

72 :
頭がいちばん長い昆虫
キリンクビナガオトシブミ ( Trachelophorus giraffa )
生息地 マダガスカル
特徴 昆虫のなかで最も頭が長い

73 :
オスの頭が大きいことは、それほど驚くことではない。
巨大な頭に大きな大顎がついているものもあれば ( チリクワガタ )、大きな複眼がついているものもいる ( アタマアブ )。
しかしこのキリンクビナガオトシブミは、想像を超えた外見をしている。
キリンクビナガオトシブミのオスの細長い頭は10〜25mm、首は7mm程の長さがあり、頭部と首だけで、全体の70%を占めている。
ずんぐりした体で頭部を持ち上げている様子は、まるで工場現場のクレーン車だ。
メスの頭と首も比較的長いが、体の半分くらいにとどまる。
オスはその長い頭部を、うなずく動作以外に実用的に使うことはない。しかし首を振ってうなずくことは、
キリンクビナガオトシブミにとっては重要な動作だ。
オス同士は儀式的にうなずき合って対決し、負けたと思った方は退却する。

74 :
またメスもうなずく動作がうまいオスを、交尾の相手として選んでいるようだ。
頭が長ければ長いほど、首を振るのに好都合になり、メスに選ばれる確率も高くなる。
こうして、ますます頭部が長く進化したようだ。
皮肉なことだが、より長い頭が本当に必要なのは、メスのほうかもしれない。
オトシブミのなかまであるクビナガオトシブミのメスは、葉の両側を真ん中まで嚙み切る。
葉を丸めやすくするためだ。
メスは長い首と頭を使ってこの葉を押さえながら、切っては巻くことを繰り返し、小さな葉巻のような筒形に整える。
メスはそのなかに卵を産みつけ、やがて生まれる幼虫は、捕食者や寄生虫から守られながら大きくなる。

75 :
なめらかな流線型
ヒラタドロムシ科の幼虫 ( Psephenidae )
生息地 世界各地
特徴 激しい水の流れに耐えられる体型をしている

76 :
転がる石と急流をものともせず、川の水面下にも生物は息づいている。
甲虫であるヒラタドロムシもそんな生物のなかまだ。
この虫の幼虫は、川底の石にくっついて生きている。
成虫は完全に陸生だが、幼虫は水生だ。
ヒラタドロムシの幼虫の体はいくつもの体節に分かれており、体の周りを縁取るように、平たい体節が連なっている。
なめらかな背の裏には頭部、脚、エラが隠されている。
脚には鉤爪がついていて、これでしっかりと岩や石にしがみつく。
鉤爪がなければ、ゆっくりした流れにも流されてしまうだろう。
幼虫はほとんどの時期を、石の下か岩の裂け目で過ごしながら、小さな藻を食べている。
しかしさなぎになるためには陸に上がらなくてはならず、そのときばかりは激しい川の流れに立ち向かう。
速い流れに見えても、川底近くは案外静かなものだ。
小さく平たいヒラタドロムシの幼虫は、このゆっくりした流れのなかにずっといたいだろうが、そうもしていられない。
流体力学にかなった体型や、体節や尾の先にある隙間から水を流すことで急流に耐えながら、
脚でしっかりと石にしがみつき、陸に向かって少しずつ上っていくのだ。

77 :
いちばんうるさい
プロノータリスエゾゼミ  ( Tibicen pronotalis )
生息地 北アメリカ
特徴 昆虫のなかでいちばん大きな声を出す

78 :
ほとんどの昆虫は小さく、こそこそと静かに隠れて生きており、目立ちたがらない。
しかしセミは例外だ。
コオロギ、キリギリス、バッタと並び、セミはなかまとのコミュニケーションのため、できるだけ大きな声で鳴く。
通常セミが鳴くのは、メスに向かってアピールしたり、お互いの縄張りを伝えるためだ。
体の大きなセミは体格どおりの大きな声で鳴くため、セミのなかまはどの個体がいちばん大きいか、音で知ることができる。
また鳥などに対して、警戒音が発せられることもある。
声の大きさだけで、相手を驚かせて追い払う効果がかなり高い。

79 :
セミの第1腹節の両側には、大きな丸い器官がある。これが振動膜だ。
振動膜のつくりはドラムのようなもので、伸縮性のあるかたくて薄い膜が、丸い枠に張られている。
腹部の大きな筋肉と振動膜の中央は、細い糸で結びつけられている。
腹部の筋肉が収縮すると、細い糸に引っ張られた振動膜はへこみ、パチッという音が出る。
反対に筋肉がゆるむとき、振動膜は元の形に戻る。
こうした筋肉の動きにより、振動膜を1秒間に4000〜7000回も振動させることで、パチッという音が連続する。
また腹部のなかには2つの気嚢 ( 空気をみたした器官 ) があり、振動膜の振動数に共鳴し、
音を増幅させるアンプの役割を果たしている。
その音の大きさは驚くほどで、電気工具や芝刈り機、バイクといい勝負で、1km先の森からも聞こえるほどだ。
騒音の大きさは、音圧レベル測定器で測ることができる。
連続した音で最も大きなものとして記録されているのはブレビスゼミ Brevisana brevis の鳴き声で、106.7デシベルだった。
この大きさの音に1日に2時間以上さらされると、人間の耳はダメージを受けるといわれている。
ブレビスゼミはこの大音量で1日中鳴き続ける。
瞬間的に最も大きな音として記録されているのは、アメリカに生息するプロノータリスエゾゼミの鳴き声であり、108.9デシベルだった。
電車が通過するときのガード下の音量が100デシベルとされているが、それを上回るうるささだ。

80 :
空中でぴったり静止
アタマアブのなかま ( Pipunculidae )
生息地 世界各地
特徴 空中ではばたきながら静止できる

81 :
1907年9月29日、フランスの飛行家ルイ・シャルル・ブレゲがヘリコプターの先駆けとなる風変わりな試作機に乗って離陸した。
ある飛行技術を昆虫から修得しようというのだ。それは「ホバリング」と呼ばれる、空中で静止姿勢を保つ技術だった。
昆虫にとっては、たとえ一瞬でも空中に静止できることの意味は大きい。
花や葉の上には滑走路などないからだ。では昆虫はどうのようにして空中で静止しているのだろうか。
秘密は翅のねじり方にある。
昆虫はただ翅を上下にはばたくのではなく、ねじりを加えることで、前進したり上昇したりといった進路をコントロールしている。
例えば最高速度で前進するときは、後ろへのはばたきと前へのはばたきのバランスで、進路をまっすぐに保っている。
そしてホバリングは、たくみに翅をねじることで、前進と上昇とが相殺されるようなはばたき方をしている。
その結果、空中にとどまることができる。

82 :
ホバリングがうまい昆虫には、スズメガやツリアブがいる。
これらは花から蜜を採取しているあいだ、ずっと静止している。
ほかにも体が大きく鮮やかな色をしたハナアブのなかまがいる。
ハナアブは大きな複眼が印象的だ。
特にオスの複眼は大きい。
よく見える大きな複眼は、ハナアブにとってホバリングがいかに重要かを示すものだ。
周りの様子がよく見えるため、空中で位置を確認しながら静止できる。
じつはホバリングをするハナアブはほとんどがオスだ。
ホバリングしながら周囲を立体的にみてテリトリーを守りながら、ほかのオスと戦い、メスの気をひくのだ。
しかしハナアブもホバリング技術では、一見小さくぱっとしないこの昆虫にはかなわない。
大きな頭のアタマアブのなかまだ。
オスはその頭のほとんどが複眼というくらい特大の複眼を持つ。
その複眼で360°ぐるりと見わたし、縄張りを見張っている。
またアタマアブのなかまは、広いスペースで堂々とホバリングするよりも、小さな茂みなどの草のある狭いスペースを好む。
そのおかげで昆虫学者は、虫取り網や小さな試験管のなかといった場所でも、ホバリングの様子を存分に観察することができる。

83 :
不恰好すぎる昆虫
シャチホコガの幼虫 ( Stauropus fagi )
生息地 ヨーロッパ、北アジア
特徴 ひどく醜い

84 :
奇怪な外見やあまりにも不恰好な姿は、私たちに不快感をもたらすことがある。
この不快感に知識不足が加わると、ときに怖れや誤解を生むことにもつながる。
シャチホコガの幼虫に対する感情が、まさにこれだろう。
まるでヨーロッパ中世の怪物やおぞましい獣のように忌み嫌われてきたシャチホコガの幼虫だが、
彼らは人間を脅かすためにそんな姿に進化したわけではない。
大敵である鳥から隠れ、身を守るためなのだ。
初期の自然哲学者はシャチホコガの幼虫を「クモとサソリが半々だ」と表現している。
シャチホコガは、英明で「ロブスター・モス」というが、その名のとおり甲殻類のような外見で、ふくれあがった尾には、恐ろしい針のような細長い付属器官がついている。
その正体は針ではなく、多くの昆虫が幼虫のころにもつ「尾脚」と呼ばれる吸盤つきの脚にあたる。
2組目と3組目の胸脚は非常に長く、幼虫は脅威を感じると攻撃的にそれを振る。
「自分は危険な生物だから近寄るな」というアピールだ。

85 :
危険な生物のふりをするのは、シャチホコガにとっての最終手段だ。
それよりむしろ、敵の目に獲物として映らないことがいちばんというわけで、シャチホコガの幼虫はほとんど動かず、発見されないように息を潜めて暮らしている。
ふつうのイモムシのような形でなく、ごつごつと節くれだった奇妙な形は枯れ葉のようにも見えるため、敵は見過ごしてしまうだろう。
この幼虫は、生まれたときから不恰好なわけではない。
卵からかえったばかりのときは、細長いウエストと丸い球根のような腹部をもち、アリにそっくりなのだ。
似ているだけではなく、蟻酸を出すこともできる。
蟻酸はアリが鳥に襲われるときに出す化学物質で、そのひどい味から、鳥が食べることを避けるようにしむけるものだ。
もちろん蟻酸をもつシャチホコガの幼虫そのものも、ひどい味がするのだろう。

86 :
いちばん大顎が長い
チリクワガタ ( Chiasognathus granti )
生息地 チリ、アルゼンチン
特徴 大顎が体長と同じくらい長い

87 :
大顎は何のためにあるのか、真っ先に思いつく用途は食事だろう。
しかしこれは、昆虫にとって2番目の用途にすぎない。
なぜならほとんどの昆虫は、大顎を使わずに食べることができるからだ。
それよりももっと基本的な機能はかむことだ。
昆虫は獲物を捕まえ、Rためにかむ。
また土を運んだり葉を切ったり、幹に穴を開けたりするためにかむ。
その昆虫がどのような習性をもつかにより、大顎の形は違ってくる。
驚異的に長い大顎をもつ昆虫は、やはり驚異的な習性をもっていた。
イギリスではダーウィンクワガタと呼ばれることもあるチリクワガタだ。

88 :
ダーウィンの自著『人間の進化と性淘汰』のなかでこのクワガタについて述べているが、それを著すよりも早い1831年に、
スコットランドの博物学者ロバート・グラントの名前にちなんで、Chiasognathus granti と命名されていた。
チリクワガタはチリとアルゼンチンでしか発見されていない。
オスの大顎は体と同じくらいの長さがあるが、力強くかんだり葉を切ったりする昆虫とは違い、チリクワガタの大顎は細長く、下向きに曲がっている。
角のような大顎はピンセットが剪定ばさみにも似ているが、まさしく使い方もそのとおりなのだ。
角のような大顎はかんだり切ったりするためにあるのではなく、ケンカするためにある。
ケンカの舞台は、メスが産卵する朽ち木や、林のそばにある立ち木の上だ。
メスを奪い合うオス同士が木の枝の上で一騎打ちをする際、長い大顎を使って相手を枝から突き落とせば勝者となる。
決して相手を傷つけたり、かみついたりはしない。
ダーウィンは南アメリカを旅行しながらチリクワガタの標本を集め、「大顎の力はたいしたことはなく、私の指をかんでも痛くない」と記している。
チリクワガタのオスは非常に大きく、体長は20〜40mm、さらに大顎の長さが15〜40mmもある。
しかし大顎の長さは体の大きさにいつも比例するわけではなく、体がほかより小さくても、大顎の長さでは勝るものもいる。
朽ちた木のなかで食事をとっている幼虫のあいだに、体つきが決まってくるのだろう。
体のわりには大顎の長いもの、反対に短いもの、あるいは体格相応の大顎をもつものもいる。
さまざまな体の大きさ、大顎の長さの組み合わせのうち、基本的には最も体が大きく、最も栄養のよいクワガタが、いちばん長い大顎をもつことになる。

89 :
とびきり大きな翅
ナンベイオオヤガ ( Thysania ogrippina )
生息地 中央アメリカ、南アメリカ
特徴 どの昆虫よりも大きな翅をもつ

90 :
哺R類の場合、大型のものほど寒冷地に生息し、小型のものは赤道近くに分布する傾向があるが、昆虫は反対だ。
もちろん例外はあるものの、大きな昆虫は熱帯地方に分布しているものが多い。
特に薄暗く湿ったジャングルのなかでは、巨大な昆虫が発見されることが多い。
熱帯地方は一年中暖かく、温帯地方のような季節の変化がないうえ、冬眠しなくては超えられない冬もない。
昆虫にとってさぞ快適な住環境なのだろう。
このような環境で育つ幼虫は、一年中食べ続けて存分に成長することができる。
亜熱帯気候である中央アメリカと南アメリカの一部は、
世界一大きな昆虫( タイタンオウウスバカミキリ )の生息地であるだけでなく、いちばん大きな翅をもつ昆虫のすみかでもある。
その翅のもちぬしであるナンベイオオヤガの翅は、開帳(翅を広げたときの、左右の端から端までの幅)が305mmもあるのだ。

91 :
ナンベイオオヤガの生態は、驚くほど不明な点が多い。
幼虫がなにを食べるかについての記録すらなく、交尾や産卵などの生態もいまだに謎だ。
1つだけわかっているのは、大きな翅にもかかわらず身を隠すのが上手いことだ。
翅と同じようなまだら模様の木の幹に、翅を押しつけるように平らに広げてとまり、見事に一体化する。
しかしナンベイオオヤガの翅が世界一といえるのは開帳に限る。
面積で比べると、開帳300mmのヨナグニサン Attacus atlas のほうが広い。
また先史時代の化石からは、さらに大きな翅の昆虫が発見されている。
メガネウラ・モニイ Meganeura monyi とメガネウロプシス・ペルミアナ Meganeuropsis permiana は、
どちらもトンボに似た巨大な昆虫で、2億5000万年前に生息していた。
その開帳は750mmもあった。

92 :
枯葉にそっくり
コノハチョウ ( Kallima inachus )
生息地 インド北部から中国、日本にかけて
特徴 完璧に枯葉にカムフラージュする

93 :
木や石、土、そして木の葉、自然環境には緑色や茶色があふれている。
そこで暮らす昆虫の体に緑色や茶色が多く、さらにカムフラージュのために周りの環境とそっくり同じ色をした昆虫がいるのも当然のことだろう。
どんな昆虫にも、カムフラージュが得意な種がいる。
コケの生えた樹皮や小石、葉の葉脈の上、目を凝らして探しても見逃してしまうほど、環境に溶け込むのが上手な昆虫がいる。
カムフラージュがうまい昆虫といえば、コノハチョウほどその名にふさわしいものはいないだろう。
コノハチョウがどこかにとまるときは、ほかのチョウと同じように翅を閉じて立て、裏側が見えるようにする。
裏側は枯葉の完璧なレプリカになっている。
茶色とベージュのまだら模様、黒い太い線に放射状の細い線、翅のとがり具合まで、すべて本物の葉にそっくりだ。
コノハチョウの模様には、多少の個体差がある。
同じ枯れ葉は1枚もないのだから、個体差はより本物らしさ増すことになる。

94 :
一方、表側の模様はどのコノハチョウも同じだ。
全体は玉虫色のブルーで前翅の先端は暗く、鮮やかなオレンジ色の稲妻模様がななめに入っている。
このオレンジ色は飛んでいるときは非常に目立ち、とまっているときには隠れる。
オレンジ色を目印にコノハチョウを探す捕食者には、枯れ葉のなかに隠れたチョウを見つけることはできないだろう。
コノハチョウには2つの変異型がある。
やや大きめで色が薄い乾期型と、小さめで色が薄い雨期型だ。
濡れた枯れ葉は色が濃くなるため、雨の季節には雨期型のコノハチョウのほうが枯れ葉らしく見える。

95 :
昆虫の擬態は面白いよね。
コノハムシが有名だけどサルオガセギス(Markia hystrix)やムシクイコノハツユムシ(Mimetica tuberata)もなかなか。
特にムシクイコノハツユムシは虫食い部分や部分枯れまで再現したのはすごい。

96 :
最高の透明度を誇る翅
スカシマダラのなかま ( いろいろな種がある )
生息地 世界各地
特徴 無色透明な翅をもつ

97 :
飛ぶ昆虫のほとんどは、透きとおった翅をもっている。例えばハエ、ハチ、アブなどの翅は透明な膜だ。
飛ぶ昆虫であっても、色がついていたり斑点模様の翅などもあり、
そのような色味は、大きめで明るい色の体に小さめの羽を持つ昆虫に多い。
トンボも透明の翅をもっているが、体に対して大きめの翅には、
網状に張り巡らされた翅脈がよく見えるせいで、くもりガラスのようなR白色に見えることもある。
また翅脈で区切られたそれぞれの面は、たくさんの鏡のような役割を果たすため、太陽の光に乱反射され、翅を虹色に輝かせることもある。
ではいちばん透明な翅をもつ昆虫はどれだろうか。
答えはスカシマダラのなかまだ。
スカシマダラのなかまは種類が豊富だ。
なかまのほとんどは半透明よりも透けた翅をもち、なかには透明に近いが少し影のある種、やや色がついている種もいる。
そして少数派ながら完全に透明な種もいる。
スカシマダラのなかまに透明な翅をもつものが多いのは、
おそらく透明な翅になるという進化が、個々に、数度にわたって起きたからだと考えられる。

98 :
また透明な翅は、中央アメリカや南アメリカの熱帯地方に生息する種に多い。
薄暗い熱帯雨林では花や葉の上にとまれば、本当に見えなくなるに違いない。
おなじみのチョウの派手な色は、鱗粉によるものだ。
色つきのチョウの翅は、モザイク状に配置された有色の鱗粉に広く濃密におおわれている。
スカシマダラの透明な翅にも鱗粉は見られる。
しかし扇形の翅の上に、顕微鏡でしか見えないような微細な鱗粉が、まばらにあるだけだ。
スカシマダラは英語で「クリアーウィング」と呼ばれることもあるが、この呼び名はもともと昼行性のスカシバガのなかまをさしている。
こちらは同じ透明な翅でもねらいは違う。
透明な翅により周りに同化するのではなく、むしろ体を黒や黄色、赤などの目立つ色にして、
同じように翅が透明なハチなどに見せかけようとしているのだ。

99 :
>>95
擬態ってことを考えると、
昆虫って環境に対して受動的なんだな〜、という昆虫全体の総評に安易に結びついてしまうような気がする。
間違ってるのかもしれないけども。

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