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主人公きみひろのシナリオ


1 :2013/05/23 〜 最終レス :2013/09/18
このスレッドは音楽ファン専用スレなどでファンを追い出してまで自己確認のため、あの話しをしている
きみひろ君がやってる事を
きみひろ式方法でシナリオ作成して行くスレッドです。
きみひろ君はすでにそれを平然とやっているため、きみひろ君を主人公としそれをやってもいいという事です。
注意→個人情報は載せないで

2 :
>>1の補足。
カテ音楽、邦楽グループ板のスレの状態。昨日の午後レスは特に酷かった。

スピッツ♯394
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/musicjg/1368542200/
Rされたかも。。(2)
http://uni.2ch.net/test/read.cgi/jinsei/1368869901/

3 :
このスレッドは、きみひろ式で
きみひろを主人公とした話しストーリーを作成し展開していくため前レスのストーリーを読んだ後、バトンしてストーリーを作成して下さい。↓

4 :
 
        ∧∧  ミ _ ドスッ
        (   ,,)┌─┴┴─┐
       /   つ.  終  了 │
     〜′ /´ └─┬┬─┘
      ∪ ∪      ││ _ε3
               ゛゛'゛'゛

5 :
 
 | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
 |   削除依頼済! |
 |________|
    ∧∧ ||
    ( ゚д゚)||
    / づΦ
http://qb5.2ch.net/test/read.cgi/saku/1219897176/l50

6 :
ある日、突然、動画がザーッと砂嵐の音立て画面は消えて
「ちょっと何すんの!止め、」
と言う声のみ入った動画となり、プッと消えた。
翌日、誰かが、大変だ
きみひろが消えた
行方不明だ。
というメッセージが飛んでいた。
また、きみひろの自演か釣りだろうと思いながら誰か返事をした
「行方不明だとかそういう個人情報まで知ってる、あんたは誰?」

7 :
同じ頃、乖離性障害の治療に向かう者がイヤホンから高い音
出し歌いながら歩いていた。
私、ミュージシャンなんだ。サインあげるよ。

8 :
イヤホンから高い音
出しながら
私、あのミュージシャンとは親友だし
あの俳優からは誘いの電話メールがよく来るし
あのミュージシャンとは...ムフフの仲でぇ...
続き、知りたい?
だったら動画やってるから
そちらアクセスしてよ
検索キーワードわぁ...
あ、メール着信だ
彼からだよ
今晩どうするか、て話し。
またね、あ、動画は絶対アクセスしてね。

9 :
242:05/23(木) 00:31 OmBC9VDH [sage]
点と点はスリリングな感じ
ホリデー、夏が終わる、フェイクファーとかサスペンスぽいかも
夜を駆ける、けもの道、惑星のかけら、タイムトラベラー、探検隊、桃、不思議、などどうかな
きりがなくなっちゃうけど、サスペンスというよりスピッツはSFぽいかなあと勝手に思ってる

10 :
「何で行方不明とか、どこで判るんだよ」
その返事は返事は無かった。
釣りだと判っていたが釣られて
きみひろ動画をアクセスした

「き み ひ ろ は 行 方 不 明 と なり ま し た 」

動画にはそのメッセージ文字だけがながれて
スピッツの曲がシャッフル化され
男と女の音声が変換されオカルトめいた音となって突然、画面は消えた。

11 :
その頃 歌いながら、花畑の花を潰し踏みながら歩くイヤホン女?が
ただ呆然と ここは何処?という感じで立っていた。
花畑の花は、園児たちや障害者、老人ホームの人たちが
種や苗を植えて大切に育てていた花だった
園児の一人が気づき、踏み潰された花畑を見て
わーと泣き出した

12 :
そのイヤホン女?は園児の姿を見ると冷や汗と生つばが出て座り込んだ
記憶回線が混線しながらある光景にたどり着くと
恐怖の中
うずくまったよに倒れた

イヤホンからは時折ラジオから流れて来る曲がかかった

13 :
午後も多忙な声飛ぶ事務所に電話が鳴ってスタッフが受話器を取り
しばらく長く話しを聞いている。
またか。いつも来るパターンだろと他スタッフがつぶやきあった。
そのいつも来るパターンとは毎週、10件以上も
別名の者の事で、作り話し偽エピソードだと、あくびの元となる電話。
しかし新規スタッフにある女性が加担し
あくび扱いする事は許さないと
その女性スタッフがその手の電話に出る事となり
時に
「私を甘く見ないで下さい。今からあなたに直接会いに行き話しを聞きますから、」
という高い声が事務所に響いたが
電話かけて来た相手はそう聞くと電話を切った。

14 :
そんなのは帝国主義でも何でもない
単なる中華思想にすぎない

15 :
現実と妄想の区別が曖昧となるという境界線の上、うずくまっていると誰かが声をかけて来た。
あんた男だったんだ。 外見は娘みたいに見えたけど
あごにヒゲ、髭が生えてるよ。

16 :
女は静かに答えた。
「ほっとけ!
女も50過ぎれば更年期で髭くらい生えるわ!
命○母Aを飲んでるけど、アレってどうなんだろうね?
やっぱ髭にはホルモン治療かいな?
髭も困ったけど、ハゲも気になるんだわ。
もう、オヤジ化しちゃってね〜w
すね毛脇毛もボーボーやし。」
女は立ち上がり、大きく伸びをし空を見上げた。
空はpm2.5のせいか、白くてどんよりしている。
なんとなく、うちの心みたいやな。
スッキリせんわ。
ドラッグストアでマスク買って帰るか。
そんな事を思いながら女は家路についた。

17 :
宅配トラックがマンションの前に止まった
運転席から男が勢いよく降りてきた。
男は手慣れた様子でひとつの箱を荷台から選び出し
マンションのエントランスへと向かった。
オートロックインターホンで3桁の部屋番号と呼び出しボタンを押し
男は腕時計をちらちら見ながらしばし待った。
「ちっ!」応答にかかる時間で留守なのかどうか解る。
プロ宅配ドライバーに備わったこの感覚はこの男も例外なく持ち合わせている。
男はボールペンで不在伝票にこう書いた。
       愛の使者 メシア
不在伝票を集合ポストに投げ入れ、素早く身を翻してトラックに乗り込んだ。
「はぁ」落胆の溜め息を漏らしエンジンキーを回す。
トラックを発進させてすぐ目の前の横断歩道を幼稚園児の集団が渡ろうとしている。
ついてない……
男はすぐ子供たちの異変に気づいた。
十人くらいの子供たちに引率者の先生がいないのだ。
さらには子供たちは元気がなく、うつむいて歩いている。
ほどなく乳母車を押した老人が園児たちのあとに続いてきた。
ふと目をやるとその乳母車には大量の折れた花が積んであるのが見えた。
しかしこの異様な雰囲気に男は飲まれなかった。
男は知っていた。何が起こったのかを。
「ヒロコ 愛しているよ」
そうつぶやくと男は一気にアクセルを踏み込んで子供と老人の列に突っ込んでいった。

18 :
>>6-15までのタイトル
『花畑を踏み潰しながら歌うネカマきみひろ』

19 :
髭を剃りながら、きみひろは自分の動画をアクセスしていた。
「きみひろは行方不明となりました」
という動画文字、その前は襲われたよな声で砂嵐とともに突然消える動画。
どれも記憶が無かった。
そういえば花畑を踏み潰す以前、三日間の記憶が無い。
なんだか判らないまま何か掴めるかもとブックマークやリンク先をアクセスしていると
##芸能人タレントだと名乗り騙す手口の詐欺被害にご注意!という表示があり、
芸能人タレントと、そっくり、うりふたつの外見により(整形)ファンを騙すという詐欺手口被害が出ています。
被害内容は芸能人そっくりの詐欺師から..
交際を迫られた先、貯金を全て騙し取られるという..

20 :
その頃、
事務所で電話での苦情受け付け担当となった女性に彼女の婚約者からメールが届いた。
その婚約者はユニークさが受けているタレントで
メール内容は
“自分の風貌と似せた整形した詐欺師がファンを騙している”という内容のメールだった。
その頃、公園のベンチで、ヒゲを一部、剃り忘れた
きみひろ君にメール着信が入った。相手は憧れていたタレントの名で
“今晩、○祥寺の×××で待ってる”という内容のメール。
同時に何通か他有名人の名でのメール着信もあり場所さえ違い、今晩、歌舞伎町の×××で呑んでます。
と今晩逢いましょうメールが、5通程入っていた。
きみひろ君は→☆黄身拾というネームで各メールに返信していた。
メール返信を終えた後、
動画か自分のページに載せるフォトか動画を更新したくその場所探しをしていた所
公園の向こう側に在る花畑をまた見つけて
そうだ!この花に囲まれて写したフォトかムービーをページ更新に使お!
とパンジーやチューリップ、水仙が咲いている花畑の真ん中まで入っていった。
その途中、某タレント名からまたメールが届き、待ち合わせ時刻について尋ねてあったので返信メールを打っていた。
黄身拾っ君はその日、ピンヒールをはいていて
メールを写つうち着信電話の報せがあり電番確認を取るうち歩きながら
パンジーをまた踏み潰していた。
メール返信後、着信電話に出て、その店がどの辺りにあったか記憶にないと少し長電話をし始た。
花畑で、ぐるぐる歩くうち一部のチューリップや水仙の葉、茎はへし折れていた。
公園にママと遊びに来ていた園児が
“あ、ママ!あの、おじちゃんだよ!僕たちの花畑を踏み潰していたのは!と指指した。
その子のママは黄身拾っ君に
「あなた一体、何がしたいの、あちらこちらと花畑を踏み潰して」
と指摘された黄身拾っ君は
園児が自分の事を、おじちゃんだと言った事に対してショック受け
園児の母親に対しては
私が有名人と電話しているため嫉妬している..と何やらメールを打っていた。後で自分のページに日記に載せるつもりらしい。
しかし、踏み潰した花畑には反省するどころか
また踏み潰しながら花畑を出て
踏み潰された花畑にふと目をやると、誰がやったんだろ?
と微か感じたよに少し早足で駅まで向かった。
左側のアゴには剃り忘れたヒゲが濃くなっていた。

21 :
音楽事務所の苦情、受け付け担当を自ら申し出た松島ミナは、娘の幼稚園の迎えに行く時間に間に合わなくなり
やっと休日が取れ家で休んでいた婚約者のタレントに電話を入れた。
“ごめんなさい。あなたしか頼めなくて。麻衣の幼稚園の迎えに間に合わなくなったの。仕事が今日から増えて。あなたの自宅の方が幼稚園から近いから 迎えに行って貰っていいかしら?麻衣も貴方に懐いてきたみたいだし。”
ミナの婚約者、タレントの筋人は
“いいよ、帰りに君の迎えにも行くから駐車場に着いたら電話するよ。
そう筋人が伝え電話を切った。
切った途端、動画まで消えた。
“ちぇっ、やっとこさ取れた休日ずっと独りでいられると思ったら 結婚すればもしかして毎日こんな?感じか現実は。 あいつのパッと見と感じ良さに騙されたなぁ。別にあいつが目的で結婚するわけじゃないし
明日も休日で二日休みとはいえ、本当はイライラしてんだ。俺のなりすましが整形やって詐欺やり出してから仕事が少し減って来ているため、やりたくない昔やってた仕事までやらされるハメになり、今はオアシス、タイムだったんだよ
なあまたオアシスタイムに5分くらい浸るか
そう筋人は伝えると画面を元に戻した。その画面には幼い子供たちの水着姿が並んで表示された。

22 :
きみひろは化粧直しの為、駅のトイレの鏡を恐る恐る覗き込んだ。
そこには、恐れていた中年男性のくたびれた顔があった。
園児がおじちゃんと間違えたのも無理はなかった。
きみひろは疲れていた。
最近物忘れも酷い。年をとったせいだろうか。
きみひろは慌ててファンデーションを取り出し、色黒の顔に丁寧に時間をかけて塗りこんだ。
しかし、鏡の中に写った姿はまるで女装癖の中年男性でしかなかった。
あぁ、まるでゴボウの白和えやな。でもしゃーないわ、今年52やし。
きみひろは大きくため息をつくとトイレをあとにした。

23 :
翌朝早く、朝夜景を眺めながら黄身拾は朝一番の電車に乗り、うとうとしながら起きた。
酒も入ってすっかり記憶がない。昨夜一番最後に逢った者が誰だったのかさえ。。
電車を降りるため財布の中に入れた切符を探した。あれ?ない。ポケットに手を入れると切符はあったが
財布の中身が空になっている。ぼんやりと昨晩のカクテルの匂いから泥酔ながら 自分が放言した言葉を思い出した。
“大丈夫。だあいじょうぶっ。バイト成金だからあ、、。これっくらい、払ったげるってえ、。困った時はお互いさまぁ。だしぃ。
そう黄色い財布を手にしてカクテルこぼした記憶の横、隣に居たのはタレントの筋人の姿だった。
空になった財布を手にして電車を降りて昨日、また踏み潰した花畑が在る公園のベンチにぼんやり座っていた。
誰か迎えに来てくれる人を探さなくてはとアドレスを開いていると
隣のベンチに杖ついた老人が座っていた。
老人は黄身拾に話しかけた。
“あんた昨日、あの花畑を踏み潰してた人だね。私はベンチに座って一部始終見ていたよ。
あんたは人の気持ちがわかるかい?
あんたに話しかけていた園児は私の孫で、孫たちと一緒に腰や足が弱くなった年寄りたちは
孫たちと花を苗から植えて、種から蒔いてと
時に園児たちは水を花にやり育てて、やっと咲いた花なんだ。
あんたは人の気持ちがわかるかい?
この公園の花畑の花たちは懸命に咲いていたんだ。
と老人は黄身拾に伝えた。
黄身拾はマスカラをつけ直しながら(朝から年寄りの説教かよ。年寄りも園児も既婚母親も嫌いなんだよ。好きなのは男。
だけどあの男たちもいつかはこの老人のよに年寄りになるんだよなぁ)
そう思いながら動画更新のネタやプロフに新た載せるフォトを探していた。
昨日の花畑とは反対側にはもっと華やか芳しい季節の花が。
黄身拾はメイクアップしてその華花壇にまた入ったその時、何かを踏んだ。それは蛇だった。
黄身拾っは、ギエーと奇声上げたその時、
パシャというシャッター音がなって、撮ったぞー!という声。
顔見知りだった。名も知っていたが知り合いというだけで どういう知り合いだったかは記憶がない。そしてこの顔見知りはこんな所で何をやってるのか。まさかずっとつけられ..?それと自分はなぜ遠く離れたこの公園によく来るのか、それさえ判らなかった。
相手は、何やってんだよ、こんな離れた公園で。バイト先からはかなり離れてんじゃん。間に合わないよ。
と黄身拾に伝えた。と、その時、向こう側から
女の子と一緒に犬を散歩させ歩いて来る見覚えある姿に気づいた。
“筋人だ。。そうつぶやくと黄身拾っは、筋人? 昨晩はありがとーと、筋人に近寄ろうとすると
筋人は 犬の腹を蹴っていた。女の子が止めてと犬を庇うと
今度は女の子を足と手で強く蹴り払った。女の子は地面に強く打ちつけられた。
黄身拾はその時、何かハッと気づいたように女の子を助けに走った。
“筋人、なぜ暴力を、ここんな小さな子に。”
筋人は 黄身拾に
「お前、誰だ?俺はオマエなんか知らないよ。一度も逢った事はない。」
そう伝えると筋人は、なりすましの件を思い浮かべた。

24 :
女の子は怪我をして血が出ていたため、黄身拾は無理矢理、近くの病院まで連れて行った。
筋人は犬を連れて帰り、
女の子の母親、ミナが麻衣を迎えに来た。
麻衣は 黄身拾に、ありがとう。おばちゃん。
おばちゃんは昨日、麻衣たちが花壇に植えた花たちを踏んでいた、おばちゃんだけど
おばちゃんは本当は優しいんだよ
と母親のミナに話した。
ミナは園児たちのお母さんたちとその日の園児たちの出来事をメールで伝え合っていて
ミナのメール受信には、女か男だか判らない者が花畑を踏み潰していたというメールを今朝読んでいた。
ミナは、ありがとうございました。と黄身拾っに感じよく伝え複雑な表情で病院を出ていった。
黄身拾は、麻衣が地面に叩き着けられた場面を思い出して
その後いきなり、また冷や汗と吐き気と恐怖で奮え出した。
すると黄身拾が蛇を踏んだ瞬間をカメラに収めた 顔見知りが
バイト先まで送ろうか? と
黄身拾に伝えた。
黄身拾は、ありがとう。。だけど、あなたが誰だったか?
さっきは名も記憶していたけど 忘れてしまった、
という事は内緒にして、彼の車でバイト先に向かった。
その頃、動画コメント欄に
黄身拾が昨晩、飲んでいた姿、他 いろんな姿が
転載されていた。

25 :
助手席に座って、この親切な男の名前を思い出そうとした。田中、山田、佐藤、鈴木…
しかし思い出せない。
やっぱ年には勝てへんな。
近所の脳神経外科の物忘れ外来にでも行こかな。
あー、今からパートかぁ、ダルダルやな。
今日は家帰ってパソコンでもしよ。
黄身拾は、運転席の男に自宅に送ってくれるよう頼んだ。
男はヤレヤレという表情を見せたが、終始無言で黄身拾の自宅まで車を走らせた。
帰宅後、早速パソコンで自分の動画コメント欄を確認した。
そこにはハプニングバーで中年オカマと遊ぶ筋人らしい人物の動画や画像が貼り付けられていた。
黄身拾は目を疑った。
この中年オカマはうちやん…。
うち、女やけど、これは誰がどう見てもオカマやん!

26 :
黄身拾っは立ち上がり少し、めまいを感じながら水を飲むためキッチンに向かった。
キッチンが..
それはもうオカルトだった。
キッチン、ステンレスがピカピカといつもは洗ったまま出しっぱなしの皿、お箸、コップまで食器棚に収納され床から何からピカピカと、キッチンタオルから、ふきんから微か漂白剤で殺菌された匂い。
居間も雑誌や衣類が片付けられ床のペットボトルやら何もなく、トイレは見事ピカピカと。
自分が留守中にこの掃除、整理整頓された部屋。。
黄身拾っにはオカルトだった。
潔癖症の元同居人あいつが帰って来て部屋を以前のようにキレイにしている。
黄身拾っはバイトから疲れ帰って来て風呂から上がるとネットにはまってしまう。はまってしまう間、洗濯物はカゴの上、山盛り飯より高く積み重ねたまま、
キッチンは洗ったままステンレスに出しっぱなしのためかステンレスはいつも鈍って、ふきんタオルは洗濯しても臭う。
床に食べカスか何か落ちたまま、居間は雑誌、ペットボトル、時にコンビニ弁当の空き箱が二日間ぐらい放置されたまま
黄身拾っはネットの女王を目指していた。
同居人は元彼で、潔癖症のため、そんな散らかった部屋に我慢がならず三ヶ月前に出て行ったまま。何の連絡もなかった。しかしこの整頓された部屋は同居人が帰って来たという証で
黄身拾っはネット動画で、まるで誘拐されていくよな声で画面が切れた時の事をようやく、鮮明に思い出すことができた。
あの日、動画更新のため、かなりはまっていた黄身拾っの部屋は凄い惨状だった。弁当の空き箱が重ねられ宅配ピザの空き箱もその上、キッチンはいつ洗うのかといつ使った皿なのか判らない水おけの水は、毒のような臭気を放っていた。
洗面台は落ちた髪がオカルトのよに何本も落ち重なり。
黄身拾っがそんな部屋で動画更新にはまっていた晩、潔癖症の同居人が何の報せもなくいきなり帰って来て、
ネット編集画面ばかり見ていた黄身拾っを、後ろ斜めから、羽交い締め風に..そしてパソコンの画面がちょうどプッと消えるタイミングを狙い元同居人は黄身拾っがまるでさらわれたよに視聴者が怯えるような感じを与えたようとしたのだった。
オマエたちネットぱかりにはまっていると黄身拾っのよに部屋ん中まで腐っちまえぜ? 俺が潔癖症? はっ、確かに一枚もシャツさえ乱れなくたたみ収納中までパーフェクトでなければ俺は神経がやられちまうんだ。。
だから、家出すれば俺の気持ちを判ってくれるとずっと帰らなかったが、こいつは俺に電話もメールもよこさないから帰りづらくなった。
俺は黄身拾っを拉致したように見せかけ、バックを持たせ、こいつが好きなかなり遠くの公園まで車で向かい、黄身拾っを真夜中の公園ベンチに置き去りにした。
そして
黄身拾っが居ないうち、部屋の中を大掃除したんだ。。こいつが居たままだと掃除している間、また数秒で散らかしてくからな。

27 :
黄身拾っはようやく、あの日のミステリーを思い出した。潔癖症に到るミステリーを。
そして真夜中過ぎの公園のベンチで潔癖症の彼が迎えに来てくれる事を待っていたが朝焼けまで過ぎていた。
朝焼け頃、自分がなぜこの公園が好きなのか思い返した。小さな頃、よく遊んだ公園。
時折、この公園に来てぼんやりベンチに座る癖がついた。その頃から曖昧な自身の記憶に気づき始めていた。
大人になりネットの携帯サイトでその公園付近の駅登録をしていていたらその公園付近の住人たちが自分のページにレスしていた。その中にまだデビュー前の筋人がページに書き込みをしていた。
まだ未熟な素人芸人をやっていますというレス内容と筋人のページには芸人になるための苦労話しが日記で伝えられ、
黄身拾っはガンバ、頑張ってとよくレスを残していた。筋人は嬉しそうだった。
十年以上前の事で、黄身拾っがネットとバイトに明け暮れ過ごしていたら
筋人はいきなり若手希望の新人タレントとしてピックアップされていた。
そしてネットの筋人のページはそのまま更新も日記日付けも止まったままで、筋人はテレビによく出るタレントとなっていた。
そして止まったままの筋人のページの郵便箱にメールを送っていた。その郵便箱のセキュリティは時代とは合わないゆるさ。
黄身拾っに 筋人と名乗る者からメール返事があった。..やあ、久しぶり..
そして黄身拾っは筋人と名乗る者とメールを繰り返すうちリアル、逢う事となった。
なんだか、ぽっちゃり下ぶくれのお顔の筋人だったが誰が見ても筋人だとしか思わない。声がテレビで聞く声となんか違う..ような気が、それと身長もそんな低い?
しかし黄身拾っは嬉しかった。筋人に公園の話しをするとあまり乗り気ではなかった。
そうこう公園の事まで思い出して、やっと気づいて思い出した。
公園の花壇に小さな子供だった黄身拾っは友達、園児たちとその親と花の苗を植えていた。その記憶がだんだんと鮮明となり次に
冷や汗と吐き気と恐怖が。
小さな黄身拾っは、花壇の花をその手で
根こそぎ抜いて狂ったように投げつけ
恨んでいた。何かを。嘘ばかり作り事、作り笑顔ばかり嘘ばかり、偽物だとか叫びながら。
鮮明な記憶を思い出しそしてパタッと意識を失った。

28 :
「ヒロコちゃん」という声で目を覚ました。
黄身拾は薄暗い部屋のソファに寝かされていた。
何もかも思い出した。
声の主はハプニングバー 山嵐の尻尾のママ、岩子だった。
そして、ここは山嵐の尻尾。
黄身拾は山嵐の尻尾の岩子ママや常連客からヒロコと呼ばれていたのだった。
「あんた、公園で倒れてたわよ。持病の癲癇発作だわね。」

29 :
筋人の婚約者、松島ミナは数枚の写真を手に取り落胆し青ざめていた。
音楽事務所の外テラスで、ミナに数枚の写真を渡す者。
黄身拾っをバイト先まで送った花壇で黄身拾っが蛇を踏む姿を撮った男だ。
彼の名は水島。水島は、筋人が犬の腹を蹴り、ミナの幼い娘、麻衣を蹴り倒した場面を連写しカメラに収めていた。黄身拾っが助けに行く姿も。
ミナは強い打ち身傷を麻衣に与えたのは筋人だと確認する事となった。
最近、麻衣の様子が変で、青あざはどこでつけたかと尋ねると
幼稚園で友達と喧嘩してつけたものだ、自分も友達につけたというからミナはその友達に尋ねてみると麻衣と喧嘩など一度もした事はないし
青あざなどついていない麻衣がついた嘘だと言う。
その横で、黄身拾っが公園の花畑を踏み潰していた現場を母親と見ていた子供が
その公園で犬を散歩させていた、おじさんが麻衣ちゃんを叩いていたと伝えてきた。
松島ミナは水島から、筋人になりすました人物を探し見つけて欲しいとも依頼していた。
その写真も水島から受け取り確認すると、麻衣を助けた黄身拾っが、偽物の筋人とカクテルを飲む姿。
あげく、かなり酔い潰れた黄身拾っの財布から札を抜き取り去って行く姿。
水島はそれ以前から偽物、筋人と逢う黄身拾っを撮っていて花壇を踏み潰す黄身拾っも撮っていた。
花壇の蛇は、玩具の蛇で水島がまた
黄身拾っがスマホを手にした後、花畑に囲まれるため花壇の中に入り出すという素行を知り
あらかじめ用意していたオモチャの蛇だ。
しかし水島が撮った写真には予想外の写真が数枚在った。
黄身拾っがスマホを手にし夢中となっている姿を撮る別人物が写っている。カクテルバーでも。
深く帽子をかぶり誰だかは判別はつかない..

30 :
その頃、黄身拾っは動画コメント欄を読んでいた。黄身拾っの私生活を撮った数枚の写真がまた転載されていた。
アクセス禁止、ブラックリストに入れても無駄だった。
編集機能の様子も変だ。入れ変わってる。 初期化されたり。
悪寒が走り怖くなった、黄身拾っは、元同居人に何回も電話をかけていたが一通のメールに
“オマエが散らかし片付けはしないままネットにはまる姿、そして散らかり汚れた部屋。それが俺にとってはオカルトなんだ。
黄身拾っは返信した。異様異常な潔癖症も、オカルトだ。
その時、別メール着信のメッセージがあり開くと
やあ、黄身拾っ。元気?、コメントに載せたフォト覧てくれた?見て愉しかったかい。
というメッセージと黄身拾っが公園の花壇を踏み潰すフォトが沿えられ
オカルト映画のサントラ も添付されていた。

31 :
黄身拾っはその恐怖さえまた忘れた、つまりコメント欄や誰だか判らない相手からその内容を伝えて来るメール。
それさえ忘れる程、一番嬉しいメールが届いていた。
憧れのアーティストからのメールだ。
ルンルンとメールを開いて読み始めた..。
その頃、
松島ミナは、娘、麻衣からこう伝えられていた。
ママぁ。パパにまた逢いたいよ。なんでパパに逢ってはならないの?
麻衣はミナが、運転する車の助手席でいつもママが車で流している歌を聴きながら、そう尋ねていた。
その歌が麻衣のパパが歌っているとも、まだ知らずに。

32 :
松島ミナは十年前、麻衣の父親と交際していた。
その頃、ミナのその彼はまだ、売れないミュージシャンで
五年前、麻衣が生まれた。
しかしミナのその彼は売れないミュージシャンでお金が無く
ミナの給料でやりくりしながら麻衣を生んだ。
ある季節、彼は、うつ病のような状態となった。
その間、音楽の仕事も休み完全に無職。
ミナは麻衣を産んだ後、子育てながらバリバリ働いた。
彼が赤ん坊の麻衣の子守をしていたが、
ある朝、書き置きを残して彼は消えた。
ミナは途方に暮れる暇も無く託児所に麻衣を預けて働き、それ以前は新米だった彼女は安定した収入を得るポストに着く事ができた。
その一年後、ラジオからよくリクエストがかかる曲が流れ出した。
麻衣の父親の歌声。
ミナは赤ん坊の麻衣を抱きながら一緒にワンフレーズ歌いながら
始めて涙を浮かべた。
しかし麻衣の父親は、麻衣やミナに申し訳なく
ミナと結婚する意思は無かった。

黄身拾っは、あるミュージシャンからの着信メールを受け取り舞い上がっている。
友人にその事を伝えると、
それって、最近流行ってる芸能人詐欺?ではない?よね。
黄身拾っ、気をつけてね。黄身拾っは簡単に騙されそうだから。貯金無くなっちゃうよ。この間、バイト成金になったと
あたしに、じゃんじゃんおごってたじゃん。聞いてる?黄身拾っ。
黄身拾っはなんて返信を送ろうかと舞上がったまま彼の歌をうたい出し
動画編集にログインした。
さて、このミュージシャンは当人でしょうか。偽物でしょうか?
整形ビジネス界では、、この芸能人みたいな顔に整形して下さいと注文して来る顧客患者が..女性男性と限らず..

33 :
(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)

34 :
この話しはフィクションですが
黄身拾っという人物だけがノンフィクションです。

35 :
松島ミナの娘、麻衣はまだ五才。
しかし麻衣はだんだんと歌番組を好むようになっていた。
音楽が好きだと自分もいつかミュージシャンになってギターかピアノ弾いて歌うんだ
と幼稚園で話していた。
ある日、テレビの歌番組を点けて、ぼんやり観ては聴いていた麻衣は
あるアーティストの姿に意識を奪われる。
一度だけ逢った事が在るパパとよく似たアーティスト。話す声もよく似ている。
そしてそのアーティストはカメラに向かい新曲を歌い始めた。
その歌声はママが運転しながらよく聴いていた声だ。

夕暮れた時間、黄身拾っはニコッニコしながらあの公園のベンチで電話を待っていた。
憧れのミュージシャンから電話がかかって来る時間だ。電話で話すのは始めてだ。
スマホを手に取り待つ黄身拾っの前に
夕闇めいた時刻
小さな女の子、麻衣が公園まで独り、とぼとぼと歩いて来た。
黄身拾っに気づいた、麻衣は
おばちゃん。こんな時間に公園のベンチに座ってると危ないよ、と麻衣は話しかけて来た。

36 :
黄身拾っは驚いた。
なんでこんな薄暗くなり始めた公園に独りで来るの?ママはどうしたの?
麻衣は答た。ママはまだ仕事中。
筋人おじさんと居たけど、数時間前にどこかに出かけて行った。
黄身拾っは ママに電話するから番号教えてと尋ねた。
麻衣は黄身拾っにミナの電番を伝え
黄身拾っはミナに麻衣の事を伝えた。
ママが迎えに来るまで
二人は
一番星から次に月と
次々と輝き出す星を眺め待っていた。
黄身拾っは電話を待つ憧れのミュージシャンの歌を小さな声で歌ってみた。
あ、その歌はママがよく車で聴いていた歌。
麻衣はそう、黄身拾っに伝えると
公園外の路上にママが車を止めて、麻衣!どうしてこんな時間に公園なんかに独りで行くの。と走って来た。
彼女は事務所タレントのなりすまし詐欺対策について警察も加わり会議中だった。

37 :
ママ、麻衣が..今日テレビを点けたら..。
と話しだすと
急に高い着信メロが鳴り出す。
その曲は、ママがいつも車で聴いてる曲だ..。

黄身拾っはドキドキしながら電話の声を聞いた。
今晩、今からメールで伝えた店で待ってるから..
そう、黄身拾っに
相手は伝えた。

麻衣はその着信メロディーの曲を歌い出した。とても澄んだ声で..。
ミナは困った表情を隠し切れず、とにかくもう家に帰りましょう。と伝えた。
黄身拾っはニコニコ笑顔で電話に返事しながら、麻衣にバイバイと手を振っている。
ミナは黄身拾っの話し口調から、また例の芸能人なりすまし詐欺に騙されてるんじゃあ、と
名刺を黄身拾っに渡して、
麻衣を車に乗せた。車からさっきとは別の曲が同じ声で流れ出して
麻衣は急に大きな声で泣き出す。
その時、黄身拾っは暗い公園のベンチで嬉しそうに電話を切り目的地へ向かう。
ずっと物影からその様子を写している者が居た。
何やら、ぶつぶつと独り言を言いながら黄身拾っの後を着けていた。
しかしその後ろを水島も着けていた。

38 :
(; ・`д・´) ナ、ナンダッテー !! (`・д´・ (`・д´・ ;)

39 :
黄身拾っは約束のもつ鍋屋「もつ鍋一番」に向かった。

40 :
だが「もつ鍋一番」は店休日で閉まっていた。
仕方ない、ラーメンにするか。

41 :
黄身拾っはラーメン屋「網走一番」に向かった。
確か年中無休だったはずだ。

42 :
年中無休なら安心だ
だか、今日は何を食べようか?
豚骨、味噌、塩、つけ麺…

43 :
だが「網走一番」は臨時休業で閉まっていた。
仕方ない、ハプニングバー「山嵐の尻尾」に行って岩子ママにおごってもらおう。
ミュージシャンとの約束を綺麗サッパリ忘れた黄身拾っだった。

44 :
朝、目覚めると駅のベンチにいた。また曖昧な記憶の断片。留守電が入っていた。留守電には
「ごめん。場所判らなかったんだ?」
というメッセが一件。
その声を聴いて黄身拾っは、昨晩は憧れのアーティストと逢う約束の日だった事を思い出す。
慌てて、すっぽかした謝りの電話をかけると
憧れのアーティストの声。
その電話向こうから歌声が聴こえて来た。
そのアーティストは園児たちが童謡を歌っているDVDを聴いていた。
そのDVDには麻衣が映っていてバトン式、麻衣が歌っているシーンがアップされている。
電話向こうから聴こえて来る幼い歌声に
黄身拾っは なんか夕べ聴いてたよな?歌声..。
アーティストは黄身拾っにこう返事した。
「また別の日に。空いている日を連絡下さい。」
そして電話は切れた。
気味拾っはすぐに空いている日をメールで伝えた。
そして帰宅すると、アーティストの留守電にもメールに空いている日を送りました。と伝えた。
アーティストは、黄身拾っのその留守電を削除せずずっと保存していた。
彼は黄身拾っの声が好きだった。それで黄身拾っの動画閲覧者の一人だった。
黄身拾っの歌う声は、自分の娘の歌う声と似ていた。
娘、麻衣の歌う姿が入っているDVDを送っていたのは
麻衣の母親のミナ。
ミナは昨晩の麻衣の態度から仕事に集中できなかった。

45 :
麻衣は幼稚園でずっと、うつむいていた。段々とそのうつむきは怒りに変わって行った。
麻衣の質問に何も返事をしないママ。
だから..余計そうなのかもしれないと。
もしかしたらママがよく聴かせてくれた歌は
パパの曲、パパの歌声かもしれない。
麻衣は不安と期待を繰り返すうち
悲しみが強い怒りとなった。
「先生!麻衣ちゃんが花壇の花畑、こわしてるよ!」
他の園児たちがそう叫び出した
麻衣は花壇の花を根こそぎ抜いてはほうり投げ出した。

46 :
その頃、水島は気味拾っを隠し撮りしていた者の写真を数枚、比べ眺めていた。
向かい席には松島ミナが、筋人の、なりすましが逮捕された事を水島に伝えていた。
ネットでは筋人の、なりすましが逮捕された記事から、気味拾っの動画コメント欄でも伝えられていた。
気味拾っが筋人の、なりすましとカクテルを呑んで酔ってる隠し撮り姿が
以前、コメント欄に投稿されていたからだ。
それで気味拾っは騙されやすいタイプだ。金は盗まれてはいないか?などという話しでコメントで溢れていた。
「はい、盗まれました。」
そう呟いた気味拾っは、バイト先でコンビニ弁当を食べながら
麻衣の母親、松島ミナから渡された名刺をぼんやり眺めている。
..音楽..タレント事務所の人か..。
麻衣ちゃんのお母さん。筋人ととはどういう関係なのかは尋ねていなかった。
お姉さんぽいな。まさか恋人、奥さん?
だけど筋人には、がっかりしたよ あんな人だったなんてさ。
筋人がまだ若い頃のネットでの思い出だけにしとこう。

その日、筋人は休日で幼い子供の水着姿のフォトを順番に眺めていた。
動画では、麻衣がプールで泳ぐ様子。
筋人はまだ若い頃、松島ミナとは仕事を介して知り合い人気が出た後、交際を申し込んだ。
しかしその目的はミナではなくその娘、麻衣だった。

47 :
気味拾っは今月、金欠だった。
気味拾っは、筋人のなりすましから数万円盗まれている可能性から
その数万円を取り返すため、松島ミナに相談してみようかと名刺先のメールアドレスに
送信してみようかと思っていたが
麻衣のお母さんなのかと思うと躊躇した。
麻衣が
「おばちゃん危ないよ」
と伝えた言葉が
「おばちゃんは、危ないよ」
という言葉に気味拾っの中ですれ変わっている。
しかし今月は金欠だ。元同居人の潔癖症もまた消えた。
気味拾っは、思い切って松島ミナに相談する内容のメールを送った。
そしてそのメールは気味拾っの直メアドからの送信で
気味拾っの個人情報を松島ミナに報せた。
松島ミナはそのメアドを被害者から相談受けた内容だと警察に届け出し、気味拾っのメアドも伝えた。
その頃、気味拾っの動画コメント欄にはまた新たな気味拾っを隠し撮りしたフォトが。
気味拾っは あたまの中で犯人探しをしてみた。
この動画を知っている知人は..、
それで元同居人にメールで相談するという形で疑ってみた
すると意外に返信が在った。
その隠し撮りを載せたのは俺ではない。しかし、
編集機能を一部、初期化したのは俺だ。気味拾っ、ごめん。
気味拾っがネットばかりやって部屋を散らかしぱなしなのが許せなかった。
そういう返事が返って来た。
気味拾っは、潔癖症の元同居人が三ヶ月前、出て行った後から
あちこち芸能人やらミュージシャンやら、何やらミュージシャンには自分の動画を報告したりし始めた。

48 :
気味拾っは、また公園に向かった。
すると麻衣が、花壇の花を抜いては放り投げていた。
気味拾っは慌てた。麻衣がこんな事をやるなんて。
麻衣ちゃん、と気味拾っは声をかけた。
麻衣は、気味拾っを下から見上げると
「おばちゃんは、危ないから。」
と、つぶやき、さっと走っていった。
気味拾っは 花壇から抜き取られた花の根を
元に戻そうとした時、
また冷や汗が出て吐き気がしたと同時に
まだ幼い頃、花壇の花が大好きだった事。そして憎しみを花を根こそぎ抜き、ぶつけた事を思い出した。
そしてその姿が麻衣の姿と重なり、直感のよなものが、走った。
気味拾っは、走って行く、麻衣を追いかけ、ついて行った。
麻衣は、ある家の扉を開けた。
そしてその家を見て、気味拾っは完全に無くした記憶を思い返す事となる。
その家はまだ幼い気味拾っが家族と住んでいた家だ。
麻衣が開けた扉は、少し開いていた。
それは麻衣がいざ危ないという時、すぐに逃げ出せるよう扉を少し開けたものだ。
気味拾っが扉の近寄ると
筋人の声がする。妙に優しい口調で麻衣に話しかけている。

49 :
と、その時、止めて!という麻衣の声がした。
気味拾っは扉から中を覗いた。
筋人が麻衣の 肩に手をかけていたが
麻衣は、振り払い
台所から尖った物を掴んで筋人に向けた。
筋人は、そんな物掴むなよと焦りながら

麻衣は、みんなに話すから、ママにも。あんたの事!と叫んだ。
筋人は、なんだと、と暴力的な態度でまた麻衣に近寄りその手から尖った物を奪って麻衣に向けた。
気味拾っが、扉を蹴り、麻衣ちゃん!と
麻衣を抱えて外に逃げ出した。
気味拾っは、できるだけ遠くまで麻衣を連れ出し
ミナの名刺を見て、ミナに電話をかけた。
松島ミナの職場はその時、修羅場だった。
ミナはそのため気が立っていた。
気味拾っから、かかった電話を見て知らない電番だと電話には出ず、切った。
気味拾っは焦りながら、ミナの職場に向かった。

50 :
公園の駐車場に気味拾っは自分の車を置いている。
麻衣を自分の車に乗せ、車を麻衣の母親、ミナが勤める事務所まで走らせた。
車の中、気味拾っが憧れているアーティストの曲イントロが流れ、歌う声が流れて来る。
麻衣の父親が歌う声だった。
麻衣はその声を聴くと、ふっ切れたよに泣き出した。
事務所に着き、受付から麻衣の母、松島ミナを呼び出すと
無表情、仏頂面のミナが歩いて来た。
ミナは麻衣に向かい、今忙しいの。いつまでママを困らせる様な事ばかり続けるの!と怒鳴った。
そしてミナは気味拾っに向かい、
何よ、なんで、あんたが出て来るの? あんたみたいな人を巻き込む、油断と隙だらけの危ない人間に振り回される人の事、考えた事ある?
今ね、あなたが被害に合った事件についても後に話し合いがあるの。
なりすまし芸能人に騙されお金を盗まれてしまう様な隙だらけの、あなたみたいな人のせいで私たちは大変よ振り回され放しで、問題は放置出来ないし。
ミナの姿は公園で見た、麻衣に対して自信なさげ控え目な態度ではなく
甘くはない厳しく冷たい自信に溢れた姿で、麻衣と気味拾っを叱った。
気味拾っは、麻衣ちゃんのお母さんに迷惑かけていたなんて、ごめんなさい。
私の様な隙ある危ないタイプが、ミナさんを振り回して余計な仕事を増やし
結果、麻衣ちゃんを母親が放置し危険なめに合わせた。と
気味拾っは反省し、一部、その事に触れ、ミナに謝った。
しかしその後、気味拾っは、ころり声と口調を変えて
あんた、麻衣ちゃんが筋人からどんなめに合わさているか?
知ってるの? 知らずに麻衣ちゃんから何も聞かずに
麻衣ちゃんを責めて
何が合ったかは、よく聞かないの?
あんたはすでに、危ない母親だ。
麻衣ちゃんが将来、私みたいになったら、どうするの?
そう伝えると、気味拾っは、冷や汗と恐怖に段々、襲われて倒れた。
失われていた記憶が再現された。
その時、気味拾っの電話に着信メロディーがかかった。
気味拾っの憧れのアーティストの歌の着信。
そして電話は、そのアーティスト、麻衣の父親からの電話。
彼は動画の気味拾っの歌う声を聴いて
始めてコメントを送った。
「君の歌う声。僕の娘の歌う声と似ている。」

51 :
倒れた黄身拾っのソバで電話はなり続けた。
目が覚めた。
どうやら病院のようだ。
岩子ママが心配そうに、黄身拾っの顔を覗き込んだ。
「ヒロコちゃん、あんた、また癲癇発作起こして公園で倒れたのよ。しばらく入院だってさ。」

52 :
気味拾っが倒れて病院に運ばれる前、
意識を失った気味拾っの電話が鳴りっぱなしのため、
倒れた黄身拾っの友人か知人かもしれないと迎えに来て貰うと
松島ミナは電話に出てみた。
「もしもし...です。メールありがとうございました。その件なんですが..」
松島ミナは驚いた。麻衣の父親、...の名と声。
ミナは“あなた、ユズルでは。
驚いたミナは思わずそう声を上げてしまった。
麻衣はその様子を見て、察知し 黄身拾っの方を見た。
黄身拾っはいろんな場面が夢のよに交差して薄れて行く意識向こう、
麻衣がこちらを、じっと見ている姿..。
..しばらくして気づくと白いベッドの上、寝ていた。
ミナは黄身拾っの電話機のアドレスから
岩子の電番を見つけ出し電話をかけ、黄身拾っが入院した病院を報せた。
岩子は目覚めた黄身拾っに
「倒れたばかりの、あんたには悪いけどさ。あんたが倒れた事を私に連絡した、松島さん?彼女、こう言ってたわよ。もううちの娘には関わらないで欲しいと。だから公園に来るのも控えてと。

53 :
数日、入院しているとまたカウンセリングを勧められた。
退院して麻衣が幼稚園に行っている時間帯に
もうこれが最後だと公園に向かい
麻衣が抜き取った何本かのしおれ枯れた花の根を元に戻した。
公園の反対側のベンチに座っていた、あの杖の老人が 手伝うと花の根を手にして うちは花屋をしている。私は店主を引退したが この抜き取られた花の応急処置をしてみるよ。
あんたは気づいてなかったろうが、私はこの花の根を抜き取り放り投げていた
あの小さな娘と同じ姿を
ずっと昔も見た事がある。あんたによく似た、小さな子供だ。
私はその当時この花壇の花を管理を頼まれていた。
杖を置いた老人は腰をさすりながら
足腰を痛めると、抜き取られた花の根を掴む事もままならない痛みが走る時がある。
あの小さな娘が花を抜き放り投げた日も抜かれた何本か花を手に取っても痛みが酷くて。
あの娘が、犬の散歩に付き添い公園に来た日
何回か暴力を受けていたので止めに行くと 相手はその子の手を掴み急いで帰って行ったが
私はあの後、警察に連絡した。
黄身拾っは、しおれ枯れた花の根を手に土に触れると
遠い昔そうやって花壇に花の苗をみんなで植えていた事を思い出していた。
その時は冷や汗も恐怖感も感じなかった。

54 :
黄身拾っがもう公園から帰ろうと公園の水で手を洗っていると
誰かが声をかけた。
筋人だった。
黄身拾っはベンチに座り、
私は小さな頃、この辺りに..あなたが今住んでいる家に住んでいたの。
そして大人になりネットのサイトのこの場所の駅登録をしたら
あなたが自分はここに住んでいると私のページで紹介をして
あなたもその当時はページ仲間だった。
私のハンドルネームは黄身拾っ。覚えてるかな。
筋人は、
ああ覚えているよ。あの頃はまだ若くて夢と希望に溢れて
今では仕事と縁が切れないように自分らしさも捨てて作られた姿で仕事やっていた。本当の姿はあんなものではなく。
あのページの事もすっかり忘れていた。
君が住んでいた、あの家から少し離れた場所に子供の頃は住んでいた。あの家は当時、誰が見ても憧れるような家で、大人になり売れ出した後、あの家を購入したんだ。
君を近くで見ると昔、公園で小さな、みんなと一緒に苗を植えていた事を思い出した。
もしかして、...ちゃんじゃないかな?
僕は心の病気からこんな姿になっていた。
なりすましは逮捕されたけど
今から僕も警察に行きます。
麻衣と母親のミナとは別れた。
ミナたちはここから離れた別地域に引っ越すし、
僕もあの家を出て引っ越すから
君はこの公園にまた来るといい。

55 :
ミナは、 なんなの..あの女?男?
筋人のなりすましの件といい、
ユズルが電話をかけて..
お祓いしなくちゃ。
引っ越し作業を始めながら
ミナは 麻衣に、自分の荷物をその箱に入れてと伝えたが
麻衣は 公園に行って来る、と部屋を出た。
公園に行くと、あの、おばちゃんに逢える。
そして、なんだか..パパに逢えそうな気がする。
一日に何回も公園まで麻衣は向かったが
黄身拾っ、おばちゃんの姿は無かった。
そのうち、あの電話の相手がもしバパなら
おばちゃんとパパはどういう関係なんだろか。
麻衣はそう考えると、おばちゃんが憎らしくなった。
麻衣は、おばちゃんに逢いたいため、おばちゃんがママにあの日、電話をかけていたため、
着信履歴を調べることは四歳から手慣れから、ママに内緒で調べる事ができた。
ママに体調が悪いため、今日はお風呂は休むと伝え、ママが入浴中に、電話の履歴を探し開き方を覚えたのだ。
そこにもしかしたら、パパにかけた電話、パパからかかって来た電話の履歴があるかもしれないと、必死だった。
着信履歴を下り、おばちゃんがママに電話をかけた日付の電番をかけてみた。
すると黄身拾っが電話に出た?
おばちゃん?麻衣だよ。
黄身拾っは麻衣ちゃん?なんで麻衣ちゃんが?
麻衣は またあの公園に来て。明日のお昼、公園に人が多い頃、ベンチに座って待ってる。聞きたい事があるからと。
向こうから、麻衣?、何独り言、言ってるの、早く荷物まとめなさい。という母親のミナの声。
麻衣は、じゃあね、おばちゃん。明日のお昼、待ってるか。
そう言って麻衣は電話を切った。
黄身拾っは 明日から数日、コンビニのバイトで埋め尽くされていた。
しかし、コンビニの仕事をキャンセルし
翌日、公園に向かった。
たくさんの子供たちとその親たち。犬と遊ぶ姿。
公園の花が特に綺麗な季節。

56 :
ベンチに座ると、麻衣が他、子供たちにもうすぐ引っ越すからとお別れを伝えていた。
しばらくして
麻衣は、おばちゃん、来てくれて、ありがとうと、黄身拾っが座ったベンチに座った。
そして黄身拾っにこう伝えた。
おばちゃん。ミュージシャンというのかな。歌う人とお友達なのかな? よく電話している?その人の名は ユズル、て言うの?
その人の名を全部、教えて。
黄身拾っは、どうしてそんな事を尋ねるの?と麻衣に尋ねた。
麻衣は、その歌う人、ユズル、て言う人は、麻衣のパパかもしれないから。
黄身拾っは、びっくり驚いて声を詰まらせた。
その時、着信があった。
麻衣の母親ミナからだ。
ごめんなさい。あなた麻衣と会ってない? 昨日の電話履歴にあなたにかけた電番があったから。
黄身拾っは、麻衣ちゃんなら公園のベンチに今、座ってます。ごめんなさい。もう公園にも来ません。麻衣ちゃんにも逢いません。迎えに来て下さい。
そして電話を切った。
するとまた違う、電話がかかった。虫の知らせか、憧れのミュージシャン、ユズルからの電話だった。
メールに送ったから読んで。今晩、七時頃、その店で待っています。
黄身拾っは、電話を切ると、
麻衣の幼稚園の友達のお母さんに
麻衣ちゃんのママが今から麻衣ちゃを迎えに来ますから、それまで麻衣ちゃんをよろしくお願い致します。と頼んだ。
黄身拾っは ユズルから電話がちょうどかかり、麻衣の質問やら、今からミナが来る事やら、この場から早く去らなくてはと少し混乱しながら
じゃあ麻衣ちゃん、私、急用が入ったので、これでサヨナラね。元気でね。と手を振って、
駐車場に車を置いたまま、公園近くの駅まで歩いて向かった。

57 :
ユズルが指定した「もつ鍋一番」には約束の30分前に到着した。
リベンジ
黄身拾うさっは笑顔でつぶやいた。
店内は意外と広く、仕事帰りのサラリーマンやOLで賑わっていた。
一番奥のテーブル席が奇跡的に空いていた。
「とりあえず生ね。」
黄身拾っは、店員にそう告げながら席についた。
最近いろんな事があり過ぎて疲れたな。
でも今日はユズルに会える!
美味しいモツも食べれる!
ユズルとモツの事を考えると気持ちが高揚してビールがすすんだ。
生ビールを大ジョッキで5杯飲みほしたとき約束の7時になった。
しかし、ユズルは現れなかった。

58 :
犬と遊んでいた麻衣の幼稚園の友達が、ママ、麻衣ちゃんが居ないよ。と母親に伝えた。
本当だわ、ちょっと、めを離した隙に。麻衣ちゃん? と探したが公園のどこにも居なかった。
麻衣の母親、ミナが麻衣。 どこに居るの?と向こうから来ていた。
麻衣はその頃、黄身拾っの後をつけて
黄身拾っが乗った電車に気づかれないよう注意しながら乗った。
黄身拾っが電車を降りた、駅に麻衣も降りて
黄身拾っが向かい歩く通りついていった。
黄身拾っは後ろを振り向く事はなかった。
黄身拾っはその街には知人が多かった。
黄身拾っに声かける人たち。
しかし小さな子供が一人で歩くような雰囲気ではない場所で
小さな麻衣が、歩いているため、不自然だと知らない人が
あなたママは? 小さな子供が歩くような路じゃないわよ。
麻衣は、黄身拾っの背中を指さして
あの人がママです。ママは早足だから。と返事をして
また黄身拾っの後を気をつけながら周囲にも不自然だと悟られないようずっと歩いた。
黄身拾っは、まだ少し早い時間だけど
お店の中で待っていようと店内に入った。
麻衣は店の入口付近で客に気づかれないよう隠れ
店内に入る者たちをチェックしていった。

59 :
ユズルとは連絡がつかないまま時間だけが過ぎていった。
ユズルには、10時まで「もつ鍋一番」で待ってます、とメールを入れた。
黄身拾っは、芋焼酎を飲みながら、一人寂しくもつ鍋をつついた。
結局、ユズルは現れなかった。
10時になり、「もつ鍋一番」をあとにした。

60 :
少し酔いつぶれたような黄身拾っの傍らに おばちゃん。。と声かける小さな女の子がいる。
黄身拾っは、麻衣ちゃん!と驚いては酔いを覚まそうとした。
そして着信が入った。麻衣の母親ミナからだ。
ミナは麻衣が黄身拾っに着いていったと確認を取り
今から迎えに行くから、あなたが、ユズルに逢いに行くのではないかと、ユズルに確認の電話をしてみたの。ユズルからは一応、店の名は聞いたけど
店の者たちは、酒の匂いがする黄身拾っが小さな女の子と二人だけで一緒居る事が不自然に見え、耳打ち仕出した。
黄身拾っは、麻衣の母親に、タクシーであの公園まで帰って来ます。その頃また電話しますので待っていて下さいと伝えた。
麻衣は、おばちゃん。勝手に着いて来てごめんね。誰かと待ち合わせ?
すると着信がかかった。ユズルからだった。
ユズルは、麻衣の母親ミナから電話がかかり、ミナはユズルに事情を話して麻衣が黄身拾っの後を着いて行ったかもしれないと伝えられたため、
ユズルは黄身拾っに、麻衣はそこに居ますか?大丈夫かと確認を取った。
そしてユズルはミナから電話がかかり全て聞いたと黄身拾っに伝え、だから..君とはもう直接には逢えない。と伝えた。
黄身拾っは、今から麻衣ちゃんのお母さんのところまで麻衣ちゃんを帰しに行きます。タクシーで向かいますから、安心して下さいと伝えると、
麻衣が、黄身拾っの手から電話を取り上げ、
パパ? 麻衣だよ。ハパだよね?
と大きな声で叫んだ。
麻衣の声を聞くと、ユズルはすぐ電話を切った。
黄身拾っはバレてしまったと..思いながら
タクシーを呼んでミナが待つ公園に麻衣と帰った。
麻衣はパパに逢えなかったと、ずっと無言のままだった。
タクシーを降りるとミナが息切らして走って来た。麻衣ごめんね。お母さんが全て悪いの、ごめんなさいと言いながら麻衣に抱き着いた。
麻衣は、ミナに、
どうしてパパとママは一緒に 麻衣と住んでくれないの?パパの音楽は人気がありお金には困っていないのでは。
パパは麻衣のことが可愛くないの?ねえ、どうして

61 :
ごめんね、麻衣、ごめんね。
ミナは麻衣を抱きしめながら、号泣した。
ミナは何も言えなかった。
黄身拾っは、気分転換に岩子ママの店に行く事にした。
このまま汚部屋に帰っても気分は滅入るだけだろうから。
こんな夜はハプニングバーでハメを外してもバチは当たらない。

62 :
そう麻衣が伝えるとミナは、
パパはね。ママとは結婚していなかったの。
そしてパパと再会した時は、
パパはすでに他の人と結婚していて
パパには 麻衣より小さな、赤ちゃんのパパになったの。
そうミナは麻衣に伝えた。
ごめんね。麻衣ごめんね。と伝えると青ざめながら
ミナは麻衣の前で倒れた。
なんだか倒れた顔色が普通ではない。黄身拾っは救急車を呼んで近くの病院までミナは運ばれた。
1時間後、看護士がお母さんは大きな病気にかかっている可能性があるため今日から、入院して貰い、明日から詳しい検査を受けます。と二人に伝えた。
黄身拾っは麻衣をどこに泊めさせるか判らず、ユズルに相談の電話を入れた。
ユズルが慌てて電話に出て黄身拾っから事情を聞くと、
電話の向こうから「あなた?誰と電話してるの?」という女の人の声がして、赤ちゃんの声も聞こえた。
黄身拾っはミナの親の連絡先を教えて下さいと伝えると、
ユズルは、ミナは昔、田舎を飛び出し家出してから一度も連絡した事が無いはずだ。たぶん麻衣の事も知らないはずだ。そして僕は、孤児で育っている。親兄弟も居ない。
そう黄身拾っに伝えた。
黄身拾っは、麻衣がそんな環境の中で育って来たのだと、私と変わらないのかもしれないと思った。
黄身拾っは、ユズルに、麻衣ちゃんは私が今晩、預かりますから
ミナさんには、あなたからそう伝えて下さいと言い、ユズルの承諾を得て、電話を切った。
ミナはまだ目を覚ましていなかった。看護士に伝言を伝えて
黄身拾っは、自分の住まいに 麻衣を連れて来た。
ドアを開けると 部屋の臭気が篭っていた。前程ではないけど、部屋は散らかっている。洗濯物をとえたたみ少し片付けて
コンビニから買った幕ノ内弁当を麻衣に。
黄身拾っは、いけない。潔癖症のあいつが言っていた事がなんだか少しばかりわかる。こんな散らかった部屋、匂いの部屋にこんな小さな子を泊めるはめになるなんてと。
黄身拾っは自分の不精さに苛立った。明日からは心入れ変えて、部屋の掃除をしよう。
テレビを点けるとタイミング悪く 生放送ではない録画放送の歌番組が始まった。テレビ欄を見ると
ユズルの名がある。
黄身拾っはチャンネルを変えようとしたが麻衣が観ていい?言ったためそのまま歌番組を聴いた。
ユズルが新曲を歌う番が来た。そこで麻衣は改めて、ユズルの名や他情報を知った。
ユズルの歌をドキドキしながら聴いて、ユズルが歌い終わると麻衣はそのまま疲れて眠ってしまった。

63 :
そして黄身拾っも眠った。>>61のいつもと同じ行動パターンに走る夢を見てしまった。いつもの寂しい黄身拾っが行く行動パターン。
しかし今回は夢の中でも、黄身拾っ、いつもと違うんだよ。しっかりしなきゃ。と思い
朝早く起きて静かに掃除を始めた。
麻衣が起きて、朝ご飯を一緒に食べて幼稚園に連れて行く。
今日は園児服無し。幼稚園に着くと、 先生に事情を伝えて
ミナが入院している病院に向かった。
担当の看護士に会うと一月程、入院していなければならないという。
ユズルは黄身拾っのメールに伝言を伝えていた。
妻に事情を話した。麻衣の事、ミナの事。
すると妻は、しばらく裏切られ騙されていたと隠し子が居たなんてと荒れていたが
今朝、こう返事を貰った。ミナの見舞いに行って、ミナの故郷の親の連絡先を尋ねて、麻衣はその祖父母に預ける様に。そしてミナも故郷の田舎の病院で治療を受けるように。
そしてユズルが二人とユ決別するなら
隠し子が居た事を許してあげると。
あなた(ユズル)は私の親のおかげで、在のあなたがその位置に居られる事を忘れないで。実力ばかりではないでしょう?この世界は。ショックのあまり気分を強く害したユズルの妻は辛辣と伝え

その中からミナの田舎の両親の連絡先をミナに尋ねなくてはという内容だけ黄身拾っのメールで伝えた。後は困った事あればすぐ連絡下さいと。
ミナが目を覚ましていた。麻子を預かり泊まらせた事。ユズルが後で見舞いに来て、これからの事を相談し合う事など。
ミナはごめんなさい。あなたはいつも、麻衣が危機に合うと助けてばかり居る。
そして私やユズルは、麻衣にとって最悪な親ね。ユズルはああで、私もこう。仕事のせいにして麻衣の話しを気持ちを知ろうともしなかった。

64 :
幼稚園に迎えに行くと、麻衣が、おばちゃんと嬉しそうに走って来た。
園児たちが
あの、おばちゃん知ってるよ。花壇の花畑を踏み潰してた、おじちゃんだよと言い始めた。
麻衣は、黄身拾っおばちゃんはね、麻衣が危ないめにあうと
いつも助けてくれたんだよ、
と黄身拾っの手を握って一緒にミナの見舞いに向かった。
麻衣は、ミナの体調が心配ではないのだろうか。そう黄身拾っは伝えた。
麻衣は、黄身拾っおばちゃんと一緒にいれば、いつかパパが電話して来るだろうし
ママが入院したからパパが見舞いに来るかもしれないと期待していた。
ミナの病室に入ると麻衣のパパ、ユズルがミナの見舞いに来ていた。
麻衣は、パパ!と嬉しそうに近寄った。
ユズルは麻衣を避けるよに無表情、無言のまま病室を出て行った。
黄身拾っは、ユズルを追いかけて 何なの?あの態度は、 何回、麻衣ちゃんが傷ついたか判ってんの?
と伝えると
ユズルは懐かれないようにしたんだ。いつかミナの両親に連絡する。ミナが連絡先をお知えた。
そして麻衣とはもうこれで本当に逢う事はできない。
麻衣は泣いていた。ミナは麻衣に全てを話した。

黄身拾っは麻衣との帰り道、公園の花壇に立ち寄った。
ベンチにはいつものおじいさんが居た。おじいさんに麻衣の事を話し、花壇の花の手入れを教えて下さいと頼んだ。
麻衣ちゃん。一緒に花壇の花を治してあげよう。

65 :
麻衣と帰宅して部屋の模様変えをした。
女の娘が好きな雰囲気の部屋に。
ネットの私の部屋など見たり、
料理サイトをアクセスして
その日の晩ご飯は、なんとか美味しく?できた。
しかし麻衣は元気がなかった。それでも食べた後のお皿を片付けてくれた。
黄身拾っに、友達のユリからメールが着ていた。黄身拾っが今の事情をユリに相談するメールを送っていた。家事の事やら。
潔癖症のあいつ、元同居人にも連絡してみようかな。少し協力を得られる様に。
ユリは返信した。ああ、彼なら、もう彼女が居るよ。その人と結婚するらしいよ
そう、黄身拾っに返信した。
黄身拾っは意外な心境に陥った。結婚するかもしれない彼女が、あいつにはもう居る?
急激に元気さが消えて行き、
元同居人がよく使っていた物にめを流した。
大切な物をこの部屋に置き忘れて、結婚だ?
急に元気が無くなった黄身拾っを気づかうように
麻衣は、おばちゃん。麻衣はね
幼稚園で、お歌が上手いとよく褒められるんだよ。
一緒に、歌おう。
そしてその部屋からしばらく 素敵な歌声が窓外まで流れていった。
翌日、幼稚園に麻衣を送ると
水島が黄身拾っの所へ着て、ミナさんから連絡があって、
なにか協力できる事あれば連絡下さいと名刺を渡した。黄身拾っは嬉しかった。
ユズルもああで、元同居人にはもう頼れない。友達はなんだか冷たい雰囲気のメール。
水島は車の中でいくつか写真をチェックしていた。黄身拾っを隠し撮りしていた一人は
どうみても体型ラインが女らしく男には見えない。

66 :
慌ただしい数日ののち、ミナの転院の日が決まった。
その日、黄身拾っはミナを見舞った。
ミナは仕事を辞め、田舎で両親と麻衣とひっそり暮らす事にしたと黄身拾っに言った。
その目は優しかった。
「もう会えないかもしれないけどお元気でね。」
ミナはそう言うと疲れたのか目を閉じた。
麻衣は一足早く、ミナの両親に引き取られ、ミナの帰りを楽しみに待っているらしい。
黄身拾っは病院をあとにした。
公園に立ち寄り花壇の花々に目を向け
これでよし!とガッツポーズ。
先日、麻衣と花壇の手入れをしたのだった。

67 :
潔癖性の同居人も麻衣もいない六畳一間の汚部屋は広く感じられた。
でもこれで良かったのかもしれない。
なんだかホッとしたら、朝から何も口にしてない事を思い出した。
久しぶりにラーメンが食べたくなった。
よし!「網走一番」リベンジ!
黄身拾っはいそいそと出かけた。

68 :
黄身拾っはバイト先のコンビニでレシピに関したページを開いて真剣に読んでいると
メール着信が入り、また見知らぬ妙なアドレスで、
やあ、元気? 最近、動画アップしてないけどチェックしてる?
そういった内容のメールでまたオカルトぽい音楽が添付されていた。
動画をアクセスするとコメント欄に隠し撮りフォトはなかったものの
ユズルとの仲を噂され、不倫だよ あのアーティストが黙って結婚しているの知ってるし。
黄身拾っ、あざとーい。そうまでして音楽業界と関わりたいのか。
他えげつないコメントを連打しているメッセもあった。変な絵文字やら。
そして最悪なコメントがあった。
ゴミ箱みたいな黄身拾っの部屋で 小さな子供を育てるつもり?
しかも、あんたこの一月自分で取った行動パターン記憶してる?
なりすまし詐欺被害にあってるフォトやら他。
黄身拾っはネットを閉じた。もう動画アップは辞めようか。今まではきっと寂しかったから
やって来たのかもしれない。
麻衣が来てから、180度性格が変わって行くような自分を感じた。
黄身拾っは水島のメアドにその事について相談した。
その後、急に元同居人の清太がメールをよこした。
黄身拾っ、俺さ結婚する事にした相手はユリだ。
黄身拾っはユリにメールではなく、電話をかけた。
ユリが電話に出ると黄身拾っは、清太のメル内容を伝えた。
ユリは、うん、そうなんだ。だから黄身拾っ、もう清太には連絡取ったり、近づかないで。
私のお腹には 清太の子供がいるから。

69 :
ユリは黄身拾っと違って、綺麗ずきな女だった。
ユリのマンションは築30年の物件だったが、室内は清潔に美しく保たれていた。
しかもユリは美しすぎる女だった。
黄身拾っは負けを認めるしかなかった。

70 :
水島は、黄身拾っがユズルと密会?しようとしていた店で黄身拾っを隠し撮りしていた者の肩を叩いた。
振り向いた相手は深く帽子かぶってメガネをしていたが女性だった。
彼女の腕を掴み、水島は近くの喫茶店に連れて行き、
彼女が黄身拾っを隠し撮りしていた姿を撮ったフォトを見せた。
その女は、あなたがしている事を私がやってはならないとでも?それと私やあなただけではないわ。黄身拾っを隠し撮りしている連中は。黄身拾っは動画アップでランキング入りしたからね。
どうして私ばかり注意されなくてはならないの?
水島は、動画コメントで隠し撮りを転載していたのは君ですか?またプライバシーを侵害したコメントしてないか、と尋ねた。
彼女は黄身拾っの事について、私は彼女が大嫌い。
交際していた相手と同居し栄養足りないような暮らしや
ゴミ箱みたいな部屋に仕事で疲れた彼を。 彼は潔癖症で散らかった部屋に耐えられない。なのに彼女はそれを知っていて、あの状態。ネットの女王になるだとかバカじゃない?
みんながバカにしているのに。ネットの女王になるために
ネットにはまって、家事なんか全く放り出して料理もろくに出来ず
そんなんなら、ネットなんか辞めちまえ、と彼女が動画に嫌気をさすように
コメント欄にもその種を投稿した。
水島は彼女の話しを聞いて、黄身拾っか、黄身拾っの元同居人と親しい人物なのだと、黄身拾っからあのフォトやオカルト音メールは誰がやってるのか調べられる範囲頼まれていた。
すると彼女は急に、うっと吐き気をもようした。
水島が心配すると、その女は 黄身拾っの元同居人、清太を自分は愛していると伝える。

71 :
その女の名前は米子と言った。
米子は清太の子供を身籠っていた。
清太は潔癖性だか、女にはだらしなかった。

72 :
ユリにおめでとう、お幸せにねと心にもないことを言い、電話を切った。
清太と結婚か…赤ちゃん…
黄身拾っは声をあげて泣いた。
バイトを早退し汚部屋に帰ると自分のページ、動画やコメント、全てを削除し二度とネットはしないと心に誓った。

73 :
つわりやら、なんだか以前とは違うメンタルとなった
ユリ米子は、マタニティーブルーだと診断されていた。
部屋を綺麗に片付け、毎日、美味な料理を作っていたユリ米子は、
つわりのため食事も以前のようには作れず怠り、
またマタニティーブルーのせいか部屋は だんだんと散らかり出した。
清太は、黄身拾っに感染してるのか?と
米子に嫌みを言ってしまい、
米子は、これから絶対に黄身拾っの名を私の前で口走らないで!と怒鳴り返した。
そしてしばらくして米子が、黄身拾っの動画コメントに隠し撮りを載せていた事やオカルト、メールを送っている事が清太にばれた。
米子のスマホに保存されていたフォト、
オカルトメールを黄身拾っに送信していた送信済みメール。
米子は妊娠して体気調をかなり崩し
それら証拠を削除する事を忘れていたのだった。
すっかり忘れていた。
清太と暮らせるのだとその変わり行く暮らしに気ばかり取られ

74 :
そしてもつ鍋一番の店休日も気になって仕方なかった

75 :
黄身拾っは、以前とは全く違う暮らしを続けていた。
清太とユリの結婚から
黄身拾っは清太と暮らしていた部屋を出て
引っ越したのだ。
引っ越した場所が あの公園近くとなった。
素敵な部屋、整頓された清潔な部屋。
独り暮らしでもなるだけ 料理を作り保存食の作り方まで覚えた。
なんだか清太が帰って来そうな雰囲気の部屋..。
いかん、いかんと自分の頬を叩いた。もう人の夫なのだから。
水島からメールが来た。ミナと麻衣の近況報告の。
麻衣がいきなり、おばちゃんと遊びに来ても大丈夫な部屋にしておこう。
そう、黄身拾っは自分に誓った。
麻衣と一緒に歌った夜を思い出し、せつなくなった。
その時、ユズルからメールが来た。メール内容は君はもしかしたら、ミナと麻衣と連絡取ったり、近況を知っているのではないかと
もし知っていたなら、少しだけでも安心できる情報を報せてくれませんか?
ユズルはミナ以外と結婚し赤ん坊の父親となり妻から隠し子の麻衣とは決別する事という約束からユズルは
ミナの両親からなんて酷い父親だと、こちらこそもう絶対に麻衣には逢わせはしないと宣言された。
ユズルは、君(黄身拾っ)にあの日、伝え損なった内容をメールで伝えた。
動画で聴いた黄身拾っの歌う声が、麻衣の歌う声と似ていて、黄身拾っの声を電話ではなく生で聴こうとした事と、
自分が薦めるオーディションを受けてみないかと黄身拾っにあの日、伝え損なった事。

76 :
黄身拾っにとってはユズルのオーディションの申し出は、自分を変えるチャンスだった。
黄身拾っは受けてみたいと思ったが、どのような趣旨のオーディションなのか分からない。
こんなオッさんのような中年女の需要はあるのだろうか?

77 :
駄菓子菓子、もつ鍋一番の店休日も気になる
そうだ、京都に行こう
新幹線に乗った

78 :
オーディションは2週間後。
黄身拾っは、過去の自分と決別する為に京都に向かった。

79 :
黄身拾っは複雑な心境となり、
あの公園のベンチにまた座った。
いろいろあり、公園ベンチにいつも座っていた花の手入れを麻衣と私に教えてくれた、あの、おじいさんの姿を見たくなった。
おじいさんが来るのを、ぼんやり空と雲を眺めながら待っていた。なかなか現れはしない。おじいさん。
待っている間、歌をうたう事を忘れていたので、
ベンチで少し歌ってみると
全く声が出なかった。どういう事?
そう思い焦った気持ちになっている
黄身拾っがなかなか出て来ない自分の歌声に困惑していると
水島が車を止めて手を振り向こうから歩いて来た。
水島は、あの、おじいさんをもしかしたら..待っているのかな..。
あの、おじいさん..先月、亡くなられたそうです。
黄身拾っはショックを受けた。あの、おじいさんの存在までが、黄身拾っの中では大切な人となっていた事。
黄身拾っは、涙を浮かべ、なぜか子供のような声で泣きながら
哀しみのあまり、水島に抱き着いていた。
ぼよん、と揺れるお腹に当たった。水島のウエストはメタボさえ超えたよにでかくなっていた。
頬も口の中に綿でも詰め込んでいるように膨らみ
お餅みたく白かった。
伝え忘れていたが
水島はもともとデブで以前よりかなりアップされた体型により少しの事で
汗をかくため常に汗を拭くようになった。
黄身拾っは強い悲しみにより、そんな事はどうでもよかったが
水島は黄身拾っにいきなり抱き着かれ
汗ばかり拭き出し暑く、いい加減、離れてくんない?というのを我慢していた。
季節は7月。公園の樹木から蝉たちが詩い出し
その蝉の鳴き声が黄身拾っにはレクイエムの様に聴こえた。
樹の近くには あの花壇が夏の花を咲かせる準備をしている。

80 :
ホントはオーディションの重圧に耐えられなくて京都に向ったとは言えない誰にも…

81 :
そしてまた歌う練習をすると、子供のような声で泣いた後は 歌うことが出来たのに
翌日、また声が出なかった。

82 :
新幹線の中で歌ったから乾燥で喉をやられたからだ

83 :
黄身拾っは京都から帰宅後、近所の耳鼻咽喉科を受診した。

84 :
いろんな検査をしたが特に異常は見られなかった。
様子を見る事となったが、声が出ないのは本当に不便だった。
電話に出る事さえ出来ない。
かなりのストレスだ。
こんな時はハプニングバーでハメを外すのに限る。
黄身拾っは「山嵐の尻尾」に向かった。

85 :
ストレスからなのか空腹感でいっぱいだった
そうだ、先に腹ごしらえしよう
もつ鍋一番や網走一番の様にまた休みだと嫌なので、今日はカレー
「インド一番」に向った

86 :
だが、「インド一番」は潰れていた…
チッ、ついてない。
仕方ない、うどんにするか。
黄身拾っは「讃岐一番」に向かった。

87 :
インドカレーを注文した後、少し小声で歌ってみた。なんだか前とは違うな。
そうしてインドカレーを食べ出すとあまりの辛口の美味さに感動し
また一杯追加注文。いやいや美味だ。。
あと、一杯。本当この、おかわりぐらいで嫌気さし別れ出す男はつまらぬ男だと、つぶやいて
また一杯追加、注文。
店員さんがなんだか心配しているような
底無し胃袋の日だってあるんだ
過度なストレスや哀しい時やら
チリンチリンと店内の扉を開ける音
清太とユリだった
黄身拾っは顔を隠した
その後、ちょうど水島が入って来た
水島は 清太とユリから相談したい事があると頼まれ一緒に店内に入ったのだ
黄身拾っは水島のスマホに電話をかけ、水島が電話に出ると
黄身拾っは、この店内のテーブルに黄身は座ってるよ。
助けて。清太やユリと会いたくない。
水島はそうスマホで相談され後ろを向くと黄身の姿。耳に受話器を当てながら
大きなお腹で黄身拾っ、を隠してこのまま、出入口扉まで移動します。と黄身に言いながら扉まで横歩きしだす。
黄身がありがと。お金は後で返すから変わり払って貰って、い?ですか。と伝え
出ていった。水島は黄身が食べたカレー皿の枚数に落胆した。
自分が食べる量と変わらないじゃないか。
店を出ると解放感から、気分が変わった。
どこからか蝉が鳴きだし辛さ後の暑さと、すーとした涼し風少し吹いて
おでこの汗を冷やした。
なんだか歌えそうな凄涼感。
そう思うと向こう側からなんだか知ってるような人が歩いて来る。
短髪にしたユズルだ。
ユズルの頬と体は痩せこけていた。食べてないのか
以前より太り出した黄身拾っが、気分がよいため、ユズルに声かけた。
するとユズルは太った黄身を見て、誰?かな、。
そして黄身のその声はハスキーボイスに変わっていた。

88 :
いや、「インド一番」は閉店してたんだ
カレーを食べたのは幻想だ
頭の中でカレーばかり考えてたので、早速向った「讃岐一番」では
カレーうどんにしよう
駄菓子菓子、メニューにはカレーうどんは無かった…

89 :
黄身拾っは混乱していた。
もう何がなんだかわからなくなっていた。
カレーを食べたような、食べてないような。
幻想?妄想?水島は?清太夫婦は?ユズルは?
全て幻想?ひょっとしたら痴呆?
アルツハイマーだったらどうしよう。
「讃岐一番」にカレーうどんがなかったことは?
こんな時はハプニングバーでハメを外すのに限る。

90 :
自問自答しながらハプニングバーへと急いだ

91 :
だか、「山嵐の尻尾」は改装中で休みだった。
仕方ない、居酒屋で一杯ひっかけて帰るか。
黄身拾っはついてない自分を呪いながら、居酒屋「何でも一番」の暖簾をくぐった。

92 :
「とりあえず生ね。」
黄身拾っの声は男そのものだった。
とうとう声までオッさんか…
そこには生ビールを飲む中年オカマの姿があった。

93 :
____________________________
それから十年後、ハプニングバー「山嵐の尻尾」の隣に
ジャズカフェが開店した。
シャンソンも唄えるジャズシンガー紀美寛。
そうポスターが貼られている。
そして昼間はレシピ教室の先生をしている黄身拾っ先生。
___________________________ そこからかなり遠い田舎。
16才のある札付きのスケ番娘がいた。
制服のどこかにチェーンを隠していそうな雰囲気の不良姿。そのためか腕は若い娘の腕というより
労働作業に明け暮れた男のようなガッチリした腕。
鋭い腹が座った冷たい表情で田舎街を歩く姿は
今どきあんな流行遅れのセンス悪い不良ファッションやってるなんてさ。
よほど何かあったんだろよ、などと同じよな台詞が飛んでいた。
そのスケ番娘のあだ名は
松島麻衣からマツシマイ。マツシマイからマツシューマイなどと彼女の冷たい雰囲気をこわすあだ名で呼ばれていた。
マツシマイは流行遅れのセンス悪い不良スタイルの制服をがっちりした腕で脱ぐと
また時代遅れのヤンキー、スタイルでメイクアップした後、カラオケBOXで歌のレッスンを始めた。
ゴスペラやボヘミアン的リズム感、低音ボイスでジュリーロンドンを唄い練習する日も在った。
隣のカラオケBOXからはポップスを歌う若い男女。
その中には麻衣の父親、ユズルの新曲を歌う声も響いた。
マツシマイこと麻衣は、
ケッ、あんなメジャー受け狙った軟弱ぽい曲ばかりだ。最近はあいつ(ユズル)の曲もワンパターンで気持ちなんか入ってないね。
麻衣はまるで音楽評論家みたく、父ユズルの曲を辛辣に批評していた。
その頃、遠い都会で料理教室を開いていた黄身拾っが取材を受けていた。
黄身拾っ先生が全く料理ダメだったのに料理教室を開くまでにはどういう過程があったのでしょうか?
黄身拾っ先生は答えた。
うんと、麻衣ちゃんがいつか、黄身拾っの部屋に突然訪れて、黄身の料理を食べに来る日、そんな季節が来るかもしれないと、
黄身はどこか思っていて、それで、料理をよく練習していたら、教室を開くまでに至りました。
そこで頂いた授業料でジャズカフェを開いてそこではカフェれぴ、も作って、夜はジャズを唄います♪
遠い田舎町ではヤンキーメイクアップした麻衣がゴスペラ、ハードなジャズを野太い声で練習していた。
幼い頃の澄んだかわいい声のおもかげが少し余韻として響くものの、その唄い方は素人を超えている。
麻衣は自分の唄う声に自信を持っていた。

94 :
黄身拾っは料理を研究しているうち試食三昧の生活から血糖値に注意しなくてはならない肥満体となっていた。
しかしジャズカフェ開いて人前で歌うのだから痩せたいなあ、と思いながら試食にしては大盛りを平らげた。

95 :
血糖値だけでなく、コレステロール値、血圧も高かった。
よし!うちみたいにデブに悩んでいる人の為に美味しいダイエット料理のレシピを作ろう!
黄身拾っは、昼間は料理研究家として、夜はカフェオーナー兼ジャズシンガーとして身を粉にして働いた。

96 :
黄身拾っは料理研究家としてテレビの料理番組にたびたび出るようになる。
夏休み、たまたま家にいた麻衣がテレビを点けると
太った料理研究家がダイエットレシピを紹介していた。
そして料理番組の終わりに紀美寛先生がご自身のジャズカフェでコンサートを8月○日..
という宣伝文字が表示され
麻衣はアップされた黄身拾っの移り変わった姿と
紀美寛という名で、
あの公園近くに住んでいた幼い頃を思い出した。
紀美寛...黄身、拾っ
おばちゃん?
季節は夏。麻衣は百金の安物メイク用品で塗りたぐっていたため
汗でマスカラ、アイメーク、チークが汗とだらだら流れていた。
その頃、麻衣の母、ミナは
麻衣を祖母に預けて都会の元居た音楽事務所で生活費が途絶えないよう働いていた。
ここで収入が途絶えてしまえば生活費は祖母の年金だけとなってしまう。
しかしミナの健康状態はあまり良くなく事務所の者から、この仕事はハードだから 体を壊した人には酷だと伝えていた。
ある仕事がピーク時、ミナは仕事場で倒れ、また入院していた。
そして田舎の病院に転院し仕事復帰はままならない状態となった。
麻衣は17才で母親のミナにこう伝えた。
学校を辞めて働くよ。ミナは引き止めたが
麻衣は翌日には朝一番の列車に乗った。
昼頃、あの公園に行きベンチに座りコンビニの、おむすびと缶茶を飲んでいると
なんだか黄身拾っ、おばちゃんがやって来そうだな、と花壇の花をしばらくぼんやり眺め
立ち上がり駅に向かった。
その1時間後、黄身拾っがその公園に散歩に来てベンチに座り、おやつだとビックサイズのハンバーガーを食べる。
隣のベンチに飲みかけた缶が置いたままにされ
黄身拾っは、まあ、なんてマナーが悪いことと缶 を捨てに。その缶には
黒色の口紅がべったりついていた。
黄身拾っは センス悪いメイクした、おばはんが缶を飲みかけ置いて行ったのだと、やれやれと。
ジャズカフェまで向かった。

97 :
麻衣は駅を降りると迷路のような都会の街を歩いた。
17才には見えない派手な不良メイクも人混みの中では目立ったなかった。
ある飲食店に入り、カレーを食べていると
後ろのテーブル席に座っていた客が
紀美寛のジャズカフェに行く話しをしている。
その客が立ち上がり会計に向かった。
麻衣はカレーを食べ残し水を飲むとその客の後をついて行った。
コップには真っ黒な紅がべったりついていた。
半袖のシャツは人を投げ飛ばせるような太いガッチリした腕をピックアップさせ
暑い夕暮れた街の道を歩いているうちマスカラ、アイメークが汗でざーっと流れ落ちていく。
そのため、半面、素顔で半面アバンギャルドな顔となって
見た人たちは舞台か何かエキセン系バンドでもやってるのかと少しだけちらりと振り向いている。
二人の客が入って行った店の前にたたずみ
入口のポスターを眺めた。ジャズシンガーだと綺麗にメイクしたおばちゃんのポスター。
隣にあるハプニングバーから岩子が出て来て、ずっと突っ立ているままの麻衣に
あなた?紀美寛の今夜のコンサートに来た人?と声をかけた。

98 :
ジャズカフェで紀美寛が唄う一曲♪
JULIE LONDON ~ Misty ~.wmv
http://m.youtube.com/watch?=JP&v=EKU24msvI1I

99 :
>>6-92まで
不思議♪
http://m.youtube.com/watch?gl&v=vW215ppqO0M
スピッツ タイムトラベラー♪
http://m.youtube.com/watch?&v=cKHrwXLgdfI

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