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2012年5月エロパロ591: 【妖怪】人間以外の女の子とのお話29【幽霊】 (256) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【妖怪】人間以外の女の子とのお話29【幽霊】


1 :11/06/17 〜 最終レス :12/05/04
オカルト・SF・ファンタジー、あらゆる世界の人間以外の女の子にハァハァなお話のスレです。
これまではオリジナルが多いですが、二次創作物も大歓迎!
多少の脱線・雑談も気にしない。他人の苦情を勝手に代弁しない。
<前スレ>【妖怪】人間以外の女の子とのお話28【幽霊】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1295907957/
<保管庫>
2chエロパロ板SS保管庫
http://sslibrary.gozaru.jp/
 →「オリジナル・シチュエーションの部屋その5」へどうぞ。

2 :
【妖怪】人間以外の女の子とのお話27【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1267983526/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話26【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/eroparo/kako/1234/12340/1234097929.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話25【幽霊】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212773145/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話24【幽霊】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1212773145/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話23【幽霊】
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1199204809/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話22【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1189137444/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話21【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1175519231/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話20【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1163776989/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話19【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153583027/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話18【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1149415855/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話17【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1138894106/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話16【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1136184690/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話15【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1129137625/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話14【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1123248462/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話13【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1118943787/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話12【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1112711664/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話11【幽霊】
ttp://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1105867944/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話10【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1102854728/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話9【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1099739349/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話8【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1093106312/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話7【幽霊】
ttp://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1088018923/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話6【幽霊】
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1084053620/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話5【幽霊】
ttp://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1077123189/
【妖怪】人間以外の女の子とのお話4【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1072/10720/1072019032.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話3【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1065/10657/1065717338.html
【妖怪】人間以外の女の子とのお話U【幽霊】
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1047/10479/1047959652.html
人間じゃない娘のでてくる小説希望(即)
ttp://www2.bbspink.com/eroparo/kako/1046/10469/1046994321.html

3 :
<関連スレ>
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その13】(DAT落ち)
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210258452/
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293283774/
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1285775886/
触手・怪物に犯されるSS 25匹目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1307819390/
猫耳少女と召使いの物語17
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254930639/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1302006983/
神っ娘萌え(DAT落ち)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224584298/
【シスター・尼僧】聖なる女の小説3【巫女・神官】
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242637172/
【妖精】ちっちゃい女の子でエロパロ【小人】3
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244467934/
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ6
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1278854264/

4 :
これは>>1乙ではなくて、わっちの自慢のしっぽじゃから勘違いをするでないぞ!
              |\       |\
              l lヽ`-‐ '´ ̄ `ヾゝヽ  つ
                 シ~ /" `ヽ ヽ  `、l     つ
             //, '///|! !‖ ヽハ 、_ヽ  つ
             〃 {_{\」」 L|l|/リ l │ |ヽ   つ
  ____.      レ!小l●    ● 从 |、| )
 く  ノ::::::;;;;;;\.     ヽ|l⊃ r‐‐v ⊂⊃ |ノハ´
   ̄ ̄フ;;;;;/ /⌒ヽ__|ヘ  ヽ ノ    j /⌒i !ヽ
    /;;;;/  . \ /ヽ.| l>,、 __, イァ/  ///ハ
  /;;;;∠___ /ヽ./| | ヽヾ、 /,{ヘ、__∧/ハ !
 く:::::::::;'::::::;':::::::;'::::::7ヽ< } /   l丶× / ヾ l l''ハ∨

5 :
>>1乙でござる。
そして、前スレの埋め用ネタの続きとかアリでござろうか?

6 :
ありでござる
関連スレが前のサーバーのままだったから張り直すわ

7 :
<関連スレ>
かーいい幽霊、妖怪、オカルト娘でハァハァ【その13】(DAT落ち)
ttp://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1210258452/
【獣人】亜人の少年少女の絡み9【獣化】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1293283774/
ロボット、アンドロイド萌えを語るスレ:α10
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1285775886/
触手・怪物に犯されるSS 25匹目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1307819390/
猫耳少女と召使いの物語17
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254930639/
魔法・超能力などの非現実的能力でエロ妄想 その9
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1302006983/
神っ娘萌え(DAT落ち)
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1224584298/
【シスター・尼僧】聖なる女の小説3【巫女・神官】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242637172/
【妖精】ちっちゃい女の子でエロパロ【小人】3
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1244467934/
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1278854264/
<判断保留群>
悪魔と天使でえっち 3rd world
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234449099/
【ゾンビ】アンデッド総合スレ1【デュラハン】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1204427498/
淫魔・サキュバスとHなことをする小説 6体目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1300771083/
エルフでエロパロ 耳舐め2回目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1254790084/
擬人化した狂暴な♀動物が逆レイプする【十九匹目】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1289431972/
Googleでエロパロ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1201459022/
少女・女性が化物に捕食されちゃうスレ 復活の5
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1263460373/

8 :
>>6
了解致し申した。
しかし……前スレ、160くらいを「月下奇人」の方が占めて、
残りのSS・小ネタはほぼ全て拙者の書いたものと言う現状は憂うべきでは?
拙者も他の御方の作品が読みたいでござるよぅ〜〜!!(バタバタ)

9 :
投下します

10 :
Blue Liquid 4話 ルクの調整
前編 濾過装置
 使わない原稿用紙の裏側に書き込まれた粗っぽい設計図。
「こんなものかな?」
 設計図通りに組み上げられた木枠を眺め、カイは頭をかいた。赤い髪の毛を指で梳いて
から、首を傾げる。おおむね設計通りに出来ただろう。
 寸胴鍋の上に底を抜いた桶が木枠で固定され、中に濾し布を留めた道具。いわゆる濾し
機だった。ワインなどを作る時に使うものを、素人拵えに再現したような構造。横には踏み
台が置かれていた。
「ご主人サマ……どうでしょうカ?」
 目を移すと、ルクが濾し機を眺めていた。
 身長は百六十センチくらいの少女である。全身が透明な青い液体でできていて、手や足
はうっすらと向こう側が透けて見える。背中の中程まで伸びた青緑色の髪と、女性特有の
凹凸のある身体。何を考えているのか読みにくい瞳は緑色だった。今は白いワンピースを
着て、木のサンダルを穿いている。
 恩師から貰った半液体魔術生命体のお手伝い少女。
 カイムは濾し機を軽く叩きながら、
「言われた通り作ってみたよ。そんな複雑なものじゃないから、苦労はしなかったけど。でも、
これで大丈夫かな?」
 と、視線を泳がせる。
 街外れの見張り台。元々は兵士の詰め所だったが、今は使われなくなり、色々あってサ
ジムが居着いている。そして、ここは風呂場だった。元々大人数で入る風呂であるため、一
人で使うにはさすがい広い。
 ルクの横には脱衣所から持ってきたカゴが置かれている。
「ンー」
 ルクがぺたぺたと濾し機を触っている。大きさや布の荒さを確かめているようだった。真
剣に観察しているようだが、表情に目立った変化は見られない。
 この濾し器を作って欲しいと言ったのはルクである。大体の形状を聞き、サジムが材料を
買ってきて組み立てたのだ。
 風呂場の窓から見える日の光。今日は雨期には珍しく晴れていた。風呂場は北東向きの
ため、直射日光は入ってこない。背の低い雑草と灌木、雲の多い空が見える。
「大丈夫デス。これで問題ありまセン」
 濾し器を撫でながら、ルクが振り向いてきた。問題部分は無かったようである。

11 :
「本当に、こんなんで何とかなるのか? 濾すって……」
 眉間にしわを寄せつつ、サジムはルクを見やった。
 右手を持ち上げるルク。青いゼリーを手の形に固めたような右手である。手触りもゼリー
のようで、半透明で向こう側が透けていた。元々は治療用の魔術薬という話である。
 一度瞬きをしてから、緑色の瞳で自分の手を見つめた。
「なにぶん、こんな身体ですカラ、人間と同じ食生活をしているト、不純物が溜まってしまう
んですよネ。最近、ちょっト手足が重くなっているノデ」
「全身を濾す、と」
 サジムはそう続ける。
「はい」
 頷くルク。
 最近身体の調子がよくないと言ったのは、三日前だった。身体が濁っているとの事。どう
すればいいかを訊いたら、濾し器が欲しいと答えたので、その通りに材料を集め、濾し器を
作って今に至る。
「色々腑に落ちないんだけどな」
 額を押え、サジムは呻いた。
 スライム状の身体なので、普通の生き物とは違うのは分かる。かといって、ここまでお手
軽に身体の掃除ができるというのは納得がいかない。
「あまり難しく考えないで下さイ。そういうモノですかラ」
 淡泊に言ってから、ルクはワンピースの裾に手を掛けた。
 サジムに見られていることを気にする様子もなく服を脱ぐ。それを手早くたたみ、横のカゴ
に入れた。両足を通しているサンダルも脱ぐ。
「こうしてみても色気は無いな……」
 声に出さずに、サジムは苦笑する。
 半透明の青い身体で、胸に赤い核が浮かんでいた。胸の膨らみや、腰のくびれ、腰回り
などは人間の女性と変わらない。他人に見られる事を気にしていないためか、マネキンの
ような粗っぽさである。
 一方で、魔術の補助を用いれば、色彩も含めて人間と変わらぬ姿を取る事も可能だ。服
なども身体を変形させて、本物のような見た目を作る事ができる。人前に出る時はサジム
の遠縁の親戚として振る舞っていた。

12 :
「ご主人サマ、ひとつお願いがありまス」
 ルクが右手を持ち上げる。
「何だ?」
「これ、預かってて下さイ」
 言うなり、右手を自分の胸に差し込んだ。文字通り、自分の手を自分の胸の奥へと差し
込む。半透明の青い皮膚をすり抜け、右手が胸の奥に浮かぶ赤い球体を掴んだ。
「え?」
 サジムは眼を点にする。
 固まるサジムを余所に、ルクは何事も無かったかのように右手を引き抜いた。
 その手に赤い球体が握られている。野球ボールくらいの大きさの、ルクの核である。自身
の最も重要な部位を、あっさりと体外に取り出していた。
「お願いしまス」
「え……と」
 差し出された核を、思わず両手で受け取る。
 思考が追い付かない。
 両手の平に乗せられた、赤い球体。手触りと見た目は堅めのゼリーである。赤い部分は
不透明で、奥がどうなっているのかは分からない。表面には厚さ五ミリほどの透明な膜が
作られていた。重さは見た目通りだろう。
 ルクを見つめ、サジムは一言尋ねる。
「いいのか?」
「はイ」
 首を縦に動かしてから、ルクは右手を持ち上げ、自分の身体を指差す。青い半液体でで
きた胸の奥。元々核が浮かんでいた場所を。
「こっちの身体よりハ、かなり頑丈にできていますノデ、落っことしたりしても大丈夫ですヨ。
多分、包丁トカでも傷付けるのは難しいデスし。でも、三十メートル以上離れると、魔力の
共振が消えてしまうのデ、濾し終わるまで近くにいて下さイ」
 説明された内容を頭の中で繰り返し、サジムは要点を咀嚼した。
 それなりに頑丈である。離れるとルクは動けなくなる。
 身体から取り出しても直接的には影響が無いようだった。
「濾せないのか?」
「そうですネ。そこは複雑な部分ですカラ」
 手を顎に当て、ルクは視線を持ち上げる。

13 :
 身体全体を制御する中枢核。生物でいう脳にあたる部分。容易には破損したり壊れたり
しないように保護されているらしい。作り主であるフリアルの性格を考えるに、頑丈さは相
当なものだろう。逆を言えば他の部分のように融通が利かない。
「それで、僕に預ける、と」
 サジムは核を右手に乗せ、左手の指でつつく。うにうにとした弾力があり、思いの外柔ら
かい。ルクの身体の弾力を強くしたような感じだった。
「ん……!」
 ルクの声に動きを止める。
 両手で身体を抱きしめながら、ルクが目を閉じている。
 一拍置いてから眼を開け、サジムに視線を向けてきた。感情の映らない緑色の瞳。それ
でも、少し怒っているようだと分かる。
「敏感な部分でスから、あんまり弄り回さないで下さイ」
「ああ、ごめん……」
 素直にサジムは謝った。
「それでハ、お願いしまス」
 軽く一礼してから、ルクは踏み台に両足を乗せ、濾し器に身を乗り出す。人型だった上半
身が崩れ、青いゲル状の液体になって濾し器の桶に流れ込んでいった。腰や足も崩れな
がら、上半身に引っ張られるように桶へと収まった。
 しばらく見ていると、濾し布から濾過された青い液体が落ちてくる。
 サジムの手の中にある、ルクの核。
「やることないかも」
 浴槽の縁に腰を下ろし、サジムは窓の外を眺めた。

14 :
以上です。
続きは週末くらい

15 :
目も濾せるの?

16 :
光を認識する部位が集まった器官なので
分解すれば濾せます

17 :
その発想は無かった
なんでも溶かすイメージがあるからなあ。続き期待

18 :
その気になれば後ろに目とかも可能なのかなw

19 :
というか人型を取る必然性すらない希ガス
設定次第だが

20 :
人間の姿になって近所の食堂でアルバイトしています

21 :
投下します

22 :
Blue Liquid 4話 ルクの調整
中編 好奇心と悪戯心
 三十分くらい経っただろう。
 濾し布には、砂のような粒が残っていた。
 鍋には淡い青色の液体が溜まっている。ルクの核を左手に持ったまま、サジムは右手で
寸胴鍋の取っ手を掴み、手前に引っ張った。鈍い音を立ててタイルの上を滑り、鍋が濾し
器の下から引き出される。
「ルク、終わったか?」
 鍋に溜まった青い液体に声を掛けた。
 しかし返事は無い。
 表面に手を触れてみると、微かな揺らぎを感じる。機能が停止してしまったわけではない
ようだ。かといって、意識があるわけでもない。
「寝てる?」
 サジムは表面から手を離し、数歩後ろに下がった。
 今の手触りは、ルクが眠っている時のものに似ている。人間とは全く違う生物なので、ど
ういう基準で起きたり眠ったりしているかは、サジムも知らない。
 ともあれ、今は眠っているようだった。
「眠っているということ、は?」
 左手に持ったルクの核を眺める。口元に浮かぶ、妖しい微笑。
 赤い球体。硬いゼリーのような手触りで、本人曰く敏感、頑丈。
 一度風呂場全体を眺めてから、サジムは核に指を触れさせた。くすぐるように、指先を動
かしてみる。ルク本人は弄り回すなと言っていた。しかし、やるなと言われるとやりたくなっ
てしまうのが人間の性である。
 青い液面が揺れていた。揺らしてもいないのに表面が波打っている。
「んんン――!」
 そして、跳ねた。
 液体から頭と肩を構成し、ルクが鍋の縁に掴まった。いきなりで、全身を作ることはでき
ていない。右腕と肩と頭だけ。青緑色の髪の毛部分は、下の液体と繋がっている。作った
頭や腕も、造形が頼りない。
 青い粘液が鍋の縁をゆっくりと垂れていた。
 ルクが緑色の目でサジムを見つめる。
「ご主人サマ……? ナ、何してルんですカ?」
 いつもの無表情とは少し違う、力の抜けた顔だった。呆けたように口を開けている。単純
に表情を構成する余力が無いのかもしれない。

23 :
「起きないから、起きるかなと思って」
 言いながら指先で核を弄る。
「ああぅ……」
 ルクは鍋の縁に寄りかかり、身体を震わせていた。
 荒い呼吸をするように肩を上下させながら、緑色の瞳をどこへとなく泳がせる。肺は無い
ので呼吸は不要だが、無意識に行う人間的な動作らしい。溶けた身体が口端からよだれ
のように垂れていた。
 うにうにと核の表面に指を這わせる。
「あッ」
 ルクの身体が跳ねた。液面が波打ち、小さなしずくが床に落ちる。緑色の目が泳ぎ、身
体の動きがぎこちなくなっていた。そこが特に敏感な部分らしい。
 サジムはその部分を重点的に指で責めていく。
「ふああッ! ソレ、それは敏感だっテ、んんぁっ!」
 甘い声を上げながら、ルクは身体を仰け反らせた。両目を開き、天を仰ぐように顎を持ち
上げ、両腕を振り上げる。水音とともに、青い水滴が飛び散っていた。
「ご主人サマ……! あ……ぅ……」
 一度身体を強張らせてから、糸が切れたかのように溶け落ちていく。身体を構成していら
れなくなったのだろう。腕と肩、胸。それらが青い液体となって鍋の中に溜まる。
 液体の底の方から、小さな泡が浮かんできた。
「大丈夫か?」
 核を弄るのを一時やめ、サジムは鍋を覗き込む。
 液面から右手が伸び、鍋の縁を掴んだ。続いて頭が作られ、肩や胸が作られていく。お
腹の辺りまで身体を構成してから、ルクが睨んでくる。
「敏感……テ、言ったじゃないデスか。うゥ」
 緑色の瞳をサジムに向け、口元を曲げていた。
 サジムは右手で赤い髪の毛を払う。
「そう言われると、逆に弄ってみたくなるというか……」
「んッ。ふァ……」
 指の動きに合わせて、ルクが肩をくねらせる。

24 :
 鍋の縁を掴む手に力を込め、目を瞑る。染み込む刺激から逃れるように身体を捻ってい
るが、その動作は意味をなさないようだった。ルクの本体はサジムの手にあり、そこから発
せられる感覚はルク自身制御できないようである。
「んっ、ご主人サマ――ぁっ……」
 だらしなく開いた口。
 腕や肩、胸から身体が溶け落ちている。青い水飴のような体組織が、鍋の縁や風呂場の
床に音もなく流れ落ちていた。その姿は、形容しがたい淫猥さを作り出している。
 ごくりと、サジムの喉が鳴った。
「うゥ……ん……」
 ルクは一度目を閉じてから、その場に立ち上がった。
「そういウ……イタズラは――」
 強い口調で言葉を吐き出す。
 無理矢理下半身を固めて、ルクは人型になってみせた。口元を引き締め、目に気合いの
光を灯している。気合いだけで身体を固定化させたらしい。鍋に残った液体で腰や足を組
み上げ、鍋から外へ出た。
 しかし、固形化は完全ではなく、足元が溶けていた。
 核を弄るの手を止め、サジムは思わず見入る。
「……やめて、下さイ――! ん、んぁ」
 言いながら、サジムへと近付く。
 少なくとも近付こうとした。一歩前に足を踏み出し、右手を伸ばしてくる。手首から先が崩
れて、手の形をなしていない。足も脛から下が溶けている。
 それ以上は動けないようだった。
 サジムは核を手で撫でながら、率直に言う。
「でも、ルクが気持ちよさそうだし」
「ううー……」
 目を逸らすルク。
 否定してこないことを肯定と受け取り、サジムは再び核に指を触れる。ゼリーのような柔
らかさと滑らかな手触り。押すと形を変えながらも反発してくる弾力。
「あッ、ン――!」
 ルクが甘い声とともに、その場に崩れた。両足を折り、床に腰を落とす。
 形を保っていた足が溶け、緩い水溜まりのようになっていた。お腹から上は辛うじて形状
を保っているが、表面から青い液体が溶け落ちている。立ち上がることはおろか、満足に
移動もできないだろう。

25 :
「これは、どうかな?」
 サジムは両手で核を持ち、その表面に舌を這わせた。触った感触と同じ、堅いゼリーの
ような舌触りほんのりと甘い味がした。
 ほのかな嗜虐心に背筋が粟立つ。
「あっ、え……ふあぁ。ご主人サマッ!」
 身体に掛かる刺激が変わったのか、ルクが目を向けてくる。何とか形を保っているだけ
の身体を必に動かそうとしていた。しかし、思うように動かない。あちこちが意識と別に痙
攣するように動いている。
 見た限り、指で触られるよりも舌で舐められる方が感度が上らしい。
「あ、舐め……って、はっ――ふぁ、はぅ」
 右手を伸ばして、口を開くルク。出てくるのは気の抜けた悩ましげな声だけだった。焦点
の合っていない緑色の瞳。思考はほとんど止まっているだろう。その姿は、溶けかけの飴
細工を思わせる。
「んン……ッ!」
 何度も意味の無い息を漏らしてから、ルクは何とか言葉を吐き出した。
「少し……あッ、手加減しテ――」
 しかし、サジムは核の表面を舐め、さらに甘噛みを加える。
 びくり、と。
 ルクの身体が跳ねた。
 ルクの核を両手で揉むように弄り、甘噛みと舌の動きを加える。
「あ……あァ――! ンんんッ、ふあアぁ……ぁ――!」
 緑色の目を大きく見開き、サジムを凝視する。擦れた悲鳴とともに、その身体が数度大き
く痙攣した。もう思考は追い付いていないだろう。何度か身体を重ねているから分かる。そ
れは、ルクが絶頂を迎えた時の反応だった。
 崩れるように溶けていくルク。身体を保っていた意識の糸が切れてしまったのだろう。手
も胴体も頭も青い液体に戻り、混じり合っていく。
 床に広がった青い液体。
 サジムは溶けたルクの傍らにしゃがみ込む。
「ちょっとやり過ぎたかな。大丈夫か、ルク?」
 右手で液体の表面をつつく。

26 :
「!」
 その瞬間、腕が伸びた。昆虫並の唐突さで伸びてきた青い手が、サジムが持っていた赤
い核を掴み取った。そのまま液体へと引っ込む。
 腕は消えたが、核は消えずに液体の中を漂っていた。
 それだけでは終わらない。
「おあ!」
 不意に足を引っ張られ、サジムは床に腰を落とす。バランスを崩して軽く尻餅をついただ
けなので、痛みは無い。足元を見下ろすと、青い液体が両足を包み込んでいる。
 ゆっくりと――
 液体の表面から、人型が作られていく。
 青緑色の髪の毛に緑色の瞳。青い液体を固めたような顔や肩や腕。胸には女性特有の
ふたつの膨らみが見える。滑らかな曲線を描き細くなっていくお腹。腰から下は、床に溜ま
った液体のままだった。
「ご主人サマ。今度はワタシの番ですヨネ?」
 そう言いながら、ルクが口を笑みの形にしてみせる。

27 :
以上です
続きはそのうち

28 :
>>27
GJ 続き楽しみにしております

29 :

無料の3Dホラーだってよ。 5話とかこえーよ。
>「BeeTV」が、NTTDOCOMOの3D対応
端末の新機種発売に合わせ、3D映像の
コンテンツを5月末より配信開始することが
決定した。

今回、配信が開されるの稲川淳二の鳥肌怨
読棺 −第二章−」6月は全作品期間限定無料
らしい。
http://m.youtube.com/?rdm=4my9ffhly#/profile?user=BeeTVch

30 :
投下します

31 :
Blue Liquid 4話 ルクの調整
後編 反撃で逆転?
「おい……」
 サジムは手を伸ばして、ルクの腕を掴んだ。
 だが、表面に触れたまま、手が腕に呑み込まれていく。粘りけの強い液体に触れたようう
な手応えとともに、手がルクの腕をすり抜けた。
 ぺたり、と。
 ルクの手がサジムの胸に触れる。
「ご主人サマ、今度はワタシから攻めさせてもらいますヨ」
 口の端を少し上げ、緑色の瞳でサジムを見つめる。
 普段は機械的なルクだが、時々妙に人間的な仕草を見せることがあった。感情は人間よ
りも拙いらしいが、全く無いわけでもない。
 サジムの胸に触れていた手が、溶けていた。
 生ぬるい液体が、服の隙間から流れ込んでくる。水とは違う感触。水とは違うので服に水
分は染み込んでいないが、あまり気持ちのいいものではない。
 溶けた下半身が、サジムの両足を包み込もうとしている。
 全力で暴れれば抜け出せるだろう。ルクの身体はそこまで強くはない。しかし、サジムは
大人しくルクのする事を受け入れていた。
「僕を食べる気じゃないだろうな?」
 ルクの腕に指を触れさせながら、一応訊く。
「そういうことはしまセンヨ」
 顔を近づけながら、ルクは否定した。
「ものを消化するって、ご主人サマが考えてイルよりもずっと大変なんですヨ。皮膚を薄く溶
かすくらいはできても、それ以上は無理デス」
「へぇ」
 頷きながら、サジムは左手の二指をルクの口に差し込んだ。
「あむ」
 ルクが口を閉じる。
 半透明の唇を通し、咥内にある指が見えていた。身体が半透明のため、ルクは口に入れ
たものが丸見えとなってしまう。そのため、サジムの見ているところでは食事をしようとしな
い。恥ずかしいのだろう。
 舌が動き、指先を舐めている。

32 :
「ご主人サマの味がしまス」
 表情から力を抜き、サジムの指に舌を絡めていた。指先に触れるルクの舌。生き物のよ
うにざらつきはなく、滑らかである。皮膚などと変わらない。惚けたようにサジムの指を舐め
るルクは、ひどく扇情的だった。
「ん……?」
 ルクの下半身が、サジムの腰から下を包み込んでいる。ズボンの隙間などから足まで流
れ込んでくる、青い液体。じっとしているうちに、身体の半分くらいをルクに包まれてしまって
いる。
 サジムはルクの口から指を抜いた。口元から指先まで伸びる、細い糸。
 数秒それを見つめてから、ルクがサジムに目を戻す。
「どうですカ、ご主人サマ?」
 ルクの身体が、ズボンの前を開いた。何をどのようにしているかは、よく分からない。サジ
ムの腰辺りを包み込んだまま、器用に体内を動かし、サジムのものを取り出してみせた。さ
きほどからルクの痴態を見せつけられ、既に全開である。
「ワタシだって、やれば色々とできるんデスヨ?」
「!」
 背筋が粟立った。
 青い液状の身体が動き、サジムのものを絡めるように刺激していく。手で触るのとはまる
で違う、上下左右に蠢く青い液体の壁。言いようのない、甘く熱い快感を作り出し、手足の
先まで行き渡っていく。
「これは――」
 喉が渇き、胸が熱い。
「うぐ」
 サジムは息を止めて、目を閉じた。ルクの身体の作り出す快感に抵抗も無く射精する。
青い液体の中に、白い液体が混じり、そのまま溶けて消えた。
 手足の痺れに身体を支えきれず、サジムは仰向けに上体を倒す。
 サジムの頬に手を触れ、訊いてくる。
「気持ちよかったデスカ?」
「かなり」
 正直に答えた。見栄を張る理由も無い。
「じゃ、次は僕の番だね?」

33 :
「へ?」
 ルクが首を傾げた。
 サジムは右手を伸ばし、ルクの胸に触れた。水風船を思わせる、丸くたわわな膨らみ。そ
の表面に指先を這わせる。表面に薄い膜があるかのように、押した分だけ凹み、自在に形
を変えている。
「あゥ……」
 ルクが瞬きをしながら、手の動きを凝視していた。
 サジムは胸の先端の突起を指で摘む。
「あっ」
 ルクが動きを止めた。
 普段は丸いだけの胸なのだが、今回は律儀に乳首まで作っていた。胸の先端の突起と
その周囲の緩やかな膨らみ。それこねるように、サジムは指を動かす。
「ふあぁ、んんッ! あ……」
 サジムの身体にもたれかり、ルクが声を震わせた。
 手で力無くサジムの腕を掴むが、腕を退けるほどの力は無い。
「ご主人……サマ、それ、駄目。だめでスぅ、ぁあっ!」
 サジムが指を動かし、胸を弄るたびに、ルクは切なげな息を漏らしている。人の形を保っ
ていた上半身も、徐々に崩れ始めた。身体を固定する余力が無くなっている。
 サジムは手を胸に押し込んだ。
 表面を突き抜け、体内へと侵入する。
「ああっ! それ、それハ……!」
 ルクの体内を直接かき混ぜ刺激する行為。定型を持たない液体の身体だからこそ可能
な無茶だった。表面に触れるよりも、神経部位を直接触られるのは刺激が大きい。
「うぅぅ。はっ、おかしく、なりそうデス。ふあぁ……」
 身体を震わせながら、焼けるような快楽に悶えるルク。
 その身体が、一度固まった。
「デモ……! ワタシ、負けませン」
 緑色の瞳に意志の輝きを灯す。
 ルクの身体が、サジムの身体へと絡みついてきた。意志を持った液体が、上着の袖や裾
から、侵入してくる。身体を直接包み込むように。
「う……」

34 :
 全身から送られる快感の信号に、サジムは喉を鳴らした。
 ルクの身体が優しく肌を撫でる感触。形容しがたいくすぐったさが、全身から染み込むよ
うに神経へと、その痺れと熱を伝える。まるで身体が溶けていくような錯覚。
「んんっ、ご主人サマ、どうですカ?」
 緑色の瞳を向けてくるルク。
「凄いな、ルク」
 身体全体を愛撫する動きに、サジムのものを絡めるような動きも加わって、凄まじい快感
を作り出していた。気を抜いたら、そのまま気を失ってしまうかとも思うほど。
「なら、こっちも本気で……!」
 脂汗を流しながら、サジムは両手をルクの胸に突っ込んだ。青い表面を突き抜け、体内
へと潜り込む両手。飛び散った飛沫が床に落ちる。
 そして、胸の奥に浮かぶ赤い核を掴んだ。
「ひゃぅ!」
 大袈裟なまでに震えるルク。
 今まで触る事はなかったが、触っても大丈夫なことは、今日ルクから説明された。そして、
性的な意味でも弱点であることは、さきほどの反応が証明している。
 サジムは両手を動かし、核を直接揉み始めた。
「ああ、ああっ。ごひゅジンサマ……それは、反則ッ! うんんんッ」
 ルクは身体を仰け反らせた。
 サジムの上に乗っかったまま、緑色の瞳を天井に向け、唇を震わせる。辛うじて形を残し
ている上半身を悶えさせ、湧き上がる快楽を受ける。両腕は肘から溶けて、残りの液体部
分と混じっていた。
「凄い……」
 ルクの反応が新たな震動となり、サジムの身体へと還元されている。神経が溶けるかと
思うほどの強く、濃い快感のうねり。
「あ、それ、だめデス……。あぅぅ」
 ルクの口元から、青い液体が涎のように垂れている。
 サジムは右手を伸ばした。手がルクの背中を突き抜ける。手の平で背中を押えてから、
抱きしめるように、身体を引き寄せた。
 さきほどから伝わってくるルクの快感に、サジムも限界だった。
「ルク、行くぞ……」

35 :
「はイ、ご主人サマ――来て、下さい……!」
 小さくルクが呟いた。
「ッ!」
 全身から染み込む快楽に、サジムは思い切り精を解き放っていた。痛みすら覚えるほど
の強烈な精通に、視界が一瞬白く染まる。神経から脳髄まで駆け抜ける電撃に、意識が焼
けるような錯覚を感じた。
「ご主人、サマ……」
 両腕で抱きしめられたルクが、ゆっくりと息を吐き出す。
 仰向けのサジムと、溶けた身体でサジムを包んでいるルク。形を保っているのは、胸から
上だけだった。溶けかけた両腕でサジムに抱きつき、サジムの両手に抱きしめられている。
絶頂の余韻に浸るように、どちらも動かず、声も出さない。
 ふとルクが口を開いた。
「しばらク、このままで居させて下さイ……」
「気が済んだら、離れるんだぞ?」
 ルクの頭を撫でながら、サジムが答える。
「はイ」
 ルクは短く返事をした。

36 :
エピローグ
 サジムは出掛けるルクを見送りに出ていた。
 元見張り台の正面玄関。分厚い木の扉を開けた先に、石畳の階段が五段続いている。
その先は、石畳の歩道となっていて、正面の道へと続いていた。
「どうですカ?」
 玄関ポーチに立ったルクが、くるりと一回転する。
 その姿は人間の少女のものだった。背中中程まである赤い髪の毛と色白の肌、手足も
人間と変わらない。瞳は緑色のままだが、それを気にする者はいないだろう。白い上着に
と、青色のスカートという恰好で、首元に小さな黄色いネクタイを付けている。
「いつもながらよく出来てるよ」
 サジムは腕組みをしながら、その造形に感心していた。
 魔術の助けがあるとはいえ、人間と寸分変わらぬ姿を作っている。髪の毛のような形の
部分も、律儀に一本一本分けられた髪の毛へと擬態されていた。
「時間掛かるのが欠点ですケド」
 普段の姿から人間の姿に擬態するには、一時間ほど掛かってしまう。その最中どのよう
な事をしているのかは、見せたくないらしい。
 ルクは置いてあった時計に目を向けた。
「そろそろお仕事に行く時間デス」
「いつもすまんな」
 サジムは苦笑を見せる。
 行きつけの食堂兼酒場の木蓮亭。サジムの遠縁の親戚として、ルクは木蓮亭でアルバイ
トをしていた。家事全般は得意なので、評判はよいとの話だ。
「あと。カラサさんが、もう少し高いの頼めと言っていましタ」
 木蓮亭の女将のカラサ。ルクを気に入っているおばさんである。最近、サジムが安いもの
ばかり注文していたのが気になっていたようだ。
「もうすぐ本売り出されるから、その時は飲むよ」
「そう言っておきマス」
 サジムの言葉にルクが頷く。
 それから、改めて一礼した。
「では、ご主人サマ。行ってきまス」

37 :
以上です

38 :

なるほど人間に化けて仕事してるのか。
人間状態の彼女とえちする展開も面白そう。
外見こそ人と同じだけど、中身は人外魔境........

39 :
ここって、「人間以外」が対象だけど、ロボット系は「ロボ・アンドロイド」スレがあるから除外だよね。
オートマータはあちらとして、ホムンクルスとかゴーレム系はどっちなんだろ?
以前投下されてたけど、サキュバスとかアンデッド系も今は専門スレがあるんだよなぁ。

40 :
こまけえことはいいんだよ!

41 :
ファンタジック・オカルティックな人造人間はこちら
SFっぽさ、メカっぷりを強調するならあちら、かな
まぁ、いンだよ、こまけぇことは

42 :
スレタイに幽霊と書いてあるってことは元人間の神様とかもいいんですか?

43 :
神様大歓迎

44 :
影女って萌えるよね

45 :
>>44
ちょっと前に「とっぱら」というエロゲがあって、そのメインヒロインが影女だった。
確かに萌えた。世話焼き姉さん女房、イイ!

46 :
>>45
料理が上手くてばいんばいんな嫁

47 :
狐スキーの俺には九尾狐がよかった

48 :
以前、ムカデ女神とか家出した大神少女とか純愛系淫魔娘の話を書いたものです。
「奥様はマミー」というタイトルで、考古学者と3千年の時を超えて甦ったマミー(ミイラ)な女王の話を書こうかと思うのですが、
正直マミーと言いつつあまりアンデッドっぽくない(ほとんど生身。子供も産めるし)なのですが、アリでしょうか?

49 :
三千年越しのロマンス、上等。
さぁ早く投下準備に戻るんだ。

50 :
ここの住人的に掘骨砕三ってどう?
あの人の描く人外娘が可愛くてたまらん

51 :
>48
投下はアリだと思うが、マミーとしてアリかどうかはちょっと考えさせてくれ。

52 :
トイポクンオヤシでググると幸せになれる

53 :
「ひでぼんの書」を読んでこのスレに来たんだが、
続編があるらしいんだが探しても見つからない
分かる人教えてくれ

54 :
>>53
この中に無い?
『ひでぼんの書』&関連作品総合
http://yellow.ribbon.to/~moecthulhu/hidebon.html

55 :
>>53
外伝のことか?
ラストダンサーとかスカーフェイス"G"のタイトルで保管庫にあるぞ

56 :
hosyu

57 :
#「奥様はマミー」がやや難航してるので小ネタ。
ケータイゲーの「聖戦ケルベロス」で、パウダー&スノウフェアリーたんが可愛過ぎてツラい。そして、どうしてスーパーレアやウルトラレアならともかく、レアのアイスフェアリーが出ないのか!?
……という、怒りを胸に妄想書き殴ってみますた。
『どうしようもないオレに天から妖精が舞い降りた』
 先の大戦をくぐりぬけた我が国──いと賢く麗しき「妖精王」ルーウェリン女王の治めたもうこの国は、現在比較的穏やかな時を過ごしている。
 国防の要たる軍人や兵隊もその例外ではなく、とくに俺が所属する辺境第17警備隊のような「閑職」の連中はこのところほとんど敵と戦うこともないため、周囲からめでたく「無駄飯食らい」「給料泥棒」の称号を進呈されていた。
 もっとも、「警備隊」と言いつつ専任の軍人は隊長の俺だけで、あとは地元の若者数名が臨時雇いで隊員として詰め所でたむろしてるだけなんだが。
 その隊員達も農繁期には大半が手伝いとして駆り出されるというのだから、いかにのんびりした土地柄かは推して知るべし……て言うか、マジで人手が足りない時は、その俺さえ農作業を手伝わされるし。
 まぁ、へーたいさんが暇なのは世の中が平和な証拠だよな、ウン。
 「二十代前半の身で、何枯れたコト言ってんスか、ケイン隊長」
 事務仕事(つっても、本部への報告書がほとんどだが)を済ませ、デスクであったかい茶を飲みつつホッとひと息ついてる俺にツッコミを入れてきたのは、有象無象の臨時隊員の中では体格・気質ともに比較的兵士向きな青年クロウだ。
 「そうは言ってもなぁ……こんな辺境(どいなか)じゃあ、よほどのことでもない限り、敵国との小競り合いとか領土侵犯とかは起きないし」
 「地元民の前で「どいなか」言わんでください! それに警備隊の仕事相手は人間だけじゃないでしょう」
 「はぐれモンスターの退治か? それも、この付近じゃあたいして厄介な奴はいないだろ。せいぜい傭兵崩れのワーウルフとか、迷って出たスケルトン、あるいはベビードラゴンくらいで」
 「いや、それでも十分村人には脅威なんですから……」

58 :
 確かに「警備隊」と名乗る以上、民間人の安全の確保も重要な任務だ。けどなぁ……。
 「心配いするなって。俺みたく軍に数年勤めた挙句左遷されるようなヘッポコ兵士でも、その程度なら十分対処できるし。それに、お前さん達の腕前も、だいぶ上がって来ただろう?」
 「はぁ、それは、まあ確かに……」
 よそでは知らないが第17警備隊(ウチ)では、午前中は教練の時間に宛てている。
 見張り当番を除く全員が、(一応本職である)俺の指導で各人の選んだ武器の稽古をすることになってるのだ。
 ま、稽古は自由参加だし、得意としている槍以外の武器は、俺も以前所属していた傭兵隊の先輩連中にひととおり基礎を習った程度だから、教えられることはたかが知れてるんだが。
 とは言え、天才がすなわち優れた教師になるとは限らない。逆に、俺程度のあまり天分のない人間の方が、努力して理解してるぶん、人に教えるのもそれなりに巧くいくらしい。
 そもそも2年前に赴任した当初は隊員も3人しかおらず、武装と言えば玩具みたいな弓と山歩き用のナタ、それに護身用の短剣というていたらくだったのだから……。
 隊員が7人に増えて全員王都の武器屋から仕入れた真っ当な武具で武装している(そして一通り戦いの基礎程度は飲み込んでる)現状とは雲泥の差だ。
 「そりゃね、ケイン隊長には感謝してますよ。訓練もそうですし、ツテとコネでちゃんとした武器とかも揃えてくれましたし。
 そもそもコレまで赴任してきた連中ときたら、あからさまに嫌々感まる出しで、村長に挨拶したらすぐ隣町にとって返し、ココへは月に2、3度顔出すくらいだったんスから」
 「いや、そりゃ比較対象が間違ってるだろ」
 非正規の「隊員」ならともかく、王都から給料もらってる軍人の隊長が現地に駐屯しなくてどーすんだよ。
 「「こんな何もないヘンピな村に住めるか!」だそうっスよ?」
 「都会モンはコレだから……。その点、俺も嫁さんも元は僻地の出身だからな」
 田舎暮らしには慣れてる──と続けようとしたトコロで、クロウが強い口調で遮った。

59 :
 「そこっス! 隊長は確かに「いい人」っスけど、ひとつだけどうにも納得がいかないコトがあるっスよ。
 いくら元王国正規軍の兵士だからって、どこでどうやってあんな可愛い奥さんつかまえたんスか? そもそも、お月さん来てるかも怪しい年頃の娘さんを嫁にするなんてうらやま……もとい、犯罪スレスレっスよ、このロリコン魔人!!」
 そこかよ!?
 「ほっといてくれ! それと誤解があるようだから言っておくと、あの外見だから間違えても無理ないが、若く見えるだけで実際には俺より年上だぞ?」
 「はァッ? ま、マジっスか??」
 「うむ。ウチの嫁は妖精の血を引いているからな」
 真面目な顔で大きく頷く。嘘は言ってないからな、嘘は。
 「…………20歳過ぎてもあの外見ってことは、なんてこった、一生幼女(エターナルロリータ)ってことぢゃないですか! なんて羨まし……」
 「やかましいわ!!」
 スカポンタンな部下の頭にガツンとゲンコツを落として昏倒させる。
 「ちゃーす、今戻りましたぁ……って、コレ、どしたんですか、たいちょー?」
 我が隊随一の(と言っても、ひとりしかいないが)弓使いの少女エセルが、見回りから戻って来たようだ。
 「ああ。あまりにアホなコトをほざくので折檻しておいた」
 「そっかー、ま、クロウなら仕方ないですよね、バカだから」
 同年代の幼馴染の少女に、それだけで納得されてしまうあたり、青年の人間性に憐憫を感じないでもないが、これも自業自得だろう。
 「では、問題がないようなら、俺はコレで失礼するぞ」
 「はーい、今日の当直はこのバカなんであとで起してよく言い聞かせておきまーす。あ、それと奥さんから伝言です。
 「帰りにミロワールさんの店で、トウガラシとベーコン2切れ買って来て」
 ……だそうですよ〜」
 子どものお使いかよ!? まぁ、いい。どの道、よろず屋は帰り道にあるしな。

60 :
 「今帰ったぞ!」
 我が家の扉を開けると、途端に美味しそうな夕飯の匂いが鼻をくすぐる。
 「おかえんなさーい!」
 エプロンで手を拭きながら台所から顔を出した小柄な銀髪の美少女(?)が、先程も話に出た俺の妻ゲルダだ。
 「あ、唐辛子と豚燻製は、ちゃんと買って来てくれた?」
 「ああ、買ってきたが……もしかして、今夜も鍋物か?」
 「いいじゃない。冬場なんだし。あったかいし、鍋おいしーよ?」
 「その点は同意するけど、お前、ホントに鍋好きなのな。雪妖精(スノウフェアリー)のクセして」
 そう、部下に言った「妖精の血を引く」というのは決して嘘ではない。ただし、先祖に妖精がいたとかじゃなく、嫁さん本人が混じりッ気なしの100%ピュアフェアリーってだけだ。
 「スノウフェアリーだからこそ、冬場に熱い物が食べられるんじゃない。夏場にあったかいものなんて食べたらヤケドじゃ済まないし」
 なんでも、雪妖精の一族というのは冬に近づくほど「力」が増すらしく、真冬の今なら、弱点である火の中に飛び込んでも数十秒は耐えられる程らしい。
 逆に夏場は陽射しの下に出ることさえ嫌がり、日陰で冷たい飲み物すすって一日中まったりしてるのだが、まぁコレは習性上仕方ないだろう。
 周囲の村人には「北方の出身で暑さに弱い体質」と説明してある。まんざら嘘でもないしな。
 「ま、いいか。お前の作る料理は何でもウマいしな」
 「やん、もうっ、おだてても何も出ないわよ?」
 などと、今でこそ自他ともに認めるイチャイチャらぶらぶ夫婦な俺達だが、出会った時、そして再会した時は、まさかこんな関係になるとは思ってもみなかったのだ……
---------------------------------
#つづく。前中後編予定で、Hは後編にて。キャラ偏愛気味でお目汚し失礼。

61 :

待ってるよー

62 :
#雪妖精さんの話の続きです。
『どうしようもないオレに天から妖精が舞い降りた』
(中編)
 「お久しぶり、また会えたわね」
 初めて出会った(のちに「再会」だと判明するのだが)ときの「彼女」に、そんな事を言われて、俺は大いに戸惑った。
 当時の俺は17歳になったばかりで、半人前からどうにか一人前へと格が上がりかけてる程度の腕前の傭兵だった。
 ちょうど俺の属する傭兵隊が、国に正規の部隊として組み入れられようとしているところで、俺達隊員も、このまま正規兵として国に仕えるか除隊するか選べと言われて、丸一日思案していたところだ。
 夜になっても今後の身の振り方を決めかね、宿の裏手にある雑木林で剣を振っていたところで、背後からいきなり声をかけられたのだ。
 振り返った俺は、そこにいた人物──12、3歳くらいの少女の姿に不覚にも目を奪われた。
 真っ先に目立つのは、光の加減によってほのかに蒼く光る綺麗な銀色の髪。頭頂部の両サイドで結んだ髪型(ツインテールとか言うんだっけ?)にしていてさえ、髪の先端が腰まで垂れてるのだから、解いたらきっとすごく長いんだろう。
 肌の色は透けるように白く、体つきもその年齢を考慮してさえかなり華奢だったが、か弱げな印象は皆無で、人形の如く端正に整った美貌に、けれど人形とは正反対に感情豊かな表情を浮かべているのが非常にチャーミングだ。
 アイスブルーの瞳に明るく元気な光が踊り……けれど、どこか儚い雰囲気も感じさせる、アンビバレンツな魅力を持った美少女。
 ──ロリコンのそしりを受けるのを覚悟で正直に言おう。「彼女」を目にした時、ハートを鷲掴みにされたような気分になった。
 傭兵という職業柄、日常的に若い娘と接する機会に乏しいのは確かだが、それでも同僚だとか街のショップの売り子とかには、十代前半から後半にかけての女の子も多少いる。
 けれど、ここまで俺の目を惹きつけて離さない少女は初めてだった。
 「き、キミは……」
 「あれ? もしかして前に会ったことを覚えてないのかしら。ふふ♪」
 悪戯っぽい笑みを浮かべつつ、それでも「彼女」はどこか寂しそうに見えたから、俺は必で少ない脳味噌をフル回転させた。
 (そんなバカな! こんなに可愛い子を女っ気の乏しい俺が忘れるワケが……って、待て。言われてみれば、確かにどこか見覚えがあるような)
 「! も、もしかして……3年前の?」
 「あ、思い出してくれたんだ♪」

63 :
 そう、それは俺が実家の口減らしのために今の傭兵隊に入隊したばかりの、ほんのヒヨッコだった頃。
 傭兵という荒くれ職業(しょうばい)をしてる割に、ウチの隊長は仲間や新入りを大事にする人で、入ったばかり俺も、隊の雑用させられながら先輩や時に隊長自身から様々な武器の扱いを教わることになった。
 幼い頃から山を駆け回って猟師まがいの真似をしていたのと家の畑作業を手伝っていたおかげで、体力だけは人並み以上にあった俺は、あまり覚えはよくなかったものの、傭兵稼業で基本となる武器の扱いを少しずつ習得していった。
 そして、「その子」と会ったのは、ちょうど明日初めての「実戦」に出るということで緊張感から珍しく眠れずに野営地の近くを散歩していた時だったと思う。
 「あなた……私の姿が見えるの? 珍しいわね、粉雪の私が見えるなんて。
 あ、でも、お触りはダメよ♪ ニンゲンは暖か過ぎるから、触れられると私はすぐに消えてしまうから」
 思いがけない言葉に戸惑う俺に、その子は自分が雪妖精の子(パウダーフェアリー)であることを告げ、しばし言葉を交わした後、「雪が積もる頃にまた会いましょう」という約束を残して空へと消えて行ったのだ。
 「て言うか、あの状況で「雪が積もる頃にまた」って言われたら、てっきりその冬の話だと思うだろーが!?」
 「早とちりねぇ。私は「雪が積もる頃」としか言ってないわよ」
 ぐぬぬ、屁理屈を。
 ──まぁ、話によるとフェアリーとかの妖精族は人間の10倍くらい寿命があるらしいから、自然とそういう時間感覚がルーズになるのかもしれんが。
 「それにしても……へぇ、たった3年足らずで、あなた、随分と逞しくなったのね」
 「へ?」
 俺は思わず目をパチクリさせた。まさか、この気ままな妖精娘に褒められるとは……。
 一瞬社交辞令というヤツかもしれないと思ったが、どうやら相手は本気で感心してるようだ。
 (! ああ、そうか)
 これもまた、人間と妖精の時間感覚の違いというヤツなんだろうな。
 「……ま、俺も成長期だったからな。そんな時期に、兵隊として戦場でに物狂いで剣とか槍とか振り回してたら、自然と身体も育つさ」
 けれど、なぜかソレを認めるのが気が進まなかった俺は、話を別の方向へと誘導する。
 「そういうお前さんは……あんまし変わらないな」
 ワザと不躾な視線でジロジロ見てやる。
 「な、なによ〜、レディを失礼な目で見ないで頂戴。それに、私だってキチンと女らしく成長してるんですからね!」
 プンスカという擬音が聞こえてきそうな勢いで、妖精娘が憤慨している。

64 :
 「ふむ……言われてみれば」
 確かに、3年前は真っ平らだった胸はいくぶん女らしい柔らかな曲線を描きだしているようだ。背丈も半フィート近く伸びた俺とは比較にならないが、それでも2インチはくらいは大きくなってるのか?
 俺の視線に含まれる感情を敏感に感じ取ったのか、妖精娘は誇らしげにない胸をはる。
 「私くらいの年でここまで育つスノウフェアリーは稀なんだからね」
 「ヘイヘイ、承知しましただよ、お嬢様」
 結局、その後、夜更けまでくだらない雑談をしてから俺達ふたりは別れた。
 彼女と会話したことでフッきれたのか、俺は翌日隊長に「自分もこのまま国軍に参加する」という意志を伝えた。
 ──べ、別に、彼女に「たくましい」と褒められたことに気をよくしたからじゃないぞ? ホントなんだからな!
 あの雪妖精の娘は、「今後は時々会いに来るからね〜」と言ってたけど、話半分のつもりで「ヘイヘイ」と聞き流してたんだが……。
 「ヤッホー、ケイン、今夜も来たよ〜」
 ……時々どころか、ほとんど毎晩俺の部屋に遊びに来るんでやんの。
 無論、俺としても、ちょいとロリ系だが目の保養向きの可愛い女の子と話すのは──たとえ相手に触られないとしても──心癒されるし、大歓迎ではあったが。
 「触れられるわよ?」
 ……は?
 「十分に寒くなったし、私も雪妖精として成長したからね。もちろん、私の方からもあなたに触れることができるの」
 その白く華奢な手で、彼女はソッと俺の手をとった。
 「どう? 私の手、冷たくて気持ちいいでしょ?」
 「あ、ああ……」
 無論、それもあったが、俺としてはこんな美人で好ましい娘と手を繋ぐなんて初めての体験だ。なにせ、先輩の誘いも断って娼館とかにも行ったことないし。相手が(人間換算で)13歳くらいとは言え、年下好きの俺にはむしろクリティカルヒットしてるし。
 しかも、「絵に描いたパン」だと思ってた相手とこうして触れ合えるとなると、結構ヤバいんだが……その、主に俺の理性面で。
 「えっと、雪妖精サン?」
 「ゲルダ」
 「へ?」
 「私の名前。ゲルダよ、ケイン」
 感謝してよね、妖精が人間に自分の名前を教えるなんて、めったにないことなんだから……そう言って微笑う妖精娘、いやゲルダは、もちろん俺の中でも特別な存在になりつつあった。

65 :
 ──もっとも、ヘタレな俺は、結局それから2年間ゲルダとは「ただの仲のいいお友達」の関係でしかなく、2年後の年の暮れ、新年祭を目前にした夜に、ようやく抱擁とキスにまで至ることが出来たんだが。
 「女を待たせ過ぎよ。この鈍感♪」
 「す、スマン……」
 ゲルダとは、一年のうちでも、晩秋から早春にかけての5ヵ月程度しか直接会えなかったが、それ以外の時期も、どういう手段を使ってか月に一度程度の割合で手紙を届けてくれたので、遠距離恋愛している恋人の気分だった。
 それがまた俺のヘタレっぷりに拍車をかけ、カタツムリより遅々とした関係の進展だったが、それでも俺達はそれなりに幸せだったのだ。
 ──そう、あの運命の夜が来るまでは。
---------------------------------
#つづく。次回はH回。お約束な展開なんで、ありがち〜と笑われるかも。
#ゲルダの容姿は、「聖戦ケルベロス」でぐぐってwikiあたりから遠隔・Nの「スノウフェアリー」とか遠隔・Rの「アイスフェアリー」あたりの画像を見てみてください。

66 :
乙といわざるをえない

67 :
『どうしようもないオレに天から妖精が舞い降りた』
(後編)
 もしかしたら、彼女には、何らかの予感があったのかもしれない。
 「今日はあなたに贈り物を届けに来たの。これはあなたを守るためのもの……受け取って」
 彼女との再会から3年、想いを通わせてからも、そろそろ1年近くが経つかという霜が立ったばかりの冬の初めに、ゲルダはいつもより厳粛な顔つきで、俺にひと振りの短剣をくれたのだ。
 「おろ、なんだ、藪から棒に? こないだやった指輪のお返しのつもりなら気にするこたぁないぞ。アレ、祭りの露店で買ったモンだからそんなに高くはないし、それに、その……」
 一瞬言い淀んで視線を宙に彷徨わせる。
 「こ、恋人にアクセサリーのひとつ買ってやるくらいの甲斐性は、あるつもりだぞ。こう見えても、一応国軍の正規兵だから相応の給料は貰ってるんだし」
 うひぃ〜、こっ恥ずかしいぜ!
 「フフッ、う・そ、ね。あれ、本物のアクアマリンなんだから、安月給の兵隊さんには結構したはずよ。でも……ありがと♪」
 (ぐわぁ、やっぱバレてるか。まぁ、俺としては、その、なんだ。婚約指輪代わりのつもりだったから、それなりにちゃんとしたモノ渡したかったんだよなぁ)
 もちろん、ただの(ゲルダに言わせると「妖眼-グラムサイト-」とかいう特殊能力があるそうだけど)人間の男である俺と、雪妖精の彼女が正式に結ばれることは難しいだろうが、こういうのは心意気の問題だしな!
 「でも、今回のコレは、お返しじゃなくてお祝い。昇進おめでとう、小隊長サン♪」
 ゲルダの言うとおり、つい先日俺は、ウチの部隊──国軍第八戦士団のおける「小隊長」に任命された。
 人間3000と、亜人や妖精、妖魔、竜など人間以外の団員2000あまりから成るウチの戦士団において、「小隊長」というのは20人程度の小隊を指揮する役割を果たす。
 普通は、戦場の機微に通じた熟練兵か、国の士官学校を卒業した優秀な毛並みの士官候補生が就く役職で、正直、ベテランと言うには程遠い俺なんかがホイホイ引き受けていい代物じゃあないんだが……。
 長引く「大戦」の影響か、人材不足は深刻らしい。俺みたいな凡人にまで指揮権が回ってくるくらいだからなぁ。
 もっとも、「第八戦士団」は元々俺達が傭兵団だったころの人材を中核メンバーに構成された部隊だし、傭兵時代の隊長が士団長を務めているおかげで、それほど規律とか礼儀にうるさくないのが救いだ。

68 :
 「とは言え、20歳そこそこの若僧が小隊長って言われてもなぁ」
 「いいじゃない。ケインは天才じゃないかもしれないけど、任されたことは責任感をもってちゃんとこなす人だし、その点が評価されたんでしょ」
 恋人の優しいお言葉が身に染みるねぇ。
 「それはさておき、この短剣、結構な貴重品じゃないのか?」
 俺の唯一の取り得とも言える「眼」には、半透明の蒼い刀身から立ち上る魔力がハッキリ見てとれる。
 「大丈夫。それ、私が作ったの。私の「力」で凍気をしっかり固めておいたから、簡単に溶けるようなことはないわよ。そうね、冬が終わるまでは大丈夫だと思うわ」
 「へぇ……」
 言われてみれば、確かに刀身は金属でもガラス質でもない、まさに「溶けない氷」とでも言うべきモノで出来てるみたいだ。
 「まぁ、俺の得物は長槍だし、ちょうどいいや。いざと言う時のセカンドウェポンとして大事に使わせてもらうよ」
 「ええ、戦場に行く時は、肌身離さず持っていてね。もちろん武器としても使えるけど、どちらかと言うとお守りに近いモノだから。魔法──とくに、氷雪系の魔法は無効化し、火炎系の魔法もある程度弱めてくれるはずよ」
 「おう、愛しのゲルダだと思って大切にさせてもらうぜ!」
 「もうっ、ばか♪」
  * * *  
 渡された時は、気休めというか精神的な絆のひとつとして受け止めていたんだが……まさか、それから半月もしないウチに、「お守り」のお世話になるとは思わなかった。
 王都の東の国境付近で、ここ2、3年で最大規模の衝突が起こり、俺達第八戦士団も戦いに参加した。
 数的劣勢を覆すべく夜陰に乗じて行われた奇襲自体は成功し、敵の本陣に大きなダメージを与えることは出来たんだが……敵もさるもの。土地勘のない俺達は、敵の執拗な追撃を受けて散り散りに自陣に逃げ帰るハメになった。
 幸いにしてウチの小隊は、先導する俺の目が特殊なこともあって、罠や伏兵を見破りつつ、本陣近くまでは、ほぼ無傷で帰って来れたんだが……。
 ひとりどうしてもしつこい魔術師がいやがった。
 かなりの老齢のクセして、その身ごなしにはまったく隙がなく、ちょっとでも気を抜いたら黒焦げにさせられそうな剣呑な気配を放ってやがる。
 傭兵時代からの俺の後輩で副官的な役割を担ってもらってるローランに隊を託し、俺は単身足止めのために残った。

69 :
 ──言っとくけど犠牲になるつもりとかは全然ないぞ?
 ウチの隊は新人が多くて、対魔法戦ではまだほとんど役に立たん足手まといだから、さっさと退場してもらったまで。ローランなら、それなりに頼りになったんだろうが、撤退を指揮する人間もいるしなぁ。
 そもそも、「炎は崇高」とか「人も獣も皆燃えれば灰」とか物騒なコト抜かすパイロマニアな爺ぃを、まともに相手する気はサラサラない。
 森の地形を利用して、敵の攻撃魔法の直撃をかわしつつ翻弄。ゲルダにもらった氷の短剣も大いに役立ってくれた。
 そして、魔力不足かスタミナ切れか、呪文詠唱が途切れた隙に槍を投げ付ける。とっさに相手は杖で防いだものの、その杖がポッキリ折れたため、一転俺に有利な状況となった。
 え? 魔術師の杖を壊したらすでに俺の勝ちだろうって?
 いや、熟練した魔術師は、杖の助けがなくても、威力と精度は大幅に落ちるが魔法のひとつふたつは使えんこともないらしい。
 隊長からもゲルダからもそう聞いてた俺は、杖を切ってからも油断なく短剣を構えつつ緊張を緩めなかった。
 警戒する俺の様子に「今は此処まで」と断念したのか、老魔術師は転移魔法(たぶん帰還呪文の札でも持ってたんだろう)で姿を消し、辺りに敵の気配が完全になくなったことを確認して、ようやく俺はひと息つけ……なかった。
 なぜなら。
 先程の炎術師-フレイムウィザード-との交戦の結果、辺りが半ば山火事みたいな状況になってたからだ。くそぅ、好き放題に燃やしやがって……。
 おかげで、俺は脱出できる道を探して、炎の中を彷徨うハメになった。
 炎術師の魔手から俺の身を守ってくれたゲルダの短剣は、ここでも役に立ってくれたが、それでもなんとか森を抜ける頃には、俺は全身のあちこちにヒドい火傷を負うハメになった。
 (ここまでかぁ、残念無念……)
 ガクリと膝をつき、最期を覚悟した俺の脳裏に過るのは、戦友でも故郷の村でもなく、見た目はまだ幼いが、それでも俺にとっては愛しい妖精娘の泣き顔だった。
 「バカッ! そんな簡単にあきらめないでよ!!」
 ──いや、それは幻影ではなく本物だったらしい。
 俺の危機を虫の知らせで感じ取ったのか、ゲルダが駆けつけてくれたのだ。
 一瞬にしてその場に氷でできたテントのようなシェルターが造られ、俺はその中でゲルダの治療を受けることになったんだが……なにせ、火傷がひどい。
 一応、手元にあった治療薬の類いは持って来てくれたんだが、全身の皮膚の半分近くが焼けただれているこの状況では焼け石に水だ。プリーストかせめてヒーラーのような腕のいい治療魔法の使い手でもいない限り絶望的だろう。
 とりあえず、ゲルダの冷気魔法で患部に薄い氷の膜を貼って一時的にもたせているらしいが……妖精ならぬ人の身では、そのままだと逆に凍傷で遠からずに至る。
 「はは……いくら寿命が違うとは言え、あと2、30年はお前のそばにいられるつもりでいたんだがなぁ」

70 :
 「馬鹿な事言わないで! なせるものですか!」
 半泣き顔のゲルダは、目じりの涙を拭うと、キッと何かを決意したような顔になった。
 「ねぇ、ケイン、私のこと、好き?」
 何をこんな状況でとは思ったものの、身近に神の足音が聞こえているせいか俺は素直に答えた。
 「ああ、もちろん。人間も、そうでない者も含めて、俺の知ってるすべての女の子の中で、ゲルダが一番大好きだ」
 「そ、そう……ありがと。じゃあ、私とけっこんしても後悔しないかしら?」
 (は? 結婚!?)
 熱に浮かされた俺の頭にも、その言葉は流石に十分なインパクトを与えたが、よく考えてみれば、全然問題はない。
 「それでゲルダと一緒にいられるって言うなら、むしろ望むところだよ」
 「もぅ……できればそういう嬉しい台詞はもっと違う状況で聞かせて頂戴」
 はは、ソイツぁ無理だ。この切羽詰まった状況だからこそ、こんな気恥ずかしい言葉も照れなく言えるんだから。
 「それじゃあ……ケイン、ひとつになりましょう」
 そう告げると、ゲルダはその華奢な身体にまとった蒼いドレスをサラリと脱ぎ捨てた。
 ──って、待て待て! 確かに、結婚した男女が身体を重ねるのは至極当然の話だが、モノには順番というものがだなぁ……。
 「し、仕方ないでしょ。妖精族に伝わるけっこんの儀式には男女の交わりが不可欠なんだから」
 ゲルダによると、彼女と結婚することで俺にも疑似的に「雪妖精の眷属」という資格が生まれ、「冷凍系魔法で傷つかない」という特性ができるらしい。
 また、雪妖精にとっては、ただの氷ですら傷ついた身体への治療薬の代わりになるので、その方面の効果も期待できるとのこと。
 そ、そういうことなら……いただいちゃってもいーのかな?
 薄絹のドレスを脱いだゲルダの裸身はとても綺麗だったが、それでも未成熟な印象は禁じえない。
 普段の予想(というか妄想?)通りにペッタンコな……けれど、初めて会った頃から比べれば多少のふくらみを見せている胸。
 そのささやかな変化は、今後に歳月をかければ、三国一の美女として知られるかのルーウェリン女王の如く、豊かな隆起へと成長してくれるのではという期待を抱かせてくれる。
 「ちょっと! こういう時に他の女性のことを考えるのはマナー違反よ?」
 おっと、こりゃ失礼。
 仰向けになったままの俺は、俺にまたがるゲルダの胸にソッと手を伸ばし、やさしく揉みほぐす。

71 :
 「んっ……」
 ゲルダの鼻から、今まで聞いたことのないような喘ぎが漏れる。
 (ちっちゃくても……女なんだなぁ)
 頭では分かっていたつもりでいたことを目の前で改めて再確認して、俺はあり得ないくらいに興奮していた。
 いや、もしかしたら「」に瀕した身体が本能的に子孫を残そうと奮起しているのかもしれない。
 「うそ……想像してたのより、ずっとおっきぃ…………」
 ゲルダが息を飲む。男にとっては嬉しい台詞だが、俺のはせいぜい人並み。まぁ、妖精族とは体格が違うからな。
 「それとゲルダ……「想像」、してたんだ?」
 ニヤリと人の悪い笑みを浮かべて見せると、ゲルダは顔を赤くして目をそむけた。
 「わ、悪いかしら? 私だって女ですもの。恋人の男性と……その、結ばれることを想像くらいするわよ!」
 やや逆切れ気味にそう宣言すると、彼女は露わになった自分の股間(どうやら雪妖精は「はいてない」らしい)の蜜壺に手をあてがい、浅く指を差し込む。
 幸か不幸か、彼女も結構興奮していたらしく、ヌチャヌチャと湿った音が狭いシェルター内に響く。
 人間ならせいぜい13歳くらいにしか見えない無垢な美少女(しかも自分にとって「最愛」と呼ぶべき女性!)が、自らの上にまたがって自慰をしているという光景に、俺の股間のバスタードソード……は言い過ぎかショートソードは、さらなる膨張を遂げんとする。
 けれど俺は懸命に自制するよう努めた。間違いなく、その儀式とやらで、俺の逸物はゲルダの未成熟な女性器を貫くことになるのだろう。そうなった時、おそらくは初めてであろう彼女の苦痛を少しでも和らげるためには、あまり大きく堅くし過ぎるのは考えものだ。
 そんな俺の考えを読みとったのか、ゲルダは潤んだ目で微笑む。
 「そんなの気にしなくていいのに。でも……ありがとう」
 彼女は、そのまま一瞬腰を浮かし……俺の陽根の上へと腰を下ろす。
 ニュルリという感触とともに、俺の亀頭部が柔らかいモノに包まれる感触があった。
 「はぐっ……」
 妄想してたのの何倍も気持ちいい感触に、こんな事態なのに頬が緩んでてしまう俺とは対照的に、目の前のゲルダの顔は苦悶の表情を浮かべている。
 「お、おい、あまり無理するなよ?」
 「心配して、くれるのね。でも、だいじょう、ぶ」
 一瞬嬉しそうな表情になったゲルダだったが、自らの体重によって腰が落ち、俺の剛直がグググとその柔襞へと割り入っていくにつれて眉を寄せる。
 「ひンッ……」
 半ばゲルダの胎内に呑み込まれたイチモツの先端部が何かに行く手を阻まれているのがわかる。
 (これって……アレだよなぁ)
 女性の純潔の証。
 長寿な妖精とは言え、生きて来た年月は自分とさして変わらず(それでも、2歳程年長ではあるが)、これが初恋だと聞いてはいたから、そうだろうとは思っていたが、いざ自分がそれを突き破るとなると、少なからず躊躇してしまう。
 「っ……っっ、くっ……つ、つづけて、ケイン……変に長引かせるほうが……つらい、から」

72 :
 けれど、目じりに涙を浮かべつつ懇願する愛しい恋人の懇願に男が逆らえるだろうか、いや、逆らえまい!(反語)
 意を決して俺は、下から腰を突き上げる。
 その瞬間、ブツッと彼女の膣内の何かを突き破る感触がして、彼女が息を飲んで絶叫を堪えるのがわかった。
 騎乗位の姿勢の彼女の背に、これまで数回しか見せてもらったことのない、透明な水色の翅翼(はね)が六枚現れる。おそらく、ソレを気にしている余裕もなくなったのだろう。
 世界中で一番愛しくて、大事にしたい相手を、よりによって自らの手で泣かせている。
 なにものにも代え難く、神聖で純粋な女の子を、自分の欲棒が汚している。
 そんな罪悪感と倒錯した興奮のせいで、いまにもイッてしまいそうだが、俺は懸命に耐えた。恋人が激痛を堪えて自分のために尽くしてくれていると言うのに、ココで醜態を晒すわけにはいかない!
 と気負ってはみたものの、俺もついさっきまで正真正銘の童貞野郎だったのだ。限界が訪れたのもそう遠くはないだろう。
 「げる、だ………ゲルダ、ゲルダぁ!」
 彼女の名前を呼びながら、細心の注意を払って腰を動かすことしかできない。そもそも
 「ひうン! ぐぅ……あぁっ……け、いん」
 痛みに耐えつつ、それでも多少は慣れたのか、ゲルダの声に心なしか甘い響きが混ざり始めた頃、唐突に限界が訪れた。
 「ゲルダ……すまん……出るッ」
 「いい、わ……そのまま……」
 彼女の言葉を聞くか否かというタイミングで、俺の肉棒が膨張し、そのまま子種を噴出する。
 「あぁ……あつぅい……」
 ドクンドクンと彼女の未成熟な胎内に精液を吐き出し続ける俺に、ゲルダが唇を重ねてきた。
 その瞬間、スウッと意識が遠くなり……不甲斐ないことに俺は昏倒してしまった。
  * * *  

73 :
 コトが一段落したあとで聞いたところ、俺が「結婚」だと思っていたのは、どうやら「結魂」の間違いだったらしい。
 結婚も「二世の契り」なんて呼び方をすることもあるが、「結魂」はまさにその上を行く深い繋がり。なにせ、魂と魂の一部を結び付け、離れないようにするのだから。
 その副作用によって、俺は彼女と文字通り「生命」を共有することとなった。
 簡単に言うと、俺とゲルダの寿命が平均化されたのだ。800年近く生きるはずだった彼女は、その半分足らずしか生きられなくなってしまった。たとえて言うなら80歳まで生きる長寿の家系の人が「貴方は40歳くらいでにます」と宣告されたようなモノだ。
 「本当に良かったのか、ゲルダ?」
 「いいのよ。私ね、ずっと思ってたの。もし私がニンゲンだったなら、あなたとずっと一緒にいられるのに、って。だから、全然後悔はしてない。
 ケインこそ、いいの? そんなに長く生きてると、普通の人間として過ごすのは、きっと難しいわよ」
 確かに、おとぎ話とかでも、不や不老長寿を手に入れた人間は、発狂したり迫害されたり大概悲惨な末路をたどっている。けれど……。
 「ああ、お前が共にいてくれるなら、大丈夫だ」
 俺はひとりじゃない。この可愛らしく、ちょっと我がままでやきもち焼きだけど、誰よりも愛しい「妻」がそばにいてくれるなら、どんな時だって楽しく暮らせるに違いない。
 「愛してるよ、ゲルダ」
 「! うれしい……私もよ、ケイン」
 そうして、俺達は改めて誓いのキスを交わしたのだった。
 ……と、ココで終われば綺麗なハッピーエンドなんだが。
 「ほほぅ、人がわざわざ助けに来てやれば、ちゃっかり女とイチャついてるとは……なかなか隅におけんな、ケイン」
 「げぇっ、士団長ぉ〜!?」
 「小隊長ってロリコンだったんだ……」
 「ち、違う、ちっちゃい子が好きなんじゃない! 好きになった娘がたまたまちっちゃかっただけだ!」
 「も、もしかして、私、他の人にも見られてるの!? きゃあーーー!」
 どうやら無事本陣にたどり着いたローランが、救援をよこしてくれた……のはいいとして、何故、アナスン戦士団長御大が来られるのでせう? ていうか、何だよ、このカオス!?

74 :
 ともあれ、俺はそのまま本陣に帰還。ゲルダも俺と結婚した影響で普通の人間にも見えるようになってしまった(そして実体化を解く能力を失った)ので、同じく客分として本陣へ。
 結局その戦いは俺達の国が勝利する形で幕を閉じ、比較的我が国に有利な形で10年間の休戦条約が結ばれることになった。
 しばらく大きな戦いがないと踏んだ俺は、上層部に転属願いを出して、いまの職にありついた……ってワケだ。
 辺境警備隊は、3〜4年で転任するから、俺達夫婦が歳食わなくても不審に思われないからな。
 そういや、そろそろ此処も……。
 「ケイン、王都から手紙が来てたわよー」
 お、噂をすれば……どれどれ。「辺境警備隊隊長職ケイン・ニーゲン。以下の地への転任を命ずる。新しい赴任地、ルミクニガータ」……って、どこだ、ここ?」
 「あ、それ、私の故郷ね」
 は?
 「北方の辺境で、人間はかなり少ないかな。代わりに私達雪妖精とか雪狼(フエンリル)が住む里が近くにあるの。ちょあうどいいから里帰りして来ようかしら」
 実は、俺とゲルダは、当時の部隊のみんなの好意で王都で人間流儀の結婚式を挙げたんだが、彼女の実家──雪妖精の家族の方には、事後報告だけで、未だ直接顔を出したことがなかったりする。
 ゲルダいわく、彼女は雪妖精の王族……に代々使える侍女の家柄で、母親が現女官長、いちばん上の姉も女王に仕えているという、結構な名門らしい。
 そんな嫁の実家に、駆け落ち同然で一緒になった旦那(ほぼ無位無官)が顔を出すって……どーいう罰ゲームだよ!?
 「まぁまぁ、ここは覚悟を決めて、「娘さんを僕が美味しくいただきました!」って頭さげるトコロだと思うよ?」
 その文章はおかしいだろ!? つーか、そんな事言ったら氷漬けにされるぞ!!
-おわり-
────────────
以上。エロくなくてごめんなさい。やっぱり不調ですね。

75 :
ラブラブしかったのでヨロシ。GJっ

76 :
これはゾンビですか?
はい、俺の嫁です。
……というフレーズが唐突に浮かんだ。
お盆に魂だけじゃなく、体ごと帰ってきちゃうけなげなゾンビ嫁の話、
誰か書いてくれないかなぁ。

77 :
教会のカネが鳴り お茶の時間を知らせる午後
確かにんだはずのあの男が帰ってきたぜ
村中が大騒ぎさ 犬もネコも腰抜かし
男は気にもせず 一直線に恋人の家へ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ・ゾンビ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ
「オレはもう一度、この腕で抱き締めるために
地獄から蘇ったぜ 何か文句があるかよ?」
「全然ないわ、あたしあなたに抱かれるために
生まれて来たんだから もうどうってことないわ」
者と生ける者が 今、恋の下にひとつ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ・ゾンビ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ・ゾンビ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ・ゾンビ
ラーララ ララ ラブ・ゾンビ ラブ
「オレはもう一度 君の背中にくちづけるために
地獄からはいあがったぜ 何か問題あるかよ?」
「全然ないわ、あたしあなたを暖めるために
生まれて来たんだから まるでノープロブレムなの」
村の長老はいたく感動 ふたりを祝した
「今宵はみなよ 騒ごう、酒を酌み交わすのじゃ!」
人も者も犬もネコも躍り明かしたぜ!

78 :
JASRACの方から来ました

79 :
ある漫画に出てきた八重歯の花の精に萌えた
やはり人外はいいな

80 :
美少女ゾンビなんだけど、生肉じゃなくて男の精で身体を維持……とかはアリかな?
ビジュアルイメージ的に、サキュバスかバンパイアっぽくなっちゃうけど。
 「●●(←ヒロインの名前)を二度なすわけにはいかねぇ!」
と、大義名分を得て毎日ハッスルする恋人とか(しかも絶倫。おかげで、ゾンビなのにお肌艶々)。
それはそれで幸せな日々という気がしないでもない。
あるいは牡丹灯篭みたいな幽霊娘だけど、恋人の精で実体(エクトプラズム)化、触るとちゃんと触感とか性感があるとか。

81 :
 「ねぇ、ちょっと、マーくん頼まれてくんない?」
 幼馴染であり、半年ほど前から一応恋人関係にもある同級生の奈美から頼まれたのは、俺達共通の友人、義雄の様子を見て来ること。
 「アイツ、最近ちょっと変だと思わない?」
 「いや、そりゃ、あんなコトがあったんだし、ヘンにもなるだろ」
 「あんなコト」というのは……実は、十日程前に義雄の彼女の由梨が交通事故で亡くなったのだ。
 酔っ払い運転のクルマに跳ね飛ばされてガードレールにブチ当たったのだと言う。
 体自体は軽度の擦過傷で済んだが、問題は頭で、打ちどころが悪かったらしく、意識不明を経てその日の夜に帰らぬ人となった。
 由梨の両親はもちろん、義雄の落ち込み具合もハンパじゃなかった。
 (アイツ、由梨ちゃんにベタ惚れだったからなぁ)
 元々由梨は奈美の中学時代からの親友で、気の強いが少々ガサツな由梨と、内気だが気配りのできる由梨は、非常によいコンビだった。
 で、幼馴染ということで奈美と一緒にいる機会の多かった俺達ふたりも自然と由梨と面識ができ、そうこうしている内に、カタブツ眼鏡と綽名される義雄が、何をトチ狂ったのか屋上で由梨に告白。
 彼女も恥ずかしがりながらコクンと頷き、それを受け入れたのだ。
 (なんでそんなに詳しく知ってるかと言えば、奈美とふたりでコッソリ影から見守ってたから。ソコ、覗きとか言うな!)
 で、微笑ましいでラブラブカップルを間近で見てるうちに、アテられた俺達も気が付いたらくっついてた……ってワケだ。
 まぁ、それはさておき。
 そんな熱愛中の彼女を喪った義雄の嘆きは尋常じゃなかった。彼女の親友だった奈美はもちろん、男の中では義雄の次に仲の良かった俺も少なからずショックは受けてたが、それも義雄の落ち込みの比じゃない。
 俺たちは代わる代わる義雄を慰め、励まし、何とか由梨お葬式に連れ出したまではいいんだが……不思議なことに、霊柩車で火葬場に運ばれたお棺から由梨の遺体が消えていたのだ!

82 :
 当然「すわ、体泥棒か!?」と大騒ぎになった。フランケンシュタイン博士の犯行説だの、由梨キョンシー化説だの、色々噂されたが、現在も由梨の体の行方は不明。
 警察も懸命に捜査を進めているみたいなんだが……いまだ目立った進展はないらしい。
 そんなこんなで、義雄のヤツもすっかりマイってる……と思いきや、由梨の葬式の翌々日には、ごく普通に登校して来やがったんだ。
 アイツの由梨への傾倒ぶりを知ってる俺達は、流石に不審を覚えたんだが、義雄いわく「僕がちゃんと学校に通わないと、由梨に怒られるから」とのこと。
 いかにも義理がたい義雄らしい言い草だし、同時にあの真面目な由梨なら、確かにそんなことを言って義雄を叱責しそうだ。
 それに、確かに義雄はまだ本調子ではないらしく、あの秀才眼鏡のヤツが授業中にボーッと居眠りしたり、休み時間もなんだかダルそうにしている。放課後も、俺達の誘いに乗らず真っ直ぐ家に帰っちまうし。
 まぁ、こればかりは時間が心の傷を癒してくれるのを待つしかないよなぁ、と俺は「理解ある友人」としてのスタンスを保っていたんだが、俺より短気な奈美の方が、どうやら焦れたらしい。
 ま、そろそろ俺もアイツに喝入れてやろうかと思ってたし、ちょうどいいか。
 と言うわけで、放課後、奈美と別れて義雄の部屋に俺は足運んだ。
 言い忘れていたが、義雄は高校の近くのアパートにひとり暮らししてる。1年の頃に実家が隣りの市に引っ越して、通学が大変になったからだ。
 ソレ(ひとり暮らし)もあって、「男の子ならではの気晴らし(本とかビデオとか)させてあげなさいよ」というのが、奈美の意向なのだろう。
 男の欲求に理解がある女性というのは大変希少で喜ばしいことなんだろうが、現在進行形の恋人としては、もうちっと恥じらいというモノを持ってほしい気もする。これは、兄ふたり弟ひとりという家庭環境に起因するのかもしれんが。
 外見に関しては、少なくとも顔は(彼氏の贔屓目抜きにしても)十分「美少女」の範疇に入るんだがなぁ──まぁ、胸はあんまりないけど。
 「胸なんて飾りですよ! エロい男(ひと)にはソレがわからんのです!」とプンスカ怒る脳内彼女をなだめつつ、俺は義雄の部屋のブザーを鳴らした。

83 :
 …………鳴らねぇ。壊れてんのか?
 何気なくドアノブに手をかけたところ、あっさりドアが開いたまではよかったんだが……。
 「あ゙っ……ま゙は ろ う ん゙!?」
 「な、真人!?  ……って、い、イタタタッ!」
 神様(ゴッド)、玄関先で、親友(ツレ)が、んだはずの彼女に口淫(フェラ)させてるのを目の当たりにした時、俺はどんな顔すればいいんでしょうか?
 脳内で奈美が「笑えばいいと思うよ」とツッコむのを感じつつ、俺は茫然と立ち尽くすのだった。
#というワケで80ネタを文章化してみました。
 ●阿久津真人:語り手。一見不良っぽいが、実は情に厚い。ツッコミ&ボケ。
 ●中原奈美:真人の彼女で、他のふたりとも友人。気風のいい姐御肌で物怖じしないタイプ。ちょっぴり胸が薄いのを気にしている。
 ●天楼義雄:真人達の幼馴染。品行方正な優等生だが、真人いわく「ムッツリメガネ」。真人達とのつきあいのせいか、意外と融通はきく。
 ●富士野由梨:義雄の彼女で真人達の友人。真面目で内気だが、思い詰めると暴走するタイプ。かなりのきょにぅさん。
#ちなみに、名前の発想元は芸がないけど、「真女神転生」の主人公たち(主人公を女性にしちゃってますが)。あのゲームの某イベントを想起してます。

84 :
このスレも寿命か・・・

85 :
なんか似たような別スレできてるしな

86 :
どんなスレだ?

87 :
【なんでもあり】人外と人間でハァハァするスレ6
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1278854264/

88 :
87は人外男×人間女なイメージがあるのな。
テンプレ的には逆も可能なんだろうけど。

89 :
>>87のスレはもともと人外男×人間女のスレとして立った筈。

90 :
参考にどうぞ。
_ttp://www.youtube.com/watch?v=GwPKX9BGyBw

91 :
以前書かれた幸運の条件のハッピーエンド版と、とある人魚の話の続きが読みたい。

92 :
絶望した!
PCの「プリンセスX」に絶望した!!
てぐす御前(クモ女)とかR-コマドリ(アンドロイド)が
攻略できないなんて、どんな嫌がらせだよ……。
そのふたり目当てで購入するつもりだった私の
ピュアな人外萌え心を返せよぅ!
こうなったら、御前っぽいクモ女タンとラブラブ
ちゅっちゅする話を、自分で書くしかないのか

93 :
ダークソウルで蜘蛛姫様の従者になれた
貢献度では廃人たちには叶わないけど、ちょっとでも姫様のために頑張るよ!

94 :
なぬ!
そんな御褒美があるとは……。
やはり「ダークソウル」、ヤらねばならぬようだな

95 :
ダクソの蜘蛛姫様かわいいけど、素直に萌えられないなぁ
主人公が姫様の姉ぶっしたのに、目が見えないから主人公のことを姉と勘違いして心配かけてくれたりするのは心が痛い

96 :
人間の欲望から産み出されたキマイラの女の子
研究所時代は逆らえば激しい陵辱・拷問
研究所から脱走し正体を隠し人間の女の子として暮らしていた時期はハンターに追われたり人身売買組織に捕まって調教されたり
そんなこんなで数千年後。現代にて大好きな人に出会って幸福な毎日

97 :
100近くまで来て、SSが実質2作というのはニンともカンとも……

98 :
一ノ葉
ルク
シロ

99 :
結構かぶってるスレもあるからのう

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