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みつどもえでエロパロ 6卵生


1 :11/06/26 〜 最終レス :12/05/01
みつどもえのエロSSを書いたりエロ妄想をしたりするスレ
エロなしもおk
前スレ
みつどもえでエロパロ 4卵生
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1292296565/
まとめ
ttp://www43.atwiki.jp/mitudomoe_eroparo/

2 :
慌てててミスった
前スレ
みつどもえでエロパロ 5卵生
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1299594131/

3 :
>>1
スレ立てありがとうございます。
使い切ってびっくりした…。

4 :
「だっ…だけど突然扱いが変わった説明になってないよ!」
「中2の夏休み明けに、突然雰囲気が柔らかくなったんだよね。
よく覚えてる。私もびっくりしたから。
ふと見たら突然アゲハ蝶…しかもオオルリアゲハが羽化してたんだもの」
「……昔の私は芋虫だったの……」
「はっきり言うとね?」
「むぐぐ……」
体育のときの仕返しか。ひどい言い様だ。
………だけど。
だけど話の整合性はとれてる。信じられないけど、本当に私って……?
「でも……いやけど…それじゃ、まさか………」モニョモニョ
「……ずいぶん話が逸れてしまったなぁ…。
結局さ、好きな人のために努力してる姿は素晴らしいんだけど、
ちょっといらぬ苦労と無理が多くなっちゃってますよ、ってことを言いたかったんだよ。このところ疲れてるみたいだし。
あんまり言いたかないが、キミのそんな姿を見てると、『彼』はやめた「無いよ」
「なら卒業するまで距離をと「それも無い」
「…なるほど、『無い』、ですか。『嫌』とかじゃなく。
とはいえもし……いや…。
とにかく『彼』以外の選択肢は無いわけだ。三女には」
「うん」
「ならせめて、日曜日に会うのは避けるべきだね。木曜日はいいとしても。
金曜日に機嫌が良いのはかまわないさ、週末なんだから。
だけど月曜にそれじゃあ余計な疑いを生んじゃうよ。
こっそり会ってる『彼』とイイコトがあったのかも知れない、って」
「……私、そんなに顔に出てる?」
昨日、柳さんにもそんな事を言われたような……。
「顔っていうかオーラに………いや、バカを言うなって私。マンガじゃない……。
とっ…とにかく上手く言えないんだけど、雰囲気にモロに出てるよ。こないだまでは特にだった。
気づいてなかった?」
「そうだったのか……」
ううむ…気をつけねば……。

5 :
「土曜に会えば?」
「それだと会いに行く理由が作れないんだよね……」
「めんどくさいなぁ…。
無礼を承知で言うと、三女がそこまで気を使わなきゃなんない相手に見えないんだけど。
さっきの話と矛盾するけどさ、実際見ると信憑性がまるで無いってくらいだよ。
童顔だったからオジサンには見えなかったけど…あれ程の高評価を受ける人間にも見えなかったよなぁ……。
正直いま、三女におっっそろしい目で睨まれるまで、私も『無い』と思ってた。
もちろん優しさは大きな魅力だと思うし、君に群がる男子の姿はガキ過ぎる。
にしても、ちょっとなぁ。
……想い出は美化されやすいませんごめんなさい許してくださいそんなつもりじゃなかったんです。
……………。
あ…あれじゃ女日照りだろうし、上目遣いのひとつでもして誘惑してみたら?」
「そんなの何度もやったよ」
「何度もトライしたのかよ、この女……。
…しかしだとしたら思った以上に強敵だね。
うちの男子相手なら、真冬の川に飛び込ませることもできるのに」
「そんなのやった覚えないし、絶対思いもしないよ……」
なんでみんな男子を川に飛び込ませたいの?流行ってるの?
「それはそれとして、『髪長姫』と密室で2人きりになるだけじゃなく、誘惑までされても手を出さないなんて、
やっぱりおかしいと言っても過言じゃないな。
…不能かホモじゃないの?」
「………あの人、巨乳フェチなんだ…」
「次はアッサムティーはどうかな?」
「あからさまに話題を変えないで」
「………………………………………………………………………………」
「顔を背けて沈黙しないで」
「通販にバキュームDXというのがあってね」
「そのネタ昔やったから」
「……」
さぁ、どう返す!?
「……モノの本によると」
「?」
「胸で挟むという技は、男性からすると視覚効果メインで刺激的にはさほど気持ちよく無いそうだ。
なのでもっと実用的な…キミが『狭い』ことなどをアピールしてみてはどうだろう?
食い千切っちゃうくらいキツイです、とか」
「な…………ッ」
「…………どうだろう?」

6 :
「……負けた…!」
ちょっとだけ『なるほど』と思ってしまった…。
「クックックッ。
肉を切らせて骨を断つというやつさ。
……こっちも真顔で言うのはかなりキツかった…」
…まぁ私も、こういう会話がしたいときだって有るよ。
「でもそうだったのか。キミが自分の魅力に自信を持てないのは…えぇ〜?
ちょっと待って、アレに振り向いてもらえないから『髪長姫』が……?
それって力学的におかしい……」ブツブツ
「どうしたの急に?」深刻そうな顔して。
「あぁ、いや…ちょっと新たに世界の不条理を突きつけられたんでね……」
「??」
キーンコーンカーンコーン
「あっと…予鈴だ。そろそろ行くね。
ごちそうさま…それにありがとう。いろいろためになりました」
「いえいえ。麗しの姫に…友達にそう言って貰えて嬉しいよ。
あっ、覚えてると思うけど、今週の金曜は委員会があるから頼むね。
キミが出席するしないで、男どもの出席率が大きく変わりやがるから、できれば早めに図書室に来ておいて。
まったく…雄って単純だよなあ」
「うん。じゃあまた」
スイ...
「ねえ、三女?」
「うん?」
「『とはいえもし『彼』に、別に意中の女性がいたらどうするの?お見合いだってある歳だろう。いつまでも今のままじゃない』」
ああ、そんなことか。
わらっちゃうよ。
「もちろん、そんなの、ずぅっとまえからきめてるよぉ……」
「聞かなかった事にしよう。…させて。
巻き込まれて共犯者とかにされたくない」
「ギャグだよ。笑ってよ」
「………アハハハハハハハハハ。もしくは(笑)」
「ほんとにギャグだって」
「(笑)」
………ほんとだよ?

7 :
今月はここまでです。恐ろしい事にこれで『火曜日』のプロットの半分……。
私設定の解説が多すぎてアレなんですが許してください。
さすがにひとは周りのオリキャラは、これで最後です。
なお、矢部ひとですが、意図的に矢部の出番は少なくなるようにしています。
高校生になったキャラたちに、過度の干渉は不要な人なので。
そしてシリーズ全般通してみっちゃんの出番もなるべく少なくなるよう心がけてます。
みっちゃんの設定も細かくは決めてますが、露出は最低限。

8 :

次が待ち遠しいわ

9 :
そういえば前スレが埋まった記念なんですが…『幼なじみの無用な心配』、
ふたばSSのページに入れていただけないでしょうか…?
ふたしんの絡みが少ないんですが、一応『晴れたり〜』の対になるよう意識した、
ふたしんSSだったので……。すみません。

10 :
ガンプラさん乙でござる

11 :
乙です
そうですか、ちょっとみつばと杉崎のネタをついでに楽しみにしてたんですが
それはそうとオリキャラはやっぱり難しいですね原作のキャラほどイメージ出来ない僕が悪いのかも知れませんが

12 :
>>9
ガンプラさんいつもお疲れ様です。
>『幼なじみの無用な心配』
すいません
しんちゃん視点だったためどうしようか迷ってましたが、本日ふたばSSに追加しました。

13 :
>ガンプラさん
前スレが埋まってしまったため、『丸井ひとはの憂鬱』の34と35の空白の間隔が間違ってるかもしれません。
大変申し訳ないとは思いますが、確認をしていただいてもよろしいでしょうか?

14 :
>>12
いつもいつもマナー悪くてすみません。
こんなに勝手やるなら自分のHPやブログ持てよ、という説もあると思うのですが、
ちょっと過去にいろいろありまして……。こりごり。私は『維持』に向いていない性格です。
>>11
『杉みつ』は杉視点で少しやる予定はあります。プロット打ち中。
みつばを出さない意図としては、彼女の生活を出すと絶対誰かの『みつば像』に引っかかりそうだからです。
オリキャラはお話を作る意図ありきの存在なので、気になる方は第一パートと
最終パート(いつになるやら)だけ読んでくだされば、の連中です。
とりまき3人のデザインテーマは『4コマには出られない人たち』です。
なるべく『華』のない存在を目指してるので、想像しにくいならむしろ成功です!(負け惜しみではなく)

15 :
女の人?そんな感じがするわ

16 :
鴨橋小6年3組もなんだかんだで卒業式を迎えた
加藤「あっ、詩織ちゃん」
伊藤「真由美ちゃん」
加藤&伊藤「………………」
伊藤「卒業式、終わっちゃったね」
加藤「あ、うん……あのさ…私達、結局…」
緒方「真由美!詩織!こんなところにいたのね!」
加藤&伊藤「おがちん!」
緒方「壇上に上がる佐藤君の勇姿、見た!?すっごくカッコ良かった!」
伊藤「う、うん…でも、おがちんはそこで鼻血噴いて気絶しちゃって、卒業証書を受け取る佐藤君は見てないよね…」
加藤「良いなぁ、私も見たかったな…私はおがちんを保健室に運ぶのに忙しかったから…。
   ……あ!違うの!おがちんのことを責めてるわけじゃないよ!?」
緒方「え!保健室に運んでくれたのは真由美だったの!?てっきり佐藤君がお姫様抱っこしてくれたんだと…」
伊藤「それは、おがちんの幻覚じゃないかな…」
緒方「それじゃあ私のせいで真由美は佐藤君の勇姿を見れなかったのね…ごめんね、真由美!
   私ったら、SSS隊の隊長のくせに…真由美に迷惑を…」
加藤「そ、そんな!謝らないで、おがちん!私は別に良いの…気にしてないよ?
   それに…保健室に運んでる間、おがちんが嬉しそうで、私もとっても嬉しかったんだ」
緒方「…え?」

17 :
加藤「私ね、卒業が近くなってから、ずっと考えていたの…佐藤君は確かに憧れの存在だけど、私にとって一番大切なのは、SSS隊じゃないのかなって」
緒方&伊藤「………………」
加藤「もちろん佐藤君のことは大好きだけど、結局見ているだけだった…。
   でもね、SSS隊があって、二人がいてくれたから、私の学校生活は充実したものになったんだと思う。
   おがちん、詩織ちゃん、本当にありがとう…私、中学生になっても、SSS隊の思い出…絶対に忘れないよ!」
緒方「……なによ、真由美。お別れの挨拶なんかしちゃって」
加藤「…え?」
緒方「つまり真由美は佐藤君のことが嫌いになったわけでは無いんでしょ?
   確かにSSS隊の活動は、卒業まで佐藤君を見ているだけだったわ…。
   でもそれは、私達の佐藤君への強い想いがあったからこそ出来たものじゃない。
   後悔なんて微塵もしていない。それは私もそうだし、詩織もそう」
加藤「おがちん…」
緒方「地球に佐藤君がいる限り、SSS隊は存在し続ける…。
   佐藤君への忠誠を抱き続ける限り、SSS隊は一心同体…。
   中学生になっても、私達SSS隊は、永久に不滅よ!」
加藤「おがちん!」
緒方「真由美!」
ガシィ!
伊藤「………………」

18 :
緒方「…さぁ、いつまでも抱き合ってる暇は無いわ、真由美!
   今夜は卒業記念に佐藤君家の前でパーティーよ!」
加藤「わぁー楽しみ!それじゃあ中学に上がってからの心機一転も兼ねて豪華にしなきゃね!」
伊藤「……二人はさ、それで満足なの?」
緒方&加藤「……え?」
伊藤「想いだの、忠誠だの、カッコ付けた言葉で着飾って、結局見てるだけ?
   SSS隊の活動の4年間で、得たものはたったそれだけなの?」
加藤「し、詩織ちゃん、何言って…」
伊藤「事実を述べたまででしょ。考えてみなよ、私達が佐藤君に話しかけられたりしたことあった?
   それどころか、目を合わせてもらったことも無いでしょ。私もう飽きちゃったよ。」
緒方「"飽きた"だなんて…。詩織、最近SSS隊の活動に身が入っていないと思ったら、まさか…」
伊藤「勘違いしないで。黙っててくれない?卒業式での佐藤君の勇姿を見る前に倒れたくせに。
   真由美もおがちんを運んでたから知らないでしょうけど、佐藤君、ドン引きしてたんだよ」

19 :
緒方「……!」
加藤「し、詩織ちゃ…」
伊藤「ハッキリ言うけど、SSS隊は佐藤君にとって迷惑な存在でしかなかった。
   おがちん、真由美、あなた達…いえ、私達は佐藤君から 嫌 わ れ て い た の よ」
緒方「くっ……!」
加藤「(ビクッ!)……」
伊藤「二人はいつまでもSなんたら隊を続けたらいいわ。私は抜ける。これ以上佐藤君に嫌われたくないからね」
緒方「し、詩織!あんた、いい加減に…」
加藤「ちょ、おがち…」
ブスッ
緒方「ギャアァァーッ!」
バタリッ

20 :
加藤「!?おがちん!?おがちん!!そうしたの!?しっかりして!!」
緒方「か…体がっ…!!腐る…っ!!」
伊藤「安心して、真由美。今おがちんに注射したのは、佐藤君以外の男の血液だから。
   もちろんおがちんと同じ血液型よ、実害は無いわ」
加藤「そ…そんなもの…どこで…?」
伊藤「失われた信用を取り戻せるなら、どんな手段でも講じるわ。
   見てるだけなんて終わり。私はもう迷わない」
加藤「ど…どうして…?なぜ…こんな事を…」   
伊藤「実力行使よ、真由美。佐藤君を手に入れるためなら、私は何だってする…!
   ……じゃあね、真由美ちゃん。二度と話し掛けないでね。
   あなた達とはもう、友達でも何でも無いんだから」
ダッ!
加藤「ま、待って!詩織ちゃん!どこへ…!?…おがちん!起きて!大変よ!
   (実力行使って…詩織ちゃん、何する気?まさか…佐藤君が危ない!)」

21 :
続きは後日に書くでゲソ
ガンプラ氏乙、いつも楽しませてもらってます

22 :
スレチかも知らんが、
今月の某低年齢系エロ雑誌の先生×生徒が矢部ひとに見えて仕方ない…
ビジュアル的にもかなり近いし狙ってんのかな?

23 :
放課○は恋人って奴か?
確かに、わからんでもないが、偶然じゃないか?
そんなシチュエーション沢山あるし、そう見える俺たちがみつどもえに毒されてるんだろうよ
俺なんて眉毛太い奴見たら吉岡に見える時あるんだぜw

24 :
本編で話したかもしれんが
丸井家にはペット居るけど他の子達はペット飼ってないよね
松岡→式神とかいいそう
吉岡→小型犬とかを普通に……ただし♂♀セットで
宮下→ハムスターを飼い三女と仲良くなろうとして失敗
杉崎→みっちゃんとか言ってしまって引かれる
って所まで頭に浮かんだ

25 :
杉崎はキリンとか家の中に居るかもしれないぞ?

26 :
暗黒面を突っ走る伊藤さんイイ!
続き楽しみにしてます。

27 :
その頃佐藤達も帰路についていた。
佐藤「はぁ…卒業式までロクなことなかったなぁ…」
千葉「ほほぉ?学年の女子ほぼ全員が校門前で涙でお見送りしていたのに、まだ不満があるとはさすがイケメン様だな」
佐藤「ちっ、違えよ!そのことじゃねえよ!卒業証書受け取るときだよ!
   あの変態集団が噴いた鼻血を、こっちはもろに背中に浴びたんだぞ!
   おまけに卒業証書まで汚れちまって、最悪だよ!」
田渕「おいこいつつまり校門前のお見送りは悪く無いと言ったぞ」
千葉「さすがイケメン」
佐藤「ばっ、おまっ、別にそれは…そういうわけじゃ…!あぁ〜もう!
   中学生になってもこのメンバーとほぼ一緒だと思うとウンザリだよ!」
ふたば「え…?しんちゃん…小生と中学一緒は…イヤ…?」
田渕「また女泣かしたな」
佐藤「!!待て待て、違うんだ、ふたば!それとこれは…イヤじゃない!イヤじゃないから!
   一緒の中学行けて嬉しいからな!だから泣くなよふたば!」
千葉「おいおいおい、どうして俺らと反応がこうも違うんだ?ああ?」
田渕「俺らも涙を見せたら"一緒の中学で嬉しい"って言ってくれるのか?」
千葉「進学の腐れ外道イケメン」
佐藤「お前らっ……!!」

28 :
タッ タッ タッ タッ タッ タッ
加藤「ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
   おがちん置いて来ちゃったけど…佐藤君を守るためだもの…仕方ないよねっ…
   ハァ…ハァ…ハァ…ハァ…
   それにしても詩織ちゃん…一人だとこんなに速いなんて…見失っちゃったよ…
   ハァ…ゼェ…ハァ…ゼェ…
   ここは佐藤君家の方角だけど、大丈夫かな…………!?……佐藤君の臭い…!!」
佐藤「お前らっ……!!」
加藤「……あの美しい後ろ姿は、まさしく佐藤君!!
   あああどうしようぅ、警告したいけど…話し掛けるの恥ずかしいよっ…」
バッ! コソコソコソ……

29 :
千葉「……おい、さっきから後ろに変なのが付いて来てるぞ…」
佐藤「げっ!あれは変態集団の一人!
   卒業式にしては大人しいと思ったけど、まだこういうの続ける気かよ…」
加藤「どうしよう……早く、危険を知らせないと……
   …あ、あと、ついでに告白も……!?何言ってるの、真由美!
   今はそれどころじゃないし、おがちんを置いて抜け駆けなんて……!
   …で、でも、想いを伝えるなら今……ううん!ダメ!!
   早く警告を……あああもう!学ラン姿の佐藤君、かっこいいよぉ〜!!」
千葉「(ゾッ)……な、なぁ、何かブツブツ言ってるぞ…」
佐藤「や、やめろ、俺も怖いんだよ…放っておいて早く行こうぜ……」
ザッ!!
伊藤「佐藤君っ!!!!」
加藤&佐藤&他「(な……待ち伏せされてた……!?)」

30 :
佐藤「(へ、変態集団の、確か、伊藤……!!
   こいつは特に最近大人しいと思ってたけど、まさか……!)」
伊藤「……佐藤君、ずっと、待ってたんだよ……。 話 が あ る の」
カッ コッ カッ コッ カッ コッ
佐藤「(こっちに来るし、目付きがいつもと違う!!……こ、されるぅ〜っ!!)」
加藤「(あぁっ!佐藤君が危ないっ…!!)ま、待って、佐藤く……」
ピタッ……!!
ぺこり
伊藤「佐藤君、今までの学校生活でたくさん迷惑をかけて、本当にごめんなさい!!」
佐藤&加藤「…………えぇ!?」

31 :
伊藤「私…佐藤君のこと…昔からずうっと大好きで…その気持ちに正直でいたくて……
   それで、おがちんとか、真由美ちゃんとかに、そそのかされて、ずっと一緒に追いかけてて……
   でも、大きな過ちだった…佐藤君に迷惑ばかりかけてた……それなのに…それなのに…」
佐藤「えええぇぇええぇっ!!??」
加藤「(な!?ちょっ…何!?えぇえぇ!?)」
伊藤「ごめんね、ごめんね、佐藤君……もっと早く辞めるべきだったよね…?
   でも、おがちんや真由美ちゃんは、佐藤君を嫌いにならなきゃ辞めちゃダメって…
   ……ううん、言い訳だよね、悪いのは弱かった私だよね……」
佐藤「伊藤…お前…」
加藤「(詩織ちゃん…何言って……とにかく、私も何か言わなきゃ…)」
伊藤「佐藤君も気持ち悪かったよね?SSS隊なんてストーカー集団…」
加藤「!?」
伊藤「だよね…嫌だったよね?…迷惑だったよね!?…」
佐藤「え!?…ああ…あぁ、まぁ…そ、そうだな…うん…」

32 :
加藤「(詩織ちゃん…?私がいるのに気付いて…?)」
伊藤「今日の卒業式でも、おがちんが壇上の佐藤君に鼻血かけて…
   私ドン引きしたのに、真由美ちゃんはおがちんをかばって保健室に行くし…」
加藤「(止めて)」
伊藤「さっきの帰り道でも、おがちんが"中学になっても佐藤君追いかけよう"って宣言して…
   真由美ちゃんも、それに賛成しちゃうし…」
加藤「(お願い、止めて)」
伊藤「それからおがちん、今夜は佐藤君家の前でパーティーだって…
   そしたら真由美ちゃん、"わぁー楽しみ!"って言って…」
加藤「(止めて、止めて止めて止めて止めて 止 め て)」
伊藤「佐藤君どう思う?」
佐藤「それは……気持ち悪いな…」
加藤「(〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!)」

33 :
伊藤「それでも佐藤君優しいから、今まで面と向かって文句も言わずに…」
佐藤「い、いやっ!?それは優しいとかそういうアレじゃ…まぁ慣れっつーかな…」
伊藤「ごめんね、ごめんね佐藤君…私、けじめをつけてあの二人とは縁を切ったからっ…
   ……それだけじゃない、もう中学生になっても、佐藤君のこと追いかけたりしないっ…!」
佐藤「縁って……まぁ、そこまでしなくても…」
伊藤「ありがとう、佐藤君。やっぱり優しいのね……でも、それでいいの…
   …とにかく、今まで本当にごめんね、佐藤君……」
佐藤「あ、あぁ…まぁ良いよ。せっかく同じ中学へ行く相手に、わだかまりを残す気はねーよ…」
伊藤「千葉君も、田渕君も、"体が腐る"とか言って、ごめんね」
千葉&田渕「……!!俺達ですかい!?」
伊藤「あの二人のノリに付き合うためとは言え、酷いこと言ったよね…(うるうるっ)」
千葉&田渕「(うっ…女の涙…)ま、まぁ、べ、別に気にしてないっスよ!(デレデレ)」

34 :
続きはまた近日に

35 :
「うぅ、く、はぁ……だい、じょうぶか…っ!ふたばっ…!!」
く、く、く、と、小刻みに入ってくる。
お腹の中、ちょっとずつ。
「うん。2階から落ちたときくらいだから、余裕っス。しんちゃんこそ大丈夫?とっても苦しそう……」
「いや、お、れはっ……!気持ちよ………はぁっ!過ぎて…!!」
おお〜、なんだかしんちゃんのカタチがよく分かるっス。
こんなふうになってたんスね〜〜!
ジブンを動かして確かめてみる。
口のときはもっと硬い感じがしてたけど、こっちだとそんなでもない…かな?
…あんまり力を入れるとつぶしちゃうかも。
「うあぁ!?ちょっ、なんっ!握られ……!!?」
「ふむふむ…」
アタマのところの段差って結構あったんだ。
あとこのふにふにしてるのは……血管、かな?
「待って待って待って!ふたば動かさないで!!」
「へ?うん」
??何かいけなかったのかな?
まぁいいや。ちょうど全体を確かめるためにぎゅっとしたとこだったし。
「あっあああ、ダメ…っ!!出っ……!!」
「おお!?」
わ。ビリビリビリ〜って動…『動かさない』ようにもっとぎゅっとしとこう。
…何だか先っちょがぷく〜って膨らんで、ぷにぷにしたのが……。
おお〜〜、すごくあったかい…というかちょっと熱いっス。面白いな〜。
「〜〜〜〜〜っ!!?あぐぅ、絞っ!出すぎ、怖っ…!!〜〜〜ー〜きひぃっ、か、はぁあ、あ……ぅ」
「あれれ?」
何だか柔らかくなった。
「…………」
「え?え?え?な…何で泣いちゃうんスか、しんちゃん!?」

36 :
どうやらゴムはしてるようですよ?

37 :
>>35
チンコ勃った

38 :
>>34
乙っす!
うわー続き気になるよー!
>>35
おつ!
自己嫌悪すかね。泣いちゃうしんちゃんかわいー★ぎゅっとしたい!

39 :
伊藤「ふたばちゃんも…今まで佐藤君と仲が良いからって、敵視してごめんね」
ふたば「…ほぇ?なんで小生?」
佐藤「やっ!ちょ、待っ!俺らは別に、そういう仲じゃ…」
伊藤「私も佐藤君のこと好きだからさ…ふたばちゃん、仲良くしてくれるかな…?」
ふたば「小生もしんちゃんのこと大好きっスよ!だから詩織ちゃんも友達っス!」
伊藤「ありがとうね、ふたばちゃん。
   佐藤君…もし私で良かったら…中学生から、お友達でいられないかな…?」
佐藤「お前、何言って…」
伊藤「そうだよね、ダメだよね…今更都合良過ぎるもんね。私、最悪な女だもんね…(泣きっ)」
佐藤「!?いやいや!今のはそういう意味じゃなくて…」
千葉&田渕「(チッ、イケメンがまた女泣かしたよ)」
佐藤「(うぅ…後ろの視線が痛い)…ま、まぁ、友達なら全然構わないよ」
伊藤「(ケロッ)本当!?本当に良いの!?ありがとう佐藤君!
   やっぱり優しいんだね!佐藤君のそういうところ、大好きよ!」
佐藤「そりゃどうも…」
加藤「…………」

40 :
伊藤「私も家、こっちの方角なんだ…一緒に帰って良いかな?みんな…」
千葉&田渕「俺達は別に…(あんまりイチャイチャしないなら)」
ふたば「詩織ちゃんも一緒に帰るっスよ!」
佐藤「あ、あぁ…もちろん、良いよ」
伊藤「ありがとう、佐藤君、みんな…。そういえば、この後予定とかあるのかな?」
ふたば「杉ちゃん家で卒業パーティーがあるっスよ!」
伊藤「佐藤君…と、千葉君達は行かないの?」
佐藤「俺ら男子は特に呼ばれてるわけじゃないんだけど…」
伊藤「でも、ほら、今夜はおがちんと真由美ちゃんが佐藤君家に…」
佐藤「うっ、あいつらがいたか…じゃあ、行くしかないか…」
ふたば「しんちゃんも千葉氏も詩織ちゃんもみんな行くっスよ!
    杉ちゃんのママが賑やかな方が楽しいって言ってたっス!」
詩織「じゃあ私もお邪魔するね。ウフフ、ありがとう、ふたばちゃん」
加藤「…………」

41 :
ふたば「それじゃあ早く帰って、杉ちゃん家に行く準備するっスよ!」
とてちてとてちて
伊藤「…そうだ、佐藤くん!私ね、最近サッカーに興味あってね、この前の試合…」
佐藤「お、おう…」
千葉&田渕「(チッ、やっぱりイチャイチャかよ…)」
伊藤「…千葉君と田渕君もサッカーするんだよね?どう思う?」
千葉&田渕「えっ!?あ、えーと、それはですね…」
ワイワイ……
加藤「……………………佐藤君」
スッ……
てくてく……

42 :
加藤「(さっきの詩織ちゃんは、すごく"普通"だった。同じ"佐藤君が好き"なのに、
   私達が今までしなかったこと、当たり前なのに、気付けなかったこと…)」
緒方「……真由美!!こんなところにいたのね!」
加藤「!?おがちん!?か…体の具合は大丈夫なの!?私ったら、置いて行ってごめ…」
緒方「何でだか分からないけど、卒業式で倒れてからさっきまでの記憶が無いのよ!
   きっと壇上に上がった佐藤君の勇姿を見た影響ね!さすが佐藤君!!」
加藤「……へ?……う、うん、そうだよ!おがちんったら、今まで放心状態で大変で…」
緒方「詩織は?詩織はどこへ行ったの!?」
加藤「(うぅっ…!)し、詩織、ちゃんはね……」
…………………………
緒方「どうしたの、真由美?悲しそうな顔しちゃって」
加藤「詩織ちゃんは……佐藤君が……好きで無くなったの……」

43 :
緒方「詩織が!?何で!?つまりSSS隊を…」
加藤「……あ!?あ、いや!そうじゃなくって、そのね!えぇっとねっ……
   ちょっと説明が難しいんだけど、佐藤君が恋愛対象としては好きで無くなったと言うか…
   と、友達!佐藤君とは友達でいたい感じになったんだって!だからSSS隊は抜けるって!」
緒方「佐藤君と友達…?それは今までと違うの?」
加藤「う、うんうん!全然気持ちが違うって言うか、その…すでに友達って言うか…。
   とにかく、中学生になって佐藤君と詩織ちゃんが仲良くても、それはあくまで"友達"としてだからね!」
緒方「???よく意味が分からないけど、とにかく詩織が抜けて、佐藤君と友達になったのは事実なのね…。
   残念だわ…。つまり中学生になったら、私達SSS隊は……」
加藤「(そうだよね、隊の一人の想いが成就しちゃったもんね…もう、解散だよね…)」
緒方「……私達SSS隊は、今後、真由美と二人だけなのね!」
加藤「…えぇ!?」

44 :
緒方「真由美はまだ佐藤君が"好き"なのよね!?それなら私もそうよ!
   佐藤君を愛する同好の志として、私達の絆は永遠に揺るがないわ!
   中学生になっても、私と真由美、SSS隊は永久に不滅よ!!」
加藤「……んもぅ、おがちんの、ばかぁっ!!」
ガシィッ!!
緒方「ちょ、真由美、何泣いてんのよぉ…」
加藤「そうだよ、おがちん…私達は、ずぅとずぅっと、友達だよ……」
こうして私は気付いた。見ているだけより、本当に大切だったもの。築かれたもの。
中学生になっても私達は相変わらず(それでもおがちんをなだめることが多くなったけど)。
佐藤君への気持ちもずっと変わらなかったし、特に最近仲の良いあの二人を見るのは、少し辛い。
いつか後悔するときが来るかも知れないけど、今はただ、本当に大切な人達のそばに、
友情と愛情の間でバランスを保ちながら、ずっとこうしていられたい。
そして加藤は、次の卒業式を迎える頃に、少しの後悔を経験するのだった。


45 :
おっつー

46 :
過疎だからageてやんよ!

47 :
本来『息抜きの趣味』なはずの創作だけど、
長編は設定とかつじつまとか気にしなきゃなんなくてむしろストレス溜まるよ!
最近暑くてやる気でないし!ダブルオーライザー結局手出さなかった!
そもそもアニメは冨野作品しか見ないから00見てないよ私!
いっそ『ダブルオーザンライザーセブンソード』くらいやってくれたら買うかも!
というわけで徹子の部屋より。タイトルも考える気なし。

48 :
別に。
「………………」
日曜日、朝6時前。
右手にはいつものように合鍵。
左手には久しぶりにチクビのケージ。
目的地は…ま、今日返しに行くって約束だったからね。不本意だけどしょうがない。
スイー
早朝は気持ち良い。
私以外には新聞配達の人くらいしか活動していない。
数が少ないのに加えて、バイクや自転車の音が大きいから、簡単に誰にも見つからず動き回れる。
みんなの知らないところで私ひとりが世界を組み立ててる。ちょっと楽しい。
むふ…。



カシャン パタン...
ゆっくり、静かに。いつものように先生の部屋へ上がる。
先生に起きられると面倒な会話を強制させられちゃうし、そもそも大きな音は近所迷惑だ。
……変に隣に怪しまれると先生は笑えない事になっちゃうから、というのもちょっとはある。
まぁ実際にそうなったらそうなったで、私は笑って済ませるけどね。
さて、いつものように……あれ?
「いない……」
ゴミと趣味の悪いエロ本が散らばる部屋の中、唯一の空間であるベッドの上。
いつもなら情けない姿をさらしている主が居ない。
だらしない先生がこの時間に活動してるなんてありえない。
必然的に考えられるのは、
「朝帰りか……」
一番可能性が高いのは、『楠』さんとまだ一緒にいるって事だな。
「ふん…別にいいですけどね。
私はいつものようにチクビと遊ぶだけですから。
チクビ、おいで」
「チー」
ケージからチクビを出してあげて、ベッドで一緒に遊ぶ。
ふふっ…指先、そんなに舐めないで。くすぐったいよ。

49 :
………可能性は考えてた。
昨日、いつもように先生の携帯をチェックしたら、楠という人と東京でお酒を飲もうってメールのやりとりが残ってた。
家主がいつも来客をほっといてグースカ寝てるから、手持ち無沙汰になってしまって、
仕方なく時間つぶしとして携帯で遊んでいるだけなんだけど、たまにこうやって役に立つときもある。
…いい歳のくせに、しっかりしてるところがひとつも無い人だ。
多少気をつけて見ておいてあげないと、何が有るかわかったもんじゃない。
「そのくせ徹夜で遊びまわってるんだから、良いご身分だね」
……今日だけじゃなく、最近先生は勝手な行動が目に余るな。
二学期になってからは特にひどい。
席替えのときは、私が廊下に立ってる間に席を宮代さんと入れ替えていた。
…隣の人も一緒に入れ替える、なんてくらいに気をまわせるんなら、ついでにうっとうしい宮野さんとは席を離しておいて欲しかったよ。
吉岡さんには気を使ったくせに。
こないだの体育じゃ丸山さんと本庄くんの相手ばっかりしてた。私だって高飛びできてなかったのに。
そりゃ杉ちゃんや松岡さんが練習手伝ってくれてたけど、だからって担任なら生徒をしっかり見ておくべきだ。
見ておくべきと言えば、図工で壁時計を作ったときだって。
せっかく、たまにはやる気を出してあげようと思って頑張ったというのに、私の作品にひと言も無かったのはどういうことだろう。
確かに、針のところまで手を入れていたふたばのがすごかったのは認める。だけど周りが見えなくなるほどじゃなかったはずだよ。
最近の先生はどう考えても調子に乗っているとしか思えない。
1度、自分の立場というものを思い出させて上げなければ。
「チー……」
「あっ…ゴメンねチクビ」
いけないいけない。せっかくふたりきりの時間が持てたっていうのに、余計なことを考えてた。
「チチチッ」
「……先生のこと、心配?」
「チー」
「そっか。優しいな、チクビは」
「チチッ!」
チクビは先生が好きだ。もちろん私の事ほどじゃないけど。
だけど長い時間先生から離れてると、だらしない童貞が孤独してないかを心配して、この部屋に帰りたがりだすんだよね。
まったくもう!チクビにまで心配かけて!
「チーチチ、チチチッ」
……先生は不思議と動物に好かれる。
飼育小屋のウサギたちも先生が小屋に入ると集まってくるし、野良猫だって無警戒で近寄ってくる。餌も持ってないのに。
動物園で象に鼻を寄せられた事もあるって言ってたな。
…ま、先生の方が無警戒で隙だらけだからか。いざというときは先生自体を餌にできそうだと思われてるんだろう。
なんせ先生は『YES』しか言えないもんなぁ。『餌になって』と言われても、断れないかもしれない。
情けない話…だけど、すごいのはすごい。動物王国でもひらいた方が似合ってるんじゃないだろうか?
……いやいや、だめだだめだ。甲斐性なしの先生じゃ、集まってくれた動物達が不幸になるだけだよ。
最低限、ギリギリ、限りなくボーダーに近いけど、それでも適正の見られる『先生』の方が向いている。
今のままが1番世の中に迷惑を掛けないよ。

50 :
「…チー……?」
「あっ…ゴメンねチクビ」
「チ」
いけない。まただ。
なんでこんなにつまらない事をつらつらと……疲れてるのかな、私?
……うん。ちょっと疲れてるかも。
「今日はほんとにゴメンね、チクビ…」
「チチー」
少しケージに戻っていて。
「ふう………」
ポフン
ベッドに仰向けに倒れる。と、少しホコリが舞った。
やれやれ…どれだけ干してないんだか。シーツも最後に洗濯したのはいつだろう?汗の匂い、染み付いちゃってるよ。
よくこんな状態で気にならないなぁ。しかもあれだけガーガー熟睡できるなんて、信じられないよ。
服に匂いが染みちゃうかも……。
…でもしょうがない。今日は疲れてるし、この部屋は他に寝転べるところなんてないんだ。
ちょっと休憩するだけだから………。

51 :



ガチャガチャ
「ん…」
ちょっとウトウトしちゃってたか……。
まったく…先生のくせに私を待たせるなんて、今日はちょっと色々言っておかなければ。
……でも立ち上がるのはもうちょっと後にしよう。
もうちょっと、このベッドで……。
ガチャン!
「おぉい、さとやん!開いたぞ!起きろ!自立歩行しろっ!!」
えええぇぇ!?誰っ!!?
「ふ…ぐぅ……。
ごめん、くす…のき……」
「マジで反省しやがれ。カラオケんときほとんど寝てたくせによ。
俺なんて完徹だぜ?」
「う…悪、い……」
「……すまん。俺が引き止めたせいで終電逃しちまったんだもんな。
その後も酒付き合ってくれてサンキュ。
工学部のノリで、ちょっと調子に乗りすぎたよ。
でも久々で楽しかった。ありがとうな」
「ああ…。
ボクも、久しぶりで楽しかった……ありが…うぅ……」
「良かった。また機会つくって飲もうぜ。
…さて、悪ぃけどちょい便所貸してくれよ。
すぐ駅に……ッ!!?」
まずいまずいまずい!見つかっちゃった!!
って、ベッドで金縛りになってただけなんだから当たり前だけど!
「…?
トイレならそこだよ……ぶぅっ!!
んなっ…ひとっ……!!」
「なっ…え…?
女の子…?
えっ、何?なん……?不法侵入?
やっ、え?真っ白…体とかじゃない、よな?」
誰が体なんです誰が!みっちゃんといい先生といい、みんなしていちいち人を人扱いして!!
そっちこそ目が腐ってるじゃないですか!?
…なんていつものように言い返してやりたいところだけど、さすがにこの状況じゃはばかられる。

52 :
「やっ…した……じゃないんだってコレ…あっ!
ああああっ!しまった!人形!!
人形しまい忘れてた!!!」
アホですか先生!そんな言い訳信じるわけないでしょう!!もっと上手くやってくださいよ!!
「人形ってお前、これ……」
「楠!トイレ行きたかったんだろ!
とりあえず行けって!話しはあとでするからさ!!」
「いやお前「後で後で!!人形がちょっとさ!!事情あるんだって!!ちょっと長くなるから!!」 …聞かせてもらうからな」
バタン
「ちょっとぉぉ!ひとはちゃん!いったい何してるの!!?」モニョモニョ
「あっ、いえその…チクビを返しに……」モニョモニョ
「とにかく目を瞑って動かないでいて!何とかごまかすから!」モニョモニョ
「人形設定なんてどう考えても無理 ジャー わかりました!」モニョモニョ
こうなったらヤケだよ!行けるところまで行ってみよう!
……先生が行きつくところは、牢屋かな………。
「便所はサンキュ。
…んで、その子なんなんだよ?」
「え…『その子』って、どういう事だよ…?
あはは……」
ええっと、人形らしく人形らしく…ってどうすればいいんだろう?
…とりあえずなるべく無表情で、息は浅く……ゆったりめの服でよかった…。
「おい!ふざけて言ってないぞ、俺。
冗談抜きで、なんで女の子がこんな時間にお前のベッドで寝てるんだ?
…教え子、なんじゃないのか?」
いきなりバレた!
そりゃそうだよ!こんなネタ信じるのは漫画だけだよ!
やっぱり素直に謝って…だけど、最低でもこの部屋は出入り禁止になっちゃう………。
「いやっ、だから人形だって!
ほらほら、良く見ろって!!」
言葉の降る中、浮遊感。抱え上げられたんだろう。
…って、だからアホですか先生!?良く見せたらバレるに決まってるでしょ!!
「う…ん……?」
めっちゃ見てるめっちゃ見てる!!ビシビシ感じる!!
「……………う〜ん…………?」
さすがに今回は私が…ちょっとだけ悪いところもあった…気がするから……え〜っと、
もしものときは居候くらいは考えてあげようかな。…次の働き口が見つかるまで。

53 :
「…………これ、は………」
ああでも、ロリコンのレッテル貼られた人が再就職なんて無理か……。
特にこの町じゃ…それでもバイトくらいはできるだろうから、食費だけ入れてくれれば長期でも……。
しばらくは色々厳しいだろうけど、根本的には誤解なんだから徐々には何とかなるよ。たぶん。
「………人形…」
とっ…とにかく勝手にこの町を出て行かれるのは非常に困る!何が困るってわけじゃないけど色々困る!!
「……ふむ」
お願い神様!!
「なんだ人形か。マジでびびった」
信じた!!?
ええええっ!?信じちゃったよこの人!!
ちょっ…失礼とは思いますけど先生、友達は選んだほうがいいですよ!?
「確かにさとやんがそんな事するわけないか」
あっ…そっか。先生だから……。
「この人形も凝りすぎだしな。
寝顔…顔立ちとか肌の色とか…アレすぎてありえないよ。
ほんとに……見てると寒気がしてくるくらい……」
どういう意味ですか。祟りますよ。
「だいたい、さとやんは6年のクラスもってるんだもんな。
コレ、どう見ても10歳以下の子だ」
連帯責任で先生も祟ります。

54 :
「そっ…そうそう!人形なんだよ人形!こんな女の子がボクの部屋に毎週来てるわけないだろ!
アキバのマニアな店で売ってるヤツなんだ!」
「お前大学のときも近所のちっさいプラモ屋とか行ってたもんなぁ。
……だからって正直引くぞコレ。どういうつもりだ?
職場行ってて趣味変わった…おいおい、待て。自分で言ってて余計に引いた。やっぱヤバイだろお前」
「いやっ、ちがっ…!
ボクのじゃないんだってば!預かってるんだ!ちょっと事情があって!」
「しょうもない言い訳すんなよ。
誰がこんなもん他人に預けるんだ。しかも無造作に部屋におきっぱにしてたし」
「いやいやいや!ほんとなんだって!
特撮仲間でこういうのも好きな知り合いがいてさ!ちょっと引越しの間だけ預かってるだけ!」
「…………人の趣味趣向をどうこう言うのは本意じゃないが…しかしなぁ……。
俺みたいにフラスコ振ってるってならまだ見逃すけど……。
……リアルでヤバイこと、してないよな?」
「してない!絶対しない!
ボクは子供たちをそんな目で見ることなんてない!!」
…………ふん。それで当然です……。
「……保留にしとく。
散らばってるエロ本見ると、嘘じゃなさそうだ」
「あっ!
あはは……」
「俺も人のことは言えないけど…お互い掃除しないとな」
「そうだなぁ。
ボクもたびたび言われてるんだけど、なかなかなぁ」
「言われてるって、誰に?」
「へっ!?」
バカーッ!せっかく上手くごまかせそうだったのに!!
「えっとあのっ!ちょっとあれだよ、母さんにさ!
たまに見に来るんだよ!困るんだよな、口うるさいことばっかり言ってさ!!」
悪かったですね、口うるさくて。
「ああ、そういう事か。
大変だな」
「大変なんだよ〜。ほんと大変でさ〜。
…心休まる日がない………」
いっつも熟睡してるくせに、よく言えますね。
「…ふぅ…しっかし、びっくりし過ぎて酔いが覚めたわ」
「ほんとに。ボクも完全に覚めた」
「ポカリとかねえ?」
「冷蔵庫見てみて」
「ああ。100円払うから」
「いいって。
ふう……」

55 :
ボスン
ひと息ついて、ベッドに座り込む先生。…私を抱えたまま。
「チャンスなんだから押入れに隠すとかしてくださいよ」モニョモニョ
「あっ、そうだった」モニョモニョ
「ところでさとやん」
「はひぃ!
あっ、タバコは禁止!
やめてくれ」
……珍しく…口調も強いし……。
「えっ、スマン。…大学のときは許してくれたじゃん」
「あの頃は強く断る理由が無かったからだよ。
でも臭い、子供たちが嫌がるからさ。
だから今はだめだ。守ってくれ」
………。
「…プロ意識だな。了解だ、従うよ。
…で、さ。ちょっとそれ触らせてくれないか?」
「は?」 は?
「いや、んな趣味があるってわけじゃないけどさ、職業柄やっぱ素材や構造が気になるんだ。
できれば中身もいじらせてくれよ」
「え…なか…み…!?
ダメダメダメ!コレは触らせられないよ!絶対だめ!!!」
ムギュウ
ふむっ…!
少しでも友達の人から遠ざけようとしてくれるのはいいんですけどね!こんな力いっぱい抱き締められたら苦しいんですけど!!
ああもうっ!状況がピンチなんだからしょうがないけど、うるさいぞ私の心臓!!
「頼むって!せめて触らせてくれ!いいじゃん!
気になるんだよ。さとやんは気にしてないかもだが、それすごいよ。ゴムとかじゃその質感は絶対ありえない!」
「だからダメだってば!やめてくれ…やめろ!」
……少し、空気が尖りだしてきた。
「…キレなくてもいいだろ」
「家主はボクなんだから、ここじゃボクに従えよ。
ダメだ」
「触るのもダメってのはさ…やっぱそれ、『生きてる』って事か?」
ううっ…!
「なっ…なんでそうなるんだよ!ただの人形だって言ってるだろ!」
「じゃあ触るくらいいいだろ」
「………それ、は……」
やっぱりダメなの!?
頑張って!もうちょっとですから!何でもいいから誤魔化して!お願い!!!

56 :
「……そのっ…コレはさ、アレに使う用の人形だから。だから他人には触って欲しくないんだ。
言いたくなかったんだけど」
「アレ……げっ、大人のオモチャかよ!
おまっ…………」
「「「……………………」」」
「……とっとと片付けてくれ…」
「……ああ」
ゴソゴソ
「……独身貴族の無駄遣いにしても…そういうパターンもあるか…。
…相当しただろ」
「ま…まあ。給料3ヶ月分、ってところあ痛っ!!」
「うわっ!なんだ急に!?」
「いやっ、ちょっと噛まれた…こないだ噛まれたところが痛んで。ネコに」
「…珍しいな、さとやんが動物に噛まれるなんて」
「そっ…そうだな。ちょっと近所に気まぐれで手のかかる黒ネコが痛い!!」
バタン
暗闇。
ふぅ……落ち着いた…って、こんな狭いところじゃ落ち着けないよ!
今は我慢してあげますけど、さっきの事もあわせて、あの人が帰ったらひどいですからね!!
「……さて、帰るわ……」
「そうか………」
なんていうか、言葉にできない空気だよ。
表現する言葉を一生覚えたくないけど。
「お。
今さら気付いたけど、ハム朗いたんだな。元気か〜、うりうり」
その子は『ハム朗』なんて名前じゃありません。しかも私に許可無く触らないで。
「やめろってそういうの。小動物はストレスになるんだから。
あと勝手に名前つけるなよ」
「まだ我輩はハムスターである太郎なのか?
いいじゃん、ハム朗で。お前の彼女もそう呼んでたし」
「めったな事いうなよなぁ…。
扇さんはただの友達だよ。だった。卒業後は会ってない」
「もったいねぇの。
はっきり言っとけばいけてたんじゃないか?」
「無理だって」
「そうかぁ?
あの自転車のときだって、さとやんが走り回って……」
帰るんじゃなかったんですか。昔話なんて始めて。……さっきから私の知らない話ばっかりして。
だいたい先生は『さとやん』なんて名前じゃありません。勝手な名前で呼ばないで。

57 :
「あのなぁ…。
あれはボクのせいじゃなかっただろ。だいたいお前にしてもやっさんにしても、いっつも後片付け押し付けやがって……」
先生もそんなどうでもいい話に花を咲かせてないで、さっさと帰ってもらってください。
それにさっきからちょっと言葉遣いが悪いですよ。あとで生活態度も含めて、色々言わせてもらいますから。
「だけど知ってるか?さとやんが帰った後、篠崎とかも集まって……」
知る必要ありません。私は十分先生を知ってます。全部知ってるんです。余計な話をしないで。
先生には、私としなきゃならない話がたくさんあるの。
「昔のメンバー集まるんだけど、さとやんも……」
早く帰って。
「…………」
「…?どうした?」
「いや……なんか背筋が……。
…悪い、帰るわ俺。また今度連絡するよ」
「あ…ああ……」
「じゃ、またな」
バタム
………………………。
「………………………」
………………………戻ってこないな。
ギィ...
「ひとはちゃん……」
「とりあえず下ろしてください」
「うん。
よっと」
ポスン
「えっと、ひとはちゃん……」
「そこ、私の前。床で正座」
「……うん」
さて、まずは「悪い!タバコ忘れた!!」
「………………………」
「………………………」
「………………………」


58 :
あ…危なかった……。
大丈夫だ。とっさに先生が覆いかぶさってくれたおかげで、ドアの方は見えない。という事は向こうからも表情は見えてない。
大丈夫だ。股の間に先生が割り込んできてて、布を介してお互いの腰が当たってるけど、意識しなければ大丈夫。
パンツ越しに感じるのはファスナーだから大丈夫!!
「……帰るわ。
じゃあな」
パタン...
「…………」
先生がのろのろと身を起こし、そして。
「うっ…ううっ……。ひっく……」
……色々言いたかったけど、この水溜りを見てると……しょうがないなぁ。
「今後は断りなく知らない人を連れてこないでください。
あと帰宅が深夜以降になるときは必ず連絡してください。
それとケージのネームプレート買ってください。
当然この部屋は永久禁煙です」
このくらいにしてあげよう。
「…そこまで……」
『ひとはちゃんのこといっつも見てるよ!!』
「するに決まってるよね〜……。
ひっ…ぐぅ……」
むふぅ。
<おわり>

59 :
高校生ひとはをデザインしてたら派生しました。というか副産物。
私としては『本編外』の話なので、小ネタ扱いです。
……ところで久しぶりに初心者質問なんですが、2ちゃんって板を立てるの
有料だったりするんですか?

60 :
乙です
久々のロリひとはイイ!
スレ立て一回しかやってないけど無料ですよ。

61 :
矢部ひと良い!乙でした!
この前のりびんぐでっど思い出しましたよw
スレ立てはもちろん無料だけど、最近は規制厳しいんで気を付けて下さい

62 :
スレじゃなくて板(掲示板)を作るって意味じゃないの?

63 :
>>60
>>61
スレ立てであってます。無料でしたか。ヨカッタヨカッタ。
余計な事書きまくってるので、ちょっと気になったのもので。
>>62
恐らく私が超素人質問したせいで、ですね。気にしていただいてありがとうございます。
基本的に私、インターネット…というか、機械が苦手なので。
2ちゃんのルール説明、長すぎてよくわからなくて……。
『規制』も複雑なので、書き込めなくなったらなったで、しばらく放っとこうくらいしか考えられません。
機械が苦手なのにロボット大好きという矛盾に今気付きました。
そして今日本屋行ったら『モンジュ』終わってた……。

64 :
気付けばライフワークのように。
終わりが…終わりが見えない……。
このしばらくのパートは、書いてても読んでても面白くないところです。

65 :
――――――――――
キーンコーンカーンコーン
学び舎に今日の終わりを告げる鐘の音が響く。
……あの後は時間の過ぎるのが速かったな……。
「さぁ〜って、今日もひと汗流すといたしますか!」
「トッキーはハンド部か。
そしたら私も、将棋部にひと狩りしにいこっと」
「………名詞と動詞がつながってない…よな?」
「ゲームよゲーム。
うちの将棋部、実質ゲームマニアの溜まり場になってるから。なんか多人数でやるやつが流行ってるみたいよ。
神戸、春休みからずっとそれやってるの。こないだゲームの時間みたら300時間超えてたわ」
「さんびゃく!?」
「ファッファッファッ!
そう、このメモリには私の貴重な青春の時間がつまっとんねん。
まさに『青春のメモリー』!!」
「脳が腐ってるとしか…でも成績負けてんだよなぁ……」
「ファッファッファッファッファッ!
ひれふせ愚か者どもー!!」
「その『青春のメモリー』貸してみ。
…なるほど。これなら簡単にペキッといけるな」
「やめてー!!返してー!!!」
「やれやれ……。
ま、私も今日は野球部の練習見に行こうかな」
「柳、そんなにたびたび行くんならもうマネージャーになったら?」
「ちっ!
男持ちは地獄に落ちろ」
「「「……………………」」」
「な…なんだよいきなり……」
「ま…まさか現実社会でその台詞を耳にする事になるなんて………」
「驚愕のあまり心臓が止まるとこやったで……」
「さすがトッキー、予想のはるか下を行く小物ぶりね……!」
「ちょっ…なんでそこまで言われんだよ!
普通じゃん!あたしの中学じゃみんな言ってたって!」
「ないわー。それはないわー」
「せめて言い訳くらいもうちょっと捻ったら?」
「う…うわーん!!!」ダダダッ
「廊下は走っちゃダメよー!
…さて三女、私たちも帰りましょ」
「うん……」
杉ちゃんの声も今は遠い。
ずっと考えているから。
あの後…さくらちゃんと話した後、授業中もずっと考えてるけど……やっぱり。

66 :
やっぱり、さくらちゃんにからかわれただけな気がしてならない。
あの場では相手の雰囲気に飲まれてなんとなく納得してしまったけど、冷静になって考えるとやっぱりいくらなんでも無茶苦茶だ。
地味だった女の子がある日突然美少女に、なんて今時少女漫画でもやらないよ。
実際、図書室での1年生のあの反応。あの目。
昔から千葉くんたちがたまに見せて来たのと同じだった(いい加減傷つきはしないけどさ)。
まぁ…見ようによってはこの髪も不気味だろうしなぁ……。
みっちゃんにも『夜道の後姿が恐いから、せめて半分にしなさい』って、度々言われるもんな……。
正直私もさすがにここまで長いのはめんどうだから、切れるものなら切りたいというのはある。
だけど先生のためにも、私の都合のためにも絶対短くするわけにはいかないんだよね。
ワイワイ...
ゆっくりと下駄箱を覗く……ふぅ…。今日も何も無しか。
よかった。
……最近は無かったけど、あんな話を聞いた後だったからちょっと緊張しちゃったよ。…ただ帰るだけなのに。
「どうしたの三女?のろのろして。
今日は夕方から雨っていうし、私たちは早めに帰りましょうよ。
……それともまた入ってたの?」
「あっ…ううん。そうだね、帰ろう。
……みっちゃんも降る前に帰ってこれればいいんだけど…多分無理だろうなぁ。
一応カッパは渡しといたけど」
「東高は遠いっていったって、自転車飛ばせばそんなにかからないでしょ?」
「今日は久しぶりに部に顔を出してくるって言ってたから。
またさっちゃんが何かやらかしたみたいだよ。プリプリしてた。
『いつもいつも面倒な事になってから私に連絡しくさって〜』って」
「ああ…なるほど。
松岡も昔よりは落ちついたとはいえ、行動範囲が広くなった分余計にやっかいになってる気がするわねぇ。
宮下もちょくちょく捕まってるって言ってたくらいだから、みつばの逃げ足じゃちょっと逃げきるのは無理ね」
「ふふっ、確かに。
だから結局いつもこうなっちゃうんだよね」
……結局、みっちゃんは世話好きなんだよね。ぶちぶち文句を言いながらだけど、迷わず引っ張って行く。
誰かに手を差し出すのは難しい。やってみて初めてわかった。
自分に相手を引っ張るだけの力が無いと、何の意味もない…どころか、一緒にこけて目も当てられないことになっちゃう。
目に見えてるのは簡単そうでも、先に何があるかなんてわからないんだから、最後まで引っ張って行けるかなんて誰にもわからない。
だからそれはとっても難しくて怖い事。
『できるんだったら助けて』なんて…それで逆恨みまでするなんて、本当に子供だった。

67 :
だから『今』の私は、思う。
みっちゃんはすごい。いつも必ず最後は笑ってる。
……もし私が……。
「……………………」
「……ねぇ、さんじ「おっ、三女さん。お帰りっスか?お疲れ様です」 ……私もいるんだけど」
「千葉くん、久しぶり。
最近会わなかったから、進級できてないのかと思ってたよ」
「がくっ……。
ひでぇっスよ三女さん〜」
とぼとぼした足取りで、うなだれ、背を丸めたままこちらへやってくる千葉くん。
それでも私よりはるかに大きい。前に180を超えたって言ってたもんな。
……ちょっとわけて欲しいよ……なんてベタなことは考えないけど。
考えてないってば。
「冗談だよ、じょうだん…に、ならなかったかもだもんね…。
ゴメン……」
「ま…真顔で謝ってもらうと余計にキツいんスけど……」
「身から出た錆でしょうが。
いっそ部活とかやったら?そんだけ図体でかいんだし、いい結果を出せるのもあるんじゃない?
そしたら意外と点数も甘くなるもんよ」
「………補習でそれどころじゃねぇ…」
「アホ」
「ちょっとは同情しろよ!
今日だってこれから数学の補習なんだぞ俺!」
「はあ?どこに同情する余地が…って今から!?
あんた四月なのにいきなり補習って、どんだけなのよ!!?」
「うるせえな!ほっとけよ!」
「同情しろって言ったり、ほっとけって言ったり、どっちなのよあんた」
「だからうるせえ!」
ギャーギャー
なんだかんだでずっと、千葉くんも杉ちゃんと仲いいな。
もちろんみっちゃんとも、ふたばとも、私とも、ずっと仲良くしてくれてる。
数少ない男の子の友達。
同性だけじゃどうしても手に入らない情報や視点があるから、ずっと助かってるんだよね。
ふざけて騒いでることも多いけど、根っこは真摯だからいざというときは頼りになるし。
……しんちゃんという『弟』は、頼りにならない事はなはだしいからなぁ…。
…あっ、そうだ。
「ねぇ…千葉くん。ちょっと意見が聞きたいんだけど……」
「…おめーもだろうが、ピョンピョン女!…って、え?
ウッス。
俺なんかで良ければいくらでも」
「………私って……。
…先に言っておくけど、絶対笑わないでね」
「笑いません!んな事絶対しませんから!」
そう言って私に向き直り、姿勢を正して話を聞く体勢をとってくれる。
…私の言葉を待ってくれてるその表情には、真剣さが現れていて…これならきっと大丈夫。そう思える。
「うん…あのね……」
だから私もしっかり向き直り、千葉くんの目を見る。
…しっかり見るようにしている。人と話をするときは…知らない人が相手のときだったら、特に。

68 :
礼儀っていうのもあるけど、私はただでさえ暗い性格なんだから、うつむいてたら余計に聞いてもらえなくなっちゃう。
何より、『想い』を伝えるために必要な事だって思うから。
わざわざ椅子を引き、身をかがめて覗き込んでくれたあの日々に、そう想ったから。
だから、しっかり相手の目を見て話をする。そう決めた。
「ぅ…にじが……」
………まぁなんか余計にたじろがれてる気がしてならないけど。
さすがにちょっと傷つく………いやいや、今は覚悟を決めてしっかり聞こう。
すぅはぁ……よし。
「私って『美少女』かな?」
「えっ……」
千葉くんが止まった。
「さん………」
杉ちゃんも止まった。
「……………………」
そして私も止まった。
…ちょっと待て、なんだこの質問。大丈夫か私?暖かくなってきたからか?
「…えっ……ぁう…!
もっ…もち……」
うわぁ…千葉くん、完全に引いてるし。
「ごめん…忘れて。本当に忘れて。絶対に忘れて」
危なかった…。
さくらちゃん達にだまされて、『絶世の』とか『超』とか意味不明な修飾語を付けなくてよかったよ。
「はぁ〜…。
ちょっといくらなんでもどうかしてた。
ごめんね、変な事聞いて…っていうかホントに聞かれたこと自体忘れて。お願い」オオオ
「うおっ、オーラが久々に……!
いやっ、違う…違うんスよ三女さん!
まっ…マジで三女さんは、そのっ……」
「いいって、フォローしなくて。余計にキツいから」
「そうじゃないんですって!」
「いつもありがとう、千葉くん。
ずっと私たちのフォローしてくれて。ずっと仲良くしてくれて。
だけど無理なことは無理でいいからさ……」
「いえいえいえ!無理じゃないっス!!全然無理なんかないっス!!
俺マジで、本気で三女さんのことかっ…かわっ……!」
「だからそんな無理なんてしてくれなくても、今のままで十分助かってるって。
私、男子の友達全然いないから。
それにさ、さくらちゃんに聞いたよ。私のために『噂』を流してくれてるんでしょ?
本当にありがとう。
先生に迷惑かけるの絶対嫌だし…こんな事言ったら悪いとは思うんだけど、男の子に言い寄られたりするのって苦手で……。
だからね、これからも、今までどおり仲良くしてくれたら嬉しいな」
「…………いえ、そんな…。
俺こそ勉強教えてもらったりりとか、ありがとうございます……」

69 :
「んぶふぅ!ヒヒヒッ!あっ…哀れすぎる……!!
わらっ…笑うしかない……っ!!ヒヒヒ〜!!」
「んも〜!そんなに笑わないでよ、杉ちゃん!
聞かなかったことにしてってば!!」
「イヒヒヒッ!!
あぁ〜かっわいそ〜っ!ほんっきで…ヒヒッ!笑える!!」
「てめえ…松原といい、ほんと性格わりぃな……。
いつか絶対バチ当たるぞ。てか祟るからな。覚えてろ」
「そこまでは言わないけどね……」
とはいえ許すまじ、さくらちゃん…!次は必ずこっちが勝つからね!!
「ウヒヒヒヒィッ!しっ…んじゃう…!!
呼吸が……ッ!助けて……!!」
杉ちゃん笑いすぎ。

70 :



「あー…危なかった。ちょっと走馬灯が見えちゃったわ。
…あの顔……ッ!ヒッヒッヒッ!
ダメッ、腹筋が……!」
帰り道も半分以上を過ぎた(といっても、歩いて20分程度の通学路だけど)というのに、杉ちゃんはまだ笑いっぱなし。
呆れる…っていうか、そろそろ怒ってもいいよね私?
「いい加減にしてよ杉ちゃん……。
今日はお腹まずいんでしょ、いろんな意味で。体育休んだくせに」
「私軽いから大丈夫よ。
それこそお昼は生徒会の仕事もやってたんだし。この後だってピアノのお稽古が待ってるんだから」
「………『姫』っていうなら、杉ちゃんの方だよね」
実際、お城みたいな豪邸で優雅な趣味(盗撮は置いとくとして)を嗜んでるわけだし。
髪形だって絵本に出てくるお姫様みたいだし。
……私もたまには変えてみようかな、と思ったことが無いわけじゃないけど、癖が無さ過ぎて全然パーマがもたないんだよね。
昔みたいなお団子は、子供っぽくて似合わないとか言われて不評だったしなぁ…。
…多少は身長をごまかせるのに……。
「そんないいものじゃないわよ。単に成り行きでやってる部分も大きいし。
楽しい事なんてまるでない、とまでは言わないけど、私全然才能ないのわかってるしね」
「じゃあなんで続けてるの?」
「言ったでしょ、成り行き。
義務に近いのかな?パパのパーティについてった時とかに、教養が無いと恥をかいちゃうから。
…私以上に、パパが。
やりくりも覚えて、やってるつもりだけど、やっぱりうちに居るからにはその都合にも合わせるべきだと思ってる…って、
もちろん強制じゃなくて自分からやりたいってお願いしたのよ。
私むしろ自由にさせてもらい過ぎだからね。
高校だって結局行きたいところに行かせてもらってるわけだしさ」
「……『結局』ってことは、やっぱりゆきちゃんと同じ私立に行けって話もあったんだ」
「せぇ〜っかく近所にこんな良い高校があるんだから、行かない手は無いわよ。
偏差値だってそんなに違わないんだから。Aクラに居れば尚のことね。
むしろ登下校時間の差分を有効に使って、もっと自分を磨いてるって自負があるわ。生徒会だってそう。
思った以上に面白かったし、秋の生徒会長選挙出てみようかな?」
「杉ちゃんなら楽勝だろうね。
男子からも、女子からも人気あるし。というよりむしろ女子に大人気だし」
「やめて。
ったく、同い年…どころか上級生まで『お姉さま』とか呼ぶ人いるし…どうなってんだか。
しかも三女は知らないでしょうけど、あの松原との百合説とかあるのよ?気持ち悪っ!
あいつはともかく、私にそんな趣味ないっての!」
知ってる知ってる。有名有名。
…にしてもこのふたり、裏でネタ合わせしてるんじゃないかってくらい息の合った事言うよなぁ…。

71 :
「とにかくいつまでも子供じゃないんだし、多少は家の事も考えなきゃなんないからね」
「進路が法学部なのもそういう事?」
「ま、ね。
今時、娘がいずれ跡を…な〜んてありえないけど、
どうせなら生かせる可能性のある知識を学ぶべきだと思うから」
「……すごいなぁ」
「そう?」
「うん。
目標を持って勉強して、生徒会の仕事もして、お稽古事までして。…家や家族のことまでしっかり考えて。
私なんかじゃとてもじゃないけど無理だよ……。
はぁ〜…進路調査、何を書けばいいんだか……」
みっちゃんも、ふたばも、杉ちゃんも…みんな頑張ってる。前に進んでる。
なのに私はいつまで経っても家の中に、同じ場所に閉じこもってるだけ。
いつまでも、同じ夢を見ているだけ……。
「……はぁ〜あ。
なに言ってるんだか。ここまで来るとさすがに呆れが声にでちゃうわ」
「…?」
杉ちゃんが立ち止まり、ひと呼吸。
子供の頃はほとんど同じ高さだったけど、いつの間にか結構差がついた。
見上げる視線の先、私に向けられる微笑みはどこまでも優しい。
……いつの間にか結構差がついた。纏う空気は本当に『お姉さん』で。
微笑みを彩る、艶やかな唇が開かれて――…
「1番すごいのは三女よ」
「…私が?」
「そう!私の友達の中で1番すごいわ!
もちろん私なんかよりずっとずっとすごい!!」
「そんな…私、何もやってないよ。
誰かに自慢できるような仕事も、趣味も持ってない……」
今もそう。こうやってすぐ帰り道。
いつも同じ毎日を繰り返してる。
「やってる!ずっとやってきてるじゃない!家の事、家族の事!!
…本当に、私たちの『仕事』や『趣味』なんかとはレベルが違うすごい事を、子供の頃からずっとやってきてるわ。
生徒会の仕事も、お稽古も、みつばのバイトやふたばの部活も、その気になればいつでもサボれるの。
眠かったら、疲れてたら、お腹が痛かったら、明日にしようって片付けられるの。
だけど三女のやってる事は違う。
辛いから、面倒だからなんて言ってサボれない。毎日やらなくちゃいけない。
ほっといたってお腹をすかせる。服を汚す。病気になる。今日だって言わなきゃカッパを持って行かなかった。
しかも家計っていう限られた条件の中で、全部を上手くやりくりしてきてる」
「……そんなふうに考えたこと無かった……。
ただ私がやらなきゃって…ううん、外に出るのが苦手なのをごまかしてただけで……」
「違うわ。やらないでいる理由なんていくらでも作れたはずよ。
家の中でゲームして、ゴロゴロしてたってよかったじゃない。特に昔は、ふたりは外で遊びまわってるだけだったんだから。
ていうか今も半分以上遊びほうけてるみたいなもんだし。
なのにずっとずっと頑張り続けてる。本当にすごいわ。
…同い年の友達がすぐ近くでこんなに頑張ってるっていうのに、ひるがえって自分はどうなのかしら?
そう思ったから私、頑張ることにしたの。今、頑張れるの。
そうよ、お礼を言うのがずいぶん遅くなっちゃった。
友達になってくれてありがとう。ずっと友達でいてくれてありがとう。
これからもずっとよろしくね、三女」

72 :
差し出された手。
そこに込められた想いに、引き付けられるように、
ゆっくりと
     握る。
あたたかい。
私には、手を差し出してくれる友達が沢山いる。
幸せ。
信じられないくらい幸せで……まいったなぁ…。本当にまいったよ……。
「すっ…すごいな、杉ちゃんは。やっぱり」
震える声、とてもじゃないけど隠せない。
「………ありがと、三女」
「うん……。私も、あり……と………」
もっとちゃんとお礼を言いたいけど、今はちょっと無理だな。顔も、上げられない。目を見て言えない。
でも大丈夫。これは明日にしたって大丈夫だ。
『これからもずっと』って、言ってくれたんだから。
「…………………………」
「…………………………」
だから今、待っててくれてありがとう。

73 :
「………うん…もう大丈夫……。
ほんとに色々……嬉しかった。
ありがとう」
「うぁ…キラキラ全開で面と向かって言われると、ちょっと心臓にキツイわ……。
しかも…あ〜……これで黙って私の手柄にしちゃうのは、かなり卑怯よねぇ…。
ホントは言うなって言われてるんだけど……」
「…なにを?」
「ぜったい私が言ったこと、ばらさないでね」
「う…うん」
どうしたんだろう?いつもハキハキしてる杉ちゃんが、こんなふうに口ごもるなんて……。
杉ちゃんがこんなになる相手は、ひとりだけなのに。
「さっきのは、みつばの言葉なの。
三女がすごいって事、すっごく頑張ってるって事、はっきり教えてくれたのはみつばなの」
「えっ…?」
「中3の頃にね。
いつもみたいに『私ほどじゃないけど』って、オマケつきで。
でも、真っ赤になっちゃって。
…にしてもまったく……1番伝えなきゃなんない相手に伝えられないって辺りがみつばよねぇ……。
ま、それも含めていつもの事だと許してあげて、今日からちょっとそういう目であいつを見てみなさいな。
きっとあいつが何て言ってるか、すぐわかっちゃうわよ。
素直じゃなさすぎてわかり易いのが、みつばなんだから」
「…みっちゃんが……」
そっか……そうだったんだ。
そうだよ。
頑張って稼いだアルバイト代、家に入れてくれて。
手元が危ういのにお料理頑張ってくれて。
他にもお洗濯や買い物、先生に会いに行く日のフォロー。
いつも言ってくれてた。
いつも、誰よりも、大きな声で伝えてくれてたじゃないか。
…私のために。
「なんだかなぁ…最近、ずっとみっちゃんにやられっぱなしな気がするよ」
「大げさ、大げさ」
言いつつも、誇らしげに笑う杉ちゃん。
杉ちゃんだけじゃない。みんながそう。
みんなを引っ張る、みんなを惹きつける、自慢の姉さん。

74 :
……もし私が…
「……………ったら、先生に……」
「……ねぇ三女。久しぶりに私の家に寄ってかない?
時間あればなんだけどさ」
「えっ…いいけど……。
でも……」
「そんなに遅くならないって。
私もピアノあるし……もし雨が降ってきちゃったら、タクシー呼ばせてもらうから」
「いいよ別に。近所なんだから。
…でもどうして急に?」
「うん……まぁ友達なんだから、たまには来て欲しいって感じかな。
最近吉岡たちとも集まれなくて、ちょっと寂しいのが続いてるし……そうだっ!
こないだいい葉が手に入ったからごちそうさせて。ひとりだけで楽しむのはもったいないくらいなの。
ね?」
「………うん」
……今日はそういう星回りの日、なのかな?

75 :
全然進んでないんですが、文章量的にはこないだの小ネタより多いんです……。
もうちょっと続く壁を越えたら、あとは速いです。
○生活描写について
髪や肌のこと、みっちゃんの化粧品、服飾関連などはまるごと削る事にしました。
ちょっと書いたらグダグダがひどい事になったので。
そもそもひとはの『腰下まで届く髪』ってありえないよ(色んなものにケンカを売った)。
ていうか髪形自由の校則にしてもフリーダム過ぎる。ストライクフリーダム。
まあ原作でも水泳帽かぶってなかったり、ブルマだったり、非番に警官服だったりなので流してください。

76 :
>>75
乙です、毎回楽しみにしてます

77 :
>>75乙がとう

78 :
乙です。楽しく読ませていただきました
杉ちゃんの心くばりがいいなあ

79 :
よし、変わったカップリングでささっと書いてみる
自分でも「ありえねーw」と思うんで、ちょっとキャラがブレるかもw
舞台は214卵性、SSS隊佐藤家前クリスマスパーティー回の直前と絵理追跡後です

80 :
クリスマスの日の夕方、加藤はパーティーのため佐藤家前へと一人向かっていた
てくてく…
加藤「んもぅ、おがちんったら…パーティーの準備張り切っちゃって…。
   でも嬉しいな。卒業前にSSS隊らしい行動が出来て…。」
伊藤「…あっ、真由美ちゃんじゃない?」
加藤「あっ!詩織ちゃん!詩織ちゃんも、今から佐藤君家に向かうところ?」
伊藤「ええ、そうよ。ウフフ。一緒に行きましょ?」
加藤「うん!」
てくてく…てくてく…
加藤「(…あれ?詩織ちゃん、なんだか元気無いな…)」
伊藤「…この春休みが終わったら、私達、もう卒業だね」
加藤「…えぇ?う、うん、そーだね」
伊藤「…真由美ちゃんはさ、卒業式を迎えたら、佐藤君のこと、どうするの?」
加藤「えっ!?(急に何でそんな核心を!?)…う、う〜ん…。
   やっぱり、諦めることなんて出来ないから、SSS隊を続けていくと、思うな…」

81 :
伊藤「ウフフ、真由美ちゃんならやっぱりそう言うと思ったな。
   …でも、佐藤君に告白はしないんだね」
加藤「だ、だって、抜け駆けはよくないし…。し、詩織ちゃんは、どうするの…?」
伊藤「私はねぇ…どうしよっかなぁ♪
   おがちんはずっとああだし、真由美ちゃんも、もたもたしてるみたいだし…」
加藤「え!?えぇ〜っ!?酷いよ、詩織ちゃ…」
伊藤「…なぁーんてねっ!冗談よ、冗談♪真由美ちゃんったら、慌てちゃって。ウフフ」
加藤「あ、そうだよね、もちろん冗談だよね、ごめんね…。
   (なんか今日の詩織ちゃん、変な感じ…)」
伊藤「でも嬉しいな。真由美ちゃんもまだSSS隊、続けてくれるみたいで…。
   私もSSS隊はたぶん続けるからさ、これからもよろしくね、真由美ちゃん♪」
加藤「う、うん!こちらこそ、よろしくね、詩織ちゃん!
   (今まで詩織ちゃんのこと、怖いと思ったこともあったけど、やっぱり大切な友達なんだ…)」
伊藤&加藤「………………」

82 :
伊藤「…ねぇ真由美ちゃん。佐藤君家に行く前に、少し寄り道しない?」
加藤「えぇっ!?い、今からだと、遅くない!?」
伊藤「フフ、平気だって。どうせおがちんのことだから、遅れたところで
   『んもぅ!遅いわよ!真由美!詩織!』くらいのことで済んじゃうよ」
加藤「で、でもぉ…きっと先に着いて準備してるおがちんに悪いし…」
伊藤「(…チッ)…そう、そんなにおがちんが大事なの…フーン…」
加藤「(あ!!今嫌な感じだ!!)う、あ…で、でも!帰りなら、少し…」
緒方「いたわね!真由美!詩織!」
伊藤&加藤「おがちん!!」
緒方「二人が遅いから迎えに行くところだったのよ!
   さぁ、もうパーティーの準備は出来てるわ、急ぎましょ!」
加藤「う、うん!(助かった…でも"遅い"って、まだ夕方だよおがちん…)」
伊藤「(…ぼそぼそ)…じゃあ帰りにしましょ。ね?おがちんに内緒で・抜・け・駆・け・よ?」
加藤「う、うん、そーだね…(何なんだろ…いつもは抜け駆け・厳・禁・なのに…)」

83 :
そしてSSS隊によるクリスマスパーティーin佐藤家前は始まった
プレゼントの話や、まさかのサンタさん出現に加藤の気分も高揚し、
この約束をすっかり忘れたが、そこに佐藤姉が登場し…
緒方「出たわね変態ストーカー女!!」
絵理「(えぇ〜っ!!??)」
ダダッ!!
緒方「あっ逃げた!追うのよーっ!!」
ドドドドドッ…!!
伊藤「私達も追いましょ!ねっ、真由美ちゃん!」
加藤「え!?あ、うん!!ちょっ、待って〜おがちん!!」
タタタタタッ…
加藤「はぁ…はぁ…おがちん…速っ…もうっ…」
伊藤「…ウフフ。こっちが近道よ、真由美ちゃん」
ギュッ
加藤「え?(珍しいな、詩織ちゃんに手、握られちゃった…)あ…うん」
タッタッタッ…

84 :
続きは近日に

85 :
GJ!
期待してるよ

86 :
タッタッタッタッ…くるり…
加藤「あれ!?詩織ちゃん、その方角は違…」
伊藤「もー、約束したじゃない真由美ちゃん。帰りに二人で寄り道しようって」
加藤「あ…うん…でも、おがちんが…」
伊藤「(チッ)…イヤなの?」
加藤「!?ううん!そうじゃないけど…」
伊藤「じゃあ決まりだね。行きましょ♪」
加藤「う、うん!(た…たまには詩織ちゃんと二人も…良い…かな…?)」
加藤は伊藤に手を引かれながら、イルミネーションに彩られた上尾の街を疾走してゆく
タッタッタッタッ…
伊藤「…ねぇ、すっごく綺麗だと思わない?真由美ちゃん」
加藤「う、うん。そうだねっ」
伊藤「おがちんとパーティーもいいけど、クリスマスって、こういうものでしょ?」
加藤「う…うん…(確かに、おがちんと一緒だったら、こういう景色は観なかったな…)」

87 :
やがて二人が辿り着いたのは、街並を一望出来る丘の上だった
伊藤「フゥ…観て、真由美ちゃん」
加藤「はぁ…はぁ…わぁ、すごく綺麗…」
二人の眼下には、様々な光にきらめく夜景が広がっていた
伊藤「連れ回してごめんね、真由美ちゃん。でも、この景色を真由美ちゃんにも見せたかったの」
加藤「そ、そんな!謝ること無いよ!?ありがとう、詩織ちゃん!」
伊藤&加藤「………………」
伊藤「…私ね、SSS隊を抜け駆けして、よくここへ来てたの。
   佐藤君と二人で、こうやってこの景色を眺めてる妄想してね…」
加藤「そ、そうだったんだ…良いね、それ…(詩織ちゃん、そんなロマンチックな面もあったんだ…)」
伊藤「真由美ちゃんは考えたこと無い?そういうの…」
加藤「えっ?私は…その…佐藤君と二人きりは…あまり無い…かも…。
   確かに、佐藤君のことは好きだけど、おがちんや、詩織ちゃんもいてのSSS隊だし…」

88 :
伊藤「クス…真由美ちゃんらしいね。
   でもね、私、真由美ちゃんのそういう優しいところ好きよ」
加藤「えっ(///)…あ…うん…ありがとう…。
   (うぅ…今の、すごく嬉しいな…こっちも何か言い返さなきゃ…)
   わ、私も…詩織ちゃんのこと…す、好きだよ…?(…あ、変な言い方になっちゃった)」
伊藤「…私が好き?ウフフ…どの辺が?」
加藤「ど、どの辺って…その…詩織ちゃん、び…美人だし、上品だし…。
   わ、私なんて、あまり目立たないし…地味だし…。
   (あぁもう!なんで外見しか言えないの?私ったら馬鹿…)」
伊藤「真由美ちゃん、そんなに卑下することないんじゃないかな(汗)…。
   …でも確かに、あまり女の子って感じしないね。背も高いし、その反目、大人しいし」
加藤「(うっ…気にしてることを…)う、うん…」
伊藤「…でもね」
スッ
加藤「!?(詩織ちゃん、なんで私の頬に手を…!?)」
伊藤「真由美ちゃんのそういうところ、私、可愛いと思うな…」
加藤「えっ!?(ドキッ)」

89 :
伊藤「クスクス…驚いちゃった?そういういじらしいところも素敵…」
加藤「(何か企んでいる…?)し、詩織ちゃん…からかっているんだよね…?」
伊藤「(ムスッ)…からかってなんか、いないわよ」
ススッ…
加藤「うっ!?(今度は両手を頬に…!!)」
伊藤「…ねぇ。真由美ちゃんは、キッスってしたこと、ある…?」
加藤「…な、無い…よ…(何?何これ…?)」
伊藤「(ニコ…)私もね、無いの…。試してみたいと思わない…?」
加藤「試すって…お、女同士だよ…ね…?(何これ何これ…?詩織ちゃんおかしいよ…)」
伊藤「クス…いいじゃない…佐藤君との練習だと思って、ね…?」
加藤「…れ、れんしゅ…なら…(顔が…近いよ…詩織ちゃん…)」
ぴちゅっ…
加藤「(!?)…………ぷはっ」
伊藤「ふぅ…どうだった…?真由美ちゃん。キッスの練習…」
加藤「うぅ〜…(ゴシゴシ)…は、恥ずかしい…よ…」

90 :
伊藤「だから、練習よ。れ・ん・しゅ・う♪」
加藤「練習って言っても…詩織ちゃん…女同士だし…」
伊藤「…じゃあさ、目をつむって、私を佐藤君だと思えばいいのよ」
加藤「目をつむ…って…(えっ?えぇ〜!?また…?)」
スッ…
伊藤「ほら…私が塞いでてあげるから…」
加藤「あ…!」
くちゅり…くちゃぁ…
加藤「(はっ…はっ…はぁっ…あっ…!舌までそんな…!
   あぁ…唇や…歯の裏…そんなに舐められちゃ…頭まで…おかしく…
   ああぁ…もう………〜〜っ!)ダ、ダメ〜ッ!!」
バッ!!
伊藤「プハッ…はぁ…はぁ…はぁ…なんで止めちゃったの?真由美ちゃん…」
加藤「うっうっ…(ゴシゴシゴシ)だ、だって…無理だよ…こんなの!」

91 :
伊藤「…無理?」
加藤「だって…だって…女同士だよっ!?こんなのおかしいよ!」
伊藤「…別におかしくないでしょう?真由美ちゃん。相手は佐藤君だと思えば…」
加藤「思えないよ、無理だよ!詩織ちゃんは私を佐藤君だと思えるの!?
   詩織ちゃん、なんだか変だよっ!?」
伊藤「興奮しないで。…変、ね…。確かに変かもね。
   …認めるけど、私は真由美ちゃんを佐藤君だと思ってないわ」
加藤「……!!??詩織ちゃん…??」
ギュッ…
伊藤「…あのね、真由美ちゃん…」
加藤「し…詩織ちゃん…?(また手を握…)」
伊藤「…いつの頃からか、私が好きなのは…真由美ちゃん、あなたにかわったの」
加藤「!!??」

92 :
伊藤&加藤「…………」
加藤「…じょ、冗談だよね?からかっているんだよね…?詩織ちゃん…?
   だって、詩織ちゃんは佐藤君のこと…」
伊藤「佐藤君への想いは、もう過去のことよ。真由美ちゃん。
   もう一度言うね。私が好きなのは、真由美ちゃん、あ・な・た・だ・け♪」
加藤「…う、うそだよね…?だって、女同士だし…」
伊藤「(イラッ)…うそな訳ないじゃない。あんなキッスまでして…。
   あのまま気持ち良くさせて、真由美ちゃん墜とせたらなぁって、思ってたんだけどね。
   なかなか上手くいかないね。どう思う?真由美ちゃん」
加藤「(うっ、怖い…)ど、どうって…分かんない、分かんないよ…」
伊藤「私が真由美ちゃんを好きな気持ちは、真由美ちゃんが佐藤君を好きな気持ちと同じなんだよ?
   そう言えば分かってくれる?」
加藤「う、うぅんと…クラスに、そういう感じっぽい人はいるけど…やっぱり、女同士だし…」
伊藤「(チッ)…ううん、あの盗撮魔やデカくてウザいのとは違うから。私は真剣よ?真由美ちゃん」
ギュゥッ…
加藤「(う、ちょっと痛っ…)…で、でも!私は…佐藤君が好きだから…」

93 :
伊藤「…だから?」
加藤「あ…あ…えっと…し、詩織ちゃんは、友達だしっ、大事な…SSS隊で…
   その…友達で、おがちんと一緒でっ、大好きだけど…」
伊藤「…だけど?」
加藤「…う…うぅ…詩織ちゃんの、そういう気持ちは…ごめん、応えられないの…。
   …う、うぅぅうっ…ごめんね、詩織ちゃん…ううぅ…。
   ひっく…ひっく…うぅ…ごめん…もう、何がなんだか、分からないよ…」
伊藤「……そう。泣かないで、真由美ちゃん。最初から良い返事は、期待してないから」
加藤「…え?…あ…うん…ごめんね、詩織ちゃん…」
伊藤「私も、こんな重荷背負わせちゃってごめんね、真由美ちゃん。
   最後に、クリスマス一緒にいられて、楽しかったな…。ありがとうね」
加藤「さ、最後…?でも、同じ中学に…」
伊藤「進学のことじゃないの。SSS隊としてよ…。
   佐藤君を好きでなくなった私は、もうSSS隊ではいられない…」
加藤「そ、そんな…」
伊藤「佐藤君を好きなフリをして、SSS隊に、真由美ちゃんのそばに居続けることも出来たわ。
   でも、真由美ちゃんの一途な気持ちを見て、私もこうでありたいと思ったの。
   私に告白する勇気をくれたのは…真由美ちゃん、あなただったのよ…」
加藤「…………!!」

94 :
伊藤「(ぐすっ)…じゃあね、真由美ちゃん…。おがちんには、適当なこと言っておいて。
   真由美ちゃんと一緒にいられた4年間、本当に楽しかった。ありがとう…。
   今までも、これからも、大好きよ…」
スッ…
てくてくてく…
加藤「あ…あ…(佐藤君に告白も出来ていない私に、詩織ちゃんをふる資格なんてあるの…?
   そんなの…間違ってるよ…!!)…ま、待って!!詩織ちゃん!!」
伊藤「!?」
タッタッタッ…
ぎゅぅ…
加藤「詩織ちゃんはSSS隊として…ううん、友達としてだけど、私の…大切な人だから…。
   おがちんには、黙っていれば良いよ。そうすれば私達、ずっと一緒だよ?」
伊藤「真由美ちゃん…」
加藤「詩織ちゃん…。私も詩織ちゃんのこと…大好きだからっ!!」
ガバッ!!
ぎゅうぅっ…!!

95 :
伊藤「真由美ちゃん…嬉しいっ…」
加藤「詩織ちゃん…私もっ…」
加藤「……はくしょん!」
伊藤「真由美ちゃん、寒いんじゃない?
   ごめんね、こんなところ連れて来ちゃって…」
加藤「ううん、良いの。気にしないで」
伊藤「私の責任ね。…ほら、こうしてもっと強く抱き合えば、暖かくなるから…」
ゴソゴソ…
ぎゅうぅ
加藤「あ…ありがと…ちょっと恥ずかしいけど…。
   (でも、すごく暖かいな…詩織ちゃん、優しい…)」
伊藤「ふふ、真由美ちゃん、可愛い。…あら?唇まで乾燥しちゃって…」
加藤「あ…ほんと。これは…」
伊藤「こうして、重ね合わせればね…」
ちゅっ…くちゅぅ…
加藤「んっ…(ま、まぁ…減るもんじゃないし、練習にもなるなら、良いよね…)」

96 :
二人は強く抱き合い、時折唇を重ね合わせながら夜を過ごした
そして仲良く朝日が昇るのを眺めた
翌日
緒方「…あ!真由美!詩織!昨夜はどこ行ってたのよ!?」
加藤「おがちん!あの…えっと…その…」
伊藤「ごめんねおがちん!真由美ちゃんと道に迷っちゃって…ね?」
加藤「う、うん!そうそう!…てかおがちん、なんで体操着…?」
緒方「まあいいわ。今はとにかく佐藤君を見つけて、サンタさんのサインを渡すのよ!
   ああ、なんて可哀想な佐藤君!」
伊藤「…あ、あそこにいるの佐藤君じゃないかな」
緒方「あ!本当だ!佐藤くーん!!…」
ドドドドドッ…
加藤が緒方の後を追おうとした矢先、伊藤は後ろ手に加藤の手を握り、それを引き止めた
指を絡めてそっと隣に寄り添うと、愛おしそうに加藤の肩に頭をもたげる
加藤「!!…詩織ちゃん…恥ずかしいよ…」
伊藤「うふふ、少しの間だけ、ね?」
加藤「う、うん…(佐藤君に会いたかったけど…ま、まあ、良いか…)」
伊藤「…(まんざらでもなさそうね。あとはどうやって佐藤君を諦めさせるか…。
   …それなら、佐藤君が真由美ちゃんを嫌うよう仕向けた方が早いかもね。
   ごめんね、真由美ちゃん。でも、私がいくらでも愛してあげるからね…)」


97 :
ムシャクシャして書いた
詩織と真由美の百合なら何でもよかった
今は反省している

98 :
乙!
レアなカップリングだが、詩織が好きな俺得だったよ
反省なんてしてないで次を書く準備をするんだ!

99 :
吉岡が見ていたらややこしくなりそうな

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