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2013年01月エロパロ421: 男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2 (738) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part2


1 :2011/08/25 〜 最終レス :2013/01/05
現実と妄想を区別できない人・未成年立ち入り禁止。
男性ヤンデレのSSを書いて投稿するスレッドです。
DV、ストーカー、監禁、レイプ、猟奇、異常な執着、その他諸々、男性のヤンデレなら何でもおk。
一次創作と二次創作、どちらも投下可能です。
女性利用者が多くなると思われますが、801厳禁。
荒らし完全スルー、良識ある書き込みお願いします。
sage進行。
過去スレ
男ヤンデレ専用エロ小説スレ Part1
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1268026164/

2 :
男ぬるぽ専用

3 :


4 :
>>1さん超乙です

5 :
>>1
そして即回避

6 :
>>1乙〜

7 :
>>1おつ!
>>2
男ガッ専用

8 :
即回避

9 :
>>1乙!
前スレの各作品の続き見れるといいな
吸血鬼とか幽霊に魅入られて、
夜が来るたびにいつそいつが出てくるかビクビクオドオドする女の子が見たい
人外っていうか妖怪?じみたヤンデレ男との絡みが好きなんだけど、なかなか見られない+自分で書いても萌えなくて本当に辛い
もし気が向いたら誰か書いてくれ

10 :
前スレ埋まったので投下お待ちしておりますー

11 :
埋めついでに投下しようとした小ネタ投下。

「どういう事なんだ、マルセラ」
「もう、私には無理なんです、別れてください、旦那様」
 領地の見回りに行っていた恋人が帰ってきての、久しぶりの逢瀬。
 心浮き立つはずの時間は、もうマルセラには苦行の時間でしかなかった。
 目の前の恋人はアルノルド=バトエルド子爵……マルセラの恋人の前に、メイドとしての雇主だった。
 領地の検分に行く前までは二人は結婚の約束をするほどの仲だった。
 今ではマルセラにはそんな大それた望みはもう持っていない。
 でも、目の前の元恋人はそんなマルセラの心変わりが理解できないので、別れの言葉に納得するわけはない。
 長時間のマルセラの拒否に、子爵はやっと折れた。ように見えたが少し考える時間をくれと、時間を引き延ばされただけだった。
 こうなったらもう、この屋敷を出ていくしかない。
 だとしても紹介状を書いてもらわなければならないが、それはとても難しい事に思えた。
 すると、子爵は譲歩する、一週間後の晩餐を一緒に過ごしてくれれば、紹介状は書くと。
 そして一週間後の晩餐、彼は紹介状はきちんと書いてくれた。が。
 それをもらう前に、マルセラはひどい睡魔に襲われる――食事中なのに。
 次に目覚めたのは、まるでおとぎ話のような天蓋付のベッドの上。
 そこに子爵に抱かれながら、マルセラは寝ていたのだった。
「ど、どういう事ですか、旦那、様……?」
 まだはっきりと頭が回らない
 しかも見たことのない部屋だった。屋敷のほとんどの部屋はメイドとして掃除しているので知っている。
 ここはまさか――。
「君が私から逃げるというからだよ……それに旦那様はやめていつものように名前で呼んでくれ」
 旦那様は、彼女が起きたことを知ると、上に覆いかぶさりキスをする。
「止めてくださいっ! 別れてくださいと……」
「私が約束したのは紹介状を書くことだけだ……それに、君の憂いは無くなったよ」
「!!」
「あの叔母達から、悪意を吹き込まれたんだね、可哀そうにマルセラ」
 彼の言う通りだった。
 初めは彼の"メイドと結婚する"という荒唐無稽な提案に困惑しながらも、マルセラを貴婦人然とするための特訓に手を貸してくれた。
 しかし、彼が居なくなりその指導はマルセラをあざ笑うものとなった。
 夜会にも連れて行かれ、人々の嘲笑の中に置き去りにされた時のみじめさ。
「もう叔母達は黙らせたから……だから安心して私の妻に……」
「無理です!!」
 それはもう、一度希望を持ったマルセラには貴族社会というものにウンザリしてしまったのだ。
 彼の事は愛してる。でも、心が折れたマルセラには夜会に出たり社交をしたりする自信が無くなってしまった。
 親切そうな顔をしてどこかで、あざ笑われているのだ。
 何をしてもそのことが頭から離れない。
「どだい私のような卑しい身分の者が、貴方様の妻になるという事は無理だったのです」
「……私を、捨てると?」
「捨てるのではありません、当たり前の……っ!!」
「ならば、仕方ない」
「旦那……様?」
 マルセラはここがどこか、理解した。
 屋敷の中で唯一、上級使用人の中でも旦那様の側近しか掃除に入れない部屋。
 侵入者を拒絶するための鉄格子が内側についている。
 中の人間を逃がさない為に特化された豪奢な牢獄。
 旦那様のお母上が生前に正気を無くされた時に――奥様の身の安全を守るために作られたという噂が使用人の間では立っていた。
 奥様の為、というのそれは本当だったのだろうか。
 この部屋に入ってこの部屋を見たマルセラは感じる。
 むしろ――――。
「君が私の下から去れないようにするしか、ないな」
 旦那様の恐ろしい声が、まるで永遠の愛を囁くように甘く聞こえるのは。
 そしてそれこそを望んでいたような気がするのは……マルセラは瞳を閉じた。

12 :
あ、スマン。
埋めついでに前のスレに小ネタ投下しようとしたら
雑談で埋まったんでこちらに即回避のために投下するって意味だった。
監禁ヤンデレのつもりです。

13 :
投下おつ!これ日本で言う座敷牢ですよね……
一方的監禁愛ENDと思ったら、ヒロインも心の底では嫌じゃないかも…だと…!

14 :
GJ!
ヒロインも若干病んでるカプ萌えた

15 :
代々ヤンデレという由緒正しい子爵家だったんだなw
おばさん達はさっくりと口封じされてそうだ……

16 :
>>9
そういうの大好き
女の子は強姦されちゃえば良いよハァハァ
>>11-12
そうかずっと嫡男はヤンデレで嫁はヤンデレに見初められた女だったんだな代々w
おばさん達はんだな
GJでした

17 :
自分に文才さえあればヤンデレ文大量生産できるのになーくそっ

18 :
短いですが続き投下しますー

19 :
それから、鴇谷くんは放心した私を黙々と洗って(服の下にタオルを滑りこませて上から下まで隅々と。歯まで磨かれた)
脱がして(シャワーで流した後の、私の制服はひどい状態だった)
乾かした(替えの下着なんてないから、そのまま彼の体操服を着せられた)
途中で完全に裸を見られたりとか、着せられている時に拘束が解かれたとか、色々と大事件があったのだけど、その時の私はほとんど心が折れていたのでされるがままだった。
よく考えてみてほしい。最後までされなかったとはいえ、あんなレイプまがいのことされて心折れない女子がいるだろうか。
元気だけがとりえの私でも、あれはもう絶対二度と思い出したくない怖いやだ。
今少し考える余裕があるのは、ここに時谷くんがいないからだ。彼はまた私を拘束すると、ドアの向こうに行ってしまった。
「ぅー……じんじんする…」
私にできることといえば、ぼんやりと床に転がって痛みに耐えることだけだ。激痛というわけではないが、何もすることがないと、妙に意識に割り込んでくる。
それが妙に悔しくて、ごろごろと無駄に床を転がる。
三往復半くらいしたところで、鴇谷くんが帰ってきた。
「あーおかえり」
「…何をしているんですか……」
どうやら彼はお風呂に入っていたらしい。見慣れた制服から、Tシャツにジャージという思いの外くつろいだ部屋着に変わっていた。
へー鴇谷くんもそういう格好するんだーくそ真面目そうだからパジャマで寝てるかと思ったよ―――ぺらぺらとまるで友達に対するかのような口振りでまくしたてたのは、きっと、この後の展開が怖かったからだ。
私を隅々までピカピカにして、自分もお風呂に入って……いきなり犯さなかったのは潔癖だったからで、つまり、これから。
「森さん」
「ひぃっ」
こちらに近寄ってくる恐怖に目を閉じ、顔を背ける。
すると何やらチャックを開ける音がし、首根っこをつかまれる。暴れようにも疲れ果てていて、ろくな抵抗にならなかった。
「もう寝ますよ」
ぼすん、とベッドに転がされた時―――私は何故か寝袋のようなものに包まれていて。
頭の中は疑問符で埋め尽くされ、言葉がなかなか出てこない。
なんでこう、こうも唐突に何かをし出すのだろうか。意味がわかんない。
電気を消され、鴇谷くんもベッドに潜り込んでくる。
何をされるかと身構えれば、私は、後ろからぎゅっと抱きすくめられていた。
「おやすみなさい」
何なんだろう、これ。
こんなの、まるで、抱き枕だ。
首筋に呼吸の音を感じる。本当に寝ようとしてるのがわかる、規則正しい穏やかな音だ。
胸の下に回された腕からはどうしても逃げれそうにないから、ぴったりくっつけられた下肢からだけどうにか離れた。
それでもすぐに足を絡められる。
あんなにも直接触れることをためらっていたくせに、境さえあればどんなに大胆に触れても大丈夫らしい。
なんなの、それ。
ちらりと鴇谷くんの顔を見やると、お気に入りのぬいぐるみを抱いて寝る子供のような、ひどく安らいだ顔をしていた。
誘拐犯らしからぬ幼い表情に、完全に毒気を抜かれてしまう。
なんだか色々と馬鹿らしくなって、私は目をつむった。
あれこれ悩んで、怖がって、馬鹿みたい。どうせ彼のやることに予想なんてつかないんだから、考えるだけ無駄だ。
思考も行動もを明日の自分に放り投げる。今日はもう疲れた。
……他人の呼吸音は、いい睡眠導入剤になるらしい。
そのまま私は、とろとろと眠りの底に沈んでいった。

20 :
続く(入れ忘れた)
予断ですが鴇谷くんはお風呂でアレしてきました

21 :
続きキター!GJ!
エロまでが楽しみな展開だ

22 :
>>20
乙!待ってた 余談ワロタw

23 :
>>19-20
GJでした
鴇谷くんワロタw
しかし鴇谷くん深く静かに相当歪んでるだろこれw
抱き枕状態にして安心して快眠とか
エロが気になる、セクロスは普通な感じ派なんだろうか?
そして俺も好きなキャラの生抱き枕欲しいです

24 :
ここからヤンパワーがあらわになってくるのか…
オラワクワクしてきたぞ

25 :
確かに今までにない感じのヤンデレそうでwktk

26 :
>>19
GJ!いい感じに病んでて続き気になる!

27 :
GJ!!
鴇谷くんの変化球ヤンデレっぷりがいいよ!いいよ!!
続き楽しみにしてるw
そういえば今日(昨日)の二時間ドラマのDV夫
只のDVかと思ったらすごいヤンデレ行動拘束夫だった

28 :
投下ないねー

29 :
>>28
この萌えを吐き出してすっきりしたい気持ちと
こんな萌えを晒す気恥ずかしさが拮抗しているよorz

30 :
>>29
吐けよ、さぁその萌えを吐いちまいなよ
一度吐いちまえば楽になるぜ
田舎のおふくろも泣いてるだろうな…ほら俺のカツ丼やるから…投下して下さいぃお願いしますぅう

31 :
>>29
妄想はブチ撒けるに限るよ

32 :
>>29
自分もものすごく拙い文章しか書けないけど投下してるよ
やらないで後悔するよりやった方がいいぞ!

33 :
>>29
wktk
一緒にブチ撒けようぜ
では久しぶりの続き投下いきます!

34 :
あれからたぶん、数日が過ぎた。
そしてなぜか、初日の衝撃が嘘のように、私の生活は向上している。
まず、拘束が梱包紐から手錠(どこで買ったんだろう)になった。紐よりは痛くないし、鎖の長さだけ自由が利く。
トイレが猫砂なのは鴇谷くんが居ないときで、居るときはトイレに連れて行ってくれるようになった。
お風呂はちゃんと服を脱いでから入れるようになったし、服や下着類(どんな顔して買ったんだろう)も何着かある。
……食事がパンばっかりということを除けば、あまり反抗するような不自由がない。
「森さん、口を開けてください」
ちぎって差し出されたメロンパンをもそもそと食べる。次はコップを押しつけられ、流れ込んできた牛乳で張り付くそれを飲み込んだ。
「…ねえ、飽きたんだけど、パン」
「犬食いは嫌だって言ったのは森さんですよ」
…そうだった。一度、弁当を買ってきてもらった時、食べさせてくれるかと思ったら蓋を開けただけで放置されたんだった。
「サンドイッチの野菜だけじゃ偏るんだけど。口内炎できちゃったし」
それでもなんとかこのもそもそした食生活を改善しようと言い募る。
口内炎は結構痛いし、やることがないので余計に気になるのだ。どうにかしたい。
「見せてください」
そう言って、鴇谷くんは無遠慮に指を突っ込んだ。口の中をぐるっと一周し、舌の先から奥をなぞる。私が、うぇ、とえづいても構わない。そのまま丁寧に細部まで撫でられて、気持ち悪いようなくすぐったいような感覚が背筋を駆け抜けた。
やがて見つけたのか「ああ」と声を漏らすと、指を引き抜く。
「今日の帰りにサプリを買ってきてあげます」
口の端に漏れた唾液をティッシュで拭いながら、涼しい顔でそんなことを言った。
汚いのに、なんでわざわざそんなことするんだろ。
頭いいのに、鴇谷くんは馬鹿だなあ。
そんなことを考えながら、少しだけおかしいな、と思う。
鴇谷くんに触れられることに疑問を覚えなくなった。
たぶん、だいたい理由があるからだ。理由がないと、触れないからだ。
体を洗うため。トイレに連れて行くため。口内炎を見つけるため。
お風呂に入りたいって言ったから。トイレに行きたいって言ったから。口内炎ができたって言ったから。
理由があるから、反論できない。だって、「それを望んだのは私なんだから」
でもやっぱり、なんかおかしいな、と思う。
「いってきます」
「…うん」
それでも、おかしいな、と思っても。
私は彼を見送ることしかできないのだった。

35 :
鴇谷くんはだいたい勉強をしている。
学校でもそうだったけど、まさか、家でもそうだとは思わなかった。
トイレかお風呂、そして私の世話以外はずっと勉強机に向かっている。食事は見た限りじゃあ、カロリ―メイト類を水で流し込んでいるだけだ。
体に悪いというか、それ以前に、そこまでして机に向かう理由が私には理解できない。
「ねえ、鴇谷くん」
寝すぎで重い頭を傾げながら、初めて私は彼自身のことを尋ねてみる。
「鴇谷くんは、なんでそんなに勉強するの?」
沈黙。
…沈黙。
…もちろん、沈黙。
これはダメだな、と諦めてごろりと床に転がる。
ひんやりして気持ちいいな―、と関係ないことを考えだした頃。
「…価値がないから」
小さな小さな声が聞こえた。
「価値がないから、です」
価値がないって、どういうことだろう。
勉強に価値がないなら、それこそそこまでする意味なんてないのに。
重ねて問おうと口を開く。でも、こちらを振り向く鴇谷くんの目があまりにも真っ黒で、言葉は喉に怯えて張り付いた。
「だから、僕は…」
キィ、と鳴るイスの音にびくりと後ずさる。
少し悲しそうな顔をして――いつの間にか、ささいな表情が分かるようになってしまった――彼は立ち上がった。
「もう寝ましょうか」
もう2時です、と嘘か本当かわからない時間を告げ、鴇谷くんはいつものように私を寝袋に詰め、ベッドに転がす。
まだ眠くない、という抵抗は無意味だ。一度そう言ったときは睡眠薬を呑まされた。
無理矢理目を閉じるけど、ひく、ひくと瞼が痙攣して塞ぎ続けることができない。
仕方なしに真っ暗闇をじっと見つめる。抱きすくめる腕さえなければ、どうにでもなるのにと不自由を実感した。
「おやすみなさい」
「…おやすみなさい」
意趣返しに、彼が眠った後にでも、この腕から逃れてみようか。
虚空を見つめながら、決心する。
きっとまた何かされるだろうけど、退屈すぎる夜に私はもう耐えられない。
そうして私は、寝たふりをするために再び目を閉じた。
…待ってる間に、本当に眠れるかもしれないし、ね。

36 :
時計の音さえ聞こえない、夜の静寂の中。
私はただひたすら待っていた。
(もう、いいかな…)
静かに目を開け、全身で背後の様子をうかがう。
呼吸は静かだし、身動き一つしない。
これは、もう眠ったんじゃ…
「森さん」
突然呼ばれ、一瞬呼吸が止まる。
何もしてないのに怪しまれるのは嫌だ。根性で呼吸を自然なものに戻す。
すぅ、はぁ、すぅ、はぁ、すぅ…よし。
強く抱きしめられ、より密着する。首筋にかかる吐息が熱い。ざらりと生ぬるいものが這う。
(…っ!な、に)
布越しに感じた感触に、血の気が引いた。
はあ、とため息のような別の何かのような熱っぽい吐息を漏らし、鴇谷くんは下肢を強く絡めてくる―――わかってしまった。
「…森、さん」
腕の力が弛んだかと思うと、より強く抱きしめ直される。胸が潰れて息が苦しい。
「ああ、」
すり、と頭に頬を寄せられる。
「やわらかいあったかい」
このままだ抱きつぶされそうで、ぅぐ、と不自然にならない範囲で呻いておく。苦しくはなくなったが、抱きしめることを止めた手は首筋を、胸を、お腹の臍の辺りを、確かめるようになぞり始めた。
「森さん」
左手が太ももに向かうと、右手は私の上から離れる。その行き先は、なんとなくわかっていた。
「森さん、…ごめんなさい」
しばらくして、水音がかすかに漏れていく。ちゅ、ぬちゅ、とその音が強まるたび、左手の行為はエスカレ―トしていった。
太ももを掴んでいたはずが、また胸に戻り、やわやわと揉みしだく。
布越しとは言っても、寝るときはブラは付けていないから感覚はダイレクトだ。
お願いだから、先を転がすのは止めてほしい。…声が…声が、出ちゃう。
「ん……ふ…っ」
すぅ、はぁ、と規則正しい呼吸の間に、少しだけ声が交じる。気づかれませんように。
「は、ぁ…森、さ…ぁ、あ」
初めて聞くような熱っぽい吐息が、布越しに伝わってくる。
私のことばかり呼んでるくせに、こちらのことなどお構いなしだ。
「森さん…」
お尻の辺りに固いモノが押しつけられる。抜き身のそれは、はちきれそうにビクビクと脈打っていた。何故かじわりと奥がうずく。
触れられるプレッシャ―に耐えきれず、びく、と震えると、それは欲望を吐き出した。
(…あっ)
生あたたかいものが背にまとわりつく嫌悪と羞恥に、危うく声を上げそうになる。
自分の体が自慰に使われたんだという実感が、怒りを通り越して虚しい気持ちになった。何が何だか意味もわからず、久しぶりに涙がこぼれる。
「…森さん…」
汚い手で触るな、気持ち悪い。
何も考えず、そう叫んでしまいたかった。突き放してやりたかった。
でも、
「ごめんなさい…森さん…」
この暖かい滴は何だろう。
嫌悪感は確かにこの胸にあるのに、私は、子供のように顔を私の背中に押しつけて声をす鴇谷くんを抱きしめてあげたくなった。
(わからない)
(鴇谷くんも、)
(私も)
鴇谷くんのこと以上に、自分のことが理解できない。
怖くて、気持ち悪くて、理解できない化け物みたいで―――なんだか、あわれだ。
そんなふうに、思うなんて。理解できない。意味がわからない。
こんなぐちゃぐちゃの気持ちなんて、早くなくなってしまえ。
苦しくなって、私は未だ雫の止まない瞳を静かに閉じた。

37 :
投下ktkr!GJ!!
ついに鴇谷くんが動きを…ゴクリ
>>29も書いてしまえ

38 :
GJ!!
ヒロインが段々ほだされるというか
ストックホルムシンドローム的になってるな!
鴇谷くんがここまでしといて紳士的なのが…
この生活の終わりがどうなるのかすごく気になってる
>>29待ってるよ!
書かなきゃ何も始まらないぜ?w

39 :
>>33-36
GJ
しかしここまでしてといてオナホ扱いではなく
触るだけでオナニーのおかずとか鴇谷くんパネェw
普通に強姦されるより怖いだろw
ヒロインは確かにストックホルム症候群っぽい感じに
続きに期待

40 :
29です。皆さんありがとう(TwT)
折角なので勇気を持って投下するよ(`・ω・´)
とは言っても、その為にはデスクトップ上に書き散らしたメモ清書しないとだけど…orz
ちなみにネタは、
1:トルコ風世界 無意識の男女差別主義者なヤンデレと彼に買われたヒロイン 目の前で乱交強要
2:現実世界  絵が好きなヒロインと写真好き(CG加工含む)のヤンデレ 監禁プレイ
3:東欧風世界 足の悪いお姫様と三枚目役(でも中身は…)道化師 拉致 ゆるい魔法とかそういうのが出てくるので苦手な人注意
こんな感じなんだけど需要あるのか…

41 :
>>29先生……3が3が読みたいです!!
しかし1の男女差別主義的なのに恋する彼のヤンデレっプリも気になりますぞ!

42 :
>>29
個人的には2がきになりますっ・・・!

43 :
>>40
全部・・・全部書けばいいんだ・・・

44 :
>>40
全部気になるwなんかどれもいいシチュだな

45 :
>>40
全部気になるお
強いて言えば3
つか身体に障碍がある女の子って萌えるんだよ
足が不自由なお姫様なんて最高じゃん
後、三枚目を装ってるが中身はそれとは程遠いヤンデレ男とかも好きなんだ
三枚目だと思ってた男に犯されちゃう身体が不自由なお姫様とか
考えただけでその勃起してしまいましてね……

46 :
>>33-36
グッジョブ!
本当に彼は上級者過ぎる
次も全力で期待w
>>40
さぁ1から順番に投下していくんだ!

47 :
ところで普段は完全に普通人どころ気弱そうなのに
中身は完全に逝かれてるヤンデレ男ってなんか良いなと思ったこの頃
何が言いたいかと言うとヤンデレ男に犯される女がみたいって話ですけどね

48 :
鴇谷くん良い。早くエロが見たい。
40先生!自分は2が気になります!
あと、伊集院くんと沙夜ちゃんのエロも
見てみたい。天然な沙夜ちゃんがどうなるか…!

49 :
9先生のヤンデレも気になるよ!

50 :
今日読んだヤンデレは
2話目
司法試験に落ち続けて次は受からないといけない(親からも彼女からも)
というプレッシャーからストレスフルな青年が
家庭教師の女の子が優しくしてくれたから
少女を恐怖で縛り付けて行為に及ぶ

1話目
その関係は終わってて
数年後その少女から自宅に呼び出されて
寄りを戻そうといわれると思って幸せ気分で浮かれていたら
愛し合っていたと思っていた過去の関係は青年の独りよがりで
本当は無理矢理で痛くて怖くて嫌だったと言われて
少女は青年に無理矢理(痛い)エロい事をして
「痛い」といっても「もっとやって」に聞こえるとか
「喘ぎ声と悲鳴は似てる」から青年は勘違いしただけなのに
とかいうヤンデレ男に犯されたせいで病んでしまい
復讐した女の子の話を見た…
しかも1話目と二話目が時系列が逆転してるせいで
少女は○学生だったとか、で女の子の病みっぷりとかが怖い作品だった

51 :
今 監禁もの書いてる
文才が欲しい

52 :
>>50
何それ怖いkwsk
>>51
応援してるっ!!

53 :
>50
「セックスなんか興味ない」2巻の雪乃ちゃん?(違ったらスマン)
男の行為も女の復讐も痛怖かった…

54 :
>>53
それであってるよということです>>52
50で「家庭教師の女の子」と書いてしまったが
正しくは「青年が家庭教師をしてる女の子」だったorz
本当に痛怖いヤンデレ……に人生を狂わされた女の子の悲劇

55 :
>>50をどっかで読んだことあるなと思って引っかかってたんだけど毎月買ってるIKKIだったw
>>53のおかげで思い出せた
ありがとう

56 :
>>53-54
ありがとう
結構良さそうだな

57 :
続き投下いきます!
今回あんまりエロくなくてすみません…

58 :
ひどいことをされて、それにひどいことで返しちゃったら、いつまでたってもくるしいまんまなんだよ。
ひどいことをされて、あなたが悲しいんなら、あなたは―――
久しぶりに、夢を見た。
お父さんの妹さん―――美智子叔母さんの夢だ。
あの言葉の通りにしたら、私は救われた。
だから、私は今までそうしてきたじゃないか。すっかり忘れてしまっていた。
今からでも遅くはない。
ひどいことには、優しいことを。
そうすれば、きっと何もかもうまくいく。
「ねえ、鴇谷くん」
私は決意し、口を開いた。
「ずっと勉強するのきついんじゃない?私も暇だし、別のことしようよ」
今まで私は彼を恐れて口をつぐみ、そして鴇谷くんも私を置物のように扱ってきた。
このままではきっと何も変わらない。
だから、私は、鴇谷くんとコミュニケ―ションをとってみることにした。
「ねー」
イスに近づき、机に向かう横顔をのぞき込む。
「ねーってば」
無反応にムッとして、肩で小突くとやっと反応が返ってきた。
「…たとえば?」
何も考えていなかった私は、とりあえずどのご家庭にもありそうなものを口に出す。
「え―っと…テレビ見るとか?」
「テレビはありません」
ちょっと心が折れそうになった。
でも諦めずにひきつった笑顔を浮かべる。
「ゲ―ム…もじゃあ無理か。えっと、トランプとか?」
「ありません」
「そうねートランプ2人でやるのもねー…う―ん、オセロとか…」
「ないです」
「腕相撲!」
「腕力差が歴然です」
「え―とえ―とチェス…とか…?」
「ありません」

59 :
結果、惨敗。
何を言っても、返ってくるのは否定だけだった。
ひょっとして、この家にはこの部屋とお風呂とトイレしかないんだろうか?
一人暮らしだとは思ってたけど、これは、あまりに…何もなさすぎる。
「も―…なんなのさ、勉強道具しかないわけここは?」
確かに今までずっと、鴇谷くんは勉強ばかりしていた。
それでも人間なんだから、私の見てないどこかで息抜きぐらいしてると思ったのに、たぶん、鴇谷くんにはそれがない。
まるで機械みたいだ。一つのことを、黙々とこなし続ける。
そんな相手にコミュニケ―ションをとる意味なんてあるのだろうか?馬鹿馬鹿しくなってため息をつくと、整った造形が少し歪んだ。
「僕にはそれしか価値はありませんから」
―――価値。
―――「価値がないから」
いつか言われた言葉を思い出す。
「両親が言っていました」
淡々と、彼は初めて自分のことを語った。
「僕は人間としては欠陥品だそうです。一つのことしかできない、機械に近い」
それは私も思っていたことだった。でも、本気で思っているわけじゃない。
彼の体には熱があって、感情もあって、欲もあるってことを、知っていたから。
「だから、少しでも価値を、近づける必要があるんです」
知っていたからこそ、その言葉は痛々しかった。耳を塞いでしまいたくなる。
「価値のある機械に、ならなければいけない」
「これ以上―――完全に「捨てられる」のは、嫌ですから」
その理由は、どこまでも感情だった。
親に見捨てられたくないという、可哀想な子供の感情。
―――私にも、覚えがあるものだった。
相手の傷口をこじ開けた感触と共に、自分の古傷から流れ出る痛みを感じる。
その痛みはそのまま、言葉になった。
「鴇谷くん」
傷ついた横顔に、顔を寄せる。もう聞き逃すことなどないように。
「ねえ、なんで、私をここに連れてきたの」
もう一度、理由を問いかけた。
あの時は、小さな囁きで聞き逃してしまったけれど、今度は絶対、逃がさない。
「私に、どうしてほしいの」
この時、私は、返ってきた答えがどうであれ、何でもするつもりだった。
それだけのことを言わせてしまったと思ったからだ。
しかし、鴇谷くんは私の瞳をひた、と見つめると、小さく唇を動かした。
「あなたが望んだことです」、と。

60 :
私と鴇谷くんの最初のコミュニケ―ションは、後味の悪いものに終わった。
あれからずっと考えている。
「あなたが望んだことです」
私が?
この監禁生活を?
そんなわけがない、と思いながらも、彼が「私が望んだこと」を歪んだ解釈ではあっても叶えようとするのは本当だ。
私が望めば、トイレだって、お風呂だって行かせてくれるし、服も買ってくれた。
だから、きっと私は何かを言ってしまったのだ。
この生活を引き起こした、不用意な言葉を。
それさえ撤回できれば、この生活は終わるのかもしれない。
だって、彼は「私が望んだこと」だと言ったんだもの。
私が望まなければ、きっと、止めてくれるはず。
だから、だから私は、早く思い出さなければ。
私が彼に、「望んで」しまったことを。
「ねえ、鴇谷くん」
相変わらずの背中に声をかける。
記憶を掘り起こすために、同じことばかりの生活に変化を加えたくなった。
ひどいことには、優しいことを。
あの言葉を、思い出したこともある。
私は口を開いた。
「今日の夕飯、私が作っていいかな」
ぴくりと肩が震える。
珍しくすぐに振り向いて、私の方を見た。その顔には少しだけ困惑が浮かんでいて、何故か私は勝ったような気になった。
「冷蔵庫には何もありませんよ」
「買ってきて」
にべもない台詞にはもう慣れた。強気で言い返す。
「この部屋から出てはいけません」
「そこをなんとか」
「包丁なんて、危なくて使わせられませんし」
「私慣れてるから平気だよ」
彼は、「私が望んだこと」はできるだけ叶えようとしてくれる。
その経験則が私を強気にさせた。
「ね、ね、私も何か、お願い聞いてあげるから」
畳みかけるようにそんな条件を持ち出す。
たぶん、彼は私のことが好きなのだろう。
あまり思い出したくないけど、さすがにあの夜のことでわかる。
好意の表し方がおかしいだけで、言葉の解釈が歪んでいるだけで、彼の行動原理は私への恋心なのだ。
自覚して利用するのはずるいことだとわかっているが、今はそんなことを言っている場合ではない。

61 :
「何してほしい?鴇谷くん」
にこ、とかつて学校で挨拶したときのように微笑む。
あの時とは違って、鴇谷くんはちゃんと返事を返してくれた。
「許可を」
硬質な響きなのに、その言葉にはねっとりとした熱が籠もっていた。
「あなたに触れる許可がほしい」
焦がれるような視線が、私の瞳を射抜く。
「いいよ」
欲望としか言いようのない視線にさらされて、私は反射的にそう言ってしまう。
その言葉の意味に気づいて血の気が引いたのは、言ってしまった後だった。
「…ひ、左手だけ!左手だけなら!」
慌てて条件を付け足す。さすがに、台所へ出るくらいのことで失いたくはなかった。
私の後出しに、鴇谷くんは少し残念そうな顔をすると、私の左手を引き寄せた。
「刃物を使わないことが条件です」
耳元に囁かれた言葉に怖気を感じながらも、私はやった、と思った。
でも、と次の瞬間考える。
この場合、私が勝ったのか、それとも鴇谷くんが得たのか、わからない。
この取引はどちらの代償が大きかったのだろうか。それとも等価だったのだろうか。
…難しいことを考えるのはよそう。
「じゃあキャベツと、ウインナ―と…」
気を取り直して、買ってきてほしいものをいくつか挙げた。
「もやしと、米と、なかったら醤油…ひゃっ」
がちゃり、と手錠の鍵がはずされる。
嬉しいはずのその音に、何故か私は―――嫌な予感を、感じた。
枷のなくなった手首を握り、鴇谷くんは嬉しそうに頬を擦り寄せる。
許可を得た、私の左手に。
純情な少年のように赤らめた頬を、包むように。
―――なぜかその時、あの夜のことを思い出した。
「柔らかい…」
ふふ、と上機嫌な声で彼はつぶやく。鴇谷くんは笑っていた。
昔はその表情を見てみたいと思ったはずなのに、今はただただ、恐怖を感じる。
「白くて…血管が透けてる…」
頬から離し、私の左手をじぃと見つめる。
そんなにいいもんでもないよ、今冷や汗すっごくかいてるし。
軽口を浮かべて、必に心を軽くしようとする。そうじゃないと、保たない気がした。
「きれい…」
「…っ…」
手のひらに透けた血管をなぞるように、舌先がゆっくりと這う。
くすぐったいような、気持ちの悪いような、少しだけ、快いようなよくわからない感覚が頭を支配した。
触れられているのは左手だけなのに、全身を舐め回されているような気持ちになる。
それでも離してとは言えずに、ただただ我慢する。
無邪気な表情で、かぷ、と指や手のひらを甘噛みされても、私には何も言えない。
もう私の左手は、私だけのモノじゃないのだ。
「いっ……っ!?」
血が出るほど強く噛まれて、悲鳴を上げる。ぼぅとしていた思考が、急に現実を取り戻した。
唾液と血にまみれぬらぬらと光るそこを、鴇谷くんは嬉しそうに見つめる。
薬指の付け根だった。

62 :
>>61
GJ!!
朝からご苦労様です

最初はクールなキャラだと思ってたけど、だんだん鴇谷くんの事が可愛く思えてきた
続き期待して待ってます

63 :
>>61
うおおおおおお
GJです!
鴇谷くんも好きだが森ちゃんも好きだ…
続きがとても気になります!

64 :
>>61
GJ&乙
また新たな展開に…続き全裸待機!

65 :
>>61
GJ
エロ無いのにエロい
左手の薬指ってことは・・・つまり・・・

66 :
確かにエロないのにエロい…!
自分も森ちゃん好きだ! ふたりとも裏に何かあるみたいだし、
幸せになって欲しいなあ…!!

67 :
>>57-61
GJです!!
森ちゃん可愛いよ、てかやっぱりストックホルム症候群気味だよねw
ただそこら辺抜きにしても良い女の子だ
こんな娘さんが居たらヤンデレざる得ない
そして鴇谷くんは病み過ぎw
続き待ってます

68 :
普段は気弱に見えるけど中身はぶっ壊れてるヤンデレ男って良いよね

69 :
本命が好きすぎて逆に手を出せず、代わりに他の女に本命と同じ服とか着せてセクロスするヤンデレって需要ある?

70 :
>>69
ある

71 :
>>69
あるあるw
本命と同じ名前とか似た声のこと付き合うとかデフォだよねw
自分もそういう部類の妄想したよ!
母親の再婚で義妹になった少女は体が弱く日々起きると謎の倦怠感に苛まれていた。
義妹は義兄が好きだったが生まれる前からの家同士(向うの方が身分がすごく高い)の許嫁がいて
婚儀の日まであと間がなく、でも気持ちを隠してできるだけ兄と一緒にいたいと思ってたが
兄は仕事で毎晩遅く、そしてなぜか帰ってくるまで義妹は起きていられない。
嫁げば兄に会える時間がほとんどなくなるのに内心は嫁ぎたくない
……というのが義妹視点。
義兄視点では、メイドを買収し夜のホットミルクやら薬に睡眠薬を混ぜて
義妹を起きれないようにし、義妹が寝てる間に体を弄んでいた。
(挿入以外のほとんどすべての事をしてたので、朝起きたとき義妹は倦怠感がある)
処女を喪失させると、相手の婚家から義妹がされて返却されても仕方ないので
処女喪失だけはしないようにと、メイドに挿入。
とかいうヤンデレ。

72 :
>>69
あるよー
大丈夫だ、問題ない

73 :
投下に期待する!!

74 :
ごめん、sage忘れた

75 :
>>71
さあその妄想を形にしてみようか

76 :
>>68
気弱→ヤンデレのギャップいいですよね!
ごめんなさいごめんなさい泣きながらヒロインを犯したり、顔真っ赤にしてモジモジしながらすげえ怖いこと言ったりするヤンデレとか美味しいです
続き投下いきます!今回はちょっと長めです。

77 :
あれから数時間。
鴇谷くんは、不思議そうにテ―ブルを見つめている。
包丁が使えなかったので、野菜をちぎって炒めたり、ウインナ―茹でたりくらいしかできなかったけど、今までの味気ないご飯よりは数倍マシだ。
「ご飯炊けたかな」
食器棚から茶碗を取り出して、炊飯器に向かう。二つも茶碗がなかったので、私は汁物の茶碗を使うことにした。
ご飯をよそって、鴇谷くんがぼんやり座っている席に置く。
今なら逃げきれるような気がしたけれど、足枷の鎖の長さは私が走れるほどにはない。目の前で歩いて逃走するのはさすがに無理だろうと踏みとどまる。踏みとどまりついでに、私も席に着いた。
「いただきます」
切り口が乱雑な、いつもより不格好な料理にあの頃を思い出す。
…私が、初めて料理を作った日のことを。
「食べなよ。毒なんて入ってないって」
「…いただきます」
―――あれは、お母さんがんで一ヶ月が経った時のことだった。

78 :
私のお母さんは、私が小学生の時に交通事故でんだ。
私のピアノ教室のお迎えに行く途中だった。
お父さんは、あまり強い人じゃなくて。
私に向かって「おまえのせいだ」と言っては謝る日々がしばらく続いた。
もう覚えてはいないけど、私はたぶん、疲れていたんだと思う。
叔母さんが遊びに来た時に、泣きついのだ。私もう嫌、おばちゃんちの子供になりたいって。
そしたら、彼女はこう言った。
「お父さんはね、お母さんのことが大好きだったから辛いのよ」
「辛いから、ひどいことばっかりしちゃうの」
「でもそれに、あづさちゃんがひどいことで返したら、お父さんもっと辛くなる」
「だから、優しくしてあげてね」
今思えば、10歳かそこらの子供に無理を言うなと思うけど、私はとにかく必だった。
優しくすること、優しいこと、それはなんだろう。
私の結論は単純だった。
お母さんがいなくなって辛いなら、私がお母さんの代わりになればいい。
そう思って、私は生まれて初めて料理を作ったのだ。
「…ね、それ、おいしい?」
手でちぎって炒めただけ、味付けは目分量の塩胡椒。適当すぎて、おいしい以前の問題のそれを咀嚼する彼に、あえて問いかける。
「おいしいです」
「そう」
間髪入れない返答に、少しだけ微笑む。
「よかった」
お父さんは、不格好な食卓を見て、私のぼろぼろの手を見て、泣いて謝って抱きしめてくれた。
ああ、これでよかったのだと思った。
ひどいことをされたら優しくすればいいんだなあと。
これからは、そうしようと。
だから私には友達がたくさんできたし男の子にも好かれた。付き合わなかったけど。だってお父さんが泣くし。
でもいつの間にか、私にひどいことをする人はいなくなって、私はそうすることを忘れてしまっていた。
だから、だから、こんなことになってしまったのだ。
私が鴇谷くんに優しくすれば、たぶん全部うまくいく。
うまくいった先に何があるのか、私にはわからないけど。
「お父さん、どうしてるかなぁ…」
ため息混じりにつぶやく。
私がいなければ、炊事も、洗濯も、掃除も満足にできないお父さん。
きっと今頃、昔みたいに弁当ばかり買ってるのだろう。
かわいそうだなぁと本気半分、呆れ半分で思う。
「……」
この時、私は知らなかった。
見ればよかった。
鴇谷くんの目に浮かぶものを。
暗く淀んだその熱。その感情。
それは―――嫉妬だった。

79 :
それは、いつも通りのことのはずだった。
いつも通り、鴇谷くんが部屋に帰ってきて、机に向かう。
その光景が繰り返されるはずだった。
なのに、
「森さん」
にこにこと、見たことのないくらい浮かれた顔で鴇谷くんは言う。
「ご家族のこと、もう気にしなくていいですよ」
何を言っているのか。言おうとしているのか、わからない。わかりたくない。怖い。
満点をとった子供のように、褒めて褒めてとその目は言っている。
何を?
何をしたの?
正解はすぐに与えられた。
得意げにつり上げられた唇が、悪魔の言葉を吐き出す。
「あなたの家族は、もういませんから」
「―――ッ!!」
全身の血が、急速に引いていく。
それと同時に、彼に抱き始めていた同情や愛着が、私の中で粉々に砕かれた。
「こ、の―――ッ」
どんな罵倒も足りない。
ならどうすればいい?少しの思考もせずに、私は彼に飛びかかる。
体当たりによろけるも、鴇谷くんはまるで私が喜んで抱きついたのと勘違いしてるのか、嬉しそうに抱きしめてきた。大丈夫ですよ、という優しげな言葉に皮膚が粟立ち、拘束された両足で思い切り蹴りつける。
「森さ―――」
「来るな!!!!」
反動で床に転がった私に手を伸ばす彼を睨みつける。
私が馬鹿だった。
こいつは敵だ。
優しくするべき他者じゃなくて、ただの怪物で、敵なんだ。
「よくも…っ!私のお父さんを!!」
全身の血が沸騰する。
私の唯一残った家族。
今までずっと、辛いことにも耐えて、守ってきたもの。
「お父さんだけだったのに!もう、お父さんだけだったのに!!」
それが奪われた。
私は、どうすればいい。
「してやる!!して―――」
もう一度、今度は噛みついてやろうと身を起こすと、あることに気づいた。

80 :
鴇谷くんは私のことが好きなのだ。
なら―――
進路を変えて、ベッドに向かう。
その角に、私は思い切り頭を打ちつけた。
「森さんっっ!?」
もう一度。
「やめ、森さ―――」
もう一度。
「やめて!!」
ぬるりとした液体が伝う。もう一度。
「森さん!!」
「んでやる!!あんたの目の前で!んでやる!!」
腕から逃れようと、全身全霊の力で暴れる。
ずきずきずきずき頭が痛い。でもそれ以上に、許せない。憎い。
「許さない!!嫌い!」
だから、鴇谷くんをどうしても傷つけたかった。
そのためには自分なんてどうなってもいいくらい、私は彼が許せなかった。
「だいっきらい!!」
もがく力もなくなって、情けなくて、涙がでてくる。
絶対にこぼすまいと堪えると、私を抱きしめる手が震えた。
「ご…め…っ、うっ…ごめ…なさ…」
それは泣き声だった。
親にすら、機械のようと言われる鴇谷くんが、子供のようにしゃくりあげている。
「うそ…うそなんです…」
「…どういうこと」
涙混じりの声は聞き取りづらかったけど、その言葉は無視できないものだった。
冷ややかな声で、続きをうながす。
「ごめんなさ…う、ぅ…っ」
謝る声に、こちらが虐めているような気になる。
謝るばかりで埒があかないので、低く「言わないと舌噛んでぬ」とつぶやいた。
効果はてきめん、ひ、と息を呑むと、彼は必にしゃべり出す。
「だって…もういないって言えば…っ…帰りたいとか、しんぱいとか、いわなくなるかなって…」
自分勝手。
自分のことしか考えてない。最低。
嫌い。
「っ…喜んで、くれるかなって……」
喜ぶわけないじゃない。馬鹿なの?
大嫌い。
私の罵倒に息を止めながらも、鴇谷くんは必に言葉を並べる。
「すてないで…っ」
「きらわないで…っ」
「しなないで…っ」
言葉で私を繋げると思っているのだろうか。
馬鹿だ。
本当に、馬鹿だ。
「信じられない」
絶対零度の声で、彼を拒否する。
一度可能性を知ってしまえば、もう元には戻れなかった。
彼がお父さんをすかもしれない。
それだけは、絶対に、許せない。
「だって、僕は…お父さんだけなんて知らなかった…」
「そんなの後でごまかせるじゃない。信じられない」
言葉なんて後でどうにでも偽れる。
私は細かい言い回しなんて覚えてない。それどころじゃなかったから。

81 :
「手、出して」
「でも…」
「なないから」
私の言葉に、恐る恐る腕がはずされる。
振り向いた私に手を差し出す彼は、罰を受ける子供のようだった。
大きな手に顔を近づける。
「血の臭いがする…」
すん、と鼻を鳴らすと、鉄錆の臭いが生々しく香った。
ほら、やっぱり―――!!
「それは…」
睨みつけると、気まずそうに目をそらして鴇谷くんはつぶやく。
「怪我…」
その言葉に、頭の惨状を思い出してくらりとした。
後ろによろけた私を鴇谷くんが慌てて支える。それが苛立たしくて、わざと命令するような口調で言った。
「早く、手当てしなさいよ」
何を勘違いしたのか、彼は伏せていた目を輝かせる。
そして従順に頷き、何故か―――顔を寄せた。
「――っい、」
痛みに痺れたそこに、ぬる、と舌が這い回る。
「ああ、腫れてる…」
打ちつけたところは、労るように舌で優しく撫でられた。
そのままつうと滑り、生々しく濡れたところをじゅる、と舐めとる。目の前でコクリと鳴る喉に、背筋が寒くなった。
「やめて!」
このまま大きな口を開けて、ぱくりと食べられちゃうんじゃないだろうか。
急に怖くなって、大声を出す。
「きもちわるい…っ」
鉄錆の臭いが鼻について、吐き気がこみ上げた。
手錠で繋がれた手で、それでも必に胸を叩く。
「森さん」
押しのけようとする手を捕まれた。
「僕のこと、嫌いですか?」
見上げた顔には、傷ついた子供のような表情が浮かんでいて。
私は何も応えることができず、ただ黙って目をそらした。
それが彼をさらに傷つけることになると知っていても、私は彼に優しくなんてしてやりたくなかったから。
「嫌いなら―――」
とん、と。
驚くほど簡単に、私は床に転がされた。
鴇谷くんが私に覆い被さっている。
それはいつかの再現のようで、全く違う。
彼は私に触れることを恐れていなかった。
私が動けないようにのしかかる下肢は、ぴったりと私の体と寄り添っている。
「もう、嫌われてるなら―――」
自棄にとりつかれた瞳は、欲情の色に濡れていた。
その目に魅入られて、悲鳴も上げられずに小さく息を呑む。

82 :
私の怯えに気づいたのか、鴇谷くんは泣き出しそうに顔を歪め、私の首筋に頭を埋めた。
「―――っ!」
強く噛まれ、痛みに肩が震える。跡をぬるぬると舌が癒すように這い、ちゅう、と吸いついた。それを何度も繰り返される。首、鎖骨、肩―――Tシャツの胸ぐりをひかれ、露出した柔らかいところにも同じことをされる。
噛まれるのは痛くて、それでも舌の動きは優しくて。濡らしたところを吸われると、痛いのかそうじゃないのかよくわからない。じりじりとよくわからない感覚が、私の頭を支配していく。
「―――ふぁ…っ…あ」
裾から侵入した右手が、ブラジャ―の下に潜り込んでくる。手の形につぶされた胸は、それでも先端を撫でられると期待するように張りつめた。
「ゃ、ぁ…あっ」
もう一方の手で金具を外され、シャツの裾ごとたくしあげられる。
目を閉じるのが間に合わず、露わになった胸を目の前でやわやわと揉みしだかれた。
自分の体を這う手を目の当たりにし、その性的な動きに耐えられず目をそらす。
目の端で捉えた鴇谷くんからは、追いつめられたような、手負いの獣の気配がした。
「…っ!やめっ」
胸を弄る手は止めず、右手だけが下肢に伸びる。
「…っ、やぁ…それ…やだ…っ」
長い指は奥には触れず、感じやすい陰核を摘んだ。
「あぅ…ふ、んんっ」
噛まれた赤い跡をつう、と指が撫でる。それと同時にきゅう、と摘まれて、どうしようもなくなった。
気持ちいい。
怖い。
気持ちいいのが、怖い。
怖いのに、勝手に気持ち良くなってしまうこの体が、なにより怖い。
「ぁ、あっ」
下腹部に変な力が入る。空っぽの奥が、ぎゅ、と締まる。
「だめ、や、やだっ……あっ、ぁっ」
我慢しようとしてもできなくて、太ももが少し跳ねる。
「っ、ぁ、あ、あ、あぁあぁぁ…っ」
逃げても逃げても快感は追いすがってきて、私の頭は真っ白になった。
それが怖くて、もう何もかも怖くて。
意地も自尊心も壊されて、涙が溢れる。
「…ふ、ぅう、うあ、…っく…」
この先に待っている行為が怖い。
引き裂かれて、まるごと食べられてしまうのだろう。
おとぎ話の狼みたいに、容赦なんてないのだ。
「森さん」
熱に浮かされた声が囁く。欲望の存在を近くに感じる。
「…ぅ、う、やだ…やだよぉ…」
ぼろぼろと涙をこぼしながら、私は鴇谷くんを見上げた。
雫を拭おうとする指を避けて、いやいやと首を振る。
「鴇谷くん…ぅ、っ、なんで…ひどいことばっかするの…」
さっきの鴇谷くんを笑えないくらい、私は子供みたいにしゃくりあげた。
今日は裏切られてばかりだ。
嘘だとしても、お父さんを奪ったなんて言うし。
私に変なことするし。
最悪だ。最低だ。―――ひどいよ、ばか、ばか、ばか。
「あ…」
熱に浮かされていた声が、急に硬化する。
見上げれば、泣きそうな顔があった。
「ごめ…ごめんなさい…」
ふら、と割ってしまった花瓶から逃げるような動作で、鴇谷くんは私から離れていく。
「嫌いにならないで…っ」
それだけ言い残すと、彼はドアに向かって走った。
乱暴な動作で開けると、逃げるように外へ出る。
バタン、という音の後には、沈黙と泣き続ける私だけが残された。

83 :
うおおおおお!
森ちゃんいい子すぎるよ

84 :
うあああああ頭が爆発しそう!
鴇谷くんを抱きしめてぇえ
催促して悪いけど続き待ってるよ!

85 :
GJGJ
森ちゃんが可愛くていい子すぎて
こんな子に嫌われたらショックすぎる鴇谷くんの気持ちが痛いほど分る
それにしても投下終わったら続くとかそこで投下終わりとか書いて欲しい
・・・続きがあるのかとGJするの待ってたんでw

86 :
うわあああああああああ!!!
ぐっじょおおおおおおおおぶ!!!!!
なんかもう切ないよおおおおおおおお!!!
ふたり絶対幸せになってほしいよおおおおおおおお!!!
続き気になるよおおおおおおおお!!!

87 :
>>76-82
あずさちゃん可愛ぇぇぇぇぇ
こんな女の子にヤンデレたい、俺のとこにもこんな嫁が来たら良いのに(´・ω・`)
あれ、でもひょっとしてあずさちゃんの両親も…?
もしかしてあずさちゃんとご母堂の血統って色んな意味で駄目な男に挽かれたり
この人は私が居ないと駄目なんだとか言うタイプなのか?w
気弱そうに見えてヤバい事口走るヤンデレ男は良いですねw
続き待ってます

88 :
>>76
GJ
>>87
俺も父ちゃんもヤンデレだろと思ったw
だからそんな父ちゃんがあっさりされた?!とか思ってびびった

89 :
父ちゃんがヤンデレだとは思っても見なかった自分には
父ちゃんヤンデレだったら鴇谷くんは更に大変な事に
父ちゃんが本当にヤンデレだったら娘いなくなってなにしとるのか気になるw

90 :
どこまで連続書き込みできるか謎ですが
流れを読まず投下します
Y 穏やかな性格 イケメン 麻酔医
藻子 総合病院の受付 派遣で臨時に入ってきた  

Y「お疲れ 藻子さん」
  帰宅するため駅まで歩いているとすぐ側に車が停まった
  窓から顔を出したのは、藻子が密かに憧れていた麻酔医のYだ
  (普段なら先生はもっと遅くまで仕事しているはずなのに珍しいな)
喪「お疲れ様です。今日は早いですね。もうお帰りですか?」
 (あれ?今の名前呼びだったけど なんで先生が名前しってるんだろう?
  名札かなっ)
  バッグの名札を確認するが、名前は記載されていない
Y「今日で一旦契約期間終了なんだって よかったら駅まで送るよ」
  Yの顔は曇っていた。
(このご時世だけに心配してくれているのかな)
  近いからと断ったがどうしてもと言い張る先生のご好意に甘える事にした。
  
 「どうぞ」
 助手席を勧められたが、彼女でもないのにという気持ちもあって、
 後ろの席に座る。
Y先生のお家は大変な旧家だと聞いた。
 乗っている車は派手さはないがクラスが高いもののようだ。
 清潔そうな香水の香りがする。
  
 朝、受付を通る時に挨拶するくらいで、事務的な話以外をした記憶もない。
 ナースたちの攻勢が激しいのだ。 
 先生が笑顔で挨拶を返してくれたのをたまたま見られた時は、
 故意に書類をぶちまけられたりの嫌がらせで散々だった。
 
 (誰にも乗るところを見られなかったかしら。)
 周りを見渡したが、珍しく人通りはない。
 無用なトラブルに巻き込まれないよう病院では極力距離をとっていた。 
 気さくで親切なところが誤解される原因ではないだろうか。
 今日からナースたちに嫉妬されて困ることもないのだと気付いて苦笑いした。
Y「今後の予定はもう決まっているの?」
  (やっぱり優しいな。先生は、私の事、気遣ってくれてるんだ)
藻「まだ次ぎの仕事決まってなくて」
Y「そうなんだ 別の病院へ行ってしまうのかと思ってたよ」
  先生は思案気に眼を伏せた。
 (一瞬嬉しそうに見えたけど気のせいだよね。)
藻「実は一人旅をしようと思ってるんです」
Y「旅を?」
  先生が声を強めた。
 「藻子さんだけ・・・藻子さん一人で?本当に一人っきりで?」
  さっきから胸が苦しすぎる。
  踏み切りはなかなか上がらない。
  運転席から振り返った先生の切れ長の眼が、まっすぐ私を捉えている。
 

 


91 :
藻「さすがに今の時期じゃ中途半端で、一緒に行ってくれる友人もいないし。
  でも 大丈夫ですよ。こうみえてサバイバル慣れてるんです。」
Y「藻子さん、その旅、行き先や日程は決まっているの?」
藻「いえ。アジア方面の安いチケットが、手に入ったら行こうと思ってるんです。
  行き当たりばったりっていうか」
  先生は不思議な微笑みを浮かべた。
Y「ふふ。行き先も期間も決めてないんだなんて。
  ダメだな藻子さんは、僕を試しているのかい?」
藻「え、試すって何の話ですか?」
  先生は綺麗なレースのハンカチを取り出し 顔の前にかざした。
Y「これ、藻子さんへの贈り物にしようって、ずっと前から用意していたんだ」
  アロマオイルの香りに混じったかすかな異臭に気付いた時には、
  身体が横に倒れていた
Y「ふふ。どうしたの藻子さん 具合が悪そうだよ。」
  先生は言葉とは裏腹に素早く鼻先にハンカチを押し当てた。
 (身体がぐにゃぐにゃになったみたい。頭がふわふわする)
  踏み切りがあがったらしく、音が止んだ。
  先生の車が向きを変えたのが分かった。
 (駅からどんどん遠ざかっていく 先生どうして?)
Y「いい香りがするだろう。気に入ってもらえるかな
  運動系の脳神経に効いてくるんだ。心配しないで藻子さん。
  全然害はないものだから。意識はしっかりしてるはずだよ。
  
  聞こえる?
  今、向かってるのは藻子さんのために用意した別荘だよ。
  そこなら 二人きりでずっと居られる。
  全館防音を施してあるんだ。
  大好きな藻子さんの声を他の人に聞かせるなんて勿体無いからね。  
  髪の毛一本だって他の人には触らせたりしたくないよ。
  ふふふ 大事するよ。
  もし・・・拒絶されたら 君を壊してしまうところだった。」
  先生の声は小刻みに震えている。
Y「どうしても手に入らないのなら他の人間に盗られるくらいなら・・・
  藻子さんが僕を受け入れない時は
  両手足の腱を切って、僕だけのものにしてしまおうって決めていたんだ。
  ふふ、こんなに素直に僕の申し出を受け入れてくれるなんて。」
  先生の声が涙混じりになった。
Y「よかった。傷つけたりしたくなかったから本当に嬉しいよ。
  愛してるよ。藻子さん 心から。」
  車が停まった。
  別荘についたのだろうか。
  細身の先生のどこにそんな力がと思うほど、たやすく自分の身体が
  持ち上げられているのが藻子には不思議だった。
 (これってお姫さま抱っこ。夢なんじゃないのかな。
  先生がこんな事するなんてありえないよ。)
Y「病院は2週間休みをとっているんだ。
  藻子さんが僕の全部を早く受け入れてくれるようにね。
  早く君の声が聞きたいよ。
  そろそろ麻酔が解けると思うんだけど。
  その時は 僕を愛していると聞かせて欲しいな。」

92 :
帰宅途中に麻酔医のYに薬を嗅がされて車で連れ去られた藻子。
藻子のために改築したという完全防音の別荘についた頃、薬の効き目はほぼ消えていた。
悪夢のような現実。
いいようもない恐怖で、怖くて目が開けられない。
ベッドに横たえられた藻子のそばに先生が屈んで見つめている気配。
起きたら何をされるかと狸寝入りをしているうちに、遂に眠ってしまったらしい。
目を開けたら見たことの無い調度品が眼に入った。
(中世のお城みたいな部屋。起きたら夢は醒めるはずなのに。
夢が続いてるみたい)
Y「おはよう 藻子さん」
背後から穏やかな先生の声が。
藻「おはようございます 先生」
ぼんやりとした頭で反射的に振り返って返事をしたところで
異様な光景に気付く。
(なんか窓ガラスが厚いし、お洒落にカムフラージュされてるけど鉄格子が。
扉もやたら重厚。こんな扉を一人でスムーズに開けられる気がしないよ。
これって噂に聞く座敷牢?)
藻子の服は昨日の地味な仕事用のスーツから着替えさせられたのか
ひらひらのレースの袖のついたドレスだった。
身体に異様にフィットしていて、オートクチュールのよう。
(これが夢じゃなかったら 寝ている間にお着替えされた?
そんなー。誘拐されて座敷牢。イヤー夢なら早く醒めてー)
Y「藻子さん?」
先生が間合いをじわじわ詰めてくる。
長くて細い指が怯えた喪子の首筋に軽く触れてから頬を執拗になでる。
ベッドに座る藻子の身体が固く緊張した。嘗め回すような視線。
(こわい。いつもの先生じゃない。目が完全に逝っちゃてるんですけど)
藻「あ、あの私の服は」
どうやら夢ではないと気付いて間抜けな返答をしてしまう
Y「ああ、そのドレスは僕が作らせたんだ。
  藻子さんの姿を思い浮かべてオーダーしたんだけど
  採寸したみたいにぴったりだったね。」
頬の手が藻子の肩から脇そして腰のあたりを一撫でして
  なごり惜しそうに離れていった。  
Y「他にも沢山作ってあるんだ。
  藻子さんが不自由しないように。ふふ。」
(話がかみ合わない。先生が私を相手にお人形ごっこ?)
  
藻子の無言を気にも留めず陶酔したように藻子をみつめながらいう。
Y「似合うね。綺麗だよ 藻子さん。
ああ、僕は もうどうにかなってしまいそうだ。
  どうして こんなに藻子さんのことが好きなんだろう。
  
  遠くから君を見ていられるだけで満足だと思っていたんだ。
  毎朝 受付で挨拶してくれたよね。
  君の笑顔がどんなに嬉しかったか。
  でも職場の同僚というつながりが無くなったら、見ることさえ叶わない。
 
Y「藻子さんが僕から離れてしまう。
  去ってしまう。
  君を閉じ込めてしまえたら。
  まだ本気でそうするつもりじゃなかったけど
  仕事契約の更新がされてないって聞いてから、ここを改築したんだ。
  
  一人旅なんて言わなかったら、まだ自分の気持ちを我慢できた。
  君を誰にも手の届かないところへしまっておきたいって欲望を押さえていられたのに

93 :
で、終わったの?
初心者とはいえ投下終了宣言ぐらいはして欲しい。

94 :
今日のところは終了です
勝手がわからず、すみませんでした

95 :
>>94
おもしろかったですよ!
続き楽しみにしてます

96 :
>>90おつ!

97 :
よかった 反応してくれる方がいて
調子にのって昨日の続きです
描写に自信がないエロな展開に入りますw
Y「旅先でどんな悪い男が現れるとも限らない。
  ましてや異国だ。
  日本と違ってあまりに危険すぎるよ。
  藻子さんは人を疑いもしないから、簡単に騙されて、弄ばれて。
  うっかり騒いでされるかもしれないだろ。
  そうなったら、僕は渡航を止めなかった自分を絶対に許せない。
  失いたくないんだ。
  好きなんだ。大好きなんだ。 
  無垢な藻子さんをいやらしく視姦する男どもから、
  僕が守ってあげる。」
Yの熱情とは逆に聞いてる藻子は醒めた気分になった。
(サスペンスじゃないんだし、妄想がすぎるんじゃないかな。)
相手を刺激しないように口を慎んだが、当惑は隠せない。
藻子は一般並のスペックで多少可愛い程度だ。
Yの心配は過剰で、そんな理由で監禁されるかと思うと怒りを感じる。
しがない派遣の受付と旧家の跡取りの医師。
藻子はひそかに憧れてはいたが、2人に特別な接点はない。
もっと分かるように好意を見せてくれたら。
いや、たぶん分からないだろう。
普段のYは誰にでも親切で優しいのだから。
Y「怒ってるの?勝手に着替えさせた事。
  だって、僕はどうしてもこのドレスを着た藻子さんが見たかったから。」
邪気のない微笑み。
Yはたっぷり布をつかった上質なシャツを着ている。
(王子さまみたいだって噂していた綺麗な顔。先生睫毛長いな。
違う。見とれてる場合じゃない!
昨日の先生の声が思い出される。
Y「どうしても手に入らないのなら他の人間に盗られるくらいなら・・・
  藻子さんが僕を受け入れない時は
  両手足の腱を切って、僕だけのものにしてしまおうって決めていたんだ。」
藻「け、警察に言ったりしませんから。私を帰してください。お願いです」
Y「可愛いな。そういったら戻してもらえると思ってるんだ。
  ダメだよ。
  下界は藻子さんを傷つける。
  ここは君のために整えられた世界なんだ。
  
  それに。
  もう手放せるはずがないだろう。
  君が目を覚ますまでどんな思いで自分を抑えたか。
  触れるだけなんて、昨日は生しで本当に堪らなかったよ。
  僕は、早く君とひとつになりたいっ。」
  
先生が言い切らないうちに覆いかぶさってくる。
咄嗟の事で、すくんで体が動かない。
拒絶されたら手足の腱を切るという先生の言葉が頭の中で繰り返される。
鼻先に布が優しく押し当てられた。
薬の臭い、頭がふわふわする。
(もう、逃げられない。)



98 :
Y「心配しないで。絶対に傷つけたりしないから。
  はじめての藻子さんでも、辛くないように。
  これは肉の痛みをとる薬だよ。」

何度か手淫でいかされて、ガクガク震える。
執拗に体を這うYの手と舌で、理性が溶かされていく。
敏感なところを責めていたYの手がふいにとまり、
藻子は自分がねだるように腰を振っているのに気付いた。
Yは指を抜いて羞恥に頬を染める藻子をを冷たく見下ろした。
Y「そろそろ、僕もよくして欲しいな」
凶暴に反り返った自身を入り口にあてがった。
藻「あっあっ。そんな、ダメー!」
Y「本当?」
いじわるな声音で、口の端を歪ませ面白そうに下を見る。
言葉とは裏腹に藻子は腰をいやらしくこすりつけている。
藻「違うの。これは違うの。」
入り口に軽く先が入っただけで、膣が痛いくらい収縮する。
Y「入るよ。はぁ、もっと力を・・・抜いて。」
張り詰めた熱いものが侵入してくる。
肉が裂ける。
薬でそれほど痛みは感じないが、えぐられている感触。
Yが敏感なところを触ってくるのと中の刺激とで腰が止められない。
藻「はぅ、はぁっはぁ。ああっあぅあああー!!」
貪欲に腰を振る藻子の反応を見ながら、Yが嬉しそうに笑う。
Y「ああ、温かい。いい、いいよ。藻子さん。」
侵入が徐々に深くなる。
-----
すでに藻子の身体はYの指と舌にあますところなく蹂躙され、ぬめぬめ光っている。
ゆっくり出し入れするY自身ははちきれんばかりだ。
何度かの絶頂でぐったりしている藻子は、されるがままだ。
愛液が尻から膝まで垂れて光ってみえる。
Y「ここまで垂れてる・・・そそるよ。」
藻子に抵抗する気力もないのを確かめて、快楽で麻痺している藻子へ更に突きたてる。
Yの声も艶めいてきた。
「いいよ 藻子さん。僕が根元まで 入って。」
優しく撫でていた手が胸を激しく揉みしだく。
中のYが大きくなるのが分かった。
Y「中・・・いいよね?」
藻「嫌。やめて。」
絶叫に近い喘ぎの合間に、口先だけの拒絶を訴える。
Y「どうしてウソを吐くの。こんなに硬くして。」
乳首を両手でつままれて 舌先で転がされる。
わざと舌を鳴らせて吸われて、胸をベトベトになめまわされる。
藻「ああっああん。あん。あっあん。」
Yの腰の動きに合わせて 嬌声のピッチが早くなる。
Y「君の声、僕をねだっているみたいに聞こえるよ」
藻「ああっあっはぁ、ああ。
  あっあっ駄目。中は嫌。やめてーっ!」
Y「ああっ・・・出る。ああっ、くっ、締まる。」
両腕で腰を強く掴まれ、一段と深く打ち付けられた。
一瞬停止した律動は精を搾り出すように3度繰り返された。
(目の前が白い。)

99 :
藻子の中で何かがはじけて痙攣した。
藻「あ、熱い・・・流れてくる。はぁはぁはぁ」
過呼吸で気を失った藻子がしばらくして意識を取り戻した。
やっと責め苦が終わったというのに、Yは結合を解いていない。
なおも、ゆっくりとした出し入れを続けている。
藻「ウソ。あっあっ。い、嫌。」
いったばかりの身体は敏感に反応してしまう。
Y「藻子さんは、感じやすいんだね。濡れてる。
君のせいで、ベッドがびしょびしょだ。」
いたづらっぽく笑う。
胸への愛撫と下を責める執拗な指。
Y「言葉で嬲られるのも好きなんだね。
中、すごく ヒクヒク震えてるよ。
さっき気を失うまで愛してあげたのに。
まだ足りないんだ。
ぎっちぎちに締めてくる。
ふふ、本当は欲しいくせに。」
Y「藻子さん そう。ちょっと力を抜いて。
はぁ キツイけど気持ちいい。
いい子だね。
もっと もっと良くなるから。」
Y「可愛いよ。
我慢できたご褒美をあげる。
藻子さんの奥に全部、僕を注いで あ・げ・る・よ。」
Yから解放されたのは正午を回ったあたりだった。
気だるい藻子が目を覚ますと、食べ物のいい香りがする。
Y「藻子さん、気がついた?
  ごめんね。昨日は夕食も食べてないのに、朝から無理をさせてしまって。
  ドリア、好きだよね」
藻「今、食べたくないです。」
(私なんでこんなに普通にしゃべっているんだろう)
Y「そういうと思った。ヴィシソワーズはどう?」 
藻「はい。それなら食べられそうです。」
Y「どうぞ」
先生は普段と同じ柔らかな所作で、スープをすくってスプーンを差し出す。
藻子は戸惑いつつ、口を開いた。
藻「美味しい!」
藻子がよく行くの洋食店の味にそっくりだった。
さらによく見れば食器も同じというこだわり。
Y「そう?良かった。
  随分前にレシピは手に入れたけど、うまく再現できるか不安だったんだ。
  他にプレーンオムレツとサラダもあるから」
そう言って出されたYの手料理はどれも完璧なものだった。
Y「昨日、君が寝たふりをして起きないから。
  一番の好物っていうこのドリアを作ったんだ。」 
藻「たぬき寝入りだってバレてたんですね」
Y「薬を調合したのは僕だから、効き目が切れているのは知ってたよ。
  寝顔も可愛いから起こせなくってね」

***今日はここまでです。おつきあい 有難うございました。

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