定義 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 K[X_1、...、X_n] を多項式環とする。 α_1、...、α_n を H の元の有限列とする。 過去スレpart4の550より K-線型環としての準同型 ψ:K[X_1、...、X_n] → H で 各 i に対して ψ(X_i) = α_i となるものが一意に存在する。 ψ が単射のとき α_1、...、α_n は K 上代数的独立であるという。
3 :
命題 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 K[X_1、...、X_n] を多項式環とする。 α_1、...、α_n を H の元の有限列とする。 α_1、...、α_n が K 上代数的独立(>>2)であるためには f(X_1、...、X_n) ∈ K[X_1、...、X_n] で f(α_1、...、α_n) = 0 なら 常に f(X_1、...、X_n) = 0 となることが必要十分である。 証明 自明である。
4 :
命題 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 α_1、...、α_n を H の元の有限列で K 上代数的独立(>>2)であるとする。 σ を {1、...、n} の任意の置換とする。 このとき α_σ(1)、...、α_σ(n) は K 上代数的独立である。 証明 K[X_1、...、X_n] を多項式環とする。 過去スレpart4の550より K-線型環としての準同型 ψ:K[X_1、...、X_n] → H で 各 i に対して ψ(X_i) = α_i となるものが一意に存在する。 このとき各 i に対して ψ(X_σ(i)) = α_σ(i) である。 α_1、...、α_n は K 上代数的独立であるから ψ は単射である。 K[X_1、...、X_n] = K[X_σ(1)、...、X_σ(n)] であるから α_σ(1)、...、α_σ(n) は K 上代数的独立である。 証明終
5 :
定義 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 I を空でない有限集合とする。 (x_i)、i ∈ I を H の元の族とする。 I に全順序を導入し I = {i_1、...、i_n} とする。 ここで i_1 < ... < i_n である。 x_(i_1)、...、x_(i_n) が K 上代数的独立(>>3)であるとする。 このとき (x_i)、i ∈ I は K 上代数的独立あると言う。 >>4より、この定義は I 上の全順序の取り方に寄らない。
6 :
定義 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 I を集合とする。 (x_i)、i ∈ I を H の元の族とする。 I の任意の空でない有限部分集合 J に対して (x_i)、i ∈ J が K 上代数的独立(>>5)であるとき (x_i)、i ∈ I は K 上代数的独立あると言う。
7 :
定義 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 S を H の部分集合とする。 H の元の族 (x)、x ∈ S が K 上代数的独立(>>6)であるとき S は K 上代数的独立あると言う。
8 :
[注意] K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 I を空でない有限集合とする。 (x_i)、i ∈ I を H の元の族で K 上代数的独立(>>5)であるとする。 このとき I の任意の空でない有限部分集合 J に対して (x_i)、i ∈ J は K 上代数的独立である。 よって、>>6の定義は>>5の定義と矛盾しない。
9 :
定義 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 S を H の部分集合で K 上代数的独立(>>7)であるとする。 H が K(S)(過去スレpart4の539)上代数的(過去スレpart4の633)なとき S を H の K 上の超越基底(transcendence base)と言う。 このとき S は H/K の超越基底であるとも言う。
901 :Kummer ◆SgHZJkrsn08e :2012/01/21(土) 12:02:42.92 定義 H を可換体とする。 E と F を H の部分体とする。 E と F を含む H の最小の部分体を E と F の合成体と呼び EF と書く。 EF = E(F) (>>539) である。 902 :132人目の素数さん:2012/01/21(土) 12:04:05.83 EF = E(F)=F(E)=FE ですよね。 903 :132人目の素数さん:2012/01/21(土) 12:10:03.12 なんでどこでも書かれていることを わざわざ、時間をかけて書くのW 暇なの? 904 :132人目の素数さん:2012/01/21(土) 12:11:32.59 勿論そうです
ガロア生誕200周年記念スレ part 4 >538 :Kummer ◆SgHZJkrsn08e :2012/01/16(月) 12:51:49.13 >定義 >K を可換体とする。 >f(X) を K 係数の定数でない1変数多項式とする。 >L を K の拡大体とする。 >f(X) が L で分解(>>534)するとき L を f(X) の分解体と言う。 これと、 part1の149で定義した「多項式f(X) の最小分解体」、どう違うの?
20 :
>>19 part4の534 >f(X) が L において1次多項式の積になるとき、f(X) は L で分解するという。 f(X) の L における全ての根を α_1、...、α_n とする。 L = K(α_1、...、α_n) とは限らない。 例えば Q(√2, √3) は X^2 - 2 の分解体であるが最小分解体ではない。 part1の149 >f の Ω における全ての根を α_1、...、α_n とする。 >K(α_1、...、α_n) (>>91)を f(X) の最小分解体と言う。
21 :
[注意] K を可換体とする。 E/K を任意の拡大(過去スレpart4の512)とする。 過去スレpart4の636より E は代数的閉包(過去スレpart4の628)Ω を持つ。 よって、E/K の中間体に関して過去スレpart1の結果を利用することが出来る。 因みに、過去スレpart1の有限次拡大に関する命題の証明の多くは E の代数的閉包でなく適当な有限次正規拡大をとれば十分である。
22 :
定義 A と B を可換環とする。 A が B の部分環のとき A と B の対を B/A と書き(A の)拡大と呼ぶ。 B は A の拡大環または拡大と言う。
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 {x_1、...、x_n} を L/K の超越基底(>>9)とする。 {y_1、...、y_m} を L の部分集合で K 上代数的独立(>>7)であるとする。 このとき m ≦ n である。 証明 r を 1 ≦ r ≦ m となる任意の整数とする。 r ≦ n であり、x_1、...、x_n の番号を適当に付け替えて x_1、...、x_r を y_1、...、y_r で置き換えることにより L が K(y_1、...、y_r、...、x_n) 上代数的(過去スレpart4の633)になることを r に関する帰納法で証明しよう。 そうすれば r = m のとき m ≦ n となる。 r = 1 とする。 y_1 は K(x_1、...、x_n) 上代数的(過去スレpart4の553)である。 よって、f(y_1、x_1、...、x_n) = 0 となる f ∈ K[Y_1、X_1、...、X_n] で f ≠ 0 であるものが存在する。 y_1 は K 上代数的でないから f(Y_1、X_1、...、X_n) の各単項式にはどれかの X_i が現れる。 x_1、...、x_n の番号を付け替えて i = 1 と仮定してよい。 よって、n = 1 のとき x_1 は K(y_1) 上代数的である。 よって、過去スレpart4の607より K(y_1, x_1) = K(y_1)(x_1) は K(y_1) 上代数的である。 K(y_1) ⊂ K(y_1、x_1) ⊂ L であり、L/K(y_1、x_1) は代数的であるから >>28より L/K(y_1) は代数的である。 n ≧ 2 のとき x_1 は K(y_1、x_2、...、x_n) 上代数的である。 上記と同様に L は K(y_1、x_2、...、x_n) 上代数的である。 以上から r = 1 の場合に上記の主張は証明された。 (続く)
30 :
>>29の続き r ≧ 2 とする。 帰納法の仮定より x_1、...、x_n の番号を適当に付け替えて L は K(y_1、...、y_(r-1)、x_r、...、x_n) 上代数的である。 よって、y_r は K(y_1、...、y_(r-1)、x_r、...、x_n) 上代数的である。 よって、g(y_1、...、y_r、x_r、...、x_n) = 0 となる多項式 g ∈ K[Y_1、...、Y_r、X_r、...、X_n] で g ≠ 0 であるものが存在する。 y_1、...、y_r は K 上代数的独立であるから 多項式 g(Y_1、...、Y_r、X_r、...、X_n) の各単項式にはどれかの X_i が現れる。 x_r、...、x_n の番号を付け替えて i = r と仮定してよい。 n = r なら x_r は K(y_1、...、y_r) 上代数的である。 K(y_1、...、y_r) ⊂ K(y_1、...、y_r、x_r) ⊂ L において K(y_1、...、y_r、x_r)/K(y_1、...、y_r) と L/K(y_1、...、y_r、x_r) は代数的であるから >>28より L は K(y_1、...、y_r) 上代数的である。 n > r なら x_r は K(y_1、...、y_r、x_(r+1)、...、x_n) 上代数的である。 よって、上記と同様に L は K(y_1、...、y_r、x_(r+1)、...、x_n) 上代数的である。 証明終
31 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 {x_1、...、x_n} を L/K の超越基底(>>9)とする。 このとき L/K の任意の超越基底 S の濃度 |S| は n である。 証明 T を S の空でない有限集合とする。 T は K 上代数的独立(>>7)だから>>29より |T| ≦ n である。 よって、|S| ≦ n である。 S は L/K の超越基底だから>>29より n ≦ |S| である。 よって、|S| = n である。 証明終
32 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 S を K 上代数的独立(>>7)な L の部分集合とする。 α ∈ L が K(S) 上超越的(過去スレpart4の544)であるためには S ∪ {α} が K 上代数的独立であることが必要十分である。 証明 自明である。
33 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 S を L の部分集合とする。 S が L/K の超越基底(>>9)であるためには S が K 上代数的独立(>>7)で S ⊂ T、S ≠ T となる K 上代数的独立な L の部分集合 T が存在しないことが必要十分である。 証明 必要性: S が L/K の超越基底であるとする。 S ⊂ T、S ≠ T となる K 上代数的独立な L の部分集合 T が存在するとする。 α ∈ T で S ∪ {α} が K 上代数的独立であるものが存在する。 >>32より α ∈ L は K(S) 上超越的(過去スレpart4の544)である。 これは L が K(S) 上代数的(過去スレpart4の633)であることに矛盾する。 十分性: S が K 上代数的独立で S ⊂ T、S ≠ T となる K 上代数的独立な L の部分集合 T が存在しないとする。 α ∈ L - S なら S ∪ {α} は K 上代数的独立でない。 よって、>>32より α ∈ L は K(S) 上代数的である。 よって、S は L/K の超越基底である。 証明終
34 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 Γ を L の空でない部分集合で L は K(Γ) 上代数的(過去スレpart4の633)とする。 T を Γ の空でない部分集合で K 上代数的独立とする。 このとき T ⊂ S ⊂ Γ となる L/K の超越基底(>>9)S が存在する。 証明 T ⊂ Z ⊂ Γ となる L の部分集合 Z で K 上代数的独立なもの全体を Ψ とする。 Φ を Ψ の空でない部分集合で包含関係により全順序集合となるとする。 W = ∪{Z ∈ Φ} とおく。 U を W の空でない有限部分集合とする。 Φ は包含関係により全順序集合であるから U ⊂ Z となる Z ∈ Φ がある。 Z は K 上代数的独立であるから U は K 上代数的独立である。 よって、W は K 上代数的独立である。 W ⊂ Γ であるから W ∈ Ψ である。 よって、Zornの補題より Ψ は極大元 S を持つ。 任意の α ∈ Γ - S に対して S ∪ {α} は K 上代数的独立ではない。 よって、>>32より α は K(S) 上代数的(過去スレpart4の544)である。 よって、K(Γ) = K(S)(Γ) は K(S) 上代数的である。 L は K(Γ) 上代数的であるから>>28より L は K(S) 上代数的である。 よって、S は L/K の超越基底である。 証明終
35 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 このとき L/K は超越基底(>>9)を持つ。 証明 L/K が代数的(過去スレpart4の633)なら空集合が L/K の超越基底である。 よって、L/K は代数的(過去スレpart4の544)でないとする。 α ∈ L で K 上超越的(過去スレpart4の544)なものが存在する。 {α} は K 上代数的独立である。 >>34において Γ = L とすれば {α} ⊂ S となる L/K の超越基底 S が存在する。 証明終
36 :
定義 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 >>35より L/K は超越基底(>>9)S を持つ。 S が有限集合のとき、>>31より L/K の任意の超越基底 T は有限集合であり、 S と T の濃度は同じである。 この濃度を L/K の超越次元(transcendence dimension)と呼び、tr.dim L/K と書く。 S が無限集合のとき、>>31より L/K の任意の超越基底は無限集合である。 このとき L/K の超越次元は無限とし、tr.dim L/K = ∞ と書く。
37 :
命題 K ⊂ L ⊂ M を可換体の塔(過去スレpart4の864)とする。 S を L/K の超越基底(>>9)とし、T を M/L の超越基底とする。 このとき S∪T は M/K の超越基底である。 証明 S を L/K の超越基底(>>9)とし、T を M/L の超越基底とする。 S は K 上代数的独立で T は K(S) 上代数的独立であるから S∪T は K 上代数的独立である。 よって、M が K(S∪T) 上代数的であることを示せばよい。 L = K(S)(L) だから L(T) = K(S)(L)(T) = K(S)(T)(L) = K(S∪T)(L) L の各元は K(S) 上代数的だから K(S∪T) 上代数的である。 よって、過去スレpart4の594と過去スレpart4の609より L(T) = K(S∪T)(L) は K(S∪T) 上代数的である。 M は L(T) 上代数的であるから>>28より M は K(S∪T) 上代数的である。 証明終
38 :
命題 K ⊂ L ⊂ M を可換体の塔(過去スレpart4の864)とする。 tr.dim M/K = tr.dim L/K + tr.dim M/L である。 但し ∞ + ∞ = ∞ であり、n が整数 ≧ 0 のとき n + ∞ = ∞ + n = ∞ とする。 証明 >>37より明らかである。
39 :
命題 K ⊂ L ⊂ H を可換体の塔(過去スレpart4の864)とする。 L/K は K 上代数的とする。 S を H の部分集合で K 上代数的独立とする。 このとき S は L 上代数的独立である。 証明 S は空でないとしてよい。 T を S の任意の空でない有限部分集合とする。 T の濃度を n とする。 L/K は K 上代数的であるから>>28の(2)より L(T) = L(K(T)) は K(T) 上代数的である。 >>38より tr.dim L(T)/K = tr.dim K(T)/K + tr.dim L(T)/K(T) = tr.dim K(T)/K = n 一方、tr.dim L(T)/K = tr.dim L/K + tr.dim L(T)/L = tr.dim L(T)/L よって、tr.dim L(T)/L = n n ≧ 1 だから T の元で L 上代数的でないものがある。 よって、>>34より T は L(T)/L の超越基底 U を含む。 >>31より U の濃度は n だから T = U である。 よって、T は L 上代数的独立である。 T は S の任意の空でない有限部分集合であるから S は L 上代数的独立である。 証明終
40 :
命題 K ⊂ L ⊂ H を可換体の塔(過去スレpart4の864)とする。 L/K は K 上代数的とする。 S を H の部分集合で K 上代数的独立とする。 このとき K(S) と L は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 証明 T を S の任意の空でない有限部分集合とする。 過去スレpart4の717より K(T) と L が K 上線型無関連であることを証明すれば良い。 よって、過去スレpart4の849より K[T] と L が K 上線型無関連であることを証明すれば良い。 T の単項式全体は K[T] の K 上の線型基底である。 >>39より T は L 上代数的独立であるからこれ等の単項式は L 上線型独立である。 よって、過去スレpart4の804より K[T] と L は K 上線型無関連である。 証明終
41 :
命題 K ⊂ L ⊂ H を可換体の塔(過去スレpart4の864)とする。 L/K は K 上代数的とする。 S を H の部分集合で K 上代数的独立とする。 このとき K(S) ∩ L = K である。 証明 >>40より K(S) と L は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 過去スレpart4の721より K(S) ∩ L = K である。 証明終
42 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 L の元で K 上代数的(過去スレpart4の544)なもの全体 M は L/K の中間体(過去スレpart4の854)をなす。 証明 過去スレpart4の586と過去スレpart4の605より M は L の部分環である。 過去スレpart4の596より M は L の部分体である。 K ⊂ M であるから M は L/K の中間体である。 証明終
43 :
定義 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 >>42より L の元で K 上代数的なもの全体 M は L/K の中間体である。 M を K の L における相対代数的閉包または代数的閉包と言う。
44 :
命題 K を可換体とする。 Ω/K 拡大(過去スレpart4の512)で Ω は代数的閉体(過去スレpart4の628)であるとする。 Ω における K の相対代数的閉包(>>43)を L とする。 このとき L は代数的閉体である。 証明 f(X) ∈ L[X] を定数でない多項式とする。 Ω は代数的閉体であるから f(X) は Ω において根 α を持つ。 α は L 上代数的であるから L(α)/L は代数的である。 よって、>>28より L(α)/K は代数的である。 よって、α ∈ L である。 よって、L は代数的閉体である。 証明終
45 :
命題 K を可換体とする。 L/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 S を L の部分集合で K 上代数的独立とする。 L = K(S) なら K の L における相対代数的閉包(>>43)は K である。 証明 K の L における相対代数的閉包を M とする。 >>41より K(S) ∩ M = K である。 L = K(S) だから L ∩ M = K M ⊂ L だから L ∩ M = M よって、M = K 証明終
46 :
命題 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 F と N を H/K の中間体(過去スレpart4の854)で F ∩ N = K とする。 F/K は有限次(過去スレpart4の842)とする。 N/K は有限次Galois拡大(過去スレpart4の848)とする。 このとき F と N は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 証明 H の代数的閉包(過去スレpart4の628)を Ω とすれば、過去スレpart1の505が使える。 過去スレpart1の505より以下が成り立つ。 (1) NF/F はGalois拡大である。 (2) σ ∈ G(NF/F) に対して σ の N への制限 σ|N は G(N/K) の元である。 (3) σ ∈ G(NF/F) に σ|L ∈ G(N/K) を対応させる写像 λ は G(NF/F) から G(N/K) への同型である。 (3)より [NF : F] = [N : K] である。 一方、過去スレpart4の561より [NF : K] = [NF : F][F : K] よって、[NF : K] = [N : K][F : K] よって、過去スレpart4の839より F と N は K 上線型無関連である。 証明終
47 :
命題 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 F と N を H/K の中間体(過去スレpart4の854)で F ∩ N = K とする。 F/K は代数的(過去スレpart4の633)とする。 N/K は有限次Galois拡大(過去スレpart4の848)とする。 このとき F と N は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 証明 過去スレpart4の717より F の K 上線型独立な任意の有限集合 S が N 上線型独立であることを証明すれば良い。 過去スレpart4の609より K(S) = K[S] である。 過去スレpart4の585と605より [K[S] : K] は有限である。 よって、>>46より K(S) と N は K 上線型無関連である。 よって、S は N 上線型独立である。 証明終
48 :
命題 K を可換体とする。 E/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 F と N を E/K の中間体(過去スレpart4の854)とする。 N/K は有限次Galois拡大(過去スレpart4の848)とする。 F/(F ∩ N) は代数的(過去スレpart4の633)とする。 FN を合成体(過去スレpart4の901)とする。 M’を FN/F の中間体とする。 このとき N/(F ∩ N) の中間体 M があり M’= MF となる。 証明 E の代数的閉包(過去スレpart4の628)を Ω とすれば、過去スレpart1の505が使える。 過去スレpart1の505より以下が成り立つ。 (1) NF/F はGalois拡大である。 (2) σ ∈ G(NF/F) に対して σ の N への制限 σ|N は G(N/(F ∩ N)) の元である。 (3) σ ∈ G(NF/F) に σ|N ∈ G(N/(F ∩ N)) を対応させる写像 λ は G(NF/F) から G(N/(F ∩ N)) への同型である。 NF/M’はGalois拡大である。H’= G(NF/M’) とおく。 H = λ(H’) とし、H の固定体を M とする。 F ∩ N ⊂ M ⊂ MF F/(F ∩ N) は代数的だから MF/M は代数的である。 よって、MF の M 上の線型基底 (e_i)、i ∈ I として F の元からなるものが存在する。 F ∩ N ⊂ M だから (e_i)、i ∈ I は F ∩ N 上線型独立である。 一方、>>47より F と N は F ∩ N 上線型無関連である。 よって、(e_i)、i ∈ I は N 上線型独立である。 よって、MF と N は M 上線型無関連である。 よって、過去スレpart4の721より MF ∩ N = M である。 よって、過去スレpart1の505より λ(G(NF/MF)) = G(N/M) = H である。 一方、λ(H’) = H だから H’= G(NF/MF) である。 よって、M’= MF である。 証明終
49 :
命題 K を可換体とする。 E/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 N を H/K の中間体(過去スレpart4の854)とする。 N/K は有限次Galois拡大(過去スレpart4の848)とする。 S を E の部分集合で K 上代数的独立とする。 M’を N(S)/K(S) の中間体とする。 このとき N/K の中間体 M で M’= M(S) となるものが一意に存在する。 証明 >>41より K(S) ∩ N = K である。 E の代数的閉包(過去スレpart4の628)を Ω とすれば、過去スレpart1の505が使える。 過去スレpart1の505より以下が成り立つ。 (1) N(S)/K(S) はGalois拡大である。 (2) σ ∈ G(N(S)/K(S)) に対して σ の N への制限 σ|N は G(N/K) の元である。 (3) σ ∈ G(N(S)/K(S)) に σ|L ∈ G(N/K) を対応させる写像 λ は G(N(S)/K(S)) から G(N/K) への同型である。 (続く)
50 :
>>49の続き H’= G(N(S)/M’) とおく。 H = λ(H’) とする。 H の固定体を M とする。 N(S) の任意の元 f は S の元の N 係数の有理式で表される。 g ∈ M’とすると g は H’の任意の元で不変である。 よって、S の元の N 係数の有理式としての g の 係数は H の任意の元で不変である。 よって、その係数は M に属す。 よって、g ∈ M(S) である。 よって、M’⊂ M(S) である。 逆に M(S) の任意の元は H’の任意の元で不変である。 よって、M(S) ⊂ M’である。 以上から M’= M(S) である。 L を N/K の中間体で M’= L(S) とする。 >>39より S は L 上代数的独立である。 よって、S の元の単項式全体は L[S] の L 上の基底である。 >>39より S は N 上代数的独立であるからこの基底は N 上線型独立である。 よって、L[S] と N は L 上線型無関連である。 よって、過去スレpart4の849より L(S) と N は L 上線型無関連である。 よって、過去スレpart4の721より L(S) ∩ N = L である。 同様に M(S) ∩ N = M である。 M’= M(S) = L(S) であるから M = L である。 証明終
51 :
命題 K を可換体とする。 H/K を拡大(過去スレpart4の512)とする。 F と N を H/K の中間体(過去スレpart4の854)で F ∩ N = K とする。 N/K は有限次Galois拡大(過去スレpart4の848)とする。 このとき F と N は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 証明 >>35より F/K は超越基底 S を持つ。 >>40より K(S) と N は K 上線型無関連(過去スレpart4の713)である。 よって、過去スレpart4の858より F と N(S) が K(S) 上線型無関連であることを証明すれば良い。 過去スレpart1の505より N(S)/K(S) は有限次Galois拡大である。 F/K(S) は代数的だから>>47より F ∩ N(S) = K(S) を証明すれば良い。 M’= F ∩ N(S) とおく。 K(S) ⊂ M’⊂ N(S) であるから>>49より N/K の中間体 M で M’= M(S) となるものが一意に存在する。 M(S) ⊂ F だから M ⊂ F よって、M ⊂ F ∩ N = K よって、M = K である。 即ち F ∩ N(S) = K(S) である。 証明終
命題 G を群、Σ を G の正規部分群の空でない集合で以下の条件(*)を満たすものとする。 (*)N_1, N_2 ∈ Σ なら N_1 ∩ N_2 ⊃ N_3 となる N_3 ∈ Σ がある。 このとき、各 x ∈ G に対して、{xN = Nx;N ∈ Σ} を x の基本近傍系と定義することにより、 G は位相群となる。 証明 代数的整数論001の607で証明済みである。
55 :
命題 >>54において、∩{N; N ∈ Σ} は {e} の閉包である。 ここで e は G の単位元えある。 証明 F = ∩{N; N ∈ Σ} とおく。 {e} の閉包を {e}~ と書く。 N ∈ Σ、x ∈ N のとき xN = N だから N は開部分群である。 よって、任意の y ∈ G に対して yN は開集合である。 G を N による剰余類で類別すれば G - N は yN の形の部分集合の合併である。 よって、N は閉集合である。 よって、{e}~ ⊂ F である。 逆の包含関係を示せば良い。 x ∈ F とする。 各 N ∈ Σ に対して x ∈ N だから xN = N よって、e ∈ xN よって、x ∈ {e}~ よって、F ⊂ {e}~ 証明終
56 :
補題 X を集合とする。 Δ = {(x, x);x ∈ X} とする。 Δ は X×X の部分集合である。 A と B を X の部分集合とする。 A ∩ B ≠ φ となるためには (A×B) ∩ Δ ≠ φ となることが必要十分である。 証明 自明である。
57 :
補題 X を位相空間とする。 X がHausdorffであるためには、 X×X の対角集合 Δ = {(x, x);x ∈ X} が X×X の閉集合であることが必要十分である。 証明 x ∈ X、y ∈ X、x ≠ y とし U と V をそれぞれ x と y の近傍とする。 U×V は (x, y) の X×X における近傍である。 >>56より U ∩ V = φ となるためには (U×V) ∩ Δ = φ となることが必要十分である。 よって、X がHausdorffであるためには、X×X - Δ が開集合であることが必要十分である。 よって、X がHausdorffであるためには、Δ が閉集合であることが必要十分である。 証明終
58 :
命題 G を位相群とする。 e を G の単位元とする。 G の位相がHausdorffであるためには、{e} が閉集合であることが必要十分である。 証明 必要性: G がHausdorffなら {e} は閉集合である。 十分性: {e} が閉集合であるとする。 写像 f:G×G → G を f(x, y) = xy(^-1) で定義する。 f^(-1)(e) は G×G の対角集合 Δ = {(x, x);x ∈ G} である。 f は連続だから Δ は閉集合である。 よって、>>57より G はHausdorffである。 証明終
59 :
命題 >>54において、G の位相がHausdorffであるためには、 ∩{N; N ∈ Σ} = {e} となることが必要十分である。 ここで e は G の単位元である。 証明 >>55と>>58より明らかである。
60 :
定義 X を任意の集合とする。 X の任意の部分集合を X の開集合と定義することにより X は位相空間となる。 この位相を X の離散位相と言う。 離散位相の入った位相空間を離散空間と呼ぶ。 明らかに離散空間はHausdorffである。
61 :
>>Kummer 俺の許可を得ずにスレを立てるなんて、良い度胸だね。
62 :
>>Kummer Making such a thead without my authorization leads the guess that you are supposed to be a courageous person. I have no choice but to commend you for your boldness! This is the reminder that "I'm watching you all the time".Don't forget this...
定義(代数的整数論006の104) 位相空間 X の任意の開被覆が有限部分被覆をもつとき、 X を準コンパクト(quasi-compact)と言う。 X が準コンパクトでHausdorffのとき X をコンパクトと言う。
65 :
命題 X を位相空間とする。 X の有限個の準コンパクトな部分集合の合併は準コンパクトである。 証明 自明である。
66 :
>>Kummer Okay,I flew off the handle. I've had it up to here with you,therefore I've made up my mind to head you off forever. 熟語 fly off the handle:かっとなる have had it up to here with〜:〜にうんざりした、もう我慢できない head off〜:〜を阻止する、〜の全面に立ちはだかる
67 :
命題 X を離散空間とする。 X が有限集合であるためには X が準コンパクトであることが必要十分である。 証明 必要性: X が有限集合であるとする。 X の各点 x に対して {x} は準コンパクトである。 よって、>>65より X は準コンパクトである。 十分性: X が準コンパクトであるとする。 X の各点 x に対して {x} は開集合である。 よって、({x})、x ∈ X は X の開被覆である。 X は準コンパクトであるから X は有限個の {x} で覆われる。 即ち、X は有限集合である。 証明終
68 :
補題 X を準コンパクト(>>64)な位相空間とする。 このとき X の任意の閉集合 F は準コンパクトである。 証明 (U_i)、i ∈ I を F の開被覆とする。 W = X - F とする。 W は X の開集合で X = W ∪ ∪{U_i;i ∈ I} であるから I の有限部分集合 J があり X = W ∪ ∪{U_i;i ∈ J} となる。 よって、F ⊂ ∪{U_i;i ∈ J} となる。 よって、F は準コンパクトである。 証明終
69 :
補題 X をHausdorff空間とする。 X の準コンパクト(>>64)な部分空間 Y は X の閉集合である。 証明 x を X - Y の任意の点とする。 Y の任意の点 y に対して x の開近傍 U_y と y の開近傍 V_y で U_y ∩ V_y = φ となるものがある。 Y は準コンパクトだから Y の有限個の点 y_1、...、y_n があり Y ⊂ V_(y_1) ∪...∪ V_(y_n) となる。 U = U_(y_1) ∩...∩ U_(y_n) とおけば U はどの V_(y_i) とも交わらない。 よって、U は Y と交わらない。 即ち U ⊂ X - Y である。 U は x の近傍だから X - Y は X の開集合である。 よって、Y は X の閉集合である。 証明終
70 :
>>Kummer ni ge SB wwwwwwwwwwwwwwwww
71 :
補題 X と Y を位相空間とし、X は準コンパクト(>>64)であるとする。 f:X → Y を連続写像とする。 このとき f(X) は Y の準コンパクトな部分空間である。 証明 (U_i)、i ∈ I を f(X) の開被覆とする。 (f^(-1)(U_i))、i ∈ I は X の開被覆である。 X は準コンパクトだから I の有限部分集合 J があり X = ∪{f^(-1)(U_i);i ∈ J} となる。 よって、f(X) ⊂ ∪{U_i;i ∈ J} となる。 よって、f(X) は準コンパクトである。 証明終
72 :
定義 X と Y を位相空間とし、f:X → Y を写像とする。 X の任意の閉集合 F に対して f(F) が Y の閉集合であるとき f を閉写像と言う。
73 :
補題 X と Y を位相空間とし、X は準コンパクト(>>64)で Y はHausdorffであるとする。 f:X → Y を連続写像とする。 このとき f は閉写像(>>72)である。 証明 F を X の任意の閉集合とする。 >>68より F は準コンパクトである。 よって、>>71より f(F) は準コンパクトである。 Y はHausdorffだから>>69より f(F) は Y の閉集合である。 証明終
74 :
補題 X を準コンパクト(>>64)な位相空間とし、Y をHausdorff空間とする。 f:X → Y を連続な全単射写像とする。 このとき f は位相同型である。 証明 >>73より f は閉写像(>>72)である。 よって、f の逆写像は連続である。 よって、f は位相同型である。 証明終
75 :
定義 G を群とする。 G は G の各元を射とすることにより一個の対象 G を持つ圏と見なされる。 C を圏とする。 関手 F:G → C を G の C における表現と言う。 X = F(G) のとき X は表現 F の表現対象と呼ぶ。 三つ組 (G, F, X) を表現とも言う。 各 σ ∈ G に対して F(σ)F(σ^(-1)) = F(σ^(-1))F(σ) = F(1) = 1 であるから F(σ) は X の自己同型である。 σ に F(σ) を対応させることにより準同型 G → Aut(X) が得られる。 逆に準同型 f:G → Aut(X) があるとき関手 F:G → C で F(X) = X となり 各 σ ∈ G に対して F(σ) = f(σ) となるものが一意に存在する。 よって、G の C における表現とは 群 G と X ∈ C と準同型 f:G → Aut(X) の三つ組 (G, f, X) と見なせる。 G の C におけるある表現 (G, f, X) があるとき X を C における G-対象とも言う。 このとき f を G-対象 X の標準射と呼ぶ。 このとき、各 σ ∈ G に対して射 f(σ):X → X が定まる。 f(σ) を σ と略記することがある。 即ち σ:X → X は C の射である。
76 :
定義 G を群とする。 C を圏とする。 C における G-対象(>>75)全体 Func(G, C)(代数的整数論017の372)は 自然変換を射とすることにより圏となる。 この圏を C^G とも書いた(代数的整数論017の372)。 X と Y を C における G-対象とする。 C における射 g:X → Y が G-対象の射であるとは 任意の σ ∈ G に対して次の図式が可換となることである。 即ち>>75の略記法で σg = gσ となることである。 X → Y ↓ ↓ X → Y G-対象の射 X → Y を G-射と言う。
77 :
定義 G を群とする。 Set を小さい集合(代数的整数論017の321)全体の圏とする。 G の Set における表現 (G, f, X)(>>75)を G の置換表現とも言う。 G の Set における G-対象(>>75)を G-集合とも言う。 X を G-集合とし、f:G → Aut(X) を標準射とする。 σ ∈ G と x ∈ X に対して f(σ)(x) を σx と略記する。 X と Y を G-集合とする。 G-集合の射 g:X → Y とは Set における G-対象としての射(>>76)である。
>>81 To Vakas, ALL OF YOU STUPIDS ARE MY VERY SERIOUS AND ETERNAL TARGET. --neko--
84 :
>>Kummer 働け!
85 :
>>Vaka-domo, くたばれ。 猫
86 :
>>Kummer 踊れ。
87 :
>>Vaka-domo, 踊らなくて良いので、サッサと消滅シロ。邪魔や。 猫
88 :
>>Kummer Making such a thead without my authorization leads the guess that you are supposed to be a courageous person. I have no choice but to commend you for your boldness! This is the reminder that "I'M WATCHING YOU ALL THE TIME". Do you understand?
命題 G を群とする。 X を G-集合(>>77)とする。 このとき、任意の σ、τ ∈ G と任意の x ∈ X に対して以下が成り立つ。 (1)1x = x (2)σ(τx) = (στ)x 逆に任意の σ ∈ G と任意の x ∈ X に対して σx ∈ X が定義され 上の (1)と (2) が成り立つなら σ ∈ G のとき x ∈ X に σx ∈ X を対応させる写像を f(σ):X → X とすれば f(σ) ∈ Aut(X) であり f:G → Aut(X) は準同型である。 よって、X は G-集合である。 証明 自明である。
92 :
定義 G を群とする。 X を G-集合(>>77)とする。 x、y ∈ X に対して y = σx となる σ ∈ G があるとき x 〜 y と書く。 これは明らかに同値関係である。 商集合 X/〜 を G-集合 X の軌道空間(orbit space)と呼び、X/G と書く。 X/G の各類を軌道(orbit)と言う。 x ∈ X が属す軌道を x の軌道と言い、Gx と書く。
93 :
定義 G を群とする。 X を G-集合(>>77)とする。 x ∈ X のとき H = {σ;σx = x} は G の部分群である。 H を x の安定化部分群(stabilizer subgroup of x)または固定化部分群と言い St(x) と書く。
94 :
定義 G を群とする。 X を G-集合(>>77)とする。 Y を X の部分集合とする。 任意の σ ∈ G と任意の y ∈ Y に対して σy ∈ Y とする。 このとき Y を X の G-部分集合(G-subset)と言う。 このとき Y は G-集合であり、包含写像 ι:Y → X は G-射である。
95 :
命題 G を群とする。 X を G-集合(>>77)とする。 Y を X の G-部分集合(>>94)とする。 このとき X - Y は X の G-部分集合である。 証明 σ ∈ G、x ∈ X - Y のとき σx ∈ Y なら x = σ^(-1)(σx) ∈ Y となって仮定に反する。 よって、σx ∈ X - Y よって、X - Y は X の G-部分集合である。 証明終