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2012年3月なりきりネタ312: 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!8thシーズン (199)
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【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!8thシーズン
- 1 :
- 統一基準歴355年。
魔法文明は隆盛を極め、あらゆる場所、場面に魔法が活用されていた。
そんな栄華の果てにいつしか異変が起きる。
確認されたのは20年前にもなるだろうか?
ある属性の魔法に異常なまでの適性を示す。
ある魔法を生まれつき能力として有している。
未知なる力に開眼する。
今までは天才と言われて来た種類の子供たちが続々と生まれ始めたのだ。
このことに世界は大いに恐れ、憂慮した。
なぜならば、本来数十年単位の修行と研究の果てに身につけていく力を僅か数年の学習で身につけてしまうのだ。
あるいは以って生まれてくるのだ。
修行と研究は何も力を得るためだけの時間ではない。
力を振るう為の経験や知識をも身につけるための時間でもあるのだ。
そして大きな力を当たり前のように使える事への危惧は現実のものとなる。
世界各地で引き起こされる悲劇に、統一魔法評議会は一つの決定をなした。
魔法学園の開設!
魔海域を回遊するとも、海と空の狭間にあるとも言われるフィジル諸島に魔法学園を開校し、子供たちに学ばせるのだ。
己が力を振るう術を。
―――― 【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!8thシーズン ――――
- 2 :
- ■舞台はファンタジー世界。謎多きフィジル諸島にある全寮制の魔法学園です。
フィジル付近は気流や海流が乱れがちなので、島には基本的に、転移装置を使ってくる場合が多いです。
■学園が舞台だからといって参加資格は学生キャラのみではありません。
参加キャラは生徒でも、学園関係者でも、全く無関係な侵入者でも可。敵役大歓迎。
また、舞台が必ずしも学園の敷地内で起きるとは限りません。
いきなり見知らぬ土地に放り出されても泣かないで下さい。 貴方の傍にはいつも名無しさんと仲間がいます。
■当学園には種族制限はありません。お好きな種族と得意分野でどうぞ。
■オリジナルキャラクターでも版権キャラクターでも参加できます。
完走したスレのキャラを使ってもOKですが、過去の因縁は水に流しておきましょう。
また版権キャラの人は、原作を知らなくても支障が無いような説明をお願いします。
■途中参加、一発ネタ、短期ネタ大大大歓迎。
ネタ投下の場合、テンプレは必ずしも埋める必要はありません。
ただしテンプレが無い場合、受け手が設定をでっち上げたり改変したりする可能性があります。ご了承を。
■名無しでのネタ投下も、もちろん大歓迎!
スレに新風を吹き込み、思いもよらぬ展開のきっかけを作るのは貴方のレスかも!
■(重要)
このスレでは、決定リール、後手キャンセル採用しています。
決定リールとは、他コテに対する自分の行動の結果までを、自分の裁量で決定し書けるというものです。
後手キャンセルとは、決定リールで行動を制限されたキャラが、自分のターンの時に
「前の人に指定された自分の未来」を変えることが出来るというシステムです。
例:AがBに殴りかかった。
その行動の結果(Bに命中・ガード・回避など)をAが書く事が可能です。
これを実行すると、話のテンポが早くなるし、大胆な展開が可能となります。
その反面、相手の行動を制限してしまう事にもなるので、後からレスを書く人は、「前の人に指定された行動結果」
つまり決定リールをキャンセル(後手キャンセル)する事が出来ます。
先の例に当てはめると、
AがBに殴りかかった→Bはまともに喰らって受けては吹き飛んだ。
と決定リールで書いてしまっても、受け手(B)が自分の行動の時に、
「Bはまともに喰らったように見えたが紙一重で避けていた」
と書けば、先に書いたレスの決定書き(BはAの拳をまともに受けては吹き飛んだ。)をキャンセル出来るのです。
ただし、操作する人の存在するキャラを、相手の許可無く決定リールで喋らせるのは歓迎されません。要注意です。
※参加に関して不安があったり、何かわからないことがあったら(説明が下手でごめんね)、どうか避難所にお越しください。
相談、質問、雑談何でもOKです。気軽に遊びに来てね。
- 3 :
- ■過去スレ
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!7thシーズン(前スレ)
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1302609427/
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!6thシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1294657842
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!5thシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1291300916
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!4thシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1284645469
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!3rdシーズン
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1278699028
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!2ndシーズン
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1273242531
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/charaneta2/1270216495
■避難所
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/42940/1295181582
【TRPG】フィジル魔法学園にようこそ!避難所 (前スレ)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/20066/1270211641
規制の巻き添えで書き込めないときは、上記の避難所か代理投稿スレでレスの代行を依頼してみてください。
代理投稿スレ(なな板TRPGまとめサイト、千夜万夜さん内)
ttp://yy44.kakiko.com/test/read.cgi/figtree/1277996017
■テンプレ
名前・
性別・
年齢・
髪型・
瞳色・
容姿・
備考・
得意技・
好きなもの・
苦手なもの・
うわさ1・
うわさ2・
【備考】
全部埋める必要はありません。
テンプレはあくまでキャラのイメージを掴みやすくしたりするものです。
また使える技や魔法も、物語をより楽しむためのエッセンスです。
余り悩まず、気楽に行きましょう。
(外部参考サイト)
TRPに関する用語の確認はこちらでどうぞ
過去ログやテンプレも見やすく纏めて下さっています
(ボランティア編集人様達に感謝!)
なな板TRPG広辞苑
ttp://www43.atwiki.jp/narikiriitatrpg/pages/56.html
- 4 :
-
テンプレは以上です。
では、新シーズンをお楽しみください。
- 5 :
- 【とある生徒の昼下がり】
入学してからしばらく経ち、私達もようやくこの学園での生活になじめてきました。
今日は授業も午前中で終了。今はちょうど3時頃、一番眠くなる時間です。
そんな私が食堂で優雅なティータイムを楽しんでいると、異国風の髪形をした男子生徒が、来る人くる人に何かを訴えています。
・・・・・・・・。
あの男子生徒は、昨夜実験棟から、「トリフィード」が逃げ出したことを警告しているようです。
あ、トリフィードっていうのは、結構グロテスクな外見の大型食獣植物らしいです。
「らしい」というのは、私はとりフィードという生き物を、直接見たことが無いのです。
だって・・・・・実験棟の手前にある植物園には、幽霊が出るってもっぱらの噂なんですもの。
ああ、ごめんなさい。話がそれました。
でも・・・・・・あの男子生徒の話は本当なのでしょうか?
そんな危険な生き物が逃げ出したのなら、先生方から何らかの警告があってもおかしくないでしょう?
でも、今のところ学園は至って平穏、平和なものです。
平和・・・・・・・。
残念ながら、そうでもないようです。
ほら、男子生徒から警告を聞いた人達が、あちらのテーブルで楽しそうに盛り上がっていますよ。
どうやってトリフィードを捕まえてやろうか、そんなことを話しているようです。
学園内で騒ぎになっていないところを見ると森に逃げ込んだ、と考えるのが妥当でしょう
でも、大丈夫なのでしょうか?
森にはいろいろな生き物が住み着いています。
(入学時、自力で森を抜けて学園に到着するというミッションがありましたが、モンスターたちのせいで大変な目にあいました)
その上、トリフィードです。
実験のために捕獲されたらしいですが、本来はジャングルの中で、大型の獣や巨大トカゲを食べているような生物です。
魔法が発動できない生徒が遭遇でもしたら、大変なことになると思うのですが・・・・・・。
そのうち夜になってしまいます。森に行く命知らずは、それなりの準備が必要でしょうね。
あら?あちらでは、先生が掲示板にお知らせを貼ろうとしています。先生では手が届かないでしょうから、私がお手伝いましょう。
何が書いてあるのかしら・・・・・・あら。総代のエンドウって男性、どうやら本格的に行方不明のようですね。
一番に見つけた人には、何かしらのご褒美が出る・・・・あら、素敵。
トリフィード探しは危なくて無理だけど、総代捜索なら私でも気軽に参加できるかもしれませんね。
うーん、探すとしたら、どこから行こうかしら?
- 6 :
- 小柄な金髪少女が、大きな鞄を抱え廊下を急いできた。
背中には、背丈ほどもある箒を担いでいる。
おまけに肩から提げた鞄が重いのだろう、あちこちでよろけては、人にぶつかりそうになってぺこぺこ頭を下げていた。
そんなメガネ少女の名前はリリィ。今期の新入生だ。
彼女は箒で空を飛ぶこと、テレパシーで言葉を伝えること、そして怪我などを癒す程度の力しかない。
特別な力を持つ生徒が集まる学園中では、どちらかといえば中の下の実力である。
さて、そんな落ちこぼれ寸前のリリィが先を急いでいるのにはわけがある。
それは、新入生総代で彼女の友人でもある「エンドウユウキ」が行方不明だからだ。
「エンドウユウキ」の婚約者であるマコトは、エンドウはきっと何か面倒ごとに巻き込まれたのだと心配している。
(実際、昨日遠路はるばるやってきた婚約者に何の書置きも無く、姿を消す男がどこにいるだろう?)
結局マコトの捜索は空振り、また校内放送を入れても何の反応も無かった。
(食堂で聞き込みをすると言っていた友人のエンカも、きっと空振りだった可能性が高い)
こうなるとマコトの推理どおり、エンドウは森に消えたと考えるのが妥当だろう。
そんなわけでリリィとマコト、そしてその友人達は、エンドウ捜索のための準備をし、森に入ることになったのだった。
リリィは仲間達と、食堂前におかれた掲示板のところで待ち合わせをしていた。
各自準備出来次第、ここに集合、という約束をしていたからだ。
だがリリィは、少し準備に手間取ってしまった。
もしかしたら、皆はリリィを置いて先に行ってしまったかもしれない。
そんなリリィの耳に、廊下で談笑する生徒達の話が切れ切れに届く。
漏れ聞こえてくる言葉から察するに、どうやらもう、「総代行方不明」とトリフィードの話は「ここだけの話」では無くなったらしい。
(おっかないトリフィードはともかく、エンドウ君捜索は人手があったほうがいいよね!)
そんなことを考えていると、ようやく食堂前の掲示板が見えてきた
「すみませーん、すみません・・・・・ちょ、ちょっと通してくださぁい」
掲示板の前の人だかりをかきわけながら、リリィは約束した場所に到着した。
「ごめん皆、遅くなった!」
皆はまだ、リリィを待っていてくれるだろうか?
エンドウを死ぬほど心配していたマコトは、とっくに森に入ってしまったかもしれない。
いくら強いとはいえ、彼女もまたか弱い乙女である。一人で大丈夫だろうか?
まあ、仮に皆から置いてけぼりにされたとしても、掲示板に何らかの書置きがあるだろうから問題ないのだが。
「そういえばエンカ、エンドウ君が食堂に来たかどうかを聞き込みしてくれたはずだよね?結局どうなったんだろ?」
- 7 :
- >6
「荷物、重そう…ですね?よろしければ、少しお持ちしましょうか?」
一人のおとなしそうな女性がリリィにそう声をかけてきた。
彼女はリリィよりずっと年上のようだったが、
学園で女子生徒に支給されるセーラー服の制服と、
指にはめられた指輪が、学園の生徒の一人であることを示していた。
東洋系の黒い髪を彼女がそっと掻き上げると、甘い梅の花のような香りがした。
「あぁ…あなたですね?さっきエンカさんがバラバラになったと、テレパシーを発信したのは。」
リリィの返事を聞いた彼女はそう言った。
「先ほどエンカさんに会いました。あなた達のおかげで、体が元に戻ったと、そう言っていましたよ?
それにしても、大変な荷物ですね。どこか街にでもお出かけするのですか?」
彼女はリリィにそう聞いたが、そういう女性の方こそ大きなトランクを手にぶら下げていた。
「…申し遅れました。私はトモエ、トモエ・ユミと申します。」
名前・トモエ・ユミ
性別・女
年齢・28歳
髪型・黒のポニーテール
瞳色・黒
容姿・白いセーラー服姿。胸元に菖蒲(しょうぶ)の花のワッペンが付いている。
備考・魔法学園の女子生徒の一人。女子生徒の一人。大事なことなので(ry
物静かでおとなしい物腰をしている。しかしその本性は・・・
好きなもの・子供。正義。
苦手なもの・笑うこと。空気の読めない人。寒さ。
- 8 :
- >5-7
図書館から出たメイド長は、そこで昨日の客人達がどこにいるのか、
行き先などの当てが自分にはない事に気付いた。気が急いていたが故の
失策であるが、後悔しても事態は好転しないのだ。最悪虱潰しに探すしかないと
自身に言い聞かせ、周囲に目を配りながら歩いていく。
そしてメイド長は、途中で耳に飛び込んできた『総代・炎道勇気行方不明』と言う
情報を確かめる為食堂の掲示板までやってきていた。そこに貼られていた学園側からの
知らせには確かに書かれている。決して幸先のいいスタートを切れたと言えないメイド長には
炎道勇気の消息不明は運命の神とやらの悪意でしかなかった。
(「……何と言うこと。すぐに見つかると楽観していたわけではないけれど
こちらはこちらで問題が発生していたなんて……落胆している場合ではない。
可能な限り早く探し出して連れて行けばいい、手順が一つ増えただけよ」)
ネガティブな思考を無理やり断ち切り早速森に向かおうとして……
>「ごめん皆、遅くなった!」
聞こえた声にハッとなって顔ごと視線を向ける。
そこには、パズルのピースの一つである少女がいた。その近くにはいくらか見た顔もいる。
『昨日裏図書館を訪れた一行』を探していた、メイド長にとってこれは嬉しい誤算であった。
「……少々よろしいでしょうか。昨日は突然の来訪の為満足におもてなしも出来ず。
私は小用があってこちらに来たのですが、あの赤い髪の殿方が行方不明と今知りまして。
お邪魔でなければ私もお手伝いいたしますが、よろしいでしょうか?」
落ち着いた調子で協力を申し出るメイド長だったが、周囲の彼女を見る目は
どこかおかしかった。まぁ、少なくともリリィはメイド長の格好を見て唖然とするだろう。
何しろメイド長は、何故かバニーガールの衣装を纏っているのだから。
ご丁寧に兎の耳飾り付きのカチューシャにふかふかの尻尾まで着けていらっしゃる。
……しかし、歩き辛くバランスの取り辛いピンヒールを履いているのにその姿勢に乱れは見られない。
素人目で見てもこの手の装いに慣れているのだろう事が嫌でも分かってしまう。
……これでもかと言うほどのナイフやダーツを収めたレザーベルトを二の腕や太股に巻いていなければ
ただの気合の入ったコスプレで済んだのだろうが。
ふとメイド長は、リリィの傍にいる幾人かの初顔に意識を向ける。
管理者と傍仕え達は、あまり多くの学園関係者に自分達の素性を知られたくない理由がある。
その為、つい無意識に一期一会で済まなそうな余人には警戒心を抱いてしまう。
「ところで……そちらの方々とお会いするのは初めてですね。
私は……見ての通りちょっと危険なバニーですわ」
そんな内面を笑顔で隠し、メイド長は挨拶と自己紹介を行った。
- 9 :
- 自分の3倍ぐらいの大きさのリュックサックを背負った猫が一匹
それだけでも普通ではないのにさらに二本足で歩いていた
猫の名前はグレン、フルネームはグレン・ダイザーである
「にゃあ」(やっぱ人間サイズのリュックはでかいや)
彼の背負っているリュックの外側にはメッシュのポケットが着いており
そのポケットには奇妙な瓢箪が収められていた
瓢箪の中には怪我をした彼の主人フリードリッヒ・ノクターンが
魔法の力で中に入っており瓢箪の効力でその怪我を癒している
魔法で治せばすぐではないか?という疑問もあるだろうが生憎彼らは癒しの魔法というものを習得していないのだ
>6-8
彼らの目指す目的地は食堂前の掲示板
そこには失踪してしまった彼らの友人を探すためのメンバーが集まっているのである
「にゃにゃあ」(来たわよ)
『わよ?』
何故かオカマ口調で到着したことを伝えるグレン
別に深い意味は欠片もない
>「そういえばエンカ、エンドウ君が食堂に来たかどうかを聞き込みしてくれたはずだよね?結局どうなったんだろ?」
「にゃー」(僕知らないよー)
>「先ほどエンカさんに会いました。あなた達のおかげで、体が元に戻ったと、そう言っていましたよ?
それにしても、大変な荷物ですね。どこか街にでもお出かけするのですか?」
>「…申し遅れました。私はトモエ、トモエ・ユミと申します。」
「にゃあん」(知らないお姉ちゃんだ)
どうせ自己紹介しても相手がケットシー語を習得しているか定かではないため
とりあえず見ているだけのグレン
『こんな姿で申し訳ございませんフリードリッヒ・ノクターンです』
と瓢箪に入ったまま挨拶をするフリード
まさか今回怪我が治るまでずっと瓢箪の中なのか?
>「……少々よろしいでしょうか。昨日は突然の来訪の為満足におもてなしも出来ず。
私は小用があってこちらに来たのですが、あの赤い髪の殿方が行方不明と今知りまして。
お邪魔でなければ私もお手伝いいたしますが、よろしいでしょうか?」
「にゃん」(仲間が増えるよやったねフィー坊)
『それは死亡フラグですよグレン』
>「ところで……そちらの方々とお会いするのは初めてですね。
私は……見ての通りちょっと危険なバニーですわ」
「んにゃあ!」(危険なのかよ!)
『危ないのは保健医の趣味だけにしてください』
ついカッとなって突っ込みを入れるグレンとフリード
「うな〜ご」(まあ猫の森を探索するんなら僕が道案内するからドロブネに乗った気分で付いてきてよ)
『ドロブネじゃ沈んじゃうじゃないですかグレン』
まあ実際問題猫であるグレンが一番ガンダ・・・・もとい猫の森に詳しいのだから仕方がないだろう
- 10 :
- アザトースユニバースフォースブリザード!?♪。
- 11 :
- 真は皆と一度分かれた後、勇気の部屋へと向かった
まだ正式な部屋が決まっていないということで、真の荷物はまだ勇気の部屋にある
そもそも、朝から勇気を探していた真にとっては部屋の移動をしている時間はなかった
真は部屋には伊織がいて、荷物の整理をしているものだと思っていた
しかし、朝に部屋を出たときと同じ景色を見たとき、伊織が今日一日、暇を貰っていることを思い出す
「そうや、伊織もおらんかってんな……」
誰もいない部屋、荷物が散乱した部屋
目に入った光景は、真は心の片隅に一抹の不安がわき上がらせるには十分だった
だが、それを言葉にするとその不安が一気に支配されてしまうと思い、口に出すことはしない
しかし、彼女は別に不安だけが彼女の行動原理というわけではない
勇気は一体どこに行ってしまったのか? 伊織が見つけた面白い物とは?
不安とは余所に2人の動向にたいする好奇心もまた彼女が勇気を探す動機でもあった
真は2人から一体どういう話が聞けるかを楽しみにしながら、彼女は普段着の着物から戦闘用の改造巫女服に着替え、颯爽と部屋から飛び出した
「勇気はどこに行ってもうたんやろ?死んでなかったらええねんけどな。伊織は伊織でおもろいもんってなんやろ
明日聞いてみよ」
真は実際には勇気が死んでいるなど、微塵も考えていなかった
自分が好きな人に対する信頼が彼女を心の中に強大な柱となって存在している
だから彼女は希望を持っている
学園内 食堂前掲示板前
「みんな揃ってるみたいやね」
真がやってきたとき、リリィとグレンがいた。
あとは初めて見る人間が二名が2人の周りに居る
やってきたとき、ちょうどバニー姿の女性が自己紹介を始めるときだった
>「ところで……そちらの方々とお会いするのは初めてですね。
私は……見ての通りちょっと危険なバニーですわ」
「もしかしてこれが噂のクビチョンパウサギちゃうん!?」
大量のナイフを持っているメイド長の姿を見て狼狽する
>「…申し遅れました。私はトモエ、トモエ・ユミと申します。」
見たところ、同郷の出で立ちの女性
すこしおっとりした印象を感じさせる話し方は良家のお嬢さんを連想さした
「私は天海 真や。この掲示板に行方不明で捜索届けが出されてる炎道勇気の許嫁や」
簡単に自己紹介をすます
「ところであんた達も勇気の創作に協力してくれんの?」
ここに居るなら当然そうなんでしょ?といった感じの様子
>「うな〜ご」(まあ猫の森を探索するんなら僕が道案内するからドロブネに乗った気分で付いてきてよ)
『ドロブネじゃ沈んじゃうじゃないですかグレン』
「しょうもない漫才してんと、とっとと勇気探しにいこうや!」
真は前置きなどいらんといった様子でさっさと森にレッツゴーしたい様子だ
「猫の森ってガンメンヒッカキネコとかメンタマエグリカラスとかけったいな動物が居そうなきがするわ〜」
猫とカラスとの関係性は謎です
- 12 :
- >7-11
>「にゃにゃあ」(来たわよ)
「わーっ!!リュックが喋った!!!・・・・・・って、グレンじゃない!
どうしたのその大荷物!って、そっか。フリード君まだ回復してないから、代わりにがんばってるんだね。グレンはおりこうさんだねぇ!」
リリィはグレンの頭をなでなでした。
>「荷物、重そう…ですね?よろしければ、少しお持ちしましょうか?」
「あ、ありがとうございま・・・・・・」
振り向いたリリィは、相手の姿を見てそのまま固まってしまった。
そして女性の頭のてっぺんから足先までたっぷり眺めた後、彼女の指輪に目を留めた。
そして女性の顔を見て、ごしごしと目をこすった後、もう一度指輪を確認などしている。
・・・・・・リリィが今何を考えているのか、きっと相手の女性には筒抜けだろう。
そして、失礼極まりない話である。
相手の外見と実年齢が必ずしも合致しない、という魔法使い間の常識に、いまだ慣れていないリリィであった。
「い、いえ・・・・・・私は、お気持ちだけで十分です」
そう言ってから、気づく。自分ではなくグレンに言ったのだと。
彼女がつややかな黒髪をそっと掻き上げると、甘い花のようないい香りがした。
リリィは再び彼女と目を合わせた。
なんとなく、レベッカやメイションと似た雰囲気を感じるのは、東方系の顔立ちのせいだろうか?
>「あぁ…あなたですね?さっきエンカさんがバラバラになったと、テレパシーを発信したのは。」
「ええっ?!な、何でわかったんですか?」
リリィは飛び上がるほど驚いた後、今までの自分のぶしつけさにはっと気づき、一人赤くなった。
だが女性はそれほど気を悪くした風でもなく、先ほどエンカと会ったことを話してくれた。
(エンカったら、聞き込みのついでにちゃっかりナンパなんかしてたんだ・・・・・)
リリィは「女性に声をかけるのは男の礼儀だろ!!」と言いながらポーズをとるエンカを勝手に想像し、一人ムカムカした。
(もう!!女難にあったばかりなんだから、ちよっとはおとなしくしてればいいのに!)
>それにしても、大変な荷物ですね。どこか街にでもお出かけするのですか?」
「いえ。私達は・・・・・・」
リリィは女性に、総代が行方不明になったことなど、今から探しにいくことになったいきさつなどかいつまんで話した。
>「…申し遅れました。私はトモエ、トモエ・ユミと申します。」
「私はリリィです。この子はグレン。フリード君は瓢箪の精なんかじゃなくて、美人さんで、グレンの主さんだよ!
ところでトモエさん、あなたもすごい荷物ですが、今からどちらかにお出かけなのですか?」
トモエが森に行くと聞いたら、リリィはきっと飛び上がってこう止めるだろう。
「だめですよ!すっごく危ないんですから!一人で森に行くなんてとんでもない!」と。
リリィが何か言おうとしたところで、ふと、その場にいたギャラリーの視線がいっせいにこちらを向いたことに気づく
「?」
否、正確には、リリィではなく、リリィの背後のようだ。
背後から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
リリィは声の主を知っている。
学園の七不思議、裏図書館の管理人。
その管理人の右腕とも言える、有能(だがちょっと変)なメイド長のものだ。
彼女はすでにエンドウが行方不明だということを知っており、助力を申し出てくれている。
「本当ですか?!一緒に探して下さるなんて、すごく心強・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
心強いです!!と言おうとしたリリィだったが、振り向いたとたん、がくんと顎が落ちてそのままフリーズしてしまった。
その間にマコトが到着し、バニーちゃん@メイド長の自己紹介は続く。
(・・・・・・うーん、つまり今は、メイド長さんじゃなくバニーちゃんと呼んだほうがいいってことかな?)
考えるべきところはそこではない。
- 13 :
- マコトはメイド長の姿から、バニーちゃん=クビチョンパウサギだと勘違いしたようだ。
「ち、違うよ!・・・・・・・・・ち、違うと思う・・・・・違うんじゃないかな・・・・・・どうなんでしょうバニーちゃん」
メイド長は肯定とも否定ともつかない笑顔を湛えている。
「よ、よろしくお願いします。
それはもしかして、メ、じゃなかった、バニーちゃんの私服、ですか?
に、似合ってますけど・・・・・・森の中歩きにくくないですか?夜寒かったり、虫にさされたり、変質者がついてきたりとか・・・・・・。
あっ、こちらのセーラー服の女子生徒は、女子生徒のトモエ・ユミさんです」
大事なことなので二度言いました。
>「私は天海 真や。この掲示板に行方不明で捜索届けが出されてる炎道勇気の許嫁や」
「そうそう、エンドウ君の写真がないと困ると思って、がんばって似顔絵描いてみたんだよ!どうかな?」
リリィは、満面の笑顔でマコトに絵を差し出した。
「すごくよく描けたと思うの。そっくりでしょ?捜索願と一緒に貼ってもいい?」
貼れば、いらぬ混乱を招く結果にあるだろう。
>「しょうもない漫才してんと、とっとと勇気探しにいこうや!」
「えー、道案内は大事だよ〜?トモエさんだってそう思うよね?」
リリィは声を潜め、マコトに耳打ちする。
「猫の森ってガンメンヒッカキネコとかメンタマエグリカラスとかけったいな動物が居そうなきがするわ〜」
「えー、なにそれ、なんかかわいい。グレンはどんな生き物か知ってる?」
リリィはグレンのリュックを持ち上げると、よろよろと歩き出した。
以前森の中にある、総裁宅を見学しに行ったとき、リリィ達は夜の森に入ったことがある。
今はまだ日が高いが、そのうち森は漆黒の闇に落ちるだろう。
そうなる前に無事エンドウを助け出すことができるのだろうか?!
「あーっ!!しまった!!!」
森の中をしばらく歩いていると、急にリリィが大声を出した。
「どうしようどうしよう!そういえば私、アリス先生のお部屋訪ねるのすっかり忘れちゃってた。
ねえ、どんな話だったか知ってる人いる?」
・・・・・・・ところで、森の中を歩きながらの大声は、敵に見つかるリスクがあり大変危険です。
よい子は真似しないでね。
- 14 :
- >8>9>11>12
>『こんな姿で申し訳ございませんフリードリッヒ・ノクターンです』
>と瓢箪に入ったまま挨拶をするフリード
「…私、疲れているのでしょうか?瓢箪が口をきいたように聞こえましたが…?」
トモエ・ユミはごく一般的な反応を返した。
>「私はリリィです。この子はグレン。フリード君は瓢箪の精なんかじゃなくて、美人さんで、グレンの主さんだよ!
> ところでトモエさん、あなたもすごい荷物ですが、今からどちらかにお出かけなのですか?」
トモエ・ユミは改めてグレン達に挨拶した後、リリィに話をした。
「あなたが、何を考えてらしたか、よくわかります。
私、小さい頃に学校へ通うことができませんでした。
だから、今こうして学校へ通って、皆と一緒に勉強ができること、嬉しく思っています。」
トモエ・ユミは自分の行き先を話さなかった。言葉とは裏腹に、トモエ・ユミは一切笑わない。
「…ですので、あなたが私を“大人っぽすぎる”と思ったこと、私、気にしてませんから。」
トモエ・ユミは気分を害しているわけではなく、ただ笑うのが苦手なだけである。
しかし、無表情でこういう言われ方をすると、なんだか話しかけづらく感じることだろう。
少しすると、どうやら食堂に集まってきたメンバーの知り合いらしい女が話しかけてきた。
>「ところで……そちらの方々とお会いするのは初めてですね。
> 私は……見ての通りちょっと危険なバニーですわ」
「…トモエ・ユミです。」
トモエ・ユミはバニーにそう名乗った。バニーの格好はトモエ・ユミの感覚からすると乱に見えたが、
きっとそういう文化なのだろうから変な目で見てはいけないと思い直すことにした。
今自分が着ている服だって、太股が見えるのだから正直恥ずかしいのだ。
>「ところであんた達も勇気の捜索に協力してくれんの?」
天海真と名乗った少女は自分とバニーが天海真達の手伝いをしてくれるらしいと思っているようだった。
なんでも、炎道勇気という男子生徒がいなくなってしまったらしい。
バニーの方は知らないが、トモエ・ユミには彼女達に協力する気は無い。
むしろ炎道勇気を探すために森に入ろうと一行が考えているのなら、それはトモエ・ユミにとって好ましくないことだった。
「あなた達はエンカさんから聞かなかったのですか?森には今学園から逃げ出したトリフィードが潜んでいます。
とても危険な怪物です。退治されるまで、森に入ろうだなんて考えないでください。」
トモエ・ユミはペコリと頭を下げた。
「すみませんが、私、急ぎの用がありますので、これで失礼します。
いいですか?トリフィードが退治されるまで、森には入らないでくださいね。」
トモエ・ユミはそう言って一行と分かれ、そそくさとどこかへ行ってしまった。
揺れる彼女の髪から、再び梅の花のような甘い香りがひろがった。
- 15 :
- 森の中の木から木へ、枝から枝へと颯爽と移動する多数の影もあれば
森の要所を抑え じっと待ち構える影の姿もあった
「こちら捜索班、 現在、目標は発見できず 捜索を続行します」
「こちら警護班A分隊、森の中の各ポイントへ展開完了、警護対象到着まで待機」
一方、学園校舎にも同じような影は現れていた、屋上や渡り廊下 通気孔など至る所に彼らは居て生徒達を監視しているだろう
「ご苦労様、では各員任務を続行なさい」
ブレは部下からの報告を聞き、通信に使う趣味の悪い金ぴかの鏡を懐にしまった
「野獣探しと子供の護衛…
お膳立ては済みました…誰一人“まだ”死なれてはならない…」
吐き捨てるようにブレはそっと呟き、コートの襟を正した
「では行くとしましょう、もうじき戦いはやってくる」
いつのまにか その場所から大男の姿は消えていた
- 16 :
- >11-14
>「猫の森ってガンメンヒッカキネコとかメンタマエグリカラスとかけったいな動物が居そうなきがするわ〜」
>「えー、なにそれ、なんかかわいい。グレンはどんな生き物か知ってる?」
『そうだね僕らの種族はもちろんアダンダラに猫又にリュンクスと猫系いっぱいいるよ』(猫語)
とグレンは言う・・・・だがケットシー語を習得していないと意味が分からないよだろう
『一番危険なのは土星からの猫・・・・正直あれを猫族とは認めたくないけどね』(猫語)
土星からの猫(出典:クトゥルフ神話)
虹色の蔦が絡まって唐草模様のように猫に似たシルエットを形作った生物
すべての猫族の敵で月の裏側で猫族と戦争を繰り広げているらしい
親類に冥王星からの猫がいてそれはもっとマッチョである
『それ見たら正気度が下がっちゃうあれじゃないですかやだぁ!!』
とフリード
もちろんこれはグレンのキャットジョークである・・・・・
だよね、クトゥルフ系モンスターなんていないよね
>「すみませんが、私、急ぎの用がありますので、これで失礼します。
いいですか?トリフィードが退治されるまで、森には入らないでくださいね。」
トモエの言葉はなんだったのかとツッコミを入れたくなるほどナチュラルに森を進んでいく一行
>「あーっ!!しまった!!!」
>「どうしようどうしよう!そういえば私、アリス先生のお部屋訪ねるのすっかり忘れちゃってた。
ねえ、どんな話だったか知ってる人いる?」
『つまりかくかくでしかじかという事なんですよ』
とアリスとの会話内容を話すフリード
『かくかくしかじか四角いムーブだよ』(猫語)
「まてい!ここから先は通さん!!」
その一行を妨げる3つの影
「レッド!ゴブリン!!」「ブルー!コボルト!!」「イエロー!オーク!!」
「「「我ら正統派ファンタジー3悪党!!!」」」
なぜか色の着いたドミノマスクを着けたゴブリンとコボルトとオークが現れた
『雑魚だね』(猫語)
『雑魚ですね』
余りにも絵に書いたような雑魚敵だったので油断しまくる一人と一匹であった
『っていうか猫の森にはゴブリンは居ないんじゃ?』
と当然の疑問をぶつけるフリード
『猫の森はもうちょっと向こうだよ』
どうやらもっと奥に行かないといけないらしい
- 17 :
- >13 >16
森の中、普通の人間なら歩きにくいであろう獣道を、ミクは普段と変わらぬ足取りで歩いている。
時々木の幹等に軽く手で触れているのは、蜘蛛糸を張って周囲の状況を把握するためだ。
それは癖のようなものであって、なにか意図があっての行動ではない。
現にブレの配下や、トリフィドや炎道を探す者たちが森に入っているのをある程度は把握している。
してはいるが、自分に関係してこない者をどうこうするつもりはミクには無かった。
以前屋上であった戦いの時、ミクは本来の姿である大蜘蛛の足を数本失う深い傷を負っている。
今の姿では確認できないものの、傷が癒えるまでは荒事は避けてじっとしていたいのが偽らぬ本音なのだ。
ではなぜ、ミクは森の中をうろうろと出歩く羽目になっているのか。
それは少し前にミクの自室にやってきた、アリスと名乗る教師の依頼によるものだった。
『総代の炎道くんを探してほしいの〜』というアリスの依頼を、義理も義務もないミクはすぐに断った。
それでもアリスはお願いを続け、断る事7回お願いされる事8回目についにミクも依頼を受ける事になる。
根負けしたのではない。
見えない傷の心配をされた上に、総裁との協力約束を知っているような素振りを見せるアリスの詮索を嫌ったのだ。
以前、ミクは総裁の館でベッドフォード総裁に協力すると言っている。
知られたからどうという事でもないのだが、無駄に教師達に目を付けられるのをミクは望まない。
それが見えない傷に気づくような相手ならなおさらである。
そんなわけで、嫌々炎道捜索に参加したミクのやる気は限りなく低い。
森には肉食植物が逃げ込んでいるし、元々危険な生き物が何種類も潜んでいる。
炎道という総代がまだ生きているかどうかも怪しいものだ。
>「あーっ!!しまった!!!」
リリィの大声を聞いたのは、ミクが散策は適当に切り上げて帰ろうかと思っていた時だった。
以前何度か会ったことがあるため、リリィの声はよく知っている。
リリィが真と一緒に炎道を探しに来たであろう事も、食堂での真やフリードとの会話から推測できた。
ミクはほんの少し楽しそうに微笑んで、それから糸を使ってするすると樹上に登り始めた。
他の危険な生物が近寄ってくる前に、急いでリリィ達と接触するために。
>「「「我ら正統派ファンタジー3悪党!!!」」」
急いだのだが、すでに目的地には先客がいた。
まだ森の奥深くからは離れているためか、木陰から確認した限り危険な相手ではなさそうだが。
私は雑魚敵ですと全身で主張しているような3体を見ながら、ミクは“挨拶”の方法について考えた。
ミクは身を潜めたままごく細い糸を操り、赤いマスクの小鬼に巻きつけて空中に釣り上げる。
細くても強い蜘蛛糸は、小鬼が暴れた程度で切れたりはしない。
しばらく空中でぶらぶらと振り子運動をさせた後、ミクは糸を操って小鬼をリリィに向けて放り投げた。
一同の中で一番よく知った相手であるリリィへの、再開を祝したちょっとした“挨拶”だ。
- 18 :
- 代理投稿お願いしますね。以下本文
ぐしょぐしょに濡れたも着替え、それなりにそれなりな装備で万全を期しているロロだが、待ち合わせの時間には少し遅れてしまった
それも偏にキラーチェーンへの罠を解除し忘れていたのを思い出した結果なのだが……
という訳でロロは森を走っている。そしてようやっと皆を見つけられた
しかし見えているのは顔。どこをどう動いたのかは定かではないが、どうやらロロは回り込んでしまったらしい
「ごめん。遅れちゃったみたいでっ!?」
ヒジョーに胡散臭い笑顔で爽やかに合流しようとした時、何かに蹴っ躓いてその場で派手に一回転
どうもオークを蹴ってしまったらしい
一体学内でキラーチェーンの虚を突き善戦した男はどこへ行ったのか?
- 19 :
- >「すごくよく描けたと思うの。そっくりでしょ?捜索願と一緒に貼ってもいい?」
「リリィ、絵めっちゃ上手いやん!!そうそう、まっかな髪の毛つんつんで目つき悪いねんな
でなんか凶悪そうなかおしてんねん……って、これやったら手配書やないの」
書いて来た絵はどことなく犯罪者顔だった
>「あなた達はエンカさんから聞かなかったのですか?森には今学園から逃げ出したトリフィードが潜んでいます。
とても危険な怪物です。退治されるまで、森に入ろうだなんて考えないでください。」
「なんや、そんなもん。私も炎極で炭に変えてやるわ」
真はケラケラと笑っていた
>「すみませんが、私、急ぎの用がありますので、これで失礼します。
いいですか?トリフィードが退治されるまで、森には入らないでくださいね。」
「勇気を探すん手伝ってくれるんやないんや……」
真は寂しそうにトモエの後ろ姿を見送った
>『一番危険なのは土星からの猫・・・・正直あれを猫族とは認めたくないけどね』(猫語)
『めちゃめちゃ危険そうやな。なんやねん、お月様の裏で戦い続けてるって。うさぎさんは大丈夫なんか?」
月のうさぎさんがつくお餅が猫族の食料なんだとかなんとか
>「「「我ら正統派ファンタジー3悪党!!!」」」
森を奥に進むとなにか変なのが出てきた
「なんなんあれ?ぶっしてもいいん?」
このこはデンジャラスんあんであしからず
全員余裕で小鬼を眺めていたら、赤い小鬼が宙に浮いてリリィの胸に飛び込んでいった
「とんだエロ鬼さんやな」
真は少し呆れた顔をしつつも笑いをこらえていた
- 20 :
- >14 >16-19
「ねえ、メイ・・・・・・じゃなかった、バニーちゃん。
やっぱりさ、『ちょっと大人っぽすぎるんじゃない?』って感じの視線向けられたら、気分害しちゃう?」
リリィはメイド長の返答を聞き、はあー、っと大きなため息をついた。
「あーあ。何で私ったらこう、考えなしなのかなぁ?魔法使いの外見ほど、あてにならないものは無いっていうのに」
どうやらリリィは、食堂で別れたマミのことを考えているようだ。
急ぎの用があると言っていたが、あんな荷物を持って、どこに行くというのだろうか。
>16
リリィは、既にアリスの部屋を訪れていたフリード達から、どんな話があったかを聞いていた。
「へえー、そうなんだ。ところでグレン、しかくいむーぶって、なあに?」
グレンの説明はとてもわかりやすいのだが、時々よくわからない単語が飛び出してくるので困る。
>「まてい!ここから先は通さん!!」
その一行を妨げる3つの影
リリィはぽけーんと大口を開け、3人の見得を眺めている。
>「「「我ら正統派ファンタジー3悪党!!!」」」
「悪党なんだ・・・・・・」
>『雑魚だね』(猫語)
>「なんなんあれ?ぶっしてもいいん?」
「いやそこはもっと素直に驚こうよ!じゃなくて!さりげなく挑発なんかしないでよ!
ほらあ!3悪党がすっかり怒ってるじゃないの!!」
リリィは持っていたカバンに片手を突っ込み、中をがさごそかき回し始めた。
あーでもない、こーでもないとぶつぶつ言っていたリリィが、突然顔をぱあっと輝かせる。
「あ、あった!今のピンチを回避してくれる便利な道具!
そうよ、どれほど危険な相手でも、血を流すことなく、その場を収め話し合いのテーブルにつかせる事のできる伝説のアイテム!!
じゃーん!これだよ!見て!!」
- 21 :
-
リリィは白い布をつかみ出した。
幅30センチ強、長さ1メートルほどの白布の端には、同じ色の紐が伸びていた。
「時間が無かったから、友達の引き出しにあったのを借りてきたんだ。あ、ちゃんと借りますって書きおき残しといたから大丈夫だよ!」
見るものが見れば、白布には明確な使い道があるとひと目でわかっただろう。
だがリリィ気づかなかった。
気づかないまま、紐で白布を自分の箒の先に手早くくくりつけている。
(少々幅は狭いものの)白布がついたリリィの箒は、まるで白旗のような姿になった。
「落ち着いてくださーい!私達戦う気なんかありませんー。ここを、通り抜けたいだけなんですぅー」
ぱたぱたー、ぱたぱたーとリリィが白旗を振っている。
そうしていると、三悪党のリーダーらしき赤いマスクの小鬼が、突如宙を舞った。
赤い小鬼はまるで振り子のように空中で左右に揺れた後、リリィ向かって一直線に飛来した。
「きゃあああああ?!げふっ?!」
赤い小鬼は、リリィに激突した。
ゲスッ、ともバスっとも違う、何か痛そうな音があがった。
胸に直撃したとはちょっと考えられないような擬音である。
>「なんだこの娘の胸はっ?!どこまでもまっ平らで、まるで鶏がらではないか!・・・・・・はっ、もしや女装趣味の男かっ?!
「ひどっ?!女の子に決まってるじゃない!それより離れなさいよ!何胸に顔をうずめてるのよへんたーい!!」
>「埋められる程のぼりゅーむなどどこにも無いぞ!!お前こそとっとと離れろおー!!」
ミクの使ったくもの糸は少々長かったらしく、リリィと赤い小鬼を見えない糸で絡めてしまっている。
>「とんだエロ鬼さんやな」
「マコトちゃん、笑ってないで何とかしてー!!」
そのとき、マコトの背後の茂みが音を立てて揺れた。
>「ごめん。遅れちゃったみたいでっ!?」
「ロロ君!ロロ君助けに来てくれたの?!って、あれ?!」
爽やかな笑顔で白い歯を光らせながら登場したロロは、オークに足を引っ掛けられてしまいその場で派手に転んだ。
ロロに足を引っ掛けたオークは、電光石火の速さでバニー向かって突進する!
「バニーちゃん逃げて!ロロ君っ?ロロ君、ちょっと大丈夫?!」
リリィはまだ蜘蛛の糸に絡まったままで、起き上がれないようだ。
今までにミクの放つ糸を体感した彼女だったが、過去の経験に学ぶ、ということは無いようだ。
「グレーン、バニーちゃーん!マコトちゃーん。フリードくーん!神様ー!!
もう、誰でもいいからお願い助けてー!!」
- 22 :
- >17-21
>「なんなんあれ?ぶっしてもいいん?」
『首根っこへし折って脊髄ぶっこ抜いちゃって良いんじゃないですか?』
「なんて残虐な瓢箪なんだ!?」
『赤ん坊をさらって氷の人形と入れ替えるような邪悪な奴らが何を言うんですか!!』
『フィー坊は瓢箪じゃないよ』(猫語)
フリードには生まれたばかりの従妹が居たがゴブリンにチェンジリングされ行方不明になり
その代わりに全く可愛くない氷の人形が残されていた
その過去にあった出来事のせいでフリードはゴブリンを憎むようになったのである
「欲しいと思ったものを奪って何が悪い?俺は欲しいものは持ってる奴から奪う主義だ」
まさに悪党であるが別に攫ったのはこいつじゃなくて別の個体である
>「なんだこの娘の胸はっ?!どこまでもまっ平らで、まるで鶏がらではないか!・・・・・・はっ、もしや女装趣味の男かっ?!
『うぇ?う、嘘ですよね!嘘だって言ってください!!』
『当たり前だろ、ねえよ』(猫語)
あからさまに動揺をするフリード
女装少年にはチョットしたトラウマがあるらしい
>「ひどっ?!女の子に決まってるじゃない!それより離れなさいよ!何胸に顔をうずめてるのよへんたーい!!」
>「埋められる程のぼりゅーむなどどこにも無いぞ!!お前こそとっとと離れろおー!!」
『女の子にそんな暴言吐くとはやっぱりゴブリンは下賎な種族なんですね』
『種族差別は良くないよ、あいつ個人(?)が下衆なだけだよ』(猫語)
>「とんだエロ鬼さんやな」
>「マコトちゃん、笑ってないで何とかしてー!!」
>「ごめん。遅れちゃったみたいでっ!?」
>「ロロ君!ロロ君助けに来てくれたの?!って、あれ?!」
メイド長に向かって突進していくイエローオーク
『黄色い豚がそっち行ったよ』(猫語)
「ウサギなんてカレーの具にしてやんよ」
やはり黄色だけにカレーが好きなようだ
だがカレーの具は豚肉の方ではないだろうか?
>「バニーちゃん逃げて!ロロ君っ?ロロ君、ちょっと大丈夫?!」
>「グレーン、バニーちゃーん!マコトちゃーん。フリードくーん!神様ー!!
もう、誰でもいいからお願い助けてー!!」
『僕はコボルトと戦うのに忙しいから無理だよ』(猫語)
猫パンチでブルーコボルトと殴り合っているグレン
「コボルパンチ!!」
『キャットパンチ!!』(猫語)
完全に互角である
ちなみにコボルトは犬扱いされることが多いが実は爬虫類タイプのヒューマノイドである
だから猫であるグレンが平然と殴り合っても平気なのだ
『背中がまだ痛みますがそろそろ僕が出て戦うべきでしょうか?』
フリードリッヒが出て戦列に加われば憎いゴブリンに対し容赦ない足し技を仕掛けるであろう
むやみな生はいけないが3分の2しまでなら大丈夫がフリードの主義である
- 23 :
- >>16-22
「警護対象と未確認勢力が遭遇 警護対象の1人が捕縛された模様」
「警護対象に未確認勢力と思われるオークが突進していきます 少尉!」
木の上で生徒達と小鬼のやり取りを見ていた特務隊の隊員達は見る者が見れば微笑ましいかもしれない光景をシリアスに報告していく
「奴らは本来の目標ではないが ここで死人を出せば大尉の命令も遂行できなくなる
我々の存在に気づかれるのは不本意だが仕方ない
各員、まずは俺が突進するオークの動きを止める、その後 貴様等は周辺に制圧射撃を行い 小鬼共を牽制しろ
捕縛された警護対象を救出する時間を彼らに与えればいい」
別の木の枝から双眼鏡を覗き、少尉と呼ばれる屈強な男は部下達に指示を下す
その屈強さはブレに負けずとも劣らない程だ 少尉は魔導銃を構え オークとバニーの間に氷の弾丸を撃ち込んでいく
「制圧射撃 開始!!!!」
少尉の号令と共に小鬼達と生徒達の周辺へ氷の弾丸が次から次へとばらまかれる
いつのまにか木という木の枝の上には明らかに場違いな戦闘服を着た集団が現れ氷弾を乱射しているのだ
「諸君!早く体勢を立て直せ!我々が時間を稼ぐ!」
少尉は生徒達に良く通る整然とした声で呼びかけた
- 24 :
- >18-23
> もう、誰でもいいからお願い助けてー!!」
放り投げた小鬼と一緒に糸に絡め捕られたリリィの姿を、しばらくミクは微笑みながら眺めていた。
が、絡め捕られた獲物の暴れる様を見る楽しみは、長くは続かない。
隠れていたブレの部下達が木々の間から姿を現し、敵に向かって弾を撃ち込み始めたからだ。
>「諸君!早く体勢を立て直せ!我々が時間を稼ぐ!」
どうすべきか一瞬考えた後、ミクは素早く隠れ場から出てリリィに近づいた。
「静かにしてくださいましね。 今、糸を外して差し上げますから」
人差し指を唇に当てて見せてから、リリィにまとわりつく糸を外してゴブリンから引き離す。
糸を操るミクからすれば、粘着性の糸といえどうという事もない。
無論ゴブリンを助ける理由は無いので、そちら側の糸はそのままである。
リリィから外した糸もついでとばかりに巻きつけてから、ミクはゴブリンに絡みつけた糸を操った。
ゴブリンは悲鳴を上げながら糸に引っ張り上げられ、宙吊りになる。
「皆さんこの場はこの方達に任せてこちらへ!」
ミクは周りにそう呼びかけてから、リリィの手を引いてそこから逃げ出した。
場をうやむやにして、炎道捜索隊にさりげなく合流する気になったのだ。
ミクはブレの配下達の意図は知らなかったが、用事があるなら追いかけてくるだろうと考えている。
わざわざ最初は隠れていたのだから、何の用か自分達から言いにくるかはわからないのだが。
しばらく走って雑魚3匹とブレの配下との戦いの場から離れてから、ミクはようやく立ち止まった。
ただ、リリィを引くために握っていた手はそのままだ。
「ここまでくればもう大丈夫でしょうね…皆さん、お怪我はございませんこと?」
向き直って一同を見回し、それからようやくミクはリリィと繋いでいた手を離した。
自己紹介の演出のために、リリィには近くにいて欲しかったのだ。
「まだ自己紹介をしていない方もおられますわね。
私、初音美紅と申します。
リリィさんのお友達で、森にはアリス先生の頼みで炎道総代を探しに来ましたの
以後よろしくお願い致しますわね」
ミクは、以前真に自己紹介した時と同じように自分をリリィの友達として紹介する。
仮にリリィが異議を唱えても、またまたご冗談をと笑って聞き流すだけだ。
自分に今は敵意は無いし、糸を外してリリィを助けたのも事実である。
さらにアリス先生の頼みという大義名分があるのだから、ミクとしてもあまり反発されるのは心外だ。
ちなみに糸と自分の関係を指摘されれば、驚かせようとしたちょっとした悪戯だったと答えるだろう。
元々そのつもりだったのだから、これも事実である。
そういえば。と、ミクはリリィの箒を手にとって、結びつけられた白い布をよくよく観察する。
念のためにひっくり返して裏側を確認しても、特別な物も文字も何もない。
どう見てもそれはミクの知っている褌、要するに男性用の下着にしか見えなかった。
「こちらの島では、男性用の下着を箒の先に結びつけて振るのに、どんな意味があるのかしら…」
ミクは別にリリィを困らせようと意地悪で聞いているのではない。
本当にわからないのである。
その後、自己紹介を済ませて疑問を解消した所で、ミクはようやく本題に入ることにした。
「所で、炎道総代の捜索の件ですけれど、どなたか総代の行き先をご存知の方はおられるのかしら。
婚約者の真さんは、彼の持ち物か行き先が把握できるとか?
森には危険な肉食植物が逃げ込んでいるようですから、出来るだけ早く助ける事をお勧めいたしますわ」
誰かが行き先を知っていると言えば、ミクは協力を提案して一緒についていくだろう。
知らないと言えば、糸と蜘蛛の目を使った捜索の協力を申し出る事になる。
- 25 :
- >23-24
>「諸君!早く体勢を立て直せ!我々が時間を稼ぐ!」
>「皆さんこの場はこの方達に任せてこちらへ!」
見知らぬ人達による大袈裟ではとも思える支援のおかげでピンチ(?)を逃れた一行
遠くの方から”畜生覚えてろよ”という負け犬の遠吠えが聞こえてくる
『結局彼らは何しに出てきたんでしょうか?』
『そんなの追い剥ぎに決まってるじゃない
いうなれば奴等は自分の畑を耕すより他人の畑から野菜を奪うことを選んだんだよ』(猫語)
『実力もないのに馬鹿ですよね』
『うん僕もそう思うよ』(猫語)
確かに子供にも関わらずオーガやデビル、ヌエなどの強敵と渡り合ってきた彼らにとっては雑魚であろう
だが普通の一般人にとってはそれなりの驚異のはずである
何故ならあんなのでもそれなりに鍛えた人間の成人男性より強いのだから
周りが化け物だらけだとそれが普通であると錯覚してしまい自分も化け物だということを忘れてしまう
私はそれを逆井の中の蛙現象と呼んでいる
>「まだ自己紹介をしていない方もおられますわね。
私、初音美紅と申します。」
と自己紹介をする美紅
>「所で、炎道総代の捜索の件ですけれど、どなたか総代の行き先をご存知の方はおられるのかしら。」
『かくかくしかじかで森に消えたらしいということぐらいしかわからないんですよ』
とフリードリッヒは美紅に語る
『猫の森よ!私は帰ってきたぁ!!』(猫語)
とは急にしゃぎ出すグレン
ふと上を見ると”おいでませ猫の森”と”猫語”で書かれた看板が木に打ち付けられていた
森には何故か二本足で立つ猫がそれが当たり前のように沢山たむろしていた
『よく来た余所者くつろいでいけ余所者』(猫語)
リーダーらしき老猫が無駄に尊厳な態度でそう語る
『なんだかよくわかりませんが歓迎してくれてるようです』
とフリードリッヒ
誰かが炎道のことを聞けば
『ぶっちゃけ人間族はみんな同じ顔に見えるから分かんね』(猫語)と答えるだろう
人間が来たか?と聞けば
『回転式穴掘り器みたいなのを頭に二つ着けた女なら毎日来る』(猫語)と答えるだろう
フリードがそれを聞けば
『姉さんだそれぇ!?』と反応するだろう
人間の男が来たかと尋ねれば
『確かに来たがそれが尋ね人かどうかは分からない』(猫語)と答えるだろう
赤い髪の人間を見たか?と聞けば
『ああ確かに見たけど今はどっかに行ってしまった』(猫語)と答えるだろう
- 26 :
- > 『僕はコボルトと戦うのに忙しいから無理だよ』(猫語)
「わーん!わかってるわよー!!ってか素手で殴り合ってるの!?いつもの武器はどうしたのよ!」
グレーンは(リリィには良くわからない魔法(?)で)ネコにしか使えない武器を呼び出すのだ。
>『背中がまだ痛みますがそろそろ僕が出て戦うべきでしょうか?』
「いやそれは・・・・・・」
個人的にはぜひともお願いしたいところであるが、あいにくフリードはけが人である。
リリィの口から「出てきて助けてくれ」とは、口が裂けてもいえない。
「あーもう!は、な、れ、な、さいってば!!」
リリィが芋虫よろしく、ごろごろ小人と一緒に転がっていると・・・・・・。
>「制圧射撃開始!!!!」
「?!」
思いもよらない方向から、彼女達に救いの手が差し伸べられたのだった。
「わっ、うわっ?!」
>少尉の号令と共に小鬼達と生徒達の周辺へ氷の弾丸が次から次へとばらまかれる
いつの間にか、そろいの制服らしきものを着込んだ「いかにもプロらしい」人達が援護射撃をしてくれているのだ。
ゴブリン達にすれば涙目である。
>「諸君!早く体勢を立て直せ!我々が時間を稼ぐ!」
「立て直せといわれても・・・・・なんかよくわからない魔法で拘束されちゃってま
すー。たすけてくださーい」
いい加減もがき疲れたリリィは、情けない声を上げた。
ちなみに拘束しているのは魔法ではなく、物理的な「糸」である。
しかも小鬼相手にこのていたらく。
上からの命令とはいえ、こんな小娘まで警護対象としなくてはならない彼らがあまり
に気の毒なほどの無能ぶりである。
>「静かにしてくださいましね。 今、糸を外して差し上げますから」
「ひぃっ?!そ、その声は・・・・・まさか!!」
リリィは恐る恐る振り向き、そして声にならない悲鳴を上げた。
背後に忍び寄っていたのは、ミクという少女だった。
リリィの友人の、ユリという少女の友人である。当然リリィとも面識がある。
あるのだが。
ミクは人差し指を唇に当てて見せると、リリィは蛇ににらまれたカエルよろしく硬直した。
彼女から引き離されたゴブリンが、身動き取れない状態で木に宙吊りになったところで、リリィもようやく察することができた。
「もしかして、今まで私が動けなかったのって、ミクさんの使う糸のせいだったの?!」
>「皆さんこの場はこの方達に任せてこちらへ!」
ミクはリリィの手を掴んだ。
「え、ちょっ!ぅええええええ!!」
ほっそりとした手は少し冷たく、リリィは背中から心臓をわしづかみにされたような気分になった。
ミクはリリィの動揺など歯牙にもかけず、手を引いてその場から逃げ出す。
「やだー!グレーン!マコトちゃーん、ロロくーん!フリードくぅうん!離れないでえええええ!!」
小鬼と対峙していたときよりも必死な声を残し、リリィはミクとともに、その場から姿を消した。
「ここまでくればもう大丈夫でしょうね…皆さん、お怪我はございませんこと?」
向き直って一同を見回し、それからようやくミクはリリィと繋いでいた手を離した。
リリィはひざに手を当ててぜいぜいと息を切らしている。ほうっておいてもしばらく動けないだろう。
息も絶え絶えなリリィと対照的に、ミクは息ひとつ切らしていない。
そして涼しい顔で、リリィの友人だと自己紹介をした。
「ちょ、と・・・・友達・・・と・・・違・・・・・・」
リリィの切れ切れな抗議を、ミクは笑って聞き流した。
さらに抗議しようとしたものの、本能的な危険を感じて彼女それ以上の言葉を慎んだ。
- 27 :
- 「きょ、今日は、本当にアリス、先生、の、頼み?総裁のお使いで捕まえにきた、とかじゃない、よね?」
以前リリィは総裁のお宅を破壊した容疑で捕まりそうになったことがある。
その際、リリィを捕まえに来たのがミクだったのだ。
幸い誤解が解けたのか、その後は何事も無かったように毎日を過ごしている。
が、ミクからは、時折ありもしない総裁との裏繋がりを指摘されたりするので、どうしても身構えてしまう。
(リリィ本人には全く心当たりが無いのだから、単なる言いがかりだと思っていても仕方の無いことである)
まして、彼女と関わると、今回のような不幸に見舞われることが多々あるのだから、なおさらである。
「さっきは、なんであんなことしたの?!」
あんなこと、とは、小鬼と一緒くたにされて糸で縛りつけられたことである。
かなり恥ずかしい思いをした彼女としては、抗議のひとつもしたいところだ。
だがミクは、彼女の抗議を、「ちょっとしたいたずらだった」と軽く流してしまった。
うそをついている様子は全く無いのと、それで助けられたのは事実なので、それ以上何も言えるはずがなかった。
(わーん!!でもなんか納得いかないわー!!あのゴブリン達、一発くらい天誅見舞いたかったかもっ!!)
リリィが次の言葉をぐるぐる考えていると、ミクはひょいとリリィの持っていた放棄を取り上げた。
「なにするのミクさん、大事な箒なんだから返して!!」
リリィがぴょんぴょん飛び上がって取り返そうとするのを、ミクはあっさり片手でいなした。
そして、箒と結ぶ付けた白布とまじまじと観察した後、
>「こちらの島では、男性用の下着を箒の先に結びつけて振るのに、どんな意味があるのかしら…」といった。
「知らないの?これは白旗といって、戦う意思はありませんよーっていう合図で・・・・・・え?下着?
どういうこと?これ、ただの布じゃないの?」
説明を受けたリリィは不気味なほど静かだった。
が、突然顔が真っ赤になり、ぼぼんっ!と頭から湯気が立ちそうなほど動揺しだした。
「男子トイレに押し入った挙句、下着を箒にくくりつけて振り回してただなんて・・・・・・・
だわ、完全にさんだわ・・・・・・・も、もう・・・・・・お嫁にいけない・・・・・・・」
>「所で、炎道総代の捜索の件ですけれど、どなたか総代の行き先をご存知の方はおられるのかしら。」
>『かくかくしかじかで森に消えたらしいということぐらいしかわからないんですよ』
>とフリードリッヒは美紅に語る
「肝心のマコトちゃんとははぐれちゃったのかな。一応ネコの森に行くって話をしてたから、後で合流できるよね。
ロロ君は・・・・・・・きっと私が下着を振り回してるのを見て、危ない人だと思ったんだわー。
そうよね、最初に会ったのは男子トイレの中だもん・・・・・今度こそきっと、学園中で痴女呼ばわりされちゃうのよ!
もう私の学園生活おしまいだわー!!」
- 28 :
-
わあっと泣き伏すリリィをスルーし、ミクはグレーン達と一緒にさくさくと今後の方針を立てている。
結局、一度猫の森に行くことに決定したようだ。
ネコの森への道すがら、リリィは離れた位置から、おずおずといった様子でミクに話しかけてきた。
「あ、あのさ・・・・・・昨夜、屋上でのバトルのとばっちりで魔法攻撃受けてたでしょ。
その・・・・・か、体の方、なんともないの?」
大きな荷物を抱えてふうふう言いながら、リリィはあわてた様子で付け加える。
「べ、別に心配なんかしてないからね!ひどい目にばっかり合わされてるんだから!
ただミクさん、あんまり表情変わらないから・・・・・その・・・苦しいんだか、絶好調だか、良くわかんないのよね!
一応今は同じ目的で動いてるんだから・・・・・・えと・・・・あ、あんまりつらかったら言ってよね!休憩入れるから!!」
どちらかといえば、休憩が必要そうなのは、真っ赤な顔で荷物を担いでいるリリィのほうだろう。
>『猫の森よ!私は帰ってきたぁ!!』(猫語)
「え、もうついたの?!」
ふと上を見ると、よくわからない言葉で書かれた看板のようなものが木に打ち付けられていた。
「かーわいい!!二足歩行で歩くネコちゃんがいっぱい!!」
リリィが歓声を上げた。
>『よく来た余所者くつろいでいけ余所者』(猫語)
『なんだかよくわかりませんが歓迎してくれてるようです』
「フリード君、声震えてる震えてる。そりゃ抱っこしたいよね。大好きな猫がいっぱいだもん。
まだ怪我の治療にもう少しかかるのかな?
うふふ、私だけ一足先にもふもふしちゃってごめんねー」
といいながら、グレンをもふもふする。
そして耳元で
「フリード君瓢箪から出さないのは、もしかして、ご主人様を取られたくないよーっ
ていう独占欲?」などと囁いてみる。
もっとも、猫好きのフリードをここで外に出せば、収拾がつかなくなる事態に陥るからかもしれないが。
「いいのよ、みなまで言わなくても!うふふ、フリード君ったら愛されてるぅ!
あ、ミクさん、いくらかわいいからって、お持ち帰りは駄目ですからね!
カップリングは相手の許可をちゃんと得てから、なのです!」
とはいえ、なんとなくだが、ミクは猫には遠巻きにされているような感じである。
もっともそれは、リリィ自身が(今までの経験上)なんとなくミクを苦手だと思っているせいかもしれないが。
「あ、あのう・・・・・長老様?エンドウユウキっていう生徒を探してるのですが、何かご存じないですか?」
>『ぶっちゃけ人間族はみんな同じ顔に見えるから分かんね』(猫語)
「ええ?!人間は皆同じ顔に見えるからわかんないって?!
・・・・・はっ!もしかしてグレーン、あなたも、私とフリード君が同じ女の子に見えたりするの?」
リリィはその返答を聞くと
「つまりグレーンがフリード君を主にしたのは、顔で選んだわけじゃないって事ね!
そうよ、人間、見た目じゃないんだわ」
リリィはじーんと感動しているが、今はそんな場合ではない。
- 29 :
- 長老への質問は続く。
猫語のわかるリリィは、感動をひとまず横においておいて、通訳に徹することにした。
「えっとね、『回転式穴掘り器みたいなのを頭に二つ着けた女なら毎日来る』んですって。
回転式穴掘り機・・・・・・って何だろ?」
『姉さんだそれぇ!?』
「え?お姉さんって、あのすごくお綺麗なフリージアさんのこと?」
回転式穴掘り器で、「くるくる回転するシャベル」を想像していたリリィは、ドリルのような髪との関連性が
わかっていないようだ。
「あ、あと人間族は来たけど、それが尋ね人かどうかは分からない』んだって。
・・・・・・・はっ!そうだ!」
リリィは懐から、先ほど書いたエンドウの似顔絵を取り出した。
先ほどマコトに見せた絵の下書きで、本物よりも出来は荒いが、一応の特徴は掴んでいる。
「えっ、見た?!皆、エンドウ君のこと、見たんだって!
あ・・・・・・・でも、今はどこかに行ってしまったそうよ。ここにはいないんだって」
一通り通訳を終えたリリィは、ふう、と息をついた。
「ここを通ったっていうのはわかったけれど、今後の手がかりが無くなっちゃったね。
ああ、さっき私達がゴブリンに襲われたところまで戻ったら、さっきの部隊?の人に会えるかな?
あの人たちにもう一度会えたら、エンドウくんのこと、一緒に探してもらえるかなあ?」
リリィ達がピンチになるまで姿を現さなかった事を考えると、その可能性はかなり低そうだ。
「でもあの時は、そんなお願いできるような余裕無かったもんね・・・・・・。
っていうか、あの人達誰なんだろうね?もしかして今学園に来てる、例の偉い監察官の護衛さん、とかかな?」
リリィはうーん?と腕を組んだ。
「皆、他にネコの長老さんへの質問は無い?」
無ければ、今後どうするかを考えなくてはならないだろう。
「日が暮れる前に、私が一度空からエンドウ君を探してみようか?
テレパシーで呼びかけながらだと効果あるかな?」
もっとも、校内放送で一度呼び出しをかけている以上、仮にテレパシーが届いても
返事が出来ない状況になっている可能性も捨てきれない。
「ミクさんは何か情報持ってないの?アリス先生だけじゃなく、総裁からも何か情報貰ってるのよー、とか無いの?」
とりあえずエンドウの情報交換も重要だが、それ以上に大切なことがある。
ネコの皆さんには、「トリフィード」という食獣植物が逃げ出した事を伝えることだ。
- 30 :
- きのこの化け物
- 31 :
- >25-29
>『かくかくしかじかで森に消えたらしいということぐらいしかわからないんですよ』
「そう…それは探すのに苦労しそうですこと」
手がかりが少ないと聞いて、ミクは顔色を曇らせる。
森で人を探すのは簡単な事ではない。
炎道総代が呼びかけに答えない理由はわからないが、答えられないならなおさらだ。
「ともかく猫の森とやらに行ってみるのがよろしいでしょうね」
下着がどうとか痴女がどうとか言いながら泣いているリリィを横目で見ながら、フリードにはそう返事した。
着ていない下着などただの布と同じだろうが、多感な頃には色々あるのだろう。と思いながら。
>「あ、あのさ・・・・・・昨夜、屋上でのバトルのとばっちりで魔法攻撃受けてたでしょ。
> その・・・・・か、体の方、なんともないの?」
猫の森に向かう道中、リリィが話しかけてきた内容にミクはちょっと驚いた。
【屋上でのバトル】の時に、ミクはリリィに怯えられるような事はしても心配されるようなことはしていないのだ。
それが離れた場所からでも気遣いを口にするのは、彼女が根っからのお人よしだからだろうか。
>「べ、別に心配なんかしてないからね!ひどい目にばっかり合わされてるんだから!
> ただミクさん、あんまり表情変わらないから・・・・・その・・・苦しいんだか、絶好調だか、良くわかんないのよね!
> 一応今は同じ目的で動いてるんだから・・・・・・えと・・・・あ、あんまりつらかったら言ってよね!休憩入れるから!!」
「ふふ…御心配かけてごめんなさいましね。
見てのとおり、今は普通に動けておりますので大丈夫ですわ。
リリィさんこそ、お顔の色がよろしくありませんわよ?」
ミクはリリィに近寄ると、リリィの荷物の一部を持ってあげる事にした。
軽くはない怪我をしている身でも、この程度の荷物ならどうという事もない。
「今は同じ目的で動いているのですもの。ね?」
恩というものは、売っておくに越したことはないものだ。
相手に無理難題を押しつけるかもしれない時は特に。
- 32 :
- >『猫の森よ!私は帰ってきたぁ!!』(猫語)
>『なんだかよくわかりませんが歓迎してくれてるようです』
猫の森なる場所は、単に猫の集まる所と考えていたミクの想像とは違って二足歩行する猫が闊歩する場所だった。
ミクの知る化け猫は、尻尾が2本あったり油を舐めたりしていたものだ。
が、ここにいる猫たちにそんな事をしている気配はない。
所変われば化け猫の様子も違うものだと感心しながら、ミクは猫観察を始めた。
蜘蛛神であるためか猫語の雰囲気は解するミクは、本当に歓迎されているのか疑わしさを感じた。
ついでに言うなら、どうも自分は避けられているようだとも感じた。
無論そんな事に頓着するようなミクではない。
嫌われようがなんだろうが、ミクは猫が好きなのだ。
見て良し撫でて良し食べて良し。
さらに皮は楽器になって骨は工芸品になるというのだから、猫は実に有用な生き物である。
> あ、ミクさん、いくらかわいいからって、お持ち帰りは駄目ですからね!
> カップリングは相手の許可をちゃんと得てから、なのです!」
「…そうですわね。食事も済ませてきた事ですし」
カップリングが何を指しているのか理解していなかったが、ともかくミクは猫達から視線を転じた。
情報を得る前に猫を敵に回してしまっては、何をしにきたのかわからない。
>「えっ、見た?!皆、エンドウ君のこと、見たんだって!
> あ・・・・・・・でも、今はどこかに行ってしまったそうよ。ここにはいないんだって」
猫語を理解するリリィの通訳と似顔絵によって、炎道が森の近くに居ることは確実になった。
少なくとも、森に来たのが完全な無駄足となる事態は避けられたのだ。
>「ここを通ったっていうのはわかったけれど、今後の手がかりが無くなっちゃったね。
> ああ、さっき私達がゴブリンに襲われたところまで戻ったら、さっきの部隊?の人に会えるかな?
> あの人たちにもう一度会えたら、エンドウくんのこと、一緒に探してもらえるかなあ?」
「あなた達を守るために動いていたようですから、頼めば探していただけるかもしれませんけれど。
わざわざ身を隠して行動していたのですから、もう一度会うのは難しいかもしれませんわね」
>「でもあの時は、そんなお願いできるような余裕無かったもんね・・・・・・。
> っていうか、あの人達誰なんだろうね?もしかして今学園に来てる、例の偉い監察官の護衛さん、とかかな?」
「監察官の護衛なら、監察官を御守りしているはずでしょう。
真さんは付き人がおられたはずですし、彼女の護衛だったのかもしれませんわね。
あるいはまた危ない目に会えば、もう一度お会いできるかもしれませんわよ?」
ブレの思惑を知らないミクは、思ったままにそう言った。
>「日が暮れる前に、私が一度空からエンドウ君を探してみようか?
> テレパシーで呼びかけながらだと効果あるかな?」
>「ミクさんは何か情報持ってないの?アリス先生だけじゃなく、総裁からも何か情報貰ってるのよー、とか無いの?」
「残念ですけれど、何も聞いておりませんの」
頭を降って否定した後、ただとミクは言葉を続ける。
「先ほどの猫との会話ではフリードの御姉様が毎日来られている、との事でしたから。
その方にお会い出来れば、また別に詳しい話が聞けるかもしれませんわね。
また炎道総代は誰かに連れさられたのではないようですから、何か目的がおありなのでしょう。
森を上からでは人を見つけるのは難しいでしょうから、トリフィードに注意しながら探すしかありませんわね。
…この近くに建物か、そうでなくても変わった場所は無いのかしら?」
最後の一言は、猫の長老に向けての質問だ。
ちなみに、ミクはトリフィードの危険性について猫達に伝えるつもりはなかった。
怪植物はトリフィードだけではない。
顔見知りに化けて獲物を誘う植物やきのこの化け物など、森には危険が一杯なのである。
- 33 :
- 謎の武装集団に武力介入されて、真はなにがなんやらわからず走り出した
「ふう、ここまでこれば大丈夫やね」
周りを見渡せば、誰もいなかった
「お〜い、誰か居らへんの?」
呼んでも返事はない。どうやら森の奥に迷い込んでしまったようだ
いきなりの出来事で思わず、走り出したが皆の姿を確認することなく森の中に入っていってしまった
困った
困った、困った困ったぞ。迷子になってしまった
真は困り果てた。誰かの持ち物でもあれば、さっきのミクがいったように魔法でなんとかなる
「人体探知の術!!」
周囲に人間がいるかどうかを探す魔法、割と基本的な魔法
真の効果範囲は2m、目でみたほうが速い
自称天才魔術士でも、苦手な魔法ぐらいある
それが何かを探すと言う魔法だ。
「勇気なら愛の力で一瞬で探せんねんけどな〜」
などと愚痴りながら森の中を当てもなく歩く
暗い森の中を1人で歩くのはなんとも心寂しい
「みんな〜どこいったん?」
「おい、真。こんな森のなかで何してんだ?」
耳に飛び込んで来たのは真が一番聞きたかった声
「勇気!!」
真は声のほうに振り向く、そこには暗い森が広がっているだけだった
こんなところにいるはずがない
「ははっ探しても無駄だぜ?おれはここにはいないからな。頑張って探してくれよ
この先の……よくわかんねぇけどどこかの室内にいるぜ!!」
「ちょ、ちょっと勇気!なんで、なんで!?」
そのなんでにはいろいろな意味が含まれてる
どこにいるの?なんでいなくなったの?どうして話しかけてこられたの?と
いくら、叫んでもそのあと勇気の声はいっさい聞こえてこなかった
散々叫んだあと、ふと猫の声がするほうに足を向けるとそこは猫の森だった
猫の言葉を聞くと今しがた人間が来たということで案内してもらう
そこには、リリィとフリードとミクがいた
「なんや、みんな先行っとんたんか、なんや走っとったら、迷子なってもうたわ」
笑っているが目は真っ赤にはれていた
- 34 :
- >28-33
>「つまりグレーンがフリード君を主にしたのは、顔で選んだわけじゃないって事ね!
そうよ、人間、見た目じゃないんだわ」
『うん美味しいもの食べさせてくれるからだよ』(猫語)
とグレンは言う・・・・色々と台無しである
>「え?お姉さんって、あのすごくお綺麗なフリージアさんのこと?」
『ええ、僕と大体同じ顔だから見た目だけ綺麗な姉さんですよ。ガチ腐ですがね!』
まさにナルシー
>「あるいはまた危ない目に会えば、もう一度お会いできるかもしれませんわよ?」
『危ない・・・・目?』
果たしてあれは本当に危ない目だったのだろうか?はなはだ疑問である
>「…この近くに建物か、そうでなくても変わった場所は無いのかしら?」
猫の長老はこう答える
『変わった場所ならいっぱいある
妖しげな術の使い方を人間に教える恐ろしい施設とか』
『それ学園のことじゃないですかぁやだぁ!!』
確かに近くにある建物だけど違うそうじゃない
『北の方にあるあからさまに怪しい邪神の神殿とか』(猫語)
『邪神って・・・・・』
『まあ猫にとっての邪神だから犬の神様(アヌビス)の神殿ってだけだけどね』(猫語)
猫にとって犬の神様は邪悪な存在らしい
『なんでフィジルにエズフィトの神様の神殿が・・・・・』
『ちなみに南には猫の神様(パステト)の神殿があるよ
あそこの猫神官が僕のパパにゃだよ』(猫語)
とグレンは言う
だがそんなことは今はどうでも良かった
『あと超古代猫文明の遺跡とかブラックファラオの逆ピラミッドとかあるぞ余所者』(猫語)
『それナイアさん関係じゃないですかやだぁ!!』
それを出してしまうと学園モノの枠組みを超えかねないので今回の事件とは関係ないだろう
>「なんや、みんな先行っとんたんか、なんや走っとったら、迷子なってもうたわ」
『それは大変でしたね、まあ森は広いから仕方ありませんが』
『そういえばさっきからきのこの化け物戦ってる人間ぐらいあるでかいハエトリ草はなんでしょうか?』
げぇ!トリフィード!!
『きのこの化け物がほかの植物と喧嘩するのは猫の森じゃ日常茶飯事だよ』(猫語)
軽く流そうとするグレン
だが明らかに軽く流せる状況じゃない
『危ないからとっとと焼き払ってしまったほうがいいんじゃ?
グレン冒険者セットから火をつける道具とランタン用の油を・・・・・』
『きのこの化け物は火が着くと爆発して胞子まき散らして
きのこ人間が増えるよやったねTAEちゃんだから駄目だよ』(猫語)
図書館での経験は無駄じゃなかったらしく知識を披露するグレン
ちなみに前回のきのこ集めの時に混ざっていた洗脳きのこの正体があれの子供である
『じゃあとりあえず逃げましょうか?』
戦っても利益がでないと思うのならば逃げるのも手である
『じゃあむこうの超古代猫文明の遺跡に逃げ込むよ』(猫語)
とグレン・・・・・だが猫サイズの遺跡に人間は逃げ込めるのだろうか?
- 35 :
- >31-34
森の中で助けてくれた謎の一団は、結局正体がわからないままだった。
「監察官の護衛なら、監察官を御守りしているはずでしょう。
真さんは付き人がおられたはずですし、彼女の護衛だったのかもしれませんわね。
あるいはまた危ない目に会えば、もう一度お会いできるかもしれませんわよ?」
『危ない・・・・目?』
「めちゃくちゃ危ない目にあってたでしょうが!乙女のてーそーの危機だったのよ?!大変だったのよ!!
だからいくら再会のためとはいえ、「もう一度」なんてごめんよ!」
小鬼と一緒に縛られて転がされていたリリィは、先ほどの災難を思い出したのか、一人ぷりぷり怒っていた。
「先ほどの猫との会話ではフリードの御姉様が毎日来られている、との事でしたから。
その方にお会い出来れば、また別に詳しい話が聞けるかもしれませんわね。
また炎道総代は誰かに連れさられたのではないようですから、何か目的がおありなのでしょう。
森を上からでは人を見つけるのは難しいでしょうから、トリフィードに注意しながら探すしかありませんわね。
…この近くに建物か、そうでなくても変わった場所は無いのかしら?」
>『変わった場所ならいっぱいある
> 妖しげな術の使い方を人間に教える恐ろしい施設とか』
「えー、なにそれ怖っ!!」
>『それ学園のことじゃないですかぁやだぁ!!』
「恐ろしい施設とか言ってる割りに、猫さん達、学園の食堂前や中庭にめちゃめちゃ入り浸ってるじゃないのよー!」
どうやら猫達にとっては、食欲がすべてにおいて優先されるようだ。
猫長の話によると、猫の森の北に犬の神様の神殿、南には猫の神様の神殿があるらしい・
「ってことはつまり、猫の森に対して犬の村とかもあるわけ?えー、何それ会ってみたい!!」
リリィがどうでもいいところに食いついていると、グレンの口から驚きの事実が飛び出した。
>『ちなみに南には猫の神様(パステト)の神殿があるよ
> あそこの猫神官が僕のパパにゃだよ』(猫語)
「なにそれすごい!あ・・・・・そっか、やっとわかった!
だからグレンは猫の神様と話せたり、食べ物をささげることで、猫の神様から武器を借り受けることができるのね!かっこいい!」
猫長の話では、他にも、いろいろな遺跡が森の中にはあるらしい。
>「なんや、みんな先行っとんたんか、なんや走っとったら、迷子なってもうたわ」
>『それは大変でしたね、まあ森は広いから仕方ありませんが』
「無事でよかった!まあ、マコトちゃん強いから、そんなには心配してなかったけどね」
リリィは笑顔でマコトを迎え入れたが、彼女の顔をみるなり顔を雲らせ
「どうしたの?何かあった?・・・・・・・はっ!もしかして、あのゴブリン達にセクハラされたとかっ?!」
と勢い込んで問いかけたが、すぐにはっとして口をつぐみ、何かを考えるような素振りを見せた。
そして。
「ごめん。話したくても話せないことだってあるよね。マコトちゃんが話したくなったときでいいよ、また聞かせてね」と小声で付け加えた。
・・・・・・何か、とんでもない勘違いをしているようだ。
- 36 :
-
>『そういえばさっきからきのこの化け物戦ってる人間ぐらいあるでかいハエトリ草はなんでしょうか?』
>げぇ!トリフィード!!
「待って、前にちらっと実験棟で見たときには、もう少し大きかった気がするんだけど。
もしかして逃亡した間に株分け?っていうの?いくつかに分裂したんじゃないの?!
ということは、トリフィードは1体じゃないかもっ?!猫の長さま、早く逃げないと!!
トリフィードは、ジャングルに棲んでいる、動く食獣植物なんですよ!」
だがグレンの話では、きのこの化け物が他の植物などと喧嘩するのは日常的に見られる光景らしい。
しかもトリフィードと戦っているきのこの化け物は、火をつけると爆発して胞子を飛ばす上に、胞子をかぶった相手をきのこ人間にするらしい。
『じゃあとりあえず逃げましょうか?』
『じゃあむこうの超古代猫文明の遺跡に逃げ込むよ』(猫語)
「そっか・・・・・・そうだね、こんな場所で戦ったら森がめちゃくちゃになっちゃうし!
きのこの化け物がトリフィードとつぶしあっているうちに逃げよう!猫さん達はどうするの?」
リリィは長老の返答を聞いた後、
「エンドウ君がどこにいるかわからない以上、いたずらに戦力を浪費するのは得策じゃないわ。グレン、遺跡に案内して!」
リリィは外に飛び出す前に立ち止まり、
『フリージアさんへ、トリフィードときのこの化け物がきたので、超巨大猫文明の遺跡に一時避難しています。
フリード君と愉快な仲間達より』
と走り書きをして、小さな猫用テーブルの上に書きを残した。
これで、(今日はまだ猫の森に来ていないらしい)フリージアが訪れた時に誰もいなくても猫の森で何が起こったのか知ることが出来るだろう。
踏み固められた獣道の上に、白い石畳がぽつぽつと残っている。
潅木を押しのけ必死で走っていると、不意に目の前が開けた。
「これが遺跡?超巨大猫文明の遺跡のわりには、意外と小さい・・・かも?」
石造りの門の手前は、木々が切れ狭いながらも開けた場所になっていた。
そして門の向こう側には、門と同じ石で作られたらしい洋館サイズの白い建物が小さく見えた。
何本か崩れている柱の横には、ところどころ風化した奇妙な石像がいくつも並んでいる。
・・・・・猫にとってはかなり大きな建物なのだろうが、窓や扉の大きさから考えると、外から見た限りでは少し手狭かもしれない。
もっとも古代文明の遺跡である。外観だけで判断するのは早計かもしれない。
ただ、全力で撃退するのなら、壊れたり崩れたりするかもしれない遺跡の中よりも、外のほうが適しているだろう。
- 37 :
- 高速化
- 38 :
- >33-37
>『変わった場所ならいっぱいある
> 妖しげな術の使い方を人間に教える恐ろしい施設とか』
>「えー、なにそれ怖っ!!」
> 『それ学園のことじゃないですかぁやだぁ!!』
>「恐ろしい施設とか言ってる割りに、猫さん達、学園の食堂前や中庭にめちゃめちゃ入り浸ってるじゃないのよー!」
「……そこから来た事をお話していませんでしたわね」
猫の手も借りたいとの言葉は実に名言である。
こんなものまで借りたいと思うほどの切迫感が良くあらわせている、的な意味で。
その後聞き出せた、猫の神殿の他に犬の神殿がある。という情報は、ミクとしてはわりとどうでも良かった。
猫がこれなら犬の村とやらがあったとしても、役に立つとはとても思えないからだ。
重要そうに思えたのは、猫の神殿の方にグレンの父猫がいるという情報の方だ。
神の力を借りて超常的な力を振るう神官は、探し人には適任であるようにミクには思えた。
最初から神殿に案内すればよいものをこれだから猫は。
という内心を巧妙に押し隠して、ミクが神殿に向かうように言おうとした時だった。
はぐれていた真が、猫の森に居場所を探り当ててやって来たのは。
>「なんや、みんな先行っとんたんか、なんや走っとったら、迷子なってもうたわ」
>『それは大変でしたね、まあ森は広いから仕方ありませんが』
>「ごめん。話したくても話せないことだってあるよね。マコトちゃんが話したくなったときでいいよ、また聞かせてね」
グレンとリリィが話しかけていた時は、ミクは何も言わずに黙って真の顔を眺めていた。
その代わり、2人の注意が怪植物同士の戦いに向けられているうちに、真に話しかける。
「なにか悲しい事でもおありでしたかしら。
……急にこんな事を言ってごめんなさいましね。
泣いておられるように見えましたので」
以前会った時は、ミクは真に勝気な娘だという印象を持った。
だがそんな娘ほど、内面に脆いものを抱え込んでいたりするものだ。
真の場合は炎道の事となると見境が無くなるようなので、何か状況に進展があったのだろうとミクは考える。
それも(真にとっては)良くない進展が。だ。
「ふふ…リリィさんも言われていましたけれど、話したくなりましたらいつでもご相談くださいましね。
お力になれることがありましたら、お手伝いさせていただきますから」
炎道の状況について断定するには情報が少なすぎるが、無理に聞き出して逆に話す気を無くされても困る。
押して開かない扉は引いてみるもので、心の扉も同じくだ。
たまには変わる状況の波に身をゆだねるのも悪くは無い、とミクは思う。
何か利用できる情報が集まれば、それから進む道を考えても遅くは無いのだ。
>『じゃあむこうの超古代猫文明の遺跡に逃げ込むよ』(猫語)
>「エンドウ君がどこにいるかわからない以上、いたずらに戦力を浪費するのは得策じゃないわ。グレン、遺跡に案内して!」
「あちらも相談がまとまったようですわね。
私たちも場所を移動いたしましょう。
この村には、炎道総代はおられないようですから」
聞きたい事は聞いた以上、ミクも猫の村にもう用は無い。
リリィ同様、美味しくもなさそうな怪植物同士の戦いに興味も無い。
ミクは真に一緒に行くように誘ってから、グレンやリリィの後を追いかけた。
- 39 :
- 猫の村からミクが予想していたほどには離れていない場所、森の中の少し開けた場所に、猫文明の遺跡はあった。
>「これが遺跡?超巨大猫文明の遺跡のわりには、意外と小さい・・・かも?」
「猫のすることですから、人には理解できない構造だとしても無理もありませんわね」
若干の皮肉を込めてそう言いながら、ミクは建物に近づいた。
両側を狛犬ならぬ狛猫のような像に守られた扉に無造作に手をかけ、軽く押してみる。
扉は開かない。
力を込めてみても、引いても左右に動かそうとしても、扉はびくともしなかった。
「……どうやら立ち入り禁止のようですわね」
あきらめて引き返そうとした時、ミクは扉の両脇の猫の像が左手を上げているのに気づいた。
「私の故郷では、猫が左前足を上げるのは人を招く時。でしたわね。
こちらの土地では何か別の意味がないか、どなたかご存知かしら?」
ミクがそう言うと、猫の像は言葉が聞こえているかのように手を動かして手招きした。
ミクが戯れにその動作を真似すると、猫の像は招く前足をさらに早く動かし始めた。
さらに、先ほどまで何も書かれていなかった扉には、はっきりくっきり【高速化】の文字が浮かび上がる。
ミクは手招きの真似を止め、半目でリリィたちの方を見据えた。
「こちらの土地では何か別の意味がないか、どなたかご存知かしら?」
先ほどと同じ質問を繰り返したのは、理解できなかったからではない。
理解するのが嫌だったからだ。
- 40 :
- >36>37>39
>「これが遺跡?超巨大猫文明の遺跡のわりには、意外と小さい・・・かも?」
>「猫のすることですから、人には理解できない構造だとしても無理もありませんわね」
誰も古代だとは突っ込まない状況
ツッコミ役が不在だとこうなってしまうのか?
>「私の故郷では、猫が左前足を上げるのは人を招く時。でしたわね。
こちらの土地では何か別の意味がないか、どなたかご存知かしら?」
『そんなことはどうでもいい!もっとだ!もっと早く!!』(猫語)
お前に足りない物は、それは!!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さそして何よりも!!速さが足りない!!!!
とばかりに手招きの高速化を催促するグレン
そういうグレンの手(?)も高速に振られている
『うなー!!』(猫語)
完全にトランス状態のグレン
しばらく手招きを続けているとゴゴゴゴゴ・・・・・という怪しい音をたて扉が開き始める
『さあ中に入りましょうか?』
だがはたして本当に入ってしまって大丈夫なのだろうか?
行きはよいよい帰りは怖いという言葉もあるだろうに
『フリージアさんへ、トリフィードときのこの化け物がきたので、超巨大猫文明の遺跡に一時避難しています。
フリード君と愉快な仲間達より』
かちこちに凍ってなんだか白くなっているきのこの化け物を尻目に手紙に目を通す特徴的な髪型をした少女
「情けないですわねぇ・・・・あんなものとっとと凍らせれば一発ですのに」
と言いつつ猫の長老をフルもっふするツインドリルヘアーの少女
猫の長老は猫の長老で『美味しいきのこの食べ方』という料理本を一生懸命に読んでいる
ってあんなもんを食う気かよ!!
はて?きのこの化け物はともかくトリフィード(量産型)はどうしてしまったのだろうか?
多分ではあるがフリージアさんの無駄に偉そうな気配に怯えて逃げてしまったのであろう
それもフリード達がいる遺跡の方面に
「まあそんなことよりも猫ちゃんたちにおしいいお料理を作ってあげますわよ」
と実弟よりも猫が大事なフリージアさんであった
『入ったは良いんですけど出るとき大丈夫なんでしょうか?』
とフリードリッヒ・・・・・遅いよ
『なあにいざとなったら僕の都合のいい偶然を引き起こす程度の能力を使うよ』(猫語)
都合のいい偶然を引き起こす程度の能力とは招き猫系がデフォルトで持っている能力である
その能力をもっていれば例え洗脳されても偶然何もないところで蹴躓いて頭を打って洗脳が解けたり
色々と本人にとって都合のいい出来事が起こるのだ
『グレン・・・・あなた招き猫じゃないじゃないですか』
だがグレンは別に招き猫でも何でもないのでそんな能力は無かった
- 41 :
- ブレの部下達は小鬼達を牽制しつつ、その場から徐々に離脱していき比較的安全な区域でミーティングを行っていた
「警護対象は?」
警護班の指揮を執っている少尉は隊員の一人に質問をした
「警護対象は戦闘区域から脱出完了
現在、別動隊が追跡中 目下、報告を待っております」
「“野獣”の動きはどうだ?」
また別の隊員へと質問を投げかける
「捜索班からの定時報告では今だ発見できず 任務を続行するとの事です」
部下達の答えを纏めれば警護対象は見失いかけており、別の目標もまだ見つかっていない つまり進展は全く無しという事だ
その時、少尉の持つ通信機の役割を果たす極めて小さな鳥“オハナシスズメ”が叫び始めた
「こ、こちら別動班!!遺跡付近にて警護対象を発見しました!ですが、トリフィード達とキノコの化け物が我々を…ぎゃぁああぁぁぁぁ!!!!!」
“オハナシスズメ”は悲鳴のみならず向こうで放たれている銃声すら忠実に伝え された兵士の断末魔を響かせると すぐに目を閉じ眠ってしまった
「大尉に損害状況と所定座標並びに作戦経過を報告の後 速やかに遺跡へと移動する」
特務隊の隊員達はまた影となり この場から姿を消した
- 42 :
- KASO
- 43 :
- >『それは大変でしたね、まあ森は広いから仕方ありませんが』
「無事でよかった!まあ、マコトちゃん強いから、そんなには心配してなかったけどね」
遅れて来た真にみんなは優しく声をかけてくれた
猫となにやら神殿だのキノコの化け物がどうのといっていた
そんななかリリィは真の心配をして声をかけて来た
>「どうしたの?何かあった?・・・・・・・はっ!もしかして、あのゴブリン達にセクハラされたとかっ?!」
「いや〜セクハラやったら氷漬けか炭にしてやんってんけどな〜」
あっけらかんとしている
単純にいやなことがあってないているわけじゃないとリリィもわかるだろう
マイペースに話をすすめる
真はそんなリリィに正直に答えようとなぜか思う
そして、小声で彼女にだけ言い返した
「なんかしらんねんけど、勇気の声が聞こえて来てんやん。なんやどっかの部屋んなかにおる言うてんねんけどな
神殿の中とかちゃうかな〜
私が泣いとったんは勇気の声を聞いたからやねんや」
爽やかな笑顔を貼付けている
実に幸せそうな顔をしている
「いまの私ならキノコお化けなんて2秒で瞬やわ〜」
しかし、戦ってしまうとなにかまずいらしく、真は「ちょっと残念やわ〜」といって超古代神殿とやらにやってきた
と、そのまえにミクも心配して声をかけて来ていた
>「なにか悲しい事でもおありでしたかしら。
……急にこんな事を言ってごめんなさいましね。
泣いておられるように見えましたので」
「そんなんちゃうはちょっといいことがあっただけや」
>「ふふ…リリィさんも言われていましたけれど、話したくなりましたらいつでもご相談くださいましね。
お力になれることがありましたら、お手伝いさせていただきますから」
「あんたはなかなか、やりおるようやからせいぜいたよりにさせてもらうわ」
>「あちらも相談がまとまったようですわね。
私たちも場所を移動いたしましょう。
この村には、炎道総代はおられないようですから」
「そうやね。勇気はここにはおらんわ。居ったらわかるわ」
そんなこんなで超古代猫遺跡
「いそうやわ〜ここに勇気がいそうな。雰囲気ビンビンやわ〜」
真はちょっと楽しんでいる
なんだかんだで冒険好きな少女だったりする
「じゃあ、早速奥に進むで」
真が元気よく足を踏み出すと床がカチリと音がしてスイッチのように押し込まれている
「なあ、みんなこれってもしかして・…・」
真はちょっとはにかんだ
「罠ちゃう?」
- 44 :
- >37-43
「……どうやら立ち入り禁止のようですわね」
「えーっ、このままじゃきのこやトリフィードに追いつかれちゃうよ!!」
>あきらめて引き返そうとした時、ミクは扉の両脇の猫の像が左手を上げているのに気づいた。
「あれ?いつの間に?」
>「私の故郷では、猫が左前足を上げるのは人を招く時。でしたわね。
> こちらの土地では何か別の意味がないか、どなたかご存知かしら?」
リリィは首を横にぶんぶん振った。
>ミクがそう言うと、猫の像は言葉が聞こえているかのように手を動かして手招きした。
>ミクが戯れにその動作を真似すると、猫の像は招く前足をさらに早く動かし始めた。
>さらに、先ほどまで何も書かれていなかった扉には、はっきりくっきり【高速化】の文字が浮かび上がる。
「な、な、何?なんなの??」
>「こちらの土地では何か別の意味がないか、どなたかご存知かしら?」
「う・・・・・ウェルカム熱烈大歓迎ですよって事じゃないかな?あはは・・・は」
>『そんなことはどうでもいい!もっとだ!もっと早く!!』(猫語)
「わーっ、フリード君大変!グレンがおかしくなっちゃった!!」
>『うなー!!』(猫語)
完全にトランス状態のグレンを相手におろおろしていると、目の前のドアが開いた。
(・・・・・・あれ?)
背後の緑の木々の向こう側からは、誰もいなかったはずなのに人の怒号や悲鳴が聞こえたような気がする。
だがそんなはずは無い。
先ほど通ったときには、人っ子一人いなかったのだから。
「は、早く中へ入ろうよ!グレン、中を案内して!」
だが、リリィは勘違いしている。
ここはグレンの父親が神官を務めるという神殿ではない。
過去の巨大猫・・・・・・否、古代猫遺跡なのだ。
グレンが遺跡の中の様子に詳しいかどうかは、はなはだ疑問である。
「マコトちゃんの話では、神殿の中かどこかの部屋の中に閉じ込められてるってテレパシーが届いたのよね?
でも、神官であるグレンのお父さん達が、学園の生徒らしきエンドウ君を閉じ込める理由が無いのよね・・・・・・。
もしそんな事があったのなら、さっきたずねた猫の長老さんから何らかの話が出てるはずだし。
うん、まずは遺跡の捜索だよね!!」
普通は、ミクが考えていたように、猫や犬の神殿を訪ねるのがセオリーなのだろう。
だがマコトはこの遺跡を「猫の神殿だ」と勘違いしているし、リリィは遺跡が怪しいという先入観を持っている。
グレンはそういう細かいことを気にしないし、ミクがわざわざ彼女達の思い込みを解くことは無い。
ゆえに、彼らが遺跡に足を踏み入れてしまう、というのはごく自然の成り行きだった。
- 45 :
- >「じゃあ、早速奥に進むで」
「そうね!トリフィードはうまく撒けたようだし、早くエンドウ君を見つけて学園に帰ろう!」
おー!とリリィは拳を振り上げた。
さて。
リリィがいつもに増して馬鹿丸出しでにぎやかなのには、一応理由があった。
猫の森で合流を果たしたマコトの様子がおかしかったのは、森で遭遇したゴブリン達のせいではなかった。
学年総代で、現在捜索中の、エンドウユウキの声を聞いたからだという。
マコトが受信したという、『エンドウからのテレパシー(?)』では、彼はどこかの部屋に閉じ込められているらしい。
>「いそうやわ〜ここに勇気がいそうな。雰囲気ビンビンやわ〜」
マコトの目はまだ少し赤くはれている。
ああやって明るく振舞ってはいるが、婚約者が行方不明で監禁されているのだ。不安でないわけが無い。
見知らぬ土地で大切な人が消えたのだ、どれだけ心細く、心配でいることだろう。
(ここは私がしっかりして、マコトちゃんを支えてあげなくては!)
リリィはぐっと拳を握り、決意を新たにした。
『入ったは良いんですけど出るとき大丈夫なんでしょうか?』
「・・・・・えっ、ええええええ?!でも、グレンは神官の息子さんなんでしょう?
ここに入ったことくらいあるんでしょ?・・・・・・え?違うの?」
どうしよう、とあからさまに動揺をするリリィ。
>『なあにいざとなったら僕の都合のいい偶然を引き起こす程度の能力を使うよ』(猫語)
「すごーい!グレンがそんな力なんかもってるなんて!
はっ、もしかしてこれって、幸運を招く招き猫能力ってやつ?さすがは神官の息子だけあるわね!!」
これで勝つる!とばかりにリリィが手を叩いている。
小躍りしてよろこんでいたせいで、その後「グレンは招き猫ではない」という重要なフリードの突っ込みを聞き逃してしまった。
先にたって歩き始めたマコトが、ぴたりと歩を止めた。
「マコトちゃん?どうしたの?・・・・・えっ、何、この音?!」
ゴゴゴゴゴ・・・・・と、どこからとも無く不吉な作動音が聞こえてくる。
>「なあ、みんなこれってもしかして・…・」
>真はちょっとはにかんだ
>「罠ちゃう?」
「な、なんだってー!!グ、グレン何とかしてよー!!」
リリィはグランにしがみついて、がくがくと揺さぶった。
ドン!と音を立てて、突然リリィの足場が消えた。
リリィだけではない、全員の足場が消えたのだ。
落下する先には、槍のように鋭利な石がびっしりと生えている。
無策のままに落ちてしまえば、串刺しになる運命は免れないだろう。
「わー!!落ちる落ちるよミクさん助けてー!!」
- 46 :
- >40-45
>「う・・・・・ウェルカム熱烈大歓迎ですよって事じゃないかな?あはは・・・は」
>『そんなことはどうでもいい!もっとだ!もっと早く!!』(猫語)
>お前に足りない物は、それは!!情熱思想理念頭脳気品優雅さ勤勉さそして何よりも!!速さが足りない!!!!
リリィの反応はともかく、グレンの言葉はミクの機嫌を損ねるのに十分のものであった。
情熱やら理念やら速さはいい。
しかし、頭脳気品優雅さが足りないと言われてはいい気持ちにはなれない。
猫の言う事の上にグレンに悪意はないだろうとわかってはいても。
だがそんな気持ちは、実際に扉が開いたのを見た脱力感と一緒に抜け落ちてしまう。
ミクとしては、重要そうな場所の扉が高速手招きで開くというのは理解の範疇を超えていたのだ。
なんとなく頭痛を感じながら、もう帰ろうかとミクが考えていた時。
森のほうから銃声や悲鳴が聞こえてきた。
何者かが(おそらくは怪植物に)襲われたのだ。
>「は、早く中へ入ろうよ!グレン、中を案内して!」
「そうですわね。 早く中に入りましょう」
見知らぬ誰かの不幸による足止めに感謝しながら、ミクも遺跡に向かって足を進める。
こんな時にも、やっぱりミクには助けに向かうという発想は無かったので。
>「マコトちゃんの話では、神殿の中かどこかの部屋の中に閉じ込められてるってテレパシーが届いたのよね?
> でも、神官であるグレンのお父さん達が、学園の生徒らしきエンドウ君を閉じ込める理由が無いのよね・・・・・・。
> もしそんな事があったのなら、さっきたずねた猫の長老さんから何らかの話が出てるはずだし。
> うん、まずは遺跡の捜索だよね!!」
リリィの言葉を聞いて、ミクはちらりと真に目をやった。
そんな話は聞いていなかったからだ。
話をしなかったのは、自分を信用していないからだろうかとミクは考える。
それはそれで、賢明な判断だろう。
なにしろ自分はバケモノなのだから。
- 47 :
- >「いそうやわ〜ここに勇気がいそうな。雰囲気ビンビンやわ〜」
「そう……」
真に言われてミクも遺跡の中の気配を探ってみたが、人らしき気配は感じられない。
気配を感じるのは自信があるのだが、これが愛(あるいは妄執)の力なのだろうか。
>『入ったは良いんですけど出るとき大丈夫なんでしょうか?』
「閉じ込める理由があるとは思えませんから、出て行くときも手招きでよろしいのではないかしら」
>「じゃあ、早速奥に進むで」
言いながら先に進む真が、何かを踏んづけた。
わざとらしい作動音を聞きながら、ミクは罠に対応するための安全策を張り巡らす。
>「罠ちゃう?」
「そのようですわね」
落ち着いて真にそう言った時、足下の床が消えた。
落とし穴の罠は、ミクにとっては楽に対応出来るものだ。
糸を張る時間は十分にあったのだから。
対応策のある者なら、この罠で致命傷を負うなど有り得ないだろう。
対応策のある者なら。
>「わー!!落ちる落ちるよミクさん助けてー!!」
真っ逆様に落ちていくリリィの腕に、ミクは糸を伸ばして絡みつけた。
「ふふ……あなたもよくよく、落ちるのが好きなようですわね」
スルスルと自身を支える糸を伸ばして降りながら、ミクはリリィにそう言った。
以前校舎から落ちるリリィを助け出したのを思い出しての言葉である。
リリィを抱き寄せて再び上がろうとした時、ミクはネズミの鳴き声を聞いた。
見上げれば、毛皮の代わりに燃え上がる火をまとったネズミ……火鼠の姿が見えた。
数匹の火鼠が、ふんふんと鼻を鳴らしながら穴の近くをうろちょろと歩き回っているのだ。
ミクの張った糸のうちの一本が、近くを歩く火鼠の熱に耐えきれずに焼き切れた。
「……鬱陶しい鼠だこと!」
短く呪詛の言葉を吐いてから、ミクは言葉の調子を変えてリリィに話しかける。
「少々面倒な鼠がいるようですわ。
私たちは安全な場所に移動して、あの鼠は他の方に始末していただきましょう」
ミクは体を支える糸を天井にまで伸ばし、ネズミの近づけない部屋の上方に移動する。
安全が確保されさえすれば、ミクは下に降りてくるだろう。
始末を誰かに頼まないのは、火の敵に攻撃するのは苦手と自分から言いたくないからだ。
- 48 :
- >43>45>47
>「罠ちゃう?」
ぽっかりと空いた落とし穴に思いっきり落ちる一行
>「わー!!落ちる落ちるよミクさん助けてー!!」
グレンは石と石の間にうまく落ちたようである
体の小さい子猫であって本当に良かった
フリードの入った瓢箪はリュックサックからこぼれ落ちそうだ・・・・あ、落ちた
ざっくりと石槍に突き刺さる瓢箪
中のフリードは(間抜けなポーズで)石槍を全力で回避したようで
「ふう・・・死ぬかと思いました」
などとのたまっている
「これじゃあ瓢箪は使い物になりそうもありませんね」
と瓢箪から脱出するフリード
脱出したはいいが石と石の間が狭く動きづらいフリード
「なにこれ狭い」
仕方が無しに腰の刃のないサーベルを抜き
魔力で氷の刃を生み出し
バッサバッサと石槍を切り倒し
身動きを取るスペースを確保するフリードリッヒ
5か6本ぐらい切り倒す度に刃に限界が来るので新しい刃を生み出し
さらにバッサバッサと切り倒していく
「何故でしょう?すごく久しぶりに魔法を使ったような?」
「さあここなら落ちても打撲で済みますよ?」
と上の人に話しかけるフリード
いや石の地面に落ちたら尖ってなくても危ないだろう
>「……鬱陶しい鼠だこと!」
上を見れば体が常に燃えているという火鼠が何匹か
『それよりあの燃えてるネズミを何とかしようよ』(猫語)
とグレン
「あなた猫なんですから自分で何とかしたらどうなんですか?」
とフリード
『フィー坊こそ氷の魔法使いなんだから燃えてる敵には出番じゃないの?』(猫語)
とグレン
「フリーズアローとか遠距離攻撃は有るにはありますが・・・・・」
と指をピストルの形に構えて味方に当たらないように慎重に氷の矢の魔法を放つフリード
『攻撃するには登らないと駄目だけど間に合うかな?』(猫語)
と石で出来た壁を登り始めるグレン
木登りが得意なグレンはいいがこの後フリードはここから上がれるのだろうか?
姉であるフリージアと違い空を飛ぶ魔法は不得意なフリードリッヒは
背が低く登るのに苦労するのではないだろうか?
- 49 :
- 「で、ですね落とし穴がありそうなところはそこだけ塵が積もってなかったり
土の色が違ったりとですね・・・・・・」
となんとか脱出に成功し落とし穴がある所の特徴を話すフリードリッヒ
まあ図書館の本で得た知識なのだが・・・・・
それはそうとして落ちた後ではその説明は意味がないのではないだろうか?
「他にもトラップとしては何もないように見えて透明でキューブ状のスライムが積み重なって道を塞いであるとか
それに気がつかないで突っ込むと食われるんです
まあ金貨とか骨とか空中に浮いてればすぐにそれだって解るんですけどね」
某竜の探索では雑魚扱いだが基本的にスライムは物理攻撃の効かない強敵であり
ましては服だけ溶かすなんて都合の良い生物では無いのだ
『たとえばあんなふうに?』(猫語)
目の前には宙に浮く金貨が何枚か
「そうそうあんなふうに・・・・って!?
誰か火を!火を放って焼いちゃってください!間違っても物理攻撃はしちゃ駄目です!!」
『なんで火鼠と同じところに火に弱いスライムがいるの?』(猫語)
「そんなこと僕が知るもんですか!!』
- 50 :
- 「何とか、遺跡には侵入できたが…トリフィードやキノコの化け物は姿を消していたとはな…それに部下の姿も見当たらない…」
少尉以下、十数名の隊員達は遺跡内部へと辿り着いたものの、外でトリフィードやキノコに襲われたはずの部下の亡きがらはおろか 血痕すら無かったのだ
「全く、予測の斜め上を行く事態ばかりだ、大尉に何と説明すればいい」
思わぬ事態の連発につい愚痴が漏れる
「少尉!前方に敵発見 警護対象と接触しています」
「隠密行動のはずが作戦は大露わですな 少尉」
隊員の一人が軽く失笑気味に呟いた
「そう言うな兵長 彼らに死なれるよりは何千倍もマシだ」
隊員の鋭い指摘に少尉も苦笑いの他無い
「各員、前方の火鼠に対し射撃開始!
警護対象と火鼠を引き離せ!」
号令と共に森の中と同じく氷の銃声が遺跡へと響き渡った
- 51 :
- 真が間抜けにも罠を作動させてしまったことで床が開き、真を始めとした一行は穴に吸い込まれてしまう
「あかん、あかん、これはあかん!!」
真っ逆さまに落ちながら、考える『どうすればいいのだろうか?」
「そうや!私は飛べるやんか!」
そう登場したとき空を飛んでリリィの元にいったのは遥か前のような気もするがまだ24時間も経っていない
しかし、本来、自由に空を飛ぼうと思うとそれなりの詠唱が必要であるがそんなことをしている時間はない
「それでもやるしかないんや!」
端から見たらとても難しいことをしているようにみえるが無詠唱呪文なので対して難しくはない
背中から翼をはやし、空を飛び穴から脱した
無詠唱なので効果時間はほんの数秒といったところだ
上でみんなが上がってくるのは待っていた
「いや〜みんな悪かったな〜堪忍な」
笑顔で許してもらおう作戦
>「……鬱陶しい鼠だこと!」
ミクが張った糸を火鼠が燃やしているのがお気に召さないよう
フリードは氷の魔法しか使えないからということで火鼠にはノータッチ
リリィはそれどころではない様子
「仕方あらへんな〜今回は特別やで」
火鼠を素手触るわけにはいかないし、そもそも手が届かない
「どうしょうかな……そうや!こういうときは火には火をや!炎の神様を呼んだらええねん」
真は懐から呪符を取り出すとぶつぶつと呪文を唱えはじめた
「火の神ちょっとおいでなすって私をちょっとお助k……ファックション!!」
鼻がムズッとしてくしゃみが出てしまう
そのせいで加減が出来なくなり炎の神様(リリィ達にとっては精霊、ランクは低い)は思っていたより遥かに火力が大きい状態で出現してしまった
「あ、ミクの糸、全部燃えてもうた」
そもそも火鼠だからといって炎の神様を召還してしまったのがそもそもの原因なのだが
真は特に難しくかんがえてなかった
「スライムは……グレンとフリードで頑張って!!」
とりあえず丸投げ
- 52 :
- >「わー!!落ちる落ちるよミクさん助けてー!!」
真っ逆様に落ちていくリリィの腕に、ミクは糸を伸ばして絡みつけた。
「ふふ……あなたもよくよく、落ちるのが好きなようですわね」
ぶらーん、ぶらーんと振り子のように揺れるリリィの側まで降りてきたミクがそう言った。
「あはは・・・・・・。な、何ででしょーねー」
リリィも引きつった笑いを顔に貼り付け、ミクに追従した。
今、彼女の機嫌を損ねて食べられたり、落とされて串刺しになったりするのはごめんだ。
ミクは荷物を扱うように、何の感慨も無さげにリリィを引き寄せた。
一方のリリィは、石化魔法を食らったかのようにカチカチに固まっている。
リリィを抱えているミクから苛立ちの波動を感じ、リリィも彼女と同じ方向を見上げた。
そして息を飲む。
「カ・・・・・カソ?」
>見上げれば、毛皮の代わりに燃え上がる火をまとったネズミ……火鼠の姿が見えた。
>数匹の火鼠が、ふんふんと鼻を鳴らしながら穴の近くをうろちょろと歩き回っているのだ。
「わっ、ちょ、ちょ・・・・・ミクさん顔近いかも・・・・・・・ギャッ?!」
頑丈な蜘蛛の糸が一本切れ、がくん、とバランスを崩れる。
ミクの張った糸のうちの一本が、近くを歩く火鼠の熱に耐えきれずに焼き切れた。
「……鬱陶しい鼠だこと!」
「(ひぃいいいいいいい!!!)」
落下するのも恐ろしいが、ミクの怒りはもっと恐ろしい。
ミクの本質的な部分についての記憶は多少あいまいでも、恐怖はきっちり刷り込まれているようだ。
>「少々面倒な鼠がいるようですわ。
> 私たちは安全な場所に移動して、あの鼠は他の方に始末していただきましょう」
ミクは体を支える糸を天井にまで伸ばし、ネズミの近づけない部屋の上方に移動する。
「はっ!そうだ、マコトちゃんは大丈夫・・・・みたいだね、グレン、グレンどこにいるの?」
さほど夜目が利かないリリィでは、黒猫グレンの姿を見つけることはできなかったようだ。
だが、フリードとの会話が聞こえてきたことで、とりあえず元気なのだと安心する。
ガンガンと何かを叩き壊すような音がした後、フリードは
>「さあここなら落ちても打撲で済みますよ?」 とのたまった。
「さりげなく恐ろしいこと言わないでよ!普通の人は打ち所が悪かったら死ぬっての!!」
怖い怖い怖いよーと小声でぶつぶつ呟く。
そしてふと、リリィは今回はちゃんと魔法の箒を用意してきたことを思い出した。
そう。魔法の箒をちゃんと握っていれば、彼女も一応空を飛ぶことができるのだ。
(んしょ・・・・・んしょ)
不自然な体制ながらも、鞄に差し込んである箒をなんとか引っ張り出そうと悪戦苦闘する。
- 53 :
- 火鼠に対処するべく、慎重に氷の矢の魔法を放つフリード。
氷の矢を受け、火鼠達はさくさく倒されていく。
「おおー!!ミクさん、そろそろ降りても大丈夫じゃないかなーなんて思っちゃったりしたりして・・・・・・ははは」
ミクの横顔を間近で見ながら、リリィは恐る恐る進言した。
>「どうしょうかな……そうや!こういうときは火には火をや!炎の神様を呼んだらええねん」
一方のマコトは、呪文の詠唱が終わったようだ。
てっきり、スライムを焼き払ってくれるのだとばかり思ったのだが・・・・・・・。
>「火の神ちょっとおいでなすって私をちょっとお助k……ファックション!!」
「わーーーっ?!」
マコトが呼び出した炎は、ミクが入念に張り巡らせていた糸を焼き払ってしまった。
>「あ、ミクの糸、全部燃えてもうた」
「飛べ!」
リリィは何とか後手で引っ張り出していた魔法の箒に、自分の両足を絡めた。
「ミクさんしっかり掴まっててね、今・・・・きゃー!!」
そこまでは良かったのだが、不自然な体勢ではミクの負荷を小柄な彼女が支えきれるはずもなく。
箒から落ちることこそなかったが、両膝を箒に引っ掛けた体勢で、逆さまにぶら下がる形でミクを支えることになる。
「マコトちゃんのばかぁ!フリード君、今こっち向いたら泣くから!!」
もっとも、フリードはスライムと対峙していてそれどころではないのだが。
「火鼠は?火鼠はどうなったの?」
何とか体勢を立て直し、フリードがいる場所へ着陸したリリィ。
幸い、火鼠は炎の魔法を食らったからといって復活したりはしなかった。
「さっすが・・・・・・フリード君の氷の矢って強力だったのね」
箒の下にぶら下がっていたため一人パニック状態だった彼女は、自分達への援護射撃に気づかなかったようだ。
「それとマコトちゃん、危ないじゃないのよ!
こんな狭い場所で炎ぶっ放したら、みんな丸焦げになっちゃうかもしれないのよ?!」
> 誰か火を!火を放って焼いちゃってください!間違っても物理攻撃はしちゃ駄目です!!」
>「スライムは……グレンとフリードで頑張って!!」
「えーっ!!そんなぁ!!」
リリィは情けない声を出した。
「言い過ぎたのは謝るよ、このとおり!だから、ご機嫌直してよぉ」
リリィはエンカが良くやる東方式の謝罪をしてみた。
「フリード君、スライムって物理攻撃は効かないんだよね」
じゃあ、かちかちに凍らせたら、スライムって無効化されたりしないのかな?
ミクさんはどう思う?
あ、ミクさんはスライムが好物なんてことは・・・・・はははないですよね。
やだな、冗談ですよほんとに冗談冗談ですからごめんなさいごめんなさい」
キジも鳴かずば撃たれまい、を地でいくリリィだった。
「攻撃手段がないなら、私が一皮ぬぎましょー!おー!!」
リリィはおやつの包みとランタンの油瓶を取り出した。
今から何をするつもりなのか?と問われれば、リリィは目をきらきらさせながらこう答えるだろう。
「スライムキューブの前に、このおやつを仕掛けておくの!
そしたら火鼠がえさを食べに来るでしょ?スライムが逃げるって寸法よ!
それでだめだったら、この油壺をスライムに投げつけるの!火鼠の炎に引火してぼーって燃えるわよきっと!!」
ちなみに、火鼠用に準備したおやつはリンゴである。
このリリィの計画は、誰の目から見ても穴だらけであり、成功するとはとても思えない。
だが、リリィはなぜか自信満々だ。
良識ある誰かが止めるよう忠告するか、現状を改善しない限り、このアイディアを実行してしまうだろう。
- 54 :
- >50-53
>「スライムは……グレンとフリードで頑張って!!」
>「えーっ!!そんなぁ!!」
「氷の魔法使いが炎が弱点だって分かってる相手と戦うとか
不適財不適所じゃないですかやだぁ!!」
フリードリッヒはその特性により氷の精霊には好かれているが炎の精霊には嫌われている
いわゆる氷属性特化型の魔法使いなのである
故に相手が炎が弱点だとしても炎で攻撃できないのだ
魔法が関係ない松明でも持っていたならば別なのだろうが
今回それら一式を持っているのはリリィなのである
>「フリード君、スライムって物理攻撃は効かないんだよね」
「ええ何しろ液体状の生物ですから斬っても分裂するだけです
スライムは酸性ですのでもし運動場に線を引く石灰があれば中和できるんですけど・・・・・」
学園物なのに学園外に出てしまったのが仇になったのか今はそれは手に入らない状態である
>「じゃあ、かちかちに凍らせたら、スライムって無効化されたりしないのかな?」
「一時的には無害化できますが・・・・・・」
時間が経ったら復活して帰りにまた同じスライムと戦うはめになるだろう
だが・・・・とフリードは考えた
今の目的は敵を倒すことではなく炎道を助け出すことではないかと
敵をすことは手段であって目的ではない
別にさないで無害化できるのならそれで良いのではないかと
>「スライムキューブの前に、このおやつを仕掛けておくの!」
とリリィは自分の考えた作戦を皆に語る
「どうせだったら始めから炎の付いた何かを投げつけたほうが早いのでは?」
スライムと火鼠がそう上手く動いてくれるとはとても思えないフリードは
始めから燃やしてしまえばよくね?と氷の魔法使いらしからぬ感想を述べた
「そうだ僕にいい考えがあるスライムに向かって火鼠を蹴るんだ」(猫語)
とグレン
だがそれをやって靴が燃えないのだろうか?
それにすばやい鼠を上手く蹴ることなんて本当に出来るのだろうか?
いい考えという言葉が上手くいったためしがあっただろうか?
「とりあえずやってみましょう」
フリードは火鼠を蹴ろうとした
だが鼠はすばやく避けた
「うにゃぁぁぁぁぁごぉ!!」
グレンは鼠の動きを止めようと雄たけびを上げた
一部の鼠は動きが止まった
「今です!鼠を蹴って宙に浮いた金貨(スライム)に当てるんです!!」
はたしてこの試みは上手くいくのだろうか?
- 55 :
- >48-54
>『攻撃するには登らないと駄目だけど間に合うかな?』(猫語)
「……氷を操れるのなら、氷の階段でも作ればよろしいのでは?」
思わずそう言ってしまってから、ミクは少し顔をしかめた。
相手の進め方に上手く乗せられている事に気づいたのだ。
どうにもこの師従組は苦手だと内心ぼやきながらも、火鼠への対処法の少ないミクとしては事態の進展を見守るしかない。
ともかくフリードは火鼠の数を氷の矢で減らしてくれているのだから、文句ばかりも言えないのだ。
>「おおー!!ミクさん、そろそろ降りても大丈夫じゃないかなーなんて思っちゃったりしたりして・・・・・・ははは」
「……そうですわね。 鼠の数も減ってきたようですし……」
リリィの言葉に賛同したミクが蜘蛛糸を伸ばして床に下りようとした時、真がくしゃみで呪文の詠唱に失敗した。
>「わーーーっ?!」
>「あ、ミクの糸、全部燃えてもうた」
元凶の真は気楽なものだが、事はそう簡単ではない。
焼けた糸には、当然ながらミクたちのぶら下がっている糸も含まれる。
結果的に墜落は免れないし、うっかりすると味方に焼きされる一歩手前だったのだ!
>「飛べ!」
墜落への対処は、意図せずとはいえ事前に準備していたリリィのほうが速かった。
箒を使って空を飛ぶリリィに捕まる形で、ミクも墜落は免れる。
「今回はあなたに助けられましたわね。 感謝しますわ」
空中で礼を言うミクだが、肝心のリリィのほうはそれどころではない。
>「ミクさんしっかり掴まっててね、今・・・・きゃー!!」
バランスを崩してパニックを起こすリリィに捕まりながらミクも、緊急時には糸で箒を絡め取る準備はした。
だが幸いリリィは無事に着陸したので、ミクも一安心である。
着地した後の言動を見るに、リリィたちは新しく遺跡に侵入した一部隊による援護射撃に気づいていないようだった。
あるいは気づいていないふりをしているだけかも知れないのだが。
ミクは珍しく、彼らに声をかけるべきかどうか迷った。
彼らの会話は耳の良いミクには聞こえていたが、警護対象との言葉からしてその内容はどう考えても敵対的なものではない。
加えて、彼らは自分達の存在を隠しておきたいようでもある。
果たして声をかけるべきか否か。
>「フリード君、スライムって物理攻撃は効かないんだよね」
> じゃあ、かちかちに凍らせたら、スライムって無効化されたりしないのかな?
> ミクさんはどう思う?
> あ、ミクさんはスライムが好物なんてことは・・・・・はははないですよね。
思案中にリリィの冗談が聞こえてきて、ミクはじろりとリリィを睨む。
> やだな、冗談ですよほんとに冗談冗談ですからごめんなさいごめんなさい」
慌てて平謝りするリリィの様子が面白くて、ミクはくすくすと笑った。
元々本気で怒っていたわけではないのだ。
「ふふふ……こちらも冗談ですわよ。
そんなに恐縮しないでくださいましね」
- 56 :
- >「攻撃手段がないなら、私が一皮ぬぎましょー!おー!!」
そう言ったリリィは、【リンゴが駄目なら油壺を使えばいいじゃない計画】を自信満々に発表する。
自信満々なのに穴だらけのザル計画である。
>「どうせだったら始めから炎の付いた何かを投げつけたほうが早いのでは?」
「そもそも火鼠がリンゴを食べるかどうか疑わしいですわね」
フリードだけではなく、ミクもこの作戦には懐疑的である。
残念ながら、リリィの計画は却下される事になりそうだ。
>「そうだ僕にいい考えがあるスライムに向かって火鼠を蹴るんだ」(猫語)
「……猫の首に誰が鈴をつけるか相談する鼠の話をご存知かしら」
だれがそんな危険な事をするのだという点を指摘する話を持ち出して、ミクはグレンを止めようとした。
しかしフリードとグレンの主従は、どこまでもミクの考えの上を行っていた。
例えそれが斜め上であっても、上は上である。
>「とりあえずやってみましょう」
燃える火の塊を蹴るなどと正気の沙汰ではない事を、フリードは(信じられない事にとりあえずだ!)実行する。
足は空を蹴ったが、それは火鼠も蹴られるまで大人しく待っていてくれなかっただけであり。
火鼠がじっとしていたら火傷してでも蹴っていたであろうことは疑いの余地もない。
>「うにゃぁぁぁぁぁごぉ!!」
天敵であるのか、猫であるグレンの雄たけびを聞いた火鼠たちが竦みあがって動きを止める。
あるいは火鼠は、古代猫たちの餌として飼われていたのかもしれなかった。
>「今です!鼠を蹴って宙に浮いた金貨(スライム)に当てるんです!!」
言われる前に、ミクは近くにいた火鼠に素早く近寄っている。
スライムは無視して帰るという選択肢も取れたミクだが、今回はそうはしなかった。
真にまた火の神を呼ばれてスライムごと丸焼きにされるのは嫌だったのだ。
もしかしたらミク自身にも気づかない理由があったのかもしれないが、聞かれたらミクはそう答えるだろう。
ともかく蹴鞠の要領で火鼠を蹴飛ばしたミクは、体が焼ける感覚に顔をしかめた。
一方、蹴られた不幸な火鼠の方は、金貨に当たる事もなくしばらく空を飛んで地面に落ち、
悲鳴のように鳴き声を上げながら遺跡の奥に逃げていく。
だが感覚が常人より鋭いミクには、スライム退治が成功した事がすぐにわかった。
どんなに鈍感なものでも、しばらくすればそれがわかるだろう。
スライムの体の中に閉じ込められていた金貨が、ゆっくりと床に落ちていくのだから。
構成していた体の核を焼かれたスライムは、溶けてしまったのだ。
「これで、奥に行けるようになりましたわね」
ふう、と息を吐いて、ミクは火傷した足に力を込めた。
痛みはあるが、歩けないほどではない。
履いていた靴は溶けてしまっているので、ミクは糸を使って靴を作り出す。
どのみち着ている衣服は彼女が糸で作り出したものだ。
「少々時間がかかってしまいましたけど、総代を探しに向かいましょうか。
あちらでも私たちの事をお待ちでしょうから」
- 57 :
- もけもけ
- 58 :
- 火鼠やその他諸々の障害に秘密裏かつ隠密に対応していた特務隊であったが姿を隠し護衛の任にあたるのには少々 手厳しい状況へと移っていった
「敵!後退を開始!制圧射撃を続行します!」
「側方より更に火鼠の群れが接近!牽制を開始!」
火鼠の群れの撃退を試みるもその数に加え炎も侮れない、氷の銃弾と銃声は更に勢いを増して遺跡中へと響きわたる
「少尉!遺跡深部への一時後退を提案します!
屋内下での牽制はこれ以上無理だ!」
特務隊は十二分な働きを果たしているが多勢に無勢 徐々にではあるが戦況は不利な方向へと傾いていく
「…!…捜索班とも連携がとれない今 隠密作戦の継続は困難か…
総員、遺跡深部へと後退する 警護対象と接触しても構わん!」
その時、遺跡の入り口より恐ろしい咆哮と共に何者かが遺跡を壊さんとばかりに地震を思わせる揺れを起こし疾走してきたのだ
「少尉!トリフィードです!!」
部下の慌てふためんばかりの叫びが振動と共に響きわたった
「総員退却!!陽動班は制圧射撃を展開の後 後退しろ!」
トリフィードは氷の銃弾を物ともせず 特務隊を追い 遺跡深部へと突入していった
- 59 :
- >54-58
>「どうせだったら始めから炎の付いた何かを投げつけたほうが早いのでは?」
>「そもそも火鼠がリンゴを食べるかどうか疑わしいですわね」
せっかく立てた「かんぺき!わたしのスライムこうりゃくさくせん」を即却下され、リリィはしゅんとなった。
「いいアイディアだと思ったのになぁ・・・」
>「そうだ僕にいい考えがあるスライムに向かって火鼠を蹴るんだ」(猫語)
「えーっ!熱くないの?それとうろちょろ動く火鼠を蹴るのって難しくない?」
火傷ももちろんだが、すばやい動きの火鼠を足でコントロールするのは至難の業だろう。
>「……猫の首に誰が鈴をつけるか相談する鼠の話をご存知かしら」
「そんなのフリード君に頼めばいいんじゃない?・・・・・え、違うの?」
>「とりあえずやってみましょう」
>フリードは火鼠を蹴ろうとした
>だが鼠はすばやく避けた
「せめて動きが止まればいいのに・・・・・火鼠、りんご嫌いなのかな?ちちちち、ちちちち、こっちおいで」
リリィはりんごを手に、火鼠を呼び寄せようと無駄な努力をしている。
>「うにゃぁぁぁぁぁごぉ!!」
>一部の鼠は動きが止まった
>「今です!鼠を蹴って宙に浮いた金貨(スライム)に当てるんです!!」
「蹴るって言ったって・・・・・そうだ!」
リリィは魔法の箒を振り上げると、フルスイングで火鼠を打ち出そうとした。
だがしかし!
「わーっだめ!箒に火が!私のおんぼろ箒が燃えちゃう!!」
魔法の箒はぶすぶすと煙を上げ始め、リリィは慌てふためいて火種を踏み消しはじめる。
その間に、ミクはすばやい動きで火鼠に走りよったかと思うと、すばらしいフォームで蹴りだした。
>一方、蹴られた不幸な火鼠の方は、金貨に当たる事もなくしばらく空を飛んで地面に落ち、
>悲鳴のように鳴き声を上げながら遺跡の奥に逃げていく。
「あっ!金貨が落ちてきた!もしかして、スライム退治完了?」
リリィは床に落ちたスライム金貨を、消し止めた箒の先でつんつんしながらそう呟いた。
>「これで、奥に行けるようになりましたわね」
ふう、と息を吐いて、ミクは火傷した足に力を込めた。
「そうだ!火鼠思いっきり蹴ったけど、もしかしてやけどしたんじゃないの?ちょっと見せて!」
ミクが履いていた靴は、火鼠の熱で溶けてしまっていた。
「フリード君、冷やしてあげて。ミクさん、あんまり無理しちゃ駄目だよもう!・・・・・・助かったけど」
リリィは大急ぎで簡単な応急手当をした。その後すぐにミクは糸を使って靴を作り出す。
まるで魔法のようだと、リリィは思わずため息をついた。
「でもちょっと意外。
ミクさんが私達やエンドウ君のために、やけどしてまで道を開いてくれるなんて思わなかった。
・・・・・・ありがとね」
- 60 :
- >「少々時間がかかってしまいましたけど、総代を探しに向かいましょうか。
> あちらでも私たちの事をお待ちでしょうから」
「うん。行こう!」フリード君、もう体は大丈夫なの?
ミクさんもちゃんと歩けてる?もし無理なら、私の箒に乗っていいよ。大丈夫、ゆっくり飛ばすから!
グレン・・・・・・はちゃんと見えるから大丈夫だよね。
マコトちゃん、居る?ちゃんとついて来てね!
こんな薄暗いところで迷子になったら、合流するのも大変になっちゃうんだから・・・・・ぎゃんっ!!」
スライムの残骸に足をとられ、見事にしりもちをつく。
「もー!!スライムのばか!こうしてこうして!こうしてやるんだから!!」
リリィは落ちていた金貨を拾い集めると、持っていた袋に詰め鞄にしまった。
「さっ!行こうか!」
リリィの一歩先を、カンテラがふわふわ浮いて足元を照らしている。
青白い光で、先ほどよりはっきりと遺跡内部を確認することができた。
今居る場所は、通路を抜けた先にある少し開けたホールのような場所だった。
ホールの壁らしき場所にはいくつか扉があり、どこかへと通じているようだ。
「マコトちゃん、エンドウ君のテレパシー、また聞こえてきたりしない?ここに居るぜとか言ってない?」
表情から伺うに、残念ながら新たな「愛のメッセージ」の受け取りは期待薄なようだ。
「そういえば、エンカも学園に入学する前、この森の中でおっかない植物と出会ったって言ってたっけ。
キノコ人間といい、トリフィードといい、スライムといい、本当に森の中って危険でいっぱいだね!
トリフィードは何とかまいたけど、みんな、気を引き締めていこうね!おー!!」
リリィが握りこぶしを振り上げて気勢を上げていると、先ほど通ってきた入り口の方角がなにやら騒がしい。
>遺跡の入り口より恐ろしい咆哮と共に何者かが遺跡を壊さんとばかりに地震を思わせる揺れを起こし疾走してきたのだ
「・・・!トリフィードです!!」
「えっ、何?何なに?!今誰か、トリフィードって言わなかった?!」
破壊音と怒号にかき消されよく聞こえないが、入り口付近で何かあったのは間違いない。
「わっ、どうしよ、どうしよう!!」
リリィは慌てふためき、目の前の扉に飛びつくと、周りの言葉にも耳を貸さず扉を開けてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・・・!!」
中に飛び込もうとしたリリィは、ものすごい勢いでドアを閉めた。
中を見た彼女は真っ青な顔で、ぶるぶる震えている。
「な、なんか中に居た。何あれ、全身もけもけで・・・・・。
キノコ人間に良く似てるけど、なんかほんのり光ってるの!何あれ!!」
どんっ!と分厚いドアの向こう側から、何かが体当たりする音が聞こえてきた。
「わーん、怖いよ!!でもあれエンドウ君じゃないよ!良く見えなかったけど、きっと違うよ!
どうする?入り口の方の人達と合流する?それとも、このまま先に進む?」
入り口のほうには戻らなくても、向こうから来てくれそうだ。
先に進むにしても、リリィがあけた扉には入らない方がよさそうだ。
- 61 :
- >55-60
>「これで、奥に行けるようになりましたわね」
「ありがとうございます!おかげでスライムを撃退することが出来ました」
ミクに感謝の言葉を述べるフリード
「そんな火傷で大丈夫なのか?」(猫語)
とグレン
こんな言葉だが一応心配しているようだ
>「フリード君、冷やしてあげて。ミクさん、あんまり無理しちゃ駄目だよもう!・・・・・・助かったけど」
「僕にまともな治癒魔法が使えたら良かったんですけどねえぇ」
と簡単な応急措置を取る一行
フリードは一応治癒魔法を使えるが直せるのは自分のそれも顔部分だけである
ゆえに回復という意味ではほぼ役に立たないのだ
「炎道さんを助け出して学園に帰ったら二学期からの選択科目に治癒魔法を選ぶ事を考えないといけませんね」
「でも担当教員は例のな保険医だよ?本当に大丈夫なの?」
グレンは保険医に影響されてフリードがになってしまうのではと心配しているようである
>「少々時間がかかってしまいましたけど、総代を探しに向かいましょうか。
あちらでも私たちの事をお待ちでしょうから」
>「うん。行こう!」フリード君、もう体は大丈夫なの?」
「ぶっちゃけるとまだ痛いですよ
物語の勇者ですら宿屋で一晩寝ないと回復しないんですから
一日も経ってないのに怪我が直るわけがないんです
ですが友達を助けるのに痛いとか無理とか言っている場合じゃありませんから我慢しますよ」
フリードは我慢強さの特徴を持っているので怪我をしても能力値が下がらないのだ
>「さっ!行こうか!」
「そうですね急いで向かいましょうか」
と氷の10フィートほどある棒を生み出し地面を突きながら歩くフリード
「なにその棒?」(猫語)
「10フィートの棒はダンジョンでの必需品ですよ?常識でしょう?」
10フィートつまり約3メートルの棒である
ダンジョンでの罠の有無を確かめる為に床や壁を叩くのに使われる
石橋を叩いて渡るのに使われるのもこれである(嘘)
さて目の前にはたくさんの扉
たぶん炎道に繋がっているのはそのうちの一つのみだ
リリィが開けた扉にはへんなもけもけした生き物が居たらしくすぐ閉めてしまった
「この場合一人一人別の扉に入ったほうが効率的ですが・・・・・・
アタッカーじゃない人が入って何かあったら大変ですよね?どうします?」
「トリフィードが居るって聞こえたよ?止まってたら危険だよ」(猫語)
「とりあえず僕も一つ扉を開けてみましょうか?」
ガタン!
楽しいゴブリン一家が家族団らんしていた
フリードは見なかったことにしてそのまま閉めた
「はずれですね」
とりあえずフリードは氷の剣でペケ印を扉につけた
「何処にでも居るねゴブリン」(猫語)
「一匹見つけたら30匹は居ますよね」
さあ次は別の扉だ
- 62 :
- 火鼠を見事な連携で突発した一同
>「マコトちゃん、エンドウ君のテレパシー、また聞こえてきたりしない?ここに居るぜとか言ってない?」
残念ながらそんな都合よく勇気からのテレパシーなどなかった
その事は表情からリリィは察してくれたのか、追及はなかった
真も特になにも言えなかった
そんなこんなで無数の扉がある場所にたどり着いた
リリィが開いた扉の先にはもけっとした生命がいた
「なんや、かわいい奴がおるやないか」
リリィが恐怖する存在を、かわいいという真の感性はどこかずれているといえるかも
西洋と東洋の違いと言えるかもしれない
フリードが開いた扉の先にはゴブリの一家が家族団らんの図
団らんのらんが変換できないのはなぜでしょう?
これだから、スマホは……
メタな乗りもたまにはいいでしょうよ
地の文だし
さてさて、リリィ、フリードと扉を開けて好奇心旺盛の真ちゃんが扉を開けないわけがない
どじっ子属性が、とあるステータス風だとA++ぐらいあるであろう真ちゃんがだ
「私の愛の力で一発で勇気への道を当ててやるわ!」
真が扉が飛んでいきそうな勢いで、扉を開く
「真っ暗やわ。一寸先は闇どころちゃうぐらい真っ暗やわ」
真が試しに指先を突っ込んでみると指先がすぐに見えなくなる
「アイタッ!」
悲鳴をあげる
どうやら、闇の向こうでなにかに噛まれたようだ
反射的に指を引き抜くと歯形がついていた
そこからはうっすらと血が滲んでいた
「ぶっしたる!!!」
逆上した真は今まさに正体もわからぬままに極大爆笑魔法で吹き飛ばそうとしている
この暗闇の正体は?
この先になにがあるのか?
正直、ノープランなのか?
こうご期待
- 63 :
- 逆上した真の目の前で闇が突然蠢いた!
闇、否、それは黒だった
蠢く黒は入り口から一気に溢れ出す!
その正体は蟻だった!
体長5センチほどの軍隊蟻が数十万という数で部屋を埋め尽くし闇のように見せていたのだ
部屋から溢れ出た無数の軍隊蟻が一斉に真たちに襲い掛かる!
モンスターデータ
・クリーナーアント
・迷宮に生息する軍隊蟻
・数十万の大軍で群れを成し、迷宮内のあらゆるものを貪り食らう
・その貪欲さから迷宮の掃除人、クリーナーアントと名付けられる
・体長5センチ、甲殻に覆われ、疲れや恐怖を知らない
・強力な顎と蟻酸で得物に群がり牛ですら数分で骨も残さずに食らいつくす
・群れの中に女王蟻がいて、命令を出しているらしい
- 64 :
- >57-63
>ミクさんもちゃんと歩けてる?もし無理なら、私の箒に乗っていいよ。大丈夫、ゆっくり飛ばすから!
言われてミクは、何回か足を動かして状態を確かめる。
高温で焼かれたやけどは、幸い歩けないほどには痛まなかった。
フリードの冷却治療が威力を発揮したのだろうか。
「フリードに冷やしていただきましたから、痛みはそれほどでもありませんわ。
でも……そう、ですわね。 それではお言葉に甘えて乗せていただこうかしら」
それでも少し考えてから、ミクは箒に乗せてもらうことを選んだ。
楽は出来る間にしておくに限るのだ。
リリィがカンテラを飛ばし、フリードが罠がないか確認しながら歩く。
その後ろを、ミクはリリィの箒に横座りで乗ったまま進んでいく。
道々他に罠がないかと意識はしていたが、幸いな事に通路にそれ以上罠はなかった。
リリィはミクの手助けを意外に感じたようだが、不本意な始まりではあっても今は運命共同体だ。
乗りかかった船が沈みそうなら、沈まないよう手を尽くすのは当然である。
通路を進んだ先は少し開けた広間になっていて、複数の扉が進路を塞いでいる。
望むにしろ望まないにしろ、先に進むためには扉を開けなければならない。
>「マコトちゃん、エンドウ君のテレパシー、また聞こえてきたりしない?ここに居るぜとか言ってない?」
リリィの問いに、回答はなかった。
表情からするに、そんな答えはなかったようだった。
もしかすると、総代は探し出して欲しくはないのではないかという考えが、ミクの頭をよぎる。
離れていても声を届けられたのに、近づくと何も言わないというのもおかしな話ではないか。と。
>「・・・!トリフィードです!!」
>「えっ、何?何なに?!今誰か、トリフィードって言わなかった?!」
「どうやら、こちらを追いかけてきたようですわね」
あるいは先に侵入してきた者たちを追いかけてきたのかも知れないが。
理由はどうあれ、後戻りが難しくなったという状況になにも変わりはない。
扉を開けて先に進むか、戻ってトリフィードと対決するかの選択肢なのだ。
>「わっ、どうしよ、どうしよう!!」
「リリィさん。 あまり慌てて扉を開かないほうが…」
ミクの警告は少しばかり遅かった。
リリィは扉を開け、中にいた光る人型のそれと遭遇してしまったのだ。
>「・・・・・・・・・・・・・・・!!」
リリィは開けたのに倍する速度で扉を閉めたため、【それ】が外に放たれる事はなかった。
>「な、なんか中に居た。何あれ、全身もけもけで・・・・・。
> キノコ人間に良く似てるけど、なんかほんのり光ってるの!何あれ!!」
「カビ人間か人間カビの類のようですわね」
闇を見通せる分リリィより詳しく分析できたミクだが、リリィもそんな答えは望んでいないに違いなかった。
>「わーん、怖いよ!!でもあれエンドウ君じゃないよ!良く見えなかったけど、きっと違うよ!
> どうする?入り口の方の人達と合流する?それとも、このまま先に進む?」
「そうですわねぇ……」
扉の中の怪物がかわいいと言う真に賛同すべきか否か考えながら、ミクはリリィに返事を返す。
「扉を開けすぎて、前門の虎と後門の狼に挟み撃ちを受けるのもどうかと思いますから。
まずは後から来た方と合流して…」
>「とりあえず僕も一つ扉を開けてみましょうか?」
またしても、ミクの提案は遅すぎた。
フリードが扉を開けた先では、子鬼の一家が仲良く暮らしていた。
>「何処にでも居るねゴブリン」(猫語)
>「一匹見つけたら30匹は居ますよね」
扉を閉めて何事もなかったように会話を続ける主従に、ミクは軽くめまいを覚えた。
深刻なつっこみ不足である。
- 65 :
- >「私の愛の力で一発で勇気への道を当ててやるわ!」
真がさらに扉を開ける時は、もうミクは何も言わなかった。
止めても無駄だと悟ったからだ。
>「真っ暗やわ。一寸先は闇どころちゃうぐらい真っ暗やわ」
すぐの脅威はなさそうだと考えて、ミクも真の背後から扉の中をのぞき見た。
中は真っ暗で、先は見通せなかった。
その闇がうごめいたように思えて、ミクは違和感を感じる。
自分は何か大事な事を忘れているのではないかと、眉をひそめたとき。
何かに噛まれた真が叫んだ。
>「アイタッ!」
その声を聞いて、ミクは違和感の正体を理解する。
魔法ではない闇なら自分にも見通せるはずだし、そもそも本当の闇なら動くはずがないのだ!
>「ぶっしたる!!!」
逆上した真に糸を巻きつけたミクは、その糸を思い切り引っ張った。
同時に集まって闇のように見えていた蟻の群れが、雪崩のように一気に真の頭上に襲い掛かる。
「急いで糸の上にお乗りなさい!」
素早く頭上に蜘蛛糸で足場を組んだミクは、箒から足場の上に飛び移って他の者にそう呼びかける。
目で見えるほどには太い糸だが、一般人が足場にするには少々心もとないだろう。
だが、あまり糸を太くしすぎるわけにも行かなかった。
「少々足場が狭いのはごめんなさいましね。
あまり糸を太くすると、それだけ余計に蟻も登ってきますから」
足場に上がるのは自分達だけではない。
床や壁との接点から、糸を太くすればそれだけ早く多く蟻たちも足場に這い上がってくるのだ。
足場自体は十分の強度があり、入り口付近の糸から後続の侵入者も上る事ができるだろ。
それで満足してもらうほかはない。
「それにしても、数の暴力とはよく言ったものですわね。
他の扉を開いて数を減らす事にいたしましょうか」
蟻に埋め尽くされた床を見下ろしながらそう言って、ミクはまだ開けられていない扉に向けて糸を操る。
扉を開けて少しでも広間の中の蟻の量を減らそうとしているのだ。
「……どうやら、当りを引いたようですわね」
開いた扉の先が当たりかはずれかは、見る者によって意見が異なるだろう。
扉の先に見えていたのは外の光景。
つまり出口だったのだ。
まだ目的は達成できていないものの、非常出口または室内の蟻を減らすという視点では大当たりだ。
しかし、蟻たちはミクの思惑通りには動いてくれなかった。
出て行く蟻の数はごくわずかで、室内の蟻が大幅に減ることは無かったのだ。
それどころか蟻たちは外に通じる扉付近に群がり、盛り上がり、出口を塞ぎ始めたのだ。
まるで外には出られないようにと、誰かの意志が働いているように。
もし誰かが外から見たなら、蟻で出来た扉にさぞかし驚く事だろう。
「……虫けらの分際で随分と統率のとれた動きですこと。
どなたか、焼くなり凍らせるなりまとめて蹴散らしていただけると嬉しいですわ。
ここもいつまでも安全というわけにはいかないでしょうから」
蟻は小さくて数が多いので、点や線より面による攻撃が有効となる。
範囲攻撃はミクには苦手な分野なのだ。
- 66 :
- "人"が"夢"を見ると書いて、儚い。
ルナ・チップルの頭にはそんな言葉が浮かんでいた。
あれからどのくらい森を彷徨ったのだろう。
黒のロングコートが重い。ベルトだらけのブーツも。
だけどこれを身に着けていないと、肌に棘が刺さったり、鋭い葉っぱで足が切れてしまう。
天を仰げば、鳶が雲に歌を聞かせている。
森は怖いところ、後悔先に立たず。そう思ったら自然と涙が零れ落ちた。
少し前までは学園であんなに皆と笑いあっていたのに、
こんな恐ろしいところになんかトリフィードを捕まえに来なければ良かった。
「うぅっ…ここはどこなの…?」
きょろきょろと周りを見回しても一人。ルナは迷子で一人ぼっち。
なぜなら彼女とその仲間達(>5で談笑していた人達)は株分けし増殖したであろう無数のトリフィードに襲われ、
散り散りバラバラになってしまっていたからだ。
しばらくしてルナはとても小さな声で歌い始める。
「……き、き、きのこ。き、き、きのこ。のこのこあるいたりしないー
のこのこあるいたりしないけど、銀のあめあめふったなら
背がのびて、くるるるる るるるるるー…」
これは学園でリリィたちと一緒に歌った「きのこのうた」という不思議な歌。
遠い東洋の子供たちが歌う「かごめかごめ」と同様、昔から子供に伝わる謎の歌。
「リリィさん…たすけて…」
学園での楽しかった思い出に再び溢れ出す涙。
涙でぼよぼよに変わる森の景色。
そのときだ。風に乗って微かにリリィの声が聞こえたような気がした。
ルナは声の方角に視線をむけると涙をハンカチで押さえ木々の間を凝視する。
- 67 :
- なんと視線の先にはリリィたち。それも姿が一回り大きくなって見える。
いやそれは錯覚で、よく観察すれば、まわりの風景がミニサイズなのだ。
そう、彼女達が今いる場所は超巨大猫文明の遺跡。
目を凝らしてみると小さい生き物が高速で手を振っていて
それに連動するかのように遺跡の扉が開いていってる。
「たすけてぇー!リリィさーん!!」
叫んでも、扉の開くゴゴゴの音のせいで、リリィたちは気づいていない。
慌てたルナは、追いかけようと茂みに入って窪みに落ちる。
「わぁ〜ん!!」
泣きながら這い上がって遺跡の入り口へ駆けたけど、もう誰もいなかった。
ルナは恐る恐る遺跡に入る。その前にコンパクトミラーと化粧ポーチから
化粧道具一式を取り出してお色直し。
猫のように闇でも目が見えるようになる魔法のアイラインを引く。
「うん。いこ…」
深呼吸をして遺跡の中へ入ると開いた落とし穴。
「ふっ…こんなのに引っかかってるなんて、バカな人たち」
ルナは落とし穴に落ちないように通路の端っこの壁に背中をつけながら蟹歩き。
それも異様に早い。蟹歩きではなく蟹走りと言えた。黒のロングコートのせいかゴキブリにも見える。
そして滑ってこける。スライムの残骸を踏んでしまったらしい。
「あいたたた…」
起き上がると薄暗い闇の奥に明かりが見えた。それはリリィのカンテラだった。
(や、やっと追いついたみたい)
安堵したルナは明かりにむかって歩いてゆく。
そのときだ。心臓を破るかのような破壊音が後方で鳴り響いたかと思うと、
無数の声が遺跡内にこだました。
>「・・・!トリフィードです!!」
>「えっ、何?何なに?!今誰か、トリフィードって言わなかった?!」
>「どうやら、こちらを追いかけてきたようですわね」
破壊音と怒号にかき消されよく聞こえないが、入り口付近で何かあったのは間違いない。
「お、追いかけてきたッ!?」
ルナは走る。リリィのもとへ。
そして驚く。扉だらけの部屋に無数のクリーナーアントたちがいたからだ。
「きゃあぁ!!ありよ、あり!!いやー!きもちわるいっ!!」
>「急いで糸の上にお乗りなさい!」
ミクの言葉にルナは慌てて蜘蛛の巣によじ登る。
糸の上は細くて不安定。恐怖でルナがぶるぶると震えると蜘蛛の巣全体が揺れるくらい。
「や、やあ。リリィ。ひさしぶり。オレのこと、覚えてる?
まさか、大親友の名前を忘れたなんて言わせないぜ」
ルナはビジュアル系。臆病なのを隠している。
- 68 :
- >62-67
>「アイタッ!」
>「ぶっしたる!!!」
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻
蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻蟻(ry
真の開けた扉の向こうから数え切れないほどの蟻の群れが扉から現れる
「蟻が7で地面が3ですよどうするんですかこの状況!!」
「いいから蟻がこれ以上出て来ないように蟻の出て来た扉を閉めようよ!」(猫語)
>「急いで糸の上にお乗りなさい!」
そうミクに言われ急いで糸に乗るフリードとグレン
>「や、やあ。リリィ。ひさしぶり。オレのこと、覚えてる?
まさか、大親友の名前を忘れたなんて言わせないぜ」
「そんなこと言ってる場合じゃありません!このままでは蟻に食べられてしまいますよ!!」
「自分より小さくてもいっぱい居ると凶悪だね」(猫語)
「アドラスさんとの戦いとは逆の状況と言えますね」
>「少々足場が狭いのはごめんなさいましね。
あまり糸を太くすると、それだけ余計に蟻も登ってきますから」
「いえありがとうございます・・・・さてこの場合どう行動するのがベストでしょうか?」
フリードは考えたもし自分の姉だったら広範囲攻撃呪文で問答無用で吹っ飛ばすに違いない
ただし味方も纏めてである
強すぎる攻撃呪文は味方も巻き込んでしまうためこの狭い遺跡内では大変危険なのだ
攻撃呪文の巻き添えならまだ何とかなるが下手すれば遺跡自体が崩壊し生き埋めもありえる
>「それにしても、数の暴力とはよく言ったものですわね。
他の扉を開いて数を減らす事にいたしましょうか」
「ちょ!おま!また別の怪物が扉から出てきたらどうするんですかやだぁ!!」
最悪の災厄を創造するフリード
ここが想像が創造される場所でなくて本当によかった
「でも大丈夫みたいだよ?」(猫語)
とグレン
>「……どうやら、当りを引いたようですわね」
どうやら上手くいったようで扉の向こうには外の景色が広がっている
だがその開いた扉も蟻の群れが覆い隠していく
このままでは出口を塞がれてしまうだろう
「こうなったら(敵に氷の破片が突き刺さったビジュアルがグロいから)封印していた氷結散弾脚を使うほかありません」
「その技って僕らが居る糸まで切り裂かない?」(猫語)
氷結散弾脚:それは魔力で生み出した氷塊を蹴りによって粉砕し敵に向かって飛ばすと言う技である
基本的に敵味方判別なしの扇状に広がるMAP兵器のため射程内に味方が居ると使えない技なのだ
ちなみに元かある氷塊を利用する場合氷塊散弾脚となる
「足場の一番下ギリギリなら問題ありません!だって糸が繋がっているのは上なんですから!!」
フリードは目の前にサッカーボール状の氷塊を生み出しそれを蹴り砕く
「氷結散弾脚(フリージングショットキック)!!」
はたしてどれぐらいまで蟻を減らせるだろうか?
- 69 :
- 「こっちの扉に…うわぁぁぁ!!!!!」
「扉は不用意に開け…ぎゃあぁあぁああ!!!!!」
扉を開けた特務隊の隊員はキノコ人間の餌食に 開けてない隊員も急に開いた扉から伸びてきた得体の知れない巨大な腕によって奥へと引きずり込まれていく
開けるも地獄 開けぬも地獄 まさに八方塞がり 極めつけにはトリフィードが背後から追ってくる始末である
だが、まだまだ受難は続く 今度は蟻の大群がわらわらと這い出してきた まさに黒い絨毯と形容できるほど蟻で遺跡は覆い尽くされた
「総員!蟻に構うな走れ!!!」
少尉 以下残りの隊員達は必死に蟻の絨毯に包まれる事のないよう全力で走り続ける
「蟻が!蟻がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ぎゃあぁあ!!!助けてくださ!!!!!」
だが隊員は一人また一人と黒い塊になり地面へと転がっていく
万事休すと思われた矢先 頭上に糸が張り巡らせれていた 罠かと思われるが助かるには糸にしがみつく他、道は無かった
「糸に掴まれぇぇぇ!!!!!!」
少尉他生き残った数名の隊員達は命からがら蜘蛛の糸へとよじ登り、命を繋いだ
「何とか助かったか…しかし この糸は一体誰が…」
- 70 :
- 兄貴ぃもう、ダメだ!
- 71 :
- 「ぶっしたる」そう思ったときすでに行動は完了している
ならず者の論理といえば言い方は悪いけど、生きるか死ぬかの瀬戸際は決断の早さで分かれる
そう考えると素晴らしい言葉だと思いませんか?
真が瞬時に極大爆裂呪文を詠唱しようと矢先に、体を糸で巻かれつり上げられる
ミクが張った糸の上にポスンと落とされる
「なにすんねや!!」
ミクがせっかく、助けてあげたのに真はぷんすかと怒ってる
しかし、でもしかし、真がなにやらざわつく床を覗き込むとそこにはびっしりと蟻、蟻、蟻
「なんやなんや!なんやあれは!!」
思わずなんやを連発してしまいました
>「蟻が7で地面が3ですよどうするんですかこの状況!!」
「蟻か!蟻なんか!そんなんありなんか!」
この状況でなんと、しょうもないことをいっているのでしょうか?
>「……虫けらの分際で随分と統率のとれた動きですこと。
どなたか、焼くなり凍らせるなりまとめて蹴散らしていただけると嬉しいですわ。
ここもいつまでも安全というわけにはいかないでしょうから」
「派手な攻撃と言えば私や!勇気をお仕置きするためにいろんな魔法が使えるんや!」
真はミクの糸で簀巻きにされていますが、器用にピョンピョン跳ねている
>「氷結散弾脚(フリージングショットキック)!!」
フリードの必技が炸裂します
結構な数の蟻が圧死しました
しょせんは蟻、簡単に潰せます
「その技カッコいいな!私に今度、教えてな!」
正直、真は今の状況をそれほど危険とは思ってはいません。なぜなら……
「蟻なんてかわいいもんや、私の魔法にかかればちょちょいのちょいや
だから早く私をこの糸から解放するんや!」
ぎゃあぎゃあ騒いでいます
真の生まれた地方ではこんな強力な蟻は見たことも聞いたこともありません
噛まれたらちょっと痛い程度です
だから、余裕綽々です
あと、下で騒いでる変な人たちがいます
「ついでにあいつらもぶっ飛ばしたらええんちゃう?」
- 72 :
- >61-71
>「はずれですね」
他の扉を開けたフリードは、何事もなかったかのように扉を閉め、氷の剣でペケ印を扉につけた
>「何処にでも居るねゴブリン」(猫語)
>「一匹見つけたら30匹は居ますよね」
「ええええええ!!ゴゴゴ、ゴブリンっ?!30匹もいたの?嫌ー!!
ちょっとちょっとグレン、もしかしなくても、ここはモンスターのすくつじゃないの!!
巨大猫の遺跡なんだから、グレンが何とかしてよ!!」
リリィの言いがかりをさくっと無視して次の行動に移るフリードとグレン。
マコトはマコトで、リリィ、フリードに続いて扉を開けてしまった。
>「アイタッ!」
どこかに引っ掛けたのか、マコトが小さな悲鳴を上げた。
箒にまたがったミクは何も言わなかったが、多分苦虫を噛み潰したような顔をしているだろう。
後ろの方から来る人間と合流した後で、とミクは考えていたからだ。
何時だって割を食うのは、常識人である。
>「ぶっしたる!!!」
リリィが何か言う前に、マコトが開いた扉から「闇」があふれ出してきた。
否、正確には闇ではない。あれは
「きゃああああああっ!!闇が噴出して・・・・・・・マコトちゃん危ない!」
今まさに、黒い何かがマコトを飲み込もうとしたその瞬間、彼女の体が不自然に後ろへと飛んだ。
ミクだ。彼女がマコトを一本釣りよろしく吊り上げたのである。
>「少々足場が狭いのはごめんなさいましね。
> あまり糸を太くすると、それだけ余計に蟻も登ってきますから」
「ミクさんありがと、助かった!!」
>リリィは、ミクが飛び降りた箒を拾いまたがり浮き上がると、ミクが作った足場の高さまで浮き上がった。
「皆無事?しっかし、何なのあれは」
皆の話では、それは、危険なアリの一種らしい。
>「蟻が7で地面が3ですよどうするんですかこの状況!!」
「蟻か!蟻なんか!そんなんありなんか!」
>「それにしても、数の暴力とはよく言ったものですわね。
他の扉を開いて数を減らす事にいたしましょうか」
ミクがそう口にするやいなや、突然別の扉が開いた。
「……どうやら、当りを引いたようですわね」
「やったあ外だ!!これで、アリは外へ出て行くよ!
今ならトリフィードも居ないみたいだし、私達も外に出て・・・・・・うそっ?!」
アリの大多数は住まいの遺跡から出て行こうとはしなかった。
>それどころか蟻たちは外に通じる扉付近に群がり、盛り上がり、出口を塞ぎ始めたのだ。
「もしかして、私達を食べるために逃がさないようにしてるの?!」
>「……虫けらの分際で随分と統率のとれた動きですこと。
> どなたか、焼くなり凍らせるなりまとめて蹴散らしていただけると嬉しいですわ。
> ここもいつまでも安全というわけにはいかないでしょうから」
「わ、私は無理だよ?空を飛ぶくらいしか出来ないし、アリの扉に体当たりして血路を開くなんて無理だよ!
聖水とか虫除けの薬は一応準備したけど、この数じゃ焼け石に水だよ!!」
>「きゃあぁ!!ありよ、あり!!いやー!きもちわるいっ!!」
「えっ?!ねえ、そこに誰かいるの?!」
リリィはすこし警戒した。こんな所で、聞き覚えのある声がするとは思わなかったからだ。
以前友達のエンカに、森の中で遭遇した「幻覚を見せる植物」の話を思い出したから、かもしれない。
(ちなみにその植物は、エンカの知り合いの姿で言葉巧みに誘った挙句、彼を餌食にしようとしたらしい)
>「急いで糸の上にお乗りなさい!」
>ミクの言葉にルナは慌てて蜘蛛の巣によじ登る。
恐怖でルナがぶるぶると震えると、蜘蛛の巣全体が揺れはじめた。
それを見てリリィは、やっと彼女が幻覚ではなく実体なのだと分かって安心した。
- 73 :
- >「や、やあ。リリィ。ひさしぶり。オレのこと、覚えてる?
>まさか、大親友の名前を忘れたなんて言わせないぜ」
「もちろん!ルナちゃん、久しぶり!
ここのところ全然姿を見なかったけど、どこかへ実習にでも行ってたの?
あっ、もしかして、ここの遺跡探索で篭ってたとか?」
カンテラの灯りは今別の方向を照らしているため、ルナの顔はぼんやりとしか見えない。
それでもリリィには、声と雰囲気で、彼女が入学当初よく世話になったルナだと分
かった。
ルナがここにいるのなら、他にも遺跡に入り込んだ者は他にもきっといるだろう。
>「そんなこと言ってる場合じゃありません!このままでは蟻に食べられてしまいますよ!!」
「はっ、そうだ!どどどどうしよう?
そ、そうだ!フリード君、氷の魔法でぶわーっと凍らせたり出来ないの?」
「フリードくん、やっちゃってください!アリどもをぶわーっと凍らせちゃって!
!」
リリィは知る由も無かったが、それはフリードではなく、彼の姉の得意技であり、味方しの魔法でもある。
「蟻が!蟻がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
「ぎゃあぁあ!!!助けてくださ!!!!!」
「あっ、また人が!ミクさん、あの人達も何とか助けてあげて!」
>「こうなったら(敵に氷の破片が突き刺さったビジュアルがグロいから)封印していた氷結散弾脚を使うほかありません」
「えっ、それは一体どんな技なの?」
>「その技って僕らが居る糸まで切り裂かない?」(猫語)
>「足場の一番下ギリギリなら問題ありません!だって糸が繋がっているのは上なんですから!!」
>「氷結散弾脚(フリージングショットキック)!!」
フリードが技を放つと、ミクが作った足場が盛大に揺れた。
先ほどのルナが起こした揺れなどと比べ物にならないそれは、ヘタをすると振り落とされてしまうだろう。
「うわーッ!!揺れてる揺れてる!グレンにルナちゃん、飛ばされないようちゃんと捕まって!!」
>「蟻なんてかわいいもんや、私の魔法にかかればちょちょいのちょいや
>だから早く私をこの糸から解放するんや!」
「焼き払ってくれるのはいいけど、天井を壊したり私達まで焦がしたりしないでよ!
蜘蛛の糸を燃やしたら足場がなくなっちゃうんだからね!死んだらエンドウ君にあえないんだから!」
ミクがいいと判断すれば、マコトは開放されるだろう。
だが今度下手を打てば、一同全滅である。ミスは許されない現状で、ミクがどう判断するかは不透明だ。
「ルナちゃん、あなたの魔法で、『蟻が詰まってる』場所を吹っ飛ばせない?
ほら、あの扉状態になってしまった蟻の集団とか」
怯えるルナに、リリィは無茶な事を言った。
一方、先ほど突然現れた大人達は、ミクの蜘蛛の糸へとよじ登り、命を繋いでいた。
>「何とか助かったか…しかし この糸は一体誰が…」
「大丈夫ですか?危なかったですね」
リリィは高度を下げると、糸をのぼって来た隊員たちにカンテラを移動させた。
そしてカバンの中から虫除けの薬が入った瓶を開くと、えいとばかりに皆へ振りまく。
「もしかして、遺跡を探索していた人ですか?あっ、もしかして、トリフィードがどうとか叫んでたのって・・・・・・」
>「兄貴ぃもう、ダメだ! 」
リリィはきっとなった。
「ダメじゃないです!
ミクさんの糸はすごく丈夫だから、ちょっとやそっとじゃ切れたりしません!」
- 74 :
-
>「ついでにあいつもぶっ飛ばしたらええんちゃう?」
「こらー!マコトちゃん聞こえてるよ!っていうか何て事言うのよ、ミクさんがせっかく助けた人達なのに!!」
そう、ミクが嫌なら彼らは蜘蛛の糸を登るどころか、触る事すら許されない。
彼らが糸に救われたということは、ミクが生存を許したという事に他ならないのだ。
「私はリリィ。学園の生徒です。
マコトちゃん・・・・・彼女はああ言ってはいますが、危害を加える気は無いので安心してください」
リリィは隊員達を見て、ちょっと困った顔になった。
「えっと・・・・・あの、もしかして、学園の警備員の方・・・・・・とかですか?
さっきトリフィードがどうとか叫んでいたのは、あなた方とは別の人達ですか?
状況が全然分からないのですが、教えていただけますか?」
そう言いながらも、リリィの目は蟻達に釘付けだ。
フリードの魔法で半分以上は退けられたが、まだ数が残っている。
(数が減った今のうちに、ここから逃げる?それとも・・・・・・・)
「ね、ねえ!フリード君が空けたあのゴブリンのいる部屋、あそこに一度逃げ込むっていうのはどう?
だって家族で住んでいるってことは、あそこには過去アリが近寄らなかったってことでしょう?
何か来ないだけの理由があるのかも!!」
追い詰められたリリィは、焦ってとうとう馬鹿なことを口走り始めた。
そう。リリィは箒で空を飛べるので、アリが居る床を歩く必要は無い。
だが、他の人間はそうは行かないだろう。
誰かが蟻を何とかするか、この場から移動するいい方法を考えつかない限り、
彼らはこの場に足止めを食らう事になる。
そして、何も脅威は、足元だけとは限らないのだ。
- 75 :
- >69-74
>「ええええええ!!ゴゴゴ、ゴブリンっ?!30匹もいたの?嫌ー!!
ちょっとちょっとグレン、もしかしなくても、ここはモンスターのすくつじゃないの!!
巨大猫の遺跡なんだから、グレンが何とかしてよ!!」
だがそんなこといわれようがどうにもならないだろう
所詮はちょっと二本足で立てて人間語を理解できる・・・・・・・ぜんぜん所詮じゃない気がしてきたが猫である
>「その技カッコいいな!私に今度、教えてな!」
「足首を骨折する覚悟はありますか?だったら教えて差し上げてもいいですよ」
と少々大げさに言うフリード
「そう簡単に覚悟とか言っちゃ駄目だよ言葉が安くなる」(猫語)
そんなどうでもいい突っ込みをするグレン
さんざんす覚悟という言葉を否定してきたフリードが覚悟とか言っちゃうのはどうなのだろうか?
「いいんですよ実際僕もこれを習得する為の特訓で骨折しましたから
やはりいきなり岩を蹴砕こうなんて無茶だったんです」
最初は岩で試したらしいフリードリッヒ
元ネタでも壷なのにいきなり岩じゃそりゃ骨折するわ
ちなみにフリードの父親は箪笥の角に足の小指をぶつけて
箪笥のほうが抉れたという逸話の持ち主である
まあどうでもいいのだが
>「ついでにあいつらもぶっ飛ばしたらええんちゃう?」
たぶん彼らは味方だろうと思われるが・・・・
>「こらー!マコトちゃん聞こえてるよ!っていうか何て事言うのよ、ミクさんがせっかく助けた人達なのに!!」
>「うわーッ!!揺れてる揺れてる!グレンにルナちゃん、飛ばされないようちゃんと捕まって!!」
言われたとおりにしっかりと捕まるグレン
「なんだかべとべとするよ」(猫語)
まあ蜘蛛の巣だからね
>「ね、ねえ!フリード君が空けたあのゴブリンのいる部屋、あそこに一度逃げ込むっていうのはどう?
だって家族で住んでいるってことは、あそこには過去アリが近寄らなかったってことでしょう?
何か来ないだけの理由があるのかも!!」
「逃げ込むのはいいですけど受け入れてもらえますかねえ?」
だがフリードリッヒは乗り気ではないようである
「邪魔なゴブリンなんか殲滅すればいいじゃない」(猫語)
とまさに外道な事を言い始めるグレン
お前神官の息子だろうが
「それじゃあ僕たちがワルモンじゃないですかぁやだぁ!!」
フリードリッヒは心底ゴブリンが嫌いである
普段の言動からしてゴブリンとコボルト以外は差別しない
つまりゴブリンとコボルとは差別すると言い切っているぐらいだ
だがそれでも何も悪い事をしていないゴブリンをこちらの都合で一方的に殲滅し
住処を奪うという行動はとても出来なかった
「よし!最後の手段です!!」
「フィー坊の最後の手段は108まであるよ」(猫語)
それは全然最後の手段ではない
「助けて!ねえさぁぁぁぁぁぁん!!これで5ターンぐらい後で姉さんが増援に来てくれるはずです」
ターンってなにさ
「五分も持つのこの状況?」(猫語)
「さあどうだか?」
- 76 :
- >「助けて!ねえさぁぁぁぁぁぁん!!
フリードの叫びに呼応するかのように、広間の中心の空中に突如として黒い炎が巻き起こる。
さすがに早すぎるし、何よりも黒い炎は氷の女王とはかけ離れすぎているので、呼応したわけでないことは誰にでもわかるだろう。
それは広間の空気を震わせる微振動を伴い徐々に広がり、やがて一つの形を成していく。
知識か経験のあるものはそれが何かわかるかもしれない。
この振動は時空震であり、炎が幾何学的な広がりを見せるのは転移魔方陣を形成しつつあるのだ。
しかも黒い炎からは禍々しい気配を感じるはずだ。
そして直感する。
これは通常の転移魔法ではなく、異界からの…おそらくは(そしてその予感は正しいのだが)魔界からの門が開こうとしているのだ、と。
瞬く間に黒い炎は積層型魔方陣を形作り、その中心に黒い球体が顕れる。
ゲートの出現である。
それとともに急速に黒い炎の魔方陣は色と存在感を失っていき、ゲートは透明度を増していく。
そこから現れた者は…
灰色の短い髪を上げるカチューシャが光る。
細身の体とは対照的に巨大な、いやもはやアンバランスですらある大きな胸。
それを強調するかのようなチューブトップ。
下は手袋が大量につなぎ合わされたようなロングスカート。
腰のあたりからは僅かに離れ、黒い光の翼が噴き出ているかのようだ。
更に腰に抜き身でぶら下げられているのは水晶でできたシャムール。
細く歪曲したその刀は美しいが、それが振るわれた時、刀身を目で追うのはほぼ不可能であるという凶悪さも醸し出している。
しかしそれらの特徴はこれに比べればほんの些細なことでしかない、と洞察力が鋭いものや、よく目を凝らしたものは気づくだろう。
顕れた人らしきものには、あるべきところの顔だけでなく、額、胸元、両手の甲、項、背中の計七つの顔がついているのだから!
明らかに人間ではないゲートから現れたソレは、艶美な魅力を漂わせながら第一声を発した。
「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
- 77 :
- 高らかな自己紹介を終えた瞬間、同じ口から悲鳴にも似た驚きの声が発せられた。
ササミは七つの顔の視覚や聴覚を共有している。
そして正体は魔界の怪鳥であり、空中を生活の場としているために、三次元的な空間認識力が発達している。
故にササミの視界は前後左右天地のほぼ360度をカバーし、目の良さは折り紙つきだ。
だからこそ、地下広間の状況が文字通り一望できてしまったのだ。
蜘蛛の糸に捕まるフリードたち、床を埋め尽くすクリーナーアントの群れと潰れた一角。
何よりも…普通ならばただの黒い塊にしか見えなかっただろう。
その方が幸せだったはずだ。
しかしその視力の良さ故に見えてしまったのだ。
全身クリーンアントにたかられ生きたまま貪り食われる隊員たちの姿を。
「ひぃいいい!なにこれっ!?おそがっ!*」
事情は分からなくとも状況はわかる。
全身に鳥肌を立てながらも宙を走り、うずくまる隊員たちに石化ガスを吹きかけていった。
この状況で助ける事は不可能。
ならばクリーナーアントごと石にしてしまえばこれ以上貪られることはないだろう。
その後、広間中央に舞い戻ると、七つの口が大きく開かれる。
「なんや知りゃせんけど、耳鳴りくらいは許してちょでーよ!」
その言葉の後、何の声も発しられなかったが、何かが発せられたことは誰もが知ることになるだろう。
七つの口から発せられたのは可聴域を遥かに超えた怪音波。
広間中に響き渡る怪音波は耳鳴りを引き起こし、聴覚や感覚の鋭いものには眩暈や吐き気を引き起こすことになるだろう。
人間大の生き物でこの影響であり、体長5センチほどで、神経節で活動する虫類であるクリーナーアントには更に大きな影響を与える。
床埋め尽くすクリーンアントの群れがもがく様に蠢く。
その中の小さな変化をササミは見逃さない。
腰の枝分刀を抜くと、滑るように宙を駆ける。
途中、枝分刀を持つ手の甲についた顔の口がパクパクと動き、それに連動するように水晶の刀身の輪郭がぶれた。
水晶の刀身が怪音波と共鳴することで刃は超振動を起こし、鉄をも泥のように切り裂く切れ味を得る!
ササミが宙を駆け抜けた後、クリーンアントで埋め尽くされた床に一筋の切れ目ができていた。
怪音波で全体攻撃を受けたクリーンアントの女王は自分を守る為に衛兵蟻を周囲に呼び寄せ守りを固めようとする。
その動きを見逃さず、ササミは女王の居場所を察知し両断したのだ。
「みんな今のうちだなも!
女王を失ったクリーンアントは混乱してるでよ、新しい女王が選定される前に逃げるぎゃ!」
その言葉通り、クリーンアントの動きは先ほどとは変わり、統一性を欠いている。
外へ通じる扉を埋め尽くしてたクリーンアントの壁も崩れ始めていた。
*おそがい=怖い
【ゲートから出現】
【蟻にたかられる隊員たちを石化】
【怪音波を発し、女王蟻を両断】
- 78 :
- >66-77
>「わ、私は無理だよ?空を飛ぶくらいしか出来ないし、アリの扉に体当たりして血路を開くなんて無理だよ!
> 聖水とか虫除けの薬は一応準備したけど、この数じゃ焼け石に水だよ!!」
「そうですわよねぇ……」
状況が状況だけに、決定打が打てる人間はどうしても限られる。
対策を思いつかないでもないミクだが、幾つか考えた方法は最善の手とは言い難かった。
なんとか出来るのなら、なんとかしてもらうに越した事はない。
>「や、やあ。リリィ。ひさしぶり。オレのこと、覚えてる?
>まさか、大親友の名前を忘れたなんて言わせないぜ」
>「もちろん!ルナちゃん、久しぶり!
> ここのところ全然姿を見なかったけど、どこかへ実習にでも行ってたの?
> あっ、もしかして、ここの遺跡探索で篭ってたとか?」
「ああ、確か、ルナさんでしたわね。
こうやってお話するのは始めてかしら。
私は初音美紅と申しますわ。
以後お見知りおきを」
リリィと違って暗闇も見通せるミクだが、ルナの顔も名前も覚えていなかった。
面倒だからと、なんだかんだ理由をつけては授業をさぼりがちだったのだから仕方がない。
リリィが彼女の名前を呼んでくれたのは好都合というものだ。
>「そんなこと言ってる場合じゃありません!このままでは蟻に食べられてしまいますよ!!」
>「派手な攻撃と言えば私や!勇気をお仕置きするためにいろんな魔法が使えるんや!」
「お仕置きも結構ですけれど、お二人だけになられてからゆっくり仕置きなさいな。
こちらにまでお仕置きが暴走されては、たまりませんもの」
ぴょんぴょんと芋虫のような格好で飛び跳ねる真に、ミクは釘を刺す。
暴走魔法の巻き添えなど、何度も体験したいものではない。
>「蟻が!蟻がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
>「ぎゃあぁあ!!!助けてくださ!!!!!」
>「あっ、また人が!ミクさん、あの人達も何とか助けてあげて!」
「……少々手遅れのような気もいたしますけれど、やってはみますわね」
群がる蟻から助けるには、糸では無理がある。
少し考えてから、ミクは糸を蟻に襲われる者たちの近くにたらす事にした。
自分で捕まるだけの力があれば助かるだろうし、無理なら手遅れだろうから。
現に、何人かの者は自力で糸によじ登ろうとしているのだから。
>「こうなったら(敵に氷の破片が突き刺さったビジュアルがグロいから)封印していた氷結散弾脚を使うほかありません」
フリードの魔法(物理攻撃のような気もするが)は、少なからぬ量の蟻を減らし、ついでに網全体を大きく揺らした。
結果、人はともかく、網に登ってきていた蟻の多くを振り落とす事にも成功する。
>「蟻なんてかわいいもんや、私の魔法にかかればちょちょいのちょいや
>だから早く私をこの糸から解放するんや!」
>「焼き払ってくれるのはいいけど、天井を壊したり私達まで焦がしたりしないでよ!
> 蜘蛛の糸を燃やしたら足場がなくなっちゃうんだからね!死んだらエンドウ君にあえないんだから!」
「…背に腹は変えられないとは、良く言ったものですこと。
開放してあげるのはよろしいですけれど、くれぐれも魔法の暴走には注意してくださいましね」
先ほどからの言動から、真を糸から開放するのは不安だったが仕方がない。
ミクの言葉と共に、真を縛っていた蜘蛛糸が解け消える。
真は自由になったのだ。
>「何とか助かったか…しかし この糸は一体誰が…」
>「大丈夫ですか?危なかったですね」
「先ほどから援護してくださっていた皆さんですわね?
私は初音美紅と申します。 以後お見知りおきを。
蟻に襲われたお仲間の近くに糸を垂らしていますから、救出をお考えならいつでもご自由に。
必要ならもう少し本数を増やして差し上げますから」
糸を這い上がってきた男達に近づくリリィと違い、ミクは巣の中心から動かずに声をかける。
その内容を聞けば、この蜘蛛の巣はミクが張ったものだと誰もが気づくだろう。
- 79 :
- >「助けて!ねえさぁぁぁぁぁぁん!!これで5ターンぐらい後で姉さんが増援に来てくれるはずです」
ゴブリンの巣穴に逃げ込むというリリィの提案に消極的なフリードは、大声で姉に呼びかける。
5ターンがどれくらいの時間なのかミクにはわからなかったが、ともかく増援は期待できそうにないと思えた。
声が届く範囲にいればとうに助けに来ているだろうし、聞こえなければ助けにもこれないではないか。
が、確かに反応らしきものはあったのだ。
広間の中心に広がる黒い焔と、異界との接点の出現。
そして、常とは異なるその現象の後に登場した、自称魔界からの留学生が。
>「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
>魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
>ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
「随分とけたたましいお姉様の御登場ですこと。
フリードは魔界出身でしたのね。 私、存じ上げませんでしたわ」
姉ではないのは分かるが冗談めかしてそう言ってから、ミクは乱入者を観察する。
七つの顔を持つその姿からして、魔界から来たという言葉に間違いはないだろう。
だが、魔界から来たにしては、この程度の事に悲鳴をあげるのがミクには意外であった。
鶏の肝は小さいと聞くが、あの女の胆力も鶏並なのだろうか。
>「ひぃいいい!なにこれっ!?おそがっ!*」
鶏女の方は、空を飛びながら蟻に襲われる隊員たちを吐息で石に変えていく。
網に使っている糸はある程度太くしているが、それでも糸を避けながら飛び回るのは簡単ではないはずだ。
石の吐息と共に、その能力も覚えておかなければとミクは思った。
いつ何時誰が敵に回るかもしれないのだ。
情報は多いに限る。
>「なんや知りゃせんけど、耳鳴りくらいは許してちょでーよ!」
広間の中心に舞い戻ったササミに、なにをするつもりかとミクはいぶかしむ。
そして、何をしたのか感じ取る前に、怪音波の影響をまともに受ける事になってしまったのだ。
「…………っっ!!!」
ただでさえ感覚が鋭いところに、蜘蛛糸を伝わる振動までまともに、構える暇もなく受けてしまったのだ。
耳鳴りどころの影響ではない。
反射的に手で両耳を押さえるがそんな事でどうにかなるはずもなく、ミクは網から真っ逆様に落ちる。
それでも、ミクは意識だけは失わなかった。
落ちる途中、なんとかリリィに糸を結びつける事に成功したのだ。
いきなり落ちてきたミクを受け止めさせられたリリィには災難だろうが、それでも下には落ちずに済んだのだ。
「あの…鶏女……! よくも……!」
身体の自由が完全に戻らない中でも、ミクは怒りに満ちた目でササミの姿を探し求める。
身体の自由が戻り次第即座に報復するつもりなのだ。
- 80 :
- >68-79
>「もちろん!ルナちゃん、久しぶり!
ここのところ全然姿を見なかったけど、どこかへ実習にでも行ってたの?
あっ、もしかして、ここの遺跡探索で篭ってたとか?」
「ふぇ?篭ってた!?(毎日元気いっぱい登校してたんですけど!私の存在感はどこ!?)
えっと、…じ、実習!そう、実習に行ってたんだけどトリフィードの噂を聞いて帰って来たんだ。
ちょちょいと退治しちゃおって思ってさ。
そしたら遺跡に入るリリィたちを見つけてね。危ないなって思って助けにきたってわけ…だぜ」
見栄っ張りのヴィジュアル系もどきのルナの言葉には嘘が混じっている。
>「ああ、確か、ルナさんでしたわね。
こうやってお話するのは始めてかしら。
私は初音美紅と申しますわ。
以後お見知りおきを」
「ふっ…こちらこそ。オレの名前はルナ・チップル。
蜘蛛に捕まった蝶のように、神に罪の血を捧げたい」
>「そんなこと言ってる場合じゃありません!このままでは蟻に食べられてしまいますよ!!」
「くすっ…、いくらなんでも蟻が人間なんて……」
>「蟻が!蟻がぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
>「ぎゃあぁあ!!!助けてくださ!!!!!」
「……ひぅ!んん〜!!!!!」
ルナは蟻に食べられる隊員たちを見て、目と口を真一文字にして叫ぶのを堪える。
(×)みたいな顔になってる。
>「氷結散弾脚(フリージングショットキック)!!」
>フリードが技を放つと、ミクが作った足場が盛大に揺れた。
>「うわーッ!!揺れてる揺れてる!グレンにルナちゃん、飛ばされないようちゃんと捕まって!!」
「うんわかったわ!わかったリリィ!」
>「蟻なんてかわいいもんや、私の魔法にかかればちょちょいのちょいや
>だから早く私をこの糸から解放するんや!」
「えっ!?」
声のほうを見たら真がミクの糸に縛られていた。
事情はわからなくても状況はわかる。みたまま芋虫。
「……(こわい。なんなのぉこの状況ぉ……)」
>「…背に腹は変えられないとは、良く言ったものですこと。
開放してあげるのはよろしいですけれど、くれぐれも魔法の暴走には注意してくださいましね」
そして真は糸を解かれ自由になる。もしかして悪い子?と思うと、ルナの恐怖は更に膨らんでいく。
- 81 :
- >「ルナちゃん、あなたの魔法で、『蟻が詰まってる』場所を吹っ飛ばせない?
ほら、あの扉状態になってしまった蟻の集団とか」
「え?え?う、うん!ま、まかせて。よ〜し!まかせろぉー!」
慌てて懐からタクトと紙を取り出すと呪文の詠唱。
>「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
>魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
>ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
「……っっ!!!」
突然現われたササミ・テバサコーチン。耳がキーンとしたかと思うと落ちるミク。
リリィに糸を結んで落ちずには済んだみたいだけどなんか凄いことになってきた。
ルナは気を取り直して詠唱を再開するつもりだったけど部屋の入り口を見て腰を抜かしそうになる。
最悪なことに部屋の入り口からトリフィードが一匹飛び出してきたのだ。
株分けされた子か親かはわからなかったが戦っていた隊員たちがここにいるということは
トリフィードも何時ここへ入って来てもおかしくはない。
「あわわわ…!!ワディワジーっ!!!」
涙目になりながらも得意魔法の『逆詰め』を使えば
蟻の扉が崩れて、キャシャアと口を開いたトリフィードの胃袋に詰まっていく。
「やったあ!!!外へ出れる!!みんな逃げよう!!」
蟻を詰められてパンパンに膨れたトリフィードは動かなくなっていた。
【外への扉を塞いでいた蟻をトリフィードに詰めて扉を開く】
- 82 :
- >76-81
「姉さ・・・・・誰?」
だが現れたのは姉ではなかった
「誰でもいいから助けてよ」(猫語)
>「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
「はっはーこんな情景ロスじゃ日常茶飯事ですよ♪」
ちなみにこの場合のロスとはロストワールド
恐竜と原始人の同居するリアルに考えるとありえないファンタジーならではの失われた世界
の略であり某国家の都市とは全く関係ありません
「死ぬとか生きるとか最初に言い始めたのは誰なのかしらっていう状況なのに余裕だねフィー坊」(猫語)
「それはハムレッドでしょ?ブルー以下が居るかどうかはしりませんが」
フリードがくだらない冗談を言うのは冗談でも言ってないと心が参ってしまうからである
>「随分とけたたましいお姉様の御登場ですこと。
フリードは魔界出身でしたのね。 私、存じ上げませんでしたわ」
「なんでですか!僕は腕が六本あったり魔界のプリンスだったりしませんよ」
「カーッカッカッカッカ!そういえばあの人も初期は蜘蛛の化身だったね」(猫語)
なぜお前がそんなことを知っている
「まあ姉さんじゃなくてある意味安心です
姉さんだったら今頃みんな吹っ飛んでますし」
じゃあ何故呼んだし
「ひぃいいい!なにこれっ!?おそがっ!*」
あまりのグロさに鳥肌を立てるササミ
「グロイザーじゃなかったグロいよねこれ(猫語)
とグレン
>「なんや知りゃせんけど、耳鳴りくらいは許してちょでーよ!」
と超音波を発っするササミ
「び、美形キャラが吐くわけにはいきません・・・・でも気持ち悪いです」
>「みんな今のうちだなも!
女王を失ったクリーンアントは混乱してるでよ、新しい女王が選定される前に逃げるぎゃ!」
「ええとフォアグラさんでしたっけ助かりました」
「違うよターキーさんだよ」(猫語)
ふたりとも間違ってるぞ
>「やったあ!!!外へ出れる!!みんな逃げよう!!」
ルナの魔法によりアリは別の場所に移動させられたようだ
「では先に進みましょうか僕らには炎道さんを救い出すという目的がありますからね
こんな所でグズグズしている暇はありません」
「そうだね胸のエンジンに火を付けないとね」(猫語)
はたして扉の向こうには何が広がっているのか?
本当にそこは炎道の見る場所に繋がっているのか?
それはまだわからない
- 83 :
- 5分後
「私参上ですわ満を持して!」
だが誰もいなかった
「あら?確かにフリードちゃんの声が聞こえたような・・・・・
気のせいでしたかしらね?」
とふと周りを見渡すと・・・・・
「妙にリアルな石像ですわねぇ・・・・・リアルな石像!?
大変ですわこの近くにゴーゴンかバジリスクかメデゥーサが居るってことですわ!!」
いいえササミさん(味方)です
「早く先生方に知らせなくては!!」
そう言ってダッシュで学園に戻るフリージアさん
フリージアさんのザ・勘違いにより古代猫文の遺跡には凶暴な石化生物がいるという新しい噂が増えたようです
- 84 :
- >「焼き払ってくれるのはいいけど、天井を壊したり私達まで焦がしたりしないでよ!
蜘蛛の糸を燃やしたら足場がなくなっちゃうんだからね!死んだらエンドウ君にあえないんだから!」
>「…背に腹は変えられないとは、良く言ったものですこと。
開放してあげるのはよろしいですけれど、くれぐれも魔法の暴走には注意してくださいましね」
「やったー!解放されたで!無敵や!ひゃっはぁぁ!」
世紀末救世主伝説の雑魚的な喜びの声を年頃の少女が叫んでいるのは大丈夫なのでしょうか
>「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
「次はこいちゅをればいいんか!」
噛んだのはご愛嬌
見敵必が家訓なんでしょうか、この子は好戦的過ぎます
ササミの超音波が耳に響きます
「うっさいねん!やっぱりぶっす!」
そうこうしていると見ず知らずの人間(ルナ)が蟻をどこかにやったので溜めてた魔力が暴走しそうです
いつ溜めてたかって?縛られてる間ぐらいから
「ぶっす」って言ったぐらいから
「あかん、出さなアカン、爆発する」
切羽詰まった顔で皆に告げる
「というわけで、極大爆裂呪文的なやつ!!」
ミクやリリィがあとで怒るかもしれないから、謎の兵隊達に使うのはやめて、特に意味なく床にぶっ放しました
びっくりするぐらいの大爆発です
よほど溜め込んでいたのでしょう
床に大穴が空きました
「なんや、階段があんで、これが正解なんちゃう?なんとなくやけど?」
- 85 :
- 床の大穴があくと同時にそこから巨大な猫の手が出てきた!
半透明の猫の手は一度、招くようなしぐさをして消えていった。
それを見た者には不可視の力が働く。
強力な引力とそれ以上に抗えぬ誘惑によって穴へと招かれる、かもしれない。
- 86 :
- もけーれべむべむ
- 87 :
- モケーレ・ムベンベとは体の大きさはカバとゾウの間ぐらい、体長は5〜10mで、ヘビのように長い首と尾を持ち、4本脚で、直径30cm以上の丸い足跡には3本の爪跡があるとされる
草食動物なので無害
- 88 :
- >75-87 ゴブリンのお宅に逃げ込もうという提案は、フリードにやんわり拒否された。
少なくとも今のところ、何の落ち度もないゴブリンを追い出したり退治したりすることは、フリードの美学に反するようだ。
>「助けて!ねえさぁぁぁぁぁぁん!!これで5ターンぐらい後で姉さんが増援に来てくれるはずです」
「えっ!ねえさん?今ここにいらしてるの?どこどこ?ところで五ターンってどのくらいの時間?」
>フリードの叫びに呼応するかのように、広間の中心の空中に突如として黒い炎が巻き起こる。
さすがに早すぎるし、何よりも黒い炎は氷の女王とはかけ離れすぎている。
普通は呼応したわけでないことは誰にでもわかる・・・・・・はずなのだが
>「フィジルのみなさーん!初めてお目にかかりゃーす。
>魔界からの留学生、ササミ・テバサコーチンだで、よろしゅうたのんますなも…てっ!!??
>ほぎゃあああ!地獄絵図うぅ!??」
>「随分とけたたましいお姉様の御登場ですこと。
> フリードは魔界出身でしたのね。 私、存じ上げませんでしたわ」
「そうだったの?ごめん、私田舎者だから、ジルベリアが魔界だなんてぜんぜん知らなくて。
あ、そっか!だからジルべりアの人は、みんな超人ばっかりなんだね!
ところであのササミさんは、何番目のお姉さんなの?って・・・・・・うそ・・・すごく・・・・・・おおきいです」
主に胸が。
>「なんでですか!僕は腕が六本あったり魔界のプリンスだったりしませんよ」
「カーッカッカッカッカ!そういえばあの人も初期は蜘蛛の化身だったね」(猫語)
動物で勘の鋭いグレンは、気づいているのかいないのか。
蜘蛛の化身はフリードではなく、行きがかり上、糸で皆の窮地を救ったミクの方であると。
>「ひぃいいい!なにこれっ!?おそがっ!*」
鶏女の方は、空を飛びながら蟻に襲われる隊員たちを吐息で石に変えていく。
「えええええええ!!人が石に!石に変わってるぅううぅぅぅ!!」
だが落ち着いて考えれば、リリィにも分かるだろう。
蟻に襲われている隊員は石化状態になった方が、危険が少ないことに。
>「なんや知りゃせんけど、耳鳴りくらいは許してちょでーよ!」
「わ・・・・・・うわあああっ?!」
そう叫んだ後、突如上の蜘蛛の巣からミクが転げ落ちてきた。
隊員達がいる位置まで下降していたリリィは、体ごとぶつかるような形で何とかミクを受け止める。
「だ、大丈夫?ミクさん」
>「あの…鶏女……! よくも……!」
「え?ササミさんに何かされたの?!でもあの人、何もしてないじゃない?
ミ、ミクさん?な、何をそんなに・・・・・・おおお、お怒りなのでせうか?」
リリィはぐったりしたミクを箒の前に乗せ支えると、ふらふらと上昇する。
なんだかミクは足をやけどしたり失神寸前になったりと、今回は受難続きのようだ。
「なんかよく分からないけれど、助けてくれたみたいだし、喧嘩はだめだよ?」
リリィはもう一度ササミの方を見て
「魔界の人って、下着つけてないのかな?めちゃくちゃ揺れてるんだけど・・・・・・」
- 89 :
- リリィが目を凝らすと、ササミの体のあちこちには、顔のようなものが見えた。
(刺青か何かかな?変わってるかも)
まさかそれが刺青ではなく顔だとは、この時のリリィが知る由もなかった。
「お洋服といい、刺青といい、変わった人かも・・・・・・」
ミクの受けたダメージなど知る由もないササミは、女王蟻を倒し皆に呼びかけている。
>「みんな今のうちだなも!
>女王を失ったクリーンアントは混乱してるでよ、新しい女王が選定される前に逃げるぎゃ!」
「よし!逃げよう!」
「ええとフォアグラさんでしたっけ助かりました」
「違うよターキーさんだよ」(猫語)
「ササミさんって言ってたよ!ありがとうササミさん、助かりました!」
そこに現れたのは、新たな脅威、トリフィードだ。
慌てふためくだけのリリィと違い、ルナはあわてながらも冷静だった。
>「あわわわ…!!ワディワジーっ!!!」
ルナが得意魔法の『逆詰め』を使えば、蟻がトリフィードの口の中にどんどん詰まっていく。
「キャー!すごいよ蟻でふさがれてた扉が消えたよ!
しかもトリフィードまで動けなくするなんて、さっすがルナちゃん!!」
>「やったあ!!!外へ出れる!!みんな逃げよう!!」
「うん!」
ルナの声に応じ、ミクごと遺跡の外へ脱出を図ろうとしたリリィだったが、
>「では先に進みましょうか僕らには炎道さんを救い出すという目的がありますからね
>
>
> こんな所でグズグズしている暇はありません」
という、冷静なフリードの声にはっと我に返った。
そして、「だめだめ」と言わんばかりに首を左右に振る。
「そうだね胸のエンジンに火を付けないとね」(猫語)
そういってミクごと外に出ようとしたリリィだったが、途中で動きを止め、「だめだめ」と首を振った。
「あのねルナちゃん、あんまりびっくりして忘れてたけど、実は私達、神隠しにあった新入生総代を探してるの。
「エンドウユウキ」って名前なんだけど、知ってる?。
どうやら彼、ここにいるみたいだし、こんな危険な昆虫や植物がうじゃうじゃいる遺跡に放っておけないよ。
ルナちゃん、私達、彼を探し出すまで帰れないのー・・・・・・って、あれ?!」
出口から漏れてきた光に照らされたルナを見て、リリィは明らかに動揺している。
「?!あれれれれっっ??
すすすすみません、私、人違いしてましたです!
わわわわたし、ちょっと友達と間違えて話しかけただけなので、怒らないでください!!
あれっ?ルナちゃんはどこ?どこに消えちゃったの?今までここにいたはずなのに!
ルナちゃーん、ルナちゃーん!!どこ行っちゃったの?もう外に出ちゃったの?!
トリフィードもこれ一体とは限らないし、一人歩きは危ないよー!!」
もしも目の前の怖い女の子=ルナだと知ったら、リリィは激しく驚き、「どうしてそんな姿に?!」と聞くだろう。
そしてルナの返答がどうであれ「きっと失恋でもしたんだ」と思い込み、深く追求はしないはずだ。
- 90 :
-
「ところでグレン、『むねのえんじん』って何?カンテラの一種?」
リリィがどうでもいいところに突っ込んでいると、突如マコトが
「あかん、出さなアカン、爆発する」
と、切羽詰った顔で叫んだ。
へ?と思うまもなく、
>「というわけで、極大爆裂呪文的なやつ!!」
マコトは兵隊達ではなく、床に魔法をぶっ放した。
「わあああああっ?!」
いくら床に向けていたとはいえ、爆風もちょっとやそっとのモノではない。
女王を失った蟻達は、トリフィードに詰め込まれたもの以外は吹き飛ばされたり、焼き払われたりした。
「わーん!マコトちゃんの馬鹿ぁああ!!!」
煽られ、再び盛大に揺れ動く巨大蜘蛛の巣。
爆風が収まった後には、床に巨大な穴が開いていた。
>「なんや、階段があんで、これが正解なんちゃう?なんとなくやけど?」
リリィはマコトに食って掛かりたかったし、謎の部隊の男性に話も聞きたかった。
そしてササミがどうしてこの場に現れたのかを問いたかった。
だが、穴の中から垣間見えた巨大な猫の手を見たとたん、それらのことはどうでもよくなった。
「みんなー、穴の中へれっつごーだよぅ」
リリィは箒にミクをのせたまま、ふらふらと巨大な穴の中に入っていこうとする。
穴の中には、モケーレ・ムベンベをはじめ新たな脅威が待ち構えているかもしれない。
(たとえおとなしくても、巨大というだけで、弱っちいリリィにとっては強敵だ!)
だが、そんなことはお構いなしだ。
だがおそらく出会ってしまったとしたら、みっともなくうろたえ、慌てふためいて逃げ惑うに違いない。
その5分後到着したフリージアさんの件は、また別の話。
- 91 :
- 「羽根蟻の季節じゃにゃーて助かっなも。それにしても…」
女王蟻を切って捨てて人心地した後、ササミはあたりを見回して小さくため息をついた。
蟻の統率はなく、ルナの魔法により脱出口も見えた。これで一安心、だが…
薄暗い部屋。
そこを埋め尽くすクリーナーアント。
部屋中に張り巡らされる糸。
そこにぶら下がる人間たち。
しかも猫を連れた美少女(フリード)によると、こんなもの日常茶飯事だそうだ。
「あーあ。人間界ってこー暖かこうて、穏やかで、明るうて、平和な世界って聞いとったのに、いうほどにゃーね。」
明らかに失望の色が見える声でひとり呟いていた。
そしてそれと共に疑念が一つ。
自分は魔王によってフィジル魔法学園の転送室に送られたはずだ。
初めての人間界でフィジル魔法学園の転送室がどういったものかも知らないが、それにしても出迎えの教師らしき者も見当たらない。
思考が疑問に集中した瞬間、真の声が飛び込んでくる。
>「というわけで、極大爆裂呪文的なやつ!!」
それと同時に巻き起こる大爆発に、宙に浮いたままで一安心して気の緩みもあり、まともにその衝撃波を浴びる事になった。
視界が回転し、錐もみ上に吹き飛ばされながらも壁に叩きつけられなかったのはミクの張った蜘蛛の巣のおかげであった。
怪音波を浴びて落ちた主の代わりにササミが巣の中心に受け止められ壁のシミになるのを回避できたのだ。
「あっ!あぶっ!…でら物騒やが!この網のおかげで助かったけど…!?」
ギッシギッシと巣を揺らしながら我が身の無事を確認するが、すぐに自分を救った網が蜘蛛の巣である事を理解した。
糸が体中にくっついて動けないのだ!
暫くもがくが想像した以上に糸は頑強で粘着力が強い。
「こ、これが、これが憧れの人間界…!?」
思えば登場直後からクリーナーアントの溢れる巣で、大爆発に挙句に身動きが取れなくなってしまっている。
憧れが失望に、そして怒りへと変わるのも仕方がないことだろう。
蜘蛛の巣に絡め取られたササミを灰色の雲が覆い隠した。
雲の正体はササミの石化ブレス。
頑強さと柔軟性、そして粘着力を合せ持つ蜘蛛の糸も石と化してしまえば細く脆い石細工に過ぎないのだ。
パキパキという音と共に雲から細い糸が零れ落ちる。
そして蜘蛛を突き破りササミが飛び出てきた!
「くぅおの・・・どたーけー*!!場所も考えのーてぶっ放すだけの三流魔法使いがあああ!!」
怒りの叫びを引きずりながら宙を飛ぶ先は極大魔爆裂呪文的なものを放った真だ。
高速機動剣術を得意とするササミの放つ飛び蹴りは一瞬で間合いを詰め真の顔面に叩き込まれる。
お転婆とはいえ運動神経×な真の避けられる代物ではない。
が、ササミの足の裏が真の視界を占領した瞬間、不可視の力によって激突は避けられることになった。
爆発によって空いた大きな穴から現れた巨大な猫の手の力により、蹴りの推進力は打ち消されてしまったのだ。
360度の視界を持つ故に背後の猫の手も視界に入り、その視力の良さ故に影響も強く受けてしまったのだ。
>「みんなー、穴の中へれっつごーだよぅ」
「ほないこまいか〜」
飛び蹴りから一転、真の手を引き箒でふらふらと巨大な穴の中に入っていくリリィの隣に並び進む。
リリィが巨大な山脈を越えて視線を巡らせるなら、胸や手、額や項、背中につく顔が刺青ではなく本当の顔だとわかるだろう。
なぜならばそれぞれの顔の目が動き、そのうちのいくつかは自分を凝視しているのだから。
*どたーけー
たーけ→たわけ→田分け
広い田を分割することで作業効率と収穫量を減らす愚か者の意
どは弩級
意訳すると「とってもおばかさん」
- 92 :
- >「ところでグレン、『むねのえんじん』って何?カンテラの一種?」
「つまり心じゃよ」(猫語)
「じゃよ?」
>「なんや、階段があんで、これが正解なんちゃう?なんとなくやけど?」
>「みんなー、穴の中へれっつごーだよぅ」
>「ほないこまいか〜」
「そういえばあれって刺青じゃなくて本物の顔なんでしょうか?」
「ここはマナーとしてひぃばけものって言うべきかな?」(猫語)
「魔法を使う僕たちも人によっては化け物に見えるかもしれませんね
まあそれは良いとしてそろそろあの穴に飛び込みましょうか?」
そこでフリードたちが見たものは
明らかに怪しげな招き猫の像であった
「え〜とササミさんでしたっけ?あれお知り合いでしょうか?」
「いやたぶん神様だから魔界出身の人は知らないんじゃ」(猫語)
像の周りには大きな松明の様なものが燃えている
「燃やせ燃やせ真っ赤に燃やせいたる所に火をつけろ♪」(猫語)
意味不明の歌を歌っているグレン
「・・・・・火が燃えているということは誰か火を着ける人がいるって事ですね」
「要るし居るって事だね」(猫語)
「炎・・・・人・・・炎の魔法使い・・炎道さん!?」
果たしてこの松明の火を着けたのは炎道なのだろうか?
そしてムケーレモベモベは実在するのか?
- 93 :
- >80-92
>「え?ササミさんに何かされたの?!でもあの人、何もしてないじゃない?
> ミ、ミクさん?な、何をそんなに・・・・・・おおお、お怒りなのでせうか?」
落ちてきたミクを受け止めたリリィは、ふらふらはしながらも落ちる事はなかった。
感覚がミクほど鋭敏ではなかったので、怪音波の影響をあまり受けなかったのも幸いしたのだろう。
>「なんかよく分からないけれど、助けてくれたみたいだし、喧嘩はだめだよ?」
「……」
すぐに怒りが収まったわけではなかったが、リリィのとりなしをミクは無言で受け入れる。
報復したくても、体の自由が完全に戻っていない状態では難しいのだ。
>「魔界の人って、下着つけてないのかな?めちゃくちゃ揺れてるんだけど・・・・・・」
>「お洋服といい、刺青といい、変わった人かも・・・・・・」
「そうですわね。 人を食べる。くらいの事はしかねない様相ですわね。
リリィさんも、頭から食べられてしまわないようお気をつけくださいな」
ササミを観察した感想を述べるリリィに、ミクは(自分のことは棚に上げて)軽口を返す。
怪音波の影響が身体から抜けると共に、精神の余裕も戻ってきたようだ。
>「?!あれれれれっっ??
> すすすすみません、私、人違いしてましたです!
> わわわわたし、ちょっと友達と間違えて話しかけただけなので、怒らないでください!!
> あれっ?ルナちゃんはどこ?どこに消えちゃったの?今までここにいたはずなのに!
蟻の群れが塞いでいた道を開いたルナに現状を説明していたリリィが、急に慌ててルナの姿を探し始めた。
いつもと違うルナに驚いたからだが、ミクは普段のルナを良く知らない。
それに、暗闇も見通すミクには、リリィが話しかけていた人物が別人と変わってはいない事は良くわかる。
「大丈夫ですわリリィさん。 この方は確かにルナさんで間違いありませんから」
>「あかん、出さなアカン、爆発する」
「また…ですの?」
なんとなく、真が何をしたいのかミクにも予想は出来た。
そして、その予想は(当たって欲しくはなかったが)大正解だった。
>「というわけで、極大爆裂呪文的なやつ!!」
>「わーん!マコトちゃんの馬鹿ぁああ!!!」
肉体にではなく精神に受けた打撃の痛みに、ミクは片手で頭を抑えた。
ろくに魔力を制御できないのでは、まだ魔法を使えない方がましではないか!
ミクの脳裏に、フィジル魔法学園の創設目的が思い浮かぶ。
大きな力を当たり前のように使える事による悲劇をおこさないよう、力を使う方法を学ばせる学校。
まさに真のためにある学校のようにミクには思えた。
>「こ、これが、これが憧れの人間界…!?」
また真を縛り上げてやりたい衝動に駆られたミクを止めたのは、網に絡め取られたササミの姿だ。
自分に無差別攻撃を仕掛けた相手が、網に絡まってじたばた暴れている姿は愉快なものである。
人を傷つけなかったとか、隠し階段を見つけたとかいうミクにとっては些細な理由ではなく。
ササミの間抜けな姿が見られたとい一点に免じて、今回の暴走を見逃してやるつもりになったのだ。
しかし、さすがにササミもいつまでも捕まってはいない。
石化の吐息で戒めから逃れたササミは、怒りのままに真に飛び蹴りを食らわせようとする。
だが、その飛び蹴りが真に当たることは無かった。
穴から出現した、謎の招き猫の手の吸引力によって。
>「みんなー、穴の中へれっつごーだよぅ」
>「ほないこまいか〜」
「そんなに簡単に中に入ってよろしいのかしら……」
疑念を抱くミクではあったが、なにしろ今はリリィの箒に同乗中の身だ。
簡単に離れられるものでもない。
そのうえ招く猫の手を見ていると、自分まで中に入りたくなってきた。
結局疑念は消えないまでも、積極的に反対の声をあげるわけでもなく。
箒に乗ったまま、ふらふらと階段を降りていく。
- 94 :
- ちなみに、ミクはササミの顔が本物である事は知っている。
知ってはいるが、驚くことはない。
世の中には目が百あるバケモノも存在するのだ。
目の数だけ見ればまだ少ないくらいである。
階段の下には、自分達を招いた招き猫であろうか。
怪しげな招き猫の像が置かれていた。
>「え〜とササミさんでしたっけ?あれお知り合いでしょうか?」
>「いやたぶん神様だから魔界出身の人は知らないんじゃ」(猫語)
他の招き猫の像とは雰囲気が違うところをみるに、この神殿の御本尊なのかとミクは考える。
「この神殿に祭られた神像…と考えるのが妥当でしょうけれど。
私達を招き入れたのもこの像なのかしら。
…リリィさん、そろそろ普通に歩けそうなので、降りさせていただきますわ。
今日は随分とあなたに助けられてばかりですわね。 ふふ」
リリィに笑いかけながらミクは箒から降り、謎の像に近づいた。
>像の周りには大きな松明の様なものが燃えている
>「・・・・・火が燃えているということは誰か火を着ける人がいるって事ですね」
>「要るし居るって事だね」(猫語)
>「炎・・・・人・・・炎の魔法使い・・炎道さん!?」
「そういえば、ササミさんは私達がここに来た目的はご存知ないでしょうね」
ミクは手短に、自分達がなぜこの遺跡に来たかについてササミに説明する。
仮にミクたちの目的を知らない者が他にいても、その説明を聞けば理解できるだろう。
「見たところ総代はいないようですけれど……こちらははずれでしたかしら?」
像の前には古ぼけた台座があり、そこにはモケーレ・ムベンベなる生物の情報が記されていた。
「もけーれべむべむ……? なんですのこれは?」
ミクが見たことも聞いたこともない生き物だった。
だがその説明文から、もけーれ某なる生物が招き猫の像を差した言葉ではないのはわかる。
そして、この場所に関係のない生物の情報が、こんな所に記されているはずはないのだ。
「真さん。 総代が近くにおられるかどうか、知ることは出来ないものかしら。
私、先ほどからどうにも嫌な予感がいたしますの。
そう……この もけーれ という生物が近くにいそうな…ね? ふふふ…」
- 95 :
- うもー
- 96 :
- 1
- 97 :
- 7
- 98 :
- 5
- 99 :
- ミクくっさ
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