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2012年3月詩・ポエム27: 言葉の茂み (498)
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「ぬるぽ」で詩を書くとガッと評価をされるスレ (274)
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「ぬるぽ」で詩を書くとガッと評価をされるスレ (274)
言葉の茂み
- 1 :
- 「不幸昇天」
でかい不幸をふるいにかけてポイッて捨てる
小さい不幸は牛に溶かして焼く
でかい不幸は焼却場で
小さい不幸はフライパンで
焼かれて不幸が気体となって空に昇天していく
お腹もいっぱい気分もよろしい
今日のおやつは上機嫌
- 2 :
- 「みかんでお手玉」
みかんでお手玉ひょいひょいひょい
一人だけの穏やかな午後
遊びあきたら、お腹も空いて
あら、ちょうど良い
食べられるじゃないの
酸っぱく甘い
一人遊びの楽しい遊技
- 3 :
- 「砂利」
忘れていく出来事
濾過されて残ること
そんなに大切なこと多くない
大切じゃないものを哀しむ
雑多な時の夾雑物が砂利の手触りで
僕のまわりを流れていった
- 4 :
- 「メリーゴーランド」
目の前で色んな出来事が起こり通り過ぎていく
僕は怠惰なままにぼーっと見ているだけ
時が過ぎていくのを眺めているだけ
自分の声が溢れてきても本当に欲しい物手に入らない
昔のお気に入りに浸ってみても
僕がまだそのころの気分には遠い
だから時のメリーゴーランド
回るのに合わせてリズムをとる
- 5 :
- 「産声」
きれいなあなた
きらいなあなた
好きで嫌い
僕の心を打ち砕いたから
誰にも直せない
どんな魔法を使っても
これをいやせるのはあなたの笑顔
これをいやせるのはあなたの言葉
今この世界に生まれ落ちたように
喜びの言葉を吐くから
あなたにも届いて欲しい
- 6 :
- 「君の特徴」
君面の皮薄いね
表情豊かで飽きさせない
君ころころ笑うんだね
何も知らない少女みたいに
秋の枯れ葉の元で小さなモデルみたいだね
君賢いね
賢人みたいによく漢字が読めるね
君の心は温かい
血が巡って温かい
僕のと重ね合えば寒い冬だって越えられる
氷の国でかまくらを作るぜ
- 7 :
- 「遠くへ向かう」
あごの力が強くなるほどに分かる
僕のたどった足跡なんて自分でさえ見分けがつかない
だけどこの場所があればいい
座って寝られる場所があれば
時は未来へ向けて流れるものだし
過去に未練など無い
すべて現実を見据えたことだ
光が差す方へ向いた
私は一本の向日葵
- 8 :
- いいスレですね。
よかったら気になったのを改編して投稿する
なんてことを、許してはもらえないでしょうか?
- 9 :
- >>8
うれしいな。改編の投稿もやってみてください。
- 10 :
- 「餅つき」
臼と杵で餅をつく
ぺったんぺったん
手でさっと返して
大きな餅ができた
みんなよっておいで
お祝いの餅だよ
神様に感謝して食べるんだよ
この世でもっとも柔らかい食べ物
暖かい湯気が香りを放つ
みんなで分け合って食べるのが楽しい
- 11 :
- 「空に」
空にでっかい宝石が
星より大きなサファイア
空にキラキラお星様
ダイヤモンドのきらめきが
空に燃えるオレンジが
果汁のしたたる丸い果実
空にたなびく白い髭
風になびいて吹かれてく
空は今では真っ暗だ
何も見えない暗闇だ
空はいつでも無限大
みんなを抱いて無限大
- 12 :
- 「化粧」
おしろい塗って
パタパタはたいて
あら、母さん、美人だね
紅差してまつげ巻いて髪をセットすれば
なんて美しいんでしょうか
着物来て草履を履いてお出かけですね行ってらっしゃい
帰ってきたら僕のお話聞いてそんなに変わったあなたに会って
絵の中から抜け出てきたみたいな
- 13 :
- 「疑う」
すべてに疑いのまなざしを
あなたとの思い出にも疑いを
何が悪かったのか
すべてが悪かったようで
時のすれ違いの残酷さにうちひしがれて
それを乗り越えるつよい男でありたいと思っても
二人のことがなかったことになんて
死ぬのと同じくらい辛いって
何もない
何もない
空無
月日が経って
あなたをイメージで思うけど
僕がしっかりしなければ何も始まらないから
ゼロからまた始めよう
あなたはあなたの好きにして良い
ただ僕のことは本心を知って欲しい
誤解すれ違いの恐怖に見舞われたから
他人としてあったって
誰かとまた巡り会う
- 14 :
- 「カタツムリ」
カタツムリの速度で
ツノだし目玉だし遊びながら
葉っぱから葉っぱへ渡りながら
怖いときには閉じこもる
たまには別の仲間に出会ったり
ツノを触れ合いコミュニケーション
最近はめっきり減った私
カタツムリも恋をする
粘液ぬらぬら発散する
声に伝えられない悲しさを
ぬらぬらで覆い尽くして
ああ、私の皮膚に触れて欲しい
私の通ったあと、レインボーロード
- 15 :
- 「お金LOVE」
悲しさのこもる五百円玉
今日も私は悲しい気持ちでお金を数える
銀行員だからしょうがない
涙でお札を濡らさぬように
ディスプレイされた五億円
ゼロの数だけ破れたハート
五十円の穴は心の穴
福沢諭吉の顔が憎い
お金で買える心はあるか
見る金はみんな他人のもの
私の手から横に渡される
まるであの人の心のように
- 16 :
- 「盲従」
盲従危険、と書かれた看板をうなずきながら通り過ぎる
そうだな、甘えられたって困るよな
お母さんが欲しいわけじゃない
ワイルド・ラブをしたいんだ
本能のままに盲従
牙を立てて盲従
従う、あなたに
それはあくまで取引だ
俺をやるからお前もくれ
二人が知恵の輪のように絡み合ったら
蛇のように猛獣
- 17 :
- 「温もりと寂しさ」
温かいと良いよね
身をそぐような寂しさを
自然が突きつけてくる
火をおこすとすごく暖まる
そうやって暮らしてきたんだね
寒い空を渡っていく鳥たちが
ようやくねぐらにもぐり込む頃
長い夜を過ごそう
人の肌が温まる
肌がこんなに温かいなんて
寂しさを追いやるような身のうちの温度
寒くてもおびえない
- 18 :
- 「冬支度」
誰かが言ってた、冬を乗り切るなんて簡単なことだと
身支度をきちんとして、必要なときに暖をとって
いつもの暮らしを遂行して
犬の世話をちゃんとして
みんなで心を見せ合って
辛い心を何とか乗り切って
不思議な温度を感じつつ
夜はきちんと睡眠とって
朝日に目を覚まして
自分のことは自分でして
十分間の瞑想を欠かさず
あまりに多くを望みすぎず
夢や希望を捨てなければ
優しい春が訪れる
- 19 :
- 「瞬間と時」
瞬間のはらむ真理
それがかなわないなら
また長い時間に変えていく
安心できない時を過ごす方法
そうやって時をタップしてきた
予感の正しさと裏切りに
翻弄されてやってきた
- 20 :
- 「コールド」
コールドメモリー、二人で持ち上げた金輪
街々に明かりが灯る
二重まぶたに線を引く
薄墨の香り、二人の時間
街々が闇に沈む
君は帰ってくる
通常ではあり得ないほどの興奮があたりのざわめきに溶ける
祝福を望む私
望むと望まざると
冷酷な時
今日も一人で眠りにつく
- 21 :
- 「変わりゆくもの」
考えはなかなか変わらないけど
時と自然はドラスティックな変化を見せた
その流れをサーフして
人生に最高のパフォーマンスを見せたい
いつまでも悲しがったり
落ち込んだりばかり
していられない
ゆっくりとでも立ち上がって
自分の望みを叶えるんだ
- 22 :
- 12月14日は震災に注意だ!
広めてくれ!
- 23 :
-
桜舞い見損ねた
その秋に
今年 トンボは 迷い込まぬ
筆跡に
放射線 被爆
筆跡は 被曝
その半年間
原発株主 美味い酒
呑むつもりであろう今年も
紫斑できた子供?
被爆? 被曝から
そんなのはデマだという流れ作りながら
おまえたち
呑むその酒のラベルは
猛毒 がよいと
自ら思わぬか
- 24 :
- >>22
また震災が起こるの?気をつけるくらいしかできないけど。
>>23
桜を見損ねた、と言うあたりが面白い。真面目なメッセージの詩ですね。腫れ物に触るような、切迫感を感じました。
- 25 :
- 「神」
非常に不穏な空気があたりにたちこめている
戦争、災害、犯罪、自傷、ねじ曲がった物事の理
ネットで伝播した言葉の中に、現実が猖獗する
理想や優しさはなぜか姿をひそめている
誰もが不安を抱えつつ、ただ気のせいだとやり過ごす
ピエロが赤鼻を自慢げにつけて、信号機の上に上ってあたりを観察している
猛獣が駆けてきて、ピエロを引きずり下ろし、臓腑を裂く
大丈夫なものなんて、消えてしまった
空間の中に天使が生まれ、ネットを伝播する
それを生んだのは、優しい音楽、笑い声、光り
もう世界中に伝わるんだから
今、神が誕生し、人々を変えていく
- 26 :
- 雑草さんの詩、二年前からすると大人ぽっくなっている。
- 27 :
- >>26
大人っぽい、真面目な詩が書きたいと目標にしてやってきたのですが、それが最近できるようになってきました。
人にやしなってもらって、寄生しているような自分が、いやだったのです。
- 28 :
- 「少女の姿」
革の地図に記された宝を求めて
つまりそれは形のあるもの
形ない僕の意識に
訴える形
それは記憶であり、イメージ
風船を追いかけてどこまでもいった日
あの日に形はできていた
それからずっと無形のものを探求してきて
今日思うのは
形であろうと無形であろうと僕の外にある姿
自分を見つめて考え込む
ほら、一番中にある形はあの少女
- 29 :
- 「アルバム」
二人の記憶、とこしえに
雨が降ろうが風が吹こうが消えない消されない
そうすると一体その目的は?
そう、古いアルバム、二人を結ぶ、フレームの中で微笑んでいる
- 30 :
- 「破滅遊技」
窓を通して日が差し込み、部屋の空気が透明に浮かび上がっている。悠々
とした午後。夜の闇の濃密さは取り払われ、きりきりと浮遊するほこりが
目に見える。私は長いときの中で、何度も見たはずであったこの風景に、
また新しい目を注ぐ。しんしんと静かな日に、私はやることもなく、いつ
までも惰性で生きていてはいけないという気持ちになって、動き出すこと
を考えた。何をしても良いのだろう。これからは時間をちゃんと管理しな
ければいけないと思う。一生を無駄に終えてしまうことは、ある意味で悲
しいことだ。敗者の美学はまた甘美だが、それをすすんで引き受けるには
私は若すぎるだろう。老成した若者など、ゲームに賭ける覇気のない、干
からびた大根だ。色んな欲望が渦巻いているこの世界にあって、この部屋
で私は静かな落ち着きをもつ。ずっとこのときだけを身に持って、のんび
りと暮らすのも良いかもしれないなどとまた思う。自分の恋のことを思う
と、破滅との遊技に身を投げてもいかもしれないと思う。私はペットボト
ルをゴミ箱に放って捨てた。からりと音がした。
- 31 :
- 「浮気猫」
二股をかける猫
猫またみたくね
家を渡り歩いて
素知らぬ顔で
なんてお前は恥知らずなんだ
それが猫ですから
ああ、また負けだ
許してしまう
浮気猫
憎らしい
猫なで声を振りまくお前
しっぽをピンと立てて
髭をふるわす
- 32 :
- 「夜、闇の星」
一人の男が泣いていた
悲しさとうれしさに
いま、夜空は輝く
螺旋のように回転しながら、天に昇っていく
帰り道なんて無くていい
ただ、宇宙に抱かれるために昇っていくのだ
- 33 :
- 「むき出したハート」
まるで、卵の殻を破るように、俺の核を割ってくれ
むき出しのハートがお前の色に染まりたいと言っている
太陽の差す午後に、むき出しの心で、お前に向かい合うのさ
寒くはないさ、ただ恐ろしいだけ
心を差し出すのが、お前は傷つけるかい
そっと包んで、おしかえすのかい
どこに行って良いのかわからねえよ
俺はあの日から死んだままだ
- 34 :
- 「迷路」
迷子の迷子の迷子の迷子
背の高い迷路のしきりが
向こうに行かせてくれない
いつまで巡ればいいの
お腹も空いて寒くて雪が降ってきた
そうだね、それが当然だ
自分の心がしきりを作ったんだから
ならばそれを壊すことができるのも自分
ここから抜け出て
笑いのゴールへたどり着ける日を
- 35 :
- >>27
自立心かな。詩はその人の心の状態がよく現れますね。
文学だと顕れるかな。
- 36 :
- 噛みしめるべし
http://www.youtube.com/watch?v=LLyTiQIwv2M
- 37 :
- >>35
顕れますね。
>>36
ひどいことですね。
- 38 :
- 「般若彷徨」
般若が葉を踏み踏みやってくる
悲しみの目 憎しみの刃
開いた口から声はない
あの女の所へ 憎い男の所へ
夜は更けている
下草が覆っている
悲しみの限界に
この世ならぬものへと転生した
雲はねっとりと空を覆っている
ぐさりと沈める刃
それは二つ所へ
自分と男の胸に
般若の心は母心 女心
うねりにうねった気持ちが
悲しみの時空にまき散らされそれでも死にきれず
ただ人を悲しいと思った心が 誰にも告げなかった思いが
いま、しじまにゆっくりと立ち上っていく
あらしの過ぎた青空に
- 39 :
- 「黒」
僕の心は今真っ暗な闇に覆われているけど
黒いだけのものなんて無い
死んでしまわない限りは
黒は白みを帯びて
傷ができて
そこからまた変化するのだ
真性の黒は存在しない
- 40 :
- 「本の記憶」
寒い日の記憶
書物と共にある
あのページにきざまれた情景
思い浮かぶ
ふと思い出して手に取った本
あのころのまま
変わらずに
文字については異論がある
挿絵のイメージに沿ったバオバブの木
怖かった幼き日
応接間から逃げ出した
仮面ライダーの怪人の図鑑をどきどきしながらめくった日も
畑の母に告げた思い出と共にある
書物は変わらずそこにある
魅惑的な表紙につづられて
- 41 :
- 「浜辺」
おいていかないでくれ
わたしは浜辺に打ち上げられた白い貝殻
砂粒が私を覆う
Kicking the grains
砂が洗う
私の体を
清潔になった体は
海の底に沈むのにふさわしい
緑の、圧倒的な量の水
雨が降っても照っていても
- 42 :
- 「Gの嘆き」
追い詰められた者のように彼はそこにいた
部屋の隅っこで
壁に向かってジッとして
ホウサンの効き目かもしれまい、イヤ
最近のこの寒さのせいか…
元気に動き回っていた頃の姿はない
ときどき後ろ足を動かしてヒョコヒョコと移動している
何となく見つめながら
虫剤を片手に待機しつつも物悲しい気持ちになった
- 43 :
- これね
http://onepieceone1.seesaa.net/article/232108413.html
- 44 :
- 「岸辺の木」
川の岸辺に斜めに生えた一本の木
緑の葉に赤い実が映える
川の上に覆い被さって、その作る空間は、
せせらぎと、影と、暗い哀しみ
日が照れば反射して
いつからか安らぎを与えた
- 45 :
- >>42
非常に細かい観察をされていて、思い入れが伝わってくるとても良い詩だと思います。生活感があるのも
いいですね。
- 46 :
- 「白い人生」
人生綱渡り
白痴のように踊ったのは昨日のことだった
押し入れにしまったままの布団を出してネコとみかんを食べる
例えばそんな昼下がり
遊覧船に乗って海を渡る
非常事態に備えた消火器が噴出する
真っ白に人生を染めて
- 47 :
- >>42
え?
何?
何言ってんの意味分からない。
なに硬度って?
え?コードの事?
日本語のカタカナ言葉を原語のアクセントで読むのは間違い。
×ファ↑イル
○ファイル
×サ↑イト
○サイト
×クッ↑キー
○クッキー
×ア↑ドレス
○アドレス
×ネッ↑ト
○ネット
×ケー↑ブル
○ケーブル
×テー↑ブル
○テーブル
×デー↑タ
○データ
×セ↑グメント
○セグメント
×コー↑ド
○コード
×メ↑リット
○メリット
×タバ↑コ
○タバコ
これらのアクセントを間違えて発音していると日本人である事を疑われるので気を付けるように。
- 48 :
- 「虹の殿堂」
虹の色は赤、黄色、青、紫、だったっけ?
虹の殿堂に入りたい
そこでは、色とりどりの蝶達が舞い踊り、
この世のすべての苦しみから解放された極楽である
虹には黒色がない
だから、きっと
- 49 :
- 「嫌いな黒」
僕は黒色、みんなの嫌われ者さ
だって気持ち悪いし感じ悪ーい
でも、昔を思い出してごらん
明るい思い出だけじゃないでしょ
夕闇迫った頃の切ない気持ち
ああ、黒色、お前がいるから生きていける
僕の中のどす黒い思いを逃げないで見つめよう
黒の放射の中から、あらゆる色を導こう
- 50 :
- 「前向きな」
前向きになろう!
暗い詩は現実の直視には欠かせないけど、
僕はとりあえず現実を述べれるほど偉くないから
自分に向けた花束を結わえよう
まず、僕には命がある
それは正負両面を持つけど、可能性としては無限大だ
そして僕の心は今のところ感動を忘れていない
まだ若さがあるのだ
若さと可能性、字にしてみれば、なんて前向きなんだ
だからそれを信じて前向きになる!
- 51 :
- 「無意味」
見える、見える
空気の中の青い光りが
灯ったり、消えたりしてきた記憶の彼方へ手を伸ばして探る
何もない
今があればそれでいい
忘れることが大事
忘れても生きていけることが
自分で自分を養っていけることが
意味なんて求めないから
- 52 :
- 「SKY」
述べる SKY
無意味の充溢する空
雲も鳥も猫もみんな破壊された
無慈悲だった神様は
僕の頭上には雷を落とさなかった
ただ苦しめと僕に諭した
選べる SKY
光りだけが横溢する空
私もどうぶつも生き残った
慈悲深い神様は
僕の頭上に光るわっかをおいていった
ただ喜べと僕を祝福した
- 53 :
- 「何も言わない」
何も言わないって約束して
目をつむって手を出して
僕は婚約指輪を手のひらに握らせた
有無はいわせない、約束だから
いやだったら、放り投げて捨ててよ
- 54 :
- 僕の病気は治ったようだ
あなたが同じ病に苦しんでいないかと心を病む
- 55 :
- 「主人公」
主人公でありたい病は治らない
ムックよりはガチャピンが好きだったし、
ポロリが好きだった
ゲームはいつも兄の後ろで見ていたけど
心の中ではいつも主人公だった
主人公でいさせてくれれば良かったのに
僕は変な自分という性格を設定したために徐々に狂っていった
恐ろしいのは、冗談では済まないことだ
いま、主人公になるべきか否かは分からない
分かるべきなのか否かも分からない
- 56 :
- ただ、すべてが恐ろしい
地滑りに滑って谷底へ
でも、僕はそれでも立ち上がる
滑った先は看病してくれる人がいた
何も変わったことのない日常が
色を変えても僕はそまらない
僕は自分であり続ける
- 57 :
- 「精神の塔」
他人をうらやむこと
それもありでしょう
光りの通る道筋だけでなく、
闇に沈潜してうずくまること
それもいい
死ぬために生きるのでなければ
生に意味を見いだせれば
盤石な精神にうち立てる石の塔
それを一生懸命に組み立てる
- 58 :
- 「寒く苦しい」
寒く苦しい隘路にはもう行くまい
たまにひっかかったひとを見かける
袖をつかんで引っ張り出したいが
人外の境地にあるその場所はなかなか見えない
色んな物事の摂理が徐々に明るさを増していって
隘路に朝日が昇る
- 59 :
- 「夕日」
僕の悩みがつきないのは
僕が空に恋をしたから
夕日のカルテットの構成員は
太陽、空、雲、地上
妙なる調べは自然の慈しみ
夕方の少しの間人を楽しませる
僕もいつかあなた達の元へ行く
それまで僕を愛し続けて
- 60 :
- 「切りキズ」
絆創膏の中のキズがうずく…
切ったのがどこだかわからなくなったのに
ガーゼ越しには見えない
だが今もかすかにうずいている
人差し指のツメから180度の位置だったハズ
だのにどこを押してもわからない
またはがして貼り直すのがわずらわしく
うずくけども忘れることにした
- 61 :
- >>60
痛そうな詩だな。細かい描写が、切り傷というテーマを生かしていると思う。もっとかけるんじゃないかと思いました。
- 62 :
- 「闇と鬼」
絹の糸に火をつけた
少女は燃え尽きるまでをずっと眺めていた
「綺麗だろ?」
「うん」
火が消えると闇が包んだ
闇の中で、少女の顔が鬼に変わった
私をこんなに長いまま放っておくなんて
許さないから
俺はたちむかう、右胸を刃物に刺されながらも抱きしめる
すべてが誤解であること、事実を曲げられないことなど、何から話せばいいのか
聞くだけの耳を君が持っているのか、だからまず抱きしめた
闇の中で背中をなぞった
ごめんよ
- 63 :
- 「マシーン」
仇なすために機械が大きな口を開いておそってくる
がしゃんがしゃん
冷たい表面が冷たい思考を表している
01000111001100011110101
外燃機関を備えたパワフルな動き
覚えがある
ちょうど十年前、俺がイメージしたそのままの姿だ
マシーン
機械の破壊
俺にはすべがない
さあ、おしまいにしてくれ
俺の血を浴びてお前もさび付くだろう
結局俺はお前なのだ
マシーンは翼を広げた
鉄の羽で、飛び立った
何を考えているんだ
結局俺は人間で、お前はマシーンということか
俺は自分の中の機械を分離して、空へと飛び上がっていった機械を見つめた
機械よ、俺の中の機械 パワーをもたらすもの
寂しくなるな
だがな、機械よ 俺は肉と血と共に行く
緑の橋を渡って 黄色の川を眼下に見て
今日はずいぶん多くのことがあったと思い
今日を終える
これからは
マシーンは空を飛び行きながらつぶやいた
俺の行き先はどこだ
俺は俺の分身だった機械が、一人で生きていけないことを分かっていた
機械よ、スーパーのチラシをよめ
そしてテレビでヒーローがいかに敵を倒すのかを学ぶのだ
破壊の力の使い方をお前は一人でも覚えなければならない
- 64 :
- 「キーパーの掟」
俺はスーパーキーパー
どんなバナナシュートも止めてみせる
パンチ、キャッチ、自由自在さ
そんな俺にも止められない球がある
俺の心にストレートシュート!
どきどきわくわく止められなかった日から続くのさ
1-0のコールドゲーム
俺はずっと負け続け
- 65 :
- 「冬の花壇」
小さな冬が花壇に咲いた
もう花はあまり咲いていないけど
心の中でずっと今でもイメージが残る
だから冬の花壇にも意味があるんだね
春を待つとき長く辛い
涙と共に雪解けが待ち遠しい
- 66 :
- 「ワンコの嘆き」
不満がイッパイあるけど
それを言いだせなくて
ふくれっツラしてる
ナニがそんなにイラつくのって言われても
ナニも言えないもどかしさで
後ろ足で床を蹴るだけ
そして転がるオモチャを時々かじってる
ストレスいっぱい、でも気付かれない
飼い犬の不満はたまっていく
- 67 :
- >>66
ワンコというのが、愛情あふれててかわいらしいですね。ふくれっツラの、オモチャをかじる犬。
是非面倒を見て、不満を解消してあげたいです。
- 68 :
- 挂炯炸烟烙
焜煕煢煬熄
熬熾燔燬燼
燹爐爭爲牘
- 69 :
- 「ひとりで、ぽつねんと生きること」
孤独を愛した。それが必要とする物事、犠牲にした現実など、目をつぶって生きていこうと思った。
私は本当の孤独というものが理解できないから、体験したことのないものへの希求は大きい。
ただ、その感じを、ひとりでいることを、贅沢であるからして、愛そうと思った。
大きな赤ちゃんだね、と、人からは笑われるだろうが。
- 70 :
- 「あなたへ」
あなたのことを考えなかった日なんて一日もない
妄想?それもいいでしょう
狂気?けっこう
ただあなたを傷つけない
僕はいくらでも傷ついて良いから
運命?好きな風に考えるさ
人生?それが人生だ
- 71 :
- 「涙ふくまい」
涙はふくまい
流れるままに
しゃくり上げ嗚咽漏らし
感情のままに
誰にも後ろめたいことはない
誰に見られても恥ずかしくない
嘘がないから
このままで
ずっとこのままで
眠りから覚めるまでは
- 72 :
- 「あなたと二人」
光りに照らされた指先を
何となく見つめてる
ああ、愛が欲しい、あなたの
ちゃらちゃらとデートするのも良いけど
やっぱり話し合ったりキスするのがステキだね
冬の寒さを暖め合ったり子猫のようにじゃれ合って
二人は刹那を生きる
そんなことが本当にあったら
涙が3Lあっても足りはしない
心臓が頭ほど大きくても鼓動を処理できない
世界ほどの大きさの心でも、ばくばくを押さえられない
二人の心臓が響きあい、眼と眼が光を交わし合い
永遠の写真がフレームの中で、二人の笑顔を映している
凍結された笑顔
光っている
あのときの気持ちがまたよみがえる
二人の記念
- 73 :
- 「ダンス」
僕は踊る。あなたも踊っているだろう。
もしかしたら二人の踊りが出会って、一つのダンスになるときが来るかもしれない。
運命とはそうしたことを信じることだ。可能性の限定が無限の可能性を生むのだ。
- 74 :
- 「砂漠さえ浅い」
青い束感 散漫なマラウイは今朝も解けやしない
約束を描くサルやネロは
いつまでも鮮やかな気体を抱いて眠っている
ふいに最果てから新しいデサントが届いた
確実なのは重ねた王国を繰り返すことよりも
浅い砂漠を揺らした彼の波乱を優しく仕舞い込む事だと知る
いつだって私達はコーネリアスのように
今日もイールズを聴かなくてはならない
悲しみは揺らした鳥と似て
破れたクラリオンの夏を突き抜けていく
きっと、指輪も、彼も
私を羅列して飲み込んでいくだけなのだから
- 75 :
- >>74
カタカナの言葉が、調べてもよく分からなかったので、その程度の感想ですが、彼に波乱があって、それを優しく
扱う態度が、とても印象深く、いい関係なんだと思いました。悲しみが、二人の関係において発生しているようで、
砂漠が、圧倒的存在感を持って顕れているように思いました。
- 76 :
- 「大事なこと」
二人で作った思い出、僕だけが持っているのかな
君は道ばたの石を見るように僕のことを?
君の後ろ姿が悲しくなくて、切なくて
夕日の時刻にいつもあなたを見かけた
君のきまじめなところがとても好きだった
詩につづっても、想いは言葉にならないけど
それが大事
- 77 :
- 「猫のしっぱい」
彼はなぜか動かない
お気に入りのソファの上でジッとうずくまっている
好物のエサでつっても動かない
たいていこんな時は
彼にとってのかくしごとがある時だ
出かけるフリしてのぞいてみると
自分のこわしたオモチャを出して見つめていた
いいんだ、いいんだよ
ソレはおまえのものなんだから
高価なプレゼントだったけど
気にしないでいいんだよ
しばらく知らんフリしてソッとしといてあげよう
- 78 :
- 「お大福さま」
まんまるな大福みたいなカオして
糸目で寝ているオマエ
ふくふくしたそのカオをつっつくと、
まっしろな両手で挟んでくる…
上手にツメが引っ掛からないよう
肉球の間ではさむんだ
なんにもしないし
なんにもできないけど
大きな雪見大福のようなからだの
そんなオマエが大好きだよ
- 79 :
- >>77
プレゼント、と言うものの本質をとらえた詩です。ネコという、ヒエラルキー的に下位のものを持ち出すことによって。
>>78
愛というものの本質が表れています。なごんで気持ちいい。
- 80 :
- 「汗の数」
流した汗の粒を数えて
その分だけ新たなスタートを切ろう
とってもやな事が起こったのさ
もうだめだと思った何千回も
僕の血が流されて
僕の涙が涸れてしまって
ひどい状態はやっと抜け出して
生まれ変わってやっていく
- 81 :
- 「Take for free」
子供の頃から悩みばかり多く
俺は恋知らずの男
あの日お前に恋した日
俺はこてんぱんにやられてしまった
代償なんて求めくれないでくれハニー
ただでやってくれ
俺の傷口がうずくから
ひりひりと痛いハニー
お願いだよ
こんな夜も白々と明けていく
太陽が昇るんだろう
暖かくなってきたよ
今日もきっと良い日
- 82 :
- 「はやい鳥」
餌をついばむ小鳥
ほら、つばめよ、
天を領する大鷲の
描く軌跡に目がくらんで
鳥たちは、
はやくて、
ゆっくりとした僕には
つかまえられない
逃げていく小鳥
もう二度と会えないの?
餌をあげるからよっておいでよ
僕の腕からするりと抜け出した小鳥
- 83 :
- 「パズル」
パズルを解いていくのは俺の趣味だ
難しいものは時間がかかる
いつも頭を悩ましていた問題
するりと解けたパズル
この瞬間の快楽のためにやってきた
脳の回路も快通で
息も巡り
すべての交通が疎外されない
地球が回るように
天球が回転するように
回る回る世界の理は
目に映る回転風景
- 84 :
- 「ハンバーガーを投げて」
ハンバーガーを投げつけられた
私の顔に当たってべちゃりとついた
ひどいことをするなよ
罵声を吐くなよ
そんなに人をばかにして面白いかい
お前も同じことされたのか
ハンバーガーショップで一つの悟りに至る
誰も投げるものがなければ顔には当たらない
みんなで投げ合いをして狂気の渦に巻き込まれ
みんなでつかみ合って壁に投げつけ合って
ほら、でた血はハンバーガーのたれみたいだ
ぐちゃぐちゃになって見分けがつかなくなっていく
それが現世の有様
俺には我慢がならない
- 85 :
- 「お別れをきちんと」
君にさよならを言うために
きちんとお別れを告げるために
また会う日までお互いが生きているために
僕はいい加減な態度で過ごしてきた
君の心が目に映らなかった
すれ違いばかりで、きちんとしたお別れが言えなかった
だから、関係がこじれて、また会う日がいつか分からない
人間関係をきちんとすること
誰しも憎み合わなくても生きていけると思ったから
清潔なタオルで顔を拭いて
今日の日をきちんと生きたい
- 86 :
- 「翼がない」
あなたの所に一飛びで飛んでいける翼が折れてしまった
羽は抜け、土砂降りの中を地面に叩きつけられた
もう飛べない空を仰ぎ見る
あなたの見ているのと同じ空だと思うと
この距離がいっそう遠く感じる
羽が空から散り落ちてきた
あなたの羽であれと願いを込めた
- 87 :
- 「嵐」
嵐の海を泳いで渡るような
航海にはしけがつきものだ
水が恐ろしい
水が怖い
おぼれることは何より恐ろしい
嵐が止んでお日様が顔を出すとき
光が差して鳥が空を渡る
凪いだ海はのんびりとして
昨日までの、嵐が嘘のようで
おぼれることはない
想像の海で
- 88 :
- 「苔の道」
道の
苔むした路肩
歩きたどり着いたこの中途半端さ
何にも犯されず、何にも壊されない場所
苔の上で寝転がって、お日様を感じる
たまに車が通る
エンジン音を立てて、タイヤが切りつけて、去っていく
午後の天界は賑わしい
色んな神様が、この世にはびこる問題のため議論している
人間に序列をつけるわけに行かないから、問題はややこしい
それでも神様は見捨てない
スクリーンに映った核兵器の実験を見て神様はみな憂慮する
救世主が現れなければならない
路肩に寝ころんだ男は
まなざしを空に向ける
- 89 :
- 「白モフ、ストーカー」
今日も柵越しに背を向けるキミ
少し黄ばんだモフモフした固まりが庭にいる
口笛でも吹いて、振り向かせたいけど
所詮ヒトの家の飼いイヌ
ボクにはどうにもできない
いつ見ても大人しいキミ
いつかこうして覗き見しているボクに気付いてくれるだろうか
そのフサフサした尾尻は隣人のために動くんだね
いつかこちらに向かって思い切り振ってもらえたらいいのに
ボクは哀しいストーカー
窓から庭からこうして彼を見つめるだけ
さわりたいけどさわれない
呼びかけたいのに呼びかけれない
いくじなしのストーカー
- 90 :
- >>89
モフというのが、新しい個性。犬と恋人は、比喩なのだろうか。ヒトの家の飼い犬というのが、もう少し詰めて考えた
表現を使うべきだと思いました。焦点がしっかりあってないような印象で。ボクとモフの関係について、
もう少し展開できた方がいい設定のような気がするけど、事実なら仕方ないかな。
- 91 :
- 「可能性」
可能性の門から歩み入って、
死体になって運ばれる
行きはよいよい帰りは怖い
あの世とこの世の境目で
うろちょろしてた俺
幽霊や化け物など、
が面白く思えるのは
そんな過去があるから
- 92 :
- ことばを信じきれていない
お前の詩が軟弱なのはお前がおくびょうなだけに
云えたい想いにちかいことばを選びすぎているから
最もちかく最もとおいことばどうしが散らす火花を
捕まえることができないまま綴っているから
- 93 :
- >>92
伝えたい想いにちかいことばを〜のところ、まさにそのとおりです。
言葉をあやつるのに、制限を加えすぎているのか、単に見えていないのか。
なかなか今の調子では難しいことだと思いました。どうもありがとうございます。
- 94 :
- 「オレンジ」
俺は鼻をかみ、
やつに紙を投げつける
犬が走り回っている
滝のように降る雨は
洪水をもたらした
一面の水である
そこへ一つのオレンジが流れてきた
ぷかぷかと浮き沈みしつつ
俺はそれを眺めた
- 95 :
- 「オレンジとアリ」
オレンジの実の一粒ずつを味わうのか
アリがうまそうにたかって運んでいる
巣穴に持って帰れば、果汁の保存だ
洪水にも耐えられる立派な巣穴だ
女王様が待っているので、
羽のまわりをしばらくうろつきながら、
一つのアリは小さな頭を巡らす
次はいつ食物をあさりに行こうかと
- 96 :
- 「放課後」
頬杖ついて夕日を眺める放課後の教室
みな帰ってしまっていない
机と椅子だけが取り残されたかのよう
紙飛行機を折って飛ばしてみる
窓ガラスにコツンと当たって落ちた
時計の針はコチコチと時を刻む
その音が妙に懐かしかった
- 97 :
- 「排泄」
液体を白い陶器の穴めがけて発射した
音が立つ
泡も立つ
もう幾度してきただろう
黄色い色の汚れは完全に染みついている
水はいつものように液体を流し去る
生還する、虫たちが、穴から、そしてハエになる
新たなエサを求め、夕空に散っていった
- 98 :
- 「コピー用紙」
ずいぶんたまった使用したコピー用紙を何とか片付けようとするが、
うまくできない、捨てられない
どうせ燃やして処分される運命であるから思い出の余地はないのに
しかし、ずいぶんたまった紙を見ると、なにやら不可思議な愛着がある
コピー用紙に人生でもつづってみようかなんて思ったりもするけど
結局は片付けるんだろうな、その時が来れば
- 99 :
- 「落盤」
このトンネルでは昔、落盤事故があったのだ
大勢の人が下敷きになった
生き埋めになった
どんなに苦しかっただろう、いかほどに辛かっただろう
掘る作業も今は機械化され、安全もはかられているが、
このトンネルは人の血を吸った跡がある
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