最近出た2冊の和書について 『チェス戦略大全U』 充実の内容。ポーンやセンターが主題になるだけあって オープニングもロペス、QG、NIDが多いのはもちろん1巻には少なかったシシリアン、フレンチ、 グリュンフェルドが増えている。『Understanding Pawn Play in Chess』や この本のようなポーンを詳しく取り扱った本を一通り読むとポーン形に基づいた 明確な戦略が立てやすくなり、プレーの質の向上につながることは間違いない。 今のところそのようなポーンについて詳しく書かれている和書はこの本だけなので、 洋書を読まないような人ならまず買いだろう、と個人的には思った。 誤字脱字図の間違いがあるが、これは後に修正されるはず。修正された後に買ってもいいかもしれない。 『チェス 終盤の基礎知識』 日本語初の終盤書。手に取った感じは「修学旅行のしおり」という表現が合いそうだ。 書店に並ばないからだろうか、コストを削れるだけ削った、という印象を受ける。 内容は終盤の入門書としては非常によい。きちんと読めば十分理解できる内容が トントン拍子に続く。読者が置いてけぼりになることはまずなさそうだ。 訳者あとがきにこの本を読んだ後に実戦的に物足りないと感じた場合は パンドルフィーニ本を読むと良いと書いてあるだけあり、ある程度終盤の知識が ある人がこの本を読んだ場合は初見の内容は少なくなる。個人的にはこの本の中で 最もためになるであろう部分はP66〜97の終盤をテーマにした実戦例の解説だと思う。 他の部分に比べ少々レベルが高く、読むのに多少骨が折れるだろうが1ポーン得を終盤でどう勝ちに結びつけるか、 実戦において相手をどうツークツワンクに追い込むか等が具体的に示されている。 しかしやはりこの本を手に取るべき人は、洋書で終盤の基礎知識を身につけた事のない人、初めて終盤を学ぶ人に限られそうだ。 パンドルフィーニ本を全部読んだような人は『Endgame Strategy』なり『How to Play the Endgame』でも 読めばよい。テクニックに加え終盤における戦略的思考能力まで身につけられればかなり終盤に強くなるはずだ。
26 :
>>26の下から二行目、How to Play the Endgameじゃなくて How to Play Chess Endgamesだった。著者はKarsten Muller and Wolfgang Pajeken。 ついでにEndgame Strategyの著者はM.I.Shereshevsky。両方良書だしおすすめ。
>>37の分類を簡単にまとめて個人的なコメントもしてみる。 入門書: ここからはじめるチェス by 渡辺暁 →FMの日本人の著書。内容も初心者だけでなく中級者でも中終盤や実戦の章で参考に部分があるので、一読の価値はあり。現在販売している和書では一番のオススメ。 Bobby Fischer Teaches Chess by Bobby Fischer, Stuart Margulies, and Donn Mosenfelder →羽生の終盤術、指しこなす本などの本に見られる形式の本。内容もクイズ風になっているのでサクサク読める。強くなるにはイマイチだが、チェスがますます好きになれる本であるだろう。日本語訳本もある。 The Complete Idiot's Guide to Chess by Patrick Wolff →よく入門書としてオススメされている洋書。未読なので感想はなし。 オープニング: Modern Chess Openings by Nick De Firmian →略称MCO。定跡辞典とも言われる分厚い本。手の記述は独特なので慣れないと読み辛いし手の説明も簡潔的。辞典として使うのが適切だと思う。この手のものはこれで十分か。似たようなのでNCO (=Nunn's Chess Openings)がある。 Chess Openings Essentials シリーズ →The Ideas behind the Chess Openingsのように手の説明の書いた本で割と新しい本である。ちら見程度だが、コンパクトにまとまっていて是非買いたいと思える本だった。オープニングのレーパートリーを増やすのにこの本は役に立つであろう。 Winning Chess Openings by Yasser Seirawan →Winnig Chessシリーズのチェスの定跡本である。この本ではKIAを推奨してあったとレビューで書いてあった記憶がある。このシリーズはチェス洋書初心者に対しても平易かつ面白い文章であるので、気になる人は買ってもいいだろう。未読だがw 続く
40 :
>>39 The Complete Idiot's Guide to Chess、図書館で借りたけど良書だと思う チェスの歴史とか、歴代の世界チャンピオンの話とか読んで面白いところもある まあ、入門書は和書たくさんあるから、敢えて洋書選ぶ必要はない気もするけど
41 :
>>39の続き タクティクス: Winning Chess Tactics by Yasser Seirawan →Winning Chessシリーズのタクティクス本。英語がやさしいのですらすら読める。 実戦編ではKasparovやTalといった有名なプレイヤーの棋譜があり、著者の名解説もあって非常に楽しい時間を過ごせる本であろう。 最後のクイズもいい。私的な評価だが、winnig chessシリーズではこれが一番じゃないかな。2冊しか読んでないがw 1001 chess sacrifices and combinations by Fred Reinfeld →1001問の次の一手集。製本がかなり甘く、ページを大きく開くとページが取れてしまう。製本の悪さはともかく、問題は古今の棋譜から取っていて良問が多い。 たまに実戦の手順よりも良い手順があることに注意。値段の割りに問題が多いので、製本に気に食わない限りは買ったほうがよい。 同著者の本で1001 Brilliant Ways to Checkmateがある。 Practical Chess Exercises: 600 Lessons from Tactics to Strategy by Ray Cheng →タクティクスの本か微妙だがとりあえずこちらに分類。600問のうち500問はネットから抽出。手番と局面図以外はノーヒントの完全な次の一手集。 その上、タクティクスだけではなく、エンディングやストラテジーもあり、さらにタクティクスも悪手確認や不成立な手も存在するので、読みを鍛えるのには最適。 一読の価値は大いにあり。 Chess: 5334 Problems, Combinations, and Games by Laszlo Polgar →通称、電話帳。このスレッドでもお世話になっている人も多い分厚い本。詳しくはアマゾンに書いてあるが、この本を読みきるには並大抵の根性では無理だろう。ちなみに、私は未読。 ストラテジー: Simple Chess: New Algebraic Edition by Michael Stean →よくおすすめとしてあがる戦略本。グーグルで中身を見る限りはルールを覚えたばかりの人が主な対象だろう。 Google Book Searchから一読してみて購入の判断を。 まだ続く
42 :
>>41の続き How to Reassess Your Chess by Jeremy Silman →戦略本として有名な本。まわりでは高評価だが私には合わない。 戦略の指針の説明がくどく手の解説が不十分に感じたのがその理由。 ただ、名書であるのは間違いないだろう。万人には薦められないと勝手に妄想w Understanding chess Move by Move by John Nunn →私的にはこちらの方が上の戦略本よりもおすすめしたい本。序中終盤のテーマごとに一局を詳しく解説。 更に一手ごとに詳しく解説しているせいで、結構読み辛いが、GMともなればここまで読めるのかと思えるだろう。 好みの激しそうな本であるので、おすすめするには微妙なところだが敢えて推薦。 エンディング: Winning Chess Endings by Yasser Seirawan →Winning Chessシリーズのエンディング。本自体は割と普通の構成になっているが、著者の文章が良い味を出しています。 他にも良い本はあるが、エンディングの本でおすすめの一つである本であるだろう。 Silman's Complete Endgame Course by Jeremy Silman →この本はエンディングが好きになる本。レーティングごとに実戦でよく出るエンディングを乗せて解説のしてある、今までに斬新な本。 もちろんこれだけでは十分ではないが、エンディングの楽しさが伝わってくる本であることは間違いないだろう。 著者の本に外れな本が滅多にないが、この本はその中でも大当たりだと感じさせる内容です。 チェス 終盤の基礎知識 by アヴェルバッハ →知っている人は知っている、日本語で書いてある終盤本。 これだけじゃあ、終盤にすべては対応できないが、初めてのエンディング本には推奨できる。 修学旅行のしおりのような製本だがそれ以上の価値はある本です。 そろそろ終わります
43 :
>>42の続き Dvoretskys Endgame Manual by Mark Dvoretsky →難解だが秀逸な著書の多い方のエンディング本。これさえあればエンディング本はいらない、 そういっても過言ではないぐらい濃密で高度な内容を掲載している。 初めての終盤本にこの本を選ぶべきではない、間違いなく本棚の肥やしとなるだろう。 ある程度のエンディングの知識があるか、もしくはレート1800ぐらいないと読みこなすのがきついだろう。 独断だがこんなレビューかな。 こういうレビューをして言うのもあれだが、Google Book Searchで中身をある程度把握して買うのが一番いいのかもしれない。 もちろん、他にも良い本はあるだろうが、悲しいかな、洋書の方が割合的に多くなりがちであるだよね。 >>40のように入門書に限って言えば、和書でも十分だと思う。お金をかけたくない人にはチェスアンテナで検索すればいいことあるよ、って既出かな。
返答になってなかったので補足する チェス戦略大全2巻についてはまだ途中までしか読んでないけど、 前(1巻発売後)に『Understanding Pawn Play in Chess』という本を読んだんだ。 これは孤立ポーンとかダブルポーンとか、まあポーンについて実戦例に解説を加えた本 なんだけど、自分はこの本を全部読んで孤立ポーン等の扱い方を身につけた後は 明らかにポーンの知識を身につける前よりも中盤のプラニングがやりやすくなったし、 チェスの世界が広がった。この本は洋書の中でも自信を持ってオススメできる。 そんなわけで、同様のポーンを取り扱った2巻を読んだ後は別人になってるだろう、と言ったんだ
51 :
>>50 『Understanding Pawn Play in Chess』という本を読む方がいいみたいですねw
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近所に引っ越してきたイタリア人夫婦と仲良くなり、 チェスを教えてもらって約一ヶ月。買った本は 図解 早わかり 初歩の定石と必勝のコツ(渡井美代子著) Opening Traps (Bill Wall) Improve Your Chess (A J Gillam) Sokolov's Best games encyclopaedia of chess openings 以上を適当に買いました。
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俺も『Understanding Pawn Play in Chess』は読んだ で、戦略大全Uは立ち読みしたが結局いらねえかな、と思った いや、金に余裕があればかって損はないと思うけどね