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2013年02月文芸書籍サロン31: 【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part69【変な女】 (541) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part69【変な女】


1 :2013/01/04 〜 最終レス :2013/02/10
  !. :./: : : : : : : : : : |: : : : : : : : : : : ,'.:.!    \:ヽ : :.、:.:.:!:.:.:.ヽ
 l: . .!. : : . : : . : : : :.!: : : : : : : : : : :,':./   _ゝ‐-: :|、:.!:.:.:.:.ヽ
 !. ..l. : . : : : : : : : : :|: : : : : : : : :l: イ;.!, -'"´    ト:.:.:!:l:..|:.:.:.:.:.:!
. !. . |: : : : : : : : : : : :ト; : : : : : : :.! l !イ       !ヽ |.!/:.:.:.:.:.:.:l
| : !: : : : : : :',: : : :, x-─ :.:...:.:l!.| レ    彡≠、k_ヾ:..r-、.:.:.:.:.!
. !: . .! : : : ヘ: : ,x '´: : ト、ヽ . :.:.:!レ    ー斗匕て',ラ゙:.:.:.:!., ヽ.:.:.:}
. l. . :.',: : : : :.X: :.ヘ-、:.::fヽ \_,'     "ヘっ_..::.ノ.! :.:.:.:k' /:.:.:.i
 !. : : ',: ヽ:.´.:ヽ、:.ヘ xz≠ミk           ゝ- ´ ! :.:.:.:.Y.:.:.:...ヘ
 l. : : : ヽ: ヽ、:.\X〈!ら::..:;.ぅ           |:.:.:.:.:.i.:.:.:.:.|.:ヽ
. ',. : : : : ` -`_t xz、 ヘヒr- ´    、        |. :.:.:.:.:.!.:.:.:.:ト、.:ヽ     
.  ', : : : : : :.:.:.:.iヘしヽ           ,     ,.l :./:l./:.ィ:ハ.}  ー`   
   ', : : : ヽ :.:.:.ヽ ニ >       ー "´     イi:.////ソ リ
   i : : : : ヽ: .:.:.::.:.:.:..:.:.ヽ、 _           / リ/iイ'
.   }: : :.ト: :、ヽ:.:\.:.:.:.:..:.:.:.:.、ニ ― t - '   メ
    | : :.ヽヽ:.ー 、_ヽ_Zー‐ ̄ー` i        ' ,
    l: ハ:トヘ  ̄             j        ` - _
   // ゙ー              /            ` - y`ーv、__
                    /               <: :/: : : : : 入
              /レ '  __    r ' ´ ̄    <´: :/: : : : : : : :.i
            _ ,ヘ: :.ラ      `          Σ: / . . : : : : : : :ヽ
          ,´: : : :ヽ::}            _ ― :.: ̄i      . : : ヽ
          ,' : : : : : : y _ - ―..- ‐  ̄ ..::.....    {      . . : : i
・前スレ
【涼宮ハルヒ】佐々木とくっくっ Part68【変な女】
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1348228833/
・佐々木とくっくっ避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8130/
・佐々木とくっくっ避難所(携帯用)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/i.cgi/movie/8130/
・佐々木SSの保管庫
Part1-10まで ttp://blog.goo.ne.jp/sasaki_ss
Part11以降  ttp://www10.atwiki.jp/sasaki_ss/
・涼宮ハルヒシリーズに登場するキャラクター、佐々木を愛でるスレです
 佐々木 = 例の変な女
 自称「キョンの親友」、中学時代はキョンの自転車に二人乗りで週二回、塾に行く間柄
 キョンとは学校内でつるむ回数がクラスメイトの誰よりも多かった
 キョンは否定するも傍からみるとどう考えても...
 古泉曰く「十人中八人が一見して目を惹かれる、実に魅力的な女性」
 恐るべきことに名実共にハルヒと対になる神的存在であることが明らかに!?
・次スレは>>970が立ててくれたまえ。立てられない時は遠慮せずに言うといい。
 このスレの住人は快くキミの代役に名乗り出てくれるだろう、くっくっ
・このスレは基本sage進行だ、間違えてageるならまだしも
 意図的にageるような行為は慎んでくれたまえ。

2 :
・リンクを貼るときは直リンは禁止してくれると僕も助かるよ。
・スレタイは佐々木とくっつくではないのであしからず。
・荒らし、それに反応する人への対応は無視するのが一番と昔から決まっているんだ。
・キャラクターを貶めるような書き込みは、荒らし行為なので謹んでくれ。
・どうしてもそういった発言がしたい時は、専用のスレッドを立てて、そこで行うといい。
・妙な書き込みが多数あるときは、書き込み日時の右にあるIDを確認すれば、
同一人物による荒らしかどうかの判断の基準にできるだろう。
・次スレは立候補した人が責任を持って立ててくれたまえ。
 ただし、無理な場合はその所信表明を行い、次なる立候補者を集うべきだね。
・次スレへの誘導リンクが貼られるまでは今まで通り書き込みは控えるのが最良の手立てと僕は思う。
あと、SS保管庫の中の人からこんなコメントをいただいている。
判断はみんなに任せるよ。くれぐれもこれで争うことの無いようにしてくれたまえ。
201    wiki [ sage ]  2007/08/26(日) 09:33:29 ID:lc10YmQU
 どーもwikiの中の人です。
 タイトルにSSってつける件ですが、個人的にはなくても無問題です。
 SSかどうかはみればわかるし。
 今までどおりでOK。
 それよりも、SSにはタイトル(名前欄でも文中でも)と長編なら通し番号をつけてもらえるとありがたいです。
 あと、未完成ならそれがわかるようにしてもらえるとなおよし。
.        , -‐- 、. , -‐-ー .、
.       ,'. /  ト、 ヽ   ヽヾ
        i. ((从ソ 从〉,ハハバゝ
.       l. (|┳ ┳i!i| ─ ─i! 
..      ,ハNiヘ'' ー.''ノiハ、. - ノ’ 
.         〈ヾ/゙ノi  /〈にづ┓___
        _.ノUUZゝぐ___,/__||卅]
        ~,'(_,(ソ__//゙> .> /ヾ⌒ヾ
        (--(ニ二__(ン゙/.(--○<)
.        ゞ/__彡' ¨゚¨    ゞ/__彡'

3 :
このスレッドは文芸キャラ板(http://uni.2ch.net/litechara/)への移転が議論されています。
この板に次のスレッドが無い場合は、まず>>1の保管庫や避難所、及び文芸キャラ板を確認することをお勧めします。

4 :
>>1乙!
今年もよろしくね佐々木さん

5 :
規制解除かな?
>>1乙

6 :
>>1乙!

7 :
>>1


8 :
新スレ乙

9 :
>>1乙

10 :
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その3
 体育祭当日、天気は秋晴れという言葉がぴったりくる、快晴だった。
 「いい具合に晴れてくれたものだね」
 スポ-ツの秋と言うには、少し早いような気がするが、成程、体を動かすにはいい具合な天気だ。
 佐々木は念入りに準備体操を行っている。張り切っているな、佐々木。
 「それはそうだよ、キョン。何せ、僕等は涼宮さん達とぶつかるわけだしね」
 騎馬戦とクラブ対抗リレー。
 前者では涼宮&古泉と、後者ではSOS団と戦うわけだ。
 なお、クラブ対抗リレーでは、SOS団のメンバーとして、幽霊部員の谷口が走ることになった。どれだけ涼宮
に弱みを握られているんだ、こいつは。
 そのことを教えてくれた古泉は、ついでに走る順番も教えてくれた。
 「涼宮さんのご指示ですが」
 よほど自信があるようだ。へたな運動部の部員より運動神経がいい連中のあつまりだからな、あそこは。
 その言葉をうけて、俺たちも走る順番を決めて、古泉に教えてやった。これでお互い公平になる。
 「負けるつもりはないよ」
 力強くそう言った佐々木に、俺も大きく頷いた。
 競技は進み、午前中最後の競技、すなわち一年生のクラス対抗騎馬戦の時間になった。
 ル-ルは、競技時間の5分間の間に、騎乗者の頭に巻いてある鉢巻を取り合い、多く残っていたクラスが勝ち、
という、単純なものだ。
 ちなみに試合は一回だけ。騎乗者がとった鉢巻の数が一番多いところが優勝である。なお、騎乗者が落馬すれば
失格になる。
 なお、クラス編成上の都合で、対戦できない一クラスは教職員チ-ムと対戦という、ありがたくもない対戦カ-ド
が組まれる。そのくじを引いたクラスは一年三組、すなわち長門のクラスであった。
 俺たちのクラス、すなわち一年五組と涼宮達の一年九組の対戦は最後のカ-ドだった。
 「さて行くか」
 対戦が終わり、いよいよ俺たちの番だ。
 「頑張ってね、みんな」
 最初に競技を終えた、長門が応援に来てくれ、俺たちに声をかけた。
 「ああ。勝ってくるよ」
 俺は長門にそう言って、佐々木と一緒にグランドに出た。
 「では頼むよ、キョン」
 俺が屈むと、佐々木は俺の肩にまたがる。
 「しっかり掴まっていろ」
 佐々木を倒さないように慎重に立ち上がる。
 「キョン。僕の足をしっかりつかんでおいて欲しい。激しく動くことになりそうだから」
 佐々木の体重は軽いとは言え、子供を肩車するのとは訳が違う。すべすべした女の子の足を掴むのは、いささか
ためらいがある。
 「遠慮はいらないよ。君と二人で勝ちに行くつもりだから。君に掴まれるのは平気だよ」
 気のせいか、周りの(特に男共の)視線が痛く感じられた。
 五組と九組の生徒たちが向かい合って一列に並ぶ。既にふらついている奴もいる。まあ、騎馬戦と言いながら肩車
合戦だからな、これじゃ。
 九組の生徒の中に、涼宮と古泉の姿があった。
 涼宮は古泉にまたがって、列の中央にいた。古泉の上でふんぞり返っているが、大将気取りかよ。
 
 「始め!」
 試合開始の合図とともに、俺は佐々木を載せて走り出した。

11 :
>>10
乙!毎回楽しく読ませてもらってます
そしてキョンに激しい視線を送っているのは僕ですwww
長門vs森さんとか期待していいのかね(^ω^)

12 :
                         _,r=y.
                     、   ´ 7/  /i)
  / ̄\        _          `≧ー_-' 〈-- ' _ i7
/〜〜〜\   ,,'´   ヽ.   ;;-、 .''ー,,,_≧ >≦'           ネ
    ..:::::::::::::..  liミi从从リ〉. /ヽ;;)       .'"'^゛`             ,..ヒニゝ、
::::::::..       _|iト(!゚ -゚ノ!|/             \,\,   _,. -‐'"~  ,ォ、 ``''ー 、_
.      ,ィ´::::::::::ヾ!つ'iづ             "、-─'''"~__,,,..-‐''"个`';ー-, 、.,_``''ー-;:-
       f::(::i::Li_j_i)' lゝ/               `ー=ニ二!  |^'│ . |  |  |  l゙ニフ ̄
.      j:i:ヽ:|゚−゚ノ:|'ソ /_______              ,.__|,∩_|ェェ|,∩ェ|∩!ェェ!∩_|、、,ォ
.      l::i:::l:|づとil::i | i(;;)圖(;;)|             {ニlニlヨ=!ー'''','二二ニ三王ー亠'=|;
     .ノ::j:::く/,.i.,r;:ゞ゙ヾ;,:ゞヾ`ゞ>     _,,..-‐‐"ー''''' ̄ ̄_,,..-‐个ー-二二.,`_''ー------‐ャ
    ,,,.、ッゞヽ>;:;ゞ《ゞ;':;ヾ:ゞ;ヾ-;ソ  ‐ニ;゙----──''''''''''"""~ _,,,,,,.....--|─┬--;--、、 ̄,``````´
     ヾ;';:ゞ》:;、_ゞヾ;;/ヘFゞヾ;:'`      ̄ ̄|| ̄〒─i'''''"""| | | |  |  |  |  |. ̄|
     〉ゞ;'ヾゞ、`)'~ヾ;;ゞ';;゙ゞ;ヾ;'ゝ     iョェェ||ェョ;||ョェョl1ォッ==|FEFEFE;|;王i;|;王;|王il|EF|EFヨ
z、,,r;、;v、ヾヾ;;'ゞ;ヾ;iiゞ<ノ;ゞヾ-'、、_      '==i‐_‐‐__‐_',,'ニニiニ二二二i!ニニニニニニニ=‐''
::;;、ヾ;ゞ;'ヾ,.;;:,、   |r''ゞ-ヾ´;ゞゞ;《ヾi       |「--i ─┬──i─┬─‐||─┼─|─┼-┤
'゙,;;='ー'ゞ'ヾゞノ (;;ゞヾ;ゞ';''/ゞヾ;;ヾ`、   ,. -― 、 .|   |    |  !   ||  ||||||||  |  .|
.'ゞ;'、ゞ;`ー/ゞ;ヾゞ、-;::='‐'>ゞ''ヾ_ ヾ'"   __(_,ィ===,)'ェョェョェョェョェョェョェョ.,. ‐-ー- 、l||||_,」__|_,,.
;ヾーヾ;/''-ゞヽヾ| |  `ヾゞ;'ゞ';ゞr;、ri、,{ヨ'チミリノリリキ!===,. -‐- 、.==.ノ /    ヽ=====i
,、ゞゞ'ー;;;;-ャ ヾ;;| |-=ゞ゙;ヾヾ、=''""二`".ノfハ ^ヮ/7  ,'. /  ト、 ヽ. ノハハハハハ ! ---------'
ヾ;;''ゞ::ヾ、'ゞゝ;-/:/ ̄``';ー-、=-、 r-、_, (《リ[!つ//リ i. ((从ソ 从〉 !|─ ─ ,iリ)!   二
、_,)'| |'二二゙__,| ;|-.( "ミ0 ̄`ヽ.''  `〈6〉  ノ,! //.   l. (|┳ ┳i!l .’ 、 - ,ノル´ ─   二 | ̄|
`'='、 |`ー─ー'| ;|─.))(八)ヽソ ─./ミ{,___ く/i//_,ゝ ハNiヘ.''' ヮ''ノハ! / ||y|| `ヽ      二 __,7T
二 | .| ─  / /   .ヾ)゚ヮ゚ノ)  \\_ ̄// ̄ ̄| ̄|,ィ⌒ヾ/ハ ─.ヽl|ニゝ.ソ| ̄| ̄ ̄ ̄_//
__,.l ヽ;‐-;、/ /,..<`ーィと|廿|⊃ ─  \ `// ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄´ /─
.,.;:;:,.,. ,..,.,./'"``' .( _>ーヽンン―- 、 ─〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜二
---──l''iー( ̄ )ノ        Ooヽ  .二   ─   二   ─   二   ─   二   ─
───‐'‐'`""~゙ ̄\         ノ     .─   二   ─   二   ─   二   ─
   ─   二  ─~~~ ―~~~ 二 ~~~ ─   二   ─   二   ─   二   ─   二

13 :
騎馬戦って土台役1人じゃ無理だろ

14 :
>>10乙乙
さすがに徒競走ではハルヒに勝てそうにないから、タッグ戦のここでは勝っておきたい
>>12
没にするなんて勿体ない、前スレ>>998-1000も併せて乙!
ところで前スレの分の元ネタ知りたい

15 :
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1348228833/998-1000>>12
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.       ,'. /  ト、 ヽ  
       i. ((从ソ 从〉
       l (|;:;:;:;:;;;;:i!i|
      ハNiヘ'' - ''ノ'iハ 
.        .{i'∪∪)
         ノ_/__l_jヽ.      ,. ‐-ー- 、
        `~しし~´     ノ /    ヽ
                  ノハハハハハ !
           ;       .!|─ ─ iリ)! 
                   ’ 、 - ,ノル´ ww
           ;.        {!とス) 
                     i´゙T`i
         -━━-      〈_.八_,>
                     

16 :
『夕日の約束』※ここだけ見るとハルキョン注意
三学期。来るべき朝比奈さんとの別れに備え、古泉達は準備を進め、長門は観測……場合によっては機関への協力を辞さない……構えを取っていた。
俺は……ハルヒの遊び相手になったり、話相手になったり、佐々木と会って勉強をしたりで、慌ただしく日々は過ぎた。
「……………正直、閉鎖空間の処理でいっぱいいっぱいですよ…………」
古泉が、珍しく愚痴をこぼしてきた。神人は、盛大に大暴れしてくれたほうがまだマシという状態らしい。
「ただ空を見上げていたり、叫んでいたり………。行動をしないんです。ある意味、安定しているのですが…………」
そんな状態の神人を倒すのは、さすがに心が痛むようだ。
「……………………」
長門は、無言で本を読んでいる。………まぁ、これはいつもの事か。
「まぁ…………ハルヒを安定させてやらねぇとな。」
「……………………」
古泉が、俺を寂しそうな目で見る。気持ちの悪いヤツだな。
「ハルヒ。」
「あぁ、なんだ。キョンか。」
帰り道。たまたま校門にいたハルヒに声をかける。
「たまには一緒に帰るか?」
勿論断られる事が前提だ。
「………………あんたと?ま、たまにはいいか。」
返事は、意外にもイエス。俺はハルヒと肩を並べて帰る事になった。
「浮かない顔だな。」
「そりゃそうよ。」
ハルヒは溜め息をついて前を見た。
「……………卒業式が終わったら、もうみくるちゃんと会えない気がする。」
………意外な言葉に、俺はハルヒを二度見した。
「…………こっち見んな、バカキョン。」
ハルヒは、憂鬱そうに言う。最近のハルヒの憂鬱。それは、朝比奈さんとの別れだとは分かっていた。しかし…………ハルヒは、持ち前の洞察力を駆使し、その先を考えていたのだ。
「……………あんたも知ってるわよね、あたしの中学時代。」
ああ。よく知っている。散々に奇行をやらかしていたみたいだな。
「…………茶化すな、バカ。とにかく、殆どいい思い出なんかなかった。……………そんな中で、北高に来て…………SOS団を結成して………………毎日が楽しかった。」
ああ。俺もだ。なんだかんだ言って、楽しいぜ。
「…………始まりがあれば、必ず終わりはある。それはあたしも理解してる…………。でも…………」
ハルヒは下を向く。
「…………笑って、お別れしてやらねぇとな。朝比奈さんと。」
「……………………。」
目に眩しいと思ったら、夕日か。ハルヒの表情は、逆光になり、よく見えない。
「……………あんたは、いなくならないよね?あたしの前から…………。」
夕日で、ハルヒの表情がよく見えない。
「ま、どんな形であれ、お前とは一生付き合うような気がするぜ。」
お前が望む限り、な。
ハルヒは、その言葉に満足したらしい。100Wの笑顔を見せ、俺を向くと………
「団長命令よ!」
と笑顔で叫んだ。
「やれやれ。」
ハルヒと別れて暫く歩いていると、後ろから声をかけられた。
「やぁ、親友。」
「よう。佐々木。」
佐々木だ。今日は塾がないらしい。
「くつくつ。少し前から気付いていたんだが、青春の一ページに乱入するのは不粋だからね。」
「そうかい。」
どうやら見られていたらしいな。さて…………どうしたもんか。
END
泥沼スタート。

17 :
『Days-愛情と日常-』
「君達は、強い絆で結ばれているようで羨ましいよ。」
佐々木はそう言うと、くつくつと笑う。
「絆、ねぇ。」
確かにハルヒとは絆を感じる。しかしな、親友。
「お前との絆も、そう捨てたもんじゃねぇはずだがな。」
俺の言葉に、佐々木は目を丸くし………そしてまた笑った。
「くつくつくつくつ。」
違和感だらけの今。ハルヒの心情告白にしても、長門の協力にしても。
「君は、僕に勘違いさせるのが好きなようだね。」
勘違いであるもんか。
「いいかい?キョン。君は涼宮さんを選んだはずだろう?」
誰もハルヒを選んだなんて、一言も言っていないんだが。
「いい事じゃないか。親友の恋路なんだ。僕も協力する事に吝かでないよ。」
黙れ。
「キョン、今からでも涼宮さんを追い掛けて………………」
「黙れ。」
……………こんなに冷たい声って、出るんだな…………自分で言って、びっくりした。俺は、佐々木に携帯を見せる。
「…………………待ち受けにいるだろ?そいつが、俺の好きな奴だ。ずっと一緒にいたい、と思っている、な。」
フリーズして固まった佐々木。一生隠しとくべき話だったのかも知れんが…………。溢れ出た思いを抑えきれなかった。
「じゃあな、佐々木。」
みっともなくしがみつく趣味はない。どうせ待つのは拒絶だ。
背後に佐々木の泣き声を聞きながら、俺は家路についた。
翌日。晴れない気持ちのまま登校する。
「おはよう、キョン。」
そこには、満面の笑みのハルヒがいた。
「よう。」
浮かない声を上げた俺に、ハルヒは……………
「シャキッとしなさいよ、朝っぱらから!」
「ぐがッ!」
背中に強烈な喝を入れたのであった……………。
部室では、古泉が満面の笑みで迎えてくれた。
「あなたを信じていましたよ。…………久々に8時間睡眠…………。寝具の素晴らしさに涙が出ました。こちら、機関の皆からです。」
………そこにあったのは、色とりどりのお菓子…………。子どもの駄賃かよ!……………長門。食べるのは構わんが、せめて一言位断りを入れろ。
「迂闊。」
そう言いながらも口は止まらない。ああ、もう………食べこぼしやがって。俺はハンカチを取り出し、長門の口を拭いてやる。
「こぉらぁ!このエロキョン!あんた何有希に触ってんのよ!」
突如乱入したハルヒに、俺の手が払われた。
「触ってねぇ!ハルヒ、ならお前が拭けよ!てか、いつの間に来やがった!」
俺の叫びに、ハルヒは…………
「あんたが、有希にハンカチ嗅がせるところからよ!なに?クロロホルムでも嗅がせるつもりだったの?!」
「市販されてねぇだろ、んな物騒なもん!」
暫くハルヒとの口論が続き………朝比奈さんがクスクスと笑い、古泉が微笑み、長門が気持ち微笑む。
「ユニーク。」
………と、まぁ。いつもの団活だったわけだ。
…………この人の登場までは。

18 :
「……………お久しぶりね、キョンくん。」
そう。朝比奈さん(大)だ。
「私を快く送り出そうとしてくれているのね。…………ありがとう。そして、涼宮さんの改変を未然に防いでくれて、こちらも重ねてお礼を言わせてもらうわ。」
朝比奈さん(大)は、深々と頭を下げてきた。
「…………また、何かあったんですか?」
その言葉に、朝比奈さん(大)は、冷たく言った。
「……………ええ。重大な案件が。」
自分の胸に聞いてみろ…………そう言わんばかりの冷たい声だ。
「未来は、極めて不安定な状態にあります。……………その理由は、キョンくん。あなたが一番よく知っているでしょう?」
…………恐らく、昨日の件だろう。
「………………何がいけなかったのか、解りかねますね。」
俺は…………朝比奈さんの目を見た。
「ええ。涼宮さんがいるのに、佐々木さんの心を乱した。そのおかげで、パラドックスが発生しているんです。」
「ですので、そこで何故ハルヒですか?」
確かにハルヒは好きだ。しかし、ハルヒを異性として好ましく見ていたわけではない。
考えてみると違和感ばかりなのだ。佐々木を一年間思い出せなかったことも、佐々木の告白を無碍にした事も。
「未来の既定事項。これ自体が、ハルヒの願望…………そういうわけですか?」
「…………答えられないわ。」
朝比奈さんが目を反らす。
「ハルヒを選ばないならば、違う未来が生まれる。藤原を覚えていますか?藤原は違う時空間に飛ばされたそうですが、あいつは何故こっちに来れたんですかね?
つまり、あの時点では、貴女が違う時空間に行く可能性があった。………違いますか?」
「……………………」
違和感の正体。それは……………
「だとしたら、俺はハルヒの為にも、ハルヒを絶対に選べません。
いや…………ハルヒの為じゃない。俺自身の意思の為にも。」
ハルヒが文字通りの絶対的な存在として、ハルヒの思い通りになるような世界。それだ。
ハルヒに真に成長して欲しいと思うならば、ハルヒに教えなければならない。決して思い通りにならない事もある、と。
……………それは理由に過ぎないか。ハルヒの気持ちは嬉しい。しかし、俺は佐々木が好きだ。ハルヒと会う前から、ずっとな。
「………………あなたの意思は、わかりました。」
朝比奈さんは、残念そうに目を閉じた。
「私は私の未来を守らせて貰います。」
朝比奈さんは、そう言うと去っていった。

19 :
すみません、朝比奈さん。でも、今の俺がハルヒを選ぶわけにはいかないんです。
…………さて。今からケリつけねぇとな。
光陽園駅前。俺は佐々木を呼び出した。
「……………………」
「……………………」
空は薄闇。青紫色の空がビルの間を染めている。
「知っているかい?キョン。宝石のタンザナイトの名前の由来を。」
口を開いたのは、佐々木からだった。
「…………タンザナイトは割と新しい宝石でね。タンザニアの鉱山で発見された、青いゾイサイトがその由来さ。この夕暮れを切り取ったような、深い青紫色でね。…………僕の宝物なんだ。」
佐々木は、そう言うとペンダントを外した。……………美しい青紫色の、小さい石がついたペンダント…………。皆目見当はつかんが、やはりお高いんだろうな。
「高校の合格祝いに、貯金箱を壊して買ってね。僕の宝物なんだ。石言葉は、誇り高き人、冷静、空想。そんな人に僕は、いつしか恋をしていてね。」
「そうか…………。」
…………間が持たん!佐々木よ、後生だ!振るなら早くしてくれ!
「…………いつか、こんな色の空の下で、君と…………とね。…………どうやら、望みが叶ったようだ。
僕は………友情を愛情に替えるに、吝かでないよ。」
………………ん?さ、佐々木?何故赤い顔を?
「鈍感だな、君は。」
佐々木は、俺に携帯を投げてよこす。
「見たまえ。そして笑うがいいさ。」
言われるままに携帯を見る。そこには…………
「………………………」
……………俺は、佐々木を抱き締めていた。佐々木は、一瞬身を固めたが…やがて俺の背中に手を回してきた。
「……………やっと……………見つけてくれたね。」
前に佐々木が言っていた、ガラスの靴。それは……………
「回りくどいんだよ、バカが……………」
俺に託された、佐々木の想いだった。
「…………僕は………いや、私は………ずっとキョンが好きだった。」
「…………俺もだ。ずっと、お前が好きだった。」
これまでの想いを伝える為に、俺達はきつく抱き合った。
この時………佐々木の目尻から零れた涙は、ずっと忘れない。俺達は人目を憚らず、壊れるほど強く抱き締めて、想いを伝え合った。
……………俺はこの時、考えてもいなかった。
朝比奈さん(大)の、未来を守るための行動は既に始まっているかも知れない。その可能性についてだ。
そして……………………
「…………………………」
物陰から、俺達を見つめる瞳も…………。
俺達は…………気付けなかった…………。
END

20 :
解説。
さっくり書いていますが、根幹に関わる話を書いてます。
佐々木→←キョンから、佐々キョンになるまででした。
みくるについて言えば……………
キョンが佐々木とくっつこうが、ハルヒとくっつこうが、古泉とくっつかない限り、それは東京に行くのに新幹線使うか、飛行機使うか、タクシー使うかの違いでしかないんですよね。
ある意味、独自解釈の驚愕ifみたいな感じですが。
タイトルは、Aimから。
デジモンテイマーズの春映画、後期EDのタイトルです。

21 :
乙乙!
見てた人影は、やっぱハルヒなんだろうな…
思い通りにならないこともあるって教える必要があるのには賛成、でないとハルヒは人形遊びしか出来なくなるから

22 :
ごめんなさい。エロSS、攻め佐々木になってしまい、キョンモノローグのせいで、気持ち悪い出来に。
エロ除外して、こっちに投下します。
『LOVE THING』
日曜日。誰もいない俺の家。両親と妹は、親戚の家に行き、夜まで帰らない。
…………となると、やっぱり彼女を招きたくなるのは、男の性だよな。
「ねぇ、キョン。知っているかい?人の身体で一番大きい細胞は、卵細胞だよ。その卵細胞にこの精子が受精し、子宮に着床したら妊娠となる。」
「生物かよ。雄と雌に別れた生物は、概ねそうだろ。」
雄が精巣から精子を出し、雌が卵巣から卵を出し。
「確かにそうだが、快楽目的で生殖行為に励むのは、『知性』を持つ故なのかな。」
「知性ねぇ。知性ってよりは、原始的な本能に近い部分を刺激されるから、擬似的な生殖行為をするんじゃないのか?
例えば猿にRーさせると、死ぬまでRーするそうだ。猿には知性は多少あるが、理性はない。」
彼女………佐々木を呼んで、とりとめのない話をする。
「成る程。それらをカテゴライズするのが知性と理性なんだろうね。」
「昆虫なんか、反射だけで生きているからな………………」
ぺったりくっつき合い、ベッドの中での会話。これはピロートークってやつなんだろうか。
「ん?君は何を言っているんだ?今からが本番だろう?ピロートークは、後戯だよ。」
そうなのか。
「くつくつ。本能に任せて朝から夕方まで盛るのもいいが、やはりこうした君との時間は、僕には必要でね。」
「そうかい。………ま、確かにお前とこうした時間を過ごすのも悪くない。」
普段が普段だ。ハルヒやら橘やらでお互いゆっくり過ごす時間もないからな。
「それに、だ。お前は俺が求めて猿になるようなヤツだったら、まず家に来てねぇだろ。」
俺の言葉に、佐々木は含み笑いをする。
「くつくつ。御名答。もし朝から夕方まで盛るなら、僕は君との付き合いを考えていたよ。」
「やれやれ。」
確かに佐々木とのRは、好きだ。しかし、だからといってそればかりをメインにしても面白くねぇよな。
「お前の想いに気付いたのが今で、良かった。」
中学時代なら、こっちだけの思いをぶつけていて、佐々木に負担をかけていただろう。
「くつくつ。それはお互いだよ。中学時代なら、君が僕を壊すか、僕が君を壊していたか、お互い自壊したか。または奇跡的にうまく回るかだろうね。」
傍目には、佐々木はサバサバ振る舞っているし、本人も『物分かりの良い』風にしていたが…………付き合ってみるとよくわかる。佐々木の本質は、独占欲が強く、表に出さないだけで、子どもっぽく我が儘だ。
そこを理解しない限り、佐々木と付き合っていくのは絶対に無理だ。中学時代なら、佐々木の被るペルソナを勘違いしていたはずだ。そうなっていた時の佐々木を想像すると…………実に怖い。
どこまでも堕ちて行っていただろうからな。
「くつくつ。…………そこは君だけ理解してくれていたらいいんだよ。」
佐々木はニヤリと笑う。
「くつくつ。」
……………さ、佐々木?何故また服を脱がす?
「いや、見解一致が嬉しくてね。…………正解者には御褒美をあげないといけないだろう?」
「アホか!」

23 :
こうした場合は、やっぱり俺がリードしたいものだ。…………しかし、こういう場合の佐々木に逆らわないほうがいい。
佐々木が『俺を気持ちよくしたい』と思ってくれているんだ。それを素直に受けておくか。
「んっ……………」
佐々木の舌が、首筋を這い、胸に流れる。…って!
「さ、佐々木?!」
「くつくつ。性感帯というものは、男女差が少ないらしくてね。」
ま、まさか……………
「くつくつ。君によって生じた、僕の気持ちいいところを知ってもらいたくてね。さぁ、その不粋な手をどけたまえよキョン。」
佐々木がニヤリと……………こ、怖え!めっちゃ怖え!
「くつくつ。」
佐々木は服を脱がせ、背中に指を這わせる。………………ゾクッとするが、これは…………
「気持ちいい………よね?」
「…………ふっ…………ああっ!」
耳を舐められ、思わず声が漏れた。ぎゅう、と佐々木にしがみつき、声を洩らすのを必死に耐える。
「くつくつ。」
嗜虐心をそそられたらしい。佐々木は………
「『可愛いぜ、佐々木………』」
と、耳許で囁いた。急速に頬に血液が集まる。……………お、俺は普段なんつー事を…………!佐々木は俺のズボンのベルトを外した。
「『普段澄ました顔なのにな。………見せろよ、その顔。』」
佐々木が囁く。や、やめ……………っ!
「…………と、まぁこんなところさ。普段の仕返しも兼ねた、君へのお返しなんだが、お気に召したかな?」
「顔から火が出そうだ……………。」
ああ。あれは恥ずかしい。気持ちいいが、恥ずかしい。
「お気に召したならば、何よりだ。キョン。僕は君といる今日を楽しみたい。…………意味はわかるよね?」
無論だ。つまり、こうした恥ずかしい事よりは、愛情を確かめ合いたいんだよな?
「分かって頂けて、それは何より。」
佐々木は服を脱ぐと、丁寧に畳んでいく。
「嗜虐的な事もいいんだが、しょっちゅうされては堪らない。奴隷じゃないんだ。」
「善処する。」
絶対にこいつ、何かの機会で仕返ししてくるからな。…………ん?待て。
「んじゃあ、お前もあれは気持ちよかったのか。」
佐々木の顔が赤くなる。
「君が僕を開発したんだろうが。あれでもソフトなうちだ。それ以上言うなら、一番きつかったヤツをしてやる。」
佐々木が真っ赤な顔をして睨む。失礼しました。佐々木が攻めに回ると、えげつないだろうしな。
「えげつないのは君だろうが、全く。………そう言うつれない男は、僕が仕置きをしてやろう。」
おーい、普通にするんじゃないのか、佐々木さーん?!
と、まぁ…………佐々木にこってりやられちまったわけだ。

24 :
「正真正銘のピロートークだな。」
佐々木が、ベッドの上で枕に顔を預けるのを見て、俺は皮肉たっぷりに言った。
「…………お前が、どういう感覚でいたか、知れたのは良かったが。」
「やめたまえよ、キョン…………。僕は自己嫌悪の最中なんだ。」
真っ赤になる佐々木。
「いやらしいお前も、俺は好きだぜ。」
「また、そういう………………!」
普段が理性的だからな。たまに暴走する位でいいだろ。………控えて欲しいが。これじゃ、別の何かに目覚めちまう。
「さ、飯食って勉強すっか?佐々木。」
真っ赤になる佐々木の髪を撫でる。佐々木は俺を睨みながら言った。
「その前にシャワーだよ。君の身体中の僕の唾液を洗い流す!」
やれやれ。
――――――平行世界――――――――――――
「で、どうだった?佐々木。あんたがあたしにしてた事を仕返してみたが。」
「…………いざ、されると…………は、恥ずかしいものだな……………」
ポニーテールの少女が、茶髪の美少年に笑いかける。
「最中に何度もやられてみろ。お前は一回で済むけど、あたしゃ何回もだ。ちったぁ自制しろ。普段、理性的な分際で、ったくどうしようもねぇ。」
「き、キョン子………すまない。そこは広い心で…………」
ぎゅう、と少女を抱き締める茶髪の美少年。
「よし、シャワーだ。べたついて気持ち悪い。」
「くつくつ。君の唾液だろう?別に洗い流さなくても。」
「あたしが気持ち悪いんだよ、アホ!」
少女は思った。
「(な、なんか…………もし平行世界があって、性別が反転してたら、同じような事されてそうな予感がするわ…………)」
…ハルヒが「性別が反転してて、その人達と話せたらいいわ!」と言い出す少し前のお話。
そして、キョン子と佐々木(男女)が話して赤面し合い、キョンはハルヒとハルヒコの面倒を見させられ、貧乏クジを一手に引き受けたという…………。
END

25 :
解説。
エロって難しい。
当初の予定では、ラブラブ→普通にエッチ→今回は古泉がオチ担当のはずでした。
そしたら、まぁ…………普通に動いてくれず、何故か攻め佐々木に。
普段鬱屈してるだけに、佐々木は爆発すると凄そうな予感が。そんな彼女を丸ごと受け入れている、キョン。
そんな感じでやりたかったんですがね。佐々木は、色んな引き出し口があって、書いていて飽きないです。

26 :
乙乙!
世の男共は、自分の一度台詞を録音したのを聞いてみるべきだなw

27 :
ああああああああああああああああちょっと書き直す時に順番間違えただけで意味不明な文章に
一度自分の台詞を録音して、が正しいです

28 :
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その4
 この騎馬戦だが、いつも思うのは土台一人じゃ無理があるということだ。
 同級生同士にそこまで大幅な体格差がある例は少なく、下手すりゃ試合開始と同時に騎馬が崩れる事
だって珍しくない。その時点で失格だ。
 だが、俺達、すなわち俺と佐々木、古泉と涼宮の騎馬はその点では全く心配ない。そして、男女の組
み合わせの騎馬は、暗黙のル-ルには縛られない。つまり、男子の騎馬、女子の騎馬、両方攻撃できる
のだ。
 
 「古泉君、どんどん行くわよ!」
 涼宮は古泉に指示を出して、次々と鉢巻を奪っていく。動きは素早く、俺達のクラスは結構やられて
いる。谷口、国木田コンビもやられてしまった。
 「キョン、僕らも行くよ」
 任せておけ。
 佐々木の指示に従い、俺も相手側の騎馬へ突撃をかける。相手の攻撃や防御をかいくぐり、佐々木も次
々と鉢巻を奪う。
 「4分経過」
 審判役が時間を告げたとき、気がつくと双方の騎馬は全滅(半分は自壊だが)、グラウンドには俺と佐々木、
古泉と涼宮だけが残っていた。
 こちらは6本、あちらも6本の鉢巻を奪っている。
 「僕らと涼宮さん達との一騎打ちで決着がつくわけか」
 表情は見えないが、佐々木が笑っているのがわかる。
 古泉は相変わらずの爽やかスマイルだが、涼宮も笑っていた。ただし、その笑いは、何かよからぬことを企む
人間が浮かべる笑いに似ている。
 残り時間、45秒。
 「行こう、キョン」
 俺達が動くと同時に、古泉達も動いた。
 「・・・・・・まいりましたね。どうやってこちらの作戦を見抜いたんです?」
 競技終了後、古泉が声をかけてきた。
 「お前が裏をかき過ぎたんだよ。『裏の裏は表』。俺達以外に攻撃をかけるときは、死角を狙っていたから、
俺達にも同じ攻撃をすると思わせて、俺達には別の方法を考えています、な感じを見せていたが、全く同じ攻
撃を仕掛けてくると思ったんでな。それに、涼宮の表情を見て佐々木が気づいたんで、その指示に従ったんだ」
 騎馬戦は、涼宮の手を防いで、鉢巻を奪った俺達の勝ちだった。死角を作らないよう、その分俺は佐々木の
足を掴んで動きまくったのだが、おかげで体力をかなり消耗した。
 鉢巻を取られた涼宮は、ペリカンのように口をひん曲げ、悔しそうな表情をしている。
 「次のリレーは、絶対負けないわよ!」
 涼宮の言葉に俺と古泉は顔を見合わせ、お互いに苦笑した。
 昼休み。
 高校生の体育祭ともなると、わざわざ親が見に来るところは少なくなるのが相場だが、うちの家族は別である。
 両親と妹、それに妹が何故かシャミセンまで連れてきて、体育祭を見に来ていた。
 「どんどん食べてね、佐々木さん」
 佐々木の母親は例の如く、仕事上の都合で来てはいない。それでは、ということで佐々木も一緒に食べることに
した。
 「とても美味しいです」
 佐々木は笑顔で我が家の弁当を食べる。
 「さっきの騎馬戦の写真はたくさん撮っておいたから、あとで佐々木さんにもあげるわね」
 母親が最近、買い換えたばかりのデジカメを見せびらかしながら、そう言った。
 「それにしても、キョン君と佐々木のお姉ちゃん、息がピッタリだったね」
 妹の発言に、佐々木は大きく頷いた。
 「キョンと組むと負けない気になれるからね。まあ、大分キョンが合わせてくれた部分が大きいけどね」
 いや、佐々木。それは俺のセリフだ。お前が合わせてくれたんで、俺はかなり動けたのだ。お前が勝たせてくれたような
ものだよ。
 「ふうん。キョン君、佐々木お姉ちゃんといつ結婚するの?」
 全く脈絡もなく発せられた妹の爆弾発言に、俺は喉に御飯をつまらせそうになった。

29 :
>>20 乙乙です。
すごく続きが気になるSSです。是非見習いたいです。

30 :
>>20
キリよく完結できるよう応援したい。
>>25
乙。エロ佐々はアリアリ。
新境地への挑戦に乾杯。
>>28
お互いの足りないところを相手に補ってもらえる関係は
これもまた古泉じゃないけど理想的と言えると思うな。

31 :
>>28乙乙
佐々木さんとキョンの噛み合い具合とかいろいろあるけど、なんと言っても妹ちゃんGJの一言に尽きるwwww

32 :
『BEGINNING』
翌日。昼休み。俺は古泉に昨日の件について言った。佐々木が好きだ、と。古泉は、苦り切った表情だ。
「………………何と言いようも無いですね。僕には何とも……………。」
閉鎖空間にしても、現在は観測されていないらしい。昨日も実に穏やかな夜を過ごしたという。
「異性としての好意でない、『好き』ですか………………。」
友人として、ハルヒは大好きだ。我が儘で我が儘で、どうしようもないヤツだが、目を離せない。
ただ。異性として一緒にいたい。そう思ったのは佐々木だ。
「………………ハルヒが俺をどう思っているか。目を反らし続けたからな。………………最悪、世界崩壊か。」
古泉。こんな危険人物、ハルヒの側に置いていていいのか?
「……………機関の人間としては、正直、排除したいですよ。
…………しかし、僕はSOS団の副団長。………僕にしても、涼宮さんの成長に期待したいところです。SOS団は、団長に鋼の忠誠を誓っていますからね。」
すまんな、不忠者で。古泉は、俺を見ると下手くそなウィンクで応えた。
「いえ。貴方が一番の忠義者ですよ。自分の感情すら捧げるような人間を、僕は友人に持った覚えはありません。
…………それは涼宮さんへの最大の侮辱ですからね。」
……………すまん。
「僕個人は祝福しますよ。…………おめでとう、キョンくん。」
「……………むっちゃ違和感あるな、そのセリフ……………」
全身にサブイボが立つ。
「ふふ。貴方が一番に相談して下さったのが僕だという事が、嬉しくて。
……………となると、心配なのは未来からの干渉ですね。」
古泉は、表情を引き締めた。
「情報統合思念体は、恐らく中立でしょう。機関としては貴方に対立はするでしょうが、こちらはお任せ下さい。何とかします。
…………未来は、恐らく貴方に刃を向けますよ。
佐々木さんへ向けられた刃は、橘さんが何とかされるでしょうが。」
古泉は、そう言った。
「貴方に、というよりは、我々に、ですか。…………………貴方の気持ちを変えようとしたり、佐々木さんへの実力行使に出たり。こうなった以上は、長門さんの協力を仰ぎたいところですね。」
長門か…………。困った時はあいつに頼りっきりだな…………。
話していると、後ろに気配を感じた。
「………………………」
長門である。
「事情は把握している。私という個体は………………」
……………俺も古泉も、自分達が、如何に甘く事態を捉えていたか。それを思い知らされる一言を、長門は口にした。

33 :
「この件に関し、独自の行動を取る事を選択した。」
「な、長門!」
「何故です、長門さん!」
長門の瞳は、強い意思を秘めている。
「昨日、貴方が佐々木○○と抱き合う所を目撃した。そこから発生したエラーは、エンドレスエイト以上の情報量を持って、私という個体のメモリ空間に蓄積された。」
長門が手を上げる。
「長門さん!駄目です!」
異変を察した古泉が、長門に飛び付く。
「邪魔。」
「ぐあっ!」
しかし、呆気なく古泉は長門に吹き飛ばされた。
「………………」
長門の口が、素早く動く。か、身体が…………。意識まで奪うつもりかよ……………!
「わた…………………………あ………………る………………」
意識が途切れかけた俺が見たのは…………………
長門の決意を秘めた目から流れる涙だった。
END

34 :
解説。
長門の行動については今は説明しません。長門のキョンに抱く感情も。
なお、話の鍵を握る人物は、意外な人物かも知れません。
………まぁ、谷口でない事は確かですが。
今回のタイトルは、起こる事象からでした。
あと、ハルヒがあの後に目撃していたら、世界崩壊しかオチがありませんでした。
長門、キョン、ハルヒは当分、蚊帳の外です。
次回は、みくるの暗躍です。

35 :
ほうほう支援
次はみくるかー
(小)の方は、話を聞いたらキョン達を祝福した上でハルヒに寄り添ってあげたりしそうなくらい良い娘だから、(大)の方なんだろうなあ

36 :
みくるは正義

37 :
乙。
長門の行動は言わずもがなだが、みくるがどう動くかは結構盲点やもしれんな。
ハルヒ・長門と比べて描写はあっても考察する人は少ない気がする。
余談だけど消失での朝倉とのマンションでの会話を見る限り、
長門は当時未だ見ぬキョンの旧友を意識していたかもしれないと思ったりする。
朝倉の役目を踏まえて上で考えると。
逆にハルヒは会うまではあんまり意識してなかった気がある。
(だからまる1年年賀状以外のやり取りがなかったとも考えられるが)

38 :
>>35
支援感謝。そうなります。
ただ、全体的なジョーカーは、みくるではありませんが。
>>37
どちらかというと、みくる(小)のほうが、キョン側から見て純粋悪のみくる(大)よりも、予測がつかなくて危険かも知れません。
長門は、まだ何とも言えないところです。
面白い考察ですね。そういう観点から見直すと、納得するものがあります。
ハルヒの場合、キョンは絶対に自分と同じぼっちだ、と頭から信じ込んでいたに近いかとw
>>29
いえ、私があなたを見習いたいです。
どうしたって変にひねくれて、ストレートに動いてくれないんですよ、私の話の二人は………。

39 :
面白いね
強いて言うなら古泉からキョンへの呼びかけるときは「貴方」
そこだけ変

40 :
運転する際は小さい子供に注意の法則ですな>みくる(小)の動向
>>37
長門はエンドレスエイトで、キョンと佐々木さんが邂逅するシーケンスを何度も観測してた可能性もあるしね
消失時点では意識するに充分な情報を持ってたとしても不自然じゃない

41 :
ぷよぶよの長門雪ちゃんの消失は、普通に長門エンドだろーなー

42 :
『LOVE IN VAIN』
その頃。
「(結局なんだったのかなぁ、あの指令。)」
みくるは、昨日の指令を反芻していた。
『涼宮ハルヒを連れて、光陽園駅前を歩け』
それが指令だった。結局、いたのは長門だけ。長門の悲しそうな目は、未だに焼き付いている。
ハルヒが長門に声をかけ、SOS団三人娘で近くの喫茶店で話し、軽食を摂る事になった。
ハルヒは、わざわざ緑茶を頼み、「みくるちゃんの入れたお茶のほうが美味しい」と、クレームを入れ………長門は大盛りのカレーライスを平らげ…………楽しく、暖かい時間を過ごした。
もうすぐ、こんな時間も終わる。だからこそ、皆で一緒にいたい。そんな自分の気持ちを酌んだ指令だったのかも知れない。
みくるは、放課後にハルヒに美味しいお茶を入れてやろうと思った。
同時刻。未来では同一人物が頭を抱えていた。
「……………か、過去の私ながら、アホ過ぎるわ……………!」
あと、たったの10メートル。たったの10メートルで、ハルヒが世界を再構築していたはず。
「……………どっちにせよ、私達には規定事項がある。行動は丸わかりよ、キョンくん…………。」
放課後。
「キョンも、有希も、どこ行ったのかしら?」
団室にはハルヒのみ。古泉は昼休みに階段から落ちて、病院に行っている。
「携帯にかけました?」
「かけてるけど、通じないのよね。……………もう。」
やがて飽きたのか、ハルヒはみくるのお茶を口にする。
「…………ああ〜…………これよね〜…………」
笑顔でみくるを見るハルヒ。ほんの一年半前とは、別人のような柔和さだ。たまに来るセクハラは勘弁願いたいが。
「うふふ。喜んでもらえて、何よりです。」
みくるは、膝の上に乗せた毛糸を使い、編み物を始める。
皆に手袋を作りたい。
自分がいたという、証を残したいという思いからだったが、予想以上に早く出来てしまい、目敏く発見したハルヒに奪われ、早くも分配された。
なので、これは自分用。皆と同じ柄の手袋。未来に帰ったら、指令をしている人にもあげられたらいいな。
それから、二人は女の子同士の内緒話をした。
ハルヒは終始機嫌良く、みくるも笑顔で話し相手になる。二人にとって、最高に楽しい時間だった。
いつか終わるという、寂しさも胸に残して…………。

43 :
同時刻。
「……………おかしい。何故キョンは電話に出ないのかしら。」
佐々木は、キョンに電話をしていた。理由などない。ただ、声が聞きたかっただけだが………。
「(忙しいだけかな?)」
佐々木は電話を直すと、塾へ向かおうとした。
「佐々木さん、かしら?」
佐々木は声がした方向を向く。そこにいたのは、大人の色香を匂わす女性だった。
「…………あなたは、確か…………藤原くんの……………」
「………………………ええ。キョンくんについて、お話が。彼が今、長門さんに拉致されているのを御存知かしら?」
公園のベンチに座る。
「……………説明してもらいましょうか?」
佐々木がみくるに詰め寄る。
「言葉の通り。キョンくんは、現在長門さんに拉致されているわ。
……………まぁ、貴方がキョンくんの想いに応えたせいなんだけど。」
…………ブラフだ。佐々木は、直感的にそう感じた。
「信じる信じないは勝手だけど、実は長門さんは以前、涼宮さんの力を奪い、世界を改変していましてね。
今回…………キョンくんの想いを知り、同じ事をしないとの保証がないのよ。」
「…………それは、長門さんがキョンを好きだという事ですか?」
みくるは、佐々木を冷たい目で見る。
「知らなかった?意外とモテるのよ、キョンくん。涼宮さん、長門さん、過去の私…………鶴屋さんもかしら。この四人は、多分キョンくんが選んでいたら、皆、多分想いを受け入れているわ。」
「へぇ。…………私には関係ない話ですね。キョンは私を選んだ。キョンは、ああ見えて強情です。一度選んだ相手を裏切る真似はしないでしょう。」
二人の間に火花が飛び散る。
「話を聞いていたかしら?長門さんには、その思いを上書きする事だって出来るのよ。
あなたとの思い出を、長門さん自身との思い出に摩り替える事も。」
「それは最悪の可能性でしょう?長門さんには長門さんの思惑があるのかも知れない。」
そう言いながらも、佐々木は身を切るような苦痛に苛まされた。
「どうでしょうね。……………佐々木さん。長門さんって、そんなに信用出来る?あなたと付き合い始めた途端に、キョンくんを拉致するような人よ?」
「………………………」
「私は、あなたの味方よ。キョンくんを長門さんに渡すわけにはいかないの。…………ね?」
みくるの表情を見て、佐々木の心は、確かに揺らいだ。しかし……………
「……………キョンに代わって言います。」
「何?」
佐々木は、一息吐くと、みくるに言った。
「くそったれ。」

44 :
「なっ……………!」
面食らったみくるが、目を白黒させながら佐々木を見る。
「キョンは、長門さんを自分より信頼している、と言った。…………なら、私は長門さんを信頼する。
その長門さんを、貶められたと聞いたとしたら、キョンなら私に『くそったれと伝えろ』と言うでしょうね。」
知ってか、知らずか。佐々木の言葉は、処分されつつあった長門を救うべく、キョンが情報統合思念体に向けた言葉と同じであった。
「………………………。わかりました。また会う事もあるでしょう。…………その時、また同じ事が言えるか…………。楽しみにしています。」
みくるは、立ち上がると佐々木を見た。
「あなたの我が儘が、ひとつの未来を消し去る可能性があります。………そこを忘れないで。」
立ち去るみくるの背に、佐々木はひとりごちた。
「…………くそったれ。」
自分は、自分達は、逆らうと決めた。しかし。いざそうなる事を言われたら…………やはり、双肩にずしり、と重さが来た。
気弱になる心…………。キョンに会いたい。声を聞いて安心したい。不安で仕方ない心を、抱き締めて落ち着けて欲しい。
「キョン……………君の声が聞きたいよ…………。」
虚空に響く、佐々木の声。愛は、人を強くする。しかし。同じだけ人を弱くする。
下を向いて、歯を食い縛り、佐々木は嗚咽を洩らさないように小さく泣いた。
To Be Continued 『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N

45 :
中書き。
みくる(大)が、外道ですが、嘘はついていません。
彼女の言葉は、嘘ではないのですが…………といったところです。
ブラフ合戦は佐々木の勝利でしたが、今回、佐々木の胸に立った波紋は、果たしてどうなるか。
次回は、長門の真意を書きます。
ただ、長門の真意としては、意外なものかも知れませんが。
タイトルの『LOVE IN VAIN』は、ロバート・ジョンソンから。
ストーンズのカヴァーが有名ですし、そちらが雰囲気に合いますかね。

46 :


47 :
>>40
なるほど、そういう考え方もできますね
>>45
乙です

48 :
解説とか中書きとかはミスリードとかの仕掛けも含めて本文に入れるほうがいいかなぁ
書き手として語りたい気持ちもあるだろうけど
読み手としては解釈を物語り外で誘導されると楽しみが減ってしまう

意欲旺盛で外伝とか書き始めて飽きて未完で放置した昔SS書きの人でした。ノシ

49 :
おつおつ、やっぱりみくる(小)は良い娘
(大)の方はやり方から口調から、もう別の世界線から来てるとしか思えないw
>>48
完成させてくれても良いんですよ?ダメならネタだけでも歓迎

50 :
>>46-47
乙感謝。
>>48
確かに。では、そのような形を取ります。
………プロットだけでも…………
>>49
みくる(大)は、先をお楽しみに。
みくる(小)は、天使ですよねぇ……………
夜半には、長門編を書き上げます。今週は、一足遅い連休がありますので、そこでがっつり書きます。

51 :
>>49
昔から
みくる大が別の世界説もあったね

52 :
風呂で髪を洗ってたら、右耳にちょっと霜焼けが!とりあえず気がついた時にマッサージするつもりだけど、対処法として正しいか不安です佐々木さん

53 :
>>51
鶴屋さんの宇宙人を取るか、未来人を取るかって台詞も関係してくるんかな

54 :
『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N
―――――エマージェンシーコード―――――
――――同期――――
「…………………………………………」
―――――――――
――――――――――――――
「…………………………………………」
――――――――――
「…………………………………………」
結果――――――――――
長門は、ゆっくりと目を開けた。
「……………事情は把握した。」
涙が一粒零れ…………本に染みを作る。
「……………再修正、0.00001%可能。」
一般に、万に一つの可能性は、不可能という。しかし………………
「……………………私は、次こそ彼を守る……………………」
長門は、可能性に賭ける他は無かった。
――――――――――――――――――
「説明してもらおうか?長門。」
俺は長門…………いや、朝倉か。朝倉に簀巻きにされ、長門の家のリビングに倒れていた。
「………………朝倉涼子。」
長門が、非難の目で朝倉を見る。
「仕方ないでしょ。お野菜切ってた時に、キョンくんが目を覚ましたんだから。」
…………そう。俺は包丁を片手にした朝倉を見て、取り乱した。まぁ当たり前だ。いつ刺されるかわかったもんじゃないからな。
二度ある事は、三度ある!俺がビビりでないとわかって頂けたら幸いだ!

55 :
「……………説明する。」
さて、この暴挙の裏に何が隠れているか。教えてもらうぜ、長門。
「…………一週間後。復活した天蓋領域により、あなたは、記憶を封じられる。」
「………………なっ?」
天蓋領域……………周防か?!
「なぜ、あいつが?」
「再び、あなたと佐々木○○の繋がりが生まれ、別の未来が発生した為だと思われる。」
…………つまり、あの騒動の再燃か?
「…………違う。これは………佐々木○○の望み。天蓋領域のインターフェースは、彼女の願いを叶えたに過ぎない。」
佐々木が…………?何故…………………
「…………朝比奈みくる。彼女が佐々木○○に接触し、あなたを望まない未来へと導いた。」
「あ、朝比奈さんだと!?」
意外すぎる名前だ。
「待て!理解出来ない!何故朝比奈さんだ?そして、俺は?その時、俺はどうしたんだ?」
長門は、沈黙した。…………頼む。教えてくれ。長門……………
「……………エラー。答えられない。」
な、長門…………頼むぜ、おい……………
「…………佐々木○○と抱き合ったあなたを見て、私は膨大なエラーが発生した。
私という個体は、この感情を何と言うかはわからない。」
長門が、俺を見る。
「ただ…………………。
あなたは私が守る。今度こそ。」
……………それは、恐らく初めて見る、長門の表情だった。
「…………でも、どうやって?はっきり言うと、天蓋領域のインターフェースは、性能的に私達より上よ。」
朝倉が口を挟む。…………確かに最もだが………
「未来が付け入る機会を与えなければ、それでいい。天蓋領域が介入しては私達は敵わないが、介入しなければ、それが未来を変える機会となる。」
長門は、事も無げに言った。
「仮に、未来が既に接触していようが、私はあなたが信じる、佐々木○○を信じる。」
……………佐々木。頼むぜ。

56 :
――――――――――――――――――
キョンが帰り、朝倉が溜め息を吐く。
「……………長門さん。あなた……………」
「………………………私は、彼を守る。それだけ。」
朝倉は説得を諦めたように下を向いた。
「キョンくんが全部知った後に、キョンくんから嫌われなければいいわね。」
「……………………」
長門は険しい顔で月を見上げた。
END

57 :
気分転換。
『もしも佐々キョンが双子カップルだったら。』
よく親友の姉妹と、なんか漫画であるよな。
俺達は、それになっちまった。…………達?ああ、姉貴がいてな。双子の。で、なんかカップルになっちまったんだよ。双子同士でな。
姉貴?ああ。SOS団なる電波女子サークルにいる、もっさいのがそれだ。
俺?ああ。バイトと勉強に明け暮れる生活だが、それがどうかしたか?
「最近キョン子は忙しいみたいだね。」
「だな。あの電波サークルに熱中してるみてぇだ。女子サークルみてぇだが、何やってやがんだか。」
俺の彼女…………佐々木(姉)。ルックス抜群、頭脳明晰、運動音痴だ。
「くつくつ。まぁやることがあるのは良いことさ。こちらとしては、弟に少しでも構ってやってくれると有難いんだが。」
「やれやれ。あいつも苦労するな。」
佐々木(弟)。姉同様のルックスに、頭脳明晰。運動も得意のパーフェクト超人。こんな奴が姉貴の彼氏なんて、姉貴に騙されているとしか思えない。
「蓼食う虫も、好き好きか。」
「全く。キョン子も何を好き好んでウチの弟なんかと付き合うのか。」
「それ、お前の弟も同じ事言っていたらしいな。」
……………ん?失言だったようだ。佐々木(姉)の目にサディスティックな光が見える…………。
「弟への仕置きは後日するとしよう。」
うわあ。
佐々木(姉)は、俺を向くとニヤリと笑う。

58 :
「僕もいたく機嫌を損ねたわけだが。君はどう償うのかな?」
………可愛く拗ねてるつもりか、顔がニヤケてるぞ、可愛い奴め。
「…………そうだな。お前の好きな炭焼きコーヒーと、ミルフィーユのセットでどうだ?」
「甘いもので僕を釣ろうとする、君の根性が気に入らない。」
と言い、頬を膨らませる。
「俺の根性の悪さを許せる位には、あの喫茶店のケーキはうまいはずだがな。」
人差し指で頬をつつく。
「くつくつ。」
佐々木(姉)は、俺の腕に腕を回すと、にっこり笑い…………
「キョン。時間が惜しい。行こうか。」
と、腕を引きながら歩き始めた。
「焦ってもケーキは逃げんぞ。」
「くつくつ。」
………まぁ、そこから、不思議探索とやらをしていた姉貴達と出くわし、何故か機嫌が最悪に悪かった涼宮に、全額奢らされたのは別の話だ。
END
また気分転換したい時に書きます。

59 :
うわタイミング逃した
>>56
キョン達の様子は分かっても、まだ核となる事情は不明だね
長門にも救いがあるといいな
TSものは守備範囲外なので、他の人にお任せしまふm(__)m

60 :
ID:zz6mJNwAとID:2XwMImVyは同じ人かな?
決まりって訳じゃないけどさ、三点リーダーって普通一度に二つまでしか使わないんだと思うんだけど
一度に使う数もそうだけど、使う箇所もちょっと多すぎない?
これだけあると(悪く言えば)逆に鬱陶しくないかな?
あと、タイトルは名前欄に入れたほうがwikiの編集やりやすいし、今みたいに2作品以上の長編SSが投下されてる時見分けがしやすいんだけど、どうだろう?

61 :
作風というか個性に突っ込むのはどうかと
タイトルに関してはお願いします

62 :
>>59
現在、下手な伏線張り中です。
TSについては、何も考えずに勢いでやった。今は反省している。といったところです。
>>60
三点リーダーについては、『間』を現していたつもりでした。
『間』の取り方について少し考えてみます。
全体のタイトルを名前欄に入れておきます。御指摘ありがとうございました。
>>61
手軽に『間』を表現出来るかと思い多用していたものですし、そこは少し考えないといけないところでした。
どうしても書けないなら、三点リーダー多用に戻しますが。
全体タイトル、名前欄に入れておきます。

63 :
>>62


64 :
『Made of Tears』1
長門達と別れ、俺は携帯を見た。携帯には、古泉、ハルヒ、そして佐々木から電話があっていた。
一番最初にかけたのは、勿論佐々木だ。しかし出ない。そういえば、塾の日だったな。
「やれやれ。」
次にかけたのは、ハルヒだ。
『何してたのよ、このバカキョン!』
「すまん。ちょっと用事があってな。」
暫くハルヒから説教を受け
『明日は来なさいよ!たるんでるわよ、全く!』
と言われ、電話を切られた。
次は古泉だ。
『御無事でしたか!』
こっちはこっちで、また大変だったようだな。
まぁ要約すると、朝比奈さん(大)が、わざわざ機関に俺と佐々木の件をお話し下さったそうで。古泉は、森さんに大目玉を食ったそうだ。
『まぁ、少し良いこともありましたが。んっふ。なかなかレアなものも見れましてね。』
こいつは心底アホだが、森さんを心底好きな事だけは理解した。
『本来なら、会ってお話しをしたいのですが、生憎森さんから軟禁中でして。明日に少々お話しをしますか。』
おい。聞き捨てならんぞ、その台詞。そう言おうとしたら、電話が切れた。
しかし…どうしたものかね。
朝比奈さん(大)の行動は、分かりやすい。ハルヒが望む世界の進み方をさせる事。
長門の行動は、現時点では意味不明といっていい。佐々木の望みを叶えない事。そして俺を守ること。これが、現時点では何を意味するか。不明だ。
長門は佐々木を信じる、とも言ったが、やはり現時点では何も言えない。
古泉は、恐らくハルヒの成長を願い、未来と対立する。長門と対立するしないは不明だ。
三竦みになっては、それこそ敵わない。これは朝比奈さん(小)よりは、朝比奈さん(大)に気を付けなければならないだろう。
佐々木を選んだ事に悔いはない。しかし。
ハルヒがどう考えるか。どういう行動を起こすか。そこまで考えてから行動をするべきでなかったか?という後悔は、少なからずある。
佐々木からフラれるのが、前提だったわけだからな。情けない話だが、こうなるなんて思いもしていなかった。
「キョン先輩。」
後ろから、不意に声がかけられる。色々ありすぎた一日。最大の衝撃が俺を待ち構えていた。
To Be Continued 『Made of Tears』2

65 :
現在までの流れ。スレ68より。
『Virtual Insanity』
『あさきゆめみし』
『Hotel California』
『Music of the mind』
『夕日の約束』
『Days-愛情と日常-』
『BEGINNING』
『LOVE IN VAIN』
『LOVE IN VAIN』 SIDE YUKI.N
『Made of Tears』1
となっています。

66 :
支援
佐々木さん普通に塾であってくれ、無事でありますように

67 :
          佐々木さんのキョンな日常 体育祭その5
 
 妹のとんでもない発言で俺は咳き込んで、佐々木に背中を叩いてもらい、どうにか元に戻ったのだが、そこに長門がやってきた。
 「キョン君」
 如何した、長門。
 「実行委員会にクラブ対抗リレーの最終順番表を出すけど、このままで良かったよね」
 ああ、その順番で問題ない。SOS団の方も変更は無いと古泉が言っていたからな。俺達も変えるつもりはない。
 「わかった。それじゃ出してくるね…、あれ、シャミセンが来てるの?」
 妹が連れて来たシャミセンは、長門の姿を見ると、嬉しそうに擦り寄って来て、ニャアと鳴いた。
 長門が抱きかかえて、頭を撫でてやると、シャミセンは満足げにゴロゴロと喉を鳴らした。
 「ちょっと見ない間に大きくなったね」
 夏休みの終わりがけに、長門が我が家にシャミセンを見に来て以来だ。あの後から、急に太り出した。秋に合わせたわけじゃある
まいが。
 「それじゃ、ね。シャミセン」
 長門は妹にシャミセンを渡した。
 「また、お家に見に来ていい?」
 いつでも見に来ていいぞ。もとはといえば、長門の猫だからな。
 俺がそういうと、長門は嬉しそうに笑った。
 午後の競技も順調に進み、いよいよ俺達の出番、すなわちクラブ対抗リレーの時間が近づいてきた。
 「キョン、そろそろ行こうか」
 佐々木に促され、俺と国木田、そして朝倉は集合場所へ向かった。
 リレーの順番は次の通りである。
  国木田⇒長門⇒朝倉⇒俺⇒佐々木。
 ちなみに、古泉から聞いたSOS団の順番は、以下の通りである。
 谷口⇒朝比奈さん⇒鶴屋さん⇒古泉⇒涼宮。
 SOS団の最終走者が涼宮だと聞いた時、佐々木は真っ先に自分がアンカーをやると言った。
 「面白くなりそうだよ」
 そう言って、佐々木はくっくっくと笑った。やる気満々である。
 そういう俺も、負けたくはないという気持ちになり、皆で順番を考えることになった。
  
 谷口には国木田をぶつけたのは、普段体育の授業で一緒にやっていて谷口の能力を知っているからだ。
 谷口は案外運動神経はいい方で、国木田よりも走るのは早いが、そこまで差があるわけではない。勝てなくても大負けしなけれ
ばいい。次の走者である長門も、走るのは結構得意だそうで、長門に差は縮めてもらう。
 問題は鶴屋さんと涼宮だ。
 国木田の話によれば、鶴屋さんは頭だけではなく、運動神経も抜群だそうだ。どれだけ走るのか、未知数だ。
 最初、俺は長門と朝倉の順番を逆にしていたのだが、皆で考えた結果、朝倉を鶴屋さんにぶつけることにした。朝倉も走るのは
、クラスの女子の中で相当速いからだ。
 そして、涼宮。
 入学直後、学校のクラブに全部体験入部したという、佐々木並みの能力の高さに、むだに有り余っていそうな体力。
 正直、佐々木も苦戦しそうだが、ここは佐々木を信じてラストは任せる。
 「さあ、行くぞ!」
 第一走者の国木田に襷を渡して、俺達は手を重ね気合いを入れた。

68 :
sienn

69 :
>>60
三点リーダーについて調べてみた。
確かに『……』と2つつなげるのが基本みたいだね。
ただそれ以上つなげてもいいけれどもその場合は偶数にすべきともあった。
まああえて無視する手法もあるとは思うのだけどね。格式ばった正解というのはないと思うんだ。

70 :
実は以前自分が初期に投下した話のは恥ずかしながら全く考慮に入れずに
『…』で済ませてしまっていた。
あとは台詞の「」の最後の処理の仕方とか、!や?のスペースの必要性とか。
さっき驚愕を流し読みしてみたけど、長門も九曜も見た限りだと『……』や『…………』と
いう使い方だった。九曜の『――』に関しては2つ、3つ、4つというパターンがあった。
ここまで言ってなんだけど一番のキモは中身だと思うけどね。そこが大変。

71 :
いやー、他所様の僕っ娘SSを脳内変換していた時期からいい時代になったものだ。

72 :
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その6
 
 各クラブの第一走者が、スタート地点に並んだ。
 このクラブ対抗リレーに参加したクラブは16組。体育会系が14、文科系が2である。
 一応、俺達は当然だが、SOS団も文科系部になっているらしい。何をやっているかはよくわからんが、とりあえ
ず文科系にしておけという、生徒会の判断があったらしい。
 「それにしても、何よ、うちの学校の文化部は。軟弱ぞろいばかりなわけ?」
 涼宮があきれた様に言っていたが、この競技に、過去文化系のクラブは参加した事がない。俺達が初めてなのだ。
 まあ、文科系部の活躍する場は、この体育祭の後にある学園祭が中心なので、参加しないのは当然といえば、当然
であるが。文科系が参加する方が変わっているのだ。
 16組を二手に分け、8組づつ、400メートルのトラックを各ランナーは一周走る。その合計タイムが一番速いクラ
ブが優勝である。
 「なお、優勝したクラブには、特別予算を支給する」
 生徒会長が競技の始まる前に、こう宣言したものだから、俄然各クラブは色めきたった。
 「優勝はSOS団がいただくわよ!」
 涼宮はふんぞり返って古泉達に宣言していたが、あいつらが優勝しても、特別予算は降りるのだろうか?
 文芸部とSOS団は後の8組に入れられた。ちなみに前半のトップは陸上部(当然と言えば当然か)だった。
 運動部に混じり、文芸部とSOS団の襷を掛け、国木田と谷口が第一走者として並ぶ。
 「位置について」
 第一走者達がスタートの構えをとる。
 火薬の音と共に、一斉に走り出した。
 現在、谷口が5位、国木田が6位。4位から下は団子状態で、谷口と国木田の差は4メートル程だ。
 「計算通りだ」
 国木田は良く頑張っている。ゴール前で、谷口との差を少し縮めて、襷は長門に渡された。
 「それにしてもすごいね」
 佐々木が笑いながらそう言った。
 何がすごいかって?
 朝比奈さんへの、男子生徒への声援である。
 愛くるしい容貌に加え、まあ、その、ちょっと言いにくいが、いわゆる巨Rが目立つ朝比奈さんが一生懸命走る姿は
野郎共の保護欲を刺激したのであろう。すざましい大声援である。
 普段の俺だったら、その輪に加わっていたかもしれないが、今、俺が応援すべきはただ一人。
 「長門、頑張れ!!」
 大声援に負けじと、俺は声を張り上げた。
 長門の頑張りで、文芸部は一気に順位を3位に上げた。ちなみに朝比奈さんは5位のまま鶴屋さんに襷を渡した。
 朝倉の走る姿は見事だった。陸上競技をやっていたんじゃないかと思うくらい、フォームが決まっている。スピ
ードも速い。
 だが……
 鶴屋さんの能力にはある種のでたらめさがある。国木田が言っていたが、やはりこの人は規格外の存在だ。
 軽々と、という言葉がぴったり当てはまるような走りっぷりで、鶴屋さんは一気に前の走者を抜き去り、トップに
躍り出た。
 朝倉が懸命に鶴屋さんを追いかける。まだ、それほど引き離されてはいない。
 ゴール前、鶴屋さんから、古泉に襷が渡った。
 「キョン君!」
 少し遅れて、俺は襷を朝倉から受け取った。
 

73 :
  佐々木さんのキョンな日常 体育祭その7
 襷を受けて、俺は走り出す。朝倉のおかげで、古泉はまだ射程距離内である。感謝するよ、朝倉。
 古泉はなかなか冷静な走りを見せている。おそらく最後の直線距離100メートルで、スパート
をかけるつもりだろう。
 古泉との差はまだ縮まっていない。
 「キョン、頑張れ!」
 佐々木の声が聞こえる。
 あいつに古泉と並んで襷を渡す。それが最低限度の俺の役目だ。
 ラスト100メートル。
 古泉と俺は勝負に出た。
 「佐々木!」
 ただ、佐々木の名前だけを呼んで、俺は襷を渡す。
 笑顔で、俺の大好きな佐々木の笑顔で襷を受け取り、佐々木は走り出した。
 全く同じタイミングで、涼宮も古泉から襷を受け取り、勢いよく駈けだした。
 二人の走りはまるでカモシカが走る様だった。
 佐々木も涼宮も、駆け抜けるという言葉が当てはまる様な速さで、2位以下を大きく離してトラック
を走っていた。
 どちらも一歩もゆずる気配は無い。涼宮の走りは予想していたが、佐々木がこれだけ走れるのは予想
外だった。
 ラストの直線。
 俺は立ち上がり、ゴール前で声を挙げて佐々木を応援していた。
 「佐々木、頑張れ、後少しだ!」
 佐々木と涼宮が、同時に並んでゴールしようとした時、佐々木が何かにけ躓き、バランスを崩した。
 「佐々木!」
 俺は叫ぶと同時に駈けだしていた。
 「……助かったよ、キョン。ありがとう」
 俺の腕の中で、佐々木はホッとした表情でそうつぶやいた。
 佐々木が転倒したまま、ゴールする寸前、俺はなんとか佐々木の体を受け止めて支える事が出来た。
 「涼宮さんに負けたのは、少し悔しいけどね」
 結局、僅差で1位は涼宮だったが、佐々木はよく頑張ってくれた。怪我がなくて何よりだ。
 「アンタ達、いつまでイチャついているのよ!」
 1位を取ってご満悦のはずの涼宮は、何故か膨れ面をしている。良く分からん奴だ。
 「涼宮、お前の走る姿、すごくかっこよかったぞ」
 一瞬、虚をつかれたような表情になり、その後、なぜか俺から顔をそらした。
 「ベ、別にアンタに褒められる為に走ったわけじゃないんだからね!」
 その様子が少しおかしくて、俺と佐々木は思わず笑ってしまった。
 結局、このクラブ対抗リレーは、優勝はなみいる体育会系を押さえて、SOS団と文芸部が1位、2位
になるという、でたらめな結果に終わった。
 このことにより、SOS団と文芸部の認知度は、一気に高まる事となった。

74 :
自分もSS書く時は『…』の使いどころは結構気をつけてるよ
>>60でも書いてあるけど、使いすぎると逆に読みにくくなったりするんだよね
間を表現する方法は文字や改行なんかもあるからいろんな作品読んでみるといいかもよ

75 :
>>67
>>72-73
乙!
体育祭の華は、やっぱりリレーですね。みくるが無茶苦茶にしないか、少し心配してましたw
佐々木が負けた理由は、まさか伝説の胸の……うわなにをするやめ(ry
>>69-70
私は安易に使いすぎましたからね。もう少し考えるべき所でした。
文体よりは中身が一番、それはわかりますが、せっかくなら読みやすくしておきたいですからね。
中身に自信あるかと言われたら、ありませんが。
>>74
確かにそうですね。
シンプルに分かりやすく、自分が書きやすいように書いていたら、かえって読みにくくなった、では本末転倒ですし。
色んな作品を読みながら、少しずつ理解していきたいと思います(書き止めると、エターになりやすくなる為)。
>>66
支援感謝。
無事です。但し今のところは。展開をお楽しみに。

76 :
おつおつ
古泉は多少手を抜いてたんだろうなとか、佐々木さんの身体能力にも改変入ってそうだとかあるけど……
なぜ『いつ結婚?』に続く二の矢三の矢を撃たなかったのかを妹ちゃんに小一時間問い詰めたいww

77 :
たぶん連レス失礼、「間」の取り方の改行、複数レスに跨がるSSで最初の2〜3行空けるつもりが詰められてしまった失敗思いだした
スペースの後に改行しないといけないだよね
というこのレスの上から3行は改行だけ
どう反映されてるかな?

78 :
『Made of tears』2
「渡橋。」
渡橋泰水。SOS団に入団するはずだった女の子。ハルヒの無意識が具現化した存在だ。
「キョン先輩、お久し振りです!」
何故、こいつが?いや、この計ったようなタイミング。そう。まるで、ハルヒが既に気付いているような。俺の背筋に、冷たいものが走った。
下品だが、ケツの穴にツララをぶちこまれたような感覚。それだ。
動揺を抑えながら、いや、抑えているつもりなのだろうか。俺は渡橋を見た。渡橋は、俺を小首を傾げながら見る。
「キョン先輩、大丈夫ですかぁ?顔色が良くないですよ?」
ハルヒの無意識の具現化した存在。という事は。洞察力もハルヒ並だという事だ。
最悪の事態。そう考えたが、事態はより悪い方向に進んでいる。そう認識せざるを得なかった。
携帯電話から、着信音が響く。
この着信音は、佐々木だ。
何だろう。この気まずさ。出ないのも不信に思われるだろうし、俺は電話を取る。
「もしもし。」
『キョン!無事だったんだね?』
電話口から、佐々木の本当に安堵した、という声が響く。
「ああ。すまんな。」
渡橋から離れてはいるが、いつ渡橋が不信に思うかは分からない。そして渡橋に知られるわけにはいかない。
『キョン。僕は……』
この時、俺は佐々木の言葉を聞き逃していた。渡橋に意識が行っていたからなのだが。
『誰かいるのかい?』
佐々木も鋭い奴だ。違和感を感じたのか、すぐに俺が意識を別に向けていると気付いたらしい。
「ああ。渡橋がいる。」
『渡橋、というと、涼宮さんの関連の子か。』
電話口の佐々木の声が、不機嫌なものになる。
『キョン。僕は君の彼女だよな?』
「ああ。」
昔から大好きだった、俺の自慢の彼女だ。
『頼む。後生だから、不安にさせないでくれ。さっきも言ったように僕は怖い。怖くて仕方ないんだ。』
「大丈夫だ。」
長門ですらお前を信頼しているんだ。俺はお前を信じているんだぜ、佐々木。
佐々木は暫く無言だったが、やがて決意したように口を開く。
『キョン。ひとつ頼みがあるんだが。』
「何だ?」
そこからの佐々木の言葉は、まさに仰天であった。俺がそういう事を言えるキャラクターじゃない、とお前が一番知っているだろう!
『僕の事を、好きだと言って。』

79 :
「出来るか!」
公衆の面前での羞恥プレイなんてお断りだ!
佐々木は、少しの間を置くと
『なら、いい。すまない。』
そう言い、電話を切った。……な、何だってんだ、畜生。
「キョン先輩、誰とお話ししてたんですか?」
「ああ。佐々木だ。」
隠してもバレる。ならば、隠さない。寧ろ後ろ暗い事なんて何もないんだ。
「佐々木さん?電話の様子から、てっきり涼宮先輩かと思ってました。」
渡橋は、ニコニコと笑う。……ダメだ。確実に疑念を持たれている。
今頃、世界が書き換えられているのではないか、という疑念すら浮かぶ。
逆転の一手を考えるが、何も浮かばない。
「ね、キョン先輩。私じゃ力になれませんか?」
渡橋の言葉に、俺は渡橋を向いた。
この時、俺は何もわかっていなかったんだ。佐々木の不安も、ハルヒが渡橋を再び作り出した理由も。
「ああ。俺は、佐々木と付き合っているからな。」
最早、手はない。そう考えた事が、間違いだった。
渡橋は、驚いた顔をしている。
「涼宮先輩、びっくりしますよ。」
「……………言うなよ。」
後で考えれば。俺はこうする前に頼るべきだったんだ。朝比奈さんを。長門を。古泉を。SOS団の仲間を。そして。何より信じるべきだったんだ。
ハルヒを。SOS団の皆を。
『どんな形であろうが、ハルヒの側にいる。』
そう言った、自分と。
『あんたは、あたしの前から居なくなったりしないよね。』
そう聞いた、ハルヒの思いも。
俺は、信じるべきだったんだ…………。
To Be Continued 『Made of Tears』3

80 :
言い知れぬ不安と共に支援
神か悪魔かはたして

81 :
まあ、またヤスミが現れたら正気ではいられなくなっても仕方ないだろうね。
同じく異常事態になったら現れる朝倉相手には軽口叩けるくらい図太くなってはいたけど、
裏にある背景の違いかな。

82 :
>>79


83 :
シリアスは書いていて疲れるから、気分転換に誰かが言っていた、エンドレスエイトのもしも話書いてみた。
『もしも、エンドレスエイトの時に、佐々木とキョンが会っていたら。』
「耳許で、アイラブユーと囁くんです。」
こんなバカみたいな話で、それを真に受けた俺も十分にバカなんだがな。
俺は、どうかしちまっていたらしい。
「遂に、おかしくなったのかい?親友。」
「全くだ。」
帰り道にばったり会った、中学時代の同級生、そして親友の佐々木。抱き締めて耳許で囁いてみたのだが……前文の有り様だ。
佐々木は、俺の腕から離れると、少し赤い頬で俺を向いた。
「僕からの返事は、今は、保留だ。」
悪戯めかした告白のつもりだったんだがな。
佐々木は赤い頬をしながら言った。
「僕は、生憎と夏休みは忙しい。その言葉を証明してもらいたいんだが、時間がない以上、どうしようもない。
差し当たっては……9月1日。放課後にデートに誘って貰えるかな?返事はそこでしよう。」
勿論だ。楽しみにしとけ。「くつくつ。楽しみにしているよ。」
佐々木は嬉しそうに微笑むと、去っていった。ああ。二学期が楽しみになってきたぜ。
その頃、長門はマンションの一室で目を見開いた。
「彼が、詳細不明の雌と接触を確認。私という個体の存在にかけてもループを断行する。」
8月31日。また、ループが始まる…………。
END

84 :
ひどいよながもん(´;ω;`)

85 :
佐々木さんのキョンな日常 体育祭その8
 
 「なんだって俺達がそんなことをしなきゃならないんです?」
 クラブ対抗リレーの後、俺達文芸部とSOS団は、体育祭実行委員会に呼ばれ出向いたのであるが、何故かそこ
に生徒会長と、書記の――長門と朝倉の先輩で、喜緑さんという――姿があった。
 「なに、簡単な事だ。君たちはクラブ対抗リレーで見事に1位、2位を取った。その輝かしいクラブに、生徒
代表ということで、我々と前の方で踊ってもらいたい、ということなのだよ」
 ・・・・・・理屈にもなっていない。
 体育祭の最終プログラムは、全校生徒による創作ダンスである。
 これが中々しゃれていて、音楽は軽音学部が作詞作曲して、ダンスの振り付けは創作ダンス部が振り付けを
考案するという、生徒主体の創作活動を刺激する目的にもなっているのだ。
 しかも、軽音楽部が生演奏で奏でる歌に合わせ踊るという、かなり面白い試みなのだ。
 だが、まさかこんな話が持ち込まれるとは、全く想定していなかった。
 結局、俺達はその話を承諾した。
 涼宮と佐々木が乗り気だったこと、喜緑さんが長門と朝倉の先輩に当たるということで、断るわけにもいかな
くなったからだ。
 「全校生徒の前で踊るのかよ」
 「まあ、全員踊っているからね。生徒たちよりも、保護者や家族たちに見られると考えたほうがいいね」
 親も妹もまだ帰ってない。佐々木と俺の姿が母親のデジカメの餌食になるのは必定である。
 「君との写真なら、僕は何枚取られても構わないのだけど」
 体育祭最後のプログラム、創作ダンス。
 文芸部、SOS団、そして生徒会長と喜緑さんがステ-ジにあがる。
 ステ-ジには軽音楽部の部員たちがチューニングを行っている。
 コンピュータ研究部、略してコンピ研が彼女たち(言い忘れていたが、軽音楽部は女子生徒ばかりである)の
音楽をデジタル変換して、携帯やスマホ、デジタル音楽プレーヤ-に配信してくれていて、全校生徒はそれで練習
いるのだが、生演奏はまた違っているだろう。うまくいくことを祈る。
 うん?そういえば、創作ダンス部はどこにいったんだ?あいつらこそがステ-ジの立つべきじゃないのか?
 「ああ、彼らは怖気づいてね。全校生徒の前で踊るのは、今回は勘弁してくれとの申し出があった」
 意味ないじゃね-か!
 ダンスは二曲。一曲目は軽快さを感じさせるような、ダンスミュージックだ。
 ヘタレの創作ダンス部が考えた振り付けは、簡素だが曲に合わせて踊りやすいようにできている。
 二人一組で踊り、曲が進むに連れ、パートナーは次々と入れ替わる。
 俺も涼宮や長門、朝倉や朝比奈さんたちと踊り、そして佐々木と踊った。
 谷口は朝比奈さんと踊れて、顔がにやけっぱなしだった。夏休みに彼女だと自慢していた九曜に写メ-ルで送り
つけてやってもいいが。
 国木田は鶴屋さんと、古泉は涼宮と踊れて実に嬉しそうな表情をしていた。
 ノリがよく、おおいに盛り上がった一曲目とガラリと変わり、次の、そして体育祭の最後を飾るのは、軽音楽部
の部員たちが一番気に入っているというバラードだった。
 「なかなかいい曲だよ。音もいいが、詞も気に入った。僕はあまり詞を気にかけないことのほうが多いのだけどね」
 日頃洋楽を中心に聞いている佐々木が、褒めていたが、俺もいい曲だと思った。
 俺は佐々木と手を繋ぐ。プログラム最後の始まりだ。
 ”きっかけはありふれたもの 何気ない日々の中で 僕は君と出会った さりげなく言葉を交わした ”
 ”それが全ての始まり 君と僕との物語 君といるありふれた でも宝物のような日々 小さな宝石 ” 
 ”夜空に煌く星から見れば 僕達の時間は一瞬の閃光 だけど僕らの思いはすべてを照らす     ”
 ”君と手を繋ごう ふたりのこの手で未来を紡ごう 時空の翼で僕等は飛び立つ 時の彼方へ・・・・・・ ”
 
 
 軽音楽部の渾身の演奏が終わり、気がつくといつの間にか俺と佐々木はステ-ジの中央にいた。
 一曲目と同様、パートナーは次々と入れ替わったが、曲の最後で俺は佐々木と手をつないでいた。
 全校生徒から、割れんばかりの拍手と歓声が上がった。
 その喧騒の中で、俺と佐々木は、お互いの手を握りしめていた。

86 :
佐々木かわいいよ佐々木

87 :
痴女度数1割増の佐々木さんって感じだった。
ttp://blog.livedoor.jp/goldennews/archives/51740876.html

88 :
現在、『起承転結』の承。
『Made of tears』3
「キョン………」
私は、電話を切ってから暫く空を見上げた。
昨日と同じ、蒼紫の空。それなのに、何故こんなに物悲しく映るんだろう。
胸をかきむしりたい衝動に駆られる。
問題は今だけでは済まない。そうわかっていたはず。
藤原くんに九曜さんが居なくなった時に、そこを理解していたはずではないか?理解していて、なお自分の想いに嘘がつけず、キョンの想いに応えたのではないか?
「(怖いよ。キョン。)」
自分の我が儘で、消え去る未来。可能性。
涼宮さんを選ばない未来という事は、彼の過ごすはずの未来にパラドックスを生む事になる。
つまりは、朝比奈みくるさんの消滅。それを意味する事になる。
彼女を『犠牲』にした、自分達の未来………。それは、あまりに重い事実だ。
怖い。たまらなく怖い。自分が人一人の未来を握る事実が。
自分の怖さをキョンにぶつけ、安心を得ようとしたさっき。渡橋さんがいなかったら、多分泣いていたはずだ。
そして。朝比奈みくるさんの言葉がずっと頭を駆け巡る。
『キョンくんが選んでいたら、皆、多分想いを受け入れているわ。』
『あなたの我が儘が、ひとつの未来を消し去る可能性があります。………そこを忘れないで。』
自分で選んだ未来。そのはず。なのに、何故こんなに怖い?
朝比奈みくるさんには悪いが、彼女の望む未来にする理由はない。それが私の答えだったはず。
しかし。彼女は明確に『消える』事を口にした。それは、私の心を抉るに十分だった。
私の心は、昨日一日で見る影なく弱くなってしまったようだ。
キョンの温もりを感じ、温もりは、燻り続けた火種に到着し、火種は燃え盛り、凍えていた心を溶かした。
被れないペルソナ。
キョンの側にいたい。もっと触れ合いたい。そう願えば願うだけ、自分のペルソナが剥がれ落ちる。
「(こんな弱い自分じゃ……キョンに嫌われる……)」
後で考えれば、私は肩肘を張りすぎていた。キョンは、私のペルソナの裏を見てくれていたのに。
私は、私が思うような人間でない。私がそう理解した時、事態は取り返しがつかなくなりかけていた。

89 :
「俺は、佐々木が好きだ。」
俺は、渡橋にハッキリと伝えた。後ろ暗い事じゃないんだ。
黙っている事自体が、ハルヒに対する裏切りだと思ったが、そこに至るまでのワンクッションが欲しかった。
「ひえええ〜っ!す、涼宮先輩泣いちゃいますよぉ!」
「機会があったら、言うつもりだった。俺は、ハルヒの事は確かに好きだが、それは異性としての好きじゃない、と。」
渡橋は、目を白黒させている。こいつはハルヒの無意識。という事は、渡橋を納得させれば、ハルヒは無意識で納得するという事だ。
「な、何でですかぁ?キョン先輩、涼宮先輩を大事に思っているんですよねぇ?」
大切だ。ただ、異性としての愛ではない。
「私には、分かりません。キョン先輩が、何で涼宮先輩を嫌うのか。」
「嫌ってなんかいねぇよ!」
言葉が強くなる。
「じゃあ、どうして佐々木さんを好きだって事を、涼宮先輩に隠すんですかぁ?
涼宮先輩を、信頼してないって事じゃないですかぁ!涼宮先輩は、そんなキョン先輩を見たら、泣いちゃいますよ!」
渡橋の言葉に、胸が詰まる。
「私は、涼宮先輩に協力しまぁす。今のキョン先輩、嫌いです!」
「!」
渡橋は、そう言うと、アッカンベーをしながら去っていった……。
「なんてこった……最悪じゃねぇか……」
空を仰ぐ。昨日の空は、あんなに美しく見えたのにな……。
渡橋の言う事は最もだ。
ハルヒを思うなら、ハルヒにこそ一番に伝えるべきだったんだ。ハルヒは、全く話が判らん奴じゃない。
俺と佐々木がしなければならなかった事は、ハルヒと向かい合い、ハルヒを納得させる事だった。
そうすれば、朝比奈さん(大)が何をしようが、関係なくなる。何故なら、それをハルヒが望まなくなるからだ。
「畜生……」
渡橋が、再び来た理由。それは、正直わからん。
だが、取り返しのつかねぇ事をしちまった。こうなればハルヒは納得しないだろう。悔恨に下を向く。
次の日。不機嫌なハルヒを見て、悟った。
事態は、一番悪い方向に向かっている。そして。
その原因は、俺の判断ミスだという事も。
To Be Continued 『Made of Tears』4

90 :
どっちも乙、温度差が凄い…
これでまだ『承』ってのがまた

91 :
『Made of Tears』4
翌日。晴れない気持ちのまま、私は学校に向かった。
「佐々木さーん!おはよーございますー!」
「おはよう、橘さん。」
あの騒動が終わっても、橘さんは私の側にいてくれている。今では、私の大切な友人……同性では初めての親友だ。
「暗いですよ?せっかくキョンさんと想いを通じ合わせたんですし、笑顔でいないと。」
「そうありたいんだけどね。」
色々考えすぎて、疲れが酷い。この件に関して、私は自分で解決しなくてはならない。
こんな弱い私を、キョンに見せたくはない。嫌われてしまう。
無理に取り繕う、自分のペルソナ。私は、自分が思うような器用な人間でないらしい。思いが深く、そして我が儘だ。
事態が動かなければいい。涼宮さんにバレずに、付き合っていけたらいい。如何に甘い考えか、良くわかっているんだけど。
「ふくくっ……久しぶりだな、佐々木。橘。」
「――――再――会――――」
放課後、もう会えないとばかり思っていた二人が訪ねて来た時。悟らざるを得なかった。
「最悪の事態だ。」
私はそう言うと……机に突っ伏した。
「僕は、未来人とは会いたくなかったよ。」
自分が能動的に動き、何れかの未来を消し去った結果。それが藤原の存在になる。
「随分な物言いだ。暫く会わないうちに、随分傲慢になったな。」
傷付いた、と大仰に手を広げる藤原くん。
「傲慢ではないさ。本心だよ。」
「……本気で傷付くから、やめてくれ。」
藤原くんが溜め息をつく。彼はキョンとは会わせられないね。
「――私――――は?」
九曜さんが小首を傾げる。
「また会えて嬉しいよ、九曜さん。」
「――。」
気のせいか、九曜さんは微笑んで見えた。
「佐々木団の集合ですね!やっぱり初夢は叶うものなのです!」
橘さんは、無邪気に胸を張る。いや、事態は深刻なんだよ。浮かれている場合じゃない。
ここに集合した、佐々木団。つまりは……最悪、あの騒動の焼き直しになる。
藤原くんが、未来を変えようとし、九曜さんが、長門さんとキョンを殺害しようとする。
「(最悪だ。)」
今日何度目かともつかないため息。
こんな辛い思いをする位なら、いっそ……
そこまで考えて、私は首を振った。

92 :
「よう。」
「…………はよ。」
ハルヒは、一応、挨拶はしてくれるようだ。ダウナーな不機嫌オーラは、相変わらずだがな。
「あんたさ、佐々木さんと付き合ってんだ?」
……い、いきなり確信かよ!まぁ、渡橋がいたんだ。ハルヒが全てを知っていても可笑しくはないか。
「ああ。まぁな。」
ハルヒは、目を少し上げ……
「団員同士の恋愛は確かに禁じたけど、団員外は盲点だったわ。良かったじゃない。あんたに勿体ない位の、可愛い彼女が出来て。」
と言うと、机に突っ伏した。こ、これは、認めてくれるのか?
「あんたの選択肢は二つ。今すぐ私の前から消えるか、SOS団から出ていって。」
「前者は却下だな。勝手に席を移ると、岡部がうるさい。
後者も却下だ。俺は団員その一。その他の団員と同じく、団長に鋼の忠誠を誓っているものでな。」
俺の大真面目な答えに、ハルヒは薄く睨み付けてきた。
「うっさい。黙れ。話しかけんな。」
その声に、嬉しそうな響きがあった事に、俺は少し救われた。
「やれやれ。」
程なく授業が始まり、昼休み。俺は古泉と落ち合い、今後と、奴が語りたいであろう森さんとの自慢話を聞くべく、文芸部室へ向かった。
焦っても、どうせハルヒは想像を越えて来る。そう理解したくなくても、理解しちまっている。悲しいかなそれが現実だ。変に動き回り、うかつにハルヒを刺激するほうが、よっぽど怖い。
佐々木なら、大丈夫だ。これまでがそうであったように、あいつは俺なんかより遥かに理知的だ。
俺は、俺のやる事をやればいい。佐々木を信じる。それが俺の佐々木に対する……気恥ずかしいが、愛だ。
「前日、森さんが僕のために泣いてくれましてね。」
弁当をつつきながら、古泉は嬉しそうに話す。
「何故、自分に教えてくれなかったのか。私はそんなに信用ならないのか……まぁ、そんなものでしたが、僕は嬉しかったんですよ。」
「こさじ一杯の幸せか。」
俺の皮肉に、古泉は満面の笑みを浮かべる。
「ええ。多くは望みませんよ。僕は幸せの分量は割と少なくて良いみたいですから。
今は、上司と部下。それでいいんです。」
「欲のない事だ。」
「ふふ。僕は幸せだから、いいんですよ。」
放課後。ハルヒの機嫌は朝ほど悪くなかった。まぁ……嵐の前の静けさだったわけだが。
佐々木と会う為に待ち合わせた、駅前。そこに現れた顔ぶれを見て。やはり嵐は確実に来る。そう実感せざるを得なかった。
END

93 :
濃霧の中を手探りで歩いてて、大声でなら辛うじてお互いの声が届く感じ
次回あたり事態が動きそうだね支援

94 :
『浸食』
「すまない、キョン。どうしても着いてきたいと聞かなくてね……」
佐々木に、しっかりとしがみついた周防。そ、そうしているとまるで母親だな。
「R受胎かい?僕はマリアさまじゃないよ。」
「ほう。」
俺の頷きに、顔を赤く染めた佐々木の蹴りが入る。
「こんな時に、リビドーを出してどうする?全く余裕だな、君は!」
す、すまん。やはりどんな状況でも、余裕を持たんと具合が悪い。コチコチに凝り固まっていたら、やはり疲れるからな。
「…………むう。確かに納得はいくが…………。だが、こんな状況なんだ。緊迫感はあって然るべきだろう。」
尤もだ。俺はハルヒの超常現象に慣れすぎているんだろうな。実際にこうなると、なるようにしかならん。……そこが、間違いなのかも知れんが。
「――綺麗――な――瞳――――」
周防が俺に手を伸ばす。何をするつもりだろう。
「――ちょうだ――――い」
俺が慌てて手を払った事は、言うまでもないな?やはり緊迫感は必要だ!
――――――――――――――――――
「でも、キョンが佐々木さんと、ねぇ。」
帰り道。私はみくるちゃんと帰っていた。
「意外、ですよね。私は、キョンくんは涼宮さんが好きだとばかり……」
みくるちゃんは、下を見る。大丈夫よ、みくるちゃん。私は気にしてないから。
キョンは、約束を破らない。誰と結ばれていようが、キョンは私と『どんな形でも』一生付き合うだろう。夕日に約束をした、あの日。キョンは、私に、『私の前からいなくならない』と約束をした。
それは、例え私とキョンが結ばれなくても、変わる事はない。
孤独の辛さ。私は、キョンと出会う前にとことんまで味わっている。だから。キョンがどんな形でも、私の前からいなくならないなら。私はそれでいい。
そう考えていたし、今も変わらない。
ただ、佐々木さんが、キョンを要らないというなら、話は別。私は容赦せずに頂く。
振り向かないなら、力づくで振り向かせ、私のものになるまで愛を囁いてやる。

95 :
だって、要らないんなら、あたしがもらっても構わない、って事でしょ?ねぇ?
佐々木さんは、自分を灰被りと言っていた。
なら、私はSleeping Beauty。
王子様は、ガラスの靴を持っているけど、ガラスの靴が毒林檎に化けたところで、何もおかしくはない。
佐々木さんが、自分は灰被りだと伝言してきた時、有希が言っていた。
『灰被りは躍り疲れて、ガラスの靴を砕く。』
あたしは…ただ……
幸せになりたくて。
それだけなのに。
みくるちゃんと別れて、大通りに出て、駅前に出る。
そこにいたのは……佐々木さんと、キョンと、周防さん。
足が前に出ない。代わりにどす黒い感情が噴き出す。
キョン。こっちを見なさい。命令よ。
こっちを見て。聞かないと酷いわよ。
こっちを見て。お願いだから。
私を見て!
――――――――――――――――
「で、だ。俺としては、やはりハルヒと向かい合うのがベストだと思う。」
「いきなり本丸に入るのかい?それよりは、やはり外堀から埋めなくては、涼宮さんも納得しないのではないか?」
――――――――――――――――
当たり前だけど、キョンは私を見ない。
泣き出しそうになり、走り出そうとした時……
「涼宮先輩!」
私は、誰かに呼び止められた。
その声に、三人が振り返る。
「渡橋……」
キョンの声が、やけに遠く響いた。
To Be Continued 『浸食』2

96 :
ハルヒの台詞が((;゚Д゚))怖い…

97 :
ハルピンとヤスミョンの自作自演ホラー開幕
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

98 :
>>97
このスレでそういう呼び方やめなよ
見ていて(二重の意味で)気分のいいもんじゃないよ
やっぱり二つの長編が同時に展開されると状況整理が大変だ
が、たまにはそれもいい

99 :
「ムカつくな」
いく場かの会話の途切れに隣に歩く親友と呼んでいた女性が立ち止まり睨め上げる様に見つめてくる。
その顔は拗ねているのかルージュの塗られた艶やかな唇が尖るっている。
俺がつい笑ってしまった。
大学に入学して2年なり成人式を迎えると言うのに中学を彷彿する幼い表情だったからさ。
「その余裕を含んだ笑顔にも腹が立つ、僕が何に怒ってるかわかるかい?」
いいやさっぱりだ。俺が知るのは一人称を『私』に改め、余裕を無くすと『僕』になるくらいだな。
まだその中二病の設定が治らないんだな。俺はまた笑みを浮かべただろう。
「それ言わないで、黒歴史なんだから!。それに論点をずらした、私の話聞いてる?」
ああ、聞いてるよ。お前の話を聞き逃す分けないだろ
俺の可愛い元親友の現彼女の言葉だからだ。
サークルの飲み会で口説きのくる輩が多くて目を離せないし防御する俺の身にもなってくれ。
「それは大いに痛み入る。アルコールで気が大らかになって失敗するのも反省している。それとこれは違うの」
正面に立った佐々木は俺を見るというより視界のまま真っ直ぐ見据えていた。
「中学の時の身長はあなたの唇が見えていたわ。今じゃ胸しか見えない。温かくて広い大好きな胸だけ」
そっと俺の胸に手を添える。少し寂しげに俯く。
「背が高くなって遠くを見渡せるあなたにムカつく。大人に成って置いて行いかれる気がして私は寂しい。
 こんなネガティブ思考の私より相応しい人がいるに違いないと思うと悲しい」
悲しげに震える佐々木。
とても……
とても愛おしい。

それは俺だって同じだから。
頭が良くて綺麗で、分け隔てなく接する恋人は人気が有って隙あらば狙ってくる男共の多い事か。
必死になって追いつこうとして心の負担になってなんて知らなかった。
見下ろした佐々木の頭を撫でる。
お前がそんなふうに感じてるなんて知らなかった。俺はただ横に並べる様に頑張ってるだけなんだけどな。
今もまだ追いつけて無いって思ってんだけど。
顔を上げた佐々木はさも以外といった表情で見つめてくる。
そんな顔すんなよ、俺だってガキのままさ。
大好きだ。愛してるよ。
そう言って抱きしめてやると俺にしがみ付いて胸に顔を埋めてきた。
おわり

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