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2013年03月ジャニーズJr14: 神7のストーリーを作ろうの会part7 (224) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
【絶好調】風間俊介【ジャニーズの演技派1】part3 (728)
次のデビュー組は誰? 2 (781)
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神7のストーリーを作ろうの会part7 (224)
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神7のストーリーを作ろうの会part7 (224)

神7のストーリーを作ろうの会part7


1 :2012/12/20 〜 最終レス :2013/03/09
      |  れすれす?れす???? |
     \                   /
         ̄ ̄ ̄ ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ∧ ,∧   \    │    /       ∧ ∧∩/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 リ⌒ヮ⌒リ__,.-‐''" ̄ ̄ ̄ ̄`゙'''‐-、    (^皿^*)< どりちん!どりちんどりちん!
 (  つ―(    ’  ー  ‘ ・   ⊂  ̄     / \__________
  \__)__) `゙''‐-、______,、-‐'"  ヽ    |
    ∧    /    │    \    / /\」
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| そ〜ちそ〜〜〜〜☆         ̄
\_________

ヽ( /'_б)人(´´ー`)人(´・v・`)人( ・3-)人(*’_’*)人(;б;エ;б;)人(o^ 〜.^o)人(´∂∪∂`)ノ
前すれ
神7のストーリーを作ろうの会part6
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/jr2/1347456442/

2 :
スレ立て乙!
ありがとう!
こんなことってあるんだね

3 :
スレ立て乙です!
神7バンザイ

4 :
まだ6埋まってないよね?
勘違い?

5 :
I thank you God for most this Amazing Day

「…」
沈黙。
室内に谺するのは食器が擦れ合うか弱い金属音のみ。支配するのは重苦しい雰囲気ただ一つ。それに押し潰されそうになりながら、味の分からない食材を自動的に口に放り込んだ。
食べるのをやめると一気にこの鉛のような空気にぺしゃんこにされそうで谷村はひたすらに口をうごかした。
食卓には谷村と姉、母の三人がいる。父親は忙しいのでいつも深夜に帰宅するから家族4人が揃うことは少ない。
谷村は神7やJrの中では無口だが家の中ではそうでもない。普通に姉とも母親とも話をするし、家の中は唯一の安らげる空間であった。
だがしかし、今だけは鬼Rに怒鳴られてもいい、中村に絶対零度を浴びせられてもいい、栗田に強烈ボディタッチをされてアホ扱いされてもいいからここから脱出したかった。
原因は自分にある。それは分かりきっている。その証拠に姉は府に落ちない表情で黙々とスプーンを動かしている。申し訳なかった。
「龍一」
母の低い声が沈黙を破る。谷村と姉は同時に方を震わせた。
「な…なに…?」
ポークビーンズをすすりながら問うと、母親は溜息をついた後、厳然と言い放つ。
「三学期はこんなことでは許しませんからね」
「はい…」
俯きながら、そう答えるしかなかった。
「ジャニーズの活動が大変なのは分かります。普通の子達ではできない経験をしているのだから。だけど、それと勉強がおろそかになるのは別です。
毎日毎日遅くまで絵を描いている暇があったら勉強なさい。そうでなくてもジャニーズの活動に時間が取られる分、他の子より遅れを取りがちなんですからね」
「ごもっともです…」
谷村が縮こまっていると、姉が助け船を出してくれた。
「龍一、別にお姉ちゃんに気を遣うことないのよ。あなたがジャニーズの活動が負担だっていうならお姉ちゃんは別に…」
谷村にJrオーディションを薦めたのは姉である。だから今少し負い目を感じているのだろう。だがそれは母親の厳しい一言で一蹴されてしまう。
「勉強がだめになったからジャニーズを辞める、というのは逃げているのと一緒でしょう。本当に続けたいのか、学業に専念するのかは龍一が決めることです。あなたが口出しすることじゃありません」
「はい…」
姉は力なく答えてエビフライにナイフを通した。
普段は温厚な母親も、さすがに先日返ってきた谷村の期末テストの成績表を見て目眩を起こし、あわや救急車で運ばれかけた。
期末テストの結果は悲惨なものだった。
もちろん、さぼっていたわけではない。自分なりに努力はしたつもりである。だが生半可な努力では周りについていくことはできない。
普通の学校ならばおそらく成績上位をキープできているのであろうが、谷村の通う学校ではそうはいかない。皆、質・量共に桁違いの勉強量をこなすしどんどん先へ行ってしまう。
ジャニーズワールドが連日入っていたこと、またそのレッスンや番組収録、撮影などで目も回るようなスケジュールだったことで勉強時間を確保することができず、過去最悪の結果を叩きだした。
下から数えた方が早く、同級生達とテスト結果の話題になると頭が痛いふりをしてトイレに駆け込みたくなるほどに惨め極まりない思いをした。

6 :
「あなたも明日で14歳なんだから、ちゃんと自分のことは自分で決めなさい。明日はお父さんも早く帰ってきてお祝いをしてくれるからきちんと考えておきなさいね」
最後は少し穏やかな口調になったが、谷村は気分がどん底にまで下がっていくのを抑えることができなかった。

深夜、おしおきのデッサンがひとくぎりつき、谷村は喉が渇いたのでキッチンに降りて行く。灯りが漏れていて話し声も聞こえるからちょうど父親が帰宅した頃だろう。成績のこともあるし、なんとなく顔を合わせ辛いと引き返そうとして両親の会話が耳に入ってきた。
「…成績のこともそうだけど、あの子自身の精神状態の方が不安で。今年に入ってから鼻でスパゲティを食べようとしたり火遊びをしたりわけの分からないことを喚き散らして白い壁の病院に二度も入院したでしょう?
ジャニーズのお友達と旅行に行っては満身創痍で帰ってくるし…。狂ったように絵を描いてるのも何かの逃避かしら」
母親の不安げな声が耳をつつく。谷村は溜息をついた。
「小さい頃からお受験のために無理をさせすぎたのかな。龍一自身はやればできる子だしジャニーズでもがんばってると思うんだが…。確かに勉強勉強と言いすぎて人とのコミュニケーションの取り方が難しくなってしまってるかもしれないな。
うちの会社にもいるんだが、事務的なことはできるのに営業や人との関わりになると急にだめになる新入社員が増えているんだ。龍一にはもっと堂々として自信をもってほしいんだけどな」
「ジャニーズも、ちゃんとした芸能人としてデビューできるのもごくわずかだしどういう世界なのか知らないけどそれが本当にあの子にとって幸せなのかどうか分からないわ…。
だったら今のうちからきちんと勉強をして土台を作った方がいいんじゃないかしら?来年は特に三年生になって高等部への進学も決まる大事な時期だし…」
「まあ確かに龍一には華やかな芸能界、というのは向いていないのかもしれないな。龍一はいい意味でも悪い意味でもあんまり欲がないし…。
だがいずれ辞めるにしても本人の意識に「ダメだった」と残ってしまうのは良くない。お受験の時も言われただろう?『例え不合格でも子ども自身に「ダメだった」という思いを抱かせてはいけない』って。
そのフォローを間違うと一生残る傷を幼い子どもにつけてしまうってな。学校の成績が下がったから、ではなくて自分自身の未来を見据えてそこからは離れるという選択肢にもっていかないと」
「そうねえ…」
耳が痛かった。
学校の成績もダメ、ジュニアの活動ももう三年目なのに一向に振り間違いも移動間違いもなくならずおしおきの毎日。自分より年下の子が、後輩がどんどん実力をつけている。そんな中で焦りを感じている余裕すらない。
何一つ、満足にできやしない。誰にも認められない。
自分はエリートだ、という自信は今ではもう虚勢にすらなっているような気がする。そう思うことでようやく自分を保っていられるような…。
「龍一?」
ふいに、後ろから声をかけられる。振り向くと姉が怪訝な表情で立っていた。キッチンにいる両親に見つかりそうになったのと、それを絶対に悟られたくなくて谷村は踵を返して自分の部屋に戻った。

迎えた12月21日、14歳の誕生日。学校は終業式で午前中のみ。今日はジャニーズワールドの公演は入っていないが雑誌の撮影が入っていた。昼食もそこそこに撮影スタジオへ谷村は向かう。

Hodie Christus natus est hodie Salvator apparuit
Hodie in terra canunt angeli laetantur Archangeli
Hodie exsultant justi dicentes Gloria in excelsis Deo.Alleluia!

街はクリスマスムード一色で、どこかしらから聖歌のような歌が聞こえてくる。透明感のある清楚な歌声は天使の祝福のようで癒される。自身の誕生日とクリスマスが密接しているのと、毎年この時期は冬休みにもはいることもあり谷村はクリスマスシーズンが好きだった。
だが、今年はそういった浮かれた気分とはほど遠い。谷村は今日が誕生日であると共に冬至であることも思い出す。一年で最も日照時間の短い日。太陽に忌み嫌われた日。どんよりとして暗い自分に哀しいくらいあつらえたようである。

7 :
誕生日だからって何が好転するわけでもない。学校でも誰もその話題になることなく過ぎて行ったしもちろん12時ジャストにお祝いメールが届くなんてこともない。今朝は逃げるようにして登校したから家族からもまだ祝いの言葉はかけてもらっていなかった。
当然、撮影現場についても誰も今日が谷村の誕生日だということには気付いてもおらず、楽屋ではいつものようにいつもの風景が広がるばかりである。
「あっなたっか〜らメリクリスマ〜ス、わったしっか〜ら〜」岸くんは大声でクリスマスソングを歌っている
「岸くん素敵な歌声…」高橋はうっとりしながらヘッドスピンをしている
「やっぱサンタコス動画は王道中の王道だろ!キリスト万歳!」神宮寺はサンタ動画を見つけて上機嫌だ
「チキンは骨付きの方がうめーよな!ケーキは苺もいいけどブッシュドノエルも捨てがたいな!」倉本は楽屋をパーティー会場のようにしているが全部自分で食べている。
「うん…このシャンパンはまあまあいけるな…」羽生田は楽屋にシャンパンを持ちこんで飲み比べをしている
「栗ちゃん…今年は大きなクリスマスツリーの下で愛を誓うんだよぉ…」中村はうっとりしながら東京ウォーカーのクリスマスカップルスポットを読んでいる
「れいあサンタコスしてくれよー!サンタコス―!!」栗田は興奮しきりだ。
…まあこの連中がよもや自分の誕生日を覚えているなどと期待するほど馬鹿ではないつもりだ、と谷村は思う。ましてや祝おうなんてなるはずがない。今日は撮影だからおしおきをくらうこともボディタッチが炸裂することもないだろう。それで十分だ、と谷村は思っていたが…
「今日の企画はですね、クリスマスケーキ作りと谷本君のバースデーケーキ作りを兼ねて、その様子を撮影しますから、こちらの衣装に着替えて下さいね」
スタッフが今日の撮影についての説明をそうしたが、谷村は我が耳を疑った。
「お…俺の…?」
「そう。まあ発売は年明けになるけどね。お料理企画が読者からの要望にも多くて。谷本くん、丁度この日が誕生日なんでしょ?プロフィール間違ってないよね?」
誰も覚えていない谷村の誕生日はしかし「プロフィール」という奇跡の伝言によって雑誌企画に通っていた。神7達も今更気付いたようだ。
「谷藤、誕生日なの?いくつだっけ?」岸くんが高橋に訊ねる
「16歳くらいかな?12月生まれだったとは意外だね」高橋は同い年のはずなのに年すら覚えていないようだ
「おいおいじゃあ後日神宮寺特選エロ動画をプレゼントしてやるか」神宮寺はスマホを起動させ、動画の選別にかかる
「たにー16歳にゃ見えねーよな。26歳くらいだと思ってた」倉本の年齢の概念はいい加減だった
「そうか、谷上野にも誕生日というものが存在したんだな。きのこから生まれてきたわけではなかったのだな」羽生田は何気に失礼な発言をぼそっと呟いた。
「14歳になったんだったらぁもう振り間違いしちゃダメだからねぇ」年齢を覚えてはいてくれたものの中村から辛辣な言葉が飛び出す
「ギャハハハハ!おめー見た目老けすぎだろ!」栗田は大笑いだ。
「それじゃ皆さんスタンバイお願いしまーす!」
衣装に着替えてケーキ作りが始まった。岸くんと倉本がつまみ食いをしてどんどん用意された食材が減っていき、高橋が殺人的な味付けをし、羽生田と神宮寺が適当に盛り付け、中村と栗田がいちゃいちゃしながら仕上げをする。
そうしてできあがったケーキはおよそ当初の完成イメージ図からはかけ離れた物体になっていたがこれはこれで面白いということで採用されてしまった。ケーキなのに何故かキムチが乗っている。
「じゃあね、一人ずつ谷本くんに食べさせてあげてくださーい。それ撮りまーす」
カメラマンの声に、高橋と栗田が顔をひきつらせた。高橋は岸くんが、栗田は中村が「谷村に食べさせる」のが我慢ならないのだ。
だがしかしこれは撮影。いつものはにうだ観光や楽屋劇場ではない。スタッフが一度決めた事に反論は許されない、そこがJrの悲哀である。決められたことには絶対に従わないといけないのは暗黙の掟なのだ。
高橋と栗田は歯を食いしばりながら忍耐力をフル稼働させた。

8 :
谷村はというと、突然に降りかかった事態に付いて行くのがやっとである。
「はぁい。谷村ぁ。あ〜ん」
後ろで栗田が凄まじい殺気を放っている。だがしかし持ち前のプロ根性で中村がにっこり天使スマイルでケーキを口元に近付けてくる。いつもは天地がひっくり返ってもこんなことはしない。それこそ不思議な玉による不思議な作用でもない限り…
だがこれは現実。不思議な玉も封印されたままだしましてや夢でもない。だからこそ尚更谷村は軽い混乱状態である。
「谷本くん、表情ちょっと硬いかな〜。もうちょっと自然に笑って。スマイルスマイル!」
だがしかしひきつった笑顔しか出てこない。元々笑顔を作るのは苦手なのだ。
「谷村ぁちゃんとやんなきゃぁ。がんばってぇ」
ぶりっこスマイルで優しい口調だが中村の眼の奥は妖しい光を放っている。『さっさと終わらせなきゃおしおきだよぉ』という副音声が聞こえてくるようだ。
天使のスマイルとドS女王様絶対零度のWパンチで谷村は体のとある部分が熱膨張し始めた。このままでは衣装の上からでも分かってしまう。それを悟られるのだけはなんとしても避けたい。その一心で撮影をこなした。
「はい、お疲れ様です!終了で〜す!」
ケーキはくそまずかったがご丁寧にスタッフが箱に入れて残った分を谷村に手渡してくれた。それを持ちながら楽屋に戻る途中…
「あ、谷村くん」
別のスタジオルームで撮影をしていたグループは先に撮影が終わったらしく、帰り支度を済ませたメンバーが通りかかる。
その中の一人、チュウガクイチネンジャー松田元太が谷村を見つけて声をかけてきた。間違われず呼ばれたのに逆に自分のことだと気付くのに一瞬時間がかかってしまった。
「お誕生日おめでとうございます。今日会えたら渡そうと思ってて…」
松田は綺麗に包装された包みを谷村に渡した。それを戸惑いながら受け取ると、松田は礼儀正しく頭を下げて帰って行った。
「…」
谷村の人生の中で、年下に誕生日プレゼントをもらうというのは初めての経験である。名前も間違わず、誕生日をきちんと覚えていてくれる後輩がこの世に存在するなどと、考えたこともなかった。
不思議な感慨と共に谷村が楽屋に戻ると、もうみんないなかったが鞄の周りに何やら幾つかの袋やお菓子が置かれている。
「あ…」
谷村は、一つ一つ手に取ってそれを確かめた。
『メリークリスマスイブ×4 きしゆうたより』そう書かれたメモと共に小さなスノードームが置かれていた。
『誕生日おめでとう 高橋颯』メモの貼られた袋にはメロンパンが入っていた
『たにーにやる』しみチョコの袋にマジックでそう書かれていた。倉本だろう
『後で神宮寺特選エロ動画のURL送信するからとりあえず下記のアドレスまでお前のアドレス送れ!!至急!!』メモには神宮寺のアドレスらしきものが書かれている
『忘れていたわけではないぞ。これとて休憩中にスタジオ近くの店で買ってきたわけではない byはにうだ』上品なクリスマスカードにそう書かれていて、その下にはコンビニスイーツがぎっしり詰まった袋が置かれていた。
そういえば、休憩中に皆の姿がなかったことを谷村は思い出す。もっとも、いつもだいたい谷村は一人でいるから気付いたのは休憩ももう終わる頃だが…
まさか、これを買いに…?谷村がそうして想像をめぐらせながら楽屋を出るといきなり酒ヤケ声が響いた。
「おっせーよおめー!!何やってんだおめー!!」
振り返ると、栗田と中村が立っていた。

9 :
「え?」
谷村が狐につままれたような表情でいると、中村が前方を指差す。
「さっさと行くよぉ。いつまでも残ってたら怒られるしぃ」
三人で駅まで歩く。一緒に返ることなどほとんどないのだが、一体何がどうなってこうなったのだろう…?今日の撮影でのあれやこれやでおしおきとボディタッチか…?谷村が半ば怯えていると中村と栗田は屋台に歩み寄って行く。
「カスタード味の白たいやき3つ下さぁい」
中村が注文をし、栗田はその側の自販機で飲み物を買っている。谷村は事態についていけず、ぼーっと突っ立っていることしかできない。そうして立ちつくしていると左右からそれぞれたいやきと缶コーヒーが差し出される。
「え…?あの…」
おろおろとしていると、中村と栗田の二人は同時に「早く持って」とせかした。谷村は反射的にたいやきと缶コーヒーを手に取った。
「これは…?」
「いいからあったかいうちに食べなよぉ。冷めたらおいしさ半減なんだからぁ。あ、栗ちゃん、はい、あ〜ん」中村は谷村にそう言った後栗田に持っていたたいやきを食べさせる。
「おごりなんだからありがたく食えよ。そして飲めよ。まあおめーがコーヒー好きかどうか知んねーけどな、ギャハハハハハハ!あ、れいあこれ、れいあのロイヤルミルクティーね」栗田は中村にミルクティーの缶を渡す。
「…ど…どうも…」
中村と栗田がおごってくれた…?
誕生日だからか…?覚えていたのか、今日の撮影で知ったのかは分からなかった。
谷村はたいやきを口にする。ほどよい甘さが広がる。そして缶コーヒーはブラックで目眩がする苦さだったが何故か悪くはなかった。食べながら三人で歩いていると、中村が夜空を指差した。
「あぁ、見て見てぇあの星綺麗だねぇ」
「おーほんとだ!流れ星とか見つかんねーかな。願いごとすっと叶うんだろ?」栗田が笑う。
中村は、栗田の言葉にふふっと笑みを漏らした後で、その星々を真剣な眼差しで見据えながらこう言った。
「あのお星様に誓うよぉ…今度は僕らも絶対にCMに出ようねぇ」
中村の眼には、静かな炎が燃えていた。
谷村は思い出す。JJLのCM出演に自分が選ばれなかったことを知った時の中村の悔しそうな顔を。そしてその横でまた、栗田も何かしら思うところがある顔で何も言わずずっと側にいたことを。
「あったりめーだろれいあ!俺達は二人でベ○クラシックのCMいただきだ!谷村おめーは松の木役で出してやってもいーぞギャハハハハハ!」
自分はどうだろう…いつの間にか、そうした時に「悔しい」と思う気持ちも抱かなくなってしまったように思う。どうせ俺は選ばれない。なんとなくそれが染み付いてしまっている。学校の成績だってそうだ。
その意識の違いに気が付くと、谷村は自分の中に小さな焦りが生じるのを自覚した。
悔しいって思わないと、伸びて行かない。向上心がないのは、努力しないことよりも愚かしい。どこかで聞いた言葉が掠めて行く。
谷村がそんな葛藤を抱えていると、中村が星を指差しながら
「なんだっけぇあの星ぃ。理科で習った気がすんだけどぉ」
「オリオン…」谷村は、その星座の名を呟く。冬の大三角、オリオン座が夜空に瞬いている。
「あそっかぁオリオン座だぁ」中村が手を叩く
美しい一等星が暗い夜空を彩っている。特徴的な3つの星は斜めに揃って輝いていた。
まるで、並んで歩く今の自分達3人のように…
そんなことをぼんやりと思っていると、いつの間にか駅に着いていた。中村と栗田と別れた後、谷村は帰り道ずっとその星を見ていた。そうして帰宅するともう家族全員揃っていて食卓にはご馳走と、蝋燭を立てたケーキが乗っていた。

10 :
「14歳おめでとう、龍一」
家族4人で食卓を囲む。実に久しぶりであるし、昨日の重苦しい雰囲気をまだ少し引き摺ってはいたものの、父親は谷村に包みを渡した。そこには参考書や電子辞書などいかにも父親らしい誕生日プレゼントが入っていた。
「来年はいよいよ中学三年生だからな。今まで以上に両立が難しくなるぞ」
「うん。分かってる…」
答えながら、ローストチキンに口をつける。姉が少し心配そうな目を向けて来て、取り繕うように谷村の肩を叩いた。
「今回はちょっと忙しかったからよね。お姉ちゃんも勉強教えてあげるから次がんばりなさい」
「あなたは龍一のことより自分のことをきちんとなさい。他人の心配ができるほど余裕はないでしょ」
母親の厳しい一言に姉は肩をすくめた。そして一瞬の沈黙の後、父親がグラスを置き、真っ直ぐに息子を見据えて話し始める。
「龍一、道というのは一つじゃない。ジャニーズをやるのも、勉強に専念するのも、他のことを始めるのも皆正しい道のうちの一つだ。お前がやりたいと思ったことをやればいい。
だけど、どれかが中途半端になってしまうなら何かを諦めなくちゃいけない。今回の成績は残念だったが十分次で挽回はできる」
「うん…」
父親が何を言わんとしているのか、谷村にはすぐに理解ができた。
すぐに挽回できるほど、簡単なものではないこと。勉強時間の確保ができる保証はどこにもないこと。
年末年始もコンサートやレッスンはぎっしり詰まっている。失敗をすればおしおきをくらう。今までより勉強時間が増えることはないだろうし、どうがんばったところでトップクラスになるのはほぼ不可能だ。
何かを成し遂げるには、何かを犠牲にしなくてはならない。この場合、勉強に専念するにはジュニアの活動は捨てるべき…そう示唆しているように思えた。
少なくとも両親はこのままジュニアを続けて成績が下がり続けるよりは学業一本でいく方を望んでいる。きっとそれが最良の選択である、ということは谷村にも分かっていた。
だが…
「俺はジュニア辞めない」
父親の目からそれを逸らさず、はっきりと谷村は断言した。
「成績が下がったのは言い訳しようがないけど、それでもジュニアは辞めたくない。辞めたら、この先何をやっても上手くいかないだろうし、それに…」
それに、もう少し神7でいたい。
今はまだきちんと名前を呼んでもらえないし、何かと存在を忘れられがちだし、おしおきやボディタッチも食らうし後輩にも追い越され気味でいいとこなんて一つもないけど、それでもいつか認めてもらえる日が来るまでは逃げたくなかった。
岸くんよりダンスが上手くなって、高橋より凄い特技を身につけて、神宮寺よりエロく…じゃなくてアピールができて、
倉本よりふてぶてしくなって、羽生田よりエリートになって、そして中村におしおきとはまた違ったイジられ方をされるようになって、栗田を逆にアホ扱いをするくらいになるんだ。
そう、不憫2が輝く星になるまでは絶対に逃げない。
「そうか」
父親は頷く。
「なら反対はしない。今以上に自覚を持って努力しなさい」

11 :
理解してくれた。
シンプルな言葉ではあるが、背中を押してくれている気がして谷村は嬉しかった。テストでいい点を取って褒められた時よりも、小学校受験に合格した時よりも、もしかしたら嬉しかったかもしれない。
「はい」
「龍一、お姉ちゃんも応援するからね、今度のコンサート友達と観に行くから」
「龍一、でも辛い時やしんどい時はちゃんとお母さん達に言うのよ、もう白い壁の病院には入ってほしくないから…」
母親と姉も頷き、認めてくれた。和やかな雰囲気が戻り、家族の会話が弾み始める。そしてケーキに蝋燭を灯すと谷村は思い出す。
「そうだ、今日撮影でお祝いをしてもらったんだ。その時にジュニアの仲間が作ってくれたケーキ持って帰ってきたんだよ」
谷村が意気揚々とケーキの箱を開け、その中身を晒すと家族三人とも怪訝な表情になる。箱の中のケーキは電車に揺られたり無造作に扱ったせいで一層謎の物体になっていたからだ。
ケーキは元の大きさのおよそ半分程度で、半分全てを谷村が仲間から撮影で食べさせてもらった、と話すと父親は神妙な面持ちで何度も頷いた。
「そうか…大変なんだな…ジャニーズの活動というのは…お前は偉いな」父親は涙ぐむ
「龍一、後でお腹の薬飲んどきなさい」母親は薬箱の方へ歩いていく
「龍一…」姉は何故か憐れむような眼差しを向ける。
団欒の時を経て谷村が部屋で勉強に励んでいると、ふと空気の入れ替えをしたくなって窓を開ける。心地の良い冷気が頬を撫で、通り過ぎて行った。
窓の外を見上げると、まだ美しい星々は変わらぬ輝きを放っていた。谷村はその冬の大三角、オリオンに誓いをたてる。
「まずは明日の収録をノーミスで終える。小さなことからコツコツと!」
星の瞬きは、「がんばって」と谷村に優しいエールを送ってくれているようだった。なんだかやれそうな気がする。14歳の誕生日がもっとも素晴らしい日であったように、これからの自分はきっと変わっていける。そんな確信すら抱いた。
だが谷村のささやかながらも健気な誓いは果てしない銀河の星雲の間で迷子になってしまったかのようで、そう簡単に叶えられることはなかった。
「うが…ぐぎ…!!」
翌朝、激しい腹痛と谷村は格闘する羽目になる。
原因はやはりあのケーキしか考えられなかった。そうして谷村は地獄の苦しみを抱えながら収録に挑んだのだが神7の誰ひとりとしてその異変には気付いてくれなかったという…

We beheld once again the Stars
おめでとう、不憫2

END

12 :
スレを立ててくれた人ありがとう
これで神7全員バースデーストーリーを書き上げることができ、年を越せます。
少し早いけど2013年が彼らにとって飛躍の年になりますように

13 :
乙ですううう
割と真面目に感動した
谷村これからも頑張れよ

14 :
作者さん乙です
たにむおめでとう!
なんか泣けたよ…
なんだかんだ愛されてるね…

15 :
作者さん乙!
本当これは泣ける…
リアルなだけに余計泣ける…
感動をありがとう!
なんだかんだちゃんとお祝いする神7可愛い!
げんげんには何をもらったんだい?よかったね…羨ましい!
谷茶浜おめでとう!
今日くらいは…んんんんんんたにちゃはまああああああああああああ
>>4
まだスレ埋まってなかったけど容量オーバーで書き込めなくなっちゃったんだって

16 :
もっとネタ要素万歳ので来るかと思ったから
泣いちゃったぜ!チクショー

17 :
しかし筑波の終業式は誕生日の前日が本当なのだった…
さすが谷茶浜

18 :
学校名出すのイクナイ

19 :
舞台裏で祝ってもらえると思いきや休演日で学校は休みとか…
なんていうかもはやある意味持ってるとしかwwwww
物語のなかの一番日照時間が短い冬至が誕生日ってのがじわじわくるわ…
誕生日にまでこのキャラが暗示されてるなんてさすがです谷茶浜
JJLでの「生まれる前からこの結果は決まっていた」ってのもあながち間違いではなかったのか…

20 :
お正月のセクゾコンでたにむいるといいなあ!

21 :
学校も舞台もないってことはゆっくりと家族にこの物語のように祝ってもらえたってことかな
たにーにとっては最良じゃなかろうか

22 :
『君が気付くことのない目覚まし時計』
「岸くーん!起きてー!」
僕と岸くんの家は隣同士。小さい頃からいつもいっしょ。寝起きの悪い岸くんを毎日起こしに行くのが僕の日課だった。
冬はなかなか起きようとしない。
「うるさいなぁ―…」
「岸くん!起きて!もう8時だよ!」布団をはぎとる。
「うっ!さみー!まだ8時だろぉ…えぇぇぇぇ!やっばい!」
あわてて身支度をすませた、寝ぐせだらけの岸くんと一緒に登校する。これが僕の幸せの時間だった。
だけど、そんな時間は長く続かない。
ある日おつかいを頼まれ外に出ると、岸くんも玄関に出ていた。
「あれ?どっかいくの?」
「あぁ、うん、ちょっと!」
そう言って岸くんは駆け出していった。
おつかいの帰り道。
(明日はイヴかぁ…プレゼントよろこんでくれるかな?去年は…)
毎年恒例となっているプレゼント交換のことを思い出しながら家のそばまで行くと、そこには岸くん。と、かわいい女の子。

23 :
リリリリリリリリリリリリリリリ
「んっ…うるさっ」
リリリリrカチッ
「起きた?岸くん」
「…颯?」
まだ完全に開いていない目で僕を見た。
「メリークリスマス、岸くん」そう言って岸くんに渡したのは目覚まし時計。
「おぉ―!ありがとう!めっちゃ早く起きれたじゃん俺!あっこれ!」
すぐそばにあった可愛らしくラッピングされた袋を、
「メリークリスマス、颯」あの笑顔で渡されたから気持ちが揺らぐ。でも、もう決めたんだ。
「あのね、岸くん。僕もうここにはこない。」
「へ?」
「だってほら、さっき起きれたでしょ」岸くんが持っている小さな目覚まし時計を指さす。
「それに毎朝僕と登校してたら彼女さんにも悪いしさ」
「…」
「それ音響くからちゃんと止めてね。あと昨日はごめん。話してる途中に家の中入っちゃって。」
よいしょと椅子から立ち上がり、岸くんの学習机のそばに戻す。(よくここで勉強教えてもらったけ…あ、まずい)視界がぼやける。
「じゃあね岸君」声が震えた。
「颯!待ってて!」
遮るようにして部屋を出て行った。(あ、また勝手に出ていっちゃった…)
自分の部屋に戻り、泣いた。
あれから一年。今年のイヴは休日だとみんな騒いでいる。岸くんたちはまだ続いているらしい。
あの日から全く話さなくなったけど(僕が避け続けたんだけど)岸くんが幸せなら僕は、
「!」
隣の家からまた聞こえてくるあの音。あれでちゃんと起きられると思っていた僕は間違っていた。でもそれでもいい。
僕は今日も君の幸せを祈る。
『君が気付くことのない目ざまし時計』の音を聞きながら。
「メリークリスマス、岸くん」

24 :
「きし、くん?」
「おう!颯!」
なんでもないように手を振ってくる。僕が固まっていると、
「俺彼女できたんだ!」満面の笑顔。僕の大好きなあの、笑顔。
「いや―いきなり呼び出されちゃってさー」(岸くん、彼女顔真っ赤だよ)
「俺もびっくりしてさー」(もういいよ、岸くん)
「そんでー「もういいよ!!」
自分で出した声なのに、自分自身びっくりしている。
「もういいよ…岸くん。バイバイ。」
無理やり作った笑顔でそう言って足早に家の中に入った。階段を駆け上がり、ベッドへ倒れこむ。
「べらべら喋りすぎだよ、岸くん」近所のおばさんがチラチラ見ていた。
「岸くん家のお隣の宮本さん、すごい顔してたよ…」宮本さんは昨日振られたばかりだ。
「もう知らないんだから…回覧板飛ばされても、無視されても知らないんだからぁ…」
布団に染みがしみこんでいく。
好き。好きです岸くん。
でもこれ以上傍にいると、止められなくなりそうで…
でも、いいチャンスなのかもしれない。岸くんから離れるための…
24日。クリスマスイヴ。決心した。

25 :
投稿する順まちがえました。ごめんなさい。

26 :
岸颯幼馴染なんだぁ。。
岸君 カノジョ・・
泣く子がいっぱいだなぁ。。
でも 幸せならイイヨ!!
メリクリ話 ありがとう!!
神7のみんな メリ−クリスマス!!

27 :
神7楽屋劇場 番外編 「我らTravis Japan 世界中の全ての人にMerry Christmas!!」

街にはイルミネーション、楽しげなクリスマスソング、寄りそうカップル、プレゼントを買いに行く親子連れ…
今年も定番の風景を拝みつつトラヴィス・ジャパンの面々はそれぞれ足早にコンサートホールへと向かう。浮かれ気分とは正反対の厳しい舞台が待っていた。クリスマスだなんて浮かれてんじゃねえ!と振付師が副音声を放っている。
せめて気分だけでも…と楽屋でメンバー同士でクリスマスパーティーを、と持ちかけたのは(自称)リーダーの吉澤閑也だった。公演も無事終わり、緊張も解けてホっと一息楽屋に戻ったのだが…
「ちょ、顕嵐、見てくれ!新作モノマネ「ミロのヴィーナス」!!」宮近はギリシャ彫刻になりきっている。
「あーうん。似てる似てるーあっはっはー」生返事で顕嵐はライトノベルの続きを読み始めた。
「ジュワ!ジュワ!」梶山はもう着替えを済ましてウルトラマン衣装に身を包み何やらなりきっている。
「スキヨ!スキヨ!スキヨ!ウッフン!」スナック菓子片手に海人はアニメソングを熱唱中だ。
「おいお前ら、今日はなんの日だ?」
吉澤は好き勝手に過ごすメンバーに問いかける。一瞬の沈黙の後、彼らは興味なさげに答えた。
「なんの日って…クリスマス?寒波が来てるみたいだから雪降るかもね」下半分をメモ帳に使えそうな小説を顕嵐は熱心に読み続ける。
「きっと君はこ〜な〜い〜一人きりのクリスマスイ〜ブ」宮近は定番ソングを歌いだした。
「ワイルド梶山は宗教にはこだわらないぜ!」梶山はスペシウム光線を海人に打つ真似をする
「とりあえずチキン食べようよ」海人がむしゃむしゃと食べながら言う。何故か楽屋にはケ○タッキーのパーティーバーレルが運ばれていた。
「まったくお前らと来たら…少しはリーダーである俺の言葉に耳を傾けたらどうなんだ…ぶつぶつ…ああこのお風呂れあた…中村可愛いなぁ」
ぶつくさ言いながらチキン片手に吉澤はMyo○oを読み始める。
「クリスマスって言ってもね〜俺らは舞台やってそれでおしまいだしね〜。サンタでも来てくれれば盛り上がるんだけど」
宮近がポテトを口に何本もはさみながら呟いた。それを見て顕嵐がコーラを吹く。
「ワイルドな俺はサンタには苦い思い出があるぜ…漢字の練習帳という目を疑うようなプレゼントがトラウマだぜ…」ヘーゼルショコラを手でつまんで梶山は一口でいった
「ぴったりのプレゼントだと思うよー。あ、すみませーんピザの注文お願いしまーす」海人は早々と追加注文に勤しんでいる。
「サンタか…俺もサンタを信じたかった…。だが俺の家は兄弟が多いがために物心つく前からそういった幻想は兄弟達にぶち壊しにされたっけな…ああ、このポ○ロのれあた…中村も可愛いなぁ…」
吉澤が顔をにやけさせつつ愚痴っていると楽屋のドアがふいに開く。5人が目をやるとそこには赤い帽子に赤い服、白いおひげのクリスマスのスーパーヒーローが…

28 :
「メリークリスマス!岸サンタでーっす!」
そう、サンタクロース…の格好をした岸くんがつけ髭をして元気いっぱいに楽屋を訪れた。が…
「あ、あれ?皆さん、なんか冷めてません?もっとこう…パーティーしましょうよ!」
はっきり言って岸サンタはサムかった。トラヴィス達が冷たい視線を送っていると岸サンタはみるみるうちに汗だくになる。
「同じ17歳ながら同情するわ」吉澤は皮肉な笑いを浮かべた
「岸くんそれいつ頃から考えてたの…?」宮近が憐みの眼を向ける
「その衣装着てる時の姿を想像すると…」顕嵐はいたたまれなくなる
「んー…その袋にはお菓子かなんか入ってるの?」海人が岸サンタの持っている袋を指差す
「いや…これは衣装用で何も…」
「つまらん…とりあえずワイルドな一発芸でもして次行ってくれ」
梶山が促すと岸くんはしゃちほこクリスマスバージョンを披露したが大してウケず、吉澤に普段の苦労を愚痴り始めた。そしてまた楽屋のドアが開く。
「メリークリスマス!颯サンタです!今日も世界の平和のために回り続けます!地球三周くらいは行けます!」
「…」
岸くんと似たような展開だったが高橋はトラヴィス達の冷めた反応にも全く臆することなく問答無用で回った。回って回って回って…
「ぅおえぇ…!!!」
ここへ来る前に神7でクリスマスパーティでもしてしこたま食べていたのか、高橋は自分の回転に酔って吐きだした。楽屋内は一時騒然となりトラヴィス達は後始末に追われる。間の悪いことに大量のピザが届いてしまった。
「岸くんサンタに介抱されるなんて…」
颯サンタが幸せの悦に浸っているとまたドアが開く。
「チョリーッス!クリスマスなのに野郎ばっかで寂しいクリスマス過ごしてるお前らに神宮寺サンタが素敵なクリスマスプレゼントを届けに来たぜ!」
チャラチャラしたサンタが入ってきて袋の中から中学生でも買えそうな微妙なエロ系雑誌が配られた。そして得意げにスマホを動かし、
「これどうよ!!サンタコスもの!!やっぱよー、定番って飽きがこねーよなあ!!」
吉澤は少し可哀想になった。兄弟の多い彼は中学生の頃にはもう兄達のおさがりで充実した思春期ライフを送っていたのだから。一人っ子って大変なんだな…としみじみ思う。
せめてもの情けにこの中村(嶺)にちょっと似た女の子のグラビアでも有り難くもらっておくふりをしておいた。
一方、宮近はノリノリである。梶山も興味を示しやや盛り上がったものの二次元寄りの顕嵐と海人の反応はイマイチだった。
楽屋内がゲ○の臭いから次はイカ臭くなり始めるとまた別のサンタが入ってくる。

29 :
「みずきお前のためにかおるサンタがやってきたぞ!!さあ今宵の聖夜は俺とお前のロマンティックリスマスだぜ!!」
張りきってやってきたかおるサンタは楽屋を間違えたことに早々と気付き、去ろうとした。だが放置されていたピザの山をみるとどっかりと腰を据え始める。
「食ってるとこ悪いけど井上さっきロクネンジャー達と帰って行ったよ」
顕嵐は親切心で教えてあげたのだがショックをうけ八つ当たりを始めたかおるサンタに読んでいたライトノベルにピザソースをかけられ涙ぐむ。
「あーなんか…おすもう…じゃなくって倉本くんが食べてるの見たら食欲復活してきちゃった。よーし負けないぞ」
海人はかおるサンタと大食い合戦を始める。ピザの山がどんどん片付けられて行った。追加も次々にやってくる。
吉澤と梶山と宮近が見ているだけで胸やけをおこしかけているとまたドアがノックされる。
「メリークリスマス、あむサンタだ。鼻は高いがトナカイではなくサンタとして登場だよ。おや、なんだこの部屋は…やけにイカ臭いな…」
鼻をひくつかせ、あむサンタはあつかましくチキンとピザを食べ始めた。
「ふむ…これがケン○ッキーのチキンか…まあ悪くはないな…。七面鳥のほうがクセがなくて好きなんだが…おや、シャンパンはないのか?ケーキはこれだけか?」
質が…と愚痴り始め、何やら携帯電話で注文を始める。程なくして豪華なクリスマスオードブルやケーキが届くとまたサンタがやってきた。
「メリークリスマッス(セクサマ風)れあサンタだよぉ」
中村がサンタコスで現れた。それまで黙々と食べていた吉澤と顕嵐は色めき始める。
「れあた…中村サンタ!可愛いなぁ…ああでも欲を言うなら下はスカートでズボンは穿かずニーハイにしてくれたら言うことなしだ…」吉澤は涎をこらえている
「れいあ君…よく似合ってるよ…!まるで綾○レイのようだ…!いや、れいあ君はアスカかな…『アンタばかぁ?』って言われたい…」顕嵐は大きな目を輝かせ、紳士的口調でオタク気質を全開フルスロットルだ。
「とりあえず記念撮影を…」
二人がれあサンタと2ショット写メを撮ろうとするとまた乱暴に楽屋のドアが開く。

30 :
「れいあお待たせ!トナカイの衣装ややこしくて時間くっちまったぜ!!」
トナカイの着ぐるみに身を包んだ栗田トナカイが酒ヤケ声を張らせながら入ってくる。そして2ショット写メを撮ろうとする吉澤と顕嵐を蹴散らした。
「れあサンタは俺のだし!だーからやだったんだよ!れいあにサンタコスで登場させるの!こういう虫が寄ってくるから!!」
「でも栗ちゃん僕もう着ぐるみはてんとう虫で十分だよぉ。栗サンタも見たかったけどぉ」
「れいあ後で個人的に見せてやるから我慢しろよ。今夜はサンタプレイだぜ…」
「栗ちゃん…」
中村と栗田がいちゃいちゃし始めたその頃、楽屋の外では一人の男が待機していた。
「落ち着け…落ち着くんだ谷村龍一…お前は変わるんだ。そう、この格好で『メリクリ!!谷サンタが街にやってきたよ!!』と明るさ全開で行けばもう冬至男とはおさらばだ…そうだ…俺は変われるんだ…」
谷村は「人」という字を三回、掌に書きそれを飲みこむ。
よし、大丈夫だ。これで緊張は飛んで行く。クリスマスと共に谷村龍一は生まれ変わる。皆の笑いの中心にいる明るい男になるんだ。イエス・キリストよ今宵の聖夜に奇跡を、アーメン…
十字を切って谷村は勢い良く楽屋のドアを開いた。
「メリク…」
リ、と言う前に谷村の目の前は真っ暗になった。と同時に顔中に何やら甘ったるいべちゃべちゃしたものが…
「ぶぇ!!」
息ができなくて、思いっきり吹くとそれがパイであることがようやく理解できた。しかし次々に飛んでくる。
楽屋の中はシャンパンでほろ酔いのトラヴィス・ジャパンと神7の面々でパイの投げ合いが繰り広げられていた。誰も谷サンタにリアクションをしてくれない。
そうしているうちに衣装も何もかもパイまみれになり谷村は再び暗黒に落ちて行った。やっぱり人は簡単には変われないのである。奇跡はまだおあずけだ。
そうしてクリスマスにどんちゃん騒ぎで楽屋の中をパイまみれにしてトラヴィス代表で吉澤が、神7代表で岸くんが二人して大目玉を喰らったのだった。

END

31 :
作者さん乙!
メリークリスマス♪
神7もトラビスもクリスマスに相変わらずなwww
クリスマスでも生まれ変われない安定の谷茶浜www
あらんがヲタ丸出しなのと(自称)リーダーのしずやがwww
きっとあのあとあらんはエヴァヲタのほうの中村と綾波レイやアスカについて盛り上がったことだろう…
みんなにメリークリスマス♪

32 :
作者さん乙です
神7クリスマスお祝いできてるかなぁ
神7対トラビスは安定の面白さw

33 :
れあサンタ…ゴクリ

34 :
んんんんんんトラ7んんんんんん

35 :
Daemon Irrepit Callidus(悪魔は忍び寄る)

「はいお疲れ様でした〜」
スタッフの号令と共に撮影が終了する。軽食を済ませてロケバスにばたばたとみんな乗り込んでゆく。陽が傾きかけてオレンジ色の光が白いバスを染めていた。
「さっむぅ〜」
スタジオの外に出ると、寒風が身を突きさすように吹き抜ける。中村はPコートを着込みながら身を縮みこませた。
車内は暖房がよく効いていて、コートを脱いで網棚に置く。岸くん、高橋、神宮寺、羽生田も乗り込みそれぞれ寛ぎ始める。そしてマネージャーが乗り込むと点呼を始めた。
「岩橋は?」
マネージャーが皆に訊く。が、顔を見合わせて誰もが首を横に振った。
「さっきまで一緒にスタジオから出てきたと思うんすけど」
神宮寺が答えると、微かに岩橋の声が響く。彼は息を乱しながらバスに慌てた様子で乗り込んできた。
「すいません…忘れ物をして…」
「おいおいしっかりしろよ。あやうく忘れて発車するところだったぞ」
「すみません…すみません…」
マネージャーに頭を下げながら、緩慢な動きで岩橋は席につく。皆がやれやれと肩をすくめた。

「ねえ中村、こないだね、オルタナティブロック系で凄くいい曲見つけたよ。アイポッドに入れたから聞いてみて」
岩橋がそう話しかけながら鞄を探っている。だが彼は「あれ?」と言いながら一生懸命に中身を出す。
「おっかしいな…確かに入れたのに…」
「どっか違うポケットに入ってるんじゃないのぉ?」
「そんなはずは…でもおかしいな…」
「ていうかぁ…鞄の中身ぐっちゃぐちゃぁ。それじゃあすぐ出てきやしないよぉちゃんと整理しなよぉ」
一緒に整理してやると、鞄の底からアイポッドが出てきた。が、肝心のイヤホンがない。
「あ、さっき撮影の休憩中に神宮寺にイヤホン借りた時に外したまんま置きっぱなしにしてきちゃった…」
岩橋は眉を下げて困り顔をする。中村は溜息をついた。
「もぉ…しっかりしなよぉ。高校生でしょぉ」
「だって…」
この頼りなさが岩橋のいいところでもありそうでないところでもある。仕方なくアイポッドは諦めてしばらくはバスの中でみんなでわいわいと雑談をしたり、携帯電話を見たりして過ごしたが徐々に皆眠気に襲われて静かになり始める。
中村も、うとうと…とまどろみに身を任せた。

36 :
「…?」
ふいに、異変を感じて中村は目を覚ます。といってもそれははっきりとした覚醒ではなく、夢と現実をふらふらと行き来する心もとない目ざめではあったが…
窓の外はもう完全に陽が落ちて真っ暗だった。車内の照明も抑え気味で薄暗い。静かだからみんな眠っていることは明らかだ。
「…?」
すぐ側に誰かが密着している。息遣いが耳元で聞こえた。
だんだん意識がはっきりしてくると、腰のあたりをなにかが這っているのが分かる。くすぐったくて思わず身をよじった。だが腰を這っているものは下へ伸びて行く。
「なぁに?だれぇ…?」
少し苛ついた声で問いかけると、薄闇にその顔が浮かびあがる。一気に意識は現実へと引き戻された。
「岩橋…?」
すぐ側に岩橋の顔があった。だが中村が驚いたのはそれではなく、彼の表情である。
そこにはいつもの少し頼りなくてささいなことにおどおどして、つまらないことにも笑ってしまうツボの浅い、人の良さそうな岩橋はいなかった。
狂気じみた瞳がそこにあった。中村はそれにぎょっとしたのである。
「静かに」
囁き声が耳を撫でる。何故静かにしなくてはならないのだろう…中村は不思議に思うと同時に自分の腰付近に当てられた岩橋の手を掴む
「くすぐったいからやめてよぉ。ていうか寝てんだから邪魔しないでぇ」
「じゃあ寝てていいよ」
そう囁くと岩橋は手の動きを加速させた。手が腰から尻にまわってくる。
「ちょっとぉやめてぇ」
撫で方がいやらしい。普段の岩橋は多少ボディタッチは多めだがこんなにタチは悪くない。まるで別人だ。
「駄目だって。声出したら気付かれるよ。皆寝てるけど運転手さんは起きてるし」
まるで何か獲物を狙う獣のような…飢えと渇きと貪欲さがその眼には溢れている。何かが乗り移ったかのようで、これは本当に岩橋なのだろうかと中村は疑った。
「中村は、本当に可愛いよね」
岩橋は囁く。手の動きはいよいよ卑猥さを増してきた。
「肌もこんなに綺麗で、声も可愛くて、いい匂いがする。これでみんなを誑かしてるの?」
「何言って…あ」
手が、衣服の中に侵入した。敏感な部分を刺激され。思わず声が出てしまって中村は焦った。

37 :
「ちょっといい加減にしてよぉ…怒るよぉ」
「怒ったところも可愛いんだよね」
くすくす笑って、まるでからかうように言った後岩橋は今度は足をからめだし中村を拘束し始める。
野球をやっていたのはだてではない。体格はそんなに変わらないのに腕力はずっと岩橋の方が上だ。抵抗してみたが、がっちり固められてしまっていて身動きがとれない。
「やめて…」
「やめないよ」
「やだ…」
「僕を栗田か岸くんだと思えばいいじゃないか。それなら抵抗なく感じれるんじゃない?」
意地の悪い口調で囁くと岩橋は手の動きを早めてきた。否が応にも体が反応してしまう。
だけどここは車内だ。大きな声を出して他のメンバーやマネージャーが起きてしまったり、運転手に聞こえてしまったら恥ずかしくい。だから必死に中村は声を殺した。
「…く…う…」
「我慢するのって体に悪いよ。思い切って声出したら?」
岩橋はくすくす笑っている。中村は呪詛をこめてこう呟いた。
「…この…悪魔ぁ…」
それが聞きたかった、とでも言うかのように岩橋は満足げに鼻を鳴らし、
「悪魔が天使を穢す…これって凄く背徳的だと思わない?」
それから程なくして中村は岩橋によって絶頂に導かれた。

「あのう…なんでそんなに冷たいの…?」
中村の背中にそう声をかけたがしかし彼は振り向きもせず早足で歩いていく。岩橋は必死になりながらそれを追った。
「知らなぁい。自分の胸に手を当てて聞いてみればぁ?」
言われた通り、胸に手を当ててみた。だが思い当たるふしがない。
どうも昨日の撮影から中村の態度が急に刺々しくなった。何か怒っているようだがわけがわからない。だが中村が不機嫌オーラを発しているからなのか、誰も岩橋にフォローにまわってくれる気配がなかった。腫れものを避けるようにして皆去ってゆく。
「僕が何をしたっていうんだ…いじめだ…これはいじめだよ…」
悲しい過去がフラッシュバックする。悲劇に浸ろうとするとしかし、中村の絶対零度が降り注いだ。
「あんなことしといて被害者ぶるのぉ…?ほんっと悪魔だよねぇ…デーモン岩橋ってこれから呼ばせてもらうよぉ」
あんなこと…?あんなことってなんだろう…岩橋は首を捻ったが中村は頬を膨らませて腕を組んだ。
「岩橋はぁ暗くなると人、変わりすぎぃ」
そう言われて初めて岩橋は気付く。そうだ、暗くなると自分でもよく分からないうちにやらかしてしまってることが過去にも何度かある。
どうもその時の記憶はうすぼんやりとしているのだが…

38 :
だがそれならちゃんと理由がある。岩橋は焦りながら中村に言った。
「どうもその…暗くなるとね、ちょっと普段と違った自分になってしまうというか…。僕は小さいころから小心者で、悪ふざけとかそういった類のことがどうしてもできなかったんだ。
そうしているうちにヒーローものの番組を見ても少年漫画を見ても主人公より悪役に心惹かれてしまうようになって…。
一度でいいから罪悪感も何もかも彼方にやって思いっきり非人道的行為に手を染めてみたいなんて思ったりしちゃったりして。
毎晩暗くなった部屋の布団の中で自分が悪役になりきる妄想で眠りについてたもんだから…ちょっと時々それが現実に出てしまうと言うかなんというか…。可哀想な心の闇なんだ。理解してもらえるだろうか?」
悲しい性質である。非人道的行為に手を染めてみたいという好奇心を脳内だけで満たす幼少期、少年期…そんな哀れな小羊を誰が責められようか。いや、できない(反語)。きっと中村も分かってくれる。
具体的にどんなことをしちゃったのかちょっぴり興味はあるけれど今はこの絶対零度女王様の気を少しでも鎮める方が先だ。
「中村…分かってくれるよね」
恐る恐る問いかけると、中村は振り返った。その表情はもういつものふんわりやわらかれあたんに戻っている…ように思えた。
その中村は穏やかな口調で答えた。
「うん。分かるよぉその気持ちぃ」
「ああ…ありがとう…やっぱり君は天使…」
中村はにっこり笑った。天使のれあたんスマイル。そう、ドS女王様は谷村相手にだけでいい。
年下だけどしっかり者の中村は、ちょっと頼りないこんな岩橋玄樹を「もぉ〜」と笑いながらつっこんでくれる、そんな存在でいてほしい。持つべきものは仲間。そう、友達なのだ。
岩橋が感涙に浸っていると、中村は次にこう言った。
「でも、それとこれとは別ぅ」
その眼は絶対零度のドSそのもので、無条件降伏以外の選択肢はなかった。
岩橋はそれから一週間胃薬漬けの毎日を送った。

END

39 :
作者さん乙!
デーモン岩橋ktkr!www
れあたんでいい思いしたツケに腹痛に悩まされるんですねわかります
いつもの作者さん…
この展開はお酒飲んだね…?www

40 :
忘年会シーズンだからねぇ
んんん天使と悪魔のお戯れ萌えええええええええ

41 :
作者さん乙ですぅぅぅ!
ナイスな感じの展開で、新たな岩橋くんの一面が…!

42 :
久々の岩橋登場と思いきやとんでもない性癖が明らかにw
M誌のれあたんのチクリネタをここまで展開させるとは…!乙です

43 :
年の瀬にまたとんでもない爆弾が投下されたなw
この二人いけるでえ

44 :
作者さん今年も面白い作品楽しみにしてるのでよろしくお願いします!

45 :
神7も作者さんたちもスレのみんなもあけましておめでとう!
今年も神7を愛でながら作品を楽しんでいこう!

46 :
2013年もそれゆけ!神7 A HAPPY NEW YEAR&WELCOME TO NEW COMER!!

2013年、年が明けてからも神7達は舞台にリハにカウントダRンサート観覧に大忙しである。そんなほんの少しの合間をぬって久々のはにうだ観光だ。実に二カ月ぶり。覚えている人ももう少ないだろう。
冬と言えばやはり温泉。しかしどこの宿も予約でいっぱいになるこの時期、ほうぼう探してやっと見つけたのがまさに秘境ともいえる場所に立つ温泉宿である。
最寄り駅である無人駅からさらに車で一時間半、まさに仙人の暮らすような里にそれはあった。
迎えのマイクロバスに揺られること数十分、早くも異常をきたした男が一人…
「…お腹がいたい…」
涙目、そして震える声でその男は呟いた。だが盛り上がってしまっている神7達は誰ひとりとして聞いていない。
「おーんせん!おーんせん!」岸くんは腕を振ってランランである
「岸くんと温泉…裸の付き合い…」高橋は夢いっぱいである
「露天風呂は混浴だよな!な!」神宮寺は期待に胸を躍らせる
「温泉まんじゅう売ってねえかなー」倉本はおせちの残りを弁当につめてむしゃむしゃやっている。
「おせちもご馳走も少し飽きたしな…たまには旅館で簡素な食事もいいだろう…」羽生田は何故かモデルガンの手入れをしている
「栗ちゃん背中流してあげるねぇ」中村は幸せそうに栗田に寄り添っている
「れいあ今度こそ浴衣着てくれよな!新年一発目は浴衣プレイだぜギャハハハハハ!」栗田はバカ笑いを放っている
「2013年は不憫2から脱却…ああでもこれじゃあ…」谷村は初詣で引いた「大凶」のおみくじを見て溜息をつく
「誰か…誰か運転手さんに次のPAに停まってくれるよう頼んで…」
痛む腹部を押さえつつその男…岩橋玄樹は消え入りそうな声で訴えた。だがその声は掻き消されてしまう。
神7入りして久しい彼はしかしはにうだ観光初参加である。野球が得意な16歳。持病は腹痛。正露丸をもってきたものの水を忘れて大失敗である。そうこうしている間にもしくしくと腹痛は進行してゆく。
このままでは悲惨なことになる。腹痛から連想されるもの、そう、それは…
いや、それだけは駄目だ。僕はアイドルだ。そんなこと死んでもできない。ファンの子に幻滅されたくない。
必死な岩橋は誰なら聞いてくれるか一人ずつ眼で追いながら分析した。

47 :
岸くん…は駄目だ完全にノリノリになってるし第一自分の座っている位置から遠い
高橋…も駄目だ。「岸くんと温泉」というシチュエーションに完全に舞い上がっていて人の話を聞いてくれない。
神宮寺…も駄目だ。「腹痛プレイか!やっぱスカ○ロ最高!!」とか言って動画検索を始めてしまう
倉本…も駄目だ。食べてる最中の彼は何も耳に入らないし邪魔をすれば噛みついてくる。
羽生田…も駄目だ。モデルガンをいじる眼が殺人鬼みたいになっている。最悪それで撃たれてしまうかもしれない。
中村…も駄目だ。栗田といちゃいちゃして話に耳を傾けてくれない。
栗田…も駄目だ。同じく中村といちゃいちゃしている時には何を話しかけても「ギャハハハハ!」で返ってくる。
かくなる上は…もうこいつしかいない。頼りないが、溺れる者は藁をもなんとやらだ。岩橋は谷村に狙いを定めた。ちょうど隣に座っている。
「谷室、谷室…ちょっと運転手さんのところまで行って「次のPAで停車して下さい」って頼んでくれないかな…」
「谷村だけど」
「一文字違いぐらい大目に見てくれ…。頼む…しくしく痛むんだ。辛いんだ…」
「高速道路じゃないから…PAなんてないと思う。どうしても我慢できないなら停まってもらってどっかそのへんで…」
「アイドルにそのへんでやれっていうのか!?ああ、これはいじめか!そうか!そうなんだな!」
なんという屈辱。2つも年下の子からもこんな仕打ちを受けるのか僕は…岩橋は悲観にくれた後、怒りを谷村にぶつける。おっとり控えめな彼も何故か谷村には強く出ることができた。
「誰もそんなこと…そんなに大きな声出るんなら自分で言ってくれば…」
「ブーメランの時のことを根にもってるんだな?勝てなかったのは僕のせいだと…」
「だから誰も根にもってないってば…ああもう新年早々…これもやっぱり大凶を引いたからだ。そうだ、このバスは地獄行きの超特急だ。
温泉で溺れたり、やまんばに襲われたり、井戸に落ちて忘れて返られたりするんだろうなきっと…」
ネガティブと腹痛の低次元な言い合いをよそにバスは山奥へと走って行く。そうして一時間半、ようやく目的地へと神7達は辿り着いた。

48 :
温泉宿は古びてはいるものの一通りの施設が揃っていて、客も少ないからほぼ貸切状態だった。
「温泉といえば卓球!!『子どもの家』で鍛えた腕を今こそ見せる時が来た!」岸くんは早速卓球台を見つけてはりきって挑んだ。
「岸には負けないよぉ」中村はぶりっこモードを解除した
岸くんと中村がガチリンピックの再戦をしている横では高橋VS神宮寺の闘いが繰り広げられていた。
「神宮寺くん…僕が勝ったらWゆうたは封印してもらう…!」高橋は松岡修造モードに入った
「ちょこざいな!岸くんはどうでもいいが年下に負けるわけにはいかん!」神宮寺はエロモードを封印した
そしてその隣の台は羽生田と栗田が対戦していた。
「アホに負けるわけにはいかないな。エリートとしてのプライドがある」羽生田はグリップを強く握りしめた。
「ギャハハハ!俺がおめーに負けるわけねーし!特にからみねーけど!!」栗田は余裕で受けている
「あー、みずき?何やってんの?お前もくれば良かったのに。何!?ロクネンジャーでもちつき大会だと!!なんで俺を誘わねーんだよ!!未来の夫なのに!!」
倉本は井上と電話をして喧嘩をしていた。その横では…
「卓球部だなんて卑怯な…僕は野球部だからこんな小さな球打てないよ…お腹痛い…」岩橋はまたお腹を押さえている
「…まあ一回戦で負けましたけどねガチリンピックも…」谷村はネガティブモードから抜け出せない
わちゃわちゃしながら卓球大会を繰り広げた後、ロビーで休憩をしていると老人会の一行のような団体がやってくる。神7達を見ると孫を可愛がるようにフレンドリーに接して来てくれた。
「おじいさんの若いころにそっくりじゃのう…この法令線」岸くんはおばあさんに法令線を撫でられる
「ほう…それわしにもできるかの。ちょっと教えてくれんか?」高橋はヘッドスピンを披露すると杖をついたおじいさんがやる気になり始めて困惑する
「Rモノ…いや、これは老婆モノか…新ジャンル、いけるかな…」神宮寺は新境地を開こうとしている
「饅頭ありがとばーちゃん。そんでさーみずきってばひでーんだよ俺は未来の夫なのに」倉本は饅頭食べ食べおばあちゃん相手に愚痴を聞いてもらっている。
「はにうだあむです。は・に・う・だ・あ・むです。」
「はえ?あにゅうどえむ?」
「ですから僕はドMではありません。ドMはそこの暗い男です」羽生田は何度言っても名前を聞きとってもらえない
「うちのひいおばあちゃん90歳超えててぇ。でもまだ元気なんですぅはい毎年遊びに行っててぇ」中村はほうじ茶片手に盛り上がっている
「ギャハハハハハ!じいちゃん入れ歯飛び出してんぞ!おもしれーギャハハハハ!」栗田は老人に大ウケだ
「…はい。そうなんです。何言ってもしらけるし名前も覚えてもらえないし勝負事には勝てないし…もう人生どうしていいか…」谷村は老人相手に悩み相談を始めた
「お腹が痛くて…。はい?あ、漢方薬ですか。有り難く頂戴いたします…」岩橋は老人から手渡された漢方薬を服用した
お年寄りと盛り上がり、温泉を楽しみ、その夜は美しい星空を眺めながら神7達は温泉旅行を満喫する。
お年寄り達は神7をいたく気に入った様子で宴会場でも色々と親切にしてくれた。親切で親切で…そしていつしかおかしな展開に向かって行った。

49 :
「岸くんとやら、あんたもう17歳ですってねぇ…来年には18歳。あらあらいけないわあ…18になったらもうお嫁さんをもらわないとねぇ…うちの孫なんかどうかしら?」
岸くんは何故かお見合いを薦められる。
「いや…俺はまだ結婚とか…ちなみにお孫さん美人ですか?」
満更でもない岸くんに高橋は悲鳴をあげて断固阻止を始めた。
「き…岸くん!駄目だよけけけけけ結婚なんか!駄目ですよおばあさん!岸くんはですね、異常に汗っかきなんです!洗ってない犬みたいな臭いがするんです!だからまだ結婚なんか駄目ですうわあああああああああああ」
高橋は高速ヘッドスピンを始めた。岸くんが慌てて止めても回転は止まらない。
そしてこちらでは…
「神宮寺くんええ男じゃの〜私がもう70年若ければの〜」
神宮寺は老婆に逆ナンされていた。オレンジジュースで乾杯しながら神宮寺は葛藤する
「ううむ…俺のRをここで捧げるべきか…いやしかしこんな妥協は…だけどもう「永遠のR、渚のチェリーボ−イ神宮寺」なんていう不名誉なリングネーム捨ててえし同級生に先越されたくないし…」
「神宮寺くんは年上は嫌いかの〜」
老婆は迫ってくる。80過ぎとは思えないくらい力強く手を握ってくる。その皺に隠れた眼がぎらついていた。
「いえ年上は大好きっす。ただその限度というものが…いやでも俺はなんでもいける男…」
神宮寺が70歳の年の差を妥協すべきかどうか悩んでいる横では倉本が説得されていた。
「そんなはしたない嫁は捨てなされ!夫をおいて他の男ともちつき大会などとけしからん!君にはもっとふさわしい嫁がいるはずだ。
何、わしの知り合いの娘さんがちょうど婿を探しとる。ちゃんこ屋を経営しとるからぴったりじゃ!」
「でもよーみずきより可愛い嫁ってそうなかなかいねーぞじいちゃん。ちゃんこ屋は魅力だけどよ…っておい何電話してんだよ!俺はまだOK出してねえぞ!」
倉本の訴えを無視しておじいさんはどこぞのちゃんこ屋にお見合い斡旋を始めた。
「そうじゃ。ぷにぷにしておるから店のいい看板ボーイにもなるぞ。まだ年は12歳だがの。何ほんの6年待てばいいんじゃ」
「やめろってば!俺はみずき一筋なんだから!」
倉本の隣では羽生田が老婆に囲まれていた。
「うちの娘もらってくれんかのう…えりーとなんじゃろ?」
「いや、エリートとこれは全然別問題ですよ。それに僕は15歳だからまだ結婚できませんし」
「死んだおじいさんに似とる…わしと第二の人生をやりなおさんかえ?どえむ君?」
「あむです。第二も何も僕はまだ一回目の人生ですから」
「うちの家メロン畑経営しとるんじゃが婿に来んか?」
「メロン…いやいや迷ってなんかいないぞ。メロンは好きですがそんなので人生棒に振りたくありません。…ちなみにメロンの種類は?」
羽生田がメロンにぐらついている一方で中村がちょいワル老人に口説かれていた。

50 :
「可愛いのう…肌もこんなにすべすべじゃ…可愛いのう…」
「はぁい毎日寝る前には化粧水塗ってぇお肌のために早寝してますからぁ」
「どうじゃ?わしの愛人にならんか?可愛がってやるぞ…」
「ごめんなさいおじさぁん。僕には栗ちゃんっていう恋人がいますからぁ…」
「何を言う、恋人がいてもかまわん。わしにも他に15人の愛人がいる。まだまだ若いもんには負けん」
その栗田はというと何故か正座させられお説教を喰らっていた。
「いかん!いかんぞ!男同士の結婚など許されるはずなかろうが!親が嘆くぞ!孝行したい時に親はなし!ちゃんと勉強して女性の恋人をもらって子孫を残すんじゃ!」
「でもよーれいあより可愛い女とかいねーし俺達愛し合ってっしー」
「黙れ小僧!!貴様はまだわかっとらんのだ!!種の繁栄に背く恋愛など神が許すはずもない!良し分かった。わしが貴様のその根性を一から叩き直してやる!
ついでにわしの娘も紹介してやる!明日から我が家の入り婿として迎え入れてやるからありがたく思え」
「え、ちょ…ちょっとまてよおっさん!」
「おっさんではない!お義父さんと呼べ!」
「わっけわかんねー!俺の父ちゃんそんな年とってねえしー!」
栗田がわけの分からない入り婿騒動に巻き込まれかけていると谷村は怪しげな占星術によって人生の軌道修正をされようとしていた。
「このままじゃとあーたの人生は碌な事がなく不憫一直線じゃ。そうならないためには今すぐ頭を丸めて出家するんじゃ。この世の俗物とは断絶し、煩悩を捨てるのがただ一つの道と出ておる」
「え…しゅ、出家って…?」
「ふうむ…あーた特殊な性癖もっとるじゃろ。ドMでおしおき好き…そしておでんが嫌いでポルトガルで溺れたことがある」
「な、何故それを…!」谷村はピタリと当ててくる老婆に戦慄した
「改名するといいかもしれん…そうじゃな…「タニー・ムラノビッチ・リューイチルノフ」とかはどうじゃ?こう、エキゾチックな顔立ちをしておるし似合うぞよ…」
「ムラノビッチ…」
谷村はだんだんマインドコントロールされてくる。そしてその横では…
「助けて…お腹が痛い…尋常じゃなく痛い…」
岩橋がかつてない腹痛に悶え苦しんでいた。原因はあの漢方薬としか思えない。大好物のたこの刺身すら食べられずその痛みに喘いだ。
「おや?どうしたんかえ?お腹が痛いのか?それなら良く効く漢方薬があるでの」
「勘弁して下さい…僕はアイドルなんです…野球大好き元気な玄樹スマイル岩橋玄樹がキャッチフレーズになる予定…
それがこのままでは年中腹痛、あなたに胃腸炎で減気の岩橋玄樹だなんてそんなこっぱずかしいキャッチフレーズは嫌です。だからそこの正露丸取ってくだ…さ…」
「はいはい今漢方薬投与してあげますでよー」

51 :
宴会場は騒然とした。
岸くんが高橋のヘッドスピンを止めようとしたが最早本人にも止めることができず御膳を次々と破壊してまわり神宮寺は葛藤に頭がショートしてしまい狂ったようにハニーライダーを熱唱し始め倉本はちゃんこ屋入りが嫌で四股を踏んで抗議した。
羽生田はモデルガンをぶっぱなし中村は栗田の婿入りの話を聞いてプッツンからのドSモードからの地球破壊爆弾発動に入った。
栗田は中村を口説こうとしたおじいさんに襲いかかり谷村はマインドコントロールでロシア人になりきっていた。その中で岩橋は腹痛を紛らわすために、こんなこともあろうかと持ってきた野球グッズで宴会場で1000本ノックを始めてしまった。
宴会場および旅館の設備を滅茶苦茶にした神7はしこたま怒られた。
そして夜が明ける…
「ほえ?兄ちゃん達どっから来たんじゃ?可愛いのー孫みたいじゃ」
「ほんにほんに。初めましてよろしゅうね〜」
「…」
老人会ご一行は昨日の記憶が全くないようだった。だがまた同じことを繰り返されてはたまらないと神7達は宴会場の補修と後片付けを済ませると早々に旅館を発つ。そして帰りのバスでは…
「あーでも惜しかったな。美人だったらいい縁談だったんだけどなー」岸くんが腕を組んで惜しんでいるのを高橋がわなわなと震えながら見る。
「き…岸くん、駄目だよお見合いは…恋愛結婚じゃなきゃ…あと4年待って…」
「やっぱヤっときゃ良かったな…くそ…今年こそ脱・R!!」神宮寺は拳を突き上げる
「あーもしもしみずき?俺はお前への愛を貫き通したかんな!俺の分のおもちあるんだろうな!何!?ないってどういうことだよ!お前俺の嫁としての自覚を今年こそはちゃんと持ってもらうからな!」倉本は井上と電話でまた喧嘩を始めた
「弾を無駄にしてしまった…補給しなきゃ…」羽生田はモデルガンを手入れし息を吹きかける
「栗ちゃんはぁ誰にも渡さないからぁ」中村は栗田の腕にぎゅっとしがみつく
「れいあは俺のもんだしー。あ、れいあ地球破壊爆弾ちゃんと格納の手配した?」栗田は中村の髪を撫でる
「ムラノビッチ…俺はロシア人…ズドラースチェ…」谷村は何故かロシア語を呟きだす
「長嶋監督…僕を腹痛からお救い下さい…」岩橋は長嶋監督のサイン入りバット(レプリカ)を握りしめながら腹痛に耐えている
こうして新たな仲間を迎え2013年一発目のはにうだ観光が終わろうとしていた。大忙しの彼らは今年もその合間を縫って様々な旅を繰り広げて行くだろう。願わくばその旅が誰ひとり欠けることなく無事に終えることができるよう…

END

52 :
いつもの作者さーん!乙!
今年初のはにうだ観光ありがとう!
今年もよろしく!
ネガティブと腹痛のやりとりいいねwww
ムラノビッチwww
年明け早々神7はぶっ飛んどりますなぁwww
いろいろあるだろうけど、誰ひとり欠けず夢を叶えて欲しい…!
応援頑張るぞ!

53 :
作者さん乙!
今年も神7をよろしく!

54 :
作者さん乙!あけましておめでとう!
相変わらずのわちゃわちゃ神7と颯きゅんの岸くん愛にほっとしたw
岸くんの舞台に、神7はこれからどうなるのかわからないが…
今年も神7とここのスレの人にとって良い年になりますように!

55 :
谷村と栗ちゃんいないけど新春コン神7がんばってたお!

56 :
ついにやりよったじんたん
【セクゾ5日】神宮寺が岩橋に抱きついてキス攻撃。岩橋うわっ!ってなるけど神宮寺構わずキスしまくる。その後岩橋後ろに転んで神宮寺爆笑。らぶらぶすぎ!

57 :
その頃颯きゅんはれあたんをお姫様抱っこ。今回神7色んな意味で凄すぎ

58 :
神7のみんなコンサートお疲れさまです。谷村栗ちゃんがいないのは残念だったけど色々いいもの見れてインスピレーションが沸いてきたお!

59 :
岩橋が仲間入りする話読みたかったから嬉しい!
今年も楽しみにしてるよ作者さん

60 :
全然関係なくてすまないけど
谷村の次スレ誰か立ててくれ
規制されてて立てられなかったんだ

61 :
>>60
試しにやったら立てられたよ!
かなりふざけた>>1になっちゃったがまぁそこは谷茶浜ということで

62 :
神7楽屋劇場 「超神合体カミセブン!!」

楽屋で休憩中、中村と高橋はメロンパンをかじる。中村はロイヤルミルクティーを、高橋は梅こぶ茶をそれぞれすすっている。
「今日も寒いねぇ…毎日お蒲団から出るの嫌になるよぉ…」
「だよねえ…寒いとヘッドスピンの回転もいまいちだし…」
「寒さと回転なんか関係あんのぉ?」
「なんとなくね。ペンギンも寒いと動きが鈍るっぽくない?」
「ペンギンは南極でも生きてられるんだからぁ寒さには強いはずだよぉ」
「あ、そっかあ。そうだよねえ」
和やかな楽屋である。和気藹藹と共通の話題で盛り上がったり格闘ゲームをしたりとひとしきりきゃっきゃと過ごした後にふいに鬱期が訪れる。
「栗ちゃんは今度のセクゾンコン出なくてJWだし、遠征寂しいよぉ…」
「岸くんもこれが終わったら舞台稽古に行っちゃうし…寂しいなぁ…」
「最近別々になること多いしぃ…なんか不安だよぉ」
「離れてる間に岸くんにいい人ができちゃったらって考えると夜もヘッドスピンできなくて…」
大きな溜息をつき切ない想いを吐きだすとまた二人はメロンパンを口にする。ほどよい甘さとビスケット生地の食感がその胸の重みを少し軽くしてくれるかのようだった。
だがしかしそこはわりとポジティブな二人である。楽屋にあるテレビを見始めると元の明るさが戻ってきた。
「あ、手越くんだあかっこいいぃ」
「塚田くんのアクロバット凄いなあ」
先輩のコンサートDVDを見るとテンションが上がってくる。おりしももうすぐセクシーゾーンの新春コンサートを控えている頃である。
「ねぇ高橋ぃ…今度のコンサートはぁセクシーゾーンのメンバーそれぞれでソロコーナーあるんだよねぇ」
「らしいね。前歯…じゃなくて健人君とクチ…じゃなくて風磨君はソロ曲があるし野菜どろ…勝利君も作詩した曲があるしカピ…松島達もそれぞれ見せ場があったよね」
「いいよねぇ見せ場があるってさぁ。僕らもぉ一応コーナーは持たせてもらえるけどぉソロなんてないしぃ」
「僕も今回はあんまりヘッドスピンを披露する場がないからなあ…ダンスで個性出していかないと」
「個性かぁ…」

63 :
中村は悩む。広いステージで個性を出すのは難しい。スケボーは得意だがさすがに舞台には持ちだせない。何かこう…人目を引くような特技がなくては埋もれてしまう。折角の舞台なのだからちゃんとアピールをしたい、そう思ったのだ。
一方で高橋も同じ思いであった。ヘッドスピンという武器があるが今回それが活かせる場面は少なかった。アリーナ型の舞台ではなかなか存在感を出すのは難しい。ましてバックダンサーという身分なら尚更だ。
「何かないかなぁ…僕達が存在感放てるものぉ…」
「だねえ…あ、そうだ!」
高橋は手を叩いた。
「なぁに高橋ぃ?なんか思いついたのぉ?」
「うん!ステージが広いからさ、アクロバットとかはどう?フリーになる曲とかもあるし…こうバック転とか側転とか…」
一番分かりやすいアピールだし効果大である。とかく派手なパフォーマンスは観客の印象に残る。
「アクロバットってぇ…高橋はいいけどぉ僕は高橋に支えてもらってバック転するのがやっとだよぉ。ずっとローラの物真似するのも限界あるしぃ」
「二人で合体技とかどう?ほら、ハワイで生みだした二人リンボーダンスみたいなあれとか!」
「あぁそういやそんなことしたねぇ…合体技かぁなんかヒーローものみたいでかっこいいかもぉ」
中村は乗り始めた。そして高橋は考える。アクロバットが決して得意でない中村とやる技は一体どういうものがいいか…危険が少なくてインパクトの強いもの…二人の個性が出せるもの…
「う〜ん…」
唸りながら腕を組んでると中村が「梅こぶ茶のおかわりいるぅ?」とかいがいしく訊いてくる。
中村といえばれあたん、れあたんといえば可愛い、可愛いといえばお姫様…お姫様…中村の名前の由来は某宇宙戦争物語の映画に出てくるお姫様だったっけ…
「そうだ!!」
高橋は指を鳴らした。本日一番の鳴りである。パチン!という破裂音が脳内のスイッチをオンにし、起動させた。
「こうやって…ここをこうして…」
「わぁすごぉい高橋ぃ…これ僕ラクチンだよぉしかも面白いしぃ」
「でしょ?これだと二人の個性も出てるし…舞台でフリーの時とかやってみようよ」
「うん。よぉしもう一回練習だよぉ」
目から鱗の合体技を身に付けた二人は張り切って練習に勤しむ。そして最終調整に励んでいると…
「れいあー!!ジャニワのリハ終わったぜ!!疲れたから俺のこと慰めてー!!とりあえずちゅーしてくれ!!」
「あー疲れたー!!腹減ったー!!高橋お菓子ちょーだい!!」
ジャニーズワールドのリハーサルを終えた栗田と毎度お馴染みお腹をすかせた岸くんが同時に楽屋にやってくる。そこで二人が見たものは…

64 :
「あ、栗ちゃん」
「き、岸くん…」
栗田と岸くんは目が点になった。
「れいあ…」
「中村…高橋…何やってんの?」
そこには中村をお姫様抱っこした高橋と、高橋の首にしっかりと手を回している中村がいた。今にもこのままウェディングチャペルへ直行するかのような…二人は我が目を失った。
お姫様抱っこ…そう、それは1月5日の某横浜で作者も目ん玉が飛び出した光景である。
「今夜限りのB・I・Shadow復活!!」に某横浜がその日一番の盛り上がりを見せ、沸き立つ中で全く反対方向にいた高橋と中村を双眼鏡で追っていた時にまさにそれは飛び込んできた。
中村と高橋の合体技…それは高橋が中村をお姫様抱っこし、さらにはそのままの体勢でくるくると高橋の体を軸にして中村を高橋が回している…そしてまたお姫様抱っこに戻りフィニッシュという奇想天外な合わせ技だ。
能書きはともかくそんな技を身に付けた二人だったがこの時の栗田と岸くんには仲睦まじいカップルのようにしか見えなかった。一瞬で栗田の脳天は沸点に達する。
「高橋てめえ…俺のれいあに…てめえだけは大丈夫だと安心しきっていた俺がアホだった…」
ゴゴゴゴゴ…とお約束の轟音が地を揺るがす。栗田の体からはしゅ〜しゅ〜と白い蒸気が立ち昇ってきた。
「…」
高橋は中村を抱っこしたまま白目を剥いた。
今日、ここで僕の人生は終わる…岸くんに看取られながら…
どうせなら…どうせなら死ぬ前に一度でいいから「スキすぎて」のセリフ部分を全部岸くんに言ってもらって僕を指差しながら「側にいるよ」「お前しか愛さねえ」「一生ついてこい」「今夜は返さねえぞ」「俺はお前のもんだ」ってやってほしかった…
高橋が意識を遠くに飛ばしているとひょいっと中村が降りた。
「栗ちゃんお疲れさまぁ待ってたんだよぉ」
中村がすかさず栗田に抱きついてほっぺにちゅーをするとしかし栗田の燃え盛るマグマのような嫉妬は一瞬で鎮火された。高橋は一命を取り留める。まさに九死に一生だ。

65 :
「れいあ何いまの〜?俺心臓止まりそうになったしー」
「んー。今度のコンサートでぇちょっと密かにやってみようと思ってねぇ。どうだったぁ?」
「お姫様抱っこなら俺でもできるし!」
栗田はそう宣言して中村を抱きあげようとしたがなかなか上手くいかない。中村が少し恥ずかしそうに
「栗ちゃん…恥ずかしいけど僕栗ちゃんより重いからぁ…痩せなきゃいけないのかなぁ…」
「れいあそんなことねーし!俺がガリガリすぎるだけだし!よし俺今日から毎晩唐揚げとポテチと生クリーム大福5個食って体重増やすし!待ってろよ来週には50Kg超えてっし!!そしたら軽々れいあのこと持ちあげっかんな!」
「栗ちゃん…体重の問題じゃなくて腕力の問題だけど待ってるよぉ」
中村と栗田は安定のいちゃいちゃを取り戻す。そして高橋はメロンパンを岸くんに差し出そうとしたが生憎中村と二人で食べてしまった。ああ、岸くんがお腹がすいているのに…と高橋が自分の不甲斐なさに涙していると、
「これでいーや。ちょうだいね高橋!」
岸くんはひょいっとそれを手に取ってかじり始めた。
「き、岸くん、それは…」
それは高橋の食べかけのメロンパンだった。意地汚…空腹の岸くんはもうそれが食べかけであるとかはどうでも良く、とりあえずは何かを口に入れたかったのだ。だが…
「こ…ここここれってもしやもしやの間接キッス…?あああ岸くんそんなそんな僕心の準備が…ああもう岸くん僕の心のセキュリティを壊してんじゃねーよっっぽいの中の中の…」
有頂天に達した高橋はそれから楽屋でずっと回り続けた。岸くんはその間戻ってきたメンバーというメンバーにお菓子をたかって非難を浴び、最終的に岩橋に「僕にはこれしかあげられるものがなくて…」と胃薬をもらったという。

END

66 :
作者さんおっつおつ!!
それみたかったのにみられなかったんだよおおおおああああああ!
あとで話題になってて知ったんだよおおおおああああああ!
だが、ここで裏話みられて得した気分だありがとう!
2013年もれあくりジャスティス揺るぎないっすな…可愛い!
心のセキュリティを何度壊されても岸くんに夢中な颯くんは2013年もピュアで可愛い!
岩橋はすっかり胃薬キャラが定着してめでたしめでたしwww
>「スキすぎて」のセリフ部分を全部岸くんに言ってもらって僕を指差しながら「側にいるよ」「お前しか愛さねえ」「一生ついてこい」「今夜は返さねえぞ」「俺はお前のもんだ」ってやってほしかった…
これさ、颯くんがこんなにも岸くん大好きアピールしてるからいつか周りに「岸ぃやってあげなよぉ」とかなんとか言われリアルでもやらされそうwww
ていうか、激しくみたいwww

67 :
プロポーズ?
「結婚しよ」「うん!」
即答する高橋に岸くんはおののく。えええええ!?
岸くんが何を言っても怒らない高橋。
どれだけ引くような言葉を投げかけてみても、肯定される。
じゃあ、と思ってがしっと両肩をつかんで言ってみた結果が、これだ。
「じょ、冗談だからあははははは!」
なんとかその場を切り抜けたけど、岸くんの汗のかきようといったらそれはもうひどいものだった。
ぼーっとしながら荷物をまとめて、次の撮影に向かう。
「でさー、…ゆうたん!オレの話聞いてる?」
「う、うん。で、なんだっけ?」
「だーかーらー、やっぱりウェディングドレスプレイすげえんだよ!新妻だぜ新妻!」神宮寺がスマホを握り締めて力説する。
「あ、ああ」岸くんはとりあえず相づちを打った。
それからというもの、誰かとくだらない話をしていても、高橋がやたら視界に入ってくる。
シンメだからかかわる機会も多く、当然といえば当然なのだが、その頻度が尋常じゃない。
(またヘッドスピンしてる。あ、羽生田とじゃれあってる。メロンパン食べて幸せそうだな・・・)
そんな日々が続いた。

68 :
今日も楽屋は賑やかを通り越してとんでもなくうるさい。
そんな中、岸くんは呆けたような顔をして座っていた。
「きしぃー、あっちにピザ届いてたよぉ」中村がまたわかりやすい嘘をつく。
「なんかあんまし食欲なくて」
岸くんが答えると、中村は一瞬目を丸くしたが、すぐに腑に落ちたような顔をした。
「颯でしょ?」
岸くんは明らかに挙動不審になった。汗をダラダラ流している。
「や、そういうわけじゃないんだけど、なんかやたら目につくというか、」
「ようやく自覚したんだねぇ。口に出したからには、責任とりなよぉ」
責任ってなんだ!?俺にどうしろって言うんだ!?
・・・ふががががががっ、と響いた音にびっくりして、岸くんは跳ね起きた。
「あ、起きた」「どんだけ寝てんだよ」
みんなの顔、かお、顔。周りを囲まれている。
「なんかやたら寝言言ってたよ。なんだ、とか、どうしろ、とか」
そう言われてもまったく覚えていない。夢の内容も、すっかり頭から抜けている。
「そろそろ行かないとまた怒られるよ」
ぞろぞろと去っていくみんなの背中を見て、あわてて走り出す岸くんであった。

END

69 :
大阪では「岸くんのことが大好きな高橋颯でーす!」って言って唇に「夏からブレねーな!」って突っ込まれてたけどねw
れあたんも「スケボーが得意なので今度のコンサートではぜひやらせてください」みたいなこと言ってた
JUMPコンではさりげなーくスケボーやってたりしたけどいつか大技を見せてほしい

70 :
作者さん乙ー!
岸くん夢の中でプロポーズですかいwww
いきなりプロポーズ、どのくらいやっても自分大好きな颯くんを試すようなことばかりきく岸くんならいつか空気読まずにイタズラ心でやりかねんwww

71 :
新春コンJr.紹介はネタの宝庫だったのに横浜公演ではほとんど削りやがって糞運営が

72 :
神7楽屋劇場 「Don’t Stop Sexy Boyz!」

今日もレッスンを頑張った。エリートたるもの常に努力を忘れない。これがエリートたる所以…故に何かをがんばったというからではなく普段からの心構えとしてある中での終了後のブレイクタイム…所謂コンビニスイーツを食す時間を持つとしよう。
そう頭の中で誰にでもなく説明をしながら羽生田は楽屋のドアを開けた。
「…何をやってるんだ神宮寺?…まあ愚問だったな…」
楽屋の中にはパン一になった神宮寺がいた。これからオ○ニーに勤しむつもりだろうが自分が楽屋に戻ってきたからには自重してもらおう。疲れて戻ってきて他人のオ○ニーを見せつけられるなんてまっぴらごめんだ。
「悪いが神宮寺。場所を移してやってくれないか?僕はこれからエクレアを食べるんでね」
鞄の袋からエクレアを出そうとすると予想外の返事が返ってくる。
「フッ…この俺をもう年中無休のオ○ニーエンペラー扱いはよせ…」
「…悪いものでも食ったのか?」
パン一で鏡の前で仁王立ちしてこのセリフ…ノロウィルスかインフルエンザでも脳に回ったか…?と羽生田がわりと真面目に心配をしていると半裸のエロエンペラーはドヤ顔で言い放った。
「見ろこのセクシーな裸体…なんせ俺はセクシーボーイズのエースだからな…Rだからってこの溢れ出るフェロモンは抑えきれるもんじゃねえぞ…」
セクシーボーイズ…確かにユニット名はそうであるのだろうが、今の神宮寺からはセクシーよりもなんだか痛々しさが溢れている。羽生田は鼻を鳴らした。だが神宮寺は真剣な表情だ。
「最近俺達脱ぎ仕事が増えてるからな。いくらセクシーボーイズとはいえこの年から肉体美を惜しみなく披露させられちゃな…ポージングにも気を遣わないといけねえと思って今研究中だ」
「確かにここ最近シャワーで濡らされたり旅館の大浴場でタオル一枚になったりプロフィールでパン一にさせられたりしているが…一体誰の趣味なんだ…まったく…」
「だろ?だがな、生まれてきたからにはもう俺らの軌跡残すしかねーんだよ。ファンは皆この4人に…特にこの俺にセクシーさを求めてんだ。だからその要望に応えなくちゃいけないなと思ってな。このポーズどうだ?」
神宮寺はM字開脚のまねごとを始めた。羽生田はひとしきり爆笑した後、暇潰しに乗ることにした。
「セクシーさなら僕の方が勝っている…見よこのモデル体型を」
羽生田はパン一になった。鏡の前には痩せこけた少年二人が映っている。

73 :
「正直セクシーボーイズのセクシー担当はこの僕だと自負している。倉本は幼児体型から脱却できていないし中村は女だ。そして神宮寺、哀しいかなRの君ではセクシーさは出やしない」
「んだとコラ!てめーこそRだろうがよ!それともいつどこで失ったっつうんだ?言ってみ?今晩のオカ…じゃなくて聞いてやっから!」
「(お口の)Rは不本意ながらに失ってしまったから思い出したくはない…。だが見よ、このセクシーポージング!」
羽生田は鏡の前でとりあえず「だっちゅーの」をしてみた。ハワイでやったような悪ふざけポーズとの連続技だ。
「いやいや俺の方がよ、この腰の回転とか…!」
「回転は写真では映んないだろう。もっとこう…限界ギリギリのポーズが…」
羽生田と神宮寺が傍目には酔狂極まりない遊戯に興じていると、腹部を押さえた岩橋が楽屋に戻ってくる。そして目の前でパン一で悩ましいポーズを繰り広げる二人の年下メンバーに飲みかけていた胃薬を落としかけた。
「神宮寺とはにうだ…何をしてるの…?」
「おー岩橋ちょうどいいところに!どうよ?セクシーエンペラー神宮寺のこの悩殺ポーズ!」
「ちょこざいな。岩橋、僕と神宮寺のどちらがよりセクシーボーイであるかそのフラジールボイスで答えるがいい!」
羽生田と神宮寺はドヤ顔でポーズを決めている。岩橋は一瞬、目が点になりかけたがしかし真面目に考え始めた。
「僕は前歯…じゃなくて健人くんのような大人の男にこそセクシーさを感じるのだけど…いや決してゲイ的な意味ではないよ。これは憧れ…そう、憧れなんだよ…。
ドキドキなんかしていないし一度でいいから抱かれてみたいとかも思わないし頭の病気としか思えないポエムに胸きゅんなんてしてないし密かに写メってなんか…ああまた言わなくてもいいことを言ってしまった…これは誘導尋問を装ったいじめか…そうか…そうなんだな…?」
勝手に心配して勝手に被害妄想に浸って岩橋はお腹をおさえながら崩れ落ちる。業を煮やした神宮寺が岩橋に襲いかかった。
「ああもうお前は煮えきらねーないっつもいっつも!よし分かった!お前もセクシーポーズの研究に加われ!」
「ちょっと…やめてくれ…僕にはそんな酔狂な趣味はない…ていうかお腹が痛いからせめて胃薬を飲ませ…」
「岩橋、君も神7入りしたなら覚悟を決めることだな。自分だけ常識人みたいな面はよしてもらおう」
羽生田と神宮寺にパン一にされた岩橋は涙ぐみながら呪詛を吐く。

74 :
「なんてことだ…こんな…こんな性的いじめ…なんたる屈辱…。こんなことならバットとグローブを手放さずボールを追ってれば良かった…。僕は楽屋で年下メンバーにパン一にされるためにジャニーズになったんじゃないんだ…」
エロエンペラーと悪ふざけBABYと腹痛が三人でパン一で戯れていると今度は倉本が戻ってくる。彼は売店で買ってきた大量のコロッケをかじりながら半裸で戯れる中高生を心底馬鹿にした眼つきで見ながら溜息をついた。
「相変わらずガキだなー。お前ら今年は少しくらい大人になれよ?ハッ」
と鼻で笑い、がふがふとコロッケを頬張り始めた。
「…」「…」「…」
コロッケを口いっぱいふくみながら漫画を読んで笑っては食べカスを床にこぼす倉本にはセクシーのセの字もなかった。まさに色気より食い気。
その食欲の権化に思い切り下に見られ、中高生のプライドは雨の日のぬかるみに飛び込んだ運動靴でぐりぐりと踏みつけられたみたいにズタズタにされた。
「くそ…やっぱかくなる上は脱・Rしかねえ!おいはにうだと岩橋!どっちでもいいからヤらせろ!この際もう誰でもいい!3Pでもいいぞ!!」
「さーて…来週のサザエさん…じゃなくて鴨せいろの美味い店でも調べるか…鮑の天ぷらも久々に食べたいな…」
「小学生にまで馬鹿にされるなんて…これはいじめだ、いじめに違いない…胃薬が見当たらない…今日は厄日だ…」
そうして楽屋の中はコロッケの臭いと誰かれかまわず性欲の捌け口にしようとするエロエンペラーの雄叫びと我関せずでぐるなび検索をするエリートの呟きと被害妄想の塊と化す腹痛持ちの喘ぎで満たされたという…

END

75 :
頼むから神7で超絶濃厚なエッロエロ小説を書いてくれ!
ここじゃまずかったら外部のどっかのサイトでもいいから!

76 :
作者さん乙ー!
最近の彼らは確かに脱がされまくりですなぁ
れあたんは骨格はかろうじて男子だが肉付きと美肌が完全に女子ですなぁ
エロエンペラーと悪ふざけBABYと腹痛www
改めてみるとキャラ立ちハンパないwww
フラジールボイスにハマったwww
確かにwww
しかし岩橋は神宮寺の3P要求はいじめと思わないのかwww
くらもっちゃんがあまりに美味しそうに食べるからコロッケ食べたくなってきた
>>75
気が向いたら作者さんが投下するさ
それまでは過去ログ探すよろし

77 :
エッロエロ…ゴクリ…

78 :
神宮寺のM字開脚見てえwwwww

79 :
今日はセクゾン握手会!神7いるかな?

80 :
握手会神岩嶺羽だけだったね

81 :
れあたんと握手でけた。一生もんの思い出や

82 :
こんな時期だしまた岸くんの恋人(になりたい)が読みたいな
作者さんいなくなっちゃったかな

83 :
規制厳しくなってみんな投稿できなくなったのかな
規制が憎い…

84 :
規制で出先のWi-Fiからしか書き込めないから
タイムリーにお礼が言えないのが心苦しいが
いつも見てます、良作ありがとう

85 :
握手会もあったし春ツアーも決定したし、某誌のランキングで神7メンバーが5人もランクインしたし2013年も神7の勢い止まんないな!

86 :
ホント規制がにくいな
神7のますますの活躍に期待!

87 :
2012年13月6日

長丁場の舞台もあと数週間で千秋楽を迎えようとしている1月初旬。
谷村は舞台の中休みを楽屋で過ごしていた。
自分が楽屋にいると人口密度がものすごく低くなるのは果たして気のせいだろうか…?
今日もみんな先輩や後輩の楽屋に遊びに行ってしまったのか、谷村の個人楽屋状態だった。
さすがに疲れていたので、その大ざっぱさと打たれ強さにひそかに憧れている汗だく…じゃなくて岸くんのように
ごろんと大の字に長椅子に寝っ転がってみた。
他人に起こしてもらうほど図々しくないので自分でスマホをタイマー設定にしてから谷村は目を閉じた。
「………う〜〜ん……」
どれくらい経った頃だろうか、お腹のあたりに違和感を覚えて谷村は目を覚ました。
「うわっ!!な、ななな何!!???」
目の前に栗田のドUPの顔があり、谷村の眠気は一気に吹き飛んだ。
「…んだよ、起きねーでずっと寝てろよ、アホ」
栗田は上体を起こし、谷村に乗っかったままスマホをいじって何か確認している。
「何…?」状況がつかめない谷村は目をこすりながら聞いた。
「れいあに頼まれててよー。てめーの寝顔の画像が欲しいんだと」
「中村に?なんで…」
「さぁ、イタズラとか何かあった時に脅す用じゃね」
あいかわらず怖いな…と谷村は中村の小悪魔風な微笑を思い浮かべた。
用は済んだはずなのに、栗田は谷村の上から動こうとしない。
いい加減降りてくれよ重いし、と言いたいところだけど残念ながらあんまり重くなかった。
「たにむらー」と栗田はいつもより低い声で言った。どうでもいいけどひらがな表記だとしまむらみたいだ。
「なあ、れいあのものまねして」
「は?できないってそんなの」
「うっせーな、いいからやれや!まずやってみる姿勢ってもんが大事だろーが!!」胸のあたりをパシパシと叩かれる。
上半身を起こすと変な体勢になるので、谷村は横になったまま栗田のムチャぶりに答えた。もちろん例のぶりっこポーズ付きで。
「…なかむられいあでーす…」
「……ふふ、似てねー」うつむいた栗田の肩が小さく揺れる。
ふふ?ふふ、って何そのアンニュイな笑い声?いつものぎゃはは笑いはどうした??谷村の背筋に悪寒が走る。
「あのさ、なんか変だよ。…中村と逢えないから?」
「べっつにー、ドントなんとかセクシーボーイズで頑張ってんだろ。つーか森本慎太郎withスノープリンセス合唱団並みになげーつーの」
それはユニ名じゃなくて曲名、と谷村はツッコミたくなる。自分のいたユニ名も間違えてるし…

88 :
栗田はこれから2回目の本番を控えてるとは思えないほど気だるい様子だった。
今回わりと厳しいラインにぶち込まれてるからプレッシャーや疲労で元気がないんだろうか。
でも、事務所歴が長いだけあって、こういうイレギュラーな事態には慣れているはずだ。
というか谷村が思わず心配になるほどテンションの低い栗田というのがそもそもありえない。おかしい。変だ。何故だ。
栗田は谷村のへそのあたりをポチポチ押しはじめた。
「ふ…ふへへ、…くすぐったいって。あは…」身体をひねらせて谷村はちょっと笑ってしまう。
「…アホじゃね。つーかきめえし。……ふふ」
だからその笑い声はやめてくれ、と谷村は思う。別人みたいで落ち着かなくなる。
こういう時に限って楽屋には誰も来なかった。
何を考えているのか栗田は谷村のシャツのボタンを1つずつ外している。その表情は前髪に覆われていてよく見えない。
まさか、中村に逢えないからって、俺を身代わりにする気じゃないだろうな…谷村の二の腕にサーッと鳥肌が立つ。
いやいや、いくらなんでもそんな誰得な絡みをするほど飢えているわけないだろう。
それに、逢えないといっても大して長く離れるわけでもない。
俺なんて凜と同じ舞台に立っているはずなのになぜか全然逢えないんだぞ…
ここで谷村は考える。押さえつけられてるわけでもないし、身長や体重、腕力ではゴボウ体型の栗田に勝っている(はず)なのに
なぜ自分はされるがままで抵抗しないのか。
哀しいかな、腕力とかそういう問題ではなく、谷村は栗田(と中村)には逆らえないのだった。
自分が入所したばかりの頃、あの2人はすでにユニットにいたというのもあるし、一応向こうが年上だし、前世でなにかあったのかもしれない。
ぐるぐると頭の中で考えながらも、栗田の手を払いのけたりできないのは…神7の中でも長いつき合いのほうだけど、あんな表情は初めて見た。
寝起きで呆けてた頭に真っ先に飛び込んできた、不安そうな、助けを求めるような、あの目。

89 :
「ここだけ見てっとれいあみてーだなー……真っ白」
シャツをはだけさせて露わになった谷村の鎖骨をなぞりながら栗田はぼーっとした調子で呟く。
そして顔を近づけてくる。谷村は反射的に目を閉じた。
「…中村にバレたら、血祭りになるよ」
「なにがぁ?」栗田は谷村の首筋に顔をうずめながら言った。
「あいつだって、岸とか岩橋とか岸とか阿部とか颯とか岸とか、色々やってんじゃん…」
なんでそこにヘッドスピンの名前が含まれるのかな…と谷村は不思議に思う。
その首筋を栗田が唇や舌で刺激しはじめた。温かいフワフワな羽毛で擽られているような、ベルベットのような舌触りで
むずがゆいけど何だかゾクゾクと快感が襲ってくる。
こういうの中村にもしてるのか…きっと彼を愛撫する時はこの10倍も…って何考えてんだ俺は。
「……っ、…」
谷村は気持ちよさに声を上げそうになったけれど、唇を噛みしめて我慢した。
自分のシンメがとち狂った状態になっているのを他人に知られたくないし、誰かに見つかって妙な噂になり中村の耳に届くことを
恐れたからだった。おそらく傷つくだろうし、多分その噂を知ったら真っ先にぶっ殺されるのは自分だろうなという確信めいた予感がした。
栗田はいったん身体を離し、今度は谷村の鎖骨や胸元を攻めてくる。
なんでこんなところが気持ちいいんだろう……教科書には絶対載ってない…
声を出せない代わりに谷村は栗田の細い肩を指が食い込むぐらい強くつかんで何とか耐えた。
お互い息づかいが荒くなり、谷村は何だか泣きそうになってきた。
そこで、栗田が大きなため息をついて身体を起こした。突然我に返ったのかもしれない。
「…い…、いってえー……!!!」
谷村はこれまでの努力も虚しく思わず叫んでしまった。
栗田が首筋に噛みついてきたからである。ガブッと音がしそうなくらい、強く。
「なんかさー、お前って、優しくしてやろうとかいう気になんねーんだよなー」
「だ、だからって、噛むことないだろ…」谷村は首筋をさすりながら反論する。
その時、扉のほうからガタッ、と物音がした。それから、走り去るような微かな足音…谷村と栗田は思わず顔を見合わせた。
誰かに見られた?肝心の中村はコンサートの最終日で新横浜にいるはずだが…

90 :
「さてと、ちび達のとこでも行って遊んでくっか!」
何事もなかったように栗田は谷村から離れて軽く伸びをしていた。
なんだよこの切り替えの早さは…。さっきの余韻で下半身に熱が集まっている谷村は呆れるしかなかった。
楽屋から出て行く栗田に谷村は思わず声をかけた。
「…栗田!!」
「なーんだよ。でけー声出して」
「…次の回も、頑張ろうな」
「あたりめーだろ、ばーか!!ギャハハハ!!!」

無事に夜公演を終えて帰宅し、鏡で確認すると首筋には栗田の歯型がくっきりと残されていた。まるで野良犬に噛まれたようだ。
「…あ、凜からメール来てる。久しぶりだな」谷村の口元が自然とゆるむ。
『今日、谷村くんと栗田くんが騎乗…乗っかってるのを見てから、舞台やって帰宅するまでの記憶がありません。
べつにきみのことを流されやすいドMR乱クズ野郎とか思ってないし、今年は13月まであるらしいので
実はまだ年は明けてないのかもしれません。それではさようなら』
妙に改まった口調なのが逆に怖い。
「てか谷村くんって…?さようならって…?違う!!!誤解なんだ凜んんんんn!!!」
そうだ、凜の言うとおり13月だから栗田もあんなミステリアスなテンションになって謎の行動に出たに違いない。
なにしろ宇宙の暦だから何が起こってもおかしくない。これもすべて13月のせい…
谷村は無理矢理自分を納得させ、布団をかぶって寝た。
その夜は中村に散弾銃(たぶん羽生田の私物)で銃殺される夢を見てしまい、あー初夢じゃなくてよかった、と心底胸をなでおろす谷村だった。

終わり

91 :
俺得でしたありがとうございます
ちょっと涙出そうになったよ栗ちゃんんんんんんん・・・!!
最後は安定の不憫www

92 :
谷栗いぃぃ!なんだかんだ心配したり頼っちゃってるのがたまんないよー!!!
作者さんありがとうございます!

93 :
栗谷大好きだからたまらん…作者さんも谷村虐めるの好きだね?
JJLもなかなか美味しかったみたいだしこれは来るか

94 :
これは…素晴らしい
誰得なんてことは全くないな
乙です

95 :
栗田辞める説でてて激しく動揺中。栗田いなくなったられあくりも栗谷もどうなるんだ.........

96 :
栗田は辞めないよ。辞めたりするもんか

97 :
ゲレンデが溶けるほど神7!〜Dancing Snow!!〜 前篇

冬真っ盛り。一面の銀世界を求めて神7達はスキーゲレンデにやって来た。都内でも大寒波襲来で雪が積もったりもしていたがそれでも辺り一面の雪景色に都会っ子達は沸き立つ。バスに揺られること三時間、一行はふかふかの雪の上に降り立った。
「今日から雪男、岸優太だ!」岸くんは早速R雪をサクサク歩いていく
「あ、岸くんそっちは崖だよウフフ…」高橋は恋人気分で岸くんを追いかける
「雪女動画…スノウプレイ…雪山は浪漫がいっぱいだぜ!」神宮寺のスマホをいじる指が高速になってゆく
「シロップ持ってくりゃ良かったぜちきしょー」倉本は雪を早速口に入れている
「雪って意外と汚いよくらもっちゃん」今回一緒に付いてきた井上は倉本をたしなめる
「ゲレンデも久しぶりだな…。蔵王や北海道で良く滑ったものだが…」羽生田はインスタント豚汁をすする
「栗ちゃんスノボ教えてあげるねぇ」中村は新調したウェアに身を包み微笑んでいる
「れいあ頼んだよー。俺バランス取るの下手だから手取り足取りな!」栗田は中村の肩を抱いている
「遭難しませんように…」谷村は近くにあった笠地蔵に手を合わせ祈っている
「ガスの元栓を閉めて来たかどうか心配だ…お腹が…」岩橋はいらん心配をしてまた腹痛を自ら招いている
総勢10名でやってきた神7一行だがロッジは羽生田一族の所有物故に規格外の大きさで十分収容可能であった。マントルピースが高級感を醸している。
遊びたい盛りの10人は身支度もそこそこにゲレンデに飛び出す。人は少なくはないものの広々としたゲレンデで天気も良く絶好のスキー・スノボ日和である。まずは定番の雪合戦だ。
「ちょ…ずりーぞ岸くんと岩橋!元野球部じゃねーかよ!」
ガチのコントロールと球速で雪玉を投げる二人に神宮寺は吠える。岸くんの横では高橋がせっせと機械的に雪玉を制作していた。一秒間に20個は作っているんじゃないかと思えるほどの驚異的な製造力である。
「確かにこれはフェアではない…ならばこっちもそれなりに対処させてもらおう」
羽生田はモデルガンを改造した雪玉発射マシーンを出して応戦した。超強力マシーンの前に岸くんも岩橋も成す術なく逃げ回るが高橋が岸くんの盾になり続けた。だが岩橋がそれを見て拗ねる。
「岸くんだけ守るなんて…これはいじめだ…」
「フフフ…この破壊力…フフ…フフフ…さすがハリウッド仕込みだ…」
羽生田が妖しい世界に突入している向こう側では栗田と中村がいちゃいちゃしながら雪玉を作っている。
「栗ちゃん楽しいねえ…わぷ!」
きゃぴきゃぴ楽しんでいた中村の顔に雪玉が当たる。それを投げたのは…
「あ…す、すいません…手元が狂って…」
谷村だった。よりによってなんちゅう相手にぶつけてしまったんだ…顔面蒼白を通りこして死相が浮かび始める。そして中村は絶対零度を放出した。
「谷村ぁ…誰の顔に投げてんのぉ…」
「ああああああすみませんごめんなさいほんとです!わざとじゃないんです!俺はあっちの井上くんを狙って…あああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
谷村が己の脚力の限界を越してまで逃亡に徹したがスノボに乗った中村にいとも簡単に追いつかれおしおき雪山バージョンをくらった。そして栗田は小学生相手に本気で雪玉を投げ倉本から非難を喰らう。
「てめー中三が小六に本気になっていいと思ってんのかよ!俺はともかくみずきが可哀想だろ!」
「うっせー!てめーも男なら井上のこと守ってみやがれ!俺がれいあを守るようにな!ギャハハハハハ!」
「ぐぬ…この脳みそ三歳児が…!」
当の井上はというと、小学生の自分が中高生の中でまともに闘っても勝ち目はないと早い段階で割り切り一人で雪だるま制作に勤しんでいた。上手く作れたので写メって橋本やその他ロクネンジャー達に送信していたところである。

98 :
雪合戦は結局勝敗が曖昧になり、昼食後は中村によるスノボ教室である。基本の乗り方を教えてもらった後は自主練習に各々励んでいた。皆一生懸命練習に勤しんでいたが…
「ちょ、中村!こけそう!支えて支えて!」
「え、あ、ちょっとぉ岸ぃ」
バランスを崩しかけた岸くんが側にいた中村に抱きついた途端栗田はお約束どおり反射的にキレた。
「てんめえ!れいあに抱きついてんじゃねえええええええ!!!今すぐ離れやがれ!」
栗田はボードに乗ったまま驚異の脚力で飛び膝蹴りを岸くんに喰らわす。このポッキーのような足のどこにそんな力があったのか…皆は我が目を疑ったほどである。そして…
「あ…ああああああああああああ止まらないいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
岸くんはなんとボードに乗ったまま斜面を猛スピードで下り始め、あっという間に姿が見えなくなった。
「あああああああああ岸くんんんんんんんんんんんんんんん!!!!!!!!!!!!」
それを見た高橋が血相を変えてボードで追った。たった今まで「僕は回転は得意だけど滑るのはちょっと…」とモタついていたのが嘘のように思えるほどの弾丸スピードだ。もう姿が見えなくなった。
「…」
全員唖然とする。だが、渇いた笑いで気を紛らわせ始めた。
「ま、まー岸くんには高橋がついてっから大丈夫だろ!それより雪女いねーかなー」神宮寺は雪女探索に興味津々だ
「崖に落ちてなきゃいいけどな…」羽生田はゴーグルを外しながら目を細める
「腹へったー。ロッジに戻ろうぜみずき!」倉本は井上の肩に手を回す
「そうだねくらもっちゃん。お腹すいたね」井上も同意を示し、二人で一足先にロッジへと向かって行った。
「…僕悪くないよねぇ?」中村は苦笑いである
「れいあは悪くねーよ岸がれいあに抱きつくからだし!」栗田はうんうんと頷いている
「ご愁傷様岸浜くん…」谷村は手を合わせた
「良かった…抱きついたのが僕じゃなくて…」岩橋は安堵でいっぱいだ。
しばらくスノボを楽しんでいたがだんだんと天気が悪くなり始める。一行は一旦ロッジに戻るがそこには先に戻ったはずの井上と倉本の姿はなく岸くんと高橋もいつまで待ってもなかなか帰ってこなかった。

99 :
「いたた…ごめん、岸くん…」
痛む足をさすりながら高橋は呟く。岸くんは笑いながら「気にすんなよ」と言ってくれた。
「にしてもさ、天気悪くなってきたな急に…」
窓の外を岸くんは見る。さっきまで晴れていた空が一面の鉛色で風も出始めた。窓がガタガタと揺れている。
岸くんを追って高橋は無我霧中でスノボを走らせ、木に激突してのびているところを当の岸くんに助けられた。岸くんは暴走したスノボでこの無人の避難小屋に辿り着いたらしく、そこで高橋を発見したのだ。
「ここってどのへんなんだろ…早く戻らないと皆が心配する…けど…」
高橋は右足がひどく痛むことに気付く。恐らく捻挫か痛めたか…立ちあがろうとするとズキズキと痛んだ。
「無理すんな高橋。ここは避難小屋だし定期的に見周りにも来てくれるみたいだから焦る必要なんかないよ」
岸くんは優しくそう言ってくれた。こんな状況なのに高橋の胸はもう高鳴りっぱなしだ。こんなに頼りになるかっこいい人が他にいるだろうか。自問いしてみる。いや、いない。
世界で一番かっこいい男子は岸優太をおいて他にいない。これは宇宙の定説であり万物の総意だ。
高橋がそんな幻想に浸っていると悲鳴が突如として轟いた。
「ぎゃあああああああああああ!!!!」
岸くんが悲鳴をあげて飛び上がる。高橋は反射的にびくっとした。
「…あー、なんだゴミか。びっくりした。ゴキブリかと思った。あーびっくりした。あーもー…」
「…」
例えゴミをゴキブリと見間違えて思いっきりびびったとしても岸くんはかっこいい、岸くんは…
高橋が必死に修正をかけていると窓の揺れが激しくなる。外をみやると吹雪が舞っていた。
「うわ…本格的に吹雪いてきた…」
岸くんの呟きに呼応するかのように、風と雪の荒々しい雄叫びはより一層強さを増した。

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