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2013年04月電波・お花畑541: アプレゲール。 (793)
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アプレゲール。
- 1 :2005/08/23 〜 最終レス :2013/03/21
- 第三次世界大戦が終わった。
前大戦時代の長距離間攻撃と言うのは飛行機による空爆、
ナチスの開発したV2ロケット、特異な物だと大日本帝国の風船爆弾等。
しかし軍事技術は飛躍的に革新され、ICBM等を用い、
また、敵は新に残虐なる爆弾を開発・使用し被爆後も地獄を生む。
この大戦はまさに全大陸を巻き込んだ世界大戦となった。
- 2 :
- この第三次世界大戦は先進国の戦い、
途上国は否応無くその先進国の派閥に属された。
またある途上国は独自に派閥を作り参戦するも返り討ち。
ただしその国は前々から戦争の火種を持ち、
その国が戦争へ突き進んだのは先進国の強制でなく自発の時が来ただけである。
さて、戦勝国も戦敗国も疲弊し、亡国となり、全てが混沌である。
戦争には勝利したが、戦時中、国内統治(国民統制)に失敗し滅んだ国もある。
- 3 :
- 第三次世界大戦は利益を生まない戦争であったか。
多くの国は滅んだ、生き残っても形式上“主権国家”はあるが、
実質的には国家中枢は機能していない状態である。
戦勝国は敗戦国から何も奪う事は出来ない。
「賠償金も、国土も、それらは既に得ても価値を持たぬ物へと変わりつつある。」
そう演説するのは某戦勝国の首相だ。
- 4 :
- 核・水爆を使って戦争すれば世界は1週間持たずに滅びる
原子力潜水艦からのICBMに耐えられる国は世界中何処を探しても無い
また軍事衛星からの核爆発の影響を阻害できるのは地中深くに作ったシェルターのみ
本土攻撃に対してあまりにも無力すぎる
すなわち第3次世界大戦は世界の終焉
- 5 :
- しかし世界は生き残ったのですよ。
一部の情報によると、これは先進国にとってはゲームと言う位置付けであり、
核保有国は地球破滅に至る核の使用は禁止と言う協定が組まれていた。
よって核保有途上国は最も先に潰された。
先進国は地球滅亡を望んだのでなく、滅亡しない程度の破壊を求め実行した。
- 6 :
- そこで開発されたのが残虐なる爆弾であった。
- 7 :
- つまりメコ爆弾
- 8 :
- あぷれげーる・・
なんだな・・・そんなことよりさ
- 9 :
- 我々は第二次世界大戦後に欧米からの植民地から解放され、
独立国となり何十年も、少しずつ、少しずつ裕福な国へ成れる様にと、
政治家は真に国政を考え、また国民達も汗水流し働き、
愛すべき家族を、そして愛すべき国を幸せにと、ただそれだけだった。
それが実ってか我が国は年々成長し続けていた。
それを一瞬で破壊したのは先進国の退屈しのぎだ。
旧東南アジア某国の元大統領の演説。
- 10 :
- 本当に世界を滅ぼすなら風邪に似たウイルスを使って完全に滅亡させる
選ばれた民だけワクチンを打てばいいだけだからね、一番安上がりで、確実で、何処からの攻撃かまったくわからない
破壊兵器なんてテロと称して自演弾圧させるためだけのメディア向けの兵器にすぎない
爆弾で人をRなんて前世紀の偶像崇拝だ
- 11 :
- この元大統領は終戦後、焼け跡にバラック小屋を建て暮らしていた。
周囲には同じくバラック小屋にその国の国民達が住んでいた。
まだその国が存在していた頃、つまり戦前は、
大統領は国民を愛し、また国民に愛されていた。
元大統領は毎日13時、バラックの密集する焼け跡で、
先進国と第三次世界大戦の批判演説を行っている。
ある日、演説中に元大統領は元国民達に囲まれ殴り殺された。
何故愛した大統領を国民が殺したのか、
その理由は演説がうるさいからであった。
- 12 :
- 毎日1億円遣っても死ぬまで遣い切れない人が望むものは?
5000年間死なない人が望むものは?
両方手に入れた人が望む世界は?
それが答えだ
- 13 :
- 私たちはその人に生かされてるのだよ
- 14 :
- 数千年も・・・・これからも・・・・・
- 15 :
- 先進国は偉大なる破壊を求めていた。
彼等は絶えず虚しさを抱えていたと言われる、そして刺激を求めていた。
彼等は燃え盛る炎や、爆弾の炸裂する音、叫び声、瓦礫、血、狂気、混沌を好み、
それらをあまり与えない化学兵器・生物兵器の使用は控えた。
この見慣れた無機質な超高層ビル街が全て崩れ、
ぼろぼろになった大地に真っ赤な夕焼けが包んだらどれだけ綺麗だろう。
戦前、某大統領は側近にそう呟いたと言われる。
- 16 :
- いかにして、戦後の早期復興を阻むか。
容易に復興させない破壊法を先進国は苦心していた。
理想的なケースは、混沌はこの大戦でなく、
飽くまでもこの大戦は混沌を生み出す起爆剤としての位置付けである。
- 17 :
- 第二次世界大戦、ある国に二発の原子爆弾が投下された。
当時は放射能の影響で、その後は死の街になるだろ言うと言われていた。
しかし実際は草木も生え、街は復興した。
- 18 :
- その国が雨量が多いことをあまり知らなかったんだろうね
- 19 :
- 各国国民達は無力さを知った。
国民一丸となっても国家の戦争への道を止める事は出来ない。
それ以前に、第三次世界大戦は小さな事件から徐々に発展していく物でなく、
事前に先進国が打ち合わせをしており、全て同時に、シナリオ通りに進んだと言える。
気が付いた時にはもう始まっていた。
- 20 :
- 街を歩いていると、奇妙な物を見た。
二人の人間、
一人の人間の右半身と、もう一人の左半身が癒着している。
あの残虐な爆弾が爆発し、ふと気が付くと、
隣に居た奴とくっ付いていたらしい。
爆発で指が十二本に裂けたと言う男も居た。
- 21 :
- それって獣人と関係があるのかな?
- 22 :
- どうだろうね、
なんせ第三次世界大戦が終わって世界は可笑しくなってしまったからね。
- 23 :
- 可笑しくなったのかな、
それともより人間らしくなったのかもしれない。
- 24 :
- I町と言う所は、戦前は人口70万ほどの街であったが、
現在は元の住民は全て退去され、壁に囲まれている。
駅は省線と私鉄の二線あり、私鉄線はその駅を全て通過する。
省線は貨物列車のみが止まり、例の残虐な爆弾で奇形化(?)した物を運ぶ。
彼等はI町に永久隔離される。
I町入り口には武装した警備兵が常駐しているので中には入れなかった。
- 25 :
- この国は、戦争を始めた先進国の一つで、
首都は完全に死滅した。
- 26 :
- 戦時中、政財界の大物は敢えて首都に集結し、
大本営に篭っていた。
最後まで、そこにも残虐なる爆弾が投下され、
半径10kmくらいは消えた。
彼等はみんな死んだ。
しかし、実は生きていると言う噂が流れている。
- 27 :
- 僕の住んでいる街はY町と言う所で、閑静な住宅地だ。
さほど都市部と言うわけでもなく、製薬が盛んだ。
特に空襲による被害は無く、戦前の原形を保っていると言っても過言ではない。
この地域では、陸軍第XX連帯が常駐、住民と共に生活し、
人々はその軍の指導の元に生活している。
軍は法、規律を作り、住民に従わせ、住民は全て従っている。
特にこれといった横暴な統制は無く、住民も軍に対しては好意的である。
おそらくこの程度の規模の戦火を逃れた街は全てこの様な感じだろう。
- 28 :
- 食糧事情について。
Y町では一週間に一度、軍が各家庭に食糧を配給する。
勿論一週間分であり、栄養バランス等も考慮されている。
話によると、焼け野原となった街では毎日、
上空を軍の輸送機が飛び、パラシュートで食料を投下する。
その下では人々の食料の奪い合いが行われているのだろうか?
- 29 :
- 戦後、新しい国連が発足した。
国連は「アプレゲール指針」を発表した。
その中に知る権利の項目があり、
全ての人間は世界情勢を知る必要があるとされ、
街では食料と共に、焼け野原では上空から新聞がばら撒かれた。
国民にとって大義名分も知らず気付けば始まり終わった戦争、
そして戦後の世界にぽつりと置き去りにされた。
人々は知る事を欲していた。
- 30 :
- とは言っても人々がもっとも知りたがる情報は機密であったり、
もしくは嘘くさい理由で新聞に書かれていた。
第三次世界大戦の勃発原因はテロ組織によるハッキング、
それにより軍組織の機器の誤作動が発端だとか書かれてた気がする。
きっと嘘に違いない。
- 31 :
- 残虐なる爆弾について、それは世界中で使用された。
僕は遠くの空に炸裂する光を見た。
その時は夕暮れで、夕焼けと混ざり極彩色の油絵の様だった。
見つめてると意識が朦朧とし気を失って倒れた。
目が覚めると周囲の人々はまだ倒れてたり、
起き上がり立ち上がってぼんやり立ち尽くしていた。
あの光を浴びた者は全て気を失う。
- 32 :
- 僕の国には徴兵制は無く、
第三次世界大戦は既存の軍のみで行われた様に思われる。
先ほど述べたように、Y町に空爆は無く、
戦争が始まると陸軍が駐留し、
人々は平時とあまり変わりない生活を送った。
テレビで他国の戦争を見ている様に全くの他人事であった。
そんな感じで戦争は終わった。
- 33 :
- 獣人と関係有るのかという話で思い出した。
ある批評家がこう言っていた。
人間は本来猿、つまり獣であり、
やがて国家が発生し、
君主制の下、人間は君主の機械になった。
革命や第二次世界大戦終結で、君主制は崩壊、
ようやく人間らしくなった。
しかし第三次世界大戦が終わり秩序が崩壊した。
そして多くの人間は理性を抑制せず、
本能に従順な半人間、つまり獣人になった。
近い将来、人々の病気が原因の死の中で、
性病が占める割合が増えるでしょう、と。
- 34 :
- 戦争の傷跡が無残な所と無傷な所、
この格差が至る所で見られる気がする。
後者に住む人にとってはやはり、
前者は他人事に過ぎず、実感すらない。
第三次世界大戦で被害が最も少なかった大陸はアフリカだった。
しかし戦時中、紛争地域に拳銃、機関銃、迫撃砲等の物資が、
上空からパラシュートで降ってきたと言う。
誰がそれらを与えたのかは不明。
それにより紛争はますます拡大した。
- 35 :
- この国の首都は崩壊し、
別の街に首都は移った。
この国は一つの国と言うより、
各街が一つの国で、
その集合が国家といった感じだ。
- 36 :
- 第三次世界大戦で傷を負い戦争を実感した者と、
僕の様に殆ど被害を受けず戦争の実感が無かった者。
両者、同国民内のこの戦争への意識格差をアプレギャップと呼ぶ。
- 37 :
- アプレギャップ、アプレ格差。
これにより、気楽に爆撃を受けた地域の親類などの下へ訪れ、
現地にてトラブルに巻き込まれることがしばしばある。
現地住民は、何故自分達だけがこんな目に、という意識が強くあり、
こういう能天気なよそ者を徹底的に監視、排除する場合が多いらしい。
中にはこの戦争は神の裁きであり、裁きを受けた我々は浄化された。
この裁きで死んでしまった物は悪魔である。
生き残りし我々は天使となり神に従い清く生きる義務がある。
我々は神の意志に従い、裁きを受けなかった物を裁かねば成らぬ。
こう主張する宗教も現れ、彼等が徒党を組み、戦火を逃れた街を襲う事件もある。
- 38 :
- 多くの人々は、悲観的であり楽観的であった。
必死ではあるが無気力である。
あの大統領のように、この戦争の責任問題など、
強く主張などする者が居れば殺された。
そのうるささ、うざさが充分殺される理由である。
戦争責任などどうでも良かった。
この戦争で国民は無力さを痛いほど知った。
- 39 :
- アプレ享楽。
「エロ・グロ・ナンセンス」
- 40 :
- 僕は今、S町と言う空爆でやや破壊された街のアパートに滞在している。
このアパートの管理人は、住民が戦死したとの知らせを知るや否や、
その住人の部屋の家財を全て売り払い空き家としてしまった。
家を失い多くの人が住処を求め、住居需要が高い中、
よそ者の僕が何故簡単に住処を得られかと言うと決め手は金であった。
- 41 :
- アプレ格差(傍観者)
偉大な破壊の後には今までとは違う新しい何かが誕生すると信じられる。
それは戦争で被害を受けた人々の慰めであり、期待、希望であった。
戦火で家を焼かれ、家族を焼かれ、財産を焼かれた者達は、
その新しい何かに次のチャンスを待望している様に思える。
それ故に、この戦争を実感出来なかった無傷の者達は、
戦時中も、戦後も、戦前と変わらぬ生活が続く事に、
今後来るであろう新しい世界に置き去りにされる事を内心恐怖している。
- 42 :
- こういう無傷の街と焼け野原の間にある街と言うのは交易が盛んである。
無傷の街(無害地)住民は食料支給はいつか食糧不足で廃止されると、
余った食料を各々秘密で溜め込んでいる。
しかし支給された食料が余れば中間街で売りさばき小金を稼ぐ者も居る。
中間街は歓楽地となり、どの街にもR小屋がある。
戦前の風営法は機能せず、誰でも金次第で行為が行える。
火傷が痛々しい娼婦も居るらしい。
娼婦は歓迎される存在であり無害地住民も利用しに来る事も多い。
しかし娼婦が金を稼ごうと金を持ってる無害地で営業しようとすると、
無害地の中に居る無害地住人は戦前の倫理が強い為に娼婦は汚らわしい物と非難される。
- 43 :
- ある批評家が、「病気が原因の死の中で性病が占める割合が増える」
と言ったのはあながち笑い話でもない。
Y町に本社がある中林製薬社は性病治療薬を開発し、
それはいずれ全男性必須のアイテムとなるかもしれないと言われる。
- 44 :
- 部屋が少し肌寒い。
冷房器具を使用していないのに、
室温は25℃だった。
太陽が照り付ける残暑の日中であるにも拘らず。
- 45 :
- 目覚めると体が痛い。
記憶が途切れがちとなる。
慢性的にそういった症状をあの日から、
人々は抱えている。
検査の結果、放射能とは関係ないらしい。
- 46 :
- 耳鳴りに耳を澄ますと、
ラジオの周波数のようだ。
- 47 :
- 公的な情報より、私的な、
所謂噂、推測の話を人々は好んだ。
こういう情報の流行の最先端は焼け野原の住人である。
(それ故、無害地住民は彼等に嫉妬する)
- 48 :
- 焼け跡の住人は嘘吐きだ。
生きる為に嘘を付き騙さねばならない事もあれば、
頭が狂ってしまっているケースもある。
彼等は狂い始める。
それに拍車をかけているのが闇市だ。
- 49 :
- /
,. 、 / /
,.〃´ヾ.、 / /
/ |l ', / / 焼 け 跡 の み な さ ん
,、 ,r'´ ||--‐r、 ', 新 し い 世 界
l.l. ,..ィ'´ l', '.j '. 希 望 に 満 ち た
'r '´ ',.r '´ !| \ 戦 後 の 始 ま り で す よ !
l! ....:.:.:.:.:.:ヽ、 ,l \
ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
| |
.| |
- 50 :
- 焼け跡の住人は粗悪品のドラッグで、
頭がおかしくなってしまっているかもしれない。
いやしかし、そうでなくとも生活の為の行動は、
殺人、強盗、何でも蔓延してる自然社会?
とにかく危険な所だ、感染症も危ない。
- 51 :
- 腐って蛆の湧いた我が子の死体を抱え、
「この子にあげる飴を下さい」
「バカ野郎、死んでるじゃねぇか、腐敗臭が臭いから商売の邪魔だ!」
- 52 :
- 「焼け跡の娼婦はみんな病気持ちサ」
- 53 :
- また清眼薬で開眼した奴が捕まった。
彼等が本当に開眼しているのかは本人にしか分からない。
- 54 :
- 治安対策隔離、
焼け跡は壁に囲まれ、
住人は管理される。
ゲートのみの出入り。
(I町除く)
- 55 :
- 残虐なる爆弾の熱線
体内の瓦斯が熱で膨張し達磨の様に膨れ上がった者。
脂肪分が熱で焼き削げ針金の様になった者。
- 56 :
- 被爆地には消えない炎が燈り続ける。
夜も明るく冬は暖かい。
あの日から、年間降水量が倍以上になった地域。
それでも炎は消えない。
- 57 :
- /
,. 、 / /
,.〃´ヾ.、 / /
/ |l ', / / 焼 け 跡 の み な さ ん
,、 ,r'´ ||--‐r、 ', 毎 週 土 曜 日 の 夜 は
l.l. ,..ィ'´ l', '.j '. 全 国 の 護 国 寺 護 国 神 社 で
'r '´ ',.r '´ !| \ 祈 り ま し ょ う !
l! ....:.:.:.:.:.:ヽ、 ,l \
ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
| |
.| |
- 58 :
- 手を伸ばせば掻き消える、
それは黒煙で出来た人形だった。
真夏に冷や汗で目覚める。
窓の風、蝉の声、曇り空、
今日も特に何をやるべき事も無い。
- 59 :
- ミーン
ミーン
- 60 :
- 夕方には鈴虫だかコオロギだか、
昆虫には詳しくないので良く分かりませんが、
鳴いています。
- 61 :
- 少し駅と逆方向へと歩いてみた。
空襲の被害は全くなく、
中流の川には鯉が石橋の下に群がり、鴨が三羽泳いでいた。
川沿いに歩くと魚を釣って食おうとしている男が居る。
通りすがりに覗き込むと魚はやらんぞと睨まれた。
さらに進むと田園風景が広がり百姓が闇市で米を売る。
坂道を上ると濁った池があり、鯉の影が揺らぎ、
亀が餌をねだりのろのろと泳ぎ近付いて来た。
そのまま眺めていると潜って遠くへ消えた。
風が強い、蝉が鳴き叫ぶ、蜻蛉が飛ぶ。
少し歩き疲れて来た、畦道に団子屋の看板がやたら目に付く。
お腹も空いて来た事だし食べようと矢印を辿るが店は閉まっていた。
近くにバスの停留所を見付けたので乗って帰った。
- 62 :
- 感染症恐怖と言うのが人々の心に根付いている。
闇市では多くの安価な薬が売られている。
どれも本当に効果があるのか疑わしい。
ラムネのタブレットですら正規薬品の瓶に詰め、
風邪の薬と称し売られているのを知っている。
しかし案外「あら、この薬はラムネ味で飲み易いわ」
なんて言って気付かず、プラシーボ効果で案外治ったりする。
全く現実に起こってる事をそのまま無害地で語れば笑い話になる。
何て暢気な世の中なのだろう。
- 63 :
- 僕は噂を信じ、三次大戦は先進国の享楽が生み出した物であると思う。
無害地と焼け跡のアプレ格差、これも後に彼等の享楽になるのだろう。
無害地住民は現在の生活を維持したく、焼け跡へは赴かない。
だからメディアによって間接的に出なければ現状を知れない。
そうでなければ知りたくない。
- 64 :
- 無害地へ問題なく供給される食料、
電気、瓦斯、水道、情報・・・
これらはいつかプツリと寸断される筈だ。
中間街、焼け跡住民の暴動も起こるかもしれない。
戦争は実は終わってはいなく、
休戦中であり、また再開されるのかもしれない。
その時の標的は無害地だろうか。
- 65 :
- 戦前、旧首都の歓楽街に居た時、
大規模な停電が起こり、
その時は冬の25時過ぎだっただろうか、
街中のネオンは一瞬で消え、
周囲は暗闇に包まれた。
それまで特に感じなかった寒さが身を突き刺す。
その時、どうしようもない恐怖を感じた。
暗闇にだろうか。
僕の半径5mには見えないけど通行人が何人も居る。
誰も彼も知らない人ばかり。
停電で、一瞬でビルの壁も、人々も、消えた。
ああ、僕は死んでしまったのだろうか。
- 66 :
- 無害地の危機感の無い人達はある日突然、
肉体に傷を負うことは無く、
一瞬でライフラインが絶たれるのだろう。
- 67 :
- 昔は村や町は閉鎖的で、
よそ者を排除するが仲間内は結束している傾向があった。
第二次世界大戦が終わった頃から徐々に個の時代となり、
同町内の人物の顔も名前も知らない時代になった。
だからこそ、無害地住人が不安、恐怖を覚えた時、、、
- 68 :
- 耳塞ぎ薬遊びが焼け跡から中間地の子供たちに流行っている。
耳塞ぎ薬とは闇市で売られている薬品で、
軟膏を大量に麺棒に付け、耳の奥、
麺棒を挿入すると痛いと感じる部分に塗りたくる。
30分もすれば聴覚が麻痺するらしい。
すると妖精の声が聞こえてくると言う噂が流れ流行っている。
聴覚は2、3時間で回復するが、
やりすぎると次第に今までの量では効き難くなり使用量が増える。
完全に聴覚を塞がねば妖精の声は聞こえないらしい。
しかしこの薬を多量に使うともう聴覚は戻らない。
この聴覚を失った子供は「妖精の耳」と呼ばれている。
- 69 :
- 戦後の闇市のいかがわしい薬は、
人間本来の機能を制限、もしくは失う物が多く売れている。
機能を捨てる事で新しい人間を越えた機能を手に入れようとしている。
- 70 :
- 帰りのバスがデモ隊の行進にぶつかり止まった。
仕方が無いので家まで歩いた。
疲れた。
帰宅すると先ずコカコーラを飲み干す。
- 71 :
- 払拭しがたい悪夢を見た。
その舞台は戦前であり、予知夢でない事を祈る。
- 72 :
- デモ隊は「戦後国民の成すべき事をする会」
通称「戦後成会」と言う団体である。
彼等の二大主張は、
「戦後国民保障」と
「第三次世界大戦についての一切の情報の公開と戦争責任」である
焼け跡でこんな事を主張すれば袋叩きにあってもおかしくは無いが、
彼等は戦争被害者意識の最も強い中間街出身で、
やはり中間街の多くの者達に支持されていいる。
彼等はしばしば無害地へ訪れ寄付金を要求する。
中にはゆすりたかりの様な手を使う者も居り、
しかし彼等の主張は必ずしも間違っていると言うわけでもないし・・・と
諦めて寄付金を支払ってしまう住人も居り彼等は無害地では毛嫌いされている。
- 73 :
- 戦後生活についてのアンケート。
これは国内の主要都市を無害地・中間街・焼け跡の三つにカテゴライズし、
それぞれ住民の戦後の生活についての意見を纏めた物である。
・無害地
戦争被害を受ける事無く戦後も戦前同様の生活が続いている。
それゆえ戦後生活においては現在の状況の維持が最有力に挙げられる。
自分達が良ければ後はどうでも良いという考えが強い。
・中間街
空襲被害を受け、補償問題等、住民のこの戦争に対する関心度が最も高い。
戦争を憎む気持ちが高く、反戦運動などの活動が盛んである。
早期復興を求め国としばしば対立する事も多い。
・焼け跡
殆どの建造物は全て破壊し尽くされた。
住民の多くは希望を失い、また自暴自棄気味にあると言える。
都市が瓦礫と化した事による無力感、復興については諦めている。
戦前の状態への回帰より、新しい何かの誕生を期待しオカルト的な物を好む。
- 74 :
- 戦後、僕の感情はますます薄れていった気がする。
無害地と焼け跡の人間はそういう症状が多く見られる。
悪夢などで目覚めてふと感情が高ぶっている自分に気付くとはっとする。
- 75 :
- /
,. 、 / /
,.〃´ヾ.、 / /
/ |l ', / /こ れ は 罰 で すこれは
,、 ,r'´ ||--‐r、 ', これは罰です 罰 で す 罰で す
l.l. ,..ィ'´ l', '.j '. 罰こ れは これ は 罰で す
'r '´ ',.r '´ !| \ れ は 罰で す これ 罰
l! ....:.:.:.:.:.:ヽ、 ,l \ ガガーピピー
ゝ、.,_ ---‐‐‐----ゝ、ノ
| |
.| |
- 76 :
- 敗戦を志し、勝国も亡国なり。
超高層ビル瓦礫の砂場、
砂でお城を作ろう、お墓を作ろう。
人生の縮図?盛者必衰。
僕達操り人形、立派な政治家さんのお手。
僕達燃えるゴミ、紙屑の様に燃え広がる。
LA LA LA......
- 77 :
- 痒いよ痒いよ、火傷が、痒いよ、
痒いよ、皮が、火傷が、痒いよ、痒いよ・・・
・・・・・・・・・・・・痒いよ、火傷が、
お母さん、火傷が、痒いよ、熱いよ・・・・・・
- 78 :
- 焼け跡は全て壁に囲まれた。
入り口は厳重に警備され、
通行には理由と国民証が必要である。
国民証は身分証となるIDカードで、
顔写真と11桁の番号が付いてある。
国民証は各町に駐留する軍が発行する。
軍が役所職員と協力し役所として機能している。
- 79 :
- 焼け跡で話題になっている少女が居る。
「天使」と呼ばれるその少女は、
工場で被爆し、背中に様々な鉄屑等が付着し、
背中に一対のガラクタの羽が出来た。
彼女は被爆のショックで精神障害になってしまった。
意識を取り戻すのは日に2,3時間であり、
それ以外は虚ろに空を眺め歌っている。
その歌声が天使の歌声の様らしい。
- 80 :
- 壁に囲まれた街は、
排水機能が不十分で、
大雨が降れば泥水のプールが出来上がり、
全てぐちゃぐちゃになりながら火傷の子供達が泳いでる。
- 81 :
- 石膏、軟膏、ケロイド、血漿、
ネジ留め、角質、コルセット、
体液、泥水、全身ギプス。
- 82 :
- 全身ギプスのK子ちゃんが泥水プールで溺れ死んで浮かんでるよ。
- 83 :
- 一八時一五、
子供達にチアノーゼが著明。
- 84 :
- 三千世界はどうなった。
田は焼けて、街崩れ、
地獄の景色に成りけりか。
人は盲人無き極楽を知らぬ。
人はそこへは辿り着けぬ。
道在る道を進むなら、人は硝子の迷路に落ちゆ。
目を塞げ、目を潰せ。
偽りの美に惑わされず、
偽りの物質に行方を曲げず。
初見瞼の裏に、次に心。
温冷、硬軟、造形、材質、
自在に操る世界へようこそ。
- 85 :
- 見世物小屋。
- 86 :
- 軍人嘱託2号
「君、その腹部の膨らみ」
「私、出来ちゃったの」
「うむつもりか」
「時期に膿むわ」
腫れ物に帝王切開
食卓2号、黴菌が溢れ。
「摘出は花咲く満開の蕾か」
- 87 :
- 肉体が高野豆腐じゃないか。
太陽が眩しい。
- 88 :
- 思えば第二次世界対戦後、
昭和三一年だったかの経済白書に「もはや戦後ではない」
と書かれ流行語となったが、
経済面は戦後を脱したかもしれないが、
政治、軍事に関しては半世紀以上の時を費やしても
戦後を自力で脱する事は出来なかった。
- 89 :
- 明日は三月大師の大往生です。
- 90 :
- 往生の物語・・・・
- 91 :
- ごめんなさい。
上のレス酔っ払ってました。
爆撃がトラウマになり、精神を病んだかたわより。
- 92 :
- 三月大師の大往生に伴い今月は真密教大謹慎です。
- 93 :
- 人を殺したら逃げるだけ逃げて、
造顔薬で顔を溶かす。
焼け跡へは裏道があり、
重被災者コミュニティーが管理している。
彼等の仲間と騙せれば通過出来る。
ばれたらリンチされるけどね。
- 94 :
- 戦後国民放送(教育)
10:30
(再)「わんぱくアプレ」
おはかであそぼう、他
11:00
「はたらくオトナ」
ニートに夢を与えるお仕事
- 95 :
- >>93
人を殺しても死体が見つからなければ殺人罪にはならないんですよ
簡単なことです・・・・
- 96 :
- 首吊り小学校。
- 97 :
- Education.模範的指導。
それは指針を失いつつある。
善とは、悪とは、モラルとは、法とは。
新しい近代史は国連方針に沿うようにと。
教育委員会の反発は気違い沙汰で、
無害地においては問題も前例を習えばよいが、
中間街の教育者、都合の良い生産ラインとしての学校。
悪を追究せよ、自ら善となれ。
行動を起こし傍観を徹するな。
生徒も親も、今の時代に何が教育だと、
思ってはいるが、あの先生は何処何処党の方だから、
町内会員として、その母体の意に沿うようにと、
従う振りをするも洗脳されていく・・・
- 98 :
- 眠りヶ丘に風が吹き、
人々の記憶が消える・・・
- 99 :
- 海が毒となる前に 赤い糸が切れる前に 塔が瓦解する前に
家が燃え尽きる前に 太陽が焦げ付く前に 骨が粉になる前に
人が影になる前に 影が焼き付く前に 写真が灰になる前に
鳥が堕ちて来る前に 箱が潰れる前に 街燈が消える前に
血が黒く変わる前に 空気が固体になる前に 指が張り裂ける前に
屍が神になる前に 声が枯れる前に 夢が薨る前に
肉が溶ける前に 直線が曲線になる前に
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