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2013年05月恋愛サロン122: 大震災の後に出会った女の子 (380) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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大震災の後に出会った女の子


1 :2012/11/29 〜 最終レス :2013/05/01
板違いかなと思って、こちらに移動してきました。
タイトル通りなんだけど、需要あるかな?

2 :
とりあえずスペック
41のおっさん
背は高くて183ある
自分ではフツメンだと思ってる。
つか、ここは自分で2の書き込みしてよかった?

3 :
とりあえず書き溜め少ししてあるので、投下してみる。
よかったら読んでな。

4 :
2011年3月11日。その日は天気のいい日だった。
丁度、卒業式シーズンで、街には着飾った父兄や別れを惜しむ学生さん方が、
ちらほらみえた。少々寒かったが、和やかな時間が流れていた。その時までは。
2時46分。東北を中心とした東日本を強烈な揺れが襲った。

5 :
1000年に一度のと言われたその地震は、本震以降も何度も何度も大きく揺らし続け、
街の風景を一変させ、人々を恐怖に陥れた。
その地震だけならばよかった。建物の倒壊や地面の液状化、コンビナート等の火事など、
いろいろ被害はあったが、不幸にもお亡くなりになられた方は少なかったはずだ。
東日本大震災と名付けられるこの地震の最大の不幸は、
そのあまりの規模の大きさ故に発生した大津波だ。

6 :
津波は東北を中心とした東日本の沿岸部を襲った。使い古された言葉?でいうならば、
海がそのままドーンとやってきた、という感じで、
その膨大な水量と水圧で、誰彼、善悪関係なく、そこにある物、人、
すべてを黒い悪魔は何度も何度も飲み込んだ。流れてくる水に意思などあるわけがない。
想像をはるかに超えるレベルで、守ってきたもの、守るべきもの、大事なもの、
ありとあらゆるすべてを黒い悪魔は飲み込んで破壊した。

7 :
ヽ(´ー`)ノやぱ
関東大震災こいとか怒ってたからかな

8 :
ヽ(´ー`)ノえー
ほんまにきたわ
ヽ(´ー`)ノ吃驚ねー

9 :
頑強に守られていたはずの福島第一原発も例外ではなかった。
地震と津波で全電源を損失し、暴走を始める。
もちろん、決死の覚悟で現場の方々は万策尽きたというくらい頑張ってくれたであろうが、
翌朝、時の総理大臣管直人が、献金問題等々で進退問題に揺れていた管直人が、わざわざ広報を引き連れ
、内閣総理大臣という立場でありながら、首相官邸からヘリで危険極まりない福島第一原発に降り立ち、キリッとしたあの顔を見せ、
人々の反感を大いに買い、超特大ブーメランを投げた丁度その頃、原発の周辺地域の住民の方々は、日が昇って安全に確保がしやすくなったからのだろう、
大多数の人が友人知人家族の安否という心配を抱えたまま、
地震と津波の恐怖を抱えたまま、放射能という目に見えない脅威からのがれるため、一斉に避難を始めたという。

10 :
福島第一原発周辺は、震度6が襲った地域である。道路は裂け、波打ち、信号は止まり、津波で沿岸部の道路は使えない、
そんな状況なので渋滞して、まったくと言っていいほど車が進まなかったそうだ。
後に知り合うことになる親子もその中にいた。彼女らがいわき市を抜けるか抜けないかあたりで、現場作業員の決死の努力もむなしく、
午後三時過ぎ、福島台地原発一号機は水素爆発を起こす。

11 :
ヽ(´ー`)ノ強烈疫病神片瀬を感知すると地震が起こる法則
ヽ(´ー`)ノ震度4
ヽ(´ー`)ノどやすぺとかぁ
ヽ(´ー`)ノまた出てきやがる強烈疫病神ドブスザコバカタレしつこい
ヽ(´ー`)ノ震度4

12 :
知り合ってから聞いた話だが、この水素爆発という情報を車のラジオで聞いた時、
彼女らはしばらく家へ帰ることはできない、しばばらく故郷は放棄せざるを得ないと覚悟し、絶望したという。
彼女らが向かった先は、母親の姉のいる千葉の海べりの町のおいらの地元だった。
こういう時、やはり一番頼りになるのは血を分け合った肉親なのだ。
おいらの地元もまた、被災地であった。

13 :
亡くなられた方がいなかったのは不幸中の幸いであったが、津波にものまれ、液状化にもやられ、瓦や壁の落ちた家も目立ち、ひどい有様であったが、
放射能の影響もほとんど受けることなく、その地の人々の手によって、すぐに復旧は始まった。
すぐに復旧が始まった地域がある一方、福島第一原発は、その真相は闇の中だが
、現場作業員の努力の甲斐なく、3号機4号機と爆発する。
ただでさえ近づけなくなったその周辺地域がさらに遠くなってしまった。復興どころか、捜索さえも遠のいてしまった。

14 :
後に知り合う親子は三号機四号機の爆発で、暫くしたら帰れるんじゃないか、というかすかな望みも消え
、絶望しながらおいらの地元でしばらくは生活していこうと決めたのだという。
おいらは小さな飲食店を経営している。
わかりやすい例えなら、規模を小さくしたすき家の定食屋バージョンと言えばいいだろうか?
店内で食べさせたりもするし、テイクアウトも出来るって感じだ。震災の後は被災地優先というやつで、
コンビニの弁当が無くなったりとか、復旧作業にあたる人の弁当などで、テイクアウトはよく売れた。

15 :
飲食店というのは、例えその規模は小さくても出入りの業者はかなり多い。
うちの例でいえば、冷食だけで業者は2件ある。
それに肉関係、乾物、テイクアウトで使う容器の業者等々、毎日のように複数の業者が出入りしている。
震災から一週間もたった頃、肉関係の業者が新人さんを連れて納品に来た。
肉関係の納品はいつも九時過ぎにある。この時間はまだおいらしかいない。
「おはようございます。○○ミートです」
「今日はロース4Kと鳥もも5K・・・」
いつものように肉屋のおばちゃんと納品の確認をしている後ろで、
暗い顔をして立っている背の高い、170以上は確実にある女性が新人さんであった。
「あのね、この子新人さん。あしたからこの子が納品に来ますんで、よろしくお願いしますね」
納品が終わって、小柄な肉屋のおばちゃんが新人さんを見上げつつ紹介する。

16 :
ヽ(´ー`)ノあれマジ
冗談抜きで強烈疫病神やで
ヽ(´ー`)ノ呪いの
ゲテモノデバガメゴリラ押尾ビッチ人形みたいやん
なんであれ気持ち悪くないでテレビにしつこい出してくるん犯罪悪霊
ザコバカタレ片瀬
ヽ(´ー`)ノそいった
感覚が鈍ってるから
(゚Д゚)スンスンスンーすかー
(゚Д゚)ォォォぎゃあぁあ地震とかぁー
東日本壊滅モードー
ヽ(´ー`)ノなるんちゃうん
ヽ(´ー`)ノなんか
近代人とかビルだらけ地域俗世民は
鈍るよな生物としての
何かが
ヽ(´ー`)ノそんなあってまだ平気で出してるて異常関東人て
ヽ(´ー`)ノ押尾ビッチ片瀬消せよ気持ち悪いゲテモノ疫病神。
震度4
ヽ(´ー`)ノたこちゃ
なんやあるんやから
たこちゃがこれいやとか悪霊いうたらそやって

17 :
「宮内(仮名)と申します。明日から私が配達に来ることになりましたので、よろしくお願いします」
宮内さんは見た感じ30代後半、口紅を塗るだけでたいして化粧もしていなかったが、きれいな人なのはわかった。
特徴的なのはその言葉の訛りで、おいらの福島の友人と同じイントネーションであった。
「こちらこそ、よろしくおねがいします。頑張ってくださいね。あれ、宮内さんは福島のかたですか?」
何の気なしに出てしまった、福島の方という言葉。
これが話好き世話好きのおばちゃんの心を刺激してしまったのか
「薫(仮名)ちゃんね、この子、福島の原発のあれで逃げてきたんだよ、自分の姉さんのとこに。娘さんと二人でさ。
旦那さんはまだ福島なんだけどね。大変な目にあったよね。やさしくしてやってね、おいらさん」
おばちゃんがそこまで言ったあたりで、宮内さんは目をぱちくりぱちくりとさせ、
二度ほど鼻をすすったかと思うと、うつむいてシクシクと涙を流し始め、それを
手でゴシゴシ拭った。なんとも子供っぽい仕草な感じがしたが、おいらは不謹慎ではあるが、
かわいく感じた。

18 :
「宮内(仮名)と申します。明日から私が配達に来ることになりましたので、よろしくお願いします」
宮内さんは見た感じ30代後半、口紅を塗るだけでたいして化粧もしていなかったが、きれいな人なのはわかった。
特徴的なのはその言葉の訛りで、おいらの福島の友人と同じイントネーションであった。
「こちらこそ、よろしくおねがいします。頑張ってくださいね。あれ、宮内さんは福島のかたですか?」
何の気なしに出てしまった、福島の方という言葉。
これが話好き世話好きのおばちゃんの心を刺激してしまったのか
「薫(仮名)ちゃんね、この子、福島の原発のあれで逃げてきたんだよ、自分の姉さんのとこに。娘さんと二人でさ。
旦那さんはまだ福島なんだけどね。大変な目にあったよね。やさしくしてやってね、おいらさん」
おばちゃんがそこまで言ったあたりで、宮内さんは目をぱちくりぱちくりとさせ、
二度ほど鼻をすすったかと思うと、うつむいてシクシクと涙を流し始め、それを
手でゴシゴシ拭った。なんとも子供っぽい仕草な感じがしたが、おいらは不謹慎ではあるが、
かわいく感じた。

19 :
ヽ(´ー`)ノヒロム
中丸くそじじぃ片瀬
ヽ(´ー`)ノこいつらが性悪いことばっかりするしてきたやろ
散々4年間
ヽ(´ー`)ノ壊滅モード
ヽ(´ー`)ノそんなんクズゴミどものばなしにしてきてた関東人
一緒に皆罰当たり
自業自得

20 :
眠いとだめだ…・
また明日投下します。
質問があれば応えられる範囲で答えます。

21 :
余計な描写を省いて要点を端的に抜き出すことは苦手ですか?

22 :
>>21
書き溜めしたら、なんだか小説みたくなってしまったのです

23 :
ドラマ化狙ってるな

24 :
電車男みたいにはなるわけないw

25 :
また書き溜めた分を投下していきたいと思います

26 :
「困ったこととかあったら言ってくださいね。協力しますから」
社交辞令でなく、可愛かったからでもなく、本心から出た言葉だった。
おいらには福島のいわきに住む友達がいて、外出ができない、エアコンつけられないとか、石油が買えない等々、いろいろ聞いている。
加えて、おいらはネットの住民である。震災と原発の事故で福島の人たちが大変なのは
TVと新聞が情報源の人よりはよく知っているつもりであった。
「はい。ありがとうございます」
といったのだろうと思うが、エグエグやっているので言葉にはなっていなかった。
「頑張ってくださいね」
気の利いた言葉が出なかった。

27 :
いわきの友達にもそうだったが、本当に大変な目にあったひとに、そういってやること
しか出来なかった自分がなんとももどかしく感じた。
「じゃあ、私らは行きますね」
おばちゃんはそう言って、エグエグが止まらない宮内さんの肩をポンポンと叩き、
肩を抱いてというか、背中を抱く感じで店を出て行った。

28 :
歴史にはIFがつきものという言葉があったと思うが、
もし、時の最高権力者が、キリッとした顔をして、原発の視察などというブーメランを
投げなければ、
このRはなかったかもしれない。大きな天災などが起こった場合など特に、
世の中一寸先は闇である。
おいらはこの時改めて、というか震災以降毎日何度も何度も感じたのだが、
この震災はとんでもない事だったのだなと感じた。
この後何件もお店を回らなければならない宮内さんは、ずっと泣きっぱなしなんだろうか?
などと、同情しながら余計なことを気にしていたのだが、仕事に追われ、頭の中から消えて行った。

29 :
震災の後は被災地優先で、コンビニやスーパーに食料が並ばなくなり、
おいらの店みたいなとこはどこも恐ろしく忙しかったのだ。
昼の営業が終わり、午後3時くらいであったか?思いがけない人から電話があった。
午前中にシクシク泣いた宮内さんからであった。

30 :
「あのぉぅ、今日お伺いした○○ミートの宮内ですけどもぉ、
今、お話聞いてもらっても大丈夫ですか?」
エグエグ泣いた宮内さんは、やっぱり語尾が跳ね上がる福島訛りであった。
「大丈夫ですよ。何か困りごとでも?」
「ええと、お店のアルバイト募集の張り紙見て電話したんですけど、まだ募集してますか?」
「え・・・・・」
避難してきてまだ一週間足らずで、掛け持ちって・・・と、おいらは言葉を失ってしまった。
すると、それを察したのか、
「あの違うんです、私じゃないんです。娘・・バイトしたいのは高校生の娘なんですよ」
と、宮内さんは説明した。

31 :
この時期、卒業で学生さんがいなくなってしまう飲食店は多い。
うちの店もそうで、アルバイトの確保は急務であった。
普段ならば、アルバイトの募集の電話を親にさせるような子供は採用どころか面接さえもしない。
話を聞きながら断る理由を探す。だが、この親子の場合状況が違う。
おいらは話を聞いてみることにした。
「そうなんですか。じゃあ、そこに娘さんいれば、ちょっと代わっていただけますか」
「じゃ、代わります」
「もしもし、あの、あの、母からアルバイトの募集してるって聞いて、その、あの・・・
福島からこっちに来て、あの、いろいろ必要なもの買ったりとか、お金が必要で、
あのあのアルバイトさせてください」
こういう事に慣れていないのだろう、緊張しているのが手に取るようにわかった
。いきなりアルバイトさせてくださいと言ってしまう子も珍しい。
が、一生懸命話す様子がうかがえた。
そして変に場馴れしておらず、擦れた感じが無くてかわいいと感じた。

32 :
「バイトしたいんだね?」
境遇も知っており、かわいいと感じた子には言葉が自然とやさしくなる。
「はい」
「でもね、条件とか聞いてないでしょ。こっちの条件とかそちらの希望もあるでしょ。
その話をしましょう。お店来てもらっていいかな?」
「面接・・・ですか?」
「そう、面接。いつだったら都合いいかな?」
と聞くと、彼女はいつでも大丈夫で、これからでも行けるのだという。
住所を聞くと、徒歩圏内で結構近い。
「じゃあ、これから来てくれるかな?ここの場所わかるかな?」
この三月いっぱいで辞めて行ってしまう、よくやってくれるバイトの子がいるので、
新人さんには早く入ってもらいたいという希望があったので、すぐ来てもらうことにした。

33 :
「はい。わかります。じゃあ、これから支度してお伺いします。ありがとうございました」
それから30分もした頃、お店の午後の開店の少し前に宮内さんの娘はお店にやってきた。
「こんにちは。あのあの、さっき電話でこれから面接・・・・で来た宮内です。
よろしくおねがいします」
どうも、あのあのと言うのはくちぐせらしい。
緊張の面持ちでそう話す宮内さんの娘さんは、母親と同じで長身で、
170以上は確実にあった。
そしてそのことをコンプレックスにしているのかわからないが、猫背気味だった
。雰囲気は、バレーの木村沙織を少し小さくした感じと言えば近いか。
ショートカットでかわいい感じ。度の強い眼鏡をかけているせいか、
少し野暮ったい感じと真面目な感じがした。

34 :
少しいやらしい話になるが、お金が必要で、真面目そうで腰の軽い子と云うのは、
大事に育ててやると、所謂“使えるバイト“になることが多い。
書いてきましたと手渡された履歴書を、ちょっと失礼と拝見させてもらったが、
採用はその前に決まっていた。
宮内さんの娘さん(娘さんとする)はできるだけ働きたいとの事で、
うちの提示した自給の額で問題ないということで、晴れて週6出勤で採用が決まった。

35 :
「いつからこれるかな?」
「今日からでも大丈夫です」
慌ただしいが、その一言でそのまま出勤ということになった。
と、ここで四時出勤のバイトの女の子が出勤してくる。
リカちゃん人形みたいで非常にかわいらしい。
また働きぶりも素晴らしいという、辞めていくのが惜しい人材であった。
また、一応モデルとして活動をしている子でもあったので、以下バービーちゃんとする。

36 :
「バービーさん、この子新人さんで宮内さん。
今日から仕事なんで、ちょっと着替えから仕事教えてあげてくれるかな」
普段は名前でちゃん付けで呼ぶが、仕事中なのでみよじでさん付けだ。
「宮内です。今日からお世話になります。よろしくお願いします」
「バービーです。よろしくお願いします」
と、形式的な挨拶が終わると、二人は店の二階へ上がって行った。
うちの店は店舗兼住居になっていた建物を改装して使っており、
二階は倉庫、更衣室兼休憩所、事務所という名のおいらの部屋。
住居だったので、あとはバストイレとなっている。

37 :
ブヒ

38 :
二階へ上がって十分もたった頃、二人は一階へ降りてきた。
僅かな時間ではあったが、二人はうちとけた様で楽しそうにしていた。
その日もやはり、テイクアウトを中心に午後の開店から忙しかった。
5時出勤のパートさんが二人来ても、それは変わらなかった。
やはり、娘さんは当たりのバイトな様で、仕事の呑み込みも早く、
教育係のバービーちゃんの金魚の糞になることもなく、よく働いた。

39 :
あたふたと仕事に追われ、あっという間に閉店時間の八時半となった。
うちの店の場合、この後希望すれば食事が出る。
食べなければ一食300円が給料に加算となる仕組みだ。
いつも誰も食べないのだが、娘さんはそれを希望していた。
「おつかれさまです」
と、パートさん二人は帰って行ったが、バービーちゃんは娘さんと話し込んでいるのか、
二階の更衣室のほうからキャッキャと声がする。
楽しそうなので中に入ってみたい気もするが、おいらは調理場で食事作りだ。

40 :
今日はこの辺で終わります

41 :
読んでるよ
続きよろしく

42 :
>>41
ありがとう
需要あったのがうれしいわw

43 :
ボチボチ投下していきます

44 :
メニューは鮭の親子丼と味噌汁。
震災時の停電で少しの間常温にさらしてしまい、
普通に食べれるが売り物には出来なくなってしまったというアラスカ産?のイクラを、
大量に出入りの業者に貰ったものがあったのだ。
親のほうの鮭はテイクアウトで使うので、旨いやつ、細かいことを言うと、
エドノフーズという会社の紅鮭が常時大量にある。
味噌汁は残念ながら、余り物のわかめとねぎの味噌汁だ。

45 :
調理場でおいらが焼いた鮭をほぐしていると、
バービーちゃんが上から降りてきた。
「店長、今日、あたしも食事したいんですけど、いいですか?」
バービーちゃんは娘さんが食事をとると聞いて、
自分も食べたくなったらしい。話もしたいのだろう。
今からか・・・と思ったが、もちろん口には出さない。
おいらはよく働いてくれるかわいい子には甘いが、
仕事を離れたら、当然それがもっと甘くなるのだ。
「いいよぅ。じゃあ、もう少し待っててね」
かわいい子からお願いである。エロおやじよろしく、顔はニコニコだ。
鮭の親子丼というのは、その作り方や使う材料は人それぞれだが、
どれでも材料さえ用意すれば意外と簡単にできる。

46 :
今回おいらが使った材料は、紅鮭、いくら、海苔を手でほぐしたもの、万能ねぎだ。
本当は三つ葉や錦糸卵がほしかったが、店の食材にはない。
作り方はいたって簡単で、どんぶり飯に海苔をほぐして敷き、
適塩になっている紅鮭を焼いてほぐして海苔の上に敷き詰め、あとはイクラを真ん中にたっぷりと盛ってやり、あさつきをちらして
、はい出来上がりである。あとは好みでしょうゆを回してもらえればいいのだ。
上記した様に鮭の親子丼は簡単なので、10分もかからず三人前は出来たと思う。
娘さんの分とバービーちゃん、一緒には食べないが自分の分だ。

47 :
今回は二人とも初めてのうちの店での晩御飯なので、おいらは味噌汁を温めてやり、
お茶も急須に入れてやり、湯呑みを用意し、それらと箸と、一応スプーンをお盆に乗せ、
二階へ持って行ってやる。彼女たちはおいらのお客様状態だ。
まぁ、彼女達はよく働くし可愛いので、それも悪くないのだが、バイトは社会勉強でもあるので、
家と仕事場の違いみたいなものを目上の者がいろいろ教えてやらなければいけない。
おいらはお盆を持って階段を上がりながら、うるさく思われないいい言葉をあれこれ探した。
が、いい言葉は見つからない。理由は好かれようとしているからである。

48 :
「おまたせ」
休憩室になっている和室の戸を開けて出てきた言葉がこれである。所謂、へたれだ。
「今日は鮭の親子丼です。今日は俺が用意したけど、今度からお茶とかは自分で用意してね」
17,8のかわいい女の子をまえにしたら、おいらはこれしか言えなかった。
全くダメな大人である。
だがしかし、娘さんはまだよくわからないが、バービーちゃんはこの程度の教育で大丈夫であろう。
良く出来た子というのはそういうものだ。
「ああ、すいません。ありがとうございます」
と、バービーちゃん。
「こういうのは自分たちでやらないとね」
解ってくれたようだ。バービーちゃんは娘さんのまえでお姉さんの様だった。

49 :
鮭の親子丼を目の前にした彼女らは大はしゃぎだった。やはり、イクラは高級品であり、好きな人も多いのだ。
「わぁ、すごい。イクラいっぱーい。おいしそう」
と、バービーちゃん。彼女はどうやらイクラに目がない様子で、ご満悦の様であった。
「イクラすごいですね、いつもこんな食事なんですか」
娘さんもイクラにご満悦の様であった。やはり、料理を作る者として、作ったものを喜んでれるのはうれしい。おいらもご満悦であった。
通常であれば、おいらはここらあたりで部屋を退散するところなんだが、この日は娘さんと話がしてみたかった。なんといっても初日なのだ。タバコを一服したいのをこらえ、自分で入れたお茶をすする。

50 :
今日は出かけるんで、ここで終わります。
おっさん忙しいのだw

51 :
私も読んでますから宜しくお願いします

52 :
追いついた
続きが楽しみです

53 :
>>51 52
ありがとです。
気長にやると思うので、よかったらお付き合いください

54 :
では、続きを貼っていきます

55 :
「いつもこんなんじゃないよ。イクラいっぱいもらったからね」
おいらは口が軽いのか、隠し事があまりできないタイプだ。
これを言ってしまっては、少々有難味がなくなってしまう。
「そうなんですかぁ、でも、こんなにいいんですか?」
前にも書いたが、おいらはかわいい子には甘いのだ。だから、いくらはふんだんに盛ってある。
「店長さん、娘さんが可愛いから、いっぱい載せてくれたんだ」
と、バービーちゃんが年頃の女の子らしいことを言って、おいらを茶化す。
だが図星である。かわいいのは二人ともなんだが、図星である。
彼女はうちでアルバイト2年やってきているだけあって、おいらの事をそれなりに分かっている様だ。

56 :
「バービーちゃん、あなたにも同じだけいっぱいもってあるんだけど・・」
そう、おいらがふざけ半分で言うと、二人は笑った。おいらもうれしくなって、笑った。
和やかなひと時であった。だが、程なくして状況は一変する。
「どうぞ、食べな」
「いただきまぁす」
バービーちゃんはそう言って、用意してやったスプーンで食べ始めた。
「んーーおいしい」
バービーちゃんはニコニコであった。

57 :
その一方、どうしたものか、娘さんは鮭の親子丼に箸をつけることもなく、
目の前のどんぶりを見て固まってしまった。さっきまでは笑っていたというのに、
悲しげな表情さえ浮かべている。バービーちゃんもそれを察して心配そうに娘さんを見守っている。
「むすめさん、どうぞ」
「はい、いただきます」
娘さんの声は涙声になっていた。そして、スプーンで鮭の親子丼を口へ運ぶ。
「シャケおいしい」
娘さんは声を絞り出すように言うと、箸を持ったまま俯いてシクシク泣き出してしまった。そして
「シャケ・・・おいしい」
エグエグとしながら同じことを言うと、手でゴシゴシと涙をぬぐった。
親子というのはそういうものなのか、泣き方まで似ていた。
その涙の訳はある程度察しはついた。

58 :
おいらの作ったシャケの親子丼に感動したわけではない。
娘さん(娘さんというのは味気ないので、以後シャケちゃんとします)は震災の被災者で、
原発事故で避難してきて一週間地度なのだ。何か思うことがあったのだろう。
だから、おいらはこのかわいい乙女の突然の涙でも驚きはなかった。バービーちゃんも、
おいらがいない間にいろいろ話をしてその理由が解るのか、優しいまなざしを向けていた。
「シャケちゃん、福島の事おもいだしたか」
おいらがそう聞くと、シャケちゃんはこくりと頷き、口を開く。
わずか一週間前に震災と原発事故を経験した17歳の女の子なのだ。無理もない。

59 :
「あっちの人たち、避難した人たちみんなどうしてるんだろ、おいしいもの食べれてる
のかなって…あたしはここでバイト始めておいしいもの食べてて…」
少しばかり日常を取り戻したかもしれないシャケちゃんが、そう思うのも無理はなかった。
TVで映し出される避難所の生活は、大変なものばかりであった。
「いいんだよ、食べな」
相変わらず、おいらは気の利いた言葉が出ない。
それに引き換え、17歳のバービーちゃんは、少しの間にお姉さんの様になっていた。
「大丈夫。みんな優しくしてくれるから。支援すごいじゃん。心配だろうけど、みんな
親切にしてくれてるって」
そしてその言葉の端々に優しさが感じられた。本当に良い子なのだ。

60 :
そうですね。そうですよね」
シャケちゃんはバービーちゃんの言葉に安心したのか、もう一度いただきますをして、
おいしいとうれしいを何度も言って、おいらを喜ばせた。バービーちゃんの眼差しもやさしい。
おいしいと何度も言って再びシャケの親子丼を食べ始めたシャケちゃんであるが、
きれいに半分も食べると、ごちそう様をしてしまった。
はて、どうしたものか、と思っていると、シャケちゃんが口を開いた。

61 :
「店長さん、この丼ぶり今日お借りしていいですか」
「いいけど、たべきれなかった?」
「いえ、おいしかったんで、なんか嬉しくて、お母さんにも食べさせてあげたくて」
それを聞いたバービーちゃんの箸が止まる。
「食べかけだけど、これたべなよ」
バービーちゃんはそう言うと同時に丼ぶりを素早くシャケちゃんに差し出した。
「いや、いいですよ。バービーさん食べてください」
おいらは二人のそのやり取りを見て、嬉しくなってしまった。
だが、嬉しくなってニコニコしてばかりはいられない。
「二人ともちゃんと食べな」
そう言い残して、おいらは階段を駆け下りた。自分の分のシャケの親子丼があるのだ。

62 :
急ぐ必要はあまりないが、小走りだ。うれしくて、食べさせてやりたくてたまらないのだ。
自分のシャケの親子丼を片手に部屋に急いで戻ると、二人の食べかけはそのままだった。
「シャケちゃん、これお土産。甘えとけ」
おいらは相変わらず上手いことが言えない。
本当はもっと優しい言葉を投げかけてやりたいのだが、優しい言葉が解らないというか、
出てくる言葉がそうなってしまう。
「え、それ店長さんのじゃないですか?悪いですよ」
と、遠慮するシャケちゃん。もはや自分の飯はどうでもよかった。かわいい子の二人に
おいしいものを食べてもらいたかった。

63 :
「まだあるから、いいって。甘えとけ。お母さんに持ってってやれ」
おいらはこういう事を言うとき、どうしても意に反して怒った口調になってしまう。
だが、その口調が良かったのか、シャケちゃんはすぐに素直に
「はい。ありがとうございます」
と従ってくれた。
「よかったねぇ、シャケちゃん」
と、バービーちゃん。彼女のその声はちょっとばかり涙声であった。
それにつられたのか、「うん、よかった」と呟いたシャケちゃんの声も涙声であった。
そして二人は、またおいしそうにシャケの親子丼を食べてくれた。

64 :
その後、お酒も飲まずにお茶だけで、ついつい時が経つのも忘れて三人で話し込んでしまった。
バービーちゃんは普段は自分からは絶対にしないモデルの話。
シャケちゃんは福島にいたときは引きこもりがちでボッチであったこと。
震災の時の大変だった話など、その他いろいろ。
おいらは、なぜ独身なのかという話を根掘り葉掘り聞かれてしどろもどろになっていた。

65 :
今日はこの辺で終わります。

66 :
いい話ですね
続き楽しみにしてます

67 :
>>66
ありがとう

68 :
では、続きはっていきます

69 :
いつの間にやら時は過ぎて、時計の針が10時を指したころ、お店の電話が鳴った。
店は閉めているので出ないつもりでいたが、コールが止まない。
おいらは忘れていた。18歳と17歳の高校生を預かっていたのだ。
“やべえ”と思いつつ急いで階段を下りてでんわにでる。案の定親御さんから」であった。
「今日からそちらでお世話になってる宮内シャケの母なんですが、あのぅ、店長さんですか?」
宮内さんのその声には、若干の苛立ちが見えた。どうにもこうにもバツが悪い。悪いことをして怒られている気分であった。

70 :
「あのう、娘がまだ帰ってこないんですけど、まだそちらにいるんですか」
「はい。すいません、連絡もさせないで。ほかのバイトの子と話し込んでしまいまして」
「そうですか。それならよかった。携帯もでないから、ちょっと心配で」
やはり、年頃の娘を持つお母さんである。おいらは申し訳なさで一杯であった。
携帯は鳴っているのが解らなかったので、マナーモードのままロッカーの中に
仕舞っててわからなかったのかもしれない。
宮内さんは気になって店に迎えに来ているとのことだった。

71 :
それを聞いて、おいらはダッシュで二階へ上がる。
「シャケちゃん、お母さん迎えに来てる。支度して。ごめんね、連絡させとくんだった」
「え、お母さん来てるんですか」
シャケちゃんはびっくりした様子だった。
バイトも初めてで、引きこもりのボッチだったせいか、こういう事は初めてなのかもしれない。
「バービーちゃん、うちに連絡して。送るから」
バービーちゃんも年頃なのだ。バービーちゃんは慌ててロッカーから携帯を取り出す。
「あーお母さんから電話来てた」
この子もマナーモードでロッカーに入れっぱなしだった様だ。おいらは慌てた。

72 :
「片づけはいいから、早く支度して。お土産忘れんなよ」
おいらはそれだけ言うと、今度はダッシュで階段を下り、外へ出る。
宮内さんが待っているのだ。おいらは早く謝らなければならない。
宮内さんは暗い中、店の入り口の所にいた。背が高いので、すぐにそれと分かった。
それと店の駐車場に一台、よく知っている車が止まっていた。バービーちゃんのお母さんの車だ。
こちらにも非礼を詫びに行かねばならない。
「こんばんは。すみません、連絡せずに遅くまで」
「電話もつながらなかったんで、ちょっと気になって…」
「話し込んじゃってて、申し訳ないです。今、来ると思うんで」

73 :
そういうおいらの態度のせいもあるのか、宮内さんは少々イラついている感じだった。
と、そこへシャケちゃんが店から出てきた。おいらに急かされたからだろう、
素直な彼女はダッシュで着替えたというか、着替えながら出てきた。
Tシャツ姿で上着を羽織りながらだ。そして手にはしっかりとお土産があった。
お姉さん的存在になった教育係のバービーちゃんはまだ支度ができないのだろう、まだ出てこない。

74 :
シャケちゃんは宮内さん、つまりお母さんを見ると、お疲れ様もなしにおいらに背を向けて
お母さんと向き合ってしまった。そして、こちらからは見えないが、
俯いて少々シクシクしている様だった。
さっきの出来事を思い出しているのかもしれない。
「お母さん」
と言ったが、その後の言葉が続かない。
ただ、手だけは動いていてビニール袋に入ったシャケの親子丼を差し出していた。
「お母さん…」
まだ言葉が続かない。すると、宮内さんの顔がみるみる変わった。鬼の形相にだ。

75 :
続きはまた後程貼っていきます

76 :
続く
ってか気になる気

77 :
うわっ!
すっごく気になる((( ゚д゚;)))gkbr

78 :
>>76 77
続きです

79 :
“ん”
と、思った瞬間、宮内さんの手が伸びた。
「パチーン」
おいらは何が何だかわからなかった。叩かれた人間だが、いい音がしたのはわかった。
「てめえ、シャケに何しやがった」
そう言われても、その時はおいらは何が何だかわからなかった。
もしかしたら、宮内さんは若かりし頃、ヤンキーだったのかもしれないと、
その口調から分かった。そして続けざまに二発目。
「パチーン」(いい名前が思いついたので、宮内さんは、以後パチ子にする)
痛いはずなんだが、訳もわからず痛みも感じない。おいらは頬を押さえてポカーンとしてしまった。

80 :
「てめえ…」
今度は涙声になってしまっていた。
「こん畜生…」
パチ子はそう言い放つと、おいらを蹴り、顔を手で覆ってしまった。
依然としておいらは何が何だかわからない。鈍いのだ。落ち着いて考えれば、
娘がバイト→帰ってこない→電話にも出ない→男と二人でバイト先の店から出てくる
(本当は三人だが)→着替えながら出てくる→泣いている。で、想像するのはただ一点。
不純な行為だ。それがわかれば、涙声の訳も納得いく。
地震にやられ、原発事故に追われて避難してきたばかりで、その仕打ちであったならば、誰だって泣きたくなるであろう。
鈍いおいらとは違って、シャケちゃんは状況を理解した様で、慌てていた。

81 :
「お母さん、違うのー」
パチ子とおいらの間にいるような形でいたシャケちゃんが、パチ子の胸を押して距離をとり、
何を話しているかわからないが、べそをかきながら訴える。
すると、怒りと悲しみでクシャクシャになった泣き顔はみるみる穏やかになった。
依然としておいらはポカーンだ。女性にいきなり張り手というのは初体験だ。
状況がなかなか飲み込めない。
いつの間にか店から出てきていたバービーちゃんもポカーンとして口を押さえていた。
さらに、バービーちゃんのお母さんも、車から出てきていて、娘と同じようにポカーンとしていた。

82 :
パチ子はポカーンとしているおいらに、手を震わせながら差し出してアワアワと近づいてきた。
「ごめんなさい…痛かったでしょう…ごめんなさい…」
パチ子はそう言うと、おいらの赤くなってるかもしれない頬をスリスリ摩った。
「あたし、シャケ帰ってこないし、また泣くもんだから変な勘違いしちゃって…あああ、ごめんなさい」
「ああ、大丈夫です」
パチ子は泣きながら笑っていた。シャケちゃんの話で嬉しくなっていたのかもしれない。
そして、完全にテンパっていた。おいらはこの時点で、ようやく状況が飲み込めた。
おいらが電話をさせなかったばかりに起こってしまった出来事なのだが、
その状況を考えれば納得だが、ひどい勘違いである。

83 :
「てて、店長さん、ごご、ごめんなさい。母が…」
シャケちゃんも動揺を隠せない様子で、どもりながらそう言うと、
「痛いの痛いの、飛んでけーー」
と、パチ子はもうすぐ40になるおっさんにやった。頬をさすって、それをポイッとだ。
これには笑ってしまった。
「あはは、パチ子さん、なんですかそれ」
そうおいらに言われて、パチ子はさらに動揺する。
ひどい勘違いをして男をひっぱたいた、という自覚からなのか、
「だって、だって、痛かったでしょ、だから、だからその」
と、パチ子は言葉が続かない。かと思ったら、
「痛いの遺体の、飛んでケー」
と、またやった。その慌てふためいている様子が、どうにも可愛らしい。そして可笑しかった。

84 :
「あはは、大丈夫ですよ」
笑ってしまったが、もともとの原因を作ったのはおいらなのだ。
「連絡させればよかったんですけど…、すいません、勘違いさせちゃって」
「ほんとに、ほんと大丈夫?」
「大丈夫ですよ」
シャケちゃんを見ると、何やら気恥ずかしそうに俯いてもじもじとしている。と、目が合う。
「店長さん、母がすみませんでした。あのあの…」
シャケちゃんは度の強い眼鏡で小さくなってしまった眼差しで不安げにおいらを見る。
それがその続きの言葉を物語っていた。うちの店で彼女を手放すつもりなど毛頭ない。
「明日も今日と同じ出勤時間でよろしく」
すると、シャケちゃんの表情はぱっと明るくなる。
「はい。頑張ります」
そう答えたシャケちゃんは、なんだか嬉しそうにしていた。そのわきでパチ子も嬉しそうにしていた。親子で今日の出来事でも話しているのだろうか、
シャケちゃんが話役でパチ子が聞き役でとなり、嬉しそうに話をしている。

85 :
今日はこの辺で終わります

86 :
あら、コテハンが・・・
この辺で終わります

87 :
■「内部被爆はどうしようもない、福島、埼玉、東京、神奈川、千葉など関東の人は結婚しない方がいい。子供産むと奇形発生率がドーンと上がる」…公益法人会長が講演
池谷会長は、福島のほか原発事故で放射能汚染を受けた関東地方の県名をあげ、地域の地図を示しながら
「放射能雲の通った地域にいた方々は極力結婚しない方がいい」と発言。
「結婚して子どもを産むと、奇形発生率がドーンと上がる」。
「発がん率が上がり、奇形児が生まれる懸念がある」などと話した。
池谷会長は取材に、「被曝(ひばく)で遺伝子損傷と奇形児出産のリスクが高まることを訴えた」と説明。
「一般論として私の見解を話した。差別する意図はなかった」と話した。
http://www.asahi.com/national/update/0829/TKY201208290581.html

88 :
今日もぼちぼち投下していきます。

89 :
ふと見ると、いつの間にかバービーちゃんはお母さんと一緒になっていた。
こちら状況がつかめないのだろう、遠巻きに二人で口に手を当ててこちらを伺いながら、
まるで世間話に没頭するおばちゃんの様にヒソヒソと話している。その様子からして、
ひどい勘違いをしているかもしれないと推測できた。
それならば、その誤解は解かなければならない。
「パチ子さん、今日はいろいろ申し訳なかったです」
と、おいらは頭を下げる。

90 :
「こっちこそ、ほんとすみませんでした。あの、娘の事よろしくおねがいします。
ビシビシ使ってやってください」
パチ子は何度の頭を下げながらそう言うと、それを聞いたシャケちゃんは何を思ったか、
ビシッとファイティングポーズをとると、
「頑張ります」
と言って、拳を突き出した。
どうやらシャケちゃんは所謂天然ちゃんの要素を持ち合わせているのかもしれない。
ここで、おいらはシャケちゃんのそれを構いたかったが、そうもしていられなかった。
バービーちゃんの所へ謝りにいかねばならないのだ。

91 :
おし、頑張れよ。お疲れ様でした。じゃ、失礼します」
おいらはそう言って頭を下げると、バービーちゃん親子の元へ向かう。
だが、先頬の状況が状況なだけにかなり気恥ずかしい。
「す、す、すいません。遅くまで連絡もさせないで…・」
おいらは思わずどもってしまった。それをシャケちゃん親子はニヤニヤとみる。
そして先に口を開いたのはお母さんのほうだった。
「こんばんは店長さん、今何があったの?」
もう、遅くなったことに関しては意に介していないというか、
それよりも、先ほどの一連の出来事が気になって仕方ない様子であった。
ちなみに、シャケちゃんはお母さん似である。つまりきれいな人なのだ。

92 :
「あ、あ、あれは、その、勘違い…・」
おいらはしどろもどろになってしまった。
「え、何を勘違い?」
と、バービーちゃん。
おいらはこの親子がしているかもしれないその誤解を解くべく、先ほどの顛末を話し始め、
バイトから帰らない→電話がつながらない→母を見て泣くの三連コンボの話をした
。高校生の娘のいる親子にする話ではないが、仕方ない。

93 :
と、その時、後ろから帰ったと思っていたパチ子に声をかけられる。
「あのぅ」
パチ子は今自分のことを話されていることがわかるのか、恥ずかしそうに背中を丸め、
シャケちゃんのお母さんと会釈をしていた。
「これ、ごちそう様です。うちに帰っていただきます。今日は失礼しました。
じゃ、私らはこれで失礼します」
パチ子の手にはお土産のシャケの親子丼があった。
そしてパチ子は照れ臭そうに二度三度頭を下げると、シャケちゃんと一緒に帰って行った。

94 :
そしてシャケちゃんが帰ったのを見届けたバービーちゃんがボソッと一言。
「かわいい子だよねー店長さん気に入ったでしょ」
バービーちゃんはそう呟くと、意味ありげにおいらを見てニヤニヤっと白い歯を見せて笑うと、
「あたしたちも帰ります。お疲れ様でした」
と言って、お母さんと家路についた。
しかしまぁ、それが女の子の性なのか、バービーちゃんはそういったことに鋭い。
図星である。おいらは友達感覚で接してくれるバービーちゃんに、
改めて嬉しさを感じながら、「ふぅ」と大きく息ついてしまった。
いろいろあって気疲れしてしまったと言えば近いだろうか。
これは始まりであった。始まりの日の出来事。

95 :
今日はここで終わりますね。
つか、板かと思ってここ来たけど、また違うのか?

96 :
もうどうでもいいじゃね

97 :
続き待ってるよ

98 :
>>96
そうですね
>>97
ありがとう

99 :
続き投下していきますー

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