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2012年2月エロパロ84: ときめきメモリアルでエロパロ (528)
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ときめきメモリアルでエロパロ
- 1 :09/12/10 〜 最終レス :12/02/08
- 大倉都子ちゃんなう
- 2 :
- 八重花桜梨たんハアハア
- 3 :
- また立ったか
- 4 :
- 乙でした。
- 5 :
- 立っては落ち、立っては落ちの繰り返しなんだよな。
4も出たことだし、何とかなって欲しい。
- 6 :
- 華澄先生をめちゃくちゃに(少し引くくらい)陵辱するエロ小説なら書いたことがある。
- 7 :
- >>6
前々スレで書かれていた方?
- 8 :
- 伊集院レイをめちゃくちゃに(少し引くくらい)陵辱するエロ小説なら
- 9 :
- >>7
いや、2chに投下したことはないな。
前々スレどころか前スレがどこにあるかもわからないし。
- 10 :
- その内都子SSくらいくるだろうから期待しとく
- 11 :
- 懐かしいな
- 12 :
- 立ってたw
期待するぜ
- 13 :
- 期待しつつageるよい
- 14 :
- 年を越すまで保ってくれよ。
妄想の神様は降りてきたけれど、
形にする時間が年末年始の休みまで無いピヨ!
- 15 :
- 会長を催眠で操ってHなことさせるSSきぼん
- 16 :
- 響野さん可愛い
- 17 :
- デレ子にプニプニされても起きなかった主人公ッという話を誰か書いてくれ。
- 18 :
- 過去スレが何処か分かる人いればURLを貼って欲しい。
- 19 :
- 即よけ
昔、書きかけた伊集院物があったんだが、エロなしなんだよなぁ
- 20 :
- 前スレの詩織ものの続き読みたい。教師にされちゃうやつ
- 21 :
- ttp://mimizun.com/log/2ch/eroparo/1093767809/
これが前々スレのアドね。
- 22 :
- 正志×瑠依SSに期待
- 23 :
- >>22
近親やがな…
- 24 :
- 正志×主人公に期待
- 25 :
- >>24
BLやがな…
- 26 :
- 白衣先輩×会長期待
- 27 :
- >>26
百合やがな・・・
だがそれがいい!
- 28 :
- >>23
正志の女に興味ないって設定は、最初はガチホモによるものだと思っていたが
現在は「(姉以外の)女に興味がない」という意味合いなのだと確信している。
- 29 :
- >>28
よし、それを文章におこす作業を始めるんだ
- 30 :
- テスト〜
- 31 :
- 4の皐月優はエロそう。ゲームまだやってないけど
- 32 :
- おお、ときメモのエロパロスレなんてあったのか。4が出たから立ったのかな?
4じゃなくてもよろしいでしょうか。2しか知らないもんでさ
- 33 :
- 是非に是非に!
- 34 :
- 特に作品制限をしてるわけじゃないからどうぞ。
- 35 :
- ここのまとめサイトとかってあんの??
- 36 :
- 誰か都子スレにでもurl貼れよ
- 37 :
-
「ぷにっ……ぷにっ……」
柔らかな朝日が差し込む一室で、少女は幼馴染の寝顔を眺めていた。
大口を開けて眠るその頬を指でつつき、その感触を楽しんでいる。
「起きないなぁ……今日、デートなんだよ?」
その言葉と裏腹に、この状況がもっと続けば願う少女の声は、幼馴染を気遣い吐息の様に小さい。
幼馴染の寝顔を見る事はもはや日課になっている。
早朝、まだ太陽が上がりきる前に訪れても、幼馴染の母親は満面の笑みで向かい入れてくれる。
「君から誘ってくれたんだぞぉ〜?」
頬をつつく指に僅かに力を込められる。
しかし幼馴染は一向に起きず、穏やかな寝息を立て続ける。
「もぉ……起きなさい……って」
軽く押し出された少女の指は幼馴染の頬を滑り、唇の上に乗る。
「……………………あッ……」
少女の鼓動は不意に高まり、その指はピクリとも動かず硬直した。
デートの帰り道、幼い頃と同じく手を繋ぎ歩いている時にも何度か見つめてしまった事がある。
周囲が暗かった事もあり幼馴染には気付かれなかったが、上の空とはあの事だろう。
幼馴染の、普段ならば一言一句聞き逃さない言葉を忘れてしまうほどに、凝視してしまった。
───欲しい、と。
好きだという感覚の先にあるその衝動に、少女は戸惑った。
躊躇、と言った方が正しいかも知れない。
しかしそんな少女を知ってか知らずか、幼馴染は開けた唇を一瞬だけだが閉じた。
図らずとも、少女の指にキスをした事になる。
「……………………ッッッ!?」
幼馴染は首を捻り少女の指から唇を離したが、少女はそれどころでは無かった。
無意識に指は少女の眼前へと進み、丁度少女の唇の前で止まった。
「……………………ん……」
僅かに振るえる指はそのまま少女の唇に触れる。
その瞬間少女の鼓動は、少女が幼馴染を起こしてしまうのでは心配してしまう程に高まる。
全身の筋肉が硬直し、少女は心地良い息苦しさに苛まれた。
主人公選択
・「むにゃむにゃ……」 前日運動をがんばり過ぎた所為か、一向に目覚めない。
・「……ん……都子?」 自室に充満している、只ならぬ雰囲気に目覚める。
・「…………………?」 目覚めたものの、薄く開けた瞼から見える幼馴染の姿に何かを感じ、寝たふり。
- 38 :
- これは全選択肢を選ばざるを得ない
- 39 :
- >>37
敢えて1番で
- 40 :
- ・「むにゃむにゃ……」 前日運動をがんばり過ぎた所為か、一向に目覚めない。
「……………………………………………………………………………………………むにゃむにゃ……」
「あ……涎が…………ん……」
「……………………………………………………………………………………………む……にゃ…?…」
「眠って……るん、だよね?……男の子って、朝みんなこうなるのかな……? ………硬くて……暖かい……」
「………………………………………………………………………………………………あ………ぃ……」
「……えっと、雑誌だと確か最初は手で……よい……しょっと…………うわッ……!? ………こんなに大きくなるの……?」
「………………………………………………………………………………………………ふぃぁ……!…ぃ…ぃ…」
「先っぽを舐めて濡らして……あ、こんな味なんだ……後は歯を立てないように口に含んで……」
「………………………………………………………………………………………………………くッはぁ…」
「んぅ……んぅ……ぁん……んふぅ……んはッ……!! なんか先っぽから出てきた……? これは……違うよね? まだ硬いし……」
「………………くぅ……ぁッ!? …………あ…………くぅ…………!!!…はぁ……はぁ……………」
「ぅんんッ!!!???……ん……んっく…ん、あぁ……はぁ……苦……いんだね君のって……」
「ん……ぅん……都子……?」
「……………お、おはよう、早く着替えて来てね? 玄関で待ってるから……」
「…………なんだぁ? 都子の奴……ってうわっ!? なんでこんな格好で寝てんだ俺!? しかも……これは……やたら気持ち良い夢だとは思ったけど……というか都子に
見られてた……よな、タイミング的に………」
────────────────────────────────────────────────────────────────
「……お待たせ」
「遅いぞぉ〜? せっかくの休みなんだから遊ばなきゃ損だよ?」
「あ、あぁ……そうだな……(う〜ん……都子に変わった様子は無いよなぁ……夢の延長だったのかな……?)」
《真理の解明術 都子の献身 体調+80 》
- 41 :
- 乙でした。
都子かわいいよ都子。
- 42 :
- 乙だけど、都子が主人公を名前以外で呼ぶ時は「あなた」だから。
- 43 :
- あれ……修正出来てない?
こりゃまた失礼をば……
- 44 :
- せっかくだから俺は2番のを選ぶぜ
- 45 :
- >>44
勢いでやった
反省はしていない
- 46 :
- ・「……ん……都子?」 自室に充満している、只ならぬ雰囲気に目覚める。
自室に充満している只ならぬ雰囲気に、少年は目覚めた。
目覚めてしまったと言ったほうが正しい。
まだ若干の重さが残る瞼を擦りながら上体を起こすと、ベッドの脇には幼馴染が座っていた。
普段と同じ構図ではあるが、何故か幼馴染は指を咥え悶えている。
「都……子?」
髪の毛を掻きながら幼馴染に声を掛けるが、何故か返事は無い。
「お〜い?」
虚ろな視線を遮るように手を振ってみるが、反応は一切無い。
肩に手を乗せ、身体を揺り動かしてみて、やっと少年に焦点が合った。
「……………ッ!!? ………お、おはよう……」
「大丈夫か?」
少年は布団から身体を出し、少女を真っ直ぐに見つめた。
「調子が悪いようなら今日は……」
「……うぅん! 大丈夫、だから……」
若干声は上ずっているが、少女はなんとか意識を取り戻した。
心配そうに見つめる少年に笑いかけ、勢い良く立ち上がる。
「じゃ、じゃあ下で待ってるからね? 早く着替えて……ね?」
そう言いながら、少女は足早に部屋を出て行く。
少年はその背中に声を掛けようとしたが、言葉を考える内に少女は階段を降り、玄関へと向かっていた。
「………………なにかあったのかな?」
少年は首を傾げながら呟き暫し考え込んだが、理由は思い当たらない。
着替え始める頃にはその疑問は何処かへと消えてしまい、気にならなくなってしまった。
もし少しでも気にしていたのならば、少年は今日と言う日を平穏にに過ごせたのだが……………。
- 47 :
- 「じゃあ……また明日」
「あぁ、お休み、都子」
久しぶりに行った遊園地は相変わらず賑やかで、はぐれない様にとずっと手を繋いでいた。
幼い頃を思い出し少々気恥ずかしかったが、少女の笑顔はそんな気恥ずかしさをものともしなかった。
食事とトイレに行くとき以外はずっと手を繋いでいた。
そんな中でも少女は時折少年の顔を見つめ押し黙り、上の空になっていた。
それは互いの自宅に入るまで続き、いつもならこちらの様子を伺う少女は早々に玄関の扉を閉めてしまった。
「なんだかなぁ……」
自宅に入ると、居間からはテレビの音。
いつもと変わらない様子であるにも関わらず、何か違和感を感じた。
『いけないんだぁ〜……』
靴を脱ごうと足元に視線を向けると、背筋に冷たい何かが走る。
背後から聞こえた声には聞き覚えがある。
そう、これは………。
「うさぎさんかッ!!??」
自らを奮い立たせる様に声を上げ、振り返る。
そこに先程の声の主は───いない。
『空気ぐらい読めよぉ……』
再び背後より声が聞こえる。
額からは脂汗が吹き出て、全身がここが危険であると叫んでいる。
『あそこで普通起きるかぁ? ったくよぉ……』
「…………………」
だが今後を考えると逃げる訳にはいかない。
そしてこうなってしまった以上、選択肢は一つしかない。
脱ぎ掛けた靴を履き直し、ドアを開け再び外へ出る。
今宵は美しい満月。
月下の闘は、河川敷にて繰り広げられる事となった。
- 48 :
- 『なんで起きちまったんだよセニョール!!??』
「………………クッ!?」
鉄パイプによる一閃を、身体を捻る様にして寸前で回避。
接近戦は不利であると身体が判断し、少年は前蹴りを放ち彼我の距離を空ける。
満月が幸いし、視界は良好。
最初の頃の様に、背後からの一撃で意識を刈り取られる事は無いだろう。
『あそこは三番が正解なんじゃないの〜!?』
その言葉と共にうさぎさんの身体は夜の闇に溶け込み、消えた。
少年が夜空を見上げると、満月を厚い雲が覆い隠してしまっている。
「マズイ……な」
こうなってしまっては、少年がウサギさんを攻撃する術は無い。
瞳を閉じ視覚を一時的に断つ。
音と気配を探る事に全神経を使い、攻撃に備える。
「……………………そこッ!!」
草が風に揺れる音に遮られてしまうほどの小さな足音。
それを聞き逃さず反対方向へと飛び込む。
前転の要領で移動し、立ち上がる時に体勢を反対側、うさぎさんがいると思われる方向へ向ける。
先程まで立っていた地面に鉄パイプがめり込んでいた。
『ちぇッ……鈍いんだか鋭いんだか』
呆れたような物言いで、ウサギさんは鉄パイプを引き抜き、再び上方へ構える。
そして再び闇に溶け込んで、消えた。
「二度も幸運が続くかね……」
先程同様瞳を閉じ、全神経を音と気配を探る。
その瞬間風が一際強くなり、音による察知は不可能になった。
この瞬間は、うさぎさんにとって間違いなく好機。
気配を感じ振り向いた時には、眼前に鉄パイプが振り上げられていた。
「クソッ……!! …………?」
咄嗟に手で身を守ろうとした時、その異変は始まった。
空気が重く、息苦しい。
そして音も聞こえず、眼前に迫る鉄パイプの動きが異様に遅い。
差し出した手を翻すと、難なく鉄パイプを掴めてしまった。
後はそのまま、軌道を逸らすべく力を加えれば容易に回避できる。
地面に鉄パイプが叩きつけられる音と共に、感覚は一気に現実へと戻る。
「今のは………?」
《真理の解明術 超加速を習得》
「いける……これなら……ッ!!」
うさぎさんが鉄パイプを持ち上げるより尚早く、接近し、固めた拳を突き出す。
『運動600は伊達じゃないんだねぇ〜……』
《戦闘に勝った! 経験地10EXPを手に入れた! 》
- 49 :
- エロ要素が無いがな…
- 50 :
- エロなしでもOKだぞ?
- 51 :
- 過去の作品とか全部まとめてみないかな?
- 52 :
- >>37
3だ!!
- 53 :
- tes
- 54 :
- >>37
3番wktk
- 55 :
- みんな4の二次創作どこで読んでる?
お勧めあったらヒントだけ頂戴
- 56 :
- ほし
- 57 :
- >>46
>>37
乙!
本格的なエロも書かれるといいな。
- 58 :
- >>55
発売されて何日だい?
- 59 :
- 前スレのアドレスとか誰か分かる?
- 60 :
- 放課後、正志モードのルイルイに後ろからハメてる所を小林に見られて大変な事になるSSが読みたいです
- 61 :
- ☆さんカモン
- 62 :
- 彼女――響野里澄は人の言うことを聞かない。
いや、こう言うと誤解を招く。彼女はそもそも周りの声が聞こえていない。
いつも身につけたそのヘッドホンによって外部の『ノイズ』を遮断しているからだ。
今だってそうだ。
夕暮れの帰り道。子供の無邪気な声や主婦たちの雑談すら聞こえてこない閑静な住宅街の合間を二人で肩を並べて歩く。高校生の恋人同士、あるいは友達以上恋人未満の関係にある男女がそんなシチュエーションの中にいれば、甘い会話の一つや二つ出てもおかしくはないはずだ。
だと言うのに、周囲の状況と同様にその二人の間にあるのもまた沈黙。何度かちらりと彼女の横顔を覗き見ても、ただじっと前を見続けていた。とても真剣な表情で。
彼女がこういう表情をするときは決まってなんか良いリズムなどが浮かんだときで、曲作りに没頭しているという証拠なのだ。そしてこのときに邪魔をされるのを一番嫌っているというのも知っている。だからこそ、自分も何も言わずにただただ沈黙を守っていた。
この状況を残念に思う気持ちがないとは言わないが、そういう顔をする彼女を見るのもまた好きだった。
目鼻立ちの整った顔も穏やかな風になびく銀色の髪もその髪が夕日を反射して輝いて見えるのもすごく綺麗だが、どこか真摯な……いや、神秘的とも呼べる様子に時折吸い込まれそうになってしまうのだ。
「ねぇ……『里澄』?」
それにつられてふと零れ出てしまった言葉。
里澄――それは彼女のファーストネーム。こうして付き合いを始めてから一度も呼んだことのない名前。
すかさず手で口を押さえるが、その行為が無意味であることを認識した。
彼女の耳に大きく覆い被さったヘッドホンは外部の『ノイズ』を遮断する。そして、これだけ近くを歩いていても、またこの静けさの中にあってそのヘッドホンからは何も聞こえてこない。
彼女が愛用するほどのモノだ。音質はもちろんのこと、遮音性や音漏れに優れたかなり高級な密閉型ヘッドホンなのだろう。
だから、その声もどうせ届いていないのだ。下校時、何度彼女を呼び止めようとしても無視されてしまったように。
こんな時でしかその名を呼べないという己の情けなさと聞かれなかったことに対しての安堵を織り交ぜながら、苦笑いと溜息をこぼす。
そして再び彼女の方を見やったとき、その苦笑いも溜息も即座に凍り付いた。
- 63 :
- 「え?」
何故なら、流した視線の先に彼女の大きく見開かれた瞳があったからだ。
「…………え?」
二人の同じ言葉が僅かなズレを伴って交錯する。
「……今、なんて?」
続けて飛び出してきたのは彼女からの疑問の言葉に余計に混乱してしまう。
まさか名前を呼んでしまったのを聞かれてた? そもそも聞こえてた? 何故?
いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。
「いやぁ、り、りずみ……ん?とか呼んだらどうかなぁ、な〜んて」
などと誤魔化してみるのだが、彼女の表情は依然として怪訝としたままだ。むしろ不快感を顕わにしているようにすら見えるのに、微かに残念そうに見えてしまうのは自分勝手な考えか。
「ごめん。嫌だったら別に……」
「うん」
あぁ、即答。分かっていたことではあるが、結構へこむ。
「その呼び方は違和感あるから、どうせなら普通に呼び捨てで呼んで欲しい」
そうだよな。今まで通り普通に呼ばないとダメだよな……呼び捨てで。
「……って、呼び捨て!?」
「う、うん」
ガクリと落ちた頭と肩がスクリと持ち上がり、彼女の方を改めて振り返る。ものすごい勢いで。
鼓動が早いのが自分でもよく分かる。たぶん今の自分を鏡で見たら、なかなか凄い形相になっているに違いない。
「たとえば?」
「里澄……………………とか」
その瞬間、トクンという鼓動が音をたてて弾けた。自分のだけじゃない。たぶん彼女のも。
二人の脚はいつしか歩みを止めていた。
足音すら聞こえなくなった静寂。それなのに耳の中はあまりにも煩く鳴っている。
呆然と立ちつくす自身。顔を背けて俯いてしまう彼女。
動きを止めたその時間は一体どれくらいだったろうか? 数秒か、それとも数十秒か、はたまた数分か。
あまりにも長く感じ、それでいて短かったその制止した時間に幕を下ろしたのは自分からでも彼女からでもなく、二人同時にだった。
「ごめんなさい。嫌なら別に……」
「里澄」
彼女のその言葉は先程どこかで聞いたような気もしたが、そんな言葉は自分には全く届いてはいなかった。
「………………………………ぁ」
隠れて見えなかった彼女の表情がようやく見えた。頬が赤らんで見えるのはきっと夕陽のせいではない。目が少し潤んで見えるのはきっとゴミが入ってしまったからではない。
俺は馬鹿だ。そもそも彼女は俺のことをなんて呼んでいた? 下の名前で呼んでくれていたはずだ。いつからそう呼んでくれていた気付かずに、そう呼ぼうとしてくれたときの彼女の想いなど気付きもしないで。
「里澄……」
ごめんの意味も込めて精一杯その名前を口にする。彼女は――里澄はそれに対して満面の笑みで応えてくれた。それだけでこんなにも喜んでくれた。
そして二人は再び歩き出した。その距離はさっきまでより少し縮まっていた気がした。
- 64 :
-
VSヘッドホン
「でもさ、里澄。さっきはよく俺の言葉聞こえたよね? ヘッドホンで曲聴いてたのに」
「ううん、別に聴いてない」
「え? あれ、でも……」
「外では別に曲は聴いたりしてない。それにあなたも前に言ってくれた。外でヘッドホンつけるのは危ないから止めた方がいいって」
「そ、そうだっけ?」
「うん、そう」
そんなことも言ったような言ってないような……完全にど忘れしてた。
「そ……それにしてもさっ、いつもそのヘッドホンつけてるけどやっぱ結構良いのなんだよね? どれくらいするの?」
「うん? どれくらいって値段のこと? だったら、コレはだいたい三万くらいだったと思う。他にも家にいくつかあるけど、外で聴く場合はこれが一番お気に入りかな」
「は、はは……三万……ね」
正直、桁が違う。自分のバイト代からだと出せても五千がいいところだ。
呆れと諦めを感じつつも、そういうヘッドホンで聴いたら一体どんな音が出るんだろうな……などと考えていると、里澄はまるでこちらの考えを読んだかのような意見を投げかけてきた。
「良かったら、ウチで色々聴いてみる? CDもたくさんあるからあなたの好みの曲も聴けると思うし」
「いいの?」
「うん、大丈夫。親は二人とも今日は仕事で帰れないって言ってたから」
――というのが、今から数十分ほど前の出来事だ。
俺は里澄の熱心な誘いを受け、只今というもの、彼女の部屋にポツンとひとり居座らせてもらっていた。
緊張する……などというレベルのものではない、この心の揺らぎは。
初めて里澄の家に、里澄の部屋に招かれてもの凄く嬉しいはずなのに、今の心境たるや緊張はもちろん落胆や諦め、空しさ……そういった感情が複雑に混戦を繰り広げているようだった。
それに引換え、俺をここまで案内する里澄には微塵たりとも動揺は窺えなかった。
両親が不在のこの状況で男を自分の部屋に招き入れることに果たしてどのように思っているのだろう。
俺のことを心から信用しきってくれているのか、この状況が意図することにまだ気づけていないほどに無防備なのか、はたまた俺のことなどただの男の「友達」という認識しかしていないのか。
なるべくなら一番最後の想像だけは外れていてほしいものだが……。
そんなわけで「お茶を煎れてくるから」と言って里澄がこの部屋を去ってからまだ数分も経っていないが、早くもいてもたってもいられなくなる。
「棚にあるCDから好きなの探してていい」とは言われていたので、その棚に手を伸ばす。もちろん、あからさまにデンジャラスゾーンであるタンスなどは視界に入れないようにしながら。
「しかし、ホントに音楽好きなんだなぁ」
見れば見るほど圧巻の光景だ。棚を埋め尽くす何千……いや、それ以上はあろうかというCDの数々に、アナログ盤もかなりの数がある。
他にもだいぶくたびれてきているスコアなども多く、とにかく壁がほとんど見えないほどに音楽関連のものが詰め込まれた棚でこの部屋は囲まれていた。
そもそもこの部屋も相当広い。デートの帰りに家まで送ったときに外観は見ていたので立派なのは分かっていたが、家の中は俺の家からすれば豪邸そのものだった。
チラリと見たが、リビングにはグランドピアノもあったし、もしかしたら里澄だけではなく音楽一家なのかもしれない。
「ま、せっかくだから見させてもらおうかな」
このままじっとしていると複雑に入り交じった感情に押しつぶされそうになってしまうので、気を紛らわせるためにその棚に手を伸ばす。
そのときだった。
急にドタドタと騒がしい音が家の中に響き渡る。その音は紛れもなく階段を上がる音。何か忘れ物でもしたのかなと思う間もなく、すぐにドアが勢いよく開かれた。
- 65 :
- 「あ、あの!」
息を切らしながらとある場所の前にすかさず立ち塞がる。
例のデンジャラスゾーンだ。
「こ、このタンスには……ね。別に……CDとか何も入ってない……から、絶対開けないで……ね?」
「あ、あぁ……うん」
「絶対……だよ?」
「……わかった」
なんでだろう。わざわざそんなことを言うために肩で息を切らすほど急いで、上目遣いにそんなことを言ってくる里澄が妙に可愛らしく見えてしまうのは。
普段あまり人との接触を好まず、いつも冷静で物静かな彼女がそんな姿を自分の前でだけは晒してくれるという優越感、そこから来る嬉しさ。
また、先程の選択肢はどうやら二番目……単に無防備過ぎたというのが正解だったらしいということからくる安心感と愛らしさ。
(あぁ、もう! なんて可愛いんだ、里澄は!)
さっきまでの緊張とかが一気に吹き飛んで、ついつい頭を撫でてやりたくなるくらいだ。
「じー」
後ずさりながら再びこの部屋を出て行こうとする里澄を、俺はなんとか顔に出そうになる感情を抑え込んで見送る。扉を閉めるその瞬間まで俺からひとときも目を離そうとしないその姿に照れつつも吹き出しそうになるのをひたすら堪えていた。
その後、そんな出来事のおかげで俺の緊張感は一気に解れたが、逆に里澄の緊張が反比例するように上昇していた。
紅茶の載ったトレイを持つ手が震えトレイごとひっくり返そうになるわ、一枚のCDを取り出そうとしてCDの雪崩を起こしてしまうわ、こちらとの距離をとって座って身を固くしているのが誰の目に見ても明らかだったのとか。
「そう言えばさ、この前の俺の誕生日に里澄から貰ったポータブルプレーヤー……すごく良いよ。ちょうど買おうかなって思ってたから」
少しでも気を紛らわせてあげようと話題を振ってみる。
「そ、そう。喜んでもらえて良かった。実はそれね、私のとお揃いなんだよ。ほら?」
すると彼女のバッグから俺が持っているそれと同型のプレーヤーを取り出した。
なるほど。確かに全く同じモデルで、違うのは彼女のは紫、俺のは黒色をしているところくらいだ。
「そうだ。今この中に私のお気に入り曲が入ってるんだけど、まずはこのヘッドホンでちょっと聴いてみる? 聴いた曲も多いと思うから、違いも聴き取れると思う」
そうして差し出された里澄のお気に入りだというヘッドホンとプレーヤー。それを俺が受け取るより先に里澄は俺の頭にそれを被せてきた。
「……」
気を紛らわせるどころか、こういう話題になると彼女はとことん積極的だ。
「ボリュームは結構上げておいた方がいいよ。ポータブルプレーヤーだとパワーが弱くて音色があまり伝わってこないから」
「お、おぅ……」
その証拠に、彼女との距離がだいぶ近い。近すぎると言ってもいい。それこそ俺がなんらかの理由でちょっと頭を前に動かせば唇が彼女に触れてしまいそうなほどに。
動揺がまるでシーソーのように浮き沈みする。里澄が動揺しているときはこちらは落ち着いていて、こちらが動揺しているときは逆に里澄が特に意識していなくて。おかしなものである。
そうやって半ば強制的に聴かされることになったのだが、そこから出てきた音には純粋に驚きと感動があった。
里澄のような耳は到底持ち合わせていないが、それでも出てくる音の幅が明らかに広がっていたし、「このフレーズにこんな音が入っていたのか?」と気付かされるほどでもあった。
里澄が音の世界に没頭してしまうのがなんとなく分かったような、その世界の一面に触れた瞬間だった。
- 66 :
- そんな風にどれくらいの時間没頭してしまっていたせいだろうか。目の前の里澄が何か話しかけてきている姿にようやく気付いて俺は一旦ヘッドホンを外した。
「ごめん。何か言ってくれてた?」
「うぅん、なんでもない。ただ、聴き入ってるみたいだから邪魔しちゃ悪いかなって思っただけだから」
「そっか。じゃあ、もうちょっとだけ聴かせてもらっててもいいかな?」
「うん。…………だって、音楽を楽しんでるあなたの姿を見てるのも楽しいから」
「ぇ? また何か言った?」
「う、ううん」
「なら、いいんだけど……」
しかし、驚いた。音色もそうだが、いくらボリュームを上げているとは言え、ホントに外部の音がここまで完璧に遮断されるとは思ってもいなかった。
(これじゃあ俺がいくら呼びかけても気付かないわけだ)
ある意味妙な納得感をかみしめながら、再び音に耳を傾ける。
「えーと。次の曲は……あれ? 曲名もアーティスト名も表示されてないな」
先程まではどの曲もちゃんとプレーヤーの液晶画面に表示されていたのだから故障というわけではない。恐らくは単純に名前を入力し忘れたとかそんなところだろう。
「でも、これ……なんの曲だ? ピアノ独奏曲なのは確かだけど、誰の作曲だろう?」
有名どころのロマン派でも古典派の音楽でもないのはすぐに分かる。恐らく今の音楽だけど、こんなポップスはあっただろうか。
ただ、出足を聴いただけでも作った人の想いというか愛情が溢れ出てきそうなほどに温かく優しい印象の曲だった。
「ねぇ、里澄? この曲って一体誰の……」
液晶を見せつつそう問いかけた瞬間、里澄はまるで信じられないものを見るかのように驚き、直後、もの凄い剣幕で飛びかかってきた。
「その曲は『まだ』ダメーーーーッ!」
「ちょっ……ま……っ!?」
そのいまだかつて聴いたことのないほどの大きさの叫び声と勢いについ反射的に立ち上がって避けようとしたところ、見事に撃墜されてしまう。
互いにもんどり打った結果、二人の身体はベッドの上で相対していた。押し倒されたはずなのに、いつしかこちらが里澄のことを押し倒すような形で。
「ぁ……」
先程の取っ組み合いのせいで目の前に横たわる里澄の髪も制服も乱れていた。白いシーツの上にふわりと広がる銀色の髪。僅かに捲れ上がったスカートから覗く太股。少し息の上がった呼吸を繰り返し上下する唇。
目に映る里澄の姿すべてがどれも扇情的だった。
ゴクリ――とあからさまなほどに大きな音をたてて唾が喉を嚥下する。いつのまにかヘッドホンが外れてしまっていたせいで俺自身もその音を明確に認識できるほどで、それは間違いなく里澄にも聞こえてしまっただろう。
それなのに俺は里澄から目は離すことができなかった。彼女もまた熱を持ったような瞳で俺を見上げ、一向に視線を逸らそうとはしなかった。
「里澄……」
「……」
その瞳に吸い込まれるように自然と手が伸びる。繊細なガラス細工に触れるかのようにそっと……触れてるのかどうかも分からないほどにそっと彼女の肌に触れ、指先でなぞる。
「……んっ」
己の肌とは比べものにならないほどに柔らかい里澄の肌が少しだけ強張り、彼女は目を閉じた。
「りず……み……」
あぁ、こういうときどうすればいいのか分からない自分自身が憎い。あぁ、憎いったら憎い。
そんな風に悩んでいたら、ふと何処からか謎の声を耳にした。
- 67 :
- 『おいおい、何を悩むことなんてあるんだよ? ガバーっといけよ、ガバーっと!』
(え、誰だ?)
『そんなのダメだよ。ちゃんと彼女の気持ちも考えてあげないと』
それも二人分だ。幻聴? いや、幻聴にしてはやけにはっきりと一言一句まで聴き取れる。
さらになにか目の前で二つの影が揺らいだ。
今度は幻視か? なんか天使の格好をしたのと悪魔の格好をしたマスコットみたいなヤツらが見えてきたんだが……。
『お前さぁ、ちょっとはこの状況考えろよ? 彼女の家に二人きり。その二人は今ベッドの上で押し倒すような格好。そして彼女は目を瞑った。いまどきの小学生だってわかっちまうぜ?』
(う……。つまりはやっぱりそうか? そういうことなのか?)
悪魔の言葉が俺の心を揺さぶってくる。そして逆にこう思うようになる。ここで何もしないのはただのヘタレ野郎なだけではないか、と。
『本当にそう? もしかしたら彼女は緊張のあまり目を瞑ってしまったのかもしれない。あるいは恐怖かもしれないよ? 誰だって怖いときとかには目を瞑ってしまうことだってあるでしょ? もうちょっと慎重に考えて』
(た、たしかに……一理あるかも)
よくよく考えてみると天使の言葉にも納得する。もし俺がこのまま勢いに身を任せてしまい、その結果、里澄を傷つけることになったら? 二度と会話すらしてくれないようになるかもしれない。今まで通り声をかけても無視されてしまうかもしれない。
(嫌われるくらいならまだ……)
また心が揺れる。そしてその心境に追い打ちをかけるように交互に天使と悪魔が俺の耳元で囁いてくる。
『行け! 行っちまえ!』
『落ち着いて! 深呼吸、深呼吸……』
(どうする? どうするんだ、俺!?)
だが、一際大きく俺の頭に響いてきた声は……悪魔のソレだった。
『イケる! イケるぜ! 彼女もお前のことを待ってるんだぜ。ふおおおぉぉぉぉーー!』
(待ってる? そうだ。彼女自身、少なからず想ってくれていたはずだ。それはこれまでの彼女の言動でわかる)
『彼女の方から勇気を絞って目を閉じてきたんだぞ? 男のお前がそれに応えてやらなくてどうする?』
(そうだ。ここで応えなければ、逆に里澄に恥をかかせることになってしまうかもしれない。結局は里澄を傷つけることになってしまうかもしれないんだ)
心が完全に片方へ偏っていく。次第に天使の声を薄れていき、俺の耳にはもう悪魔の声しか入ってこなくなっていた。
「里澄……」
決意した。そもそも何を迷うことがある? 俺が里澄のことをどう想っているのか……それを考えれば答えは明らかだったし、この状況を認識してなおこうやって俺を部屋に留めておく里澄にもきっと同じ想いがこもっているはずだ。
今度はその唇に吸い込まれるように顔を寄せていく。恐らく目を閉じていても、呼吸の近さで相手がどれくらい近くにいるか分かるだろう。それでも里澄はひたすら目を堅く閉ざし続けていた。
俺はそんな彼女の強張りを解かしてあげるかのような想いを込めて、精一杯の口づけをした。
「ん……」
しかし口づけと言っても、唇と唇が一瞬だけ触れる程度のソフトキス。そして、二人にとってはそれがファーストキス。そう思うだけで、その一瞬もまるで永遠のように満ちたりて感じられた。
- 68 :
- 名残惜しさを感じつつもゆっくりと身を離す。すると、まさにそのタイミングで里澄もまた目を開いた。
途端にその目からじわりと涙が浮かび上がり、重力に引かれてそのまま頬を伝い流れ落ちていった。
泣いてる彼女を目の前にしているのに何故だろう? 不思議と先程までのオドオドとした動揺は微塵も感じはしなかった。
その理由は非常にシンプルだ。里澄のその表情はたとえ泣いていても微笑んでいたから、笑顔だったからだ。
「なんでかな? 胸が痛いくらいに鼓動が刻まれてるのに、なんだかすごく心地良い」
「俺も……里澄に負けないくらすごくドキドキしてる」
「そう? でも私なんて心臓がまるで超絶技巧練習曲を弾いてるみたいに32分音符の連続なんだから」
「そっか。それじゃあ敵わない……かな?」
「うん。敵わない」
今度は先程よりもずっと自然に。先程のが互いのファーストキスだなんて感じさせないくらいに自然にキスをした。
「んっ……んぅ。ちゅ……っんん。あむ……はぁ」
一度目は唇の表面が触れる程度。二度目はもう少し長めに。三度目は角度を変えて。四度目は口元まで深く重なり合わせて。
先程の里澄の言葉を借りれば、度重なるキスはブレスをつく暇すらないほどの全音符の連続でもあった。
「……ぷはぁっ。はぁ、はぁ、はああぁ」
ようやく解放された二人の唇は同じように酸素を求めて上下する。だが、求めているのは酸素だけではなかった。
もっと欲しい。もっと触れあいたい。もっと味わいたい……そんな邪な感情が俺の中にとぐろを巻きはじめる。
だが、もう天使の声も悪魔の声も聞こえてこない。もはや俺自身の感情が悪魔のソレと同じになってしまっているからなのかもしれない。
「里澄」
つい一時間かそこら前に初めてその名で呼んでからもうどれくらい呼んだだろうか。そう呼ぶのが既に当然のようになっているのが少し驚きだ。なにせ出会ってから今までずっと『響野さん』だったというのに。
「……うん」
そして里澄もさもその呼び名が今まで通りと言わんばかりに自然と受け入れてくれていた。それが嬉しくもあり、愛おしかった。
その思いが激情に火を付ける。
「里澄が……欲しい」
「……」
だが、里澄はその言葉に何も言葉を返さない。その言葉の意味が分からないのか、はたまた躊躇しているのか、それとも単純に答えたくない、拒絶を意味するものなのか。
「…………」
俺は待った。答えを待った。
こればかりは自分勝手に押し通すわけにはいかない。里澄の気持ちを無視しても何の意味もないし、俺自身も嫌だったから。
だが、彼女からの反応は意外にもすぐにやってきた。
「……ちゅ」
答えは再び唇へのキスだった。
それを受けて俺もキスで応える。すると里澄はまたキスで返し、俺もまたキスで返した。
「んっ、んぅ、っん、んん……」
俺は里澄の身体を抱き起こし、幾度とないキスを重ねる。
「……はぁ、あぁ。ふふっ。なんだかトレモロでリズムを刻んでるみたいなキスだね?」
「は、ははっ……」
こんなときですら音楽用語忘れない里澄はやはり生粋の音楽好きなのかもしれないな……などと思いながら、再びその反復を行った。
- 69 :
- 「里澄。服、いい……かな?」
キスの繰り返しに一区切りがついたとき、俺はついにそう切り出した。
「………………………………うん」
それに対して里澄は注視していなければ見逃してしまいそうなほど小さく頷いてみせた。
俺もまた返答するように頷き返すと、里澄の首もと……黄色い制服のリボンに手を伸ばす。
だが、普段自分がしているネクタイとは勝手がまるで違う。解こうにもなかなか解けてくれなかった。
「これはね……こう。フフフッ……」
その手こずり具合に見かねたのか、笑いながら里澄が俺の手にそっと手を添えてリボンを解かせてくれる。いきなりとんだ失敗だ。
「ご、ごめん……」
「ううん。むしろ少し安心した。手慣れてたらどうしようって」
「手慣れるなんてっ! その、初めてだから……さ」
「うん。わたしも。だから……」
里澄は添えた手をそのまま握り、自分の胸元へ導く。
「ゆっくり……アンダンテくらいのスピードで慣れてこ?」
その一言でもうダメだった。俺自身が里澄にこんなにも恋焦がされていることを突きつけられてしまった。
「里澄っ!」
「待っ……、ゆっく……り……ぃ。んんっ!? ……ちゅむ」
再び里澄のことをベッドの上に押し倒し、その上に激しく口づける。そしてベストとシャツごとまとめて服を捲り上げた。
「きゃっ!?」
初めて見る里澄の真っ白な柔肌。そして、小振りだけれど視覚から脳裏をチリチリと焼き切ろうとする胸。それを覆う飾り気のない白い下着がどことなく里澄らしさを思わせた。
「可愛い」
「そんな……恥ずか……しい」
「すごく……可愛い」
「うぅ〜」
このままの里澄をもっと見ていたかったが、俺の滾った欲望がそれを許さない。下着の端を摘み、穏やかな双丘の上を滑らせていく。徐々に顕わになっていくソレを目の当たりにして俺は再び大きく生唾を飲み込んだ。
「やっぱり可愛い」
「そんなとこ見て言われても……嬉しくない」
二つの目で見る丘の上の桃色の突起。俺の掌でちょうど収まりそうな控えめなところが逆に愛おしい。
「触るよ?」
一応宣言だけしておく。拒否されても止めることはできないだろうが。
「ひゃんっ!」
案の定すっぽりと収まった手のひらの下で里澄の胸は熱く鼓動し、弾力をもって俺の手に反発してくる。その温かさと感触が心地よくて、俺は指を蠢かした。
掌で胸を、指先で突起部を転がしながら胸に愛撫を繰り返す。初めての行為ゆえ、果たしてこれが愛撫になっているかは疑問だったが、俺はその行為を夢中に続けた。
だんだん掌に触れる先端部が少し固くなっていくような感覚を得る。
「あっ……ゃん! は……ぅ……、や!」
それは文字通り手探りの行為だった。しかし、里澄は短い喘ぎ声をあげ、目をとろませている姿を見ると、それだけでなんだか嬉しくなった。
- 70 :
- 「もっと……してあげるから」
「え?」
今度は視線をゆっくりと下ろしていく。胸からおへそ、短い制服のスカート、そしてそこから伸びる太股へ。少し汗ばんで見える肉体の瑞々しさが刺激的なほどにこちらを誘ってくる。
そんな里澄の閉じた脚の奥――その下腹部に頭を近づけた。
「な、なにを?」
俺の動きに気付いた里澄はすかさず脚を閉じようとするのだが、先に差し入れていた俺の腕がそれを拒み、俺はその部分の目と鼻の先にまで至る。
「……うぁ」
初めて見る里澄の下腹部につい感嘆のためいきすらこぼしてしまった。
こちらもブラと同様に何の飾り気もないシンプルなショーツ。その部分を指先でそっとなぞってみる。
「――ひっ!?」
里澄はまるで痺れたかのように身体を震い上がらせ、腰が跳ねた。
離された己の指にまとわりつく感触。汗とは違う、少し粘着質の液体。
「もしかして、濡れてる?」
「……や。恥ずか……しい……」
すると里澄は顔を真っ赤にし、掌でその表情を覆い隠してしまう。
その初々しさがたまらなく可愛らしいと思ってしまう。そんな嗜虐心がむくむくとかま首をもたげ、我慢という殻を破壊する。
俺はそのまま下着の上からその場所へキスをした。
スカートの中に充満する匂いと少し湿った下着の味が俺の神経を侵していく。
「っっ!?」
里澄は声にならない悲鳴をあげつつ、俺の頭を押し返そうとするのだが、彼女の腕も腰もガクガクと震えており、こめられた力は抗うにはあまりにも弱々しい。
そしてついにその下着をずらし、下腹部の中心――その花びらに口づけた。
「――――っ!!」
里澄の腰がビクンと跳ね上がろうとするのを俺は力で押さえつけ、貪るように唇と舌で汗とは違う――その蜜を啜った。
「……、……っ」
声を出したくはないのか、里澄はひたすら唇を噛みしめながら俺の頭を手で押さえる。
拒否――それなら無言ではなく、口で言って欲しい。本当に嫌なら止める気でいた。
だが、里澄のその声にならない喘ぎと可愛らしい反応、そして触れるごとに量を増して滴る蜜が逆に俺の劣情に火を付けるのだ。
「……ぁ、……ん。も…………っと……」
極めつけがその言葉。それで完全にノックアウトだ。
里澄は言ってしまった直後に手で口を塞ぐのだが、既に遅い。そんなことを言われて止められる方がおかしい。
俺の拙い愛撫で感じてくれている。俺にだけ「里澄」と呼ばせてくれる。普段クールな彼女が俺にだけこんな蕩けた表情を見せてくれる。俺にだけ、俺にだけ、俺にだけ……。。
いっそう溢れ出すその蜜を俺はわざと里澄に聞こえるようにジュルルと音をたてて啜る。花弁の奥……そこにある蜜まで舌をすぼめて吸い取る。
「あっ……く……、んぁ」
媚薬というものがあるとすれば、きっとこの蜜のようなものなのだろう。
里澄のこと以外、何も考えられなくなる。ただひたすら彼女を求めたくなる。
「だめ、だめ……ぇ。こんな旋律……メチャクチャで……」
あぁ――。里澄はこんなときまで頭の中は音楽のことだ。
それが疎ましくなる。俺のことだけもっと考えてほしい……そんな嫉妬。だからその旋律とやらを余計にメチャクチャにしたくなる。
- 71 :
- 「ひゃ――っ!?」
舌と同時に人差し指をその中に差し入れる。とは言っても、人差し指で触れるのはその表面。剥かれた豆のようなその部位――クリトリスを指で軽く擦る。
「ふあああああぁぁっ!?」
すると、里澄から今まで一番大きな声が上がる。恐らくポータブルプレーヤーを見せて押し倒されそうになったあの時よりも大きい。
「……」
メチャクチャにしたい、里澄の乱れ狂う姿が見たい……そんな劣情が胸の中で渦巻く。とんだ嗜虐心だ。
でも、止められない。
「里澄、里澄……」
今度は舌と指で同時に責める。舌先と指先でその豆を摘むように、突くように。
「あうっ! はっ、あ……あ……あっ」
すると里澄は身体を大きく弓なりに反らせ、まるで痙攣でもしたかのように身体をビクンビクンと震わせた。
その震えの度にピュッピュッと潮を吹き、俺の顔を濡らした。口元にまで垂れてきたのを舌で舐め取ると、苦いというよりはしょっぱい……汗のような感じの液体だった。
「……はぁ、……はぁ、はぁ」
潮を吹いてしまうほどにイッてしまったせいだろうか。脱力し天を仰ぐ里澄の目は焦点を結んでいない。
自分の愛撫でイかせた……というのはたぶん自惚れ。単に里澄が感じやすいのか、あるいはソコに触れられたのが初めてだったせいか。
どちらにせよ、それほどになるまで里澄が感じてくれたこと、そしてこんな姿を見せてくれたことが嬉しかった。
だが、他人のことばかりは言ってられない状況に陥っていた。
そもそも里澄のこんなあられもない姿を見せられて興奮しないはずがない。愛液で満ちた里澄のソコと同様に、俺の下腹部も制服のズボンを突き破らんばかりに膨張していた。「里澄。いい……かな?」
いまだボーッとした彼女に問いかける。
里澄は荒い呼吸を繰り返しながらもゆったりした動きでこちらを見やる。
「…………」
その表情にこちらがドキリとさせられてしまう。
あまりにも甘美で熱のこもった表情。呼吸の度に唇の隙間から覗き見える赤い舌がどこか妖艶ですらある。
そんな彼女にもう一度問いかけると、今度はコクンと……小さく頷いてみせた。
それを合図に、俺は上着を脱ぐのも半ばに己の下半身をさらけ出す。
我ながらどれだけすごいことになっているか感心すら覚えた。
ギンギンに滾った俺のペニスは既にへそにまで届かんばかりに大きく屹立している。それを片手にし、俺は里澄の傍に膝をつく。
「ホントにいいね?」
念のためにもう一度だけ問う。あれだけメチャクチャやった後でも、この一線だけは里澄の意思を尊重しなければならない。男の初めてと女の初めてではやはり重みが違うだろうから。
しかし、それでも里澄は躊躇うことなく頷いた。
まだ瞳はぼんやりとしたままだったけれど、その奥にはまるで作曲しているときの彼女の真剣さが宿っているように感じられた。
それならば俺もこれ以上は問うことをしない。自分の欲望と彼女の意思が合致したのなら、俺は俺の欲望に従うだけだ。
- 72 :
- 「じゃあ、入れるから。痛いらしいけど、我慢して」
「……ぅん」
里澄は胸の前で手を組み、祈るようにギュッと握りしめる。
自分のモノを花弁の中心にあてがい、片手で押さえながらゆっくり押し進めていく。
「……くっ、う」
溢れ出た愛液のおかげか、意外にもスムーズに亀頭の部分が中に入りこんだ。だが、異常なまでにその膣内は狭く、そこで挿入は一旦止まる。
「……」
だが、ついさっきこれ以上はもう問わないと決めたはずだ。
俺は自身の腰と里澄の腰に回した手に力をこめ、一気に前へ突きだした。
「い――――っ!!」
ブツンと何かの抵抗を貫いた感触の後に俺のモノが全て里澄に包み込まれた。
この人の体温とは思えない熱さと締め付けに俺はそれだけでも果ててしまいそうになるのだが、目の前の里澄の苦悶で歪んだ表情を見て自分自身を抑えつけた。
「……ぅ、あ。……っ」
結合部を見ると、そこからは今までの愛液とは全く異なる色をした液体がベッドの上に伝い落ちている。シーツに滲むその色がとても痛々しく映る。
「大丈夫? 痛くない?」なんて言葉はとてもじゃないがかけられるはずがない。
痛いに決まっているのに、それでも里澄は「痛い」の一言も言わずにひたすらに耐え、俺を受け入れてくれた。
俺はそんな彼女の頭をそっと撫でてやることくらいしかできなかった。
「はぁ、はぁ……。なんだか……ね? 今の……ポルタメントで繋がったみたいな感じだった」
「ポ、ポル……? は、はは……全く里澄は……。ハハハッ……」
ここまで徹底されたらもう笑うしかない。破瓜の直後に出る言葉が結局音楽関連の言葉だなんて。たとえそれが気を紛らわせるための言葉だったとしても。
「里澄はホントに音楽、好きなんだな」
「うん、好き。でも、あなたのことも……」
「ん?」
「……なんでもない」
おかしな里澄……いや、いつもの里澄のままで安心した。俺自身の緊張もそれで解れたせいか、俺の意識はもう完全に下半身にのみ集中されるのみだった。そのおかげで……
「あんっ。なんだか大きく……なった?」
「うっ……悪い。その……そろそろこのままの状態に我慢できなくて」
「動くんだよね? うん、いいよ。わたしなら構わないから」
「でもっ……あ、いや。わかった。できるだけ優しくするから」
「うん、ドルチェな感じでしてほしい」
「……あぁ」
ドルチェってどんな風だっけ?などと考えながらも、とりあえずはゆっくりと前後運動を始める。
慎重にペニスを亀頭ぐらいまで引き抜いて、再び奥まで挿入する。その繰り返し。
里澄の膣内の締め付けが引き抜くときは追い出すようにするので容易いが、いくら濡れていても挿入するときはかなりきつい。
「うっ……く……ぅ」
やはりまだかなり痛いのか、里澄からこぼれる声には艶はのっていなかった。
- 73 :
- せめてその痛みを紛らせてあげようと、俺は両手を激しく上下する胸に伸ばす。そのまま円を描くように揉みしだいてみる。
「あふっ。くすぐった……ぁん。はぁ……ん」
すると、だんだん甘い吐息も混じりだし、表情にも堅さがとれてきた。
俺は手の動きはそのまま、腰の動きを少しだけ早めてみる。
「んっ、は…………く。ふぁ……」
俺も必だった。少しでも里澄にも感じて欲しくて。腰を前後だけでなく、横に揺らしたり、円を描くように動かしたり。
だが、それは俺自身にも深刻なほどの快楽をもたらしてくる。このままだと俺が先にイッてしまうのは確実だった。
でも、処女と童貞だった二人なのに一緒にイキたいだなんて思うのは都合のいい話だろうか。
でも……。
そうして俺がある角度でペニスを押し入れたとき、里澄の身体は先程のようにビクンと大きく跳ね上がった。
「やあああぁぁぁっ!」
見つけた……のかもしれない。里澄が一番感じる場所を。
俺自身も既に余裕がなくなっていたため、その場所をひたすら責める。
「ひゃう……ぁ! い……あっ、んはあぁぁッ!! ダメぇぇ」
再び大きな声。痛みがないわけではないだろうが、それでも今の里澄は確実に快楽を覚えていた。
その証拠に俺のモノをくわえこんだ膣内がよりきつくなり、掌に感じる乳首も明らかに固くなっていた。
「里澄、里澄っ。気持ち……いい?」
「やっ、あ……はあぁ。そんな……こと……わから……な……」
「でも、声がすごく気持ちよさそうだ」
「いや……っ。聴かないで……こんな……声……。こんなわたしの……」
「どうして? 俺は里澄の可愛い声……もっと聴きたい」
「いや、いや……いやぁ……ああっ!」
里澄の声はどんどん大きくなっていく。
あの里澄がこんなにも快楽に溺れているだなんて誰が信じるだろうか? こんな可愛らしい声で啼く姿を誰が想像しようか?
ある意味、里澄のその声も音楽だ。この快楽という旋律に溺れてしまいたくなる。
けれど、里澄にとって音というモノの存在は大きい。自分の喘ぎ声や吐息、淫らに響く腰のぶつかり合う音に卑猥に交わり合う水音……それらの音が恥ずかしいだけなのか、はたまた彼女の耳にはどう届いているのか、俺には分からない。
目尻に涙まで浮かべて拒否の言葉を口にする里澄を前に戸惑ってしまう。
ここまできて動きを止めることは無理な気がするし、だからといって里澄が本当に嫌なら止めなくてはならない。
そんな風に悩んでいたとき、ふと視界に映った物があった。
せめてその痛みを紛らせてあげようと、俺は両手を激しく上下する胸に伸ばす。そのまま円を描くように揉みしだいてみる。
「あふっ。くすぐった……ぁん。はぁ……ん」
すると、だんだん甘い吐息も混じりだし、表情にも堅さがとれてきた。
俺は手の動きはそのまま、腰の動きを少しだけ早めてみる。
「んっ、は…………く。ふぁ……」
俺も必だった。少しでも里澄にも感じて欲しくて。腰を前後だけでなく、横に揺らしたり、円を描くように動かしたり。
だが、それは俺自身にも深刻なほどの快楽をもたらしてくる。このままだと俺が先にイッてしまうのは確実だった。
でも、処女と童貞だった二人なのに一緒にイキたいだなんて思うのは都合のいい話だろうか。
でも……。
- 74 :
- 「はっ、あ、あ、あ……んんっ! 気持ち……いい。気持ちいい……の……」
そんな淫らな言葉を普通に口に出すようにもなる。
さらに今までより一段階声のトーンが強くなり、同時に膣内も熱くきつく収縮し、その奥から溢れる愛液でペニスもビショビショに染み渡る。
「里澄、里澄、里澄里澄……ぃ!」
ひたすらその名を呼び続ける。
そして……
「里澄…………好きだ。大好きだ!」
『告白する勇気』もない自分の精一杯の告白。今はまだこんな状況でしか言えない根性無しだけれど、いつかはきっと…………そんな決意も込めての告白。
そして俺は己の達する限界までただひたすらに腰を動かし、野生のごとく咆えた。
「やぁ……はあぁ……っ。いっ……ぁ……イ……っちゃ……」
恍惚な表情を浮かべる里澄を俺は身体がごと全て抱きとめる。腰と腰を隙間なく密着させ、彼女の膣内で振動させる。
「里澄……イって。俺もイくから!」
里澄の腕と脚が俺の身体に巻き付き、離れまいときつく抱きついてくる。
「あっ、ああ! キちゃ……ぅ、キちゃうのっ!」
「里澄っ、里澄っ!!」
俺もまた彼女の背と腰に手を回し、きつく抱きしめる。そして一度大きく腰を引き、直後ありったけの力と想いをこめて彼女の膣内に俺自身を突き入れた。
「ふあぁ!? んくっ……んああああああぁぁぁ〜……ッ!!」
絶叫と共に里澄の身体は弓なりに反り返り、膣内はこれまでで最大級の締め付けをもって俺のペニスを刺激した。
「くぅ、俺もイ……く……、はっ!」
ついに決壊し、俺は今ある精液の全てを里澄の膣内に吐き出した。
ドクン、ドクン、ドクン――
何度も何度も脈打っては里澄の震えに合わせて精液を注ぎ込み続けた。むしろ搾り取られ続けたと言った方がいい。まるで俺の全てを欲しているかのように。
それは、自分自身でシてたときとは比べものにならないほどに最も長い射精だった。
子宮の中が俺のモノで満ちていくのが俺にもわかる。その充足感、占有感、そして幸福感たるや言葉では表現できない。
故に俺は挿入した態勢のまま、ただただ里澄を抱きしめ続けた。
「あぁ、はああぁ……」
蕩けたようなためいきをつく里澄がそっと目を閉じる。
俺はそんな里澄に何も問うことなく、唇を合わせた。初めてのときのように、本当に触れあう程度の甘くて優しい――まるでドルチェのようなキスで。
キスを交わし終えると、まるで糸が切れた人形のように里澄の身体がカクンとベッドの上に落ちた。
既にすぅすぅと小さな寝息をたてていた。その寝顔はあんなにも激しい行為の後だったのに、とても無邪気なものだった。
「おやすみ。あと、ありがとな……里澄。愛してる」
ヘッドホンを外してやりながら、また今だけの告白を口にした。
その後、俺もまた突如襲いかかる虚脱感にベッドの上に倒れる。すぐ真横に里澄の存在を感じながら、俺もまた意識を落とした。
まどろむ意識の中で一瞬だけ頭をよぎったのはあの無題の曲。
あれは結局なんという曲だったのかな?などと考えつつも、あの曲の一小節すらも途切れる意識と共に記憶から消え失せていった。
再びその曲を耳にすることになるのは、今はまだ遠い未来のお話だ。
- 75 :
- お粗末様でした。
ってか、だいぶ削ったつもりが長くなりすぎてすみません。
今度やるときはもっとコンパクトにまとめてきます……。
- 76 :
- 朝からなんてヘビーな物をくれるんだ!
でもこれで年が越せる気がするぜGJ!!
天使と悪魔はマジで吹いたわw
後、こんないい物読ませて貰った後に申し訳ないんだが
>>73の後半9行はミスかな?
- 77 :
- 度々すみません。
行とか文字数の制限とか考えてたら一部カキコミ間違いをしてましたので、
そのレスのところだけ改めて貼り直させていただきます。
- 78 :
- せめてその痛みを紛らせてあげようと、俺は両手を激しく上下する胸に伸ばす。そのまま円を描くように揉みしだいてみる。
「あふっ。くすぐった……ぁん。はぁ……ん」
すると、だんだん甘い吐息も混じりだし、表情にも堅さがとれてきた。
俺は手の動きはそのまま、腰の動きを少しだけ早めてみる。
「んっ、は…………く。ふぁ……」
俺も必だった。少しでも里澄にも感じて欲しくて。腰を前後だけでなく、横に揺らしたり、円を描くように動かしたり。
だが、それは俺自身にも深刻なほどの快楽をもたらしてくる。このままだと俺が先にイッてしまうのは確実だった。
でも、処女と童貞だった二人なのに一緒にイキたいだなんて思うのは都合のいい話だろうか。
でも……。
そうして俺がある角度でペニスを押し入れたとき、里澄の身体は先程のようにビクンと大きく跳ね上がった。
「やあああぁぁぁっ!」
見つけた……のかもしれない。里澄が一番感じる場所を。
俺自身も既に余裕がなくなっていたため、その場所をひたすら責める。
「ひゃう……ぁ! い……あっ、んはあぁぁッ!! ダメぇぇ」
再び大きな声。痛みがないわけではないだろうが、それでも今の里澄は確実に快楽を覚えていた。
その証拠に俺のモノをくわえこんだ膣内がよりきつくなり、掌に感じる乳首も明らかに固くなっていた。
「里澄、里澄っ。気持ち……いい?」
「やっ、あ……はあぁ。そんな……こと……わから……な……」
「でも、声がすごく気持ちよさそうだ」
「いや……っ。聴かないで……こんな……声……。こんなわたしの……」
「どうして? 俺は里澄の可愛い声……もっと聴きたい」
「いや、いや……いやぁ……ああっ!」
里澄の声はどんどん大きくなっていく。
あの里澄がこんなにも快楽に溺れているだなんて誰が信じるだろうか? こんな可愛らしい声で啼く姿を誰が想像しようか?
ある意味、里澄のその声も音楽だ。この快楽という旋律に溺れてしまいたくなる。
けれど、里澄にとって音というモノの存在は大きい。自分の喘ぎ声や吐息、淫らに響く腰のぶつかり合う音に卑猥に交わり合う水音……それらの音が恥ずかしいだけなのか、はたまた彼女の耳にはどう届いているのか、俺には分からない。
目尻に涙まで浮かべて拒否の言葉を口にする里澄を前に戸惑ってしまう。
ここまできて動きを止めることは無理な気がするし、だからといって里澄が本当に嫌なら止めなくてはならない。
そんな風に悩んでいたとき、ふと視界に映った物があった。
――ヘッドホンだ。
さっき聴かせてもらっていた途中で放置されていた里澄のポータブルプレーヤーとヘッドホン。それを見て思い出したのだ。その遮音性を。
俺はすかさずそのヘッドホンに手を伸ばし、里澄に被せてやる。
「は、あ、くふ……。あっ、ひゃん…………ぇ?」
音量も十分だ。これなら俺の声は間違いなく聞こえないし、本人の声でもだいぶ弱まるはずだ。
「感じてほしい。いっぱいいっぱい」
「ふあぁ……ぁ。ぅ……うん、うん」
ノイズキャンセルされているはずなのに、まるでちゃんと聞こえているかのように頷いてくる。
- 79 :
- >>77
こちらこそ目敏い読者みたいで正直スマンかった
改めて『文豪』持ちの神にGJ!!
- 80 :
- 懐かしい
- 81 :
- 新年早々良いものを読ませてもらった。
GJ!
- 82 :
- いいSSがきてるじゃないか!
GJ
この調子で盛り上がっていって欲しいなぁ
- 83 :
- ☆ミ
- 84 :
- 響野さんで先日初クリアしたばかりの私にはたまりません!GJ!
- 85 :
- http://tune.ache-bang.com/~vg/outitem/up/img/24303.jpg
- 86 :
- >>85
なんかすごいの来ちゃったな。この絵を題材にしたエロパロも読んでみたいかもw
- 87 :
- >>85
うん、すごいのがきたな・・・俺こういうの耐性がないからきついな
エロいとはおもう
- 88 :
- 正志と都子がくっつようなルートがあればなあと思うが、学テメーは駄目だ。
っていうかさ、結局1の良雄みたいに誰かとくっつく事はあるのか?あの二人。
- 89 :
- 正志と学はキャラの良さは勿論だが主人公とヒロインの恋愛に干渉してこないからこそ印象が良かったんだと思ってるから
あんまり主人公と結ばれなかったヒロインとくっつくってのは想像したくないなぁ…。
- 90 :
- 女子ABCだな
- 91 :
- 学は卒業式の帰り、不意に地味目の後輩に第二ボタン要求されてそうだ
- 92 :
- >>89
ときメモに限らないがそういうのってあんまり好きじゃないなあ
- 93 :
- 寝取られ属性はここの住人は無いみたいだな
- 94 :
- もう>>85消されちまったな
見逃したNTR属性持ちの俺涙目w
- 95 :
- 4の主人公はこの場面に出くわしても、「結婚式は幼馴染&親友代表で呼んでくれよ!」
って普通に祝福しそうでなんかヤダ・・w 正志と学は良い奴ら過ぎてNTR的妄想がしにくいのが属性持ちには残念
- 96 :
- 都子選択肢3つめはまだか…
流石に全裸待機はこの時期は寒いんだ
- 97 :
- 小林はカイさんならかろうじて任せられる
女にがっつくという小林の非モテ要因を打ち消すカイさん
そして孤立しがちなカイさんと余裕で会話できる小林…
お互い主人公とヒロインの恋路を邪魔しつつ最終的にはくっついちゃうという黄金のパターンが
- 98 :
- 小林ねぇ…
普通に誰かとくっついても平気だと思うオレは異端でつか?
- 99 :
- >>97の本命はカイなのか?
本命以外なら誰と誰がくっつこうが構わないが本命は許さん。
そんなもんじゃね?本命が主人公以外とラブラブの作品とか嫌すぎる。
ギャルゲ系の作品はそのキャラが本命の人がどっかにいるんだし
「このキャラならOK」とかはちょっとどうかと思う。主人公以外との
ラブコメ見たくてギャルゲ買ってるんじゃねーし。
まぁ、陵辱系とかエロ前面に押し出してるならまだ割り切れるんだけどさ。
「こいつとこいつがお似合い」みたいなのをギャルゲで主張されると
なんかもやっとする。
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