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2012年2月エロパロ670: 専用スレに投下できないSS 2 (390) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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専用スレに投下できないSS 2


1 :10/05/29 〜 最終レス :12/02/10
専用スレはあるけれど
・荒れていたり雑談や議論で盛り上がっていてSS投下の雰囲気ではない。
・グロ、陵辱、801、2次でオリ要素が強い、等、
 火種になりそうな要素を孕んでいてスレへの投下を躊躇してしまう。
そんなSSをとりあえず上げてしまいましょう。
前スレ
専用スレに投下できないSS http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242226863/

2 :
立っちゃった……。
まだ書き手さん達の意見とかちゃんと聞いてなかったし、立ててよかったのかわからないので、もしも問題があるようなら、このまま落としちゃってください。
申し訳ない。

3 :
>>1
乙げんよう、お姉さま

4 :
>>1
乙。
まさか今朝立つとは思わなかった。

5 :
>>1
朝勃乙!

6 :
即回避として投下します。
祐巳×乃梨子+全般
「Another Parasol 2話」
――――
 下校しようとする複数の生徒の足音が近づいてくるのを耳にした時、乃梨子は我に返った。
 このままの状態で放置しておくわけにはいかない。
「祐巳さま」
 ゆっくりと歩み寄り、四つん這いの姿勢のままで全身を雨に打たれている上級生に声をかける。
「……」
 乃梨子の言葉に、身体だけは反応した祐巳さまはのろのろと立ち上がるが、既に流した涙と、
降りしきる雨ですっかりと濡れてしまっている。
「祐巳さま。これを」
 それでも乃梨子は、ポケットに入ったハンカチを差し出した。
「……」
 祐巳さまは微かに頷いて受け取り、目元にあてて涙を拭った。
 乃梨子は入学して日が浅いこともあり、さほど祐巳さまと親しい訳ではない。
 しかしそれでも、おそらく紅薔薇さまによって深く傷つけられた祐巳さまは、
あまりにも辛そうであり、痛々しくて見ていられなかった。
「もしよければ、家に来ませんか?」
 後輩の癖に生意気だと思われるかもしれないが、ぼろぼろになった祐巳さまを
見捨てることは、基本的にはお人好しの乃梨子にできることではない。
「でも…… 」
 祐巳さまは、乃梨子の顔を初めてまともにみてから、弱々しく頭を振る。
「その格好で帰られたら、お家の方が心配なさると思いますが」
 痛いところを突かれたのだろう。
「それは…… ダメ」
 顔を青ざめさせて、怯えたように声を震わせ、両腕で自分で抱きしめる。
 もしかしたら、両親に問い詰められて口を割らされると思ったのかもしれない。
「あのですね、祐巳さま。私の下宿先の…… 大叔母である董子さんの家なんですが、
そこで濡れた制服を乾かせましょうよ。そうすればご家族の方に悟られることもないでしょうし」
 乃梨子の説得に、しばらく黙っていた祐巳さまだったけれど、
他に取るべき道が無いと悟ったのだろう。
「ごめんなさい…… 乃梨子ちゃん」
 ほとんど可聴域に届くかどうかという小さな声で、紅薔薇のつぼみは頷いた。

7 :
 まさか、祐巳さまだとは。
 乃梨子は、バスルームの入り口の扉を見ながらため息まじりに呟いた。
 董子さんのマンションに最初に招待するのは、姉である志摩子さんだと思っていたのだけれど、
毎日のように顔を合わせているとはいえ、お姉さまの親友という関係に過ぎない
祐巳さまだったというのは、意外な結果である。
 乃梨子は、まず熱めのお湯をバスタブに注ぎ込んでから、逡巡する祐巳さまを半ば無理やり
バスルームに押し込んだ。
 次に居間に戻って、祐巳さまの濡れた制服をドライヤーで乾かし始める。
 しかし、激しい雨と水たまりによって濡れた服は、ぐっしょりと水分を含んでおり、
再び着ることができるようになるには、かなりの時間が必要だ。
 とりあえず、生乾きの状態まで何とか乾かしてから、小休止のためにスイッチをOFFにすると、
ドアの向こうから、微かにシャワーが壁面を叩く音が聞こえてきた。
 祐巳さまは今、裸なんだ。
 唐突に思い浮かんでしまったはしたない想像に、乃梨子は顔を赤らめてしまう。
「何を考えているんだか。私は」
 乃梨子は中学までは共学であり、女の子同士の恋愛、ましてはそれ以上のことなんて
想像することすらできなかった。
 女子高であるリリアンに入ってから暫くして、志摩子さんの妹になったけれど、
 志摩子さんはお姉さまであっても、どちらかといえば親友のような間柄であり、いわゆる百合的な
恋愛感情は抱いていない。
 それなのに、どうして祐巳様の……
 乃梨子は長めのおかっぱ頭を激しく数度横にぶんぶんと振り、祐巳さまの裸身を脳裏から
追い払おうとする。
 しかし、妄想の全てを捨てることはできずに、結局、モヤモヤした気持ちを残してしまった。

8 :
 再びドライヤーのスイッチを入れてから十分程が経つと、祐巳さまがお風呂から出てきた。
「お湯を頂き、ありがとうございました。乃梨子ちゃん」
 貸した私服を纏った祐巳さまの表情は、未だに憂いに包まれているけれど、
血色は戻ってきており、柔らかそうな肌はほんのりと赤みをおびている。
「温まれましたか?」
「うん。本当に迷惑かけてごめんね」
「いえ。こちらが好きでやっていることですから。あまり気にしないでください」
 祐巳さまのお世話をすると決めたのは乃梨子だったが、一年違いとはいえ上級生に
申し訳なさそうな態度を取られると、却って居心地が悪くなってしまう。
「でも、私の制服までは……」
 近付こうとする祐巳さまを、手で押しとどめて乃梨子は言った。
「駄目です」
「え?」
 祐巳さまに向き直り、きっちりと告げる。
「祐巳さまを家に招待したのは私です。ですから私のもてなしを受けて頂きます」
「う…… ごめん」
 しゅんとうなだれて謝る祐巳さまは可愛くて罪悪感に駆られるが、ここは心を鬼にして付け加える。
「『ごめん』も禁止です。制服のことも好きでやっているのですから」
「わ、分かったよ。乃梨子ちゃん」
 ちょっと驚いたようだったけれど、祐巳さまは納得してくれた。

9 :
「お姉さまとすれ違い始めたのは、1か月程前だったの」
 服を乾かす作業を再開して間もなく、ソファーに座っていた祐巳さまが話し始めた。
 乃梨子の世話になったことから、事情を話す義務があると判断したのだろう。
 祐巳さまの話によれば、紅薔薇さまには何度かに渡ってデートの約束を破られた上、
好きな人ができたらしいということだった。
 ひととおり話を聞き終えた後、乃梨子は尋ねる。
「好きな相手と言うのは、瞳子なんですか?」
 無神経だとは分かっていたけれど、聞かずにはおられない。
「分からない。私がそう思っているだけれで、実際は違うかもしれないし、そうかもしれない」
 意外と冷静な答えが返ってくる。
「これから…… どうされるおつもりですか?」
「たぶん、祥子さまにロザリオをお返しすることになると思う」
 最初は戸惑ったリリアンの特殊な制度も、今ではきちんと理解している。
 紅薔薇さまにロザリオを返すということは妹でなくなり、同時に山百合会のメンバーからも
除外されることになる。
「あのですね。祐巳さま」
 乃梨子は、祐巳さまの瞳を見据えてから口を開いた。
「私は祐巳さまには、薔薇の館から去ってほしいとは思いません」
 祐巳さまは、山百合会のメンバーに好かれている。
 乃梨子のお姉さまである志摩子さんも、元気のない祐巳さまのことをとても心配していたし、
祐巳さまが薔薇の館を休んだ日の由乃さまは、とてもつまらなさそうだった。
 由乃さまのお姉さまである黄薔薇さまも、その日は物憂げな様子だった。
 つまるところ、壊れかけた姉妹の絆を修復できずに、祐巳さまが薔薇の館を去ってしまうことは、
山百合会のメンバーを結ぶ役割を果たしていた、『かすがい』が消えてしまうのではないか?
 一年生ながら白薔薇のつぼみとなった乃梨子としても、これは懸念せざるを得ない。
「でもね。祥子さまの妹でなくなるということは、そういうことだから」
 祐巳さまは、とても寂しそうな笑みを浮かべて答えたが、乃梨子はこの時、
既に反論の糸口を見つけていた。

10 :
「しかしですね。紅薔薇さまが瞳子の事を好きになったとは限らないではないですか」
「そんなこと」
 祐巳さまは、ありえないと云わんばかりに首を横に振る。
「でも、紅薔薇さま本人の口から、瞳子のことが好きだと聞いたわけではないんですよね」
 乃梨子は、語気を強めて付け加える。
「すれ違いの理由は、全く別のことかもしれませんよ」
 確かに、祐巳さまの言うように、紅薔薇さまが約束を何度か違えたことは事実だと思うし、
今日は紅薔薇さまと瞳子は同じ車で学校を出たところは、乃梨子も目撃したのだけれど、
それをもって、二人が恋人関係になったと決めつけるのは、いささか早合点ではないだろうか。
 しかし、乃梨子の見解に対する祐巳さまの反応は、予想を大きく外すものだった。
「ありがとう。乃梨子ちゃん」
「えっ?」
 いきなり背後から抱きつかれて、乃梨子は頓狂な声をあげてしまう。
「乃梨子ちゃんは、とっても良い子だね」
 祐巳さまの両腕が、乃梨子の胸のあたりまでまわされる。
 トレードマークとなっているリボンを解いた髪と、至近距離からの吐息がかかって、鼓動が速まる。
「私を励ましてくれて、本当にありがとう」
「い、いえ」
 ぎゅっと包まれるように抱きしめられて、自分の意思とは関わらずに身体が震える。
 お風呂上がりということもあって、乃梨子よりも高めの体温が伝わり、柑橘系の匂いが鼻をくすぐる。
 親以外の人からこれほど強い抱擁を受けるのは初めてだったから、どうしていいか分からない。
「私、もう少ししたら立ち直るから」
「祐巳…… さま!?」
 喉がひりひりと乾いて声が擦れてしまい、言葉が上手く出ない。
「乃梨子ちゃんが思うほどに弱い子じゃないよ。でもね」
 一つだけ呼吸をしてから、祐巳さまは続ける。
「今はまだ駄目なんだ。乃梨子ちゃんの力が要るの」
 乃梨子はひどく動揺してしまい、頷くことすらできない。
 とても弱い存在であるはずの祐巳さまに、いつの間にか圧倒されている。
「だからお願い。志摩子さんには本当に悪いけれど、今日だけは私を…… 受け入れて」
 祐巳さまははっきりした声で告げる。
 そして、混乱した乃梨子に覆いかぶさるようにして、ゆっくりと身体を倒していった。

11 :
続きます。
スレが立ってから書いたから、ぎこちないところがあるかも。

12 :
GJ
やっばり祐巳攻めなのかw
フラれたばかりやのに、この頃からすでに古狸の本性があらわだなw

13 :
うああああぐっじょぶぶぶ……!
続き急かしてしまったみたいになってごめんね。
そしてまた続きを楽しみに待ってます。

14 :
なに馬鹿なことしてんの
重複だと知りながら、勝手にまた重複立てるとかアホなことすんなよ・・・
単独スレを立てるならまだしも、マリみては厨ジャンルだと宣伝でもしたいんか

15 :
いちおつ。
>>11
祐巳攻めktkrGJ!
さて、前スレ埋めんとな…

16 :
おいらも投下です。前スレのトライアングルイフネタ続きです。
今回はちょっと鬼畜入ってるので、黄薔薇好きな方、原作の雰囲気を大事にされてる方は気をつけてください。
3、
由乃と令はK円寺にある、リーダー格の実家へ連行された。
この小汚い家の二階はチーマー集団の溜まり場になっており、建設業勤務で五十代の父、専業主婦母も、極道息子の兇暴を懼れてうかつに登れないでいた。
もし勝手に上がりこもうものなら、激昂したリーダー格に、棒きれで滅茶苦茶に折檻されるのがおちなのである。
だから、その日も、二人は上でどんな事が行われているか大概把握していたが、知らぬ顔を決め込んだ。
後に、警察には「上で息子たちが何をやってるかはまったく知らなかった」と、ぬけぬけ証言している。
「さて、姉ちゃんたち、これから自分たちが『ナニ』されるか、分かってるよな?」
リーダー各の男は、元々腐った性根のよく顕れた顔つきを、もっと下卑た形(なり)に歪めた。
まわりには部屋に入りきれぬほどの、ボンクラ連中が自分たちを取り巻いている。
中には、早速、ナイロン袋でアンパン(シンナー)を吸い始めている者までいた。
「あ、あ……」
後ろ手に縛られ、転がされている由乃は、恐怖に蒼ざめ、わなないている。

17 :
さすがの強気の由乃とて、女の子だ。それも穢れを知らない、家族と親友たちとの優しい愛情にだけ包まれて今まで生きて来た。
純粋な愛情と友情の温室の中で培養された穢れを知らない一輪の黄薔薇のつぼみなのだ。
この種の下賤の者どもの性根の腐れ具合、微賤ぶり、下卑たあさましい欲望、肉欲というもの、何の思いやりもない剥き出しの暴力、嗜虐の反吐とには、会した事がなかった。
そして、令ちゃんとさえ想像もした事がないような、「その先」の事を、自分は自分の体にこんな連中に最も下品な形で今加えられるのだ。
涙が滲んで来るのを抑えられなかった。
フリルのスカートから覗く皎い太腿を、下郎共があさましい視線で眺めるのに気付き、羞恥に唇を噛んだ。

「止めろ、よせ、お前ら!!」
令が叫ぶ。令は、令はやはり縛り上げられ、転がされていた。
例のチンピラに一発かました「御礼」に、たっぷり木刀を背負(しょ)わされ、無残なありさまになって。
令は全身打撲で酷い様子で、いくらか骨折もしており、次第に高熱を出して悪寒に震えていたのだが、それでも頭から血を流しながら、由乃を庇うようにもがいて、必に声を絞った。

18 :
「私は、私はどうなってもいい……だから、由乃は、由乃には手を出さないでくれ……っ!!」
「れ、令ちゃん!!」
由乃は令の言葉に、田沼ちさとの事に悋気を見せ、我がままに八つ当たりしていたこの従姉妹であり最愛の姉(グラン・スール)である彼女の愛を感じて、自らのあさましさを恥じて震えだす。
リーダー格の男はその様子を見て、
「へへ、何だ、随分麗しき女の友情じゃねえか。どういう浪花節か?」
「裁田(えた)さん、こいつら、ひょっとしてリリアン女学園の”すうる”とかいう奴じゃないですか?」
その時、チーマーの一人が男に耳打ちした。
「なにぃ、テメエ、それはマジかっ!?」
「ええ、こいつら、うんたらかんたら教のジュウジカとかいう奴を持ってるじゃないですか、間違いないすよ」
まだ工房くらいの茶髪の小僧が得意げに説明する。
「俺のセフレのサセ子が一人、昔リリアンの初等部を受験したらしいんですよ。ま、家庭審査で落ちちまって、あんなお嬢ガッコーやってらんねーつー話らしいんすけど」

19 :
「俺のセフレのサセ子が一人、昔リリアンの初等部を受験したらしいんですよ。ま、家庭審査で落ちちまって、あんなお嬢ガッコーやってらんねーつー話らしいんすけど」
由来、男共典型的DQNとは凡そ何の縁のも無さそうな乙女の園、リリアン女学園だが、
彼らチーマー集団もM市近辺に居住する以上、陋たる貧民窟(slum)からでもいと貴き王城(おうき)を眺望できるように、
普段深い色の制服の女学生を道端には見掛け、その学校の噂については耳にはさんでいた。
「あの、女同士で『姉妹盃』を酌み交わすとかいうレズ女子校か!?」
「『お姉さま』と『妹』に分かれて、女同士でマ○ズリやりまくってんだとよ!」
「あそこの女はどいつもこいつもホリ○モンみてえな金持ちのオジョー、マ○コの色形までお上品と聞くぜ!!」
途端にチーマーどもの間に黄色い歓声が上がる。これから犯す女の「タカメ」ぶりを知って、興奮を抑えられぬのだ。
――結果から言えば、この評判が二人の姉妹の運命を決定する事になった。

「ほう、こいつぁ驚いた……――おい、そうだ。『B喰い』さんに連絡しろ」

リーダー格、裁田も興奮していたが、ふと思い出したように口走った。
「え……!!」
途端、男共の興奮が一気に醒め、冷される。いや、蒼ざめていた。
「ちょっ、本気(マジ)っすか?」
「あの人はヤバ過ぎっしょ……本職だし、それに……あれは……ちょっと……」
しかし、リーダー格は少しも躊躇わず、
「こんなウマイ獲物をあの人に知らせねえ手はあるかよ。俺ぁもうあのイケイケ、天下の○KEN組からは、将来のお声がかかってんだ。あの人にこれだけの上物差し出しゃ、部屋住みのチンピラ・スタートから格上げで、一気にごっつい盃下ろして貰えるぜ♪」
クククと笑う男の目には獲物に止めを刺さんとす猛禽のような残忍な光が宿っている。
「あのお人なら、きっとスゲエ『ビデオ』を撮って下さるぜ……!」
それでも猶躊躇うが、「オイ、とっととしやがれ!!」と怒鳴られて、蒼ざめていた男共の一人は、恐る恐る携帯に手をかけた。
「さて……」
リーダー格は、再び舐めまわす様に黄薔薇の姉妹を見やる。
「S区(ジュク)のシマから『B喰い』さんが来るまで時間はある。まずは、俺達で姦っちまおうぜ」

20 :
「い、いやああああああああああああああああああああああああああっ!!」

男共が一斉に由乃の服を脱がしていく。剥ぐというより破くという方が相応しいやり方だった。
由乃は嫌悪と恐怖で暴れるので、男共は拳骨や足刀で由乃を容赦なく鎮圧する。
「やめろ、私は、私はどうなってもいい、だから由乃には乱暴をするな、やめてくれえ!!」
令が自身の怪我も忘れて悲痛な呻きを上げるが、その腹をリーダー格がどがあとけっ飛ばした。
「かはぁ!!」
「てめえはよ、テメエのスールとやらがマ○コ犯されるのを指咥えて見てりゃいいんだよ、このゴリラ女が!!」
男は令に見事な武術で一撃に倒された屈辱が蘇って来たのか、由乃を穢すより令を痛めつける事に夢中になる。
「オラァ!!」
「ぐはあ、があああああああああっ!!」
何度も何度も、狂ったように令の腹部を蹴り上げる。加減というものを知らない。
相手が女性だという事や、こんなに酷く女性の下腹部を蹴って撲っては子供の産めない体になるのではないか、などと言った良識は彼には無縁である。
「ぐうう……うっ……ぐうぅぎぃ」
令が胃液を吐き、自分の吐いた黄色い水たまりで溺れてくのじに曲がりもがくのを満足げに見下ろすと、男はバッドで砕いた令の右上腕を捻り上げた。
「ぎ!? ぐ、ぐぎゃああああああああああああああああああああああっ!!」
「さっきはよくも俺に平手を見舞って呉れたよなあ。この俺様に手ぇ出しやがったのはどの腕だ? あん?」
そう言いつつ令の砕けた腕をぷらんぷらんと殊更にじわり、じわりと揺する。
「ひ、ひぎゃあああああああああああああああああああっ!!」
令はこらえ切れず、泪水を流して呻いた。
その一方で、もう一人の少女も苦痛と絶望のはざまにいた。

「いやあああああああああああああああああああああああああ、止めて、離して!!」
由乃の少女らしい可憐なツーピースははぎ取られ、下着だけの姿にされる。
その清楚な純白のブラやショーツもすぐにむしり取られる。
由乃は眩いばかりの裸体を曝し、秘めるべき乙女の乳房や茂みの下に隠れる「女の子」の部分を曝け出されていた。
「ひょお、ピンクだぜこの乳首!」
「おい、股開かせろや!!」

21 :
「いやあああああああああああああああああああああああ、やだやだやだあああああああああああああああっ!!」
由乃は首をいやいや振って、赤子のように泣きじゃくっていた。
顔を手で抑えようにも、両手は拘束されている。
由乃は、中等部に入って以来は、令ちゃんにしか見せたこともない恥部を、クズ以下の男連中にまざまざと視姦されているのだ。
顔からは火を噴きそうな程恥辱で紅潮し、涙に震えるが、「絶望」の表情が男共をよけい煽る事までは気が回らない。
「へえ、ガキみたいだな、毛も薄いしよ」
「別にふつうのマ○コじゃねえか。どこがオジョウサマの、お上品な、おふらんす製のマ○コなんだ?」
「毛ぇ剃ってパイパンにしちまったら、『ロリもの』で売れるんじゃね?」
「いや、オラァ、ハード★ロリ入ってからよお。こいつは堪んねえぜ♪」
口々に勝手な事を吐くと、男共は遠慮なく由乃の女性に手を突っ込んだ。
「!」
由乃がビクンとのけ反る。指先は割れ目を掻きわけ、乱暴に奥へ侵入している。
別の指は由乃の陰毛を引っ張ったり、包皮に隠れたちっちゃなクリトリスを目一杯の力でつまみあげたりしていた。
「げえ痛い、いやあああああ、令ちゃん、令ちゃん!」
「うっせんだよ、静かにしてろ!!」
狂ったように喚く由乃の顔面に拳を見舞い、数人がかりで抑えつけて、指は由乃の膣内にまで入り込んだ。
「! ひぐ」
由乃がかたかた震える。
「見ろよ、こいつやっぱ処女だぜ!!」
指から滴る真っ赤な乙女の証を見て、男共は下品に笑い合う。
由乃は裸を令に見せたことはあっても、令にさえ性器を触らせた事はなかったのだ。
それなのに、こんな下衆どもに、一番恥ずかしい部分を玩具にされて……。
由乃は涙で視界がくもっていたが、すぐその目を大きく見開く事になる。
――まだ、本当の絶望はこれからなのだ。

「へへ、もう勃っちまったよ。早くぶちこみてえ」
「俺が先だ、てめえらはマスでもかいてろ」
「そんなのねえっすよ」
「じゃ、ケツマ○コと口はいいっすよね?」

由乃は男の性器――ペニスを見たのはこれが初めてだ。
子供のころ父親にお風呂に入れてもらった事くらいあるが、幼女の時で、もう記憶にない。
それからはずっとお嬢様学校の、文字通り「乙女の園」に在って、男性については保健体育で習った以上の事は知らない。

22 :
そこら辺の底辺公立の、男とサカるのに夢中の女子高生連中とは違うのだ。

(あ、あんな気持ち悪いのが、あたしのお腹の中に来るの……? 厭だよ、令ちゃん、お父さん、お母さん……)

恐怖にわななき、涙を滔々流すも、男共はそれで容赦して呉れるはずもなく、むしろ暴力で犯される女の取る態度には慣れ切っていた。
「よーし、入れるよーん♪」
男の一人、チーマー仲間では「アンパン(シンナー)マン」の渾名で有名な男が、仮性でチ○カスの溜まった、カリだけはやけにでかい逸物を由乃の割れ目に押し当てた。
今さらながら泣き叫ぶ暴れる由乃は仲間がぶん殴って、抵抗を奪う。
男は腰を突き込んだ。
「ぐぎっ!!」
由乃は細い喉をならして、声ならざる声を漏らした。
男の陰茎が由乃の膣を貫いた瞬間だった。
「へへ、こいつ、マジでガキみたいなマ○コだな。幼稚園児か? 具合はまあまあだ」
男は猛然とピストン運動を開始する。鮮血に塗れた陰茎の先端が何度も何度も由乃の子宮口を突っついた。

(――ああ、あたし、犯されてるんだ……)

由乃はやけに、妙に冷静に自分の体に加えられる衝撃をやり過ごしていた。
破瓜の痛みが酷いはずなのに、徐々に熱を持ち出した全身から鈍痛がするくらいで、だるいとしか感じない。
まるでレイプされている一箇の少女を別人になって傍(はた)から眺めているような、そんな現実と乖離した離人感に包まれていた。
少女がもう抵抗するなく性器の孔から男根を出し入れされるのにじっと身を固くし、ただ悲しげな瞳で声もあげず動かないでいるのに、男共は征服欲を満たされていた。
と、同時に「詰まらねえ」という感覚も生じる。
あの「リリアン」と聞けばどんなものかと期待していれば、何のことはない、普通のマ○コで、普通のマ○コ具合、普通にマ○コをチ○ポで犯されている、いつもの強姦されている女の反応なのだ。

(あたし、令ちゃんに甘えて、いつも我がままばっか言って、生意気言って、今回だって、ちさとさんとデートするの、わざわざつけ回しにいって……あたしがそんな馬鹿な女だったから、きっと天罰がおちたんだ)

由乃はうつろな瞳で、益のない思考を巡らす。

23 :
単に自分の心身に加えられるあまりの酷い傷害・衝撃に精神が壊れないよう、「理不尽」を合理化する自動思考を無意識にしている心理に過ぎなかったが、それは由乃にはすごく説得力を持って聞こえた。

(令ちゃん、ごめん……ごめんね……)

(マリアさま……お願い、令ちゃんだけは助けて……お守りください)

(もう、あたしはどうなってもいいですから、お願いです……令ちゃんだけは)

由乃の裸の胸に下げられたロザリオは無慈悲に金色に輝いている。
休む間もなく、由乃の口腔には男の臭気に塗れた陰茎が突き込まれた。

「けけ、見てみろや、テメエの『スール』とかいうのが、輪姦されてるぞ。どんな気分だ?」
虐待、というより拷問の末、苦痛のあまり気絶した令に水をぶっかけ平手打ちで正気に戻して、髪を引っ掴んで無理やりそちらを向ける。
意識を取り戻した令の目にはしっかりと、由乃があの可憐な口に穢いチ○ポを咥えさせられ、
排泄のみに使用されるべき肛門にチ○ポをぶち込まれ、そしてあの清楚な女性器に黒々しいチ○ポが差しては抜き差しては抜き、粘膜を擦り合わせてSEXしている光景がはっきり映じた。
由乃がクズ以下の男によってたかって輪姦され、SEXしているのが見えていた。
由乃がマ○コから、ケツの孔から、口腔からチ○ポを突き込まれ、下品極まりなくSEXしているのが見えていた。
ぬよりももっとずっと辛い光景が、令の脳裏にはBlu-Rayなどよりよっぽど高画質に再生されていたのだ。

「――して……」
令は血反吐とともに漏らした。嗚咽交じりに。
「私をして……していいから、それで、もう許して……だからもう、由乃は、由乃にもうこれいじょ、酷い事……わ……」
裁田がニタリと笑う。今度はさてこの女にうちで飼ってる犬(シノギ一號くん♂七歳、命名裁田)のウ○コでも食わすか。そう思いつつ。
その時、家の外、街路に車の停まる音がした。
裁田がカーテンから覗くと、果たして、家の前に黒塗り黒窓ガラスの黒ずくめベンツが停まっている。ナンバープレートには「T京 893-4649」と銘打ってある。
こんなアホな番号をわざわざ陸運局に申請するものが堅気でないのは当然であるが、裁田は来訪者の正体を知って驚喜した。
「狂宴」の始まりに。――令の望みは図らずしもかなえられる事となる。裁田の期待とも、多少し違った形で。
(つづきます…携帯投下メンドクサイorz)

24 :
GJ
うわあ…いやな予感しかしねえw
ところで、質問というかお願いなのですけれど…
貴方がロダにあげて下さった2本のSS、前スレの埋めがてら、転載させて頂いても構わないでしょうか?
前スレで、携帯オンリーの人が「読めない」と言っていたのが気になっていたもので…
ロダによるうpの際、転載OKとの但し書きがあったことは承知しておりますが、
せっかくの玉稿を「埋め」に利用するとか失礼千万な申し出な気もしますし、
他の人達の反応もあまり芳しくなかったこともありますので(http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1242226863/410-414)、改めてお伺いを立てさせて頂くことにいたしました。
もしも、この申し出自体が貴方に取って不快なものであったなら、このレスはスルーして下さっても構いません。
その場合、失礼な申し出をしたことを、深くお詫びいたします…本当に申し訳ございません。
また、最後になりますが、規制の中での携帯投下、本当にお疲れ様です!
一読み手としまして、貴方のSSのつづきを心よりお待ちしております。

25 :
>>24
あんな駄文で埋めのたしになるのでしたら、御随意になさって下さい。
別に転載自体は構わないのですが、
ただ、この際正直に言いますが、何本か随分昔他に落したネタに加筆したもので、一本は本家(2ch)に落したネタを大幅改定したものなんですが、ちょっと一悶着ありまして、
そういう関係でウンカーあたりの検索に引っ掛かって、ここに粘着が来ないかだけが心配です。(エロパロのわりに直接描写少ないのはそのためです)
その際は黙って去るのみですので、御判断はお任せします。
ですので、そこら辺はあまり追求しないで下さい。
(某外部投稿サイトに投稿したところ「盗作」疑惑をかけられ、ヲチ板の変なオジサンたちに散々粘着されたことがあったので)
それ以外特に申上げることはありません。

26 :
>>25
了解いたしました。転載は差し控えることにいたします。
そういった事情があることも察せずに、不躾な申し出をして本当にすみませんでした。
前スレには、自分で何か書いて投下するなりして埋めていこうかと思っております。
貴方に取って言いづらいであろうことを、無理に引き出させてしまったことにつきましても、心よりお詫び申しあげます。

27 :
>>23乙。獣姦フラグか?w

28 :
ちょ、埋め立て良い所で終わりすぎいいいいいいいいいい
続きはあああああああ続きはあああああああああっふるわっふるううううううううう!

29 :
>>28
計算が甘かったようだ。変な処でスレか終わってしまってすんまそん。
まあ、埋め立てだし読む人もおらんだろうからいいかと思っていたけれど、読んでくれる人がいるなら続けますね。
 ぼくが言うと、郁子の呻き声は大きくなる。
 尻穴をひくひくと収縮させるのは、そこを窄めて侵入物を阻もうという、せめてもの防御反応なのだろうか?
 けれどもそれは、早くこちらも姦して欲しいとおねだりしているようにしか、ぼくの眼には映らなかった。
「大丈夫だよ郁子……さっきだってできただろう? だから……」
 うわ言みたいにぼくは言い、蝋燭の先を菊状模様の中心に宛がって、
ぶすりと挿し込んだ。
 郁子の喉から、きんと高い叫び声があがるのを、夢のように聞きながら、きつい窄まりをゆっくりと貫いてゆく。
 膣穴も。
 していることは先ほどと代わり映えがしないけど、体勢が異なっている分、
見た目の印象はさっきよりもかなり扇情的だ。
「いいな……郁子、いいよ。凄く……興奮する」
 尻をあげ、下半身の二つ穴から赤い蝋燭を生やしてうずくまっている郁子の姿は、
本当に素晴しいものだった。
 このまま飾っておきたい。時を止めて、永遠に見ていたい。そんな欲求をも、起こさせるほどに。
 せめて映像だけでも残しておきたいと思い、ぼくはデジタルカメラを手に取った。
 恨みがましい眼でレンズを睨む郁子の姿を、動画モードで心ゆくまで撮影した後、
ケータイでもいくつかの写メや動画を撮って置いた。
 これで、会社での仕事の合間や移動中など、好きな時に郁子の痴態を愉しむことができる。
「ほら、お前も観てみろ。綺麗に撮れたぞ」
 赤い縄と、赤い蝋と、二本の赤い蝋燭で真っ赤っ赤になった郁子の、
白い雲のように盛りあがったお尻の有様や、その至近にまで近寄り、咥え込んだ穴の表皮が震えわななく様子などを当の本人に見せびらかせば、
玉を咥えて涎まみれの顔が、逆上せあがった赤銅色になって物凄い。
 怒りと、悔しさと……恥じらいと、肉の快楽に咽んだその顔も、やはりカメラに収めてやった。
 満足のいくコレクションを所蔵し終えたら、またプレイの続行だ。
 さて、これからどうすべきか――差し当たり、この状態で、お尻を可愛がってみよう。
「郁子、穴、二つとも締めとけよ」
 ぼくはへら鞭を構え、郁子の尻ぺたを、ぴしりと打った。郁子は呻き、突き出た二本の蝋燭が、上下に蠢く。
続けてもう一打。さらに一打。
さっきまでのように、お尻の山のてっぺんばかりではなく、尻肉の割れ目に近い辺りまでも、隈なく打ち据える。
「おぉ……ごおぉ」
 尻や陰部の肉をわななかせ、折り曲げられた脚の先の、足の裏や爪先をぐねぐねと蠢かせ、
憐れな肉人形と化した郁子は、呻きながら、故なき仕打ちに絶え続けている。
 痛々しげなその姿は、この世の苦しみを一身に背負ったような悲壮ささえも漂わせて
いたが、彼女が漏らす呻き声は、少し鼻にかかった、甘えるような音色を帯びていた。
 その響きは、ぼくに勇気と自信を与える。
郁子が感じているのは、決して苦痛ばかりではないのだ、という。
 そして、ぼくの鞭が、尻の谷間の、肛門の皺すれすれの辺りを叩いた時、それは起こった。
「ぶぉ……おぉ……ほおぉ」
 ずっとシーツに伏せていた郁子の顔が上を向き、ふうふう漏らす息の中から、絶え入るような切ない叫び声が、細く長くたなびいた。

30 :
 縛められた二の腕が、背筋が、ふくらはぎの肉が、がくがく揺れた後に硬直し、
割れた尻肉の間で、赤い縄に締めつけられた陰部が、波打つように、どくん、どくんと蠢いた。
 次いで、尻の穴から、赤い蝋燭が勢いよく飛び出し、皺襞からぴゅっと弾かれシーツに落ちる。
膣の穴からは、粘液まみれの蝋燭がずるりと抜け落ち、糸を引きつつシーツに転がった。
 あとに残されたのは、僅かに緩んで黒い隙間を覗かせている、赤黒い肛門と、
したたるように濡れそぼち、ぽっかり空いた黒い洞穴から、充血して火のように赤い縁肉をはみ出させた、凄艶な膣口ばかり――。
「よし。今度は、おれので姦ってやる」
 鞭を捨て、ぼくは、郁子の赤い尻を腹に抱え込んだ。
 股間をくぐる邪魔な縄を、もどかしい思いで押し広げ、ついでに、大陰唇と小陰唇もぱっくり開く。
ぬめるその場所の、窪んだ部分に当たりをつけて、強く腰を押し出せば、
ほぐれきった膣口はあっさりとペニスを受け入れ、温かくぬかるんだ襞で包み込んだ。
「ああ、熱いな……それに、すごい濡れてる。いいよ、すごく。郁子は……どうだ?」
 何度かの抜き挿しを繰り返した後、ぼくはいったんペニスを引き抜き、郁子の躰をひっくり返した。
 ごろん、と仰向けになった郁子の、ざんばらに乱れまくって顔面を覆っている髪の毛を、指先で払う。
 現れた郁子の顔は、のぼせていて、鎖骨の辺りまで真っ赤に染まっていた。
「熱そうだな」
 額に張りつく髪の毛を、そっと掻きあげる。髪の毛は汗で湿っている。
 汗だけではなかった。
こめかみに流れ落ちた涙や鼻水、そして、ボールギャグを咬まされた口元からは、おびただしい量の涎。
「あぼ……ふ」
 躰の自由に加え、言葉も封じられている郁子は、涙を残すその瞳だけで、ぼくに何かを訴えかける。
 何を望んでいるのだろう?
 この陵辱からの開放なのか? それとも……。
 ぼくは郁子に何も答えず、がに股に固定された躰に圧しかかって、再度ペニスを挿入した。
 煮え立って蕩けている膣は、ぼくのものをがっちりと、嬉しそうに飲み込んで咀嚼をするが、
郁子自身は痛ましげに顔を歪め、左右に首を振って、苦しみを露わにする。
 この姿勢が、つらいのかも知れない。
 躰を無理に縮込めた形に縛られた、その上にぼくが乗っかっているものだから、背中で拘束された腕に、縄目が食い込んでいるのだろう。
 そうは思ったが、ぼくは行為をやめなかった。
 苦しむ郁子を見据えながら、そう大きくはないセミダブルのベッドを揺るがし、
熱い胎内にペニスをえぐり込む。
 素早く、激しく、執拗に。
 挿れたり出したりする度ごとに、郁子の入口はぐぼぐぼと音を鳴らし、粘ったしぶきをまき散らして、打ちつけ合う互いの股間をぐしょ濡れにした。
「うう……本当にいい。なあ郁子、お前も、いいだろ?」
 膣の上部の、ざらざらとした部分に亀頭を擦りつけながら、ぼくは郁子の、縄に挟まれ、ひねられた乳房を、両手で掴む。
 郁子は硬く閉ざしていた眼を細く開いてぼくを見た後、またその眼を閉じ、首を真横にそむける。
ボールギャグを咥えた唇の端から、泡ぶく立った唾液が溢れ、顎の方へとろりと流れた。
 その顔つきに、言い知れぬ衝動を覚えたぼくは、乳房を揉みしだく手を胸の上に滑らせ、細い首筋に触れた。
「う……?」

31 :
 郁子の膣が、怯えたように強張る。顎の先から流れ伝った唾液が、おとがいを通って、ぼくの指を生温かく濡らす。
 濡れた指先――ぼくは、静かにそれを、郁子の首に廻した。
 頚動脈が、指の間でどくどく脈打つのを確かめつつ、ぼくは、郁子の首をじわりじわりと絞めあげる。
 郁子の肩が、胸が、ぼくの下で狂おしく揺れ動いている。
 その儚い抵抗を封じるように、ぼくは、絞める力を強くした。
 鼻からひゅうひゅう息を漏らす郁子の顔は、見る見る赤く、そして黒っぽく染まっていった。
 恐怖のためか、乳房越しに響く心臓の音も高まり、膣の強張りもますます激しい。
 温い肉襞でぎちぎちと締めつけられて、もう、ペニスがひしゃげてしまいそうだ。
「あぁ……郁……子!」
 ペニスの先からじんじん伝わる快美感に耐え切れなくなったぼくは、最後の一押しとばかりに、絞める親指の力を入れた。
 ぼくの指の下、唾液に濡れた喉から潰れたような声が漏れ、膣口が、ぼくを扼しかえそうとするかのごとき、凄まじい締めつけをする。
 その、狂暴なまでの圧迫感に、ぼくのペニスはあっさりと陥落し、
精巣からありったけの精液を、密着する子宮頚管に向かって、どばどばと射出した。
 気が遠くなるほどの快感に、視界が白くなり、全ての音が消え去った。
 一瞬とも悠久とも感じられる絶頂の刻を終えて郁子を見ると、彼女は、白目をむいて気絶していた。
股座がやけに生温かいので躰を離して見おろすと、どうやらまた、失禁もしているようだ。
「大丈夫か、郁子……?」
 慌ててボールギャグを外し、躰を縛る赤い縄を外しにかかる。
 拘束を解いてゆくさなか、足首を掴んだ拍子に、開きっぱなしの膣口から、ごぽっと音を立ててぼくの精液が垂れ流れ、
シーツに染みたおしっことともに、生々しい、動物じみた臭気を発散する。
 おしっこ漏らして気絶をした郁子は、なかなか眼を覚まさなかった。
 そろそろ陽も傾き、風も冷たくなり始めているというのに、まだ眼を覚まさない。
 蒼ざめた肢体を、ぐんにゃりとベッドに投げ出し、窓の方に顔を向けたまま、
静かな寝姿を夕風に晒しているだけだった。
 ――ごめんな、郁子……。
 無理なプレイを強いられ、困憊しきった郁子の寝姿に、少しだけ胸が傷む。
 初心で、一途で、ぼくのことだけ見ていてくれる郁子。
 そんな、いたいけな彼女をこんな風に汚してしまうなんて――本当にぼくは、酷い奴だ。
 そうだ。いつだって彼女は、ぼくに対する真摯な態度を崩さなかった。
 ぼくの会社が休日の日には、こうして欠かさず部屋を訪れ、ぼくの身の周りの世話や、
溜まった家事などをまめまめしく片づけてくれる。
 今日のように、ぼくが――女王様にいつもされているような、つらくて苦しい、
恥ずかしいプレイなど、純粋な彼女には耐え難い恥辱であるはずなのに、彼女はそれにも耐えてしまった。
「よし……決めた」
 ベッドの上、キッチン側の窓から射し込む西日を躰に受けながら、小さな決意を口にした。
 今日、ぼくは、女王様との約束をキャンセルしてしまおう。
 数年前、自主映画の撮影で知り合った気高い女王様。
 見目麗しい大人の女性で、童貞だったぼくに一から性の手ほどきをして下さった、
かけがえのない女性。

32 :

 郁子とのセックスに関しても、女王様は様々の助言をして下さった。
「そろそろマンネリに陥る頃だから、ちょっと変わったことをしてみるといいわ」
 ぼくにそう促したのも、女王様だった。
 だからぼくは、今日、郁子の眼につきそうな場所に小道具を詰め込んだ段ボール箱をわざと置き、こういった流れを作るように仕向けた訳だったが――
事態が上手く行き過ぎたことで、ぼくは、少なからぬ罪悪感の如きものに、心を苛まれる結果となった。
 罪悪感は、郁子に対する同情心に発展し、それは切ない愛情へとすり替わる。
 無論、こんなことぐらいで、女王様に捧げた忠誠が揺るいだりはしないものの――
今夜だけ、少なくとも、今日という日が終わりを告げるその時まで、ぼくは、郁子と一緒に居てやろうと思った。
 狭いユニットバスで一緒にシャワーを浴び、一緒に食事に出かけて――
ぼくらぐらいの年代の、普通のカップルがするようなことを、郁子と一緒にしてやるんだ。
 今夜ばかりは、郁子との交際が、女王様の命によるものであることを、忘れることにしよう。
 あるいは、今日の郁子の様子を、女王様に報告したっていい。
 今日のプレイで判ったが、どうやら郁子にも、マゾヒストの素質がある。
 ぼくと一緒に、女王様の奴隷にして頂くって手もあるよな。
 そうすれば郁子だって、近い将来、ぼくに手酷く振られて傷つけられるという、最悪のエンディングを迎えずに済むのだから。
 そうだ。女王様がどういった理由で郁子を憎んでいるのか知らないけれど、郁子が自分の奴隷になるのであれば、溜飲も下がるのではないか?
 それならいいことずくめじゃないか。
 うん、それがいい。そうするべきだ。
 己の考えがまとまったぼくは、眠る郁子の裸の肢体に手を置いた。
 涼しい風に嬲られ続けた郁子の肌は、ひんやりと冷たくなっていた。
 躰のあちこちに残った縄の痕――
とりわけ、首の周りを青黒く汚染している絞め痕が痛々しく、こうしてじっと寝ている姿は、あたかも、んだ女のようだった。
「郁子、早く眼を覚まさないかな……」
 夕闇が迫り、狂ったようなオレンジ色が部屋を侵蝕してゆく中、現実離れのした美しさでもって輝く郁子の躰の起伏を撫であげ、ぼくは独り、呟いた。
【了】

33 :
以上です。
うーん、こうなるんだったら、後半の蛇足プレイを付け足す必要はなかったか。
とまれ、前スレもめでたく終了致しましたゆえ、連載中の作品の続きを待って裸正座する作業に入ります。
しかし…携帯投下は本当にキツいすね…

34 :
>>33
埋め立ての続き超GJでした!
エロいなそして怖い、あと良い意味で男が酷くてたまらんかった。GJ
マリみて書き手さん軒並み凄いな…

35 :
GJ!

36 :
続き、完結です。
ちょっとハードなのでご注意ください。つかなる○るネタw
4、()
あれから、田沼ちさとは一人で逃げ出して、K駅前まで駆け込むと、ロータリーでタクシーを拾って自宅に特急で逃げ帰っていた。
そのまま自室に篭り布団をこうぶり震える。
頭の中は混乱し、恐怖と、憎悪と、嫉妬と、そして罪悪が綯い交ぜになって、ちさとを一晩悪夢にうなさせた。
翌朝にはようやく自身の恥ずべき行為(おこない)と令と由乃への危惧の気持から、警察に通報するに至るのだが、通報が一晩遅れた事が、結果から言えば全ての結末に繋がった。
――K円寺、裁田宅
「ちわっす、N村さん!!」
「こんちゃーっす!!」
チーマー連中が直立不動の姿勢を取ってから、一斉に上半身を九十度曲げ、気合の篭った声を大音声をば張り上げる。
誰も「彼」と直接目を合わせようとする者はいない。
さっきまでの処女を輪姦する浮かれた気分は全体吹き飛んでいた。
それは緊張した面持ちの裁田とて同じである。
そんなナチス式軍隊のような厳粛極まりない空気の中、当の男はチーマーのクズ連中の挨拶など文字通り眼中にもなかった。
「…………」
――異相と言って良かった。
年のころは三十か、背丈は百七十くらい。派手なガラシャツに身をくるみ、特に上背でもないが、その腹は突き出て、体はメタボと言っても可い。
顔にも顎にも肉がたっぷり付き、膨れっ面で、眉毛は濃い三日月眉に秀で、口だけが奇形のように横広に大きく、拳の入るほどで、たらこのように唇肉がつき、その唇をおもしろくなさそうにへの字に曲げている。
三角眼に垂れ下がった目つきは特別鋭いように見えなかったが、そののっぺりとした視線、ぬらりと煌めく瞳の奥には、明らかに正常(まとも)でない人間の精神が宿っていた。
「――誰や?」
「へ?」
「こいつらに手ぇだしたのは誰や?」
チーマー連中ががくがく震え始める。
しかし、通名N・H――通称「B喰い」の詰問を受けて、黙って済むはずがないのだ。
恐る恐る、裁田が進み出た。
「あの、そこの短髪の野郎みてえな女に木刀背負(しょ)わせたのは俺で、そっちのお下げを輪姦したのはこいつらっす」
瞬間、裁田の顔に拳がめり込んだ。
「ぐぼ!!」
「誰が勝手にわいの『獲物』に手ぇだしてええいうたんや? コラ?」
そのまま、B喰いは裁田の髪を掴んで引っ下げると、膝頭を何度も顔面にぶつけた。

37 :
ぐちゃと嫌な音が部屋に響く。
「ぐぎぃ、げええええええ、や、やめ……やめへぇ……」
そのまま数十回膝蹴りを喰らわすと、すっかり鼻骨の砕けた裁田をポイ捨て、顧みもせず、連れてきた「本職」の手下に、撮影機材の準備をさせる。
「――こいつらを『壊して』ええんは、わいだけや……♪」
その様子を眺めていた令は今まで感じたことのない悪寒が背中に走るのをはっきり知覚していた。
これは、こいつらチーマーボンクラ連中とは「質」が違う。
武道をやっている自分には、見た目で相手の人間としての「本性」を見抜く眼力が多少はある。
その令の生存本能が告げていた。
(――こいつは、ヤバい……)
やがて、カメラの配置が完了したのを知ると、B喰いは微笑んだ。令に向かって。
観音様のような微笑だった。そして、――手には外科手術用のメスを取って。
「さあ、姐ちゃん、はじめよか♪」
「あ……ひ……」
メスが血まみれになった令の、デート服を縦に裁断していく。
切れ味の鋭いメスである。布など訳もない。
すぐに令の腹部が露わになった。
「ほう、腹筋が綺麗に割れとるやないけ。これは鍛えとるのお」
「ひっ」
令の背筋には相変わらず悪寒が走り続けている。
メスの輝きと、自分の腹部を食い入るように見るB喰いの目つきが尋常でないのを見て。メスの刃が蛍光灯を照り返して新品らしい金属光を照り返している。
――重傷を負っているとはいえ、まだ令に「痛覚」が残っていたのは不幸だったと言える、あまりの。
「やめて、令ちゃんに……令ちゃんは助けてぇ……っ!!」
その様子を、正気をかすかに取り戻した由乃が眺めていた。堪らず、絶叫を上げる。

38 :
「犯すなら、傷つけるなら……ううん、どんな酷い事でもいいから、あたしに、あたしにして、あたしをして、令ちゃんにはやめてぇっ!!」
「こおまいお嬢ちゃんは黙っとき。後でよおけえ可愛がったるさかい」
B喰いは由乃を一瞥すると、すぐに異常な光芒に輝く目を令に向け直す。
「おい、おどれら、もうカメラは回しょんか?」
「へい」
手下のガラシャツのチンピラ数名が無感動に答える。彼らはもう撮影には「慣れっこ」なのである。
満足げに笑むと、B喰いは宣言した。
「ほな、スタートや♪」
――メスが令の腹に食い込んだ。
「ぐぎゃあああああああああああああああああああああああああああっ!!」
令が、今までの拷問とは比べ物にもならない惨虐なる悲鳴を上げた。メスの刃先は、令の上腹部に数センチめり込んでいる。
二センチ程度の腹膜を裂くには十分な深さである。
「無理すなや、痛かったら、いっぱい泣こうな。遠慮せんでええんで、いっぱい綺麗な泣き声を、えっとわいに聞かせてくれや。のお?」
そのまま、かちゃかちゃメスを動かす。令はビクンビクン痙攣して人間のものとも思えぬ呻きを漏らす。
すぐに鮮血B喰いの手は鮮血に塗れた。
「ぐがああぐげええええええええがあああああああああああああああぐううううううううううううううっ!!」
「ああ、ええ声やぁ♪ もっとぎょうさん泣いてや♪」
「ぎぐげええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」
メスはそのまま、令の鍛え抜かれた腹筋に沿って切り裂き降りると、下腹部まで達した。
糸の筋のような切れ目から、血が少しずつ溢れて来る。ドス黒い鮮血が。
「腹筋割られるだけやったらな、腹膜ショックは起こしても、すぐにはなへんのや。昔の武士の切腹が見本やねん」

39 :
そう言って、B喰いは傷口に手を突っ込むと、一気に押し広げた。腹筋が縦に開き、腹がぱっくり開いた。深紅の臓物が外気に露出する。
そこに手を突っ込むと、絶叫を続ける令の内臓を、造作もなく掴み引っ張りだした。
「げええええええええ!? ぐぎぃがああぎゃあああああああああああああああああっ!!」
「ええ声や。ええで。その調子で泣いててな♪ 萌え萌えや、わいめっちゃ萌えるねんで♪」
B喰いは大腸を掴むと、ぐんぐん引っ張って、それで令の体を巻くように抽き出していく。
ヒトの大腸の長さは、小腸と併せて数十メートルに近い。
令の体は腸で緊縛される形となった。
首や胸、腰が、まるでSMプレイのように亀甲に縛られていく。臓物で。
今までの「壊し」の経験から、また為にするだけに医学書すらも普段目を通すB喰いは、ちゃんと心得ていて、腹部大動脈やその他動脈叢は傷つけていない。
要するに失血で令がすぐぬことはないのだ。
令の大腸は鮮血に塗れて、ぴちゃぴちゃと新鮮に跳ねまわっていた。
「ぐぅぶぼげえええええええええええええええええええええええええええええええっ!!」
令は白目を剥いてガクンガクン震えるが、内臓を腹から露出していても意識は鮮明で、普段滅多に感じる事のできない臓器の感覚器官を「生に」刺激され、殆ど気が狂いそうだった。
いや、狂ってしまえれば全て楽に終われるのに、それもできない。
にたい、早くにたい。
何より愛するはずの由乃の事すらも一時忘れてそれだけを願う。
あまりの苦痛は、地獄そのものと言っても、直接な「感覚」のそれは、まだとても陳腐な言語表現に過ぎなかった。
実際、令がもしこの先生きながらえたとしたところで、回想してよく述懐できなかっただろう。
その様子を裏AV撮影にも使われる本格式のビデオカメラが淡々と撮影している。
周りのチーマーは色を失い、中には正視できず、その場にげえげえ嘔吐しているものもいた。
「ほな、次は姐ちゃんのオ○コ、たっぷり弄(いろ)うたるさかいにな♪」
B喰いは令の下半身を剥くと、鮮血に塗れたメスを近づけた。
「あ、あわわ……わああああああ」
「ひ、ひいいいいいいいいいいっ」
「ぐげえ、げええええええええええええええっ!!」

40 :
周囲のチーマー連中は殆ど腰を抜かし、或いは蒼白になって震え、或いは腰が立たずへたり込み、直視できず目を背けて突っ伏し、「げえげえ、うげえ」と胃の中身を吐く者も多い。
この場から逃げる根性も無論だが、裁田が顔面を砕かれてすっかりお寝んね、気絶している以上、ましてこの男の「愉しみ」に干渉できるくらいの根性のあるものはいなかった。
メスが令の女性を抉った。
「げえええええええええええええええええええええええええ、痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
令が、拘束された全身を、気でも狂ったかのように揺らし、転がりまわる。
性器の奥をメスで抉られ、膾切りに損壊されているのだから、「痛い」というのは当然ではあるが。
もう令は涙で顔がくしゃくしゃになっていた。
ぱっくり開いた腹部の裂け目から抽き出された内臓がからまり、肉の塊を纏ってダンスしているように見えた。
「その調子や、その調子♪」
「ぎええええええええええええ、止めて、やめてえええええええええええええええええええええ!!」
膣を十余創切り刻まれ、襞をもがれ、クリトリスを抉られて、ようやく令は泣きごとを言った。
「お願い、もうやめて……してぇ、もうやだ、わたし、やめてよ、やだやだ、もういやよおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」
それを診てB喰いは舌なめずりすると、「ほな」と持ちかけた。
「なら、代わりにあのこんまい嬢ちゃんを壊すで? どないすんねん?」
「!!」
由乃が、あまりの残虐な光景に真っ青になって震えて見ていた由乃が、びくっとわなないた。
恐怖と絶望に顔が歪んでいく。
「れ、令ちゃん……」
令ちゃん、もう無理しないで。あたしが代わるから、もう我慢しないで……!
――そう、喉まで出かかっているのに、どうしても声に成らなかった。
何度も何度も、叫ぼうとしてどうしても音声に成らなかった。いつも強気に振る舞い姉を叱咤するくせに、その自分の臆病に、由乃は恥ずかしさと情けなさで目の前が真っ暗になった。
私、なんて、なんて卑怯なの、なにがつぼみよ、令ちゃんの妹よ、なんでこんな情けないの、いっしょに生きて行く、ずっと手をつないでって言ったのに、なのに、あたしは、なんて……
「…………」
令は由乃をかすかにみやり、そのまま無言で瞼を閉じようとする。
「なんや、ショックしたらおもろないやんけ。まっとれ」
B喰いが注射器でアドレナリンを動脈注射する。
循環器系は「壊され」ていない令が数分で意識を取り戻すのを確認すると、B喰いは子宮近くまで突っ込んだメスを小刻みに動かす。腕は血塗れになっている。

41 :
(由乃……)
令は光が戻った視界に由乃の血涙を流し続ける、愛らしいその顔を眺めていた。
(良かった、このブタ野郎が、正気にさせてくれて……)
(最後に、由乃の顔を見れたから……)
(もう怒ってない、ちさとさんの事、怒ってないよね? いつもの、私の、……私を……愛してくれる、私の大好きな、由乃の顔を……見れた……から……)
子宮から卵巣を摘出したB喰いは令が已に医学的に亡している事を確認すると、次の玩具を壊しにかかった。
――だが、すぐに失望したのだ。
「なんや、この嬢ちゃん、心臓が停まっとるやんけ」
由乃は血涙を流したまま悲愴極まりない顔で絶命していた。うつろな眼には令の無残な骸のみが映っていた。
5、Epilogue, 大団円
「リリアン女子高生猟奇人犯逮捕!!」

S宿アルタ前やI袋駅頭などでは、号外が配られ、大モニターのテレヴィジョンではそのニュースで持ちっきりだった。
逮捕された裁田与太郎少年は、異例にも実名顔写真で報じられ、ネットでは住所番地や実家の写真とともに事件の話題では盛り上がり、あちらこちらでしきりにコピペされ曝されていた。
「――さて、ええビデオが撮れたわ。アメちゃん辺りに売れば、大儲けやろ。こりゃええシノギじゃーやーわ」
満足げにカメラで撮影した映像を確認すると、B喰いはようやく意識を取り戻したばかりの裁田に言った。こともなげに。
「われ、自首せい」
「……へ?」
「へ、やないやろ。われカタギの女子高生二人も輪姦してバラしたんやで? 薔薇をバラバラや(本人は面白いつもりらしい)。ただで済むわけないやろ?」
裁田はB喰いの意図を理解できないとばかりに震える声で問いただす。
「な、何言ってんすか、Nさん、こいつを……こいつらをったの、あ、あなたじゃ?」
「われ、しなんかしたらあかんやないか。生は業が深いで。あの世で鬼さんにしばいてもらって、ようけえ反省するんやで?」
B喰いがにっこり微笑んだ。
観音様の笑みとしか言いようがない顔つきだった。観音といっても恐ろしげな馬頭観音ではない、慈愛に満ちたあの観音菩薩様だ。
裁田はそこに神仏も何もないこの世の魔羅(悪魔)そのものを視て、それ以上は一言も発する事能わなかった。

事件は、少年犯ではあるが、あまりの凶悪性ゆえ、成人の刑法犯と同様の捜査体制で取り調べられた。
警察も無論馬鹿ではなく、初めから実行犯については疑わしく思っていたが、
メスの指紋などの物的証拠、真犯人と思しきN村が飛ばし携帯を使っており、車も組の若頭補佐名義のため、目撃証言初め証拠が成り立たず、
なにより裁田が必に自分がやったと自分がやったと言い張って、非常に詳細に供述するので、多少取り調べの度に供述が矛盾しても、起訴せざるを得なかった。
は、犯人少年が成人に達する法定年齢にギリギリ達していなかったため、散々紛糾したものの、結局この後二十年、最高裁で刑が確定する。
四年後、執行された。

その頃にはB喰いことN氏はK部の本家に呼び戻され、直若にまで出世するのだが、これは余談である。
余談ついでに云えば、令の「初出演作品」となったsnuffは、某国では"The yellow rose"として嗜好家の間で大評判となり、
「洛陽の紙価を高からしむ」ならぬ「紐育のBDを高からしめた」のだが、その、その手の「マニア」にとって、余りものクオリティの高さゆえに、今でも盛んに取引され、動画交換やUG投稿サイトでは繰り返し繰り返し愛観されている。

結局、これは数多い逸話の有るリリアン最大の「伝説」となったのだが、由乃の手術で完治したはずの心臓が、医学的にはあり得ない形で停止していたのについても、一種の「七不思議」となった。
さらに余談を加えると、田沼ちさとの発狂と自があるが、これはまあどうでもいい話である。

――もし、あの時由乃が、令を追いかけまわさず、祐己たちと出会っていたら。
これはそんな物語。

(おしまい)

42 :
解体ショーとは……相変わらず容赦がねえな
そら病気でなくとも心臓止まるわ
GJ
なるたるはJCのまんこに試験管突っ込むイジメのシーンがエロかった

43 :
のり夫ktkr GJ
そういえば鬼頭スレもいつの間にかなくなってたな・・・

44 :
>>41
GJ!
あまりにも凄過ぎて…… なんというか、どうやったらこれほどまでに既存の価値観から
自由になって書けるのかしらんと思ったw

45 :
>>44
チラ裏、某所に書いてます。お答えです。
御興味があれば探してみて下さい。
あなたの素晴らしい祐巳乃梨楽しみにしてます。

46 :
パラレルイフまだあ〜?

47 :
>>10の続き
祐巳×乃梨子+全般
「Another Parasol 3話」
――――
 床に背中をつける格好になった乃梨子に、祐巳さまの顔が迫ってくる。
「ゆ、祐巳さま」
 乃梨子の声は動揺を隠せない。
 これまで15年あまりの人生を歩んできたが、付き合った相手は女子はもちろん男子もいない。
 それに、降りしきる雨の中、志摩子さんからロザリオを受け取った時だって、ここまで顔を近付けていない。
 指呼の間というべき間合いにまで接近を許したのは、千葉にいる両親と妹以外では祐巳さまが初めてだった。
「乃梨子ちゃん…… キスしていい?」
 鼻先が振れそうな距離から、鈴が鳴るような声でお願いしてくる。
「その、あの、ちょっと待ってください」
 乃梨子はしどろもどろになりながらも、理性を総動員して押しとどめる。
「お願い。乃梨子ちゃん。今日だけでいいから」
 祐巳さまの声とともに髪の毛が数本ふりかかり、乃梨子の頬を緩やかになでる。
 キスをねだる彼女の声は、蕩けるように甘くて危険すぎる。
「し、しかしですね」
 背中から冷汗を流しながらも、それでも乃梨子としては断るしかない。
「いくらなんでも、キスはまずいんではないでしょうか」
「乃梨子ちゃん……」
 祐巳さまの表情に悲しげな色が浮かび上がり、物凄い罪悪感にかられる。
「あのですね。キスっていうのはお互いに好きな人同士がするものですから」
 なんて馬鹿なことを私は言っているのだろうか?
「乃梨子ちゃんは、私のことが嫌いなの?」
「き、嫌いじゃないですよ。嫌いだったら、お誘いなんかしません」
「それなら、どうして駄目なの?」
 お願いだから顔をこくんと傾けながら、おねだりをしないで欲しい。
 本人は自覚していないだろうけれど、その仕草は反則的な破壊力があるのだ。
「ですから、私と祐巳さまはまだあんまり接点がないんですよ。私だって山百合会の一員になってから
日が浅いですし、大体、祐巳さまと私的な会話をほとんどしていないじゃないですか」

48 :
 私は暗い人間という訳ではないが、誰にも彼にも愛想を振りまくタイプでもない。
 一方の祐巳さまだって、乃梨子が見た限りにおいては、紅薔薇さまとのすれ違いの為に沈みっぱなしで、
新参者である乃梨子に対し、親しげに振る舞うということはなかった。
「ですから、私と祐巳さまがもっと親しくならないと…… そう、恋人にでもない限り、
キスなんてありえないのですよ」
 あれ? 本当に、私は何を喋っているのだ?
「うー 分かったよ」
 しかし、祐巳さまは納得してくれたようで、乃梨子からゆっくりと離れ、
ファーストキスを奪われる危機からはとりあえずは解放される。
「まったく、乃梨子ちゃんはとても身持ちが固いねえ」
「祐巳さまこそ、意外と積極的なんですね」
 身体を起こした祐巳さまにむけて、ちょっと大げさに両肩をすくめてみせる。
 可愛くない後輩だとは自覚しているけれど、こればかりは性格だから仕方がない。
「ううん。乃梨子ちゃんは本当に、とっても良い子だよ」
 しかし祐巳さまは気分を害した様子は無く、それどころか生意気な後輩の頭に手を置いて
優しく撫で始める。
「子供扱いしないでくださいよ」
 ふくれっ面をしながら、祐巳さまを睨みつけるものの、頬が赤くなるのはどうしようもない。
「あーあ、乃梨子ちゃんとキスしたかったな」
 座布団の上に座りなおした祐巳さまは足を伸ばしながら、とっても未練がましい声をあげる。
「駄目ですよ。そんなことしたら浮気になっちゃいますから」
 残念ながら、私と祐巳さまは姉妹ではない。
 少なくとも今日の夕方までは、志摩子さんを挟んだごく淡い関係でしかなかった…… のだが。
 そこで会話が途切れて、二人の間に沈黙がおりた。
 乃梨子は、祐巳さまの制服を乾かす作業を再開する。
 一方、祐巳さまは手持ち無沙汰な様子で、私の部屋のあちこちを眺めていたが、やがて、
机の上に置いてあったあった雑誌に目を付けて、乃梨子の許可を得てから読み始めた。 
 そして、セーラー服がほぼ乾ききった頃、祐巳さまが再び口を開いた。
「あのね。乃梨子ちゃんお願いがあるんだ」
「先に言っておきますが、キスは駄目ですよ」
 プリーツの折り目を確認しながら、一応にしても釘を刺しておく。
「ううん。違うよ」
 しかし、祐巳さまは笑みをみせて首を振ってから、少しだけ悪戯っぽそうな顔を向けた。
「あのね。一緒に寝て欲しいんだ」

49 :
「はい?」
 乃梨子は文字通り固まった後、錆付いたロボットのようにぎこちなく首を動かして、
突拍子もない事をのたまわった先輩をまじまじと凝視する。
「だから、一緒に寝て欲しいの」
「まさか、寝るって」
 くんずほずれつなアレを想像して、首の後ろまで真っ赤になる。
「お布団で寝るだけだよ。変な乃梨子ちゃん」
 祐巳さまは不審そうな声を出して首をかしげる。 
「そ、そ、そうですよね。あはは。私、何考えているんだか」
 乃梨子は焦りまくった声をあげながら熱を帯びた頬を両手で抑えた。
 ものすごくはしたない想像をしてしまった自分が、恥ずかしすぎる。
 深い穴に入って潜りたい気分だ。
「駄目かな?」
「まあ、構いませんが」
「わあい」
 祐巳さまの無邪気な喜びように、乃梨子としても苦笑するしかない。
「布団を敷きますから、ちょっと場所を変えてくださいね」
「うん」
 祐巳さまの返事を聞いてから立ち上がり、押し入れから布団を取り出して床に敷く。
「私も着替えますから、ちょっと待ってくださいね」
 乃梨子は制服の裾に手をかける。
 リリアンの制服はワンピースだから、すぽっと頭から脱いでしまうと、
着替え中の乃梨子を見上げていた祐巳さまが口を開いた。

50 :
「乃梨子ちゃんの肌って綺麗だね」
「あんまりじろじろ見ないで下さいよ」
 文句を言いながらも手を動かして、水色のスウェットを着ることにする。
 着替えを終えてから布団にもぐりこむと、すぐに祐巳さまが隣にはいってくる。
 当然ながら、祐巳さまとは密着する形になる。
 お互いが動くたびに太腿とか腕とかが触れてしまい、その都度、乃梨子の心臓は跳ねあがる。
「あのね。乃梨子ちゃん」
「なんですか?」
 動揺を抑えながら横を向くと、ちょうど同じく顔を傾けた祐巳さまとまともに目が合った。
「手を繋いで良い?」
「それはOKですが。先程のお願いと比べたら随分控え目ですね」
 いくらか皮肉の成分を混ぜた言葉を返す。
 しかし、祐巳さまは淡い微笑みを浮かべただけで、掌の位置を探り当ててゆっくりと握りしめた。
「乃梨子ちゃんの手ってひんやりしているね」
 祐巳さまの素直な感想に、反射的に答える。
「祐巳さまの手は温かいですね」
 どうやら平熱は祐巳さまの方が幾分か高いようだ。
「手が冷たい人は心が温かいって言うよ」
 どこかで聞いた、というより思いっきりベタな台詞である。
「私は別に温かくなんかないですよ」
 乃梨子は首を横に振った。
 むしろ、冷めているんじゃないかなと常々思うのだけど。
「そんなことないよ。確かに乃梨子ちゃんはクールだけど、ホットでもあるよ。ほら、マリア祭の時だって」
「うっ」
 数珠を瞳子に奪われて晒された挙句、紅薔薇さまに責められて必に反論するも、最後には志摩子さんと
寄り添いながら涙を流した恥ずかしい記憶が、脳裏に鮮明に浮かび上がる。
 この黒歴史については、タンスの上から二段目あたりの奥にそっと仕舞っておきたいものである。
「ごめん。でも、乃梨子ちゃんは志摩子さんだと熱くなれるんだと思ったら……」
 祐巳さまは途中で一旦、話を切ってから、
「ちょっと悔しくなっちゃった」
と言って舌先を出した。
「えっ?」
 乃梨子は、祐巳さまの顔をまじまじと見つめる。しかし――
「あのね。私、今でも祥子さまのことが大好きだよ」
 祐巳さまは少しだけ寂しそうな顔つきになってから語りだした。
「祐巳さま!?」
「ごめんね。話が飛んじゃったかな。でもね。乃梨子ちゃんに聞いてほしいんだ」
 祐巳さまの表情は、ほんの少し前までと違ってとても真剣なものに変わっている。
「乃梨子ちゃんも知っての通り、私はどこにでもいるような平凡な生徒だから、
本来だったら、つぼみとして薔薇の館にいるはずはなかったんだ」
 どこか遠くを見つめるような目をしながら、祐巳さまは話を続ける。

51 :
「特にお姉さまのような雲の上の方とは、全然釣り合わないと思っていた。
でも、お姉さまにタイを直されてからいろいろな事があって、ロザリオを頂くことになった時は
本当に嬉しかった。本当に天にも昇る気持ちだったよ。
その時はね。平凡な私でも一生懸命努力すれば、お姉さまにふさわしい妹になれるとおもったの。
だから妹になってからはずっと、私はお姉さまをずっと見つめていた。
お姉さまの後ろ姿を追い、お姉さまの表情の僅かな変化にも一喜一憂して、お姉さまがかけて
くれる言葉を待った。私は妹になってからずっとお姉さましか見ていなかった」
 堰を切ったように祐巳さまは、紅薔薇さまへの想いを吐き出していく。
「私は、お姉さまの愛情が失われるのが怖かった。失望されて、いつ見捨てられるか不安で不安で
仕方がなかった」
「祐巳さま…… 」
「だからね。お姉さまがデートの約束を何度もキャンセルしたり、瞳子ちゃんと一緒に出かけているのを
偶然知ったり、そういう小さな変化が積み重なった挙句、思い知らされたんだ。
お姉さまはもう私を見捨てたんだって。出来の悪い妹は飽きられちゃったんだって」
 乃梨子は、祐巳さまの話を聞きながらも、思わずにはいられない。
 祐巳さまはとても優しい。
 お人好しといわれるくらい他人に気を遣うし、悪口も言わない。
 そんな祐巳さまでも、いや、祐巳さまだからこそ、心の内に抱えたドロドロとした部分は誰にも吐き出すことが
できなくて、耐えきれなくなるまで苦しんだ挙句――
「だから私。もうお姉さまを見るのをやめる」
 全てを捨ててしまったんだ。

52 :
 しかし、乃梨子は祐巳さまに薔薇の館から去ってほしくはなかった。
「本当にロザリオを紅薔薇さまをお返しするつもりなんですか?
前にも言いましたが、紅薔薇さまが瞳子に思いを寄せている決定的な証拠は何も無いんですよ」
 動揺しながらも、必に説得する乃梨子だったが、祐巳さまはとても悲しそうな顔つきのまま、
首を横に振って告げる。
「本当は今でも祥子さまが大好き。お姉さまの妹は私なんだと瞳子ちゃんにいってやりたい。
お姉さまを奪わないでと喉をからして叫びたい。でもね。もう、駄目。限界なの。
ずっとお姉さまをみていたら、私が壊れちゃう。本当に駄目になっちゃう。
だから…… お姉さまから離れないといけない」
 祐巳さまは、どこか霞んだような表情に変わっている。
「ごめんね。乃梨子ちゃんには迷惑をかけることになっちゃうね。いろいろと教えたいことや伝えたいことは
あったのだけど」
「そんな事は、どうでもいいんです!」
 しかし、乃梨子は祐巳さまの言葉を遮り、あらん限りの声で叫ぶ。
「私はですね。確かに祐巳さまが薔薇の館にいて欲しいと言いました。でも祐巳さまがこんなに
ひどい状態に陥っているのに、無理に紅薔薇さまの妹でいてほしいなんて言えません。それにっ」
 乃梨子は、悪い癖がでていることは頭の隅の冷静な部分で自覚するものの、溢れだす言葉はとまらない。
「私は祐巳さまと疎遠になんかなりたくありません。私は祐巳さまに好感をもっています。
ですから、祐巳さまが山百合会を辞めても、私までまとめてダストシュートに放り込まないでください!」

53 :
 あっけにとられた祐巳さまが、なんとか言葉を返したのは、マンションの前の道を
10台ほど車が通った後だった。
「乃梨子ちゃん…… ごめん」
「謝らないでください」
「でもごめん。私が山百合会を辞めたら、やっぱり接点はなくなっちゃうよ」
 祐巳さまの言葉はとても正しくて、この上もなく残酷だ。
 祐巳さまが薔薇の館から去れば、学年も違うことも重なり、乃梨子と会う機会はほとんどなくなる。
 そればかりか、ごく稀に廊下で通りすがったとしても、同じ部活を辞めた子と会った時のように、
気まずくて目を背けてしまうだろう。
 でも…… そんなのはお断りだ。絶対に嫌だ!
 頭に血が昇った乃梨子は、隣にいる祐巳さまの首の根っこあたりを抑えて、唇を近付ける。
「ん!」
 小さく途切れたような悲鳴が一瞬だけあがった直後、一度は乃梨子から拒否したはずの唇が
あっさりと触れる。
「んっ」
 祐巳さまは一瞬、乃梨子を押し返そうとするけれど、すぐに抵抗をやめてなすがままになる。
「んっ…… くぅん」
 電灯は消していないから、瞼を開けると祐巳さまの顔がはっきりと見える。
 祐巳さまの吐き出す息が顔にかかる。喘ぎ声が乃梨子の耳朶をくすぐる。
 ほんの少しずつ動く唇の感触が、乃梨子を痺れさせる。
「んっ」
 おそらく実際の時間は分針が一周するほどしか掛からなかったと思う。しかし、乃梨子にとっては
永遠とも思える長さだった。
 初めての口づけを終えた後、ほんの数センチの距離で祐巳さまの瞳を見つめる。
 祐巳さまも同じく乃梨子から視線を離さない。
 そして――
 布団の中で視線だけを交わし続ける二人の間の沈黙を破ったのは、
董子さんの帰還を告げるひどく軽快なチャイムの音だった。

54 :
続きます。
うーん、とことんエロくないなあ。
それになんだか昼ドラっぽい感じに。
トライアングルを書かれた方も次作を楽しみにしています。

55 :
おお、続きの気になるいい引きです GJ

56 :
GJGJ!
相変わらず、しっとりした情感を描くのがお巧い。
しかもこの先の祥子や志摩子の存在と展開を思うと…

57 :
祐乃続きまだあ??

58 :
>>57
ぶっちゃけると、1〜2週間程度空いた程度で続きをせかされると、本人が十二分に分かっていることを
わざわざ言わなくてもいいのに、という気分になる。

59 :
>>58
いや、せかすというか、保守兼、続きwktkですよ、て意思表明なんだが。
せかすよう作者さんが受けとるならマジすまんかった。

60 :
>>59
了解です。
こっちも言い過ぎた感があったので、あまり気になさらず。

61 :
いや、作者さんもこの御時世私生活でなにかと大変だろうに、職人業に急き立てるのでは確かに良くないから、
「まだあ?」は、ほ代わりの意味も込めて解釈して貰えば嬉しい。
適度な燃料になればいいけど。

62 :
書きたいけど、相変わらずの規制で、携帯投下マンドクセ…
もう四か月だぜ
と愚痴りながら保守
マリみて実写化らしいが、どうせAV版以下のでき(ry

63 :
>>62
規制だけはどうにもならんねえ。
昨年から今年にかけて散々な目にあわされたので全く、他人事ではない。
あと、実写版対応の文庫本が出たようだが、内容はまあ…… 現実だったらそんなものなんだろうなあ、という感じ。

64 :
>>63
kwsk>実写文庫本

65 :
期待保守

66 :
髪がドリル

67 :


68 :
話題の実写版キャストをみた(´Д`;) ヒィィィィィ
演技はどうか知らんが、女優は見た目でせめて往年の美少女Hくらいのレベル選抜しろよ。
祥子とか志摩子だとか絶世の美少女というのが原作だろ?
これで演技も芋なら原作を凌辱するための実写版か?凌辱は二次でたくさん。。

69 :
※ジャンルは東方project
※咲マリ風味
※百合
※オチが丸投げ
※微妙なエロ
以上の点でも大丈夫という方は先にお進み下さい。
恋人との初めての性行為から二三回までは非常においしい体験だと感じる
それが初心な相手なら尚更で、少し触れた程度でも敏感に感じ取り興奮を覚える
押し倒すまできゃんきゃん騒いでいたのに、今は大人しいただの子猫でしかない
金の髪を指で梳かしながら、唇に二度目の大人しくなる魔法を掛ければ、この黒猫は甘い声で鳴いてくれる。
―咲夜
私の名前
私を求める心細い響き
熱を纏って凄く厭らしい
本人に自覚がないから尚更厭らしく聞こえる
奪った唇から口を離した
舌越しに感じる温かな感触を離すのは口惜しいが、
大人しくなる魔法が成功したのでそろそろ次のステップにも進みたい
プチプチと彼女のシャッツのボタンを外す
ボタンを外す音、息を呑む音、唾を飲み下す音
その微かな響きが耳に届き、終始私の手先に黒猫の視線が向けられている
ゆっくりと期待させて
快感が体に馴染むように
それが病みつきになるように
私は手を加える
黒いドレスに隠されているいっそ傷を付けてしまいたくなる様な白に心を奪われた
触れて触れてと真っ白な素肌は私に訴えてくる
柔らかく細い彼女の体に触れる度に私は虜になっていく
胸元の小振りの膨らみにある紅に食指がそそられる
肌蹴たシャッツに顔を寄せて胸に口付けた
薄紅の実を焦らす様に舐めあげてから強く吸い付く
堪らずにあげる甲高い嬌声に、普段は意識させない女の子らしさを髣髴とさせた
空いた乳房を撫でてゆっくりと揉み込んだ
小さいといっても全く無い訳ではないし、撫で心地もいいし
何より
−…んっ!やだっ!…あん
感度が良い
そんな声を聞いてると意地悪をしてしまいたくなる
指先で軽くひねりながらチロチロと舐めあげる
焦れた愛撫に声がくぐもり目を細め乳首が
少ししこりを帯びてきたところで一旦手を止め、
愛撫を行っていた手を彼女の下半身に移動させる
放心している黒猫のスカートを捲り上げ、
太腿を摩り十二分に感触を楽しむと耐えるように両足を擦り合わせた
快感に疼いた腰が浮いてきて、丁度私のお腹に擦れる。

70 :
体が小刻みに震えて先を欲しがっているようだ。
物欲しそうに黒猫が見るから
―欲しい?
と尋ねた。
こくこくと小さく頷く
蕩けた視線が意地の悪い私に向けられる
とろんとした瞳で私を見ることが
どれだけ無防備なのか本人は知る由もない
もっと焦らせてみたいと欲求がじわじわとせり上がってくるが、
機嫌を損ねてしまっては後々面倒になるので先を進める事にした。
顔を見合わせもう一度唇を重ねる
ゆっくりと深く
まだ黒猫はこの先に慣れていないから安心させるために
時間が経ち唇が離れる
そろそろ期待に応えなければならない
体を下半身へとずらしスカートの中へ手を潜らせて下着を剥ぎ取る
愛撫で少し濡れてしまった下着を
シーツの脇に捨て置いてスカートを再度捲り上げた。
彼女の下半身は足の付け根まで愛液に濡れて
ぴっちりと足で閉じてしまっている
両足に力が込められ開く事ができない。
―力を抜いて…続きが出来ないでしょう?
迷ったような仕草を見せた後におずおずと両脚が開き始めた。
太股はとろとろの糸を引きながら離れる。
その先にあるひくついた秘処の輪郭を指先で撫で上げ突起をくりくりとこする。
声が一段と甘く鳴いた事に気を良くして続きに移る事にした。
ー入れるわね
つぷと膣に指を沈める。
柔らかくも指を締め付けじわっとした熱が包んだ。
異物を入れた反動で膣が萎縮してキツくなりすぎて奥まで入らない。
このまま押し入れては流石にかわいそうなので、
一度指を引き抜いて愛撫を始めた。
舐めた方がいいかと思い顔を引き付ける。
舌先で秘肉をなぞり緊張が解け始めたら愛液を絡めとり
口に含んで唾液と絡め、それを舌先で中に送り戻す。
指よりかは遥かに柔らかい舌の責めが黒猫を追い詰めていく。
なんとか太股で圧迫して舌の侵入を防いではいるがなんとも頼りない力だ。
きっと、いやいやといったかぶりを振りながら耐えているに違いない。
ああ、顔が見えないのが非常に残念だ
―…さ…くやぁ …や…ぁ…
名前を呼ぶ声が切なくなる。
そろそろ限界だと知り更に舌先を奥に突き入れる。
すると今まで我慢していた黒猫の身体が大きく震え猫の様に鳴いた。
―…も…ぅ…だ…めっ!…さく…やっ!さ…くや……ゃぁ…あああぁぁっ

71 :
ここまで読んで頂いてくれた方。
有難うございます。
中途半端な上に非常に短いですが
これで終わりです。

72 :
えろいお(´・ω・`)

73 :
ほしゅ

74 :
保守

75 :


76 :
まりみてではないですが、一昔前に流行った少女小説の害吉小説です。まえに投下したのに手を加えました。
全三回です。
※性器破壊ネタ
男たちはまず、逃げられないように蘭玉の両脚の膝蓋骨を砕くと、かわるがわるに蘭玉を犯した。
蘭玉が暴れ、泣き叫び、半狂乱で抵抗すると、男たちは蘭玉の顔を拳で殴りはじめた。血飛沫が散って、艶やかな黒髪に赤黒く染みを作った。
殴り続け、犯し続け、切り刻み続け、それで漸く蘭玉は大人しくなった。
「ひゅ……ひゅ……」
蘭玉の口からはもう声は出ない。ほんの少し前まで「桂桂を返してえっ!!」だとか「陽子、陽子、助けて!」などと仕切りに泣き喚いていたのだが、今は膨れ上がった顔から虫の息を漏らすのみである。
拳で砕かれた蘭玉の顔は原型を留めず、お多福のように膨れ上がっていた。
「呀、来了!」 (あー、来るぜえ)
蘭玉の上に圧し掛かっていた男がくぐもった呻きを発した。蘭玉の膣内に精を放ったのである。 これで十五、六回目の神気注入である。
「しゃあ! もう一度 俺じゃ」
男がぺっと唾を吐くと、隆々と反り返った陰茎に手で塗りつけた。陰茎には血が乾いてこびり付いていた。
破瓜のとき蘭玉は苦痛に白目をむいて絶叫したものだった。失神した蘭玉を、男達は交々に殴りつけて現に引き戻したのだった。――蘭玉はまだ処女だった。
「喝!」
男が蘭玉の玉門に肉茎の先端を宛がった。蘭玉の女性は桃色にぴったりと閉じて、 桜の蕾みのように楚楚としていたものだった。今は鮮血に塗れてざっくり裂けていた。
穴からは白っぽい濁液がどろりと漏れている。無理やり広げられ、強すぎる力で引っ張られた為、陰唇の右の襞は千切れてもげかかっていた。
「嗚呼、締め付けるぅ!」
男は少し前まで処女だった膣圧を悦んでいる。男は散乱した襤褸の上で蘭玉を犯している。 床に散乱しているのは襤褸ばかりではなく、血痕や骨片、挫かれた歯、 そして千切れた乳首などの肉体のかけらも散らばっていた 。
蘭玉の右の乳房からは、乳首が噛み千切られて無くなっていた。まだ熟しきっていない膨らみは、その未来と共に永久に潰されていた。
「aiya,真歴害!!」 (ああ、マジすげえ)
男は嬌声を上げて腰を激しく突きこんでいるが、蘭玉は男のセックスにまったく無反応のまま横たわっていた。

77 :
1、前篇、
第一回、蘭花無情地凋謝了、于是災禍都従這個地方這個時候開始出生了。
(蘭の花は無残に枯れ落ち、かくて全ての禍はこのときここより生まれ出でたこと)
 止水郷長・昇鉱は和州候・牙鋒の走狗だった。そして和州候・牙鋒は暁天と密かに通じていた。彼らは以って相い朋党比周し、上は天子を欺きて万乗を擅(ほしいまま)にし、下は黔首を屠戮して競って虐を嗜んだ。
昇鉱には数百人からなる食客があった。食客とは云っても要するに私剣の徒だった。肉を貪る主人に似て頗る残忍だった。今、彼らは身に兵戟を帯び、黒衣に装して瑛州は黒亥県のとある里家に結集していた。
里家の閭胥(ちょうろう)を遠甫と云う。その遠甫を戮(ころ)すことが任務である。
「蘭玉、逃げなさい! 早くっ!!」
(嘘よ……こんなの嘘……)
背中越しに遠甫の悲痛な叫びを浴びて、蘭玉は走った。
後ろから人の肉の斬られる音、血飛沫の壁に掛かる音、が聞こえた。里家は中庭を囲んで成る。(所謂四合院だ。)逃げ道はない。
蘭玉には一室に駆け込み、ささやかな障碍を戸口に設けるほかなかった。
信じたくなかった。自分の目を、耳を。耳目を通じて流入してくる感覚刺激を、それを現実として受けいれることを、 蘭玉の心は拒否した。
蘭玉は房間の隅でうずくまり、顔を手で覆っていた。
(桂桂……桂桂……なないで……お願い、なないでえ……っ!)
ドガァ ガッシャン!!
けたたましい騒音が狭い房間に響いた。それが蘭玉を現実に引き戻した。一分の慈悲もない現実世界に。
五、六人許りの男たちが室内に踏み込んでいた。手に持つ白刃は人の血と脂でぬめっていた。
「ほう……」
男の一人が感嘆したような声を漏らす。涙を流し、震えている少女の姿態に見惚れているのだった。
立之、非也――「これは、ただすには惜しいな」
それだけ、蘭玉は美しい娘であった。しかも、皮肉な事に悲痛と恐怖とがその儚げな美を青白く彩っている。
男なら誰しも加虐心を掻きたてられただろう。――こうして、蘭玉の末路は決まった。
男たちはまず、逃げられないように蘭玉の両脚の膝蓋骨を砕くと、かわるがわるに蘭玉を犯した。
蘭玉が暴れ、泣き叫び、半狂乱で抵抗すると、男たちは蘭玉の顔を拳で殴りはじめた。血飛沫が散って、艶やかな黒髪に赤黒く染みを作った。

78 :
男たちはまず、逃げられないように蘭玉の両脚の膝蓋骨を砕くと、かわるがわるに蘭玉を犯した。
蘭玉が暴れ、泣き叫び、半狂乱で抵抗すると、男たちは蘭玉の顔を拳で殴りはじめた。血飛沫が散って、艶やかな黒髪に赤黒く染みを作った。
殴り続け、犯し続け、切り刻み続け、それで漸く蘭玉は大人しくなった。
「ひゅ……ひゅ……」
蘭玉の口からはもう声は出ない。ほんの少し前まで「桂桂を返してえっ!!」だとか「陽子、陽子、助けて!」などと仕切りに泣き喚いていたのだが、今は膨れ上がった顔から虫の息を漏らすのみである。
拳で砕かれた蘭玉の顔は原型を留めず、お多福のように膨れ上がっていた。
「呀、来了!」 (あー、来るぜえ)
蘭玉の上に圧し掛かっていた男がくぐもった呻きを発した。蘭玉の膣内に精を放ったのである。 これで十五、六回目の神気注入である。
「しゃあ! もう一度 俺じゃ」
男がぺっと唾を吐くと、隆々と反り返った陰茎に手で塗りつけた。陰茎には血が乾いてこびり付いていた。
破瓜のとき蘭玉は苦痛に白目をむいて絶叫したものだった。失神した蘭玉を、男達は交々に殴りつけて現に引き戻したのだった。――蘭玉はまだ処女だった。
「喝!」
男が蘭玉の玉門に肉茎の先端を宛がった。蘭玉の女性は桃色にぴったりと閉じて、 桜の蕾みのように楚楚としていたものだった。今は鮮血に塗れてざっくり裂けていた。
穴からは白っぽい濁液がどろりと漏れている。無理やり広げられ、強すぎる力で引っ張られた為、陰唇の右の襞は千切れてもげかかっていた。
「嗚呼、締め付けるぅ!」
男は少し前まで処女だった膣圧を悦んでいる。男は散乱した襤褸の上で蘭玉を犯している。 床に散乱しているのは襤褸ばかりではなく、血痕や骨片、挫かれた歯、 そして千切れた乳首などの肉体のかけらも散らばっていた 。
蘭玉の右の乳房からは、乳首が噛み千切られて無くなっていた。まだ熟しきっていない膨らみは、その未来と共に永久に潰されていた。
「aiya,真歴害!!」 (ああ、マジすげえ)
男は嬌声を上げて腰を激しく突きこんでいるが、蘭玉は男のセックスにまったく無反応のまま横たわっていた。
黙々と、陰茎を挿入され、犯されている。光を失った瞳から不意に涙がこぼれた。思い浮かべていたのだ。あの人の、面影を。

79 :
(お願い……陽子……この国を……みんなを……救って……)
蘭玉はもっと楽なを遂げることができたのかもしれない。だが、敢えて男達を自分の身体に引き付けた。だから、苦痛に充ちた最期を遂げることになった。
だけど、それでも彼女は満足だった。たった一つの希望を守り通すことができたのだから。
この後、蘭玉は男達に豚が屠されるように解体されていった。まず手の指を一本ずつ切り取られ、次に手足を付け根から切り取られ、乳腺からリンパ液を散らしながら乳房を根元から抉り取られた。
最後は手足を切断されて達磨にされたまま、男達に抱き抱えられて犯された。そうして男達は気が済むと、すっかり小さくなった蘭玉に、代わる代わる尿を引っ掛けて引き上げていった。
それでも蘭玉はもうしばらく息があったが、間もなく失血多量のため亡した。
その無残な体を発見した陽子が悲しんだことは言うまでも無い。景麒などは血の穢れに中てられて、大分しばらくの間、体調を崩していたという。
不在話下(このはなしはこれでおしまひ)
2、中篇、
第二回、賢主為了陥入情網発起瘋来的、而且把天下生民亡掉下去了。
(明主は色情に陥って狂いを出だし、天下生民をして滅亡に追い込むこと)
「蘭玉、蘭玉っ!!」
 陽子は取り縋った。かの無残な遺体に。 衣服が血の穢れにまみれるのにも構わない。
「これは、なんと……」
 景麒があまりの臭にふらつくいた。陽子は、叫んだ。
「なぜだ、なぜ蘭玉が……こんな……っ」
 そのまま肩を震わせ続ける。 頬には止め処もなく涙が流れていた。嗚咽が止むことなく続いた。
「こんな……こんなに方をしていい娘じゃなかったんだ……この娘は、幸せにならなくちゃならなかったんだ……」
 もう冷たくなった遺体を抱きしめながらずっとそうして、気づいた。衣に隠されたものに。
「なんで玉璽が……蘭玉、あなた……」
 改めて泣く。 今度は、自責と懊悩。そして、この時初めて自分の感情を自覚した。
 やがて、陽子は蘭玉を虐した下手人達を捕縛することになる。
 昇鉱の手下に蘭玉をされた陽子であったが、この時彼女の心裡にある感情が芽生える。
それは親友をされた女子の抱くものとは、些か異質なものであった。歯車は狂い始める。
話休絮煩(さて、ほんだいにはひります)

80 :
1.
「――やあ、御機嫌いかがかなあ♪」
ギギっと音がして、暗い部屋の中に人影が入ってきた。三人。陽子と、鈴と祥瓊だった。
「しゅ、主上……」
 下手人たちは蒼褪めた顔で呻いた。已に大政は誅(けっ)した。大逆の謀叛人である靖共や昇鉱らには、特別に「別れ」を誂えてやった。
だが、この下手人どもは無傷なのである。いや、敢えて無傷で捕えた。――簡単にしては面白くない。
 金波宮の奥深く、岩肌の剥き出しな牢獄に、灯篭の淡い光がはためいている。淀んだ空気がゆっくり巡り、腐臭が鼻腔をかすかにくすぐる。
 ここは遥か昔、かの達王――慶東国の伝説の明主、が設けた地下牢獄だった。晩年に至って乱心し、百姓を苦しめたかつての明主は、性的趣向にも異常をきたし、大勢の下吏や庶民の娘をここに投獄して淫虐の限りをつくしたのだった。
その牢獄に蘭玉をめた下手人五名は、投獄され、木製の磔台に縛り付けられていた。全員恐怖のあまり血の気が薄らいでいる。
 素は無頼漢で、暴力を買われて悪官の手下になり下がっていたのだが、自分で弱いものに危害を加えることは知っていても、自分がされることにはとんと無知だった。
「へえ、私が主上? お前たちの頭領は別の奴だろう?」
 陽子は意地の悪い笑みを浮かべる。
「私どもは命令されていただけなのです。どうか、どうか、御慈悲を……」
 勝手な言い訳を陽子は聞き流すと、一人の目の前に立った。この男が五人の首領であった。
「楽しかった?」
「へ?」
「蘭玉をしたのは、楽しかったか? なあ、きみ、ん?」
「…………」
 陽子はぬらっとした視線で硬直しきった男の表情をみてちいさく笑うと、後ろの二人に合図した。鈴と祥瓊が進み出て、男の衣を脱がす。
「漫画読んだことある?」
陽子は、言った。
「ま、まんが……?」

81 :

陽子は、言った。
「ま、まんが……?」
「『し屋1』って漫画知ってる?(知ってるわけないか。蓬莱のなんだもん。つか、この単語ちゃんと常世で訳されてるのかな?)
ネットとか、一部の趣味の人たちに人気の、ハードコアなSM漫画でさ。その中で、チ○ポを鋏で切って改造したりするんだよね※。さぶいんしじょんつーんだって。すごいでしょー」
(※ http://www.google.com.sg/search?hl=ja&rlz=1T4SKPB_jaJP335JP336&q=%E3%82%B5%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B7%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3&aq=f&aqi=&aql=&oq=&gs_rfai=) 
 そう言うと、陽子は祥瓊から金属製ものを受け取った。精肉用の鋏である。男は何が何だか分からないうちにも、陽子の意図を察した。そして絶望のあまりガタガタ震えだした。
「や、やめ……」
「フフフ」
 男の一物が股から垂れ下っている。大きさはやや大きめで、包皮がむけて黒光りしている。今まで大勢の乙女たちを凌辱してきた凶器だった。
破壊の対象に、陽子の倒錯した彼女への「想い」が隠されていたのかもしれない。
 肉の凶器に金属の凶器が触れて、狙いをつける。鋏み込まれていた。
「やだ、助けて……やだ、やだ……」
男は哀願するが、陽子は一顧だにしない。冷たく笑うとひと思いに手に力を籠めた。
――シャキン――
「ぎ、ぎゃああああああああああああああああああああっ!!」
 絶叫が暗い室内に響き渡る。
「あー、あー」
 男は泣きじゃくっていた。
「うわ……」
「陽子、これはちょっと」
 傷口の凄惨さを見て唸る鈴と祥瓊に、陽子は命じる。
「止血と化膿止めして、くっつかないよう別々に包帯を巻いといて」
「畜生、畜生……っ」
陽子は部屋をぐるりと見渡す。
「あと四人」
「ひ、ひいっ!?」
 下手人たちが悲鳴をあげた。陽子は鋏を提げて近寄る。
「こうなったら、お前らをみんな化け物にかえてやるよ♪」
「ぎゃああああああああああああああああああ!!」

82 :
「痛いいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!!」
 絶叫が暗い室内に響き通った陽子が鈴と祥瓊に引っ張られて、体ごと綱引きしている。綱の対手は男の目玉であった。
「ぎゃあああああああああああああっ!!」
 さっきから三十分以上目玉を掴んで引きずり出そうとしているが、中々どうして人間の目玉を抉り出すのは始末に負えない。
が、ついに陽子の指先から、男の目玉が抉り取られた。
 目玉を摘まんだ陽子の指先からずるずると視神経が糸を引く。三人の娘は風筝(たこ)の糸みたいねと思った。
「その眼で、蘭玉を犯し、嬲りしにしたのだろう?」
 陽子は紅潮した顔でせせら笑った。男は激痛のあまりえぐえぐ泣きじゃくっている。
 拷問は一か月以上続いた。
 男たちは特別に慶東国の「司空」や「司寇」に官位を進めている。仙(前漢の許慎『説文解字』には『仙者不也』とある)に封じて、すぐなない体にするためだった。
あまりの厚遇に、まったく男たちは感涙の海に溺れにそうであった。
「ううっ……」
 眼窩がからっぽな、別の男が呻いた。先に陽子に一物を真っ二つにされた男である。
男の男根は、付け根まで真っ二つにされて、傷口は塞がっており、そこから尿道を覗かせている。その尿道も陽子の残忍な拷問の格好のターゲットであった。
仙にした上、化膿止めに六太が蓬莱からパクってきた抗生物質まで飲ませて、んでしまわないよう手厚い看護を受けたのだった。
 その男は今や手足が無く、鼻や耳も削ぎ落とされている。皮膚も粗方剥がれていた。それでもぬにねなく、今日も陽子の責苦が待っている。
「今日は金○叩き潰そうか♪」
陽子が合図すると、鈴と祥瓊が台座の上に男の股を据え、前をめくった。

83 :
「準備できたわよ」
「おーけーよ」
「OK♪」
 鈴も祥瓊もわくわくした顔つきである。陽子の狂気に感化され、今や二人もすっかりこの凄惨劇を楽しんでいた。
「陽子、○玉叩き潰されたら衝撃で心の臓が潰れるんじゃない?」
「大丈夫。壁先生のところで勉強した医者を用意してあるから救急看護の準備はある」
「○玉叩き潰されると、白い液体が飛び出してくるのかなぁ♪」
男が、呻いた。
「おねが、もう……して……ぇ」
「だめだめ!」
 チッチッと陽子は指を振る。
「蘭玉に約束したんだ。もう誰も悲しまない、立派な国をつくるって。だから国造りが完成するまでは、お前たちにも生きててもらうよ。――達者(だるま)にして転がして、あと百年はね♪」
 陽子が二十斤(十キロ)ある金槌(ハンマー)を振り上げる。
「そおれぇ!!」
 ぐちゃっ
「ぐぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!!」
2.
「主上」
 景麒が、陽子に詰め寄った。いつにもまして険しい表情だ。開口一番、切り出したのはこの麒麟らしい率直な言葉だった。
「――あまりにも惨すぎます」
「んぅ、なにがだ?」
 陽子はとぼけた表情(かお)で、薄ら笑いすら浮かべる。
「あの下手人たちへの処遇です!」
 陽子は黙ってにこやかな笑みを崩さず聞いている。
「いくら悪人への処置とはいえ、あまりにも度を越しています」
 景麒はいつも以上に主上を諌める厳しい調子で陽子ににじり寄った。
「あの娘をされてやるせない思いをなされているのは分かります。ですが、それも何年前のことですか? それでは昇鉱らのやった非道とどこが違うのか……」

84 :
「景麒」
「は」
景麒が陽子に応えて顔を寄せた。
「ぶぐっ」
 拳骨が景麒の鼻骨を粉砕する。その顔を陽子の拳が殴りぬいていた。
「知った風な口きくんじゃねえよ、ダボが」
 鼻血を出して蹲る景麒にぺと唾を吐きかけると、陽子は言い捨てて去った。
「あいつらは、あと五百年かけてイジメしてやるんだ、赤王朝が続くまではなァ♪」
「あれ以来、大輔は熱を出しておられる、お前はどう思う?」
 白髯の老人が苦々しく吐き捨てる。冢宰の礼装の精悍な壮年が頷いた。
「はい、太師。麒麟は固(もと)此れ仁獣。主上のやりようを受け、病んでしまわれたたのでしょうな」
 園甫と浩瀚は、陽子の「御乱交」に対する定例会議を開いていた。
 陽子の治世に問題があるのではない。
 即位後二十年をけみした、慶東国の国政は軌道に乗り、社稷の礎石はしっかりと築かれていた。
腐敗官僚の粛清や禁軍の綱紀粛正、常世で云えば社会制度改革やインフラストラクチャー構築など、この短期間で信じられぬ成果を上げた。
このまま行けば、少なくとも後百年は赤王朝は揺るぎない。それが十二国中衆目の一致する所だった。
 だが――
「このままでは大輔は失道される」
 園甫が絞り出すように呟いた。
 蘭玉をめた下手人を捉えてから十七年、陽子は以来下手人たちを仙に叙してひっきりなしに拷問を加えている。
元々、各国の王が殊にどうしようもない罪人を、できるだけ苦痛を長引かせるため仙に叙したうえで、陵遅にかけて切り刻むということはある。
しかし、このような人道を無視した拷問は開闢以来、未聞だった。
本来、この様な無道を止めるべきはずの女史や女御も嬉々としてこれに加担している。
浩瀚たちはそれとなく諌めるのだが、陽子は聞く耳をもとうとしなかった。
……いや、この件に関しては、下手に諌めると陽子の狂気の逆鱗に触れずにおれないのだ。
「儂かて可愛い蘭玉をめた悪漢どもじゃ。憎くないと言えば嘘になるが……」
「主上は慶にとって百年、いえ千年に一度の逸材と思っておりまする。このような事で、失道するのではあまりにも……」
 二人は顔を見合せ息をつく。こうなれば、方法は一つしかない。
「るか――」
 ギギと音がして、その房間の扉が開かれた。その何重にも施錠された分厚い鉄扉は、常世と地獄との境目であった。その軋む音がする度に、中の囚人たちは絶望にむせび泣くのだ。

85 :
「あひぃ……もうして」
「してやろう――」
 男たちは、入ってきた者がいつもの嗜虐者ではない事に気づいた。
「主上の勅命である。貴様ら五名、昇鉱に加担して罪なき生民をめた罪により、斬首いたす」
 その瞬間、男たちは涙を流した。歓喜の涙を。
「ほんと? ほんとにしてくれるの?」
 浩瀚は黙って頷く。数名の兵士が剣を抜き、鎖に繋がれた男たちの前に立った。
「嬉しい! 早く、早く俺をひとおもいにしてええええええええええっ!!」
 歓喜にむせび、号泣しながら叫ぶ男たちは、皆目玉を抉られ眼窩がからっぽで、手足もなく、体中至る所が損壊されて刃創(はものきず)と骨皮をさらし、陰部には陰湿な責めの痕があった。
目玉がない以上涙線もなく涙を流せる道理はないのだが、これは文字通りの血涙である。
「早く、早く俺を……俺をしてええええッ、してくれッ!!」
「慌てるな、主上の御勅命だからな……」
「――へえ、そんな勅命、初耳だ♪」
 慌てて、振り向く。そこには禁兵を率いた陽子の姿があった。冬器の白刃が浩瀚たちに向けられる。
「浩瀚、貴様は私の寵を良い事に専横の振る舞いに出た。許せん。この男どもと同じ刑に処す」
「しゅ、主上……!」
「引ったてい!!」
3.
 ――自分があの子にこんなに執着してしまったのはいつからだろう。
 初めて会った時から気にはなっていた。其の境遇と為人を知る裡に愛着が生まれたようだった。 
そして、――失って、自分の愛着の本当の意味を知った。
「蘭玉……」
 金波宮の燕朝、奥深く、陽子の寝室。陽子は一人寝台に横たわっている。
人目を気にする必要のない休息時、半裸で寝そべり、その肌理の細かい柔肌を灯火が橙色に照らしている。
いつしか、こうして蘭玉の笑顔を胸に浮かべる事だけが、陽子の秘やかなそして唯一の慰めとなっていた。
 今の自分だったら、たぶん迷わない。
 蘭玉に想いを打ち明ける。
 この胸の狂おしい時めきを。
 彼女への強い衝動を。
 たぶん女の子として「まとも」な彼女は拒絶するだろうが、それで構わない。そうして心の靄を取り除きたかった。
……でも、それも永遠には果たせない。彼女は奪われたから。
「ごめん、助けられなかった……守れなかった……」

86 :
 陽子は、その雄々しい王業を肇める嚆矢となった内乱に参戦した后(あと)、靖共・呀峰・昇鉱ら大逆の一味を、暁天で衆人環視の下陵遅刑にかけた。
無論、仙籍にある者は身分を解かず、無冠の者は改めて仙に叙して。
処刑は三十日間に及び、三万刀を超す切り刻みの末、激痛のため自し、すっかり脳が委縮してしまった呀峰らが息絶えたとき、陽子は今のように、改めて涙を流した。
寸刻みの肉はその場で(火考)肉(やきにく)にして、民衆に配り、怨嗟極まる両州の生民が争って其の血肉を食らい憂さを晴らして、残骸は人糞に混ぜて狗の餌にして、それでも陽子の悲しみは尽きなかった。
 その晩陽子は初めて蘭玉で自分の躰を慰めた。
(陽子)
(陽子、今晩は帰らないんでしょ?)
(良い人によろしくね!)
 涙が、溢れてくる。偶に気まぐれで桓(鬼進)カンタイや夕(日軍)セッキに伽をさせ、身を任せる事もあったが、そんな事で飢えは飽かされなかった。
あの、楽俊とは――雁に留学以来もうずっと会ってないが、もっとプラトニックで精神的な繋がりだったのに。
 未熟な蓬莱時代には未だ持てなかった恋情。この世界に来て初めて少しだけ成長できて、最初に抱いた想い。
ちょっとずれてはいるかも知れない。でも、たとい同性であろうと、自分は本気だった。そして、その想いは、永遠に行先を見失ってしまった。
「はあ……ぁ……」
 手で自分の乳房と陰部を揉む。乳房は赤々と火照り、陰部は已に濡れそぼっていた。きゅっと指先で、乳首と陰核を摘まむ。陽子は体をビクッと仰け反らせた。
「はう……っ」
 内奥からどんどん熱い液体が溢れてくる。紅い髪が乳房で震える。陽子はせつなさに喘いだ。
「ん、んんっ……」
 傍らの水寓刀を手に取る。ふと、その刃紋を見やるが、ただ茫洋たる幻がうつろうだけだ。自分が望むあの子の姿はいつも映してくれない。
あの子はうつし郁(くに)にいないからだろうか?
 いや、仮令千里を見通すこの宝重と雖も、自分の疼きはいやして呉れない。こうしなければ。
「ああっ!!」
 水寓刀の柄が根元まで沈み込んでいく。やがて、奥まで達すると、抜き差しを始める。湿っぽい音が陽子と灯火のつくる陽子の影の二者だけの部屋に響く。
そうやってしばらくして。陽子は無意識に腰を浮かせ、しだいに引き攣るようになっていった。
「ああ、蘭玉、あたし、あたし……っ!!」

87 :
支援

88 :
 そうやって抜き差しを何十回となく繰り返す。全身が汗にまみれて、淫靡な湿り気が房間を支配し続けた。
 やがて陽子の声が震える。ビクンビクンと痙攣して、陽子は果てた。
 余韻に浸りながら荒く息をつく。自らをけがした後はいつも虚しい。其の時自分の乎気だけのはずの房間に、ふと声が響いた。
「――主上」
「なんだ、いつからいた班渠」
陽子はまだ熱さの残る体を身づくろいもせず云った。
「御自分を慰められている間からずっと。それよりお耳に入れたき事が」
「何だ?」((なんだ待ってやがったのかコイツ、私の一人H盗み聞きしくさって、金請求したろか??))
「太史令が松伯と謀り浩瀚さまたちを釈放させようとしています」
「――桂桂が?」
 太史令とは、蘭玉の弟桂桂の事である。彼女亡き後、生き残った桂桂を陽子は自分の子供のように育てたが、彼には書算詩文に才があり、国学を卒業して今は其の官にあった。太史令とは天文や文書記録を司る官吏である。
「如何なされますか」
「…………」
 奪回も恐れ、蘭玉をめた下手人に使令を張り付かせるよう命じたのは陽子である。その故、浩瀚たちの独断を察知する事が出来た。浩瀚らは今は拘束して刑を待っているが――
「禁兵に知らせろ。卒(兵士約百人からなる部曲)を一個動かす」
 陽子は上着を着ながら、号令した。
「――鏖(みなごろし)だ♪」
4.
 金波宮の一角は、深夜にもかかわらず騒然としていた。百人ばかりの兵士が、辺りを警戒し、燕朝に詰め込んでいる朝臣の殆どは野次馬に駆けつけていた。
その人垣の列がやにわに割れる。陽子が先触れも伴わず、水寓刀を引っさげて来着したのだ。
「――陽子……」
 兵士に冬器の白刃を向けられ、蒼ざめていた遠圃がうめいた。
「おやおや、これは。やあ、遠圃。太師のお前が謀反を企てるようでは、慶東国の社稷も危ういな♪」
「陽子、お前、好い加減に正気に……!」
 遠圃の言葉が途切れた。水寓刀の鞘で頭を強打された遠圃が、鼻血を出して地べたに顔を摺りむいた。
「ううっ」
「この老いぼれが、待ってろ、すぐにぶった斬って……」
「――陽子、もう止めようよ……」
 其の時、少年の声が起こった。同じく押さえつけられているその相貌を見て、陽子の胸がちくりと痛む。桂桂だった。

89 :
 言われるまま、士卒が無造作に桂桂の衣を脱がす。(この状態の陽子に逆らうとどんな目にあうか分かっているのだ)その陰部が露わになる。陽子は水寓刀を抜いた。
「や、やめ……」
 ざぐっ。
 剣の切っ先は、桂桂の陰茎を付け根から切断していた。
「ぐがああぎゃあああああああああああああああああああああああああっ!!」
 あまりの激痛に桂桂は転がりまわり泣き叫ぶ。切断面からは血が噴水のように吹き出ている。
「こいつも仙だ。簡単にはくたばらねえだろうから、止血と化膿止めだけして、まとめて牢獄ぶちこんどけ」
 陽子は妙な高揚感が湧きあがってくるのを抑えられなかった。女として、蘭玉を手に入れられなかった、自分に欠けているもの。それを仇敵から奪ってやったような倒錯した感覚に陶酔していた。
其の晩陽子は興奮して寝れず、十数回の自慰を繰り返した。
 翌朝、さすがに見かねて、鈴と祥瓊が寛恕を乞いに来た。彼女らも陽子に教わった蓬莱の「えすえむぷれい」の醍醐味に酔いしれ、加虐を愉しんでいたのだが、事情が事情だ。
陽子は説得され、失道しては元も子もないと判断し、浩瀚らの罪を特赦し、下手人たちへの拷問も以後二十年取りやめた。そのため、赤王朝の命脈は伸び、拷問が再開され、下手人たちは百年に渡って苦しむ事となる。
 百年後には主犯格を除いた下手人四人のうち三人は衰弱した。あまりの激痛に脳が委縮し自したといった方が正しかった。
現に、後司法解剖を行ったところ、下手人たちの脳髄は通常の二十分の一に委縮していた。
だが、それでも生き残りの下手人には景麒が病まない程度の頻度で拷問が加え続けられた。浩瀚も遠圃ももはや諫言のしようがなかった。
 だが、嗜虐の裡に確実に陽子の精神は蝕まれていったのである。もう、楽俊や尚隆の忠言すら彼女には届かなかった。
 去勢された桂桂であるが、奇跡的に一命を取り留め、引き続き太史令を任される事となる。
男たちの最後の一人の亡が確認されたのはそれから百年後、つまり治世二百載の時候であったが、それは赤王朝の寿命が尽きたのと同時だった。
男――蘭玉をめた主犯格の肉体は殆ど「人間」としての形状を留めていなかったが、荒廃した陽子の精神もまた同様だった。

90 :
>>89手前
「陽子、正気に戻って!」
 窓あどけなさの残る少年は主人を思って心から涙していた。
「姉ちゃんは……こんな事をしたって姉ちゃんは帰って来ない……」
「…………」
「ううん、姉ちゃんはこんな事望んでないよ。姉ちゃんなら、きっと陽子にもうむごい事はやめてくれって、優しい陽子に戻ってくれって」
 陽子が苦々しく顔を背けた。
「桂桂、お前は……」
桂桂は思春期に入ったばかりで仙に封じてある。其の面影は線が細く、蘭玉を思わせるものがあった。その桂桂が目に涙を浮かべて主人の無道を諫めていた。
「蘭玉は……ただ、されただけじゃなかった。面白半分に、それでもお前は」
「だからって、こんな事をしても姉ちゃんは戻って来ないんだよ、それなのに陽子は、これ以上なんのために無道を働くの!!」
「…………」
「姉ちゃんだったら、こんな事は望まないどころか、きっと陽子を嫌いになる!!」
 分かっている。そんな事は。だからそれだけ、無性に腹が立った。
 な ぜ だ ?
 なぜ、生きている?この弟は。そもそも、この弟が男たちの注意を惹きつけていれば蘭玉だけは逃げられたんじゃなかったか?
 同じくドスで刺されたのに、蘭玉はんでなぜこの弟だけが生きてる?
 弟なら姉を身を挺して守るべきではなかったか?
 蘭玉を犠牲に、自分だけ生きて、その上で、私のやる事に身分も考えず差し出口を?
 弟のくせに、蘭玉のを弔う事も、仇を討つ事もせず、挙句の果てに謀反?
 陽子の頭の中で「ぶちん」と何かが切れた音が響いた。
「 漢 文 」
 突然の言葉に辺りが鎮まる。皆その不可解な意味を計りかねているのだ。
「えへへ、私ね、高校の頃は漢文わりかし得意だったんだ。『睚眥の怨みも……』って♪ 授業でならったけど『史記』の著者は武帝を諫めて腐刑※に処されるんだよねぇ」
(※ http://www.google.com.sg/search?sourceid=navclient&hl=ja&ie=UTF-8&rlz=1T4SKPB_jaJP335JP336&q=%e8%85%90%e5%88%91
 目にぬらっとした光を浮かべた。いつもの狂気である。
「お前も官は奇しくもかの太史公司馬遷と同じだ。山客に倣って崑崙(ちゅうごく)の歴史を慶国に再現するのも面白くないか?」
「よ、陽子……」
 陽子は左右の兵士に命令した。
「おい、こいつのポコ○ン出せ」

91 :
 常世の精神科医なら統合失調症と反社会性人格障害の合併症と判断したであろう、治世最晩年の陽子は、虐政の限りを敷き、
雁王朝無き後、「乾坤の小天堂」と謳われた慶東国は、陽子が失道に依り崩御するまで、殆ど「折山」というより「サラ地」というべきに変わり果てたのだが、
その即位端緒から赤子失道までの歴史を丹念に筆を曲げず史実をだけ記して後世に残したのは、陽子に宮刑に処された桂桂だった。
(ちなみに彼の著した『平準書』によれば、慶東国の人口は最盛期八千万戸から陽子崩御時にはわずか二千戸までに減じていたとある。慶国は赤子以降、政府の人口動静の把握力は驚くほど高いので、ほぼ実人口の変位を表すと考えられる。これは『屠慶』として常世史上名高い)
 そこで慶東国の正史だけは「太史公書」「腐書」などと呼ばれるが、その資料の取捨、鋭い筆致、史実を明らかにする事を念頭に置いた史魂は常世の正史の中でも最高峰と評されるのだが、
「赤子本紀」の太史公論賛は、「読む者をして嘆慨せしめずんばあらず」と言われる。
「太史公曰く、夫れ景王赤子、本姓中嶋、名は陽子、胎果の生なり、性英邁にして大志あり、惜かな其末(すゑ)、狂疾を病むに至れるは。夫れ聖治初年、惡官汚吏、九州に瀰漫し、朋黨比周して、皇天を欺瞞し、黔首を略取し、相ひ和して嗜虐す、之を能く止める無し。
上(しゃう)、当に刧擁蔽の主なり。則ち布衣に裝(さう)して、三尺を持し、陰そかに幸(みゆき)し、以つて兩州の情を親察せんと欲す、竊かに瑛州黒亥の里家にあり、一處女に逢ふ、姓蘇、名は蘭玉……」
不在話下(このはなしはこれでおしまひ)

92 :
すいません、携帯投下で不細工な始末になりました。
>>77-86.>>88>>90>>89>>91の順です。
その他重複ミスしてます。
お目汚しでした。

93 :
十二●記で来ましたか…
相変わらず凄いですね。
グロくて鬼畜なのに、ほんのり切ない。
お疲れ様でした。

94 :
そろそろ、まりみての続きほしぃ…

95 :
>>92GJ
>>94同意

96 :
1、
あの梅雨の日に、梅雨の日に。
祐巳が紅薔薇の蕾に選ばれて幾ばくか。
当然、校内にはこれを快く思わぬものたちが居た。 当然であろう。
差して美人と言うわけでもなく、成績も並。 性格とて弱弱しい。
言わば目立たない凡人に過ぎない少女が、 全校生の憧れの的である薔薇さま方の候補に加わったのである。
「ああ……」
 今日も上履きが隠されていて、スリッパを履いて歩く。 教室で待っているのは押しした沈黙。冷笑。悪意。
かつては親しげに話した蔦子や桂さんまでもがもはや祐巳を無視する様になっていた。
 決定的なことはあの梅雨に起きた。 祐巳を捨て、松平瞳子を連れて去っていく祥子。
祐巳は呆然と、雨の中、しゃがんで嗚咽するしかなかった。 そして、救いの手は差し伸べられなかった。
――佐藤聖、リリアン女子大学に所属するかの元白薔薇は、その日、ささいなことから大学に姿を見せなかった。
或いは、そのとき、その瞬間、彼女さえ居れば破局は訪れなかったのかもしれない。
「ちょっと、いいかしら」
 休業時間、祐巳は数人の女子に囲まれた。 連れて行かれる先は女子トイレ。(もっとも、女子高ゆえ女子トイレで当たり前なのだが)
もしくは、放課後の人気のない公衆トイレである。
身動きも取れないほど、体を密着させられ、便所に入ると途端タイルの上に突き飛ばされた。
「あ痛っ!」
「あらあら、痛いですって」
 上を向く、瞬間、縦ロールの、目から気を感じ取った。
「と、瞳子ちゃん……」
 見上げる目の前には松平瞳子が立っている。自分からお姉さまを奪った相手。
「ねえ、みんな、瞳子ちゃん、何でこんなことするのよお。もうやめて」
 祐巳の言葉は最後まで言葉として発せられなかった。
瞬間回し蹴りの足刀が祐巳の顔面にクリーンヒットした。
「ぶううっ!!」

97 :
祐巳へのイジメはエスカレートしていった。靴を隠す、画鋲を入れる、
指定鞄をゴミ箱に捨てる、シカト、嘲弄、そしてついに暴力。
「ぐうう」
「何が『なんで』ですって、このメス豚がっ!!」
 祐巳が鼻を押さえて苦悶する。 益々興奮する瞳子に合わせて、
周りの女生徒たちが祐巳に暴行を加え始めた。踵を、狂気に、祐巳の顔を潰していく。
「調子に乗ってるんじゃないわよ!」
「この反吐薔薇」
「ぎゃあああっ!! ぐえええっ!!」
 血飛沫が舞って二つ別けの髪を塗らした。顔面は実際固い骨で出来ている。其処に少女の未熟とはいえ立派な暴力が炸裂して、
硬質同士が砕ける音が響いた。鼻骨のひしゃげる音がその嚆矢である。踵やつま先の骨が祐巳の顔や時に目玉などの柔らかい部分にめり込んで行く。
「ぐぼお、ぐうう」
「オラオラ!」
「ぐぎゃああ、げえぼ!」
 そして――
 二十分は続いた暴行で、祐巳はもはや立てなくなっていた。
少女ら曰く「ゴキブリのように」便所タイルに這いつくばっていた。
血と涎と涙と反吐と血反吐を吐いて床を嘗めていた。
「ほら、立ちなさいよ」
「ぶぼ……っ」
 腹を何度も蹴っても身を捩ることもできない。そんな祐巳に満足しているのは、
ただ嫉妬だけをぶつけて来た女達であった。 だが、違うものもあった。
「な……ぜ……」
 縦ロールが瞬間律動を持って揺れ動く。
「なぜですって……」

98 :
 途端、瞳子の顔に宿る憎悪の業火。その狂気に押されて他の少女たちは後ずさりして消えていった。
「まだ分からないんですか?あなたの――お前のせいで、祥子お姉さまは」
「もう、そこら辺で止めておくんだ」
 声は背後から聞こえた。
「優お兄様……」
振り返った目の前に立っていたのは、あの柏木優だった。
「…………」
 もはや立つ事もできず、口から吐いた血に塗れて優を見上げる祐巳。
そんな祐巳を柏木は哀れむような目で見下ろしていた。
「君のせいじゃない、君のせいじゃないさ……」
 それから、祐巳は知った。
 佐藤聖は同学年の女性と歩行中、交通事故に遭って亡くなったのだと。
本来ならリリアン正門前を通る予定が、ほんの少しの寄り道が、不運を招いた。
そのとき、迎えに友人女性の下宿まで出向いたのが運の尽きだった。 そ
の日はちょうど祐巳がずぶ濡れになって地に伏していたときだった。
 それから――お姉さま、祥子のことを……。
実際、祐巳にこれらを知る手立てはなかった。 学校を休みがちになり、クラスで浮いて来ていた祐巳に、情報源は無かった。
志摩子は聖の後、行方をくらませた。由乃だけは何も知らない祐巳をかばい続けたが、その気性の激しさも相俟って、次第に反感を買い、
ついにイジメのターゲットにされて潰されてしまった。

99 :
「私は、最低だ、最低だ……」
 頭を抱え、ふらふらと歩く。お姉さまがんだのはあの梅雨の日から二週間後のことだった。
執拗に部屋に閉じこもり、誰の誘いも受けようとしなかった祐巳は、何が起きていたか知る事は出来なかった。
 祐巳を失い、蓉子の必の励ましの甲斐も無く、祥子はどんどん痩せ細っていき、最期はまるで別人のようにやつれていた。
そして、手首を……
祐巳は温室に入った。あの、お姉さまとの思いでの温室に。
ロサ・キネンシスの四季咲きは目に鮮やかだった。 祐巳は素直にそれを美しいと思った。
そして、そうありたいと、清らかでいたいと思った。既に全身打撲で倒れ掛かっている体を棚に寄せ掛けると、
右手にカッターナイフを取り出した。そして真一文字に手首を切り裂いた。
(案外、血ってふきださないもんなんだな。お姉さまの、いえ祥子さまのときもこんなだったのかな……)
 ぼんやり思う。動脈まで切断され、血は止まる事無くあふれ反って来る。
それでも、お姉さまの気持ちを考えると何となく思う。 意識はだが薄らいできて。
 ――ふと気が付くと、ベッドの上にいた。 白いシーツ、白い掛け布団。
「ごきげんよう、ですか」

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