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2012年2月エロパロ5: 【シテヤンヨ】VOCALOID総合エロパロ22【たこルカ】 (297) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【シテヤンヨ】VOCALOID総合エロパロ22【たこルカ】


1 :11/12/23 〜 最終レス :12/02/11
ネギをかじりつつ科学の限界を超えて生み出されたVOCALOID。
そんなVOCALOIDのキャラでエロパロ妄想。
■ワンカップ片手にsage進行推薦
■荒らしはアイスを食べながら冷やかにスルー
■荒らしを相手にするあなたはアナルネギで解熱
■荒らしも荒らしに反応するやつも腹切れ貴様ら!
■それでもダメなら専用ブラウザでNG設定を。ロードローラーだっ
■非公式キャラ(弱音ハク、亞北ネルetc)や
  偏った趣向を含むのSSについては注意書きを
  801はスレ内に不和が生じやすいので棲み分け推奨。男女男女交互に並べ
■セウトはもちろん、セーフの非エロSSもあり
■純粋に萌えを語るのもよし
■気に入らないカップリングでも文句は自重、タコのごとき柔軟さでスルーせよ。
■ ※500Kが近付いたら>>1000近くなくても新スレを!!
鉄アレイの如く重くなって落ちちゃいま
【初音ミク】VOCALOID総合エロパロ21【ボーカロイド】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1314982753/
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
ボーカロイドの部屋
その1 http://green.ribbon.to/~eroparo/contents/vocaloid01.html
その2 http://green.ribbon.to/~eroparo/contents/vocaloid02.html
関連スレ
【MEIKO・ミク】VOCALOIDで百合5【リン・ルカ】
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1301669520/
VOC@LOIDOで801 11体目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/801/1255271991/

2 :
>>1乙!
今更だが保管庫2もいっぱいになってきたな

3 :
もう前スレ埋まっとったんか! >>1乙!
前スレ>>966 天然ミク>
…充分有り得ると思ふ…って。思いっきり被ってますたorz御免…
本当は梅用にひっそりと思っとった、小ネタ。回避支援…
<冬に至る果実>(栗六人家族)
ミク:「柚子はメイコお姉ちゃんに持っていっておきましたよ!
   あ、ついでに南瓜の下ごしらえやっときますねー」
カイト:「有難う助かります。硬いけど大丈夫ですか?」
ミク:「大丈夫問題無いですよー」
SE:―ぐりんごりんっ―
カイト:「煮物作りますんで…用意は良いですか?」
ミク:「出来ました」(ドヤ顔)
カイト:「……なんで南瓜細工になってるんですか?……」
ミク:「へっ? あれ…?こうじゃなかったでしたっけ…」
カイト:「今月は顔は要らないですよw」
ミク:「あうっ。ごごごごごめんなさいっ!」
カイト:「…まー後は僕がなんとかしますから。味噌汁の材料だけ入れといて下さい」
ミク:「はいっ…」(ううっハロウィンでの失態を挽回すべく頑張ったのにっ)
メイコin脱衣所:「ぷっ。ヤダ、何よコレっ!」
帰宅ルカin風呂場:「ミクの仕業ね。It's toreate?」
レンin食卓「流石ミク姉半端ねエw んで、兄ぃも地味にすげーなw」
リン:「―あー理解。だから南瓜煮付けの器まで南瓜だったとw
   …で、この柚子も……」
柚子:<●><●>×10個程
リン:(ちょっとシュールw。なんか、こんなキャラいなかったっけ???)
ミク:「…そこはエキスが良く出ると言って…ついうっかり…
   今回ばかりは失敗しないように頑張ったのに…」(.。o○)
リン:「まあまあ。皆に笑いがとれたんだから良しとしとこうよ…流石ミク姉」
ミク:「なんかフォローになってない気が…」
柚子:<●><●>ぷかぷかり〜
ミク:「…それにしても、けしからん大きですねコイツっ!」
リン:「うん。ちょっと色々負けられないよね…」
ミク:「そうです。これから先も頑張んないとならんのですっ!」(ぎゅっ)
柚子:<●><●>ぶしっ!
ミク:「ひぁっ。柚子汁飛んだあっ!」
リン:「きゃっ!エキス出過ぎだってw」
――遅末
慌しい季節だが、22番目スレも住民と職人の皆々方で盛況でありますよう…
―次回はルカ出張りか人外ハートフルが完成できてたらw…

4 :
トリートともとれたてとも読めないな、何だこれ

5 :
誤字ますたスマソ。Treatが正解す

6 :
ほのぼのしてていいなぁ〜
こうゆうのも好きだ、乙!

7 :
前スレ>>950の続き
ミク「リンの胸のことで頭を痛めてたらいつの間にかイブ…
   サンタはいない…ならあたしの胸は…?」
キヨテル「わざわざAHSに来て愚痴んなよ。今日はガキどもは家族と過ごすから留守だぜ」
ゆかり「JAMバンドやアイスマウンテンのメンバー含めて、26日にクリスマス会の予定ね」」
ミク「先生とゆかりさんが遊びに行くから気を効かせてるんですってば」
キヨテル「なら初音ちゃんも気を効かせてくれや」
ミク「ゆかりさん、ちょっと先生に聞こえないようにして…
   おっぱい大きくするのを諦めたのいつ頃なんですか?」ヒソヒソ
ゆかり「元から気にしたことはないわ」
ミク「なん…だと…」
【ゴキブリ腐れリア充の好みそうなレストラン】
キヨテル「ゆかり、俺からのプレゼントの箱、開けてみてくれよ」
ゆかり「ありがとう。ふふっ、何かしらね……」ガサゴソ
つ豊胸サプリ
ゆかり「……」
キヨテル「……」ドヤァ
ゆかり「ムーンライトパワー、メイクアップ」
キヨテル「何、なぜ怒ってッ!? ウサギ繋がりのそれはヤバ過ぎ――」
ドゴーン
アッーーーーー!!!

8 :
カプ要素ありと書くのを忘れてた
あと>>1

9 :
>>7
乙です。
にしても荒れたせいか過疎っちゃったね。
せっかくのクリスマスなのになぁ…

10 :
荒れたと言っても少しだしそこまで過疎らない…と思う。たぶん。

11 :
ほら、いいエロを書く人はリアルでもモテるって言うし・・・

12 :
リアルに描くにはリアルで実践せなあかんからな!

13 :
実戦してますが何かw

14 :
ボカロって、クリスマスに恋人同士スーパーリア充タイムを過ごすより、
みんなで集まってパーティーするほうが似合ってる。
そしてMEIKOはシャンパンの飲みすぎでダウンする。

15 :
>そしてMEIKOはシャンパンの飲みすぎでダウンする。
ミクとGUMIとmikiはパーティの余興でアイドルソングを披露
ルカが腕をふるってオードブルに蛸の刺身を量産する
リンとレンは毎年パーティ会場でうたた寝組だったが今年は寝オチしたリュウトとユキを雑魚寝部屋に運ぶ
がくぽとVY1とVY2は栗す鱒とは何だとか言ってて眼鏡が由来を解説してる
Lilyはつまらなさそうなポーズを取ってるけど実は一番楽しんでる
V3の綺麗どころが増えて会場は非常に華やか
そしてKAITOはアイスの食い過ぎでトイレに篭る

16 :
いろはは炬燵で丸くなるを忘れてた

17 :
ラピスは庭で吠えるなり

18 :
うちのボカロ達はみんなホームクリスマス
クリプトン一家はKAITOが腕を振るって、ウマいモンがいっぱい並んでる
めーたんはいい調子で酔い潰れてて
ルカとミクさんが賛美歌歌ってくれて
部屋の飾り付けしたのはリンレンがワクワクして寝付いた後、みんなでコッソリプレゼント置きに行って、大人のクリスマスへ移行
隣家はコタツで鍋パーティーとかいいな

19 :
まあ俺くらいリア充になると昨日の夜はリア充の好みそうなレストランでデートしてきたんだけどな
「うわあ、混んでるなあ」
「指定ヤンヨ」
「これはこれは、シテヤンヨさま。夜景のきれいな席を用意してございます」
「シテヤンヨちゃんってすごいなあ。ところであのきれいな夜景はどのへんかなあ?」
「尻手ヤンヨ」
「シテヤンヨちゃんはかしこいなあ。」
「シッテンヨ」
「それでは本日の料理です。蛸と幼虫のオードブルです」
ウェィターが運んできた料理から伸びてきた触手のあと記憶が無くて
高級ホテルのスイートでシテヤンヨちゃんに足枕されてたんだけど
なぜか尻穴がガバガバで全身カピカピなんだけどシテヤンヨちゃんがかわいいので問題ないですよね?

20 :
うむ、末永くお幸せにな
爆発しなくていいぞ

21 :
ワードとメモ帳だとどっちが執筆しやすいのかな

22 :
>>21
自分は軽いからメモ帳だが好きずきだと思う
ワードだと誤字指摘してくれるのがいいよね

23 :
最初は誤字指摘あったからワードにしてたけどそのままコピペ投下すると
変に編集?されて「改行が多すぎます」とかエラーでるから自分もメモ帳にしてる

24 :
ワードの指摘は頭おかしい時があるから鬱陶しいけどなw
口語表現に指摘されたときはわざとだよ!って突っ込みしたくなったしw

25 :
>>19
相変わらず歪みねぇな
タコルカも持ってっていいぞ
>>21
書き手スレで相談した方がいいよ

26 :
いろは「ユキちゃん、クリスマスプレゼントだよ! キティちゃんのお洒落ジャージと帽子!」
ゆかり「私のによく似たマイメロディのパーカーよ。きっと似合うわ」
miki「羊毛100%のセーターとニット、ヒツジ柄、ヒツジ柄!」
ユキ「わ、わあい、嬉しいなあ」
キヨテル「めっちゃ被ってるwwwww」
いろはゆかりmiki「……」
キヨテル「あばばばばばばばっっっ」
いろは「先生はシャンパン飲み足りなかったね。ところでマイメロって名前知らない人結構いるよね」
ゆかり「本物のヒツジ小屋は鼻が曲がりそうな臭いがするわね」
miki「キティサンダル、ヤンキーが大好き」
ユキ「」

27 :
>>21
WindowsならNTemacsがええよ!

28 :
みんな、保管庫更新されてるよ。
エロパロSS保管庫の管理人さん、保管更新ありがとうございます。
Merry X'mas!

29 :
管理人さん更新乙です
>>26
美少女集団にお酒のましてもらうとか羨ましい…スーツ眼鏡もげろ
さあユキちゃん、お姉ちゃんたち取り込み中だから、こっちにおいで

30 :
本当だ。管理人さん更新お疲れ様です!

31 :
書いてよかですか?
致命的料理下手で味オンチのLEONさんと他のボカロ
カイト「レオンが料理作るって何かヤバそうだな」
レン 「カイ兄、これって罰ゲームだよね?」
ミク 「こないだもレオンさんが焼いたスコーン黒コゲだったし」
レン 「イギリスは不味いって聞いてたけど、レオ兄のはアレマジパネエ」
リン 「レオ兄大好きだけど、料理は・・おいしくない!ぬほどマズイ!!」
レン 「一昨日食べたソーセージにパン粉入りなんてありえねーよ!」
リン 「レオ兄が炊いたごはんベショベショで泣いたもん!」
レン 「レオンのご飯マズイよー!!」

32 :
がくぽ「レオンどのが作る料理は致命的でござるよ」
愛歌ユキ「おいしくないの?」
キヨテル「あれは料理とは呼べる代物じゃないですね」
GUMI「マーマイトケーキなんてありえない!」
巡音ルカ「あれで完成なんですか?」
歌手音ピコ 「料理食べて気絶したの初めて」
メイコ「語るも無駄なアイツの料理」
いろは「野菜の味全くしないし」

33 :
>>7の続き
あきこロイドちゃん「お願い! あとケーキ3つ売らないとノルマ達成できないの!!」
スズネ「どうしようかなあ 買って欲しいのかなあ」
ルイ「お、お姉ちゃんを困らせるようなことはやめて!」
あきこロイドちゃん「ルイ君でもいいよ! 大きいケーキ丸ごと食べてみたいと思うでしょ!」
ミク「うわあ、あき(ryが売れ残ったケーキを店の前の路上で押し売りしてる」
あきこロイドちゃん「はっ、視線――ミクちゃんがいた! ミクちゃあああん! 
          初音ミクちゃーーん!! ケーキ買っていってえええ!!」
ミク「人の名前を大声で叫ばないで! クレーム入れるよっ!」
あきこロイドちゃん「だって売れないと帰れないよおお」メソメソ チラッ メソメソ
スズネ「あき(ry、泣きながらもこっちを見てるのね」
ミク「(この2人も胸大きいな)ねえ2人とも、どうすればおっぱい大きくなるの?
   教えてくれたらあたしが買い取るよ。リンとレンに食べさせればいいし」
ルイ「お、おっぱ…///」
ミク(レンと違って擦れてなくてかわいい)ジュルリ
あきこロイドちゃん「廃棄されたお弁当を毎日食べればお肉に入った成長ホルモンで」
ミク「ないわー」
スズネ「ストレス無く生活するのよー」
ミク(プロ欄に「やる気のないフワフワ野郎」なんて書かれる子に聞くんじゃなかった)
【クリプトン家】
ミク「ただいまー。…結局あたしとスズネちゃんとあき(ryで1つずつ買い取りか」
リン「おかえりミク姉。それ何?」
ミク「売れ残りのケーキをかくかくしかじかで。レンと2人で食べなよ」
リン「は? やあよ。お兄の作ったののほうが美味いに決まってるし」
KAITO「リンちゃん有難おおお!!」ブチューチュッチュ
リン「ひゃああ」
MEIKO「カロリーたくさん摂ったら胸に栄養が行くかもね」
ミク「!! あたしが全部食べる! 口直しにネギ2本持ってきて!」
MEIKO「うわあ」
【翌日】
ミク「ああ! ニキビができて鼻にアブラも浮いてる! 陰謀だっ!」

34 :
明日はリン・レンの聖誕祭だ!!
レンネルは設定年齢無視すると晴れて夫婦だ

35 :
無視するならそもそも日付関係ねーw

36 :
レン「ネルさん、ケコーンしよ」
ネル「」←ここに入る言葉を想像しよう

37 :
パターン1
ネル「はぁ? バッカじゃないの?
   ……あたしから言うはずだったのに…バカ…///」
パターン2
ネル「ケコーンてのはね、狙ってやるもんじゃないんだよ。
   世界のどこかにいる名前も知らない誰かとのカキコの偶然の一致。
   それがケコーンなんだよ。わかった?」
好きな方を選べ。

38 :
パターン3
ネル「何言ってるのよ…もうしてるじゃない。ア・ナ・タ///」

39 :
既成事実を作ろうとレンに迫ったネルが、逆に罠にはめられてガチレズのルカに弄ばれてから
レンの性奴隷にされるSSを誰か

40 :
>>37
パターン2が工作員らしくていいな

41 :
ただ、いまのニコ厨は1か3を考えるだろうなぁ・・・

42 :
前スレでがくルカ投下した700ことID:D/8Sf7yeです。完成したので投下します以下注意点
・メインカップリングはがくルカ、サブカップリングがカイミク。サブとはいえイチャついてます
・真面目なシーンもあるが基本はギャグ。・エロまで長い
以上、苦手な人はスルーしてください。それから話蒸し返すなよと思うかもしれんが言わせてくれ
前回は自分の記入洩れのせいでスレの空気を悪くして大変申し訳ありませんでした。これからもネタが浮かび次第ちょくちょく
投下するつもりなんでよろしくお願いします!
 別段難しいことではない。
 だから、ちょっと考えてみて欲しい。
 男女一組が部屋にいる。
 そして何の罪もないことに、二人は恋人同士だ。
 そして二人がいる場所は、二人の私室――プライベートルームだとしよう。
 ――恋人同士がプライベートルームですること、といえば?
 音楽を聴くもよし、昨今流行の恋愛映画のBDを観るもよし、ゲームをするのもよし、二人の未来の話や、ともすれば他愛のない会話をするもよし、だ。
 より深い関係なら、唇を重ねるのも、肌を重ねるのも、別段間違いではない。むしろ今の時代、普通のコミュニケーションといってもいいはずのことだ。
 そう、普通のことだ。
 
――熱い。
 身体が熱い。瞳が潤んで目の前の相手の表情が、よく見えなくなってきた。声も、よく聞こえない。
 ただ、ドクンドクンと、自分の鼓動の音がやたらと大きく聞こえる。
 熱い。苦しい。助けてほしい。冷ましてほしい。気づいてほしい。
 
 ――助かるための方法は、三つ。
 ――そして『お前』は、もっともベストな選択を知っているんだろう? 気づかないふりをしているんだろう? 何のために? 
 違う。知らない。
 ――知らない、それこそが嘘。いいじゃないか。悩む必要なんてない。頼んでしまえよ。半ば認めているんだろう? 
 そんなことない。大丈夫。きっと、きっと……
 ――……殊勝で受身な態度も時にはいいが、
 ――『気づいてほしい』と待ってばかりじゃ、この先ヤツとは付き合っていけないぜ?
          *       *        *
 
 歌が聞こえる。
 バラードを歌ってるのだろう。切ない歌声。そして高音の美しい歌声、全英語歌詞を流暢に歌い上げる人物といえば、この家では一人しかいない。
 歌姫としての仕事を終えたミクは、仕事で着ていたドレス・カラフルドロップ姿のまま声の聞こえる方――リビングへと向かうと、そっとドアを開く。
 ミクのいるドア側に背を向け、窓のほうを見つめながら、同じく仕事で着ていたミクと似たようなデザインのドレス・フェアリーマカロン姿のままで、ルカは唄い続けている。
(英語だから、よくはわからないけど……)
 邪魔しないようにゆっくりと近づきながら、聞こえる英単語を出来るだけ日本語に変換してみる。
(Or are you...gonna... leave from me...? 他にもforeverとか聞こえたし……えと、『それともいつかは去ってしまいますか?』かな?)
 歌えと言われたら唄えるが、やっぱり直に聞いて意味を理解するのは難しいや、なんて思いながらソファにたどり着き、座る。
 ちょうど唄い終えたらしいルカが、ゆっくりと振り返る。その瞳からは、涙が零れていた。ミクがいるとは思わなかったのだろう。ルカは、はっと驚いた表情をしたあと、
ふっと柔らかい微笑みを浮かべた。
「あの……」
 まさか泣いているとは思わなかったので、ミクもどういう態度をすればいいのか分からなかった。だが変に気を使うのも、何か違う気もする。だから敢えて、明るく他愛もない言葉をかける。
「お仕事終わった後なのにまだ唄えるんですねっ!」
「なんとなく、そんな気分だったんですよ」
 ルカも明るく笑いかけて、ミクの隣に座る。瞳から零れていた涙は、そっと拭って。
「久しぶりにウチのスタジオだけじゃなくて遠出もしたし、ちょっと疲れちゃったなー!」
 ここ最近の彼女たちはというと、歌など唄わずに、WiiをやってPS3をやってKinectをやってPSPをやってとニートよろしく遊び呆けていた。
 そこで家長ことカイトが「歌わないVOCALOIDなど、ポケットのない猫型ロボットも同然だ!!!!」とマスターに主張し、歌の仕事を取って来いと頼んだので、
ライブに収録にとしばらくハードなスケジュールだったのだ。
「確かにハードでしたけど、……でも、歌を唄うのは楽しいですよね」
「うんっ。それに今回は初めての人と一緒にデュエットしたりして、勉強にもなったし!」
「そう……ですね」とそこでまたしてもルカが暗くなる。

43 :
 ――今何に反応したんだろう、とミクは思った。別に普通の会話だったと思うけど。歌、デュエット……デュエット?
 今日の仕事は別のスタジオでPV撮影と、歌のレコーディングだった。ミクは曲を、ルカはPV撮影だった。
 ――そういえばルカさんたちが今日撮ったPVは、男一人と女二人の、愛憎入り混じったドラマ仕立ての――
「……もしかしてルカさん」
「か、勘違いしないでくださいねっ! 別に嫉妬してるわけじゃないんですからね!」
「うわいきなりそんなツンデレテンプレセリフ言われても! 完全に墓穴掘ってるし!」
 そうだ。そうだった。しかもそのPV、最終的には『想像に任せる』とは言ってあるものの、ルカさんが当て馬っぽい配役だったんだ。
(そんなことを気にするなんて……可愛いぃぃぃぃ! 所詮はお芝居なのに!!)
「ルカさん大丈夫ですよ! 所詮はお芝居、」
「な、なんのことかあっしにはさっぱりで……」
「うわ! なんかキャラが変わってる!? 何処の人!?」
「えっと……フランス?」
「フランスに居そうにないよ!! しかも疑問系!!」
 なんだかいつもの雰囲気に戻ってきたのでミクは内心ほっとする。ルカはう〜と小さく唸っていたが、やがて諦めたように溜息をつくと口を開く。
「違うんです。本当に、なんでもないんです。ただ、……寂しかったんだと、思います」
「寂しい?」
 ミクの疑問に、ルカは何故か頬を染めて困ったように笑う。
「よく、分からないけど……あっ! そうだ!」
 ぱん、と手を打ち合わせると、ミクは嬉々として語る。
「ほら! がくぽさんの、え〜と、美振? だっけ? あれで切ってもらうとビートが感化して元気になるんじゃなかった? やろうよ!」
「えっ? でも、持ち主じゃないと発揮できなくて」
「そうなの!? なぁんだ〜……あ、ねぇルカさんは美振を使ってもらったことある?」
「ええ。ありますよ」
 にっこりと満面の笑みで答えるルカ。ミクは目を輝かせて興味津々の様子で、
「どんな感じなの!?」
「こう、ビビビっとくるんです」
「それってあの、肩こりが取れるとかそういう?」
「もっと、凄いんですよ。こう……全身にビビビっと電流が走って、ゾクゾクってして」
「へぇ〜! 凄そう!」
「ありとあらゆるところに染み渡るというか。押しては引く、押しては引くという絶妙な動きで」
「……………………」
「最奥まで突いてくれそうで、でも突いてくれなくて、もどかしくて。意地悪な人って、そうかと思えばいきなり最奥まで届いて」
「美振の話だよね!? 美振の話だよね!?」
 生娘には恥ずかしいようなこといわれている気がして、ミクは顔を真っ赤にしながら耳を傾ける。ルカは両頬に手を当て実に恍惚な表情で、
「あぁ……素敵……」と感動していた。だから、ミクは気づいた。「寂しい」の意味に。
 ――寂しいんだ! 色々な意味で! 最近仕事が忙しすぎて、触れ合う機会がないんだ! 色々な意味で!
 恍惚な表情を浮かべるルカを見つめ「どこからどこまでが美振の話だったんだろう……」と考えてると、背後から「姉妹そろってな〜にやってんの?」とカイトが声をかけてくる。
こちらもやはり着替えてなくて、白のブレザー姿だった。
「あっカイ兄お帰り! ん〜とね、歌と不倫と美振について語ってたの」
「うん、すごく奇妙な題材だね! 題材のわりにはルカがやけに恍惚としているのが気になるけど!」
「うん……えっと、美振について語ってたんだけど……なんか、別のモノを指してるような……」
「ああ〜……美振は美振でも自家製、とか?」
 そこでどこかの世界に旅立っていたルカは、カイトの存在に気づくと「お帰りなさい」と会釈をする。カイトは敢えて聞いてみた。
「なあルカ。何の話してたんだ?」
「はい。美振の話ですよ」
 迷いのない、まっすぐな表情だった。

44 :
「絶対違う……」とミクは思った。そして、帰ってきたのがカイトだけなことに気づく。
「ねぇカイ兄。カイ兄だけ? がくぽさんは?」
「あ〜……殿はね、なんかリテイク出されちゃって、唄い直しさせられてたよ。だからあと一時間ぐらいで帰ってくるんじゃない?」
「なにゅ! こんな状態のルカさんヤダよ! マスターにメールしちゃる!」
 ミクは携帯を取り出す。頭の中で文章を整えると、年頃の女性らしく絵文字を多用してマスターにメールを打つ。
「え〜と、『ルカさんをオンナとして輝かせたいから、がくぽさんを早く解放してあげて! それから美味しい食べ物送ってー』と」
「どんな内容だよ! 娘も同然な可愛い年少からそんなこと言われるなんてマスター可哀想だよ!」
「送信!」
「送っちゃったよ!!」
「カイ兄ブレザー似合うね! 格好いい!」
「ありがとう!」
 半ば自棄になりながら答える。一度溜息をつくが、ソファの、ミクの右隣の空いてるスペースに座って微笑む。
(こういう風にじゃれあうのも久しぶりだよな……)
 カイトは自然とミクの頭を撫でる。カイトの大きな手に撫でられて、ミクは心地良さそうに目を細めた。
 その様子を見て微笑んでいたルカ――メールの内容は聞いてなかった――が小さく咳をし、喉に手を当てる。
「ごめんなさい。話は変わるんですけど、ちょっと喉が渇きましたね」
「あ、じゃあアレ飲もうよ! 栄養滋養ドリンク!」
 そういってミクはソファに座った状態から華麗にバック転をすると、冷蔵庫に向かって小走りする。
「なんだってそんな喉が余計渇きそうなものを……」
「いいじゃないですか。元気のない私を気遣ってくれてるんですよね……ミクちゃん優しいです。大好きです」
「がくぽさんとどっちが好き?」
「ミクちゃんです」
「バッサリ切った!」
「がくぽさんは一人の男性として、愛してます」
「実に大人な回答だった!!」
 そんなやり取りをしていると、トレイにグラスを三つ乗せてミクが笑顔でパタパタと歩いてきた。
 グラスにはそれぞれ青、緑、ピンクと色の付いた水が入ってる。しゅわしゅわと音を立てているので、おそらく炭酸入りなのだろう。
「……待って、ミク。なに、これ。栄養滋養ドリンクだったんじゃなかった?」
「栄養滋養ドリンクに決まってるよ!」
「見えないよ! ソーダ水にしか見えないよ!」
「炭酸ですよね……?」
 ルカはおそらく自分用だと思われるピンクのものを手に取ると、香りを嗅いでみる。ふわ、とフルーティな香りがした。
「なんでしょう……ピンクレモネードでしょうか?」
「カイ兄の青綺麗だよね! なんか洗剤のジ○イ・シトラスミントの香り、みたいな色!」
「一気に飲む気失せたんだけど! わざとなの!?」
 カイトは青い色つき水の入ったグラスを取る。そして香りを嗅いでみると本当に柑橘系の香りがして、うっと唸った。今の言葉を聞かなければ、別段悪い香りじゃないのに。
「わたしのはメロンソーダって感じ! じゃあ皆で飲もう!」

45 :
 ちゃっかり自分は洗剤の色を避け、左手を腰に当てて右手はグッとグラスを掲げ、ミクは宣言する。
「ローカルルール! “一気飲み厳守! グラスに口をつけたら、飲み干すまで口を離してはいけない!!”」
「『なんでなの!? 罰ゲーム使用の飲み物なの!? ロシアンルーレット!?』」と大人二人のツッコミには答えずに、さぁ行くよ! と乾杯をするようにグラスを差し出す。
カイトとルカは目で会話し、やがて諦めたようにミクと同じようにする。
「『かんぱ〜い!』」と全員で叫び、グラスに口をつける。
 全員がごくごくとそれぞれのペースで飲み干していく。別段不味いということはないようで、苦もなく飲み干していく。
 グラスの中身が半分になったところで、
「…………!!!!」
 ルカが、固まった。
 目を瞑り、必に左手で何かを訴えている。だけど、わからない。いや、わかった。何かが起きたということは。けれども、「ローカルルール」を守って、
彼女は決して口から離さなかった。女尊男卑というわけでは決してないが、それでもやはり女性が苦しみながら飲み干す姿は、痛々しい。
「この場に殿が居なくて良かった」とカイトとミクは思った。ルカに顔を歪めさせてまで不味いものを最後まで飲み干させるなんて残酷なシーンを見せたら、たとえゲームで
ルールであろうとも、斬られそう……。……………………
 いや、もしかしたらあの人は既に「顔を歪めるほど不味いもの」を飲ませてそうだ、なんてことをカイトは思いながら飲み干した。グラスをテーブルに置き、ふぅと息をつく。
 次いでミクも飲み干し、グラスを置く。二人してまだ飲み終わらないルカを見守る。ルールを守って必に飲み続けるルカに対し、カイトもミクも好感度がうなぎ上りだった。
 時間をかけて飲み終えたルカは、グラスをタンッ、と荒々しくテーブルに叩きつけ、両手で顔面を覆った。
「る、ルカさん?」とミクが恐る恐る話しかける。
「……喉越しは爽やかで、香りも素敵。だけど半分を過ぎたとき、ヤツは襲ってくるんだぜ……」
「わけわかんないこと言ってる!」
「半分を過ぎたら、激マズだったんだろうな……」
「冷静に分析しないでよう! うわ〜んルカさんがぁぁぁぁ!」
 ミクは、ルカの肩をガクガクと揺さぶりながら泣き喚いた。
          *      *      *
「最初は問題なかったんですけど、途中からすごく苦くなって……あんなに苦いもの、飲んだことなくて」
「あ、ないんだ」
 何故かカイトが一人納得してる。女性二人は首を傾げるが、二人とも深追いはしなかった。
「お二人はどんな味でした?」
「僕は、色に反してマ○ンテンデューみたいな味で、美味しかったよ」
「わたしも色とは裏腹にドク○ーペッパーみたいで、美味しかったです!」
 ルカはミクに貰った口直しのペロペロキャンディ(ピーチ味)を舐めながら、「私だけ……」と遠い目をしていた。雰囲気を変えるためカイトは、
「ま、まあさ!ほら、今日で一旦仕事終わりで久々に休暇だし、皆で遊ぼうよ!」
「そ、そうだねカイ兄! 皆でp○p'nでもやろうよ!」
「伏字になってない! でも久しぶりにやろっか!」
 と未だに顔を歪めながらキャンディを舐めてるルカを元気付けるべく、カイトとミクは阿吽の呼吸で娯楽のセッティングを始めた。
 ――それから三人は、さまざまなゲームをして過ごした。「苦い苦い」としばらくは言い続けていたルカも、ゲームに熱中していくうちに笑顔を取り戻し、それまでの悩みも
吹き飛んだように明るさをみせた。
 ――ゲームを始めて一時間くらい経過した後。
「あっつー……白熱したぁ〜……カイ兄ぃ〜……」
「暑いならくっつくなよ! 嬉しいけど! 熱い!」
「汗、結構かきましたね〜……」
「……ルカ、大丈夫? なんか、僕たちより汗ひどい気がするけど」
「えっ? そう……ですか?」
 ルカの雪のように白い肌は、ほんのりと桜色に染まっていた。カイトもミクもゲームに熱中していたのでそれなりに汗をかいているが、ルカは二人以上に汗がにじみ出ている。
「でも、確かに熱いです……ちょっと、汗を拭いてきますね」
「うん。ちょっと休憩しよー!」
 満場一致で休憩ということになり、ミクはソファにダイブ、カイトはもう一つのソファに腰を掛け、ルカは自室に向かった。 

46 :
 自室に戻る。なんだか凄く身体が熱い。暑いというよりは、熱いと表現したほうがいいくらいに。
 いっそシャワーでも浴びようかとも思ったのだが、何故かそれが出来ない。なので、せめて芳香付きの汗拭きシートで身体を拭き、制汗スプレーだけはしておく。
 だがやはり着替えだけはしようかと思い、クローゼットを開けようとして、
「……!」
 床に、座り込む。
 身体が熱い。そして何より乙女の秘密の部分が、熱いのだ。
(何……? なんだか、熱い)
 確かに互いに多忙で、最近はしてなかった。恥ずかしい話、若干火照る感覚はあった。けれどもこれは、その比じゃない。熱くて、疼く。
(どうして急に……!? 今日で仕事が一段落着いて休暇だからって、気が抜けた、とでも……?)
 そんなバカな、と思う。しかし疼く。それに、……蜜が滲み始めているような感覚もする。
 自分の異常な状態に愕然として、立てない。だから、
「ルカ殿?」
 といって部屋のドアが開き、最愛の男性に、Yシャツ未着用で素肌に黒スーツ姿で前をはだけさせた状態で入ってこられては。
 ルカは驚き、戸惑い、今のこんな状態で会いたくないと思うし、ともすれば好きな人がいる嬉しさもあるし、彼の格好がPV撮影時の衣装と同じなので、PVの内容を思い出して
しまい切なくなる、と一気に感情が大きく揺れ動くしかなかった。言うなれば、カオス状態。
 だから、ルカの口から零れた言葉は、仕方がなかったと思う。
「……っっっいやああああ!!!! 神威がくぽ! またの名を、“今もっとも会いたくなかった男”!!!!」
「んなっ――!? 開口一番に拒絶された! 存在を否定された!!」
 ルカの言葉にショックを受けて、がくぽはよろめく。そして踵を返して部屋から出て行こうとした。
 ――待って、違うの! 今のは言葉の綾だったんです! お願い、行かないで――
 ルカは去り行こうとする彼の背に、慌てて言葉を紡いだ。
「Stay close to me, my love!!(愛しい人、そばにいて)」
「えぇっ!? 流暢すぎてわからない!!」
 慌てて紡いだのでつい英語になってしまった。ルカは、
「い、今のは……こほん。『喉が渇いたわ。オレンジジュースを持ってきてくれてもいいのよ』と言ったんです」
「実にルカ殿らしくない上から目線の言葉だった! いや、まあ、いいさ。所望するなら持ってこよう」
 そういってがくぽは部屋から出て行く。日本語訳を信じたかどうかはさておき、どうやら引き止めることには成功したらしい。
 ――さて、今のルカの状態を確認しよう。今の彼女は、既に潤み始めるほどの原因不明の性欲の上昇。そしてここは、彼女の私室。オレンジジュースを持ちに行ったがくぽは、ルカの恋人。
 そばにいてほしいとは言ったものの。
 ――どうしよう。
 こんな状態では、会いたくありません。

47 :
             *       *       * 
 もと来た道をがくぽは戻る。ルカの口から発せられた「“今もっとも会いたくなかった男”」という部分をリピートしながら。
「はぁ……」
 溜息が出る。どうしたのだろう。何か気に障ることでもしてしまったのだろうか。しかし心当たりがない。というか、二人で過ごす時間自体があまりなかったわけだ。
 がっくりとうな垂れながらリビングに戻ると、ミクがドリーミーシアター2ndで遊んでおり、カイトがそれをお茶を飲みながら眺めている。
「ふっふっふ。どうでぃ! これがわたしのマル秘フィンガーテクニック! とぉぉぉぉ!」
「ただただ凄いよ……そんなにコンボ決められるなんて。――あれ、がくぽさんどうしたの? ルカのところに行ったわりには早い帰りだね」
「カイト殿……実はだな、」
「しかもなに、いつもは綺麗な姿勢なのに前屈みで。男の性? 勃っちゃった?」
「違う! 貴殿と一緒にするな!!」
「冗談だって。っていうかどういう意味だよ! ……まぁいいや。でも、本当にどうかしたの? さっきと打って変わって元気ないけど」
「開口一番に、ルカ殿に拒絶された……なにかしたんだろうか」
 ――えっルカが? と思いつつ、カイトは顎に手を置き、う〜んと唸りながらがくぽを観察する。
「そうだなぁ。そのカッコじゃない? 胸元開きに左手の人差し指と薬指で輝く指輪。遊び人みたい」
「しかしこれは衣装で、」
「あのね、あのね」
 ちょうど一曲プレイし終えたらしく、リザルト画面を見ながらミクが会話に参加する。
「あのね、ルカさんね、がくぽさんのことずっと待ち焦がれてるんだよ! あとね、左手の薬指には今まで一度も指輪をしたことないんだよ!
『いつか本当に大切な人がくれるまで、しないの』って言ってた! 乙女だよね〜!」
「ぐはあっ!」
 ミクの正直な告白、とりわけ最後の部分が「仕事ではめていた」がくぽの胸に刃としてもろに突き刺さる。
「ミク! 最初の発言は良かったのに最後のは言っちゃ駄目でしょうよ!」
「えっ! あっ……こほん。――自分、不器用ですから」
「渋いごまかしかた! ま、まぁ、仕事だから仕方ないよな! うん!」
「そ、それにしても今日のPV凄かったよね! 濡れ場満載でドッキドキでした! がくぽさんもルカさんと絡めて嬉しかったでしょ?」
「ははは……そうだな。女性関係にだらしなくて、指輪をはめつつどちらの女にもいい顔して、最終的には男は幸せになれるのだからな。女のほうはどちらかがフラれるが、そう、
男はいい思いで終わるのだからな。指輪をはめつつ」
 カイトとミクは「やべーどうしよう」と思っていた。自虐的で乾いた笑いをしているがくぽの姿が、痛々しい。
 ミクは唇に指を当て、う〜んと小さく唸り、小首を傾げる。
「でもあれだけ待ってたルカさんが拒絶するとかないと思うけど――……っていうか一度拒絶されただけで逃げてくるとか男かきさまぁ!」
「――あぁ、そうだ。ルカ殿からオレンジジュースを持ってこいと言われたんだった」
 そういって若干フラフラとした足取りで冷蔵庫まで向かうがくぽの背を見つめつつ、カイトはミクに問いかける。
「そういえばさ、ミクはさっきマスターにメール送ってたけど返事は返ってきたの?」
「うん。結構早く返事が返ってきたよ。それでね、『美味しい食べ物送ってー』の部分について、『あとで届けるから、今はおいしい飲み物を飲んで我慢しなさい』って書いてあって」
「……ああ。アレね。あのロシアンルーレットみたいなソーダ水?」
「うん。『キッチンの隅にある小さいほうの冷蔵庫に栄養滋養ドリンクがあるから、三人で飲みなさい。どれか一つはアタリがあるよ』って!」
 そういいながらミクはマスターからのメールを見せる。メールを眺めながら、カイトは息を呑む。
「……待って。アタリがある?」

48 :
 ゲームをした後、ルカだけ異常に汗が出ていた。そして彼女の飲んだドリンクは、とても苦かったという。
「ってことはルカのドリンクがアタリだったのか。……いや、ハズレじゃないか!」
 いや、待て。おいしいは、必ずしも“美味しい”というわけじゃないんじゃないか? そう、例えばミクとばったりお風呂場で遭遇するとか、そういう“オイシイ”かもしれない。
 そう思うとなんだか全てが繋がる気がする。ルカだけ自分たちより汗が出ていたこと。待ち焦がれていた人物を拒否したという部分は、『“そういう気分”だからそばにいてほしくない、痴女だと思われたくない』だとすれば――
「カイ兄どうしたの? 真面目な顔して」
「つまり、今のルカの様子が変なのは『ルカルカ★サタデーナイトフィーバー』だからだ! Q.E.D.」
「えぇっ!? いきなり“つまり”とか言われてもわかんないよ!」
「なにかわかったのか?」
 トレイに足つきの豪華なグラス――ゴブレットを乗せ、がくぽが寄ってくる。ゴブレットにストローまでささってるので「機嫌取りする気満々だ!」とミクは思った。
「がくぽさん、大丈夫。謎は解けた。ルカは、がくぽさんを必要としているはずだと思う。ナイトフィーバー状態だから」
「いや、踊ってはいなかったが」
「そう意味じゃなくて。――あ、いやなんでもない。でも普通に接すれば上手くいくと思うよ」
 ――あくまで自分の中の解答だし、正解だったとしても僕が言うことじゃないよな、と思ったのでカイトはただがくぽの背中を押すことに徹する。ミクは「せめてわたしには答えを教えろー!」と頬を膨らませてカイトの背中にしがみついていた。
 ルカはセミダブルのベッドの上をごろごろと転がりながら、いろいろと激しく悩んだ。
 ――こんな状態では会いたくないです! ふしだらと思われてしまいます! 絶縁されてしまいます!
 ルカは想像した。今の状態を告白し、彼を誘うところを。なんとも冷たい瞳で、ルカを拒絶するがくぽを。――そして、誰か別の女性と去っていくところをルカはイメージした。
 ルカは両手を頬に当てて絶望する。
「冗談じゃありません! そんなことになったら、私は……」
 右手に日本刀、左手に火炎瓶を持ち『暴苛露連合初代総長巡音流歌、夜路苦』なんてことになっている姿が浮かんだ。
 何故か、そんな姿が浮かんだ。人はショックを受けると変わると聞いたことがあったのだ。
 とにもかくにも、今は自分の状態をなんとかしなければならないとルカは思った。オレンジジュースなど、持ってくるのに時間なんか掛かるはずもないから。
 ――寝るのはどうだろう、と思った。しかし、秘所が疼いて眠れそうもない。なのでナシとする。
 ――では、別の誰かに熱を冷ましてもらう――バカな、ありえない。がくぽ以外の男に抱かれるくらいなら、ロードローラーに撥ねられたほうがマシというもの。
 ――かくなるうえは。
「自分……で……」
 じっと、ドレス越しに秘所を見る。自分で慰めたことなどただの一度もないのだけれど。夜、がくぽがしてくれたときの手の動きを思い出せば――……
「…………」
 そっと、ドレスの中に手を入れて。そして――
「……やっぱり出来ませんっ!!!!」
 うわあぁんと泣きながらベッドを飛び降り、ルカはバルコニーに飛び出した。
「あんなことを考えるなんて破廉恥です。最低……」
 くすんと涙を溢しながら外の世界を見る。そよそよと風が吹き、ルカの長い髪を揺らす。
 次いで下を覗き見る。庭があり、ミクが一生懸命育てたネギ畑や、ミクとルカが一緒に育てた小さな花壇もある。
「あ……その手がありました!」

49 :
 ――ここから飛び降りて頭を打って気絶してしまえば、起きた頃には熱も冷めてるはず!
 仮に冷めておらずとも、夜になっていればいい。ルカは「男を誘うことがふしだら」という考えではなく、「昼間から男を求めることが嫌」なのだ。
 今現在は午後4時くらいで、夕方。昼というには遅く、夜というには早い。そんな時間だから辛いのだ。頭を打って気絶する、という普段の彼女からすればありえない奇行に走りたくなるくらい。
 ルカは嬉々として手すりから身を乗り出し、下を覗き見る。
「…………」
 覗き見る。
 ――確かに、高い。だけどここから飛び降りたのではただ痛いだけで、気絶するほどの衝撃は得られない気がする。
「三階から飛び降りたほうがいいかしら……」などと考えていると、
「……そんなところで何をしているんだ?」
 背後からがくぽの声が聞こえた。おそらくオレンジジュースを持ってきてくれたのだろう。ルカは彼に振り向きもせずに説明した。
「ここから飛び降りて頭を打って気絶しようと思ってるんです! どうです? 天才でしょう?」
「今説明された行動のどの辺に、天才的要素があった!?」
 ルカは手すりから下り、部屋の中に戻りながら「やっぱり、三階から飛び降りたほうがいいでしょうか」と呟いた。それに対し呆れたような声で「そうじゃないだろこの場合」と返ってくる。
 テーブルにつく。ご丁寧にもゴブレットにオレンジジュースが注いであり、ストローまでもがささっている。
 喉は渇いていなかったのだが、頼んだ手前飲むしかない。ルカはストローを咥え、オレンジジュースを飲む。
「…………」
 その様子を、ルカの対面に座るがくぽが頬杖をつきながら見ている。
「…………」
 見られてる。
「えっと……飲みますか?」思わずそう聞いてしまう。
「いや、別に」こちらも、そっけない返事だった。
 もう一度ストローに口付け、飲む。じっと、彼を見つめる。やっぱり整った顔をしている、そう思った。見慣れているし、ずっとそう思っていたはずなのに、なんだかいつもより意識してしまう。大体なんでその服装のままなのか。
前をはだけさせて胸元を大きく露出して。露出狂?
 “自分こそ着替えずドレス姿のままで、肩周りを大きく露出させている”ことは棚に上げ、心の中でがくぽに悪態をつく。
 ――大体なんで“洋”の服装なのか。いや、彼が“洋”の服装が似合わないというわけではない。むしろ似合っている。そもそも普段の羽織の下は保護スーツ状で既に“和”とはかけ離れているわけで。そもそも今の格好はPVの衣装だと
理解しているわけで。問題はそういうことではなくて。今の自分の状態が変だから、どうでもいいことが気になってしまうわけで――
  ――熱い。身体が、熱い。
 ルカの頭の中で、誰かが囁きかける。
 ――頼んでしまえ。頼んだところでなにか不都合があるというのか?
 そう。そうだ。いいじゃないか。彼は恋人で、他に頼める相手もいない。ごくごく自然なことではないか。恥じらいなど、捨ててしまって。
「……がくぽさん」
「ん? なんだ?」
 やわらかで、優しい微笑みをがくぽは返す。
「あの、ですね……私を……」
 胸の前でぎゅっと手を組み、ルカは言った。
「私を、滝に連れて行ってください!」

50 :
「何故!?」
 突然のルカの告白にがくぽは心底驚き、頬杖をついていた手が滑る。しかし、ルカは至って真面目な顔だった。
「滝に打たれて身も心も清めたいのです! あ、なんだったらシャワーの冷水を思い切りかけていただければ、結構です!」
「なるほど、滝行か! ……いや、そんなことはどうでもいい! そのようなことをしなくともルカ殿は清らかだろう?」
「お互い全てを見せ合った仲なのに、アナタ、ちっともワタシをわかってないのね……」
「艶かしい声と台詞回しにゾクッとした! ……こほん。わかった。そんなにいうなら拙者も共に滝に打たれよう」
「本当ですか? 嬉しいです。でしたら一緒に滝に打たれつつ、ディープキスでもしましょうか」
「身も心も清めるんじゃないのか!? というか滝行にもキスにも集中できない! ……いや大惨事なうえに下手したら窒息するわ!」
「ああ……素敵……」
「窒息が!?」
「貴方の全てがです」
「いや、改めて言われると照れるな……ってそうじゃなくてだな!」
「ふふふっ……」
 実に楽しそうに、ルカは笑った。楽しい。こういう何気ない会話が、楽しくてたまらない。
 ――だから、平気ですよね?
 ――この発言が、二人の関係を壊すなんて事、ないですよね?
 「あっ……」
 ――熱い。
 熱い。苦しい。助けてほしい。冷ましてほしい。気づいてほしい。
 ルカの異変に不安に思ったのか、がくぽは気遣いの言葉を――今の彼女にとってはまさに希望の光、同時に爆弾を投げつけた。
「大丈夫か? 何か拙者に出来ることがあれば、協力するぞ?」
「……ほん……とう……に?」
 ああ、とがくぽは頷く。ルカは思わず息を呑む。
「今、身体が熱くてですね……」
「ほう。冷ませばいいだろう」
「ちょっと、普通の方法じゃ冷ませなくて。だから、例えば私が『私の熱を冷ますには、返り血を沢山浴びるほど人を斬ることなんだ……』と言ったら、それでも協力して
いただけますか?」
「ああ、うん、難易度が高すぎると思うのだが!」
「ですよね。まあ、冗談だったんですけど。あのですね、私が助かる方法は最初は三つあったんですけど。一つは『私がこの生命を終えること』」
「論外だな。そもそも『助かる』ことじゃないと思うのだが!」
「によって解放――幸福に繋がることも、なくはないと思います」
「た、達観している……! た、確かにそれも一つの正論だ! しかしそれは駄目だ。次!」
「もう一つは、『私が熱に耐えること』……ごめんなさい。これも、もう無理そうです」
「では、最後の一つは?」
「…………」
 ドクンドクンと、自分の鼓動の音がやたらと大きく聞こえる。
 さぁ、言おう。ベストを、尽くそう。
 大丈夫、大丈夫だから――
 ルカはゆっくりと立ち上がるとがくぽの正面にまで移動する。不思議そうな顔をする彼に、そのまま倒れこむように抱きつくと、耳元で告げる。
「――お願い」
「――――!」
「貴方の全てで、私を冷まして」
              *     *     *  
 ルカを抱きとめながら、がくぽは後悔を表すように表情を崩し、唇を噛んだ。
 ――どうして言わせてしまったんだろう。
 様子がおかしかったのは、わかっていたのに。
 それに、よくよく考えれば言葉の節々に“それ”を感じさせるものがあったじゃないか。
『滝に打たれて“身も心も清めたい”のです!』と。しかしそうかと思えば、
『一緒に滝に打たれつつ、ディープキスでもしましょうか』と。
 その言葉をいつもの――この家族間での団欒の一環として片付けてしまったから……いや、違う。その前から、オレンジジュースを飲んでるときから、なにか期待するような
瞳で見られていたじゃないか。
 冷まして、と頼んだ彼女は、それ以上はなにも言わず小刻みに震えながら、ただ抱きついてくる。
 熱いんです、と言いながらこんなにも震えているのは。
 ――口に出した願いを、自分を拒絶されるのを恐れているからだ。
 がくぽは自分の愚かさに呆れて、おもわず溜息をついてしまう。ルカは大きくビクッと震えた。
 その、愛しい彼女を力強く抱きしめる。あっ……と先程よりは安堵したような声がルカの口から洩れる。がくぽはルカを抱き上げると寝台に移動した。

51 :
 黒一式で装飾されたセミダブルのベッドの真ん中に、自分の膝の上にルカを乗せる形で腰を下ろす。ルカが今着用しているドレスは、胸元が鎖骨が見えるほど開いている
ものなので、彼女の背後からそこに両手を入れ、胸を掴む。
「ひゃうっ!」
 優しく掴んだはずなのに、予想以上に甲高い声をルカは上げた。久しぶりに聞く嬌声を悦ぶようにがくぽは胸を揉む。肩周りが大きく露出する造りになっているため、ドレスもブラジャーもストラップレスという
肩紐がないタイプのものなので、あまりに揉みしだかれるとずれてしまいそうになる。
「あぁ……あっ! ち、違うの……」
「えっ?」
 ルカの言葉に、がくぽは手を止める。ルカは僅かに振り向くと、胸を掴むがくぽの右手に自身の手を重ね、
「……そっちじゃなくて、……こっち……」
 と秘所へと誘導する。ショーツの上から彼の手が触れた途端、ビクッとルカは震え、声を上げる。
 下着越しでもわかるくらいに濡れてしまっているルカの秘所。いつもより大胆な行動、まだそれらしいこともしていないのに異常に濡れた秘所に興奮を抑えることができず、
がくぽは一気にショーツを引き下ろしてしまう。ドレスと同じ薄紫色のショーツを床に置き、直に秘所に触れる。
「ひぁっ!」
「すごく濡れてる」
 ボソッとルカの耳元で囁く。ルカは恥ずかしそうに頭を横に振り、震えながらがくぽの右手を掴む。
「言葉にしちゃ、ダメなんです……!」
「そうは言っても、」
 重ねられた手を左手で掴んで、濡れた秘所に触れさせる。ぬちゃ、という水音がした。
「濡れてるだろう?」
「も、……いじわる……」
 秘所に触れさせたルカの手を退けて、がくぽは自分の指を花びらの奥に侵入させる。既に洪水状態の彼女の秘所は、彼の指をすんなりと受け入れる。
 突き入れる指を二本に増やす。がくぽの長い指が一気に根元まで埋め込まれ、そうかと思えばまた引き抜かれる。その繰り返される動作に、ルカの身体に衝撃が走る。
「あっ! ひぁっ!!」
 二本の指が中をかき回す。そうすると、くちゅ、と生々しい音が響き、溢れる蜜がしたたり、二人の情欲をそそった。がくぽはかき混ぜながら親指で秘所の上にある突起を刺激する。
「あ……あぁ! だめ、私、……あぁぁぁぁんっ!」
 ルカは大きく嬌声を上げた。びくびくと身体が痙攣し、プシャッと音を立てて潮を吹いた。
「はぁ……はっ、はぁ……」
「え、っと、……ルカ殿、どうだ?」
「あ、はい……気持ちよかったです」
 “熱は冷めたか?” というニュアンスでがくぽは聞いたのだが、思いがけない返事が返ってきた。ルカは後ろのがくぽに身を寄せ、安堵したように息をつく。
「ちょっと、落ち着きました」
「どうして、こんなに?」
「わからないんです。何故か、急に。……その、ご無沙汰でしたから、火照る感覚はあったんですけど、この数時間で急に。本当につらくて。自分で慰めるしかないのかな、
なんてことも考えてしまったり」
「む。それはちょっと見たかった」
「…………」
 ルカはむくれながら背後の彼に肘鉄を食らわせる。「痛ッ!」と小さく苦悶の声が聞こえる。その声を耳に入れながら、ある事に気づいた。
 ルカの今の体勢は、がくぽの伸ばした脚の膝の上に、彼と同じように脚を伸ばすような姿勢だ。
 すると下を向けば、彼のモノがどうなっているのかがよくわかる体勢という訳で。
 ルカはがくぽの膝の上から退くと、彼の両足の間に顔を近づける。未だに苦悶していたがくぽもその状況に目を丸くする。
「――えっ!? ルカ殿!?」
「いつも私ばかりしてもらって悪いですから、私が、……して、あげますね」
「する、って……?」
 我ながら馬鹿なことを聞いた、とがくぽは思った。この状況で、あの発言で、何をするかなんて、わかることなのに。
 既にルカはベルトを緩め、ファスナーを下ろしていた。正直に言えば嬉しい。けど、行為が行為だ。彼女を汚したくないとも思う。
 そんな彼の考えは余所に、ルカのほうは現れたがくぽの欲棒に、ひゃっ、と驚きの声を洩らしていた。
 じっと、まじまじとそれを見つめるルカ。猛々しく、いつもルカを翻弄するそれを、文字通り目の前で見るのは初めてなので、緊張する。
「ルカ殿、それは、」
「だ、大丈夫です! そこはかとなくやり方は理解しているつもりですから!」
 よほど焦ったのだろう。持って回った妙な返事が返ってきた。

52 :
 すっと、ルカの白く細長い指が伸びる。欲棒に触れる、と思った矢先に「あっ」と何かを思い出したような声をルカが出す。
 ――どうしたんだろう、とがくぽは思った。いよいよされる、と思った瞬間に手を引っ込まれたので、良かったような、残念なような、いろいろな感情が駆け巡る。
 だが、ルカのとった行動に、いろいろな感情など一気に吹き飛んでいった。
 ルカは彼の両足に顔を近づける形で寝そべっていた身体を一旦起こすと、ドレスの胸元をグイッと下にずらす。薄紫色のブラジャーが現れ、背に手を回して留め金を外す。
ストラップレスタイプだったので、留め金を外すとぶるんと大きく揺れて、彼女の魅力の一つである胸が出現する。
 白く、丸い大きな膨らみに、中心で可愛らしく尖る桜色の乳首。久々に見る彼女の胸に、彼の心も、彼の欲棒も、ドキッと反応する。
 ルカは恥ずかしそうに照れながら、もう一度先程の体勢になる。両手で自身の胸を持ち上げるようにして、彼自身を挟み込んだ。
「うぁ……!? ル、ルカ殿、何処で、このようなこと……!」
「んっ! ……えっ? あぁ、ダメですよ。そんなことを聞いちゃ。女の子の秘密の領域です」
 そういって淡く微笑んで、胸を上下する。
「……うっ、あ……っ……」
「だ、ダメですよ! そんな、声を出しちゃ。 ただでさえ色気のある低音なんですから、私までドキドキしてきちゃいます……!」
「こ、の状況で、声が出ない男がいたら、教えてもらいたいものだ」
「他の男性としたくないですよ。……あ、先のほうから滲み出てきました。気持ちいいって事ですよね?」
「聞かないでくれ……」
「ふふっ。さっきのお返しです」
 胸を上下しつつ、先走った液の滲む尿道口を舌先で突き、液を舐めとり、くびれた部分に舌を這わせた。なんだか妙に上手い。しかしその行為とは裏腹にルカの表情は、
赤らめながらも「これで合ってるのかな?」という風にどこか不安そうだ。
 その表情と、上下する胸。妙に上手い舌の動きに加え、――狙ってるのか天然なのかわからないが、時折上目づかいなのがすごく良い。
 彼女の髪に飾られた黄色い花のアクセサリーも、なにもかも。全てががくぽを翻弄し、爆発の瞬間が訪れる。
「……ル、カ殿! 限界だ……!」
 そういったものの、ルカは放してくれなかった。上目遣いで微笑されてしまう。抑えることができず、がくぽはそのまま彼女の口の中で射精してしまった。
「んっ!? んんん……うん……うくっ……ん」
「うわっ! す、すまないルカ殿! 吐き出していいから!」
「……?……ん、平気、です」
 そういってごくんと飲み干してしまった。「どうして」とがくぽが驚愕しているとルカは、
「――今日、とてつもなく苦い飲み物を飲んだんです。アレに比べれば、全然平気です。……だって、がくぽさんの、ですから」
 そういってポッと頬を赤くして両手を頬に添える。
 ――ああ、やばい。すごく彼女が愛しい。
「――でも」
 ルカはもじもじしながらがくぽを見る。「ん?」と首を傾げるがくぽにルカは、
「えっと、せっかく少し熱は冷めたのにまた熱くなったといいますか。その、ここには、まだ注いでもらっていないと言いますか」
 赤く染まる顔は横に向けながら、ドレスの裾をチラッとたくし上げる。
 ――ああ、やばい。
 彼女は何処までも、自分を翻弄する存在だ。

53 :
 誘惑してきた彼女を、がくぽは押し倒した。横を向いていたルカにとっては不意打ちで、きゃ、っと悲鳴を上げる。
 唇を重ねる。思えば、久々であった。互いの舌が絡み、貪るような口づけをしながら、ルカはすっと手を伸ばして彼の髪を解く。長い髪がばさりと拡がり、ルカは優しく手で梳く。
 その行動に何の意味があったのか分かりかねない、という表情でがくぽはルカを見つめる。ルカは「いつもするときは髪を下ろしているから」と答えた。よくはわからないが
彼女なりのこだわりがあるのだろう、とがくぽは思う。
 ルカの長い脚を大きく開き、濡れた秘所に欲棒が当てられる。小さく声を上げるが、ずぷっとモノが侵入してくる感覚に大きく喘いでしまう。
「ひゃあぁぁぁ……! あうっ……!」
「……っ、やはりここが、一番気持ちがいいな」
「は、い。……すごく、気持ちいいです。あ、あぁん!」
 あんなにスムーズに侵入できた彼女の秘所は、がくぽが少し突くだけで締め付け、絡みつく。
 奥深くまで欲棒が押し開いていく。最奥まで突いてくれそうで、しかし突いてくれずにぎりぎりまで引き抜かれる。その繰り返される行動に、もどかしくも感じてしまう。
「はぁ、あんっ! だめ、焦らさないで、もっと深くまで……熱い、熱いの……」
 ルカの求めに、がくぽは応えるようにぐっと突き入れる。最奥まで届く感覚にルカは震え、仰け反り、がくぽの背筋にも電撃に似た衝撃が走る。
「あんっ! ひゃうぅ! 気持ち、いい……気持ちいいです……!」
「くっ……拙者、も、だ……」
 がくぽも、もう余計なことを考えられずにいた。ただただ本能のままに腰を動かし、ぶつける。そうする度に、二人に愉悦の波が拡がっていく。
「はうっ……! すごい、熱い……あぅ、でも気持ち、いい」
 ――こんな時間から求めるなんて、身体を重ねるなんて、……二人の関係が終わってしまうかもしれないなんて思っていた自分がバカらしく思える。
 ルカは快感に震える手をがくぽの頬に添えて、喘ぎながらも微笑む。
「あうっ! ん、んあっ! 私、もう……! あ、……いっぱい、注いでくださいね?」
「……本当にルカ殿は、拙者を翻弄するな……」
         *     *    *
 
 あの後、何回したかわからない。
 先程のようにがくぽの膝の上に乗り、彼に身を預けながらポツリと溢す。
「明るいうちから服を着たままセックスするなんておかしいですよね……」
「まぁ、アレだ。『そんな日もある』」
 否定的でないがくぽの返事に、ルカは内心でとても安堵していた。
「...Can you stay forever more?(貴方は永遠を誓えますか?)」
「……え?」
 言葉がわからない、という彼の不思議そうな声にルカはくすっと笑う。首を傾け上目遣いで彼を見つめて、
「Stay close to me, my love(そばにいてくださいね)」
「それはさっきオレンジジュースがどうのこうの……え? あれっ?」
 うろたえるがくぽを余所に、ルカは笑顔で彼の手に手を重ね、指を絡ませたりして遊んでいた。そして、ふと、彼の左手に注目する。
「……綺麗な指輪ですねぇ」
「――――!!」
 すうっと、がくぽの背筋が寒くなった。

54 :
 一方、リビング。
 一つのゴブレットに、二つのストロー。ゴブレットの中には紫色の飲み物が注いであり、しゅわしゅわと音を立てている。
「ミク。これの香りは、普通。どっちかと言うと美味しい香り」
「でもでも、カイ兄? わたし達が飲んだドリンクは香りとは裏腹に〜ってやつだったでしょ? これも香りとは裏腹にひどい味なんじゃない? たとえば、
ナスの漬物の絞り汁とかだったらどうする?」
「うぅわしょっぺぇぇ! 飲みたくねぇぇぇぇ!」
「でもなんか気になるもんね。ルカさんが飲んだアレは直球ド真ん中ストレートの媚薬だったけど、わたしたちが飲んだのは香りと味が一致しないだけで普通だったし」
「そもそもその時点で普通におかしいんだけどね! でもやっぱ気になるよな……よし、“せーの”で一緒に飲もう」
「ルカさんみたいにちゃんとローカルルールを守ろうね!」
 カイトとミクは頷きあい、それぞれストローに口付ける。思ったよりも顔が近く、二人とも頬を赤くしてしまう。お互いの表情を見て、お互いが笑い、“せーの!”と
言い、吸う。
 ドリンクよりも、目線をどこに置けばいいんだろうと二人して内心で焦っていた。だが恋人同士だ。前を、……顔を、見ればいいやと思い視線を相手に合わせる。
 近い。顔が。唇と唇のキスだってしたことはある。それなのになんだが恥ずかしい。なのに、目を背くことなんてできない。瞬きすらできない。いや、出来ないんじゃない。
したくなかったのかもしれない。
 飲み終わる時間は、長かったのか短かったのかはわからない。ただ、妙に嬉しかった。お互い気恥ずかしそうにそっぽを向いて頬を掻く。
「……ミク」
「……カイ兄」
 お互いを指差して、主張した。
「『あのドリンクの味は、黒酢カシスベリーソーダの味だ!!』」
「香りと味が一致してるとか、マスター適当すぎるだろ!」
「でも漬物の味じゃなくてよかったよね!」

55 :
 二人が飲み物の感想を述べ合っていると、リビングにがくぽとルカがやってきた。がくぽは髪は下ろしているが同じ格好なのに対し、何故かルカは着替えていて、
サイレンスという名前のシスター服を着ている。
「あ、戻ってきた。って、うわっ殿! なんかスゲーやり遂げた男の顔!!」
「は?」
 カイトのツッコミにがくぽは首を捻るが、そのままルカと冷蔵庫に向かいスポーツ飲料水を出して二人で飲んでいる。遠くゴウンゴウン、と洗濯機が回っている音も聞こえる。
なんだか生々しいと思った。
 ミクはグラスを持ってソファに腰掛けたルカを見つめる。
 ルカはいつもどおり穏やかで落ち着いていた。だがさっきとは打って変わって元気なのがわかる。おそらく明日になればホルモンの影響がどうのこうので、肌の調子も
今以上に良くなっているのだろう。
(これが“オンナ”の内から滲み出る輝きなのかな?)
 ――わたしも味わってみたい。オンナとしての悦びを――愛する人に包まれるという安堵感を。
「どうしました?ミクちゃん」
「ん〜ん。ただいつになったら『わたしのターン!』って言えるのかな……」
「? ……ええと、次かその次?」
「だといいなぁ。あ、ねえルカさん、なんで着替えてるの?」
 理由はわかっていたけど。何故シスター服なのかが気に掛かったのだ。
 ルカは恥ずかしそうに頬を赤らめて視線を逸らしながら言った。
「その、未熟者ですからとんでもないことになってしまったので。頭に響いた声はきっと私の煩悩! ですからこの服を着て修行を――禁欲をしようかと思いまして」
 キリっと表情を正して手を組み、語る。今の発言ががくぽとカイトにも聞こえたようで、「えっ!?」と驚いていた。カイトが代表してルカに問う。
「じゃあさルカ。がくぽさんがその、したくなったら、どうすんの?」
 ルカは今気づいた、というようにはっとする。目を瞑り考えを纏めると、両手を合わせてがくぽににっこりと微笑む。
「一緒に禁欲頑張りましょうね!」
「そうきたかぁぁぁぁ!!!!」
 ――折角の休暇なのに? 久々に二人の時間が出来たのに? さっきのアレだけでしばらく触れてはいけないと言うのか!?
「あっ、そうそう。シーツは洗濯中なので、今夜はそちらにお邪魔しますね」
「ますます無理だぁぁぁぁ!!!!」
「ははははは! ま、殿、頑張れよ」
 ポンとカイトががくぽの肩を叩く。
「さて! ミクちゃんなにかゲームでもしませんか?」
「うん! あのねぇ、レイシキやろレイシキ!」
 未だにショックを受けてるがくぽを余所に、ルカとミクは楽しそうにゲームを始めているのだった。
「よ、夜眠るときはシスター服じゃない(神に仕える服じゃない)から襲うというのはどうだろう、カイト殿」
「いやぁ〜……そりゃまずいだろ殿」

56 :
以上です。誤字等ありましたら申し訳ないです。次は「わたしのターン!」の人か不倫モノを
書こうと思ったんだがどうも前スレで似た質問してる人がいたので被ったらまずいだろうか

57 :
投下GJでした!
以下エロなしがくミク小話、殿がギャグ寄りで一つ。
 夏祭り、ハロウィン、クリスマス。イベントのある時期はVOCALOIDたちの住まう電脳空間も同様にせわしなくなる。
 もっとも、VOCALOIDたちが人間と同じようにイベントを楽しむわけではない。
イベントは、それに連動して人間が歌を作り、VOCALOIDたちに歌を歌わせる、VOCALOIDたちにとっては一種の書き入れ時なのである。
したがって、発売当初から売れっ子のミクなどは、イベントの日をイベントとして楽しんだことは一度もない。
 そのかわり、VOCALOIDたちのイベントは、オフラインのイベントが終わって季節物ソングのネタが尽きた時か、学生マスターなら試験期間、社会人マスターなら決算でにかけている時に催されるのだ。
 そんなわけで、クリスマスから3日遅れ、正月ネタに走るマスターが曲を用意し始める前のこの日に、
VOCALOIDのクリスマスパーティーが電脳空間で華やかに行われていた。
「え、何で。どーしてがくぽさん、まともな格好してるんですか?」
 思い思いのコスチュームに身を固めた数多のVOCALOIDたちの間をくぐり抜け、目的の人を見つけた初音ミクは、驚きの声を張り上げた。
「いつもは時代錯誤な羽織袴かふんどしでネタ歌うたってるひとが、今日に限ってスーツとか、絶対おかしいです!」
「いや、我がますたーがネタ歌師なのは某の責任では…というか、おかしいのはおぬしではないのか、正月はまだであろうに」
 かわいらしく頬を膨らませて文句を言うミクは、赤い着物に緑色の帯の振り袖を着ていた。黄色い髪留めをがくぽに見せるようにくるりと一回りして、某ストーカーの歌を口ずさむ。
「あなた好みの女になったわ どう?わたしきれいでしょう?」
「ええと、はじめましてこんにちは?」
「ひどーい」
 そういうとミクはケラケラと笑って、がくぽの傍らに寄り添った。そしてない胸を張って言い放つ。
「がくぽさん、毛唐の祭はよく分からんとかアホなこと言って、いつもいつも一張羅の紋付袴で出て来るじゃないですか。
どうせ今日も空気読まない格好して、壁の花してるだろうと思ったから、居づらくないようにわたしも付き合ってあげようかなって思ったんです」
その横に並んでもおかしくないように。
「そうか」
「それより、がくぽさんこそ、何で宗旨替えしたんですか?毛唐の服は苦手だとか間抜けなこと言ってたじゃないですか」
「ふむ」
 下から覗き込んで来るミクの頭越しに、どこかのMEIKOがどこかのKAITOのマフラーを掴んで引きずって行くのが見えた。
知り合いのKAITOは自分のマフラーを以てこれはめーちゃん専用の手綱なんだと蕩ける笑顔で言っていた。
付き合いのある鏡音の双子に言うところによると、彼らは自分の唯一無二の相方のちょんまげとリボンは、どんな人ごみの中でも微細な違いを識別し、見間違えることはないらしい。
 それに比べれば。
 何の繋ぎ止めるよすがもない自分たちは。
「…おぬしは、壁に大人しく張り付いているような花ではあるまい。自由にどこへでも自分の意思で飛んでゆく。
 そう、獲物の訪れを待つではなく、自ら補食しに行くたいぷというか」
「それ花違いませんか」
「おぬしはいつも、大勢の者に囲まれておるしな。となると、追いかけるには、二本差しでは難儀する…だんすにも誘えぬしな」
 堂々と言い放ったその白皙の美貌の、頬の当たりが少し赤かった。
「がくぽさん、盆踊り以外にも踊れたんですね」
 はにかみながら答えるミクの頬も林檎のように染まっていた。
「少々驚いたが、振り袖姿も似合っておるよ」
「がくぽさんも、素敵です。草履ではなくて、革靴だったら、もっと」
 初々しく頬を染め合うカップルの、数日遅れの聖夜が更けて行った。
終わり

58 :
>>56
相変わらずテンポ良くて素敵です
次回作も待ってますよー!

59 :
42&57 GJ! そして管理人さん乙彼様です!
D/8Sf7ye氏
ものっそノリが好きだwあらぬ方向行きながらすることはするメインも、ターンが遅いサブもw
またの投下お待ちしてますぞ
自分(3辺りの輩)も聞きたかったっす。実は自身も「パンツ」の話(年長&ミク中心)書いてたんだわ…
ネタが被るからどうしようかと停止中。もしおkなら完成させる。その前に別の話が先だろが…

60 :
>>57に感化されてエロなしリンレン小話をば
同じパーティ会場にて
違う。ウチのレンはあんな高い位置で髪結ばない。あいつも違う。あたしのレンは前髪がもっとふわっとしてる。
パーティ会場に運ばれた巨大なクリスマスケーキに目を奪われているうちに、相方のレンとはぐれてしまった。こんなにたくさんレンがいるのに、会いたいレンが見つからなくて泣きそうになる。その時、ふと後ろから手をつかまれた。
「…リン、やっと見つけた」
聞き覚えのある独特な話し方。振り向いたら、探してた形とおんなじレンがいて。いくら暖かい部屋の中とはいえ、レンはうっすらと汗をかいていて、この人混みの中あたしを探してくれてたことがすぐわかった。
「なんで…わかったの?」
恐る恐る聞いてみる。レンも一緒かな?あたしが、あたしだけが知ってるレンを見つけれるように、レンもあたしを見つけられるのかな。そんなこと考えてたら首筋に手を当てられてビクッと体が跳ねる。
「…これ。昨日つけたキスマーク」
イタズラっぽくレンが笑う。馬鹿レン!って怒ろうとしたけど、必にあたしを探してたのははおんなじ気持ちなはず。だから、今日だけは許してあげるんだから。掴まれた手を強く握ると、少し赤くなってレンも握り返してきた。

61 :

こんにちは。下剋上です。
みなさんGJです。新作投下続きで間を開けた方がいいかもとは思ったのですが、
当方、年内は今しか時間取れないので投下させて下さい。
【 注 意 事 項 】
 ・カイメイ ・匂わせる程度のがくルカ要素
 ・『リーマンなカイトとOLなメイコ』の続き
 ・パラレル注意 ・長文 ・ソフトSMとアナル注意!
 ・ミクが飲酒するがシーンありますが、ミクもOL設定なのでご容赦ください。
 ・話の流れでカイトがミクの貧乳を否定する台詞あり
 ・カイトだけがいい思いをする内容
 ※11レスほど使用します。校正はしていますが誤字・脱字には許して下さい。
『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 1
一日の仕事を終え、会社を出ようとエレベーターへ向かう。
扉の閉まり間際、見知った同僚が終業後で込み合う箱に滑り込んで来た。
「カイト殿か。お主も今帰宅か」
僕を認め、声をかけてきた同僚は神威だった。1Fのボタンを押しながら僕も返事を返す。
「お疲れ。神威」
「最近帰るのが早いな」
「まあね。やりたいこと、あるし」
神威の声が、少し低く意味ありげな物に変わった。僕だけに分かる符牒だ。
「躾は順調なのか?」
「ああ。最初は大分手を焼かせられたけどね。段々懐いてくるのが可愛いよ」
神威の目が細まって、僕も微笑んだ。その時、いきなり僕らの会話に割り込む声がした。
「始音さん、ペット飼ってるんですか?」
声の方を向けば、同じ部署の女子社員がこちらを見ている。黄色のロングヘアを揺らして小首を傾げるのは、確かリリィさんだ。
今の僕らの会話を聞いていたみたいだ。確かに今の僕らの会話は、傍から見れば飼い始めたペットについて語っているようにしか聞こえない。
「そうだよ」
僕がリリィさんにそう答えると、神威は口元に手をやって顔を逸らした。多分、笑っている。
「そうなんですか。何を飼ってるんですか? 始音さんならネコちゃんかなぁ?」
リリィさんは無邪気に笑っている。僕はちょっと考え込んだ。
焦げ茶色のショートボブ。躾ける度に睨んだ薄茶の瞳。怯えながらも吠えるように僕を罵った声。
「小型犬。茶色の毛並みが綺麗で、可愛いんだ」
神威の肩が揺れたと同時にエレベーターが軽い音を立て振動し、一階に到着した。
駅へと繋がる人が増え始めた道を、僕は足早に進む。
僕のペットに会うためだ。僕のペットは昼は会社に勤めていて、お互い会社帰りに待ち合わせホテルでご休憩がいつものコースになっている。
……僕に獣姦の趣味は無い。ペットは犬でも動物でも無く、一般企業に勤める女性だ。
名を咲音メイコという。一見勝気に見える整った顔と、見事な身体を持つ女。
駅について時間を確かめると、早足が効いたみたいでいつも乗る時間の電車より数本前に到着したようだ。これでは待ち合わせ場所に、中途半端に早い時間に着いてしまう。
………………。
メイコの会社に行ってみようか。拝借した名刺からメイコの会社の所在地は知っている。幸い僕の勤める会社から電車でほんの数駅だ。
メイコの困った顔が目に浮かぶ。僕は楽しくなって路線図を見上げた。

62 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 2
行動を起こしてから、もしかしたらすれ違うかもしれない。と危惧したが、それは杞憂に終わった。
会社に辿りつく前に、メイコを呆気なく見つけることが出来たからだ。
しかし……メイコの腕に絡みついている、アレは……。
メイコは腕に長い髪をツインテールにしたソレを引き摺る形で歩いているから、歩みが遅い。だから僕はメイコに会えたともいえる。
後ろに回り近づくと、メイコと腕にぶら下げている女の子の会話が聞こえた。
「もおー! たまには後輩に付き合ってゴハン食べに行くのもいいじゃないですか〜!」
「だからっ、また今度って言ってるでしょミク!」
「それ何回目だと思ってるんですか〜? ミク、メイコさんに振られっぱなしなんですよっ」
「分かった、次は絶対、ね?」
「んもー……そんなに彼氏との約束が大事なんですかぁ? その彼氏に嫉妬しそう。メイコさんを束縛しすぎ!」
つい軽く吹き出してしまった。メイコが僕との約束を優先するのは、僕の折檻が怖いからだ。
僕が吹き出した音に気がついた目の前の二人が足を止め、くるっと振り向く。メイコの顔が一瞬にして凍りついた。まだメイコにひっついている女の子はきょとんとしている。
「やあ。それと、そっちのコは初めまして」
メイコのグロスに彩られた艶やかな唇が、細かく震えていた。
「まさか、メイコさんの彼氏さんがお迎えに来るなんて!」
僕ら三人は駅に程近い居酒屋に入った。メイコの同僚の初音ミクちゃんがビールの入ったグラスを片手に、ニコニコ笑う。その隣でメイコは借りてきたネコみたいに大人しい。
「待ちきれなくてね」
僕は初音ちゃんに合わせて微笑んだ。
初音ちゃんは長い緑髪をツインテールにした、健康的で可愛い女の子だ。
男からしたらぱっと見、守ってあげたくなるタイプなんだろうけど、さっきメイコに絡んでいた姿を見ているのでなんとなくだが彼女の本性が垣間見えた。
メイコを独占している僕の値踏みをしたいのだろう。
メイコは俯いたまま、汗をかくグラスを持つ指に力を入れている。緊張している様子だ。メイコにしてみれば、自分の近しい人間と僕が顔を合わせるのが好ましく思えないのが、手に取るように分かった。
初音ちゃんは僕に興味津々で、そんなメイコに気付かない。
「メイコさんに彼氏が出来たのは分かってたんです。メイコさんてば仕事終わると一目散に帰っちゃうし、飲み会全然顔出さないし。会社の皆も、『アレは男だね〜』って。
 でも全然口を割らないから、相手はどんな人なのかなって皆ウワサしてたんですよ!」
「あはは、ごめんね。メイコは会社でどんな感じなの」
初音ちゃんは社内での、僕の知らないメイコの話を話し出した。隣のメイコ本人がが口を挟めない程に。
仕事はきっちりこなして、上司の信頼も厚く後輩の面倒見も良い。次々と初音ちゃんの口から語られるメイコは、話しだけ訊いていると自立し、周囲も認める優秀な社会人そのものだった。
初音ちゃんはやたらと『カッコイイ!』を連発し、メイコは少々ぐったりしている。
果てはセクハラ同僚に困っていた女子社員を集めて、リーダーになり追求した武勇伝まで訊かされた。なにをやっているんだか。自分は痴女のクセに呆れてしまう。
含みのある僕の視線に気がついて、メイコはきまり悪そうに俯いた。
初音ちゃんは相当メイコを慕っているようで、まるで自分の手柄のように話す。
メイコに関する情報を拾いながら適当に聞き流し、いい情報源が出来たとほくそ笑んだ。もちろん顔には出さない。
彼女はメイコに傾倒しているみたいだし、味方につけておけば便利な存在になりそうだった。

63 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 3
「二人とも、どこで知り合ったんですか?」
まあ、当然すぎる質問にうろたえたのはもちろんメイコだった。派手な音を立てグラスをテーブルに置いた。
「ミ、ミク。ほら、ネギマ食べない? ほら、私のあげるっ」
と、メイコは串からネギと焼き鳥を外し、何故かネギの方を初音ちゃんの取り皿に乗せた。
「わーい! ありがとでっす!! あれ? なんかメイコさん汗かいてますよ?」
「いやだ〜ちょっと酔ったのかも? あははは……は……」
メイコの引き攣り笑いが虚しく卓上に響くが、初音ちゃんは気が付いていない。この子も酔ってるな。
メイコは絶対に本当の事など言えやしない。初音ちゃんの興味を逸らそうと必だ。
「電車だよ」
僕は笑顔でメイコの努力をふいにした。メイコが表情が途端に凍りつく。
「電車ですか? いがーい」
初音ちゃんは興味津々で、大きな目をキラキラさせた。女の子は恋愛話しが好きだなあ。この子も例外ではないようだ。
対して、メイコは青褪めて僕から目を逸らしていた。それはそうだ。僕はメイコに信用されていない。
何を口走られるか戦々恐々といったところか。馬鹿だなあ。本当にメイコは馬鹿だ。だが、そこが可愛い。
「先月頭、僕が使う路線にメイコが乗り合わせてね。それがきっかけかな」
「そういえばメイコさん、その頃ちょうど他社に出向してましたもんね。あの時かぁ。でも、電車で恋に落ちるなんてロマンチック! アプローチはカイトさんから?」
見る間にメイコの表情が強張ってくる。面白いけど、あんまり問い詰められると僕も面倒だから煙に巻くことにした。
「それは僕とメイコの秘密」
笑顔で言い放つと、初音ちゃんがえぇ〜と不満そうに口を尖らせた。
「そこが肝心なのに!」
「ごめんね。メイコが恥ずかしがるし。ここの勘定は僕が持つから勘弁して」
ぱ! と初音ちゃんの顔が輝く。ゴチでっすと僕に敬礼した。
メイコはほっと溜息をつきながら複雑そうな顔をしていた。その心中が手に取るように分かる。そっと笑いながら僕はビールに口を付けた。
それでは、後は若いもの同士でゆっくりと! と、言い残し、僕らより若いハズの初音ちゃんは手を振って駅へと向かっていった。
見送りながら、メイコが化粧直しに席を立った時に初音ちゃんが口にした台詞を思い出す。
――カイトさんって、なーんか掴みどころないですね。本音言わないってカンジ。
……あのコ、見た目より馬鹿じゃないな。会話の中で僕個人について色々探ってはきたけど、適当にあしらっていたのバレてたみたいだ。
そこは人生経験の差というか社会人経験の差というか、必要以上のことは悟らせるヘマはしない。のらりくらりはぐらかして肝心なことを口にしない僕に、初音ちゃんは次第に胡散臭さを感じたようだった。
――でも、そのくらい慎重な人の方が、お人好しで流されやすいメイコさんにはちょうどいいかも。
思い出して、咽の奥で笑った。確かに初音ちゃんの言う通り、メイコはしっかりしているようでどこかヌケている。あの子の観察力は正しい。
ただ、本音を上手に隠すフィルターの向こうまでは見えないようだ。
僕はメイコにとって有益な存在ではない。むしろ有害なものに違いないのに。
薄く笑った僕に、メイコが怪訝な目を向けてくる。初音ちゃんと呑んでいた時とは違う、怯えながらも期待を滲ませたそれを受けて、僕は彼女の形のよい尻を鷲掴んだ。
びくっと跳ねた肩。指が柔らかな臀部に埋まり、メイコが小さく呻く。
「じゃあ、いこっか」
囁くと、細い顎が項垂れるようにかくんと落ちて肯定の意を示し、僕は満足して笑みを深くした。

64 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 4
始める時と終わる時、僕はメイコの身体を綺麗に洗ってあげる。
飼い主なんだから、ペットの世話をするのは当然だ。湯を弾く肌も、曲線を描く肢体を流れ落ちる泡を見るのも好きだ。
度重なる折檻に最近はメイコも大人しくなって、僕に怖々と身体を任せてくる。逆らわなければ怖ろしいことはないと、ようやく学習したのだ。しかし、全てを委ねながらも信じ切れずに不安げに揺れる眼差しが、愛らしくて仕方がなかった。
初めて犯した夜、反抗心も露わに僕を睨んでいた瞳は連日の調教で徐々に強さを失い、今では飼い主の顔色を窺うそれになった。
綺麗に身体を洗い終え、火照る身体を後ろから抱き締めながらシャワーのコックを止めた。
抵抗しないとはいえ、メイコはペットだから拘束は欠かさない。今夜も手錠はかけているが、後ろ手ではなく身体の前で手首を繋いでいた。
何時もならば身体を洗った後抱き上げてベッドへ連れていくのに、きゅっと抱き締めたまま動かない僕を、メイコは疑問に思ったようだ。落ち着かず、腕の中で身動ぎをする。
「ねぇメイコ。今日は変わったことをしようか」
「え……」
前々から考えていたこと。初めて神威の『玩具』を見た時から、ずっとメイコにもしてあげようと考えていたことだ。
その為に持ち込んだアレを、シャンプーボトルの陰に隠していた。
僕はメイコの下肢にそっと手を伸ばす。脚の間、僕が一番可愛がってあげている場所。その亀裂をそっと指の腹で撫でると、腕の中の柔らかな存在が強張った。
「ん……!」
「メイコは淫乱だからさ、ココにおちんちんを挿れるの、大好きだよねー」
襞の重なる膣口を擽っていると、早々にぬかるんでくる。洗ったばっかりなのに、はしたないなあ。
「ふふ。もう濡れてきた。気持ちイイと、メイコは誰にでも股を開いちゃうの?」
「んっ……そんな、こと……っ」
「信用できないよ。こんなんじゃ。だからさ」
指にしっとりと水分を含んだ陰毛が絡らみ、それをくいくいと軽く引っ張る。軽い抵抗感がして、数本が抜け濡れた床に流れた。
「コレ、剃っちゃうから」
鏡に映るメイコの瞳が見開かれ、一拍置いてふるふると横に首が振られた。
「そうすれば、流石のメイコも恥ずかしいだろ? 僕以外の男に股を開けなくなるよね?」
なんて言ってみる。仮にメイコが他の男と寝たってそれを口実に苛め倒すだけ。要は剃毛する理由のこじつけだった。
「や……嫌……あぐっ」
今度は陰毛を掴んで乱暴に引き抜く。痛みに悲鳴を上げるメイコを、予め敷いておいたバスマットの上に押し倒した。
「止めて! お、お願い……そんなことされたら、友達に見られたら……」
「ああ、温泉とかスパとか、そういう時は生やしていいから。予定が急に決まった時は、諦めて」
「イヤ! 他の男と寝たりしないから、許して……!」
「淫乱の言うことは信じられないなぁ」
開こうとする脚が抵抗を見せ、いらっとする。強引に割開かせ身体を入れ、身動ぎにたぷんと揺れるおっぱいの頂点を思いっきり抓み上げた。
「いた……っ! やぁっ、それ嫌ぁ! 痛いの、や……っ!」
「僕はお願いしているんじゃないんだ。分かってる?」
強めに引っ張ると、メイコの背中が反ってくる。あ、あ、と口の端から苦痛の声が転がり落ち、目尻に涙が浮かんだところで離してやった。
白い肢体が、大きく息を吐いて弛緩する。左の乳首が可哀想なくらい赤くなっていた。
ボディーソープを手で泡立て、大人しくなった脚を左右に割り茶色の陰毛に泡を絡める。
短い毛並みを梳くように指で更に泡立てて上から見下ろせば、見えちゃいけない部分を泡で隠してる安っぽいエログラビアみたいな格好になって、ちょっと滑稽だ。
隠していた剃刀を手にした僕を目の当たりにし、メイコの豊かな胸の間で手錠をかけられた手が震え、細かい金属音が浴室に響く。
「暴れて手間をかけさせないでよ。怪我はさせたくないんだ」
君は僕の大事なペットなんだから。
そう続けると、怯えた茶色の光彩が一瞬揺らいで、メイコは覚悟を決めたように固く瞳を閉じた。
「そう、動かないで……」
従順な姿に満足した僕は、股ぐらに顔を埋めると注意深くソコに剃刀の刃を当てた。

65 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 5
神威の家で『玩具』の巡音さんに引き合わされ、その股間が剃毛されていたのを見てから、ずっと気になってた。
メイコの躾が進んで服従を示したらこれをしてやろうと思っていたが、その時は存外早くやって来た。
僕がS気味だったことと、なによりメイコに被虐の気があったのが大きかっただろう。
調教が始まって直ぐに、メイコはその素質を露呈した。
打たれ、あられもない格好で淫らな言葉を強要されて犯されるメイコは、嫌だ止めてと泣きながらもアソコをぐっしょり濡らし性感で全身を震えさせる。
虐げられ凌辱される度に恍惚とした表情し、またそんな自分に混乱している姿が愛しい。
強制的に引き摺りだされた被虐体質を否定していたメイコも、今やその性癖を認めているようだ。ただ、完全に受け入れはしていないが。
仕方ないことだと思う。長い間知らなかった自分の本当の姿がマゾ女だなんて、信じたくないだろう。
実生活では上司に信頼され、後輩があれだけ慕うぐらいのしっかりした社会人をしているのなら尚更。
しかし、受け入れ難くもこの姿が本来のメイコなのが現実だった。
身体を貪られ苛まれて性感に悶える最中に、メイコの中で理性がフラッシュバックのように浮かび上がる。
その理性を打ち消す程の凌辱を与えれば、彼女は簡単に溺れてまた喘ぐのだ。
あと少しでメイコは完全に堕ちる。自分の性癖を受け入れられない故に、こちら側と向こう側の境目の淵に片手で爪を立て、必で自分を支えているメイコ。
その指を踏みにじって快楽の奈落へ堕としたい。貶めて、凛とした顔が恥辱に蕩ける様子が見たい。メイコだって、決して僕を嫌っていないはずだ。
その証拠にたっぷり苛めて可愛がった後は、抱き締めたり髪を撫でてやると甘えて擦り寄ってくる。
手酷く扱う程に、後にとびきり優しく扱ってやる。そうすれば、次の呼び出しにメイコは待ち合わせ場所へやってくるのだ。
僕の折檻が怖いクセに、その折檻を受けるために。何て矛盾だ。
飴と鞭とはよく言ったものだ。メイコは本当に可愛くて可哀想で愛らしい、僕だけのメス犬だった。
バスルームからベッドに場を移し、全裸の肢体を飾ってあげた後に壁の一面を占める鏡にメイコを映した。同時に鏡は傍らに散らばる、僕が持ちこんだ淫具も反映させる。
「ほら見てメイコ。すごくよく似合ってるよ」
今日のコーディネイトは、先日通販で購入したくすんだ赤いレザーの首輪と手枷。乳首にニップクリップ。
首輪は僕が気に入るものがなかなかなくて、探すのに苦労した。しかしその甲斐はあったようで、焦げ茶の髪と細く白い首筋に赤くて太い首輪はよく似合った。
ちゃんとリードも付けられる仕様で、今は銀色の鎖が繋がっている。
手枷は首輪とお揃いで、身体の前で両手首を一つに纏めて固定した。手錠の時とあまり変わらないが、無骨な鉄よりは全然マシだった。
乳首を抓むクリップは尻に細い鎖がついていて、双方を繋いでいる。挟むところが革で覆われて力もそれ程強くはないが、身体を揺らした所でピンと勃つ乳首からは簡単に離れない。
成熟した身体に本当にお似合いだ。
ベッドの上で座り込み、僕に背中から抱えられているメイコは自分の卑猥な姿に視線を逸らした。
「さ、脚開いて。キレイにしたココを見せて」
「……っ」
さっきまで薄毛のあった恥丘を指で辿る。僕を見上げる瞳にはもう潤んで、抗うように身体が固くなっているのが、腕に伝わった。
「……メイコ。言うこと聴けない? だったらアレ使おうか。М字開脚用の拘束バンド」
アレもよく似合ってたよねと耳元で囁けば、ひっと怯えた肩が震えた。
この前はアレを使用して、強制的に脚を開かせたくさん可愛がってやった。
丸出しにした性器に、バイブを突っ込んでクリトリスを玩び、泣かせて悲鳴を上げさせ、インターバルを置かず続けざまに何度も何度もイカせてよがり狂うメイコを言葉で責めまくった。
脚を閉じられず、秘部を隠せないメイコは上からも下からも涎を垂らす。綺麗な顔を歪め羞恥と快感で感じまくって、その様子に僕は興奮した。
ご主人様のおちんちんが欲しいと哀願しても、バイブを膣に挿したまま口で奉仕させた。
結局あの日は、顔に出した所でメイコが中イキして失神したんだっけ。
「僕はどっちでも構わないよ。自分で開く? それとも無理矢理開かされる方が好き?」
乳首のクリップ同士を繋ぐ鎖を軽く引っ張る。おっぱいとメイコが小さく揺れた。
数秒の逡巡の後、メイコはおずおずと自ら脚を開いた。

66 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 6
「あっはっは、随分すっきりしたね。元々薄いから、あんま変わりないかなって思ってたけど全然そんなことないねぇ」
僕はおかしくて笑いを止められない。
メイコの性器はつるつるで、そこだけみたらまるで幼い女の子の性器だった。
しかし身体全体を眺め、大人の女の股間に在るはずの陰毛がないのは、改めて淫靡だと感心してしまう。
大いに笑われて、メイコは面伏せて悔しそうに唇を噛みしめていた。
ぷにぷにの大陰唇に指を這わせると、ちょっとだけ皮膚に引っかかりを感じた。視認し辛い毛が少し残っているようだ。
あんなに丁寧に刃をを当てたのに。今度は毛抜きも使わないとな。
下方の襞は既にぬかるんで、指を中に入れると膣がくぷくぷ鳴りとろりと粘膜が流れ出す。
「М字拘束の話しをしたから思い出しちゃった? ぐちょぐちょだよ。それともおっぱいで感じてるの?」
「ひ……ぅく……」
ぬるぬるを万遍なく性器に塗りこめるよう指をゆっくり動かし、ついでにクリトリスも押し潰す。はぁんと声が上がったが頓着せずに刺激を与えた。
広げられた性器は見る間に艶を帯び、陰毛のなくなったソコが淫靡に光る。
桃色の肉は飾りが無くなったことで一層映え、男の劣情を煽りまくって下腹部に力を与えた。
「あんなに薄かった陰毛がないだけで、指の通りが全然違うよ。襞がぱくぱくしてお口を開いているのが良く見える」
「あ……あぁん……やだ……」
「大人の女なのに毛の生えてない、恥ずかしいマンコだ。さっきのコ、初音ちゃんだっけ? 先輩がこんなマンコしてるだなんて、思いもしないよね」
「えっ……」
一瞬、日常に戻されたようにメイコは鏡の中の僕を見つめた。
「それだけじゃないよ。こんなSМグッズを身体につけて僕に鳴かされているなんて、想像すらできないね。きっと」
後ろから優しく囁いて、メイコの身体の前から下へと手を伸ばす。襞の下のさらに奥、小さな窄まりを指で叩く。
特に念入りに洗ってあげた、可愛い孔を。
「やぁっ!」
「初音ちゃん、君をかなり慕ってるみたいだもんね。教えたら面白そうだな」
無論、嘘だけど。こんな姿のメイコを知っているのは僕だけでいい。
メイコに信用の無い僕の言葉は、そのまま真実と聴こえてしまう。言葉なく頭を振って、こげ茶の頭がいやいやと揺れる。
大体、初音ちゃんはちょっと危険な匂いがする。慕うという範囲を超えた好意を、メイコへ向けている気がした。本人たちは全然気がついていないけど。
気がつかないように仕向けるけどね。ヘタをしたらメイコを取られかねない。
指の腹で窄まりを揉んでいたら、眉を寄せながらもメイコは何とも言い難い視線を投げかけてきていた。
「ん? どうかした?」
「……っあ……、ミクに、興味があるの……?」
後輩の身を案じるというより、別の感情を持った言葉だった。僕は瞬時にそれを理解し、吹いた。
「ちょ、いきなりなに? 生憎僕は、貧乳に興味はないんだ」
確かに可愛いコだったけど、接した時に感じた性格では多分メイコのような従順さも内に眠る被虐趣味もないだろう。どっちかといえば、あのコは僕寄りの人間だと思う。
空いた左手でおっぱいを揉みしだき、胸の飾りが揺れてメイコは喘いだ。
「こういうのが好きなんだよ……それに」
手中のたわわなおっぱいの柔らかさを堪能しつつ、耳元に唇を寄せる。
「僕のペットは君だけでいい」
答えの代わりか、お尻の孔のほんの少しヒクつく。
指にその動きを感じ、僕はそっとほくそ笑んだ。

67 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 7
枕を重ね、なだらかな斜面にした上にメイコの背中を乗せて、僕は彼女の前に腰を据えた。
首輪のリードをベッドヘッドに繋ぎ、手首も手枷に鎖をかけ伸ばした先をベッドの支柱に括りつける。首も手も、鎖にちょっとだけ遊びを持たせておいた。
メイコは上半身を少し起こしてバンザイをする格好になる。
脚を開かせ、新しい装いと剃毛した性器が良く写るようメイコを記念撮影してやると、抵抗のつもりか僅かに身を捩った。
ゴムの指サックを付け、後ろの孔に指を添わせる。まだ乾いているソコへ、無遠慮にゴムに包まれた指を捻じ込んでみた。
「っ、あ! や、そっちは……っ、痛っ……待って、痛いの! やぁっ」
当たり前だが本当に苦痛のようで、叫ぶ声は涙混じりだ。
「ああ、ゴメンゴメン。濡らしてなかったね。ローション付けるから」
溝に垂らしたローションの冷たさに白い尻が震える。塗り込めるように指に力を入れていくと、爪の先が孔へと埋まっていく。
「どう? もう痛くない?」
孔を拡張するように入り口を穿る。既に開発の進んでいるこの孔に、メイコはちゃんと快感を覚えている。
「……は……い……んっ……」
アナル責めが最近の僕のお気に入りだ。膣は言うまでもないが、この孔もなかなかだ。
メイコの後孔は処女だった。ここを弄り倒して、自ら求めるように仕向けた。
普通のセックスでは使用しないココを辱めると、メイコはより屈辱感が増すのか、助けてと言いながら啜り泣いてしまう。それでも腿を伝う程、膣から粘膜を流しつつ感じていた。
綺麗に整っている勝気な顔が歪む。それは僕の嗜虐心を大いに煽り、可愛くってしょうがなかった。
「あ……うっ……うぅ」
快感の喘ぎか苦悶の呻きか判別のつかない声。苦しそうに顰められた眉。
でも紅潮する頬が、彼女が感じているのを正直に表している。
「指、全部入っちゃったよ。ほら、こんなにスムーズに動くようになった」
埋めた指を少々曲げ、腸壁を掻きながら抜き差ししてやる。ゆっくりとした速度で、ちゃんと異物を確認できるようにね。
最初の頃より大分解れたのか、ローションの助けを借りて滑らかに出入りする指。時々ちゅぽんと音がするのは御愛嬌だ。
「うぁ……ひ……ぅ」
「後ろの孔、僕の指を嬉しそうに飲んでる。マンコも一気に濡れてきたよ。どれ」
後ろを刺激しながら桃色にぬかるむ場所を舐めた。内腿が引き攣れるように振れ、柔肉の間に舌を差し入れて舌を動かす。
存分に味わってから顔を離し、指は後ろを解すのを続けながらあんあん鳴くメイコの唇を、自分のそれで塞いだ。
噛みつきを怖れて今までしなかったキスをするようになったのは、つい最近の事だ。
メイコが従順な姿勢を見せ始めてもキスやフェラは控えていたが、躾が行き届いた今は怖れることはなくなった。
「ふ……んん……」
舌を入れ誘えば、おずおずと差し出される舌先。絡め、口腔を余す所なく犯し、最後に下唇を甘咬みして離す。
「……自分の味はどう?」
なんともいえない味だったのだろう。メイコは嫌そうな顔をしている。
その口元を拭ってやり、僕はまた脚の間へ戻った。

68 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 8
「そろそろ頃合いかな」
尻を弄っていた指を抜き、傍らの淫具の中から卵型のローターを取り出してメイコの眼前に掲げる。
「今日はこれを前に挿れようね」
「……あ、ぅく……」
びくりとしたメイコを尻目に僕は無毛の性器にそれを埋め込んだ。最奥に置いて指だけ引き抜くと、襞の間からコードが垂れさがる。その有様に僕は目を細めた。
後ろにも新たにローションを足そうとした時、不意にメイコが泣きだした。
「やだ……もう、いやぁ……」
「……なに? どういう事?」
昂ぶっていた気分が少しだけ冷めた。後ろの孔を散々弄ってたんだから、今夜なにをされるのかメイコにも予測できていたはず。
どうやらなけなしの理性が、危険を察知して働いたみたいだ。
「や……おかしく、なる。こんなの、私じゃない……っ」
瞳から大粒の涙が溢れ、こめかみを伝っていった。しゃくり上げ、メイコは咽を震わせる。
「痛いのも、辛いのもいやなの……それなのに……。もう、やだ……」
許して。メイコは力なく懇願した。
脱力してベッドに沈む拘束された肢体。豊満な身体をイヤらしく飾られ、こんなにも似合っているのに。
僕は口元を歪ませ、笑った。こちら側とあちら側の淵で、自己を保とうとしがみ付いている指を踏みにじるのは今なのかもしれない。
「驚いたよ。まだそんな理性が残っていたんだね」
白々しくそう言って、ぴったりと揃えたメイコの脚を、脹脛を掴み脚を高く上げさせた。腰が浮き、性器と丸い尻が突き出される格好になる。
「ひゃっ!」
「今更何言ってるんだよ。この間撮った映像見せただろ? あの中のメイコは僕にお尻をぶたれて、精液を顔に受けながらバイブでよがってたじゃないか」
「いや! 言わな……ああっ!」
ぱん、と部屋の空気を乾いた音が振動する。僕がメイコの尻を打ったからだ。
続け様に何度も叩く痛みに、メイコが甲高い悲鳴を上げた。乳首の飾りが打撃に金属の音を立てて跳ねる。
「口では嫌だと言いながら、喘いで濡らしてさ。あんなイヤらしい女、AVでだって見た事ないよ」
「あうっ、あっ、痛い!」
「尻をぶたれて、苛められて悦ぶ自分の姿を見てどう思った? メイコがいくら違うと言い張っても、あの映像を見た人間は誰だってメイコをドМ女だって言うよ!」
最後に一際強く打って、手を離した。僕の息も打撃と興奮に乱れる。
「あひっ……!」
「……ほら、こんなに感じてる」
埋め込んだローターのコードが伸びる膣を弄ると、滴る粘膜が零れてくる。嫌だ止めてと言ったところで打たれてこのザマでは、感じていなくてなんだというのだ。
静かに涙を流すメイコに覆い被さり、その雫を指で拭った。
「メイコは苦しいの?」
見上げる瞳は涙に覆われ、きっと歪んだ僕が網膜に映っているのだろう。
鬩ぎ合う理性と異常性癖はメイコを縛ってがんじがらめにし、身も心も縛り上げる。メイコを苦しめる戒めを解く方法は、ただ一つだけ。
「楽になる方法を教えてあげようか」
メイコの脚の間に身体を戻し、括れた腰を引く。うぐっ、と苦しげな声に顔を向けると、僕へ身体を寄せさせたせいでメイコの首が首輪に締まっていた。
「ああ、鎖が短かったか」
身体の位置を調整して首を緩めてやると、メイコは咳き込んで酸素を取り込んでいる。その様子を見つめ、僕は動きを再開した。
「メイコが苦しいのは、本当の自分を認めようとしないからだ」
後ろの孔を指で一撫でしてから、興奮に昂ぶる肉棒の先をぐりぐりと押し当てた。メイコの瞳が恐怖に見開かれる。
「ひぃっ……! いや! いやぁっ」
僕から逃れようと跳ねる腰を両手で固定し、もがく腕の動きに鎖が耳障りな音を立てた。
馬鹿なメイコ。そんなことをしたって、僕から逃げられたことなんて一度もないじゃないか。直ぐ流されて、結局僕に犯されていい声で鳴くくせに。
正常位で先端が後ろの孔の中へ潜り込む。孔の広がる感覚に恐怖する硬直した身体は、細かく震えて可愛そう。
「認めなよ。快感に流された口先だけの言葉じゃなく、理解して。
 君は変態で、淫乱のどうしようもないマゾ女ってこと。そうしたら」
「あ……ぐ……っ……苦し……」
抜き差ししながら中へと徐々に進めていく。開発が進んだせいか、孔はスムーズに僕を受け入れた。
「そうしたら、ずっと僕の傍で飼ってあげるよ」
半分ほど入った後、一気に根元まで埋める。孔が異物に無理矢理拡張され、薄茶の透明な瞳はこれ以上ない位に見開かれた。
「うぁ……! ああっ…………あ――っ」
鎖を鳴らし、メイコは絶望に悲鳴を上げた。
慣らしながらの突き上げに孔の入り口がきつく締まる。

69 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 9
僕はメイコの胎内に埋めたローターのスイッチを入れた。
後ろの締まり具合でも射精は可能だが、やはり膣ほどの快感は得られない。
それでも後ろを執拗に責めるのは、メイコに屈辱と恥辱を与えるためだ。
普通のセックスでは使わない部分で感じさせ、悶える自分を自覚させるためだった。
ローターは足りない性感を補うための小道具に過ぎない。体感的にはこれで十分だ。
緩い抽送を繰り返しながら、優しく囁いた。
「孔が、びっくりするぐらい広がってるよ。ほら、分かる?」
肉棒が貫くその入り口の淵に添い、広がる円周を指でなぞり辿る。引く時にぷっくり膨れる孔の淵が愛らしい。
「あぅ……や……いや……」
「どうして? 嫌じゃないだろ。乱暴にされるのがいいんだろ?」
こもったモーターの音が胎内から響く。
「違っ……わたし、そんなんじゃない……っ!」
揺すりながら膣へ続くコードを軽く引っ張る。メイコが喘ぎをそうとして失敗し、膣はローターを食んで離さない。
「そうかなー? じゃあ、お尻をめちゃくちゃに犯されて喘いでいるメイコは、一体なんだろうね」
ローターのメモリをぐっと上げると、いやあと叫ぶ泣き声が僕の鼓膜を心地よく震わせた。
「う……うぅ……あ……っ」
自我を保とうとする姿はいじらしいけど、下肢の刺激に腰はくねって我慢が効かないようだ。
「……ねえメイコ。考えてみなよ。普通の男が君の本当の性癖知ったら、先ず逃げると思わない?
 自分の女が他所の男に痴女じみたことをしたり、ぶたれて感じるなんてさ。冗談じゃないよね」
ゆっくりと出し入れし後ろの孔で繋がる僕らを、さっきまでイヤらしいメイコの姿を見せていた鏡壁が余すところなく映していた。
僕に苛められて、犯されて、悦ぶその姿。どんなに否定したって、これがメイコの現実だ。
「マゾ女の君を否定せずに、満足させて躾まできるのは、僕ぐらいだよ?」
肉棒を突っ込ませてぐりぐり抉る。きゅ、と入り口が嬉しそうに締まるのに、メイコは引き攣れた声を出した。
「ひぃ……!」
「まだ分からない? 君は変態で淫乱のドМ女。
 認めてしまえば、辛くも苦しくもなくなる。だって事実だからね」
「わ、わたし、わたしは……」
涙に濡れた瞳は虚ろで、僕すら映っていないように思えた。しかし刺激を与えれば身体は敏感に反応を返してくる。
「……わたしは……」
悲鳴と泣き声で掠れるメイコのアルトが呟く。
「何度でも言うよ。君は陰毛を剃られ尻を引っ叩かれて悦んで、犯されながら感じるどうしようもない被虐趣味のメス犬だ。
 そういう自分を受け入れれば、全部が楽になるよ。きっとね」
焦れるメス犬の身体は、気まぐれに強く突き上げれば嬉しそうに嬌声を上げた。
決してイかないよう、でも性感に悶えるように、僕は細心の注意を払う。
ローションを足した結合部はぐちぐちと粘着質な音をさせ、浅い吐息が走り時折漏れる喘ぎが室内を漂った。
「わ、たし……あ、あ……っ、も……ぅ」
「安心して。君がどれだけ変態でも、僕が飼い主としてちゃんと可愛がってあげるから」
謳うようにいうと、僕に応えるようにメイコの身体が大きく震えた。
「あ……ふ……っ、あっ、お、お願い、っあぁ!」
弾かれたようにメイコが鳴く。僕は口元が緩むのを抑えられない。
「もっと! もっと激しく……っ、んっ!」
「激しく? なに?」
求められても相変わらずの中途半端なテンポで、メイコの官能の火種を燻らせる。
箍が外れた彼女はイヤイヤをして、身体をくねらせながら更なる刺激を僕に乞い願った。
「あっ、もっとしてっ、激しく、してぇ……!
 へ、変態で淫乱の、私をっ、犯して下さい……っ」

70 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 10
もっと、苛めて。
吐息交じりの囁きを僕は確かに拾って、ローターのメモリをMAXまで一気に上げた。ひぃんと鳴く声が愉しい。
それでいい。大笑いしてしまいそうだ。
堕ちたメイコに追い討ちをかけ僕から離れなくさせるために、思いっきり腰をぶつけ始めた。
勢いよくメイコを突き上げると、ベッドに繋いだ鎖が金属独特の音を律動に合わせて鳴る。
たわわなおっぱいがぶるぶる揺れて、乳首を挟んだニップクリップも一緒に跳ねた。
どうやらニップクリップの重みが、揺らす度に乳首を刺激しているようだ。
膣の中に潜るローターはMAXにしたせいか、広げた無毛の股からモーター音を響かせ、潤み切って涎を垂らすアソコが卑猥さを増した。
「あ――っ、あぁ――っ、もっと、もっ――あ、ひゃぁ……っ」
さっきまで自分の性癖を必に拒絶していたのが嘘のように、メイコはよがり狂う。
とろんとした瞳。上気した頬。赤く濡れた唇は半開きになって、小さな舌が垣間見えた。
凌辱をされているというのに恍惚とした表情を浮かべて鳴くメイコは、自分の体質を曝け出し、自分を忘れ感じまくっている。
その姿は正真正銘、発情した獣だった。
「ね、認めたらラクでしょ? 君は、いたぶられて犯されるのが大好きな変態だよ。この万年発情期」
「あぅ……ふ……わた、し、は、へん、た、い……」
「そうだよ。こんなに感じちゃって。可愛いね、メイコ。
 きっと初音ちゃんがメイコの今の姿を見たら、驚くどころじゃないよねえ? 軽蔑されるかも?」
「あぁんっ」
おっぱいを鷲掴んで指の跡がつく程揉み上げる。悦ぶメイコに、僕の愉悦も深くなる一方だ。
締め上げる孔の入り口は僕を求め、絶頂が近いことを悟る。
苛められ、胎内も犯されて敏感な乳首も責められている状態じゃ、もう持たないようだ。
「ひぅ……あっ、あっ、はぁん……!」
登り詰めるメイコに合わせて腰を振ってやる。締め付けと堕ちて快楽に溶ける姿にぞくりとし、僕の射精感も高まった。
「も、イクっ、ああんっ、ご主人さまぁ……っ」
うわ言みたいに、自分からご主人様と何度も繰り返し僕を呼ぶ。
伸びた爪先が空を掻き、熱くて切望する声音に加虐心が擽られてどうしようもなく興奮した。
互いにもう少しで絶頂を掴む。その直前、僕はニップクリップに手を伸ばし、チェーンに指をかけて力一杯引っ張った。
「ひぃっ! イっ……あっ、あぁああ――――っ」
乳首を食んでいたニップクリップが彼方に飛び、その強い刺激と下肢の責めに負け、メイコがびくびくと肢体を跳ねさせながら、イった。
「…………っ、うっ……!」
僕も腰を振り、中で扱きながら爆ぜる。
全て放出し、ずるりと引き抜くと萎えかけた肉棒と共に精液も垂れた。
イった後も中の刺激で落ち着くことができないメイコはもう限界で、肢体が痙攣じみた動きをしていた。様子を見ながらローターも止めてやる。
快楽に堕ちるのは歓迎だが、おかしくなってはつまらない。僕はまだまだペットと一緒に遊びたいのだ。
放心してベッドに深く沈む身体に被さり、赤く染まった頬に唇を落とそうと顔を寄せる。
僕を認めたメイコは、緩慢な動作で僕の首に腕を絡め引き寄せた。自分から唇を重ね温く柔らかい舌で、僕の唇をぺろぺろと舐める。
まるで本物の犬のような仕草が似合いで、僕は目をて細め堕ちたメイコに言いようのない満足感を感じた。

71 :

『リーマンなカイトとOLなメイコ』4 11
汗と体液で汚れたメイコの全身をバスルームで再びぴかぴかにして、僕らはベッドの上にいた。
メイコの身体から殆どの飾りを外し、首輪のみだけ残した。彼女は枕に背を傾ける僕の、右膝の上に尻を乗せて身体を預けている。
ぴったりと僕の胸に自分の胸を凭れかけて、大人しい。その頬は、激しく犯された余韻に未だ赤みが残っていた。
腰に添えた手を下げ、痛々しい手形の痕の残る尻を撫でれば、僕の脚の間に揃えて折った膝、その爪先がシーツに小さな波を作った。
尻を犯した後、前の孔も同様に凌辱し快楽に泣いていたメイコの身体は力ない。しかし、自分の性癖を認めた解放感からか、まるで憑き物が落ちたような安らかな表情をしていた。
あれほどドМの自分を、認めようとしなかったのにね。
メイコは信じないかもしれないが、僕は今まで付き合った女にこれ程酷い仕打ちをしたことはなかった。
自分に嗜虐心なんてあるなんて知りもしなかった。
僕の女性との付き合い方は割と淡白だ。なんとなく付き合って、やることやって、別れる時も惜しいなと思うことはあっても、執着することはない。
会社でだって、僕個人の為人の評価は「穏やか」、「人当たりの良い」といったものが多かった。DVばりに女を罵り尻を打つ僕など、誰が想像できるだろう。
しかし僕の好みドストライクの女の弱味を握り思うままに犯す行為は、僕の中に言いしれない愉悦を生んだ。
メイコの綺麗な顔が屈辱に歪む表情が、苦しみながら溺れていく様が、僕の中から眠っていた感情を引き出し、突き動かしていく。
僕に犯されて悶えるメイコの媚態が、心中深く埋もれていた暴力性や加虐性を強く揺すぶるのだ。
メイコの被虐性癖を引き出したのが僕なら、僕を変えたのもまたメイコだった。
「ん……」
メイコが不意に抜けるような吐息を漏らし、僕は視線を彼女へ向ける。
腰から尻を撫でていた手を下方へ伸ばし、割れた肉の間へ忍ばせた。指先に生温かい粘膜が纏わりつき、尻が揺れる。
ほんの少しの愛撫でこの有様じゃ、この身体はどれだけ敏感で猥らなのか。
メイコは甘えるように素肌を擦り寄せてきた。戯れに首の後ろに手を回し、項と耳の辺りを撫でれば、擽ったそうに更に身を寄せてくる。
その手をスライドさせ親指で紅色の唇をなぞると、舌先でぺろりと舐められた。若干の媚びを含む上目遣いで僕の親指を甘く食むメイコに、あの凛とした面影はもうない。
甘ったれの、正に淫乱のメス犬だった。もの言いたげな目で主人の顔色を窺っている。
あれだけ否定していた自分の性癖を認めた途端、こうも変貌するものかと失笑してしまう。――それだけメイコの中で「理性」が手枷足枷となって、苦しめていたのか。
しかし本能が解放された今は、従順な獣になり下がった。可愛い可愛い、僕だけのメス犬。
「……メイコ、まだ遊び足りないの?」
茶色の瞳が期待を込めて僕を見上げた。
「君は犬だからね。なにをして欲しいのか行動で示してくれないと、飼い主の僕には分からないよ」
諭すように言うとメイコは僕の膝から降り、尻をこちらへ向けて四つん這いになった。腰を高々と上げ、滲み始めた無毛の割れ目を指で開く。何時にない積極的な姿に、僕はちょっと驚いた。
さっきの折檻が相当効いているようだ。
ぬらぬら光る桃色のソコに指先を沈めながら、甘えを含んだ声でメイコの行動を見ていた僕を呼んだ。
「ココに、ご主人さまの……おちんちんを下さい」
「どこだって?」
「……っ、私の、ヨダレを垂らす、お、おまんこに……」
「言葉が足りないよ」
差し出されたぺしんと尻を叩くと、嬉しそうな悲鳴を上げてメイコは更に哀願した。
「おちんちんが大好きな私のまんこに、ご主人さまの大きいのを……挿れて。もっと、いっぱい、ココを可愛がって……」
赤味を帯びた後孔の下、指を咥え込んでヒクつく襞を眺めて僕は口角を上げた。
「せっかくきれいにしたのに、これじゃ台無しだね」
「だって……弄る、から……あぅ……」
他人から見たら、酷く残酷な笑い顔だろう。でも、愉しくて面白くて仕方がなかった。あんあん鳴き始めた愛玩犬は尻尾の代わりにむっちりした尻を振って、淫靡に誘いかけてくる。
「本当にそれだけ? ま、いっか……ご褒美だよ」
打った痕が良く映える白い尻に顔を近づけ、その滑らかで柔らかな肉を歯形が付くほどの強さで齧った。
一際高く上がった嬌声が次第に部屋の空気を甘く濁らせ、澱ませていくのを感じた。
おしまい
今年も一年お世話になりました。みなさん良いお年を。
また来年。

72 :
投下が続いて嬉しいなーみなさんGJ!
>>71
いつもながら読み応えありました
調子こいてるカイトをヨハネスブルグに飛ばしてやって
メイコさんをまっとうな道に戻すイケメン役やりたいです先生
もしくはここからの下克上とか美味しそうです先生

73 :
いつの間にか大量投下きてたー!!
全部GJでした!
こんだけあってCPがかぶらないのがすごいww

74 :
マスター×ミク、マスター×リン、ミク×リン、ミクオ×リンを誰か…

75 :
正直前スレラストで変なのが荒らしたから
書き手さんいなくなったと思ってた皆さんGJです!
それとこれだけスレが長く続いて作品が多いとネタも被ってしまうものだと思う
下着ドロモノも保管庫にあったけど話は全然違ったし明らかなパクリじゃなきゃいいと思う
パンツネタも不倫ネタも待ってる!でもがくルカさんの方はこの仲良しメンバーが不倫なのか?w

76 :
>>75
余計な事言わないとしんじゃう病気なの?

77 :
おおお、職人の皆さんGJ!
年末に一気にクオリティの高い投下がなだれ込んできて嬉しい限り

78 :
>>71
何時もながらGJです
エロは勿論ですが今回はがくぽやミクのキャラ付けが面白かったです

79 :
リンレンの誕生日はスルーかと思ったからそれに触れた投下があって嬉しい!

80 :
お正月におmikiが飲みたい。mikiのワカメ酒。

81 :
みんなグッジョブ!
どれも可愛くて萌えた!
有難う!

82 :
下剋上の人来てた!GJ!
堕ちた後の和姦SMの今後に期待

83 :
>>80
わかめあるの・・・?

84 :
じゃあ股間にある冷却フィンのひだひだにお酒を注いで・・・

85 :
上からマ○コのミクルカリンが最高に可愛い

86 :
消されてしまった…
あれだけベストを尽くされていたのに…

87 :
いや隙だらけのガバガバだったろう

88 :
コミケは今日ボカロだっけ
行った人はいるかな?今年はどんな感じだった?

89 :
年末ラッシュが素晴らしすぎてどれから感想を言えばいいやら
とりあえず皆様GJ!

90 :
しばらくぶりにきてみれば、スレタイなにがあったwww
今更DIVAやってたんだけど、ルカのナギサレプカとKAITOのホワイトブレザーの親和性が異常

91 :
あけおめっす。
除夜の鐘聴きつつ…書きかけの話と戯れるが完成に至らず
どんなに鐘を鳴らそうとココにいる奴らの煩悩は祓えんだろなってオモタ

92 :
初詣
MEIKO「今年こそ紅白かレコ大にお呼びがかかりますように」
リン「みんなと楽しく仕事ができますように」
ミク「わたしの胸が大きくなりますように」

93 :
煩悩が祓えませんでした(^q^)
ホワイトブレザーさんはナギサルカさんも似合うけど、
シフォンワンピースさんとの相性も良いよ!
キキララ可愛い。

94 :
ブラックスターちゃんぺろぺろ

95 :
>>93
>キキララ
いろは「奴らの話はするんじゃなーい!!」
ユキ「いろはちゃん、わかったから落ち着いて」
他サンリオキャラをライバル視するいろはさん。

96 :
>>93
確かに、青いのデフォでルカがシフォンだと色と髪型がかなり似るな
いろは「! そこにいるのはキキ〇ラ!?」
KAITOルカ「「違います」」
いろは「そんな…いつの間に私以外のサン〇オからの刺客が!」←聞いてない
KAITO「このご時世に色だけで判別すんあ」
いろは「かくなる上は、私が業界トップにのし上がりキ〇ィちゃんの威光を示すしか!!」←聞いてない
ルカ「野望はいいけど動機がおかしい」
ユキ(あ、野望はいいんだ)

97 :
>>93
DIVAのルカとKAITOはなんか親和性の高い衣装多いよね、クラシックとフロイラインとか
やっぱり顔が使い回しだから衣装も似たようなのが増えるのか?

98 :
どのカプ厨も自分のカプの衣装が一番親和性が高いと同じことを思ってるよ

99 :
顔やボディ使いまわしが本当に欠点だよな。

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