2013年01月エロパロ70: 【神坂一作品】スレイヤーズ他 第12話 (355) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【神坂一作品】スレイヤーズ他 第12話


1 :2012/04/24 〜 最終レス :2013/01/02
 四界の闇を統べる王 汝のかけらの縁に従い 
 汝ら全ての力もて 我にさらなる煩悩を与えよ
 闇よりもなお昏きもの
 夜よりもなお深きもの
 妄想の海よ さまよいし存在
 ピンクなりしエロの王
 我ここに 汝に願う
 我ここに 汝に誓う
 我が頭に立ち上りし
 すべてのエロなる妄想に
 我と汝が力もて
 等しく形を与えんことを!

此処は異界桃色次録
スレイヤーズ及び神坂一作品のアレやコレを語る処
我らはいつでもエロの神様の降臨をお待ちしています
※名前欄にガウリナ、ゼルアメなどのカプ名またはリナ陵辱などの作品傾向を記入すること推奨
皆様のアストラルサイド保全のため、宜しくお願い致します

2 :
前スレ
【神坂一作品】スレイヤーズ他 第11話(dat落)
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1248280799/
第1話 http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1052359978/
第2話 http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1058501060/
第3話 http://idol.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1076694890/
第4話 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1096193234/
第5話 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1113229332/
第6話 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1130901279/
第7話 http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1153750932/
第8話 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179306360/
第9話 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1215280917/
第10話 http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1234359143/
保管庫はこっち
2chエロパロ板SS保管庫
http://red.ribbon.to/~eroparo/
→ENTER→ライトノベルの部屋→スレイヤーズの部屋
尚。百合は
スレイヤーズで百合
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/lesbian/1171445540/
801は数字板へw(現在無いので、必要な方は杖立てて)
※950踏んだら次の杖立てよろしくw

3 :
※表記の注意:
ガウリィ× →ガウリイ
ガーブ×  →ガーヴ
フェブリゾ×→フィブリゾ
魔導師× →魔道士
ついでに一人称:
リナ=あたし
ガウリイ=オレ (つばさ文庫版→俺)
ゼル=おれ or 俺
アメリア、ナーガ=わたし
ゼロス=僕
タリム=わし
岩肌問題は永遠の課題。

「ややこしいところ」や「黄色い布」について語るも良し、
皆等しくマターリと混沌にたゆたって下さいw

4 :
―以上。要請が有ってふっかーつ!させました
実は初めてwな代理人ですた
よって至らぬところはございますが、何分ご容赦の程を
テンプレ他あったら適宜変えていって下さいませ
…では混沌に還り名無しに戻ります○o。.

5 :
おおっ、復活してる!
>>1
乙!

6 :
杖キターーーーーーーーーーー
いちおつおっつ

7 :
復活祝いにガウリナ投下してみますよー
スリッパの謎ってことで
エロは軽めかな?

8 :
季節は春
日差しはやわらか暖かく、新緑の森の奥深くにもきらきらとした木漏れ日を届けてくれる
あてもなくのんびりと歩くにはよい季節であるっ!
「要するにまた道に迷ったんだな?リナ」
「・・・・・・うっさいよ」
あたしの旅の連れ、顔と剣の腕は一級品だが、脳ミソくらげのガウリイに、のほほん口調で痛い所を突かれ、
睨みつけるあたし
「まあ、いつもの事じゃないか。素直になれって」
わしわしといつものように頭を撫でながら言ってくる
「だあああああっ!わかったわよ!迷った!迷いました!だから髪をぐしゃぐしゃにすんなーーっ!」
「よーしよしよし」
って聞いてないし!人の話
「あたしは犬じゃなーーーーーいいっ!!」
すぱーーーーーーーーーーん!
静かな森にあたしの繰り出したスリッパとガウリイの頭が奏でる音が響き渡り、驚いた小鳥達が羽ばたいてい
く。そんないつもの風景…・・・のはずだった

9 :
「って〜〜〜。いつも思うが、お前さんそのスリッパどこから出してるんだ?」
「そんなの乙女の秘密よっ!」
たいして痛くもないくせに、情けない顔で聞いてくるガウリイに、スリッパをしまいつついつもの答えを返す
「懐っていっても、何か入ってたらもっとこう膨らみがなあ」
情けない顔から一転、珍しく思案顔のガウリイが近づいてきたかと思うと、後ろから抱きしめられる
「ちょっ、何すんのよガウリイ!放せー!」
暴れるあたしをものともせずに、ガウリイは器用にあたしのマントやショルダーガードを外していく
続いてあたしの上着の胸元を肌蹴させると、その内側に手を入れてきた
「やっ……やめっ、このエロくらげ〜〜〜〜」
「うーーん?どこだ?」
上から覗き込みながら、尚もごそごそと服の中を彷徨う手
「んあっ・・・・・・胸を揉むな〜〜〜〜〜」
「う〜〜〜〜〜ん?」
「んっ・・・・・・あん・・・・・・」
何やら考え込みながら、あたしの胸を揉みしだいてるガウリイ
・・・・・・なんか目的が摩り替わってないか?
そんな事を思っていたら、上着がするりと肩を滑り、足元の草の上へ落ちる
「やっぱり無いよなー」
ガウリイはそう言うと、あたしをくるりと反転させ、草の上へと押し倒す
「なっ!こらっ!無いってわかったでしょっ。これ以上どこ探すっていうのよ?」
胸を両手で隠しながら睨みつけるあたし。でも見下ろしてくるガウリイは全く怯む様子もなく
「そりゃー全身くまなく?」
そう言いながら、既に剣帯は外され、ズボンに手がかかっている
「そんなとこに隠してないってばっ!やめっ・・・・・・んっ!」
ズボンの中に侵入してきた手に弄られて、鼻にかかった声が漏れる
「なあ?どこに隠してるんだ?」
「ぁ・・・・・・んっ・・・・・・やぁ・・・・・・だめ・・・・・・んっ・・・・・・」
耳元で囁かれながら、割れ目をなぞられ息があがる。ガウリイの指が更に奥へ入ってきてあたしは身を捩じらせた

10 :
結局全部脱がされたあたしは柔らかい草の上、荒い息をつき横たわっていた
「・・・・・・ちょっと。なんであんたまで装備外してんのよ?」
「え?邪魔だし。リナも中途半端じゃいやだろ?」
そう言うと鎧と剣を外したガウリイが再び覆い被さってくる。脚を開かされて
「あああっ!!ぅんっ・・・・・・はぁん・・・・・・あっ・・・・・・あんっ・・・・・・」
一気に貫かれて揺さぶられ、あたしにはただ喘ぐことしか出来なかった
春ののどかな森の風景には似合わない、ぐちゅぐちゅといやらしい音と二人の乱れる吐息、そしてあたしの喘
ぎ声が風に溶けていく
「リナ・・・・・・リナっ・・・・・・」
あたしの名前を繰り返しながら激しくなってくる動きにあたしは押し上げられていく
「がうり・・・・・・んっ、は、あっ・・・・・・あたし、もうっ・・・・・・んあっ・・・・・・!!!!!」
背を反らせ、彼が吐き出したものを奥へと呑み込んでいく。やがて弛緩した身体は再び草の上へと沈んだ
「結局わからなかったなー」
再び装備を身につけながら、ガウリイが言う
「・・・・・・わからないままのほうがいい事もあるのよ」
気だるい身体をなんとか起こし、衣服を身に着けながら言うあたし
「んー?それもそーだが、やっぱり気になるじゃないか」
「秘密ったら秘密なのよ!潔く諦めんかーーーーーーーいっ!」
再び森に響き渡るスリッパの快音
「おおっ?!」
はっ!!しまった!つい反射的にっ
スリッパ片手に固まるあたし。探究心再始動の目つきでにじり寄るガウリイ
「うわきゃああああああああああ!!このエロくらげーーーーーーーーー!」
小鳥さえずる平和な森の中、再びあたしの絶叫が響き渡ったのであった
おわり

11 :
以上、失礼しましたーーー

12 :
>>6
IDがLOV…Eだ
こいつぁハナから縁起がいいねぇ
>>7
おおナイスSS!最初の神にGJ!
物凄く好みなネタだったわw

13 :
>>11
GJ!!
そして、スリッパの謎は、謎のまま、とw

14 :
>>1
んおおおお!混沌の桃色魔王の方から来た使者の代理人様ありがとうっっ!
一乙すぐる!
妙なところで落ちてて寂しかったンぬ
>>8
スリッパこそひょっとして混沌から直で出てるんじゃないか?!
謎は謎のままか、ありがとう! 面白かった!

15 :
スリッパが混沌から直でって
それなんてドラえ(ry

16 :
やはり黄色い布がポケットなのだろうか?

17 :
ドラ○もんならぬ、どらまたんか!

18 :
四次元説に同意ノシ
そりかある意味、召喚なんじゃね?
約束された勝利のツッコミw
コピレゾもまっつぁおな高速詠唱とか…

19 :
召喚魔法か
それもありえるな
それかシェーラのドゥールゴーファのように一心同体説

20 :
黄色い布、見た目コインくらいなら入りそうだけど
リナの胸でスリッパなんぞ入ろうものなら、わかりやすくてしかたが
うわなにをs

21 :
ここはどのくらいおきに保守ればいいのだろうか?
保守がてら投下しようと思ったら書き上がらなかった

22 :
>>21
自分も実はそうw
なかなかH部分に辿りつけないラビリンスorz
何か小ネタが欲しいのだけど、
なにかありませんか?




23 :
小ネタ…
シチュエーションとしては剣の稽古って萌えるな
そこからどうエロくなる(する)かはうーむ

24 :
いつもは枝だけど、ある日模擬刀使ってやったら服ひっかかって破れちゃうとか
あれ?呪文で空高く飛んでいくガウリイが…w

25 :
すぺしゃるネタだと服溶かすジョージの芋とか
ええい!ゴーレム邪魔だー!と思ったのは内緒だ

26 :
おかげさまで即はま逃れたみたいだが、30だったような…
ネタが落ちてきても形にならず、放置プレイしてたら
そこらうち中ガラクタだらけとかw
小ネタ。お久し振りで萌え(´∀`∩)↑age↑るのとか…
ああ。ココでガラクタになってんよwww



27 :
じゃあ触手対リナ×ガウリイで
食人植物の退治の依頼を受けたリナとガウリイ
十数年に一度咲く花で、その度に村人が犠牲になっているので何とかしてほしいと村長
しかし、その植物が喰らうのは依頼主から聞いたのとは違うものだった
ガウリイはアクシデントによって同行出来なくなった
後から明らかになるが、それは依頼主達の策略で
そうとは知らないリナは一人でも何とかなるだろうと単独密林へと向かう
じめっとした密林の中、目的の植物と対峙するリナ
「ちゃっちゃと倒しちゃいましょーか」とリナが呪文詠唱を始めた時、頭上の枝から一匹のナメクジがぽとり
リナの絶叫が響き渡る
その隙をつき、リナへと伸び行く触手数本

28 :
ナメクジに涙目になってる間にリナの手足に絡み付く触手
触手に運ばれ吊り鐘型の花の中に放り込まれる
内部は大量の液体で満たされていた
溺れこそしなかったが、少しその液体を飲んでしまうリナ
溶かされてなるものかと呪文を唱えようとして、リナは気づく。自分の舌や身体が痺れている事に
触手に手足を囚われ、首まで浸けられているリナに別の触手が伸びる
それらはリナの服を引きちぎり、身体中を這い回る
服がぼろきれ状態になり、液体が直接触れてきて、リナに新たな変化が起きる
肌を這い回る触手の動きに敏感に反応してしまう
そればかりか体内から沸き上がる耐えられないほどの疼き
無数の触手の攻めと自らの身体の変化に抗おうとするリナへと新たな触手が迫っていた

29 :
他の触手より二回り程太いそれはリナの太股に絡み付くと上へと這い登る
股間へと辿り着き、這い回った後、先の触手達によってぬめる場所を探り当てると、その奥へと押し入っていく
侵入されていく恐怖に怯えながら、ガウリイを呼ぶリナ
しかし、いまだガウリイの姿は無く、疼き続けていた身体にやっともたらされた刺激に喘ぎ声をあげるリナ
そしてそんなリナを攻め立てるべく、触手達は蠢いていった

30 :
「いやっ!ガウリイっ!ガウリイっ!」
太い触手が出入りを繰り返し与えられる刺激に身体を震わせるも、嫌悪感に抗うリナ
依頼主達の妨害により遅れて密林にやってきたガウリイの耳にリナの叫びが届く
急ぎ駆けつけた先には巨大な吊り鐘型の花
リナの気配はその花の中
焦る心を抑えつけ、剣を構える
接近を阻止しようと迫り来る触手の群れを全て断ち斬り本体へと迫るとその大きな茎に斬りつけた
ゆっくり倒れていく植物
リナが囚われている花も横倒しになり地面へ
駆け寄ったガウリイの前に大量の液体に押し流されて出て来るリナの姿があった

31 :
とりあえずここまで
続き書けたらまた投下します

32 :
>>30の続き投下します。ここからは主にガウリナですが、苦手な方はスルーで
目の前には身体を覆いつくすほどの触手に絡みつかれたリナの姿
「リナッ!」
叫んで駆け寄りもう動かなくなった触手を手で引き剥がす
「がうりぃ・・・・・・?」
弱々しいが、ほっとした様子リナの声を聞き、ガウリイもほっと息を吐く
「リナ、大丈夫か?どこか怪我してないか?」
「怪我は・・・・・・してないと思う」
「そうか。今出してやるからな」
「あっ、ちょっと待って」
「ん?何だ?」
「その・・・・・・服が」
「服?・・・・・・・あ」
ちょうどガウリイが上半身に絡む触手を剥ぎ取った所だった
服は端切れ状態でほぼ全裸に近い姿
「と、とにかくこのままじゃどうしようもないだろ。
それに他には誰もいないんだ。今更恥ずかしいも何も」
「恥ずかしいもんは恥ずかしいのよっ!」
赤くなりぷいっと顔を背けるリナ
少しいつもの元気を取り戻した様子が見られて小さく安堵の笑みを浮かべると
ガウリイは真剣な表情で束縛を取り払いにかかった

33 :
下半身に絡まる触手に手をかけると、もう一度リナから静止の声がかかる
問い返すと何か言い淀み、何でもないと尻すぼみな声が返ってきた
すぐにその理由を知り、目の前の光景に一瞬固まるガウリイ
他の触手とは異質な見た目のものが、リナの体内へと潜り込んでいる
リナをちらっと見やると顔を背けて目を瞑りぎゅっと唇をかみ締めている
どうしたらいいものかと思案しながらそれに手をかけるとリナが呻き、はっと手を止めるガウリイ
「痛いのか?」
傷つけてしまったのかと焦りながら聞くと横に首を振るリナ
「ちがう・・・・・・の痛いんじゃ、なくて」
また言い淀むリナに状況が掴めずにいると、大丈夫だと思うから引き抜いてくれと言われた
万が一傷つけてはと慎重にリナの中からそいつを引っ張り出しにかかる
「んあっ!」
リナがびくんと身体を跳ねらせる
再び驚いて手を止めるガウリイに、大丈夫だとリナ
意を決した様子のリナに、媚薬効果のあるらしい液体を飲み込んでしまったと瞳を潤ませながら告げられ、ゴクリと唾を飲むガウリイ
「あっ、あああっ・・・・・・んくぅっ・・・・・・」
リナの目尻を涙が伝う
案外あっさりとそれは引き抜けたが、僅かな振動でも感じてしまうようで
堪えきれずにリナが叫ぶ。その様子にまたガウリイの喉が鳴った
ガウリイは自分の下半身がヤバイ状況になっているのを自覚していた

34 :
無事だったマントにリナを包み、ガウリイは近くの泉へとリナを抱えていった
自らも着ているものを脱ぐと再びリナを抱えて泉の中へ
リナの体中についたものを洗ってやろうとガウリイが手を滑らせると
その動きのひとつひとつにリナは敏感に反応し、次第にガウリイの手もあやしい動きに変わっていく
「あっ・・・・・ああん・・・・・・がう、り・・・・・・あたしっ・・・・・・お願い、もうおかしく、なっちゃ・・・・・・」
自ら身体をガウリイに摺り寄せリナが強請る
ガウリイは岸辺に広げたマントの上にリナを横たえると正面からその中へ腰を沈めていった
「あああんっ!あっ、あっ、あっ・・・・・・んっ、んあっ、がう、りぃ・・・・・・っ」
動かされて間もなくリナの背がしなりやがて弛緩する
しかし、またすぐに飢えが襲ってくる。リナは無意識に腰をくねらせる
それにガウリイも応え、一層激しく腰を打ちつけていった
「あっ、ああっ、んっ、んっ、ガウリイっ・・・・・・はぁ、ああ・・・・・・すごい…・・・ああ・・・・・・」
自分からも腰を振り、もっとと強請るリナ
いつもと違う積極さにガウリイも自然と煽られていった
再び達したリナの中から一度引き抜くと、うつ伏せにしたリナの腰を持ち上げ、後ろから捻じ込んでいく
「「ひゃうっっ!・・・・・・あ・・・・・・あ・・・・・・んっ!んあっ!あんっ、っはぁ、ああんっ!」
激しく掻き回され突きいれられてリナが喘ぐ。
それから何度目になるのか、ガウリイの手に胸を押し潰されながら達したリナの中へ
ガウリイも自らの熱を放った
気絶してしまったリナが目を覚ますと、傍らに座っていたガウリイが大丈夫か?と聞いてきた
微笑んでもう大丈夫と答え起き上がるリナ
ふと自分を見下ろすとガウリイの上着を着せられていた
リナには大きいので、膝上丈のワンピースのようだった
見慣れている貫頭衣のはずなのに、スケスケのネグリジェなんかより気恥ずかしいとリナは思った
「あの・・・・・・ガウリイ?」
「ん?」
「その・・・・・・ありがと」
照れくささに顔を赤らめつつ、紡がれた感謝の言葉はガウリイにやっと聞こえる小ささだった
俯いてしまった小さな栗色の頭を万面の笑みでくしゃくしゃと撫でるガウリイ
撫でられている頭の主は珍しくおとなしく撫でられていた

35 :
触手×リナ×ガウリイ以上でおわりです
おわり書き忘れた
依頼した一部の村の人は花が人食いではないと知っていて
昔は村から娘を差し出して花を大人しくさせていたが、いつしか旅人を騙して送り込むようになり
運良く花も退治してもらえるか。倒せなくても先に女だけ行かせれば十数年は沈静化と目論んでいたということで

36 :
>>35
GJ!!
時代は触手ですねw
このスレも無事、しょくし・・・じゃなくて、
即判定を逃れたようで、
おめでとうございます。

37 :
GJ!
しょく…よりげにお恐ろしきかな、ぬめくじw

38 :
なめくじ最強説w

39 :
ガウリナ小ネタをひとつ
ガウリイ「うーん。やっぱりまだ小さいなー」
リナ「うにゃああああ!どこ揉んどるかああああ!」
ガウリイ「どこってリナの胸」
リナ「そーでなくて!」
ガウリイ「ん?ここを揉んで欲しいのか?」
リナ「あんっ!ちがっ、やめっ…」
ガウリイ「安心しろよ。オレが大きくしてやるから」
リナ「爽やかに言うなああああ!ああんっ!」
ーー数分後ーー
ガウリイ「リナすまん。お前の胸大きくする前にオレのモノが大きくなっちまった。そーいうことでー」
リナ「何がそーいうことなのよーーーーー!ああっ!あんっ、あんっ、あんっ」
がんばれリナ!育てよリナ乳!小さいままでもかわいいよ

40 :
>>39
GJ!
では自分も、
新スレ祝いに小ネタをひとつ。

41 :
【事情】
「無理よ」
手にしていた櫛を鏡台に置き、リナは困惑した顔でオレを振り返った。
最近リナと恋人になった。
おかげで、これまで容易に口にできなかったことを、言ったりしたりできるようになって来たわけだが。
しかしオレはまだ、リナに告げていないことがあった。
そして、ようやくそれを口にしたオレに対し、リナが発した言葉が上記のソレだった。
「でもなあ、リナ」
「無理ったら、無理!」
「でもやっぱり良くないって」
無理といいながらも、さほど怒っている様子はないが、えらく困った顔でリナが首を振る。
「そりゃあ、ガウリイの好みじゃないかもしれないけど。今更じゃない?」
確かに今更だった。
初めて出会った時から、なのだから、もう4年ほどになるかもしれない。


42 :
「や、好みじゃないっていうか、その・・・。
ばつが悪いっていうか。ムラムラするっていうか」
そう、嫌いじゃないんだ。だけど。
「そりゃあさ。女の子の服の事はよく分からないけどな。
オレとしては、やっぱりな? 確かに黄色は膨張色だけど、なんというか、赤の服に黄色は目立つから、その。ついつい、そこに目がいっちまうって言うか。エロいっていうか」
必に一気に言い切った後、先程にべも無く断られたセリフをもう一度繰り返す。
「なあやっぱり、その黄色いヤツ、やめないか?」
リナの胸は小さい。
その小ささは、服の上から見てもはっきりと判る程で。
そして、ある種の人間に絶大の人気を誇るその、飛んでも走ってもさっぱり揺れることの無い胸は、いつも服の上から黄色い布を巻いてあった。
まるでコレを見てくれ、とでも言うように。
そして、それを目にした人間は皆、一様に思うのだ。
やっぱり小さいなー、と。
まあ、それくらいならオレだとて、それほど目くじらを立てたりはしない。
からかわれたリナの報復が暴走したりしなければの話だが。
だが、しかし。
問題はその下だ。
胸元の黄色に気を引かれた人間は一人の例外もなく、その下にある上着の裾からチラリと見える、同色の部分に目をやって。
眼福とばかりに、ニヤリとするのだ。
それが、最近のオレには耐えられなかった。

43 :
いったい何処の誰が、自分の女のあそこを見せびらかしたいと思うだろうか。
世の中にはそういった人種も居ないではないが、あいにくオレはそうでは無かった。
上手く説明できたかどうかわからない。
だが、オレは必でリナに訴えた。
デザインが気にくわないわけじゃない。
だけど、もっと違う色に変えてもいいんじゃないかと。
だがリナは、そんなオレのセリフを聴きながら、泣きそうな顔で宙をにらんでいた。
「わかったわ。分かれましょう」
「っ!! リナ!?」
か細く告げられた台詞に、言葉を失う。
「どうしてだ、なぜっ!」
「だって、だって」
激高して、声を荒立てるオレに縋るように、リナは泣き崩れながら訴えかける。
「理由があるんだろ? 聞かせてくれ、リナ!」
「だって! コレ、姉ちゃんの手作りなのよ!?」
リナが理由を叫んだ瞬間、世界が凍った。

「えっと、・・・ルナさんの、て づ く り?」
「誕生祝い。姉ちゃん赤と黄色が好きらしくて・・・」
「・・・そっか、それじゃ、仕方ない、か」
がっくりと、オレもリナの前に膝を落とし涙を飲んだ。
「すまん。さっき言ったこと、忘れてくれ」
「うん。ごめん」

その後、リナはルナさんに手紙を書いた。
何をどう書いたのかは知らないが、翌年から例の黄色い布は、若干色調とデザインを換え、胸と局部ではなく、リナの腹と腿に巻かれることになった。
どうやら冷え性対策を理由に、リナがそうして欲しいと頼んだらしい。
そして、その年からルナさんは、オレにも服を送ってくれるようになった。
えらく胸元の開いた白っぽいヤツを。
聞くところによれば、どうやらルナさんは、赤と黄色の他に、白も好きらしかった。
END

44 :
ごめん吹いたww
GJ!

45 :
>>40
GJ!
黄色い布キターーーーー!
悩めるガウリイワロタw
リナもそういう理由なら致し方ないww

46 :
やっぱり女の子は赤よね〜☆
そうそう、あの子は胸がサミシイから、
ちょっとでも大きく見える様に、今年も黄色のセクシー路線でっと。
あら、リナから手紙だわ、久し振りねー♪
んー、なになに?『 姉ちゃん、今年も服をどうも有難う。』
いえいえ、どういたしまして。
『手に取る度に、姉ちゃんの真心が一目一目に感じられて、いつも涙が出そうになります。』
あらあら、リナちゃんってば、この間二人して帰ってきたばかりだって言うのに、もう里心がついたのかしら。
『ガウリイも家族の絆に感動して、泣いてました。』
うふふ。ガウリイさんも、ウチの家族の一員も同然なのに・・・。
『それから、姉ちゃんに内緒の相談があるのですが』
あらら、珍しいわね何かしら?
『次回から、送って貰うお洋服の胸元とお尻周りの布地を、もうちょっとだけ地味にして、
お腹の辺りが温かくなるように、デザイン変更してもらう訳にはいかないでしょうか。
実は最近、腰回りの冷えが心配・・・
というか、ぶっちゃけて言えば、出来ちゃったみたいなので、
ファミリー路線に変更といった風で行きたいのです。
まだ確定では無いので、父ちゃんには秘密にしてて下さい、それから・・・』
えええええっ!
ちょっと、ちょっと、お母さーん!
リナがもう出来ちゃったって!!
あら、父さんいたの?
そうなのよ! リナがね・・・

47 :
>>46
本編もおまけもGJ!
そら断れんわなw …おめでたふw

あっちで書かんかったが、二巻以降の装備「ミルク色の貫頭衣」ってのも
かなり危険な代物になってまうなー

48 :
そのミルク色の貫頭衣とやらで溺れた事もあったしな…

49 :
ミルク色は透けるよね
雨に降られたりしたらもうね

50 :
ガウリイ「なあ、リナ。前から聞きたかったんだが」
リナ「なによ?」
ガウリイ「『ややこしいところ』ってどこだ?」
リナ「そ、そんな事言えるわけないじゃない!」
ガウリイ「ここか?」
リナ「あんっ!何触ってんのよ!」
ガウリイ「リナが教えてくれないのが悪いんじゃないか。じゃあここか?」
リナ「やあんっ、違うわよっ!!や〜め〜れ〜!!」
ガウリイ「こーなったらとことん触って確認する。とことんつきあってもらうぞリナ」
リナ「手をわきわきするのやめいっ!メガブラン・・・んーっ!んんーっ!」
ーーーじたばたじたばたーーーーーー

51 :
思い出したが、かつて溺れた後ifを与えてくださった旧き神がいらした
ミルク色も淡い黄色(クリーム)にしても、なんと無防備なことよ
セイルーン入る前に保護者から教育的指導が入ったんだろうな
>>39
gj!ヽ(・∀・)ノシちっぱい!(・∀・)ノシちっぱい!
>>50
gj…えっと、いだいなばっちゃがいってた
「あなたが『ややこしい』と思うところが『ややこしいところ』だって
『たにんの同意がえられるとは限りません』って」

52 :
5月5日にちなんで「子供の日のプロポーズ」ガウリナ投下します
エロないです。ちゅっちゅのみ

53 :
あさ、めがさめたらパジャマがだぼだぼだった
おふとんの中には金髪の知らないお兄ちゃんがいて、ぎゅってされてた
あったかーい。なんか安心する匂い。あたしもぎゅってしてみる
この人誰だろう?じーっと見てみた
とーちゃんと同じくらいかっこいいかも?
うわぁ髪がきらきらでサラサラだー。まつげも長ーい
もしかして王子さま?お姫さまでもいけそうね
王子さまならあたし玉の輿に乗っちゃったの?
でもおかしいなあ。昨日は皆におやすみなさいをしてあたしのベッドで寝たのに
そういえばここどこ?あたしの部屋じゃない!
王子さまの部屋にしてはぼろっちいわ
もしかしてあたし可愛過ぎてゆーかいされちゃったの?王子さまは身代金目当て?
それならあたしが助けてあげなくっちゃ!
助けたお礼に金貨がっぽり!じゃなくて玉の輿よっ!
それにしてもゆーかいされたのに、よく寝てられるわねえ。のんき王子だわ
王子さまってキスしたら起きるのよね。あれ?お姫さまだったかな?
見た目お姫さまだからきっとどっちでもいいわよね
というわけでちゅっってしてみた
…おかしい。起きない
王子さまじゃないの?
そんなのずるい!あたしのファーストキスだったのに!
くやしいからもう一回してみた。今度は起きるまでちゅーーっって。負けないわよ!
そしたら今度は目がぱっちり開いた。ふふふ、あたしの勝ち〜!
うわぁ…晴れの日の色みたい
お天気の空色の目の上でおひさま色のまつげがぱちぱちしてる。おもしろ〜い
「誰だよお前」
びっくりしてた眉毛がぎゅってなって聞かれた
なんか怒ってる?
なによ起こしてあげたのに!
「あたしはリナよ。リナ・インバース。あなたは王子さま?」
「へ?王子様?違うぞ。オレはガウリイ。ガウリイ・ガブリエフだ」
「ええええええええ?!王子さまじゃないのーーーーーっ?!」
つづく

54 :
「そんなのずるいっ!あたしのファーストキスかーえーせー!」
「ずるいって言われてもなあ。オレ自分の事王子だって言ったのか?」
「…言ってないけど。でもれでぃのファーストキスを奪った罪は重いのよっ、せきにんとらないとなんだからっ」
「せきにんって何だ?」
「ばいしょーきんとかおよめさんにもらうとかしないといけないのよ。でないと悪人なんだから。悪人にはじんけんがないんだからねっ!」
「じんけんって何だ?」
「…よくわかんない。でも手加減なしに攻撃魔法でぶちのめしてもいいってとーちゃんがいってた」
「ふーん。よくわからんが、お嫁さんならもらってやってもいいぞ」
「ほんと?あ、でもガウリイって王子さまじゃないのよね?あたしの夢は白馬の王子さまの玉の輿なのに。ばいしょーきんでもいーわよ」
「ばいしょーきんって何だ?」
「うーん。よくわかんないけど、とにかく金貨ウン百枚とかがっぽりよ」
「金貨ウン百枚なんてオレ持ってないぞ。そんなにおこづかいもらってねーもん」
「うーん…しょうがないわねえ。じゃあおよめさんで手を打ってあげるわ」
「ほんとか?」
「いーわよ」
うーん。われながらリナちゃんてばふとっばらー
「じゃあ約束な」
おひさまみたいににっこり笑ってまたぎゅってされた
「うん」
胸の中がほわんってなってうれしい気持ちになってあたしもぎゅってした
「けっこんの約束をしたらちかいのキスをするものなのよ」
「そーなのか?」
「そーよ。らぶらぶな二人はそーなんだってエリシーが言ってたもん」
「エリシーって?」
「近所の子」
「へー」
あたしはへへんと胸を張ってちかいのキスを待ちかまえた
…なかなか来ない。
目を開けたらガウリイは、あたしの肩に両手置いたまま顔赤くして固まってた
「もう!何やってんのよ、はやくしなさいっ!」
って言ったら
「お、おう」
ってあわてて言ってちゅってされた
次の瞬間「ぼむっ!」て爆発みたいな音がして…

55 :
あたし達は元に戻っていた
…小さくなっていた時の記憶そのままで
「あれ?」
「えーーと?」
二人しばらく呆けた後、お互い真っ赤になった
「なあ、リナ」
まだちょっと赤い頬をぽりぽりとかきながらガウリイが言う
「あによ?」
照れくさいからどうしてもぶっきらぼうな口調になる
「さっきのはどっちからプロポーズした事になるんだ?」
「そ、それはやっぱりあんたからでしょ」
「そっか」
「そーよ」
「じゃあもっかい誓いのキスな」
今度は余裕のキスが降ってきた。やっぱりガウリイってずるい
「小さいリナってめちゃくちゃ積極的だったなー。自分からキスしてくるし」
「あ、あれはまだそーいう事をよくわかってなかったからでっ!」
「オレ達に娘が生まれたら、やっぱりあの小さいリナそっくりなんだろーなー
かわいいなあ」
「…ガウリイ似の娘かもしんないわよ?」
「うーん、リナとの子供ならそれでもいいけどな
両方作るか?よし、早速作ろう今作ろう!」
「作るかじゃなーいっ!朝っぱらから何言ってんのよっ!」
しかし、その後あたしの抗議は実らなかった
おわり

56 :
>>47-49
>>51
濡れたミルク色の貫頭衣・・・ロマンを誘う言葉だw
色々透けたりなんだりで、やることやった後のガウリイが、
慌ててリナをうつ伏せにさせたのも頷ける。
>>50
触診ガウGJ!
『ややこしいところ』は『変なところ』と並んでロマンが一杯!
>>52
端午の節句GJ!
なぜか『がっぽりよ』が、えらくツボったw

57 :


58 :
以前ネットで見かけた、踊り子衣装のリナ(いろんなところがスケスケ)はA先生の絵なのかなあ

59 :
>>52
流石は見た目だけなら王子様w
良い子供の日でしたgj!

60 :
>>58
どんなのだろう?<色々スケスケダンサー
先生発案だとすると本誌上の特集ページか、時々内容とは関係ない萌え絵が載る挿し絵かな?
アイドル服なら短編(すま4)にもあったね
これはへそとか脇とか鎖骨とか乳下とか絶対領域とかリナにしては露出度が高いがスケスケではないか

61 :
踊り子の衣装と聞いて、一番に連想したのは、
リナのディグリー・ローブだった件w

62 :
>>61
女の子だから可愛らしくピンクで、ってことらしいから、フリルやリボンつきの甘ロリ風ローブな気もしますが。
「リナ、おまえこういう趣味もあったんだな」
「ぬああ、なに人のタンス勝手に漁ってるかなこのクラゲ頭わっ!?」
「そんなに照れるなよ。結構似合ってて可愛いと思うぞ?」
「え、そ、そう?」
「だから今日はお前にこれを着てもらって新鮮な気分でコスプレHを……」
「結局それが目的かあぁぁっ!」 
というのもいいなあ、とか。

63 :
>>60
おちくびと下のヘアも透けてて、恥じらいの表情で全体的にピンクっぽいアラビア系?の踊り子衣装だった。
最初同人絵かな?って思ったけどじっと見てるうちにどっちかわかんなくなったw
すごくかわいかったけど…

64 :
>>63
うわ何だそれ。かぶりつきたいぞ
踊り子さんなので手は触れません
>>62
ガウリイ、タンス漁るなww
もっとやれw

65 :
こすぷれネタで一本やっつけようと思ったが、
どうもエロい方向に(脳内妄想が)盛り上がれない。
コスプレHの魅力を誰かプリーズ(T_T)

66 :
>>65
そらシチュエーション萌えと性格によっては羞恥プレーよ

67 :
>>65
普段とは方向性の違う服装であるが故の戸惑いと恥じらい。
「どうせ似合わないわよ」「いや似合ってるぜ」というベタなやり取りもgood。
衣装に合わせた設定を取り入れたイメクラ的シチュエーション。
IFものと異なるのは、あくまで演技なため照れや素の表情が見え隠れしてしまう点。だがそれがいい。
そして半脱ぎ着衣プレイ。
全部剥いでしまうのはコスプレHとしては邪道。フィニッシュはいつものお前が一番、というのもアリだが。


68 :
ディグリーローブはあらいずみ絵で挿し絵にあったような?
うーん、どこだったか
コスプレHは潜入捜査の依頼でそこにあった服に
だったら恥ずかしがりやの彼女も着てくれるはず!
正義に燃える彼女はもうノリノリで着るにちがいない
着るまでの過程も色々ありそうだ

69 :
あったあった。カラーのやつね。ノースリーブだったきがする

70 :
「なあ、リナ誰もいないぞ」
「そうね、今のうちに…」
「何をするつもりだお前は。目立つのはごめんだぞ」
「人知れず行うといえばやはり正義っ!これしかないわっ!!」
「あーはいはい。テーブルに足乗っけないよーにね
ということで『ほしゅ』」

71 :
「あっ。だめ・・・、ガウリイ・・・」
人っ子一人いないスレの片隅で二人は忍び会っていた。
「なんでだよ、誰もいないし、いいだろ、リナ?」
優しい癖に無遠慮な手が、リナの上着の中に忍び込む。
「駄目だってば、だ、だって、こんな所じゃあ」
誰か来るかも・・・、言い掛けたリナの言葉は首筋への口づけで、吐息となって溶けていった。
「あ・・・・・」
背中から回された手で乳房をやんわりとこねられ、息が上がり始める。
腿を探っていた手が、足の間の密かな部分を目指し、内股をゆっくり滑って来る。
ガウリイの上着の上腕を握り締め、リナはぶるりと震えた。
それは期待と快感、そして・・・。
「オレが欲しい?」
ガウリイの欲望に掠れた低い声に、リナは小さな声で頷いた。
「ほし…」
そんなわけで、ほしゅ。

72 :
>>71
しかしスレの片隅でメモリーオーブが二人の様子を静かに受像していたのだった
ふふふ71GJ

73 :
リナって抱き枕によさそう

74 :
ガウリイって・・・以下同文

75 :
ガウリイ「リナは自慢の髪だって言うくらいあって触り心地いいんだよなー
胸も小ぶりだけど敏感だし
尻もいいよなーーーー
パイズリは無理だが今度尻で
…ってリナいつからそこに!?椅子はやめろ椅子h」

76 :
あたしリナ=インバースとガウリイはとある遺跡に来ていた
目的はもちろんお宝げっと!
いくつものトラップをなんとかくぐり抜け、おそらくこの扉の奥にお宝があたしを待っているはず!
あたしは期待に胸膨らませ、扉を押し開いた
思った通り、扉の先にはいかにもといった感じの台座がひとつ
そしてその上には淡く黄色の光を放つオーブが乗っていた
あたしは扉の内側に一歩踏み出し…
「リナっ!」
叫び、ガウリイがあたしを抱き締め、体を捻るようにしながら左手へと跳ぶ
ガウリイに庇われながらあたしが見たのは目映く輝くオーブ
その光が一筋の線となり、こちらへ向かい、ガウリイの背へと当たるとその身を包んだ 

77 :
あたしとガウリイはそのまま冷たい石の床へと倒れ込んだ
「ガウリイ、大丈夫?」
「う…リナ怪我はないか?」
「あたしは大丈夫よ。それよりもあんた…光ってる」
「えっ?」
そう。ガウリイは黄色い光に包まれていた。そしてその光が次第にガウリイから離れるように移動して何かを形どっていく
やがてその光が収まり、そこに出現したのは
もう一人のガウリイだった

78 :
「リナはオレのだぞ!」
「なんだと?オレのだ!」
「だー!うっさあああああいっ!あたしは誰のものでもないわあああああっ!」
あたしは両手に構えたスリッパで2つの金の頭をどつき、やっとおとなしくなった二人に溜め息をひとつ吐いた
あたし達はオーブを手にとりあえず遺跡近くの町へと戻ってきていた
ここは宿屋の一室、あたしの部屋
さっきから押し掛けてきたガウリイ二人がもう何度目かわからない言い争いをしていてうるさいやらややこしいやら
謎を解明しようと、このオーブについての文献を再度読み返していたのにはかどりやしない
増えたガウリイは一体どういった存在なのか
単なるコピー。某鏡のようにどこかしら相反するものなのか
元に戻す方法は?などなどわからない事だらけで
しかも困った事に遺跡から戻る途中で本物がどっちかわからなくなってしまったのである
まあ、例えば本物のガウリイがあの光によって押し出されたというのであれば、分裂した直後に印をつけておいても意味はないのだが
スリッパ制裁でおとなしくなった二人をじろりと観察する
今のところ、見た目はもちろん行動面でも違いは見られない
うーん。どうしたもんか

79 :
わくわくドキドキヽ(・∀・)ノ

80 :
「ふぅ…」
分厚い本を閉じ、天井を見上げる
再度遺跡に関する文献を読み返してみたものの、新たな発見はなかった
「明日図書館で関連書物を漁ってみるしかないかー」
うーんと伸びをして振り向くと、そこにはガウリイズ
「もう一週間だしなー」
「抱きついた時の感触がもう」
「わかるわかる」
何やらこそこそ話をし、二人見つめあいうんうんと頷き合っている
何意気投合してんだか
あんなに仲悪そうだったのに、いつの間に仲良くなったんだろ?
まあ、ぎゃいぎゃいと騒がれるよりはいっか
などと思いながら、調べものの疲れもあり、ぼんやりとガウリイズを眺めていると、そんなあたしのほうへ、二人のガウリイが近づいてきた

81 :
がっしと両の肩にそれぞれの手がかかる
『リナ』
うわ息ぴったり。双子か!
いやそーでなくて
ガウリイズから放たれる気配にあたしはなんとなく嫌〜なものを感じていた
「な、なによ?」
思わず身構えて答えたあたしに向けられたのはにっこり笑顔が2つ
…気のせいか怖い。ていうか目の奥!絶対こいつら何か企んでるっ!
その眼差しは盗賊いぢめを見つけた時とどこか似ていて、あたしは反射的に身をすくませた
「あんまり根詰めると体によくないぞ」
「そーだぞ」
「そ、そーね。えっ?ちょっと!」
一人のガウリイが椅子を引き、もう一人がひょいとあたしを抱き上げスタスタとベッドへ
ベッドへ向かう間に椅子を引いたほうがあたしのブーツを脱がせ、ベッドの脇へ
ぽふんとシーツの上へ降ろされたあたしの前にはガウリイ。後ろにもガウリイ
流れるような連携だわーなどと感心してる場合じゃなーい!
こ、こりはやはり…

82 :
「ん〜〜〜!んんん〜っ!」
あたしは前から覆い被さってきたガウリイに口を塞がれていた
深く口づけられ、舌を絡め取られる
後ろ側からはもう一人のガウリイが上着を剥ぎ取り、うなじに舌を這わせながら胸を揉んでいる
「んっ、ふぁっ、ああんっ!」
やっと口を解放されると恥ずかしい声が部屋に響いた
「あ、あんたたち何考えて」
『リナのこと』
「だからハモるなー!っああっ!」
胸の先を強く摘ままれてツッコミもままならない
「だってもう一週間もおあずけなんだぜー」
そう言いながら、前のガウリイは腹部、脇腹へとたどりながらあたしのズボンに手をかけている
後ろ側のガウリイは胸を愛撫しながら背中へと舌を這わせていた
抗う間もなく下半身に纏うものも剥ぎ取られ、脚を割られてそこに顔を埋められる
「あああん!やぁ、だ、めぇ」
「リナ」
後ろから声がかかり、振り向かされて口を塞がれてしまう
喘ぎはくぐもり、代わりに上と下の口からの卑猥な水音が耳を刺激した

83 :
両の口を舌で犯され、胸と尻を愛撫されてあたしは達した
脱力したあたしを二人のガウリイは俯せにすると、一人が腰に一人が肩に手をかけ持ち上げた
「ああああっ!」
後ろから一気に突き入れられて背を反らせるあたし
「くっ…リナ。すげぇ締め付け」
気持ち良さそうなガウリイの声が後ろからしたかと思うと正面からは
「オレはこっちな♪」
楽しそうな声と共に口内に押し込まれた熱く硬いモノ
「ふむっ!むむむ〜〜!」
苦しさに抗議の声をあげるも肩と後頭部を押さえつける手から逃れる術はなかった
「んっ、ふむっ、んっ、んっ、んっ」
膣内と口内でそれぞれガウリイが動き始めた
一人は膣内へ突き入れながら乳房を荒々しく揉みしだいている
もう一人はあたしの髪に指を絡めるようにして後頭部を掴み、口内へ腰を突き込んでくる
あたしも気付けば口の中のモノに舌を絡め、腰を振っていた
「リナ…」
「リナ…」
両方から交互に、そして同時に何度も名前を呼ばれてわけがわからない
苦しくて、でもとてつもなく気持ちよくてやがて襲い来た白い快感にあたしは身を委せた
きつく締め付けたあたしの中にガウリイが熱い息と共に吐き出し
直後には口内でもう一人のガウリイが注ぎ込んだものをあたしは飲み干した
唇の端から飲みきれなかった分が伝い、内股にも同様のものが伝い流れていた
荒い息をつき、シーツに沈むあたしの髪を撫でながら、一人のガウリイがやさしく微笑みかけていた
その姿をぼんやり見上げていると、突如黄色く輝きだし、あたしはハッと目を見開いた

84 :
発光したガウリイの輪郭がぼやけていく
もう一人はと見るとそちらには変化なし
そのまま見守っていると、ガウリイの姿をしていた光は小さい光の珠となり、もう一人の方へと飛び、
その身に当たると吸い込まれて消えた
「ガウリイ?」
「ん?」
「なんともない?」
「うーん…大丈夫みたいだぞ」
「…そう。だったらいいけど」
結局コピーや偽物ではなく、あれもガウリイの一部だったのか?
「結局なんだったのよ…」
「さあなー?」
あたしは再び脱力してシーツに身を沈めた
翌日、謎を解明すべくあたしは魔道士協会の図書館へと赴いた
新たにいくつか見つけた関連書を手に宿屋へと帰る
部屋の前で鍵を取り出していると、勢いよく開く隣のドア
「リナっ!」
「ガウリイ?どうしたのよ?」
「それがなあ…」
言い淀むガウリイにわけがわからず首を傾げていると、ガウリイの後ろからひょっこりのぞく人影が二つ
「リナー」
「リナー」
……………………
バサバサとあたしの手から借りてきた本が落ちていった
でもそんなのもうどーでもいい
「なんかわからんがまた増えた。しかも今度は二人
ってリナっ!」
「リナっ!」
「リナっ!」
床に散らばる本の上に倒れ込み、意識を手放していくあたしの周りで3人に増えたガウリイがわたわたと騒いでいた
「ふふふ…ふふふ…あんたらビスケットかぁぁぁぁ」
事態は収束どころかエスカレートしたまま、あたしの呟きが虚しく廊下を漂っていたのだった

《おわり》

85 :
以上。おそまつさまでした
では名無しに戻ります

86 :
ガウリナ3Pwwwww おもろかったw乙乙
個人的に、次回投下時はもうちっとまとめて投下してくれると、全裸大気時間が短くて助かるw

87 :


88 :
しゅ☆
80の方乙
うん。リナ頑張れ色々とwww
二スリッパ流闘法とビスケットに大ウケしたわ

89 :
>>76
GJ!
ポケットの中のガウリイさん!
やはり増殖するのはデフォですよねw

90 :
そう言えば、ガウリイ複数は鉄板だけど、
リナ複数ってのはあまり見ないなあ。

91 :
ガウリイ複数だとリナ置いとけば寄ってくるけど
リナ複数だとあっちこっち行っちゃいそうだねw
それを必に集めに回るガウリイとかw

92 :
リナA「あたし盗賊いぢめ〜!」
リナB「じゃああたしは魔道士協会で魔道書読みまくり〜!」
リナC「あたしはこの街の名物食べ尽くすわ」
リナD「なんであたしがガウリイ引き留め係なのよー!」
リナABC「顔真っ赤よリナD。恨むんならクジを恨むのね」
こんなんですか?

93 :
増殖リナ活用法
バスタブにお金入れて浸かるというののリナバージョンでリナ風呂どうよ

94 :
もう綾波水槽につっこんどけw

95 :
>>94
想像してしまったw
混じってる混じってぷかぷかしてるw

96 :
コピーリナちんをお忘れじゃありませんか諸兄
でもそれでもガウリナ3Pだと俺得

97 :
あっごめん、鏡に映ったリナらしくないリナを忘れてた
4Pどうぞー

98 :
リナ百人隊
坂の上から百人のリナがかけ降りてくるというドッキリ

99 :
>>98
某DSのように、108人のミニリナがガウリイにまとわり付いている場面が脳裏にw

100 :
神待ち
ひゃく!

101 :
♪リーナリーナ11匹のリーナ
リーナリーナ11匹のリ、ナ♪

102 :
ガウリナ前提のリナ浮気ネタ投下します
苦手な方はスルーーでお願いします

103 :
安宿の一室、階下から微かに聞こえる喧騒
鍵を閉めるのももどかしい様子で部屋に入るなり、あたしは壁に押し付けられた
黒髪短髪、顔はなかなかのハンサム。背はあたしよりやや高いくらいか
彼の名はアラン。とある依頼で一緒になって、依頼終了を祝って酒場で飲み交わした
相手が魔法も使えるとあって話も弾み、杯も進んだ
ほろ酔いのまま、その勢い
「彼氏以外の男も試してみないか?」との誘いに好奇心から乗った
月明かりが僅かに照らす部屋の中、二人の荒い息
貪るようにお互い口付け、身体を弄り合う。脱ぐのも面倒と最小限に肌蹴た状態で行為は進んだ
あたしはいつもの魔道士スタイルではなく、依頼で着た真っ赤なタイトのワンピース
その裾をたくしあげられ、下着の片紐をほどかれて引き下ろされる
片方の足首にそれが引っかかったまま、股間を弄られて腰が揺れた
荒々しく探られたそこは既に濡れていた
這い上がってきた片手が細い肩紐をずらし、胸の膨らみを揉みしだく
「んっ、は、あ、んっ、んっ」
あたしは身悶えながら腰を彼の手に押し付け動かしていた
「ああっ!んっ・・・・・・」
片脚を抱えられ、待ち望んでいたモノを受け入れてあたしは壁に背を添わせ感じる
「んっ、あ、あっ、んっ、っは、ぁ、い、い・・・・・・」
奥まで突き入れられてすぐ始まった腰の動きに合わせてあたしは喘ぎ、自らも腰を動かしていた
「あんた、いい、カラダ、してんな・・・・・・めちゃくちゃ気持ちいい」
あたしの奥へ腰を突き入れながら荒い息の彼が呟き、その動きを速めていく
激しい動きと共に安宿の壁がミシミシと軋む
流石に壊れたりはしないだろうが、その頼りなさが壁の薄さを伝えてきた
おそらく今あたしがあげている恥ずかしい声も廊下まで聞こえてしまっているだろう
頭の隅ではそう思っても、恥ずかしさは募っても気持ちよさに声は抑えられなかった
身体の奥を打ち付ける快感に痺れ、どうでもよくなってくる
乱れる吐息と鼻にかかった声。ぐちゅぬちゅいやらしい音が満たす部屋で彼にしがみつき腰を振るだけ
時間の感覚も朧気な中、ただ気持ちよさを求めてあたしたちはお互いの身体を貪っていた
激しい行為のせいで結合部は泡立ち、掻き出されたものが脚を伝い床をも濡らしていった
「あっ、あっ、あっ、んっ・・・・・・あた、し、もう・・・・・・イッちゃ・・・・・・」
彼の首に腕を回し腰を揺らしながら、迫りくる感覚にあたしは目を瞑り待ち受ける
あたしの声に応えてか、彼の動きが一層激しくなりあたしは一気に押し上げられた
ガクガクと震える身体を反らせあたしは達した
強く締め付けるあたしの中に突き入れたまま、彼が小さく呻く
やがて弛緩したあたしの中から引き抜くと股間へと熱さをぶちまけた
裾を捲くり上げられ、露になった下腹部を白濁したものが濡らしていった

104 :
しばらく二人壁に寄りかかり、乱れていた息を整える
やがてあたしを壁に押し付けていた彼が身体を離し、
あたしはまだあまり力の入らない身体を壁にもたれかけたまま、自らを見下ろす
外に出してくれたのはいいけれど、いまだ剥き出しになったままの下半身は白濁にまみれていてすごくいやらしい
茂みからお尻のほうまでおもらししたみたいになっていて、太ももを伝い床にも滴っている
部屋にあったのを持ってきたのか、戻ってきたアランが手にしたタオルであたしの下腹部を拭ってくれた
「・・・・・・エロイな」
「・・・・・・言わないでよ」
力の入りきらない身体を壁に預けて、されるがままに拭われながら、あたしは恥ずかしさに顔を赤らめていた
アランは屈むようにしてぬるついた所を拭っていく
「ん・・・・・・ふ・・・・・・」
拭われる感触と間近で見られている羞恥心とでイッたばかりの身体が再び熱を帯びているのをあたしは自覚していた
無駄とはわかっていても、熱くなりがちな息を唇を噛んで堪える
「やっ、ちょっとやめてよ」
タオルではなく彼の指が直接股間を弄り始めたのに気付いて、あたしは制止をかけた
「でもまた溢れてきてる」
あたしの制止など聞くつもりはないらしく、彼の手は動きを止めなかった
「そんな、ことっ、んあっ!!!」
深く指を突き入れられて、あたしは声をあげる
「まだ足りないみたいだな」
二本の指をぐちゅぐちゅ出し入れしながら楽しそうな声が聞こえてくる
「や、あ。や、め・・・・・・」
拒絶の声とは反対にあたしの腰は既に彼の指に応えていやらしく動き始めていた
「俺もまだ足りない」
アランはニヤリと笑うとあたしを抱え上げ、部屋の中央にあるベッドへと運んだ

105 :
今度は二人とも全て脱ぎ捨て身体を重ねた
「う、あ、ああん!」
大きく脚を開かれ、いきなり入ってきた彼にあたしは枕に頬を擦り付け喘いだ
間を置かず揺すられてあたしは鳴く
自らも腰を揺すり、さっきとはまた違う動きに応えていった
立ち上がった胸の先を舌で攻められ、深く浅く揺すられてあたしはシーツを握り締める
「あっ!ああん!いいの、そこっ・・・」
「ここか?」
気持ちいい所を執拗に攻められ、あたしは声もなくこくこくと頷き身を捩じらせる
やがてまた達したあたしをアランはうつ伏せにすると、後ろから入ってきた
力は入らないあたしとシーツの間に手を入れて、胸を揉みながら腰を叩きつけてくるアラン
肌のぶつかり合う音とあたしの喘ぎ声が薄暗い部屋を満たしていった
そしてまたあたしは限界を迎え、アランはあたしから引き抜いたモノを閉じさせた太股で挟み擦ると吐精した
今度は腹部から胸にかけて白濁が飛び散った
「何度抱いても抱き足りないな。あんたは」
「ありがと。でもだめよ」
やっと行為を終え、お互い服を整えながら交わされる会話
「そうだな。俺も命が惜しいんでな」
「バレたらされるかもね」
苦笑交じりの声にあたしも苦笑で答える
「じゃあ俺は一足先に発つことにするよ」
「そう」
「あんたは大丈夫なのか?もしバレても」
「さあね?・・・・・・なによ、心配してくれてるの?」
「一緒に逃げるって手もあるぜ」
冗談か本気かわからない言葉にあたしは首を振って答える
「あたしの旅のパートナーはあいつだけだから」
「そうか」
夜明けにはまだもう少し。静まり返った街角であたしたちは別れた
お互い振り返ることもなく

106 :
「ん・・・・・・」
目覚めると眩しい日の光と鳥の囀り。そして見慣れた腕とぬくもりに包まれていた
「ゆ、め?」
周りを囲う腕の中、身体を反転させると見慣れた厚い胸板と金の糸
「おはよう、リナ。どうかしたのか?」
青い瞳が姿を見せ、まだ少し眠そうな声が問いかけてくる
「変な夢みちゃった」
「夢?どんなのだ?」
「・・・・・・浮気する夢」
「・・・・・・」
しばしの沈黙の後、抱きしめる力が強くなる
「ちょっと、苦しいってば」
「・・・・・・誰とだよ」
不機嫌な声、というより拗ねてるのか?これは
「妬いてるの?」
なんだか可笑しくてからかう様に言うと真剣な声がかえってきた
「当たり前だろ。で、誰とだよ」
「あたしも知らない人よ。依頼で出会って酒場に行ってそのまま酒の勢いで」
「・・・・・・おいおい」
「だから夢だってば。かなりリアルだったけど、ってちょっとガウリイ何してんのよ?」
「そんな夢忘れさせてやる」
「もう朝っ!あんっ、やだってもう!」
「リナが悪いんだからな」
「夢の事までしらないわよ、んあっ、や、めっ」
「あっ、やっ、がう、こわれっ、ちゃ、う」
朝の日差しの中、シーツの上に押し倒されて激しい律動にあたしは喘ぐ
「お前はオレだけのものだからな。誰にもやらん」」
耳元で囁かれたいつもより低い声に背筋がざわめいた
嬉しさなのか恐れなのかもっと他の感情なのかわからなかったけれど
不思議と彼の言葉を否定する気は起こらなかった
答えの代わりに彼にしがみ付き、たまらない気持ちよさに身を任せた
「あっ、あん、がう、り、いい、の、あ、あ、すご、いっ」
やってきた波に脚も絡ませて身を震わせ、奥で解き放たれる熱をあたしは感じていた

そんな夢のことなどすっかり忘れた頃
「・・・う、そ」
あたしは驚きに思わず呟いていた
依頼を受けて訪れたある領主の屋敷の一室
容姿も名前も夢の中とそっくりそのままの彼がそこにいた
<了>

107 :
名前消しつつ退散!
でわっ

108 :
>>107
面白かった
お互い同意の上での浮気ネタもいい物だね

109 :
ナゴド、0ー0の中、バットがスタンドイン(内野)

110 :
ちょwww
青こあらw
>>107
GJ!!!
その後も気になるw

111 :
>>107
GJGJ!!
俺も続き気になる…

112 :
保管庫に1個もオゼルの絡みが無かった・・・

113 :
オゼルっつ誰だっけとマジで一晩考えたw
エボレボのからくり人形か
ググれよ自分

114 :
>>112
つ 言い出しっぺの法則
>>107
gj!
続きの黒ガウ降臨ヨロ!

115 :
>>108
>>110-111
>>114
レスありがたい
もっとスルーされるかと
106続き何パターンか考えて書いた一つはエロほとんどなかったので未投下にしてました
>>114
黒ガウリイ展開いいですな
その線で考えてみます

116 :
うわぁあああ!! 復活している!!!今更だけど、嬉しい!!

117 :
>>116
らっしゃい!(板前風)

118 :
「リナ、なに見てるんだ?」
旅の途中で実家に立ち寄り、リナの部屋で一息ついていた二人。
椅子に座り剣の手入れをしていたガウリイは、リナが本棚の前で何かを熱心に見ている事に気付いた。
自分に呼びかける声で我に返ったリナは、傍らの恋人を微笑みながら振り返る。
「ん、これ。こんな事あったんだな、懐かしいなぁってついしみじみしちゃった」
その手に持っていたものは、赤い表紙に金字で【Memorial】と書かれた本。
「メ…モリアル?日記か?」
「あったとしてもそんなもんあんたに見せるわけないでしょ!!
家族で描いてもらった肖像画とか…記念事の時に描いてもらった肖像画とか色々
小さく印刷したものを入れてあるのよ」
「へぇ〜〜そんなもんあるのか。見せてもらっていいか?」
はい、と手渡されたそれを1ページずつめくると、そこには産まれたばかりの愛らしいリナや
何かの祭り事の時だろうか、花束を持ち満面の笑みを浮かべるリナなどの絵が残されている。
「へぇ〜〜〜〜!!可愛いなぁ」
自分が見た事のない幼いリナの姿を初めて目にし、ガウリイの顔も自然と綻ぶ。
「生まれた時からあたしは可愛いのよ、当然じゃない」
姉とコスモス畑で並んで笑っているリナ
おめかししたおすまし顔で「Happy Birthday」と書かれたケーキを手にしたリナ
熱心に1枚1枚見ているガウリイの手がつと、ある絵で止まった。
「あれ、これ…俺じゃないか」
「あ!!!あああああああ!!!!!!」
 し、しまった!!そこに入れてたのついうっかり忘れてた!!!!
「もっ貰ったのよ!だいぶ前にシルフィールに!!そ、そんで持ち歩くのもなんだかなって
帰ったときにそこに適当に挟んでただけなんだからね、勘違いしないでよね!!!」
自分が失念していた事に対する焦りと、ガウリイの絵を持っていた事が本人に知られた羞恥とで
思わず顔を赤くして必に弁解するリナ。恋人の肖像を持つ意味の何が勘違いというのか。
そんなリナを見てガウリイは先ほどのそれとは違う、明らかに意地悪な笑みを浮かべる。
「へっえぇ〜〜…シルフィールなんてもう何年も会ってないよなぁ?
そんな昔から俺の絵、持ってたんだな、リナ」

119 :

 くっ…あたしとした事がなんたる不覚っ…!!このくらげにこんな弱点を見られるなんて!!
 しかも弁解も墓穴でしかないじゃないのおおおおおおおおぉぉぉぉお!!!
更なる追撃を想像し身構えるリナ。
しかし、ガウリイはそんなリナを、ふっ…と意地悪さを消した優しげな笑みで見つめる。
「色々、あったなぁ」
「へ?え?あ、あぁ…そうね」
拍子抜けしたせいか、間抜けな声の返事が出てしまった。
「最初出会った時は…
お前がこんなに大事な存在になるなんて、全く予想もしてなかったよ」
出し抜けにし文句を言われ、思わず言葉に詰まる。
今度はまた、先ほどとは違う恥ずかしさで顔が赤らみ熱を持つのが分かる。
 ほんとに、このくらげは…恥ずかしげもなく良く人の実家の人の部屋でそんな事言えるわねっ!
「今度さ。二人の絵、描いてもらうか?」
「え?」
「それも小さく印刷してもらって、これに一緒に入れてくれよ
そしてまたいつか二人でそれを見て、懐かしいなぁって笑おうぜ」
全く、この男には敵わない。
言葉の意味を理解し、中々顔の熱が引かないのを悟られるのが嫌で
窓辺に向かい外を眺めながら返事をする。
「ま、それもいーかもね。どうしてもって言うなら、入れてあげてもいいわよ」
ふっと後ろに愛しい男の気配を感じ、その腕が自分を抱きしめる感触に身を委ねる。
「今までも、今も、そしてこれからも、ずっと愛してるよ」

***END***

120 :
大量になったブクマ整理してたらまとめサイト出てきて懐かしいなぁって思わず見に行ったら自分の書いたSS出てきて
うわあああああああああああああああああ状態になって更に思い出して検索してみたら復活してて嬉しくなったのと同時に
その時の恥ずかしい気持ちをしたためた記念小ネタ投下
昔過ぎてもうトリ忘れちゃったよ

121 :
>>120
おつ
ほんわか〜

122 :
>>117
116です。コメントありがとう!!
>>118
GJ!
ほのぼの〜
こういうのいいね!

123 :
>>121-122
レスありがとう、和んでいただけたのなら幸い
あとコテにガウリナって入れるの忘れててごめん
ガウリナだと昔っからベッタベタなあまあまオチしか書けないらしい

124 :
宿の部屋、パジャマ姿でお酒を楽しむリナとガウリイ
ふいにガウリイがリナにキスをし、真っ赤になって固まるリナ
「なななななな何すんのよーーー!あたしのファーストキス返せーーー!」
我に返って起こり出すリナをガウリイはきょとんと見返しながら
「返すのか?」
うーんと考えた後、リナの頭を捉えて今度は深いキス
「んんん〜〜〜!」
散々じたばた暴れるリナの力が抜けきるまでキスは続いて
「っはぁ、はぁ……な、なんで」
息も絶え絶えに問えば
「返せって言うから返したぞ」
にぱっと笑顔満開で言われたリナは脱力しかないのだった

その2
なんとなく勢いに流されるままベッドイン
翌朝シーツを体に巻き付けリナが言う
「乙女の純潔を返せーーー!」
うーんと考えたガウリイは朝からリナを押し倒し再開
「あん!やっ、んっ、んっ、な、んで」
喘ぎながらリナが聞けば、ガウリイは腰の動きを止めぬまま
「娘が出来るまでやろーなー」
とにっこり
リナは気持ちいいので考えるのをやめました
くだらないままおわり

125 :
ふと思い付いて思うまま書いた
反省はしていない

126 :
乙女返却方法における、ガウリイの賢さに驚愕w
にしても、(リナに)子どもを欲しがるガウリイってのは、
実になんとも良いモノですねヽ(・∀・)ノ

127 :
ほんわかしたのちに萌えたw未来ある話よいですね

128 :
……雨にびしょ濡れになったリナにムラムラくるガウリイを受信した!!
ぺったり張り付いた服とかやらしーよなっ。

129 :
しかも、初期はミルク色とかクリーム色を着てたんだぜw
>>124
妙に和むよなぁ。w(*^ー゚)b グッジョブ!!

130 :
>>128-129
「あーもうびしょびしょ」
オレ達は突如降ってきた雨に大樹の下へ避難していた
「これはなかなか止みそうにないなー」
「えー?」
辺りは降りしきる雨によって枝の先から向こうは視界が遮られている。まるで雨の中二人取り残されたみたいだ
ふと横を見てドキッとする
リナの今日の上衣はミルク色の貫頭衣だ。それが濡れて肌にぴったり張りつきピンク色の乳首がばっちり透けている
ごくりと思わす喉が鳴る
「どーしたの?」
気付かない様子のリナが不思議そうに声をかけてくる
「あーいや。イチゴミルクが食べたいなーって」
…何言ってんだ?オレ
「はぁ?この寒いのに?あたしはホットミルクが飲みたいわ」
「寒いのか?」
「うーん。ちょっとだけね」
ちょっとと言いながら、自らを抱きしめて身を震わせる姿はかなり寒そうだ。しかもどこか色っぽい
「風邪ひくぞ。早く着替えたほうがいい」
もうたまらん!オレはリナの装備を外しにかかった
「何すんのよ!自分で出来るったら!」
真っ赤になって抗議するリナもかわいいなーと思いながらミルクの下に手を伸ばす
「んあっ、ちょっ、がうり、や、あんっ」
リナのかわいい声を聞きながら寒さで立ち上がった苺を指で摘まむ
しっとりと濡れた肌はより手に吸い付くようで、オレはその感触を楽しんだ
「もうっ!何始めてんのよっ」
そういや着替えさせるんだったな。思い出してびしょびしょの貫頭衣を脱がせる
脱がせたら脱がせたでミルク色の肌に色づくピンク。じっと見てたら肌もうっすら赤みを帯びてきた
うーん。益々イチゴミルクだ。ということで美味しくいただくことにする
「あんっ、ガウリイっ!こんなとこでやだって、あんっ」
「リナがあんまり美味しそうなのが悪いんだぞ。体も冷えちまってるし暖めないとなー」
雨にはあまり濡れていないリナのズボンを脱がせ、中から暖める準備をする
一向に勢いの衰えない雨音の下、オレはリナを抱き上げ胸にむしゃぶりついた
やがて潤んだ所に挿れて抱えたまま揺らすと、リナは細い脚をオレの腰に絡ませたてかわいい声で応えた

131 :
>>128-129からこんなの受信したので発信してみた!

132 :
あ、最後余計な所に「た」が入ってた
見逃してくれい

133 :
ほしゅ

134 :
タイトルみた瞬間ピンときたw GJ!

135 :
>>130
GJ!
リナはガウリイのホットミルクでおいしくあたたまりましたとw

136 :
ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ、ほっ
ランニングしながらちょっととおりますよーーーー

137 :
これは王子様ではありません
『おうぢさま』です
エロ無しだが、おうぢさまと美少女という危険物なので避ける人は避けてね

138 :

美女と『おうぢさま』

セイルーン王国の首都、セイルーン・シティ。
白魔術都市または聖王都とも呼ばれるこの町の中心部にある大通りではいつものように様々な露店が軒を連ね、地元の人間や観光客で大いに賑わっていた。
その人混みの中を薄紫色の法衣と深緑のマントを身にまとった、毛先が膝裏にかかるくらいの長い黒髪が印象的な少女が呆然と立ち尽くしていた。
出るところは出て引っ込むところは引っ込むというメリハリの付いた理想的なスタイルと整った顔立ちに、通りを歩く男がチラチラと振り返っている。
その中には彼女連れの男も居たりして「他の女を見るな」と恋人を怒らせたりもしていたが、その原因たる少女は気付くことなく一点を見て固まっている。
彼女の名はシルフィール。シルフィール=ネルス=ラーダといって元々はサイラーグという町に住んでいたのだが、ある事件によって家族諸共町が消滅してしまい現在は此処セイルーンの親類の家で暮らしていた。
シルフィールがこの通りのど真ん中に立ち尽くしているのは何故か?
その訳は彼女の視線の先にこそあった。
「おいっ、アレって殿下じゃないのか?」
「おお間違いないフィリオネル殿下だ!」
彼女の耳に響く町の人の声。皆口々に「王子」「殿下」と叫んでいる。
それは視線の先に居る人物に向けられているようだ。
その人物の周りにはあっという間に人集りができて人々は皆笑顔で話しかけたり握手を求めたりしている。
彼らの求めに“王子”は「うむ、皆も元気で何よりだ」「困ったことはないか?」と気さくに応じて微笑んでいた。
誰が見ても微笑ましい光景であり、またこの国の“王子”が民にどれほど慕われているのか理解させられる光景とも言えるだろう。
だが彼女シルフィールは違った。
正義感溢れる好人物、民のことを第一に考えて行われる政策、身分など一切考慮せず誰とでも気さくに付き合おうとする温かい人柄。
王族とは斯くあるべき。正に王と呼ばれ民を治める立場に在る者の鑑とでも言うべき人物。
それは彼女とてよく理解しているし、凄い人だと尊敬してもいた。
ただ一点を除いて……
「おやぶ〜ん、遊ぼ〜」
「こらこら、いつも言っておるだろう? わしは親分ではない」
「だっておヒゲでお父さんとおんなじくらいで、親分みたいだもん!」
「ワハハそうかそうか、わしはお父さんとおんなじくらいかぁ!」
おそらくはこの近所の子供だろう。顔見知りらしく“王子”のことを親分親分と呼んでいる。
そしてそれは二十歳前という、もう物事の分別が付いて当たり前の年齢であるシルフィールも常に抱いている物だった。
(いやーっ! あの人を王子だなんて呼ばないでぇぇぇっ!)
彼のことを“王子”と呼ぶ人々に心の中で悲鳴を上げるシルフィール。
もしも此処にいるのが知り合いだけなら声に出していただろう。
これだ。これこそ彼女が道の真ん中で固まっていた理由なのだ。
だがそれは無理もないことである。何故ならこの“王子”。子供やシルフィールが言うようにとても王子様には見えないのだから。
暑っくるしーくらいの大柄で、ドワーフをそのまま大きくしたようながっちりとした体格。
ヒゲ面で四十は越えているだろうそのおっちゃんをどうやったら王子様として見ることができるというのか?
普通に町を歩いているだけなので小ざっぱりした服を着ているが、それなりの格好をさせれば裏社会の、薄汚れた武器と防具を持たせれば野盗の親分に早変わりだ。
だが、例えどのように見えても彼がこのセイルーン王国の国王の息子であり、歴とした王子であることには違いない。
シルフィールが事あるごとに固まってしまうのはその外見と王子という事実のギャップを受け入れられないからだ。
初対面の時など理想の王子様像とかけ離れたおうぢさまの姿に、ショックで気絶してしまったほどである。
それはある種、いつもの光景いつもと同じ日常の一コマと言えた。
シルフィールにとっても、おうぢフィリオネルにとっても、近所の子供や露店のおっちゃんおばちゃんにとっても。
だがこの日は、この日この時だけは違った。

139 :

例えばこの場面。誰かの命を狙う者が居たらどういう具合に見えるだろうか?
人集りの中にいるターゲット。誰とでも握手をする警戒心のない相手。
近づいて斬りつける、攻撃魔法を準備しておいて至近距離で放つ。
暗者にとってこれほど容易に事が行える場面もない。
しかしある程度若しくは確実にターゲット自身の実力を知っていた場合はどうか?
察知されるか、あるいは自分より強いなら返り討ちにされる可能性を考慮するだろう。
プロの暗者なら尚のこと確実を喫して様子見に入るかもしれない。
だが、もし怨恨の場合は? 逆恨みの復讐を企てる者なら?
それでいて相手の実力を知っていて正攻法ではかなわないなら?
当然人質を取るだろう。幸いにもこの場には人質となる人間などいくらでもいる。
これら全ては狙われる命を持つ者が居ればの話だが、この場には誰の目にも明らかなほど狙うべき価値のある命を持つ者が居る。
言わずと知れた大国セイルーン王国の第一王子フィリオネル=エル=ディ=セイルーンその人だ。
彼はその人柄から他人の恨みを買うことなど皆無と言えるのだが、一方で正義感溢れる彼は野盗や犯罪者を取り締まる側でもあり、一般人なら関わり合いになりたくないそういった者から時として逆恨みされる立場に立っている。
そういった者がこの場に居た。
(笑ってられるのも今の内だフィリオネル!)
フード付きのローブで身を包んだその男は周囲の様子をうかがっていた。
この男、細身に貧相な顔立ちと見掛けこそ小役人といった風情だが、元は一大盗賊団の首領だった男だ。
その見掛けからは想像も付かないが残酷さは折り紙付きで、豪商のキャラバンを襲ったときは慰み者にしようと豪商の婦人を浚おうとして「妻は妻だけは!」と言った主人に「じゃあ全財産を寄越せ」と迫ったあげく、
馬車ごと渡した瞬間「妻は見逃してやる約束だからな。そのかわり……」と言って夫妻の幼い娘を目の前で強姦したのだ。
そして狂乱する夫妻を見て大笑いしながら「命は助けてやったぞ」と言い放ちその場を去るという外道も外道な男である。
その後事件を知ったフィリオネルがアジトに単身乗り込み、二児の親でもある彼の怒りを買って盗賊団はその場で壊滅。
如何に平和主義者の彼であっても娘を持つ親である以上盗賊の行為が許せず、自らの手で制裁を加えてしまったのである。
そんな中、一人逃げ出した男はこの世を謳歌していた自分の全てを奪ったフィリオネルが許せず、復讐しようとしていたのだ。
無論正面から襲撃しても返り討ちにされるのは目に見えていたので人質を取ることにしたのだが、如何せん人質として尤も適していそうな子供はフィリオネルの近くにいて手が出せないときている。
代わりになる誰かはいないかと周りを見渡す男の目に僧侶の正装を身にまとうお嬢様っぽい長い黒髪の美少女が入るのは、ある意味必然と言えた。
それもボーッと突っ立っている彼女の場合、人質にしてくださいとアピールしているようなものだ。
(あの女だ!)
男はコレと決めた少女シルフィールに忍び寄り、後ろから羽交い締めにした。
「キャアアッ!!」


140 :

突然身体を拘束されたシルフィールは首に突きつけられたナイフに悲鳴を上げるも、すぐに冷静さを取り戻す。
(ど、どうすれば…)
しかし彼女の場合如何に冷静さを取り戻そうと訓練された兵士や傭兵、自身の知り合いのリナのように戦闘に特化した技術を持ち合わせていないため、こういう状況下では何もできないでいた。
彼女自身は神官という身でありながらドラグ・スレイブ【竜破斬】という強力すぎるほど強力な呪文を始めとする幾つかの攻撃用の黒魔法や精霊魔法を扱えはするのだが、その呪文を唱える隙がなくお手上げ状態だ。
そうこうしている内に彼女に気付いたフィリオネルが叫ぶ。
「シ、シルフィール殿!」
「おっと、動くんじゃねぇぜフィリオネル殿下」
「む、むううッ」
此方に気付いたフィリオネルの動きを制しようと男はほんの少しだけシルフィールの首筋にナイフを走らせた。
「痛ッ!」
薄皮一枚切られた彼女の傷口から血が滲み、うっすらと赤い線を描く。
「や、やめいッ!」
「そうそう、その焦った顔が見てえんだよ」
事態は膠着どころか悪い方へと進んでいる。皮一枚とはいえシルフィールの首にナイフが食い込んでいる以上下手な動きはできない。
「おぬし……婦女子を人質に取り、あまつさえ傷つけたのだ。よもやこのままで済むとは思っては居るまいな?」
「おお〜怖い怖い。けどいいのかな〜?そんな怖い顔されると俺はびびって力入れちゃうかもよ〜?」
グッとナイフが食い込み更に傷口を広げていく。
「うっ!」
首筋に走る痛みに呻くシルフィールは流石に恐怖を感じて身体が硬直する。
後少しでもナイフが食い込めば動脈を傷つけるかも知れないのだ。
その様子にフィリオネルは内心の焦りを隠しながら、男が先日壊滅させた盗賊団の首領であることを聞かされたことで動かないどころか逆に動いた。
身につけていた護身用のナイフを捨て、陰から見守っていた護衛たちに大声で引くように伝えた上で。
彼の突然の行動に驚く男は、それでもシルフィールにナイフを突きつけたまま姿勢を崩さない。
そんな男に彼は歩み寄りながら両手を大きく広げ言い放った。
「おぬしの狙いはわしの命であろう? 構わぬ……くれてやろう」
「なっ!?」
「で、殿下っ!」
男が驚愕すると同時に事態を見守る民人も声を上げた。
「て、てめえ正気か!?」
「無論だ。わしの命一つでシルフィール殿が助かるのなら、寧ろ本望なくらいだ」
自身の命と引き替えにしてシルフィールを助けようとするフィリオネル。
何故彼がそこまでするのか? それは彼にとってシルフィールもまた守るべき民であるからだ。
ましてや婦女子たる彼女を見捨て、自身の命を優先するなど考えても居ない。
仮にこれがフィリオネル自身よりもずっと強く、セイルーンの民ではないリナやガウリイであっても彼は同じ選択をしていたであろう。
王族にとって何が一番大切か? それは民である。
民こそが国の宝であり命を賭して守るべき者。
そして民というのはこのセイルーンに一度でも関わりを持った全て。その全てが守るべき対象なのだ。
そこに力の優劣、国籍など関係ない。
「そのためならばわしのこの命、十でも二十でも、好きなだけくれてやるわい」


141 :

「フィリオネル…殿下……」
自身の民草に対する真摯な想いを口にするフィリオネルに、シルフィールは胸が熱くなった。
彼は紛うことなき王子なのだ。
このセイルーンの全てを、老若男女問わず愛する王子。
白馬に乗った若くて見目麗しい王子ではないが、その心は想像できないほどの麗しさと高潔さをたたえている。
おそらく世界中の為政者の中でも彼ほどはっきりと民こそ国の宝と言い、行動する者は居ないだろう。
その言葉に心打たれたのは何も彼女だけではない。
周りにいる町の人たちも同じだった。
同時にそれは男に対する非難の目、攻撃的な目へと変化していく。
『みんなのフィリオネル殿下に傷一つ付けてみろ……その瞬間八つ裂きにしてやる』
『ぬよりも辛い目に遭わせてやる』
その視線に晒された男は気が気でなかった。
周りが怯える、固唾をのんで見守る、それならばやりようはあったしどうにでもできた。
だが、周り全てが自分に対して憎しみの目を向ける。
これは男が経験したことのない事象だった。
(なんだ? なんだよこいつら? 何なんだよ!?)
最早人質を取っているから有利などという状況ではなくなった。
寧ろ人質は役に立たないどころか、自分の行動次第でこの国全体を魔獣の群れに変えてしまう物でしかなかった。
本来、一国の王子を狙う以上刑は覚悟しなければならないのだが、男の場合「舐められたまま終われるか」というちっぽけなプライドと逆恨みからの行動だったため考えてもいなかった。
それがセイルーンの全国民を敵に回そうとしているのだ。
「ち、ち、ちきしょう! 覚えてやがれ!」
こうなると男がするのはごく単純な行動だけになる。
即ち逃げである。
「キャッ…!」
男は人質にしていたシルフィールをフィリオネルの方に突き飛ばすと、直ぐさま反転して脱兎のごとく逃げていった。
男が人質を手放したのを見て素早く行動するフィリオネルの護衛たちだったが、生憎彼自身の命で下がっていたのと、腐っても大きな盗賊団の首領だった男はある程度の魔道に長けていたためレビテーション【浮遊】であっさり逃げられてしまった。
一方でフィリオネルはというと――
「危ない!」
自分の方に突き飛ばされたシルフィールを身体で受け止め守るように抱きしめていた……


142 :

「ああ、あの、殿…下…?」
解放されたと思えば今度は大きな身体に受け止められたシルフィールは、少々パニックになりながらも自分を受け止め守るように抱きしめる人物フィリオネルに声をかけた。
「おおっ、無事であったかシルフィール殿」
「は、はい……なんとか…」
「しかし首筋を刃物で切られておったであろう?」
先ほど男に切られた首筋には切り傷がついていた。
「だ、だだ、大丈夫ですっ、」
彼女は大丈夫と言うが少し深い傷だったため、未だ絶賛出血中である。
尤も今は別のことで頭がいっぱいになっているので、それほど痛みを感じていないのが幸いだった。
(で、殿下の匂いが、)
そう、今シルフィールとフィリオネルは密着状態なのだ。
当然彼女の嗅覚は彼の匂いをハッキリとらえている。
それは彼の汗の臭い――俗に言う『おやぢ臭』なのだが先ほど彼の民を想う心に触れ、剰え彼女のために命を投げだしてくれた、外見を除いて完璧な王子の姿を目の当たりにしたばかりの彼女には全く嫌悪感を抱かせない物だった。
嫌悪感どころかフィリオネルの匂いを嗅いでいるとドキドキして頭に血が上ってクラクラしてくる。
「いやいや、こんなに血が出ておる。わしに恨みを持つ者の犯行に巻き込んでしまったのだ、このまま帰すわけにもいかん」
「キャ!」
そんな彼女の状態を気にもとめていないフィリオネルは言いたいことだけ言うと、こともあろうに彼女の身体を抱き上げたのだ。
左手で背中を支え、右手を膝の後ろに回して抱え上げるという、所謂お姫様だっこと呼ばれる抱き方で。
「あ、あああ、あの、で、でんか……わたくし歩けますからっ、」
「何を言う、若者が遠慮する物ではない。それにシルフィール殿を抱え上げたくらいで腰を痛めるようなやわな身体はしておらん」
わっはっはと豪快に笑う見た目野盗の親分に(そうじゃないんですぅぅ!)と思いながらも嫌な気はしないシルフィール。
彼女は最近では気絶までいかなくなったものの、苦手であることに違いなかったフィリオネルに密着されているというのに、気持ちが高揚する自分が不思議でならず、また理解できなかった。
こうして王子様ならぬ“おうぢさま”にお姫様だっこされたままフィリオネルの家であるセイルーン城に連れて行かれたシルフィールは手厚い治療を施され、
夕暮れ時になって王宮の近くにある一軒の家、彼女がお世話になっている親類の家に送られ帰ってきた。無論送ったのはフィリオネルだ。
彼は自分の事情にシルフィールを巻き込んでしまったことを彼女の親類に説明し、謝罪するというのもあって共に来たのである。


143 :

「殿下、聞き及んでおります。昼に大通りでお命を狙われたと」
「うむ、それについてだが……」
帰るなり出迎えてくれたシルフィールの叔父グレイは既に何があったか知っていたようなので、話は早いとフィリオネルは深々と頭を下げて言った。
「すまんグレイ! シルフィール殿を傷つけてしまったのだ!」
「や、やめてください殿下っ、」
「そ、そうです、シルフィールもこうして無事なのですから顔をお上げになってください、」
突然の謝罪に慌てて止めるシルフィールとグレイ。
だが彼はそれでも顔を上げない。
「いや、それではわしの気が済まん! 気の済むようにしてくれい!」
人一倍責任感の強い彼は己にも厳しい。
自分への怨恨にシルフィールを巻き込んだことが許せないのだ。
いつまでも顔を上げない彼にそれではと口を開いたのはシルフィールだった。
「一つだけ、お願いを聞いていただけませんか?」
「ふむ、願いとな?」
「はい、それを持ってこのお話は終わりということにしませんか?」
「う〜む、おぬしがそれでよいというのなら何でも言ってくれ」
若干納得がいかない雰囲気のフィリオネルではあったが、本人がそれでいいというならばと願いを聞くことにした。
「で、願いというのは?」
「はい、それでは遠慮なく。わたくしの願い……それは」


144 :

***

数日後、セイルーンの大通りを歩く一組の男女の姿があった。
一人は薄紫色の法衣と深緑のマントを身にまとった、膝裏くらいまで届く長い黒髪が印象的な少女。
もう一方は暑っくるしーくらいの大柄で、ドワーフをそのまま大きくしたようながっちりとした体格。ヒゲ面で四十は越えているだろうおっちゃんだ。
「しかしこのような願いというか、手伝いで本当によいのか?」
おっちゃんは荷物を持っている。そんなに大きくもなければ重くもない荷物だ。
その荷物はおっちゃんの物ではなく少女の物。
「はい、これでいいんです」
少し嬉しそうにも聞こえる声で返事をした美少女は、むさいおっちゃんの荷物を持っていない左手に腕を絡めた。
気のせいか彼女の顔は紅く染まっているようにも見える。
「う〜む」
唸り続けるおっちゃんことフィリオネルと、美少女シルフィールという妙な組み合わせの男女がこうして歩いているのは彼女のお願いによるものだ。
「買い物に付き合ってください」それが彼女のお願いだった。要するに一日荷物持ちをしてほしいというものだったのだ。
無論こんなことでケガをさせた埋め合わせになるとは到底思えない訳で、フィリオネルはこの後も「また何かあったら言ってくれ」と伝え、この通りでは度々二人の姿が目撃されるようになるのだった。

余談だが叔父のグレイはここ最近シルフィールがボーッとなっているのをよく見掛けるようになった。
それは決まってフィリオネルと出かけた日や、彼が家に訪れた日だったりする。
これについてグレイはそれとなしにフィリオネルに訊ねているのだが「シルフィール殿? いつも明るく嬉しそうにしておるが……何かあったのか?」と要領を得ない返答をもらっており、
明らかに何かに気付いたという様子ではなく、彼女個人の何からしいとの答えに至ったのだが、それが何かは分からないでいた。


145 :
アニメのEやRのアイキャッチ、最終回等でフィルさんとシルフィールが一緒にいるところから思いついた

146 :
>>145
おつ!
フィル△!
シルフィールは親父さん亡くしてるしなー

147 :
前回の続きでフィリオネル×シルフィール
フィルシルです
おうぢさま×シルフィールという危険物なので注意してね

148 :

美女と『おうぢさま』2

セイルーン・シティの中心部。
王宮近くにあるそれほど大きな邸ではないがつくりのしっかりとした一軒の家の中で、中年の男が二人テーブルを挟んで向かい合っていた。
一人は髪に白いものこそ混じってはいるが、年はそれほどいっているようではなく精々四十半ばから後半くらい。
年齢に比例した風格の持ち主で、なかなか整った容姿を持つナイスミドルな中年男性である。
名はグレイ。此処セイルーンで神官と魔法医を掛け持ちでやっている人物だ。
片やもう一人の男は暑っくるしーくらいの大柄で、ドワーフをそのまま大きくしたようながっちりとした体格。
年は同じく四十代ではあるものの、繋がった濃い眉毛に剛毛としか呼べないヒゲを蓄えたその迫力ある顔から、見方によっては更に年がいっているようにも感じられる。
アイパッチなど着けたら非常に似合いそうな、誰から見ても野盗の親分にしか見えないだろう男性である。
しかしこの男性、断じて野盗などではない。此処セイルーン王国国王の息子であり長男にして第一王位継承権を持つ歴とした王子様なのだ。
名をフィリオネル=エル=ディ=セイルーンといって、事実上次期国王になられるやんごとなき御方なのである。
実はフィリオネル。グレイに相談事があって公務の合間を縫って王宮を抜け出してきたのだ。
突然の訪問に驚いたグレイは最近フィリオネルとよく出かけている、自身の姪に当たるシルフィールを呼ぼうとした。
シルフィールは先日の一件以来フィリオネルの話をよくするようになり、また休日などに彼が訪れた際は自分から話しかけ接するようになったのだ。
少し前までなら彼が王子と呼ばれるたび露骨に顔を引きつらせていた彼女がだ。
つまり相当な苦手意識を持っていたはずなのに、それが綺麗さっぱりなくなっている。
このことは不思議に思いながらも良い変化だと考えていたグレイは、てっきり姪に用事があって来られたのかと思い口に出したのだが――
「いやいや、今日はおぬしに用があってな」
と止められ、態々呼んでもらってシルフィール自身の時間を邪魔したくないとやんわり断られた。
「そうですか。して、私に御用とは?」
「うむ。実はちと困っておるのだ」
「お困りですか?」
「うむ、実はな……見合いを申し込まれてしまったのだ」

149 :

先日侍従長がセイルーンの隣国にあたる沿岸諸国連合構成国の一国から、外交官を通じて見合い話を持ってきたというのだ。
しかしフィリオネル自身に見合いを受けるつもりはなく断ろうとしたところ、事もあろうに既に先方へと返事を出した後だったらしく、断れなくなってしまったという。
今更断るなどとなれば理由を聞かれるのは目に見えている。場合によっては外交関係を危うくしかねない。
「それに政治の臭いがな」
フィリオネルの言葉に“政略結婚”という文字が頭に浮かんだグレイ。
ヘルマスター(冥王)という大魔族が滅び、この地域を封鎖していた魔族の結界が事実上消滅したことで、結界の外に広がる世界とも行き来できるようになり、
数々の新しい国が発見された現在でも、このセイルーンが大国と呼ばれる国々の中でも上位に位置する国であることにかわりはない。
つまり、そこと縁戚関係を結ぶことができれば、例え小国であってもかなりの影響力を行使できるようになる。
「会ったこともないわしと『結婚を前提としたお見合い』などと言われてはそれしか考えられん。かといって一度受けてしまったものを理由もなく断れば我が国の信用にも関わる」
「それでは、殿下はどのような手を打たれようと?」
「うむ。明確な理由を作ってやればよいと思ってな。仮にわしには心に決めた人がいて内緒にしておいたから誰も知らなかった、とでも言えば断る口実にもなるであろう」
そうすれば全てはフィリオネルの交際を知らなかったが故の手違いとなり、伝えてなかったフィリオネル個人の責任となる。
「し、しかしそれでは殿下が、」
「よいのだ。こうすれば誰にも迷惑はかからん。いや、おぬしと最低でも後一人に直接迷惑をかけることになってしまうかな」
「と、申されますと?」
「そのな、グレイよ。申し訳ないがわしと年が近い、言うなれば我らと同年代の女性を一人、紹介してほしいのだ」
つまりその女性に自分の婚約者ないし恋人という芝居に付き合ってもらえないか?ということだ。
「無論このようなやっかいごとに巻き込む以上、おぬしにも、相手役の女性にも、それなりの礼はさせてもらう」
そう言ってフィリオネルは頭を下げた。
「も、勿体ない…、顔を上げてください殿下、」
「そ、それでは」
「はい、承りました」
「おお! 引き受けてくれるのか!?」
「ただ、ご期待に添えない可能性もありますので、そのときは御容赦ください」
「わかっておる。元々上手くいってもいかなくても、誠心誠意、真心込めて相手を説得し理解してもらうつもりではあった。言葉を尽くせば必ずやわかってもらえるはずだ」
がっはっはと笑うフィリオネルの真心込めて説得という言葉を聞いたとき、グレイの顔は引きつっていたのだが、平和とはなんぞやと語り出した彼が気付くことはなかった……。

150 :

一通り平和について語り終えたフィリオネルが「公務が残っている故これ以上長居するわけにもいかん」と言って帰った後しばらくして部屋にいたシルフィールが顔をのぞかせた。
「あの、騒がしかったようですけど誰か来られていたんですか?」
「ん? ああ、先ほどまで殿下がお越しになられててね」
「えっ、殿下がっ!」 
ついさっきまでフィリオネルが来ていたというのを知った彼女は強い口調で非難する。
「どうしてわたくしを呼んでくれなかったんですか!?」
「い、いや呼ぼうとしたのだが、殿下がシルフィールの個人的な時間を邪魔したくない仰られたのだ。それに用事は私にあってね」
グレイはむくれるシルフィールにフィリオネルの相談内容を話した。
本来第三者に話すような内容ではないのだが、少しでもなだめようと話しても問題ない部分を掻い摘んでだ。
「殿下が……お見合い…?」
「ああ、殿下自身は断ろうと思っているらしいのだが」
フィリオネルが見合いをすると聞いた瞬間、シルフィールの表情が曇る。
だが続いて断るつもりだと聞くと今度はホッと安堵の息をつく。
表情に出ていたように彼女の心はここ最近目まぐるしく変化していた。
切っ掛けは間違いなくあのフィリオネルが襲われた事件のあった日だ。
『わしの命一つでシルフィール殿が助かるのなら、寧ろ本望なくらいだ』
あのときの言葉と守るように抱き締めてくれた彼の大きな身体と匂い。そしてお姫様だっこ。
それらが頭から離れない。
まるでフィリオネルという存在が自分の心に住み着き、刻み込まれたかのように……。
ここしばらくの間ずっと悩んでいたが、未だその理由がわからないでいた。
ただフィリオネルの側にいると嬉しくなり、心が温かくなるのだ。
故に時間さえ合えば会いたくなる。一緒に連れ立って歩いていると心が弾む。
家に訪れて食事を共にするときなど自然と彼の隣に座ってしまい、叔父のグレイや叔母のマリアを驚かせていた。
「それで実は婚約者が居るから見合いは無理だとすることにしたのだよ」
「そう、だったんですか……」
「ただ相手役がね。私や殿下の同年代となると大体は所帯持ちだ。それが問題か」
グレイは神官そして魔法医をしているだけあって交友関係が広く顔も利くのだが、それでも同年代の女性で独身というのは心当たりがない。
いくらなんでも結婚している女性を連れて行くわけにもいかないだろう。
「患者さんの知り合いにいないか聞いてみようと思うが、どこまで力になれるか……」
無論平和主義者たる彼のことだから最悪『真心込めて誠心誠意説得』することで諦めてもらうように持って行くかも知れないが。
今回のことはセイルーン側に非があるため、いつもと同じようにいくとは思えない。
そう悩む叔父に対し、ただ聞くだけだったシルフィールが口を開いた。
「あの、グレイおじさん」
「なんだね?」
「その、殿下の婚約者というのはどうしても同年代の女性でなければいけないのですか?」
「殿下御自身が仰られたことだからな。それに、その方が無理ないと思わないか?」
「……」
同年代の方が無理がない。
そう言いきる叔父に彼女は小さく呟いた。
……そんなこと……ない……
それは自分でも何を言ったか聞き取れず、何を言ったか覚えてもいない無意識下で出た言葉だった……

151 :


「殿下、沿岸諸国連合○○国からの使者が目通りを願っておりますが」
「わかっておる」
見合いの正式な日取りを決めるために使者が来訪したのはフィリオネルがグレイに相談した日から僅か三日後。
グレイの家は王宮のすぐ近くにあるので、相手側に気取られることなく素早く連絡を取ることができたのだが、さすがに三日で協力者を見つけることはできなかったらしく、
「力になれず申し訳ありません」との返事が返ってきただけであった。
「やむを得んか」
この急場では他に打つ手はなく、彼は正面から向かい合うことにした。
しかしこれで良かったのかも知れないとも思う。
下手な小細工をするよりも寧ろ誠心誠意話し合うことこそ彼の真骨頂なのだから。
「しかし、相手のメンツも考えると難しいかもしれんな」
珍しく勢いのないフィリオネルは椅子から立ち上がると、執務室を出て急ぎ足で面会室に向かった。



「フィリオネル王子はまだですかな?」
「は、はい、もう間もなくかと……」
面会室のソファでは沿岸諸国連合○○国の大使が侍従長に愚痴をこぼしながら苛立たしげにふんぞり返っていた。
その理由は今回の見合い話をなかったことにしてくれと伝えられていたからだ。
(冗談ではない! この見合いの後縁談へと持って行き、セイルーンの力を利用して国内を掌握する手筈だったというのに!)
実はこの大使。外交官と大臣職を兼ねているのをいいことに、この見合いを計画して国の乗っ取りを画策していたのだ。
乗っ取ると言っても表向きは一大臣として振る舞い、現国王や次期国王を自分の意のままに操るという傀儡政治を考えていた。
もし意に沿わないことをされたり、事がばれたりしたら「自分はセイルーンとの関係を取り持った。自分のバックにはセイルーンがいる」とでも言って黙らせ、逆らえないようにして好き勝手しようとしていたのだ。
それなのになかったことにと言われて、ハイそうですかと引き下がるなどあり得ない。
だから「納得のいく説明を」「セイルーンは理由もなしに約束を破るような汚い国だと考えざるを得ませんな」と迫って国家間の問題にしようとしている。
そこには義に熱いセイルーンという部分も計算に入れている。
尤も彼自身は「国と国の間にあるのは利用するかされるかだ」という、ある意味政治家らしい考えを持っているため、セイルーンのことを「力持ちのバカ」としか考えていないのだが……
「お待たせして申し訳ない。ちと所用が重なっておったのだ」
これからどうしようかと考えていた大使の元にフィリオネルがやってきて対面する形でソファに座ると開口一番そう言った。
「いいえ、フィリオネル殿下。お忙しいところを失礼したのは此方の方ですので……早速ですが」
おきまりの社交辞令を述べた大使は愛想笑いを消すと早速詰問の姿勢に入った。

152 :

「先達てお受けいただきました我が国の姫とのお見合いの件でございますが、お断りなされるとはどういうことですかな?」
「うむ。それなのだがな、わし自身元より見合いなど考えてもおらなんだのだ」
「ほーう。では、見合いする気もおなりになられないというのに、このお話をお受けになられたと?」
「それについては返す言葉もない。明らかに我が方のミスだ」
フィリオネルは説明する。見合いを断るのは自分にその意志がないこと。話が出たとき手違いで返事を出してしまったことなど、隠すことなく話した――が「それでは理由になりませんな」と一蹴されてしまった。
「殿下、これは外交の話。国と国の話でございます。殿下も一国の王子ならばそこはおわかりかと」
「当然わかっておる。だがな、その気もないというのに見合いをする方が不適切であるとは思わんのか? わしにとってというより其方の姫に対して」
「ぐっ! しかしことはセイルーンの信義に関わってきますぞ!」
そう、一般的な庶民であればその気がなかった聞いてなかったごめんなさいで済む場合もあるのだが、二国間の王族となればそれでは済まない。
相手がフィリオネルと同じような人間であれば「という訳なのだ。申し訳ない」「うむ。誰にでも間違いはある」で終わっていたかも知れないが、彼のような人間は間違いなく少数派。
「むうう」
双方に非はない若しくは相手に非があるというなら彼がいつもしている話し合いが通じる。
そして自身の己が信念をぶつけわかり合うことができる。
だが、此方に非がある以上誠心誠意謝罪したところで相手が受け入れないとなればどうすることもできないだろう。
まさか信念を押し通すために『平和主義者クラッシュ』を放つわけにはいかない。
それでは自身の嫌いなただの暴力だ。
「さあどうなのですフィリオネル殿下! 納得のいくご説明を! これでは外交の場でセイルーンは信義を軽んじている国だと言わざるおえませんぞ!」
どうするんだと身を乗り出して迫る華奢な大使に、どう返答すべきか悩むごつい身体のフィリオネル。
それを見守る侍従長はただオロオロするだけで入り込むことはできない。
(むう、絶体絶命というのはこういうことなのかもしれんな〜)
と、落ち着いているのかいないのか、よくわからない感じでどうしようかと考えていたフィリオネルの耳に、この場に相応しくないソプラノボイスが聞こえたのは正にそのときだった。
「待ってください!」
その澄んだ声に部屋の中の三人が同時に入り口を見ると、そこには薄紫色の法衣と深緑のマントを身にまとった、膝裏にかかるくらいの長い黒髪が印象的な美少女が息を切らせて立っていた。

153 :

「シルフィール殿……!」
「殿下……」
その美少女シルフィールは、大使や侍従長には目もくれずフィリオネルに歩み寄ると、ソファに座る彼の身体に有無を言わさず抱き着いた。
「シ、シルフィール殿!?」
これには大抵のことには動じないフィリオネルもさすがに驚きを隠せない。
こんな場面で出会すことなどないはずの彼女がいきなり現れたと思えば、自分目掛けて抱き着いてきたのだから。
大使も侍従長も目を丸くして固まっている。
「酷いです殿下! わたくしという者がありながらお見合いをなされるなどと!」
「「はあッ!?」」
大使と侍従長、二人の声がハモる。何が何だか訳が分からないといった風情だ。
それはそうだろう。誰が四十がらみでヒゲ面のむさいおっさんと、若くて清楚な美人巫女さんがそのような関係にあるなどと考えるだろうか?
かくいうフィリオネルも同じで目を丸くしていたのだが、顔を上げた彼女がウインクをしたことで理解した。
その目が語っている。話を合わせろと。
「う、うむ、すまん……シルフィール殿に迷惑がかかってしまうかもしれんと思い黙って居ったのだ。無論断るつもりだ」
辻褄を合わせるためにそう言ったフィリオネルは、抱き着く彼女の長い黒髪に指を絡めて撫で梳いていく。
みだりに女人の髪を触るものではないのだが、これくらいはしておかないと大使の目を誤魔化すことはできないだろうと考えたからだ。
一方でシルフィールは髪を撫でられながら頬を赤らめ、彼の胸に顔を埋めている。
叔父のグレイに連絡が来たとき偶然にも聞いていた彼女は脇目もふらずに飛び出して、王宮に入れてもらうとフィリオネルが居るであろう面会室に飛び込んできたのだ。
城に簡単に入ることができたのは、最近フィリオネルと連れ立っているのを方々で目撃されていたことで門番が「殿下の親しい御友人なら大丈夫だろう」と判断して通したためである。
来たはいいがどうすればいいのか考えてなかった彼女は、とにかく自分がフィリオネルの婚約者だと勢いのままに抱き着いたという訳である。
後は彼に目配せをして合わせてもらえばいけると。
フィリオネルは説明する。この人はシルフィール=ネルス=ラーダ殿といって自分の婚約者なのだと。
彼女は一般家庭の方なので、あまり騒ぎを大きくしたくないが故に誰にも伝えていなかった。頃合いを見て発表しようと思っていた。
そんなときにこの話が来てしまい、不幸な行き違いが重なってしまったのだと。
「と、いうわけなのだ大使殿。わしはシルフィール殿を愛しておる」
『愛している』と言ったとき、彼女の顔が熟れたトマトのように真っ赤になっていたのだが、幸か不幸かフィリオネルは気付かない。
「彼女を裏切るわけにはいかんのだ」
だからこの見合いを受けるわけにはいかない。お引き取りを。
そう告げる彼に対し、今まであんぐりと口を開けて呆けていた大使は唇を引きつらせて返答を始めた。
但し、それはフィリオネルが望むものとは違い、彼の返事次第で余計に話を拗らせてしまうものだった。

154 :

「な、なるほど、そういうことでしたか、それならば致し方在りますまい。しかし、本当に婚約者なので?」
そう言う大使は口にこそ出さないが
(ウソつくんじゃねーッ! お前みたいなヒゲ面のおっさんとこんな美人が婚約者であってたまるか!!)
もしこれを口にしていたところで誰も非難しないであろう。
それこそ散々嫌みを言っていた相手である侍従長と「意見が一致しましたな」と握手していたかもしれない。
「無論だ」
「そうですか。ならばその証拠を見せていただけますかな?」
「なに!?」
「婚約者同士であるという証拠です。外交の場ではたまにあるのですよこういった小芝居が。ああ、何も大国セイルーンの第一王子ともあろう御方がそのようなことをなされるはずはないと確信しておりますが、念のためにです」
そうすれば国への言い訳もできますからなあと言う大使に「む、むう」と唸るフィリオネル。
もし偽りであるとバレれば本当に立場が悪くなる。かといってシルフィールを責める訳にもいかないのだ。
彼女は彼の力になれればとこうして駆けつけてくれたのだから。
フィリオネルがふとシルフィールを見ると、先ほどまでとは違って不安げな表情を浮かべていた。
このままではせっかくの彼女の思いまで無駄にしてしまう。そう考えた彼は申し訳ないと思いつつも意を決して言葉を紡ぐ。
「証拠を見せればよいのだな?」
「はい」
「わかった。ならばお見せしよう……」
フィリオネルは小さな声で呟いた。
『すまんシルフィール殿』
「へ?」
シルフィールが間の抜けた声を上げた瞬間髪を撫でていた彼の手にグッと力が入り、彼女を身体ごと引き寄せると――
「んうッ!?」
その瑞々しい唇を豪快なヒゲを蓄えた唇によってふさいだのだ。
「んンンン――ッッ!?」
突然行われたフィリオネルからの口付けに、シルフィールの瞳が大きく見開かれる。
何が起こったかわからないといった感じだ。
だが、確かに自分の唇はふさがれている。何に? 感じるのは湿り気を帯びたぬめった感触……これはなにか?
自分の目の前にいる人物のなにかだ。
アップになった厳ついヒゲ面の男の顔、ともすれば精悍な顔つきにも見える顔は目と目が僅か数センチの距離。
鼻は僅かに触れ蓄えられたヒゲに至っては彼女の鼻や頬、口周りにちくちくした感触を与えていた。
(くち…びる…ッ、で、殿下の……わた…くしの……唇…が…ッ)
思考が混乱する中、自身とフィリオネルの唇が重なり合っていることを認識させられたシルフィールは、突然の事態にその身を硬直させながらも彼の口付けをただ受け入れるだけで抵抗しない。

155 :

そしてフィリオネルの方もこうしてキスをしているからこそ間近にある彼女の目が驚愕に見開かれているのがよくわかったが、彼は心を鬼にして触れ合わされたままの唇を啄んでいく。
仕方がないとはいえこのようなことをしてしまい非常に心苦しかった。
止めてしまえば彼女に望まぬ接吻を強要し続けることもなくなるし、直ぐさま謝ることもできる。
謝ったくらいで許されることではないが、この“悪いこと”を続けるのは彼の正義の道に反している。
これ以上娘のように可愛いシルフィールを、信頼できる友人である彼女を傷つけたくない。
だが現実は非常だ。中途半端に止めてしまえば大使の疑念を晴らすことができないため彼は止めるに止められないのだ。
「ふっ…んうっ……っ」
そうやってフィリオネルの心に罪悪感が蓄積していく一方で、シルフィールは全く違う反応を見せていた。
唇を啄みながら粘膜同士の触れ合いを楽しむかのように行われる口付けに、驚愕に固まっていたシルフィールの身体から力が抜けていく。
暖かな彼の唇が自分の唇を貪る感触が酷く心地いいものに感じ、拒否しようとか逃げようとかいう気にならない。
彼の想いと彼女の想いが逆方向に向かいながらもキスは続く。
そんな口付けが一分と少しに渡って行われた後、フィリオネルはシルフィールの唇を舌でこじ開けた。
「ンンっ!?」
そして彼女の口内へ舌を差し入れるとまずは下の歯茎をなぞり、続けて上の歯茎、口の中全体、最後に彼女の舌に絡ませて慈しむように味わう。
フィリオネルの舌に自らの舌を絡め取られているシルフィールは力の入らない手を動かして、彼が彼女の身体を抱き締めるのと同じように彼の広い背中に腕を回して抱き着いた。
「んっ…あむっ……んちゅ…ちゅっ……ちゅる」
そして彼女自身も自ら唇を押しつけ粘膜の暖かさを求める。
「ンンっ、はむっ、ちゅっ、ちゅぱっ……」
絡み合う舌を伝ってフィリオネルの唾液がシルフィールの口の中へ、シルフィールの唾液がフィリオネルの口の中へ次々と流れ込み、混ざり合っていく。
混ざり合った唾液はそのまま喉の奥へと入っていき、食堂を通って胃の中へ。
互いの身体を優しく抱き締め合い続く、深くそして熱い口付けは始まってから三分……いや五分は続いていただろう。
顔と唇の角度を変えながら幾度も幾度も繰り返される四十がらみのヒゲ面のおっちゃんと、長い黒髪の美人巫女さんの口付けはある種背徳的な光景にも見えた。
当初は呆気にとられてそれを見ていた侍従長(男)がエッチなものさえ感じさせる二人の口付けにゴクンと生唾を飲み込んで見入り始めた頃、一人状況に取り残されていた大使の肩がぷるぷると震えだした。
それを横目でちらりと見たフィリオネルは大使の様子に気付き、シルフィールの唇からゆっくりと離れ解放した。
「んふぅ……」
ゆっくり離れる彼と彼女の唇の間を混ざり合った二人の唾液が伸び、架け橋となって繋いでいる。
粘り気があるため中々切れずに糸を引いて伸び続ける。
シルフィールはその糸の先にある精悍さを持つ顔をジッと見つめていた。
彼女の頬は上気して紅く染まり、目は熱に浮かされ潤みきっている。
名残惜しげに伸びていた唾液は切れてしまったが、二人は互いの背に腕を回して未だ抱き合ったままだ。
(殿下……)
ドキドキと早鐘を打つ心音が耳に聞こえてきそうであった。

156 :


「わっはっは、見せつけてしまったかのうシルフィール殿」
「は…はい……」
小芝居を再開させるフィリオネル。
彼の様子だけを見れば茶番に感じただろう小芝居も、彼の胸に寄りかかったまま抱き着くシルフィールの熱に浮かされた表情を見れば『婚約者同士』というのが本当なのだという十二分の説得力を持たせるものになっていた。
「さて大使殿、今ごらんになられた通りなのだが……これでもまだ納得いきませんかな?」
「い、いえ、た、大変仲がお宜しいようで、言葉もございません……」
「それでは見合いの件、なかったということで宜しいか?」
「は、はい、わかりました……」
(く、くそ、ふざけるな! こ、この私をコケにしやがって!)
だが『婚約者』というのが本当だとわかったところで、納得いかないのが大使だ。
なにせこれで国の乗っ取りが全ておじゃんになってしまったのだから。
(こ、こんな、こんな品位の欠片もないような強烈なヤツに私の計画が……!)
それ故、原因を作った(と勝手に決めつけているだけ)フィリオネルを逆恨みしてしまった大使は、即興で思い付いたことを実行しようと考えた。
「フィリオネル殿下」
「なにかな?」
「実はこの話とは別に内密の御相談がありまして、この後お時間があれば付いてきていただくわけにはいかないでしょうか?」
「ふむ。まあ此度のことは此方に非がある故、都合は付けさせてもらうが」
「では後ほど……くれぐれもお一人で願います」
「うむわかった」
そう言い残して大使が出て行くと同時にフィリオネルはシルフィールの身体を離すととても綺麗な、これぞ完璧なお辞儀というくらいに頭を下げて謝罪した。
「申し訳ないシルフィール殿!事もあろうにおぬしの唇を承諾もなく奪うなどと許されぬ、卑劣な行為をしてしまった!」
とんでもないことをしてしまった。如何様な罰も受けようと捲し立てるように言うフィリオネルにシルフィールは慌てて彼の肩を掴むと、グッと力を入れて押し上げた。
「シルフィール殿…?」
「あ、あの、わたくし本当に気にしていません……お、お役に立てて光栄なくらいですッ、」
にっこりと優しげな笑顔を浮かべるシルフィールの頬は未だ紅くキスされたことを気にしていたが、それは嫌だったからではない。
寧ろとても嬉しかった。未だわからないのだが、フィリオネルになにかをされて嫌な気になることはないのだ。
特に今の口付けは……。
それを彼にわかってもらいたいと必に言い含める。
「ふ〜む、そうか。しかし詫びを」
「いりません! そんなこと言う殿下はキライです!」
何かある度に詫びだ謝罪だ、そんのものはいらないのだ。
ただ今まで通り側にいてほしいだけなのにわかってくれないフィリオネル。
あーでもないこーでもないと続けるむさいおっさんと美人巫女さんの遣り取りを見ていた侍従長はため息を付きながら――
「痴話げんかはお部屋で願います」
一言呟き応接室で何をやっているんだと二人共叩き出した。

その後、話は平行線をたどったもののフィリオネルの「それでは今度温泉にでも招待しよう」というところで決着した。
その際顔を真っ赤にして「お、温泉… 殿下と温泉…」と恥ずかしそうにしていたのだが、そうかと思えば一転目を細めて
「またお詫びですか?」と迫ったシルフィールが異様に怖く感じたフィリオネルはただ行きたいだけと言って、実際は詫びの部分もあったが誤魔化すのだった。

157 :



シルフィールを家まで送り届けたフィリオネルは、大使との約束通り指定された場所に来ていた。
そこはセイルーン郊外にある人気のない森の中だ。
「お待ちしておりましたよフィリオネル殿下」
鬱蒼と茂る木々の奥から件の大使は姿を見せた。
「そこに居られたか。いや〜このような森の中だと聞いたので場所を間違えたかと思ってしまったわい」
脳天気に笑うフィリオネルに大使は表の顔を捨て、邪悪な笑みを浮かべるとなにやら呪文を唱え始める。
周りの木々がざわめき、地面に魔方陣が描かれていく。
「こ、これはッ!」
「殿下、いやさフィリオネル! 貴様には我が野望の生贄となってもらおう! いでよ我が友レッサーデーモンベルロッグ!!」
大使が叫ぶと魔方陣が一層の輝きを放ち、その中心から頭部に大きな角を二本持った三メートルを超える巨体を誇る悪魔のような獣が姿を現した。
大使にベルロッグと呼ばれたこの巨大な魔物はレッサーデーモンといって、最下級とはいえ本来人間には太刀打ちできない魔族である。
そこそこの実力を持つ魔道士でも苦戦することがあるというのに、碌に魔法も使えない者では話にならない。
「ふはははッ、驚きましたかな?」
「ぬううう〜ッ、このような化け物を呼び出すとは、おぬしなにを考えておる!」
「簡単です。殿下にはここでんでいただく、それだけですよ」
大使は語る。
曰く今回の見合いはセイルーンと関係を持つためのもの。
「縁談をとりまとめた自分にはセイルーンがバックについている」と言って、自国を裏から支配するつもりであったこと。
それをフィリオネルに邪魔され(思い込んでるだけ)破綻したこと。
ならばと彼を郊外に誘い出し、復讐も兼ねて害したのちレッサーデーモンには帰ってもらって「襲われていた王子を助けようと化け物を倒したが手遅れだった」と宣伝することにしたというのだ。
「王子を助けようと果敢に戦った私は英雄となり、地位も名誉も約束される! という寸法です。そういうわけで我が野望の礎となってください」
彼が手を動かすと今まで立っているだけだったレッサーデーモンが動き始めた。
ゆるりゆるりと、フィリオネルの方に歩いてくる。
「恐怖で声も出ませんか?」
わはははと勝ち誇り、微動だにしない彼を嘲笑する大使――だったが。

158 :

「おのれッ! もはや勘弁ならーん!!」
突如声を張り上げるフィリオネル。
「己が贅をつくすという、ただそれだけのために自国の民や王、姫君まで利用し、更には我がセイルーンすらも利用しようとしたあげくに失敗したとなればこのような化け物の力を借りようなどとはッ!
 如何にわしが平和主義者で暴力が嫌いとはいえもはや許せぬッ! 成敗してくれるからそこに直れいッ!」
一気に捲し立て、怒りを露わにした平和主義者フィリオネルは、恐ろしいデーモンに向かって駆け出すと――
「平和主義者クラァァァーッッシュ!!」
と叫んでデーモンの懐に飛び込み、その太くたくましい腕を力の限り振りかぶって強力なパンチを繰り出した。
『ガァァアアッッ!』
そのパンチは少々の打撃など物ともしないはずのレッサーデーモンの骨をまるで陶器のようにたやすく打ち砕いた。
「んなアホなァァァ!」
自分が思い描いた結果とはまるで違う光景に悲鳴を上げる大使。
当たり前だ。どこの世界に武器も装備していない素手でレッサーデーモンの肋骨を砕いたりできる人間がいるというのか?
それは既に人間ではない。
混乱をよそにフィリオネルは助走を付けて跳び蹴りを放つ。
「人畜無害キィィィーック!!」
強烈な蹴りが突き刺さったデーモンの身体が勢いよく後ろに吹っ飛び、斜線上に居た大使の身体に激突。
大使を巻き込みながら背後の大木に激突したデーモンは事切れ、押しつぶされた大使の身体はトマトをつぶしたように赤い物やピンク色の物などをまき散らしてぺしゃんこになっていた。
その様子を目にしたフィリオネルは
「愚かな、悔い改めずに自決するとは……」
などと言い実に残念だと呟くのだった……

159 :



その日の夜。
シルフィールは久しぶりに子供の頃の夢を見ていた。
その夢は彼女が父エルクに怒られ、泣きながら家を飛び出して帰れなくなったときのものだった。
「お父さま〜、お父さま〜、」
ひっくひっくとしゃくり上げながらこの場に居ない父を呼ぶシルフィール。
もう町は夕暮れ時で、あと30分もすれば日が落ち真っ暗になるだろう。
一人取り残される寂しさに涙をこぼして泣き続ける彼女の滲む視界に、大きな手が差し伸べられたのはそのときだった。
「お父さま〜ッ」
父の身体に泣いて抱き着いたシルフィールは、頭を撫でる父の手の温もりに次第に涙が引いていく。
そして父におんぶされて共に家路についた。
オレンジ色の西日の中、ふと気がつけば今まで子供だった自分の身体が大人になっていた。
服も当然子供の頃着ていた可愛らしい物ではなく、薄紫色の法衣と深緑のマント。
そして気付く。父の背中はこんなに大きかっただろうか?
「お父さま…?」
呼びかけるシルフィールの声に振り向いた顔は父ではなかった。
ヒゲを蓄えているところは父と同じなのだが綺麗に整えられた父のヒゲに対して、振り向いた男性のは豪快な伸びっぱなしのヒゲだったのだ。
風貌も優しげな父とは違い、一言で言えば厳つく怖い。
だが、そんな外見にもかかわらずとても暖かな目をしている。
「もうすぐつくからな」
声も酷いだみ声だ。だけどその声がとても優しい。
この人は誰なのだろう?
知らないおじさんだというのに、自分はこの人を好ましく思っている。
さっきまで自分と居た父はどこへ?
シルフィールが西日の差す方向、オレンジ色の光を振り返ると――――そこに父は立っていた。
父は此方を見て微笑みながら手を振っている。
彼女が手を振り替えすと父は一層笑みを深めて自分たちを見送っている。
自分と、自分をおぶっているおじさんを。

160 :

「おじさま」
「んっ?」
「おじさまはお父さまですか?」
変なことを聞いている。自分でもそう思う。
だが父のようでいて、それでいて父とは違う暖かさを持ったこのおじさんのことをどうしても知りたかった。
「わはは、わしにはもう二人の娘がおる。だが、お嬢ちゃんが望むのなら父になってもかまわんぞ?」
そう言って笑うおじさんの言葉はとても嬉しく思えたし、魅力的にも感じた。
だが――
その魅力的な言葉に返事をすることはなかった。
自分の父は、あのオレンジ色の暖かな光の中にいる父だけ。
その代わりは誰にもできないし、求めてはいけない。
その代わりに別の質問をしてみた。
「おじさんにはお嫁さん……いますか?」
「居る……というよりも居った。今はもうゆっくり眠っておるよ……」
おじさんはそう言って少し寂しげに微笑んだけど、やはり優しく温かい。
昔は居たけど今はもう居ないというおじさんに、彼女は思い切って聞いてみた。
「それじゃ……わたしがお嫁さんになってもいいですか?」
するとおじさんは先ほどとは違って明るく豪快に笑う。
彼女はこの笑い方のほうが好きだ。
「おぬしがか? わはは、これはよい! ずいぶん小さくかわいらしいお嫁さんじゃわい!」
小さいと言われてムッとする。自分は大人になったはずなのにと。
だが、この人の前では小さいのかも知れない。
ドワーフをそのまま大きくしたようながっしりした体格に、倍以上も年が離れているこの人にとっては。
「すまんすまん、おぬしは立派な“れでぃ”だ」
「なんだかバカにされてるような気がします」
「そうかの?ならばお詫びに」
「お詫びなんかいりません!」
したことなんてないはずなのに、つい最近したかのような話を変だな?と思ったシルフィールがもう一度後ろを振り返ったとき、そこに父の姿はなかった。

161 :

翌日、なにか大切な夢を見たはずだというのにすっかり忘れてしまったシルフィールが町を歩いていると、最近仲良くなったヒゲ面で大柄のおっちゃんが酒場の前で女性に話しかけられているのを目にした。
「寄ってってくださいよ〜」
「いかんいかん。昼間から酒を飲むのはわしの正義に反する」
「そんなこと仰らずに〜」
客引きの女性は彼の腕に自分の腕を絡めて引っ張っていこうとしている。
相手が女性であるというのもあって無理に引きはがせないでいる彼の姿は、シルフィールの目から、いや離れた位置にいる者の目からは「入ろうか? どうしようか?」と迷っているようにも見えた。
それも女性に手を引かれてデレッとしながら。尤もこれは彼女の思い込みなのだが。
「……」
それを見ていたシルフィールは意識してなのかどうか、早歩きでおっちゃんに近づくと――
「なにしてるんですか!?」
と客引きの女性から強引に引っぺがして彼の手を取って引きずっていった。
「シルフィール殿、今日は別に用はないのでは……」
「なんですかッ!?」
「い、いや、なんでもないぞ……」
約束はしていないというのに強制的に引っ張っていく彼女の妙な迫力に押されて黙って従うおっちゃんだったが、何故自分に対し怒っているのかわからないため、
宥めようとしてまた怒らせるという悪循環に陥った散々な一日だった。

162 :
終わり
>>146
フィルさんに父を感じつつ、一方で異性としての好意もってとこかな?
書けたら次あたりに一線を越えてみたいが難しい

163 :
危険物投下乙乙www
これは楽しいなおいw

164 :
意外な組み合わせで面白かった
続編も期待!

165 :
>>162
GJ!
美女と野獣面白かった
フィルさんがかっこよく見えてきたw

166 :
夏。
暑い。
即ち、タンクトップ。
タンクトップで相棒を悩しあう、ガウリイ&リナを受信した。

>>162
GJ!

167 :
>>166
「おーい、リナ入るぞー」
うだる暑さの日、隣の部屋のドアを叩いた
「開いてるわよー」
「お?涼しいなこの部屋」
「弱冷気の呪文かけてるから。でもあっついわよ」
こちらに足を向けてベッドに寝転がったまま、読んでいる魔道書から目を離さずんいリナは答えた
ってオイ。その格好は反則だろーーーーー!
オレは心の内で叫んだ。口に出したら間違いなく炎天下の中へ吹っ飛ばされる
リナの服装はいつもの魔道士姿ではなく、上はノースリーブ、下はホットパンツ
いつもは隠されている細い手足が無防備に曝け出されている
そんな格好で鍵もかけずに。自覚あるのか?こいつは
あー脚をパタパタするな。押え付けたくなるじゃないか
「ガウリイ?」
不思議そうに振り返ったリナの声にはっとして平静を装う。あぶねー、あぶねー
「あーでもオレの部屋よりは全然涼しいぞ」
「そーお?」
また視線が本に戻ってしまった。ちょっと面白くないので腹いせに珍しいリナの姿を堪能しようと決めた
リナの足元、ベッドサイドに腰掛けると間近にホットパンツから伸びる細く白い脚
ノースリーブの脇からは、胸元がのぞいている
いや、胸元どころか胸の先までチラチラと見えている
「これはヤバイだろーー」
「ん?」
きょとんと見上げるリナ。やっぱりわかってないな。盗賊いぢめといい、ったく……
「あのな」
「なによ?」
「お前無防備過ぎるぞ。この辺とか、この辺とか」
言って脇の隙間から胸を、もう片方の手で太ももを撫でてやった
「あんっ!ちょっ、ガウリイ!このすけべくらげ!」
リナは顔を赤くしてバタバタ暴れるが、たいしたことではない
あー胸も脚も触り心地最高だ
柔らかい胸とすべすべの脚を堪能してるうちにリナが大人しくなっていた
大人しいというよりこれは
「……がうりぃ」
潤んだ目で乞われてホットパンツの隙間から指を潜り込ませるとそこはかなり濡れていた
「んあっ」
指を動かしてやると気持ち良さそうに身体を捩る
オレは指を引き抜くとホットパンツを引き下ろし、後ろから一気に突っ込んだ
涼しかった部屋の中、二人汗を滴らせ激しく肌をぶつけ合う
着たままのノースリーブも汗で肌に張り付いていた
その内側で触っている胸や肌にも汗が常に這い伝っていき、その跡を指でなぞると小さい身体が撥ねた
リナの中に捻じ込む度に声が煽り立てる
「あっ、あっ、がう、り、イッちゃう、イッちゃうよぅ、あ、ああっ」
その声に応えて一層腰の動きを激しくし胸とクリを責めると腕の中で身体が震え強く締め付けてきた中へと吐精した
「もうっ……せっかく涼しかったのに」
呪文をかけ直し、再び涼しくなった部屋でリナが怒った口調で言う
顔はかなり赤いからホントに怒ってるのではなさそうだ
「でも汗をかくのも気持ちいいもんだろ?」
オレはそう言ってリナの機嫌を直すため、階下に冷たいジュースをもらいに行った
おしまい

168 :
>>166
すまん!「悩しあう」のは受信できなかったーーー
汗をかいたあとは水分をしっかりとりませう

169 :
>>168
タンクトップリナGJ!

170 :
GJ!GJ!
うおぉー!たくさんの投稿嬉しすぎるww
ゼルアメ、ゼロフィリも読みたいわぁ

171 :
ゼルアメいいね!
スレイヤーズで一番好きなCPだわ
夏は海水浴や、ホタル観察会、花火に祭り、突然の通り雨などネタになりそうなイベントが盛りだくさんだね!

172 :
「アメリア」
「ゼルガディスさんっ!?セイルーンに来てたんですか?」
「ああ、ついさっきな。聞いてくれ。岩肌問題が解決したんだ」
「ええっ!?本当ですか!!おめでとうございますっ!
……言われてみればどことなく質感が違うような」
「実はシメサバと合成したんだ」
「し、シメサバ、ですか?」
「ああ。引いてダメなら足してみろっていうわけでな。試してみるか?」
「…はい!」
◇◇◇◇◇◇
「あっ、あんっ、あんっ、ゼルガディスさんっ、い、い…すごくきゅんきゅんしますぅ」
「アメリアっ…」
「ああああっ!旨味が広がりますぅぅぅ」

という夢を見たのは視察で海沿いの街を訪れた時のこと
「またもうすぐ会えますよね?」
予感めいた想いを胸にわたしはきらめく海に向かって呟いた

173 :
シメサバ…
チョイスが渋いですね
酢が効いてます

174 :
シメサバはドラマCDの夢オチネタですな。
ついでにオットセイとか種馬とか触手とかも足しちゃえ。

175 :
シメサバ...
ウロコをどう始末したのかが気になるw

176 :
息抜きの小ネタ
ただし! 危険物指定なのでよろしく。
子ネタ 海の美女と『おうぢさま』


177 :

どこまでも広がる大海原。その蒼い世界を見渡せる砂浜に一人の女性がたたずんでいた。
流れるような漆黒の長い髪をした華奢な女性は、ひと目で高級素材とわかる蒼いドレスと、装飾品の数々をその身に纏っている。
見た目淑やかさとか静謐さを感じさせる美しい容貌と佇まいは、何処かの国の姫、または貴族の令嬢といったところか? 
本格的な夏が訪れる前であるせいか浜辺には人っ子一人いないが、もし海水浴客で埋め尽くされる時期ならば、ナンパな男たちが取り合いを始めていることだろう。
「いい風ですわぁ〜」
のんびりと、そして丁寧な口調でそう呟いた女性の髪が海から吹き付けてくる風に煽られ宙を流れるように靡く。
「永い時の中、たまにはこうして何も考えずに海を眺めるというのもいいですわね」
どう見ても二十歳ほどにしかみえない女性が口にする台詞ではないが、連れ合いが居るわけではないため突っ込まれることもない。
本来ならばこの女性、こんなところでのんびりしていられるような立場ではないのだが、ここ最近色々とありすぎて暫くはすることがないのだ。
故に散歩だの行楽だの、普段しないことをしているのである。
ただ、こんな王侯貴族が着るような豪華なドレスを纏って、砂浜に立つ姿は異常なくらいに目立つ。
本人はいつもの服装であるせいか気にしていないようだが、ある職業に就いている者にとっては極上のカモ。
今の時代、そんな輩はどこにでも現れる。
そして此処にも三人、その職業に就いている者達が――
「姉ちゃん」
後ろから聞こえた声に思わず振り向く女性。
その目に薄汚れた皮製の胸当てや、所々やぶれた服を着た巨漢の男とひょろっとした男、背の低い男の三人組が映る。
「?」
彼女はキョロキョロと周りを見渡した後、首をかしげて彼らに背を向け、再び海から来る風と雄大な蒼い景色を楽しみだした。
「コラ姉ちゃんッ!無視すんじゃねぇ!!」
当然そんなことをされたら誰でも怒る。
それがこういう職業の人達なら尚のこと。
尤も、彼女は態と無視したわけではない。

178 :

「あら? わたくしに声を掛けておられましたの?」
「他に誰が居るんだよ!?」
「いえ、独り言かと思いましたので」
そう、別に無視したわけではない。自分に声を掛けられたと思わなかっただけなのだ。
こういった輩に知り合いなど居ないし、関わり合いになること自体ないのだから。
つまり一切悪気はないのである。
しかし、彼女に悪気はなくても男達がどう受け取るかは別。
「ふざけんじゃねえぞッ! 何所の国の王女様かお貴族様か知らねえが、見下しやがってッ!」
「見下す? わたくし、見下してなどおりませんわ」
見下すもなにも、足下に石ころが落ちていてそれを気にする者などいないだろう?
彼女からすればこの男達などその程度の存在でしかない。
「んなことどうでもいいんだよ! 有り金全部出せ……で済ませてやろうと思ったがその態度が気にいらねえ。幸い姉ちゃんは美人だし、俺様の慰み物にしてやらあ」
確かに彼女は美人だ。それも極上の美人。
慰み物にしたあとに人買いにでも売ればさぞや高く買い取ってくれることだろう。
貴族だろうが王女だろうが金になればそれでいいと考える彼らは、その場から動かない彼女ににじり寄っていく。
ここまでくれば自分がどうなるか? どういう目に遭い、どのような運命が待っているかわかるもの。
それなのに彼女の表情は変わらない。
にこにこと温かい微笑みを崩さない。
しかし最悪の結果へ突き進むだけだというのに変わりなく、間もなく陵辱の限りを尽くされることになる。
彼女はそれをよくわかっている。
わかっているからこそ笑うのだ。
絶望に落ちるその過程。それを楽しもうとしているのだ。
無論、気が触れたわけではない……
そして男達に取り囲まれ、彼女の微笑みが一層深まったとき――――救世主は訪れた。

179 :

「待て待て待てぇぇぇいッッ!!」
突如響き渡る雷のような大声。
彼女を取り囲む男達の凄む声とは比べものにならない大きさだ。
「一人のか弱き女性を男三人で取り囲み、非道な行いと共に汚そうとする傍若無人なその振る舞い、断じて見過ごすわけにはゆかぬ!!」 
女性を含むその場の四人が声のする方へと振り向くと、大きな岩の上にたくましい肉体を持った大柄の男が一人腕を組んで立っていた。
蒼いマントに全身黒タイツ。胸には赤いXの文字と、どこぞのヒーローオタクのような格好をした男が。
「な、なんだテメエはッ!?」
「仮に謎のヒーローXとでも名乗っておこう……。即刻ご婦人を解放するならばよし。そうでなければ天に変わって成敗してくれる!!」
謎のヒーローXと名乗った男は一人。此方は三人。
「フザケンナやっちまえぇぇぇッ!」
負けるわけがないと判断した男達は、いいところを邪魔された怒りもあって力任せに飛びかかっていった。
「正義の光あるところ、悪が栄えることはなぁぁぁいッッ!!」
男達が飛びかかるのと同時に自身も岩から飛び降りると、身体ごとぶつかっていくヒーローX。
「明日の平和のために受けよ、平和主義者クラッシュロイヤルスペシャルサンダーッッ!!」
訳の分からない必技の名前を叫びながら巨漢の男に繰り出されたXの強烈なラリアット。
まともに食らった相手は軽々と吹っ飛んで頭から岩に激突。動かなくなった。
Xは残る二人の間を素早くすり抜けると、口を開けてポカンと立ち尽くす女性を横抱きにして抱え上げる。
「へ!? な、なんですのッ!?」
「暫し御容赦願いたい」
抱き上げられて混乱する女性に一言断りを入れたXは、脚に力を入れて天高く飛び上がる。
「とうッ!」
「きゃあああッッ」
訳が分からないままお姫様だっこされた女性は空中で悲鳴を上げる。
別に高いから怖いとかではない。これが何百何千メートルの高さであっても恐怖など感じないのだから。
ただ、経験したことのない状況に、ある意味酔わされていたのだ。
そしてXの身体が跳躍の頂点にたどり着き、自由落下を始めたところで次なる必技を繰り出すべく両足を突き出し叫んだ。
「受けよ! みんな友達キック&キィィィィッック!!」
両足を交互に突き出し、起用としか言えない蹴りを残った二人に叩き込んだ彼はそのまま着地。
そして立ち上がると同時に一言――
「これぞ平和の真髄!!」
すると蹴りを叩き込まれて微動だにせず立っていた男二人がその場に崩れ落ちた……。

180 :

悪を成敗したXは抱いていた女性を下ろすと何も言わずに背を向け、歩み始めた。
ヒーローは多くを語らない。その背中が物語っている。
「お待ちください…」
そんな彼を呼び止める女性。
彼女の胸は今、経験したことがないこの出来事にときめいていた。
「せめて、せめてお名前を」
彼はXとしか名乗っていない。
もちろん彼女が“本気”で調べればすぐにも正体が判明するであろう。
が、それでは意味がないし、そんなことはしたくなかった。
「故あって本名は名乗れぬがフィル……親しき者はそう呼んでいる」
言いながら彼は口元を隠していたマスクを下げ、素顔を露わにした。
「フィル…さま……」
彼の名を聞いた彼女は数度その名を呟く。
「また、お会いできるでしょうか?」
「わからぬ。わからぬが……また、此処を訪れることもあるであろう」
「では、そのとき……わたくしと…その……」
恥ずかしいのか指の先を合わせてもじもじする彼女にフッと笑いかけた彼は
「うむ。では次にお会いするとき、貴殿をエスコートさせていただこう」
それだけ言って今度こそ振り返ることなく歩み始めた。
彼の微笑みにときめく胸を押さえて返事ができないでいた彼女は、未だ自らの名を告げていなかったことを思い出して去り行く背中に想いを込めて叫んだ。
「フィルさま! わたくしはッ、わたくしの名はダルフィンッ!! 忘れないでくださいましねッッ!!」
彼女、ダルフィンの目にはもはやフィルの姿しか映っていない。
周りで気絶している職業野盗の男達など石ころどころか、存在すら見失われているほどだ。
それがどれほど幸運なことか気付かないだろう男達は、目を覚ましていたらこれ幸いにと再び襲いかかっていただろう。
無論彼女、ダルフィンに……
おそらく一生分の運を使い果たしただろう彼らを余所に、胸の前で手を組み合わせたダルフィンは去り行くフィルの背中を見送っていた……。
「フィルさま……」

181 :

世界の何処かにある某所。

「恋ですわ! わたくし恋をしてしまいましたの!!」
白いドレスを着た金髪の女性は訪れていた同僚の話にうんざりしていた。
何せ来るなり「一目惚れをした」だの「素敵な殿方に出会いましたの」などと、聞きたくもない話をされるのだから。
誰かに助けられる必要など微塵もない強大な力を持つ同僚は、生まれて初めて助けられたことで恋をしてしまったらしいのだ。
「昔から変わったところがあるのは知っていたが、本当に変わっていたのだな。大丈夫なのか?」
「心配無用、痛くもかゆくもありませんわ。わたくし悟りましたの。愛は存在を越えてしまうものなのだと!」
愛というのは自分たちと相容れぬ感情。
といいつつ、過去に例がないとは言えないため「そういうこともある」と認識していたが、まさか自分と同格の存在が誰かに恋をするなど考えてもみなかった。
だが、それ以上に変わっていると思ったのは美的センス。
素敵だ格好いいだと騒ぐ同僚にどういう人物か聞いてみて呆れた。
大柄で、ドワーフをそのまま大きくしたようながっちりとした体格。
ヒゲ面で四十は越えているだろうヒーローオタクの男だというのだから。
「ま、まさか、いえ……そんなはずは……」
真っ赤になった両頬を押さえて「やんやん」と言いながら頭を左右に振る同僚を気持ち悪いと思っていた彼女は、同僚の話を聞いていつもの張り付いたような笑顔を引きつらせている直属の部下に目を向けた。
「知っているのか?」
「い、いえ、この目で見たわけではないのでなんとも、」
「そうか」
「フィルさまとデート……」
煮え切らない返事をする部下に、彼女はとりあえず鬱陶しい色惚けの同僚を叩き出すよう命令するのだった。
「僕がディープシー様を? 無理ですよォォォォーーッッ!!!」

182 :
感想ありがと!
一応フィルシルとフィルダルは繋がってないということで
繋がってたらこんな感じ
「ひ、ひるふぃーるほの、頬がいひゃいのらが、なぜに…」
「なんだかイライラします…」
シルフィールは帰ってきたフィリオネルの頬を引っ張ってしまう
何故かイライラするのだ。
げに恐ろしきは女の感であった……

183 :
なんという危険物…www
今まで想像もしたことないわwwもっとやれw

184 :
まさかエロパロスレでフィルさんのロマンスをこんなに拝めるとはwww
楽しすぎるわ

185 :
それもロマンスの相手がシルフィールに海王様ってww
この先どうなるのか想像できん
とくに海王様はwww

186 :
ランツと誰かの話がひとつくらいあってもよさそうだと思ったがないなw
女好きだから誰とでもいけそう
リナ、エリス、シルフィール

187 :
>>186
ナーガを忘れてる。

188 :
>>187
ナーガあるならルナもいけるな
ふらりと立ち寄ったリアランサーで一目ぼれ。つきまとうランツ
リナが帰ってくるとスポットと仲良く犬小屋に
・・あれ?

189 :
フィルさんと嫁(ナーガの格好)の話とかも気になる

190 :
美女と『おうぢさま』3と4話投下
これは王子様ではありません『おうぢさま』です
おうぢさまことフィリオネル×シルフィール、フィルシルという危険物なので避ける人は避けてね。

191 :

美女と『おうぢさま』3

「ええっとだな……これと、これをもらえるか?」
「まいどあり〜!」
此処セイルーン・シティの大通りは、いつものように大勢の人で溢れかえり、大いに賑わいを見せていた。
流石は世界でも指折りの大都市、たまに事件が起こったりする物の治安は非常に良く、観光客も安心して過ごせる街である。
その人混みの中、とある雑貨店にて一人の男性がせっせと買い物をしていた。
この人物、暑っくるしーくらいの大柄で、ドワーフをそのまま大きくしたようながっちりとした体格と蓄えられた口髭が相まって、一見するとその筋の者にしか見えないが、何を隠そうこのセイルーンの王子様なのだ。
といっても、素性を知る者=セイルーンの国民や友人などを除けば、誰もが皆信じないであろう。それくらい世間一般の『王子様』像からかけ離れた外見をしている。
そんな王子ことフィリオネルが平日の昼間に買い物をしているのは、昨日と今日、二日掛けてやる書類仕事を今日の午前中に終わらせてしまったからだ。
他の仕事はないかと聞いても「とくにありませんのでお休みください」と言われ、手持ち無沙汰になった彼は街を散策しようと護衛も付けずに出てきたのである。
尤も彼の場合護衛を付ける必要性など皆無なのだが……。
「おっと忘れてた。殿下殿下、これサービスです」
「ん? これは……福引き券か?」
「ええ、そこの角でやってます。良ければやってみてくださいよ」
「これはかたじけない。しかし、わしはこの手の物はあまり当たったことがないからなぁ〜」
もらった福引き券は一回分。
元より簡単には当たらないのが福引きである。
一発勝負では絶望的だ。
「そうそう当てられたら商売上がったりですからね〜」
「それもそうか」
暫しの談笑を終えたフィリオネルは福引き券片手に露店立ち並ぶ通りの角まで行くと、それを係の者に手渡した。
「これはこれはフィリオネル殿下。ようこそお越しくださいました」
「お越しくださったので、是非とも当たらせてほしいんじゃがなぁ〜」
「それをやったらイカサマですよ」
「むむっ、それはイカンな。自ら悪の道に進んでしまうところであったわ」
冗談とも半分本気ともとれる台詞を吐いたフィリオネルは、早速回転式抽選器の取っ手を握るとまずは逆方向に回して内部の玉を混ぜ、次いで反対に回して玉を吐き出させようとしたが、
あまりに勢いよく回転させたため出る寸前で玉が内部に戻ってしまうというアクシデントが起きた。
「ち、ちょっと殿下、壊れちゃいますよ、」
「おお、すまんすまん。つい力が入ってしまってな」
ただ、係の者からは見えなかったようだが、一瞬出かけた玉の色は白――ハズレの色だったのだ。
フィリオネルには持ち前の動体視力で見えていたため、内心ホッとしているのだが、これは明らかにズルと言えるだろう。
本来一回分だというのに、二回回すのと同じなのだから。
しかし彼は(出かけて引っ込むとはまた変わった作りをしておるのだな)などと、自分に都合のいいように受け取った。
いつものことながらイイ性格をしている。
「よし今度こそっ!」
今度は先ほどと違ってゆっくり回す。
ガラガラと玉の混ざる音が聞こえ、穴から顔を覘かせトレイに落ちたのは――銀色に光り輝く玉。
明らかに当たりを示す色である。派手さがないぶん一等でないのはわかったが、上位等級であるのは間違いない。
「銀色……おめでとうございます殿下! 二等賞――ミプロス島ペア温泉優待券ですっ!!」
ちなみに一等は数々の勇者や大魔道士を輩出することで有名な、ゼフィーリア王国一周の旅という物だった。


192 :

「ミプロス島といえば、世界温泉ガイドブックで紹介されている温泉の中でも五指に入るほど有名な温泉地ですぞ」
「ほう、名前は知っておったがそれほどに有名なのかぁ」
王宮に戻ったフィリオネルが福引きで当てた優待券のことを話したところ、世界各地の温泉に詳しいという侍従長が事細かに教えてくれた。
なんでも世界温泉ガイドブック五つ星の中の五つ星 全温泉ファンあこがれの的らしく、マニアの間ではチケットが高値で取引されているほどなのだという。
「それにペアならば丁度宜しいではないですか。確かシルフィール殿でしたかな? 殿下の御婚約者の……あの方をお誘いしては?」
ペアチケットならばシルフィールを誘ってみてはどうかと提案する侍従長。
真相は知っているというのに、ご丁寧にも婚約者などと付け足して。
これにはさしものフィリオネルも慌てて否定した。
「違う違うシルフィール殿は親しい友人だっ! というよりもおぬしあの場に居ったのだから知っておるだろうに……」
「無論冗談でございますよ」
「あまりたちの悪い冗談を言わんでくれい……。事情を知らぬ者が聞いて居ったらまたシルフィール殿に迷惑がかかってしまうではないか」
これ以上彼女に迷惑を掛けてしまったら顔を合わせられなくなると言うフィリオネルだが、侍従長は「大丈夫でしょう」と他人事のように返答している。
だが彼は大丈夫とは考えない。若く見目麗しい嫁入り前の娘と、自分のようなさえない(本気でさえないと思ってる)中年男が妙な噂を立てられれば、彼女にとって迷惑以外の何物でもないだろう。
まあこれはフィリオネルがそう思い込んでいるだけで、当のシルフィールが迷惑だと思うかはまた別である。
侍従長は第三者の視点から二人の関係を見た上でこう述べたのだが、どうやら伝わらない様子だった。
「まあ、いずれにせよこの間の見合い騒ぎで世話になっておるから、礼も兼ねて温泉にでもと誘ってはいたが……」
「決定ですな。では有休の手配をしなければならないのでクリストファ殿下にもお伝えしておきましょう」
クリストファというのはセイルーン王国第二王位継承者であり、スマートな美形中年とフィル王子とは似ても似つかない容姿を持っているが、正真正銘血の繋がった弟である。
フィリオネルがお忍びの旅などで不在の際に、彼に代わってセイルーンの政治行政を動かしているのがそのクリストファ王子なのだ。
「頼む。わしの方もシルフィール殿に伝えてくるとしよう」

193 :



フィリオネルは早速王宮のすぐ近くにあるシルフィールの家――正確には彼女の叔父グレイの家を訪ねた。
城壁を隔ててすぐの場所に立っているため、ある意味彼とシルフィールはお隣さんでもある。
彼は家の門をくぐり玄関前までくると、狼の頭をかたどったドア・ノッカーを数度打ち鳴らした。
「は〜い」
中から聞こえたソプラノボイスと共に開かれた扉から顔を覗かせたのは、薄紫色の法衣と深緑のマントを身にまとった、膝裏にかかるくらいのストレートの長い黒髪が印象的な少女。
言わずと知れたシルフィールだ。
「あっ、で、殿下!」
シルフィールは訊ねてきた客がフィリオネルだとわかると、一瞬上擦った声になる。
といってもそれはセイルーンの王子というやんごとない身分の方が訪れたからという物ではなく、親しい友人、または想い人に会えて嬉しいという感じの物だが。
どちらかと言えば前者よりも後者的な感じがする声の響きだ。
「ど、どうぞお上がりください」
「うむ。では失礼する」
「来た以上上がっていくよね?」とでも聞こえてきそうな弾んだ声で招き入れるシルフィールに、フィリオネルも「当然」とばかりにお邪魔した。

「さあどうぞ。座ってください」
「おお、これはすまぬ」
客間に通されたフィリオネルにお茶を差し出したシルフィールは、もはや定位置と言ってもいい彼の隣に座った。
「ところでシルフィール殿、グレイは?」
「おじさんは今往診に行っています。多分すぐに帰ってくるとは思いますけど……おじさんに御用ですか?」
シルフィールの叔父グレイは神官と魔法医の兼業をしているため、時折患者さんの家に往診に出かけることがある。
グレイとフィリオネルは昔からの友人であるため、彼女は叔父に用事があるのかと思ったのだ。
無論、今日用事があるのはシルフィールにだが。
「ん? いや、用事はシルフィール殿にだが」
なんですか?という彼女にフィリオネルはミプロス島の温泉優待券を差し出した。

194 :

「ど、どうされたのですかこのチケット!?」
それを見たシルフィールが驚きの声を上げる。どうやら彼女もミプロス島の温泉チケットがレア中のレアだというのを知っていたようだ。
ならば話は早いと経緯を説明する。
「実はな、今日大通りで買い物をしておったら福引き券をもらって挑戦してみたのだが……結果これが当たったというわけなのだ。いや〜運がよかったわい」
「そ、そうだったんですか」
「この間シルフィール殿と温泉に行こうと話しておっただろう? それで誘いに来たという訳だがどうかと思「行きますっ!」おおうっ!?」
話を遮る形で返事をしたシルフィールは、目を輝かせて彼の方に身を乗り出す。
滅多に手に入らないミプロス島の温泉チケット。それが目の前にあって、それも彼女にとって気になる人からの誘いなのだから興奮するのもムリはない。
それにより隣り合って座っているため、ただでさえ近かった二人の身体が更に近くなったのもまた当然と言えた。
「あっ……」
「むう……」
温泉に誘われたことが嬉しかったからか、勢いのまま彼に迫るような感じになってしまったシルフィールはふと我に返ったが、時既に遅し。
目と鼻の先、唇が触れそうなほどに二人の距離は近くなっていた。
片やフィリオネルも物理的距離が限りなくゼロになってしまったため、思わず身体を硬直させてしまい、言葉も出せなくなってしまう。
これが今まで何もなければ「わっはっは、ここまで喜んでもらえるとは誘ったかいがあったというものだわい」などと笑い飛ばせていただろう。
だが、この距離感で思い出したのは、あの芝居の時の熱い口付け。
シルフィールも同じく舌を絡ませ合い行われた、深く熱いキスの味を思い出し、固まってしまった。
「……」
「……」
見つめ合う二人の顔がゆっくりと近づいていく。
フィリオネルも、またシルフィールも、共に意識した物ではない。
それが証拠に口付けを交わしたことを思い出した後は何も考えていなかった。ダメだとか、こんなことをしてはいけないとか、恥ずかしいとか。
ただ身体が勝手に引き合っていくのだ。
まるで引力があるかのように。
分かたれた物が元の形に戻ろうとするかのように。
10センチほどあった唇の距離が徐々に徐々に狭まっていく。
9センチ、8センチ、7センチ……
シルフィールの紅色に染まった頬と潤んだ瞳が。
豪快なヒゲを蓄えたフィリオネルの顔が。
瞳の中に映る互いの顔がゆっくりと近づいていく。
やがてそれが1センチとなり、あと一秒もしない間に重なろうかというそのとき――
「ただいま〜」
シルフィールの叔父グレイが往診を終えて帰ってきた……

195 :

「おお、これは殿下。お見えになられていたのですか」
「う、うむ、まあ…な……」
歯切れの悪いフィリオネル。
グレイの帰宅の声と同時に我に返ったフィリオネルとシルフィールは、電光石火の勢いで身体を離して居住まいを整えていたため、結果的に気付かれることはなかった物の、気まずくなってしまった。
何故自分たちはあのようなことをしてしまったのか?
グレイが帰ってこなければ、あのまま唇を重ねてしまっていたのだろうか?
そんなことばかり思い浮かんで、互いの顔をチラチラ見ては視線を逸らすという行為を繰り返していた。
ただそこはそれ。持ち前の明るさと勢いに任せて再び話し始めたフィリオネルは、グレイも交えてシルフィールを誘いに来たことを伝える。
「というわけなのだ」
「殿下は働き過ぎですからね。丁度いい機会です、ゆっくりと英気を養ってきてください。それとシルフィールのこと宜しくお願いします。シルフィール、くれぐれも失礼のないようにな」
「も、もうっ! 子供ではないのですからわかっています!」
「そうじゃそうじゃ、シルフィール殿は立派な“れでぃ”であるからなぁ」
「殿下も何か発音がおかしくて不愉快ですっ!」
フィリオネルのおかげで話を上手く進めることが出来たため、気まずくなっていたシルフィールも次第に笑顔を取り戻し、終始穏やかに談笑を続けることが出来た。
ただ、今度は子供扱いされて別の意味でもやもやしてしまったのだが……。



「むっ? いかん、すっかり話し込んでしまったわい」
楽しければ話は続き、楽しい時間はすぐに過ぎてしまう。
外はすっかり日が落ちて、空には月が昇っていた。
「さて、わしはそろそろお暇させてもらうとしよう」
「もう帰るんですか?」
少し寂しげに言うシルフィールだったが、さすがにこれ以上長居するわけにもいかないだろう。
それに帰って旅の準備もしなくてはいけないし、クリストファにも挨拶をしておかなければならない。
「シルフィール殿も準備があるだろう?」
「はい……」
わかってはいてももう少し一緒にいたいと思うシルフィール。
そんな彼女の頭にぽんっと大きな手が乗せられた。
大きくて温かいフィリオネルの手がシルフィールの頭を撫でる。
「んっ……」
頭や髪を撫でられる感触が酷く心地いい。
もう少しこの感触を楽しみたいと思うシルフィール。
しかし、これでは我が儘を言う子供を言い聞かせる父と娘の構図だ。

196 :

「や、やめてくださいっ、わたくしは子供じゃないんですからっ!」
「わははは、すまぬ、つい…な」
あの感触をただ受け入れるだけでは本当に子供扱いされ続けそうで嫌だった。
彼女は思う。子供ではなく大人として接してほしいと。
そもそも、もうすぐ二十歳になる彼女はもう立派な大人なのだから。
倍以上も年が離れているせいか、どこか子供のような扱いをされているようで気になってしまうのだ。
実際のところフィリオネルにそんなつもりはないのだが、ここしばらくの交流においてシルフィールの中に芽生えた小さな灯火。
自分自身でも気付かない淡い想いがそれを許さなかった。
「殿下――」
呼びかけられたフィリオネルの一瞬の隙を突いたシルフィールはつま先立ちになると――
「んうっ!?」
蓄えられたヒゲの下にある彼の唇を強引に塞いだ……。
温かく濡れた唇の感触を共有したのは僅か一秒にも満たない瞬きほどの一瞬であったが、それをした側された側、双方に無限の時間を思わせた。
しかし一瞬は一瞬。
すぐに離れ唇を押さえたシルフィールはいたずらが成功したように微笑むと。
「わたくしを子供扱いした罰ですっ」
そう言い放って自分の部屋へと逃げていった……

一部始終を見ていたグレイとその妻マリアは目を丸く見開いて互いを見た後、もう一人の当事者たるフィリオネルに向き直る。
だが「むう、これはシルフィール殿に一杯食わされてしまったな」と言い、がっはっはと豪快に笑う彼を見て、「そ、そのようですね、」と答えるのが精一杯。
そして「これはシルフィールと殿下、二人の間のことだ」として口を挟むことはせずに、生温かい目で見守るのだった。
一方、何食わぬ顔で平然としていたフィリオネルはというと――(う、う〜む、年甲斐もなくドキッとしてしまった……)などと、意外に動揺していたのだが気丈に振る舞い、帰宅の途についた。

197 :
続けて第4話

198 :

美女と『おうぢさま』4

「ミプロス島行きの船が出るぞォ〜っ!」
とある国の港町。
此処からはあらゆる国、街、地域へと渡る船が数多く出ている。
同時にそれらの地域から入ってくる船も。
そうなると必然的に人の出入りが激しくなる物で、ただの港町であるというのにもかかわらず、大きな国の首都と変わらないくらい活気があった。
「早く早く、ミプロス島行きの船が出ちゃいます!」
そんな中を薄紫色の法衣と深緑のマントを身にまとった、神官、巫女さんといった出で立ちの長い黒髪の美少女が、ヒゲ面で四十は越えているだろう暑苦しい大柄のおっちゃんの手を引っ張っていた。
美少女の名はシルフィール=ネルス=ラーダ。見掛けの通り巫女さんである。
「シ、シルフィール殿、そんな急がんでも間に合うじゃろう、」
彼女に腕を引っ張られているおっちゃんは、その体格が災いして進みにくそうに人混みをかき分けている。
この、男なら思わず振り返る美人巫女さんシルフィールと比較すると、全くの正反対に位置した人相の悪い、野盗の親分みたいな風貌のおっちゃん、名をフィリオネル。
とてもそうには見えないが、これでも聖王国セイルーンの王子様なのだ。
尤も、四十がらみのヒゲ面で、ドワーフをそのまま大きく引き延ばしたようながっちりした体格と、人相の悪さから『親分』と呼んだ方がしっくりくるくらいだが。
彼はこう見えて大の暴力嫌いで自他共に認める平和主義者でもあったりする。
まあ平和主義と言いつつ悪党には鉄拳制裁も侍さない辺り、口の悪い友人たちは『最凶の平和主義者』などと呼んでもいるが……
とにかく、絶対にあり得ないだろうこの超アンバランスな組み合わせの二人が急いでいるのは、ミプロス島行きの船に乗るためだ。
何のために?それは簡単。ミプロス島に行くということは当然温泉に行くため。
世界温泉ガイドブック五つ星の中の五つ星。世界中の温泉ファンあこがれの的。
そんな有名温泉地のペアチケットを商店街の福引きで当てたフィリオネルが、最近仲良くなった、また世話を掛けているシルフィールを誘って計画した温泉旅行がここにいる理由である。
「乗ります、乗りま〜すっ!」

199 :



無事船に乗れた二人は出港してすぐ食堂に来ていた。
なにせ船の出港時間に遅れそうだったから昼食を食べていないのだ。
夕食にはまだ早い時間のため、人の少ない食堂は広々としていて、好きな席に座れるような状態である。
指定席など特にあるわけではないため、二人は窓側の席に着くと早速注文して運ばれてきた食事に手を付けていく。
「ふむっ、旨いっ! さすがと言ったところじゃな!」
かなりいい食材を使っているらしい豪勢な料理に、フィリオネルは満面の笑みを浮かべた。
ただ、彼はセイルーンの王子。そこで出される料理というのはここより豪勢な物のはずなのだが、「贅沢じゃなぁ」などと口にしている。
無論、現在彼と尤も親しい間柄にあるシルフィールはその理由を知っている。
「普段質素倹約に励んでいるのですから、こういうときくらいハメを外してもいいんじゃないですか?」
そう、質素倹約。これが理由である。
フィリオネルは普段贅沢をしない。別に金がないわけではない。
ハッキリ言えばセイルーンは豊かな国であり、その頂点に立つ王族は皆お金持ちだ。
だが、彼自身は「王族たる者、常に民と共にあるべきだ」と言って、世間一般の標準的な暮らしをするよう心がけている。
彼のその姿勢を見習う形で結構な数の貴族たちも贅を尽くすような生活は控えているのだ。
その分、不要な財政支出は抑えられるし、全くないとは言えないが不正が横行したりすることも極めて少ない。
まあ、不正役人の元には夜な夜な謎のヒーローが現れて、懲らしめているという、ホントかウソか真偽のほどは定かではない噂が立っているのだが……
これもまた彼が国民に慕われる理由の一つであるだろう。
「そうじゃなぁ、せっかくの旅行であるし……シルフィール殿の言うようにここはハメを外してみるか」
そう言った彼は、いま注文していた料理の三倍はあろうかという追加オーダーを頼んだ。
運ばれてきた料理の数々、主に量を見たシルフィールはさすがに言葉を失う。
「ん? 食べぬのか?」
「い、いえ、わたくしはこれで…」
「そうか。わしも大概少食ではあるが、シルフィール殿は輪を掛けて少食じゃな」
「し、少食……ですか…?」
そこそこ広いテーブルを埋め尽くす皿の数にシルフィールは(どの辺りが少食なのですか?)と思ったが、「ほれ、リナ殿やガウリイ殿なら、この倍は食べておるだろう?」という彼の言葉に何も言い返せない。
確かにリナやガウリイならこれの倍、下手をすると三倍は食べるだろう。それは彼女もよ〜く知っていた。
目の前で上品さの欠片もない食べ方をしている彼よりも、更に豪快に口の中に料理を突っ込む姿を何度も見ているのだから。
加えて「思えばグレイシアもリナ殿と同じぐらい食べておったな」という話に、もはや基準が違うということを思い知らされた。
「ほれ」
そんなことを考えていたシルフィールの前に、良く焼けて芳ばしい香りを漂わせている柔らかそうな肉が差し出された。
「えっ?」
「この船一押しの肉らしい。一口ぐらいいけるであろう?」
「は、はい、いただきます、」
本当はフィリオネルの豪快な食べっぷりを見てお腹いっぱいなのだが、差し出されて断るのも失礼だと思った彼女は、彼が持つフォークに刺さる一口サイズの肉にかぶりついた。
「おいしい…」
口の中に入った肉を噛むと柔らかい感触と共に肉汁があふれ出して彼女の舌を刺激する。
ほどよく脂の乗った肉は旨味成分たっぷりで、料理が得意であるからこそ味に敏感でもある彼女を納得させるに十分たる物だ。

200 :

「シルフィール殿の舌を唸らせるとは大したものだ。どれ、わしも……」
「あっ、」
彼女の反応に流石は一押しの品だと褒めたフィリオネルが、自分も食べようと新しい肉をフォークに突き刺し、口元に運ぼうとしたところ、肉を指したフォークをシルフィールに奪い取られてしまったのだ。
「まだ肉はあるのだから、わしから取らんでもよいではないか」と言う彼に対する彼女の返答は――
「あ…、あ〜ん」
母親が子供に食べさせるようにやる「あ〜ん」だった。
「シ、シルフィール……殿……?」
戸惑うフィリオネル。しかし彼は気付いていない、先ほど彼がシルフィールにフォークを刺しだし、手ずから食べさせたのと同じ行為なのだということを。
彼女はただ、フィリオネルがしたのと同じ事をしているだけなのだ。
尤も、こんなことをしている彼女も羞恥心で顔を赤く染めているが。
「あ〜ん」
どうやら引き下がりそうにない彼女にフィリオネルも「あ、あ〜ん」と言って、差し出された肉にかぶりつき、口の中に放り込んだ。
この微笑ましい、見方を変えれば犯罪チックな二人の遣り取りを見ていた食堂にいる数少ない独り身の男たちは、声をそろえて叫んでいた――「ふざけんなぁっっ!!」
まぁ、四十がらみのむさいおっさんと、黒髪の美人巫女さんが互いに「あ〜ん」などとやっていれば、そうなるだろう。
そんなモテない君たちの呪詛を一身に浴びたフィリオネルは、彼らの心の叫びに全く気付いていない。
無論、シルフィールについては言うまでもなく、完全に二人だけの世界に入ってしまっていた。
「う、うむ……旨い…な……」
口の中に入った軟らかい肉を租借し、飲み下したフィリオネルは戸惑い一変、いつもの笑みを見せた。
彼が食べてくれたことでシルフィールも微笑み返したくなるような満面の笑みを浮かべる。
「まさかこの歳になって『あ〜ん』などとされるとは思わなかったぞ」
「お、お嫌でしたか?」
「い、いや、子供の頃、同じ事を母上にされたのを思い出してな」
「お母様ですか?」
「うむ。思えばシルフィール殿は母上のように優しく美しい。わしがもっと若ければとっくに求婚しておるところだ」
「まあわしなど歯牙にも掛けられぬであろうが、それとわしはマザコンではないぞ」と冗談混じりに笑うフィリオネル。
彼がかつて求婚し求め、また求められたのは亡き妻ただ一人であったため、暗に自分は女性と縁がないよと言っているのだが、実際のところ彼の人柄に惹かれていた女性は結構いたのだ。
ただ彼が鈍くて察知できなかっただけである。
その魅力に気付き、いま尤も近い存在であるシルフィールは――
「そ、そんなことありません! で、殿下はその、とても、素敵な方だと……思います……」
「う、うむ……そうか…」
勢いのまま、次いで消え入りそうに彼の自虐的な言葉を否定する。
ご自分のことをそのように仰るのはやめてください。殿下は素敵な人なんです。そういう彼女に、フィリオネルは言葉が詰まってしまった。
同じく、自分で言っておきながらこちらも恥ずかしさのあまり俯くシルフィール。
「さ、さっさと食事を終わらせて、今日は早めに寝るとするかっ、」
「そ、そうですね、」
気恥ずかしい空気を吹き飛ばすように残りの皿を平らげたフィリオネルは、シルフィールと二人食堂を後にすると、明日に備えて早めの眠りに就くのだった。
翌日。
無事ミプロス島に到着した二人は、早速宿泊予定のホテルにチェックインしたのだが、一つ問題があった。それは寝泊まりする部屋が同じ部屋ということ。
ペアチケットだから当然なのだが、フィリオネルとしては如何に親しいとはいっても男女で同じ部屋には泊まれないと支配人に交渉するつもりであった。
無論、別途で料金を払い、別の部屋を借りれないかと。
しかし当のシルフィールが「わたくしは大丈夫です」と言って彼を引きとどめ、結局「おぬしがよいのならば」と同じ部屋に泊まるという形になったのだ。

201 :



「この時間帯ならばさすがに誰もおらんだろう」
その夜、草木も眠るという深夜。
フィリオネルは一人、広々とした温泉に浸かって日頃の疲れを癒していた。
何もこんな真夜中に一人で入ることはないと思うが、混浴だと聞けば仕方がないというものだ。
実のところ彼自身は気にしていない。というかとっくの昔に気にするような年齢は過ぎている。
だが彼や彼の年代、高齢の方などは気にしなくとも、若者の中には混浴と聞いて躊躇したり気にする者も多い。
折角の五つ星の温泉をそんなことで満喫できないなど大損である。
だからこそ彼はそういう者たちのことも考え、態々誰も来ないであろう時間帯を見計らって入ったのだ。
彼一人がそうしたところで意味がないのはわかっていたが、人がどうではなく自分がどうするかが大事だ。
「しかし、打ち身切り傷火傷に打撲などに効能があるというのは大したものじゃなぁ。流石は五つ星中の五つ星温泉といったところか」
更には肌を滑らかにする効果があり、美人の湯とも呼ばれているらしい。
「まぁ、美人の湯というのはわしには関係ないがな」
それでもシルフィールを誘って正解だったと彼は思う。
彼女は二十歳前の年頃の女性である。
美しくなりたい、綺麗になりたいと思うこともあるだろう。
「尤も、シルフィール殿は何もせんでも美しいと思うが」
性格よし、器量よし、料理は上手いという凡そ女として完璧をぶっちぎっているような彼女の場合、欠点を探す方が難しい。
「不思議なものじゃな。あれだけ完璧なシルフィール殿に浮いた話一つないのだから……それとも、今尚ガウリイ殿を諦められんということか」
ガウリイ=ガブリエフ。フィリオネルの友人の一人にして凄腕の剣士。
付き合いが長いからこそ知っている。シルフィールがガウリイに想いを寄せていることを。
ただ、彼の側にはもう席はない。その席には同じく度々世話になった友人リナ=インバースがいるから。
フィリオネルとしては今一番親しい友人であるシルフィールの応援をしてあげたいのだが、こればかりは難しいと言わざるを得ない。
リナとガウリイがゴールインしたという話は聞かないものの、おそらくは時間の問題だろう。
「う〜む、ままならんものだわい」
フィリオネルは本気で心配していた。娘のように可愛い大切な友人のことを。
ただそれが既にあさっての方向にずれていることに気付かない。
確かにシルフィールはガウリイに想いを寄せていた。彼女の心にはガウリイが“住んでいた”
そう住んでいたであって“住んでいる”ではない。
今現在、シルフィールの心には別の人物が住んでいる。
それは彼女自身気づき掛けていて気付けないでいる人物だ。
何故ならあまりに近すぎるから。近すぎて見えていないから。
だから気付けない。でも気付き掛けているのは確かだ。
その証拠に彼女の行動の、言動の、行為のあらゆる部分に表れているではないか。
そして、それはフィリオネルにも言えること。
自分の心に今、ある一人の女性が住んでいることに全くといっていいほど気付いていない。
それは亡き妻が住んでいるのと同じ場所だというのに……。
彼の場合も所々表出してはいるのだが、元よりそっち方面に鈍いせいか彼の方がより重傷といえた。

202 :

「んおっ、なんじゃ?」
そんな鈍感中年の鼻先を、青白く光る玉が通り過ぎた。
「おお、これは!?」
その指先ほどしかない小さな光の玉は彼の周りをふよふよと飛び回っている。
一見すると蛍のように見えるが、明滅していない上、青白い光を放つ蛍など聞いたことがない。
「フェアリーソウル……」
「んむっ!?」
飛び回る光の玉を目で追っていた彼が声の方、後ろを振り向くと、誰もいなかったはずの湯煙の中に女性が一人立っていた。
膝裏まであるまっすぐな長い黒髪に、大きく育ったメロンのような胸を二つ持った、恥ずかしげに、それでいて優しい微笑みを浮かべた女性が。
「きちゃいました」
「い、いや、来るのは自由だが、その……身体、隠さんでもよいのか?」
彼女、シルフィールはタオルこそ持っているが、それを身体に巻かず手に持ったままだ。
つまりフィリオネルから見ると、その揉み応えのありそうな大きな胸と、彼女の秘密の園がバッチリ見えてしまう。
「殿下はその……いやらしい目で見たりはなされないと思いましたので……見ませんよね?」
「む、無論だっ、男子たるものみだりに女性の肌を見るなど以ての外だ」
過去にちょっとしたアクシデントでリナの裸を見てしまったことは伏せておく。
「あの、隣に座ってもよろしいでしょうか?」
「う、うむ、遠慮する必要はない」
「で、では、失礼します……」
フィリオネルの隣に腰を下ろしたシルフィールは、態となのか身体を触れ合わせるように寄りかかった。
「殿下の身体……とても大きいのですね……それに、とてもたくましいです」
「ま、まあ若い頃から鍛えておったからな」
フィリオネルは魔法が使えない。
聖王国、魔法大国セイルーンの王子としてこれは致命的だ。
魔法が使えて当たり前の王族の中で、彼はある意味異端児とも言えた。
幼い頃ヒーローに憧れていた彼は、自分が魔法を使えないことに酷く落ち込んだことがある。
魔法が使えれば困っている人や助けを求めている人を助け、悪者を懲らしめることが出来るのにと。
だが、あるとき気付いたのだ。
「そうだ、僕にはこの身体がある! この身体を鍛えて悪者をやっつける力を身につければいいじゃないか!」
そのときから彼は毎日身体を鍛え、戦士や傭兵に稽古を付けてもらったり、独学で格闘技を学んだりして遂には魔法こそ使えないものの素手で魔族と渡り合うまでになったのだ。
「しかしな、所詮力とは暴力だ。そんなもので悪党を倒し続けても真の平和は訪れぬ。故にわしは暴力を捨て、誠心誠意話し合うことでセイルーンを、やがては世界を平和にしてみせると誓ったのだ」
時には行き過ぎてしまったり、許せない分からず屋の悪党には鉄拳制裁も侍さないが、彼が心から平和を愛しているのは確かだ。
そんな彼の幼き日の話を聞いていた彼女は、彼は昔からずっと同じなのだと気付いた。
正義感溢れる真っ直ぐな人で、率先して困っている人を助け、悪人たちを懲らしめる。
自分の負の部分さえも糧にして、己が信念を貫き通す。
「殿下は……、殿下は、昔から変わらないのですね」
「自分で決めた道じゃからなぁ」
「変わらないで……くださいね……ずっと、ずっとわたくしの大好きな殿下のままで……いてくださいね」
「世界をひっくり返すようなことでもないかぎり、わしは変わらんわい」
朗らかに笑うフィリオネルを見ていると、次第にシルフィールの緊張がときほぐれてきた。
緊張がとれるのはいいこと。いいことのはずなのに今夜のシルフィールは様子がおかしい。

203 :

「……」
「ん? どうしたのだ?」
突如無言で立ち上がったシルフィールに、いぶかしげな声を上げたフィリオネル。
が、なにかを考える暇さえなかった。
ちゃぷん!
響く水音と共にシルフィールのお尻がフィリオネルの膝の上に降ろされたのだ。
子を持つ父親なら一度は経験があるだろう、胡座をかいた膝の上に子供が座るという体勢。
フィリオネルとシルフィールはいまその体勢になっていた。
「……」
そして彼女がそうしたように、彼もまたシルフィールの身体の前に腕を回し、守るように抱き締める。
抱き締められた彼女はその厚くたくましい胸板に身体をあずけてもたれかかった。
お湯の中も、湯から出ている上半身にも、シルフィールの長い黒髪がまとわりつき、そこから漂う甘い香りがお湯の匂いと共にフィリオネルの鼻を擽る。
本来なら興奮してドキドキしたり、また性的な部分が刺激されたりするはずなのに、二人ともそのような感じにはならないでいた。
しばらくの間、何も言わずにジッとするだけの二人。
五分、十分、刻一刻と時は過ぎゆく。
一体どれくらいの時間そうしていたのだろうか?
ふと気付くと温泉の中は疎か、外に広がる森も含めて視界一面が青白い光の玉に包まれていた。
「フェアリーソウル」
それまで無言だったシルフィールが小さく呟く。
「んだエルフの魂とも、妖精の魂とも言われているんです……」
フィリオネルは何も答えずただ彼女の話に耳を傾ける。
「一説には……んだ人間の……魂とも……」
とても悲しそうに聞こえる彼女の声。
この、実に幻想的で美しい光景の中、彼女は何故そのような声で話すのか?
妙なところで聡いフィリオネルにはもうわかっていた。
答えを言っているようなものだったから、彼女が温泉に入ってきたときの「フェアリーソウル」と呟いたその瞬間に。

204 :

(んだ者の魂…か。そういうことであったか……。シルフィール殿はお父上のことを思い出しておったんじゃな……)
シルフィールの父エルクは、サイラーグ壊滅の事件で亡くなっている。
遅れて行きはしたが当事者の一人でもあるフィリオネルも詳細についてはしっていた。無論、その犯人についても……
しかし、既にその犯人は亡く、亡くなったサイラーグの者たちも、彼女の父も……生き返ることはない。
(ふむ)
こんなとき、普通ならばどうするか? 簡単だ。何も言わずに抱き締めてあげればいい。彼女の悲しみは、彼女自身にしかわからないのだから。
だが、フィリオネルは違った。
シルフィールの悲しみはシルフィール自身にしかわからない?
結構だ。そんなことは当たり前。これでも人生四十余年、伊達に何も考えずに生きてきたわけではない。
数多くのも、同じだけの生も、嫌と言うくらい見てきている。大切な者との、愛する者との別離さえも……
そしてその悲しみも喜びも本人にしかわからないもの。
彼が妻をされたときの悲しみも、自身にだけしかわからないと理解しているからこそ、彼女が父を失った悲しみもまた、彼女だけのものとわかるのだ。
間違っても「シルフィール殿の悲しみ、わしにもわかる」などとは言えない。
そんな分かったようなことを言うくらいなら、前述のように黙って抱き締めてあげるべきだ。そして余計なことは言わずジッとしていればいい。
そうすれば彼女は自分の中で折り合いを付け、またいつもの優しい微笑みを浮かべることだろう。
ただ、その前には多少の涙を流すかも知れない。身体を震わせて嗚咽をあげるかも知れない。
当然彼は見ないし聞かないことにするだろう。きっと見られたくないはずだ。
幸いにも体勢的に彼女の背中と髪しか見えないのだから。
だが、そんな彼にも一つだけわかっていることがある。
それは…………彼女、シルフィールの父の気持ち、いや考えか?
自身が愛する可愛い娘には、いつ如何なるときでも笑っていてほしい。
それが無理ならせめて泣いてほしくはない。それも親である自分が原因で泣かれるなど苦痛以外の何物でもない。
二人の娘を持つ父親だからわかるのだ。彼女の父の、親としての気持ちが。
だからこそ彼は、普通に考えて倫理的にも、また男としても最低の行為に手を染めた。
(シルフィール殿のお父上は怒ると思われるが、ここは勘弁してくれい)

205 :

むにゅっ!
「ひゃうっ!」
彼の取った行動は、彼女の身体の前に回していた腕を外して、両手の平をよくぞここまでと言えるほどに育った二つのメロンを掴むという、最悪の行動だった。
「で、でん、か?」
「おおう、シルフィール殿の胸は実によく育っておるなぁ」
お湯に浮くほど大きな柔らかい胸。
それを覆い尽くす大きな手の平で、包み込むように掴んだまま優しい手付きで揉みし抱いていく。
「はあっ! あ、ああっ、殿…下、やめ…っ、」
「そのように無体なことを言う物ではない。このような大きく柔らかい胸を惜しげもなく晒しておいて……」
少し上がった抗議の声を、彼は敢えて無視する。
いつもならすぐ止めていただろう。それ以前にこのようなことしたりしないが。
「はっ、あうっ、んうっ、」
フィリオネルはシルフィールの胸を下から持ち上げるようにしてすくい上げるように揉む。
決して力を入れたりせずに、あくまで優しく。
「ふっ、あぁっ、で、でん、かぁ、」
「ん? どうだ? 気持ちいいであろう?」
苦手なくせに下卑た言い方をするフィリオネルだが、シルフィールは全く暴れたりしないで好きなように胸を揉ませている。
そう、まるで彼のこの行為を受け入れているかのように。
「んっ、ふああっ、」
彼のしている胸を揉みし抱くという行為、それが本意ではないことなど彼女にはわかっている。
以前キスをしたくらいであそこまで罪悪感を感じ謝罪するような彼が、こんなこと出来るわけがないのだから。
「あっ…んううっ……」
本当に、本当に性欲のまま胸を揉んでいるのならば、このように優しく気遣う感じで揉むはずがない。
これではただ気持ちよくしてもらっているだけ。
そう、優しく気遣い、泣きそうになっていた自分を泣かせないようにと。
だからこそ彼女はフィリオネルに惹かれるのだ。彼のことが気になってしまうのだ。
彼女を守ろうと必になってくれる彼に……
それに、初めて男性に胸を揉まれた、いや触られたというのに、ちっとも嫌な気がしない。
それどころかフィリオネルに胸を触られているという事実に、不思議なことに高揚感と嬉しさを感じるのだ。

206 :
ールは胸を揉まれるのとは違う新しい感覚に、高い声で悲鳴を上げる。
「そ、そんな…っ、い、いやぁっ!」
「嫌と言われても止めぬぞ?」
態とらしく言いながら、フィリオネルは摘んだ乳首を指で転がしていく。
「んっ…あぁンっ、」
ちねったり捏ねたり、強弱を微妙に変えながら乳首をいじり続けるフィリオネルに、甘く熱っぽい声で応えるシルフィール。
続けられる愛撫にフィリオネル自身は憎まれ役的な行為に徹しているつもりだが、もしここに第三者が居れば一発で気付いただろう。
合意の上でしているようにしか見えないと。シルフィールは明らかに受け入れているのだから。
やがてそのフィリオネルの優しい行為は終わりを告げる。彼女の身体の震えと共に。
「んぁぁあああ〜〜〜〜っっっ」
ビクビクッと、大きく震えたシルフィールの身体。
密着しているからこそわかる痙攣とも思えるその震えに、フィリオネルは彼女の胸を解放した。

207 :

片や自分の意図を気付かれているとは思っていないフィリオネルは、両手の平を胸に乗せたまま、円を描くように揉み始めた。
「んっ、きゃうっ、ああっ、」
「シルフィール殿、どんな感じだ?」
「き、気持ちいい……です」
その言葉を示すようにシルフィールの大きな胸の頂にある乳首が紅く充血し、勃起してきた。
如何に彼の意図を察しようと、身体の方は女としての反応を示すものだ。
その勃起した乳首は手の平全体で捏ねるように胸を揉む彼にもすぐ伝わる。
「乳首が勃っておるな? けしからん、実にけしからんぞシルフィール殿?」
「も、揉まれたらっ、感じるのはっ……当たり前……ですっ、」
「ふむ、まあ正論ではあるな。じゃが何を恥ずかしがる必要がある? わしとシルフィール殿の仲ではないか?」
そう言いながら彼は胸を持ち上げたまま、勃起した乳首を人差し指と親指で摘み、指先に力を入れてコリっと捏ねてみた。
「ひううっ!?」
シルフィールは胸を揉まれるのとは違う新しい感覚に、高い声で悲鳴を上げる。
「そ、そんな…っ、い、いやぁっ!」
「嫌と言われても止めぬぞ?」
態とらしく言いながら、フィリオネルは摘んだ乳首を指で転がしていく。
「んっ…あぁンっ、」
ちねったり捏ねたり、強弱を微妙に変えながら乳首をいじり続けるフィリオネルに、甘く熱っぽい声で応えるシルフィール。
続けられる愛撫にフィリオネル自身は憎まれ役的な行為に徹しているつもりだが、もしここに第三者が居れば一発で気付いただろう。
合意の上でしているようにしか見えないと。シルフィールは明らかに受け入れているのだから。
やがてそのフィリオネルの優しい行為は終わりを告げる。彼女の身体の震えと共に。
「んぁぁあああ〜〜〜〜っっっ」
ビクビクッと、大きく震えたシルフィールの身体。
密着しているからこそわかる痙攣とも思えるその震えに、フィリオネルは彼女の胸を解放した。

208 :

「ハア、はぅぅ…」
男の人の手によって初めてイかされたシルフィールは、彼のたくましい胸板に身体を預けたまま荒くなった息を整えていた。
そんな彼女の様子を見て一応の満足を得たフィリオネルは、湯に濡れた彼女の髪を撫でながら呟く。
「済まぬ…な……」
それは謝罪の言葉。
如何に慰めようと、正しいと思ったことをしたとしても、彼女の身体を弄んだことには変わらない。
だからこそ行為を終えた以上、一言謝るのだ。
尤も、納得ずくで行為を受け入れていた彼女にとっては、謝られる覚えはないのだが。
「ハア、ハア、わかっていました……」
「なっ、なに!?」
「わたくしを……元気づけようとしてくれたのでしょう?」
「うっ!?」
「殿下、わかりやすいんですもの」
クスクス笑うシルフィールに、自分的には渾身の演技をしたつもりであったフィリオネルは、バツの悪そうな表情を浮かべた。

209 :

「殿下はきっと、どんなに修行をなされても詐欺師さんにはなれないでしょうね?」
「む、むう、失礼な! わしは人を騙すような悪人には決してならぬ!」
相変わらず無駄に元気なフィリオネルの気に充てられたシルフィールは、先ほどのような悲しい声を出してはいない。
切っ掛けを作ったフェアリーソウルはまだ辺りを漂い続けているというのに。
「綺麗ですね……」
「うむ。最高の秋の風物詩じゃな」
シルフィールが言っていたようにフェアリーソウルには悲しい言い伝えがあるのだが、同時にこの季節、大量発生することで旅人に幻想的な光景を見せることでも有名な秋の風物詩でもある。
特にミプロス島には数多く生息しており、温泉と一緒に楽しもうと観光客が押し寄せる一因にもなっているのだ。
「殿下」
「ん?」
「来年もまた……ここに来てみたいです」
「来年か……そうじゃなあ、今回のように温泉を満喫することはできんかもしれんが、それでもよいか?」
再三言うが、ミプロス島の温泉チケットはレア中のレアである。
場末の宿でも大概値が張るというのだから、そうそう手に入らない。
しかし、シルフィールが言っているのはそんなことではない。
彼女はフィリオネルの胸にグッと身体を押しつけ、上目遣いに彼を見つめた。
「殿下が一緒なら、なにもいりません。わたくしとまた、フェアリーソウルを見に来ましょう……」
誰が呼んだか約束の島。
それは家族、恋人、この島で出会った人との約束なのか?
それともんだ者たちの魂と言われるフェアリーソウルとの約束なのか?
いずれにせよ、ここに一つの約束が出来た。
シルフィールにとってはフィリオネルとの。
フィリオネルにとってはシルフィールとの。
大切な、大切な約束が。
飛び交うフェアリーソウルは、きっと来年も二人を出迎えることだろう。
一年先というのは短くも長い年月。
そのとき、二人の関係がどのようなものになっているのか?
それはまだわからない。
ただ一つ言えるのは、今よりもっと仲良くなっている。
そんな確信を持った二人は、肌を触れ合わせたまま、青白い光の玉が織り成す幻想的なショーを楽しんでいた……

210 :
終わり
途中の投下ミス申し訳ない……一線越えられなかったなかった。
次こそは!
感想ありがと。
ダルフィンのお話は小ネタだったんだけど、行けそうなら続き考えてみる。
フィルさんの嫁、もう少し語られてたらな……
ランツならエリスを悲しい結末から救ってくれそうだよな。

211 :
GJGJ!
おっぱいを優しく包んであげつつ悪振るフィルさん、漢だw

212 :
捕囚

213 :
捕囚ってなんかエロい

214 :
乙!
二人の関係は順調に進んでいる感じかWW
ところでミプロス島のホテルってフィルさんの娘さんの泊まったとこ?

215 :
ほしゅほしゅ

216 :
>>210
GJ
面白かった

217 :
ほしゅほしゅ

218 :
捕囚なリナ
捕囚なアメリア
捕囚なシルフィール
捕囚なルビア
捕囚なアリア
捕囚なミリーナ
捕囚なメンフィス
捕囚なナーガ
捕囚な銘酒うらりょん
捕囚な付け合わせのパスタ
攻め方それぞれ萌えるす

219 :
虜囚なガウリイが抜けてます先生!

220 :
>>219
水の代わりに大量のピーマンをドドドドッと流しこm

221 :
捕囚なリナだと「さあ、卵を産め」しか出てこないw

222 :
そこでなめくじですよ

223 :
>>220
ピーマンの代わりに小さいリナをドザザーっと大量に流し込んでみたり

224 :
>>219
>>220
>>223
チビリナ虜囚から抜け出せなくなるガウリイw

225 :
>>221
ガウリイ「なあ、オレの子を産め」
…ぷろぽぉずか

226 :


227 :


228 :


229 :


230 :

スレ世界にも「魅了」の呪文あるんだよな?
何巻か忘れたが名前が出てたような

231 :
>>230
魅了の呪文あったね〜
長編に出てたかは覚えてないけど、あらい●み版コミックスには確実に出てた。

232 :
>>230
本編に出てきたかどうかは定かでないけれど、
すぺしゃるのような気がする。
アニメ雑誌かえんさいくろぺでぃあで傀儡の呪文と並んで載っていたような気も。


233 :
>>231-232
そうだーー
コミックにあったね
うろ覚えの記憶で本編の傀儡の呪文(レゾが使った時)の所で名前だけ出てきたように思ってたけど記憶違いだったw
やっぱりすぺしゃるかな

234 :
暑くてとける

235 :
うん。溶ける。

236 :
ふおおおおおおお!
某所つぶやきにリナ耳カムカムくらげがああああああ

237 :
>>236
早速見に行った!
これは萌える。

238 :
リナたんのみみたぶ美味いかがうりん
左手の行方も果てしなく気になる

239 :
携帯の待ち受けにしたw
うかつに開けないw

240 :
あれはカプッとるだけじゃなくレロってるとみた

241 :
レロっとされて最初は「にょわあぁぁ!?」と奇声上げつつも責め続けられるうちに目がトロンとしてくるリナちんまで想像した。

242 :
宿の一室、背負っていた荷を下ろして見やった先にはこちらに背を向けているリナの姿
最近新調した旅装はまだちょっと見慣れなく、同時に新鮮でもあった
衣擦れの音と共にリナの肩からマントが外される
以前までの大きなショルダーガードはなく、普段から小さな肩を際立たせている
これは以前と同じ、丸く大きなイヤリングを外す仕草が妙に色っぽく感じられて、自然と足はリナへと向いていた
「リナ」
「うにゃあっ!」
細い腰をさらって引き寄せると、空いた右手で触り心地のいい髪を撫で、こめかみの辺りからかき上げてやるとかわいい耳と白い首筋が姿を表した
……美味そうだ。いただきます
「にょわあぁぁ!?」
やわらかな耳朶をはむっとくわえてやると、騒がしい声と共に軽く暴れ出すが、頭と腰に回した手で逃してはやらない
唇の端でそのやわらかさを楽しみながら、口の中でその縁に舌を這わせると、腕の中の身体がビクンと跳ね、少しおとなしくなった
薄く開けた視界の先では下唇を噛み、息を詰めて堪えている姿
声出さない気だな
耐えて小さく身を震わせる様子もそそるが、かわいい声も聞きたい
それならと食んだ耳朶を舌先で遊ぶ
ねっとりと這うように
チロチロとからかうように
次第にリナの息があがっていくのが楽しくて執拗に同じ所を攻めていると、
ついに耐えきれなかったのか、かわいい唇が開かれ、はっと深い吐息に押し出されるように
「あっ!」
という高い声が零れ出た
「んっ、は、あ、がうり…」
くたりとオレの胸にその背を預け、舌の動きに甘くかわいい声が応えてきた
やっぱり全部食べたいな
オレは腰に回していた左手をその下へと滑らせた

243 :
ムラムラしてとりあえずここまで妄想した!
反省はしていない
とわけのわからない供述をしてみる
新装版コスチューム、胸の所どーやって脱がせバインダー?
下は生足チラ見え?

244 :
>>243 ごちです!

245 :
ほしゅ

246 :


247 :


248 :


249 :


250 :

な夏過ぎて妄想も広がらない
秋になればー

251 :
保守ついでに少しだけ書いてみる。
俺がリナにこんな気持ちを抱いているとは本人には気付かれてはいまい。
最初は、どんぐり目のペチャパイのただの子供だと思っていた。
……いや、良く考えてみると最初からそうでもなかったかもしれない。
自分でもよく分らないが。
リナは胸が小さい事を出会った当初から気にしている。
未だにそのことでからかえば、すぐにやり返してくるし、飛び蹴りも食らわしてくるし、一回言えばいつまでも根に持つ。
ドラゴンが火を噴く勢いで俺に迫ってくる。
リナには口では敵わない。
なぜかよくわからんが、ある時から怒り狂ったリナに迫られてギャアギャア喚かれると興奮するようになってきた。
怒って無視されても、なぜか興奮する。
機嫌を損ねて半日口をきいてもらえなかった時には、不安になった瞬間リナに襲いかかりたくなった。
さすがにまずいと思っている。
自称保護者を名乗っておきながら、陰ではそんな彼女に欲情している。
からかうのは大人げないとも思うが、怒った瞬間のリナが俺を見る目が好きだった。
出会った当初は15歳だった。
まだ子供だと思っていたが、不思議と惹きつけられた。
ゼルがディスの奴もリナが気に入ったらしい。
胸が小さかろうが、色気があろうがなかろうが、あまり関係ないらしい。
あの話し方、自信たっぷりな態度、何より自分を信じ抜く生命力の強さに惹かれる。
「ちょっとガウリイ! あんた、何、ぼけぇ〜っと人の顔見てにやついてんのよ!」
次はどっちの街行こうかってさっきから言ってんの!!
目的地、あたしにばっかり考えさせないで、少しは考えろこのくらげっ!!
小さな身体のどこからそんな元気な声が飛び出すのか、
リナの甲高いキンキン声が、ますます俺の身体を刺激する。
「……お前さんの行くところ」

252 :
ワンテンポ置いて、リナの「へ!?」という素っ頓狂な声が辺りに響いた。
「お前さんの行くところに、俺はどこでもついてくぜ」
ちょ、ちょ、ちょっとガウリイ!
あんたいきなり何言ってんのよ!
アンタ、なんかへんなもんでも食べたんじゃないでしょうね!?
うろたえるリナが可愛い。
正直、脈はある気がするが、本人に自覚がまるでないように見える。
どう攻めたらいいか分らない。
「だいたいねー! あんた一体いつまであたしにつきまとって……」
「一生、かもな」
「!!
……やぁね! アンタ、ほんと、どうしちゃったのよ!?」
リナの顔が真っ赤になってる。
もうひと押し、してみるか……?
そう思いながらも、つい、いつもの癖でからかっちまった。
怒りだすリナに首を絞められ、下半身が反応してきた。
最近は寝る前にリナを頭の中でグチャグチャに犯し尽している。
この甲高い声で喚かれたり、悲鳴をあげられたりしながら、
泣きながら感じているリナを抱く妄想ばかりが浮かぶ。
身長差もリアルに考え、様々な体位まで具体的に映像で思い浮かべてしまう。
恥ずかしがる胸を刺激してやったり、いいポイントを擦り上げて、アッアッアッアッ!と短いキンキンとした喘ぎ声をあげる細身のリナに挿入しているところを想像するだけでまずい事になる。
リナの声を聞いているだけで、深夜の妄想が目の前に広がって、
道端で押し倒したくなる衝動に駆られる。
そろそろまずいなと思っている俺の前で、両腰に手を当てたリナがこちらを見上げて何か言ってくるが、
その声や唇や身体が目の前で揺れ動いているように見えて、俺にはリナが何を言っているのか分らなかった。
「ちょっ! ちょっとガウリイ!!」
気がつけばその顎を持ち上げてリナの目を覗き込んでいた。

253 :
ガウリイの忍耐力(?)には脱帽する。
いつまで手を出さない気だ。ガウリイ。
スレイヤーズ懐かしいな! ガウリイの脳内想像してみたけどガウリイ難しいなw
保守完了。

254 :
神キターーー
ガウリイヤバスwww
タガ外れかけとるw
我慢はいかんぞ、それ行けガウリイ

255 :
>>251
GJ!!!!!
アブナイ人一歩手前なガウリイの妄想がたまらん。
ぜひ続きを!!!
こちらも生しっす!!

256 :
>>253
GJ!GJ!
壊れかけのガウリイ短い描写だけどエロいよエロいよ

257 :
ほしゅってみる

258 :
ほし

259 :


260 :
神様かもん!

261 :
ほしゅ

262 :
う授業

263 :


264 :


265 :
ほけん

266 :
体育?

267 :
の実施てすと

268 :
リナとアメリアがいつもおしとやかなシルフィールの馬鹿笑いが見たくなって
影縛りで動けなくした後にくすぐって笑わせまくる
こんなんどうだろう?

269 :
>>268
謎の仮面女が
「笑い方がなっていないわね!おーっほっほっほ!」
と乱入してくると予想

270 :
アメリアって母親の形見の装備一式には見覚えないのかな?
あの一見悪の魔道士ルックを着て正義を高らかに語るアメリアも見てみたい
貸してやれナーガ

271 :
アメリアにも似合うかもしれんな、まだ15歳だったんだっけか
…意外と鏡コピーのナーガに当惑するアメリアとかもいいかもしれん

272 :
>>270
「あうう、やっぱりまだ成長が足りないですぅ〜」
「ほっほう? つまり自分はまだまだ発展途上だと抜かしやがるわけですかフフフ」
「リ、リナさん、顔がマジ怖いです……」
という情景が思い浮かんだ。

273 :
>>272
アメリア逃げてーーーーーー!
しかしサイズが及ばないのなら逃げる間にずり落ちるな

274 :
えろえろしいえろがみたい

275 :
ゼルアメも読みたい!

276 :
ほしゅ

277 :
ほしゅ

278 :
hosyu

279 :
ガウリナ前提ガウリイ×ルナとか読んでみたいと思うこの頃……ルナ攻めでもいーよ。

280 :
姉妹で3pうわなにをするすぽっとあせふ

281 :
ペットいれて4Pで

282 :
バター犬ディルギアか

283 :
ルナを姐さんと呼び、獣らしく後ろからヤるスポットか
「姐さんもっとぶって〜!」とムチを手にするルナに懇願するスポットか

284 :
>>283
どちらにしろ下僕なのは間違いない。

285 :
ルナ姉さんに寝取られるのか!
リナの未熟な性技を実地(ガウリイとのセックス)で鍛えるルナ

286 :
「あっ……」
ガウリイの裸体を見て、リナがぱっと目を逸らした。
その頬がりんご色に染まる。
月明かりの下、ガウリイの青い瞳がじっとリナを見詰める。
とまどったように顔を逸らすリナの初(うぶ)さに、ガウリイの口角が上がった。
「……リナ……」
ため息混じりの声に、喜びの感情が滲み出ていた。
いやいやするように首を振るリナの顎を持ち上げると、そのまましばらくしげしげと見詰め、
軽く唇を啄む。
幾度か触れるだけのキスを繰り返した後、ガウリイはふっと息を吐いた。
リナの耳元に。
それだけでヒクリと身をすくませるリナの顎を再度持ち上げて、今度はねっとりとしたキスを始める。
もう片方の手はリナの上半身を行き来し始め、衣服の上から指で形をなぞり始める。
膨張し始めた突起を探り当てたとき、リナから悲鳴が上がった。
だがそれも、すぐに深いキスに飲み込まれる。

287 :
巨乳のくせになにも知らないアメリアに戸惑うゼルもおいしいよね

288 :
>>287
アメリア「ゼルガディスさんっ!パイズリって何ですか?」
ゼルガディス「……そ、それは……」
アメリア「ケチケチしないで教えて下さいよぅ」
ゼルガディス「……来い。教えてやる」
アメリア「えーー?ここじゃダメなんですかー?」
ゼルガディス「ああ。俺の部屋で実際に教えてやる」
アメリア「はいっ!宜しくお願いしますっ!」
こうですか?わかりませ
あんまし戸惑わずに連れてっちまったw

289 :
でもいきなり実地で指導するんじゃなくて
だいたいどのようなものか言葉で説明したあと説教から入りそう
でも結局ムラムラして襲ってしまうとか

290 :
ゼムラディス!

291 :
※エロ無しです。
−−−−お使い−−−−

 冷たい雨がしとしとと降り続けている。
 揺れる木の葉の間から落ちてくる雨の雫が肩を濡らす。
「止みそうにないな」
 隣に目を向けず呟くのは、深く被ったフードから覗く銀色の髪をしたゼルガディス。
「そうですねぇ……うぅ、さむっ…」
 小柄な体に黒髪、大きな瞳を空に向けた少女はアメリア。
彼女とゼルガディスの二人は、リナに頼まれた書物を受け取るために滞在していた村から
3〜4日程かかる町へ移動している最中だったが、不意に訪れた雨雲に足を止められていた。
少し冷たい空気を含んだ秋の雨は、アメリアの体を少しずつ冷やしていく。
肩に羽織った外套も湿り気を増し、雨を防ぐには至らない。
いつ魔物が襲ってくるかも判らぬ道中に備え、出来るだけ体力、魔力は温存しておきたいところなのだが…。
「すぐ止むかと思っていたが…少し待っていろ レイ・ウィング!」
 言うが早いか翔封界の術を詠唱し空高く飛び立つゼルガディス。
 彼自身の魔力、精神力の高さからあっという間にその白い影は木々に阻まれ見えなくなった。
「…はぁ…」
――せっかくのゼルガディスさんとの二人旅なのに、ついてないなぁ…。
 一人になったアメリアは、安心してため息をつく。
密かに、誰にも悟られないように、アメリアはゼルガディスを好いていた。
自身の身分を理解出来ぬほど、彼女は子供ではない。
そしてその身分から、彼に悟られた時彼を困らせる事も、彼女は理解していたから。
「待たせた。少し移動するが雨の凌げそうな場所があったぞ。」
 数分の後、スタッと軽やかな音を立てて着地したゼルガディスはアメリアに移動するよう視線で合図する。
「あ、はい!有り難うございます、ゼルガディスさん」
 前に立ち歩くゼルガディスに小走りで追いつくアメリア。
その背中を見失わぬように。一つの動作でも、瞳に焼き付けるように。

292 :

「ここだ」
 ゼルガディスが翔封界で見つけた場所は、先ほどの頼りない木から歩いて10分ほどの距離ではあったが
目的地とは全く違う方向だったので通りがかりでは気付かない位置にあった。
 キメラの自分とは違い、生身の人間であるアメリアを先に小屋へ入るよう促す。
「あ、有り難うございます…。うわぁ、思ったよりしっかりした小屋だったんですね」
先に中へ入ったアメリアは率直な感想を漏らした。
「そうだな。狩人の休憩小屋かなにかだろう」
 板を打ち付けただけのような簡易さではあるが屋根もあり、壁に備えられた棚には何枚か布や毛布が畳んで置いてある。
真ん中には囲炉裏もあり、奥には薪もある様子から、冬場主に利用されているのであろう。
「これでも巻いておけ」
「うわっぷ」
 続いて中に入ったゼルガディスは棚から毛布を一枚取り、アメリアに放り投げる。
きょろきょろと中を見ていたアメリアは、頭で毛布を受け取る形になってしまった。
「旅の相方に風邪でも引かれちゃ困るんでな」
 ぶっきらぼうな物言いでも、アメリアには自分を気遣ってくれている事が伝わり、つい顔が綻んでしまう。
「…有り難うございます」
 その言葉には返事をせず、薪を囲炉裏に並べ、火を熾す準備を進めるゼルガディス。
「ファイアー・ボール」
 魔力を抑え、小さい火炎球を指先に生み出し薪に火を付けると、ほんのりと小屋の中が明るくなった。
そうしている間にも雨音は一向に収まる気配もなく、むしろより激しさを増したような感がある。
「うわぁ、あったかいです〜」
 外套を外し毛布を羽織ったアメリアは、嬉しそうに囲炉裏の側にすとん、と座った。
「全く面倒な事を頼まれたもんだな。いきなり雨に降られるなんてついてない」
 アメリアとは反対側の壁に背を預け、座りながら愚痴るゼルガディス。
「あはは…でもリナさんの頼みを断ると後が怖いですからねぇ」
――それがなくても、ゼルガディスさんは優しいからきっと断らないと思いますけど。
 心に浮かんだ言葉は、そっと飲み込む。
後に何か違う言葉を続けようと思ったが、現状雨の話以外特に話題があるわけもなく
また、いつ止むとも知れぬ雨の話をしても無意味にしか思えない。
 元々口数が少ないゼルガディス相手に会話は弾まないので、降り続く雨の音だけが小屋の中には響いていた。

293 :

「…すぅ…すぅ…」
 止まぬ雨音のみの静かな沈黙の中、違う音がアメリアの耳に届いた。
見る物もなく、ただ揺れる炎を見詰めていた目線を起こし音の正体を確かめると
壁にもたれたままゼルガディスが転寝をしているようだ。
 この小屋を見付ける為に少なからず魔力を使ったのだし、キメラとは言え体力回復の為に睡眠を欲したのだろうか。
滅多に見る事の出来ないゼルガディスの寝顔を目の当たりにし、アメリアは思わず頬が緩んでしまう。
――あ、そういえばゼルガディスさんは寒くないんでしょうか…
 よくよく考えると自分にだけ毛布を渡し、ゼルガディスは濡れた服のままでその場に座ったきり動いていない。
いくら嬉しかったとはいえそんな事に気付けなかった自分に少し幻滅し、細心の注意を払って音を立てないよう
そっと立ち上がり、棚から毛布を一枚取り、再びそっとゼルガディスの側へ歩み寄る。
――起きませんように…
 心の中で念じながらゼルガディスに毛布をかける。
「……」
「!」
 毛布がかかった瞬間、ぴくっとゼルガディスの肩が動いたように見えた。
――…こっ、これ以上動いたら起きちゃう……?
 仕方ない、と自分に言い聞かせその場に座る。
 隣にはゼルガディス以外、誰も居ない。
 ドキン、ドキン、と鼓動が早くなるのを感じる。
 そっと右に目線を向けると、端正な顔立ちながら、難しく目を瞑っているゼルガディス。
普段の無表情な彼から比べると幾分か険しさも薄れているようにも見え、それでいて辛そうな表情にも見え…
 じっと見詰めていると、アメリアの胸がぎゅぅっと苦しくなった。
 色々な苦しみを抱え、一人を好むゼルガディス。
 自分の体を呪い、その運命から抜け出さんともがくゼルガディス。
 そんな全てが、愛おしいのだ。

 …ちゅっ…

「………!?」
 自らのとった行動に思わず口を押さえ、毛布で顔を隠す。
――わ、わたし一体何をっ…!!??
 ちらり、と毛布の隙間から隣を見るが、ゼルガディスが起きた気配はない。
――良かったぁあああ…気付かれてない、ですよね、大丈夫…のはず!
  でも恥ずかしすぎて顔を上げられません!うあぁぁあああ、うあぁぁあああぁああああああ!!!
 ぎゅうっと毛布の中に顔を埋め、必に自分を落ち着かせている間、隣の気配が動かない事に安心し
また、普段なら絶対起こらないであろう自分の行動にパニックになった事も手伝い、いつしかアメリアも疲れて眠りに落ちていた。
「…………」

294 :

「おい、アメリア」
「ふえっ?」
 自分を呼ぶ声に目を開けると、そこには見慣れないものが。
――…なんだろう、この白い布…
「雨も止んでいる、いい加減起きて欲しいものなんだがな」
声のほうに顔を向けると、自分を真上から覗き込むゼルガディスがそこに居た。
「ぜっゼゼゼゼゼルガディスさん近いです!!!!!!!!!」
 慌てて毛布を被り顔を背けるが
「近いと言われても、お前が枕にしているそれは何だと思っている」
「えっ…ふわぁぁあああぁあああああああ!!!!!」
 先ほど目にした見慣れぬ白い布とは、他の誰でもないゼルガディスの脚であった。
 その事実に気付いた瞬間、ずざっっと音が付く勢いでアメリアは飛び起きる。
「…人の膝の上で勝手に寝ておいて悲鳴を上げるとは、お前も中々に失礼なやつだな」
「ごっごめんなさい、わ、わたしあのっ、えっと、あの、ごめんなさい!」
 怒っているのかと更に慌てて泣きそうになりながら謝っていると
「…冗談だ。ほら行くぞ。だいぶ時間を無駄にした」
 頭をぽん、と叩かれ笑いをこらえた声が上から降ってくる。
「…はい!」

 火の後始末などを終え小屋から外に出ると、雨はすっかり上がり木々の隙間から差し込む陽の光が心地良い。
「それにしてもゼルガディスさん意地悪です、寝顔を見た上にからかうなんて!」
 並んで歩きながら、アメリアは先ほどのいたづらに文句を言う。
「断りもなく人の膝を枕にしたやつの言うセリフだとは思えんな」
 ニヤリ、と意地悪な笑みを浮かべて目だけで隣を見やる。
「うぅ…」

――まぁ、その前の仕返しでもあるがな。
 果たして。
 『彼』は本当に眠っていたのだろうか?

 ・・・二人のお使いはまだ始まったばかり。

295 :
キターーー!

296 :
※エロまで行けなかった。
−−−−お使いU−−−−

「今日はここで宿を取るか」
 リナのお使いの旅2日目の夕方に辿り着いたのは小さな村だった。
 辺りから漂う夕食の支度の匂いが空腹を刺激する。
 昨日は通り雨にあい、あまり行程が進まなかった為仕方なく野宿だったので
宿のふかふかの布団を想像しただけでアメリアの足は軽やかになる。
「宿はどこでしょう…あ、あそこに看板が出てますね。わたし行ってきます!」
 ゼルガディスはその風貌から、訝しがられる事が多いので普通の宿などは入り辛い。
 4人で旅をしている間にその事情を把握しているアメリアは、さっと一人宿に入って行く。
「こんばんは。2人なのですが部屋は空いてますか?」
 村とその宿屋の規模に見合った、申し訳程度の小さなカウンターの側に腰掛けた宿の亭主らしき人物へ問う。
「ああ、ちょうどさっき空いたよ。今女房が片付けてるからここに記帳して隣で食事でもしてきな」
「はい、有り難うございます!」
 小さな宿屋なので運がいい。この時期は冬に備え旅の商人も多いだろうし、すぐに満室になるのだろう。
 すらすらと記帳し、外で待つゼルガディスの元へ声をかけに戻る。
「ちょうど空いていたそうです!お隣が食堂らしいので、ご飯にしませんか?」
「わかった」

 普段の4人(といってもうち2人は規格外)の食事とは違い、静かに夕飯をとった後、宿へ戻って部屋へと行くと
「…アメリア」
「…はい」
「…鍵は一つか」
「…はい」
「……どう部屋を頼んだらこうなる?」
「さぁ…」
 ドアを開け、所在無げに立ちすくむ二人の男女。
 目の前にはセミダブルらしきサイズのベッドが一つ。
 他には、テーブルと、2人掛けの長椅子。
 明らかに、カップル向けの部屋である。
「2人って、言ったんですけど…」
「……」

297 :
 それだけならば、女性同士、はたまたそういう関係の男女、と思われても仕方があるまい。
大抵宿屋の主人というのは、相手が言わなければそう解釈するものだ。
 4人で旅をしてそれなりに長いとは言え、元々旅慣れしているリナが大体宿などはいつも決めていたのだ。
慣れていないアメリアに任せてしまったゼルガディスの落ち度とも言える。
「俺はここで寝よう。先に風呂でも行って来い」
 そう言い、長椅子に腰掛け外套を外すゼルガディス。
「えっ、だ、ダメです、ゼルガディスさんがベッドで寝てください!」
「お前は俺が、女に椅子で寝れと言うような男に見えるわけか?」
「そ、そういうわけじゃないですけど…」
 困ったように俯くアメリアを見て、ふと意地悪をしたい心が疼く。
「それとも、一緒に寝るか?」
 ニヤリ、と笑い、反応を待つ。
「…?………!!!!!?????」
 言葉の意味を理解したアメリアの表情が一変する様をじっくりと観察する。
「いっ、いっ、いぢわる、です!お風呂!!行って来ます!!!!」
 くるり、と踵を返し、部屋から出るアメリア。
 一人残ったゼルガディスは、予想通りの反応に満足げに笑みを浮かべていた。

――もう、もう、もう、ゼルガディスさんいぢわるすぎなんです!!
 元々、いつもとは違う2人旅で、特に何か期待していたわけではないが。
 普段見れないゼルガディスを見せられ、激しい鼓動が胸を打つ。
 もっと何時も通りに振舞いたいのに、2人きりという事実に直面すると、それもままならない。
――こんなんじゃ、だめだ。もっとわたし、普通にしないと。気付かれたら、困らせちゃう。
 簡素な浴室で熱いお湯を頭から浴び、気持ちを落ち着かせる。
 顔をごしごしっと擦ると、唇に指が当たった時に昨日自分がとった行動を思い出す。
 少し硬い皮膚に当たった自分の唇を、そっと撫でる。
 あの時のことは、きっと気付かれていないはずだ。
 今思い出しても、なぜあんな行動に出てしまったのか分からない。
 ただ、顔を見詰めていたら、胸が苦しくなった。
 そして気付いたら、体が動いていたのだ。
 思い出すだけで顔が熱くなり、訳の分からない恥ずかしさが自分を襲う。
 結局気持ちを落ち着かせるため、普段より長い入浴になってしまった。

298 :
「遅くなりましたー…」
 そっとドアを開け部屋に入ると、小さな明かりの傍らでまたゼルガディスが長椅子に座ったまま目を閉じていた。
「ゼルガディスさん?」
 声をかけるが、反応はない。
――寝ちゃってる、のかな?
 昨日と似たシチュエーションがそこにあり、またアメリアの心臓はドキン、と跳ねる。
――う…、今日は大丈夫、絶対、大丈夫!
 ベッドからそっと毛布を拾い、側へと歩み寄る。
 落ち着け、と自分に言い聞かせ、ゼルガディスに毛布をかけ離れようとすると、何かに腕を引っ張られ
バランスを崩したアメリアはそのまま後ろへと倒れこんだ。
「ふわぁああっ!」
「今日は何もしないのか?」
「えっ、あれ、起きてたんですか?」
 ゼルガディスの膝に座り込む形で倒れこんだアメリアは、取り敢えずゼルガディスが起きていた事に驚き
「ん?何もって…?」
 改めて問われた言葉の意味を考えた。
「今日は、何も、しないのか?」
 アメリアに言葉の意味が伝わるようになのか、一語つづ区切って再び問うゼルガディス。
もちろんその顔は、アメリアが言うところの『いぢわるな顔』というやつだ。
「今日、は…って?え?えっ?えぇっ??」
「ん?」
「というかこの体勢っちっ近すぎ、ます!」
 倒れた体勢そのままに、ゼルガディスの右腕はアメリアの左腕をしっかり掴み
またゼルガディスの左腕は足を押さえている。
「キスするんなら近いほうが良いだろう」
「ふぇっ!?」
「昨日は寝込みを襲われたようだからな。今日も襲われるようならお仕置きが必要かと考えていたんだが、残念だな」
 全く残念そうではない口振りでさらっと恐ろしい事を言う。
 一体ゼルガディスはどうしたのか。
 膝に抱えられたまま混乱するアメリアは、何かを言おうとしても、口がパクパクと金魚のように動くだけで
言葉が出てこない。

299 :
「き、きききのっおっおきっ…」
「勝手に寝てると勘違いしたのはお前だろう」
「だ、だって、黙ってて、静かであの、その」
「ほう。セイルーン王家の人間は、相手が黙ってて静かで寝てると思ったら寝込みを襲っても良いのか」
「そっそんなの、正義じゃ、ないですぅ…」
 混乱した頭で自分に何が起きているのか必に考えるアメリア。
しかし、目の前にいるゼルガディスはいつものどこか遠くを見ている瞳とは違う熱っぽいそれで
自分をしっかりと見詰めていて、その熱さが自分に向けられている、と思うだけで顔に血が上り
益々何も考えられなくなる。
 アメリアにとっては、この状況そのものが既に十分すぎるお仕置きだ。
 自分の腕を掴むゼルガディスの力強い腕。少し動けば、顔が触れ合いそうになるほど側にあり。
 かつてこれほどゼルガディスと密着したことがあっただろうか?
 今まで必に隠してきたこの目の前にいる男性への想いが、今にも溢れださんとばかりに膨れ上がる。
「は、離して、くださいっ…!」
 小さな体でその腕から逃れようと懸命にもがくが、力で敵うはずもなく。
「まだ俺の質問に答えてもらってないんでな」
「質問って、な、なんですかっ」
「…今日は、何もしないのか?」
 耳元で三度繰り返されるその言葉。
「お前は、頬で、足りるのか?」
 もう一度、ささやくように問われる。
 昨日ほんの一瞬、唇に触れた、少し硬い皮膚の感触。
 必に忘れようとしていたそれを、他でもない本人から阻まれるとは。
「あれはっ…!わ、わたしも、なんでなのか、分からなくて…!」
 こんな事を面と向かってなど言えず、顔を背けたまま、懸命に言葉をつむぐ。
 そうする事がここから開放される唯一の方法だと言わんばかりに。
「ただ、気付いたら、しちゃってたんです。だから、足りるとか、足りないとか、今日はしないとか
そんなんじゃなくて、本当に、分からないんですぅ…」
 本当に、そうなのだ。何故あんなにも体が衝動を抑え切れなかったのか。
 何故、あんな行動をとってしまったのか。
 アメリア自身、全く分からなかった。
 ただ、とにかく無性にゼルガディスが愛おしい、と。
 そう思った瞬間、無意識に動いてたのだ。
 ほとんど最後のほうは泣きながらそう告げると、腕を拘束していた力がふっと緩んだ。
「分からない、か。便利な言葉だ」
「…え?」
「俺が何故こんな行動をしたのかも、お前は分からない。そういうことだな」
「えっ…と、はい、それも本当に分かりません」

300 :
 素直に頷くアメリアを見、どこか諦めたような、もしくは観念したのか、という表情を浮かべるゼルガディス。
「じゃあ、俺がこれからする事の理由もお前は分からない」
「え……ん、んっ?」
 不意にゼルガディスの唇がアメリアのそれを覆った。
「ん…んーーーーー!!!!」
 予想外すぎるその行動にアメリアはばたばたと腕を動かすが、腕の拘束が解けたのもそのはず。
ゼルガディスの腕はアメリアの体をしっかりと抱き締め、更に動けなくなっていた。
「んっ…はぁ…ゼル…んっ」
 息継ぎの為にずれた隙間から言葉を吐き出そうとするが、再び塞がれため息のようにしか声が漏れない。
「ゼル……ィスさ…、めっ…」
「何がだ?」
 小さくもれた否定の声に、アメリアの唇は少し開放される。
「こう、はぁ、いうのは、ふぅ、すきな、ひとと…はぁ、じゃ、ない、とっんん!?」
 そこまで言わせたところで再び塞ぐ。
 奥へ逃げようとするアメリアの舌を、自分のそれで絡めとり、唾液を吸い取る。
「んん…ぅっ…」
 たっぷり5分は経っただろうか。アメリアの反応を存分に堪能し、やっとゼルガディスは自分の唇を離した。
「じゃあ、お前が俺にキスしたのはなんでだ?」
「ふぇ…?」
 やっと開放され、自分の腕の中でぐったりとしているアメリアに再び問う。
「好きな人と、じゃないとダメなんだろう?」
「あ……」
「これでも随分と、我慢していたほうなんだがな」
 そこまで言われて初めてアメリアは気付いた。
 寝込みを襲われた事を本気で怒っていたわけでもなく。(お仕置きは本当かもしれないが)
 必に自分が隠そうとしていた気持ちは、無意識のあの行動に出た時、ゼルガディスが起きていた事で
既に隠す事が不可能になっていたのだった。
 それでも困らせる事が怖くて言葉に出して伝えることは出来なかった。
だから、「何故体が動いたのか分からない」という事だけを考えた。
「お前が何を考え、言えない理由にしているかは分かっているつもりだ」

301 :
 ドクン、と頭の奥で心臓の音が跳ねる。
「ずっと……俺も、お前と同じように思っていたからだ」
「ゼルガディス、さん…?」
「だがその俺の枷を取っ払ったのは…分かるだろう?」
 ぎゅっと、アメリアを支えている腕に力が入る。
 お互い同じ気持ちで居たのか。ずっと。
 自分が悩んでいた事と同じ事を、相手も悩んでいた。
 そう思った時、アメリアの心の枷も、ふっと消えてしまった。
「…ごめんなさい、わたし…っ」
「謝るな」
「……だいすき、です…」
「ああ」
 言葉は短いが、自分を抱き締める腕に更に力が入り、ゼルガディスの胸元に頭が押し付けられると
その鼓動の早さが、言葉以上に彼の気持ちを表していた。
――…でも、ほっぺの仕返しが唇なんて…やっぱり、ゼルガディスさんはいぢわるだ…
 そんな事を考えながらゼルガディスの心臓の音を聴いていると、次第にアメリアの意識は夢の中へと落ちていった。
「すぅ…すぅ…」
「………この状況で寝るのか」

頑張れゼルガディス。

302 :
うわお、にやにやするの来てたー!
乙乙続き続き!

しかしゼル、可哀そうだなw
その状況で寝るのかww

303 :
ああああ!ついにゼルアメ神降臨キター!
待ってました!

304 :
寝起きが一緒のベッドというお仕置きを敢行するんだゼル

305 :
>>304
自分におしおきしてどーするw

306 :
※本番?なにそれおいしいの?
−−−−お使いV−−−−

 チチチチチ…
「ん…」
――うーん、朝…?
 柔らかい布団の感触。温かいぬくもり。
――気持ち良いです…もうちょっと。
 ごろり、と寝返りをうつ。と、頭の下に枕とは違う硬い感触がある事に気付く。
――ん?
「ふわぁぁぁぁああああああああああああああっっっっ!!!!????」
 目を開けたアメリアの前にあったものは。
 ゼルガディスの端正な寝顔。
「……もう少し静かに起きる事は出来んのか、お前は」
 が、一瞬で眉間に皺を寄せた険しい表情に変わった。
「ゼッゼゼルガディッなっなん」
 一体何がどうなって一つのベッドでゼルガディスと共に寝ていたのか。
 目の前にある混乱のあまり、昨夜の事はアメリアの頭から綺麗さっぱり抜けていた。
 覚えていない事を察したゼルガディスは、ニヤリ、と笑みを浮かべ早速アメリア苛めを開始する。
「…案外(寝相が)激しいんだな、アメリア」
「はげっ!?はっ!!??えっ?????!!???」
「誰がはげだ。そんなに離れるな、こっちへ来い」
 後ずさりしてベッドの端ぎりぎりまで離れたアメリアの腕を取り、自身へ引き寄せ抱きしめる。
「ふぇっ!?」
 そして軽いキス。
「思い出したか?」
「おっ、思い出す、って、あのっ」
「まだ足りんか」
「えっ…んんっ……んっ…は、ぁ」
 こちらは一晩中無邪気な寝顔に我慢させられていたのだ。
これくらいは良いだろう、とばかりに混乱したままのアメリアの唇を味わう。
「ん、うぅ…も…ぉっ……ゼ、ゼルガディスさ、えっちですぅ…」

307 :
 隙間から途切れ途切れに抗議の言葉を吐き出すアメリアの声は、まるで逆効果なものだった。
「誘ってるとしか思えんな、そんな声で言われると」
「ちっ違います!!!もぉおお!!!!!朝ですよ、起きるんですっ!!」
 甘い優しい腕の中の誘惑を断ち切ろうと、枕をゼルガディスの顔に押し付けその隙に立ち上がる。
 自分の前で見せられる新鮮な反応にクックックッと笑いながら、ゼルガディスは再び問う。
「で、思い出したか?」
「おっ…思い出しました!おかげさまでっ!!」
 先ほどの甘い甘いキスで赤くなった顔は、更に赤くなる。
 そうだ。昨夜アメリアは、ゼルガディスに想いを告げたのだ。
 そしてそのゼルガディスもまた、同じ想いである事を明かしてくれた。
 まるで夢のような出来事で全く実感が湧かなかったのだが、今のゼルガディスの態度がそうではない、と
はっきり現実の物であることをアメリアに確かめさせた。
「それは何よりだ。寝込みを襲われなかった事も感謝して欲しいものだがな」
 頭をガシガシと掻きながらベッドから立ち上がり、またニヤリ、とアメリアを見やる。
 これは全く本当に、我ながら感心するのだ。
 布越しに伝わるアメリアの温もり、柔らかさ。薄っすらピンク色の唇が、呼吸に合わせて吐息を吐き出す様。
 時折寝返りを打ってはまた振り返り、ぎゅうっと抱きついてくるわけで。
 それらを目の前に、一晩の間お預けを食らっていたわけなのだから、ゼルガディスは最高に寝不足なのだ。
「ねこっ…襲うって、まだそれ引っ張るなんていぢわるです!!顔!!洗ってきますっ!」
 体は成熟していてもまだまだ中身はそちらには疎い。
 勘違いしてプンプンという音を頭上に浮かべ、部屋から出て行ったアメリアを見、困ったものだ、と
思案しながらゼルガディスも身支度を整え出した。

 想いが通じ合い、また側に居るという状況で、相手の全てを欲するというのはエゴなのだろうか。
 その瞳が自分以外を映すのが許せない。その腕が自分以外に触れるのが許せない。
 その姿を自分以外が見る事すら、許したくない。自分だけが見ていれば良い。
 しかしまた、互いの間には決して無くす事の出来ない一つの壁もあり、更に自分にはどうしても譲れない
一つの目的、生きる意味もある。
 だが、それがあったとしても、この愛しい存在が自分から離れる事は考えたくない。
「――ね。…聞いてますか?ゼルガディスさん」
 物思いに耽っていたゼルガディスは、その声でふと我に返った。
「すまん、全く聞いてなかった」
「今日はお天気も良いですしね、ぼーっとしちゃいますよね。ふふ」
 正直に詫びるゼルガディスに怒る事もなくにっこりと微笑むアメリアを見、抱き締めたいほど愛おしさがこみ上げてくる。
 さすがに人通りの多い街中では、それは出来ないが。
「運良く馬車が通ったおかげで予定よりだいぶ早く街に着いちゃいましたね、って言ったんですよ」

308 :
 リナからのお使いに出て3日目の今日は、目的地である街の一つ手前のこの街が目標だった。
 徒歩であったなら陽が落ちる寸前ぐらいに着く予定だったのだが、アメリアの言うとおり
旅の商人の馬車が二人の側を通りがかり、少しの買い物と引き換えに馬車に乗せて貰えたのだ。
 ここから更に次の街へ行くには確実に夜半過ぎになる。一人ならどうとでもなるが、今はそうではない。
 まだ早い時間ではあるが宿を決め、アメリアにせがまれ仕方なく街中をぶらりと散策しているところだった。
 本来なら日の明るいうちからこのような場所を出歩くような事はしたくないのだが、逆にこういう時、こういう
ふと立ち寄った旅先の街でもないと2人で街をぶらつくという事も出来ない。
「あ、あれなんだろう、うわぁ。見た事ないのがいっぱいあります!」
 くるくると良く動く表情と小柄な体。珍しいものを見付けては立ち止まり、美しいものを見ては感動する。
 そんなアメリアの後ろについて歩いていると、その仕草を微笑ましくも思うが、見たくないものまで見えてしまう。
 艶のある美しい黒髪、少し日に焼けた肌に浮かぶ頬の赤み。大きな瞳を黒々と縁取る長い睫毛。ぱっと見でも美少女だ。
 更に小柄な体躯には不釣合いにも思える、女を強調する膨らんだ胸。くびれた腰。細い腕。
 そして。
 それらを下種な目で見る、通りがかりの男共の視線。
「アメリア」
「うわっ、は、はい?」
 花屋の店先に並んだ色取り取りの花を眺め、香りを楽しんでいたアメリアの腕をぐいっと掴み、無言で歩き出す。
「あ、あの、ゼルガディスさん?」
「宿へ戻るぞ」
「えっ?まだ明るいですよ?」
「だからだ」
「えぇ…?」
 アメリアにとっては何が『だから』なのかが分からないが、それ以上問うのも難しい表情に気付き、大人しく着いて行く。

「あの…やっぱり気分が悪かったですか?」
 部屋に入るまで無言だったゼルガディスに、アメリアが問う。
「そうだな」
「すみません…わたし、嬉しかったから全然気付かなくて」
 今日も一部屋だが、ベッドはきちんと2つある。昨日の失敗を生かし、マスクをしっかり付けてゼルガディスが部屋を頼んだ。
その片方のベッドに腰掛け、ゼルガディスは外套を外しながら立ったまま謝るアメリアを見た。
 恐らく、あまり出歩きたがらないゼルガディスを無理に連れ出した事に対して反省しているのであろう。
「そっちじゃないんだがな…アメリア、ここに座れ」
 前半は小さく独り言のように言うと自分の隣を指し、促す。落ち込んでいるアメリアは素直にそれに従い、静かに座った。
「楽しんでいるお前を見ているのは全く苦にはならん。いくら見ていても飽きない程見ていたいとも思う。
俺が気分を悪くしたのは、そんな事じゃない」
「え?」
「俺は自分で思っていたよりも相当なやきもち焼きらしい」
 優しく、アメリアを抱き寄せる。
「ゼルガディス、さん…?」
「お前を俺以外のやつが見るのが、こんなにも腹立たしく思うなんてな」

309 :
 ぎゅぅっ…と両腕に力を込め、小さな体を抱き締める。
「ゼルガディスさん…顔を、見せてください」
 腕の力を抜き正面からアメリアを見据えると、ちゅっと軽く口付けられる。
「わたしは、ゼルガディスさんが…だいすきです。この顔も、髪も、腕も。
…普段隠れている、優しさも、全部」
 今度は、アメリアがゼルガディスを抱き締め、胸元に顔を埋めて問う。
「どうしたら、安心して貰えますか?」
「…お前の全てが欲しい」
「……アメリアは、もうとっくにゼルガディスさんのものです」
 背中に回した腕に力を込めながら言うと、その言葉でゼルガディスの心臓の音が一際強く跳ねた。
と、抱きついた格好のまま体が倒される。
「わっ…あ?」
 ゼルガディスの冷たい唇がアメリアの熱い唇に触れる。
「ん…ふ…ぅんっ……んん…っ、は、ぁ…」
「そんなセリフを吐かれたら、もう止まらんぞ」
 一旦唇を外し、アメリアの紅潮した顔を見詰め、つぶやく。
「えっ……ぁ、あっ!」
 唇、頬、耳たぶへと吸い付きながら移動し、軽く啄ばむ。
 柔らかい耳たぶに舌を這わせ、吐息を吹きかけながら反応を確かめていく。
「あ、あっ!ゼッ…や、そこ、なんっぁあ、変…です…うっぅんっ…ああぁっ」
 ぴちゃ、ぴちゃと舌と唾液の音が自分の耳元で響き、余計にいやらしく感じてしまい、また自分の口から漏れる声が
まるで別人が出しているような声に聞こえアメリアの羞恥をくすぐる。
「ゼ、ルガ…ディス、さ、やっ…変な、声っ…あ、出ちゃ…う、んぁ、はっああっ」
「もっと聞かせろ」
 そう言いながら、ゼルガディスの手は服の上からでも柔らかいアメリアの胸に触れる。
「あっ!!」
 優しく円を描くように乳房を撫で、そっと先端を摘むと一際高い声がアメリアから発せられた。
耳元や首筋はゼルガディスの唇、胸には手の平から与えられる絶え間ない愛撫で、何も判らないままの
アメリアの感情を昂ぶらせて行く。
「あっ、あぁ!あっ、ふ…ぁああ、あっあ、やぁ…ああっは、だっ…あぁ、め…ああ、あぁああ!」
 体をビクビクッと震わせゼルガディスの服をぎゅっと握り締めた後、アメリアの体から力が抜ける。
「あぁ…は…はっ…ふ…ぅ…」
「イったのか?」

310 :
 目を薄く開け、ぼぅっとした表情で浅く呼吸をするアメリアの顔を覗き込み、ニヤリと笑いながら問いかける。
「イったって、なん…はぁ、です…か…。わかん…な…ふぅ、です、けど…なん、だか凄くて…」
「じゃあもっと凄くしてやろう」
 言うが早いか、ゼルガディスは手をアメリアの胴衣の裾から差し込み、今度は直にそのたわわな乳房に触れる。
「あぁあっ…」
 首の辺りまで胴衣を捲り上げ、胸元、乳房の横等にちゅぅっと音を立てて吸い付き、小さく赤い印を付けていく。
そして今度は赤く尖り始めた先端には触れないよう、柔らかい部分を丹念に愛撫する。
「ん…んんっ…あ、はぁ…あぁ…」
 片方は下から抱えあげるように乳房を揉み、またもう片方には口付けを繰り返す。
次第に乳首の赤みが増し、触ってくれ、と言わんばかりに膨らむがそこには触らない。
「あぁ…ゼルガ…ディス、さっ…、あぁあっ…そこ…ぉ」
「どこだ?」
「うぅ…っ」
 触って欲しい感情が込み上げて来るが、恥じらいからはっきり口に出すことが躊躇われるアメリア。
もちろんゼルガディスにはそれが判っているが、やっと自分によってよがり、甘いため息を漏らすアメリアを見られるのだ。
 もっと色んな表情を見たい。この少女を、少女の顔から女の顔にするのは自分なのだ、と確かめるために。
 もっと色んな声を聞きたい。自分に与えられる刺激に喜び、自分を求めて、耐え切れなくなるほど切なく狂おしい声を。
「も…いぢ…わる…っ」
「じゃあ、どうして欲しいか言え」
「もっと…っここ……っして、ください…」
 ゼルガディスの手に自分のそれを添え、胸の先端へと導く。
 口に出すのは流石に厳しいか、と内心苦笑したが、その仕草がたまらなく可愛らしかったので十分だろう。
「仰せのままに、いやらしいお姫様」
 ニヤ、と笑み、その赤く熟れた乳首を口に含み強く吸うゼルガディス。
「はっ…!あぁ、ああっあ、あぁあぁあん」
 やっと与えられた刺激に、アメリアの背中が弓なりにしなる。
 もっと、とねだるように胸を突き出し、ゼルガディスの唇、舌の動き一つ一つに激しく反応する。
 口の中に含んだまま舌先で先端をくるくると舐めたり、また軽く歯を立ててみたり。
 空いている片方の乳房も、しっかりと愛撫する。指先で乳首を軽く弾いたり、きゅっと摘んだりしていると
またアメリアの息が荒く、浅くなり、熱が増すと再びビクンビクンッと体を震わせた。
「あぁ、ゼルッ……さ…ぁ、ふぁ…すごい、きもちい…っふあぁあっあぁぁああああ!」
「胸だけでイクなんて、本当にいやらしいお姫様だな」
 ぐたり、としたアメリアの耳元にささやき、薄く開いた唇に軽く口付ける。
「らっ…て、すご…は…あ、あっ!?」
 何かを言おうとしたアメリアは、次のゼルガディスの行動にまた驚きの声を上げた。
 腰の紐を寛げ、さっと手を差し込み下着の上から秘所に指を食い込ませると、そこはしっとりと濡れていた。
「あぁ、はぁあぁあああ、やぁ、そんっなと…こぉぉっ」

311 :
 イヤイヤをするように首を振り、動きを止めようと手を動かすが、初めてで2度も絶頂を迎えた後に力が入るはずもなく
頼りなくゼルガディスの腕に手を添えるだけの形になってしまう。
 回復するまで待つほど甘くはない。足に力が入らぬうちにと腰の部分に手をかけ、下着と共に一気に脱がす。
「やぁっ…」
 拒否の声を上げるが、足を閉じさせないようにゼルガディスは股の間に素早く入り込み、太ももを肩の上へと配置させた。
「こんな、の、恥ずかしいっ…ですぅう…」
「恥ずかしいお前を見るのがイイんだ。足を閉じるなよ?髪が刺さって痛いのはお前だ」
「うぅ…いぢわる……」
 顔を真っ赤にし、手で必に隠すアメリアを股の間から満足そうに眺め、目の前のご馳走へと視線を移す。
 薄い痴毛の下に、柔らかそうな赤い実が隠れている。そこにふぅっと息を吹きかけるとびくんっと腰が跳ねた。
「なっ、なんですかっいまの!!??」
「お前の一番敏感なところ、だ」
 そう言い、今度はペロリ、とそこを舐める。
「ふゃぁあっ!?」
――初めてだろうし、あまり強くするのは可哀相だろうか。
 少し思案したが、ゼルガディスさんのものだ、と言ったのはアメリア自身だ。全てを頂くとしよう。
 ちゅぅっと音を立て、隠れた実に吸い付くと唇の中にそれを含み、舌を尖らせてつつき、または舌を広げねっとりとねぶる。
「あぁああっ!?あっはぁあぁ、ふっうぅうんっくぁ、はぁあ、あああぁああぁあぁっ!!」
 一つ一つに激しく体が震え、腰が動き、足をびくんと動かすが、閉じるな、と言われた事も既に頭にないのだろう。
 時折髪に触れ、アメリアの白い太ももに赤い筋が刻まれていくが、痛みよりも初めて与えられる快感のほうが強い今
そんな事はアメリアの頭には全く入らない。
「あぁあ、あぁあああっんっぁあ、あああぁあああ、だめっ、だめっ、また、あぁっはっああああああああ!!」
 2回も達した後でより敏感になっていたアメリアは、クリトリスへほんの少しの刺激でもあっさりと達してしまう。
しかし今度は、そこでゼルガディスが止まる事はなかった。
「あぁあぁあああ、うぁ、あぁ、ふぅ…あぁ、はぁあぁああ!」
 更なる刺激から逃げようとする腰をしっかりと掴み、赤い実へ刺激を与え続ける。
「っ…あ――――――――――!!!」
 甲高い声を上げびくびくっと何度か痙攣した後、アメリアの体はぐったりと動かなくなった。


312 :
「ん……」
 どれぐらい経っただろうか。アメリアが目を覚ました時は既に辺りは暗く、ランプの明かりだろう仄かなオレンジ色が
視界に入ってきた。
「起きたか?…すまない、やりすぎた」
 隣から聞こえる声にゆったりと顔を傾けると、心配そうに自分を覗き込むゼルガディスの顔がランプに照らされていた。
「だいじょうぶ、ですよ」
 安心させるように優しく微笑み、ゼルガディスの頬に手を添える。
 ゼルガディスはその手を左手で掴み、そっと口付けた。
「このまま眠れ。側についててやる」
 アメリアの額にも口付けし、腕枕をしている右手で頭を撫でると、アメリアは幸せそうに頷きそのまま眠りに落ちた。
――まだ旅は続くからな。今日はここまでで勘弁しといてやろう。
 そんな恐ろしい事をゼルガディスが考えている事も知らないで。

−−−−−−−−−−−−−−−
>>304-305
まるで後ろから覗き読まれてたかのようなレスに思わずにやりとしました。

313 :
WAFFLE

314 :
ゼルアメ好きだ!読んでてにやにやしてしまうw

315 :
ゼルアメいいね!
読んでて一番萌えるカッポーだ

316 :
保守がてらに…。
喜んで頂けて嬉しいです。
続きを書きたいのですが右腕の調子がすこぶる悪く、時間がかかってしまいそうです。
楽しみにしてくださってる方がいらっしゃったら、気長に待って頂けると有り難いです。
神の降臨を心待ちにしております。

317 :
お大事に
無理すると治るものも治らないからな

318 :
>>316
続きwktkしながら気長に待ってます!
お大事にねー。

319 :
ほし

320 :
そういちろう

321 :
ケインwww

322 :
ゼルアメの方お大事に
右腕早く治りますように
ガウリナいきます
エロ未満

323 :
リナ「Trick or Treat!お菓子くれないと暴れちゃうぞ〜!」
ガウリイ「リナはいつも暴れてるじゃないか。どうどう」
リナ「誰が暴れ馬かっ!減らず口叩いてないで大人しくお菓子を寄越しなさいよガウリイ」
ガウリイ「…お前悪人っぽいぞそれ」
リナ「失礼ね!あたしにはちゃんと人権あるわよ」
ガウリイ「胸はないけどな!」
リナ「朗らかに言うなああああっ!インバースストラッシュ!!!」
ガウリイ「ぐはあっ!」
リナ「ふっ、雉も鳴かずば射たれまいに
って違うわよ!お菓子ちょーだいガウリイ。くれないと」
ガウリイ「もう暴れてるじゃないか」
リナ「ぐっ…こ、細かい事はいーからとっととお菓子出しなさいよ」
ガウリイ「ない」
リナ「へ?」
ガウリイ「ないぞ。全部食っちまった」
リナ「えーーーーっ!?ガウリイのけち」
ガウリイ「だから暴れていいぞ」
リナ「は?」
ガウリイ「お菓子ないから好きなだけ暴れていいぞ。ほれ」
リナ「……いや、えーと。そう言われるとその……」
ガウリイ「暴れないのか?」
リナ「う〜〜〜」
ガウリイ「じゃあオレが代わりに暴れるかな」
リナ「は?ちょ、どこ連れてくのよーー!?」
ガウリイ「どこだろな〜♪」
リナ「うにゃあああああ!ニヤニヤやめれーーー!」
ガウリイ「暴れちゃうぞ〜♪」
おわり

324 :
アメリア「Trick or Treat?お菓子くれないとせいぎしちゃいます!」
ゼル「正義なのか。お前らしいな」
アメリア「せいぎですっ!」
ゼル「だがすまん。生憎だが菓子の持ち合わせはない」
アメリア「じゃあせいぎします!」
ゼル「目立つ事はやらんぞ」
アメリア「大丈夫です!じゃあゼルガディスさん服を脱いでください」
ゼル「はぁ?」
アメリア「ですから、せいぎしますから服を脱いでください」
ゼル「な、なぜ正義をするのに服を脱ぐ必要があるんだ?」
アメリア「正義じゃありません!性技ですっ!」
ゼル「なっ!?」
アメリア「セイルーン王室に代々伝わる性技を実践して差し上げますっ!」
ゼル「どんな技だそれは」
アメリア「ですからこれから実践してみせますから!さあさあ脱いで脱いで」
ゼル「自分で脱げるから引っ張るなー!」
おわり
くだらなくてすまんw

325 :
笑ったww
せいぎってwwwwお姫様wwwwwwwww

326 :
>325
ふと思い付いてついふらふらと書いてしまったw
ウケてくれてありがと
ほしゅほしゅ

327 :
w

328 :
ほしゅってみる

329 :
ズーマ→リナありそうでなかったな保管庫に

330 :
保管庫のルナすぽっとはなかなかに良かった

331 :
今、保管庫を漁ってるけど名作もあるな
続編が出ないままの名作も多い

332 :
>>331
続編待望されたままそのままってのあったなあ

333 :
ネコ耳のやつ好きだ
あと前のにはタイトルついてないけど欲情シリーズ?も好き

334 :
みゃー

335 :


336 :


337 :
……このあとどう書き込むか悩む……

338 :
>>337
作品投下すればいいよ!

339 :
書いてると現代では普通にあるものが、あれもないんだよなーこれもないんだよなー
これの由来はとか考えてしまう

340 :
>>339
なんかわかるー。どこまで道具を書くべきか(笑)

341 :
どこぞの魔道士協会の試作品とか言えば大抵のアイテムは何とかなると思う。
触手攻撃するスイートポテトとかミニサイズのコピーホムンクルスとかあるんだし。

342 :
>>341
そこらへん考えるのが楽しい場合もあるな
逆にティッシュやコンドームみたいな普通のありそうでないものの扱いが難しいw

343 :
>>342
その手の衛生用品は、あるのと無いのじゃあキャラの貞操観念とかが、根本から変わってくるから、突き詰めて考えると結構面白い。

まあティッシュは端切れで、普通に代用出来そうだが。

344 :
ほしゅ

345 :
割りと有名なMAD
http://www.youtube.com/watch?v=D6RdY5Jaxuc&mad=

346 :
『おうぢさま』シリーズの新作がそろそろ読みたいっす

347 :
ほしゅ〜

348 :
王子様シリーズ私も好きです
まさか殿下に悶える日がくるとはww

349 :
王子様シリーズ私も好きです
まさか殿下に悶える日がくるとはww

350 :
随分熱烈なファンとみた。

351 :
大事なことは二回言わないとね

352 :


353 :


354 :
芋?

355 :2013/01/02
あけおめ★
姫はじめ期待してるよ〜
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