2013年01月エロパロ68: 【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 37フラグ目 (420) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 37フラグ目


1 :2012/05/02 〜 最終レス :2013/01/03
ここは鎌池和馬氏著作、『とある魔術の禁書目録』『とある科学の超電磁砲』『ヘヴィーオブジェクト』のエロパロスレです
カップリングやシチュエーション、エロの有無を問わずSSは常時大歓迎。

ただし、特殊だったりや好みが分かれたりするシチュは投下前に警告しましょう(例 百合や調教、鬼畜や陵辱物など)。
投下前にカップリングの表記があるとなお良いです。
このスレは基本的にsage進行です。レスしたり投下したりする際はメール欄に半角で『sage』と入力しましょう。

次スレは要領が480KBを越えるか、レス数が950を突破した辺りで立てましょう。焦って重複しないように注意。
荒らし煽りはスルー。雑談は雑談スレに行きましょう。
ルールを守って、気持ち良く楽しみましょう。
前スレ
【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 36フラグ目
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(ライトノベルの部屋>とある魔術の禁書目録の部屋)
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総合データベース
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過去ログは>>2以降

2 :
とある魔術の禁書目録
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3 :
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【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 32フラグ目
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【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 32フラグ目(実質33)
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【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 34フラグ目
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【とある魔術の禁書目録】鎌池和馬総合 35フラグ目
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1316527845/

4 :
では、「BLにも経験は必要だよね、初春」の後編の2を投下します
なんか妙に長くなってしまって申し訳ありません

5 :
 風呂からあがってさっぱりした初春飾利は下着を着けようかどうか迷ったが結局つけないことにした。
 丁寧に滴を拭ってバスタオル一枚だけを纏って生活空間に戻る。
 すると下着とシャツを着ているだけの上条が描きあげたばかりの原稿用紙に目を通していた。
 佐天涙子が三徹し初春飾利も一晩頑張った作品である。
 炎の魔術師と謎の東洋人の少年との絡みを描いた最新作だ。
 原稿を見るのに手慣れているのだろうか。手の脂で汚さないようにティッシュペーパーで指先をくるんでコート用の薄紙を捲って丁寧に読んでいる。
 ところどころで「なんでこんなこと知ってるんだよ」とか「これイギリスに送りつけたら確実にしに来るな」とかわけのわからないことを言っている。
 しかし嫌悪感を示さないのは理解があるからなのかもう諦めているからなのだろうか。
 初春飾利は声をかけることも忘れて興味深そうに反応を眺めていた。
「お、上がったんだ」
 気配に気づいてか、上条が顔を上げた。
 丁寧に薄紙を戻して原稿を角封に戻す。
 初春は上条の隣まで近づいて風呂で上気した顔で見上げた。
「……どう、思います?」
「んー、流石にねぇ、趣味は人それぞれだし楽しんでるのならば構わないと思うけど、少しは引いちゃうよね。
 絵は綺麗だし話の流れも雑誌の漫画に引けを取らないと思うし。
 なんか同性愛に纏める必要があるのか、って」
「そこは譲れませんよ、上条さん」
 半ば呆れたような上条に初春はきっぱりと言い切った。
 そして漫画としては高評価であることに満足する。
 同じ趣味を持っていない人が下す評価としては最高峰のものだろう。
 もちろん、楽しんでもらえたりさらには興奮してもらえれば最高なのだが、二次元と三次元はやっぱり違う。
 苦笑しながら上条が封書を机の上に置く。
 そして初春の頭を撫でた。
「まぁ、上条さんもエロい漫画とか持ってるわけですし。たぶん初春さんもドン引きするような奴。
 住み分けて互いを尊重するようにしないとダメですよね。うん、尊重は重要ですよ。美琴みたいに問答無用で灰とかはないわ」
 どんな内容だろう、と一瞬考えてしまったが互いに尊重するのだから触れないことにした。
 初春も自分の趣味を完全に否定されてしまう悔しさは知っているし、それを人に与えたりするものではない。
 私がいて貴方がいる。それだけで戦争は起こる。そして原因は大抵正義の押し付け合いだ。
 自分の無能さを棚に上げて人の趣味趣向に嘴突っ込んで規制しようとする輩は好きではないしそうなりたくもない。
 だがら初春は、
「そうですね」
 と上条に頷いて見せた。

6 :
 しかし瞳には小悪魔的な何かが浮かんでいる。
「で、どういうのが好きなんですか? やっぱりお尻でえっちするような漫画ばっかりなんですか?」
 にやにやと笑う初春に上条が一瞬憮然とした表情を見せる。
「私たちだけばれてるのはずるいと思うんですよね。上条さんの趣味も教えてください」
 悪友に影響されたのか初春の笑みは黒い。
 うきうきとした感情を隠さずずいっと近づく。
 そこには上条のことをもっと知りたいという欲望もあった。
「いやいやいや。マジで勘弁してください。風紀委員にこんなこと言ったら上条さんマジで捕まっちゃいます」
「もしかしたら小さい女の子が好き、とか?」
「それは白い奴だから。上条さんは年上のお姉さんが好きだから」
「ふぅん、お姉さん系が趣味なんですか。じゃあ、私なんか趣味じゃないですよね、残念です。
 佐天さんはスタイルいいからおっけーなんですね」
「だから! 二次元と三次元は別腹なの!」
 慌てる上条の頭に腕をまわして、ぐいと近づけた。
 ちゅ、と産毛の立っている頬にキスをする。
 瞬間、上条が慌てふためく。
 悪戯っぽい瞳で初春が笑った。
「お尻でする漫画は持ってないんですか?」
「……いっぱい持ってます」
「ふふ、正直でよろしい。じゃあ私にしてくださいよ。
 佐天さん、上条さんが凄く上手だって言ってましたし、それに取材しなきゃいけないんですから」
 床に敷いた布団に二人はまた横たわる。
 佐天涙子はまだ寝息を立てたままぐっすりと夢の世界だ。
 彼女のすぐ横で初春はうつぶせの形にされた。
 白いヒップを突き出す形になる。
「うう……恥ずかしいです」
 もじもじと切なそうにヒップを揺するが逃げようとはしない。
 これからのことに期待してしまっている。
 華奢でコンパクトな臀部はボリュームという点では劣る。しかし腰から流れるラインやぷりんとした張りのある肌は若々しく美しい。
 上条はできるだけ優しくつるりと撫であげる。
「ひぁ!」
「あ、痛かった?」
「い、痛くは無いですけど……びっくり、しました……」
 確信が持てないのか、初春の眉尻が下がる。少しだけ泣きそうになる。
 何分、人からされた経験というものが今日のこの日までないのだ。
 期待以上に不安もある。

7 :
 ――さわさわ、さわさわ……
「はんっ! ……ん……ん」
 きゅ、と瞳を閉じて布団向こうの固い床に額を押し付ける。恥辱に耐えている。不安げに指を噛む。
 可愛いな、と上条は一瞬見惚れた。
「はぁ……誰かに触られるのって、んっ、びりびりするんですね……」
 頬にうっすらと赤みが差す。風呂上がりとか上条のペニスを咥えた興奮だとかとはまた別に新たに湧きあがってくる感情。
 新たな欲望が浮かび上がってくる。
 それにこたえるように上条の指が尻の割れ目を撫であげた。
「やんっ!」
 すっ、と抜けるように一瞬。
 だが敏感な初春の肉体は反応してしまう。
 自分の意思とは関係なく背筋が震えた。
 恥ずかしい場所なのに、こんなに感じてしまうなんて。
 困惑する初春を構うことなく上条の掌が白い尻肉の上で踊る。ほんのりと赤く染まっているそこに軽い眩暈を起こしながら両手で鷲掴みする。
 上条は尻の丸さを包み込んで押し返してくる弾力を楽しんだ。
 ちゅ、と尻たぶにキスをする。
 わざと大きな音を立てて羞恥を煽る。
 ぴくん、と初春の背中が強張って尻肉に小さなえくぼが生まれる。
 嬉しくなった上条はもっと初春の背中を動かせようと舌を這わせた。
 ――ちゅ、ちろ、ちろろっ!
 ねっとりと唾液を塗りつけながら唇でついばむ。だんだんと熱のこもってくる秘部に晒されている空気がむわっとした匂いを孕んでくる。
 子猫のように背中を伸ばしながら初春飾利は目を閉じて熱い息を吐いた。
 小ぶりでも少女らしい丸みを帯びたヒップに刻まれた深い谷は思考停止するほど美しい。
 大人の女の艶めかしさは感じられないけれども、完熟前の桃のような初々しさと甘さを感じさせる。未熟ゆえに妖しい色香が漂って男の劣情を誘った。
(正直、男と女で比べ物にはならないと思うけどな)
 上条は心の中で思う。
 自分の尻を鏡で見てもこれほど綺麗なものではない。
 滑らかな球体の奥に放射状に皺を放つ可憐な蕾がある。
 緊張している尻肉に引きずられてかぱくぱくと口をあけ息づいている。
 その下にはたっぷりと蜜をたたえた割れ目からわずかにサーモンピンクを見せて粘り気のある液体を湛えている。
 水滴が一つ、つぅと太股を垂れた。
「……濡れてるねぇ」
「や、どこ見てるんですか!」
 無防備な女の恥ずかしい部分を晒していることに初春飾利が今更のように気付く。
 裸で下着も纏わずに隣にいたのに、まじまじとした距離で見つめられて騒ぎ出す。
 瞬間腰を逃そうとしたがむず、と上条に捕まえられた。逃げられない。

8 :
「こっちも後で可愛がってあげるけど、とりあえずは、ね」
 上条がゆっくりと中心部に顔を寄せる。ほんのりとボディソープの匂いがする。
 甘酸っぱい香りを胸一杯に吸い込んだ上条がお返しとばかりに息を吹きかけた。
「ひゃあんっ!」
 窄まりに吐息を感じて初春が甘い悲鳴を上げる。
 上条の大胆な行動は唇から先になって現れた。
「ひああああっ!」
 羞恥に耐えるように布団越しの固い床に額を押し付ける初春飾利。ショートカットの黒髪が切なげにゆれる。
 その感情を理解してやまない上条は胸をときめかせつつもわざと長々しく作業をする。
 綺麗に洗ってきて汚れなどかけらもない肛門の皺ひとつひとつを丁寧に舌でなぞる。
 ちゅ、とキスをしてぴくりとはねる尻肉を楽しむ。
「ん……おいしいよ、初春さんのお尻」
 ちゅるるっ、とわざとらしい音で吸いつきながら上条がからかうと、
「ば、馬鹿なこと言わないでくださいっ! へ、変態ですかっ!」
 と初春が反論する。するが腰砕けになったさまは快感にうめいている。
 抵抗できない。本気で逃げようともしない。
 シーツを鷲掴みにしながら歯を噛んで声を出さないように耐えている。
「ふぅん……でも、これが知りたかったことじゃないのかな。経験しなきゃわからないことはいっぱいあるよ?
 初春さんも楽しまないと」
 舌全体でアヌスを舐め上げて初春の理性を奪う。
 快感を覚えこませて自分に夢中にさせたい。
 きちんとした恋人がいるとしても男にはそういう本能がある。
 上条は夢中になって尻穴を舐める。ちろちろと舌先が動くたびに初春の細いヒップが左右に動いた。
 太股に流れる愛液も量と粘度が増してきている。
 気が弱いところがあっても正義感を持って風紀委員としての誇りを持つ少女が尻穴を舐められて快感に耐えている。
「ほら、初春さん。声出さなきゃ。きちんと体験しておかないといい漫画が描けないよ?」
「んんっ……きぃ……だって、恥ずかしいですよ、こんなの……」
 上条は悶えている初春飾利を揶揄する。
 窄まりをひくつかせて上条の唇に噛みつきながら初春が耐える。
 肛門粘膜の甘さを味わいながら上条の瞳に獣のような色が宿る。
 魅了されながら肛門の皺の一本一本をなぞって粘膜と皮膚との境界線を弄んだ。
「ほら、初春さん、気持ちいいって言わないの?」
 上条の恥ずかしい質問に初春は激しく左右に首を振った。
 興味津々だったはずなのに素直になれない。
 そんな初春を追い込むように上条の舌が肛門の中に捻じりこまれた。直腸内で一回転する。括約筋が舌を食いちぎりそうなほどに縮んだ。
「じゅる……じゅぱっ、ほら、気持ちいいんだろ?」
「酷い、ですっ! そんなこと言えるわけが……っ ああんっ!!」
 当然、こんな曖昧な答えで上条が満足できるわけがない。
 嫉妬と独占欲の入り混じったような、本来資格のない感情を抱きながら舌を奥にまで突っ込む。

9 :
「あううぅぅ!! いや、だめぇ、だめですぅ!!!」
 お尻を朱に染めた初春が絶叫する。初めての肛門愛撫にしてはずいぶんと感じている。
 やはり、ローターでのアナルオナニーでずいぶんと経験を積んでいるようだ。
 彼女の口から本当のことが聴きたくなった上条は少し意地悪をする。
「初春さんってどれぐらいアナニーしてたのかな? 教えてくれない?」
「いや、そんな恥ずかしいこと言えません!」
「じゃあ、やめちゃおっかなぁ」
 ぺろっと肛門を一度舐めて口を離した。
 厭らしい笑みを唇に張り付けている上条に快楽の途上を登りつつあった初春は強張った顔に半泣きの表情を浮かべて肩越しに振り返る。
「え……あ……」
「続けてほしいんだったら言ってよ。いやならいいけどさ」
「やぁあぁぁっ、こ、こんな中途半端で……い、言います! ずっと前から! 小学生の時からお尻触ってましたっ!
 オナニーしてましたっ!! ずっと興味あって、気持ち良くなってて……
 だから、やめないでっ! とっても気持ちいいから最後まで苛めてくださいっ!!!」
 上半身を布団に突っ伏して堰を切ったように快感を叫ぶ。
 恥辱の涙が零れてシーツに染みを作る。
 その一方で憑き物が落ちたかのように心がさっぱりとする。
 好きな物を好きだと認めてしまったことは初春の肛門をより性感帯として目覚めさせた。
 上条のペニスがみしみしと音を立てたように大きくなる。
 呆れるほどの射精を繰り返しても若い肉はまだ衰えを見せない。
 初春飾利の愛らしさに思わず自分で扱きそうになるがそれはメインディッシュの前に腹いっぱいになっておこうという魂胆と同じだ。
 自分の性欲の強さに苦笑しながら上条が初春のヒップを撫であげる。
 ひぃ、と短い悲鳴を上げた。
「最後までって、意味はわかってるよね?」
「わかってますっ! そんなの、最初から佐天さんが企んでたことじゃないですか!」
 涙目で上条を睨みつけた初春がやがて青菜に塩をかけられたようにしゅんと沈む。
 小さくなって消えそうなほどに身を縮ませて、そして意を決したように言った。
 ぞっとするぐらいに可愛らしく甘い声と尻肉を自身で割り開くという淫らな仕草で。
「……挿れて、ください……」
 少女のか細い声が上条の心臓を高鳴らせる。
「……上条さんのおちんちん。私の、ここに、入れてください……」
 ずくん、とペニスが妖しくときめく。
 上条の分身にあり得ないほどの力がこもる。
 いくら他の女の肉を知っていても、初春飾利のような穢れを知らない少女の肛交の懇願は心を奪われざるを得ない。
 しかも、佐天涙子もそうだが、処女の少女と処女のまま交わるという矛盾はまさしく禁断の快楽で激しく脳を揺さぶる。
 秘裂の興味を失ったわけではないのだが、やはりノーマルではないものに対する性的興奮は高い。

10 :
「きゃっ!」
 上条は初春を仰向けにしてその膝を初春の肩にまで落とした。
 股間が彼女の顔の前に来るほどに持ち上げる。無毛の場所は隠すことなく濡れていて初春が羞恥に染まる。
 露をたっぷり含んだ秘裂とおちょぼ口のようなお尻の窄まりがすべて見えてしまう。
「ひゃああっ、恥ずかしいですっ!」
 思わず初春の足が上条の背中をたたく。
 腕の三倍の筋肉が搭載されているという脚での攻撃だが不安定な体制と華奢な女の子の身体ということもあって上条にはほとんどダメージは無い。
 むしろ自分から尻肉を割り開いて見せたほど欲情しているはずの初春が再び羞恥に染まったことが嬉しい。
 そして、その羞恥が快感に返還される機構を大きな瞳の中に見つけた。
 暴れる初春の足を抑えつける。所詮は男と女。体力ではかなわない。
「たっぷり濡れさせないと入らないからね」
 言って、上条は自身のペニスを濡れた秘裂にあてがった。
 裏筋にたっぷりと蜜を含ませたあと、亀頭でお尻の谷間をすっとなぞりあげる。
「ひっひゃあああああっ」
 肉棒を女性器と肛門との間で往復させる。変形の素股。
 背中を反らせた初春のせいで亀頭から尿道のあたりまでが大陰唇を割って柔らかで敏感な粘膜に包まれる。
 挿入しているわけではないがそれにも匹敵するほど上条には心地よかった。
「柔らかいよ、初春さんの」
「や……やらしいですよ、こんなのっ」
 厚みのある二枚貝の肉で塗らされたペニスがてらてらと光りながら纏った蜜を尻肉の狭間にと落としていく。
 強請るように肛門がキスしてきて甘い疼きを感じさせる。
 筋肉組織の薄い下腹部が波打って初春が淫らに腰を躍らせる。
「こんな、いや、恥ずかしすぎますっ! こんなの、ボーイズラブと関係ないじゃないですかっ!」
「でもきちんとやっておかないと初春さん痛いよ?」
「そういうのはローションとか使うんじゃ、ひやっ! おっぱい触らないでくださいっ!」
「可愛いからいいじゃん。ほら、乳首もこりこりだ」
 困惑と快楽の入り混じった表情の初春飾利。乳房というには慎ましい場所を右手で上条が弄ると切なく悲鳴を上げる。
 大きく割り開いた脚の間から覗く顔が上気している。そこに上条の先走り汁と初春自身の愛液がぽたぽたと垂れて落ちた。
「ああ、すっごく気持ちいいよ、初春さん。きっと中も気持ちいいんだろうなぁ」
「だ、ダメですっ! それはだめっ!」
「わかってるって。今日はお尻だけだって」
 ぐちゅぐちゅと粘った音を立てる女性器が気持ち良すぎて本当にセックスをしているんじゃないかと初春は思ってしまう。
 このままするりと中に入ってしまったらきっと離すことができなくなる。
 ぎゅ、と自分の太股に深く指を食い込ませた。
 不安定な体勢でも腰が動いてしまう。

11 :
「すごく……大きくて……熱い、ですっ! あ、あああぁぁあ熱いっ!!! いやいや、気持ちいいっ! ひぃぅっ!」
 初春の腕が上条の首の後ろで交差した。
 折りたたまれるような形の上にさらに上条が重なる。
 濡れた陰唇が切なく戦慄く。
 きゅう、とお尻の穴が縮んだ。
「いやあああぁぁぁ、熱い、熱すぎるよぉっ! イくっ、いっちゃう!!!」
 ぎゅう、と全身を硬直させて初春飾利が身悶えしながら快楽の極みに達した。
 自分の両足と上条が上体を押しつぶす中で背筋を硬直させて仰け反る。薄い胸を突き上げる。
「ひあああああっっっ!!!」
 ぷしゅ、と音を立てたかのように愛液が一気に噴き出した。
 上条のペニスだけではなく下腹部全体を強く濡らす。むわっと性的な匂いが漂う。
 ぴんと突っ張った小ぶりな乳首がふるふると震えた。細い腕が痙攣するかのように上条にしがみつく。
 そして体力のすべてを奪われたかのように全身が弛緩した。
 ぽたり、と腕が落ちて汗腺を開いた初春飾利が目と鼻の距離の上条を見上げた。
 瞳が強く潤んでいる。
 吐息は荒い。そして甘い。
「酷い、です。お尻だけって話だったのに、おまんこでいっちゃいました」
「挿入はしてないじゃない。涙子のローター責めと一緒だよ」
「うう……でもいつ入っちゃうんじゃないかって怖かったですよ、もう……」
「でも気持ち良かったでしょ?」
「……はい」
 顔を真っ赤にしながら初春が再び上条の後頭部に手を回す。
 そしてぐいっと下から腰を突き上げた。
 秘裂と肛門付近とに上条のペニスと陰嚢とが当たる。
「上条さんだってこんなになってるじゃないですか」
「そりゃ、初春さん可愛かったし」
「んもう、そんなことばかり言ってるんでしょ」
「上条さんは無感情なのが美徳とは思いませんのよ。思ったことは素直に言わないと」
 くすくすと笑いながら互いに上気していく。
 まだ終わっていないのだ。
 その証拠に上条のペニスは初春飾利の陰蜜を纏って痛いほど勃起している。
「……いいかい?」
「……はい」
 一度上体を離した上条が宣言すると初春は小さく息を吐きながら初めて迎えるその時を待つ。
 上条には経験があるとはいえ緊張しないわけではなかった。
 女性器と違って滑る機能は無いからきちんと準備もしたが、本来迎え入れる場所ではない。
 無理をすれば破れてしまう。
 じんじんと疼くペニスとはやる気持ちを抑えつつ亀頭を改めて濡れそぼっている淫裂に擦りつけてたっぷりと蜜を纏わせる。

12 :
「あ……うぅん……いったばかりで敏感なんですから……焦らさないで……」
 悩ましげに柳眉を歪ませる初春だが上条もまた焦らされていた。
 温かい蜜をたっぷりと絡ませてますます元気になった亀頭を小さな窄まりにあてがう。
「あ……」
 初春の身体に甘い痺れが走った。木霊するように吐息を重ねる。
 聖少女の肛門は柔らかくほぐれていてキスするように亀頭に吸いついてくる。
 その刺激に従うように上条はゆっくりとペニスを埋め込んでいった。
「はいる……挿っちゃいます……」
 肛門周辺の肉を巻き込むように剛直が初春の中にめり込んでいく。
 そのさまを両足を抱えた初春が食い入るように見つめている。
 もともと異物を受け入れる場所ではない排泄専用器官であるがゆえに勃起したペニスはそう簡単には進んでいかない。
 肉欲の塊のような亀頭のエラという最大の難関は無理強いすることで乗り越えた。
「ん……はぅ……はぐ……」
 しかし、ローターでの経験が大きいのか、初春飾利は額に脂汗を浮かべて血の気が引くほどに拳を握り締めながらも初めての挿入に耐える。
 内臓を押される苦しみはあるが裂けるような痛みはない。
 それでも身体に力が入りすぎていて挿入にひと苦労する。
「初春さん、大きく息を吐いて。あんまり力入れてると裂けちゃうから。ほら、はぁーって」
 はぁー。
 初春が言われたとおりに大きく口から息を吐く。深呼吸する。
 括約筋から力が抜ける一瞬の隙が生まれた。
 そのチャンスを逃すことなく上条のペニスが一気に押し入った。
 カリの段差の激しい亀頭部分が入ると勃起の残り部分がするりと飲み込まれて埋まる。
「は、入ったっ! はいりましたぁ!! あぁぁあっ!」
 悲鳴を上げる初春飾利。
 ぶるぶると細い肢体が揺れて背中を仰け反らせる。
「お、大きいのが! 大きいのが私の中でっ! ああ、あああ、こ、これがっ!!!」
 初めて味わう圧倒的な充足感。
 息をするのも苦しいほどに内側から押されながらも待ち望んでいた感覚に全身が歓喜に震える。
 唇の端からよだれを流しながら体内を犯すペニスの存在に戦慄する。
 女性器のようにもともと受け入れる場所ではない分だけ大きな肉の塊が体内にある違和感も大きい。
 喜びながらも戸惑いを隠せない。
「ぐぅ……初春さんのお尻、きついな……」
 上条もまた強烈な感覚に耐える。疼き切っていた肉棒に燃え上がるほどような腸粘膜の熱を感じる。
 強く締め付けてきながらも内側は柔らかくペニスのすべてが粘膜に接触している。溶けあって一つになってしまいそうに錯覚してしまう。
 肛門部分で幹の根元をぎゅうと絞られながらも先端の亀頭部分はふわふわと柔らかく包まれている。
 二つの異なる感覚を同時に味わう快楽は女性器では味わえない。

13 :
「ああああ……上条さんの、で、お尻が、いっぱい……」
 脂汗を流しながらも初春の表情が蕩けてくる。
 シンプルな構造に見える割れ目から次々と新しい潤滑油が湧き出てきてアナルへと導かれる。
 動いてはいなくともじわじわと感じているようだ。がくがくと全身を揺らしながらも苦悶と愉悦の入り混じった顔を上条に見せつける。
「動かすよ? いいね?」
 先端奥にまだ余裕があることを確認してから上条がゆっくりとペニスを引き抜いた。
 挿入時と異なり抵抗は無い。するするとすべるように亀頭の直前まで抜けてぎゅうと肛門で絞られる。
「あ……ふぅ……」
 抜く動きが性感になったのか、初春の吐息に甘いものが混じった。背筋を震わせながら心地よさそうに小鼻を膨らませる。
 そして再度挿入し、引き抜く。
 四度五度と繰り返して初春が苦痛を訴えないことを確認し、上条は本格的に腰を動かした。
 ――――じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ
 性欲に突き動かされながらまだ中学生の幼いアナルを味わう。
 年齢的には佐天涙子も同じはずなのだが、体つきという一点で初春は幼い。
 成長途中の肉体はその不完全さが香り立つように美しさを開かせている。
 そんな少女の肛門を確実な動作で上条は味わい続ける。
 両手で初春の腰をしっかりとつかんで徐々に加速しながら腰を打ちつける。
 これまでのアナルオナニーの経験は確実に積み重なっていて初春の直腸は淫らにペニスに絡んで弛緩と緊張を繰り返し上条を喜ばせる。
「ひゃあっ! ひぃっ! ふわああっ! いや、なんか、すごいっ! すごいですっ! いや、わかんない!!
 気持ちいいかどうかもわかんないっ! けど、すごいぃっぃ!!!」
 少しずつペースの上がるアナルファックに初春の目が白目がちになる。
 まぎれもない歓喜の表情を浮かべて牝のように鳴く。
 困惑してもいる。
 最初の肛門性交でなぜこんなに感じているのか、と。それはもう才能だというしかない。
 ペニスを頬張って大きく広がった肛門に負けないほどに上の割れ目は蜜を溢れださせて存在をアピールする。
 腰が当たるたびにぺちんぺちんと間抜けな音がした。
 プリンのように白い尻が衝撃に揺れる。
 白く華奢なそこと比例するようにグロテスクな牡の器官が出入りしていた。
 汗でべったりと張り付いた前髪。それでも揺れるショートカットの黒髪。
 初めての肛交に興奮と困惑と快楽を混ぜ合わせた表情を浮かべる少女の顔。
 彼女の白く細く幼い肉体。
 なだらかな乳房。
 性器官とは思えないほどシンプルに見える筋。
 そしてペニスを受け止める肛門部分。
 そのすべてを愉悦に染めている、支配しているという征服欲が上条を満たしていく。

14 :
「どうなんだい、初春さん。初めてのアナルセックスは、どう?」
「い、いやぁ! そんなの、恥ずかしいですっ!」
「ちゃんと言ってほしいなぁ。だって、これは体験取材なんでしょ?」
「ひひゃあああっ! く、くりちゃん摘ままないでっ! そこ、敏感なんですからっ!」
「言ってよ。言ってほしいなぁ。上条さんはめちゃくちゃ気持ちいいですよ。最高ですっ!」
「ひっ、ひゃあっ……い、言いますっ! お尻えっち、気持ちいいですっ! お尻でずぼずぼってされて、めちゃくちゃ気持ちいいんですっ!」
「そっかそっか。癖になっちゃうかな? どう?」
「なっちゃいますっ! こ、こんなの、一度味わったらっ! 絶対癖になっちゃうっ!!!」
 淫猥な言葉を無理矢理引き出させながら上条は笑う。
 声高に響く絶叫には嘘など一つもない。
「これでもっといい漫画描けるようになった?」
「なりましたっ! だって、こんなの知っちゃったらっ! どういう気分なのか分かっちゃったらっ!
 切なくてドキドキして気持ち良くってっ! こんなの、これまでじゃわかんなかったっ!」
 これまで以上に速く強くリズムに身を任せて。
 上条がピストンを高速化させ初春の中の鉱脈を掘り当てていく。
「あ……っ、あーっ! いや、いっちゃうっ! お尻でいくっ! お尻でイクっ! いっちゃうよぉぉ!!!」
 初春飾利の小柄な身体が絶頂を前にしてびくびくと震えた。
 初めてのアナルファックで苦痛なく絶頂を迎えるという才能。
 上ずる声がどんどん高くなっていく。
 それに合わせて交合器官に目覚めた直腸がぎゅうと上条のペニスに絡みついた。
「お、おおっ! 俺もイくっ! いっぱいお尻の中に精液出すからなっ! 感じてくれよっ!!!」
「出してぇ!!! 出してくださいっ!!! オナニーじゃ絶対わからない感覚、私に教えてくださいっ!!!
 上条さんのでいっぱいにしてぇぇええっっ!!!!」
 上条の射精欲の高まりに合わせるように初春飾利の肉体は性的な絶頂に駆け上がっていく。
 全身がばらばらになりそうな感覚に怯えながらもその先を求め、崩れ落ちて巻き込まれて落ちていく恐怖とその先の圧倒的な何かを求めている。
 最高の瞬間を期待してか、その幼い貌にこれまで見たこともないような淫悦な笑みが浮かんだ。
 その表情を見て、
(可愛い――)
 と上条が思った瞬間、崩壊した。
「くぅぅうっ! 出るっ! っおあっ! 出るっ!!!」
 高速ピストンで初春の肛門を貫き直腸の奥深くまで打ち込む。少女の柔らかい尻肉は上条の腰を受け入れて潰れて密着する。
 男根はこれ以上ないほどまで深く深く侵入した。
 ――どくんっ、どびゅどびゅっっ どくんっっ
 弾丸のような射精。
 深く突き刺さったペニスが暴れまくる。
 水圧ですべてを押し流すような、そんな錯覚を起こすほどの勢いで男の種子を吐きだす。

15 :
「ひゃあああああっっっっつっ!!! で、出てるっ! 上条さんのせーえきが、熱いのが、わらひのなかにでてりゅっ!
 いやあああああっ、あつひ、あつすぎりゅぅうぅ!!! こ、こんのしらなひっ、すごすぎるよぉおおお!!!」
 腸内を熱い精液で焼かれる感覚に初春の快感は爆発した。
 ぐい、と背中が反る。白い喉を見せつける。
 病的なまでに全身が痙攣して強張ってシーツに大きな皺を作った。ざざり、と布を爪で掻く不安定な音がする。
 上条がすべてを放出してもなお、痙攣は続いた。
 ぎゅぎゅ、と直腸と肛門とが上条の精液を絞り取る。ペニスを膨らませようとする。
 絶頂の無意識の中で勝手に肉体が動いて男を欲しがっている風紀委員の少女。
 彼女の絶頂は五分ほども続いた。
 か細い悲鳴を上げ続け完全に白目を剥いた初春を上条が優しく抱き続ける。
 やがて出せるだけの精液を絞り取られて完全に縮んだペニスがちゅるりと抜け出る。
 男根の抜けた後の肛門がひくひくと切なそうに口を開く。内側のピンク色の粘膜から白濁の液体が毀れる。
 ぬらぬらと濡れた淫らな粘膜からびゅちゅ、びちゅ、と腸内に排泄された異物を噴きだした。
「大丈夫?」
 ようやく意識を取り戻した初春飾利の頭を上条は優しく撫でた。
 すべてが崩壊しそうなほどに疲れ切った初春が法悦を浮かべながら上条を見つめる。
「はぁ……はぁ……すごかったです。素敵でした……私、知らなかった……こんなに……」
 完全に上気した顔が官能に溶けている。
 嬉しそうに見上げてくる。
 その表情を見て、射精したばかりの上条のペニスがむきむきと元の力強さを取り戻した。
 快楽を欲しいという衝動が再び巻き起こり勃起は急角度で反り返る。
「は……あっ……やだ、初めてのキスなのに、乱暴ですよ……んっ……」
 気がつくと初春飾利の唇を奪っていた。
 互いの唾液で互いの顔をべたべたにしながら互いの不要となった二酸化炭素までも交換する。
 獣のような口交に初春は嫌悪感を浮かべない。うっとりと幸せそうに微笑んでいる。
 無防備な微乳を乱暴にもまれた初春が上条の昂りを悟ってか、上目づかいで言った。
「っはぁ……もう一回したい、って言ったら怒りますか? 淫乱だって軽蔑しますか?」
 二度目を求めてくる初春飾利。
 上条はなんら返答することなく再勃起したペニスをついさっき抜いたばかりの穴に再び挿入し本能の赴くまま腰を使い始める。
 新しい快感を知った初春飾利は貪欲にそれを味わいながら満足そうに笑って上条を受け入れ続けた。

16 :
「うう……酷いなぁ。なんで起こしてくれなかったの? 初春のアナルセックス見たかったのに」
 数時間後に眠い目を擦りながら佐天涙子が覚醒しての第一声はそれだった。
 あれから三回連続で上条当麻と初春飾利はアナルセックスを続け、その間にすっかり初春は肛門性交での絶頂をマスターしていた。
 やはり才能があるのだろう。
 お風呂で汗を流して綺麗に身支度を整えたころには午後の四時を回っていた。
 性的な匂いが充満している部屋の空気を入れ替えて皺くちゃになったシーツをとりあえず洗濯機に突っ込んで新しいものと交換した。
 そして二段ベットの上部に元の通りに整えたのだが、その時になって佐天は目を覚ましたのだった。
 すっかり事後だとわかった佐天は不満そうに頬を膨らませながらシャワーを浴びて身支度を整える。
 三日徹夜して処女をささげた疲労は完全には取れていないようだがとりあえず元気は取り戻したらしい。
「で、どうだった、初春。凄かったでしょ? 当麻さん凄く上手だからね」
「えっと……その……すごく、よかったです」
「やっぱり? だよねぇ。初春はエロ春だから最初っから気持ち良くなるって信じてたよ、うん」
「佐天さん……? そのエロ春ってなんですか?」
「ん? ローター三つも持ってて夜な夜なオナニーにふけっていた風紀委員のことですよ、もちろん」
「んもうっ! 佐天さんたらっ!」
 真っ赤になった初春が両手で佐天をぼすぼすと叩く。
 まったくダメージにならない。
 にゃはは、と笑いながら佐天が初春の頭をつかんで引き離す。
「大体さぁ、私のお尻の分残しておいてくれないなんて酷いよね。見せてあげるって言ったのに、初春が当麻さんのせーえき全部使っちゃうんだもん」
「な……」
「あーあ、初春がこんなに淫乱だったなんてお母さんがっかりですよ」
「い、淫乱なんかじゃ!」
「違うの? 最初の最初で三回もおかわりおねだりしておいてさ」
「あうううぅ……」
 どうにもこうにも、第一声の通り初春の肛門処女喪失を見たくて仕方がなかったようだ。
 後ろに回り込んで両手でごりごりと初春の即答部を拳骨で苛める佐天涙子と悲鳴を上げる初春飾利。
 そんな彼女たちのじゃれあいを横目に見ながら上条は彼女たちのこれまでの作品に目を通していた。
 その作品の中で上条は様々な男たちを犯していたり犯されていたりした。
 異様に美化された土御門元春やら青髪ピアス。学園都市最強、茶髪のスキルアウト。
 魔術サイドではイギリス清教の魔術師、騎士団、後方のアックア、右方のフィアンマなどなど。
 どこから情報が漏れているんだと言わんばかりの内容だが、もちろんこんなことを彼女たちが知るわけがない。 
 非常に疑わしいことだが偶然というものがあるのだろう、たぶん。そうでなければ怖すぎる。

17 :
 正直、これらの作品を上条は肯定できない。
 肯定できないが否定するつもりもない。
 大体否定しようにも市場ができているのだ。
 学園都市一位の財力ならばどうにかできるかもしれないが上条の財布は白いシスターのおかげでいつでも素寒貧だ。
 だが、こんな不幸な現状こそが今日の幸福を引き寄せたのかもしれないが。
 と、同時に恋人である御坂美琴にばれたときのことを思ってに胃が鉛を呑んだように重くなる。
 浮気相手は彼女の友人二人なのである。
 全部自分が悪いのだ。状況の流されて、否、嬉々と自分から流されている自分が全部悪いのだ。
 積極的に自分を誘ってきた佐天涙子と何度も肛門性交をして肌を重ねて情がわいて、そして処女を奪った。
 彼女の悪戯を黙認する形で初春飾利を巻き込んだ。
 二人とも決して上条が悪いとは言わないだろう。自分の責任だと言うのだろう。
 だから決して上条は自分を不幸だとは思わない。いや、二次元世界の自分が男に犯されている姿は不幸だとしか言いようがないが。
(いっそ、美琴もボーイズラブに染めてみるかなぁ……あいつのアナルはまだ試したことないし)
 もともと興味があって、でも言いだせないところに佐天涙子の誘惑があった。
 そのことを上条は思い出す。
 それがきっかけとなってハーレムが構成できれば言うことなしである。
 もっとも、現実はそう簡単にうまくいくものではない。二次元と三次元は違う。
 わかってはいるが知り合いに露骨にハーレムを形成している男がいるのだ。
 そいつの彼女たちもまたボーイズラブにはまっていて無理矢理原稿を描かされている、と愚痴をこぼしてもいた。
 何が悲しくて自分が男を犯したり犯されたりしている漫画を描かなくてはならないんだ、と。
 いろんな意味で手先が器用な男なので漫画も描けるのが災いしたらしいが、共同作業が多くなっていることがハーレムの維持に役立っているらしい。
(余談だが初春飾利の本棚にそのサークルの本は十冊以上入っていた)
 もげてしまえばいいのに、と思う反面素直に羨ましかったりもする。
 少なくとも誰も裏切ってはいない正直さは見習うべきだと思う。
(される覚悟で打ち明けてみるのもありかな)
 泣かせるかもしれないが、少なくとも今ここでじゃれ合っている少女二人は賛成してくれるのではないだろうか。
 そんな気がする。
 そもそも、白井黒子の言うところの「輪の中心にいても輪の中には入っていけない」御坂美琴の友人なのだ。
 破天荒な佐天涙子も生真面目な初春飾利も信用できる。なんとも照れくさいが、心底そう思う。
 肌を重ねて情が湧いただけなのかもしれないが、そう割り切れるほど上条は大人ではない。
 誰一人として失いたくないのだ。つくづく外道である。
 それがわかっていながらも上条は妄想してしまう。
 騒がしくじゃれあう二人の少女は考え込む上条を見て怪訝そうに顔を歪ませた。
「何考えてるんですか? 御坂さんのことかな? ダメですよ、今は私たちのこと考えてなきゃ」
「あ……私も、そうしてくれると嬉しいかなって、その……」
 佐天涙子が積極的に上条の膝の上に座ると初春飾利はおずおずしながら上条の背中に抱きつく。
 重さと体温が心地よい。
 少女特有の甘い匂いに包まれる。
 んー、と唸ったあとで上条は、
「実はさ……」
 と言葉を選びながら二人に協力を呼びかけはじめた。

18 :
以上です
二人いると倍かかりますね
これでもいろいろ端折ったんですが

19 :
スレ立て乙&執筆GJ!

20 :
エロくていいんだがなんとか前スレで纏まらなかったかなぁとも思ったり
別に悪いことじゃないんだけどさ

21 :
やっぱり、エロいなw

22 :
やっぱり上条と佐天の絡みは欲しがるよな。相性も良さそうだし

23 :
どうだろうか?なんか上条さんと佐天ってキャラ的に同属性のような気がすんだよ
磁石で言ったらプラスとプラス的な。お互いのキャラとか立ち位置が被ってるみたいな
どっちも世話焼き属性だからさ、実際に会話すると噛み合わないんじゃないのかと思うんだよね
いっぺんSS書いてみたことあるけど、どうも佐天は行動力がありすぎて上条さんの力を
必要としない的な展開になったりとかするんだよね。
佐天の質問攻めで上条さんが困ったりするのは容易にイメージできても佐天のために燃える流れにはなんない

24 :
佐天さんもコンプレックスは強いからな
無能力者云々に関しては
そこらあたりで絡めそうだけど

25 :
上条フラグは伊達じゃない、佐天さんが悪人に絡まれれてる所を上条が助けりゃすぐに陥落するよ。


26 :
性的なことに興味を持って上条を誘うというパターンもありそうだ

27 :
SS投下しようとしたら、規制に巻きこまれてるでやんの。

28 :
待っているとでも言って欲しいのか?

29 :
久々にコテを名乗って投下します。
エロなし、落ちなし。
黒子視点の黒上…でもないか。
以下5レス頂戴します。
トリ付けますのでお手数ですが回避はそれでお願いします。
では。

30 :
 白井黒子は困惑していた。
「何を言っておりますの?」
 それは、目の前の少年が何を言ったのか理解できなかったから……。

 話は少し遡る。
 とある事件で白井は痛感した。そして決意する。
 愛しきお姉様の立つその場所に必ず追い付いてやる――『お姉様の露払い』を自負する白井だからこその思いであった。
 あの時から積み重ねて来た研さんの日々。
 そして今日、その磨き上げた力を確かめようと、ライバルにして恋敵であり、そして何より目標でもあった人物をこの場所――室内運動場として建設途中に廃棄された――に呼び出したのであった。
 その人物の名は上条当麻。
 肩書きは、とある高校に通うごくごく一般の高校生。
 風貌は茫として目立った特徴は無く、その言動は支離滅裂にして理解不能。
 本人の申告を信じるなら能力は無能力者(レベル0)と言う、本来なら大能力者(レベル4)の白井と張り合えるような相手ではない。
 それなのに、学園都市に7人しかいない超能力者(レベル5)のしかもその第一位を退けたとか、学園外からの度重なる能力者による襲撃事件を解決したという噂。
 そして現実に見たあの光景――白井以上の空間移動(テレポート)能力者が最大出力で放った巨大な重量物を、空間ごとぶん殴ると言う常識外れの方法で消し去ってみせた。
 大きな壁だ。
 しかし越えられないなどとは微塵も思わない。
 相手にとって不足無し――。
 白井は予定通り、呼び出した少年に無理やり承諾させて彼との勝負に臨む。
 気持ちは最初っからクライマックス。一気に間合いを詰めて空間移動でもって組み伏せる……つもりがこれは失敗だった。
 上条当麻に能力は効かない――少なくとも白井の能力では彼をどうにか出来ない事を改めて実感する。
 だが、すぐさま取った手を捻って投げ飛ばした。
 何も空間移動だけが全てではない。風紀委員(ジャッジメント)で培った技術と判断力と精神力は、彼女の立派な武器だ。
 しかし、それも通用したのは1度だけであった。後は指先が掠めればまだいい方で、殆どは空を切るばかりで捕まえるなどほど遠く、当然投げ飛ばすなど以ての外。
 空間移動を交えているのにこの体たらくは何か。まるで自分が次に何処に飛ぶのか読まれているかの様な、そんな錯覚にさえ陥りそうになる。
 そう考えると暑い筈なのに全身に鳥肌が立った。
 でも白井の頭の中に諦めるという文字は浮かばない。
 気合いは今でも十二分。何せここに来る前たっぷりとお姉様成分を補充して来たのだ。
 補充しすぎてお姉様のベッドシーツを汚してしまったがそれはご愛嬌。シーツの犠牲を無駄にしないためにもここは退けない、いや退く訳がない。
 白井は再び空間移動を繰り返しながら、今度は自らは接近せず手当たり次第に上条に向かってガラクタを飛ばす行動に出る。
 そうしながらある機会を伺った。
 はたして――、上条が床に落ちた鉄パイプに躓いた一瞬を見逃さず、白井が次に飛んだのは少年の頭上。そこから脳天めがけての垂直ドロップキックを放つ。
 ドンっと足裏から足首、そして膝へと走る衝撃が確かな手応えを実感させた。
 更に踏み込んで駄目押ししてから再び飛ぶ。
 地面に見事着地したと同時に、背後でドッと人が倒れる音がした時、
(やった、今の手応え完っ璧にやりましたわ!)
 白井はこの瞬間勝利を確信する。
 だが、
「……しら、い……」
 背中にぶつかったしゃがれ声にギョッとする。
 あの感触は確実に相手を昏倒させるに至る――そう確信していた筈だったのに、
「……あ、貴方は倒れた筈……いやっ、何で立っておりますの!?」
 その言葉通り、振り返った先には上条が立っている。
 先ほどの倒れたと聞こえた音はまやかしか、勝利を欲したが故の幻聴だったのか。

31 :
 こちらに手を差し伸べた少年の様子が多少変ではあるが、そんな事はどうでもいい。上条を倒しきれな事実に白井は焦る。
「くっ!」
 能力ではなく己の脚力で床を蹴って少年との距離を取り理ながら、今一度相手のダメージを確認する。
 ふらつく様子も無く、ただ立っている様は最初の頃からとさほど変わらない。
(……やはりダメージは無い……という事ですの……?)
 その事に、信じられないと言う気持より、勝利を確信して盛り上がった自分への怒りが先に立つ。 
 奥歯をギリッと噛みしめて、
(さてどうしてくれましょう)
 白井は直ぐに次の作戦に思いを巡らせる。
 先ほどから上条は防戦一方で一度として攻撃に転じる事は無い。
 それは今も変わらない様で、相変わらず最初と同じ様な位置に立ってこちらを……、
「何ですのそのお顔は?」
 白井は上条の表情にそう口にせずにはいられなかった。
 鼻の頭を真っ赤にしているのは先ほどの一撃のせいか、それは兎も角、少年の顔にはあからさまな驚愕の表情が浮かんでいたのだ。
 白井は一瞬いぶかしんだが、すぐさまピンと来る。
「ははぁーん。もしやわたくしの攻撃が当たった事に驚きましたの? くっふっふっ、見くびって頂いては困りますわ。この白井黒子が策も無しに同じ事を繰り返すと思いましたの?
 言っておきますがわたくし、そんなに単純な女では有りませんわよ」
 そうだ。立ち上がったのならまた何度でも打ち倒せば済む事だ。
 白井黒子は諦めが悪いのだ――。
「行きますわよ!」
 優位に立てば一気に畳み掛けるのは勝負の鉄則とばかりに再び仕掛けようとする。
 ところが、
「ちょっと待て!」
「んな、今更命乞いでもするおつもりですの?」
 上条の急ブレーキに白井が思わずそう吐き捨てる。
「いや違う……、って命乞いって何だよ物騒だなおい……」
「言葉のあやです聞き流してくださいませ……で一体何ですの?」
 折角乗って来たのに、と内心零しながらも話を促した。
 しかし上条がもごもごと口ごもったので、
「何ですの男らしくない。男ならパッとお答えになって下さいまし」
「うっ」
 何なのだろうこの男、とイライラが募って思わず「さっさと喋らないとぶっ飛ばしますわよ!」と声を荒げると、
「お、怒らないで聞いてくれるか?」
「早く喋らないと怒りますの」
「う……あ……」
「早くしなさい! 貴方それでも男ですの!」
「はひぃい!?」
 そしてやっと上条が口にした言葉が、
「白井、お前……穿いているのか?」
「何をですの?」
「(……………………………………………………………………ツ)」
「あの、よく聞き取れませんの……と言うかもう少しはっきりお喋りになって下さい」
 すると何故だか上条は顔を真っ赤にして俯いて、それでも足りないのか顔を背けて一言――、
「(パンツ)」

32 :
 今度はもう少しはっきりと聞こえたが、はっきり言って聞き違いだろう。まさかこの場で『パンツ』などと……。
「……えと、だからもう少しはっきりと……」
 すると上条は真っ赤な顔をこちらに向けるとこうまくし立てた。
「パンツだよパンツ! さっきお前が頭上に飛んだ時俺は見たんだ! い、いや見たというか見えなかったというか……兎に角どうなっているんだ!?」
「な、何を言いたいのか全っ然伝わりませんの!?」
「兎に角っ! そんな穿いてるか穿いてないか判らん様な下着は絶対認められませんからね!」
 そして初めの台詞に戻るのである。
「何を言っておりますの?」
「もういい。取りあえず俺は帰るから」
 そう言うが否や踵を返して歩き始めた上条を、白井はその手を掴んで止めて、
「か、帰るって……決着がまだ点いておりませんわよ!?」
「俺は一つも手出しできなかったんだからお前の勝ちでいいだろ?」
「それではわたくしが納得できませんの! 最後までちゃんと約束を守って下さい! 貴方男でしょう!?」
「男男言うんならそれくらい察してくれ! そんなバ……、チラチラ見せつけられたら集中出来ん! 」
 どうやらこの少年は白井の下着が気になるらしく、
「……たかだかショーツが見えたぐらいで何を大袈裟な……」
「お、大袈裟じゃねーよ!? 大体御坂程じゃ無いにしろお前は少し恥じらいを持った方がいいと思うぞ?」
「何でそこでお姉様ですの? もしやわたくしにまであのやぼったい短パンを標準装備しろと? それをするくらいなら一生寮内に引き籠りますわ」
「お前お姉様に対して容赦無いな」
「一嗜好の不一致ですので殿方さんにご心配頂かなくてもわたくしとお姉様は相思相愛ですの」
「いや別に心配は……」
「大体、下着が見えるのが嫌ならスカートなどお穿きにならなければ良いんですのよ」
「それにしたって限度があるだろ? 昔のお前はそんなんじゃー無かった筈だ」
「昔のわたくしの何を知っておりますの?」
「あ、いや……」
 おかしな事を言ったかと思えば急に眼を逸らした事が気になったが、今はそれ所では無い。
「兎に角、きっちり白黒つくまで勝負はして頂きますの」
「だから嫌だって言ってるだろ!」
 どうやらこれだけ言っても通じない様だ。
(さて、どうしたものでしょう)
 取りあえず逃げられない様に手を捕まえたまま暫し思案する。
(要はわたくしの下着が気にならない様になればいいと言う事ですが……生憎体操服の持ち合わせは有りませんし……大体あれは肌に纏わりつく感じが好きになれませんの……)
 上条から見えない様にする方法は無いかとあれこれ考えるが思いつかない。
「なぁ、もう諦めたら……」
「お静かに、今考え中ですの」
 いっそ目隠しでもさせようかと、情けない顔をした少年を見ながらそんな事を考える。
 いや、でもそれでは勝負にならないではないかと直ぐに思い至り、
「あーっ! もう、いっそ殿方さんが同性でショーツの事など気にしないでいてくれたら良かったんですのに……」
「無茶言うな今から性転換して来いってか?」
「本気にしないでくださいまし……もう、大体殿方さんがいけないんですのよ。たかだか布切れ一枚に右往左往して恥ずかしいとは思いませんの?」
「無茶言うな! 健全な男子コーコーセー舐めるんじゃありませんの事よ!」
「(うざいですの)」
「酷っ……不幸だ……」

33 :
 無駄な掛け合いもそこそこにして、白井は改めて考え事を再開する。
 しかし、
(どうしたら見えない、どうしたら見せないで済みますの……)
 頭の中で同じフレーズがグルグルと回り、もはや頭痛すら覚えて来た。
 そんな時、逃げる事も意見する事も出来ず不貞腐れていた上条が、
「もうさー、あれじゃね? いっそ初めっから白井が下着姿だったらそれが普通になるからキニナラナクナルカモナァーなんて……」
「ん?」
 今、少年は何と言ったのか。ずっと見続ければ慣れる……そう言ったのでは無いのか。
「殿方さんにしてはナイスアドバイスでしたの!」
「へ? 何が? どの辺が?」
 白井の中で何かが輝いた。
「ふふふ、良い事を思いつきましたの」
「いや俺には悪い予感しかしないんだが……」
「いえいえ、殿方さんでしたらきっと喜んでくれますわ」
 不本意そうな上条に満面の笑みを向けた白井は、早速思いついた事を実行に移す。
 とは言ってもさしたる小道具もいらないので、直ぐに準備は整って、
「殿方さんの言うとおり、要は慣れれば良いのですわ」
 上条を床に座らせて、白井は思いついた事を話し始めた。
「慣れる?」
「その通りですの」
 そう肯定するや否や、白井はスカートの裾を左右から指で摘まむ。
「……と言う訳で殿方さんには『トクベツ』に、お姉様にしかお見せしない……、わ、わたくしのショーツをお見せして差し上げますの……」
 流石にちょっと、いやかなり恥ずかしいので、声は若干上ずり、自然と顔が熱くなってくる。
 それでもこれは全て愛するお姉様の……、
(否。全てはわたくし自身の為。この程度の事乗り越えられなくて何がお姉様の露はら……)
「全身全霊でお断りします!」
 まだ覚悟が出来ていなかったのかこの類人猿――たった今説明したのだから覚悟も何もないのだが――と、白井の表情に険呑とした陰影が浮かぶ。
「……目をお背けになったり逃げたりした場合、殿方のお洋服を地中深くに空間移動して差し上げますの。今逃げ切れたとしても必ず、絶対にそうして差し上げますの……」
 感情を押ししたその一言で、腰を浮かせかけた上条は元の位置に正座した。
 その顔は緊張でかかなり強張っている。
「さて、怖がる事はありませんわよ殿方さん。たかだか、わたくしのショーツを見て頂くだけですの」
「(た、たか……たかだかじゃねーだろぉがクソったれ……)」
「何か申されましたの?」
「いえ、もうさっさとお願いします。ホント、サクッといっちゃってください」
 この温度差は如何ともしがたい……その事に白井は小さく溜息を吐くと、
「では、参りますわよ」
 その言葉に呼応して、上条がごくりと生唾を飲み込むのが聞こえた。
 早まったかもしれない、という気持ちが微かに心を揺らす。
 だが、
(ええい、ここまで来て止められるものですか!)
 そしてその勢いのままスカートを裾を、腰の括れよりも高い位置まで一気に持ち上げた。
 2人の間を長い沈黙が流れる。
 そして、
「あ、あの、しら……、しら、しらしら、しららら……」
 顔を真っ赤にして壊れたレコードの様になった上条に、白井も思わず赤面してしまう。

34 :
「ど、どうですの? べ、別にどうと言う事も無いでしょう?」
 確か今日のショーツはローライズ&ローレグで後ろはTバックと布面積が少ないものであったと思いだす。
 それを選んだのは着け心地の一言に尽きた。
 最高級のシルク地のそれは、まるで何もつけていない様な解放感を与えてくれる。
 能力と解放感がイコールな彼女にとって、正に勝負下着とも言えるものだったのだ。
 ただ、布地が少ない分意匠の乏しさは否めない。
 後ろからなどは布が無いどころかお尻丸見え――これでは上条が勘違いするのも無理は無いと言える。
(ま、まあ見せるつもりもありませんでしたから。それに、多少やぼったい方が刺激が少なくてよろしいんじゃないですの?)
 気恥ずかしさを心の中で嘯いて誤魔化そうとした時だった。
「シライサン」
 まるで平坦な声に白井は現実に引き戻された。
「な、何ですの殿方さん!? 急に変な声など出したりして?」
「シライサン、ボク、オカシインダ」
「確かに喋りが変なのは解ります」
「チガウンダ、ミエナインダ」
「は、何がですの?」
 目の前の少年は何が言いたいのだろうと小首をかしげると、
「ミエナインダ。ソシテミエチャイケナイモノガミエルンダ」
 やはり上条の言葉は要領を得ないから、
「だからはっきりと仰ってくださいですの!!」
 白井は思わず声を荒げた。
 すると上条は土下座でもする様に床に突っ伏すとこう叫んだ。
「ノォォォオオオオオパンじゃねぇぇええええええええええかよちくしょおおぉぉおおおおおおおおおおおおお!! 騙された、めっちゃ騙されたああああああぁぁぁぁあああああああああああああ!!」
「はぁ!?」
 白井は我が耳を疑う――自分がショーツを穿いていないと。
「ふざけないで下さい!! ちゃんとここにショーツがある――」
 その啖呵と共にペチンと己の下腹部を叩く。
 何処がノーパンか、ショーツならちゃんと穿いているわと―――――、
「へ?」

 ここは常盤台中学女子寮の一室。
 その部屋の主の一人は今まさに憤っていた。
「あんの黒子の馬鹿! 自分のショーツを私のベッドにほっぽり出して何処に行きやがったっての!」
 御坂美琴がペンで作った即席の箸で挟んでいる光沢のある丸まった布……それはまさに白井が今身に着けている筈のそれであった。

35 :
終わりです。
たいして書くこともないのに後書きに1レス消費してしまった、ごめんなさい。
では。

36 :
おい続きがないぞ

37 :
ケダモノになって黒子を押し倒す展開まだか


GJ



38 :
けだものか
敷居が高いな

39 :
投下します。
タイトル通りで手とか口を使ったエロのみの話です。ちょっとだけ一方通行さん側のもあります。

40 :
SインさんとM条さん
ある日の夜、学生寮の一室にてインデックスは上条を問い詰めていた。
「ねえとうま、さっきは誰を見ていたのかな」
洋菓子のような甘い響きの声はいつになく硬く冷たい。
詰問を受ける上条はというと、驚く事にベッドの上で全裸のまま正座している。
正確に言えばインデックスの命令でさせられていた。
インデックスのほうは歩く教会の修道服を着ているため
白いシスターの前に座り俯いた上条は罪人にも見える。
事実インデックスにとって、今の上条は裁くべき存在だ。
「黙っていちゃわからないんだよ」
仁王立ちをしているインデックスは上条の顔を見据える。
だが上条はオドオドと視線を外すばかりでインデックスは呆れたように息を吐いた。
「さっきとうまは胸の大きな女の人を見てたんだよ」
ビクッと上条が身じろぎする。
「私と一緒にいたのにね」
恐る恐るといった様子でインデックスを見上げると悲しそうな表情をしていた。
「でもね、とうまがおっぱい好きなのは前から知ってるし別にそれはいいんだよ」
私も少しだけ羨ましいから、と上条の頭を慈しむように撫でる。
上条はそんなに怒ってないのかと思ったその時
「許せないのはねっ……!私よりもちっちゃな子のほうを
 見つめていた事なんだよッ!」
逆上したインデックスはがぶりと肩に噛み付いた。
ぎゃあと声を上げ身を仰け反らせる上条。
インデックスは幼気な顔に怒りを表し、怒りの牙を突き立てた。
「とうまは私といっつもしてるのにッ!どうしてッ!」
しゃべり終えて今度は腕に噛み付く。
上条は痛みに顔を歪めながらもインデックスの身体に手を当てて俺が悪かったとただ謝っていた。
従順にも怒りを受け止めている様子に、少しだけインデックスの顎が緩められる。
肩や腕は歯の後が残り、微かだが内出血を起こしているのが見て取れた。
よく見ればそこ以外のいたる所にも噛み痕だと思われる一対の連なった線が
数え切れないほどにある。
出血はしていないようだが日常的に全身を噛まれているのは想像に難くない。
「反省してる?」
こくこくと上条は情けなくも何度も頷いた。
けれどインデックスは許さない。
今度は噛むのをやめると乳首を少し強い程度の力で抓り始める。
ビクンと上条が大きい反応を示すがさほど痛みはないようだ。
それどころが、微妙な力の入れ方に別の表情を見せていた。
「どうしてそんな顔してるのかな……?」
グリグリ弄りながらもインデックスは微笑んでいて。
上条が苦しんでいるのか、悦んでいるのか、どちらにしても
同じ様に微笑んでいたのは想像に難くない。
男女の関係になった二人はいつからだろうか。
なんらかのプレイがエスカレートしてしまったのか
被虐と嗜虐で歓びを表せるようになってしまっていた。
もしかすると少年の強さは裏返しの弱さとなって、このような形で発露しているのかもしれない。

41 :
「こっちもおかしいんだよ」
インデックスは屈むとすでに硬くなっている上条の肉棒を小さな手で握った。
「お仕置きの最中なのにこんなにしちゃって。とうまって変態さんなの?」
辱めの言葉に上条は首を振る。だが期待は隠し切れないのか拒否しない。
インデックスは笑みを深めて優しく問うた。
「ね、とうまはどっちをお仕置きしてほしい?」
左手で上条の胸元をくすぐり、右手は股間を撫でながら。
そんな責めに上条は悶えながら小さく言葉を返した。
「ふうん、どっちもしてほしいんだ。とうまったら欲張りかも」
呆れた風に言いながらも答えがわかっていたらしいインデックス。
唇を舐めると上条の胸元へと顔を寄せて、つねった左乳首へ舌で触れた。
「んっ、ちゅろっ……んちゅっ……」
粘質の肉が這いまわり、弄られ過敏になったそこから
皮膚が溶かされているかのような疼きが広がっていく。
わずかな痛みが甘い舌使いによって快楽へと変えられていく。
耐え切れないのか上条の腕がインデックスの背中へと回された。
縋り付こうとしているかのように力が込められた。
「てちゅぅっ、んふぅっ……ぺろっ、ふふっ……」
れろれろと舌を止めないまま含み笑いをすると右手も動かし始める。
上条は自身の体温より少しだけ冷たい手に触れられて、うぁっと情けない声を上げた。
インデックスの手は小さく、膨れた肉棒を握るので精一杯だ。
だというのに、その手さばきは迷いがなく手馴れているよう。
まずは直立した肉棒へ指を添え、親指と人差し指だけでつまむ。
男性器が少女の柔らかな指できゅっと締め付けられ圧迫される。
そのまま二本の指でマッサージするかのように微妙な力加減で擦り始める。
インデックスの指は粘膜ではなく、肉棒の中をこねているかのように圧をかけた。
裏筋に触れてる親指とカリに触れている人差し指がグニグニと挟んで指圧する。
敏感な所を外側からほぐされる快感に上条はだらしなく息を荒げた。
指が徐々に下がっていって、玉袋と棒の境目辺りにたどり着いた所で止まった。
「んっ、ぅんっ……とうまのおっぱい固くなってきたね……ちゅっぅっ……」
同時に乳首を吸われるとわずかな苦痛とそれ以上の快感が襲い掛かる。
上条が切なげに俯いて、インデックスへと顔を押し付けもたれかかろうとするが
強めに玉袋を握られると痛みで頭を仰け反らせた。
「我慢しなきゃ駄目なんだよとうま。これはお仕置きなんだから」
インデックスに容赦はない。
上条の苦痛と快楽はインデックスの手の内にだけ存在している。
今度は根元を幾分強めに握って、先程と同じ要領で先端へと少しずつ登らせた。
まずは人差し指と親指の輪で締め付られて、天を向き上条は呻く。
中指、薬指と輪が重ねられ圧力を増していき、無理矢理に海綿体が収縮させられる。
痛みもあるのに、牛の乳のごとく根元から絞られるのに快感を感じてしまう。
「んっふっ、ちゅろっ……ぷ、ちゅぅっ、ん、れろぉっ……」
じっとりとした指の動きとは裏腹に、胸を責める舌の動きは激しくなる。
乳首周辺を唇で愛撫しつつも、乳首を舌で転がして、左手で右の乳首まで責め始めた。
上条は硬くなったそこを引っ張られる吸われてと少女のような声を上げてしまう。
そんな様子を楽しみながらもインデックスは責め立てていく。
左手で、舌で、優しく胸を愛撫してあげ、右手は上下の動きも混ぜていく。
はぁっはぁっと上条の吐息が荒くなり、肉棒が奥から震えていく。
昂ぶりが頂点に達しようとしたその時、唐突にインデックスが手を離した。

42 :
「おなかへったし、疲れちゃった」
至るべき絶頂を止められた上条は一瞬何が起きたかわからなかった。
理解して、ぇあっと喉から変な声が漏れる。
そんなっと切ない響きでインデックスを呼ぶが何もしてくれない。
擦れた声で頼んでも触れてはくれない。
押し倒して無理矢理という思考にも及ばない。
インデックスから許可のない射精なんてありえない事のように。
歯を食いしばって、苦しみすら感じる焦燥感で涙が勝手にこぼれ落ちてしまう。
自分でも情けないと感じるほどにインデックスに調教されてしまっているのだ。
「泣いちゃったら私がとうまを苛めてるみたいかも」
事実そうしてるに等しいインデックスはしょうがないなと首を振る。
もっと焦らしてあげたいけれど、そんな風に泣かれるのも可哀想で。
左手で目元を拭いてあげて、肉棒に宛がわれたのは逆手にした小さい握り拳。
「動いていいよとうま」
右手の親指と人差し指の輪で根元を囲んで、残りの指と平手で幹を包んだのだ。
傍から見ればその行為は酷く屈辱的にも思えた。
幼い少女が手を使えと男の射精を促しているのだ。
けれど上条は泣き顔をぱぁっと明るくほころばせ、犬のように飛びついた。
小さな修道女の手へと性行為のごとく腰を使い始める。
筒の形にした掌中で肉棒が前後に激しく揺れた。
膝立ちになった上条がすべすべの手へと腰を振る。
一刻も早く射精をしたいとストロークを早めていく。
必な、でも嬉しそうな上条を見てインデックスは微笑むと
上条の右手を自分の肩に乗せて支えにしてあげた。
体重がインデックスにかかり、バランスのよくなった上条の動きが早まる。
握った右手の中で先走り液がヌチュヌチュとした鈍い音を響かせる。
上条は両手をインデックスの肩と頭に置く。
抱きつくような体勢で唸りながらも、ただひたすらに快感を貪る。
(とうまの匂い……)
汗ばんだ上条の胸元がインデックスの鼻先にあたった。
「ちゅぅっ、ん、れろんっ……」
男の香りを嗅ぎながらも舌を使い上条を味わう。
乳首舐めと手コキの快楽で上条の全身がおこりのように震えて
揺れる右手がインデックスのフードを強く掴んだ。
そうしてんぁっと声をあげて高まったものを一気に吐き出した。
肉棒が脈動し精液が迸る。一回や二回では震えは収まらない。
高級なティーカップにも似た修道服へ欲望のミルクが注ぎ込まれる。
優しい表情のインデックスは逞しく暴れる肉棒の射精を助けようと
根元から先端までを扱き最後の一滴まで絞ってあげた。
絶頂を終えた上条の顔はだらしなく、唇の端から涎すら垂らし息を荒げていた。
「イッちゃったとうま可愛い……」
そんな顔も可愛らしくてちゅっとキスして涎を舐めとってあげる。
「こんなに出したんだね」
唇を離してお腹をみれば白い修道服の上にはドロッとした精液。
掬い右手に残ってる分と合わせて口に含んだ。
「んっ……ずずっ、ぺちゃっ……んぅふんっ……濃くて美味し……」
白濁液を指ごとしゃぶり艶かしくも舐め味わっている。
ずずっと音を立てて吸い、舌で塊を崩しこくんと飲み込んだ。
「とうまの飲んじゃったっ」
口を開いて上条へ見せ付ける。
いつものように無邪気な笑顔は精飲直後と思えないくらいだ。

43 :
「あンっ、とうまぁ……」
それを見てまた我慢できなくなったのか、上条の両手が修道服の中に入り込んで
小さな膨らみを直接撫で回した。
こうして攻め手が入れ変わる時もあるのだが
「ダーメ、今日はとうまのお仕置きなんだよっ」
そうはならず、インデックスは上条を押し倒す。
仰向けで倒れる上条は一度濃いモノを出したのにもう準備ができているようだ。
「ほら、おちんちんがまだしてほしいって」
幼くも艶を帯びた微笑。
一度精液を食べて飲んだためか、機嫌がよくなっている。
上条はボソボソと俺もインデックスを気持ちよくさせたいなどと
呟いているが聞いてもらえない。
先ほどの射精の時にフードが落ちているのにも気づかないインデックスは
「食べちゃうから」
あーんと口を開いて亀頭全部を咥えてしまった。
イッてからさほど時間の経っていないそこは敏感だ。
ニュルリとした舌の感触だけで頭を仰け反らせた。
「れろんっ、ん、えっ……ちゅるぅっ、はぁっ……ひもちいぃ……?」
上目遣いで見上げるインデックス。
ぶんぶんといった勢いで上条は頷く。
火照った口内に、暖かく包まれているのはそれだけで気持ちがいい。
インデックスは目だけで笑うと顔の角度を変えながら舌を使い始めた。
円の動きで舌をゆっくりと回して先っぽの味を確かめる。
「んっ……ぐっじゅっ……んべっ」
インデックスが口元を動かすとトロトロの涎を次々と送り込んでいく。
たっぷりと涎をまぶされて肉棒がぬめり光っているのがわかった。
「じゅるんっ……!ぶじゅるっ!ぐじゅじゅっ!」
強く吸い出されて上条は思わず足に力が篭る。
精どころか腰ごと吸いだされそうなほど激しい吸引力に舌を出して感じていた。
「とうまが好きなのしてあげるね」
インデックスが亀頭を咥えると丸い頬が小さく窪んで顔をそのまま沈めていく。
小さな口を大きく広げてモノを頬張っていく。
「じぇんぶ……ひゃべひゃった……」
インデックスは口いっぱいに咥えたまま嬉しそうに呟く。
亀頭の先端が口内と食道の境目に触れたのだ。
そのまま口蓋垂、のどちんこに亀頭が当たっている状態で
「んぐっ……んっん、おおっ……」
インデックスは喉を鳴らしながらも唇を押し進めた。
大きい上条のモノを全部飲み込もうとしていた。
お湯のような暖かい口内がまとわりつく。
肉棒がヌルヌルに包まれていく快感に上条は声をあげる。
粘度のある涎を潤滑油にして、先端がぐりりっと狭い穴をこじ開けていく。
喉が動くとぎゅっと締め付けられ文字通り飲み込まれそう。
ごくんごくんと音が聞こえるたびに精液が搾り出されそうな快感。
首元が嚥下の動作でへこむたびに上条は息を吐いた。
狭隘で柔らかい喉粘膜のどこに触れたって気持ちがいいのだ。

44 :
上条が見下ろしてみると視覚的な効果も高かった。
可愛いインデックスが銀髪を振り乱しながら自分のモノをしゃぶってくれている光景。
薄桃色の唇へと、若干黒ずんできた肉棒が割り開いていく。
小さな口が根元まで飲み込んでいるのを見ればそれだけで射精しかねない。
上条は息を荒げながらもインデックスから目を離さず見つめていた。


「ん、ふふっ……あ、んっぶぶっちゅぶりっ!んくっ、んじゅっ……!」
インデックスが上条を見上げると視線が絡みあう。
上条を見返しながらも目で微笑むインデックスは責めを強めていく。
口内のわずかな隙間から、じゅるじゅるっと水音が響きこくっこくっと何度も
飲み込む音がして喉でモノを扱いていく。
同時にインデックスが顔を少しずつ引いていくと得も言われぬ快感に襲われた。
嚥下運動で締め付けてくる食道へと肉棒が飲み込まれていき
引いた動きで喉に締め付けられたまま抜かれていく。
入っていく感覚と出て行こうとする感覚の相反する刺激。
熟練した娼婦でもできないだろう喉奉仕に上条の限界は近かった。
察したインデックスは飲み込みと前後の動きを早いペースで始めると
ああっと上条が乙女のように声をあげる。
「ちゅぶっ!じゅじゅっ!ちゅぼぼ、ぶじゅりっ!」
そんな下品とも言える鈍い水音を口内から響かせていく。
押し込む時は喉奥を亀頭の先端が叩いて粘膜が纏わりつく。
引く時はきゅっとしめた唇に締められながら舌が這い回る。
上条は快感のあまりインデックスの頭に両手を置いた。
その手は撫でようとしてるのか、遠ざけようとしてるのか、近づけようとしているのか。
どれも実行できないままおこりのように震えていて。
止めとばかりに根元まで咥えられたまま強く吸い出されて一気に放出した。
「……んえっ!、んんっ、んんっ!ごくっ……ごくっ……んっく、んっく…………」
びゅるびゅるっと音が聞こえてきそうなほどの激しい射精。
細い首に埋められた肉が蠕動して欲の塊を吐き出していく。
どくどくと精液がインデックスの口内より深い所へ流し込まれていく。
インデックスは食道に叩き付けられる精液を喉を鳴らして飲み込む。
そうすると同時にモノも締め付けられてさらに上条は吐き出してしまう。
飲精のための行為が射精を誘発しまた飲精へと繋がる。
何もかもがインデックスへ吸われていくようだった。
無意識なのか上条の手がインデックスへ伸ばされて
二人は手を繋ぎ合ったまま長い射精が終わった。
粘度のある涎と精液を零しながら濡れた肉棒が少しずつ現れていく。
ほどなく少女の口内に収まっていたとは思えない大きさのモノが晒された。
「ぷっ、ん、はぁっ〜〜…………気持ちよかった?」
インデックスは嬉しそうに笑って自身ありげに聞く。
上条は凄いよかったですと何故か敬語で返した。
普段はともかく性行為にあたっての両者の立ち位置が伺えるようだ。
今度は上条がインデックスに大丈夫だったのかと聞き返す。
いつもしてもらってはいるのだが、事前に苛められたのが効いたのか射精が長かったのだ。
そうでなくても負担がかかる行為ではあるし。
「少し苦しかったけど平気だよ」
あっけらかんとした口調は本当に平気そう。
「とうまが気持ちよくなってると私も嬉しいし気持ちいいの。
 とうまのを食べちゃうと口の中で感じてるのがわかって面白いんだよ」
上条の太腿に手を乗せて笑うインデックス。
いつもの無邪気な笑顔に上条も笑い返して
「だから全部出しちゃうね」
顔が凍りついた。

45 :
無理ですもう出ませんなどと焦りながらも言う。
「出さないと、とうまはすぐに女の子にちょっかいかけるんだもん」
そんなことはないですよと否定をするが
「ほらとうま足あげて……もっとあげるんだよっ!」
インデックスは聞いてくれない。
命令した後に上げられた脚を両手でえいっとばかりに押しやる。
そうするとベッドに寝ていた上条の足先が頭の横へとつく。
俗に言うまんぐり返し。
男ならばちんぐり返しともいう性器も肛門もインデックスから丸見えの体位へと変わった。
酷く恥ずかしい姿勢。なのだがこれもまた二人にとっては初めての行為ではない。
ただ最近は上条のほうが多いだけだ。
「とうまのお尻、してあげるね」
ゾクリと身をよじらせる上条。
恥ずかしい体勢のまま、インデックスから見下ろされていて。
そう思うと萎えていたはずの肉棒が微妙にだが硬度を取り戻していく。
けれど今のターゲットはそこではなかった。
インデックスの見ている所は玉袋の下にある排泄器官。
右人差し指を咥えると舌で舐めてトロトロの涎をまぶす。
口と指先から唾液の線が繋がって、そのまま指を穴へと差し入れた。
ひぐっと変な声をあげる上条。
二度射精をしたためか、それとも普段から責められているためか
少女の指をあっさりと受け入れてしまった。
インデックスが入れた指をくにくにと動かすとその度、上条の顔が歪む。
それが楽しいのだろう細い指が浅く上下に抽挿される。
何度もされているのに今だ慣れない刺激。
内臓がすべすべとした指に擦られる感触。
ほっそりとししている指が大きく感じられて、動かされると快感を覚える。
性器と違ってより敏感な内部は刺激されると呼吸が不規則に乱れるほどだ。
上条は幼い恋人の指で犯されるという背徳と羞恥で悦んでしまっていた。
肉竿もさほどの時間も経たず射精前の状態にまで勃起してしまう。
「ほら、まだ立つんだから」
お前が立たせたんだよなんて言う元気も立場も無い上条は喘いでいるだけ。
熱を孕んだ瞳でインデックスを見上げている様は続く責めを期待しているようにも見える。
インデックスはどこか淫らに微笑みながら、指を抜くと躊躇なくそこへとキスをした。
んあっと女の子のような声を出す上条。
舌を伸ばされて出口であるそこは、入り口へと変わり侵入を許してしまう。
「んっ、ちゅるっぅ……んえっ、んんっぅっ……」
軟質の肉が優しく粘膜を掻き回す。
ちゅっちゅっと音を立てて吸い付くように舌を動かす。
溜められた涎が注入されて、熱く溶かしていく。
刺激できゅっきゅっと舌が締め付けられると上条が気持ちよくなっているのが
わかるのだろう、インデックスはより熱心に行為を続けた。
「ぶじゅるっ、んっぶ、じゅるるっ!」
れろーんと蟻の門渡りから玉袋までを舐め上げて、袋ごと含んで吸い上げる。
また肛門まで戻れば表面の皺を伸ばさんとばかりに円を描いてほじられる。
湿った柔らかい舌が自在に動く度に上条はビクビクと震えてしまっていた。

46 :

足の間からインデックスが顔を出している視界。
横から見れば幼げなシスターが男の尻に顔を埋めて奉仕しているように見えるだろう。
経験のある事だが、想像するとみっともなさで涙ぐんでしまう。
気持ちがいいし、もっとしてもらいたい。
けれども大好きなインデックスにこんな事までやってもらうのも情けないとも思うのだ。
実際、情けなくも恥ずかしい体勢なわけだし。
「いいんだよ、とうま」
そんな上条の頭をインデックスはよしよしと撫でてくれた。
「とうまはいつもいつも頑張りすぎてるんだから。
 私と一緒にいる時ぐらいは頑張らなくてもいいの」
聖母のように慈愛ある微笑みが視界の中で歪んでいく。
「私もとうまが甘えてくれるほうが嬉しいんだから」
うんと頷く上条。
インデックスに撫でられると今度は嬉しくて涙が零れてしまった。
「いっぱい気持ちよくしてあげるね」
言葉と共にインデックスは上条の尻へと舌を伸ばした。
「んちゅっ、んんっ、んおっん、んえ、んちゅるっ、んんっ!」
セックスしているかのように何度も舌を入れて抜いてを繰り返す。
インデックスが首を上下させながらも舌を伸ばして縮めてを続ける。
入れたままじっとりと掻き回されれば溶けてしまいそうに気持ちがいい。
ほぐれたそこは暖かい舌の挿入を受け入れて、粘膜が愛撫される快楽だけを味わっていた。
「ちゅっ、ん……こっちもね」
新たな責め。
尻に深くキスをされながら、肉棒を握り扱かれて上条がうあっと呻く。
内側から性器に近い辺りを舌でほじられ疼くのに
それを押し上げられるように根本から擦られるのだ。
玉袋をやんわりと揉まれながら手コキをされれば
グツグツと腹の奥から沸き立ってくるような快感にすら襲われた。
上条は抑え切れない快楽でインデックスの名をうわ言のように呼ぶ。
「んじゅるるるっ……イッていいよ……とうま……ぢゅぢゅるっ……!」
インデックスは動きを早める。
小さな手で攪拌される先走りがぐちゅぐちゅと音を立てた。
舌が入り込んで深い所でピストンを刻む。
舌と指がリズムカルに動いて性器がビクンビクンと大きく震えている。
上条が大きく出るっと叫び白濁液がどっと溢れ出した。
三度目とは思えないほどのドロドロとした濃い精液。
インデックスは舐めるのをやめないまま、射精を助けるように扱いた。
右手で脈動する肉棒を擦りたてて、器にした左手で精液を受け止める。
だらしない顔で快楽を甘受する上条を見つめながらインデックスは
糊のように粘りつく濁流を最後まで搾り出してあげていった。

47 :
「いっぱいでたね」
ゼリーのような塊を手に持っているインデックス。
チロチロと舌で崩して味わったり飲み込んだりしている。
上条のほうは性根尽き果てたと言わんばかりに虚ろな目で口を馬鹿みたいに開けたまま。
絞りきられた果実のようにへにょへにょになっていた。
「これで浮気しないよね」
そもそも浮気自体してはいないのだが、上条は壊れた玩具のようにぎくしゃくと何度も頷く。
反論などできる立場ではないのだ。
「……とうまの事だから、もう少し出したほうがいいのかも」
なんだか物足りなさそうなインデックス。
甘えさせてはくれても甘やかしてはくれないらしい。
上条はひぃっと情けないほどか細い悲鳴をあげる。
気持ちいいし、してくれるのは嬉しい。でも男には限界があるのだ。
「……えい」
だが止める間もあろうか、インデックスが尻に指を挿入した。
中で半回転させたかと思えば性器の裏側辺りをくの字にした指先でひっかいたのだ。
声にならない声。
その一動作だけで肉棒が暴れるように震える。
「いっちゃった?…………あれ?精液出てないんだよ」
先ほどに倍加する勢いで震えているそれからは一滴の液も出てこない。
当然さきほどまでの射精で煙も出ない状態だからだ。
なのに射精とは比べ物にならない圧倒的な快感が上条を襲う。
「あれ?とうまとうま」
呼びながらもぐりぐりと前立腺の所を押して擦るインデックス。
その度に、上条の震えは全身に広がっていき、ついにはぐるんと瞳が裏返った。
「と、とうま!?」
尋常じゃない様子で意識を飛ばした上条を見てインデックスは慌てて指を抜いた。
ドライオーガズム。
射精するための役割をこなす前立腺を直で弄られて起きる絶頂。
射精を伴わなくても、それ以上の快感を得る事ができる。
連続で弄られ襲われた上条は耐えられなかったのだ。
しばらくして気絶から目覚めた上条は泣きながらその単語の意味と説明をして
前立腺責めはほどほどにと協定を結んだのだった。
それでも絶対禁止ではない辺り色々と気持ちよかったらしかった。

同日夜中の在るマンション。
薄暗い部屋にてギシギシと何かが軋み、小さく拍手をしているような音が響き続ける。
そこには一切服を身に纏っていない痩身白髪の少年と茶髪の少女がベッドで身を重ね繋がっていた。
正確に言えば少年が少女の背後から、後ろ手にした両腕を掴み貫いている。
スタイルがよく肉感的な少女を抱く少年の姿は幽鬼的な印象を醸し出していた。
少年は一方通行、少女は番外個体だった。
「ふっ、んっ、んっ……第一位なんでそんな激しく、あっあっ
 うっあ、ん、……盛り、すぎ……!」
口を開けば悪態だらけの番外個体だが今は弱々しい。
引っ張られてる手と性交の部分を支点にして背が弓なりにしなる。
きつい体勢で激しくも乱暴に犯されていると流石に普段通りとはいかないようだ。
逆に言えば普通のセックスでは余裕があるし、一方通行も乱暴にはしない。
だがそうする訳が今日はあったのだ。
「オマエ……今日アイツをずっと見てたよな」
番外個体を抱いたまま囁く一方通行。その言葉には明らかな苛立ちがあった。
「はっ?ミサカは別に見てなんか、ひぐぅッ!」
言い訳は許さないと意思表示するように乳房を強く握り締めた。
綺麗なお椀型をしている胸が手の中で歪み指の間から溢れでる。
「気づかねェとでも思ってンのか?」
夕刻に二人の少年とそのパートナーは通りを挟みすれ違っていたのだ。
会話もない目が合っただけのすれ違い。
けれど交流とも言えないそれは少年らになんらかの影響を与えたようだった。

48 :
「ち、ちがうってば……ミサカはシスターズからの受信でなんとなく見てただけで……」
正直に答える番外個体。
そんな事は一方通行もわかってはいる。
シスターズと打ち止めによって番外個体の意思とは関係なく行動してしまう事がある。
だが理屈ではないのだ。
一方通行自身、理由がわからないほどに苛立ってしまう。
番外個体がよりにもよって上条当麻に注意を向けているという事に。
当の上条当麻も似たような理由で責められていたりするのだけれど。
「違うか違わねェかは俺が決める」
そうして行為を続けようとした所で
「ぐぁっ……!」
悲鳴をあげた。
「無視しないで欲しいって、ミサカはミサカはあなたのお尻に指を入れて抗議してみる」
もう一人、全裸の打ち止めが行為に参加したのだ。
それは一方通行の背に抱きついて指を挿入するという些か異常な形だったが。
「何しやがるクソガキ……!今はコイツの仕置き中だろうが」
憎々しげな口調の一方通行だが打ち止めを制止しない。
逃げようと思えば番外個体ごと抱えて移動できるはずなのに。
「あなたは構って欲しい時はいっつもミサカを無視するよねって
 ミサカはミサカは少しだけ不満に思ってみる」
「知った風な口聞いてンじゃねぇ」
そう言って打ち止めを無視する一方通行。
それは肯定にも思えた。
「でもあんまり無視されるのも寂しいんだよって
 ミサカはミサカはちょっぴり能力を使ってみたり」
「がぁッ……!」
「ひゃぁっ!い、きなり……!」
一方通行がいきなりに射精をして二人の悲鳴が唱和した。
指先からの微弱な電気で刺激を受けた前立腺が収縮。
打ち止めの力で番外個体へ無理矢理に精を吐き出させられたのだ。
「ぐぅっクソったれ……!」
威勢のいい一方通行だが快感のためか声が震えている。
初めてではないから、耐えられるだけで常人ならば今の刺激だけで気絶していただろう。
それにやっぱり拒否の行動をしていない。
「むー、もうちょっと強いほうがいいのかな。でもあんまり強いと危ないし……
 そうだ!ってミサカはミサカは伝導率をあげるためにあなたのお尻の穴を舐めてみる」
打ち止めが一方通行の尻に手をあて広げると、ミルクを啜る子猫のように舐めはじめた。
ぺろりぺろりと舌が上下に動き、くちゅくちゅと唾液が送られ濡らしていく。
「あっ……ぐ、クソがっ……!」
後ろからの快感を振り払うかのように一方通行は腰を降り始めた。
尻で打ち止めの顔を押して、番外個体の中をえぐる。
「んぶっ……そんなに動いたら舐めにくいんだよって
 ミサカはミサカはもう一度能力使ってみたり」
「うぐっ……」
入れた舌からの電気責め。思わず腰が止まってしまう。
先ほどよりは弱いようだがそのぶん、濡れた舌から継続してピリピリとした刺激が伝わる。
打ち止めは緊張した括約筋が舌を締めてくるのが面白いのだろう。
ニコニコしながら能力のオンオフを繰り返し、舌先で一方通行の中を弄っていく。
「ぐ、ぎぃっ……!ぎゃはははっ!!はっ、やるじゃねェかクソガキ……!」
興奮しながら哄笑する一方通行。実に嬉しそう。
犯し犯される快感でなんだかハイになってしまっていた。
「あなたってやっぱりお尻好きな変態さんだねって
 ミサカはミサカはビリビリしながらあなたが喜ぶこと言ってみたりする」
打ち止めも楽しそうに責めていた。

49 :
ちなみに番外個体はというと
(二人で楽しみやがってもー)
なんだか蔑ろにされてる感があるがあんまり不満ではない。
何故なら打ち止めから全く不満の感情が伝わってこないのだ。
楽しいとか面白いとかえっちなことしたいとかばかりが伝わってきて文句も言う気が起きなかった。
誰かを苛めるのもいいのだが、自分勝手に扱われるのも嫌いじゃないというMな所もあるせいだったが。
(でも、このミサカは使い捨て予定だったから、子宮の機能をわざわざ止めてないんだぜ。
 生後一年で赤ん坊製造すんの笑い話にもなんないけど、第一位は責任とってくれるのかなー)
そうなったら一波乱ありそうと、いやらしくもほくそえんでいる番外個体。
「何笑っていやがるンだオマエ」
打ち止めの責めを受けながらも番外個体の様子に一方通行は気づいた。
「だって第一位が上位個体のせいで腰砕けになってるんじゃん。
 そんなんじゃミサカをイカセらんねーよ。なんなら第一位を先にイカせてあげようか?」
「……上等じゃねェか」
憎まれ口を叩かれ、暗がりの中で瞳がギラリと危険な光を放った。
番外個体が振り向いて一方通行にのしかかると打ち止めが弾き飛ばされて。
「あー、だから仲間外れにするなーって ミサカはミサカはあなたに抱きついてみる!」
二人の柔らかな身体に挟まれて汗と肌が纏わりつく。
大きめの胸が痩せた胸板で潰れて番外個体は挑発的に笑う。
打ち止めも負けじと身体を押し付けると背に小粒の乳首が擦れているのが伝わる。
対照的だがよく似た二人の裸体に抱きつかれると否応なしに盛り上がってしまう。
「でもヴォリュームは比べるべくもないよね。このミサカはセックスも出来るし、んっふっ……」
番外個体が屹立したモノへと身体を沈めた。
リズミカルに腰を振れば複雑に膣内が絡み蠢いて快感を伝える。
「ずるい。もうちょっと大きくなれば出来るようになるもんって
 ミサカはミサカはあなたみたいにお尻でえっちできるか考えてみる」
「うるせェ。交互に耳元で喋るンじゃねェ」
挟まれてほとんど動けない一方通行は番外個体を抱いているだけだ。
「第一位はやっぱり普通じゃつまんねーんだよね。ミサカも上位個体みたくやってあげるにゃーん」
繋がったまま番外個体が一方通行の排泄口に手を伸ばした。
「ぐぉっ……!?」
不意をつかれたらしく簡単に指の侵入を許してしまう。
「なにこれゆるゆるなんだけど。第一位はお尻よわいでちゅねー」
挑発的な赤ちゃん言葉を投げかけられているのに反論できない。
それどころか後の責めで竿のほうまで気持ちよくなってくる。
乱暴に指を出し入れされているようで的確に弱い所を狙われていた。
「上位個体のデータはこのミサカにもあるんだぜー」
そうなるとシスターズにも一方通行の弱点(尻的な意味で)が伝わっているかもしれないが
そこまでは思い当たらないし余裕もなかった。

50 :
「そっちはミサカが気持ちよくしてあげるのって、ミサカはミサカは対抗してみたり!」
「ま、まて、うごぉ…………!」
何故ならば打ち止めまでもが責めに参加したからだった。
ほっそりとした指の二人だが、狭い所に二本分となると圧迫感が違った。
番外個体に思い知らせてやるどころか責められて反撃ができない。
それとも実は望んでいるのか。少しだけ射精しかかってたりするし。
「今度は処女みてーにギチギチしてる。女の入れられる気持ちわかった?」
「なんだか噛み付かれてるみたいってミサカはミサカはかつてない感覚に驚いてみたり」
二人の指が微かにしか動いていないのに腹の奥まで衝撃がある。
ただその異物感すら気持ちよさに変わってしまう。変わるようになってしまっている。
ほとんど一方的に責められて打開策が見当たらないまま
「このままビリビリして第一位を気持ちよくしてやろーね」
「やっぱりそれが気持ちいいの?って、ミサカはミサカは血気にはやって能力を使ってみる!」
止めの一撃が見舞われた。
「オ、オマエラそれはやべェだ、ろ、ぐぎぃぃぃぃぃ!」
二人のミサカによる電撃で、奇妙な悲鳴と共に一方通行は絶頂を迎えた。
「ん、やぁはっ……第一位の負けー」
「気持ちよかったんなら褒めてほしいかもって、ミサカはミサカは賞賛の言葉を待ってみたり」
(流石に…………洒落になンね……)
番外個体の中にやたら濃いモノを吐き出しながら視界が白く染まっていく。
命の危機すら感じる快楽に性器周辺が誤動作したのだろう。
消えそうな意識とは裏腹にドクドクと活動を増して溢れ出していく。
「ふぅん……きゃはは、さっきよりいっぱい、こりゃガキが出来ちゃうかもねー。
 そしたら上位個体がお姉さんだよ。妹増えて嬉しいだろ」
「ち、ちょっとまって!そうしたらミサカはお嫁さんじゃなくて娘に!?
 って、ミサカはミサカは希望とは違う未来予想図に慄いてみたり!」
色々とずれている打ち止めだった。
(勝手な事言ってンじゃ……)
だが消えていく一方通行の意識では言葉すら放てずにいて。
ガクンと身体ごと脳のブレーカーは落ちて打ち止めを下敷きにして倒れこんだ。
「やっべ、ちょっとミサカたちやりすぎたかも。これアヘ顔つーの?第一位白目剥いてるよ」
「きゃー!ミサカの愛が深すぎてあなたが危険な事に!
 って、ミサカはミサカは動けないけどなんだかあなたの体重が心地よかったりする」
きゃいきゃいと騒がしい中、他人には見せれない顔になっている一方通行は
ほんの少しだけ笑っているようにも見えた。

51 :
終了

52 :
3時休みに読むにはエロすぎて困るw
しかしインデックスの台詞の中に「ン」を見つけた時はビビった。
あと一方通行が責められて「クソが」は場所が場所だけに…w
一つ気になったのは不思議な改行だけど携帯か何かかな?

53 :
Sなインデックス先生とM条のカップルも新鮮でGJですw
逆転されるへタレの一方通行さんもご愁傷様w

54 :
愛ある主従関係な上イン、ご馳走さまです!

55 :
乙!
番外さんをそのままお仕置きする一方さんもみてみたかった

56 :
中出しされたバードウェイが荒い息で顔真っ赤にして小刻みに震えながらも
いつもみたいな余裕の笑みを浮かべようと無理している妄想で抜きそう

57 :
前スレで「他人の不幸は蜜の味」なるものを投下したものです。
その続編を投下いたします。
非エロの上黒で、NGワードは「酸いも甘いも噛み締めて」で。
異様に長いです。

58 :
 風紀委員、白井黒子はふと警邏の足を止めた。
 ポケットからの微かな振動に気づいたためだ。
 ちゃーちゃーちゃーちゃーちゃちゃーちゃーちゃちゃー。
 同時に響くのは着信音。ダースベーダーのテーマである。
 彼女の携帯電話においてこの音が設定されている人物は一人しかいなかった。
 不幸の権化、すなわち上条当麻である。
 この着信音のたび、黒子は非常に微妙な表情で携帯電話を確かめるのが常だった。
 そのため彼女の学友たちの間では、この着信音の主が何者であるかのトトカルチョがなされていたりする。
 およそお嬢様方のやることではない。
 しかしながら常盤台の誇る電撃姫の所業をみるだに、そんな幻想はぶち壊されてしかるべきだ。
 と、彼なら言うだろう。
 ちなみに学友たちが周りにいる際の彼女の電話対応は、当麻の三大恐怖の一つであるらしい。
 閑話休題。
 ポケットに手を入れ、携帯電話を取り上げると、黒子は不審げに眉をひそめた。既に通話が切れていたためだ。
 着信音がしてからそれを取り出すまでの間、およそワンコール。
 つまりワン切りされたことになる。
 彼女の知る彼は、およそレディの扱いおいて及第点を与えられる手合いではないが、さりとて全くの礼儀知らずというわけではない。
 少なくとも、妙な悪戯をするような殿方ではないのだ。
 黒子は着信履歴を呼び出し、そこから当麻に返信をする。
 ワンコール、ツーコール、スリーコール……
 電話は繋がらない。ついには留守番電話サービスに切り替わった。
 伝言は残さずに、通話を切る。
 いやな予感がした。言いようのない不安に顔を曇らせる。
 黒子は直ぐに、別の短縮ボタンを押した。
「初春、少々頼まれてくれます? 今からいう番号の携帯端末の位置情報を調べて欲しいんですの……」
***

59 :

 上条当麻は追われていた。
 といっても、それはそれほど珍しい事態ではない。
 他人の厄介事に首を突っ込みたがる彼だが、この街においてはスキルアウトにからまれた人たちのそれがその先になることが多かった。
 三人以上の相手には逃げを打つといってはばからない当麻にとっては、逃走劇など慣れたものである。
 しかし、今回ばかりは勝手が違った。
 この厄介事は明確に、彼を狙っている。
 数は四人。
 当麻が逃げるに値する人員である。が、彼が逃げているのは人数のせいばかりではない。
 ちらりと、当麻は後ろを振り向いた。
 異様な風体だった。
 明らかに防弾防刃加工されているであろう黒の装甲服に、フルフェイスのマスクまで装備している。そして何よりの脅威は、彼らが手にしている、サイレンサー付きの大型拳銃だ。
 それは単なる脅しの道具ではない。既に数発撃たれていた。幸いなことに当たることはなかったのだが。
 追手の射線から逃れるように、当麻はすぐ脇の道に入る。
 ちゅん、という冗談のように小さな音がすぐ後ろに聞こえた。
(なんなんだ、畜生!)
 わけのわからない事態に、しかし声は上げずに内心で毒づく。
 再三言うが、不幸にも逃走劇には慣れていた。
 しかしながら、今回ばかりはいつもの手法、つまり人ごみにまぎれて撒くことなどできるわけがない。
 人気のない場所へと舵をきるうちに、彼は地の利の全くない廃ビル群の只中に飛び込んでいた。
 壁から壁へと身を寄せて走りながら、当麻はポケットの中の携帯電話を探る。
 一件の着信。
 奇妙な胃の痛みを感じつつ、誰からの着信か確認もせずに再びそれをポケットに忍ばせた。
 こんな事態に、巻き込めるはずがない。
 それでも彼女にコールを入れたのは、嘘がつきたくなかったからか。
 『今』の自分の人生は、そもそも嘘から始まっているというのに。
 疲労からか、後ろ向きになりだした思考を追い出すように頭を振り、彼は次の路地へと滑り込む。
「……!」
 数歩進んだところで、当麻は舌打ちとともに足を止めた。
 十数メートル先は壁。脇道もない。完全な袋小路だった。
 引き返そうにも、今飛び出せば的にしかならない。
 迎え撃つしかないか。
 そう腹を決め、彼は角の壁に張り付いた。
 迫りくる足音にはやる気を押さえ、息を整える。

60 :
 数秒後、装甲服の男が路地へと踏み込んできた。
 それに合わせるように、彼はその男の腹部へと右の拳を叩きこむ。
「ぐあっ?!」
 しかしながら、苦痛の呻きを漏らす羽目になったのは、当麻の方だった。
 当然と言えば当然の話だ。肉体強化系の能力者でもない生身の人間の拳など、装甲服を着込んだ相手に通用するはずがない。
「……」
 覆面故に男の表情はわからないが、嘲りの笑みが見えた気がした。
 それでも当麻は腐らない。
 銃を構えようとした男の腕を、左の拳を打ち上げて跳ね上げ、さらに腹を蹴りつける。
 ダメージこそなさそうだったが、それでも体勢を崩すことはできた。追い打ちすべく足を踏み出しかけ……しかしすぐに、後ろへと飛び退る。
 次の瞬間、襲い来るのは数発の銃弾だった。
 後発組が追い付いてきたようだ、その隙に目の前の男は体勢を立て直している。
 次の方針を決める間もなく、襲撃者たちが集結する。
 走って逃げるのは、もはや論外だ。拳銃の使えない乱戦に活路を見出すしかない。
 覚悟を決め、当麻は間合いを詰めるべく踏み出そうとする。
 その足が再び止まったのは、今度は銃弾のせいではなかった。
 ……いつもの名乗りは、ない。
 降って湧いた、としか言いようのない少女のとび蹴りに、銃を構えていた一人がもんどりうって倒れる。
 そしてそのまま、突然の事態に反応しきれていないもう一人の覆面の側頭部に、彼女は鉄板入りの学生鞄の一撃を加えた。なす術もなく吹き飛び、ビルの壁に激突しそのままずるずると崩れ落ちる。
「白井!」
 安堵とも焦燥ともとれる声音で、当麻が叫ぶ。
 彼の呼びかけに黒子は一瞬だけそちらを見、そして強く笑った。
 太腿のホルダーに手をやりつつ、彼女は前に出る。
 残る二人も、割って入ってきた乱入者の動揺から立ち直っていた。
 しかしながらというべきか、彼らが銃口を定めるのは仲間二人をのした黒子にではなく、あくまでも当麻に対してだ。
「安く見られたものですわね!」
 叫んで彼女は金属矢を転移させる。
 動かぬ的など外すはずもない。各三本、計六本の金属矢が彼をポイントしていた二つの銃口を串刺しにした。
 これで終わりだ。
 普通なら。
「白井、気をつけろ!」
 思いのほか近くから響く声に、黒子は緩みかけていた気を引き締めた。
「こいつら全員能力者だ!」
 当麻の叫びに呼応するかのように、獲物を使用不能にされた眼前の二人は、何の未練もなくそれを放り、ほとんど同時に両手を突きだす。
 轟!
 突如として巻き起こった烈風に、黒子は思わずたたらを踏んだ。
 間髪いれず、もう一方の男の掌から紅蓮の火球が打ち出される。とっさに転移しようとして……その必要が無いと知る。
 燃え盛る火の球は彼女を擦過し、そのまま背後の少年へと向かったからだ。
 響くのは、悲鳴ではあり得ぬ甲高い音。
 何が起こったのかなど、火を見るより明らかだった。内心で安堵の息を吐きつつ、黒子は視線をきつくする。
「初志貫徹とはご立派ですけど……!」
 呟きつつ、彼女はしゃがみこむように身をかがめた。
 奇妙な挙動に、風使いの視線が一瞬黒子に移る。移したはずだった。
 そこに、彼女の姿はない。
 その体勢のまま、黒子は男たちの懐にテレポートで潜り込む。
 そして地を蹴り思いっきり伸び上がって、風使いの顎へと痛烈なアッパーカットを繰り出した。インパクトの瞬間にテレポートを発動、拳一発で十メートルの高みにまで吹き飛んだ男は、もはやに体だ。
 さらに彼女は、宙に浮いたまま身をよじりつつ再び自身を転移させる。
 目の前の光景に呆気にとられていた発火能力者の首に両足を巻きつけ、捻り上げた。冗談のように男の体が回転し、脳天から地に沈む。

61 :
「……風紀委員をなめすぎですの」
 倒れこむような無様はしない。当麻に並ぶように三度その身を転移させ、彼女は悠然と腕を組んだ。
「名乗らなかったくせに」
「……第一声がそれですの?」
 軽口を叩く彼に、黒子は横目できつい視線を送る。
「白井」
「……なんですの」
「おまえ、フランケンシュタイナー似合うな」
「味わってみます?!」
 改まらない軽口に、彼女は口調もきつくした。
 この段に至って、当麻はどうやら黒子が本気で怒っているであろうことに気付いた。
「……あの、白井さん?」
「……」
 恐る恐るの問いかけに、なんですの、の返事すらない。
「怒ってらっしゃいます?」
「当たり前ですの!」
 爆発した。
「見てわかりませんの?! 見てわかりませんの! こんな中途半端なことをされて平静でいられるほど、私聖人ではありませんの!」
 凄まじい剣幕で迫ってくる彼女に、当麻はたじたじと後退する。一部残った冷静な部分は聖人なるセンテンスに反応を示していたが、現実はそれどころではない。
「どうせ銃火器を持った手合いとの諍いに巻き込みたくないとか、そんなことを考えていたんでしょう?! あのワンコールで義理を果たしたつもりでいらしたんでしょう?! 馬鹿にしないで下さいまし!」
 壁際に追い詰められた彼を上目で睨みつつ、彼女の言葉は止まらなかった。
「伊達酔狂で! 見栄であんなことを言ったわけではありませんの! 吐いた唾を飲むつもりも、覆水を盆に返すつもりもありませんの! それを!」
 それを、ともう一度、今度は小さく弱く呟いて。
 黒子は、俯く。俯いてしまう。
 振るえる肩に、言いようのない罪悪感を当麻は感じた。
「すまん!」
 それに突き動かされ、彼はただ頭を下げる。
「白井の言葉を、軽く考えていたわけじゃないんだ。でも、いくらお前が風紀委員だからって、こんなことにまで首を突っ込ませるのもって気持ちもあって」
「……あなたが言えた言葉ではありませんの」
 目元をこすりつつ、顔を上げて彼女は言った。
 返す言葉もない。
「変な遠慮はやめてくださいまし。……傷つくのは、なにもあなただけではありませんの」
「……今回は、お互い無傷ってことで?」
「……反省の色が見られませんわね」
「いや、本当に反省してるって。……正直、来てくれなかったらやばかった」
「なら、結構ですの」
 当麻のその言葉にようやく気が済んだのか、黒子はついに微笑んだ。
***

62 :

「うーん……」
 パソコンの前で腕を組み、初春飾利は首を捻る。
 あの後、例によって警備員に犯人たちを引き渡し、二人は風紀委員第177支部を訪れていた。
「どうかしましたの、初春?」
「ああ白井さん。調書は終わったんですか?」
「ええ、つつがなく。それで、どうしましたの?」
 別室から戻ってきてみれば、同僚が唸り声を上げていたのだ。気にならないはずがない。
「さっきの件なんですけど……」
 言って初春はちらりと黒子の後ろ、つまり当麻に視線をやった。
 その意図に気付いた彼女は、構わないとばかりに頷いて見せる。
 軽く目を見開き、そして何かに得心がいったのか薄く笑って、初春は頷き返した。
「……なんですの、その反応」
「いえいえ。で、先の件の取り調べの報告書が上がってきたんですけど。ちょっと妙な内容なんですよね」
「妙?」
 怪訝そうに呟いて、黒子は彼女の前に腰かけた。それに続いて、当麻もその隣に着席する。
「何が妙なんだ?」
「なんであなたが、当たり前のように先を促しますの……だからなんですの初春その顔」
「いぃえぇなんでも。で、ですね。まず、今回逮捕した4人なんですが、全員前科持ちです。ただ、同一グループに所属していたわけではなく、初顔合わせだったようですね」
「揃いの戦闘服着込んでたのにか?」
 いぶかしげに、当麻が疑問の声を上げる。
「雇われの実行犯で、首謀者は他にいるということですの? それなら別に妙な話というほどでも」
「妙なのは彼らの証言です」
 黒子の言葉を受け、初春は続けた。
「『神の啓示を受けた』『預言は実行しなければならない』等々……、おかしなことを口走るばかりで、まともな尋問にならなかったみたいなんです」
「うわあ……」
「やばい宗教にでもハマりましたの? そろいもそろって。天下の学園都市で」
「警備員もその線を疑ったみたいですね。……当初は」
「当初は?」
 眉をひそめる黒子に、彼女ははい、と頷き、
「尋問開始から十分ほどで、彼らの態度が豹変したようなんです。『はめられた』『何であんな女の言うこと聞いちまったんだ』等々……まるで正気に戻ったみたいに」
「……精神操作の能力者?」
 黒子の指摘に、初春は再び頷く。
「まず間違いありません。それもあって、彼らもかなり積極的に捜査に協力しているようですけど……」
「いつでも切れる尻尾が、重要な情報を持っているはずありませんわね」
「ですね。一応装備の配給を受けた場所は押さえたようですけど、そちらはまだ報告待ちです」
「……今回は誰かの厄介事に首を突っ込んだわけではなかったそうですけど」
 ちらりと先ほどとった手元の調書に目をやりつつ、黒子は初春に言う。
「あ、はい。この四人、写真で上条さんの顔を知らされてたみたいです。間違いなく上条さんを狙っての犯行ですね。ただ……」
「ただ、なんですの?」
「無関係な人間を巻き込むな、と徹底されていたみたいなんです」
「……ふむ」
 それには思い当たる節がある。
 黒子が乱入した時にも、直接的な攻撃はあくまで当麻に向けてのものしかなかった。
「それが、何か?」
「……うまく言えないんですけど、あれだけ大仰な装備に徹底された指令。……なんだかこの件がずいぶん大がかりな事件に思えて」

63 :
「不安をあおるようなことを言うもんじゃありませんわ」
 口ごもる初春を、彼女は窘めた。ちらりと当麻に視線を送る。
「狙いは俺だけか。それならそれで気が楽だな」
 彼は頭の後ろで手を組み、のほほんと言った。
「……呑気なことを。主犯が精神操作の能力者なら、誰が敵になるかわかりませんわよ」
「白井に襲われたら、抵抗できそうにないな」
「それは困りますわね。その時はきっちり殴ってくださいまし」
「右手でこつんとな」
 言葉の応酬の末、二人は顔を見合わせる。
 そして同時に、小さく吹き出した。
「本当、便利な右手ですわね」
「白井の方が便利だろ。いいよな空間移動。特売逃すこともなさそうだし」
「……能力の無駄遣いにもほどがありますわよ。それに大能力者はタイムセールに拘らなければならないほど、生活費には困りませんの」
「いーや、どんなに金回りがよくなろうとも、俺は特売を譲れないね」
「小市民ですわねぇ」
「うっさいですの!」
「だから似てませんの!」
「仲いいですねぇ」
 はっとして、二人は割って入った声の主を見る。
 そこには、にやにやとしか言いようのない笑みを浮かべる初春の姿があった。
「……なんですの初春、その下衆い顔は」
「花も恥じらう女の子に下衆はないですよ白井さん!」
「花も恥じらうというより、あなたの花は恥ずかしいですの」
 どういう意味ですかー! とぷんすかしている初春を無視して、黒子はあーと頷いている彼を見やる。
「何かわかったら、お知らせしますわ」
 ただし、と。
 上から目線で、彼女は付け足す。
「わかってるよ! 何かあったら連絡させていただきますよ白井様!」
 はいよろしい、と黒子が微笑み、ああちくしょうと、当麻は拗ねた。
***
 学生寮、と一言で言ってもその内実はピンキリである。
 例えば通う生徒全てが最低レベル3以上という某お嬢様中学校の学生寮など、『外』のオフィスビルもかくやというセキュリティーを誇っている。
 対して。
 レベル0、すなわち上条当麻の通学する特筆するべき点のない普通の高校の学生寮の防犯対策など、男子寮であることを差し引いてもお寒いものだった。
 ……現に、午前二時に窓ガラスに丸い穴が開けられたというのに、警報のひとつも鳴りはしない。
 キィ、と。
 微かにガラスの擦れる音がした。
 しかしながら、ベッドに横たわる標的は、起きる素振りを見せない。
 男は改めて室内を確認した。
 異様に家具のない部屋だった。めぼしいものといえば、テーブルとテレビ。
 そして、目標の横たわるベッドくらいしかない。
 ガラスにあいた穴から手を差し入れ、鍵を開ける。
 かちゃりと響いた小さな音に、やはり、こちらに背を向けた対象は身じろぎもしなかった。
 昨日の今日で暢気なものだ。
 男は思う。
 しかしながら、これは神の配剤と見るべきだろう。
 預言は、実行されなければならない。
 慎重に歩を進め、ベッドの前に立つ。
 腰から抜かれた大型ナイフは黒く塗られ、月の光も照り返さない。
 男はそれを大きく振り上げ……

64 :
「んぅ……」
 場違いな呻きに、その手を止めた。
 標的が、標的だったはずの何かが寝返りをうつ。
 男は混乱した。
 ここは男子学生寮のはずだ。
 標的である黒髪の少年の個室であるはずだ。
 『神』が、『女神』がそう預言したのだ。
 だったらこの、銀髪の少女は何なのだ?
 動揺から、男は一歩後ずさる。
 テーブルの存在を忘れて。
 ガンッ!
 取り返しのつかない、言い訳のしようのない失態だった。
「誰?!」
 少女が覚醒した。
 目を覚ました、ではなく覚醒だ。
 背後に意識をやったほんの数瞬で、少女はベッドの上で臨戦態勢をとっている。
 まるで、こんな事態に慣れているかのような対応だった。
「インデックス!」
 背後からの声に、しかし男は失態の上塗りをしなかった。
 右手へ、つまり窓へと飛び退りつつ侵入者を確認する。
 そこには、本来の標的たる少年の姿があった。
「てめぇ、昼間の奴らの仲間だな?!」
 背後に少女を庇いつつ、彼は叫ぶ。
 その問いには答えない。恰好を見ればわかることだからだ。
 男は沈思する。
 ここが標的の部屋であることは間違いない。
 少女がいたのは偶々、少なくとも標的の護衛というわけではなさそうだ。
 男に与えられた『予言』はひとつ。
 すなわち標的たる少年の抹である。
 しかしながらその予言には、一つの制約が課されていた。
 無関係な人間を巻きこまないこと。
 じりじりと間合いを詰めてくる標的と、その背からこちらを窺っている少女を交互に見る。
 両立は不可能。
 そう見切りをつけ、男は全身をスパークさせた。
 突如起こった紫電の閃光に当麻の眼がくらむ。
「くそ!」
 毒づき、ほとんど見当で右手を振るった。
 手ごたえは、ない。
 未だちかちかする視界を細め、なんとか状況を確認しようとする。
「とうま、外!」
 インデックスの声に、彼は窓の外へ目を凝らした。
 そこに映ったのは、電光を曳きつつ電柱に張り付く襲撃者の姿。
「待て!」
 当麻は叫んで窓から身を乗り出すが、さすがに電線を伝って逃げる相手を追う術はない。
 くそ、と小さく呟いて、今度はインデックスに駆け寄った。
「インデックス、怪我はないか?」
「うん、わたしはなんともないんだよ」
 ぐるぐると腕を回して、彼女は無事をアピールする。
 そっか、と彼は安堵のと息をこぼし、そしてぐしゃぐしゃと髪を掻き混ぜた。
「で、とうま」
 にこにこと笑顔を浮かべて、インデックスは当麻の顔を覗き込む。
「わかってる。全部話す。でも、ちょっと待ってくれ」
 彼女の追及をいったん制止し、彼は床に落ちた携帯電話を拾い上げた。

65 :
 一方のインデックスは、当麻に噛みつくでもなく、目を丸くして彼を見つめる。
「……なんだよ」
 彼女の視線に気づき、当麻は訝しげに言う。
 ううん、とインデックスは首を振った。
「ちょっと意外だっただけだよ」
「はぁ?」
 わけがわからず彼は眉をひそめるが、当の彼女は何も言わず、再びにこにこと、今度は含みない笑顔を浮かべる。
 不可解なインデックスの様子をおいて、当麻はアドレス帳を開いた。
 事情、時間帯。
 どちらも逡巡するに値する理由ではある。
 だが。
 彼女の言葉が、脳裏を過ぎる。
「……」
 意を決し、彼は彼女の番号を呼び出した。
「白井か? 常識のない時間にすまん。……力を貸してくれないか」
***
 振動音が微睡みを壊す。
 枕元のマナーモードに設定した愛用の近未来携帯が、己の職務を全うしているのだ。
 不機嫌さもあらわに、黒子はそれを取り上げる。迷惑メールだったらただじゃおかんと言わんばかりの勢いだ。
 ディスプレイに表示された発信者名に、瞬時に眠気が吹き飛ぶ。
 彼女はすぐさま身を起こすと口元に手をやって、通話ボタンを押した。
「白井ですの。……承知しました。直ぐに伺いますの。詳しい話はその時に」
 手短に通話を終えると、黒子は年不相応の寝間着を脱ぎ捨て、制服に着替える。
 隣のベッドで眠る愛しのお姉様、御坂美琴は夢の世界だ。気づかれた様子もない。
 何とも複雑な表情で、黒子は彼女の寝顔を見つめた。
 このまま起こさずに出るのは、恐らく正しい。
 しかし。
 彼に、何かあったら知らせろと言ったのは自分だ。
 そして。
 自分に、事が大きくなる前に頼れと言ってくれたのは、彼女だ。
 逡巡の後、彼女は美琴を揺り起こした。
「んあ? なぁによくろこぉ、もうあさ……ってまだ2時じゃない……あんたどういう……?」
「申し訳ありませんお姉様、少々トラブルですの。恐らく朝には戻れませんので、寮監に申し開きをお願いしますわ」
 半ば以上寝ぼけていた彼女だが、そんな後輩の言葉にさすがに目を覚ます。
「トラブルって……まさか風紀委員絡みじゃないわよね、こんな時間に」
 学生からなる風紀委員、普通ならこんな時間に召集がかかることなどあり得ない。事件があれば、それは警備員の管轄になるはずだ。
「絡んではいますけれど、風紀委員からの呼び出しでは、確かにありませんわ」
「なら……」
「しかしながら、私も看板に偽りなきことを証明しなければなりませんの。詳細は後ほど必ずご説明しますので、どうか快く送り出してはいただけませんか?」
「……」
 わけのわからないことを言う彼女の顔を、美琴はじっと見つめる。
 そこに冗談の色はなく、あるのはただ、真摯な瞳。
 ふう、と彼女は諦念の息をつく。
「……わかった。こっちは適当にごまかしておくわよ。ただし、後で絶対に説明しなさいよ。あと、危なくなったらじゃなくて、危なくなる前に私を頼りなさい。いいわね?」
「……はい。ありがとうございます、お姉様」
 黒子は美琴を軽く抱きしめ、そしてそのまま虚空に消えた。
 
***

66 :

 ノックの音がした。
 対面に座るインデックスがびくりと身を震わせるが、一方の当麻は警戒こそしているものの、腰を浮かせかけた彼女を制する余裕がある。
 一つ頷いて立ち上がり、一応忍び足でドアスコープから外を窺った。
 二房揺れる、茶色の髪。
 予想通りの人物に安堵の息をつき、彼は扉を開けて彼女を招き入れる。
「お邪魔しますの」
「本当にすまん、こんな時間に」
「学習能力があるとわかっただけで、十分ですわ」
 頭を下げる当麻に、黒子は冗談めかして笑った。
 苦笑いを返して、彼は彼女を部屋内へと促す。
「失礼します」
「あれ? 短髪といっしょにいた人だね」
 想定外の第三者の声に、黒子は真剣に驚いた。
「何度か会ったことはあるけど、名乗るのは初めてだね。わたしはインデックスっていうんだよ」
「あ、ご、ご丁寧に。白井黒子と申しますの……」
 流されるままに自己紹介をし終えたところで、彼女は眼前の少女の素性に思い当たる。
「あなたはいつぞや、地下街にいらした……」
 銀髪碧眼修道女姿など、これ以上ないほどに特徴的な出で立ちだ。
 落ち着きを取り戻した黒子は、もの言いたげな視線を家主たる少年に向ける。インデックスも同様だった。
 そうだよなー、と小さく呟き当麻は肩を落とすが、ややあって黒子に向き直る。
「白井、過程はすっ飛ばして説明するけど、インデックスは俺の同居人だ」
「本当にすっ飛ばしましたわね」
「すまん、この件が片付いたらその辺説明……」
「必要ありませんわ。確か命の恩人……でしたわよね?」
 言いつつ彼女はちらりとインデックスを見やった。
 うん、と躊躇うでもなく彼女は頷く。
「くろこも?」
「……まあそんなこともありましたけど、どちらかというと厄介事に首を突っ込む困った方という印象の方が強いですの」
「……苦労してるんだね、わかるんだよ」
「ありがとうございます。そういってくれる人がいるだけでも、救われた気分になりますわ」
「なんでいきなり友好温めてるんだよ?!」
 あさっての方向に向かう二人の会話に、思わず当麻は突っ込みを入れた。
「ですが」
 そんな突っ込みを意に介さずに、黒子は言葉を続ける。
「そんな苦労は、もうしないで済みそうですの」
 お呼びいただきましたし、と彼女は彼を流し見た。
 う、と当麻は言葉を詰まらせる。
 意味ありげな言葉と気まずげな彼の様子に、インデックスは思案げに眉を寄せた。
「とうま」
「なんだよ」
「さっきも聞いたけど、今回私の『知識』は役に立たないんだよね?」
「……ああ」
「それでとうまはくろこを呼んだんだよね。くろこを頼りにしたんだよね?」
「……そうだな」
 責められているような気分で、居心地悪く当麻は返事をする。

67 :
 だが、そんな彼とは裏腹に、当のインデックスは実にうれしそうな笑顔を浮かべてみせた。
「くろこ」
「はい」
「とうまを頼むんだよ」
「……はい?」
 娘を送り出す父親のような台詞を言う彼女に、黒子は間の抜けた声を上げる。
「とうまはね、事件に巻き込まれても相談なんてしてくれないし、心配かけないようにって事情の説明もしないし、誰かに頼ろうともしないんだよ」
 それが余計に心配かけるのにね、と不満たらたらに唇を尖らせてのインデックスの言葉に、当麻はごにょごにょと口の中で言い訳をしながら目をそらした。
「でも今回は、とうまはわたしに事情の説明をしてくれたんだよ。それにとうまは、くろこを頼ったんだよ。それがどういうことなのか、とうまはわかってないみたいだけど。わたしはそれが、ほんとうにうれしいんだよ」
 こんなときに不謹慎だけど、と言いながらも、彼女は心の底からの笑顔を浮かべている。
 それにつられるように、黒子の口元もほころんだ。どうにも、笑むのを押さえられない。
「インデックスさん」
 くつくつと笑いながら、彼女は呼びかけた。
「この件が終わりましたら、お時間いただけませんか? きっと、積もる話がありそうですの」
「うん!」
 二つ返事で、インデックスは頷いた。
「……先の話をすると、鬼が笑うって言うんだけどな。話、戻していいか?」
「あ、はい」
「実は……」
 かくかくしかじか、と先ほどの経緯を話す。
「狙いが俺だけっていうのは、まず間違いないみたいだ。でも相手の良心あてにするのも馬鹿らしいし、何より身元が割れちまった。で……」
「潜伏場所が用意できないか、ということですわね?」
「ああ。少なくともインデックスの安全を確保したい。できるか?」
「そうですわね……」
 とんとんと指先でテーブルを叩きつつ、黒子は黙考する。
「……新型のセキュリティシステムのモニターという名目で、教員に割り当てられるマンションがいくつかありますの。無論、その中には警備員もおりますますから、そちらからの伝手で空き部屋を用意できるかも……」
 少しお待ちください、と言って彼女は携帯電話を取り出しつつ席を立ち、玄関へと移動した。
 おそらく警備員の支部に連絡を入れているのだろう、しばしの間遠い声が響く。
 インデックスが小首をかしげて見せるが、当麻にしてみれば肩をすくめるほかない。
 しばらくして、吐息とともに彼女は居間に戻ってきた。
「話がつきましたわ。並びの別棟で二部屋、都合できましたの。どちらも隣室は警備員が入居中で、護衛を兼ねてくださるそうです」
「そりゃ願ってもない」
「ありがとうなんだよ、くろこ」
 直球の感謝の言葉に、黒子は面映ゆそうにする。
 が、それも刹那のことだ。
「車も回してもらいましたの。当座の荷物だけ持って、すぐに移動いたしましょう」
***

68 :

「……これが格差社会ってやつか……」
 半ば呆然としつつ、当麻は室内を見やる。
 あの後。
 眼鏡をかけた優しげな風貌の警備員の運転で、目的地たるマンションに到着。
 この警備員がインデックスの警護も兼ねる事になっているのだが、彼女は一目見てインデックスを気に入ったらしく、夜勤効果もあってかハイテンションで彼女を引きずって行ってしまった。
 残された当麻は、鍵の引き渡しを受けていた黒子とともに、隣のマンションの二階の一室に歩を踏み入れている。
「分譲タイプの1LDKですから。流石に学生寮とは仕様が違いますの」
 部屋やキッチンが使用可能かを確認をしつつ、黒子は事もなげに言った。
「ここでの生活に慣れたくないな……さっさと終わらせよう、こんなこと」
「前向きなのは、結構ですが……」
 眉をひそめて、彼女が振り向く。
「正直なところ、手掛かりが少なすぎますの。長丁場になる可能性がありますわ」
「……むぅ。じゃあおとなりさんにもきっちり挨拶しておかないとな……さすがに今は無理か」
「今後も無理ですわ。このフロア、入居しているのはこの部屋だけですの」
「は?」
「その方が都合がよろしいかと思いまして」
「……お見通しだなぁ」
 苦笑して頬を掻く彼に、黒子ははいと笑ってみせた。 
「では、リビングをお借りしますの」
 寝室から来客用の布団を引っ張り出しつつ、彼女は言う。
「は? って白井お前、ここ泊まっていく気か?!」
「あら、こんな夜の夜中に、うら若い乙女を外に放り出すおつもりですの?」
「いや……そんなつもりはねーけど……」
 単純に想定外な事態に、当麻は口ごもる。
「いやでもまずいだろ、それこそうら若い男女が同じ屋根の下って」
「そんな台詞が出るのでしたら、それこそ問題ありませんでしょう? それともインデックスさんとは爛れた関係をお持ちで?」
「何言っちゃってるのこの風紀委員」
「ならやっぱり、問題ありませんのね。……まあ護衛を兼ねていると思っていただければ」
 そう言われてしまえば無碍にもできない。
 そもそもここまで手を尽くしてくれた彼女の申し出を、断れるはずもなかった。
 一つため息をつき、
「……わかったよ。でも部屋のベッドは白井が使ってくれ。俺がリビングで寝るから」
「家主を差し置いてそういうわけにも」
「この状況で家主も何もないだろ。それに上条さんは床寝がデフォなんですよ。ベッドは女性が使ってください」
「……わかりましたの。ではお言葉に甘えて」
「おう。……あ、白井」
 ぺこりと頭を下げて部屋に入ろうとした黒子に、当麻はふと声をかける。
「なんですの」
「いや、お前その格好で寝るのか? 俺は部屋着持ってきてるけど……」
 言われて彼女は、足元に置いてあった紙袋を持ち上げた。
「ご心配なく。インデックスさんから一着、寝間着を押し付けられましたの」
「何やってるんだあいつ」
「では、おやすみなさいませ」
「……おやすみ」
 改めておじぎし、部屋に入る彼女を見送り、
「どうしてこうなった」
 と呟き、
「……俺のせいか」
 と、髪をかき混ぜた。
***

69 :

 軽やかな包丁の音に、目を覚ます。
 寝ぼけ眼のまま身を起し、当麻は音の発生源に目を向けた。
 そこには既に常盤台の制服に着替え、キッチンに立つ黒子の姿がある。
「……白井?」
「あら、おはようございます。もう少しで出来上がりますので、顔でも洗ってきてくださいまし」
「あ、ああ……」
 促されるままに立ち上がり、洗面台に向かおうとして……
「いや、何してるんだ白井」
「何って……朝食を作っているに決まってますの」
 なにを当たり前のことを、とばかりに彼女は呆れた風に言った。
「材料なんてあったのか?」
「先ほど買ってきましたの、ちょちょいと」
 実にテレポーターらしいお言葉だった。
「なんか悪いな、何から何まで」
「お気になさらず。それなりに腕に覚えはありますけれど、なかなか振るう機会がありませんで」
「お、なら期待大だな」
「普段自炊されてる方のお眼鏡にかなうかどうか……もうできますわ」
「ああ、わかった」
 言って彼は洗面所に向かう。
 当麻が顔を洗って戻った時には、既に朝食がテーブルに並べられていた。
 トーストにハムエッグ、サラダにスープという、彼の平素の朝食ではあり得ない品目。
「……朝起きて朝食が用意されてるなんて、何年ぶりのことでせうか……」
「……インデックスさんは?」
 感激にうちふるえている当麻に、黒子は遠慮がちに問う。
 返ってきたのは、沈黙。
「……ええと、どうぞおあがりになってくださいまし。冷めてしまいますの」
「……いただきます」
「はい、召し上がれ」
 かちゃかちゃと、しばし食器の鳴る音だけが響いた。
「うん、うまい」
「それは重畳ですの」
 にこりと笑んで、彼女も食事の手を進める。
 トーストに齧りついたところで、呆けたようにこちらを見る視線に気づいた。
「なんですの?」
「……いや、トーストかじる姿も絵になるな、と」
 さすがお嬢様、と続ける彼に、黒子は顔を赤らめる。

70 :
「……それは持ち上げすぎでしょう? トーストなんて、誰が食べても同じですの」
「いや、白井もインデックスの食事風景を見れば、そんなことは絶対に言えなくなるはずだ」
 しみじみと言う当麻に、どんなですの、と彼女は思ったが口には出さなかった。
 ほどなくして、ほとんど同時に二人の手が止まる。
「ごちそうさま」
「はい、お粗末さまですの」
 楽しげに黒子は言って、彼の分まで食器を重ねた。
「ああ、片づけは俺がやるよ」
「いえ、洗い物までが料理ですし。それにそろそろ時間を気にされたほうがよろしいのでは? いつもの学生寮からとは、距離が違いますの」
「え? ……うわ、ほんとだやべぇ! すまん白井、頼むわ!」
「お気になさらず。あ、鍵をお忘れなく。入れなくなるばかりか、下手をしなくても警備会社に通報されますわよ」
「わかった! ……じゃあ行ってくる!」
「はい、いってらっしゃいまし」
 どたどたと足音を響かせる後ろ姿に、見えない手を振る。
 慌ただしく扉は閉まり……途端に静まり返る室内。
 まるで嵐の後だった。
「騒々しい方ですの」
 やれやれとばかりに溜息を吐きつつ、しかしその顔には笑顔が浮かんでいる。
 ままごとというしかない、先ほどまでの彼との会話。
 それが奇妙なまでに楽しいことだと思えた。
「ま、こんな生活も、たまにはいいかもしれませんわね」
 誰に聞かせるでもなく、呟く。
 彼にはああ言ったが、どうせ長くは続かぬ事だ。少しばかり楽しんだとて罰は当たるまい。

 そしてそれは、本当に、長くは続かなかった。

 洗い物を終え、黒子も部屋を出る。
 寮の食事の時間にはもちろん間に合わないが、この分なら学業を疎かにしなくてもよさそうだ。
 エントランスを出たところで、びたりと彼女は足を止める。
 まるで彼女を待ちかまえていたかのように、一人の少女が立っていたからだ。
 年の頃は十四、五歳、可愛らしい顔立ちながら、その印象にそぐわぬ派手なドレスでその身を飾っている。
「どちら様ですの」
 太腿の金属矢のホルダーに手をやりつつ、警戒心もあらわに言う。
 対してドレスの少女はといえば、そんな彼女の様子に頓着せず、頬に指を当て笑いかけた。

71 :
「どちら様なんてつれないじゃない……白井さん?」
 何を気安く、と吐き捨てかけて、気付く。
 ああ、自分は何を言っていたのだろう?
 今正に、あんな姿で!
「私を迎えに来て下さるなんて! 感激ですわお姉様ー!」
「ええー?!」
 一足飛びどころかテレポートで間を詰められて抱きつかれ、ドレスの少女はただただ狼狽する。
「ちょ、えっ、待っ、は、離れ……!」
「いやですわつれないと言ったのはお姉様ではありませんかそもそも白井さんなどと他人行儀な黒子と呼んで下さいませ!」
「ああうんわかった、わかったから黒子落ち着いて」
「感激ですわお姉様お姉様が黒子と呼んでくれたから今日のこの日は黒子記念日ですのぐふっ」
 唐突に、黒子の身が崩れ落ちた。
 はーはーと荒く息をつき、顔を青ざめひきつらせ、自分で自分を抱きしめるドレスの少女。
 そんな彼女に爆笑しながら声をかけるのは、ホストばりに容姿の整った少年だった。
「よう、災難だったな」
 笑いさめやらぬ様子で、彼は少女を冷やかすように言う。
「笑いすぎよ」
 彼女にしては珍しく、不機嫌そうに唇を尖らせた。
「助けてやったんだからいいじゃねーか」
 そこまで言って、彼は顔から笑みを消す。
「大したタマだぜそいつ。あのままお前を飛ばす気だった」
「嘘? この子が一番慕ってるはずの、御坂美琴の距離を設定したんだけど。正直貞操の危機を感じたんだけど」
「相手が誰であれ、理性が情に勝るんだろ。そういうタイプの人間もいるって、自分で言ってたじゃねえか」
「そうだけど……」
「あと貞操の危機とか言ってんなよ。ウブなネンネじゃあるまいし」
「……」
「……え、何その沈黙。まさかお前」
「……さっさとこの子運んでくれない」
「いてっ、蹴んなオイ! わかった、わかったよ」
 マジかよ意外すぎる、などと言いながら、少年は黒子を抱き上げた。
 そのまま停めてあったボックスワゴンに乗り込む。
 後部座席に黒子を寝かせると、少年は助手席に座った。続いてドレスの少女は、黒子の隣に腰掛ける。
 二人の着席を確認して、運転席の男は無言で車を発進させた。
***
 手持ち無沙汰だ。
 何をするでもなくリビングの椅子に腰掛け、当麻はぼうと天井を眺めている。
 遅刻することもなく、いつものように学校は終わった。
 特に補習もなく、友人らに遊びの誘いを受けたものの、それを辞退してまっすぐ仮宿に戻ってきたのだ。
 迂闊に出歩くより、セキュリティー完備のこのマンションにいたほうがいいに決まっている。
 が。
 インデックスに安否確認の電話を入れたところで、やることがなくなってしまった。
 己の無趣味が呪わしい。
「……そういや今日この後どうするかなんて、話す暇もなかったな」
 独り言がふと漏れる。
 我ながら言い訳じみているなと思いながらも、当麻は携帯電話を手に取った。
 ……まるで狙いすましていたかのようなタイミングで、携帯電話が着信音を鳴らす。
 自覚なく喜色を浮かべて、彼は通話ボタンを押した。
「はいはい上条ですがー」
『出るの早いわね。私よ』
 予想外の相手に、当麻は軽く眉を上げる。
「なんだビリビリか。珍しいなお前から電話してくるなんて……」
『アンタ、黒子知らない?!』
「は?」

72 :
 ビリビリ発言に怒声も上げず、どこか逼迫した口調の彼女に、上がった眉が下がる。
「どういう事だ? 学校にこなかったのか」
『そうよ! 夜中に飛び出してってそれっきり。風紀委員絡みだっていうから初春さんに聞いてみたけど、支部にもいないし……それでその時聞いたんだけど、アンタ昨日黒子と一緒にトラブってたんでしょ?! 何か知らない?!』
「……実は今日、白井と朝まで一緒だったんだが」
『ちょっと待って詳しく』
 先とは違った逼迫感を滲ませて、電話向こうの彼女が問う。
「あ、いや変な意味じゃねーぞ? ただ俺が寝込みを襲われて」
『くくく黒子に?!』
「違ぇよ! お前自分の後輩何だと思っ……いやうんとにかく違うから!」
 一瞬色々納得しかけたものの、当麻は一連の事情を説明した。ただしインデックスの件は除いて。
『……アンタが今いるのって、セキュリティーモニターのマンションなのよね。なら防犯カメラに何か痕跡があるかもしれない。今から行くから!』
 聞くだけ聞いて、そして言うだけ言って通話は切れた。
 待ち受け画面に切り替わった携帯電話を、じっと見つめる。
 今になって、当麻は後悔していた。
 負い目があったとはいえ、やはり彼女を巻き込むのではなかった。
 巻き込んだ結果がこれだ。そして今や、美琴まで巻き込みつつある。
「くそっ!」
 悪態を吐き、テーブルを叩いた。跳ねる携帯電話。
 ……振るえる、携帯電話。続いて着信音。
 彼は大きく息を吐いてから、ディスプレイを確認する。
 白井黒子。
 ほとんど反射的に、当麻は通話ボタンを押した。
「白井か?! お前今何処に……!」
『第十七学区にある廃工場の敷地内にある貨物コンテナの中で、絶賛お休み中よ。迎えにきてね、ナイトさん?』
 返ってきたのは聞きなれた低めの声ではなく、聞き覚えのない少女のそれだった。
「……誰だてめぇ」
 我知らず声を低くして、電話口の少女に詰問する。
 こわいこわい、と少女はおどけた。
『本件の主謀者よ。施設の調整に手間取っちゃって、連絡がこんな時間になってごめんなさいね』
「御託はいい! 白井は無事なんだろうな?!」
『勿論。大切な人質だもの。今は薬で眠ってもらっているけど』
 そうでもしないと人質にできないし、と少女はやれやれとばかりに言う。
 勝手なことを、と当麻は歯噛みするが、口には出さない。
『詳しい場所は今からメールするわ。時間の指定はしないけど、早く来てね。それじゃあ』
 言うだけ言って、やはり通話は切れた。続いてメールの着信音。地図だ。ご丁寧に、美琴にまでCCで送信されている。
 後手後手だった。流されに流されている。
 再びの美琴からの着信に、もはや腹をくくるほかなかった。
***

73 :

 傾いた日に照らされた工場群は、さながら炎の柱のようだった。
 いい眺めじゃないな、と彼は内心で毒づく。
 あの後、第十七学区の入り口に待ち合わせた二人は、そのままメールに指定されたポイントへと一直線に向かった。
 明らかに現在使われていないであろう廃工場の敷地内、そこにいかにも不釣り合いな、巨大な真新しい真鍮色のコンテナが屹立している。
 傷一つ見えないそれの一面に、ぽっかりと開くどこか虚ろな、洞のごとき入り口の前。
 二人は一瞬視線を交わすと、同時に飛び込む。
「白井!」
 薄暗い内部に目を凝らし、当麻は焦燥もあらわに目的たる少女の名を叫んだ。
 そんな彼とは対照的に、美琴の心は落ち着いている。
 自分より焦っている少年が、傍らにいるためだろうか。
 その事実が逆に彼女の心にちくりと刺さるのだが、表には出さずに内部を見渡した。
 外観は貨物コンテナであるにも関わらず、その内は伽藍堂。
 目につくものといえば、まばらな照明と。
 反対側の壁を背に立つドレス姿の少女と。
 ……左手の壁際に背もたれて、俯いている常盤台の制服姿の少女。
「……白井!」
 正面の少女には目もくれず、当麻は黒子に駆け寄った。
 一方の美琴は威嚇するかのように全身に紫電を這わせ、一歩踏み出す。
「止めないわけ?」
 彼女の言葉に、ドレスの少女は肩をすくめた。
「ええ。彼がここに来てさえくれれば、彼女はお役御免だもの。薬で眠ってもらっているけど、傷一つつけてないわ。その薬も、あと10分もすれば完全に抜けるしね」
「目的はアイツだけなんでしょ? 私にまでここの場所をリークしたのはなんでよ」
「白井さんに手を出した以上、あなたの関与を懸念するのは当然でしょう? なら、リスクは最小限にしないと」
「最小限、ねぇ……」
「そう。彼より早くても、遅くても駄目。同時でないとね」
「……解せないわね。こんな手間かけてまで、黒子を攫った理由は何?」
 くるくると右手の人差し指を空で回して、ドレスの少女はその指で壁をつつく。
「彼の人質になりうる空間移動の大能力者が、彼女だけだからよ」
「……どういう、ことですの」
 疑念の声は、横手からだった。
「黒子……」
 当麻に肩を借りて立ち上がった彼女を確認して、美琴は安堵の息をつく。
 黒子は彼女に視線を向け、済まなそう目を伏せた。
 そして直ぐに、ドレスの少女を睨みつける。美琴もそれに倣った。
 三者の視線が集中するも、彼女は慌てた風もない。
 にっこりと黒子に微笑み、諭すように言った。
「ここから出られるのは私と、あなたの飛ばせるものだけだから」
 壁に当てていた指を、美琴に向ける。もう少し室内が明るければ、正確には彼女の背後を指差していたとわかっただろう。
「……扉が?!」
 ドレスの少女の指先を追った当麻が、驚愕の声を上げた。
 その声に、美琴も警戒しつつ背後を振り返る。
 音もなく。
 出口は、閉ざされていた。
 いや、閉ざされたどころか、扉の痕跡すらない。戸枠も、継ぎ目すら見当たらなかった。完全な一枚板。
 まるで、はじめから存在すらしていなかったかのように。
 当麻はまだしも、真ん前にいた美琴ですら気づかなかった事と合わせて、尋常ではない。
「そもそもね」
 歌うように、ドレスの少女が囀った。
「扉なんて、ないのよ。さっきまでは、『この子』が口を開いていただけ。もう閉じて、チャックさせちゃった」
「何を言って……!」
 わけのわからぬことを言う彼女に、当麻は苛立ち交じりに声を上げる。
「このコンテナは、生きているのよ」
 彼を見やり、ドレスの少女は教え子を諭す教師のように言葉を紡いだ。

74 :
「……は?」
 状況を忘れたかのような間の抜けた声が、当麻の口からこぼれおちる。
「……生きてる? これが?」
「正確には、四方の壁と床が、だけどね」
 軽く床を踏みしめ、訝しむ彼に、ドレスの少女はそう訂正した。
「……こんな生き物、見たことも聞いたこともありませんの」
 未だ膝を笑わせながらも、黒子は気丈に声を上げる。
「まあ、常識で考えればそうでしょうけど」
 ドレスの少女は笑った。
「うちのリーダーに、常識は通じないから」
 馬鹿馬鹿しいと、ばかりに。
「彼の、『物』に『者』を付与して、精神操作で自在にそれを操作するっていう実験が元だったんだけど、これはそこからスピンオフした技術の産物よ」
 慈愛に満ちた手で、ドレスの少女は壁をなぞった。
「人間を素粒子レベルまで分解して『何か』に組み込む……正直私にはよくわからない話だけど。『学習装置』で操作技術を刷り込んでおけば、例えば有人機の柔軟性を持った無人戦闘機が完成する、らしいわよ? お手軽な生体兵器よね」
 エックスリスペクトとか言っていたけど、どういうことかしら、と首を捻り、しかしすぐに気を取り直し。
「必要な人間も、クローンを使えば問題ないし、ローコストだし。……軍用クローンの製造費、あなたなら知っているわよね? 『超電磁砲』?」
 ぎっ、と奥歯を噛み締める音が、当麻たちにまで届く。
「で、軍事転用可能な能力者をあごで使うお前が、レベル5の第三位を敵に回してまでレベル0の俺を付け狙うのは何でだ」
 美琴が言葉を発するよりも速く、淡々とした口調で当麻が割り込んだ。
 人がせそうな視線を、彼に向ける。
 受け止められた。
「勘違いしてるみたいだけど、私はあくまで『本件』の主謀者。あごで使われてるのは私の方よ」
 熱い息を吐く美琴を尻目に、ドレスの少女は肩をすくめる。
「で、あなたを狙う理由だけど」
 言って彼女は考え込むように、頬に指を当てた。
「……『スペア』が『メイン』に成り代わるための前哨戦。『バイパス』潰しってところかしら」
「……何を言っているのか、さっぱりわかんねーよ」
 声を低くして言う当麻に、ドレスの少女はでしょうね、と苦笑した。
「別に懇切丁寧に教える義理もないし、正直あなたの重要度は私たちにもわかってないのよ」
「……つまり」
 未だ当麻から肩を借りながらも、黒子は力ある眼差しをドレスの少女に向ける。
「つまりあなたをあごで使う誰かを『主役』にするために、とりあえず他の『候補』消しておこうと、そういうことですの?」

75 :
 その言葉に、彼女は驚きと称賛の混じったまなざしを人質の少女に送った。
「鋭いわね。でも、とりあえず、とは心外だわ。念のためって言ってほしいわね」
「ふざけたことを……!」
「大真面目よ。彼一人おびき出すのに、廃棄予定の『この子』まで引っ張り出して、どれだけ手間をかけたことか。……無駄な犠牲をださないってリーダーの意向を必要以上に汲んだ面もあるから、自業自得でもあるんだけど」
 楽しげに三人を見やりつつ、ドレスの少女は言う。
「ああそう」
 もう付き合っていられないとばかりに、ついに美琴が全身から紫電を迸らせた。
 電撃の槍がドレスの少女を貫く……直前。
 何の前触れもなく、彼女の足元から壁がせり出す。
 電光はそれに直撃し、何らの損傷を引き出すことなく霧散した。
「言ったでしょう」
 くすくすと笑いの混じった声が、壁の向こうから響く。
「『この子』は『人間』だって。そしてわたしは」
「……精神操作の能力者」
 ご明察、と下がった壁から笑顔で黒子に拍手を送る。
「馬鹿にしてっ!」
「忠告しておくけど」
 ポケットに手を突っ込んだ美琴を制するように、ドレスの少女はそれを流し見た。
「天井は『この子』じゃない。重さ7トンのそれを、『この子』が支えているの。電撃くらいならまだしも、『超電磁砲』なんて打ち込まれたら、『手』を滑らせるかもしれないわよ?」
 舌打ちとともに、彼女はドレスの少女を睨む。相手は動じた風もかった。
 それもそうだろう、この場は彼女の掌の上と言っても過言ではないのだから。
「10分後」
 指を一本立てて、ドレスの少女は宣告する。
「今から10分後に、『この子』は『手』を放すわ。白井さんの薬もそろそろ完全に抜けるから、彼女とあなたはここから脱出できるでしょう? ぬのは彼だけ」
 ほら無駄な犠牲は出してないでしょ? と彼女は笑顔でぽんと手を叩いた。
 それと同時に、ドレスの少女の体が、背にした壁に飲み込まれていく。
「っ!」
 あれほど饒舌に事を語っていた彼女が、こうもあっさりと逃げを打つとは思っていなかったのだろう。完全に不意を打たれた。
「逃がすかっ!」
 それでもとっさに、美琴は再びの電撃を放つ。
 だがやはりというべきか、床から迫り出した壁が、ドレスの少女を庇う様に抱きしめた。
「いい子。……それじゃ失礼。もう二度と会わないことを、願ってるわ」
 くぐもった言葉が終ると同時に壁は歪み、元へと戻っていく。彼女の姿は、もはやない。
「〜〜〜っ!」
「お姉様」
 突然耳元に響いた黒子の声に、歯噛みしていた彼女は慌てて振り向く。
 ドレスの少女の言葉の通りだったのだろう。薬も抜け、演算能力を取り戻した彼女が、自分の肩に手を置いていた。
「後はお任せいたしますの」
「くろ……っ?!」
 名を呼ぶ暇もない。
 彼女が最後に見たのは、微笑む後輩の姿だった。

 ふうと一つ息を吐き、彼女は空の見えない天を見上げる。
「これが、お姉様やあなたがいる世界ですのね」
 視線を下して、彼女は気負いなく彼を見た。
「常々思っておりましたの。黒子もそこに立ちたいと」
「……立たずに済むなら、それに越したことない世界だよ、こんなところ」
 言外に早く逃げろと言って、彼は顔を背けて吐き捨てた。
「でも」
 そんな彼の様子を後目に、黒子は再び彼の前に立ち、そしてその右手を取る。
「あなたを助けられるなら、悪くない世界ですわ」
「……俺を転送する気か?」
「他に、何が?」
「無理だ!」

76 :
 何でもないことのように言う彼女に、当麻は顔を背けたままに叫んだ。
「お前だって知ってるだろ、俺の右手のことは! 御坂の電撃だって……」
 一瞬言葉を逡巡させるが、ややあって決然と続ける。
「学園都市第一位の力だって、俺の右手は消しちまうんだ」
「……例の都市伝説は、本当でしたのね」
 驚嘆の声を、彼女は上げる。
 驚きは、あった。
 しかし事実なら、この殿方でしかありえない、とも思っていた。
 くすりと、笑う。
「今日はラッキーデイですわ。あなたを助けるついでに、学園都市最強のテレポーターの称号が得られるんですから」
「白井」
「無理だと言われて、あなたは引き下がりますの? レベル5の第一位に立ち向かったあなたが?」
 笑顔を消して一転、彼女は怒りすらこめて言う。
「違いますわよね。だからこそ、あなたはここにいるのでしょう」
 それに、と咎めるように彼女は続けた。
「此度の事件の渦中はあなた。それに巻き込まれたのが私」
 いえと、彼女は首を振る。
「それに首を突っ込んだのが私」
 つまり。
「あなたが私で私があなた。……あなたが端役で私が主役ですの! だからあなたは!」
 ぎゅうと彼の右手を握りしめ、黒子は言う。
「黙って私に、助けられればいいんですの」
 不敵に笑って、彼女は瞳を閉じた。
 当麻はもはや、言葉もない。
 彼女を翻意させる、言葉がなかった。
 鏡に向かって諦めろと言って、一体何の意味がある。
「……ああ分かったよ! 白井!」
 その呼びかけに、黒子は塞いだ目を開ける。
「お前が俺を、助けてくれ」
 まるで泣き出しそうな顔の彼に、彼女は強く微笑んだ。
「私を誰だと思っていますの? 常盤台が空間移動の大能力者、風紀委員! 白井黒子ですのよ!」

 どれほど意気込めども、いかほど見栄切れども、目の前の現実は変わらない。
 出力した力が消えていく。喰らわれていく。干されていく。
 まるで、穴の開いたバケツに水を注ぐかのような徒労感。
 焦るな。
 瞳を閉じて自分にそう、言い聞かせる。
 空間移動の演算に、焦りはマイナスにしか働かない。
 絶対の能力などない。
 彼女は思考する。
 それを体現し続けてきたのが彼だ、彼の右手だ。
 だからこそ、そこに穴がなければならない。
 そうでなければ、彼の右手が存在できる道理がない。
 絶対の能力など、ないのだから。

77 :
 穴。
 穴の開いたバケツに、水を注ぐかのような。
 ならば、穴から水が抜けきる前に満たせるほどに一息に、溢れるほどに注げば。注ぐことができれば。
 閃きだが、確信だった。
 できないとは、言わせない。
 できると認識し、実現する。それこそが学園都市の能力開発だ。自分だけの現実だ。
 高々七十キロ足らずの殿方一人、転送できないはずがない。
 できると思え。
 できると信じろ。
 できると確信しろ。
 頭脳が回転する。思考が加速する。演算が光速する。
 閉じた瞼に光が奔る。
 目を、開く。
 瞳に映った現実は、常とは異なる色彩を放っていた。

 見開かれた彼女の瞳に、彼は戦慄した。
 赤く輝く彼女の瞳。
 毛細血管が破裂したのだろう、両の瞳からは血色の涙が流れて落ちる。
 出血は、そこからだけではなかった。
 鼻孔から、口元から、そして耳朶から。
 彼女のかんばせが朱に染まる。
 何をしているのかは、わからない。
 だが、無理をしているのは、よくわかった。
 まばたきもなく開ききった瞳孔は、少なくとも眼前の彼を写していない。
 もう止めてくれと叫びたかった。
 お前が傷つく必要なんてないと喚きたかった。
 けれど。
 おそらく彼女は言うだろう、あなたが言うなと。
 あなたが私で、私があなた。
 こんな風に、見えていたのだろうか。
 いつもの自分は、こんなにも、迷惑をかけて、心配をかけて、不安をかけて。
 そしてこんなにも、泥にまみれて、怪我にまみれて、血にまみれて、いたのだろうか。
「でも」
 震える声で、彼は言う。
「俺は、ここにいるぞ」
 そう。
 それでも彼は、今ここにいるのだ。
「……入院くらいなら、許してやるから」
 彼女の目元の血を拭い、無理矢理に笑う。
「きっちり笑って、終わらせてくれよ」
 ……彼の世界が、朱に染まる。
 


78 :
 彼女の世界が、色あせた。
 その名の通りの色彩に、白と黒に。
 ふと、自らの右手に目を落として。
 ああ、と。
 彼女は思う。
 なんて、白いのだろうと。
 穢れないほどに、白。
 それに繋がる彼の右手は。
 こんなにも、黒いのに。
 翳ることできぬほどに、黒。
 だから私は飛べるのか。
 だからあなたは飛ばぬのか。
 彼女は、見る。
 まるで一つのように絡み合う、自分と彼の右手の指を。
 そうだと、彼女は思い至った。
 ならば、混ざってしまえばいい。一つになって、しまえばいい。
 融けて混ざれば皆同じ。
 白よ翳ろ、黒よ穢れ。
 どれほど黒に近かろうとも、灰色ならば飛ばしてみせる。
 視線を上げる。彼の顔へ。
 強張った笑顔の彼に、彼女も笑う。
 気負いも照れもなく、ただ自然に。

 唇を、重ねた。
 白と黒が、混じる。

 光。
***
 少女の顔がずるりと下がり、少年の胸へおさまった。
 突然の赤光に、彼の目が眩む。
 それとほとんど同時に、背後で重い衝突音が響いた。
 当麻は慌てて、首だけ後ろを振り返る。
 聳えるように屹立する、無機質な金属の壁。
 先ほどまで閉じ込められていた、貨物コンテナだ
 それは、夕陽の朱を照り返している。
 彼は正面に向き直った。
 視界の下には茶色の髪が、視界の上には夕焼け空が。
「……ははっ」
 笑声が零れる。
 これが笑わずに、いられるだろうか?
「ここでお前を褒めたら、自画自賛になるのかな、白井?」
 自惚れが過ぎますの、という返事はない。
 その代わりにか、彼女は更に、彼にもたれかかった。
 姿勢を崩した当麻が、よろける。
 かくりと折れる、黒子の膝。
 崩れ落ちそうになる彼女の腰を、彼はとっさに抱き留める。
「……白井?」
 脱力した黒子の顎が、力無くと上を向いた。
 彼女のかんばせは、止め処なく赤。
 当麻の絶叫が、廃工場群の直中に響き渡った。

79 :

 その後のことは、よく覚えていない。
 ただ、病室に付き添ってくれていたインデックスによると、半狂乱で彼女の名を呼ぶ自分を、御坂が無理矢理電撃で気絶させ、いつもの病院に運んでくれたらしい。
「白井は?!」
 そこまで聞いて堪えきれなくなったのか、当麻は詰め寄るように、インデックスに言う。
「……隣の、病室に」
「ここ一般病棟だよな? なら、白井も大したことないんだよな?」
 歯切れ悪い彼女の様子に気付かなかったのか、気付かないふりをしたのか、彼は言い聞かせるようにまくしたてた。
 がちゃりと、入り口の扉が開く。
「目、覚めたのね、アンタは」
 安堵の吐息をほんの少しこぼして、彼女は言った。
「御坂!」
「……悪かったわね。あんまり聞く耳持たなかったから、気絶させて運んじゃった」
「そんな事どうでもいい! 白井はどうなったんだ?! 無事なんだよな?」
「……体は何ともないわ。寝てるだけよ」
「そ、そうか……」
 ほっと安堵の息をつく。
 そんな彼を見ても、御坂は入り口に立ち尽くしたままだ。
「……御坂?」
 ようやく彼女の異常な様子に気付いたのか、訝しげに彼は言う。
「……目を覚ますのは、時間の問題だって」
「あんた……!」
 ぽつりと言うインデックスに、美琴は咎めるような声を上げた。
「どうしたんだよ、二人とも」
 怪訝そうな少年に、視線を交錯させていた少女の一方、美琴が決然と言う。
「……その子の言う通り。目を覚ますのは、時間の問題だって。……それが五分後になるか、五年後になるか、わからないけど」
「は?」
「過負荷による脳の情報拒絶って、医者は言ってた。……見たくないから、聞きたくないから、感じたくないから……疲れたから、寝てるんだって」
 まるで妹達のように、美琴は淡々と言う。
 彼女とは対照的に、感情もあらわに、当麻は立ち上がった。駆け出さんばかりの勢いで、美琴の隣りを通り過ぎようとする。その肩を彼女は掴んだ。
「どこ行くつもり」
「決まってるだろ」
 言わずもがなの問いかけに、苛立ちまぎれに彼は言った。
「アンタ、黒子が倒れたのは自分のせいだって、思ってるんじゃないでしょうね」
「……でなかったらなんだよ!」
「自惚れんな!」
 押すように掴んだ肩をはじき、美琴は当麻の胸倉を捻り上げる
「あの子の怪我はあの子のものよ。あの子の怪我はあの子の責任よ! あんたのものじゃない!」
「……!」
 痛烈な一言に、息をのんだ。
「とうま」
 彼のいなくなったベッドに未だ向いたまま、インデックスが言う。
「迷惑掛けてごめんなさいと、助けてくれてありがとう。……私はどっちを言えばよかったのかな」
「インデックス……」
 彼女の言葉に、当麻はある一言を思い出した。
「あなたが私で私があなた、か……」
「うん?」
 彼の呟きに怪訝なつぶやきを漏らしながらも、美琴は手を緩めない。
「……いや」
 彼女を見下ろして、彼は笑顔を浮かべてみせた。
「そうだよな。すまん。……俺はあの時、あいつを信じたんだ。最後まで、信じてなきゃな」
「……ん、宜しい」
 その言葉に彼女も笑顔を返して手を下して、そしてその手で彼の背を叩く。
「やっといい顔になったわね。……行ってきなさい」
「……おう!」

80 :
 患者不在の病室に残された二人の少女の片一方が、立ちあがる。
 彼女は未だ入口に立ちつくしたままの、もう片一方に振り向いた。
「短髪」
「……何よ」
 先ほどまで浮かべていた笑顔は消えて、押しした返事を返す。
「みこと」
「だから、何よ」
 彼女の声音は変わらない。インデックスは、彼女の前まで歩み寄った。
「私はシスターなんだよ」
「知ってるわよ」
「お話聞くのは、得意なんだよ」
「……」
「懺悔告白は、秘密厳守なんだよ」
「……」
「……」
 沈黙が、続く。
「……何で、どいつもこいつも」
 誰へかの言葉を、美琴は吐き捨てるように言った。
「何で……何で! 何であそこで倒れてるのが私じゃないのよ! 何で黒子が!」
 俯き、爪が白くなるほどに両手を握りしめる。
「それは私に寄越しなさいよ! 私に責任回しなさいよ! 何が……っ!」
 ぎりぎりと、奥歯が鳴った。
「何がレベル5よ! 何が超電磁砲よ! こんな肩書あったって、後輩一人守れやしない!」
 何も、できなかった。
 ドレスの少女は光の翼と共に去り、やったことといえば、警備員への通報と、二人の搬送だけ。
 足手まといだ、こんなもの。
 血を吐く様な、悲痛な叫びが零れ落ちる。
「っ、ね、ねぇっ!」
 がばと顔を上げ、彼女は目の前のシスターに縋りついた。
「こ、このまま黒子が目を覚まさなかったらどうしよう……し、んじゃったらどうしよう!」
 ぼろぼろと、大粒の涙を隠すこともせず、彼女は吐露する。
 もう言葉もなく、彼女は目の前の白い修道女の胸に顔を埋めた。
 止め処なく泣きじゃくる美琴を、彼女は優しく抱きしめる。
「みこと」
 未だしゃっくりを上げているものの、幾分落ち着いた彼女の耳元に、インデックスは囁いた。
「私はくろこと約束したんだよ」
「……」
 顔を上げ、泣きはらした目で彼女を見る。
「これが終わったら、積もる話をしようねって」
 がーるずとーくなんだよ、と言うインデックスに美琴はかすかに鼻を鳴らした。
「む、何かなその反応」
「アンタほど、その言葉が似合わないのもいないわよ」
 目元の雫を拭いつつ、身を離して彼女は言う。
「あー! そんな事言うと、混ぜてあげないんだよ! 議題は『とうまの醸す不幸について』かも」
「なにそれ絶対参加させなさい」
 涙もなければ動揺ない、いつもの調子で彼女の肩を掴む。
「発案はくろこだから」
 にっこりと笑って、インデックスは言った。
「とうまがくろこになっただけだよ」
「……悪い影響、受けすぎよね」
「そうだね。でも」
 いつでも彼は、帰ってきた。
 だから。
「待っていよう?」
 彼女の言葉に、
「……うん」
 頷いた。

81 :
***
 しょりしょりしょり。
 林檎の皮を剥く音が、傾いた日の射し込む室内に響く。
 清潔な白のシーツが、ここ最近でめっきり嫌いになってしまった朱の色に染まってしまった。
 その色よりもなお赤い林檎の皮を剥き終え、切り分けた実を皿に並べる。
 白井黒子と刻まれたプレートが掛けられた病室の、面会時間終了前の定例行事だった。
 あれから、一週間が経過している。
 以来、当麻は毎日欠かさず見舞いに訪れていた。
 補習を断固として回避すべくこの一週間、彼は全ての授業を居眠りもせずパーフェクトにこなしている。
 そんな当麻の様を見、小萌先生は感涙に咽び泣き、クラスメートたちはすわ天変地異の前触れかと戦々恐々としていたが、噂の渦中は気にも留めていない。
 見舞いといえば果物だろうと、当麻は病室を訪れる際林檎を一つ、買っていく。
 それを彼女の枕元で剥き、面会時間終了間際に彼を迎えにくるインデックスが平らげるというのが、一つのサイクルとなっていた。
 果物ナイフを置き、小さく息をつく。
 規則正しい寝息をたてる黒子の顔を、眺める。
 彼女の白い肌も、朱色に染まっていた。
 額。
 瞼。
 鼻。
 そしてその色よりもなお赤い、唇。
「……」
 脳裏を過ぎる不埒な考えを、当麻はかぶりを振って追い出した。
 学友たちと交わした会話のせいか、変に意識をしてしまう。
 先の通り、彼は連日彼女のお見舞いに通っていた。
 つまり友人たちの遊びのお誘いを、悉く断っているということだ。
 最近付き合い悪いな上やんと言われ、隠すことでもないと事情を説明したのだが……
 やれ相手は女の子なのかかわいこちゃんなのかそれならボクをお供にと、大変やかましいことになった。
 相手が意識不明であることを伝えると、青金共々神妙に頭を下げたりもしたが、当麻にしてみれば逆に気味が悪いこと甚だしい。
 とはいえ、そんな神妙さなど一過性なものに過ぎず、やれチューしたれ上やんそうだぜい眠り姫の呪いを解くのは王子様のキスだと相場が決まってるにゃーフラグ解放やボクにもチャンスがなどと、いつものようにのたまいだした悪友二人は鉄拳制裁しておいた。
 なぜか他のクラスメートたちからの支援攻撃も行われ袋叩きにあいながらも、二人はグッドラックとばかりに親指を立てていたりしたのだが。
 ともかく。
 そのせいで、あるいはそのおかげで、彼は一週間前のあれを思い出してしまっていた。
 唇を、なぞる。
 あれは『今』の当麻にとって、間違いなく初めての口付けだった。感慨が無いわけではない。

82 :
「……お前って結構、人望あるよな」
 しかしながら、彼が口にしたのは全く別のことだった。
 上やんのヘタレ、という青い声が聞こえた気がしたが、努めて無視する。
 ただ実際、この病室を訪れる人は多かった。
 美琴はその立場上毎日というわけにはいかないが、暇さえあれば顔を出している。
 風紀委員の先輩である固法や同僚の初春、その友人の佐天ももちろん見舞いに来たし、彼女の宿命のライバルを自称する婚后なる人物は取り巻きと共に襲来、言いたいことを言いたいだけ言って去っていった。
 一番の変わり種は、以前黒子に捕縛されたという発火能力者だろうか。見返す相手が寝てんなとかどうとか言って、当麻に見舞い品を押し付けて直ぐに出て行ってしまったが。
「待ち人多いぞ……早く目、覚ましてくれよな」
 他ならぬその一人である彼は、そう言って彼女の額にかかった髪を払う。
 そしてじっと、表情変わらぬ少女を見つめた。
 なぜか、涙が零れそうになる。
「無責任だぞ、風紀委員」
 言って彼は、彼女の頬に手を当てる。
 そしてじっと、表情変わらぬ愛おしい少女を見つめた。
 そっと、顔を寄せる。
 もうあいつらに何も言えないな、と思いつつ。
 彼女の唇に、唇を、重ねた。
 夕焼け色の、世界が止まる。
 一度目は、鉄の味がした。
 そして二度目は、味気なかった。
 顔を、離す。
 もしかしたら味覚がおかしくなっているもしれないなと的外れなことを考えつつ、剥いた林檎を一かけかじった。
 林檎の味がした。
 当たり前か。
「冴えねーよな」
 深く椅子に腰かけ天井を仰いで、彼は自嘲する。
 視界が滲んだ。
 慌てて当麻は、目をこする。
 そんな事は無意味だとばかりに、堰が切れたように、両の瞳から涙が零れ落ちた。
「冴えねーよなぁ、本当……!」
 それでもなんとかそう呟くが、それが最後の抵抗だった。
 押しした嗚咽が、茜色の病室に響く。

「……いつものことじゃありませんの」

83 :

 ……都合のいい幻聴が、聞こえた。
 そうか、おかしくなったのは聴覚か。
 飛躍した思考を、涙と共に拭い去る。
 落とした視線に映るのは、開かれた瞳。
 赤く輝く瞳ではなく、名前の通りに白と黒のそれ。
「しら、い……」
「はい……白井黒子、ですの」
 声音は未だ頼り無いが、それでも彼女は笑んで応える。
「……あなたがいるということは、ここは天国ではなさそうですわね」
「第一声が、それかよ」
 今更取り繕っても無駄と知りつつも、当麻は平静を装う。
「ま、私がミスなど犯すはずがありませんの」
「自信満々だな、風紀委員」
「いいえ」
 ふ、と。
 慈愛に満ちた、としか表現しようのない微笑みを浮かべて、彼女は言う。
「私、白井黒子ですから。……頼った相手、間違ってなどいませんわよ……上条、さん」
「……これ以上俺から水分絞ろうとすんの、止めてくんねーかな、マジで」
 必に見開いた目を見せぬように、彼は膝に肘置きうつむいた。
「それは失礼しましたの。では、少し手を貸していただけません? 起き上がるのが少々骨ですの」
 返事をせず、それでも顔を上げて、当麻は右手を黒子の背中に回す。
 抱き上げるようにして、軽い彼女の身を起こし……
 唇を、奪われた。
 驚愕に、再び両目が見開かれるが……彼女の瞳は閉じたまま。
 この場合、目を閉じるのが礼儀だろう。
 だから当麻は、見るのをやめた。
 ややあって、一人が二人に分かたれる。
「……」
「……」
 長い長い、沈黙。
「……私としても」
 先に破ったのは、彼女だった。
 ぼそりと、夕日ではあり得ぬほどに頬を赤く染め、黒子は言う。
「ファーストキスが血の味というのは、いささか浪漫に欠けると思いましたの」
「……それで?」
 きっと彼女に負けず劣らずな顔色なんだろうなと思いつつ、当麻は相槌を打った。
「ですからあれはノーカンということで、改めさせていただきました」
「……何の味がした?」
「……甘酸っぱかった、ですの」
「……それは、浪漫があるな」
「……はい」
 互いが互いに目をそらしながら、それこそ甘酸っぱい言葉を交わす。
「……」
「……」
「……私として『も』?」
 ふと思いついたように彼が呟くと、黒子はぎくりと背を強張らせた。
「……白井?」
「なん、です、の?」
 当麻はあからさまに挙動不審な彼女に見、そしてその顔を肩ごとこちらに向かせる。

84 :
 当麻はあからさまに挙動不審な彼女に見、そしてその顔を肩ごとこちらに向かせる。
「すまん白井。……さっきのはいきなりで、味がよくわからなかった」
「……はい?」
「もう一回、確かめさせてくれ」
「は……んっ」
 驚きは、刹那。
 一瞬見開かれた瞳は、再び瞼に閉ざされる。
 肩に置かれていた手が、彼女の背に回った。
 頼りなげに身を支えていた彼女の両手も、彼の背に回される。
 ぎゅうと、彼の腕に力がこもった。
 彼女の両手は、必で彼の背のシャツを握りしめる。
 どれほどの時間が経過しただろう。
 それは一分だったのかもしれないし、一時間だったのかもしれない。
 どうでもいい事ではあった。少なくとも、当麻にとっては。
 だが、病み上がりの黒子にしてみればたまったものではない。
 自分に主導権のない口付けが終った頃には、息も絶え絶えに彼の肩に額を押しつける羽目になった。
「あー……大丈夫か?」
「……すまん、とは、おっしゃい、ません、のね」
「悪いことをしたとは、思ってないからな」
「……ケダモノ、とはいいませんの」
「……おう」
 彼女の結わえていない後ろ頭の長い髪を、くしゃりと撫でる。
「……」
 全身の血液が全て顔面に集中するかのような錯覚。
 この段に至って、ようやく当麻は明確に羞恥を覚えた。
 先ほどまででも十分に恥ずかしかったが、恥ずかしいことをしているという自覚を持ったのは今の今だ。
 思わず黒子の両肩を掴み、引き離す。
 突然の所業に、しかし彼女は怒るでもなく、呼気も整わぬまま彼を見、そして少し呆れる。
「……どうして今更恥ずかしがりますの……?」
「……正直雰囲気に飲まれて、えらいことをしてしまった感が」
「うぶですの」
「そんなにお達者ですか白井さん?!」
「私だって史上初ですの! そんな年下より照れてどうしますの?!」
 殿方がリードするのが筋でしょう、と赤面厭わず彼女は言う。
「……正直さ」
「……はい」
「過程を色々吹っ飛ばしすぎだよな、俺達」
「……はい」

85 :
「白井」
「はい」
「好きだ」
「……知ってますの」
「……そっか」
「……上条さん」
「……おう」
「……」
「……」
「……す」
「……」
「……好き、です」
「……知らなかった」
「……にぶちん」
「それも知ってただろ」
「はい」
 即答かよ、と彼は再び深く深く椅子に背もたれた。
 当麻に倣ってか、彼女ももぞもぞとベッドに潜り込み、彼とは反対側を向く。
「白井さーん?」
「……」
 返事はなかった。
 ふと思いつき、当麻は声を真剣なものに改める。
「……黒子」
 びくりと、彼女の肩が跳ねた。
「……寝ますの」
 ややあって、くぐもった返事が返ってくる。
 ふと気がつけば、上掛けからそっと覗く彼女の右手。
 当麻はそれに、自らの右手を重ねる。
 華奢な指先を、大きな手のひらが包み込んだ。
 言葉はない。
 凪のような時。
「とうまーリンゴー」
 それはすぐに、嵐になった。

 きっと不幸っていうのはこういうことを言うんだろうなと思いつつ。
 二人は不幸を、今ある不幸を、噛み締めた。

86 :
終わりです。
きっとこの黒子の能力名は「口先案内(リップサービス)」になると思います。
黒子かわいいよ黒子。
それでは長々とお付き合いいただき、ありがとうございました。

87 :
乙!
正直上条さんの右腕以外に範囲指定テレポートをして奇跡の切断脱出マジックになるもんだと思った

88 :
過疎

89 :
上黒の神がいた

90 :
上黒さいこう!
そこに性格が良くなったインデックスが混ざって、3人のほのぼのとした暮らしや、3Pが見てみたい

91 :
上黒大好物です!
黒子って惚れると一途だよねきっと
お姉さまの露払いもやっぱりツンデレ?

92 :
投下します
かみことです

93 :
 よくやるよ、という辺りの視線が痛い。
「なぁ……少し離れてくんない?」
「やだ」
 即答即効大否定である。
 ツンツン頭の上条当麻は右腕に絡まる化粧っ気のない(実際は僅かながらにしているのだが)勝気な少女を振り払えない自分にうんざりとしていた。
 しかしながらいつものように「不幸だー!」と叫ぶことはしない。
 実際問題、これを不幸と言ってしまえば周りの同年代の学生たち(男)にぼこぼこにされるだろうし自分でも不幸だと思えないのだ。
 いつもの大安売りのスーパーである。
 ぎりぎりに駆け込んで特売を逃すという当たり前の不幸を克服するために絞った知恵は特売三十分前にはスーパーに到着しているという決断だった。
 これでも少なめに見積もった数字だというところが上条当麻の上条当麻である所以である。
 財布を落としただの犬の尻尾を踏んだだの、不幸というよりは注意力散漫なんじゃね? という突っ込みのある事柄の多発事項は相変わらずだがおかげでここのところ特売を逃すようなことは無い。
 もっとも、これには一つ大きな要因がある。
 上条当麻の成績は若干だが上昇中なのだ。その恩恵として補習の数がぐっと減ったのである。
 それでも出席日数不足がちの彼が補習ゼロになる日はまだまだ遠そうなのだが、現実問題として彼の生活は楽になった。
 それこれも腕に絡みついている少女のおかげである。
 肩口までの茶髪のショートカットに白い花の髪飾り。整った顔立ちは勝気でありながらも優しさを秘めていて上条を見上げる瞳は僅かに綻んでいる。
 最低でも強能力者以上の能力者でなければ外国の王族であろうとも入学を拒否するという名門常盤台中学の制服を身に纏っていることがますます周囲の目を引き付ける。
 ましてや彼女が学園都市でも七人しかいないという超能力者の第三位だとわかれば大騒ぎになるだろう。
 幸いというか、メディアへの露出が多い割にカリスマ性というものに欠ける(というよりは映像では伝わらない健康的な空気が周囲に気づかせない)おかげでせいぜい「あの野郎見せびらかしやがって」程度の視線で済むのだ。
 もっともそれでも針のムシロであることに変わりは無い。
 学校帰りに待ち伏せを喰らって「特売があるから先に部屋で待っていろ」と言ったのに「ついてく」と言われた時点で何かしらの違和感は感じていたはずなのに。
「……御坂」
「なに?」
「もう少し離れてくんない?」
「い・や・だ」
 もはや何度目だか覚えていないやりとり。
 とりあえず日用品を買おう。石鹸とかシャンプーとか安いし。と浴槽関係を見て回っている時からこのざまである。
 制服というのは軍服からの転用だ。本来機能的なものであり欲情を誘うものではない。
 それでもこれだけ身を寄せつけてくれば御坂美琴の柔らかな肢体を感じざるを得ない。
 動揺を隠そうとできるだけ視線を合わせないようにしているのだが視線を遮断すれば脳のメモリはどうしても触覚の方に割かれてしまう。
 肘のあたりに当たる柔らかな感覚に思わず喉が渇く。
 ツンとデレの幅が激しい彼女だったが一線を越えてしまったことで抵抗が薄くなったのか今日は上条が押されっぱなしだ。
 加えて特売前の人の多さがそのまま視線に転換される。否応なしに感じ取ってしまう。
(俺の意識しすぎ……じゃないよなぁ?)
 視線は「うわ、よくやるよ。爆発しろ」「もげてしまえばいいのに」「上条君。なんで。そんな小娘と」などと上条をしてくる。
 二人の顔を見比べて上条の方が下だと品定めする分にはまぁ耐えられるが生温かい視線で「お幸せに」などとくれば上条は思わず悶えてしまうのだ。
 そんな上条の苦悩を腕に絡む小悪魔は楽しそうに眺めていたりもする。
 そして上条もそんな少女を独占している現状に酷く満足していたりもするから性質が悪い。
 やはり御坂美琴という少女は愛らしいし甘えられて悪い気はしない。ただバカップルに上条がなりきれないだけだ。
 こてん、と頭まで上条の肩口にかけてきて美琴が甘い声を出した。

94 :
「そういやさ、私待ち受け変えたんだよね」
 左腕を上条の右腕に絡ませたまま美琴が制服のスカートのポケットから緑色の何かを取り出す。
 ゲコ太という車酔いの癖があるカエルのキャラクターのストラップのついた、そしてそのカエルのデザインの携帯電話。
 丸耳の形の二つの突起物がついた機能性には欠ける外観のそれをぱかっとあけて上条に画面を突き付ける。
「なっ!?」
 そこには上半身裸の上条が口の端からよだれを垂らしただらしない顔をして眠りこけている姿があった。
 薄暗い画面でもそれがどのような行為の後のものだかは一発でわかるだろう。
 ちなみに、今のところそのような状況を撮られる可能性はただの一回しかない。
「なんていうのかなぁ。無防備になるとアンタも可愛い顔するのよねぇ」
「ば、馬鹿っ! お、お前、御坂っ! け、消せっ!」
「消してもいいけどすぐ元に戻せるわよ? 上書きしなければメモリの残存データから簡単に復旧できるもの」
「じゃあ上書きしなさいっ! っていうかして! してくださいっ!」
「い・や・だ☆ 私だって一生に一度の経験なんだけどさ?
 まぁ黒子に見られたら面倒なことになるけど、寝顔ぐらい自由にさせてもらう権利はあると思うのよね。
 腕を組むなとか言われたり名前で呼んでくれなかったりってこっちの言うこと聞いてくれないんだから」
「いや、あのね? 上条さんにも世間体ってものがありますのでしてね?
 このスーパーには毎週お世話になっているし次から行き辛くなっちゃうと困りますのよ?」
「ふぅん。そうなんだ。私と一緒にいると世間体がおかしくなるんだ。へぇえ。そんな風に思ってたんだ、知らなかった。
 一回でも抱いちゃうと男は女に興味を失うって本当なのね」
「あのね? ワザとだろ、ワザとからかってるんだよね?」
「しーらない」
 はぁ、と大きなため息をついて上条は項垂れる。
 惚れた弱みというやつだ、勝てるわけがない。なんとかうまいところ交渉して妥協点を構築するしかない。
「せめて、手を繋ぐくらいにしてほしいんですが。あと、名前については熟考します……」
「うーん、しょうがないなぁ。じゃあそこらあたりで手を打ってあげようじゃない」
 すると意外とあっさりと美琴は腕をほどいた。そして改めて上条のすべての幻想をす右手を握り締める。
 上条はほっとしたがそれでもどこか心の一部が残念に思っていることに気づかなかった。

95 :
「ふぅ……」
 なにかいつも以上に疲労を引きずりながら上条当麻は御坂美琴を連れて自室に戻ってきた。
 なんだかんだと途中で会話しながら歩いてくるといつも以上に時間を使ってしまっていた。もう空がオレンジ色に染まっている。
 八階建ての学生寮の一室である上条の部屋はすぐ傍まで押し寄せてきている隣の寮の陰にあって直射光は入ってきづらいがそれでもオレンジ色の空気が流れ込んできていた。
 同居人はもういない。
 すべてが終わって科学と魔術との間に線引きがなされて、彼女とは引き離されることとなった。
 とはいっても月一ぐらいで訪問してくるし最近白いシスターが必に覚えた携帯電話のメール機能で毎日のようにやりとりをしている。
 どこそこのお魚が美味しかっただのなんだの、意思疎通のネタは尽きない。
 今でもときどき目で追って探してしまうぐらいにあの生活の色はこの部屋に濃く残っている。
「はい、お茶」
 鼻歌交じりの小悪魔成分たっぷりの御坂美琴が氷をたっぷりと入れた冷茶を上条の前に差し出した。
 ちょこん、と上条の隣に座る。
「ん、ありがとな」
 上条は一気にあおった。冷たい液体が胃の腑に満ちていく。
 美琴はそんな上条を横目で見ながら一口お茶を飲んで言った。
「……あの子のこと、考えてたでしょ?」
 げふ、と上条がむせる。お茶が完全に胃の中に入っていなかったら噴き出していただろう。図星にも程があった。
「やっぱり。まぁ、仕方ないけどね。アンタたち仲良かったし。記憶を失ってからの家族、だったんでしょ?」
 ほう、と丸い息を吐いて美琴が少しだけ寂しそうに笑う。
 御坂美琴は上条当麻の複雑な過去も様々な出会いと別れを知っている。
 今自分が上条の隣にいることで上条の隣に座れなかった様々な少女たちがいることも知っている。
 しかし柄ではないと思ったのか笑みの方向性を切り替えて一層明るく笑った。
「でも今度の週末来るのよね? 楽しみにしなさいよ」
 嫉妬がないと言えば嘘になるが努めてそれは見せない。過去のことだからとすべてを切り捨てることができる男ではないことは百も承知している。
 それに、あの白いシスターだって別に嫌いではないのだ。
 確かに多少ウマの合わないことはあった。
 しかし一度腹を割ってみれば互いに尊重できる部分があることを見つけることが出来た間柄でもある。
 彼女が上条を悪からず思っていたのは知っていたし、それでも男女の関係を結んだのだ。
 そのこと自体に後悔は無いが多少なりとも後ろめたい部分はある。
 敬意と贖罪、とまで言うには言葉が過ぎるが、そのような観点から御坂美琴は上条当麻とインデックスという名の銀色の髪のシスターとの関係を受容している。
 もちろん上条当麻の隣に座る権利を譲るつもりはこれっぽっちもない。
 だからこそ日々の努力を欠かさないのだ。
「ところでさ、アンタずいぶんと疲れてるみたいね」
「あのね、だれのせいだと思っているのでせう? 上条さんの精神はすっかり擦り切れてしまいましたよ!」
「ったく、無謀なことを平気でやる度胸はあるくせに私と腕を組むのはいやなんだ。スキンシップはしたのに」
「……あのね、あのね? やっぱり人の目があるっていうのは重要な視点ですよ?」
「上手いこと言ったつもり? アンタまだ私と付き合ってるって自覚ないんでしょ」
「そんなことはありませんのよ? 正直、美琴といると楽しいし、可愛いし、嬉しくなるんだけどどうにも照れが先行しちゃうというか」
「ふぅん……じゃ、特訓しようか」
 言って、美琴がビニールの買い物袋に手を突っ込んでごそごそと何かを取り出す。
 手のひらに収まった小さなそれはピンク色のパッケージの入浴剤だった。緑色の髭のあるカエルがプリントされているのはご愛敬だろう。
「え? み、美琴さん?」
「正直言うと私もハズいんだけどさ、暗い所で一回だけじゃない、私たち」

96 :
 言葉通り耳まで真っ赤に染め上げた御坂美琴がそれでも真正面から上条当麻を見据える。
 こくり、と細い喉が動いて乾いた粘膜に唾液を送り込むさまを上条は見遣る。
 強気で真正面な性格に隠れがちな華奢で細い肩が微妙に震えていた。
「これね、新製品でね? 十秒で普通のお風呂を泡風呂に変えてくれるの。透明なお風呂だとやっぱり一気に見えちゃうからさ、これで少し練習しない?」
「れ、れんしゅうって……」
「すきんしっぷの、練習」
 慌てたような凡庸な口調で上条が返す。しかし目は泳いでいた。
 泡風呂なんてテレビの向こう側でしか見たことは無いし、体験してみたくないかと言われれば諾としか言いようがない。
 しかも可愛い恋人の裸体が――正直まだ緊張してしまうのだけれども――本当の意味で一糸纏わぬ生まれたままの姿を拝めるのだ。
 淡い明りしかない薄暗い空気の中でくらくらしながら終えた行為は十二分に素敵なものではあったけれどもすべてを目の当たりにしたわけではない。
 あまりにも魅力的な提案に心臓は昂ってきている。
 大体、つい先ほどの買い物のときだって柔らかな体を押し付けられて甘い体臭を嗅いでしまっているのだ。
 少年の若い性欲が抑えられるものではない。
 それを自覚している分だけ上条は自制しようとする。
「だめ?」
 だが、それを察してか、悲しそうな目をして少女が上条を見上げた。うっすらとだが目尻に涙の滴が溜まっているようにも見える。
 いくら紳士を自称するとはいえ男は性欲のケダモノに変わりは無い。しかも女の涙は最強の武器だ。
 上条当麻の自制心はぽっきりと折れた。抵抗する少女を無理矢理押し倒し脚を広げ秘所にペニスをぶち込むところまで一気に想像してしまう。
 ぞわわ、と背筋に淡い鳥肌が立つ。自制心の折れた場所がささくれだって上条の胸の中を突き刺す。
 左右に泳いだ瞳の中でほんのわずかだけ、理性が残っていた。
「そ、その、せめて、目隠しを……」
「ったく、もっと積極的になりなしよ。私だってそれなりに勇気振りしぼってるんだからさ。
 ……一応認めてあげるけど、身体洗う時だけだからね?
 湯船の中だったら泡で見えないんだし。暗がりと変わらないでしょ?」
 条件を出したという時点で了承のサインだということに上条は気付かない。
 実は二秒で目尻に涙を浮かべられる御坂美琴は心の中でにんまりしながらもその条件を飲んだ。
 ピンクというよりも真紅に近いココロの色の中で、恋人を騙す罪悪感など感じず少しでも距離を縮めることを喜ぶ。
 銀髪のシスターのことで嫉妬はしないと決めているが不安でないわけではない。
 そして、一線を越えても積極的になってくれない恋人と僅かながら溝ができてしまったことも敏感に感じ取っていた。
 恋愛の初体験者同士によくある互いを思うあまりのすれ違いだ。それが蟻の一穴になることもままあるという。
 だからこそ、もっと自分を求めてほしいと願ってしまうのは我儘ではないだろう。
 やはり不安なのだ。いくら超能力者としてもてはやされていても御坂美琴はただの女の子でしかない。
 見せびらかすように腕を組んでみたのも自分の中の弱い部分を少しでも消したいからだ。
 行動的には積極的になったように見えても心の内側は何も変わっていない。
 一緒にいた居たい。求められたい。もっと見てほしい。
 だから黒いしっぽが生えてきたって神様も見逃してくれるはずだ。
 天使のように微笑む悪魔の可憐な嘘を経験の少ない上条が見破れる道理なんてなかった。

97 :
「きゃははっ、やだ、くすぐったい!」
「うっさい! 美琴、少し黙れって!」
 バスタオルで前だけを隠した美琴の背後の上条当麻が華奢な背中を洗っている。
 FRPの床に直接膝をついて洗い椅子に座った白い肉体に奉仕している情景だ。
 簡単にタオルでまとめた後ろ髪に日ごろ見ることのないうなじがまだ上条のまぶたの裏に焼きついている。
 狭い浴室だ。互いにしゃがんでいるとはいえ空間は狭苦しい。ただでさえ響く少女の声が固形物のように積み重なる。
 垢落としのナイロンタオルではいささか刺激が強いと言われ、仕方なくじかに素手で背中を洗っているために上条の顔は赤い。
 インデックスが使っていた柔らかいスポンジはもう捨ててしまった。柔らかすぎて上条には合わなかったのだ。
 やはり女の子の華奢な体とガサツな男の肉体とは別物なのだ。
 御坂美琴もまた上条と同様に頬を染めているがこそばゆい刺激の反射そのものだろう。けらけらと溢れる嬌声を隠すこともできずに笑い転げている。
「うう、不幸だ……」
 あまりにも暴れるものだから滑り落ちつつある目隠しのタオルを元の位置にもどしながら上条は思わずいつものセリフをこぼしてしまう。
 途端、美琴の顔つきが一変した。
 ぶっすぅ、と自分で口で言いながら頬を膨らます。
「ちょっとぉ、仮にも付き合ってる女の子と一緒にお風呂入ってて不幸ってことは無いでしょう?」
「いや、おっしゃるとおりなんですけどね。でもね、上条さんのSUN値はどんどん削られていっている最中でございましてね!?
 お前なぁ、いい加減にしておかないと本当に大やけどするぞ!? いつまでも紳士ではいられないのですよ!」
「……そんなの、構わないのに、さ」
 泡まみれの背中をぐい、と押しつけるように上条の足の間に座り込む。
 くるくる変わる声色がやけにしおらしく、しかも目隠しをしているとはいえ細かな泡の向こうの背中が自分の胸板に押しつけられたことが分からないわけがない。
 上条は激高した直後であるのに冷水を背中に浴びたように意識が明瞭に輪郭を持って、そして腕の中よりももっと近くにいる少女の存在が赤くなるのを理解する。
「おわり! もう洗うの終わり!」
 肋骨の内側で狭苦しいとばかりに心臓が暴れている。
 上条は自分の興奮を否定するように言い切って御坂美琴を突き放した。
 ちくしょう、なんでここに水着とかないんだよ、と今更のような後悔を心の中で呟く。
 興奮は顔を赤くするだけではなく下半身にも血を送っている。
 実際問題として、耐えるのは苦痛なのだ。放置プレイは上条にはできないらしい。
「……当麻、前は洗ってくれないの?」
 だが、御坂美琴の追い込みは終わらない。
 残念そうな響きの声は上条の心臓を鷲掴みにした。
 ぶはぁ、と思わず噴き出した。思わず鼻先を抑える。鼻血は出ていない。
 大げさに背を仰け反らせたので僅かに目隠しがずれた。
 自分の肩越しに上条を見上げるおしゃまな瞳と視線が合う。嬉しそうに笑っている。
「お、お前な……」
 浴室の熱気も肉体を上気させている。少年の若いペニスも限界を超えて膨らんでいる。付け根から天を目指して突き上げて亀頭が赤黒く張っている。
 いくら腰にタオルを巻いているとはいえどもその程度で隠しきれるものではない。
 陰嚢に何か重いものが溜まっていて今にも噴出しそうだ。
 そして、一度女の肉を味わってしまった以上自分の右手を使うつもりになどなれない。
 そのような現状を理解していてもがっつくように美琴を求めるのは恋人の人格を軽視する行いのような負い目を少年は心の内に感じていた。

98 :
「洗ってくれないんだ。そっか、当麻が洗ってほしいんだ。やだなぁ、言ってくれないと分かんないよ?」
 くるり、と上条の距離の中で身体を反転させて、美琴が上条を見上げた。
 どきん、と痛く心臓が鳴る。少女は上条の左手に収まっているボディソープを取り上げて両手で擦って泡を作りだした。
 まだずれたままの目隠しごしに裸形の少女の姿がそのまま見える。
 小ぶりなむき出しの乳房。白くすっと細いくびれ。意外と肉付きのいい太股に隠れて股間は見えない。
 日ごろ少年のように元気に駆け回る姿ととても重ならない。
 そして信じられないほど無邪気なあどけない顔。
 無意識のうちにペニスの先から先走りが零れた。
 上条の存在を忘れたように大量の泡を作り出していた美琴がその泡を自分の前面に塗りまくる。
 たちまちのうちに白い肌がもっと白い泡の中に埋もれていく。
 なにをするのか、と不審に思った瞬間には強く抱きつかれていた。
「ちょ、美琴、お前……」
「身体で洗ってあげるね。恥ずかしいけど、特別だから」
 耳元で淫らにささやかれて上条の意識は文字通り貫かれた。瞬間に喉が干上がる。
「うわっ……」
 衣服越しでとは比較にならないほどに柔らかな乳房。たちまちのうちにひしゃげて薄い肋骨の向こうの心臓の鼓動が伝わる。
 先程目視したとおり瑞々しい肌は乳房に負けないほど柔らかいのに一瞬で元に戻る張りを備えている。
 当たる角度が変わるだけで形が変わる。まるでプリンのようにふるふるとする肉体。
 だがその内側には明確に筋肉と骨格があって、それがあまりにも華奢すぎてもし抱きしめたら崩れ落ちてしまいそう。
 湯につかったわけではないのに湯あたりしたように赤い肌になった美琴が心の底から幸せそうに甘える。
 もちろん、気づいている。上条の股間の異物に。息苦しいほど心臓が高鳴っている。
 柔らかな肉体のごく一部、乳房の先端だけが硬くなって上条の肌の上で小生意気に自己を主張していた。
「み、美琴……やばい……」
 ペニスには触れられていない。
 否、かすかに少女の下腹部や太ももに当たることはある。
 それほど強い刺激ではない。だが状況が異常なまでに感じさせる。
 ぞくぞくと背筋に鳥肌が立って射精欲が目の裏側を白く光らせ始めた。頭が煮え立ちそうになっている。
「も、もういいから! もうやめてくれって!」
 距離を置こうと少女の肩口に手を置いた。そのつもりだった。
 だが過剰な泡と微妙な距離がちょっとした偶然を生み出す。上条の右手はまるで狙ったように御坂美琴の乳房をつかんでいた。
「ひゃん! や、やだ、ちょっとそこ弄らないで!」
 見た目と裏腹に余裕がなかったのだろう。悶えながら舌っ足らずの声で悲鳴をあげる。
「ん……やだ、ダメ……私が、洗ってあげるんだから……私が、当麻の、特別になるの……」
 言って、細い腕を上条の背中に回し美乳をますます押しつけてくる。
 もうとうの昔に目隠しは外れている。
 目の下の肉がつりそうになっている。
 美人だし可愛い部類ではあるが突出しているわけではない。
 たぶん、クラスに一人二人はいるレベルの、美人。
 だが誰よりも美しくいとおしく思える少女が顔を真っ赤にしてしがみついてきている。
 強気で勝気で弱さを見せることを嫌っているはずなのに切なそうな顔で見上げている。
 思わず少女の背中に腕をまわしていた。

99 :
「あは……」
 小さな唇から丸い吐息が零れた。
 上条の背中に回っていたはずの腕が解かれて胸板の上に乗せられる。
 美琴に負けないほど硬くなっていた乳首が指先で引っかかれた。
「ぬおっ……」
「あはは、硬くなってる。ねぇ、男の人でも乳首って気持ちいいの?」
 少女のそれと比べれば極小といえるサイズ。そしてくすぐったいだけのはずの場所が燃えるように熱い。
 濡れた瞳に見上げられるとその熱がますます広がってしまう。
 悔しさがあるのかますます押しつけてきた御坂美琴の乳首は先ほどよりも硬く尖っていた。
 乳首と乳首とが擦れ、両者ともくぐもった悲鳴が漏れる。
 上条は美琴の背中に回した両手を必に握りしめた。
 目もつぶってしまいたいのに身体が言うことを聞かない。
 ささやかに浴びせられる吐息に魔法でもかかっているのだろうか。
 妖艶な響きが上条の肉体を上条の意識から奪い取ろうとする。
(く、くそう……わかってんのかよ! 俺だって余裕なんかないんだからな! めちゃくちゃにしちまうぞ!
 本当にレイプしちまいそうなぐらいなんだからな!)
 必に気張っているがペニスは正直だった。痛苦しいと上条を責めてくる。どろどろのマグマが今にも噴出しそうだ。
 もどかしくて切なくて、密室である浴室と二人の熱気がまるで固形物のように撫でてくる。それだけで先走りが溢れて止まらない。
 なのに。
 少女の白魚のように細い指が絡んできた。
「うおっ!!??」
 性神経の塊に触れられ、擽られ、握られて上条が頓狂な悲鳴を上げる。
 眉は寄り目は見開かれ背が反る。
 鈴口から根元まで、器用に開かれた手と指とが上条のペニスに過剰な刺激を与えて思わず少女を強く抱きしめていた。
「きゃっ!」
 二人の肋骨に美琴の小さな乳房が潰される。胸板に突っ込むようによろけた美琴は反射的にペニスを強く握ってしまって、限界を超えた上条の背中をさらに強く突き飛ばした。
 熱いそれを少女の牝の本能が扱かせる。
「やん、当麻の、熱くて、熱くて、熱い……大きくなってる……私の手の中でびくびくしてるよっ!」
 過剰な泡を纏った手がアクセル限界で根元から先端までピストン運動する。
 やや余り気味の皮膚を突っ張って陰毛の奥にまで下げたかと思えばエラと鈴口にまで引きずり上げて擦り上げる。
 亀頭の段差など関係なくすべてを巻き込んでいく。
 そのたびに上条の快楽が加速する。
 ただでさえ限界を超えているのだ。過剰な追加攻撃が異常なまでに性感を高めていく。
 密室で二人の汗が雲を作るように籠って一つのかたまりになっていく。
「う、わああっ、美琴! ダメだ! 出るっ!!!」
 肉茎が大きく広がる。尿道が拡張される。
 作られた空間に精液が到して先端が決壊する。
 脳みそが脊髄を下って股間に落ちて吐き出されそうな、そんな幻想。泥沼のような今からすべてが解放された今へと書き換えられていく。
 疼きが収束して一つのかたまりになる。美琴の手の中ではじける。
 もともと、この小悪魔の肉体を洗うという状況だけでも少年には手一杯だったのだ。
 はなから結末は見えていた。
 それが、訪れた。
「出るっ! み、美琴っ! 出ちまうっ!! 手を離……」
 最後まで言うことはできなかった。
 劣情を爆発させながら天を仰ぐ。成層圏の上まで突き抜けそうな感覚と地獄に突き落とされるような法悦。
 落雷に射抜かれたように肉体は真っ二つになりただひとつの形として少女の手の中で崩壊した。

100 :
「ああああ……!」
 無様に下半身を突き出しながら上条当麻が射精する。
 圧倒的な質感の澱みを解放しながら生臭い液体が可憐な少女の手の中に押し込められる。
 溢れ出て包囲を突き破り生臭い匂いを撒き散らす。
「あはっ☆ ……たくさん出したんだね、当麻……」
 一気に軽くなったペニスをそれでもまだ扱きながら御坂美琴がうっとりとした表情で笑った。
 淫婦、と正に呼ぶべき表情で。
 愛おしくてたまらないと刺激を続けながら目と鼻の距離で上条を見上げる。
「ちょ、ちょっと待て! イったばかりで敏感なんだから! うぉ!」
「でもぉ、もう大きくなってきてるよ?」
 精液そのものも潤滑材にしてぬちゃぬちゃと扱かれるペニスは既に硬さを取り戻していた。
 いや、むしろますます張って大きくなっているかのよう。
 そして上条当麻はこれだけ心地よく射精したばかりだというのに明確に足りないものを感じていた。
 感じてしまった。
 さらに愛撫を加えようとする恋人の手を握って抑える。
「……とうま?」
 欲情した恋人が訝しそうに小首を傾げた。
 その声も、仕草も、かつて同じ屋根の下で過ごした銀髪の少女によく似ていた。
 しかし上条は一瞬たりともそうは思わなかった。
 御坂美琴。
 それだけで十分だったしそれだけが必要だった。
「……したい」
「え?」
「美琴を抱きたい。美琴の中で射精したい。思いっきり出したい。全部俺のものにしたい」
 心に入っていたのは良心だったのか良識だったのか。
 それが抜け落ちていた。
 代わりに獰猛なまでの獣欲が荒々しく雄たけびを上げている。
 見境なく奪うように押し倒すことは無くとももう止めることなんてできない。
「お前のせいだからな。もう耐えられない。めちゃくちゃにしたい。細胞の最後の核酸まで俺のものにしないと収まらない。
 俺だけのものにする。他の何も考えられないようにしてやる」
 すらすらと、これまで思っていても口に出せなかった言葉が吐き出される。
 下品で、不器用で、知性の欠片もなくて、だからこそ混じりっ気なしの百パーセントの本心。
「えっと、その……当麻?」
 つい今しがたの自分の行為を忘れたのか、御坂美琴がか細い声で不安そうに声を漏らす。
 しかし、十秒ほどの沈黙の後、今度は力強いはっきりとした声で応える。
「いいよ。当麻の好きにしていい。壊してもいいよ。当麻にだったら、私なんだってしてあげるしさせてあげる。
 私は当麻の特別になりたいから。当麻だけのスペシャルになりたいから」
 最後の鍵が壊された。
 獣欲に塗れても宣言しなくては生きていけないような実直さのある少年から呵責というものが取り除かれる。
「いいんだな? 本気で壊しちまうぞ、もう止められないから、俺」
「止めなくていいよ。信じてる。どんなふうになったって私を抱きしめてくれるって」
 精液に濡れたままの手をペニスから解いて少女が上条の膝の上に座った。
 少女を両腕で強く抱きしめる。
 どちらからともなく唇を求めあう。
 唾液を交換し合う。
 その唇が離れたとき、白い糸がすっと流れて静かに落ちて消えた。

101 :
今回は以上で
一応ここでキリがいいとは思うんですが最後までやんないとだめですかね

102 :
ダメだろ最後までやるんだ
やってくださいお願いします

103 :
乙です
最後までやってくれる嬉しいな

104 :
乙です。
上黒派だけどそれでもいいなあこのビリビリ。

105 :
乙です
続きをお願いすます

106 :

この後インデックスがいきなりやってきて3Pに突入したらオレトクなんですが

107 :
GJや。続きを期待しまっせ

108 :
乙です。焦らずに書いてください

109 :
乙です。この作品の美琴になら上条さんも「不幸」なんて言えないですよね。
まぁ、俺としては上姫でアマアマエロエロな純愛SSもものごっつう読みたいズラァ

110 :
「私はアンタの特別になりたい」の続きです。
テーマ的には終わってるんで膨らませるだけしかないんでただエロやるだけです。
今回は若干スカっぽいところあり

111 :
「美琴……好き、だ……」
 胃の腑に飲み込んだ鉛玉を吐きだすような息苦しさを感じながら自分の正直な気持ちを腕の中の少女に告げた。
 ただ、これだけの短い単語を告げるのにどれほどのエネルギーを必要としたのか、全身の体力をごっそりと持っていかれたような感覚がある。
 裸形の恋人は驚いた様子もなくただ優しく微笑んでいた。
 上条当麻は不幸である。
 それは心理的なものだけではなく、形而下的なものだ。物理現象と言い換えてもいい。
 人を巻き込むことすらある。
 だからこそ、もしこんな言葉を口にしてしまって、大切な少女を巻き込んでしまったのなら。
 そう思うだけで心臓が握りつぶされそうな気持ちになる。
 だが、御坂美琴はそのすべてを見透かしていながらもただ優しく微笑んでいた。
「好き。私も好き……それ以上は考えないで。気持ちってね、口にしたことに意味があるの。
 だから、私もこの言葉に責任を持つから……だから怖がらなくっていいんだよ?」
 優しく、そして言葉を重ねがら感極まったように小さくしゃくりあげる。目が滲んできている。
「私は当麻のものだから……どんなことがあっても離れないから、だから、だからっ、だからっ!」
 小さく開いた唇から紡がれる言葉は形にならない。
 怖がっているのは少女の方だ。
 自分がどれだけ彼女を傷つけていたのかを上条は今更のように知る。己の愚かさに怒りを覚える。
 両腕で強く抱きしめた。
 花弁のような唇を再び奪う。
 不幸だなんて、思えない。
「あ……ん……」
 美琴もおとなしく上条に身を任せる。
 繰り返される口づけに息苦しくなる。それは先程の鉛のようなものとは違う、魂が肉体という器の狭苦しさを訴えるような甘美さ。
「んむ……んぅ……ふぅ……」
 柔らかくしっとりとしていて、弾力もある唇。上条の強さにあわせて形を変えて受け入れてくれる。
 受け入れてくれているのは唇だけではない。
 裸の、生まれたままの姿で腕の中にいてくれる。
 そのことに上条はひどく安心した。そして高揚する。正に天に昇るような気持ち。
 もっと深く、強く、知りたい。
 再び舌と舌とが絡んだ。
 敏感な粘膜同士が互いの背中をぞくぞくさせる。
 はしたなく唾液をすすり合いながら互いの置換した二酸化炭素同士で貌を撫であげる。
「あふ、ひゃあ……とうまぁ、とうまぁぁ……」
「くはっ……は、み、みことぉっ!」
 片方が求めればもう片割れはそれ以上に求める。二人が互いを高めあいながら舌と舌がのたうつ。
 ざらつく表面の敏感な粘膜が媚薬を生み出し互いの脳を赤く赤く染め上げていく。
 口移しで飲まされる唾液で思考力が奪われて二人はオスとメスに還元されていく。
 やがて二人の唇が離れた。
 濡れた瞳が上条を見上げている。
 まるで少年のように踵をつけずに走り回る印象の強い御坂美琴だが、今の彼女にその印象は見受けられない。
 火照りきった顔が上条を求めている。

112 :
「……美琴、ちょっと、そこに立って」
 上条は少女に命じた。おとなしくそれに従う。
 立ち上がって、背中を壁のタイルにつける。丸いヒップと肩口が支点になる。
 暗がりの中の初めての交わりでも微かに白く目に映っていた乳房がよりいっそう輝いている。
 その麗しき膨らみを上条は口と両手とで好き勝手に捏ねる。
 力を込める、というほどではないのに簡単に形が変わる。一口サイズの柔肉を口に含んで舌で転がすと少女は切なげに頭を振った。
 その髪を纏めていたタオルはとうの昔に落ちている。
 上条の股間のタオルも、だ。
 だがそんなことは二人には気にも留めない。
 それよりも上条は美琴への愛撫に熱中していた。
 白い肌にいくつものキスマークが刻まれる。右に左に流されて薄桃色の乳首がつんと硬くなる。
「ひゃああんっ、や、やだぁ……おっぱい、小さいからぁ……」
「大きくはないけど、綺麗だし……すげぇ、興奮する。みことたんの一口ミルクプリン、最高ですよ?」
「たん、言うなぁあぁ……ああんっ!」
 綺麗なものを思うがままにしているという子供じみた感覚。
 上条は酔ったように乳房への愛撫を繰り返す。
 妖しい輝きをもった乳房の表面に薄く浮かんだ汗のしょっぱさがあるのにプリンと表現したような甘さを感じてならない。
 膝立ちの股間のペニスはパンパンに膨らんでいる。
 切ない無ず痒さを感じながらもそれを転換して美琴の嬌声を引き出そうとする。
 ぴん、と小生意気に勃起している乳首に軽く歯を立て、もう片側を指と指とで摘まむ。
 ちゅ、ちゅ、と吸いつくと美琴が悲鳴を上げた。
「やああっ!! 私の胸、おかしくなっちゃ……ああんっ!!!」
 乳肉と異なりしっかりとした弾力のある乳首。もともと口に含ませるための部位なだけあって非常に馴染む。
 上条は夢中でしゃぶった。甘噛みして、舌先で突いて、強く吸って。
 愛撫の仕方を変えるたびに美琴の嬌声も音色が変わる。
 きめ細やかな乳房の肌に指を滑らせると背筋に鳥肌を立てながら少女は恋人の頭を必になって抱えた。
「ひゃああっ、ああんっ! や、やだ、声、おっきくなっちゃうっ!!!」
 その言葉に上条の興奮がさらに高ぶる。もっと聞きたい。その可愛い声を聞かせてほしい。
 自然、上条は自分の頭の位置を下げていった。
「おっぱいばかりじゃ可哀想だもんな。美琴の身体、可愛い場所いっぱいあるんだから」
 手を胸に残しつつ鳩尾に舌を這わす。
 乳房と乳房でない部分の境を丹念に舐り、しまったお腹も吸い上げる。
 縦にすっと切れた臍もその周囲も丹念にキスして細かく浮いた汗を一つ一つ掬っていった。
 美琴の肌はきめ細かい。
 乳房の白さに負けていない。
 濡れた舌を滑らせながら上条はその肌を味わう。
 すっと滑らかだと思えば微妙に粟立っていたりざらついていたり。
 同じ場所でもタイミングが異なれば別の顔を覗かせる。その面白さに夢中になる。
 夢中になりながらも両手は胸への愛撫を忘れない。
 乳首は指先が独占していた。
「あっ……ああっ! くすぐったっ! ひゃああんっ! おっぱいも、してるっ! や、ずるいよっ! こんなのっ!!!」
 それでも、上条の後頭部に流した両手を離そうとしない。むしろ逃がさないと髪に指を押し込んでいる。
 身を捩りながら硬い壁に美琴は押しつけられる。
 そして波打つ肢体に少年はますます興奮を加速させた。劣情を加速させた。
「ひゃあ!? やっ……あンっ!」
 テクニックなんて、ない。
 ただただ煩悩のままに従う。
 ペニスのことを魔羅と表現することがある。
 この魔羅はマーラを無理矢理漢字表記したもので本来は煩悩や誘惑を誘う魔を指す言葉だ。
 さらに正確にいえば「魔」という感じそのものがマーラを表現するためだけに創造された漢字だ。
 それがどうだ、というわけではないが正に言葉というのは認識の器だということが分かる。
 上条を突き動かしている煩悩は性欲以外の何物でもない。
 ただ、そこにはどうしようもないぐらいに愛おしい少女を求めているという嘘にはできない真実が混じりこんでいるだけで。

113 :
 小悪魔の少女を欲望の悪魔が振り回す。
 乳房を名残惜しく思いながらも手を離して、顔も両手も少女の一番深い場所へと運ぶ。
 甘酸っぱい雌の匂いを放つ両足の付け根。健康的な太股に手を添えてゆっくりと開かせる。
 美琴も覚悟したのか上条の動きに従って足を広げた。
 それだけなのに、むわ、と蒸せるような匂いが広がる。
「や……恥ずかしい……」
 日頃短パンを履いていて、スカートが捲れることなんか気にも留めない色気のないはずの御坂美琴が切なげに身をよじらせる。
 露骨に腕を組んできたり、積極的に浴室に誘ったりしたのに、今の彼女は初心そのものだ。
 それが本当の彼女であるかのように。
 だとしても健気に美琴は脚を広げたままだ。ただ座り込む形になった上条の後頭部から手を離して顔を隠すように悶えている。
 その可憐さに上条の胸が苦しくなる。
 少女の性器はほとんど丸見えだった。
 性毛がないわけではないが本当にごくごくわずかの薄いもので、黒というよりも茶色に近い。
 金髪のコーカソイドでも陰毛は黒いことは多い。髪の色とは別物なのだ。
 だから染めているというわけではない。単純に色素が薄いのだろう。
「あ……」
 じ、と見られていることに美琴は震える。だが抵抗はしない。
 すべて受け入れると決めたのだから。
 むしろ、ほんの僅かながら、さらに足を広げて空間を作ってさえみせた。
「これが……美琴の、なのか……」
 一度身体を重ねたとはいえ股間をまじまじと見るのは上条にとっては初めての経験だ。
 太股に挟まれた肉の土手は白く柔らかく見えた。
 こんな可憐な場所が本当に自分のペニスを受け入れたのだろうかと不思議にすら思える。
 すぅと刻まれた筋の部分がある。まだそこから小陰唇は顔を覗かせてはいない。
 ただピンク色のクリトリスは僅かながら顔を覗かせててらてらと濡れている。
「あ……」
 上条が両手でその肉を広げた。
 途端、つぅと蜜が溢れて美琴の太股を伝っていく。
 開いたそこでは赤い肉が息づいていた。粘膜が充血している。
 初めてのセックスの時の快感が上条の脳裏に蘇った。
 淫らな匂いも強くなる。発酵した乳製品の匂い。上条のペニスが先走り汁を涙のように流す。鈴口が大きく誇っていた。
「当麻……好きにしていいから、ね……」
 両目をきつく閉じた美琴が振り切るように言った。消え去りそうなか細い声。だがしっかりと意思のある声。
「あ、ああ……」
 むしろ気押されたかのような上条が美琴の股間に顔を寄せる。真っ赤になった顔の熱がそのまま伝わりそうな距離にまで近づく。
 だが恋人の肉体は上条に負けないほどに熱い。特に秘肉は唇をつけただけで弾けそうなほどだった。
「んぐっ……む、ふぅ……」
 熱と、しょっぱさと、酸味とが上条に伝わる。観念が覆いかぶさってくる。
 目の裏側がちかちかするほどの脳内麻薬。鼓膜に伝わる嬌声がさらに分泌を促す。
「ひゃあぅ! んひゃあっ! ひっぃ!!!」
 喘ぎを少しでも消そう、としているらしい。だがそれは到底無駄なことだ。
 しかしそれを察した上条はサディスティックな思いを得る。手加減なんかしない。陰唇の谷間にそって舌を動かした。
 舌と一体化したように滑っている膣口。小さなそこに舌をめり込ませる。
「あっ……ああっ! わ、私の……ぁそこ、がぁっ! や、ハンっ……声、止まらない……」
 困惑しながら、だが腰は引かない。太股をぶるぶるとふるわせながらも上条を振り払おうとはしない。
 調子に乗って、少年は鼻先をも埋める。
 伸ばした舌先を潜らせながら高くない鼻で紅真珠を刺激する。

114 :
「ひゃふぅっ!」
 途端、裏返ったかのような声を美琴は発した。
 ぶるっ、と小さく体を震わす。
「あ……ひゃ……とう、まぁ……」
 軽く達したのか、細いその肩が震えた。
 だが上条は止まらない。小さな絶頂で溢れ出た蜜をずずりとワザと音を立てて吸う。息苦しくなるのも構わずに唇全体を使う。
 舌を猛進させて紅い肉を割り開き敏感な粘膜の間を暴れさせまくる。
 恥辱を与えながらそれ以上の快楽を与えようとする。
「ふ、ひゃあああ、と、当麻っ! 強すぎ……」
 止まる訳がない。
 恥じらいを表すように震える太股と恥じらいを感じずに快楽を表現する秘肉。
 もっと舐めてほしいと上条の舌を呑みこむ場所を愛おしく思う。
 神経のすべてが燻されてただただ舌の動きが加速する。
 ずずっ、ずずずっ!
「うンっ、ひうぁっ! ああんっ!!! ふわあああっ!!」
 よがり声を切羽詰まらせて美琴が再び頂点へと突き上げられる。
 敏感な若い肉体は恋人の愛撫に過剰に反応していた。
 しかし上条はなおも止まらない。
(そうだ……これ、クリトリス……)
 ぼう、と赤くなった頭で女性に対する知識を取り出す。
 なにぶん、経験値は少ない。
 ただの一回だけだ。
 その分だけ知っている情報を試したくなる。
 女性にとって其処がどれほど鋭敏なのか、試したくて仕方がない。
 膣口に舌を差し込んだまま、右手でその場所を弄った。
「んふわぁぁっ! い、やっ! そ、そこ……!」
 すべての幻想をす右手が愛しい少女に快楽を与える。太い指が無骨に動くたびに御坂美琴の全身が左右に大きく揺れて痙攣した。
 だからと言って逃がす道理は無い。
 左手は彼女の細い腰をしっかりとつかんで逃さない。
 今度は舌先を伸ばす。
 こりこりとした部分。まさしく貝の肉に等しい。
 男性で言えば亀頭そのものがコンパクトに小さくまとまっている部分を上条は何一つの遠慮も知らずに啄ばむ。
「うわああああああっっ!!! あああああああああっ!!!!」
 結果、上条ですら驚くほどの大音量で少女は叫んだ。
 繰り返すが此処は浴室だ。当然音はよく響く。
 そして防音処置が施されている空間でもない。
 過剰に増幅された艶やかな嬌声。それが薄い壁しかない寮の中で隣に伝わらないわけがない。
 一瞬、ぎょっとして自分のしたことを後悔する。
 するも、やはり美琴をそれほどまでに感じさせたことに酷く満足する。
 そしてそこまで感じさせる場所を執拗に根ぶり続けた。
 エクスタシーを極めた華奢な体はそのたびに細かく痙攣しながら筋肉を硬直させている。

115 :
「ああ……ああ……」
 吐く息ですらも感じてしまうとばかりにだらしなく開かれた小さな口。ふにゃふにゃに歪んだ顔。
 ぶるるっ、と大きく震えて、そして一気に弛緩した。
 当然、それは全身に及ぶわけで。
「あ、あああ……や、やだ、出ちゃう……」
 何が、と問う前にそれが流れ出た。
 じょろろ、と頓狂な音を立てて愛撫した場所からアンモニア臭のする僅かに黄色がかった液体が流れ始めた。
 小さな穴から拡散するように撒き散らす。
 当然、そこには上条がいるわけで。
「うわっ、なんだ、これっ!」
「いやあああっ! やだ、止まって、止まってぇ!!!」
 泣きそうな声を上げて少女が身をよじるがそんな程度では失禁は終わらない。破廉恥な水芸は続いてしまう。
 完全に弛緩してしまった尿道括約筋は彼女の意思を反映しない。ただでさえ女性の肉体は失禁しやすいのだ。
 ここまで感じてしまってはいくら御坂美琴と雖もどうしようもなかった。
(今回のことを恥じて、美琴が事をいたす前にはできるだけ水分の摂取を控えるようになるのだがそれはまさに余談である)
 もしかしたら体内電流の操作でなんとかなったのかもしれない。
 だが、そんな発想が湧く状態ではなかった。
「これ、おしっこ、か……なんか、あったかい、な……」
 排泄物だ。綺麗なわけがない。
 だが上条は不快に思わなかった。
 どうせ浴室である。シャワーで流せば済むだけの話だ。
 しかしそんな即物的なことよりもフェロモンのたっぷり混じった尿は上条を甚く興奮させた。
 特段上条の性的趣向が異常だというわけではない。
 異常だというのならばこの空間そのものが異常なのだ。恋人とともに裸で過ごす世界が日常ではないのだ。
 理は通用しない。
「ひっ、ひぅ、ご、ごめんなさい、ごめんなさい……嫌いにならないでぇ……」
 だが上条のそんな心理状態を経験の浅い美琴が分かる訳がない。
 尿を浴びせてしまうという侮辱そのものの行為を愛しい人にしてしまったことで少女は子供のようにボロボロ涙を落とししゃくりあげる。
 今にも粉々になってしまいそうなほど脆くなっていた。
「馬鹿、嫌いになんかなる訳ないだろ」
 アンモニア臭を纏ったままという格好のつかない状態で、上条が実に格好いい言葉を放つ。
 もしこの場に第三者がいれば馬鹿そのものの光景だ。
 だが当人同士は実に真面目だった。
 嘘なんかつけなかった。
「美琴は、俺にとって一番特別な存在なんだからな」
 言って、尿の滴の残る陰唇をぺろりと舐め上げた。
 口先に尿のしょっぱさと苦さが伝わる。
「いやぁ! だめ、汚いからぁ……」
 泣きじゃくりながら上条を離そうとする美琴を逃さない。
 執拗に舐めまくる。綺麗にする。
 繰り返すが上条は変態だという訳でもない。いや、現状から言えば変態そのものだろう。
 だがそれは相手が御坂美琴だからできることなのであってそれ以外の理由なんてものは無い。
 やがて尿が完全にふき取られたころには御坂美琴の懇願するような泣き声は享楽を含む鳴き声に書き換えられていた。

116 :
「……とうま、私、欲しいよ……」
 やがて。
 壁の冷たいタイルに背中を押しつけて、汗で前髪が額に張り付いたままの少女が切なく小さな声で、言った。
 言って、自分で小さな蜜壺を割り開いて、淫らに懇願して見せる。
「ここに、当麻のおちんちん、ちょうだい……かき回して……」
 見るからにへとへとになって、それでも少女は上条を求める。
 防音と、そしてべとべとになりそうな尿を流すためのシャワーに打たれた上条が恋人を見上げた。
 その股間は痛いほど勃起していた。
「休まなくて、平気か?」
「うん、大丈夫……」
 気遣うような問いかけに優しい美貌で笑って魅せる。悪戯っぽく瞳を潤ませる。
「当麻は、私のこと、欲しくないの?」
「欲しいに決まってるだろ、馬鹿」
「さっきも言った。私のこと、馬鹿って」
「馬鹿だよ。俺とおんなじぐらいに馬鹿だ。答えが分かってる質問ばっかりしやがって」
「だって……やっぱり言葉が欲しいよ。当麻の言葉で聴きたいの……」
「馬鹿」
 立ち上がった。
 さほど背の高くない上条と小柄ではない美琴だが、やはり男と女の高さの違いはある。
 背中を壁に預けさせたまま右太股を持ち上げた。綿菓子のように軽い。その隙間に身を滑り込ませる。
 膝を軽く曲げ、ペニスをつかんで亀頭を美琴が開いて見せている白い肉に当てた。
「いく、ぞ」
「うん、きて……」
 正面から互いを濡れた目で見て、求めあう。
 何となく照れくさい。やはりまだ経験が薄いのだ。なにせ、二回目なのだから。
 上条は自分の股間に視線を移す。失敗しないようにと慎重に腰を差し入れた。
 ――くちゅ
 しかし杞憂だった。
 小さな膣口は予想外なほどすんなりと上条の亀頭を飲み込んでいく。
 執拗に愛撫を繰り返してほぐれていたのか、それとも二人の相性がそれだけいいのかはわからない。
 そもそも分析など無用だ。柔らかな膣肉は最初からそうだったかのように戦慄いて上条を受け入れた。
「ぐ……うぅ……」
 上条が唸る。気を抜くともう射精してしまいそうだ。
 美琴も中学生とは思えないような色っぽい徒な顔をした。
「入ってる……とうまの、おっきいのが……とうまのおっきなおちんちん、また、はいってきたぁ……」
 全身に鳥肌を立たせながら上条がペニスをすべて押し込んだ。
 本能にプログラミングされているのか、美琴の柔らかな肉が亀頭を擽ってくる。
 じっとなんかしていられない。
 性急にと欲望が暴走した。
 窮屈な場所を自分の大きさに広げながら逞しく突き進む。
 同時に受ける側の肉も遠慮なんかしていない。包み込んで締め付けてぬるぬると刺激して紅く熱く亀頭やカリ首を責めてくる。
 官能の神経がちりちりと焼かれた。
「ううっ!」
 奥歯で何かを噛みしながら上条が腰を振る。
 そんな彼の後頭部に御坂美琴は両手を回した。しがみつく。
 鈴口が子宮の口に当たる。硬い感覚が鋭敏に愉悦を割り開く。
 恋人の肉体のすべてが上条を攻めてくる。責めてくる。
 苦しくて心地よくて切なくて愛おしくて、抱きついてくる少女の唇を奪った。
「うん……ちゅ、ちゅ……じゅ……ちゅ……」
 舌と舌。体温と体温。鼓動と鼓動。すべてを交換する。
「や、はぁぁぁ……とうまのおっきいので、私、征服されちゃってるよぉ…… 当麻のおっきなおちんちんで満たされてるのぉ……!」
 唾液で大きく濡れた口で女の歓びを少女は歌う。
 紅潮した恋人を見る。苦しくなる、切なくなる。
 欲しい。足りない。全部、全部だ。
 上条はペニスを奥まで埋め込んだまま少女を引き寄せた。
 右脚を上げて、腕は上条の頭にしがみついた少女が完全に上条と重なる。

117 :
「や、脚がくがくなの……ちゃんと支えてて……私は、アンタに支えられてないと生きていけないのぉっ!」
「分かってるっ! 一生支えてやるっ!」
 強く、多くの幻想をし、多くの人を救ってきた右手。
 その右手が御坂美琴の腰にまわされている。引き寄せている。
 離さない。
 この幻想だけは絶対にせない。させない。
 突貫した。
 ――ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅううっ!
 愛液が白い泡を立てる。淫らな音が奏でられる。シャワーの熱い飛沫でも隠せない。
 無数の壁をエラで掻きわける。それでもすぐに密集して亀頭を責めてくる。
 呼吸と呼吸が互いを熱くする。視線と視線が互いを熱くする。
 傍若無人なペニスが我儘に暴れまくり膣肉がすべてを受け止める。
 一ミリ単位で刻まれる快感。圧倒的な性感が質量をもって塊になる。
 ちかちかとまぶたの裏側が光った。
 脳が紅い塊になって心臓がポンプの役割を放棄してただの感情装置になる。暴走して全身がパンクアップする。
 美琴が腕の力を強めしがみついてくる。
 腰と腰がぶつかる。熱い胸板に小ぶりな乳房が押しつけられる。小生意気な乳首が上条を擽る。
「ぐぅぅっ!」
 手と膣とでしがみついてくる御坂美琴。負けないように太股をもっと高く上げさせてさらに身体を重ねる。一つになる。
 その体勢でなお突きあげれば背後の壁があるとしても美琴の体重のすべてがペニスに加重される。
 獰猛に腰を動かすたびに彼女の重さが子宮にぐいとのしかかった。
「うぁうぅっ! おちんちんがっ! ごりごりいってる!!! ひひゃああっっ!!
 子宮がっ! 赤ちゃんの部屋が壊れちゃうっ!!! おちんちんが赤ちゃんの部屋に入っちゃうよぉっ!!!」
 喘ぎが木霊する。ぶるぶると全身が震える。
 怒張が淫肉を突き破る度に可憐な少女の嬌声が溢れる。
「美琴…… 俺っ!」
 ひたすら蜜壺をかき回す。
 熱くなった芯が鉄杭となって御坂美琴に打ち込まれる。
 だが熱くなりすぎて内側から溶けてしまいそうだ。
 事実、上条の精は出口を求めて轟音を立てるかのように唸っている。
 軋んで歪んで、崩壊は近い。
「ぐっ! ぐぅぅ! うあっ!」
 細かく息を刻んで快楽に耐える。耐えながら一層の快楽を求める。
 それだけではない。やはり感じさせたい。感じさせて染め上げたい。
 子供じみた感情が上条をより突き動かす。
 欲しい。愛しい。全部自分のものにしたい。
 だが、そうだとしても。
「まだっ! 終わらないからなっ! みことぉ!」
 緞帳が下りるのには早すぎた。
 やけくその様に上条は動く。動きまくる。両脚を開いて二人分の体重を支え食いしばる。
 僅かなサイズの美乳もクッションとなって上条の動きをサポートする。そのたびにこりこりと乳首が跳ねた。
「んはああっっ!!!」
 美琴も全身でよがる。上条を締め付ける。亀頭もカリ首も竿も関係ない。すべてを一気に。
「くわっ!」
 何処の時代劇だ、と言わんばかりの悲鳴を上げる上条。
 だが余裕なんてない。
 ないはずなのだがこの悲鳴とともに上条の動きが僅かに横にずれた。

118 :
「ひあっ!」
 ほとんど同じ、だが今までにない悲鳴を聞いた。
 発した美琴自身も分かっていないだろう。
 だがそのことで上条は気付いた。
 試しに腰を「の」の字を描くように動かしてみる。
 膣肉を周囲に描き分ける感覚はこれまでと変わらなく心地よいものだった。だが性急過ぎる射精欲求にはつながらない。
 そしてどこかしら痛みすら訴えさせていたような美琴の悲鳴が心なしか柔らかなものになった。 
 満足感を得られないうちに射精しなくても済みそうだと感じながら、
(強くするだけじゃダメなんだな……)
 と凡庸とした頭で理解する。
「ひゃあっ、な、なんなの、この感じっ! なんか違うよっ! あ、ああっ あぁぁっ!!!」
 口元の笑みがはしたなく歪む。
 肢体をくねらせる美琴が甘えた声で訴えた。
「ああっ、これも気持ちいいよっ! すごいの、当麻っ! 私の知らない私のこと、なんでも知ってるっ!」
「知らないさっ! でも見つけてやるからなっ! 全部見つけて俺のものにしてやるっ!」
「して! してぇぇ!! 私を全部当麻のものにしてよぉおお!!!」
「み……ことっ!!!」
 何度か腰を回しながら、若干の余裕を取り戻したところで再びピストン運動に戻る。
 長いペニスを引っこ抜いて限界まで突き刺す。
「んはああぁっっっっ!!! ひぃっぃっぃ!!!」
 警告もなしの突然の切り替えに少女は獣のように啼いて震えた。裏返る声は二オクターブも跳ねあがった。
 荒々しい動きもいい。
 やはり獣としての人間というものがある。
 鍛えられた肉体を発条器としてこれでもかといわんばかりに律動して叩き込んだ。
 エスカレートする。加速する。
 ぬちゃぬちゃと淫らな水音もする。
「も、もうっ! なんでこんなに気持ちいのっ! 離れられないよ! 私、もう当麻から離れられないっ!
 ずっと一緒にいてっ! 気持ちいいのっ! どんどんおかしくなるっ!
 責任とってよっ! 私だけのものになってぇぇぇ!!!!」
「あったりまえだっ! もう美琴は俺だけのものだっ!」
「ああんっ、や、はあぁっ! そ、そうなんだ、はんっ! 私たち、一緒なんだねっ!」
 愛する人と一緒だと言われて一瞬美琴の目が見開かれた。快楽に染まりきりながらそれでも嬉しそうに微笑む。
 つぅ、と涙が零れた。
「ああっ! わたし、いっちゃうよぉっ!! やぁん、びりびりってきてるっ! や、はんっ!!!」
 ばちっ!
 小さな火花が散った。
 上条はそれは自分の脳内の火花かと最初勘違いした。
 だが己の前髪が焦げる嫌な臭いで現実のものだと理解する。
「あ、や、やだっ! 能力がっ! 収まんないっ! コントロールできないっ! 漏れちゃうぅ!!!」
 ボロボロと涙を零して少女が上条を見つめた。
 懇願する。
「お、お願いっ! アンタの右手で止めてっ! 暴走しちゃうっ! 気持ち良すぎておかしくなっちゃうっ!!!」
「ったく、本当に漏らしてばっかりだなっ! 本当にいやらしいな、美琴っ!」
「いやぁ! 言わないでぇ!!!」
 言葉で責めて、一層泣かせて。
 それでも右手は優しく少女の頭を撫でた。
 途端、青白い火花は消失する。
 残るのはタンパク質の焦げた臭いとシャワーの音と、二人の籠った匂い。
「こんなんじゃ、俺以外とできないなっ!」
「あたりまえじゃない! そんなの! 私はアンタだけがっ! 当麻だけがっ!」
「そうだっ! 当たり前なんだ! いいか! 俺のものだからなっ!!」
 上条の強い宣言。
 御坂美琴は大きく目を見開いて大粒の涙を数え切れないほど零す。
 そして。
「私っ! もうイっちゃうっ!! 当麻っ! 私イクのっ!! イクっ! イっちゃうっっ!!!」
 卑猥な言葉を連呼する美琴。肉体も精神も最高に高められて絶頂が止まらなくなると訴える。
 その切迫感が上条にも伝わる。
 上条もずっと限界の土俵際で堪えていたのだ。
 スペルマも尿道の奥で跳ねあがりそうに出番を待って暴れだしている。

119 :
「俺もイクからなっ! 美琴っ! このまま出すからなっ!」
「うん、うんっ! 出して! このまま中に出してっ! 全部当麻のものにしてよっ!!!」
 上がった右脚が上条の腰に掛けられた。
「ぐぅっ!」
 頭が真っ白になる。
 そこに少女の嬌声がダメ押しする。
「お願いっ! わらひのイってるところにっ! びゅくびゅくしてっ! 中に、当麻のものに、わらひぉぉおをっ!」
 吹っ切れる、もう止められない。
 が。
「あ、ああっ……なんでっ!」
 上条は腰をピストンから「の」の字運動へと切り替える。
 心地よくないわけではない。だが乱暴さが足りない。物足りなさげに美琴が涙を浮かべる。
 それを唇で吸い取った。
 右手が櫛のように柔らかな茶髪を梳く。
 そして、その切なさをスパイスにして。
 上条は一気に腰を加速させた!
「ぅはぁぁぁっ! ひぃぉ! ひゃああっっっ!!!」
 真上を見上げ白い喉を覘かせて紅い舌先が口から突き出て。
 びくんびくんと美琴の身体が震える。
「かっ、はっ……ひ、あ、あ……」
 もう悲鳴にすらならない。ただの音の羅列。
 全身が硬直した。眼が見開かれ指先が震えた。
 そして膣肉が万力の力で上条を締め付けた。
「ぃいっ! ぐぅぅっ!」
 堪らない。
 一瞬意識が遠くなる。白くなる。
 止められなかった。
 ―――どくん、どく、どくぅ! びゅるるるっっ!!! びゅるるっ! どくんっ!
 子種が一気に尿道を駆け上がった。一気に昇天した。全身の水分が瞬時に乾いてしまうかのような圧倒的な質量。
 濁流が美琴の膣の一番奥で弾ける。
「うぁああぁんっ!! ああぁんっ! あんあんっ!!! 出てるっ! 出てるよぉ! 嬉しいっ! 嬉しいのっ! わたし、しあわせぇぇえええぇ!!!」
 脳髄を痺れさせながら上条が腰を持ち上げた。
 男と女の脚の長さの違いで美琴の肉体が完全に浮かび上がる。
 果てる最中でさらに子宮に強い衝撃を受けて美琴の世界が真っ白に弾けた。
「ひあああああああああっっっ!!!!! ああああああああっっっ!!!」
 射精をしながらそれでも硬さを失わない。
 硬いままのペニスが御坂美琴を持ち上げる。美琴の体重でペニスがへし折れそうになるも若さと力強さが子宮口をこじ開けた。

120 :
「くうぅぁああああっ!!!」
 ―――どびゅびゅっ! どびゅぅぅう!!! びゅるるるうっ!!!!
 再度の射精。
 本来ならあり得ない子宮口の中に直接精液が打ち込まれる。
 全身の細胞の生命力のすべてを吐きだす。
 ペニスが軽くなる。
 軽くなりながらも膣肉はきつく甘く締め上げてくる。
 ありったけの最大限の快楽が上条のスペルマを限界以上に引きずりだそうとする。
「う、あ……」
 穿ったままの上条が美琴にしがみつくように硬直した。
「あああ、とうまぁ……」
 同じように硬直していた美琴がぶるぶると肩を震わせながら弱ってしまった両手で、それでも必に切なくしがみつく。
 可愛い、と上条は思った。
 出したばかりなのに、その絶頂を漂っている最中なのにもう次のことを考えてしまう。
 ペニスは、今でも硬さを失わない。
 もっと捻じられたいと訴えている。
「あ、あああああ……」
 ぶるぶると、ぶるぶると震えつづける美琴。だらしなく口元が開いている。目の焦点が合わない。
 まだ達しているのだろう。
 上条は女性の性的絶頂が男のそれとは違うということを今更思い出した。
 だが。
「ひぁ! とう…… んあっ!? ふっ、ぎぃ! ひはっ! おぉぉはぁっ!!!」
 上条は絶頂の最中の美琴を再度突きあげ始めていた。
 あっという間に果てる寸前までのペースに戻る。
 たっぷりと放出した精液のせいで滑りは粘っこい。二人の細かな汗が絡み合う。
 過激な体位は変わらない。
 子宮口が打ち込まれる。
 御坂美琴は絶頂の浮遊感から落ちないまま更に新たなアクメに打ち上げられた。
「イっ! イクっ!!! ひあぁああああっ!!! イクイクっ!!! イクの、終わらな…… あああんっっ!!!」
 不安定な体位。
 それでも本能が動かすのか御坂美琴は不慣れなはずの性交で腰を使った。
 ペニスも止まらない。
 がつがつと互いを貪る。
 ―――さらなる射精まで時間はかからなかった。

121 :
今回は以上で
かみことで有名な同人のネタをぱく、もといリスペクトしました
何回戦もしたりするところもぱく、じゃなくてリスペクトしたいので多分もうちょっとつづくんじゃ

122 :
乙!すごくよかった
…が、
>「くわっ!」
>何処の時代劇だ、と言わんばかりの悲鳴を上げる上条。
思わずここでわろたwww

123 :
続きも楽しみにしてます

124 :
GJですぞ!

125 :
すげえな

126 :
乙じゃん‼

127 :
たわば

128 :
上琴の超直球だな

129 :
>36-355さん
GJでございました。
ところで当方も自作の続編書いてたんですが、悲しい事に先日不幸な事故で書きかけのデータが消えてしまいましたorz
そんな悲しみを癒すべく、またしょうもないSS書いてみたので投下してみます。

130 :
「ただいまー」
「…………」
 いつもなら帰宅早々じゃれ付いてくる筈の後輩が、今日に限って無言のままベッドへ倒れ伏している姿に、美琴は怪訝そうな顔を浮かべる。
「どうしたの黒子、いつもと逆で気味が悪いわよ」
「わたくしにも落ち込む時だってあるんですの、うぅ……」
 そう言いながら枕に顔を埋めている同居人に、美琴は溜息を一つ付くと彼女の傍らに腰を下ろした。
「何があったのよ、悩み事ならこの美琴さんに話してみなさい」
「まるであの殿方みたいな口振りですわへぶっ!?」
 予想外の言葉に、美琴は思わず黒子の延髄へチョップを叩き込んでいた。
「な、な、何いきなり話題をぶっ飛ばしてるのよアンタは!」
「イタタタタ……ぶっ飛びそうなのはこちらの意識の方ですわお姉さま」
 黒子は後頭部を擦りながら気だるく体を起こすと、机の上に散らばっているUSBメモリを指差した。
 そのどれもが、心なしかうっすらと水気を帯びている。
「それがどうしたのよ?」
「どうしたもこうしたもありませんわ。お姉さまとわたくしの睦まじくも激しい愛の物語が詰まったメモリへ、今日初春がお茶をぶっかけて台無しにしてくれやがったんですの。
 おかげでデータは全損。今回のは二ヶ月掛けて書き溜めた力作でしたから、SS投稿掲示板でも絶賛間違い出来だったのに……」
「そんな厨二病全開なシロモノがこの世から消えて、逆に安心したわ。
 というかわたしの名前をしょうもない事でネット上に晒すなアンポンタン」
「その点はご安心を。登場人物は偽名にしてありますし、初春に頼んでIDからも投稿者が誰なのか探られないよう細工してありますから。
 それにほら、お姉さまは現役の中二なのですから、バレたところで全く無問題ですの」
「厨二病なのは私じゃなくてアンタじゃないの!
 大体そんな現在進行形な黒歴史を人目に触れさすんなや、このおバカ!」
「ええその通りですわ、わたくしは恋に狂った大馬鹿者ですの!」
 瞳を爛々と輝かせる『空間移動』の姿に、『超電磁砲』は頭痛いと言わんばかりに首を横に振った。
「駄目だこいつ、早く何とかしないと……」
「何を今更、いうのが半年程遅いんですの」
 文字通り手遅れな狂信者へ溜息を吐きつつ、美琴は卓上にあったまだ無事らしきメモリを一つ手に取った。
「一体どんなの書いてるのよ……?」
 そう呟きながら、美琴は『電撃使い』の能力でその無駄に豪勢な金ぴかメモリの中身を読んでみる。

131 :

『お姉さま、今日もお美しいですわ』
『ふふふ、ありがとう。黒子はいつも可愛いわね』
 お姉さまはにこやかに答えながら、わたくしを優しく抱えてベッドに横たわらせた。
『でも本当に綺麗よ黒子、女の私でも嫉妬するくらい肌が輝いてるわ』
『あらお上手だこと。でもお姉さまの方がずっとずっと綺麗ですの』
 そう言ってお姉さまの頬に手を伸ばしたわたくしへ、彼女は妖艶な笑みを浮かべながら見下ろす。
『それで、これからどうするんですの、お姉さま?』
『あらあら、こんなあられもない格好にされながら、わざわざ聞く必要があるの?』
 その言葉通り、わたくしの肢体は優しい手付きで服を剥がされ、いつの間にかあられもない姿へと変えられていた。
『そんな、いけませんわお姉さま、こんな日の高いうちからふしだらな真似なんて』
『おやおや、嘘を吐くなんて悪い子ね。身体と顔は全然そんな事言ってないじゃない』
『ではわたくしが今何を考えているのか、お分かりなんですの?』
『そうね、せっかくだからその身体と唇に、直接聞いてみる事にするわ』
 そう言ってお姉さまは妖艶な笑みを見せると、そのままわたくしの唇へ自らのそれを―― 

「なんじゃこりゃああぁぁぁっ!?」
「何っていやですわ、何度も言っているようにわたくしとお姉さまの愛の物語だと」
「私がいつこんな三流百合小説みたいな真似をしたのよ!?」
「これからしてもらう予定ですの」
「そんな予定は未来永劫無いわよっ!」
 そう言って美琴は怒りのあまりメモリを力一杯床に叩きつけたが、白井はさして気にも留めず再び溜息を吐いた。
「今お姉さまがご覧になられたのは最初の頃に書いた習作ですから、あまりよい出来ではありませんわ」
「そんなテキストが腐るほど並んでたように見えたけど、一体どれくらい書いてるのよ?」
「さあ、総容量が一〇メガバイト超えた時点で数えるのを止めましたわ。
 しかし管理しやすいようシチュエーション毎にメモリを分けていたのが幸いして、全て消去するのだけは免れましたわ」
「消えてしまえそんなもの!」
 そんな激昂する姿も素敵と言わんばかりにうっとりする後輩の姿に、美琴はこいつやっぱもう駄目だと言わんばかりに項垂れた。

132 :
「何はともあれお姉さま、この程度の見え見えなフィクションで一々うろたえてもらっては困るんですの。
 最終的にはこれ以上の仲になるんですし」
「これ以上って何がよ!?
 いや待って、やっぱ言わなくていい」
 瞳を爛々に輝かせながら口を開こうとした後輩を片手で遮りつつ、空いた方の手で美琴は顔を覆った。
「それにしてもアンタ、常日頃からあんな駄文を考えてる訳?」
「駄文とは失礼な、せめて二次創作と呼んで下さいお姉さま」
「勝手にその二次創作とやらのモデルにされる方がよっぽど失礼な気が……」
 これ以上何を言っても無駄だと諦観しながら頬杖を付こうとしたその時、黒いメモリが美琴の肘に触れた。
「あれ、これも濡れてないわね。
 こっちにもやっぱり別の駄文が入ってる訳?」
 何気に掲げたそのメモリを見た瞬間、それまで平然としていた白井の顔が慌てふためきだした。
「え? あ、そそそれはその、中に入っているのは先程のものと作風が違うというか、何というか……と、とにかくそれはお姉さまとは全く全然これっぽちも関係無い物ですので!」
「ふーん」
 突如うろたえだした後輩の姿に、少しばかり好奇心と悪戯心が湧いた美琴は早速メモリの中を覗いてみる事にした。
「急にそんな反応して怪しいわね、一体何が入ってるのよ?」
「お、お姉さま、ちょっ――」

133 :


『お待たせしました、って、まだ脱いでいなかったんですの?』
『ああいやその、何というか、上条さんこういう事にはまだ慣れてなくて……』
 ベッドでわたくしを待っていた彼は、こちらがシャワーに入る前と全く同じ姿勢のまま手をもじもじしていた。
 いつもなら頼もしいその無骨で傷だらけな右腕も、こういう時はまるで頼りにならない。
『全く、わたくしとあなたがこうして肌を重ねるようになってからどれくらい経ったとお思いなんですの?』
『そうは言われてもなあ、お前とこういう仲になってるのが未だに信じられなくてな』
『その点は同意しますけど、まあなってしまったものは仕方ありませんわ。
 それともやっぱり、わたくしの告白へ好きだと答えてくれたのは嘘だったんですの?』
『そんな訳無いだろ! たださ、本当に俺なんかでいいのかなって思うとな……』
 語尾を濁らせながらツンツン頭をしょげさせる殿方に、わたくしはおかしさを堪え切れなかった。
 どうもこの殿方は、未だに自分の魅力を自覚できていないらしい。その気になればハーレムを作る事さえ不可能では無いにも関わらずだ。
 鈍いにも程があるとは思うのだが、一方でそれが彼らしいと納得してしまう。
『相思相愛だったのですから、それでいいではありませんか』
『いやでも』
『デモもストもありませんわ。そんなに嘘だとお思いなら、わたくしの体に聞いてみればいいんですの』
 そう言ってタオルを脱ぎ捨てながら飛び付いたわたくしに、彼は戸惑いながらも背中に腕を回しゆっくりとその唇を――

「黒子、これもフィクションよね?」
「…………」
「目ぇ逸らさずこっち見ろ」
 爆発寸前な怒気を瞳に秘めた美琴は、目が笑っていない笑顔を浮かべながら白井の両肩を掴んだ。
「そ、、そそ、それはその……」
「なんであんな見え見えのフィクションでキヨどってんのよ。
 あくまでフィクションなんでしょ、フィクション?」
「ええまぁその、フィクションはフィクションでも、ノンフィクションだったりするんですの……」
 そう呟きを耳にした途端、学園都市第三位は手中にあるメモリを消し炭に変えていた。
「ひっ」
「うん、よくできたフィクションよね。さっき見た私とあんたが出てくる駄文に比べたら出来が雲泥の差だったから、本当にあった事かと思ったじゃない。
 うんそうよ、きっとそうに違いないわ。
 全くもう、黒子ってば冗談キツいわ。ウフフ……」
 ノンフイクションという言葉を敢えて聞かなかった事にしたらしい『超電磁砲』は、電撃を迸らせながら消し炭と化したメモリを握り潰した。

134 :
以上です、オチはありません。
続きは皆さんの脳内でお楽しみ下さい。
それと今更ですが、>86もGJでした。

135 :
朝っぱらから悲しい話が(+_+)
お疲れ様です
自身の不幸からでもネタにする姿勢は立派です
こちとら薄い本からパク、じゃなくてリスペクトしてでっち上げているのが汗顔ものです
映画決定で守り方下巻はでるのやら?

136 :
薄い本でも普通の本でもパクるのはやめろ
パクりとオマージュは違う

137 :
あばば

138 :
この作品でリアルに処女じゃないのは、禁書目録、小萌、姫神、黄泉川、あわきん、むぎのん、心理定規、木山先生、テレスさん、みさきち位だと思う。
それ以外は絶対に処女じゃないのか?サンドリヨンは微妙臭いけどw

139 :
小萌先生は処女に決まってる。他の大人は経験ありとしてもだ。
姫神は思わせぶりだけどインデックスは普通にないかなー 

140 :
禁書目録:ステイルやアウレオルスが手を出してないわけがない
姫神:三沢塾でアウレオルスのご奉仕役
教師:単位目的で欲求不満の為ならやりかねん
あわきん:過去の経緯を考えると処女の可能性低し
むぎのん:裏の世界で男の体相手にプレイしまくる
心理定規:垣根の愛人
テレス:部下を使って女王様プレイ
みさきち:心理掌握をつかって男を食い始める。

141 :
>>138 >>140
まぁなんて言うか読み直した方がいいと思うよ

142 :
あげてもうた。sry

143 :
>>141
実際のところ処女は誰なのよ

144 :
あわきんやむぎのんが処女なんて言われても信じられないわ

145 :
ステイル、アウレオルスがインデックスに手出してたら
もっと自分のモノ的に執着してるんじゃね
ステイル2年前、は同年代としても、アウレオルス3年前はペド過ぎだろう
まあ、禁書目録としてのセッティングの段階でどう扱われてても不思議じゃないか

146 :
>>140
むぎのん……

147 :
少なくとも上条さんが童貞でないことは
小萌先生や雲川先輩が示唆しているから困る
一体14歳以前の厨房に何してるんだあんたらww

148 :
インデックスは過去に恋人がいた
だから処女厨涙目です

149 :
>>148
ぎゃっギャグで言っているんだよな?
本気で言ってるなら文盲のレベル超えて、禁書一巻すら読んでないアホ
こんな奴が二巻の姫神の発言を「姫神は塾生にレイプされたことがある」みたいに捉えてそうだけど

150 :
処女だろうがどうだろうがどうでもいいだろうが
処女でもいいし、処女でなくてもそれなりの理由があればいいし
そこが描写されてないんだったら自分で書け二次創作として
そのことが本編に何の影響ももたらさないとしても自分の中のドグマの放出にはなるだろうし
そしてここはそういう場所じゃなかったのか?
まぁ、独善的に決め付けるという正義に酔っている気持ち悪さを自覚しながら言ってみる

151 :
食蜂さんのSSに挑戦しようかと思ったことがある
しかし書いてる途中でどうしても彼女のキャラを詳しくつかめず最後まで描ききることが出来ずに筆を折った
というのも、彼女は人の心を自在に操れる能力もちゆえに却って人間を信じていないのではないのかと
全ての感情を操作出来るために、本物の感情なんて持っていないんじゃないかと
そう考えると、イタズラ好きなのも妙に腹黒っぽく見えるのも今あるキャラ全てが偽りに見えてくる。
何と言うかな。「本当の彼女」が未だに見えないから書きたくても書けないとかそんな感じ
心からの本音を見たことがないんだよなぁ

152 :
食蜂さんが美琴をダシにして上条と出会って遊び半分のつもりが本気で好きになってミイラ取りがミイラになる話を希望しやす。
自分は文才が無いので書けませんw

153 :
美琴と婚后さんが親友になれそうな段階で
婚后さんが上条さんに惚れて険悪なムードになるのもいい

154 :
>147
どこで?
>示唆

155 :
「私はアンタの特別になりたい」の三回目です
結局やるだけの話になってます

156 :
 物質にはすべからず表面というものがある。
 表面というのはそれだけで電気的に不安定だ、という理屈もなりたっている。
 考えてみれば単純な道理だろう。
 電子結合の手は大抵が反極に存在しており、表面という場所においては内側が結合している以上外側は結晶部分と結合していないというだけだ。
 わかりやすく言えば内側よりも外側の結合の手のほうが反応性が高い。
 と、小難しい理屈を並べてみたが上条が目にした事実は実に矮小なものだった。
 蒸気が浴室の天井にまで登って、冷やされた天井で滴になって重力に引かれて落ちた。それだけである。
 はっきり言えば結晶云々は関係ない。
 ただこれだけの話だ。
 だが、天井に傾斜をつけるなり天井の構成素材を変えるなりしている”高級な”浴室では起こらない現象でもあったりする。
 湯船につかって、あははん気分を楽しんでいるところに滴が落ちて背筋冷っ!、とならないというそれだけのことなのだがやはり性能の差が存在するのだ。
 すべての事柄が数値化してしまう学園都市の非情さというには大袈裟に過ぎるが。
 あれから。
 とりあえず塗れたいくつかのタオルは洗濯機に放り込んで。
 疲労しきった二人は休憩の意味も込めて湯船につかることにした。
 入浴は意外とカロリーを消費する行為でもある。それでも同じ温度で全身を温められるのは心地よいものだ。
 御坂美琴の購入した入浴剤は瞬時に平凡な浴槽を高級な香りのする泡風呂へと変貌させた。
 落ち着きを取り戻してみれば泡風呂というのは風呂の中で身体を洗うものであって、だとしたら最初に目隠しをして背中を流した意味は何だろう、と上条は困惑する。
 騙された、という思いがほんの僅かに心の中に積るも、細い肩越しににこにこ微笑んでいる少女の姿を見るとそんなものは溶けてしまう。
 上条がゆっくり足を伸ばせるスペースはこの浴槽には無いし、当然二人は狭苦しい思いをしている。いや、狭さを楽しんでいるのだ。
 上条の脚の間に御坂美琴は背中をむけてちょこんと座って上条の両腕を自分の腹周りに回させて実に幸せそうにしている。
 柑橘類の香りのする泡が胸元から下を隠していて、頭越しの若干高い位置から彼女を見下ろしている上条は少なからず悔しい思いをしていた。
 馬鹿である。先程あれだけ好き勝手したのに、もう求め始めている。
 上条は自分の情けなさに嘆息した。
 どんなに結合の手が存在しようとも相手側が存在しなければ反応はしない、のが化学の基本だ。
 指している事象は異なるが純水が摂氏零度では凍らないことと一緒だ。結晶化が起こらないことと一緒だ。
 そこに衝撃なり核なり「反応の起点」が必要となる。
 多分、上条当麻と御坂美琴の間には彼彼女たちが理解できないぐらいに反応する条件は揃い過ぎていたのだ。
 だから、そこにちょっとした衝撃を加えてやるだけで今みたいな過剰すぎる恋愛反応を示す。
 それが急激過ぎたからまだ二人はお互いの距離をうまくつかめていない。
 はぁ、と上条は嘆息した。
「ん? どうしたの、当麻?」
 先程に比べればいつもの日常を取り戻した、それでもやはり顔の赤い美琴が振り返って上条を見上げる。
 彼女は心の中で爆発しそうなほど積み上がっている媚熱を隠そうとはしていない。幸せが溢れている表情だ。
「いや、な。ちょっとがつがつしすぎちゃったかなぁと反省しているところでございますのよ。
 なんつうかさ、メイクラブとかスキンシップっていうよりも、交尾、みたいなことしちまったなぁって。
 自分がケダモノすぎて落ち込んでいるところです」
「変な所にこだわるわね、アンタ。私はすっごく嬉しかったし、今幸せなんだけれども。
 一生支えてくれるとか、アンタだけのものだとか、言ってくれたし」
「あー、それなぁ」
 上条が天を仰いで美琴から視線を外す。外された少女はきょとんとした顔をした。
 そして、表情に微妙に怒りが混じってくる。

157 :
「……アンタ、まさか嘘だったとか言うんじゃないでしょうね?」
 今にもバチバチ言い始めそうな物言いに上条は泡の風呂から右手を引き抜いて少女の頭にそっと乗せた。
 ふぅ、と鼻から息を出して少女に再び視線を移す。
「嘘じゃねぇよ。嘘なんかじゃねぇ。……けどさ、なんつうか、あの言葉はある意味酔っぱらいが大言吐いたようなもんでさ。
 もっときちんとした形で美琴に言わないと礼を欠くことになるんじゃないかなぁと上条さんは思うのですよ。
 まだ自分で稼いでるわけでもない俺が、そんなこと言っても所詮言葉だけの遊びにしかなってないなぁって。
 美琴とは一生の関係でいたいって思ってるし……だから、その、な」
 年頃のあどけなさと女の色香の二律背反事項を両立させた少女が不思議そうな眼で上条を見つめていた。
 その頬に上条は右手の親指を這わせた。
 柔らかく、暖かかった。
「俺が美琴のことを好きって言葉以外は……保留にさせてくれ。いつか、絶対いつかきちんとした形で言うから」
 真剣に真摯に上条は言った。
 嘘はつきたくないと。
 だが。
「ばっかじゃないの、アンタ。っていうか馬鹿でしょ」
 と、少女の言葉は辛辣だった。大事なことなどで二度も言った。
 結構本気で緊張していた上条はそのそっけない言葉に思わずずっこける。たたらを踏む。いや、座ってはいるけれど。
「おいおい、美琴たん、そりゃあんまりですよ?」
 ハリウッド映画の主人公のように歯を見せながら上条は苦笑して見せた。
 が、美琴は釣られて笑わない。
 むしろ怒りをあらわにする。 
「あんまりなのはアンタよ。
 いい? 嫁入り前の、しかも中学生の女の子キズものにしておいて責任取る言葉は後にしてください?
 っざけてるの? ふざけてるんでしょ。ふざけてるとしか思えないわよ。
 どーせ、アンタはこれからもどっかの誰かを助けるために向う見ずに命張ったりするのよ。
 まともな人生なんてできっこないわよ。人並な責任なんて取れるようになれないわよ。
 こっちはそんなの百も承知で好きなってるんだし、それぐらいの覚悟はあるんだから今更取り下げなんて許しません!」
 互いに感極まった状態の混じりっ気なしで交わされた言葉は既に美琴の中で宝物になっていた。
 加速するように胸の中で甘く切なく突き刺さるこんな大切な情熱を今更取り上げるなんて例え上条当麻でも許さない。
 もちろん、上条が真剣に自分を考えていることは百も承知している。自分で言った通りに知っている。
 そうだとしても彼女は御坂美琴だった。御坂美琴であることを否定できない。
 強い意志を持ってまっすぐ自分を睨みつけてくる少女に上条は折れた。
 結局、結束、勝てる道理などない。
 視線を逸らした時点で負けは決定しているのだ。
 男は惚れた女には絶対に勝てないように運命づけられている。
 ああ、将来絶対尻に敷かれるなと上条は苦笑した。
「……何が可笑しいのよ」
 唇を尖らせて美琴が言う。
 視線は強いまま。だがどこかしら弱さを見せて。
 どうやら自分の言葉に照れているらしい。
「うん、美琴たん可愛いなぁって」
 白い歯を見せて笑いかけると今度は少女のほうが顔を赤くして絶句した。
「あ、あんた、いきなり何よ?」
「いきなりでもないんですけどね。うん、やっぱり上条さん一生美琴には勝てないわ、うん」
 上条の中で出た結論だが、美琴は自分の決心のこめた言葉をはぐらかされたように感じた。
 そうでありながら馬鹿にされたとは思えない。上条はそんな笑みをしていない。
 そのことはわかるのだがやはりきちんとした言葉の返答がないと足元がぐらぐらするような不安定さを感じる。
 少しだけ、不安になった。
 それが表情に出る。
 そんな恋人を見て、上条はやはり苦笑した。
「そうだよな。今更逃げるなんてできねぇよな」
 右手と左手とで少女の頭を抱える。逃げられないようにする。
 それは同時に上条から後退という選択肢を奪った。
 苦しくて切なくなる。百メートルの断崖絶壁から飛び降りるほうがきっと心は楽だろう。
 それでも、もう決めたことだ。
 きょとん、とした目で見上げる恋人に上条は告げた。

158 :
「結婚、しよっか」
 へ? と疑問設問困惑混乱の表情。上条の言葉を学園都市最高の頭脳を持つはずの超能力者が理解できなかった。
 一秒、二秒。
 じっくりと十秒も数えたころに信じられないとばかりに大きく目を見開いて口元を両手で押さえる。
 細く華奢な肩が小さく震えていた。
「え? 結婚!? ええっ!?」
 信じられない、信じられない。
 夢じゃないんだろうかと大きく見開かれた瞳が訴えている。
 嬉しくて、怖くて、自分の耳を疑う。
 夢じゃない、嘘じゃないと上条は微笑んだ。
「もちろん、俺も美琴も結婚できる年齢じゃないからまだ先の話だけどさ。
 本当は責任取れるようになってから言いたい台詞だったんだけど、結果は同じになりそうだし。
 いくら考えても美琴以外と将来を過ごす自分が想像できないんですよ上条さんは。
 たぶん、美琴も同じだと思うけど」
 そこまで言って、上条は少女の頭から両手を離す。そして言葉を続ける。
「ただ、結婚って好きだからできるとかそういう問題じゃなくってさ。恋愛って二年で途切れるって説もあるよな。
 情熱的なものがなくなって、お互いのいいところも悪いところも全部わかって、それでも好きでいられるかってすごく大切な問題だと思うのですよ。
 こういっちゃなんだけど、今は俺も美琴も恋愛に酔っている状況なわけでさ。酔いが醒めても本気で好きでいられるかって不安もある。
 けど、俺はツンツンしていて感情的でガキっぽさを抱えてて、でも正義感があってまっすぐな美琴のことをずっと好きでいるんだろうなって確信もあったりするんだ」
 上条は大きく息を吐いた。そして同じぐらいに吸い込んだ。湯の効果ではなく体温が上がっている。
「結婚しよう。好きだって感情以外の全部は俺が何とかする。何とかして見せるから。だから『はい』か『イエス』で答えろよな」
 恋人の言葉を御坂美琴は半分も理解していなかった。
 ただ、本当に真面目に、言葉遊びでもなんでもなくて現実の問題として語って、それでもなお自分と結婚したいと言ってくれている。
 そのことだけは魂で理解できた。
 思い返してみれば上条当麻という少年は嘘を吐くことができない。
 自分の記憶を失ったということに関して嘘を吐き続けたが、逆説的に言えばその嘘を守るために彼はずっと「本当の上条当麻」に嘘を吐かなかった。
 どこまでも自分に正直だった。
 自分に正直だからこそ損得というものを考えず自分の正しいと思うことのために戦うことができた。
 そんな彼が生涯のパートナーとして自分を求めてくれている。
 こんなに嬉しいことが他にあるだろうか。
 御坂美琴は文字通り魂が震えるのを感じた。
「馬鹿っ! そんなのっ! 聞かなくったってっ!」
「言葉で聞きたいって言ったのは美琴だろ?」
 どこにでもいるような平凡な少年の、しかし世界でただ一人だけの愛しい人の笑顔。
 どくん、と心臓が高鳴る。
「はい、よ! それ以外の答えなんかないわ! 私は! アンタじゃないと駄目なんだからっ!」
 絶叫のように答える。
 咆哮ですらあった。
 魂が肉体を突き動かしていた。
 しがみついて唇を重ねる。震える両手で必に抱きつく。ふわふわと浮き上がるような感覚と灼熱のような感情とが入り混じって自分で自分が把握できなくなっていた。
「んん……ん……」
 ほろり、と一滴の涙が頬を伝って落ちて、唇が離れる。
 少女が切なく見上げると少年は輝くように微笑んでいる。
 どうしようもないぐらいに嬉しくなっていた。
 この人のものなんだ、という喜びが全身から溢れ出している。
 身体が求めて止まらない。
「……今度は、私が、する」
 二人とも昂ぶっていた。溶け合って一つになってしまいたい。
 抱きついたとき、上条が既に硬くなっているのは感じていた。
 美琴も今の言葉でどうしようもなく求めている。

159 :
 腰を浮かせて膝で歩み寄って上条の下腹部の上に身体を移動させる。
 泡の下でよく見えないけれども、硬くなったペニスを掴んで自分の秘裂へとあてがう。
 熱い亀頭を受け入れようとぐちゅりと音を立てた、気がした。
 なんでこんな恥ずかしいことができるんだろうと美琴の頭の一部が疑問に思うが、それが当たり前のことなんだと肉体が応えていた。
「ん……っ!」
 ゆっくりと腰を下ろすと熱い杭がずるっと胎内に入り込んできた。
 めちめち、と柔らかい肉を割り開いていく。
 こつん、と奥の奥に何かが当たった。
「は、あああああ……」
 重さと熱さに満たされる。心が充足していく。
 信じられない。まだ、こんなに好きになれるなんて。
 がくがくと何かに怯えながら御坂美琴は御坂美琴のまま淫らに愛しい人に微笑んだ。
「アンタの、入ったよ?」
「ああ、美琴の気持ちいいところに入った。すっげぇ熱くて、狭くて、最高だよっ!」
 騎上位だからどうしても自分の体重が一点にかかる。
 少女の幼い子宮は固いペニスに突き上げられている。
 まだ上下運動はしていないのにこつんと押されている現状だけで満たされている。
 だが、先ほど精液の味を覚えた子宮はこんな刺激では物足りないと少女の脳に訴え始めていた。
 ゆっくりと腰を引き上げる。ずず、と身体から出て行く感触を味わって、そして腰をゆっくりと下ろす。
 初体験のときも、先ほどの交わりのときも受身でしかなかったため動かし方が良くわからない。
 あれほど乱れたといえ、やはり経験が少なすぎるのだ。
 膣肉を熱棒で焙られるような快感と大好きな人を受け入れた満足感があってもそれが動きにつながらない。
 それでも、拙いながらも腰を上下に動かし始めた。
「はんっ、あっ、うんっ、ん……」
 湯船は当然ながらベットのようにスプリングが入っているわけでも柔らかいわけでもない。
 どうしたって膝が痛くなる。しかし気にならなかった。
「いや、はんっ! 擦れるっ! こつんこつんって!」
 動きは浅い。
 気持ちよさも上条にされるほどではない。
 それでも美琴は必だ。
 上条もまたそんな少女の表情に感動すら覚えていた。
 茶色の髪が塗れてボリュームをなくし張り付いていて、細い眉が歪んで眉間に小さな皺をつくって。
 頬を赤く染めながら小さな吐息が唇から漏れて。
 可憐過ぎて心臓が止まりそうになる。
 能動的に動きそうになるのを必に堪えた。
「ね、ねぇ? 気持ちいいかな? 気持ちよくできているかな?」
 言葉の表現と裏腹に怒っているような拗ねているような声色で少女が問う。
 何に憤っているのか美琴自身にもよくわからない。
 ただ、下腹部がどうしようもなく熱くて、この思いを共有できていないのではないかという恐怖だけがあった。
「っ! 気持ちいいに決まってるだろうがっ!」
 若干物足りなくは思っている。
 しかし肉体的ではなく精神的に上条は満たされていた。
 あの、御坂美琴が自分から腰を振って上条を喜ばそうとしている。
 固まりになりそうな程の愛情を見せ付けられて男として嬉しくないわけがない。
 感無量だった。
「あ、はンっ、うンっ、よ、良かった……」
 細かく刻んだ切なげな吐息と共に美琴の表情が柔らかくなった。
 同時に膣奥から粘りを帯びた愛液が分泌される。
 そして動きがより一層大きくなった。
「んはっ! ん、は、はんっ……あん、ああんっ、んっ!」
「ぐぅ! 美琴の中、なんか急に……!」
 二人が交わっている場所から電流が流れる。
 もちろんそれは能力としてのそれではない。
 女としてのそれと、男としてのそれ。
 ぞくぞくと背筋が震える感覚と上条の声色に美琴は満足げに微笑んで更に腰の動きを激しくした。

160 :
 ―――じゅぼっ、ずぼっ、ずんっ、ずっ!
 もちろん、音は聞こえない。湯の中の動きは漣と波紋に変換される。そしてそれすらも泡の下で見えない。
 だとしても二人の脳裏には何もかもを感じていた。
 ふるふると揺れる小ぶりの乳房。
 喉の渇きを癒すように上条はむしゃぶりつく。
「や、はんっ!」
 甘い嬌声を上げた美琴は塗れてツンツン髪でなくなった少年の頭を抱きかかえて自分の胸に押し付けさえした。
 つん、と尖った乳首を口の中で転がす。
 軽く前歯を立てて強く吸う。
 いつの日かこの乳房を奪われる日が来るんだ、と上条は感じ、まだ生まれていない自分の子供に嫉妬すらした。
 そして子供を授かるようにと美琴が腰を動かし続ける。
 もちろん、まだ学生の二人にはそんなことはできない。
 それは本当に未来の話だ。
 だとしてもお互いを求めていることは今も未来も関係ない。
「ああっ、熱いよっ! 当麻のおちんちんっ! すごく熱くていっぱいっ!!」
 二人はどちらともなく手を握った。
 指と指とが絡み合う。
 太い上条の指と細く白魚のような美琴の指。
 そしていつの間にか上条も腰を動かしていた。
 ほんの僅かの時間もおかず、二人の動きがシンクロする。それでもピストンというには穏やか過ぎた。
 果てたい、という気持ちよりも繋がっていたいという気持ちのほうがずっと大きい。
 再び唇と唇とを寄せ合う。舌と唾液とを交換する。
「ん……んんっ……大好き、当麻……」
「んっ……俺も、だ」
「そんな言葉じゃ、駄目……」
「……好きだ、愛してる、美琴……」
「あはっ……嬉しい……」
 重ねる睦言の最中にも穏やかな上下運動は続けられる。
 上下運動だけではない。先ほど上条が発見した左右への動きも加わる。
 石臼を回すように美琴の腰が時計回りに動いた。
「あ、これ……当たるところ、違うんだ……んんっ」
「すげぇエロい顔してるぞ、美琴」
「んんっ、だってぇ……はンっ! 当麻も、えっちな顔、してるよ?」
 そして。
 上条が下から少女ごと腰を持ち上げた。
 二人の交わっている部分が泡の上にまで浮かび上がる。
 少女の未熟な性器が淫蕩に上条のペニスを頬張る姿が丸見えになった。
「あ、やだっ! 当麻っ!」
「見たいんだ。いいだろ?」
「やだやだっ! 恥ずかしいってばっ!」
 背中をバスタブにかけて下半身を浮かして、と横から見れば間抜けな姿の上条に御坂美琴は逆らえない。
 嫌がるそぶりを見せても上条のペニスと少女の秘裂はてらてらと光っていた。
 不安定な形のまま上条が腰を使う。自然、深くは突き入れられないがその分浅い場所に当たった。
「んんっ!」
 御坂美琴が柳眉を歪ませる。甘い嬌声が浴室に響く。
 唇が歪んで端から唾液が零れた。
「ここが、いいのか?」
「ああんっっ!!!」
 再び、不自然な体勢で上条が腰を動かす。すると美琴はより一層大きな嬌声を上げた。
 恋人の新しい場所を見つけて上条の唇が歪んだ。図に乗ったのか、何度も何度も同じ動きを繰り返す。
 そのたびに少女は愛らしい顔を歪ませて快感に喘ぐ。

161 :
「や、んんっ! そこばっかりっ! あんっ!」
 交わる場所でつんと桜色の肉芽が跳ねている。上条は不安定な体勢のまま手を伸ばした。
「ひゃああんんっっ!!!」
 親指でくりくりと転がすと圧倒的な快美電流が美琴の身体を駆け巡った。
「ああんっ! だめだめっ!!! 熱くなっちゃうっ!! そんなの、駄目だってばっ!!」
 歯の根が浮かび上がるほどの快感に美琴の目の内側で火花が散った。
 強烈過ぎる愉悦にぴしゃあ、と秘裂から飛沫が迸る。
「あああっ、やだやだっ! もうおしっこ漏らすのはやなのぉっ!!!」
 がくがくと全身を震わせながら美琴がぼろぼろと涙を零した。
 しかし上条は愛撫も挿入もやめない。やめないまま少女に言った。
「これ、おしっこじゃないぞ。あって、出てる場所違うし。潮ってやつじゃないのか?」
 言って、間欠泉のように出ている飛沫を手にとって舐める。
 少女が信じられない、と大きく目を見開いた。
「うん、おしっこと味違うし」
「馬鹿馬鹿ばかぁああ!!! 変態変態へんたいっ!!!」
 その変態が再びクリトリスを弄ると美琴の目の前で火花が散った。
 ばちばちっ、というそれは現実のもので、上条は慌てて体制を崩して美琴を抱きかかえて右手で頭を抑える。
 あうあう、と小さく口を動かしている少女を苦笑いで見つめた。
 羞恥に身を焼く少女は眦に大粒の涙を浮かべながら上条を睨み付けている。
「あ、アンタがこんなに変態だなんて思ってなかったわよっ!」
 対面座位で抱き合う形になって、互いの体温の近づく距離で美琴が抗議する。
 可愛くて抱きしめる腕の力を強くした。
「嫌いになった?」
「――っ!!! っざけんなっ! この馬鹿っ! そんなわけがあるかぁー!!!」
 実に御坂美琴らしく雄々しく吼える。言葉の意味は実に女の子らしいが表現方法が暴力的で一直線。
 そんなところが可愛くて上条はますます両腕に力を込めた。
 電撃を飛ばされたって構わないと割り切る。
「ま、嫌いって言ったってもう逃がさねぇけどな」
 わざとらしくウインクしてみせると品のないことに美琴の胎内の分身もぴくりと動く。
 真っ赤になって涙をぼろぼろ零しながらも強い目で上条を睨み付ける少女はお返しとばかりに恋人の大きな背中に両腕を回した。
 ぷに、と小ぶりな乳房が押し付けられて尖った乳首が胸板を擽る。
「あ、アンタみたいな変態、私以外の誰が付き合えるって言うのよ!」
「俺だって美琴じゃなきゃこんなことしねぇよ。一生付き合ってもらうぜ? なんせ、将来のお嫁さんなんだからさ」
「――!!?? 卑怯なんだってばっ! アンタはっ!」
 まだ睨み付けている美琴の唇を上条は奪う。美琴も抵抗なく受け入れる。
 何度も繰り返したのにまだ足りない。唇と唇、舌と舌。互いの粘膜を通して体温を重ねる。
 抱きしめたまま上条は美琴を抱えた。壁に押し付ける。
 そして再び。
 獣のように腰を使い出した。
 ―――ぱんっ! ぱんぱんっ!
 空気を押しつぶすような滑稽な音と共に律動をぶつける。
 痛くないように左手をクッションにしながら右手で乳房を揉み解す。
 美琴も半分立った形で上条の首に両手を回した。
「あ、アンタは……この形が好き、なの?」
「そういうわけじゃないけど、風呂場で出来る、んっ、体位ってそうはないと思うぜ? マットとか、ぐ、買っておこうか?」
「当麻が……あんっ! したいのなら、んんっ! いいけど……」
「そう、かっ! 上条さんは、もう風俗とかいけないから、美琴たんに泡踊りとかマットプレイ、やってもらうのも、いいなっ!」
「あ、アンタは本気で変態かぁーっ!」
 下らない言葉を重ねるうちにも少女の子宮は降りてきていた。
 深い密着感と共に子宮に衝撃が反響する。
 温かい美粘膜はぎゅうと絡み付いて亀頭もカリ首も刺激し、竿を強く扱きたてる。
 摩擦熱で火がつくのではないか、というほど激しく二人は重なり合った。

162 :
「あうぅうっ! あぅんんっ!!」
 頤を跳ね上げて白い喉を覗かせる。
 少女の腕に力がこもって身体が押し付けられる。その分上条の興奮も加速する。
 膣の戦慄きが一層強くなる。きゅうきゅうと射精を促してくる。
 ―――にゅぷっ、にゅぷっ!
 白いミルクのような肌が真っ赤に染まっている。上条が丸い尻を掴んで腰を動かす。美琴の左脚が上条の腰に絡んだ。
 隙間なくペニスを責めてくる膣粘膜は柔らかく狭苦しく甘美に上条の脳を溶かす。
 まるで無数の舌に舐められているような強烈な膣肉の感覚は痺れるように上条の全身を犯していった。
 思わず、上条の口元がだらしなく歪む。
「はあんっ! あんあんっ! や、んんんっ! んむっ!」
 ―――ぬぶっ、ずずずっ!
 ペニスが埋め込まれるたびに、肉が捲り上げられるたびに美琴が甘く啼く。愉悦と苦痛とが入り混じったような表情を浮かべながら上条を迎え続ける。
 可憐で妖艶で、濃厚な瞳が上条を見つめていた。
「ね、ねぇ?」
「な、んだよ?」
「そ、その……して、ほしいの!? そ、その、泡、なんとか、とか、まっとなんとか?」
「え? そ、そりゃして欲しいけどさ」
 半分冗談で言った台詞だったが美琴の目は真剣だった。欲情していながらも上条を愛そうとしていた。
「だ、だったらっ、いい、よ? 私、アンタの望む、んっ、ことだったらっ! 何でもっ! する、からぁっ!」
 可憐で妖艶で、濃厚な喜びの色を浮かべながら美琴が言う。
「だってっ! んぅっ! 私だけ、だもんねっ! アンタと、えっちできるの、はっ!」
 心臓は高鳴っていた。元々昂ぶっていた。
 しかしこの一言は文字通り上条の心臓を鷲掴みにした。
 まずい、と心のどこかが訴える。
 ますます好きになってしまう。
 でも、それの何がいけないのだと全身の細胞が訴えた。
 かぁっ、と脳が赤くなる。
「みことっ!」
 襲い掛かるように叫んだ。
 ―――ずぷっ! ずぷっ! ずぷっ!
 今までよりも大胆に腰をピストンさせて突き上げる。
 淫蜜が増してペニスが膣内を滑る。強張りをおしゃぶりするように膣口がひくひくと痙攣していた。
「ずっと、私の、だからね?」
 甘えた口調に必さが滲んでいる。
 溺愛、という言葉が上条の脳裏に浮かんだ。
 確かに溺れるという感覚に等しい。その感情が膨張するペニスに伝わって少女の胎内にぶちまけたいという欲望を加速させる。
 愛を伝えたいという思い。
 欲求を吐き出さずにはいられない。愛情が肉欲に変換されていく。真っ白な、泥沼のような、予感。
 肩口で揃えられた茶色の髪。
 整った顔立ちと意志の強い瞳。
 向こう見ずで喧嘩早くて、時に我儘で、面倒見の良いところもあって、正義感が強くて、それでもやっぱり小さな女の子。
「――ああ、俺はずっと美琴のものだ――」
 それが、当たり前に思えたことが嬉しかった。
 ―――ぬじゅっ! じゅぶじゅぶっ! ぬぽぬぽっ!
 ぎゅっと抱きついてくる少女。
 密着される心地よいぬくもりと下半身の爆発しそうな性感。強烈な法悦にすべてが溶かされていく。
「大好きっ! 大好き、当麻っ!」
 小さなお尻を抱えて、開かれた性器に打ち込まれるペニス。
 愉悦に染まりながら幸福そうに美琴が微笑んだ。
 二人の身体を彩る玉のような汗の一つ一つが交じり合って、それが湯船へと無数に落ちていく。
 ぶちゅ、と淫液が弾けて上条の太股に飛び散る。腰が打ち付けられるたびに水鉄砲のようにばら撒かれる。
「美琴……ぐぅっ! すげぇ、気持ちいいっ!」
 名前を呼んだだけで愛しさが募る。それはまさに狂おしいほど。
 抱きしめて抱きしめられている喜びに全身が震えた。

163 :
「ぁあんっ! 当麻っ! わたしも、きもちいいのっ! もっと、ぐちゃぐちゃにしてぇ! 当麻の色に染め上げてぇえっ!!!」
 泡立つほど苛烈に腰が打ち込まれる。子宮の入り口を乱暴にノックする。
 亀頭が吸い付かれるような感覚。
 吸着するような膣肉の中を動くたびに快感のうねりに飲み込まれていく。
 このまま昇りつめて、射精したい。
「んはーっ、はーっ、し、痺れちゃうっ! 痺れちゃうのぉぉおっ!!! な、なんでっ!? 感じすぎちゃうっ!?
 今日はまだ、二回目なのにっ! 今日だけで、最初のときと全然違うよっ!!!
 これから、これからずっと、こうなのっ!? ずっと、当麻、私だけのものなのっ!?
 わたしだけのものなんだからぁあああっっっっつっ!」
 壁に後頭部を押し付けながら慎ましい胸を上条に押し付ける少女。
 つん、と小生意気に勃った乳首が一層性感を強くする。
「ひあっ! 子宮にいっぱいあたってるっ! さっきもいっぱい出されたのにっ!! 今出されたら子宮が当麻のせーし、飲んじゃうよっ!!!
 で、でも、このままどびゅどびゅってしてっ! 膣内で感じたいのっ!!! 一滴だって漏らさないからぁああっ!!!」
 茶色の濡れ髪が大きく揺れた。
 塗れた摩擦音と雄と雌との嬌声とが密室にいやらしく響き渡る。
 二人の身体から出る汗と猥雑な性臭とが交じり合って空間を世界から切り離して二人だけのものにする。
 酸素不足のようにくらくらしながら二人は二人だけを求める。
 ひゃあ、と美琴が情けない声を上げた。
「いいっ! いいのっ! すごくいいっ! お願い、一緒にっ! 一緒がいいのっ!
 もう夫婦なんだからっ!! お嫁さんなんだからっ!!!! 一緒じゃないと許さないんだからねっ!!!」
 ぎゅうう、と肉棒が締め付けられた。
 反発するようにペニスが膨らむ。存在を訴える。
 脳内が快楽一色となってきーん、という甲高い音が耳の内側から響いてきた。
「ぐぅっ! 美琴っ! 出るぞっ!」
 ―――びゅくっ! びゅるうるっ! どびゅううっ! どくどくっ!!
 膣の奥深くに打ち込まれた上条のペニスが爆発した。
 一気呵成に尿道を駆け上がった精液が美琴の卵子を目指して子宮へとぶち撒かれる。
 ぐわ、と膨らみながら跳ねまくった。
「い、イくっ! イっちゃうっ! 当麻のせーえきで、わらひ、イくっ! イクイクっ!!! イっちゃうよぉぉぅおっ!!!」
 少女の唾液がだらしなく飛び散った。
 泣きそうな顔で天を仰ぐ。
 扇のように濡れ髪が広がった。
「ぐ、ぐぅうぅっ――」
 すべてが子宮に吸い込まれていくような感覚に上条が奥歯を噛む。
 男のアヘ顔なんて見せられるものじゃない。とくに一番大切な存在には。
 それでも熱く滑った膣肉がきゅうきゅうと締め付けて精液を搾り取ろうとする感覚に上条はだらしなく呆けてしまう。
 細かく刻まれるような煽動に掃除機のような吸いだし。
 一級品の性器に上条のすべてが溶けてしまいそうになる。
 最後の最後まで貪欲にしゃぶられて、本当に最後の一滴まで御坂美琴の膣内に吐き出した。
「ひあ、ああっ……」
 ペニスの脈動にあわせるように全身を痙攣させる美琴。
 その表情は幸せそうでありながら視線は合っていない。
 心ははるか大気圏を越えて彷徨っているようだ。
 上条はそんな美琴を強く抱きしめる。
 戻ってきたときに不安にならないように。
 びくびくと背をそらし華奢な身体をぶるぶる震えさせながら淫蜜まみれの膣口がだらだらと二人の交わり液を零している。
 ぷしゅ、という音と共に上条の陰毛が湿った。
「やっぱり、感じやすいんだな、お前は」
 快感の余韻と疲労を全身に感じながら上条は腕の中の少女の塗れて張り付いた前髪を上げてやる。
 絶頂しながらも疲れきった肉体を上条に預けてくる御坂美琴の甘くて激しい吐息。
 到底、上条の言葉は届いていない。
「あー、ちっくしょう、やっぱり可愛いわ」
 届かないとわかっていながら上条は言葉にして、一人納得して。
 荒い吐息を繰り返すだけの恋人の可憐な唇を自分のそれで塞いだ。

164 :
以上です
あともう一ラウンドぐらいはしないと駄目かな

165 :
乙です。楽しませていただきやした。

166 :
GJ!
そろそろ風呂から出ないと、二人とものぼせてしまうのでは?

167 :
GJです。禁書さんと美琴ちゃんはメインヒロインだな。

168 :
短時間で3回、4回?
精力ありすぎだろう

169 :
もっとロリっ子純愛を

170 :
A

171 :
>>169
勘違いしてるようだから忠告



*当麻たちは未成年が・・・すごく・・・大きいです・・・じゃねえ、一杯います。石を投げれば宙甲生
それが「と魔」


ヴェルトランデさ――――――ん

172 :
ヴァル婚は完全に肉食系女子の話だよな
えっちなお姉さんに喰われるショタっ子の構図にしかならんww

173 :
食蜂さんの性格と能力はほんとエロい
取り巻きに「そこら辺のオジサンにガッツリ中出しされてきなさい」とか平気で命令しそう
勿論記憶は消える

174 :
過疎区装置―――!!

175 :
食蜂さん確かにエロいな。美琴をダシにして上条を寝取る話も興味あるし。

176 :
操られてスキルアウトの精液便所にされてるのに気付かない婚后さんとかエロい
というか婚后さんの存在自体がエロい
鳴子ハナハルの描くキャラにいそう

177 :
上条×婚后&湾内&泡浮をやってくれ

178 :
上条×絹旗とかお願いします

179 :
上条×絹旗とかまだ顔合わせすらしてないだろww

180 :
そこを何とかするのがエロ心ですよ

181 :
その二人の掛け合いはレッサーを下敷きにすれば割と簡単に思い浮かぶ

182 :
上条さんでやるなら定番の路地裏ヒロインピーンチか
もしくは
     

       
新生アイテムと家で酒飲んだ時に
「絹旗、大丈夫か?」
「んっ。これくらい超どうってことないです!」
「目尻に涙溜めながら言うことじゃないと思うんでせうが」
「超大丈夫です!」
「ならもう聞かないぞ」
「んっつつつつつっっ」
 上条のその爆発しそうな一物をゆっくりと飲み込んでいく。
 飲み込むに連れて、絹旗の顔は歪み、涙が溢れでてくる。
 それが何の涙がは定かではなかった。 
 処女喪失による痛みなのか、一つになれたことによる痛みなのか、それとも……過去への区切りなのか
 それは絹旗本人にしかわからない。
「きつっ」
「――――」
 その誰も受け入れたことのない未踏を上条の一物は食い荒らすかのように乱暴に突き抜けていく。
 

 そして、ってこれゲス条やないかーい
 

183 :
>>179
絹旗が上条さんの家に上がりこんでるだろw

184 :
>>182
わっふるわっふる

185 :
上条と吹寄はやることやってるのに正式に付き合ってる訳でもないオーラが似合う
ぐだぐだなうちに子供とか出来て結婚になだれ込む

186 :
その場合。姫はどうなるの。私気になります。

187 :
上条と吹寄って何かFateで言う士郎と美綴に似てる
絶対にカップルにはならないと公式で明言されてるあたりが

188 :
やっぱり吹寄と姫神は3Pに流れる展開でしょ

189 :
雲川姉妹も交えて乱交でしょ

190 :
てす

191 :
あれ蘇った?

192 :
おお黄泉返り

193 :
しかし甦ったところで果たして

194 :
一方×美琴希望。一方さんが泣き叫ぶ美琴をそりゃあむりくり

195 :
>>194
壊れモノにつき
ttp://i.imgur.com/xOeSw.jpg

196 :
>>195
・・・・ベルセルク御坂さんごめんなさい。でもむしろおっきしちまいました。犯されろ!←反省の色なし。

197 :
美琴と五和が結託して上条を籠絡する話を希望。

198 :
なんかこう動きがないので投下します
インデックス淫乱もので
タイトルは「濃い味付けだと素材の味なんてわかりゃしないんだよ」といったところで

199 :
「今日は第六学区の生徒さんたちに神の慈愛を説くんだよ」
 アミューズメント施設が集合している第六学区。
 薄暗い路地を気軽に散歩するような足取りで歩く白いシスターの姿があった。
 一歩一歩目的の場所に近づくたびに自然と身体が火照ってくる。
 こころなしが足の歩みが速くなる。ピッチが上がってくる。
 駆け出しているわけではないのだがそのときはすこしづつ乱れ始めていた。
「は、早く、いくんだよ……」
 薄暗い場所で人通りなんてものはない。
 誰か注目される気遣いも要らない。
 とろんど瞳を淀ませながらインデックスという名のシスターは一刻も早く目的の場所へとたどり着くことを考え始めていた。
 軽く肌に汗が浮かんでくるころ、ようやく目的の場所に着いた。
 薄汚い廃ビルの一室、綺麗に掃除はしてあるがそれでも何処となく誇りっぽい印象を覚える大きな部屋。
 そこには数人の男たちがいた。
 一斉にインデックスの方へ視線が向けられる。
 インデックスは彼らを見て目を潤ませて微笑みながら男たちへと近づいていった。
「お待たせしたんだよ。今日はみんなよろしく頼むんだよ」
 口でいつもなりのフランクな口調で挨拶をしながらもインデックスはもう我慢できないとばかりに言葉をつなぎながらも服を脱ぎ始めていた。
 修道服である。神の娘である契約の証である。しかしインデックスは何の躊躇もなく脱ぎ捨てて下着姿となっていた。
 下着の股間部分はインデックスの愛液で濡れそぼっていてクラッチ越しに秘部の形が浮かんで男たちの目に晒されている。
 ブラジャーは最初から着けていなかったため露出しているなだらかな双丘や血管が浮き出るほどの白い肌を男たちは下卑な笑みを浮かべながら舐めるように眺めていた。
 するり、とパンティが抜き取られる。
 愛液をすって重くなったそれが糸を引きながら床に落ちた。
 インデックスの大きく勃起したクリトリスにはピアスの彩りがアクセントとなっていた。
 本来、十字教徒は己の身体に穴をあける行為を是としない。
 医療行為は流石に是認するが装飾の意味合いで神より預かった命を宿す肉体に傷をつけることは罪悪とされている。
 しかしインデックスはむしろその場所を誇らしげに見せつけるように男たちを誘った。
 男たちも順次裸になる。
 一糸纏わぬ姿となったインデックスは男たちの輪に入り床に膝を着いて一人の男の肉棒を手に取った。
 熱く勃起した肉棒を手に感じながら優しく扱き始める。

200 :
「ふふ、びくびくしてるんだよ……」
 小悪魔のような笑みを浮かべて清浄な神の娘たる少女は男を見上げた。
 手で軽く刺激しただけで力強く脈打ち肉棒をうっとりした目で見つめる。
 そしてもう片方の手で別の男の肉棒を扱き始める。
「すっごい臭いなんだよ。とっても臭いんだよ。シャワーぐらいきちんと浴びて欲しいかも」
 そう言いながらも大きく口をあけてなんの躊躇いもなく男の肉棒を口に含んだ。
「ん、じゅるっ……んふぅ、あむっ……」
 ちゅぶ、びちゅ、という舌と肉棒とか絡み合う音が響き渡る。
 インデックスは肉棒の先端を口で刺激しながらも竿の部分をしゅるしゅると手で扱き続ける。
 そんな姿の銀髪碧眼の少女を見て我慢が限界を超えたのだろう、他の男たちもたまらず自身の肉棒を己の手で扱き始めた。
「あ、んんふぅ、んんっ……駄目なんだよ、自分でしてちゃ……あむっ……
 ……シスターとして、きちんと奉仕するのがわたしの仕事なんだよ、邪魔しちゃ駄目なんだよ……じゅるるっ」
 待て、をしつけ切れていない犬を叱るように言いながらもインデックスは唾液を絡ませて口で肉棒を扱き上げる。
 時に舌先でちろちろと敏感な尿道口を責め、熱を持つ舌を絡めながら喉奥に飲み込んでいきもする。
 ゆっくり味わうようにねっとりと亀頭を舐めしゃぶり、たまには強く吸い付くように扱き上げていく。
 その快感に男の肉棒が絶頂を迎えようとしていた。
「んんっ……」
 どくどくどくっ!
 一層大きく肉棒が脈打ってインデックスの紅い粘膜の口内に白く濃いオスの溶液を噴出す。
 インデックスは嫌がるそぶりもみぜずに口を窄めてすべてを受け止め、一滴残らず喉奥に嚥下した。
「じゅるっ……ごちそうさま! とっても濃くって美味しかったんだよ! ちゃんと貯めておいてくれたんだね」
 ちゅるちゅるっ、と尿道に残った残滓も吸い出して敏感な肉棒を刺激したあとちゅるんと吐き出した。
 途端、インデックスの口元に複数の肉棒が突きつけられる。
 どれもこれもが射精がしたくてびくびくと震えていた。
「んもうっ、仕方ないんだよっ! いいよ、かけてもっ!」
 その言葉と共にインデックスが肉棒たちすべてにむしゃぼりつく。
 両腕と口とを使って器用に次々と刺激していくと興奮していたのだろう、たちまちのうちに肉棒たちがしゃくりあげた。
 どくどくどくっ!
 どくんっ! びゅるるっ! ぴゅ、ぴゅっ!
 紅潮してピンク色になった肌が熱く白い精液で塗りつぶされていく。

201 :
「あはぁ……、いっぱい射精してくれたんだね。とっても熱くて粘々してて、すっごく臭くって、頭がおかしくなっちゃいそう」
 顔にかけられた精液を手で拭って口元に運び丹念に下で味わってインデックスはこくんと飲み干していく。
 うっとりとした顔は淫蕩そのもので男たちはたちまちのうちに再勃起していた。
「ああん……そんなにあせらなくったって、全員分のおちんぽはちゃんといただくんだよ」
 そういいながらインデックスは代わる代わる突き出される男たちの肉棒を次々に口に含み何度も吐き出される精液を飲み干していった。
 一通り射精させ、すべての肉棒に口内射精をさせてからインデックスは満足そうに微笑んで言った。
「みんないっぱい出たんだよ……じゃあ、次はこっちのお口に、ね?」
 壁に手をついて小さなヒップを突き出し、指で性器を広げて膣口をくいっと開く。
 滑らかな場所はまだ狭苦しくひくひくと息づいていて、それでも愛液がとろぉと溢れ出し太ももを伝って床へと落ちていく。
「もう、我慢できないんだよ。誰でもいいから、わたしのここに、思いっきり突き入れて気持ちよくして欲しいんだよ……」
 いって、顔と肩を壁におしつけて体重を支え、改めて両手で性器を開きなおし男たちの視線が集まるのを承知で両手の人差し指二本を膣口に出し入れしてみせる。
 一人の男がたまらずにインデックスに飛び掛る。
 硬い肉棒をインデックスの膣口に押し当てて慣れた様子で一気にインデックスの身体を貫いた。
「んはぁっっ……! 入ってきたっ! ああんっ、大きいんだよ……」
 ずちゅ、と軽い水音を立てて膣内に肉棒が進入するとインデックスは快楽の悲鳴を上げる。
 小さく閉じられていた膣壁は進入してくる肉棒をあっさりと受け入れて根元まで咥えこんでぎしっと包み込んでいた。
「あんっ! 奥まであたってるっ! 子宮まできてて、すごく気持ちいいっ!」
 男がピストン運動を始めるとインデックスの性器は愛液を噴出してそれ自体が生き物のように嬉しそうに戦慄く。
「あんっああんっ! いっぱいきてるんだよっ!
 あはっ、君のおちんぽと、んああっ! わたしの、おまんこがこすれて、すっごく気持ちいいんだよっ!
 いっぱいエッチなお汁が出ちゃってるんだよっ!」
 男が腰を使うたびにインデックスの小柄な身体は壁に押し付けられる。
 小さな胸もピストン運動にあわせて揺れて自己主張を続ける。
「あ、はぁああっ! しゅ、主は、んんっ! 気持ちよくなるように男と女の、んっ、身体を作ったんだよっ!
 だからっ! もっと強く、いっぱいいっぱいわたしをめちゃくちゃにして欲しいんだよぉっ!!!」
 涎を撒き散らしながらのインデックスの声に男は一層力強く肉棒を突き入れていく。
 ぱんっ、ぱぱんっ!
 肌と肌とがぶつかり合う音が響くたびにぐちゅ、じゅぶ、という音もインデックスの秘部から奏でられる。

202 :
「ん、ふああぁっ! あん、ああんっ!
 ひ、ぐぅぅっ!! ん、ふあああっ!!! すごいっ! すごいんだよ、あんっ!
 凄く激しくて壊れちゃいそうなんだよっ! は、はああんっ!!!
 もっと、もっと欲しいんだよっ! 
 きみのおちんぽで、わたしをめちゃくちゃに、おかしくして欲しいんだよっ! ああんっ!!!」
 肉棒が膣壁を抉り子宮口を刺激するたびにインデックスは快楽の表情で泣き叫ぶ。
「あ、あぁ……あんっ、ひああっ!
 もう、我慢できないよぉ……あんああんっ! ひあああっ!」
 何度肉棒を突き入れられたかもわからない。しかし床に溜まった愛液の量がそれを物語っている。
 インデックスが小さな絶頂を迎えるたびに膣肉はきゅうきゅうとしめあげ、男の肉棒も脈打ってより激しさを増して突き入れられる。
「あ、ああんっ! は、はああっ!!!
 お、お願いっ! 大きいのが欲しいんだよっ! いっぱいイかせてっ!
 きみと一緒に、おっきいのぉをっ!!!」
 途切れ途切れの言葉が止めを刺すような大きな波を望んでいる。そしてインデックスは膣の感覚で男も頂点に達しようとしているのを感じていた。
「はぁはぁ……あん、ああんっ
 ああ、来るよっ おっきいのが来るんだよっ!
 イっちゃうんだよ、わたし、イクっ! キちゃうっ! 来るッ! い、イクゥゥうっ!!!」
 ――どくんっ! どくどくどくっ!
 そして、インデックスの絶頂とあわせて肉棒から精液が噴出した。
 幼い子宮はその汚濁を飲み干そうとしてかきゅう、と縮んで切なく疼いた。
「あ、ふああああっっ! で、でてるぅっ…… わらひの子宮にたっぷり熱くて濃いせーえきがぁ……ああんっ……
 すごいぃ……ああん、まだ射精してるぅ……子宮がとっても熱いんだよ……ああんっ」
 余韻の中まだ身体の中で脈打つ肉棒。
 それがちゅぷんと音を立てて引き抜かれると後ろを振り返ったインデックスがまだ硬さを残したままのそれをいとおしそうに見つめる。
 愛駅と精液にまみれたそれはぬらぬらと光って強烈な臭いを放っていた。
「あはぁ……わたしが、綺麗にしてあげるんだよ……」
 身体を動かして向き合い肉棒に手を添える。そのまま口に含んで下を使って肉棒に塗れた二人の粘液を綺麗に掃除していった。
 ひとしきり綺麗に掃除するとそれを話して口の中で残滓の味を丹念に味わう。
「凄い味……わたしのお汁ときみのせーえきが混じりあってとってもいやらしいんだよ……」
 こくん、と喉をならしてインデックスが辺りを見回すともう我慢できないといった男たちが自分を見つめていることに気づく。
 インデックスは娼婦そのものの目をして微笑んで男たちのこれ異常ないほお勃起した肉棒を見渡して喉を鳴らした。
 そして床に仰向けで寝て、男たちに自分の性器をよく見えるように足を開いてみせる。
「えへへ……次は誰かな?」
 そう言って、インデックスは指でピンク色の膣口をく、と軽く開いてみせる。
 とろとろと溢れ続ける愛液に混ざって先ほど男の吐き出した白い精液が一握の塊になって零れ落ちていく。
「ふふ。まだまだたっぷり時間はあるんだから……何回でもしていいんだよ?」
 そうして愛液塗れの膣口がひくひくと戦慄いた。
 インデックスは次々と男たちを受け入れていく。
「あ、きみのはすっごく大きいねっ! 一回ごとに身体ががくがくするんだよっ!」
「ああんっ、きみはお尻でしたいの? ほんとはいけないことなんだよ? 受け入れる場所じゃないんだから無茶はしないでよね」
「ああああっ!!! すごい、すごいぃぃっ!!! 二本っ! わたしの中におちんぽが二本っ! ごりごりって中で音がしてるぅぅっ!!!!
 すきっぃ!!! わたし、これ、だいすきぃっ!!!!」
 男たちのすべての要求を受け入れ、インデックスは快楽の涙を流す。
 そこには神の娘としての白い清浄な少女の姿はなくただただ男を求める発情したメスの姿があるだけだった。
 インデックスは白い喉を鳴らして何度も何度も悦楽の歌を奏で続けた。

203 :
以上です
まぁ枯れ木も山の賑わいということで

204 :
あふぅうはあ!おつぅいあいぁん!


今はスタミナがもたないから抜かないけど、その内ムゴンでシコシコさせて貰います!

205 :
乙!!
まったく、インデックスをこんな淫乱にしやがって
もっとやって下さい

206 :
乙 こういうの好きでっせ。
新約で上条さんが帰ってこなかったらこんな風に壊れてしまう可能性が微粒子レベルで存在する……?

207 :
上条さんに向けていたヒロイン性を捨てて万人に愛と快楽を与えるインさん…
GJ

208 :
インデックスと上条さんの中身が入れ替わったSSで
いつものつもりでスキルアウトに向かってったBADエンド分岐で
穴という穴を中田氏林間の最中に黒子に救出されたものの、
ぶっ壊れて上条(中身インデックス)、留守中にステイルとやりまくって
黒子が後に路地裏を徘徊する白シスターの噂を聞く、ってのがあったな

209 :
>>208
なんてss?

210 :
上条「インデックスになってる?」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1312620505/
黒子が間に合うか否かで分岐

211 :
浜面×麦野で投下します
タイトル「反撃」で

212 :
「んぐっ、こ、この馬鹿っ! まだ出ないわよっ!」
ぷくっと膨らんだ乳首を口に含んで強く吸われて麦野沈利は抗議の声を上げた。
ここで能力を発動しないのは昔ほど気が短くないこと、この状況に慣れていること、そして決して彼女自身が決して不愉快ではないからだ。
風呂上り、妊娠の安定期に入ってからベットの上で愛撫されない日はない。
その愛撫はえてして母乳を求める赤ん坊のようにいきなり乳首に吸い付かれて始まる。
「そうか? これだけでけぇんだから今にも出てきそうなもんだが」
ボサボサの茶髪に不恰好な顔の――まぁ、いい方にとれば愛嬌のある顔の――した男が目の端を歪ませて笑う。
女性としては身長のある麦野沈利でも腕を組めば見上げざるを得ない背の高さとその骨格に十分なぐらいの筋肉を搭載したたくましさを感じさせる瞳の持ち主。
そんな男が自分に夢中になってくれていることは嬉しいのだが、赤ん坊を育てるための器官へと変貌を遂げつつある乳房への刺激が痛みを伴うことに変わりはない。
もともと人並みより上の大きさを誇っていた麦野の乳房はこの男のせいで二周りは成長したし、妊娠によって更にもう二周りは大きくなってきている。
「なんか、甘いにおいもするしな。そろそろ出るんじゃないかな、マジで」
「てめぇはエロゲのやりすぎなんだよっ! 出産するまで出ねぇよ、この馬鹿っ!」
「いいじゃねぇかよ。出なくてもマッサージは必要だろ?」
「マッサージはきちんとしてるっつの! 滅茶苦茶痛いの我慢して毎日こなしてるのに素人了見で勝手なこと言うなっ!」
言葉をやり取りしつつも麦野は男の――夫、浜面仕上が胸を弄るのを自由にさせている。
ここで三人称で言うところの「麦野」という描写は少々問題がある。
麦野沈利という人物は既に存在しない。彼女は既に浜面沈利だ。
しかしながら彼女は麦野という呼称が一番似合う。
その大きな腹に愛しい人の子供を宿してもそれは変わらない。
「ったく、赤ちゃんにしちゃアンタ全然可愛くないないんだけど」
あきれを隠さないものの浜面の後頭部に手をやって麦野は優しく撫でる。
単純に腕力で引き離すことも出来るが吸いつかれてだんだんと心臓の辺りでピンク色の何かが大きくなってきていた。
「うるへー、どうせ俺は可愛くないですよ、だ」
「わかってることで一々拗ねてるんじゃないよ、このお馬鹿」
二人して笑いながらも浜面の指は麦野の乳首を刺激している。
そこにうっすらとだが唾液以外の液体が染み出てきた。
「おんや?」
それに気づいた浜面が興味津々の顔つきで乳首をちろり、と舐める。
若草のような青臭さを持つ、わずかに甘みを感じさせる、それ。
「えっ、えっ!? ちょ、ちょっと止めなさいってっ! こんのバカッ!」
突然強く吸われて麦野が混乱する。
開発された性感と胸の奥のほうの痛みが軽減されるようなこれまでに感じたことのない感覚に困惑の表情を浮かべた。
「間違いねぇわ。うん。母乳が出てる」
一度口を離し、にんまりと笑った浜面が唖然とする麦野を見つめた。
そして悪戯っぽく表情を崩すと再度豊満な胸に吸い付く。
「ん、んぐ……」
口の中に広がる甘さに夢中になりながら浜面が飲み干していく。
あらゆる状況を冷静な分析と強引な力技で切り抜けた麦野沈利はただただ胡乱のまままともな判断も下せない。
「やっ……だめだってばっ! し、信じられないっ!」
「うまいぞ? 流石に牛乳に比べれば滅茶苦茶薄いけどな」
「そんなことは聞いてないだろ、いい加減にしろ、この馬鹿っ! ぶちすぞ、マジで!」
「しっかし……本当に出るもんだなぁ。流石、愛(I)にまで達しているだけのことはある」
「胸のサイズは関係ねーんだよっ!」
乱暴な口を開きながらも麦野沈利は驚きを隠せないでいる。
「でもよぉ。良かったじゃねぇか。これで間違いなく赤ちゃんにミルク飲ませられるだろう?」
「それはそうだけどさ……なんで一番最初に飲むのが赤ちゃんじゃなくってそのパパなのよ」
「いいだろ? 別に。幾らでも出そうだしさ」
頓狂なまま麦野が混乱していると図に乗った浜面がもう片方の乳首も口に含む。
なにかしら麦野の身体の中でスイッチが入っていたのだろう。やがてこちらからも母乳が溢れ出てきた。
そのうち、口で吸わなくても指でつまむだけで勢いよく噴出するようになった。
「凄いね、人体」
文字通り目と鼻の距離の光景でありながら何処かしら映像じみた光景に浜面はただ感嘆する。
ホルスタインとか言ったら原子崩しが跳んでくるんだろうな、と馬鹿な考えが脳裏に浮かんだ。

213 :
「やだ、なんでこんなに出るの……」
麦野も予想外の光景にただ戸惑うばかりだ。
こうにも自分を自分の知らない存在に変えていってしまう男の存在が少しだけ怖くなる。
一方で、こいつのためだったら何処までだっていってやる、という勝気な部分が誇らしげに自分自身に惚気た。
「ちょ、やだ、駄目だってばっ! 乳首引っ張るなっ!」
そんな健気さを知ってか知らずか、吸い付きながらももう片方の乳首をぎゅっとひっぱる浜面。
文字通り見上げると眉間に皺を刻んだ自分の妻が苦痛と快楽の入り混じったような表情をしている。
そして、だんだんとこつを掴んできて、その表情から苦痛の色が消えていった。
麦野も乳房の内側の張っている部分が解されるような感覚の心地よさにだんだんと呼吸を甘くしていく。
固くこりこりになって、ぷっくらと育った乳首が舌と唇でぎゅっと潰されると悲鳴を上げるように濃厚なミルクの香りが口の中に広がる。
「やべぇ……マジになりそう……」
童心に帰ったかのように浜面が懐かしい味に脳髄を蕩かす。
吸ってない胸からミルクを飛ばしながら浜面は夢中になって飲み干していく。
呆れたような顔をして麦野がその頭を優しく撫でた。
「うっわ、可愛くねぇ、可愛くねぇの。なに夢中になってるんだよ、馬鹿」
それでも口調は柔らかい。
リスのように頬を膨らませた浜面がいやらしい笑いを浮かべて麦野の胸から離れた。
「ちょ、ちょっと……まさか……」
そのまさか通り、麦野の頭を捕まえた浜面が口移しで麦野自身の母乳を麦野に飲ませた。
「ちょ、いやだって……ぐ、んぐっ……げほっ!」
抵抗し、気管に入って咽た麦野が反射的に浜面を突き飛ばした。
しばらく咳き込んだあと恨めしそうな目つきで浜面を睨み付ける。
「……てんめぇ、覚悟は出来てるんだろうなぁ」
「いいじゃねぇかよ、飲めるだろ? それなりにさ」
「だからってねぇ、自分の身体から出たものを無理矢理飲ませられたら気分がいいわけないでしょうが!」
「元々飲むためのもんなんだから、慣れだよ慣れ。経験だよ、経験」
強気な割りに尽くす女である麦野だが、やはりそれでも越えてはいけない一線というものは存在する。
にやにやと下品に笑う目の前の男に麦野は久しぶりの意を覚えた。
もちろん、青白い電子線で炭にするだけでは飽き足らない。
そんな一瞬の苦痛ではまったく気分が晴れない。
「そーかそーか、慣れれば自分の身体から出たもの飲めるんだな。わかった、じゃあ今から精液飲ませてやるからな」
言って、妊娠しているなどと思えないほどに猛然と浜面に襲い掛かって押し倒し、麦野の母乳に夢中になって完全に勃起していた肉竿を口に含んだ。
元々頭のいい麦野が練習し、そして毎日のようにこなして経験を積んだスキルはあっという間に浜面を土俵際まで押し込む。
「ちょ、ちょっと、え、冗談だよね?」
快感に顔を歪ませながらそれでも何とか逃げようと浜面が麦野に声をかける。
も、奉仕を続けながらもその瞳は鬼をも屠りそうな気に満ちている。
「ちゅ、んぐ……飲めるんだろ? 大丈夫大丈夫、慣れるまで私が搾り取ってやるから」
「え、えっ、いや、止めてマジで! うわ、滅茶苦茶気持ちいいのに全然夢中になれねぇ!」
「れろっ……ん、考えてみりゃ、中出ししたあといっつも掃除させられてるよな。
 自分のもの無理矢理舐めさせられてるのは昔からだったんだよな。
 じゃあ少しぐらいはやってもらわないと釣り合わないよなぁ、はぁまぁづぅらあぁ」
「おいおいやめろ! 三人称が結婚前に戻ってる戻ってるっ!」
ミルクの甘い匂いが満ちた室内に浜面の絶叫が響いたのはそれからすぐ後の事だった。

214 :
以上です
E→G→Iといったかんじで

215 :
GJ
Iとかもう想像もつかんわw
浜面はホント役得だ

216 :
マジでもげ面

217 :
投下します
浜面×絹旗で

218 :
「いつ見ても超すっごいですねぇ」
 言われるままに股を大きく開いてベットに腰掛ける浜面仕上。
 ショートカットの小柄な少女は筋肉のみっしり詰まった太腿のあいだにちょこんとしゃがみ込んだ。
 デート帰りのホテルの一室。
 いつもの光景だ。
 そんないつもの絹旗はいつもどおりに醜悪に膨らんだモノをしげしげと見つめる。
「シャワーは浴びたはずなんですが、なんか臭うような気がします。興奮してるんですかねぇ……
 なんか、馬鹿になっちゃいそうですよ、本当に」
 すんすんと鳴らして尿道口に端正な鼻を近づける。
 愛らしい顔立ちには不釣り合いなぐらいに鼻腔を拡げる少女の姿になんとも言えない興奮を浜面仕上は感じた。
 籠れる鼻息が敏感に亀頭をくすぐる。
「うわ、超キモイです。匂い嗅がれてビクビクさせてます。キモイです浜面超キモいです」
「しゃあねぇだろ、絹旗みたいな可愛い子にこんなことされたら男なら誰でも興奮しちまうって」
 隠し事もなしの台詞に少女は一瞬虚を疲れたような顔をして、直後困惑した顔をしながら頬を染めた。
 耳元を隠すぐらいの丸いショートカット。
 整った目鼻立ち。
 小ぶりだがぷっくらとした唇とすっと通る顎筋。
 美人というよりは愛らしいという表現こそがふさわしい。
 絹旗最愛という名前は決して虚飾には聞こえない。
 そんな少女がシャワー上がりにバスタオルを一枚巻いたままの姿で座り込んでいる。
「うわうわ、何言ってるんですか、超浜面の癖に」
 嬉しそうにつんつんと白い指先が亀頭をつつく。
 その僅かな刺激が明白な快楽電流となって浜面の腰を駆け抜ける。
 まるで答えのように亀頭が上下に打ち振るった。
 褒められて嬉しくて、その分気持ちよくさせたいという奉仕の感情が強くなっている絹旗はオスの本能塊のような光景に満足そうに微笑む。
 それは男が、浜面仕上がどんなに哀れに感じるかを知り尽くしたかのような淫靡な表情だった。
「えへへ。それにしても浜面の癖にここだけは立派ですよね」
 他を知らないくせに知ったかのような口ぶりで。
 指先で亀頭を摘んで絹旗がくすぐったそうに笑う。
 そのまま先端の尿道口を凝視すれば既に先走りの汁が玉になって浮き出ていた。
「もう涎が出てますね。超早いです。敏感すぎです、超早漏野郎です」
 腫れ上がった亀頭と脈打つ竿を人差し指の腹で何度もなぞり上げる絹旗。
 その度にペニスはぴくぴくと震えて一層膨張し、さらに先走りの玉が大きくなった。
 我慢汁を育てるようなグロテスクな怒張に美少女たる絹旗最愛は嫌悪感を覚えない。
 むしろその様が楽しくて仕方がないようだ。
 年の割に小柄で華奢で、一見すれば小学生に見間違わんばかりの少女が女の顔で自分の性器を弄って喜んでいる。
 その背徳的な光景に浜面は目眩を起こしそうになる。
 自分でも驚くぐらいに息が荒くなって鼓動が早くなった。
 絹旗は淡い色の唇を開いて前に突き出した。
 開いたアヒル口。
 それを。
「……ちゅ」

219 :
「うおっっ!」
 むっちりと張りのある唇が先走りを潰すように押し付けられ、浜面は情けない悲鳴を上げた。
 みっともなく呻き声を上げる浜面を見上げ、生臭いグロスをつけた唇を絹旗は小さな赤い舌でちろりと舐め上げる。
「超牡臭いです。ケダモノです。浜面は本当に変態です。超ぬべきです」
 言いながらも嬉しそうに下品に彩られた唇を開く。
 ちらちらと顔を見せる赤い舌がまるで単独の生き物のように、
 ―――ちろぉ
 と、浜面の亀頭を舐め上げた。
「ぐあっ!」
 情けない声を漏らしながら浜面の両手が白いシーツに二つの深い皺を刻み込む。
「変態です、超変態です。超お仕置きです」
 ぴちゃぴちゃと子猫がミルクを飲むような音を立てながら絹旗最愛の小さな舌が鈴口をしゃぶりあげる。
「ちゅ、ちゅるっ……ん、ちゅぱっ、ねりゅっ、んちゅ……」
 小さな舌が踊る踊る。
 尿道口を強く責めたかと思えばカリ首をねっとりと舐め上げ、幹部分に脈打つ血管の一本一本をすっと刺激する。
「は、ああっ……超ヤバイです……浜面の、超濃いです。くらくらしちゃいます」
「んなの、自分じゃ、分かんねぇけど、な」
「浜面は超原始人なんですっ……フェロモンが濃厚すぎて、興奮しちゃいます……浜面の癖にぃ」
 情欲にますます頬を染める絹旗最愛。
 うっとりとした表情で夢中に乱暴に舌を使う。
 ぴちゃぴちゃという音が立つたびに浜面に強烈な快楽電流が流れる。
「おっ、おおっ! っ……! う……ふっ、うう……」
「えへへ、超気持ちいですよね? さきっぽ、舌先でぐりぐりされると。超うりうりってしちゃいますよ?
 ねちゅねちゅって、ねろねろって、ホジホジしてあげますからね」
 ―――ちろちろちろっ、ちゅるちゅる、じゅるるっ!
 上目遣いに目を細めながら浜面を見上げる絹旗。
 そこにはオスを快楽で屈服させるメスの喜びが満ち溢れている。
 自分が初めて認めた男で、情けなくて腰が引けていて全然強くなくて。それでも絶対に自分は勝てないんだと心の底から尊敬してしまった男。
 そんな浜面仕上を情けない声しか出せない程に追い詰めていることが楽しくて仕方がない。
 嗜虐的な奉仕の喜び。
 自分が女であることが誇らしくて堪らない。
 ―――ねちゃ、ぴちゃ、ねちゃぁ……ちゅぴちゅぱ、ちゅるっ……ねろねろ、ぺろぉっ
 「気持ちいいですか? 超気持ちいいですよね?」
「うっ……っ、いっ、気持ちいいぞっ……めちゃくちゃ気持ちいいっ!」
 可愛らしい声色に虐められて浜面仕上が情けなく答える。
 浮き上がりそうな尻を必にベットに埋めて自分より遥かに体の小さな生意気な女の子に与えられる快感を余すところなく受け止める。
「あはっ、どれくらい気持ちいいんですか? ねぇ、ねぇ!」
 小悪魔の顔をして、あまりにもみっともない姿の浜面の姿に絹旗は興奮する。
 槍のような見えないしっぽを左右に振る悪戯な子猫に甚振られながら浜面は絹旗の望む言葉を融解しそうな脳で検索する。
「わかんねぇよ! 比べられねぇ! でもめちゃくちゃ気持ちいいっ!」
 ここで喜ばせる一言を言えないのが浜面仕上だ。
 経験を重ねようとそれだけは変わらない。
 そのことをよく知っている絹旗は返答に満足はしなかったがかわりに別のスイッチが入ったらしい。
 ムッ、とした表情をしながら舌をますます激しく動かした。

220 :
 ―――ぶちゅ、ぐちゅ、ちろちろ、れろぉ、ねろねろ、ねりゅぅ
「お、おおっ! ぐ、ふっくっ!」
 更に激しく、執拗的に舌が蠢く。
 嫉妬が含まれている。
 決して美形ではなく、話が面白いわけでもなく、無能力者で、馬鹿で。
 でも大好きで。
 そんな彼を想っているのは絹旗最愛だけではない。
 そして押しに弱いこの男はその複数と関係を結んでいる。
 狂おしい嫉妬がある。
 でも、それでも誰も不幸にしたくないと分不相応な程にこの男がもがいて足掻いていることも知っている。
 残酷になりきれないのだ。
 馬鹿である。
 当たり前のように破滅するはずなのに。
 それでもこの男ならば常識を超えたハッピーエンドに全員を連れて行くのかもしれない。
 そんなことも信じてしまっている。
 その場所に本当は二人だけで行きたいと持ってしまっている自分も否定はしないけれども。
 二律背反事項に募られて絹旗最愛の舌は絡んでいく。
 顔が写ってしまいそうなほどテカテカに唾液を塗り込める。
 黒光りする亀頭が漆塗りのような光沢を持つ。
 亀頭はますます張り詰めて凶悪そのものへと成長していた。
 唾液と我慢汁でベトベトになったそれを見て、絹旗最愛が年齢に似つかわしくない淫蕩な笑みを浮かべた。
「超ベトベトです。てっかてかですよ。どうします? まだぺろぺろしてあげますか?
 そ・れ・と・も、もぉっと気持ちよく、して欲しいですか?」
「うっ、ううぅ、もっと、してくれよ。口に入れてくれ……」
 理性も威厳も欠片ほども残っていない情けない声。
 そして、この答えは今度こそ絹旗最愛を満足させた。
「えへへ。超、ご褒美です。いっぱいはむはむしてあげますからねっ」
 あむ。
 大きく開いた口が浜面の亀頭に被せられた。
 小さな口には浜面の凶悪なサイズはきついものがあるが絹旗は恐れも浮かべない。
 ぽってりした唇の端から唾液の零れた糸を引きながら口に収めていく。
「うっおおっ」
 食べられる、といった感覚。
 熱く柔らかな内頬の肉に包まれる。
 舌がカリ首に裏筋にねっとりと当てられる。
 腰がとろけそうな感覚に浜面の表情が歪んだ。
 そして、絹旗がゆっくりと顔を前後にふりはじめる。
 ―――ちゅぼ、ちゅぼっ! ちゅる、ちゅぼちゅぼちゅぼっ!
 唇を性器に見立てて絹旗がピストン運動を行う。
 亀頭に吸い付いて舐めあげて顔を振る。
 ひょっとこのように伸びた唇と間抜けに伸びた鼻の下。
 その伸びきった唇がペニスから亀頭だけをちぎり取ろうとするかのように何度も何度も境目の場所を引っ張る。
「はぁん、むはっ、んふっ…・‥」
 ―――じゅるるっ、ちゅばっ、ちゅぼちゅぼっ! じゅるるるっ!!
 愛らしい顔には似つかわしくない浅ましい下品な表情。
 鼻を鳴らしてまで必にペニスに吸い付いている。
 頓狂すぎるその表情を絹旗は浜面に見せつけている。
 こんなことまでしているんだぞ、と言わんばかりに。
 それは浜面への愛情表現であると同時に浜面のペニスに奉仕することが好きで好きでしょうがないという表情でもあった。

221 :
「んはあっ! ふぅ、ふぅ……ほんと、超デカ過ぎです。顎がハズれちゃいそうです」
 言葉とは裏腹に満足感に満ちあふれて。
 一度離れて大きく口で息を吸って、吐いて。
 うっとりとした表情を浮かべながらもう一度ペニスを口に運び、リズミカルに顔を上下させる。
 そうやって中学生とは思えないように巧みで商売女も裸足で逃げ出すようなフェラチオに没頭する。
 舌が亀頭全体を舐め回し内頬がカリをしごき上げる。
 えも言われぬ快感の波が浜面の腰奥の火薬庫に大量の火花を散らした。
「んぶっ、ふはっ! 鬼畜です、超いやらしいです。滝壺さんも麦野も孕ませて黒夜やフレメアまで垂らし込んだイヤらしいちんぽっ!
 こんなの、超めちゃくちゃにしてやりますからっ!」
 目の前を真っ赤にしながら絹旗最愛が鬼気迫る勢いで口腔奉仕を続ける。
 オスの臭いを鼻腔いっぱいに広げて脳みそが蕩けてしまいそうなほどに酔いながらじゅぼじゅぼと間抜けな音を立てて唾液と先走りの混じりあいを啜る。
 下品でいやらしく、嫉妬に狂って、必に甘えている―――ただ一匹のメス。
「どうですか、浜面? 気持ちいいでしょ、滝壺さんよりも、麦野よりも。チビ餓鬼二人なんか比べ物になりませんよね?」
 自分が一番だと認めさせたい、嫉妬に塗れた切ない問いかけ。
 浜面は言葉にこそ出来なかったが身体は無意識のうちに頷いていた。
 絹旗の手管はあまりにも巧みで浜面の意識を肉体が裏切っている。
 大波のような快楽の世界に術が何一つ残っていない。
 自分が年端も行かない少年になって性に長けた年上の女性に弄ばれているような、そんな擬似感すらも感じる。
「うわぁぁ、すげぇ、絹旗の口、滅茶苦茶気持ちいいっ!」
「んぷっ、んぷぅ、ちゅぽっ……こういうときぐらい名前で呼んでくれても、いいんじゃないです、か?」
「さ……いあいっ!」
「え、えへへ☆ やだ、やっぱり名前で呼ばれると超照れちゃいますね。
 やっぱり最愛って名前、らぶりーですよね、最愛ですからね。
 超嬉しくなっちゃいましたから、超気持ちよくしてあげますよ、仕上☆」
「ちょ、ちょい待てっ! 今でもかなり限界っ、な、んだがっ!」
「超頑張ってくださいね、し・あ・げ☆」
 絶対にどうにかさせてやる、とピンク色の光を瞳に浮かべた絹旗最愛が最愛の名前どおりに変貌していく。
 更なる快感を期待する浜面仕上の瞳とより激しく苛めようとする絹旗最愛の瞳が交錯した。
 ―――にゅぶぶうっ!
「う、おおおおっ! ふ、ふぉっ!」
 絹旗が頭を沈めたと思った瞬間、唇の奥深くまで浜面のペニスが埋没していた。
 唇の筋肉をくぐって熱い口内にすっぽり飲み込まれて。
 溶けてしまった、と勘違いするほどの快感。
「ふぅ……ふぅーっ」
 口が塞がれて、小鼻を必に膨らませて酸素を取り込んで。
 絹旗が上目遣いでにんまりと浜面を見つめる。
 いびつで、淫らで、発情した女の顔。
 ―――んぶっ、ちゅぼっ、ちゅぼじゅぼじゅぼっ! じゅるるっ ちゅむちゅぷ、じゅりゅじゅちゅちゅっ!
「お、おおおおっ!」
 極上すぎる快楽に浜面の脳が沸騰する。
 根元までペニスを咥えて真空近くにまでバキュームして、じゅぼじゅぼと唇でペニス全体をしごきあげて。
 豚のように鼻を鳴らしながら下品にがっついて音を立てて。
 圧倒的な快楽にもう浜面仕上の射精は近かった。
 びく、と膨らんだことを口内で感じ取った絹旗が嗜虐的な笑みを浮かべながら更に追い込んでいく。

222 :
「んへへっ、らしてよいんですぉ? しあげのくっしゃひせーえき、さいあいちゃんがぜんぶ、のんであげりゅうんですぅ……
 ほうらぁ、らひて、らひてくらさひっ!
 いっぱいいっぱいらひてくらさひよぉっ!」
 ますます凶悪に加速していく口唇奉仕。
 男の精を吸い上げるような暴力的な怒張への責め苦。
 完全に火のついた情欲の瞳。
「う、ううっ! お、おうっ! 出しちまうぞっ! このまま出していいんだなっ!」
 許可を求めているようで、その実宣言。
 答えがどうなろうと浜面はこのまま射精しようと決めていた。
 それに絹旗は目で笑って応える。
 ずくっ、と疼いた塊が怒張の根元に膨らんでいく。
 濃厚な雄の遺伝子構造体が集って纏まって一つの固体となって充填されていく。
 ―――じゅぷ、じゅぷ、じゅぷぷっ
「〜〜っ!!」
 尿道をバキュームして、促して。
 強力な射精欲求に浜面は身悶えする。
「っ、んむっ、ん、ん、ん、んふぅ♪」
 リズミカルに顔を動かして、もはや頭部全体が新たな性器そのもので。
 必になって締め付けている尿道括約筋の効果をすべてキャンセルさせる。
 どん、という塊が尿道を駆け上がっていった。
 そして、野生動物のように咆哮する。
「でるっ! 出るぞっ! おおぅっ! く、くおおぅっ!!!」
 ―――どくんっ! どくどくどくっ! どぷっ、びゅるうるっ!!!
「んぷうっンむぅうゥゥッ! んむぶっ! んむはぁっっっつっ! むぐっ、んは、んほぅぉっ!」
 顔に似合わないメスの呻きを上げながら絹旗が浜面の白濁液を小さな口で受け止める。
 射精した本人ですら信じられないほどの勢い。
 腰が砕けそうなほどの快感が脳から脊髄を通って股間で爆発する。
 無意識のうちに怒張を突き上げて絹旗の喉を突く。
 まるで別の意識体に乗っ取られたかのように腰だけがガクガクと震えてそのたびに白濁液が亀頭から噴出する。
 大量な精液が絹旗最愛を汚し陵辱していく。
 だが。
「んぐ……んぐ……んぐ、ごきゅ、ごく……」
 むわっと生臭い、そして塊のようなそれを絹旗は嬉しそうな顔をしながら飲み干していく。
 こくこくと小さな喉を動かして、食道を熱いそれが通るのを楽しんでいる。
 そうしながらももっともっと射精を引き伸ばそうと強い吸引を繰り返す。
 ぞぞ、と吸い上げられると敏感の頂点にいる浜面は更なる快楽に怯えた。
 腰が跳ね上がる。
 引き締まった臀部が情けなく浮いてはベットに落ちて派手な皺をシーツに刻む。
 絹旗は吸い付いたまま離れない。
 浜面のペニスはしゃくりあげながら更に子種を噴出させ、そのたびに絹旗は喉を鳴らした。

223 :
 ―――じゅちゅうううっ
「うぉおおおっ!」
 そして、最後の止めとばかりに再度根元まで深く深く咥えこんで唇でその付け根からカリ首までしごいて強く強く吸い上げた。
 そのまま楽しむように亀頭の表面を唇を滑らせて掃除していく。
 最後の一滴まで、口の中に運ばれる。
 完全にクリーニングされていく。
 快感のあまりにどうにかなってしまった頭で浜面は淫ら過ぎる絹旗の顔を見つめる。
 ―――ちゅぽんっ!
 最後の最後まで吸い上げられて、引き出されて、唇からペニスが零れ落ちた。
 その派手で間抜けな音と開放感。
 既に力強く反り返って臨戦態勢を取り戻したそれが勢いあまってぺちんと浜面の腹を叩く。
 射精前と遜色がないほどにいきり立って。
 まだまだ飢えていると、渇いているといわんばかりに。
「はぁーっ、はぁーっ、はあーっ……もう、なんなんですか、はぁ、超やばいじゃないですか……
 出したばっかりなのに、こんなに大きくしちゃってぇ……」
 抜け落ちた陰毛が唇に張り付いている。
 それを指先で払いながら反り返った男根にうっとりと絹旗が瞳を輝かせる。
 吐息は熱くて生臭い。
 浜面を原始人と揶揄した、それ以上に濃厚で本能的なフェロモンスイッチを入れて絹旗は勃起したペニスとその持ち主に視線を送る。
「いや、は、気持ちよかったぞ……めちゃくちゃやばかった。こんなにすぐに復活するなんて、なかなかないぞ……」
 ここまで興奮することは浜面の経験でもなかなかない。
 ただ、それが起こるときはいつもどうしようもないほど愛おしいと思ったときだった。
 スイッチが、ONのまま壊れている。
「仕上、超満足しましたか?」
 笑った目はそうじゃないだろう、と言っている。
 口以上にものを言う目。
 口で奉仕したこと以上を望んでいる瞳。
 浜面は肋骨の内側が痛くなるのを感じながら渇いた喉に唾液を送って充血した視線を小柄で最愛たる少女へと向けた。

224 :
以上です
どうにも浜面は私の中ではハーレム男に決定していて変更がききません

225 :
乙でゴンス乙でゴンス乙でゴンスー!!
 \_●    ∠_●_
   /\|      \ し
   ▲           ▼
    ||           |
__|_|________|___
   \\         \
     \\         \

226 :
フェラチオいいですなー 絹旗だからなおいいなー

227 :
赤い赤い真っ赤な蝋燭、処女の白い肢体に映えると思いません?
美琴ちゃんのお身体にこうつつーっと。
ねえ?

228 :
投下します
前の続きです

229 :
「固いまんまですよね、超ケダモノです。そんなに私が魅力的なんですかね」
 勝手なことを言って肌の上にたった一枚だけ纏っているバスタオルを外して落として。
 絹旗最愛が魅力的な肢体をベットの上に投げ出す。
 そのまま両膝を抱えるように身体を曲げて剥き出しになった割れ目を見せつける。
 とろり、と愛液が垂れるさまに射精したばかりだというのに浜面仕上の怒張がぴん、と無節操に頭を上下させた。
 目の前の男がオスに変わる、そうさせたことに絹旗は表情を緩める。
「続き、しないんですか? 仕上の癖にちっちゃくて締りのいい穴におちんぽ突っ込んでずっこんずっこんして、頭バカになりたくないんですか?」
「―――っ」
 どこで覚えたんだ、と言わんばかりの台詞。
 ああ、きっと変な映画の影響だろうと浜面は判断する。
 この少女は大人ぶった自分を見せつけようとして空回りばかりしている。
 その姿が笑いを誘うも、どうしようもないぐらいに愛らしい。
 そうだとしても状況はあまりにも魅力的だった。
 こくり、と喉を大きく動かして唾液を飲み込んで。
 浜面仕上は絹旗の膝を割開いて自分の腰をすべり込ませる。
 ギンギンに張り詰めた亀頭。
 それを幼く毛も生え揃っていない―――というか産毛が僅かにあるだけでパイパンと言い切ってもいい―――濡れた牝穴に突きつける。
 犯罪行為にしか見えない光景の中で二人の期待だけは明確に男と女。
 ぎしり、と軋むベットの音が生々しい。
 浜面と同じように絹旗最愛が生唾を飲み込んで喉を鳴らした。
 同じタイミングでつぅ、と愛液がシーツの上に垂れ落ちていく。
「はぁ……はぁ……はぁ……んっ、はぁ……ねぇ、しないんですか?」
 甘く掠れた声はまるで耳元で囁かれたように鼓膜を震えさせて。
 瞬間、浜面は発条仕掛けの人形のように腰を突き入れていた。
 ―――じゅぶぶぶっ、ぐちゅううぅっ!
「ん、はぁぁああぅっ! あああああんっ!」
 ぶちゅん、という派手な音と共に結合部から粘液を噴出させて、浜面の分身が絹旗の小さな身体に押し込まれる。
 絹旗の小さな口から爆発のような悲鳴が溢れて、それを真正面から浜面が受け取る。
 威嚇する獣のように低い呻きを上げそうになるも奥歯で噛みし引き締まった身体で華奢な少女のそれに伸し掛った。
「んは、はああっ! 超、ヤバイですっ! もう、お腹いっぱいっ! なんなんですかっ! 超興奮しすぎですよっ!」
 余裕なんか欠片もない表情で絹旗が甘い声を出す。
「くっ、うっせぇな。こっちの台詞だっちゅうのっ! なんだよこの締めつけ……」
 そして浜面の声には余裕なんて概念すら存在しなかった。
 元々身体が小柄で華奢な女の子。
 長身の浜面とは真逆の部分がある。
 勃起の先端から根元までがにゅるにゅるの柔らかい膣壁に包まれる快感。
 ローティーンとは思えないほど貪欲なメスの顔の蠢き。
 それだけでも十分すぎるほどの媚薬なのに小さくきつく、それでいて強く馴染む膣の作りはもう致量の毒薬だ。
 脳みそをグラグラと揺さぶって余計なことが考えられなくなる。
「んんっ、んはぁっ、はぁ……超ヤバイです、本当におかしくなっちゃいます……」
 だが、切な気に求められる視線を捉えたとき、浜面は魔法にかかった。
 とりつかれたように腰を動かし始める。
 ―――じゅぶ、じゅぶ、じゅぶぶ、じゅぶんっ!

230 :
「はあん、あん、あん、あんっ」
 ぎゅう、と肉棒を咥えこんだ穴から卑猥な音が掻き出され、愛液に満ちた膣内と限界まで勃起した海綿体とが擦り合わされる音。
 小ぶりなだけにすぐに届いてしまう子宮口が乱暴に何度も叩かれ、それに合わせて絹旗最愛の可愛らしい声が部屋中に響いた。
「ふわああっ、や、あんっ! 超ヤバイです、超気持ちいいですっ!」
 小鼻を膨らませて眉を歪めて、抽送にあわせて短く喘いで。
 端正な顔立ちが滑稽なほどに歪んで本能のままに目の前の汗ばんだ男の顔を引き寄せる。
「いっぱい、いっぱいになってるんですよ。はあああぁっ! し、仕上のが、私の中でっ!」
 今にも泣き出しそうなほど瞳を潤ませた近すぎる顔に浜面の胸がときめく。
 反射的に唇を重ねると絹旗は嬉しそうに笑いながら顎を突き上げる。
 先ほど飲ませた精液の生臭さを感じ取ったが、興奮しきった浜面は多少の後悔を覚えながらも舌を絡ませて唾液を啜った。
 自分をリードして追い詰めていた少女がこんなにも可愛らしく呻いている。
 その満足感に胸が熱くなる。
 制御不能の炎が股間から心臓から脳みそから全身に広がり浜面を壊して作り変えていく。
 足りない、からだ。
 ―――ぐりゅっ、ぐりゅりゅっ、ぐりっぐりっ
「ひっひゃああっ! はあぁっ やああんっ!」
 ペニスを奥深く押し付けたまま腰を回転させるように捻る。
 大きく膨らんで張り詰めた亀頭をコリコリした子宮口のくぼみに当てていやらしく刺激してやる。
 膣奥をぐりぐりとマッサージされる快感に絹旗が白い喉を伸ばして声を荒げた。
 シーツにさざ波が立つ。
 浜面の尖った顎から落ちた一滴の汗が湿った絹旗の頬に落ちてクラウンの飛沫となった。
「あァンっ! あン、あああンッ! 超、ひどいですッ! こンなのッ!
 やだやだッ! 毎日して欲しいですよッ! 一週間に一回だけなんて、超ずるいッ!
 麦野と滝壺さンはいつもしてもらってるのにィッ ああンッッ!」
 言葉の響きが微妙に変わる。
 首筋に回された小さな手に力が入る。
 もしここで能力を使われたら浜面の首は簡単に落ちる。
 肉体は破裂する。
 ペニスも食いちぎられるだろう。
 それなのに浜面はこれっぽっちも恐怖を覚えない。
 完全に信頼している。
 すべてを捧げているわけでもないのに。
「ワリィ、な。アイツ等大切な時期だからな」
「やだァッ! 私だけハブらないでくださいッ!! 私だってアイテムなのにッ! 私だって仕上が大好きなのにッ!」
 好き。
 こんな簡単な一言を言えなくて絹旗は苦しんだ。
 今だって気軽には言えない。
 でも、だからこそ真剣で本気で。
「俺だって、最愛のことが好きだぞ」
 それなのにこんなにあっさりと。
 嬉しくてしょうがないのに恨めしそうな目で絹旗最愛は愛しい男を睨みつけた。

231 :
 わかってる。そういう男だ。
 そういう男だってことは百も承知している。
 絶対に許さない。
 幸せにしてくれないと永遠に許してやらない。
 絹旗最愛は孤独だった。
 親元からはなされて学園都市に送られ、そして親に捨てられて置き去りとなった。
 そのままモルモットとして暗闇の五月計画の被験者となり、さらには暗部へと送られて人を生業とした。
 別段、自分を不幸だとは思わなかった。
 モルモットとして生き残れなかった存在を知っているし、命乞いをしながら自分によって肉塊にされた人間を作った回数は数え切れない。
 生きている、そのことが贅沢だったし映画を鑑賞するという自由も得た。
 それでも一度暖かさを知ってしまえば自分が田舎の驢馬だったと理解してしまう。
 一度色彩鮮やかな世界を知ってしまえば無味乾燥のあの頃には戻れない。
 だから、責任を取ってもらわなくては。
「はァンッ……ンッ、はァ……ンッ、うンッ、うンッ、もッと、もッとしてくださいッ! 腰がガクガクになッちゃうぐらい凄くしてえッ!!!」
「くっ、はっ、わかったよっ! もう、腰が抜けるまでやってやるっ!」
「はンッ、はあッ、ンンッ! ああ、いいですッ! 気持ち良いッ! はあンッあンあンあンあンッ! めくられちゃッて、ガクガクしますゥッ!」
 貪欲で下品なおねだり。
 見えない炎にあぶられるのを自覚しながら浜面はしゃにむに腰を動かす。
 絹旗のそれほど豊かではない二つの乳房がぷるぷると揺れて頂の桜色の果実が美味しそうに揺れる。
 二人の汗が混じって湿った肌同士がぶつかって、たぱったぱっという音を立てる。
 蜜で溢れた狭い肉穴を容赦なく穿り返す圧倒的な快感に男も女も酔いしれていた。
 ―――ぶじゅぶちゅ、ぢゅぼぼっ!
 狭い膣内に巻き込まれた空気が圧に負けて押し出され愛液を巻き込んで頓狂な音を立てる。
 下品なピストンに色つけするさらに下品すぎる音。
 単純に小さすぎる穴に大きすぎるものが入っている以上仕方のない現象なのだがそんなことは関係ない。
「いやァッ! 超恥ずかしいですッ! いやいやッ! 止まッてくださいッ!」
 興奮ではなく羞恥で顔色を真っ赤にした絹旗最愛が首を振って現実を否定しようとする。
 だが目と鼻の先に居られてはそんな仕草さえも覗き込まれてしまう。
 はしたない音が自分の膣穴から鳴っていることに恥ずかしがっている表情を覗かれて絹旗の脳はあっさりキャパシティオーバーした。
 が、
「恥ずかしいって言っても、可愛いところがきゅうきゅうって締め付けてきてるんだが、な」
 白い歯で笑われて、頭が真っ赤になる。
 オーダーメイドのようなぴったりとした締めつけを堪えるための意地のような笑いだったが絹旗にはそれがわからなかった。
「ぶ、ぶちしますよッ! 絶対すッ! 泣いても喚いても絶対に許しませンからッ!」
 それでも、能力は発動させない。
 危険すぎるとわかっているから。
「んなこと言ったってなぁ、もっとしてくれって言ったり思いっきり締め付けてくるんだから。俺だって堪んないんだぞ?」
 亀頭から根元まで溶けてしまいそうな快感。
 それでも形勢は完全に逆転していた。
 能力も使わずに必にしがみついてくる小さな女の子。
 捨てられるのが怖いと怯えているようで、絶対そんなことはしないと心にさらに刻み付ける。
 シーツに皺を作って身体をくねらせて、長くない髪が額に張り付いて、苦しそうに快楽に耐えて。

232 :
「ああァァッ、そこ、ダメッ! そこダメですッて! ダメダメッ! 浅いところばかりトントンしないでくださいッ!」
 必にすがりつくような肉壁を引き剥がすようにして、上から下へ、指で言う第二関節ぐらいの距離の場所を亀頭で刺激する。
 そこがとても良く感じるということを浜面は知っている。
 恋人たちそれぞれ違う場所だが見せてくれる反応はよく似ている。
 理性のメッキが剥がれ落ちてただ素直に快楽に溺れる顔になる。
「はッ、はあッ、あンッ、あンッ、あンッ! ひあああッ! 超、気持ちいいですッ! トントンが気持ちいいッ!
 ビリビリしますッ! ば、馬鹿になッちゃいましゅよほッゥうッ!」
 絹旗最愛の短い舌が回らなくなる。
 焦点が離れてきてどこか遠い場所を探すような瞳になる。
 それでも浜面から視線を離そうとはしない。
 リズミカルに刻まれるピストンがどんどん大胆なものに変貌していく。
「ひッ―――あッあッあッあああッッ!! ひあ、ひいッ、ひッ、ひいンッ! ひゃあッ、あンッ! ああンッ!!
 仕上ッ! 好き好き好きッ! すごいッ! 気持ちいいッ! 大好きィッ!」
 これまで守ってきた語尾の『ですます』も消えて。
 腰を動かすたびに絹旗最愛の語彙がどんどん短調になっていく。
 嬌声と『気持ちいい』と『好き』。そして『浜面仕上』だけが残って。
 きっとほかに何もいらない。
 代わりというわけではないが膣肉は雄弁なまでに浜面のペニスを絞り上げて求愛のように精液をねだり始める。
 攪拌される小さな肉壺。
 粘液に空気が混ざって白くなってメレンゲのような半固体に変わっていく。
 下品なクリームを塗りつけた入刀に愛らしいケーキは割開かれて赤い肉を曝け出す。
「こンなにすごいの、初めてッ! はあッ、はあッ、ひああッンッ!
 いいよォ、超気持ちいいですよォッ! し、仕上はどうですッ! 私の身体ッ! 気持ちいいですかッ!」
「ああ、めちゃくちゃ気持ちいいッ! 最愛の身体は最高だッ!」
「あああンッ! 嬉しいですッ!! 仕上も最高ですよッ! こンなにすごいの知ッちゃッたらもう元に戻れませンよッ!」
 お互いがお互いを気持ちよくしている。
 その充足感を共有している。
 それが、二人の中のオスとメスを確実に目覚めさせた。
「ふ、ぐぅぅっ!」
「や、なンか、仕上の顔、超、怖いです、ああンッ、はンッ、ここに、きて、本物のケダモノに、ンンッ、なッちゃッたンですか? ひあああッ!」
 揶揄うような響きを持たせながらも瞳が明確に期待している。
 固く閉ざされているハズの子宮口が開いた。
 きゅうきゅうと膣肉がオスの遺伝子を求めて戦慄く。
 ―――どすっ! ごすんっ! ごすんっ! どんっ!
 工事現場の杭打機のように串刺しにするようなピストン運動。
 子宮口を打ち砕くような容赦ない抽送。
 それは痛みすらも伴うものだったが、
「ンはあああッッ! ンきいいいいィィィッ! わ、わらひのが、こわちゃひますよぉおッ! ひッいいッ! くひッ! ンああああああッッつッ!!!」
 快楽は暴力的。
 絹旗は小さな頭を狂ったように左右に振る。
 小さく珠になった汗が飛び散る。
 鼻水が滲んで滂沱の涙が流れる。
 だがそんな絹旗の頭を浜面が両手でがっしりと押さえつけた。

233 :
 視線と視線が絡む。
 何も言われなくても絹旗は顎をあげて唇を突き出した。
 泣きじゃくって呼吸を刻み込みながら、子宮を虐められながら健気にその時を待つ。
「ン……ンンッ……」
 ちゅぱちゅぱという音で唾液を交換する。
 舌と舌を絡めて歯と歯をぶつける。
 幼い膣肉を犯し抜きながら浜面は絹旗の口内をも陵辱し尽くす。
 それだけではない。
 鼻水がでている鼻の穴も耳の穴も眼球だって舐め尽くす。
 絹旗最愛はそのおぞましいはずの行為に何一つ抵抗しなかった。
 大切な男の唾液で顔面をてからせながらますます膣を収縮させる。
 それは完全な隷属でさらなる恥ずかしめを求めていた。
「―――、本当に可愛いな、最愛は」
 全部奪うぞと言わんばかりの声色に幼い小さなお姫様は心の底から微笑んだ。
 ―――ずじゅ、ずじゅ、すごっ、じゅぼっ、じゅぼずぼっ!
「ひああああッ! す、すごいッ! 超すごいですッ! いやいやッ! 壊れちゃうッ! 本当に私のまンこ壊れちゃいますよォおォッ!
 ンひいいィッ!!! ンあああああッッ!!!」
 ただ射精するためだけの前後運動。
 愛液が掻き出される。
 肌がぶつかり合う。
 ベットが軋む。
 二人の影が完全に一つになる。
 単純で卑猥で淫らな光景。
 絹旗の嬌声だけが甘やかに迸った。
 オスとメスの獣が咆哮を上げて交じり合う。
「ひいッ、ひいィィッ! ずンずンしないでくださいッ! 超ずンずンだめェッ! これ以上ずンずンされちゃうと、本当にどうにかなッちゃいますゥッ!」
 浜面の唾液と涙と鼻水とで歪み切った顔で必に懇願する絹旗最愛。
 だが膣肉はきゅうきゅうとしめあげて下品に搾り取ろうとする。
 快楽と、繁殖と。
 本来の機能が完全に動き出してメスの機構が遺伝子を受け入れるように小刻みに戦慄いた。
「あ゛ーッ! あ゛あ゛あァ―ッ!!! いやいやいやッ! 超イッちゃいますッ! すごいの、くるッ! 卵子落ちちゃいますよッ!
 卵子がころがッてくるッ! マジで超妊娠するッ! 仕上の赤ちゃン超できちゃいますよォおォッ!!!」
「ちょ、それは、まだっ! ああ、けどこんなの中に出すしかねえだろっ! 今更外に出せるかっ!」
「はァうッ! はァううンッ! あ、ああッ! 出してくださいッ! 膣内にくださいッ!
 欲しいのッ! お願いだから愛してくださいよォおおおッッ!!!」
 白い喉を見せて背筋を弓なりにして。
 シーツに頭を埋めるようなブリッジで、小さな胸を強調して。
 両手でぎゅっとにぎってシーツが皺くちゃになって。
 そして、溜めに溜め込んだ快感が限界を迎えた。

234 :
 ―――どくどくどくっ!! どびゅ、どずうぅっ! びゅるううっ!! ぶびゅぶびゅびゅっ!!!
「ンひィひいいいいいいっ!!!! イグッ! 超イッちゃひましゅうッッうッ!!!
 ンはああああァァあああァッッ!!! ンぐほおおおおおォォォッ!!!!」
 あどけない顔に似合わないような娼婦のような咆哮。
 ペニスから何もかもが抜け落ちるような壮絶すぎる快感。
 肉体のすべてが溶けてドロドロになって尿道を通って絹旗最愛に注ぎ込まれるようなヴィジョン。
 二発目とは思えないほどの量と濃度。
 小さな膣内でしゃくりあげながらも子宮口を狙って外さない。
 がっちりと腰をホールドしてめいいっぱい飲み込ませ、一番奥を射精して噴出して叩きつける。
 反射的に絹旗の足が浜面の腰の後ろで絡む。
 ぐい、と両足首で腰を引き寄せられてペニスはますます興奮しどくどくという脳裏に響く音を立て続ける。
「ああああ゛ァァァッーーーッ! イクッ! 超イってますッッ! いやァ! こンなの怖いッ! 怖いよォッ!
 離さないでッ! 絶対離さないでくださいッッ!!! 好きなのッ! 大好きなンですよォッ!!!」
 白濁液が鈴口をこじ開けて噴出するたびに絹旗はがくがくと震えて全身を硬直させる。
 ベットがぎぃぎぃと設計以上の動きに悲鳴をあげる。
 それを上回るほどの絶叫。
 痙攣を続ける絹旗は小さな腕で必に浜面にしがみついた。
 能力は使わない。
 使ってしまうことができない。
 こんな頭で何ができるというのだろう。
 怖くて孤独で小さくて、でも大気圏の外まで打ち上げられて世界が小さくなって真っ白でふわふわして。
 そんな絶頂の中で強く抱きしめられたことに気づいて絹旗の不安が一気に氷解した。
 大好きな人の腕の中での絶頂。そう前言葉がついただけですべての色が変わる。
 嬉しくて気持ちよくて最高の気分で。
 心地よくてしょうがなくなる。
 何もかもが考えられない中、ただただ自分の心臓の音と浜面の心臓の音を聞いていた。
「あー、あーっ、ひあああーっ」
 目の前を真っ白にして完全に呆けた最愛の恋人を浜面が強く抱きしめる。
 下品とも言える絶頂顔だったが気持ちは何一つ冷めない。
 熱い子種を打ち付けて悲鳴を上げさせ続けて。
 それでも固さを失わない若い肉塊を突き入れたまま、浜面仕上は突き出された小さな舌を啄んで甘い唾液を啜り始めた。
「えへへ。いっぱい好きって言っちゃいましたね♪」
 ようやく絶頂から帰ってきた絹旗がくすぐったそうにはにかむ。
 抱きしめたままゆっくりとペニスを引き抜くと一瞬遅れて大量の精液がどろりと溢れてきた。
 白いマグマのようなそれがテラウェアのように垂れ落ちてシーツに大きな染みを作る。
「……なんか、超恥ずかしいですが、超もったいないです。せっかくいっぱい出してくれたのに」
 ほかほかと湯気を立てる二人の性器がオスとメスの生々しい匂いに包まれたまま。
 抱きしめ合って見えないけれどもそのことはとても良くわかった。
「ねぇ? 仕上? 私、可愛かったですか?」
「そりゃ、めちゃくちゃ可愛かったぞ」
「じゃあ……ね?」
「ったく、少しは休ませろって」
 娼婦のように淫らに微笑んで、媚を売って。
 優しい目で甘い吐息を重ねて。
 浜面仕上は再び生意気に熟れはじめている少女の肉体にのしかかっていった。

235 :
以上です
最近は「鼻水が出てるのとかエロいんじゃね?」とか怪しい方向にはしってます

236 :
さ、最愛ぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!俺は浜面になりたかった!そう生まれたかった!そんな風に思わせてくれる一品でした!!
怪しい方向にも走っちゃってくだしゃい!タイプミスしました!走っちゃってください!!!

237 :
よし、浜面そこ代われ
ついでに爆発しろ

238 :
絹旗がエロ可愛すぎるwwwwwwwww

239 :
ベツレヘムの星であったことまとめた報告書を提出した途端
いそいそとお赤飯を炊き始めるワシリーサさん
「第一の質問ですが、何故いきなりそのようなモノを作り始めるのですか」
「日本ではね、『女の子になったお祝い』にはこうする慣わしがあるそうよ?」
「第一の疑問ですが、私は日本の慣習には疎く、言っている意味がわかりかねます」
「安心してサーシャちゃん!純潔じゃなくなってもロシア成教を破門にされることは無いわ!
そういう古い慣習を持ちだしそうな輩は前もって私がブチしておいたから!」
「第一の感想ですが、言っている意味がさっぱりです。でも貴女が物凄い変態なことだけはよくわかりました」
「サーシャちゃんの初めてを貰えなかったのは残念だけども、でも割り切って考えれば
これからは性に関してオープンになったとも言えるの!さあめくるめく官能の世界に―――!!!」
ガンゴンバキン
サーシャにはめずらしく、一撃では済まさなかった

240 :
ネタなので軽ーい気持ちで。

 最近俺はふと思う事がある。
 SMってあるだろ? あのサドとかマゾとかってやつ。
 でもあのSってさ、実はサービスのSじゃないかってカミジョーさんは最近思うんですよ。
 だって考えてみてくれよ。
 ただ縛り上げて鞭でぶっ叩かれて喜ぶ奴がいるか?
 いや現実にはいるかも知らないけど、少なくとも俺の周りにゃそんなやつは居ない筈だ。
 なのに……、なのにあいつ等ときたらどいつもこいつも寄ってたかって……不幸だ……。
 事の発端はキャーリサの奴だ。
 あの野郎「2人だけの秘密だしー」とか抜かしたくせに、インデックスの奴に喋りやがって。
 何が「一応筋として前菜には話を通しておいたの」だ。お前はメインディッシュだとでも言いたいのか?
 言いたくは無いが今の生活を守る為には仕方無かったんだ。
 誰が好き好んで女を縛り上げ吊るし上げて喜ぶもんか。
 ああしろだこうしろだ、何故あんなに嬉々としててめえの首を締めあげる様な事が出来るのか不思議だったぜ。
 『王女様』ってのは相当屈折しているんだな、いやあいつだけが特別か。
 兎に角、つかの間とはいえ最悪の非日常からやっと解放される……そう胸を撫で下ろした所に……。
 あの日から、週に1度は玄関先で自縛して転がっていやがる。
 誰がって? インデックスだよ。
 全く何が楽しくて身動きの取れない格好をしているんだか。
 しかも解くなもっときつく縛れと来たもんだから、おかげでこっちも縛縄術をマスターしちまったですの事よ。
 「縛られているととうまにギュッとされている様な気がするんだよ」って。
 きつく縛りながらも極力肌にダメージの残らない様にするのは結構難しいんだぜ。
 あの白い肌だからすぐに跡が残るし、それに無理な恰好のままだとすぐに関節が痛んでくる。それを上手く見極め……あ、いや、それはどうでもいいな。
 そんな感じで始まっちまった2人のただれた関係……じゃあ済まなかったんだなこれが。
 思わぬ飛び火――相手は姫神、風斬、そして、そして……………………………。


 神裂。


 抵抗しろよお前聖人様だろ? 「これでやっと借りが返せます」じゃねーよ。ふ、不幸だ……………………。
 インデックスの奴、家を訪ねて来た奴訪ねて来た奴皆毒牙に掛けていきやがった。
 そして縛り上げた相手を――まるで飼い猫が主人に獲物を見せびらかす様に――俺の前に差し出すんだ。
 「私だけが幸せなんておかしいかも」って言葉に頭が真っ白になった。
 そんな俺が出来たのは、ただ彼女たちが口外出来ない様に……………………。
 嗚呼ちくしょう!! 何であそこでいつものように土下座して丁重にお帰り頂かなかったのかとっっ!!
 彼女たちのあられもない姿を携帯のカメラに収めるインデックスを何で止められなかったんだ……………。


241 :
 それから全てはなし崩しだった。
 ついでに人の口には戸は立てられない事を改めて思い知る。
 姫神から吹寄へばれ、そして何故だか雲川先輩までもが加わり。
 神裂はある日、オルソラと五和を連れて俺を訪ねて来た。
 支配者なのに支配され、傅かれているのに支えている。
 「命令をください」と命令されるこの気持ちは何処へ持って行けばいいのか。
 参考書だ聖書(バイブル)だと古今東西の調教本なんぞ押しつけやがって。
 カミジョーさんはこれでも健全な男子コーコーセーなんでせうよ?
 実は神に誓って申し上げるが一切事には及んでおりません。
 絶対です! 絶対に絶対にぜぇぇぇぇえええええええええええええええええええったいに!!!
 もし万が一にでもそうなったら多分、俺は親に顔向けできない事になると思うんだ。うん、きっとそうなる。
 この不幸の星の元に生まれた俺にただの幸せなんてありえない。
 まあ百歩譲って、口と後ろと、俺自身が持ち込んでかつ十分にチェックしたゴム付きならオッケ……今誰だねとか弾けろとか爆発しろとかいった奴は?
 気のせいか? そうか、疲れてるんだな俺……。
 最近新しい奴れ……、い、いや仲間が増えてな。
 御坂。
 それと何故か白井。
 事の発端は御坂の奴に先ほど話に出た闇の参考書を見つけられたからだ。
 あいつ勝手に人の鞄をあさりやがって……。
 あいつすげーハイテンション……は何時もの事か。
 兎に角、御坂の奴ともしちまった。
 そしてそれを何処で嗅ぎつけたのか白井の奴……あいつは本当に馬鹿と言うか何と言うか。
 「お姉様にした事をわたくしにもしてみてくださいませ」って露払いもいい加減やりすぎだろ?
 そのころには俺もずいぶん腕があがっ……い、いや、あいつの性癖がたまたまマッチングしたんだ。
 それで白井の奴すっかりハマってしまって。
 とそれに御坂が気づいてさあ大変。
 真の意味でもSに豹変した御坂の責めに、真っ向から受けて応える白井。
 毎度ブチ切れた御坂を止めるのが本っ当にしんどい。
 最近白井の奴は他にパートナーが出来たのか、他所で何かしているみたいだが。
 相手は同級の女の子だって言うし、御坂にブッ壊される前に別の道に進んでくれるとカミジョーさんとっても嬉しいんですがねぇ。

落ちなし。すまぬ。

242 :
いやァイイ人生歩ンでやがるなァ三下ァ?俺は無差別アクセロリータとか、豊満好きとか、「俺はお前がミサカの指美味そうに喰ってるとこゼッテー忘れねえ」とか
悪党三昧の日々だぜェ。まァ首ィ長くしてェェェ俺の靴雌犬みてェに舐めじゃくってェ終いには三下ァ「一方通行さまのおちンぽ汁美味しいですゥゥゥゥゥびくンびくン!!」
てェな具合イイ塩梅になれっ日待ってな。

どこ方面にアピールしてんだ自分。最初は「とある少年の独白」の感想を、GJです!輝いてますねカミジョーちゃん!乙ぅ!で済むはずだったのがどうしてこうなった。
>>240-241
ええ感じでおま。まんこまんこまんこ!上条さん末永く爆発しちゃって!!

243 :
>>240
乙ですSMは難しいです
>>242
一方通行は基本的にギャグキャラじゃないかな、と個人的には思ってます
以下、投下します
浜面×黒夜で

244 :
「うーん、相変わらず節操無いサイズなんだけど」
 ベットに腰掛けた浜面仕上の股の間に座った黒夜海鳥は何度目かわからない言葉を繰り返して目を丸くする。
 数えるのも馬鹿らしいほどこの状況は経験しているはずなのに少しも慣れない。
 淫らすぎて単語の方向性がずれているが、新鮮な驚きという言葉が一番近い。
 到底人体の一部とは思えないモンスターは両手でも余る程大きくうどんのような血管を浮き出させて黒光りしている。
 触れている両手が作り物でペニスが生もので、そうあるはずなのだが黒夜の心象では人造物とそうでないものとの感慨が逆だ。
 経験も知識もあっても心象がそうなのだから仕方ない。
 肩口で乱暴に揃えていた髪は綺麗に整えられている。
 露出の激しい黒衣装にパーカーの頭部部分を被っていた不釣合いさを今の黒夜は持っていない。
 三白眼気味の険しい目つきこそ残っているが、険しい顔をしない限り冷たい印象を人には与えない。
 僅かなファウンデーションと薄目のアイライン、ピンクに近い色のリップ。シルバーのイルカデザインのイヤリング。
 もうシャワーで化粧は落としてしまったけれども、今日一日はそれなりに愛らしい格好をしていたのだ。
 小刻みに鼻を動かしながらおずおずとペニスを至極姿はどうにもこうにも絹旗最愛のそれと被る。
 ほんと似てるよなぁ、と浜面仕上は女性に奉仕させている時に別の女性のことを考えるという失礼極まりない思考を繰り広げた。
 確かに一日中歩いたし少々汗臭かった。
 しかしきちんとシャワーは浴びたし身体は隅々まで洗ったのだ。
 匂いなんて残っているわけがないのだが、鼻を動かされるとどうしても気になってしまう。
 うずうずとむずかゆい。
 そう自覚してしまうと勃起がますます固くなった。
「なんかさぁ、ますます固くなってるんだけどぉ。どれだけ変態なのさ、浜ちゃん」
 軽蔑がたっぷりこもった視線で上目遣い。
 揶揄する口ぶりだが瞳に情欲の炎がちらちらと見えていることに浜面は気づいた。
「で、その変態のちんぽ撫でてるのは変態じゃないのか?」
「変態かもね。でもそれって浜ちゃんの責任だかんね!」
 悪戯っぽく、嬉しそうに笑う。
 その笑顔に一瞬心奪われて怒張が跳ね上がった。
「ったく、ほんと節操ないなぁ」
 口ぶりとは裏腹にねっとりとした視線で黒夜がわんぱくすぎるペニスを見つめる。
 そして赤黒く晴れ上がった亀頭に強烈なキスをした。
「どうせ昨日絹旗ちゃんにいっぱい抜いてもらったんでしょ? なのになんでこんなに元気かなぁ。
 タマのなかにはたっぷり溜め込んでるっぽいしさぁ」
「そりゃ、な。今日の黒夜はかなり可愛かったから精巣が張り切っちまったんだろ」
 エロオヤジそのもののような台詞回し。
 だが、可愛いという単語に反応したのか、黒夜が頬を染めて反射的に顔を背ける。
 黒夜海鳥は容貌が整っている方ではあるが、外見に気を使う方ではない。
 少なくともそうだった。
 まともな愛情を受けることもなく暗闇の五月計画の被験者としてモルモットとなり、研究員をして追放され、薄暗い路地のドブネズミのように生きて自身の肉体を改造すらした。
 そうでなくとも置き去りとして親に裏切られた経験が心に深い傷を残している。
 愛される、ということに理解が及ばなかったし、そのために着飾ることに興味を持たなかった。
 だが、半ば強引に試着させられてプレゼントされて、女の子らしい可愛い格好で一日デートをして。
 生まれて初めてといっていいぐらいに黒夜海鳥の今日はときめいていた。
 もちろん、女であることを自覚した日からオシャレに気を使わなかったわけではないけれども。
 浜面仕上の手により浜面仕上好みの女に仕立てられることはこれまでと一線を画していたのだ。
 そんな今日の一日。
 可愛いと何度も言われたが、それでもどうしても嬉しくなってしまう。
 それでもそれを正直に表に出すには黒夜海鳥というキャラクターは少々ひねくれ過ぎていた。

245 :
 だから。
「うっさい、このスケベ。ちんぽビクビクさせながら言われても説得力ないんだよ」
 と、誤魔化してしまう。
 それでも笑って見下ろしている浜面仕上の態度に、完全に見透かされてるな、と黒夜は自覚した。
 でも、それはそれで甘えてしまうのも特権かもしれない。
 舌を伸ばして陰嚢の裏側を舐める。
 そのまま舌の筋肉で持ち上げるも重さと弾力で舌から滑り落ちる。
 それを啜るように唇で引き上げる。
 片方の睾丸を口に含んで転がすように舐めしゃぶった。
 この中で赤ちゃんの素せっせと作ってるんだなぁ、と妙な感心が湧いた後に黒夜は玉筋を一通り唇で挟み込んで刺激する。
 幹自体にはまったく舌は触れていないし、精々指で抑えているだけだが浜面の亀頭がぷく、と膨れて先走りが涙のように尿道口に溜まっていた。
「タマだけでこんなになってるんですけどぉ」
 猫のように目を細めて、黒夜は舌を陰嚢から亀頭へとゆっくり動かしていく。
「ぐ、うう……」
 赤いナメクジが唾液の痕をつけて裏筋を擽ると浜面は切なそうな顔をして奥歯を噛むしかなかった。
「ほうら、れろれろってしてやってるんだぞ?」
 言葉通り陰嚢から亀頭に黒夜は何度も舌を這わす。
 尖らせた舌先でオス臭い肉塊に地震の唾液を擦り込んでいく。
 その姿は幼い子供が額を親の胸元に擦り付ける姿によく似ていた。
 自覚はしていなくてもマーキングと呼ばれる行為。
 無意識が自分のものだと主張している。
 ―――ねろぉ、ちゅる、ちろちろっ、ちゅぱっ……
「うわぁ、なんかスッゲェエロいしクラクラする。女の頭をおかしくする匂いでもしてるのかな?」
 怒張をヒクつかせながら浜面が両手でシーツに皺を刻む。
 血の気がなくなるほど強く握られた指先、肩口から細かく震える両腕。今にも持ち上げてしまいそうになる腰。
 乱暴で自己主張の激しく、それでいて甘え方の知らない少女を己の意思という名目で自分の都合のいいように奉仕させているという構図。
 背徳感が背中で蟻走感となりむず痒い思いが浜面の喉を乾かせていた。
「なんだよ、気持ちいいんならオンナノコみたいにアンアン喘いでみせろよ。なに声我慢してんだよ」
 最近、オンナノコらしさというものを身につけ始めた黒夜だがサディステックな性格はそう簡単には変わらない。
 なにせ、一度責められたら恥ずかしい言葉を何度も言わされているのだ。
 抑圧された嗜虐性は蓋を開ければ爆発的に顕れる。
 とはいうものの、これはこれで甘えていることには変わりはない。
「あ、のな? こっちにも男の威厳ってやつがあってだな」
「何言ってんだが。負け犬上等人生で開き直りのくせに」
 片目をつぶって、口元で笑って。
 黒夜が尿道の先端を舐め上げた。
 舌を尖らせてほじるように、ぐりぐりと、ちろちろと。
 こじ開けるように舌先を回転させると浜面の全身に鮮烈すぎる快感が走った。
 ―――んちゅ、ちゅべっ、べろべろっ、ねろねろねりゅっ!
 心地よい、だが物足りない。
 もどかしさを感じるのは積み上がっていくからだ。
 海水を飲むに似て、求めれば求めるほど乾いていしまう。
 浜面は目の前がちかちかするのを感じた。
 足の指が床を掴むほどに曲がる。
 我慢汁と唾液が鈴口で混ざり合ってシーツに垂れて染みを作る。
 そんな光景を見送りながら浜面はうっ、うっと喉奥で唸った。

246 :
「な、なぁ? それもいいんだが黒夜の口の中に入れてくんないか?」
 哀れみをこうような情けない陳情に黒夜の瞳にねっとりとした炎が走る。
 生与奪を完全に握っているという現状が黒夜の性的以外の興奮を高ぶらせて、それがとてつもなく心地よい。
 なんだかんだで認めて惚れてしまった男が自分に情けを請うている。
 こんなに誇らしいことはなかった。
「にひひひひ。かっわいーこというなぁ。そんなにチュパチュパして欲しいのかな?
 まだ中坊の私に大の男がそんな情けないお願いするのかな?」
「ああ……して欲しいんだ。海鳥の可愛い口でチュパチュパしてイかせて欲しいんだよっ!」
 上ずる声の懇願に黒夜はにんまりと目を細めた。
 そして、かぱぁ……と赤い内側を見せつけるように小さな口を開いて、唇の端に消えない泡を残して。
 かぷぅ。
 とわざとらしいぐらいに咥えこんだ。
「んむぅ……んぷっ、んん……」
「うっ、おおっ!」
 ぴりっ、と浜面がシーツに爪を立てる。
 繊維を切り裂くような音がする。
 破けなかったのは偶然に過ぎない。
 熱い肉で出来た袋にペニスを包まれて、どんという塊のような快感が全身を駆けた。
 黒夜の小ぶりで、それでいてぷっくらとした唇。
 その内側の高い体温の頬肉。
 柔らかで乱暴な舌。
 敏感な生殖器で感じて浜面は一気に呼吸が苦しくなるほどに昂った。
「ふぅー、ふぅー、んふぅ……」
 一方黒夜はみっともないほど小鼻を膨らませて呼吸を整える。
 いくらサイボーグとして心肺機能の強化がなされていても口にこんなに大きなものを咥えさせられては呼吸が苦しくなる。
 それでもにっこり微笑んで浜面を見上げ勝気な顔でゆっくりと顔を前後に動かし始めた。
 ―――んぼっ、ん、んむっ、ちゅぼちゅぼっ、ちゅぶぶっ、じゅぼぼっ!
 時々唾液のローションを溢れ出しながら黒夜がちゅぱちゅぱと浜面の亀頭を飲み込む。
 ペニスの半分ぐらいまで飲み込んだところで一回動きを止め亀頭の傘の部分をねちっこく舌で責める。
 そのまま裏筋に舌を絡ませ、さらには唇で肉竿をしごきつつ時には形のいい歯を立てて痛みを与える。
 もちろん、それは快楽のためのスパイスで本格的な苦痛ではない。
 しかし僅かな痛みがより一層快楽の輪郭をくっきりと浮かび上がらせ、それが浜面を喜ばせた。
「んむっ、ちゅちゅっ、じゅるっ、んん……」
 唾液を飲み込みながら黒夜は舌を動かす。
 やはり浜面仕上のペニスは大きすぎて本格的に飲み込むのは難しい。
 それでも苦痛には強いと自覚している黒夜は気にも止めないと奉仕を続ける。
「んはっ! ―――はぁ、はぁ。ほら、浜ちゃん、大好きなちゅぱちゅぱは気持ちいいかい?」
 流石に苦しくなったのか、黒夜が口を離した。
 そして大きく肩で息を付いて、そして自慢げに浜面を言葉で責める。
 浜面も言われて変に反抗はしない。
「あ、ああっ! 最高だよ、ううっ……!」
 と、素直に情けない顔をして同じく肩で息をついた。

247 :
「にひひひ☆ 浜ちゃんったらすんげぇとろけ顔しちゃって、凶悪ちんぽもびっくんびっくんさせててさ。
 男のくせにそんな顔しちゃって。こっちも興奮しちゃうんだけどぉ?
 もっともっとちんぽ虐めてやんよ。嬉しいだろ、にひひ」
 サディステックな光を瞳に浮かべながら、それでも奉仕することが嬉しくてたまらないと笑う。
 そして黒夜はもう一度口を大きく開けてペニスを飲み込んだ。
 亀頭を吸い上げる。カリ首に巻きつくように舌を這わせる。
 尖らせた舌先で何度も尿道口を刺激し、ペニス全体を唾液で潤かせようと舐りまくる。
 ―――んぼっ、ちゅぶちゅば、ん、ぺろぺろ、れろぉ
 熱心というよりも執拗な口腔奉仕に浜面の目は血走ってしまう。
 喉の唸りを奥歯で噛みし身体を突き破りそうな心臓の鼓動を厚い胸板で抑える。
 黒夜はゆっくりと頭を動かしながら唾液まみれの陰嚢を揉みほぐす。
 粘性の増した口内でペニスを温めながら頭部全体を性器に見立てて前後させる。
 鼻先が浜面の陰毛に埋もれるほど奥にまで飲み込んで唇で強く扱き上げる。
 そうこうしているうちに、黒夜海鳥の目が怪しく光った。
 愛撫を続けたまま浜面の手をとって、それを自分の後頭部へと誘う。
 小鼻をひくひくさせながら誂うような視線で浜面を見上げると浜面は双眸に野卑た色を漂わせる。
「んむっ、ぶむっ、ふむふはふぅん!」
 黒夜の後頭部をしっかりと押さえ、腰を突き動かして。
 浜面仕上が黒夜海鳥の口内に怒張を付き入れた。
 旺盛に腰を叩きつけ、頬肉と喉奥とを犯す。
 ずぼすぼと往復する淫水焼けしたペニス。
 規格外のそれを嵌められて黒夜は小鼻を思いっきり膨らませて苦しげに息を漏らす。
 だがその顔には被虐の快楽の色が強く浮かんでいた。
 サディストの顔をしていたのに一瞬でメス奴隷に変わる。
 その異様な変貌に浜面は興奮を爆発させる。
「んおっ、おごっ! んぶぅっっ! んぼっ、お、んぐはっ!」
「くうっ! 本当に黒夜は淫乱だなっ! たまらないぞっ!」
 うわ言のように漏らしながら快感に浜面は表情を溶かす。
 だが腰使いは弛緩した顔とは違い乱暴そのものでケダモノのように凶悪。
 黒夜の口に性具でもあるかのような容赦ないピストンを加える。
 ―――じゅるるっ、じゅりゅりゅ、ちゅむ、ちゅるりゅっ!
 だが黒夜は苦しがるどころか、もっともっととおねだりをするように浜面の怒張を強烈に吸い上げて締め上げる。
 その右手はいつのまにか自分の股間へと運ばれていてねちゃねちゃとよく響く粘着音をかき鳴らしている。
 乱暴に扱われて興奮を高めているのだ。
 ―――んもぅっ! ふん、ふんっ! ぶ、ふぐっ! ぶむっ! じゅるむむっ!
 幼い膣口からメスの香りを振りまきながら黒夜は浜面のピストン運動を口で受け入れる。
 突き込みに合わせて喉奥まで亀頭を受け入れ、引き抜きに抵抗するように真空になれとばかりに吸引する。
 黒夜の浅ましいほど貪欲な口奉仕は膣穴に勝るとも劣らない快楽を浜面に与えていた。
 あっという間に限界が近づいてくる。
「おおっ! く、もう出そうだっ! いいんか、このままでっ!」
 浜面の震える絶叫を聞きながら黒夜は唇を突き出して甘く鼻息を鳴らす。
 口内で収まりきらなくなった唾液の一部が鼻から溢れ出ていて間抜けな顔になっていた。

248 :
 だが、
 ―――じゅるるっ! ジュルジュルジュルっ! ちゅぶちゅぶちゅぼっ!
 そんなことは関係ないとばかりに強く吸い込む。
 ペニスが根元から引きちぎられそうなほどの強いバキューム。
 その圧倒的な快楽に浜面仕上は太刀打ちできなかった。
「あ、おおっ! 出すぞっ! 出すからなっ!」
「んぶぅっ! ん、む、おぷっ、ごふ、げふっ!」
 ―――どばっ びゅるるっ! びゅ、どぶどぶっ! どくっ! びゅるるっ!
 ペニスが先端から崩壊する。
 神の雷に触れ崩れ落ちたバベルの塔の如く。
 高く高く積み上げられたが故にその崩壊は大きい。
 そして、浜面の快楽と共に爆弾のような射精を口内で受けて、黒夜海鳥が目を回す。
 あまりにも息苦しさに一瞬目が白く回った。
 それでも決壊は強烈に行われ、しかも無意識のうちに浜面が腰を突き入れていて、一番苦しい場所に子種の弾丸が打ち込まれる。
 そうだとしても黒夜は口を離そうとはしなかった。
 鼻の穴に濃厚な精液を逆流させながらも射精させた、という女の絶頂にとろけた呻き声を上げる。
 ―――じゅるる、んぐぐ、じゅぞぞぞっ!
 そしてとろろ芋でも食すかのように雄の汚濁をすすり上げ胃に落としていく。
 黒夜が喉をこくこくと動かすたびに飲みきれなかったザーメンがじわりと逆流した。
 白い鼻水を垂らしているような頓狂な顔。
 その顔をしながら無意識のうちに股間の手の動きを早めぴちゃぴちゃという水音を強くしていく。
 快楽に灼熱した頭で浜面はその音を聞いた。
 理解する。
 溺れそうになりながら黒夜海鳥は絶頂しているのだ、と。
 それは知恵なのか浅ましさなのか。
 そんなことを考えている余裕なんてなかった。
 ―――じゅぞぞぞっ、じゅるるるっ! んちゅうううっ!
「お、おおう?」
 今度頓狂な顔をしたのは浜面の方だ。
 口内奉仕で達したばかりのペニスを強く吸われる。
 尿道に残った残滓を吸い出さんというバキューム。
 射精したばかりの敏感な性器にはそれは強すぎる刺激だった。
 だが半ば意識を失っている黒夜はそんな浜面の都合なんて関係ない。
 ただただ本能の赴くままに搾り切れなかったそれを何度も何度も吸い上げる。
 白濁の鼻水をすすりながら、ふうふうと荒い息を繰り返しながら、そして真っ白になった頭で呆れるぐらいに何度も何度も繰り返す。
 ペニスの表面に白い滑りを一切残さないように。
「んちゅうううっ、ん、ん―――んはぁっ!」
 ちゅぽん、と間の抜けた音と共にペニスが漸く解放された。
 瞳に意識が戻ってきた黒夜海鳥が自分が何をしたのかを、目の前の肉塊をぼんやりと見つめながら理解する。
 最後の最後、半ば奇襲のような奉仕から解放された浜面仕上は快楽で流した大粒の汗を全身に纏ったまま。
 前かがみになるように呆然としたままの黒い小鳥を両腕で包み込んだ。
 けふ、という生臭いゲップの音と共に視線が整い始めた黒夜が抱きしめている浜面に言った。
「えっと、その、ごちそうさま?」
 あまりにも馬鹿げた言葉に浜面は強く抱きしめて引き寄せながら大声で笑った。

249 :
イジョウです
読んでもらえばわかるように絹旗の話と対にしてます
鼻から逆流とか、誰得なんだか

250 :
とっても濃厚

251 :
黒夜ちゃんかわいい


上条×黒夜も期待

252 :
わーい イラマチオだ描写も好きです。黒夜は耐久力ありそうだからわりとできちゃうんだな

253 :
上条×黒夜ってありそうでないよね

254 :
浜面×黒夜いいね
本番wktk

255 :
投下します
黒夜の話の続きです

256 :
「歯、磨いてくるね」
 そう言って風呂場の方へてくてく歩いていく黒夜の後ろ姿を見送って、浜面はベットに横になった。
 白い背中に筆で描いたような艶のある黒髪が映えていた。
 以前はその背中に機械の腕を繋ぐためのジョイントが――肌色のカバーで隠されていたとはいえ――確かにあったのだが今はない。
 一時期、一ヶ月ほど連絡が取れなくなった時に一通り手術して取り除いたのだ。
 一言の相談もなくの突然の行動に驚いた浜面だったが今は納得している。
 強さよりも外見を取った、ということだ。
 女の子らしくてとてもいいことだ。
 生き急いで短く果てる、のではなく堅実に足を踏んで上を見ている。
 黒夜海鳥という少女の中の確立すべき基盤が明確に入れ替わったのだろう。
 両腕が機械で身体を弄ったサイボーグであることは何も変わっていないのだが、最早過去の黒夜とは別人だ。
 その一助に自分が関わっている、と確信することは浜面を酷く満足させた。
「ずいぶんと可愛らしくなったよな」
 誰に聴かせるというわけでもなく天井に向かって言葉を吐く。
 ピンク色の目に優しくない天井は何一つ返事しなかったが、別に構わなかった。
 そのままごろんと転がって枕元のスイッチを適当に操作して有線放送を選択する。
 一昔前の洋楽チャンネルを選曲して浜面は再び天井を見た。
 耳に心地よい音楽のままゆっくり目を閉じる。
 先ほどの射精の残響のようなものが全身に疲労を染み込ませてそれは心地よい。
 まだまだ本番はこれからだがこんな時間もまた乙なものだ。
 浜面は自分が好色だと理解している。
 それでも無節操に女を抱きたいと思っているわけではない。
 やはり、可愛いと心から思う女性を抱きたいし満足させたい。できるのならば幸せにしたい。
 護るために傷つけることができる性格だが、一度護ると決めたものを切り捨てることもできない性格でもある。
 幸い、皆なんとか納得してくれている、或いはその素振りでいてくれるけれども何時までもこんなことができるのだろうかと不安にもなる。
 でも、だからと言って、今の黒夜のように明るい笑顔をするようになった少女たちを手放したいなんて思わない。
 我儘だけれども。
「おまたー。って、なんか渋い顔してるんだけど、どしたのさ」
 ぎし、とベットが軋む。
 視線を遣れば戻ってきた黒夜が華奢なカラダを隠しもせずにしなやかな猫科の動物を思わせるような格好で浜面に覆い被さろうとしている。
 サラサラの髪がするりと降りて視界を遮った。
「いや、俺も好き物だなぁってさ」
「嘘つけ。だったらもっとイヤらしい顔してるって」
「ホントだぜ?」
「嘘だよ。どうせまた自分に自信なくしてたんだろ? いいんだよ、こちとら全部飲み込んで抱かれてんだからさ。
 ほかの連中はどうだかわかんないけど、私は納得してここにいるんだよ」
 見上げると妙に透き通った黒夜海鳥の顔があって、浜面は狼狽する。
 かつてのように濁った闇色ではなく、オニキスのような複雑極まりない透明な、黒。
 文字通り吸い込まれそうな瞳には強い意志の光があった。

257 :
「確かに私はガキだけどさ、今の自分が気に入ってる。科学者たちの玩具やってたときよりししかできなかった時より今の自分が好きだよ」
 黒い女豹のように目を細めて未成熟なカラダを重ねてくる。
 起伏の乏しい胸と尖った顎を胸板に乗せられ浜面の呼吸がわずかに苦しくなる。
 その重さが心地よい。
「浜ちゃんってさ、そういうキャラクターなんじゃないかなぁ。
 基本的に馬鹿でさ、その馬鹿さで人を救うっつうかさ。
 昔の私とか、多分絹旗ちゃんや第四位もそうだったんだろうけど、利口ぶって割り切ったフリして悪事を肯定するわけじゃなくって、
 分かっていても分かる訳にはいかない、っつうのを自分でもわかっていて人に理想を説くというか。
 ごめん、何言ってるか意味不明だよね。
 兎に角、浜ちゃんは『いい人』なんだよ? 私はそれに救われたんだって思ってる」
 自分のセリフがくすぐったいのか、むずがるような顔で黒夜が唇を尖らせる。
 視線が合うと慌ててそっぽをむいて、頬を染める。
 先ほどの淫らすぎる奉仕の姿は何処に行ったのか、不思議なものだと思った瞬間、浜面の股間がむくむくと起きだした。
「あっ……」
 太腿を打つ逞しさに黒夜の口が開いた。
 喉奥にまでそれを飲み込んだ苛烈さを微塵も見せずに乙女のように恥ずかしそうに震える。
 その表情を見て、浜面が黒夜海鳥の望んだとおりに笑った。
 言葉一つ上げることなく抱きとめて上下を入れ替える。
 黒夜は何一つ抵抗しない。
 心の準備は最初からできていた。
「ん……」
 祈りを捧げるように目を閉じる黒夜の頬を優しく撫でて、浜面は彼女が望む通りに唇を重ねる。
 歯磨き粉の薄荷の香り。
 そのまま唇を割開いて舌を滑り込ませる。
 白く形のいい歯を舐め、唇の裏側をなぞり、切なくなって顔を出した黒夜の舌を絡めとる。
 呼吸と呼吸を交換し、唾液と唾液を交換し、鼓動と鼓動を交換した。
 ぴちゃぴちゃ、という価値のない液体の音を呆れるほど繰り返す。
 浜面の胸元に置かれる黒夜の両手が強く握られた。
 華奢な身体の細い肩がますます小さくなる。
 作りものと混じりものの肉体を少女は身悶えさせた。
「……ほんと、ずるいんだからなぁ」
 唇を離したとき、黒夜が恨めしそうに言ったのはこの言葉だった。
「浜ちゃんだけどんどん経験値上げてさぁ。私全然追いつかないじゃん。他の誰かともできないし」
 浜面は苦笑する。
 白く丸い吐息を重ねる唇を再度奪って黙らせた。
「んンッ……」
 黒夜海鳥は心底幸せそうな顔をして受け入れた。
 圧倒的な多幸感に酔いしれながら少女は夢見るように必に甘える。
 したりされたりの世界ではこんな素敵なものは転がってない。
 だから、もう戻れるわけがない。
 浜面もまた小さな頭を抱え、太い指を櫛がわりに黒い髪を梳かすことを楽しんでいる。
 淫乱極まりないほど奉仕するかと思えば唇を重ねるだけで常世に旅立ちそうなほど幸せに笑うこの少女を心底愛しいと思う。
 勿論、だからといってほかの女たちを傷つけられるわけではないのだけれども。
 どうしても心の中で言い訳を重ねざるを得ない青年はその分だけ真摯に感情を込めて唇を重ねる。

258 :
「ん、ちゅ、ンンっ……は、あぁっ!」
 もう一度唇と唇とが離れれば、黒夜の顔はりんごのように真っ赤に染まっていた。
「ねぇ、もっとぉ……」
 鼻に抜ける甘い声に誘われるように浜面は手を伸ばす。
 薄い胸板の上でつんと尖っている紅色の雫を親指の腹で転がしつつそこに至るまでの道筋を舌で探す。
 ゆっくりと身体を下ろしていって香り立つ甘い身体を味わう。
 絹のような真っ白な乳房にクコの実のような赤。
 一口サイズの杏仁豆腐を浜面は一口ですする。
「ひゃんっ! や、いきなりはやだってばっ! や、ンンッ、あんっ!」
 驚いた黒夜を無視して浜面は啜り続ける。
 口の中でふるふると震え波立つ柔らかな肉と生意気に尖っている乳首とを舌で何度も何度も舐め上げる。
 空いた片方も放ったらかしにするわけがない。
 太くてがさつな指を精一杯優しく動かして小さな漣と刺激とを与え続ける。
 腋から続く滑らかなラインを丁寧になぞって、すっと外に消えていく谷間とも言えない場所をマッサージする。
 とくん、とくん、と心臓の鼓動が伝わった。
「なに? や、あんっ! なんか、いつもこんなことしないのに、今日は、優しい、よぉっ!」
 どうしても性感が性器や乳房に限定されている幼い黒夜だったが、興奮しているのか、触れるか触れないかのタッチでくすぐったさよりもゾクゾクするような心地よさを覚え始めていた。
 それを確信しながら浜面は両手の侵略を広げていく。
 丸くて小さなヒップ。
 引き締まった太腿。
 形のいい耳や頬にすっとした顎の下。
 さらには作り物であるはずの両腕や先日まで機械の腕のためのジョイントが備え付けられていた脇腹や背中を撫でられて黒夜は身も世も無いほど切なく泣き悶えた。
「ひゃああっ、ひあ、あああっ、あーっ、あーっ」
 眉間に皺を刻んで、握り締めたシーツにはそれ以上の皺を作って。
 浜面に覆われた狭苦しい空間で頭とヒップを支点として綺麗なアーチのブリッジを作る。
 まだ触れられていないのに秘部はとめどなく愛液が溢れひくひくと男が欲しいとモノ惜しげに口を開いていた。
 そして黒夜海鳥は驚愕していた。
 これまで、何度も何度も肌を重ねてきたし、それがとても良いものだとは理解していたが。
 信じられない。
 敏感にも程がある。
 全身で感じない場所がない。
 たった指一本で、ただの肌に触れられただけで、神経線維に絡みつくような快楽を与えられてしまう。
 それは奉仕し尽くす喜びとは別の、本能が本気で叫びだすような喜びだった。
 同時に自分でも知らない自分をこんなに簡単に引きずりだす浜面仕上という男が怖くなる。
 そしてそれ以上に信仰に近いような愛情が一気に爆発した。
「も、もう限界……だよぉ! 入れてっ! いっぱいしてっ! 全部浜ちゃんのものだからぁっ!」
 もう溺れきっている。
 呼吸する体力もきつい。
 この状況で性器を迎え入れたらどうなるか。
 わかっていても止められなかった。
 一つの形で愛して欲しい。

259 :
「すっかり可愛くなっちまって、まぁ」
 鼻の下をだらしなく伸ばした浜面仕上が鼻息荒く黒夜海鳥を見下ろす。
 決して美形とは言えないはずの顔なのにどうしようもなくカッコよく見えてしまう。
 意志の強い眉、力強い目。太い鼻は獅子を想像させ、にやりと笑う口元には自信が満ち溢れていた。
「……うっさい、誰のせいだよ」
 涙目で反論する黒夜だったがその言葉に意味がないことは自分が一番分かっている。
「俺のせいだよな、やっぱり」
 白い歯を見せて大きく笑う浜面仕上が愛おしくて仕方がない。
 こんな自分にした責任は絶対とってもらう。
 浜面に両膝を割られМ字に開脚される。
 自分の小さな胸越しに見るペニスは先ほど口に含んだ時よりも遥かに大きく見えた。
 何度も受け入れているけれども、その度に不思議に思う。
 見慣れているはずなのにいつもいつも前より大きいんじゃないかと自問してしまう。
 あんまり大きくても辛いだけなのだが自分のために大きくしてくれてるんだと思うとどんな苦痛だろうと受け入れられるような気がした。
 もっとも、いつも苦痛よりも大きな幸せをくれるのだけれども。
 初めての恋とずっと続けたい愛とに震えている黒夜に浜面は己の欲望を当てた。
 ―――ちゅぶっ
 とろとろにとろけている入口に赤黒い亀頭を当てるとそのまま素直にするりと飲み込まれた。
「ひあああっ!」
 白い喉を覗かせて黒夜が絶叫する。
 しとどに蜜をたたえていた膣がサイズ違反のペニスをめいいっぱい飲み込む。
「あううっっっ! おちんぽがお腹いっぱい入って、あうううっ!」
 膣粘膜に熱い肉棒を受け入れて黒夜が譫言のように呟いた。
 一方の浜面はうねりながら吸い付き絡みついてくる膣壁の動きに思わず狂喜の声を漏らしそうになる。
 喉からでかかったそれを奥歯で噛みしながら浜面は思うがままに腰を動かし始めた。
「あうっ、ちょ、ちょっといきなりは、きついってばっ!」
 柄になくしおらしい声で哀れみを誘う黒夜に浜面は腰の動きをセーブする。
「わりぃ、これぐらいいか? こんなもんで気持ちいいか?」
「あ、んんっ、ン――、浜ちゃんの、やっぱりきついよ。おっきすぎるんだよぉ、もう」
 幾分苦しげな顔をして恨み言をいう黒夜。
 痛みには強くとも圧迫にまで強いというわけではない。
 内蔵に圧力がかかる息苦しさは経験しないとわからない。
 それでも僅かな時間のあいだに苦痛の色は溶けていった。
 灼熱のペニスがスローペースのピストンを繰り返すたびに声がだんだん甘くなる。
 ―――ちゅぶ、じゅぶ、じゅぶ、じゅぶんっ!
「ひふっ! あふん、ひゃあ、あんっ……ちょっと、びりびりするよぉ。今の、もいっかいしてぇ」
 チンピラ口調でまくし立てていたのはどこの誰だったのか、と思わざるを得ないほどに女の子らしい台詞で快楽に馴染み始める黒夜。
 浜面はリクエストに応えて膣口から人差し指二関節ほど入った場所を亀頭で軽く突いた。
「ひああんっ! あん、あンンッ! ひゃあッ、や、そこが気持ちいいよォ!」
 涙目で大きく開いた口元から涎を溢れさせて、黒夜海鳥が鳴く。
 奥を力強く突かれるよりはこの場所を重点的に愛された方が気持ちいいのだ。
 腰を掴んで引き寄せながら浜面はますます亀頭でそこを突いた。

260 :
 ―――ちゅぷ、ちゅぶちゅぶ、ちゅるっ、じゅぶ、じゅるんっ!
 ペニスを三分の一程埋め込ませる浅い挿入を浜面は楽しむ。
 挿入するたびに黒夜はまるで楽器のように響いて小鳥のように歌を奏でた。
「あッ!? ひィィンッ! だ、だめッ! そこばッかりッ! ふあァァンッ!
 こ、こンなの、ずッと続けられたら、わらひ、おかしくなりゅッて、ひああァァンッ!!
 ちょ、ちょッと浜ちゃン、一回止めて……あああッ!!!」
 徐々にストロークが大きくなるたびに黒夜の腰が大きく跳ねた。
「くふッ! あはッ! 嘘、こンなのッ! ひあああッ! い、いつもより感じすぎちゃッて……ふああああッ!!!」
「もうキツくないだろ? すっかり柔らかまんこになったぞ」
「う、うッさいッ! ひあああッ! そこはダメだってばッ!!!」
 抽送を繰り返しながら浜面は交わる場所で尖っている赤い蕾に指を触れる。
 産毛がわずかに生えているだけで丸見えのそこ。
 フードを完全に下ろさせて剥き出しにして、ピストンと一緒にぐりぐりと弄った。
「ひあああッ! あーッ! あ゛ーッ!! だめだッてばッ! そこもされちゃうとおかしくなッちゃうッてェッ!!!」
 黒夜はクリトリス派だ。
 膣よりもクリトリスの方が遥かによく感じる。
 恐らくは神経が近い尿道なども感じやすいのだろう。
 そして、今日は全身が完全にほぐされて、膣もいつも以上に感じやすくなっていた。
 このダブル責めは黒夜には強烈過ぎた。
「あ、やあああッ! 気持ちいいッ! 気持ちいいよォッ! バラバラになッちゃうッ! 気持ちよすぎて、おかしくなるッ!」
 黒夜の口から出る『気持ちいい』という言葉。
 黒夜が浜面にそう言わせたがっていたように浜面もまた黒夜にそう言わせたいと願った。
 浜面はより一層興奮して抽送を大きくする。
 膣奥の子宮口がこりこりした入口をわずかに開かせる。
 いつもならば子宮口を強く打たれると苦痛があるはずなのに今日ばかりは黒夜に一層の快楽を与える。
 乱暴者の亀頭にキスするように吸い付いて子宮が子種を強請る。
 自分の身体なのに膣以上にジンジンと疼いてしまう本能に真っ赤になった黒夜海鳥の脳は驚いていた。
 身体が本気で浜面との子供を欲しがっている。
 そう気づいた黒夜は嬉しすぎてボロボロと涙を流す。
 女に生まれてきて本当に良かった、と心の底から思った。
「お、お願いッ! 中にしてッ! 私の子宮に頂戴ッ! 浜ちゃンの遺伝子、飲ませてッ!
 そうされないとだめなンだよッ! もう、身体が欲しがッてて、だめなンだッ!」
 現実問題として妥当ではない。
 黒夜海鳥は年齢的には義務教育を終えていない。
 さらには膣内射精を受けたからといって妊娠するわけでもない。
 内臓を大きく弄っている黒夜の体調は複数の薬物での管理が必要で、その中には月経調整のためのホルモン剤も含まれている。
 そうだとしても、身体に火がついていた。
 弱点を執拗に責められて、女が目覚めて、黒豹のように口を開けている。
 子宮が満足しないと黒夜は黒夜海鳥でいられない。

261 :
「ッ! そういうこと言うと、俺だって、な!」
 浜面の額の汗が鼻の頭から落ちる。黒夜の額で弾ける。
 それがトリガーになって黒夜の足が浜面の腰の後ろに絡みついた。
 大きく足を開いて力強く引き寄せて、逃がさない。
 作り物の両腕。窒素の槍を吹き出す凶器そのものの腕。
 その腕で必に浜面にしがみつく。
 顔を向けて視線で閉じ込めて呼吸を伝えて。
 情欲と情欲とがほどけぬ縄となって一つになる。
 ―――じゅぶっ! じゅぶじゅぶじゅぶっ! ずん、ずりゅうっ! どすんっ!
 緩急の区別なく善悪の区別なく陰陽の境もなく。
 ただただ強引な挿入の音が響く。
 そのたびに黒夜の全身の汗は飛び散りシーツに漣がたつ。
「あッ、あッ、あッ! ひィいッ! ふぐゥッ! やあァッ! あひィィッ!!!」
 挿入前から昂ぶっていた。
 黒夜はどんどん絶頂まで打ち上げられていく。
 むろん、浜面仕上にも限界は迫っていた。
 きゅうう、と陰嚢が持ち上がる。腰椎の辺りにどろどろした塊が形成される。導火線はもうわずかしか残っていない。
 膣肉を蹂躙する肉棒がくわ、と膨らんだ。
 傘開いたカリ首が強引に蜜を掻き出し膣襞を巻き込むように押し込まれる。
 太いワイヤーで形成されたような分厚い胸板と太い腕。
 浜面は本能が命じるまま華奢な少女を抱きしめた。
 サバ折のような姿勢で腰だけをがんがんと打ち込む。
 黒夜は涙をぼろぼろと流しながら食いつくような浜面に最後の懇願をする。
「も、もう、だめ……は、はやくッ! あ、あ、ああッ!」
「俺も、だ。イっていいぞっ! 俺もすぐだからっ! イけよっ! 俺の腕の中でイクんだっ!」
 ―――じゅずンッ! ずむずむっ! どすん、ずぷんっ!
「あ、ああああッ! イクからねッ! イクからッ! 一緒じゃないとやだかンねッ!
 あ、あ、あ、あああッ! ひ、あ、あああッ! こ、こンなになッてるッ! 子宮がきゅうきゅうしてるッ!
 出してよッ! あ、ああああッ!!! イクッ! イッちゃうッッッ!!!!」
 最後の最後、射精のためだけの杭打機のようなピストン運動。
 激しく子宮を揺さぶられて、ついに黒夜海鳥が達する。
 眉と眉を寄せ、ぼろぼろ涙を落としながら小さな口をめいいっぱい広げて歓喜の命の歌を歌う。
 細い身体が細かく震え、そして膣壁が精液を欲しがって切なく食いついてきた。
 まとわりつく無数の襞がぎゅ、と締め付ける感覚に浜面もまた爆発する。
 ―――どくんっ! どぶどぶどぶっ! びゅるるっ! どびゅんっ!
 小さな膣の中でしゃくりあげながら精液を打ち込む。
 ペニスの付け根から情熱のように暗く灼熱のように眩ゆい塊が尿道を割り開いて噴出する。
 まるで放尿のような勢いで幼い子宮に打ち込まれた精液は口開いた内側に飲み込まれていく。
 熱く、どろっとした内液と化学反応のように混じりあって浜面の脳をスパークさせた。
「ぐ、くうっ!」
 マグネシウムの爆発のように目の内側を真っ白に染めながら。
 浜面仕上は戮に酔った漆黒の目をしていた少女を自分の思う形に染め上げようと執拗に精液を打ち込んで際限なく飲み込ませていた。

262 :
「えへへ。なんか今回はめっちゃ気恥ずかしいな」
 事後、上向きに寝転がった浜面の胸元に顔を埋めて黒夜海鳥は指先で『の』の字を書いていた。
 二人の生臭さが部屋に漂ってはいるが全速力で疾走しまくったあとのような心地よい疲労に身を任せているとそんなことは気にならない。
 さらさらの髪を撫でるとくすぐったそうに目を細める黒夜がとても愛らしい。
「あのさ、そのね? えっちするときだけでいいから名前で呼んでいい?」
 とん、と尖った顎を胸板に乗せた黒夜が浜面にそう甘えてきた。
 当然嫌なわけがない。
「いいぜ? んなの当たり前のことだからな」
「そっかー、じゃあ、仕上って呼んでいいんだ、うひゃあ、なんかこんなにびりびりする言葉って人生初めてかも」
 それ以上のことを何度もやってきていながら夢見る乙女のような顔で黒夜海鳥が照れる。
 いや、本来この少女が普通に愛ある両親の元で育って能力なんかに目覚めなくてサイボーグにならなかったら当然のように得ていたはずの幸せなんだろう。
 そう思った浜面はようやく取り戻せたのか、と感慨深げに笑った。
 それに、少しばかりむずがゆいのもある。
 そんな感情に心押されて、浜面は思わず口にした。
「なんか欲しいものとかあるか?」
 今日は既に服を一式プレゼントしたばかりだ。
 大能力者にとってはそれほど高価なものではないが一回の無能力者の浜面仕上にとってはそれなりの痛手だ。
(もちろん黒夜にとっては金額なんてどうでもいいことで、可愛らしい女の子らしい服を選んでくれたことがとても嬉しかったわけなのだが)
 だとしても今の気持ちを何かしらの形にしたいと思った。
「欲しいものか。うーん」
「したいことでもいいぞ?」
「あるんだけど、ねぇ」
「なんだよ、言ってみろよ」
「まぁ、言うだけ言ってみよっか」
 黒夜は上体を起こして浜面の腹の上に跨る。
 まだ渇いていない秘部がくちゃりと音を立てて二人の粘性物が浜面の引き締まった腹の上にどろりと垂れた。
「赤ちゃん、欲しいんだよね。仕上の赤ちゃん」
 何の気負いもないその言葉に浜面は思わず一歩下がった。
 実際に下がれる体勢ではないが気分的にそうならざるを得なかった。
「おいおい、まだはやいだろ。もう少したってからにしろ」
「そりゃわかってるけどさぁ。第四位と能力追跡だけってズルくない? 好きだって気持ちじゃ負けてない自信はあるんだけど」
「少なくとも中学卒業してから、な」
「ろくに通ってないから関係ないと思うんだけどねぇ」
 軽く小首を傾けて頬を指で押して。
 コケティッシュに表情を作るあどけなさとその裏側に明確に存在するメスの顔に浜面は驚愕する。
 これはもう宣言であっておねだりでもなんでもない。
「……十六になるまで我慢しろよ」
「えー、長いよそれはぁ。中三の卒業式ぐらいに出産でいいじゃない」
「あーのーなー」
 現実問題というやつは存在するし、生まれてくる子供への責任だってある。
 しかし誰か一人の女だけを選べない夢想家の浜面はここまで子供を欲しがってくる黒夜のことをうっとおしいだなんて思うことは絶対に出来なかった。
 何よりも、こんなに可愛らしく笑えるようになった少女を愛しく思っている自分を裏切ることはできなかった。

263 :
以上です
後編は絹旗編といろいろ変えてみたり

264 :
      _| ̄|_| ̄|  | ̄|_| ̄|__| ̄|_| ̄|   | ̄|_| ̄|_| ̄|
      |_  _||  | ̄    |  |     |  | ̄   |  |     ̄|
       r┘└へ|  |二コ ┌'|  |二コ ┌|  |二コ ┌'|  |二コ ┌┘
      〈 〈]  ゚,、〈|  | o  ヽ| | o  ヽ|  | o  ヽ|  | o └「 ̄\
      ヽ-ヘ_>ノ_ノ|_|、_ハ/|_|、_八ノ|_|、_ハ/|_|、_ハ/`⊇.ノ
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   /::::::⌒(__人__)⌒::::: \   /::::::⌒(__人__)⌒:::: \   /::::::⌒(__人__)⌒::::: \
, -‐ (_)    |r┬-|     |, -‐ (_)    |r┬-|     |, -‐ (_).    |r┬-|     |
l_j_j_j と)   | |  |     / l_j_j_j と)    | |  |     / l_j_j_j と)   | |  |     /
売上げNO.1のワンピースこそ史上最高!!他作品はゴミ。
初版405万部!!てめーらカスのネガキャンなんて関係ねーんだよwww
これでわかったろ?バ〜カw

265 :
>>263
乙っす。…中坊か。ありがたく。
264は自分の黒歴史ををを(怪

266 :
>>263
基本的に上手いんだけど状況が原作から飛びすぎてて過程がないせいか置いてけぼり感が。
浜面ハーレムの過程を書けというのも無理なのはわかってるんだけれど

267 :
浜黒…いいな

268 :
一応感想を言わせてもらうと、ちょっと辛辣になるので申し訳ないが
「コレジャナイ感」って言うのかな…どっちも浜面と黒夜と絹旗のキャラじゃないだろみたいな
いや、俺個人がそう感じただけなんですけどね
ただ、読み進めて言ってもどうしても浜面SS読んでいる気分になれなかった

269 :
>>268
よろしくお願いします!

270 :
浜面の性格は麦野の乳吸ってたり精液飲まされたりしてるのが素で窒素姉妹の時はちょっと良い兄貴ぶってます
そこらあたりはわざと書き分けてます
こういうコメントでなく作中だけで決めるのが良いんでしょうがまぁそこいらはご勘弁を

271 :
キャラに任せるでなく展開が先にあってあとからキャラを当てはめる書き方によくある結果だな

272 :
自分で書けよもう

273 :
ではまず見本を…と言っても無駄だろうな。
書ける奴はそんな返しはしなーい。
だって書けるもの。
どうです? 否定できる?

274 :
投下します
痴漢とか書いてみたかった
浜面×フレメアで

275 :
 学園都市のバスは無公害仕様となっている。
 大型のバッテリーを積み、無人で操作される、言ってみれば大型のリモコンであるそれは市内の各所を循環している。
 各学校と各寮とを繋ぐ形のバスが多いため、夕方の帰宅ラッシュを過ぎてしまうと一気に本数が減る傾向があった。
(ガラガラってなもんだ)
 その数少ない本数の一本を完全な貸切状態にして、浜面仕上は最後列てあくびをした。
 外の光景はオレンジ色で夜の帳の匂いもする。
 普段はバスにも乗らない浜面だが今回はちょっとした理由があった。
「たまには浜面と一緒に帰りたい。にゃあ」
 そんな、ちょっとした我儘が書かれたメールを今朝方受け取って。
 何分、浜面は既に学生という身分から半分ぐらいは足を引き抜いている状態だ。
 日銭を稼ぐために取得したいくつかの資格は高卒が条件であったため、学校自体に籍は置いているが何かと学校は休みがちだ。
 それにやはり小学生とは時間的に噛み合わないことも多いのだ。
 この時間にバスに乗ったのもメールでの指示である。
「んにしても、フレメアの帰宅ってずいぶんと遅いもんだな」
 誰に聴かせるというわけでもない独り言。
 学校で委員会の仕事があるらしい。
 立派なものだと浜面は感嘆する。
 ふわふわの金髪の、ボリュームのあるフレアスカートを履いている小さなお姫様が頑張っているのは微笑ましいがそれにしても少々遅すぎではないだろうか。
 時間にしては七時を回っている。
 ほとんどのバス停を止まらずに通り過ぎ、フレメアの学校の近くにまでやってきて漸くバスが止まった。
 フレメアの学校の最寄りのバス停。後部のドアが音もなく開くと軽い足取りでフレメアが飛び込んできた。
「にゃあ! 浜面!」
「おう、フレメア」
 目があった瞬間に片手を上げて挨拶を交わす。
 私服の学校なのだろう、いつものドレスのようなスカートと膝上まであるロングタイツに引き締まった脚が輝くように美しい。
 白いブラウスにレース模様のリボンをタイ替わりにしてかつてのフレンダと同じようなベージュ帽を被っている。
 棒きれのように細長い足にうすく肉がついてきているさまはかぶりつきたくなるぐらいに生命力に溢れていた。
 背負ったランドセルをくるりと胸元に持ってきて、フレメアは浜面の隣にちょこんと座った。
「ずいぶんと遅いんだな。なんのイベントがあるんだ?」
 体育祭である大覇星祭も文化祭である一花覧祭も学園都市全体で行っている。
 しかしここの学校での何かしらのイベントぐらいあるのだろう、と浜面は軽く考えていた。
 が。
「なんにもない。にゃあ」
 フレメアは済ました顔でそう答えた。
「へ? じゃあなんでこんな時間に」
「浜面と一緒に帰りたいから、にゃあ。それに、大体この時間なら誰もいないし」

276 :
 フレメアはランドセルを脇に置くと浜面に密着するように身体を寄せる。
 そして徐ろに白いリボンをほどいてボタンを一つ外して胸元を開けた。
「お、おいおい」
 白い肌に薄いブルーの下着が見える。
「この時間は本当に誰もいないんだ。誰もいないの、にゃあ」
 艶やかに色づいた唇をそっと浜面の耳元に近づけて囁く。
 このような状況を望んでいたのか、と察した浜面は驚愕と確かな興奮を感じた。
「おいおい、それじゃまるで痴女だぞ」
「チジョってなぁに、浜面」
 軽く小首を傾けた表情には裏も表も感じさせない。
 ただ本能のままに現状を選択したらしい。
 小さな体をすり寄せて浜面を見上げる。
 浜面はわずかに隙間のあるブラのしたに淡い色の乳首を見た。
 ゴクリ、と唾を飲むとフレメアがさも当然のように浜面のズボンに手を置く。
 浜面のペニスは幼い少女相手に明確に激っていた。
 小さな手が丹念に、そしてなれた様子で陰嚢から亀頭まで暑い生地越しに撫で擦る。
 誰も見ていないとは言え公共の場で幼い少女に性器を触らせているのは浜面に妖しい戸惑いを味あわせた。
「あ、あのな、フレメア。こういうことは人がいる場所でやっていいことじゃ」
「誰もいないって言ってるの。大体、浜面はいつも私の話聞いてない」
「いなくたってダメなんだよ! 公共の場所ではエロいことしちゃいけないんだってば」
「だったら、私みたいな小さい子とエッチしたりするのはもっといけないことだと思う、にゃあ」
 不道徳な興奮を顔に出して、幼いフレメアが浜面を責める。
 やはり緊張はあるのだろう、いつもよりやや辿たどしい指使いで早くも呼吸を荒げ始めている。
「ね? 浜面も触って欲しい。大体触りたいって顔してるもの」
 微笑む姿は淫靡で淫蕩で。
 とても小学生とは思えないほど色香を放っている。
 恐らくは、年上である絹旗最愛や黒夜海鳥を上回るほどに。
 ゾッとするほどに美しい。
「……なにも、こんなところで、さ」
 自分でも乾いた喉だと分かりながら浜面が上ずった声で反論する。
 そんなものなんの意味もないと自分でも気づいている。
 狂気のような甘え方に心の奥底の火を付けられてしまった。
「大体、私は子供だから。普通にやってたんじゃ勝てない。お金もないから、こういうイベント作るしかないの」
 執拗に股間を撫でていた手が離れた。
 そして、ゆっくりとスカートの端を両手でつまむ。
 ふわふわとしたボリュームのあるスカートが巻き上げられるとそこにはあるべきものがなかった。
「ふ、フレメア、お前っ……」
 小さな声で浜面が叫ぶ。
 血色のいい太腿と、その付け根と。
 そして隠すべき布地は欠片ほども見当たらない。
 幼い白磁のような割れ目が何にも守られることなく空気に露出していた。

277 :
 ふわ、と甘いメスの匂いがする。
 浜面は僅かな間、確実に目眩を起こした。
 色白の下腹部、無毛の土手。
 そして無造作に、それでいながら芸術的に刻まれた女陰。
 これまで何度も見てきているそこがバス内という異質な空間で妖艶に香る。
「は、浜面。これ、結構怖いよ。学校でも誰かに見られちゃうんじゃないかってすごくドキドキしてた」
 ぶる、とフレメアの華奢な身体が震える。
 その瞳は大きく緩んで若干視線が歪んでいた。
 今日の一日の大きな興奮の最後の一つの形として浜面にさらけ出したことで精神的に達したのだろう。
 まだ性感も発達していない幼いはずのフレメアは確実に色づいている。
「大体、こういうのがチジョっていうのかな?」
 どんな魔法かどんな仮面か。
 あどけない子供の表情の裏にこのようなハレンチな姿を隠していたフレメアに浜面の首筋が冷たくなる。
 だが引きづられた手が谷間に触れ、ぬるりとした感覚が指先に伝わるとそんなものがどうでも良いと思えるぐらいに脳の中が真っ赤に煮えたぎった。
「にゃあ、浜面が、触ってる……」
 すぅ、とフレメアの目が細くなる。
 母親に頭を撫でられた幼児みたいに安心しきった顔で浜面からの刺激を心待ちする。
 それでいながら艶めかしく上気する頬の色に浜面の何かが音を立てて壊れた。
「触りっこ。大体、浜面のは私が触ってあげる」
 フレメアが自分の帽子を外して浜面の股間に乗せる。
 そして陰になったそこで手探りでベルトを外しジッパーを下ろす。
 窮屈そうに自己主張していたそこが空に躍り出た。
「にゃあ。すっごくおっきい」
 小さな両手が愛おしそうに浜面のペニスを刺激する。
 やわやわと幹を包んで軽く上下に動かし、細い指で輪を作って亀頭の淵に絡める。
 先端の尿道口を人差し指でくりくりと刺激し、親指で尿道配管を軽く押す。
 勿論、強い刺激ではない。それほど激しくはない。
 しかし異常すぎる状況が浜面を著しく興奮させた。
 少女の手慰みに劣情を煽られながらも浜面はフレメアの未成熟な牝筋に指を這わす。
 まくり上げられたスカートの内側、下着を着けていても禁断の場所に無骨な指を毛虫のように動かして遣わす。
 既に淫蜜を含んだ幼い肉谷は固くも柔らかく指先を迎え入れた。
「にゃあ、んン……」
 眉間に皺を寄せ、唇を噛んでフレメアが呻きを耐える。
 それでも悦びの色を顔に載せながら快感に腰が浮き上がった。
 互いの性器を指で刺激し合う二人は変態的な快楽を貪る。
 公共の場で、性器を剥き出しにして、刺激し合う。
 狂ってるとしか言い様のない情景。
 丹念に筋をなぞり生意気に顔を出し始めた淫核を指の腹でなで上げるとフレメアが感極まったように嗚咽を漏らす。
 それを誰かが聞くというわけではないがフレメアは必になって声を押しし続けた。
 それでも、小さく腰をかくかくと動かして肩を震わせる。

278 :
「にゃ、にゃあ。浜面の指、大体、気持ちいい、かも……」
 細かく継いだ呼吸で声は小さい。
 小さいながらも明確に快楽の音階に乗った言葉に浜面の喜悦も増し、ペニスがますます膨れ上がる。
 先ほどの浜面が今の彼を見たらどれほど愚かだと嘆くだろうか。
 すっかり先走りの汁を膨らませたペニスをしっかりと小学生の少女に握らせながら興奮に鼻息を荒くする姿は変態そのものだ。
「う、くっ」
 少しばかりひんやりとする手のひらが扱き上げるたび、浜面が小鼻を膨らませる。
 感動的ですらある心地よい刺激に心臓がばくばくと音を立てる。
 そうして、互いにバスの中であるという現実をしっかりと認識しながらも夢中になって刺激し合う。
 が。
「にゃ、にゃあ。次で降りないと駄目。次が寮に一番近いバス停」
 本格的な刺激が来るか、と浜面が期待し始めた頃、フレメアが慌てて手を離した。
 そして数十秒でボタンを止めてリボンを整え、カバンを胸元に抱えて浜面の股間に置いたベレー帽を被る。
 当然、それでペニスが露出した浜面も慌ててそれをズボンにしまった。
 張り切りすぎていて窮屈だったが、なんとか収める。
 収めながら、ペニスに直に触れていたベレー帽を被ることにフレメアは違和感を覚えないのか、と疑問を持った。
 スカートの裾を直しながら帽子の位置を調整するフレメア。
 すっかり暗くなった外のせいで鏡状になった窓ガラスで姿を確認し、そうして先走り汁で濡れた指先を見せつけるように舐め上げる。
 その姿に新たな興奮を覚えた浜面をよそにフレメアは降車ボタンを押した。
 自動制御のバスが止まる。
 空気が抜ける音と共に後部ドアが開くと浜面とフレメアはバスを降りた。
 バス停の周辺には誰もいない。
 肌寒い夜風が拭いてバスが去っていくと暗い道に二人だけが取り残される。
「にゃあ。寮まであと少しだけど送ってってね、浜面」
 月明かりと街灯の光の中、フレメアが浜面に先立って歩き出す。
 そして月と電気の明かり舞台の元でスカートの端をもってくるりと一周、簡単なダンスを踊った。
 白い肌が晒され、幼すぎる性器が闇に隠されたままの光景が浜面の目に飛び込む。
 そう、寮まではあと少し。
 フレメアの住む寮は集団の寮で完全な個室はない。
 浜面は上がり込むことはできない。
 この、激ったものを開放するのはごく限られたわずかな時間しかない。
 誰もいないとは言え、露出した下半身を空気に晒して恍惚の表情をしている少女を存在するかもしれない視線から庇いたくもあった。
 揶揄っている。弄んでいる。甘え方を間違っている。
 それだけかもしれない。
 それでも、だとしても、だからこそ。
 絆と束縛。英語では何方も同じ単語。二つの境は曖昧すぎる。

279 :

「にゃあ、浜面」
 浜面は幼いフレメアの手を握った。握って引き寄せる。
 小さな華奢な肢体が檻のような太い腕の中に吸い込まれる。
 幼い少女が女の顔で見上げていた。
「こういうの、嫌?」
「嫌、だな。いい気はしない」
「じゃあもうしないよ。しないけど、浜面とふたりっきりの時はするからね? 誰かに見られたりしないときはいっぱい私を見てね?」
「ああ、わかってる」
「いっぱい色んなことしてね? 頑張るから。浜面に応えられる私になるから。にゃあ」
 心臓が早鐘のように音を立てる。
 この少女がろくな価値もない自分を求めてくれていると浜面仕上は感じた。
 同時に、強い庇護欲と独占欲が湧き上がる。
 物事を自分の都合のいいように解釈し、想いを寄せてくれる少女たちを己のためだけに利用しているという自覚が浜面にはある。
 白と黒との混じりあったマーブル模様の濁った欲望。
 その中に確実に脈打つ性欲という獣。
「……浜面、こっちの公園、誰も来ない。清掃ロボットもいないの。約束したばっかりだけど、でも、本当に誰も来ないんだよ?」
 さも予測していたと言わんばかりに。
 フレメアの甲高い、そして囁く小さな声が夜の闇に染みとおる。
 どくん、といううるさいぐらいの心臓の音。
 浜面仕上が抵抗なんてできるわけがなかった。

280 :
以上です
これでリトルリトルプリンセスの歌詞シリーズはオシマイ

281 :
え?
つづきは?

282 :
滝壺さん
出番ですよ

283 :
こういうシチュは大事だな 

284 :
まともなアドバイスに対して「なら、お前は書けるの?」って返していて驚いた
そういうものじゃないだろ……

285 :
三点リーダーの使い方が書き手っぽいけど何に噛みついているのかな?

286 :
そういう場合の対応は二つしかない
無視するかサンプルを見せろ、だ
抽象の正論ってやつは何の対応策にもならないんで
具体的に提示して対応しなきゃわからん
そんでもってエロパロのレベルだったらサンプル作れば発表レベルまで持ってくのはそんなに難しくないだろう

287 :
読者側の意見だろうねそれは
書き手としちゃあそれて読む側からの意見のとして十分につかえるし
読者の感想の大体が抽象的感想だからね
面白かった!エロかった!ってだけの感想が大多数だけど、それだって抽象的感想以外のなんでもないよ
それが理解出来ないってんなら供給者側にまわれるレベルじゃないから辞めちまえよ

288 :
誹謗中傷と批評の区別もつかないなら書き手を名乗るべきじゃないな
少なくとも俺だったらGJや乙でも嬉しいが、まともに読んでくれた末でのアドバイスは
多少辛辣でも本当に嬉しいと思う。

289 :
なんのスレだここわ。

インデックスが整理がこないって言ったのって何の話だっけ?
本人には、初潮きてなさそうだけど
合法ロリ先生は、さすがに生理あるだろうけど
電磁の中学生組みは、どうなんだろうハアハア

290 :
マジな話3才で初潮となったけーすもあるし19才で初潮というケースも一パーセントぐらいあるから
年齢だけじゃわからん
期待値はあってもね

291 :
原作ではイタリア旅行の準備で籐の小箱云々の描写があるんで
来てる説がある
SS速報で初潮きてないのに連日やりまくって云々ってのはあった

292 :
イタリア旅行って14巻だっけ?
今、実家なんで手元にないんだよなあ
シスターズとか周期も一緒だと、準備も大変だろうなあ。

293 :
11巻だな オルソラがいろいろエロかった

294 :
>>291
「初潮きてないのに連日やりまくって云々」
この一文だけで妄想を刺激された
幼さが全面に出されてるインデックス(シスターの自覚あり)に避妊気にせずに色々教えこむ…とかツボだ

295 :
それで思ったけどシスターさん結婚はもちろん付き合ったりできないんだよねー
エロはともかくとしてラブに関してはここらへん突き詰めるの難しいな。
インデックスから結婚とか告白とか言う事自体アウトな感じが。
じゃあ上条さんが言えばって? それこそありえねー
エロパロ的にスルーするとこだろうか。

296 :
キリスト教はともかく、十字教には特に戒律だの何だの厳しい縛りは無いみたいだぞ
何しろトップがいい加減だから、むしろ恋愛でもSEXでも何でも好きなだけやりなさいって感じw
それでもシスターという概念に拘ってる人たちは単に自分自身の貞操観念の問題だな
もっかい言うが、別に上から規制されてるわけじゃない

297 :
ありえねー言い始めたらエロパロなんて書けませんがな
戒律についての描写は原作には殆ど無いな
イギリス清教サイドについては
2巻で、修行中は嗜好品の摂取は一切禁止(守ってない)ぐらい
ローマ正教はオルソラフルボッコ時に
洗礼を受けたローマ正教徒以外との結婚は獣姦罪(アニェーゼ談)
ロシア成教はサーシャがあんな格好でワシリーサがあんなん

298 :
そうなのかー 確かにインデックスは二巻最初はアイスの寄進待ちしてたけど
ラストはポテチ食べたいってせがんでたな。
アニェーゼはどうせ口が悪いだけだし。インデックスからそういう事言うのもアリアリか

299 :
アニェーゼのエロがもっと見たい

300 :
アニェーゼでエロですかぁ。
それじゃあいっちょガチにエログロでも挑戦してみるか。
悪魔討伐か何かに出掛けた先でアニェーゼが悪魔に連れ去られた所から始まって、淫妖蟲ばりに肛門から体内に卵か何かを産み付けられたところで神裂達に救出されて、
最後は聖ジョージ大聖堂の祭壇の前でアニェーゼ部隊+αによる聖水浣腸によって盛大に果てるとか。
そんな感じのを年内に投下するわw

301 :
アニェーゼ、ルチア、アンジェレネはどうしても凌辱向きだな
和姦は描きようがないわ。どうしてもっつったら初春と佐天の如く百合ものにしかなんねえし

302 :
本編でアニェーゼにボコられた上条さんが大多数集まってる場面でS攻めされるとか。

303 :
上条さんとアニェーゼ、ルチア、アンジェレネのラブラブ乱交でいいだろ

304 :
嫉妬でSっ気満載のインデックスさんが上条を調教の方が面白い

305 :
おもしろいと思うのなら書いて投下してくださいよ。

306 :
手間暇かけてとんちんかんないちゃもんつけられるんだったら
ROMに徹した方が楽
自分が楽しくない思いしてまで書きたくない
仕事で書いてるわけでもないんだから

307 :
書き手でもないのが書き手代表気取りで何を騒いでいるのやら。

308 :
>>306
なんかこいつ勘違いしているな
こいつの文面からは「書いてやってんだから褒めるのは当たり前」という驕りしか見えない
お前のしょぼい自己顕示欲を満たすためだけに他のみんなが存在してるとでも思っているのか

309 :
なんでここにいる人たちはブーメラン投げあってるの?

310 :
コメントが面白くない

311 :
>>310が面白いとはこういうことだと見本を見せてくれるそうです
彼の卓越したユーモアセンスに期待

312 :
>>311
脊髄反射コメやめなよ恥ずかしい

313 :
        _人人人人人人人人人人人人人人人_
        > 脊髄反射コメやめなよ恥ずかしい <
       ´ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
            __、、=--、、         __
           /    ・ ゙!       /・   `ヽ
           | ・   __,ノ       (_    ・ |
           ヽ、 (三,、,         _)    /
            /ー-=-i'’       (____,,,.ノ
            |__,,/          |__ゝ
             〉  )          (  )

314 :
ヴァル婚のエロパロとかこないものか

315 :
ショタ萌えお姉さんがショタっ子をイタズラする作品の需要など嗜好が相当限られてるからな

316 :
黒子なり御坂に手を出す前に「こいつは中学生、こいつは中学生」って悩むssないすか?

317 :

土御門「細胞一つから全身再生できるようになったぜよ」
左天「これが『魔女狩りの王』ですかー。ずいぶん冷たいんですね」
初春「ダイヤル式の黒電話で、CIAの行動日程把握余裕でした」
白井「異次元空間に出入りすることができるようになりましたの」
結標「なんか気合い入れたら太陽系外の惑星に着いちゃいました」
婚后「適当にやってみたら台風反らせました」
絹旗「地球に落下した隕石を、窒素装甲で弾き返すことに成功しました」
麦野「原子崩しの試し打ちで、火星を半壊させてしまって申し訳ありません」
御坂「全身完全に電流化できるようになったので、物理攻撃効かなくなりました」
垣根「暇つぶしに月をもう一個作ってみました」
一方通行「銀河系を逆回転させることに成功しちまッた」

上条「…近づいただけで風斬がんだ…」

318 :
>>317
一方通行までワロタ
最後ェ……

319 :
美琴ちゃん対五和さんの上条争奪のセックス対決が観たい。

320 :
五和さんの敵は女教皇さまだけでその他は眼中にないですから・・・

321 :
フリフリスピア

322 :
人がいない

323 :
某スナイパーの如く、実はセクロスが上手い浜面
浜面「…」
麦野「お、男だよっ、あんたは男だよ〜〜〜っ!!おおお〜〜っ!!」

324 :
>>323
イメージしたら目つきと眉毛がエラいことになった……

325 :
疫病神扱いされていたとはいえ、今も昔も上条さんは上条さんだった訳だよね。
じゃあ乙姫がいい例であるように、上条さんの地元にはやっぱり上条さんに惚れた女達がいると思う訳だが、そいつらが上条さんを追っかけて学園都市に来るっていう可能性は考えないといけないんではないですかねえ。

326 :
>>325
乙姫は帰省時に会ってたようだけど
学園都市に来たのは幼稚園の頃に刺されて云々だし
それで追っかけてきたらヤバすぎ

327 :
園児の上条さんが小学生のお姉さんを助けている可能性

328 :
>>323
ゴルゴ調の麦のんや絹旗を想像したらクッソ吹いたwww

329 :
>>328
麦のんの場合、何か劇画に出ても違和感が無い
絹旗「おおお〜〜〜っ、ち、ちくしょうっ、こ、こんなのってあるのォ!!悪魔!!人し!!あああ〜〜〜」
麦野「ちくしょう。な、なんて男なのっ。やめたらすから!!」

330 :
>>327
それでも俺は幼児でも上条さんだと信じる

331 :
昔はAIM拡散力場という異能がなかったので、自分の幸運を全消ししてた
学園都市に来てからは異能があったので、ほんとに若干幸運が戻ったと推察

332 :
ttp://asciimw.jp/info/release/pdf/20121011a.pdf
『とある魔術の禁書目録(インデックス)』(シリーズ累計1,370万部)
『灼眼のシャナ』(同850万部)
『キノの旅』(同770万部)
『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』(同453万部)
『デュラララ!!』(同450万部)
『アクセル・ワールド』(同310万部)
『ソードアート・オンライン』(同620万部)
『さくら荘のペットな彼女』(同136万部)

333 :
>>331
その大半が女性関連に偏ったため、新たな不幸(?)『女難』が発動

334 :
ラッキースケベは幸運ですか? 不幸ですか?

335 :
その事実が常に噛み付きやグーパンや七閃しか誘発していないことを考えれば普通に不幸です

336 :
ラッキースケベからセックスに突入できるなら幸運ですが
反撃を受けるのであればただの不幸です

337 :
ラッキースケベ→反撃→ラッキースケベ→反撃→ラッキースケベ→反撃→ループ
だんだんくんずほぐれつになってきて終いには…

338 :
アニェーゼは上条さんにラッキースケベしても反撃して無いよな

339 :
代わりに周りの249人に袋叩きにされたんで、むしろ被害は一番大きいほうかと

340 :
× しても
○ されても

341 :
え?周りの249人と大乱ラッキースケベ?

342 :
>>341
アニェーゼだけ放置&見せ付けプレイとか、流石は上条さんですね

343 :
上条×湾内 希望

344 :
一度も会ったことの無いキャラ同士の絡みなんか想像できません

345 :
>>344
SSでは読んだことある

346 :
上条さんは誰とでも絡ませられる便利な竿役じゃないんですよ…

347 :
というか読みたいというならまず自分で書いてみようぜ

348 :
絹旗で浜面以外(レズもあり)のエロいのが読みたい

349 :
○○読みたい→お前が書け
一体何万回こんな不毛な繰り返しをするんだお前は?

350 :
世界の神がもしも女だったら上条さんにフラグを立てられてしまうの?

351 :
しゅ

352 :
ーく

353 :
ss書いてみるか!
一方通行×バードウェイとか
需要ありますか?

354 :
>>353のものです
やはり、バードウェイ×上条(ゲス条かも)
でいきます
しばらく用事があるので、11月まつの公開になりそうです
初のssなので、暖かい目で見たいただけると幸いです

355 :
誘い受けは要らない
SS投下するんだったら黙って投下しろ
お前みたいなのが一番迷惑

356 :
紳士はおとなしく全裸で待つべし

357 :
>>355
すいません
初めてなのでルールがわからんのです……

358 :
エロけりゃ嬉しいよ

359 :
がんばって書いてくれ

360 :
あわきんがサラシをキツく締めすぎたせいで、乳首が擦れて感じちゃって、敵に犯される薄い本かSSありませんか?
しかしあわきんの同人誌見かけないよなぁ…せめて原作での出番増やしてよかまちー。

361 :
こぎのんもおっぱい丸出しにしときながら徹底して乳首描かないほどだしな
あわきんについては色々諦めたほうがいい。薄い本も実質黒子本しかないし(あわきんが黒服煽動するやつ)
そんで誘い受けの奴はやっぱり逃げたようだな。これだから嫌われるんだよ

362 :
>>361
一応今月末の発表らしい?のでまあ待ってやろうじゃないか

363 :
このスレって一方通行人気ないよね

364 :
http://ipad.fehot.net//9f0bAlmwa.html
http://ipad.fehot.net//dOSRClmwa.html
http://ipad.fehot.net//lUFhGlmwa.html
http://ipad.fehot.net//fZdOIlmwa.html
http://ipad.fehot.net//vxbsMlmwa.html
http://ipad.fehot.net//T3IIQlmwa.html

365 :
前スレの36スレの>>13及び>>150の者です
しばらくこのスレに来てなかったのですが、新約五巻を読んで
色々クルもんがあったんで久しぶりに書いてみました
やっぱりエロはありません。つか俺にエロは書けないようですがそれでもよろしければ
新約五巻IF話で「雲川姉妹の憂鬱」ってタイトルでひとつ

366 :
11月中旬。木枯らしが吹き抜ける、そろそろ肌寒い季節のことである。
学園都市は現在「一端覧祭」という一大イベントのために大賑わいの真っ盛りであった
そんな中、気忙しそうに雑事をこなしつつ駆け回るツンツン頭の男子高校生が1人。
その高校生――上条当麻はと言えば、10月中旬からこっち、丸々一ヶ月学校をすっぽかすと言う
現役学生にあるまじき所業により、人の倍の労苦を余儀なくされていたわけなのだが、実はその一ヶ月、
彼が実は戦場の皆勤賞を頂く大活躍をしていたことなどは知る人ぞ知る程度でしかなく、
彼を馬車馬のようにこき使う、とある同級生の巨乳実行委員にとってはどうでもいいことなのだった。
しかし、そのような溜まりに溜まった学生の義務のツケを払わされている状況であっても
戦場の出席日数だけは着々と増えていく。このままだと彼の留年はほぼ必至であると言えた。
数々の招かれざる珍客。「魔神になるはずだった魔術師」オッレルス。
目下の敵組織『グレムリン』の武闘派構成員「戦争代理人」雷神トール。
彼らとの邂逅により、様々な経緯があって上条は「窓の無いビル」に囚われたとされる
1人の女性を助け出しに行く運びとなったわけだが――
――その道中。見れば、何やら女子高生と女子中学生が路地道のど真ん中で口論をしている。
一端覧祭中だし、こんな夕方でも市街は学生達で溢れかえっている。
ならばこのような路地でも何人かの学生がいても不思議ではないのだが・・・
あー、面倒だな、このまま突っ切っちゃおうか、と考えた上条は、不意に
その二人の顔に何となく見覚えがあるような気がした。
1人は、上条と同じ高校の制服を着た野暮ったい黒髪カチューシャの少女。
女生徒の冬服の生地は結構厚手であるにも関わらず、その盛り上がった胸は強固に自己主張していた。
もう1人は、長い黒髪を縦ロールにしたメイド服姿の少女。
アキバの電気街で猫耳でもくっつけて歩いてそうな、あからさまにパチモンくさい風貌の少女。
しかしこちらの胸の自己主張はかなり控えめであった。
「………ところで、少々真剣に質問するんだが、東欧で上条当麻にメロメロにされたってマジ?
 もしそうなら、これ以降はドロドロの昼ドラタイムに突入するわけだけども」
「ふっ!風評被害だっ!どこから出てきたんだそんな噂っ!!」
……何やらお取り込み中のようである。
上条はくるりと回れ右をして迂回路を選択した。
カチューシャのほうが何者かをハッキリ理解したが故の行動である。
多少遠回りになり時間も掛かってしまうだろうが、回り道をすれば得られる虎子のために
無用の虎穴に入るほど上条当麻は好奇心旺盛な人間ではない。君子は危うきに近寄らないのだ
「……と、こいつはこんなことを言っているがお前はどう思う上条?詳しく聞きたいところだが」
5mほど離れており、身も隠してたはずだがあっさりと特定されていた。しかもカチューシャ――雲川芹亜はこちらを向いてもいない
背中に目があるかのような不気味なカンの良さだが、それだけでは済まない裏技があると最近になって学習しつつもあった。
ともあれ、名指しで呼ばれて逃げ出したのでは後日どんな目に遭わされるのか知れたものではない。
ここは正直に出て行って、なるべく穏便に手早く短く切り上げてもらうのが最善の策であろうと判断した。
「……あー、こんにちは雲川先輩。こほん。……えっとですね」
ワザとらしい咳払いなどを交えつつ、ゆっくりと雲川のもとに歩を進める上条。
ここで余計な言い訳で回避しようとすれば、この女はすぐにそれを看破して畳み掛けてくる。
それを理解するがゆえに、上条は敢えて誤魔化しを避けた。ここはあくまで直球勝負!!発するセリフは――!
「……すいません雲川先輩!俺今から重大な用があります!先輩に構っていられません!通してください!!」
「却下だ」
一瞬、青春スポ根ドラマかと見紛うほどの熱い勢いで、手に汗を握りつつ斜め45度に全力で頭を下げての男の嘆願に還ってきた回答は実に簡潔だった。
「……………」
しばらく、空間を静寂が支配する。上条は頭を下げたまま黙して顔を上げずに固まったままである。対する雲川は腕組みなどをして不動の構えだ。
「……GO!!」

367 :
嘆願はムリであると判断した上条は顔を下げた状態のまま、スプリント選手のスタートダッシュのように頭から飛び込み姿勢の全力疾走を開始した!
あわよくばこのまま雲川を素通りして逃げ切れないものかと思っての算段だが――
「可愛い奴だな。未だにそんな手が通じると思っているとは」
トップスピードに至らないとは言え、すれ違いざま涼しげに上条の襟首を後ろから片手で掴み、ぐいっと自らの手元に引き寄せる雲川。
猛スピードを急停止させられたことで襟首がきゅうっと絞まり、思わず気が遠くなる上条。
そして、そのまま後ろから上条の顔を覗き込みつつそっと手を回す。
「……あ、あの、『当たっている』んですが」
「…無論『当てている』のだが?何だそれが言わせたかったのか。助平なやつめ」
上条を後ろから抱き締めている形の雲川の胸は、押し当てた上条の背中に突起物で字を描くような勢いで踊っていた
「…違いますよっ!先輩のエロい思考と一緒にしないでくださいっ!」
「その歳で何をウブいことを言っている。お前はエロいことを考えたことがないとでも?
それともお前は、自分がエロいことを知られるのが恥ずかしいと思っているのか。馬鹿なやつめ
お前ほどの年頃の男は須らく性欲が服を着て歩いているようなものなのだ!だからこそエロは悪くない!エロは正義!!
むしろエロを誇れ!俺はエロいんだぞと窓のないビルのてっぺんに上って100回叫んでみろ!!」
「断固お断りしますッ!!」
何が悲しくて学園都市230万人の学生の視線を一身に浴びつつ変態宣言をした上で警備員に逮捕されなきゃならないのだ
後日の新聞のトップ記事を見たらきっと小萌先生も両親も泣くだろう。想像するだに恐ろしい
……もっとも、その窓の無いビルこそが現在の目的地であることを思えば、色々な意味で洒落になっていないのが皮肉と言えば皮肉だが
「全く嘆かわしいことだ。知っているか上条。近年の世界の深刻な少子化。つまりは新生児の出生率の低下とは
世の男どもがお前のような草食化の一途を辿っているからだということを。
それはひとえに危機意識の欠如。生命の危機に瀕しないオスは自分の胤を後世に残すことに関しての積極性が失われるのだ
つまるところ、お前は平和ボケしているがゆえに女性に対してここまでさせてしまっている状況でも肉食の目覚めがだな」
「人を不能みたいに言うな!こう見えても俺だってそれなりに女に対する興味はあるっ!
ていうか世界中の女性がみんなアンタみたいなカマキリ女だったらどんな男も裸足で逃げ出すよっ!!」
「ほほう。カマキリか。上手いことを言うじゃないか。では行為のあとは文字通りの意味で『食べて』しまおうかな?」
「アンタが言うと洒落になんないからやめろっ!」
黒髪の肉食獣は酷薄な微笑を浮かべながら舌なめずりをする。思わずゾゾッと底冷えのするような表情だ

368 :
「まあいいだろう。私はそんなことが言いたかったのではないのだ。場所を変えよう上条。ここでは落ち着いて話も出来ん。
幸い今は一端覧祭の準備中だ。その辺の喫茶店でも腰を据えてゆっくりと――」
「だから、俺はどうしても外せない用があるって―――」
「いい加減にしろぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
そんな掛け合いは、1人の少女の怒声によって寸断された。
最初から目の前にいたが、今まで掛け合いに入るに入れず放置され続けたメイド姿の中学生だ。
「なんなんだお前らさっきからイチャイチャとっ!人のこと忘れすぎにも程があるだろう!
Gめ!!キサマはこの私の前にその男を引っ張り出して何か私に都合の悪いことを聞きたかったのではないのか!!?それはどうした!!」
ともすれば墓穴を掘らんばかりの少女の言動だが、それでも言わずにはおれなかった。
少年との仲にツッコまれるよりも、このまま自分が無視されたままイチャイチャ展開が進み続けることのほうが耐えられなかったのだ。
「……ん?何だまだいたのか愚妹よ。とっくに帰ってしまったものかと思っていたぞ」
「――――――――――ッッッッッ!!!!!!!」
雲川芹亜はニヤニヤしながら、頭のてっぺんを突き破らんばかりの妹の憤慨ぶりを眺めている。
「え、えーと、なんかお忙しそうですしそれじゃ俺はこれで」
もちろん、その間も上条の首に回された両手の力は微塵も揺るがなかった。どうしても離す気はないらしい。
「まあそういうな上条。我が親愛なる妹のたっての要望だ。本筋に戻ってやるから泣いて喜ぶがいい妹よ」
あの、これ以上目の前の中学生を追い詰めないで下さい先輩、あの子そろそろブチ切れて跳びかかって来そうな顔してるんですが、
と忠告したい気もしたが、どうせ聞き入れてもらえないこともわかっていた。
「あ、あの、先輩。わかりました。逃げませんから離してください」
とりあえずここは譲歩の一手だ。食い下がれば食い下がるほど掛かる時間は長くなる。ならば敢えてこの茶番に付き合って
さっさと用件を済ませてもらうのが得策。ならばこの先輩の妹(?)と言う子の介入はむしろ渡りに船と言えた。
「さて上条。早速だが質問をしよう」
ようやく本題に戻ってきたことで雲川妹――鞠亜が思わず身構える
この底意地の悪い姉が何を言い出すか知れたものではないが、何を言おうが全てを即座に否定するための構えである
頭の中では既に目の前の二人が何をどう言ってどういう受け答えをするのか、会話の流れのシミュレートを既に終えていた
「上条当麻」という男の印象がバゲージシティで初めて出会った時とはまるで異なるものであったために若干の修正が必要であったが
事前にたっぷり知識として溜め込んでいた噂話とこれまでの会話だけで判断材料は十分と言えた。
このようなクソ女の姉と呆れるほどに朴念仁の男から導き出される流れとは全て、姉の妄言を彼が否定することで構成される
ならば彼が否定した話の流れに追従する形で二対一で姉を押し戻すのが最善の流れと言えよう。
さあ来いクソ女。第一声は「お前はこいつ(妹)のことをどう思う?」か?もっと突っ込んで「こいつはお前にイカれてるんだとさ」か?
何を言おうが根も葉も無い事実無根なのだ。火種の無い火元から火事は起こらない。存在しない事実などどれだけでっち上げられようが
いくらでも潰せる!!

369 :
「お前実はこいつのことさっぱり知らないだろ?」
「はい」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
一瞬思考が停止した。
待て落ち着け。どんな流れであろうと切り返せるように数百パターンの流れを構築しておいたはずだ。
はずなのだが、それでも言葉に詰まる。言葉が出てこない。これまでのシミュレートを全てちゃぶ台返しされた気分だ。
「よし、改めて紹介してやろう。こいつが我が残念な愚妹、雲川鞠亜だ」
「鞠亜か。よろしくな。名乗り忘れてたかもしんないけど、俺は上条――」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
雲川鞠亜のあらん限りの絶叫が夜の学園都市路地裏にこだました。
「わっ!私は!!あの時からずっとあんな『御伽噺の中の伝説の戦い』が脳裏に焼きついて離れず!
眠ると一日一回はお前の背中が出てきたぐらいのアレだったのにお前は何だ!私のことを覚えていないだとっ!?」
「い、いや、覚えてはいるよ?いるけど状況が状況だったしさ、目の前のマリアン相手にするのに手一杯で
正直お前の顔をロクに見ていなかったと言うかぶっちゃけそれどころじゃなかったというか特にどうでもよかったというか」
「ど、どうでも!どうでもいいだとっ!?私のことがどうでもっ!!?」
「あ、いやちょっと待て。今のは言葉の綾でだな、何と言うのか説明が難しくてだな。」
「聞いたとおりだ妹よ。この男は『お前だから助けたわけじゃない』『その場にいた者が誰であっても良かった』と言うことだ」
全く持って身もフタもないことをスパッと言う雲川先輩。
「正確には、木原加群に導かれてバゲージシティに着いた折、『たまたま遭遇したのがお前だった』ということだ。
自分の運の良さを誇れ妹よ。世界唯一の幻想しの戦いを特等席で拝めるチケットがタダで舞い込んできたのだからな」
「良かったなあ妹よ。ここで挫折を味わったことでお前という女のレベルは確実に上がったぞ
それこそがお前のスタイルであったのだろう?喜べ。心優しき姉がお前の修行に手を貸してやったのだから」
「私はっ!適度にプライドを傷つけて耐性を得られるように鍛えたかったのであって
再起不能になるまで木っ端微塵にしてくれと頼んだ覚えは無いっ!!」
「むう。実は既に再起不能レベルまで行っていたのか。これは度し難いな。まさかそこまでダメージを受けるほどの
メロメロぶりだったとは流石の私も予想外だったぞ」
「っっ………………!!!!!!」

370 :
語るに落ちたという勢いで、完全に絶句してしまう鞠亜。
小刻みに肩を震わせ、目にはうっすら涙まで溜めているありさまである
上条としても流石になんだか居たたまれなくなってきたので、優しく声を掛けてみる
「え、えーっと、鞠亜、だっけ?大丈夫だぞ。俺はあの時のお前の声はしっかり覚えていた。それは確かだ」
直後、ぶちっ!という音が聞こえた気がした
それと同時に、雲川鞠亜の姿が上条の視界から消えた。
同時に、何か下方向から鋭くて尖った硬いものがアゴに直撃した…気がした。
一瞬で吹っ飛ばされたために何が起こったのか正確に把握し切れなかったためだ。
しかし雲川芹亜は見ていた。鞠亜は一瞬で上条当麻の足元まで間合いを詰め寄り、
大地に手をつき、身体を伸び上がらせた上で両足を揃えた逆さ蹴りでアゴを蹴撃したのだ。
「……トドメだったな。色んな意味で」
うわぁぁぁぁ〜〜〜〜ん、と言う声が聞こえてきた気がしたがすぐに小さくなっていった
声の主が全力で彼方の方向へ走り去ってしまったためだ。
「まあ、アレはアレでいいとして」
吹っ飛ばされた上条につかつかと歩み寄り、抱え起こして気付けしてやると
「さて、邪魔者が消えたところで今度は私の本題だが」
「もうカンベンして下さいっっ!!」
   ****
「何だ。結局こっちに来たのかよ。」
第七学区。その廃ビルの一角に佇む金髪の少年は、軽い調子で声を掛けてきた。
「……つか、何があったのお前」
金髪の少年――雷神トールは、戦う前から既に顔を真っ赤に腫らしている上条に、怪訝な顔を向けた。
「うるせえ。こっちの都合だ。それよか、さっさと『用事』を済ませようぜ。
俺はもうこれ以上せない幻想を相手にするのは真っ平なんだ」
上条の脳裏に、腹を空かせた修道服の同居人や勝手に持ち場を離れたことで憤慨しているであろう
カルシウムの足りなさそうな一端覧祭実行委員の顔が浮かぶ。
ともあれ、今はフロイライン=クロイトゥーネの救出が最優先だ。その他は後でぬほど謝り倒せばいい。
今度は出来る傷がアゴだけではすまないかもしれないが、と別の意味で覚悟を決める必要があった。
かくして上条当麻は再び戦地へ向かう。またも、顔も何も知らない縁もゆかりもない女を助け出すために。
そしてそれこそが、上条当麻の形であると自分に再認識させるかのように、その足は進み始めた。

371 :
とりあえずここまでですが、
俺の中では新約五巻P116で警備員詰め所から釈放された上条さんが
トールの元へ向かう間の出来事ってことになってます。細かいところで色々と
齟齬はあると思うけどそこは生温かくスルーしてやってください

372 :
雲川姉妹が壺すぎるww乙
続きに期待してます

373 :
久々に作品が!
雲川先輩容赦ねえー!
GJ

374 :
上条×姫神
短いです。

375 :
 キッチンにある、申し訳程度の高窓から、月影が入り込んできている。
 満月。
 カーテンのない窓は、太陽の反射光を遮らない。
「……」
 夜闇の中に浮かんだ光の道を、布団から半身を起こした上条はぼんやりと見つめていた。
「ん……」
 左手側から、小さく声。
 視線を落とせば、自分が起き上がったせいで掛け布団から肩を出した形になった姫神が、寒そうに眉を潜めていた。
 季節は晩春。
 気温は決して低くないが、温もりを失えば、それを人は寒いと感じるのだろう。
 姫神は右側を下に、胸の前――まるで裸の乳房を隠すように――で、両手を組み合わせるようしている。
 長い黒髪が白い肌持つ肩にかかり、薄明かりの中で艶やかに浮かび上がっていた。
「……」
 しまったな、と彼はそのツンツン頭を掻いた。
 すぐに寝転がると、姫神の頭が自分の胸元に来るようにしてから、掛け布団を引き上げた。
 温もりが戻ったためか、少女の口元にも微笑が浮かぶ。
 暗闇に慣れた目がそれを捕らえ、ふっ、と彼は彼女と同じように微笑んだ。
 週に一回。ないしは、二回。
 適当な口実で禁書目録を担任の家に預け、姫神の部屋で夕食を摂り、同衾する。
 こんな関係になって、3ヶ月だから、もう二桁ほどになるだろうか。
 最初は、一服盛られた。
 次はその件で話があると言われ、押し倒された。
 その次に警戒して行ったら、魔法のステッキとやらで動きを封じられた。
 4回目からにようやく理由を聞くと、ただ微笑まれた。
 以来、恒例でも習慣でもないが、一つの夜として彼の日々に組み込まれている。
「……」
 右手で、姫神の肩にかかった髪を一筋、弄ぶ。
 4回目の時、もしも告白されたり、身体の関係だけでも、などと言われたら、断っていたに違いない。
 前者であれば、心が明確ではなく。
 後者であれば、目に見える破滅の関係を忌避して。
 だがあの時に彼女が浮かべた微笑は、今のような夜の月影に照らされていてもなお、闇に消えていきそうな昏いものだった。
 引き上げられるのは自分しかいない。
 自惚れかもしれないが、そう思ったのだ。思っているのだ。
「……」
 髪一筋から指を離し、丸い肩を撫でる。
 しっとりとした、肌理細やかな肌は、手のひらに吸い付いてきているよう。
 今も、明確な理由は聞いていない。
 それじゃあいけないと思う自分と、話してくれるまで待てと言う自分がいる。
 その迷いを表すかのように、ゆっくりと、ゆっくりと。
 手を、背中側に回す。
「んんぅ……」
 むずがるような声を出す姫神。
 しかし声は不快に歪むことなく、むしろ先ほどまで己が下であげていた嬌声の名残を帯びていた。
 無意識でも拒否のない彼女に喜びを感じ、同時に、彼女の中に吐き出したはずの情欲が微かに動いたのも、感じる。
 背中に回した右手が、円を描いて裸の背を撫でてから、腰に、そして、丸みと柔さに満ちた尻へと滑っていった。

376 :
「んぅ……ぁ……んぁ……んぅ?
 胸の中の少女が半分だけ、目を開ける。
「あ、すまん。……起こしちまったか?」
 返事がくれば、問いそのものに意味はないことを尋ねながら、上条は右手の動きを止めた。
「ん……。うん。起こされた」
 姫神はぼんやりとした口調でそう言った後、ふと、首を傾げた。
「この手は。なに?」
 胸の中から向けてくる視線にも、声にも、険はない。
 ただ単に疑問を投げかけてくるだけのものだ。
「あ〜、いや、その」
 だがそれが逆に答えづらい。
 寝ている間にいたずらしようとしたことを咎めてくれれば、謝って終わるのに。
 しかし疑問だけを与えられては、きちんと答えなければならないではないか。
「……」
 姫神は答えをまっている。
 仕方がない。勝手に触れた、バツだ。
「姫神が、さ」
「うん」
「寝てても、俺の手を嫌がらなかったから。だから、嬉しくて触っちまったんだ」
 頬が熱くなるのがわかる。本心だから。
「……それならなぜ。お尻に手が降りていってたの?」
 もっともな質問であった。
「な、お、起きてたのか!?」
 狼狽して、なぜか汗が背中に浮いた。
 こういう関係であるので、別に多少触ろうが何しようが、というかほんの数時間前には触るどころの騒ぎではないことをしていたのだが、寝込みを、という部分が効いている。
 しかし姫神は、上条の表情と声に、ニヤリ、と唇を歪めた。
 カマをかけられた。
 そう気がついたときには遅い。
「残念無念。上条くんがそんな人だったとは。いくら身体を許していても。寝込みを襲うことはないと思っていたのに」
「いや、それは、えっと、姫神? 俺は別にやましい気持ちがあったわけじゃ」
「上条くんは自然な気持ちで。女の子のお尻を触るんだ?」
「申し訳ございませんやましい気持ちがありました」
 もし身を起こしていたら、そして姫神が胸の中にいたら余裕で土下座していたであろう。
「うん。許してあげる。……でも」
 と、姫神は組んでいた手を解き、そのまま上条の首に回した。
「寝込みを襲った罰。今夜は。もう一度」
 そして上条が反論する前に引き寄せ、唇を重ねる。
 するりと彼の唇を彼女の舌が割り、だが次の瞬間には、彼の舌が絡まった。
 上条の右手は、尻に添えられたまま姫神の身体を引き寄せ。
 上条の左手は、あまり大きくはない姫神の胸を包み込む。
 姫神は両手で彼の髪を撫でまわし。
 姫神は左脚を曲げて、己の太ももを彼の右脚に擦り付ける。
「ん……んん……ちゅっ、んむぅ……ぁむ……」
 そしてお互いの舌は対極図のごとく絡みあい、水音を響かせた。
 理由の見えない闇の中で、それでも相手の温もりを感じ。
 夜が、もう一度始まる。

377 :
以上。不完全な説明を多くして想像させ、さらに短い部分だけでエロスを出してみたかった。
お目汚し失礼。

378 :
GJ

379 :
一服盛る姫やんGJ!!

380 :
GODJOB
こんな良質の姫神SSを見られるとは
どこが影があるのってすごいかわいい!

381 :
>>377GJ!
最初魔法のステッキで殴ったのかと思ってしまったが
そういやたしかスタンロッドだったけか

382 :
「はぁっ……」
 情欲の名残と息切れの残滓を混ぜた呼気を吐きながら、白井はうつ伏せに身を倒した。
 安い枕と、安いシーツと、それなりのベッドが軽いその身を受け止めてくれる。
 キルトもかけないその裸身は、湯気を上げていた。
 情事の直後のシャワー。ビジネスホテルの室温を決めた相手は、低めの気温が好みらしい。
「にゃー、ため息交じりとは、ちょっとショックだぜぃ」
 シャワーを浴びる様子もなく、添い寝する様子もなく。
 精を放ち、ティッシュペーパーで後始末をしてから椅子に腰掛けたままの金髪の男が、言った。
「……今のは自己嫌悪のため息ですの。貴方の手腕に対する不満では、ありませんの」
 頬にかかった髪を、襟元に払いあげながら言葉を返す。
 彼とのコトはこれで3度目。
 だが名前も、素性もしらない。
 ただただ、道で行き会い、そのままホテルに入る。それだけの関係だ。
「男的立場kら言えば、それはそれで凹むものがあるんだぜい?」
「……」
 失礼しましたの、とは言わなかった。
 相手はきっと、碌でもない人種だ。そんな相手に気を使う必要はない。
 そもそも彼の口調に、自責の念は見当たらないのだから。
「ひとつ、聞いてもいいかにゃー?」
「……名前と学校と、能力について以外なら」
 特に用もなく、道を歩く。そのときに纏う衣は、常盤台のものでなく、普通の私服だ。
 髪をといてある。きっと、白井が白井だとわかる者は誰もいないだろう。
「なんで俺と、こんなことしてるんだ?」
 そう問いかけてこた声は、今まで聞いていたふざけた口調とは一線を画したもの。

383 :
「わたくしの敬愛する人が、その意中の方と想いを遂げましたの」
 また下がってきた髪を、掻きあげる。
「その、意趣返しですわ」
「……」
 誰に対しての意趣返しかは、相手は問い返さない。
 ただただ、ため息をひとつ、ついただけだった。
「じゃあつまり、俺は当て馬というわけだにゃー」
「ええ、まさにそのとおりですの。……申し訳ありません、遊びなれているようでしたので、声をかけさせていただきましたが……」
「いや、いいんだぜぃ。おっしゃるとおり、それなりに『そういうこと』には慣れてるからにゃー」
 苦笑する相手。
 それは白井の言葉に対する自嘲だけではなく、まるで『浮気を自戒する男』のようだ。
(……本気の相手がおられるご様子)
 胸の中に浮かぶは、本命とともにある、白井の本命の笑顔。
 辛い。
 だから、身を汚す。
 行きずりの、誰とも知らぬ者に身を任せることで。
 だってこうしなければ、きっとわたくしはおねえさまのあいするひとをころしてしまうから。
 けがれているわたくしは、しめったいしのしたにいる蟲。
 蟲には、しっとなんてぶんふそうおうだもの。

384 :
 白井は身を起こす。
 薄い胸が、フルリと小さく震えた。
「また、もし次に街中で会えたら、お相手願いえますか?」
「時と、事情によるけど――」
「ならばその時に」
 相手の言葉を遮って、白井はベッドから降りる。
 白い裸身は、いまだ未発達。性交渉に向いているとはいえない。
 しかし彼女はそのまま、相手の正面に立った。
「でも」
「?」
「今日はまだ、次ではありませんわよね?」
 首をかしげ、可愛らしく笑みを浮かべる。
 男を誘うように。
 雄に媚びるように。
「……」
 相手は何も言わない。そしてきっと、あざといこちらの仕草も見抜いているだろう。
 ……泣きそうな、喚きそうな、白井の内心も、あるいは。

385 :
 相手が、ニヤリと笑う。
 偽悪的。
「ヤリたいないから、もう少し相手をしてもらうかにゃー」
 伸ばされる手は、薄い陰りの股間に滑り込んだ。
 相手の舌は、薄桃色の乳房に伸びてくる。
(……あぁ)
 ビリリ、と走る快楽。
 しかしそれ以上に、白井の身が味わうのは、名前も素性も知らぬ相手の、真心。
 やさしく、やわらかく、きっとこの人は、愛されないかなしみを知っている。
「ふぅ、あっ、はぁ……」
 指の動き。
 舌の動き。
 そして、心の動き。
 自由に動く両手で、相手の頭を抱きしめながら、白井は鼻にかかるような喘ぎをもらす。
 しかしそのあえぎは、聞くものによっては、泣き声に聞こえたかもしれなかった。
 
 ……かも、しれなかった。

386 :
なに書いてんだそうオレ……。
白井×どっかの誰かさんでした。
エロさって、情事以外でもあるやん、たぶん……。
スレチだったらごめんね。

387 :
まあ時代の最先端が上黒だから異端がでるのもしょうがない乙

388 :
こういうのはむしろ好きだなぁ

389 :
乙です。楽しかったわ。

390 :
吹寄はいるかーーーーー!!

391 :
>>390
考えたけどティンとくるシチュ思い浮かばなかった。
乳と健康と額しかないというか、ただの気の強い女にしかできぬ。
……なんかシチュくれたらねっとり考えるよ。
誘い受けっぽいレスだけど。

392 :
吹寄には一般人という他のヒロイン達には無い個性が

393 :
>>392
 そういや能力も明示されてないしな

394 :
吹寄と雲川先輩が上条さんを奪いあうSSをだな

395 :
>>390
連日の騒動でもいつも元気な上条さんが珍しく疲労状態
学校に遅刻しそうなので走ってやってくるが疲れマラでビンビンになってて走ってるからパンツで擦れてちょっとヤバい
さらに服も結構ボロボロになってて転びでもしたら張り裂けそう
やっと学校に着いた上条さんが廊下の角を曲がるとそこには吹寄が
疲れて避けるに避けられない上条さん
危ないと叫ぶが吹寄は振り向いて何事かと驚くだけ
このままでは衝突してしまうと思い上条さんは仕方ないから吹寄せを抱きガードしながら転ぼうとする
しかし疲労で体が思うように動かない上条さん
吹寄に抱きついたが結局体ごと半分だけ振り向いた吹寄の両乳を両手でがっしりと掴みながら転ぶ
さらに廊下に出っ張ってる柱の部分に引っ掛かって上条さんの限界を迎えていたズボンはパンツごと大破
ビンビンの疲れマラが外に飛び出し上条さんと一緒に倒れ込み服が乱れたためにスカートがめくれ上がった吹寄の尻と太ももに直撃
こちらも走っていたためさんざんパンツで擦れて敏感になっていたため吹寄の尻と太ももの柔肌の感触に思わずイマジンブレイカアアアアアアアアアアア!!

みたいな展開がいいです。その後の展開は何でもいいので任せます。

396 :
間違えました>>391です

397 :
  ●●●ケネディ大統領は何故、なねばならなかったのか?●●●
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398 :
最近知ったんだけど、ショチトルってスタイル良かったんだな

399 :
サンタインデックスのセリフ聞いたらムラムラしてきた

400 :
投下します。
http://red.ribbon.to/~eroparo/sslibrary/t/toarumajutu811.html
上の なんでもない特別な一日 の続きで、上条さんとインデックスが初めてを迎えた後の話しになります。
上記今作共に、原作との時間軸は合わせていません。エロもありますが恋愛部分のほうが多いです。

401 :
貰い切れない贈り物
カーテンの隙間から、細い光が差し込んで薄暗い室内を照らしていく。
目蓋に触れた、ほのかな暖かさと明るさに、上条当麻は閉じた目をゆっくりと開いた。
ぼんやりとした視界には見慣れているようで見慣れていない、自室の天井が映り
横を向けば、よく見慣れた、けれど見飽きることはないだろう、小さな少女が寄り添っていた。
目覚めた上条へ、少女は笑いかける。
「おはようとうま」
「おう、おはようインデックス。起きてるなら、起こしてくれよ」
すでに目覚めていたインデックスは、上条の寝顔を見ていたようだった。
「んー、とうまの眠ってる顔が面白いんだよ」
「なぬっ、覚えてないけど、変な夢でも見てたのかよ」
嘘だった。
普段から騒がしい上条も、眠っている時は静かなものだ。
ただ同じベッドで眠るようになって、インデックスには気づいた事があった。
誰かと争い誰かを守った結果の、傷つき痛々しい姿ではない、上条の眠っている顔を
間近でしっかりと見た事はなかったと。
本人はやり遂げて満足なのかもしれないが、インデックスにとってそれは心配の種だ。
だから朝起きて、上条の安穏とした寝顔を見つめるのは、お気に入りの日課になっていた。
「夢って記憶の整理とか不安の表れだから……もしかして……うーむ」
「嘘なんだよ。とうまはただ眠ってただけ」
どこか別の思考にいっている上条へ告げると、安心したかのようにそうだよなーと呟いた。
「……でも寝ぼけてたとはいえ、こんな朝早くから触ってくるのは、流石に恥ずかしいかも」
「変な夢みるより駄目じゃねえか! どれだけ欲求不満なんだよ俺!」
「それもうそ〜〜♪」
「イ ン デ ッ ク スーーッ!」
横向きに寝たまま、このやろとばかりにインデックスの銀髪を、くしゃくしゃと上条は掻き回すと
きゃーきゃーと黄色い声をあげながらも、されるがまま。
「あ、やりすぎた」
ひとしきり髪を掻き回すと、インデックスの顔は千々に乱れた髪に隠れて
柳の下の幽霊のごとく、見えなくなった。
今度は荒さないよう、手櫛でしっかりと撫で付けると、癖のない髪は緩やかに背のほうへと流れていく。
絹糸のごとき感触を心地よく思いながらも、最後に額を軽く払ってやると
覗く表情は何故だろうか。
どこかうっとりとしており、瞳は宝石にも似た魅惑的な碧の輝き。
(可愛いな)
そう考えただけなのに上条は、ふらふらと誘われるように顔を近づけてしまい
インデックスも応じるかのよう目蓋を閉じて。
触れた唇から柔らかくて、暖かくて、もふっとした感触が伝わってきた。
(もふっ?)
上条が怪訝げに目を開けると、二人の間でスフィンクスが頭をひょこんと出していたのだ。
エアコンが効いていたためか、夜の内から二人の布団に入り込んで寝ていたらしい。
「ってスフィンクスかよ!」
「おはようスフィンクス」
切り替えが早いのか、インデックスは何事もなかったかのように抱きしめる。
スフィンクスは抱かれながらも『おうおう俺がいるからには朝っぱらから
イチャコラ展開なんて許さないぜ。あ、ついでにご飯マダー』
と、前足でペシペシと上条の顔を叩いてきた。
上条は自己主張の強い、ぷにぷにとした肉球の感触を感じながらも、ため息をつくと
しょうがないといった様子で身を起こした。
「飯にするか」
不幸だ、とは言わなかった。

402 :
学園都市の夏休みは今日も騒がしい。
学業と能力開発に追われる少年少女らは、夏の陽気にも負けず楽しそうに道を闊歩していた。
上条もその例に違わず、インデックスと一緒に休みを出歩いている。
「とうまとうま、あそこのお店でケーキを食べてみたいんだよ」
「あれもいいけどよ、そこの駄菓子屋のイカスルメも美味そうだぞ」
「むむ。そう言ってとうまはいつもいっつも、違う食べ物を…………
 なんだか面白いものがいっぱいかも!」
「ほーら、十円の黄な粉お餅だぞー」
街並みから妙に浮いている、狙って作ってるとしか思えないレトロな駄菓子屋へと
インデックスをうまいとこ誘導して、安くすませようと画策していたりもしたが。
そんなこんなで店を冷やかす二人が歩いていると、連れ立って歩く男女の群集に
混じっているのに気づいた。
見ると流れは有名なブランドのアイスクリーム屋へと続いていて、そこは値段が高く
上条は食べるどころか舐めた事もない、通りすがるだけの店だった。
(まずいッ!)
上条は即座にインデックスをどう誤魔化すかと考えるが、それは過剰反応だ。
流石のインデックスだって、値段とお店によっては無理なものは無理と理解している。
常に食欲魔人とは限らないのだ。
「とうま、これなにかな?」
「へっ?」
だから、店頭に張り出されたポスターに、注意を向けた。
『夏イベント!カップル限定!!全品百円!トリプルも百円!!』
カラフルなデザインで大々的に張り出された広告は、普段考えられない低価格で
インデックスを連れた、上条のためにあるかのような値段だった。
「ええとアイスクリームが凄く安くなるみたいだ。しかも三段重ね可」
「三段重ねッ!」
未知の単語に、インデックスの瞳が光って輝きギラついた。
そうと上条が認識した刹那―――
「食べたい! いやっ食べるんだよ!!」
「うおおぉ!?」
即座に魔人化したインデックスによって、抵抗の余地無く上条が引っ張り込まれてしまったのは当然の事だったろう。
買い終わった二人が出てくると、先ほどとは違う所があった。
それは三段に重なったアイスクリームを二人が持っている所と、反対の手が重なっていて
率直に言えば手を繋いだまま、出てきたのだ。
「……だからカップル限定なんだな」
「そうなんだね」
アイスクリームを食べ終わるまでは、手を繋いでいてくださいね。
と、店員に言われては逆らえない。
気恥ずかしいのだろう。
上条はどことなく落ち着きがなく、インデックスもアイスクリームに集中しきれていないようだ。
「ほっとくと溶けちまうぞ」
「う、うん」
食べながら歩く二人の足取りは、どこかギクシャクとしている。
「悪い、ちょっと早いか」
「大丈夫なんだよ」
手を繋ぎながら歩くのに慣れていないため、歩幅が合わないのだ。
それでもしばらく経てば、少しずつ上条とインデックスの歩みが重なっていくのがわかる。
しばらく二人がアイスを舐めながら歩いていると
「ねえねえとうまとうま、私達はカップルなんだよ」
インデックスが嬉しそうに笑いかける。

403 :
「へ?」
上条は意識に無かった事を言われて、生返事を返してしまう。
「アイスクリームを安くしてもらえたんだから、私達はカップルと認められたんだよ」
そりゃあイベントだから当たり前で、アイスクリーム屋に認められる事に意味はあるのかよ。
上条はそう言おうとした所で、ふと気づく。
一緒に寝るようになって、当然寝るだけではない行為を何度もしているのだけれど
カップルだとか、恋人だとかの意識が、何故だか薄いという事に。
関係を一気に深めてしまったためか。それとも生来の鈍感さか。そんな想像に及ばなかったのだ。
思い返してみると、往来で手を繋いだのも初めてのようなもの。
「そうだな。カップル……なんだよな」
なんだか煮え切らない上条の言葉に、インデックスは眉を顰めた。
「む。なにかなその態度は」
「改めて言われると上条さんはとっても恥ずかしいのです」
冗談めかした口調だが、意識してしまうと夏の熱気とは別の理由で、顔が暖まっているようだ。
そもそもデート自体初めての事だった。
よく二人で公園などを散歩しているのは、上条からするとノーカウントで意識の範疇外だ。
「私もちょっと恥ずかしいかも。でもとうまからちゃんと言ってほしいな」
「うぐっ……」
どうやら同じ結論に、インデックスも辿り着いていたようで
さくりと上条のウィークポイントをえぐってくる。
もちろん好きという言葉も、気持ちも、通じ合っている。
しかし恋人という定義では、インデックスの言うとおり少し曖昧だった。
インデックスはじっーと上条を見つめ(アイスクリームはちゃんと舐めながらも)
「別にぷろぽーずでも、いいんだよ?」
「よくねえ! ハードルが山より高く上がってるじゃねえか! こんな街中で言えるか!」
「街中じゃなきゃとうまは言ってくれるんだね。凄く嬉しいかも」
墓穴を掘って上条を叩き落す。
とは言えあっさり言った辺り、上条自身もそういう事なのだ。
「うぐぐっ……」
そもそもシスターさんと結婚できるのか、なんて思いつつも
上条は観念したのか、インデックスに返事をしようとして
「わかった。えっとだな………………その……」
口ごもる。
緊張と勇気を胸のうちに溜め込んだまま、深く息を吸って、息を吐いて。
「俺と付き合ってくれインデックス」
ストレートに告白した。
インデックスは目を瞑り一拍、二拍と余韻まで受け取るように、間を置いて答える。

404 :
「うん……とうま。これからもよろしくなんだよ」
………………しばし上条とインデックスは黙ったまま。ただ二人の顔だけが赤い。
なんとなく見つめ合ってから、なんとなく笑いあったりして。
「うわぁぁすっげぇぇぇこっぱずかしいっ!」
「えへへ私も。だけどとっても嬉しいんだから」
往来の真ん中で大きく叫んだ。
これはこれで恥ずかしい事なのだが、周りもカップルだらけのためか、気にしていないようだった。
「あーもー、世の中の恋人達凄いんだなっ」
上条はそう思う。
告白して受け入れられるというのは嬉しいものだが、インデックスが自分を好きだと
わかっているのに、怖気づいてしまった。
もしそうでなかったとすれば、告白をできるかどうかもわからない。
付き合っている恋人達は、みなそんな難関を越えているのだ。
未だに伝えられない自身の記憶喪失を思えば、情けないとも感じる。
比べるものではないのかもしれないが、受け入れられるかどうかがわからないという意味では、上条にとって同じようなものだった。
「ふふ、じゃあとうまも凄いカップルの仲間入りだね」
「全然凄くなんかねーよ」
「むー。とうまが凄くなるくらいに、もっと言ってもいいんだよ」
「勘弁してくれよ。せめて二人だけの時にだな」
「それじゃあ私から、愛してるんだよとうま…………」
いつのまにかアイスを食べ終えていたインデックスは、背伸びをしながら空いた手をそっと上条の耳元へ宛てがって囁いた。
「ふにゅっぐっ!」
思わず変な声を出してしまう。
初めて言われたわけではないのだが、インデックスが自分の彼女だと自覚していると
より特別な意味を感じてしまう。
上条自身が恋人という関係性について、あまりに初心すぎるためだ。
「とうまとうま。返事してほしいな」
うごーと叫びだしたいぐらい恥ずかしいし、インデックスだけ耳打ちはずるくないかとか
思いつつも、先ほど返事してもらったので
「お、俺もインデックスを愛してる」
どもりながらも答えを返した。
「……うん。返事してもらうのも、嬉しいんだね」
(ぐっ……なんつーか勝てる気しねーな……)
うっすらと頬を赤らめ、ニコニコとしているインデックスはとても可愛らしく、今更ながら上条はそう思うのだった。

「なあ土御門? ボクの目がおかしくなったんかなー
 上やんが銀髪シスターのコと、めっちゃストロベってるように見えるんやけど?」
「いいや、俺の目にも見えるにゃー」
離れた所で恋人を見ていたのは、青髪ピアスと土御門元春だ。
二人でさる所へ向かう途中に、仲睦まじいを通り越してバカップルと
化している上条とインデックスを見かけて、思わず呟いていた。
土御門は普段と変わらない様子なのだが、青髪ピアスのほうは顔色を自前の髪と同じくらい
に青ざめさせ慄いていた。
「か、かみやんはフラグは乱立しても回収はできない、そんな男のはずやろ」
そのはずなのだが、くだんの二人はいかにも恋人っぽく手を繋ぎ、歩いている。
ただ歩いているだけなのに二人一緒なら幸せで、何をしていても楽しいんじゃないかとか
そう思わせる雰囲気があった。一言で言ってリア充。

405 :
「回収しちゃったみたいだにゃー。つうかヤってるなアレは。しかも何度も」
土御門は握った拳の間から、親指を出し入れする下品なジェスチャーをする。
「……!?」
驚き過ぎて青髪ピアスの細い目が微妙に開かれる。
ガーンと書き文字でも背後に出しそうな様子だ。
「……ボクら生まれし日は違えど、捨てる時は一緒だと公園のエロ本に誓ったやろがーっ!」
「お前が勝手に言ってたんだろうが」
実際あったらどんな状況場面なのかと、酷く気持ち悪い絶叫に、つい口調が素に戻る。
上条のほうは当然、記憶喪失前の誓いなんて覚えてはいない。
「大体だにゃー、その誓いとやらをした時にはだな、俺はもう捨て終わってたんだぜい」
いいや捧げたというべきだなと続けて、こちらも微妙に気持ち悪い。
「……!!??」
今度は白目を剥き掛けてて、幽霊より恐ろしげな様子だ。
どれだけショックなのか、身体はグラリと傾き脚はブルブルと震え、悪い病気にかかった獣のよう。
「……………………彼女なん?」
「そんなもんだにゃー」
「ボクだけか……」
しばしの沈黙。
「ウ、ウソやー! ボクの友達がこんなにリア充なわけがないんやっー!!!」
突如叫び出し、カップルの群れを掻き分け、グラグラブルブルの脚で青髪ピアスは走り出す。
嫉妬と悲嘆が凝縮された涙と汗が、きらきらの飛沫となって夏の熱気に散らされていく。
「薄い本買いにいくんじゃなかったのかにゃー………あっ、こけやがった」
青髪ピアスはショックを受けながらも、優しい世界へと向かい消えていった。
ちなみに上条とインデックスは青髪ピアスの奇行には気づかない。
「ついて行ってもいいんだが……やっぱり舞夏に逢いにいくかにゃー。
 あいつら見てたら羨ましくなってきたぜい」
振り返り、青髪ピアスとも上条とも違う道を歩む土御門は、色々な意味で愛している
義妹の元へと確かな足取りで、向かって行った。
「それじゃいってくる」
「いってらっしゃい、とうま」
翌日の朝、食事を終えたばかりのインデックスは、寮の部屋を出る上条の後について見送っていた。
「ああ―――ってオマエご飯粒ついてるぞ」
「わわわっ」
頬についた一粒を上条が手にとって、何の気なしに口へ含む。
見送る様子はまるで新婚のようだが、今一歩インデックスのほうはカッコがつかないようだ。
食事も上条が作ったものだし。
見えなくなるまで手を振っているインデックスが、背後からの足音で振り返ると
由緒正しい、クラシックなメイド服を着た少女がいる事に気づいた。
「あ、おはようなんだよ。まいか」
「おー、おはようインデックス。上条当麻を送っていたんだなー」
インデックスと同い年くらいの少女、土御門舞夏は、どうやら二人を見ていたようだ。
「とうまは学校の補習を受けるんだって」
「兄貴も上条当麻も、勉強ぐらいちゃんとしないとなー」
義兄である土御門元春も、補習を受けているので知っているのだ。

406 :
「なーインデックス」
「なにかな?」
「上条当麻と付き合っているのかー」
突然の言葉に、小首をかしげていたインデックスの顔が強張る。
「な、ななななにを……」
「前に見たときとおまえら全然違うんだなー。メイドの目は誤魔化せないぞー。
 上条当麻はやたらと幸せそうで、インデックスはなんか色っぽいぞー」
インデックスは恥ずかしそうに自分の身体や顔を触った。
言われても、自分では違いなどわからない。
そもそも朝っぱらからイチャイチャしてる様子を見れば、想像できる事だ。
「えっとね。昨日、とうまと恋人になったんだよ」
「おー。おめでとうインデックス」
恋人になったのは昨日なのにヤリまくり(義兄から伝聞)というのはちょっと不思議だが
舞夏はあまり気にならないようだった。
嬉しそうなインデックスの様子を見て、うんうんと頷いてる。
「好きな人とぎゅーっとしてるだけで幸せだもんなー」
「うん―――ってあれ?」
インデックスは実感の篭った言葉に頷いた後、不思議そうに舞夏を見る。
舞夏と話したりご飯を作ってもらったりはするものの、浮いた話なんて聞いた事がないのだ。
インデックスのほうも、恋愛話を振ったりなんてしないしできない。
「実はだなー、私も好きというか、付き合ってる人がいるんだなー」
むしろ言いたかったのだろうか、どこか興奮しているかのようにウキウキとしていて
普段のマイペースな舞夏とは、少しばかり様子が違っている。
「兄貴なんだけどなー」
「………………それはその、すっごく危ない関係かもっ」
「だろー」
何故か嬉しそうに答える舞夏に、インデックスは手を祈りの形に組んで驚いていた。
土御門兄妹が義理の兄妹で、仲がいいというのは知っているが、恋人だなんて想像したこともない。
なんと言えばいいかわからなくて、黙ってしまう。
「私の周りには彼氏持ちがあんまりいないから、インデックスに色々聞いてみたいんだぞー。
 インデックスも私の話に興味があるんじゃないかー?」
「うーん。少しだけ気になるのかも……」
そこはインデックスも女の子。惹かれるものがあった。だがしかし
「それで、上条当麻とはどんなエロい事をするんだー」
いきなりの言葉に、インデックスの顔が林檎へと染まる。
舞夏は世の中の女性と違わず、そういった話が大好きだったりする。
ただ少しばかり禁断とか背徳とかが、枕詞につくドロドロな展開を好むほうで
上条とインデックスにはそういった要素が薄いので、より直接的な話を選んだのだった。
学生寮には似つかわしくない、シスターとメイドの間に長い沈黙が続く。
「そうだなー。言いづらいよなー」
こくんとインデックスは頷く。
「じゃあ私から言うから、その後にインデックスの番だからなー」
「ち、ちょっとまってっ」
「最初はご奉仕だなー。兄貴がメイド好きだから、いつもしてあげるんだぞー。
 裸になってる兄貴の前に座って、じっーと上目使いに見上げてやるとだなー。
 興奮してる兄貴のが、おっきくなってきて……っんむ」
「まってまってまいか! 駄目なんだから!」
インデックスがまいかの口を塞ぐ。
なにせ朝の学生寮だ。聞いてるだけで恥ずかしいし、そんな話をする場所ではない。
「なら部屋で話すかー」
「そういう問題じゃないんだよっ」
「そっかー。でもインデックスも知っておいたほうがいいかもしれないぞー。
 色々としてあげて喜んでくれると、こっちも嬉しくなってくるんだぞー」
「えっ」
そう聞くとつい関心を示してしまう。
インデックスだって、上条が喜んでくれるなら嬉しいのだ。

407 :
(……それに喜んでもらった事ってあったかな?)
考えてみると、何かをしてあげて喜んでもらった覚えが無く、むむと唸った。
流石に自分がいるだけで、とうまは喜んでくれるんだよ、なんて言うほど自信過剰ではない。
インデックスがただそこにいるだけで、周りの人が何かをしてあげたくなってしまう
という意味では、実質そんなものだったりもするが。
「とうまも喜んでくれるのかな?」
「相手がご主人様じゃなくてもだなー。誰かに喜んでもらえるスキルにかけては
 メイドの右に出るものはいないんだぞー」
頼もしさすら感じる言葉にインデックスは
「じゃあ頑張ってみるかもっ!」
と、小さな握り拳を両手でぐっと構えて宣言する。
「おし、お茶でも出すから家で話すかー」
家主不在の土御門の部屋へ、インデックスを伴って舞夏は入っていく。
ちなみにメイドの職務にエロいご奉仕は当然含まれておらず、舞夏が話したり聞いたり
したいだけだと、インデックスは最後まで気づかないようだった。
そして時は流れ夜中。上条家で二人と一匹は夕餉を囲んでいた。
「今日は学校で、青ピの奴が落ち込んでておかしかったんだよな。
 にかけて生気がないつーかよ。土御門はほっといてやれとしか言わないし」
「ふーん……」
インデックスはなんだか上の空。
握った箸をもそもそと口に動かしているだけで、食事にも会話にも、集中していないように見えた。
(うーん、料理失敗したっけな)
食べる時はいつも楽しそうなインデックスの、テンションの低さに、上条は疑問を感じた。
別段失敗はしていないし、そもそもなんでも食べてしまうインデックスだから
ちょっとやそっとでは気にしないはずなのだが。
口数が少ない部屋に、テレビの音とたまに、スフィンクスの鳴き声だけが響いていた。
そうして食事を終えようとする頃
「あ、そうだとうま。お風呂入れてあげるね」
何かを思いついたかのように、インデックスは立ち上がってお風呂場へ向かう。
「んー、大丈夫か?」
「これぐらいはできるんだからっ」
家事スキル0で、現代社会に適応してなさげなインデックスも
水道の蛇口を捻るぐらいは当然できるし、自動販売機でジュースだって買える。
いつかは電子レンジだって、扱えるようになるかもしれないのだ。
インデックスが風呂場に入り、上条が食器を洗っている最中、熱っ、冷たっ、など聞こえてくる。
「ちゃんと栓閉めろよー」
「あ……わ、わかってるんだよっ」
出てきたインデックスが妙に濡れているのは、お湯を出したまま身を乗り出し栓を閉めたためだろう。
それでも一応は成功したようだった。
「ほいっ」
「むー。そのわかってるみたいなのが、ちょっと許せないかも。でもありがと」
上条が用意していたタオルを渡すと、インデックスがむくれる。
予想通りに濡れてしまったのを、少しだけ悔しく思いながらも服を拭いていた。
「まだかかるからゆっくりしてろって」
お湯が張り終わっているか、何度も確認に戻るインデックスを制止していると洗い物が終わる。
まだうずうずと落ち着かないインデックスを尻目に、十数分ほど上条は待ってから
「できたぞ。先に入っていいんだよな」
「い、いいんだよっ」
何故だかまだ落ち着きのないインデックスの様子に、上条は首をかしげながらも
風呂場へと入っていった。

408 :
すくったお湯で何度か身体を流して、上条は湯船に浸かる。
気持ちよさそうに目を瞑って、風呂を堪能していると
「とうま」
硬い響きで外から呼びかけられた。
「んーなんだー」
風呂場に反響する間延びした声は、リラックスしているのがよくわかった。
「わ、私も一緒に入るんだよっ」
「へっ?」
戸がガラリと開いて、裸にバスタオルを巻いただけのインデックスが姿を見せた。
修道服のためか、日焼けをあまりしておらず、元々白い肌が、日焼けした上条と比べると
驚くほど映えて見えた。。華奢な手足と肢体は、よく食べるわりにはバランスよく整っており
青みがかかった銀髪と幼い容貌が相まって、どこか妖精めいた印象がある。
けれども緊張と恥ずかしさをはらんだ表情で、怒っているかのように上条を見つめている
様子はどこにでもいる、女の子の顔だ。
「とうま!」
「はい!」
ぐっと溜めを作ってから、怒鳴るような響きで呼ばれ、動揺した上条は声を裏返し返事をする。
「身体を洗ってあげるんだよっ!」
「はいっ?」
突然過ぎて理解が追いつかなかった。
なんてことはない。
舞夏と話していて、上条が喜んでくれそうなものを行おうとしただけだ。
根掘り葉掘り、インデックスの赤裸々な話を聞いていた、舞夏曰く。
「インデックスは受身なんだぞー。喜んでもらうなら攻めの姿勢でいかないとなー。
 難しく考えなくていいから、触られて気持ちいい所を逆にしてあげるといいんだぞー。
 兄貴だったら、コスプレとか服装を変えてあげるのも大好きだなー。
 でも堕天使エロメイドコスを持ち出した時は、ぶん殴ったけどなー」
メイドさんには、どうやっても譲れない矜持があるのだ。
そうして義兄にも似た悪乗りが、インデックスを風呂場へと導いたのだった。
そんなわけで浴室の中、背のインデックスから発せられる圧力に、上条は微妙な緊張を
感じつつも椅子に座り、身体を洗ってもらっていた。
「き、気持ちいい?」
「……ああ」
泡のついた丸っこいスポンジで、撫でる程度の力で背中を擦られているが
唐突な展開で、あまりスムーズな流れとはいかないようだった。
「腕あげてほしいんだよ」
左腕を洗ってくれていると、タオル越しの慎ましやかな膨らみが横目に映る。
むくむくっと腹の下から何かこみ上げるものがあった。
明るい灯の下で裸を見たこともあるのだが、恋人だと思えばやはり感じるものが変わってくる。
(触っちゃダメかなー、でも洗ってもらってるしなー)
そんな益体もない事を考えていたが
「……あのね。私はとうまから貰ってばかりなんだよ」
「貰って?」
インデックスを見ると真剣な顔つきだ。
「うん。とうまと一緒に暮らしてて、私からは何もしてあげられなくて貰ってばかりかも。
 その……彼女だし、まいかみたいにご飯作ってあげたりしたいけど
とうまみたいにできないから……何かをしてあげたかったんだよ」 
泡立ったスポンジが、背中を撫ぜる感覚が心地いい。
「あーだからこれか」
「うん」
合点がいって安心したのか、上条の緊張が和らぐ。
「らしくねーし気にしすぎんなよ。得手不得手があるのはしょうがないだろ。
 食器持っててくれたり、たまに掃除もやってくれてるじゃねえか。
 今はできなくても、いつかできるようになればいい」
インデックスは色々とできない事が多かったり、食っちゃ寝してたりもするが
何もしないというわけでもない。
実際できるかどうかはともかくとして、完全記憶能力のおかげもあって覚えるだけなら完璧だ。

409 :
「大体だ。俺だってインデックスと暮らしてて楽しいし、貰ってるんだよ。
 あげてばかりなんかじゃねえ」
上条に言わせれば、インデックスの『貰ってばかり』は全くの見当違いというものだ。
記憶を失い、悲しませたくなくて、失っていない振りをして。
貰うという言葉を、そのまま返すのならば、あの日あの瞬間、上条当麻で無くなった少年は
インデックスから上条当麻である事を貰って、生まれ落ちた。
上条当麻で在りたいと。心からそう思えた。
上条にとってインデックスは、自分自身で在るがための、寄る辺になった灯火なのだ。
インデックスがもしもいなかったならば、実感も何もない、上条当麻という肩書きだけが手元に残っていただろう。
貰ってばかりだと言われても、上条のほうこそ貰いすぎて、何をあげればお返しになるのかがわからない。
「……だからそういう言い方はしないでくれ。悲しくなってくる」
でも、真実は言えなくて短く告げた。
いつかきっと、言えるチャンスがあるかもしれない。
今日もまた、そう言い訳をして、勇気なく見送ってしまう。
「…………ありがと。とうま」
呟き、時折するようにインデックスは、上条の頭へ顎を乗せて、抱きしめる。
「ぅぉっ」
足元にタオルが落ちて、濡れた素肌が背中にぴったりと触れた。
そんな場面ではなかったはず、と思いつつもボディソープで摩擦ない肌の触れ合いは
酷く刺激的で、泡に濡れた指先が、肩辺りに触れただけで声が勝手に出る。
恥ずかしそうにインデックスは俯くが、身体は触れ合ったまま。
「とうま。正直に言ってね。……もしかしてこういう風にしたほうが気持ちいい?」
インデックスが頭に載せていた顎を下げながら、上条の耳元で囁いた。
そうすると、淡くも確かに柔らかい胸が背中をくすぐり、抱きつくような体勢で
触れられると思考の挟む余地もなく、上条は頷いてしまう。
「そうなんだね……」
耳元の囁きは酷く甘い。
鈴を転がしているような、インデックスの声音がじっとりとした熱を帯びる。
汗ばんでいるためか、普段は意識しない少女の匂いが鼻腔へと広がっていく。
小さな手の平が、胸板にそっと触れた。
「ぅっ……」
ぞくっとする、でも不快ではない感覚に上条は歯を噛み締めた。
背後から抱きしめられたまま、身体の前面を無頓着に撫でられている。
それだけで不思議なほどに感じてしまう。
「とうまの身体……すごくたくましいかも……」
じっくりと触れた事など無かったのだろう。
インデックスは陶酔するように呟き、いとおしげに抱きしめると上条は身じろいだ。
引き締められた肉体は意識して鍛えたものではなく、誰かのために奔走していて作られたものだ。
今は誰かのためではなく、恋人であるインデックスの手の内にだけあった。

410 :
「こっちもしたほうがいいんだよね……」
「うっ、インデックス……」
下がった両の手が、上条自身へと触れられて切なげな声が出てしまう。
鼓動のように脈打ち、硬く主張するモノを、小動物でも撫でるように優しく触る。
やわい手の平と、泡の層に包まれたそれがびくびくと震えている。
「すごく、熱いんだよ……気持ちいい?」
「ぁあっ……」
手で扱かれる初めての経験に、上条はうわごとのような返事を返す。
(恥ずかしいけど…………まいかの言うとおりかも……)
同じく初めてのインデックスが、舞夏に教えられたやり方は拙いものだが
優しいその手つきは、技術以上の快感を上条へと与えていた。
まるで、気持ちよくしてあげたいという思いが、上乗せされているかのようだ。
背後から抱きしめ、伸ばされた両手がモノを握ったまま、上下に動かされると
小さく細い指から、濁った音とともに快感が引き出されていく。
上条は与えられる快感を味わいながらも、インデックスの手が己のモノを扱く様を見て、ドクンと鼓動が鳴った。
あろうことか、組まれた両手は食事の時や毎日の習慣で行っている、祈りの形に
似たものになって、上条のモノを握っているのだ。
意図的なものか、それともやりやすいようにやった結果、そのようになったのかは上条にはわからない。
けれどもシスターのインデックスから、そのようにしてもらっている背徳感と
見慣れた日常が勃起した自身に重なっている光景に、いやがおうにも興奮を煽られる。
組んだ両指がきゅっと軽く圧を加えてきて、白い泡粒が指の隙間から滲み出た。
優しすぎるくらいの力だが、潤滑油となった石鹸の滑りと、肌の柔らかさはそれだけで
気持ちがよく、インデックスが両手を動かすたびに、ぴったりと張り付いた身体が上下に揺れた。
「こう、してるとね……私も気持ち、いいかも……」
背中に熱い吐息が触れて、すべすべとした肌と小粒の乳首が擦れているのがわかる。
インデックスが、体重を乗せてくるように抱きつきながらも上下に扱く。
泡が攪拌されぐじゅぐじゅと浴室内で鳴り響く。
「もう、出そ、うだ……」
「わかったんだよっ」
上条の呻くような呟きに嬉しそうに応えて、擦る速度が増した。
手の上下動だけではなく、身体全体で愛撫するかのように大きく揺れながら続けられる。
竿を擦り扱かれる上条の腹の中に、もう一つ心臓があるかのよう、疼きが何度も脈動する。
何かを堪えるよう、無意識に力が脚に篭り、鼓動が股間へと集中していく。
「う、あぁっ……!」
ある一線を越えた瞬間、小さな手の中で上条は昂ぶったものを爆発させた。
「わっ……!」
「そのまましてくれ!」
別の生き物のようにインデックスの手の中で、何度も動き暴れ回るモノに驚いて
手を離そうとするが、上条は自らの被せて押さえる。
重ねた手の上から、前後に擦って絞り出すように放出を続ける。
震えのたび、撃ち出されるような白濁が手の中を汚していく。
数秒の射精ののち、ため息をついた上条が股間を見ると、インデックスの掌中は
固形物のような白い塊でいっぱいになってしまっていた。

411 :
「わ、わりぃ。今すぐ洗ってやるから」
気持ちがよすぎて、インデックスの手を使うような形で射精をしてしまった。
身を退けて蛇口をひねり、シャワーからお湯を出そうとする。
「……なんかもったいないかも」
「な、なんでだよ」
「だって、とうまが気持ちよくなってくれた証なんだよ」
インデックスは誇らしげに両手を胸元に掲げた。
これが綺麗な水などであれば、ある意味絵になる図かもしれないが
生憎と手の上のものは、発散された男の性そのものだ。
「んー? せーえきってなんか変な匂いだよね」
「―――もったいなくありません」
「あっ」
インデックスが匂いを嗅ごうと顔を近づける前に、シャワーで洗い流す。
ほんの少しだけ、眼前の光景がエロいとか思わなくもない上条だったが
罪悪感と背徳感と恥ずかしかったりとで、水で流すしかなかった。
そういうものが、興奮に繋がっていたのは見ない振りだ。
「ぶー」
「ほら汚いから石鹸で洗えよ」
「汚くなんかないんだよ」
「俺には汚いんだよ」
不承不承ながらも、インデックスは言うとおりにシャワーで手を洗う。
先に洗い終えていた上条は、風呂椅子に座り足元に落ちていたスポンジを拾った。
(気持ちよかったよな……)
ぎゅっと握ると泡がもこもこと膨れてくるのが、先程の行為を彷彿とさせるものがあって
一度出したばかりだというのに、まだまだ欲求は膨れ上がって止まらない。
「ひゃんっ……! と、とうま?」
おもむろにインデックスを抱き上げ、向き合うように膝へ座らせた。
よく食べるわりには軽く、とろっとした感触が膝に触れる。
「濡れてるな」
「…………とうまが気持ちよさそうだったんだもん」
インデックスは恥ずかしげに、ぷいっと横を向いた。
身体を洗ってくれてる時からそうだったのだろう。
上条が悦んでいる様子に、インデックスも欲情していた。
「……じゃあ今度は俺の番だよな」
「でもっ、今日は私がとうまにしてあげるって……」
「俺もインデックスに気持ちよくなってほしいんだよ」
「むー。それは嬉しいんだけれど……」
喜べばいいのか不満を見せればいいのか、変な顔のインデックスへと
上条は笑いながらスポンジを向けた。

412 :
「んっくぅ……」
泡をたっぷりと含んだスポンジで胸を擦られて、インデックスは声が漏れ出た。
すでに身体には熱が篭っていて、気持ちがいいようだ。
スポンジを持った右手が淡い膨らみを擦り、たまに指で堅くなった乳首を摘み弄る。
左手が脇腹や腰の辺りを撫でると、すべすべとした肌触りが心地よい。
子供体型に見えて、腰のくびれは女の子らしい曲線を描いているのが、触るとよくわかる。
今まで何度か裸を見た事があるものの、こういう関係になるまで上条はそうとは気づいていなかった。
「食いしん坊のくせに、ここ細いよな」
「運動とか……えっと、えくささいずだってしてるもん」
「ウソつけ」
「ひゃん……」
テレビでも見たのか変な言い訳をするインデックスの腰を撫でながら
ほんのりと赤くなった耳を咥えると甘い声があがる。
普段のお返しのように甘噛みしながら、耳朶を舐めると気持ちよさそうに身を震わせている。
「暴れると、落ちちまうぞ」
「で、でもぉ……ぁっ、んぅ」
そうして触れるたびに、仰け反ったり身をよじらせたりと、落ちてしまいそうなので
左腕で腰を抱きなおし、愛撫を続けながら上条はニヤリと笑う。
「手とスポンジどっちで洗ってほしい?」
「ふぇ……? え、えっと……」
悶える様子が可愛らしくてつい意地悪な事を聞いてしまう。
インデックスは自身に触れている、感じるものを比べて迷う。
どちらが気持ちいいと言うとどっちもがよくて。
「手の……ほうが、とうまを感じれていいかも……」
「あーもー! インデックスさんはいやらしいな!」
「やぁ……わた、し、いやらしくなんて、ないんだよ……ふぁ……!」
気持ちの問題だったのだが、あまり説得力がなかった。
ぎゅっと抱きしめられ、お尻を両手で撫でられるだけで高く声があがってしまう。
肉付きが薄く張りのある肌は泡と相まって、揉もうとしてもふにふにと指が滑っていく。
続けて、腹や胸を撫でるように手を走らせては、摘んだりと、もう洗うというよりは
上条がそうしたいだけと言った動きなのだが
「もう……とうまのほうが……えっちなんだから……」
気持ちがいいらしく、微笑を浮かべて見上げる瞳には悦びが見え隠れしている。
「ね……とうま……」
楽しそうに触っていた上条の、笑みがわずかに強張った。
上条を見つめている涙で揺れる翡翠は蕩けるような光を放ち、ほころんだ頬は桜色に染まっている。
清らかさと色香を併せ持つ、少女の表情に引きこまれそうだと、唾を呑み込んだ。
見蕩れる上条の視界いっぱいに、艶めいたインデックスが映り
「ちゅっ……んっ……」
キスをされた。
柔らかい感触と共に、愛しさが伝わってくるようだった。
お互いの吐息を吸って、唇を擦れ合わせて、どちらからともなく舌を伸ばす。
「ぴちゃっ……はぁ、ん……ちゅっ…………」
絡ませあった舌が少し離れて、また繋がって、濡れた音を響かせる。
「…………インデックスはキス好きだよな」
唇が離れると上条は誤魔化すように早口で呟く。
可愛らしいどころか、誘惑されるような色気すら感じ、惹かれてしまった。
責めているつもりが、あっさり返されたようで少し恥ずかしいとも思う。
「だって……大好きなとうまとキスできるんだもん。嬉しいに決まってるんだよ……」
なのに、インデックスは幸せそうに微笑んでいて。
建前染みた上条の心中など内から弾け吹き飛んで、我知らずのうちにまたキスをしていた。
「……ん……じゅじゅっ、ちゅっ……ぴちゅ、ん……」
唇を触れ合わせるだけではもどかしく、先程よりも深く舌を差し入れ、口内を掻き回す。
どこもかしこも柔らかいそこを愛撫して、トロトロの甘い唾液を味わう。
舌で口腔をすくい吸い付き、飲み込んで水音を響かせる。
触れ合わせ、重なった舌が混じって、溶け合いそう。
抱きしめる腕に力が篭り、インデックスの吐息が唇から零れる。

413 :
「洗ってあげたかったけど我慢できなくなった。……いいか?」
「大丈夫かも……きて、とうま……」
上条の首に腕が回されて、インデックスの脚を下から持ち上げ開く。
毛も生えていない、まだ幼い造りのそこは興奮のためか、白い肌がうっすらと桃色に染まっていて、
上条を待ち望んでいるように、小さな膣口がわずかに開いていた。
「ん、あぁっ……!」
上条は腕をゆっくりと下げて、貫いていく。
慣れつつはあるが、まだ狭隘なそこを割り開き、腰を進めていくと
抱いた身体がぞくぞくぞくと、震えているのが伝わる。
インデックスが感じているのがよくわかって、上条は腰を使い始めた。
「ひゃぅん……! あっあ、んぁっ……!」
(とうまのが、いっぱい……!)
速い抽挿に、喘ぎが勝手に漏れ出る。
柔い肉襞が絡み付いて、ぐちゃぐちゃと淫らな音を響かせる。
小さなインデックスの中は、上条で埋め尽くされていく。
インデックスが上条の形へと、変えられていく。
「すっげー締め付けられてめちゃくちゃきもちいいっ!」
「わた……しも、っん、いいんだよ……!」
上条はただ上下に動くだけではなく掻き回すように腰を捻り、インデックスも
動きに合わせて身体を揺らし、お互いの粘膜を強く触れ合わせた。
「んぁっ……! そこ! すごくいいかも……!」
「……こうか?」
「ゃぅ……!」
エラばった亀頭が臍の裏側を擦ると、悲鳴とともにインデックスは仰け反る。
瞳が揺れ、唇の端から涎がタイル床へと零れ落ちる。
本人も上条も知らない性感帯に触れたのだ。
「あっ! ひぃああぁぁ…………!」
上条はインデックスの背を反らさせるように抱いて、ぐりぐりとその部分を擦ると大きな声があがった。
インデックスの視界はチカチカと明滅し、照明が幾つも増えては消えるような錯覚が生まれる。
腹の中から溢れていく快感が脳までを犯し、指の先までが蕩けていくように感じる。
擦り、突き上げられる衝撃が浮遊感へと変わって、インデックスの身体が痙攣するように大きく震えて、一気に強張った。
「あっぅ……! ゃぁぁぅぅっ…………!」
無意識に力の入った指が、上条の肩に軽い引っかき傷を作り、脚は上条を掻きいだくように組まれて、背に×の字を描いた。
そんな全身の力みに連動するよう、膣壁が上条自身を絞り上げていく。
しばらく経って、強く抱きしめていた力が少しずつ抜け、弛緩しきると
幼い貌は快感に溶けきり、だらしなく開いたままの口からは、涎が垂れ落ちていた。

414 :
「よかったか?」
「ん……気持ち、よすぎるのも……辛いかも……」
ようやく、と言ってもいい時間が経ち、忘我の淵に佇んでいたインデックスの意識が戻る。
肌にはどろっとした汗が流れていて、お互いの体臭を心地よく思う。
繋がったまま二人は動きを止めていたが、上条はまだ終わっていない。
「俺もいきたいから、頼む」
「……うん……わかったんだよ」
「ここに手をついて尻向けてくれ」
「こ、こう?」
上条はインデックスを風呂桶の縁へ導いて、背後から貫いた。
「―――っ!」
インデックスから息が強く漏れ出るような、声にならない悲鳴があがる。
絶頂したばかりの身体は敏感なのか、快感という暴力で殴りつけられているかのよう。
「ごめん。けど、がんばってくれよ……」
「あ、ん……ぅあ……」
満足に返事できない様子だが、上条は上条で我慢ができない。
少しの罪悪感と、大きな興奮を感じながらインデックスを責めていく。
「んんぅああぁっっ……!」
抽挿を続けながらも、小粒の乳首と、堅くとがった陰核を擦る。
小さく敏感な二つは摘みやすくて、弄れば弄るほどインデックスの声が増していくようだ。
「あっ! と、うま……! そこ、いっぱっ……い……! 」
次は子宮まで突き上げんとばかりに深く貫けば、上体が弓のようにしなった。
乱れた銀髪が背に張り付き、覗く肌には大粒の汗が流れ出しては、愛液と混じり脚へと垂れていく。
責めれば責めるほど、インデックスの膣内は気持ちよく変わっていく。
トロトロのそこは湯のように熱くなって、腰を振るたびに膣壁が絡み付いてはきゅっきゅっと締め付けてくる。
「またいってるよな」
「……う、ん……たって……られにゃい、んだよ……」
苦しさすら感じさせながらも、喘ぐインデックスに上条は情欲を抑えられない。
(可愛すぎてとめらんねえよ……!)
可愛らしいから責めたくて、責めるとより可愛らしくなっていく。
大好きな女の子が、自分の手で、自分のモノで、悦んでいる様子を見て止められる男があろうか。
愛しさと欲望がドロドロに入り混じって、煮えたぎる想いが、ボルテージをドンドンと上げていく。
「激しくいくぞ!」
「やぅっ! ふぅ、んぁっ! あっ、あっあっ、ああっ!」
上条がインデックスの両手首を握ると、背後へと引っ張った。
インデックスの背が優美な曲線を描き、無理矢理に胸を張ったような体勢となって
握った手首と繋がった部分を支点に、振り子のように何度も何度も揺らされる。
繋がった部分から、肉がぶつかり合う音が響いて、小振りな尻肉が上条の腹筋に押し歪められて、わずかに震えている。
ふにゃふにゃに砕けてしまっている脚は今にも崩れそうなのに、背後からの激感で強引に
立たされるような形になり、へたり込むのを許さない。
止まれない欲望のまま、インデックスを食らい、味わい、貪るように、上条は頂点へと向かっていく。
「とうまっ……! いいんだよ! もっとしていいから!」
まるで少年が少女を、強引に犯しているような光景だったが、インデックスは嬉しかった。
こんな風に激しく求められて、気持ちよくて、気持ちよくなってくれているのだ。
少しだけ、またしてもらってばかりだと申し訳なく思いながらも、愛されて、愛している実感が、幸せだった。
「でる……!」
「ひぁ、ぅんっ……! あ、んんぁっ……! う、ん……きて、ほしいんだよ! とうまっ!」
ぐつぐつと、射精欲求が込み上がってきて、深い所で津波のように堤防を決壊させた。
「あ、あああぁぁっっ―――!!!」
マグマのように噴火し、身体の内側を灼かれる感覚にインデックスも絶頂へと導かれる。
奔流が小さな器を埋め尽くさんと注ぎ込まれていき、膣壁が蠢いてはこくこくとそれを飲み込んだ。
射精しながらも、より気持よくなろうと上条が腰を使うと、混ざった体液が撹拌され
濁った音が結合部から響くのすら快感に感じた。
上条は子宮の中まで精で満たしている事に、男としての充実感と愛慕の念を募らせながら、全てをインデックスの中へと吐き出していった。
長いようで短い射精が終わり、上条はインデックスを抱きよせタイルに座り込む。
無言のまま、唇が交差して、一時の間、お互いの想いと愛を交換し合う。
充実した疲労感と、それを上回る幸せに二人はずっと微笑んでいた。

415 :
「……ふぃ〜〜極楽極楽」
「髪が崩れちゃうんだよ」
上条とインデックスは身体を洗ってから、一緒に湯船へ浸かっていた。
さほど広くないそこでは、上条の脚の間にインデックスが座っており、普段とは逆に
タオルが巻かれたインデックスの頭の上へと、上条が顎を乗せている。
やってみるとインデックスの髪は柔らかくて、なんとなく収まりがよいと感じた。
「……なあ」
「ん……?」
そのままの姿勢で、湯にたゆたっていた上条がぽつりと語りかける。
リラックスしていたはずが、言葉にはほんの少しの緊張があった。
「さっき、貰ってばかりって言ってたじゃねえか」
「うん……面目ないけど、そうなんだよ」
「じゃあさ……俺が代わりに何か貰いたいって言ったら、くれるか?」
「私があげれるものなら、なんでもとうまにあげたいかも。でも何かあるかな?」
インデックスが首をかしげて、上条の頭も一緒に傾く。
代わりの何かと言われても、現状インデックスは何も持ってないし、舞夏のように技術があったりもしない。
そう考えた所で
「―――!」
「ストーップ。動くんじゃありません」
何かを思いついて、上条を見ようとしたが、頬に手を当てられ止められる。
「その、とうまが欲しいんじゃなくて、私があげたいものだったりするかも」
「……インデックスが欲しいんじゃなく、俺があげたいとも言えるかもしれないな」
「とうまの顔を見ながら、聞きたいんだよ」
「まだ、だ……もうちょっと待ってくれ。心構えができてねえ」
インデックスの瞳が、宝石よりもキラキラと光っている気がした。
上条の顔は茹蛸のように赤く染まっている。
往生際の悪い上条ではあったが、続く言葉を、最後まで告げるしか道がないのは
他ならぬ上条が、よくわかっていたことだった。

416 :
終了
インデックスが出てくるエロが全くない話かエロのみの話かの、どちらかがいつか書けたらいいなと思います

417 :
やっぱり上インは良いなぁ
乙ん

418 :
GJ!
インデックスにムラムラしてる時にこんな良質の上インが見れるとは最高だ
スゴイエロかったです

419 :
調子に乗ってる上イン厨はねばいいんよ

420 :2013/01/03
>>416
gj
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