2013年01月エロパロ115: 立場だけの交換・変化 6交換目 (148) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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立場だけの交換・変化 6交換目


1 :2012/11/06 〜 最終レス :2013/01/05
いわゆる人格が入れ替わる「入れ替え」や性別が変化するTSではなく、
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統の小説や雑談などをするスレです
たとえば成人会社員と女子小学生の立場が交換されたり
AV女優と女子高生の立場が交換されたり
ペットと飼い主の立場が交換されたりと
周囲は立場の交換に気づいていたりいなかったり
交換や変化の内容はさまざまです
※このスレには悪質な粘着行為で荒らそうとする者がいます
 反応してもスレの無駄消費にしかなりませんので、触れないよう心がけてください
 荒らしに構うより、作者さまたちへの応援をお願いします
本スレから旧スレの立場に変化したスレ
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1335667249/

2 :
 || ○荒らしは放置が一番キライ。荒らしは常に誰かの反応を待っています。
 || ○放置された荒らしは煽りや自作自演であなたのレスを誘います。
 ||  ノセられてレスしたらその時点であなたの負け。
 || ○反撃は荒らしの滋養にして栄養であり最も喜ぶことです。荒らしにエサを
 ||  与えないで下さい。              。   Λ_Λ
 || ○枯するまで孤独に暴れさせておいて   \ (゚ー゚*) キホン。
 ||  ゴミが溜まったら削除が一番です。       ⊂⊂ |
 ||___ ∧ ∧__∧ ∧__ ∧ ∧_      | ̄ ̄ ̄ ̄|
      (  ∧ ∧__ (   ∧ ∧__(   ∧ ∧     ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    〜(_(  ∧ ∧_ (  ∧ ∧_ (  ∧ ∧  は〜い、先生。
      〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)〜(_(   ,,)
        〜(___ノ  〜(___ノ   〜(___ノ

3 :
スレ立て&テンプレ追加乙

4 :
1乙 そして作者さんお疲れのでませんように

5 :
前スレ一覧に新作を追記したもの
・横川昭義・小島由香里:女子大生⇔男子中学生(のちにOL&高校生)
・エイプリルフール:高校生兄⇔小学生妹
・まことまこと:男子大学生⇔デパート勤務OL
・いとこ:中学生の従姉弟同士の立場交換
・幼キ華ガ紡グ想イ:同い年(12歳)の女の子同士の立場交換
・仲澤佑香:女子高生⇔営業課長
・さくら保育園:保育園児⇔その家族?
・一瀬歩美:父⇔高校生娘
・父の日:家族の立場交換(父⇔小学生姉、母⇔保育園弟)
・雪谷のぞみ:カリスマ美人ギャル社長⇔47歳専業主婦
・合コン:看護学生⇔医大生(看護師・医師になって再会)
・結婚式:新郎⇔新婦
・家出少女福森あかね:家出女子高生ギャル⇔青年
・女子高生・渡良瀬和己:継父⇔高校生娘
・そこはとあるお屋敷:幼馴染同士の立場交換(主人♂⇔メイド)
 →続・そこはとあるお屋敷も
・次期当主はメイドさん!?:従姉メイド⇔後継者候補の従弟
・他人の皮を被る:男性同士(立場乗っ取り?)
・人気モデルの堕落:女性モデル⇔デブヲタ男
・要12歳、職業・女子高生:女子高生従姉⇔小学生従弟
・家族立場交換:父⇔小学生娘 ※その続きもアリ
・ランダム校風変化:お嬢様女子高⇔不良男子校
・新世界:オタク文化⇔女の子のファッション文化
・あの時間:キモヲタ⇔女子小学生
・振袖:父⇔娘
・ミーちゃん:動物⇔女の子
・替玉お断り:高校生兄⇔中学生妹
・ありふれた日常:会社の同僚の男女の立場交換  →(分岐)そして日常な非日常へ
・愛憎相克:メイド⇔貴族令嬢
・影武者姫:姫⇔侍女
・宿なし汚ギャルは電波系:男性教諭⇔汚ギャル
・なりきらされる世界:ランダム交換?
・ゆあ・ゆうじぁりー:伯父⇔小学生の姪
・告白:男子学生⇔その想い人の恋人である女子高生
・黒の誘惑と白への回帰:戦隊のヒロイン⇔悪の女幹部

6 :
・花嫁な父:父⇔娘
・彼女たちの立場:幼稚園児⇔OL
・是ぞまさに善悪相?:魔法少女⇔悪の女幹部
・同窓会:不良学生⇔優等生少女の数年後  →その後の話も
・その日常は:会社員の姉⇔弟
・泳げ、チハヤちゃん!!:高校生兄⇔小学生妹
・気が付いたら……悪の女幹部!?:新米ヒーロー(♂)⇔悪の女幹部
・立場同一性障害:19歳女性⇔45歳男性
・おねしょ:小2妹⇔中学生兄
・甘い恋人:飼い犬⇔飼い主の恋人
・うめネタ:新郎の父⇔新婦
・令嬲志願:幼馴染同士の立場交換(お嬢様⇔庶民の少年)
・重装王女の追想:姫将軍⇔従騎士♂
・世界を救う聖女様だって、シたい時はあるモン!:勇者パーティーの修道女の少女⇔敵方ボスの女教皇
・女子トイレ:女子トイレ⇔男子トイレ
・模試:女の子の遊び⇔男子高校生の勉強
・取り替えっ子:小6兄⇔隣家の小4女子
・妹の部屋:中2兄⇔小5妹
・立場の振り分け:普通の男子生徒⇔遊び好き女子生徒
・未来にキスを:男子専門学校生⇔女子小学生
・晴れ着:父⇔娘
・新年交換会:いろいろ
・君が司厨長で給仕娘が僕で:兄⇔妹
・男と女の立場が逆転:男子学生⇔女子学生いろいろ
・NursingSamba:幼馴染同士の男性医師⇔看護婦長
・御神原の妖精:女子体操部員⇔男子相撲部員
・家庭教師:男子大学生の家庭教師⇔女子小学生の教え子
・名札はキチンと付けましょう:男子小学生⇔女子小学生
・立場交換スレ住人が望んだ七夕の願いは:いろいろ
・思いやり学習:女子中学生⇔男性教諭
・堕ちた少年勇者:少年勇者⇔サキュバス
・銭湯で何がどうして俺の立場が女の子?:男子?学生⇔女子小学生
・母子交換:男子小学生⇔母親
・ポニーテールは伊達じゃない!:男子中学生⇔女子高学生

7 :
改めて>>1乙ということで。

8 :
>>1
乙!

9 :
>>1自演乙wwww

10 :
>>9
おまえ頭悪いなw
成りすまし乙wwww

11 :
 見桜駅で晴海さんたちと別れたわたしは、特急で5駅離れた場所にある葦柄駅まで来ていました。
 高校生にもなって、お恥ずかしい話なんですけど、実を言うと、うちのパパとママがかなり過保護なせいもあって、ひとりでこんな遠出をしたのは初めての経験です。
 ちょっと心細いという気持ちもないわけではありませんが、どちらかと言うとワクワクしている部分の方が大きいですね♪
 小学校高学年の頃からずっと伸ばしてきた長い髪を切ってサッパリ身軽になり、香吾くんが着ていた、いかにも中学生の男の子らしい服装をしているので、ちょっとした変装してる気分。
 ──いえ、そうじゃありませんね。
 少なくとも、ここでの夏期講習合宿に参加しているあいだは、ほかならぬわたし……じゃなくて、"ボク"自身が「中学一年生の少年・鶴橋香吾」なんですから。そのコトを忘れないようにしないと。
 幸い、晴海ちゃんのかけてくれた「おまじない」(専門的には魔女の技術だとか暗示だとか言ってましたけど)のおかげか、いつもみたいな弱気の虫は、どこかに行ってくれてるみたい。
 "ボク"は、肩にかけたスポーツバッグをゆすりあげると、心待ち意識して大股になりながら、駅から出て、夏期講習パンフのマップを見ながら合宿所を目指して歩き始めました。
 葦柄駅は、ハイキングコースやキャンプ地として有名な葦柄山のふもとにある駅で、合宿所も山の中腹にあるみたいです。
 普段の運動が苦手な"わたし"なら途中でヘバってしまったかもしれませんが、「中学1年生の男子」に意識してなりきっているせいか、それとも物珍しい環境で浮かれているせいか、上り坂を歩くのが苦になりません。
 ふと、視線を上げると、二股に分かれた道の途中で、"ボク"と同年代くらいの男女が何やら言い争っているようです。
 「だーかーら、このまま、上まで登ってから、山ン中を突っ切った方が、絶対近道だって!」
 「やめておくほうがいい。地図上でどんなに近く見えても、慣れない山の中を突っ切るのは自行為だよ」
 どうやら、進む道のことで口論してるみたいですね。うーん、もしかして、"ボク"と同じく夏期講習に来た人でしょうか。
 いつもの"わたし"なら、見知らぬ人に声をかけるなんて恥ずかしくてもできません。でも、今の"ボク"なら……。
 「あのぅ、すみません。もしかして、駿河塾のサマースクールに参加する人ですか?」
 * * *
 道端のふたりに話かけたところ、やはり"ボク"と同じ受講生だったらしく、簡単な自己紹介ののち、合宿所まで一緒に行動することになりました。
 「ふぅ〜、やっと着いたぜ」
 背が高いけどヒョロッと痩せてる男の子──谷川流太郎くんが、ボストンバッグを地面に下ろして、汗を拭いています。ミリタリー風って言うんでしょうか。カモフラージュパターンのベストを着て、それっぽい帽子をかぶってる割に、案外体力はないみたいです。

12 :
 「ここが合宿所、なのかな」
 もっとも、"ボク"もけっこう汗をかいてるので、他人のことは言えませんけど。
 「おそらく、ね」
 男子ふたり("ボク"も含めて)とは対照的に、セミロングの髪をなびかせた活発そうな女の子──佐崎みちるさんは、涼しい顔でバンガロー風の建物を見上げています。
 ちなみに、コースに関しては、話に加わった"ボク"が地図に従うことを勧めたため、曲がりくねった山道(といってもキチンと踏み固められていましたけど)を進むことになりました。
 それにしても、谷川くん、こんな体力ないのに山に入ろうなんて、さすがに無謀じゃないですか?
 「うん、そうなんだ。流太郎は、跡先考えずに本能で行動して、後悔することが多いんだよねぇ」
 「にゃにを〜!?」
 道々聞いた話だと、おふたりは幼稚園の頃からの幼馴染(佐崎さんいわく「腐れ縁」)だそうで、いつもこんな風にきやすい口げんかしているみたい。
 子供の頃から引っ越しが多くて、中三の2学期になってから、ようやく今の地元に落ち着いた"わたし"にとっては、羨ましい話です。
 ──おっと、今の"ボク"は、"朝日奈恭子"じゃなく"鶴橋香吾"でした。ボロが出ないように、ちゃんと意識しておかないと。
 「あの、いつまでも外にいるのもなんだし、中に入りませんか? 冷房も効いてるだろうし……」
 軽い言葉のジャブの応酬をしてるふたりに、声をかけます。
 「お! そうだな。こんな口先だけは達者なじゃじゃ馬女の相手してるより、さっさとクーラーの入った室内で涼もうぜ!!」
 明らかに口ゲンカで劣勢になっていた谷川くんは、これ幸いと建物の入り口へと歩き出します。
 「まったく……すまないね、鶴橋くん、気を使わせたようで」
 佐崎さんは、見た目はとても女の子らしく、美少女と言っても差し支えない外見なのですが、しゃべり方はちょっと変わっていて、男性的な印象を受けます。
 もっとも、声自体は澄んだソプラノで、とても優しい感じの声音なので、男性と間違える人はいないでしょうけど。
 「いえ、そんな、たいしたことじゃないです。さ、行きましょう、佐崎さん」
 エスコート……というほど大層なものではありませんが、昔、少女漫画とかで読んだシーンをちょっと意識して"ボク"は佐崎さんの手を取り、歩き出します。
 (あ……)
 手を引かれた佐崎さんが、僅かに頬を染めていたことに、その時の"ボク"は気付いていませんでした。
 * * *

13 :
 バンガロー風(あくまで、「風」です)その建物には、100人近い中学生が受講者として集められ、大食堂で簡単なオリエンテーションを受けさせられました。
 そのまま昼食を摂り、そのあと各自の泊る部屋の表を渡されて解散です。
 泊る部屋はふたり部屋なのですが、僕の同室の少年は、偶然にもさっき仲良くなった谷川くんでした。知り合ったばかりとは言え、それなりに気が合いそうな人だったのはラッキーです。
 「おっ、鶴橋、相方はお前さんか。これから2週間、よろしくな!」
 「こちらこそ、よろしくお願いします、谷川くん」
 「おいおい、同い年(タメ)なんだし、短期間とは言えしばらくルームメイトになるんだから、他人行儀なのはナシにしようぜ」
 「はい……じゃなくて、うん。じゃあ、ボクも、できるだけフランクにいかせてもらうね、谷川」
 実を言うと、男子中学生の普段のしゃべり方なんてよくわからなかったんですけど、とりあえず、マンガとかで見た「少し丁寧口調の男子学生」のつもりで、会話することにしました。
 その後、14時から早速、英語の講義が始まります。
 「なんだよ、ちょっとくらい休ませろよな」とブーブー言う谷川くん……谷川をなだめつつ、講義室に入ると、ちょうど佐崎さんの隣りが空いていたので、ボクらはそこに腰を下ろしました。
 「おや、珍しいね。流太郎が遅刻もせず、真面目に講義を受けるなんて」
 「あー、コイツに引っ張られて、な」
 きまり悪げに頭をかく谷川の顔を見て、ニヤリと佐崎さんは笑いました。
 「ほぅ……すまない、鶴橋くん。面倒をかけて」
 「ううん、別段たいした手間でもないから、平気だよ、佐崎さん」
 「──なんで、みちるが俺の保護者ぶってるんだよ?」
 谷川の抗議にも、佐崎さんは動じない。
 「フッ、自分は、おばさんから、「息子の監視をよろしく」と頼まれているからね」
 「にゃにぃ!?」
 授業(講義)中なのに、始まりかけた口論を、慌てて遮る。
 「ふ、ふたりとも、シーーッ!」
 というワケで、こんな風に、悩む暇もなくボクの"男子中学生"ライフは、今日から始まったのでした。
-つづく-
#偽「香吾」くんこと真・恭子さんの、サマーライフその1でした。次回は、着替えやお風呂、トイレなどの描写を挟む予定。
#身近にいてフォローできる弟と違いひとりで送り出すことになる恭子さんには、晴海は少し強めの"術"をかけた──という裏設定があったり。そのせいで、本来気弱ドジッ子な恭子さんも、現時点ではあまり違和感なく、「鶴橋香吾」になりおおせています。
#もっとも、この"術"は徐々に弱まっていき、一週間もすればほとんど効果がなくなるため、それまでに「男子中学生」としてのライフスタイルに「彼」が馴染めるか否かがポイント。

14 :
#あ、忘れてた。「次回」と書きましたが、6話はまた、偽・恭子たちの方に視点が戻ります。Anotherの次ってことです。

15 :
gj!

16 :
優等生を堕落させたいスレにあった
「エリートなお嬢様がむりやりネトゲとかやらされて堕落していく」SSを読んで
egg系とかああいう雑誌を愛読してるようなギャルが
デブなオタク(男)をバカにする

割のいいバイトと称して、夏休みを丸々使いギャルをアニメやエロゲなどにハメていく
(食事なども太るようなものばかり)

夏休み明け、容姿・言動とも見事かつてのデブオタそっくりギャルが
猛烈ダイエットの結果「夏休み前のギャルみたいに変貌を遂げたデブオタ」と出会う
(バイトと称したオタ化はデブオタ関係者による陰謀)
なんてのを思いついたが、
すぐに1スレ最後の方にあった「人気モデルの堕落」と
同じパターンだということに気がついた(´・ω・`)

17 :
6スレ目まで来たらネタがかぶっても仕方ない気がする
今までやられてないシチュって結局のところ大して萌えないから
皆手を付けてないっていう部分も多少なりはあるしな
学校で就職活動したら女子生徒として雇用されることになって
立場まで変化していくとか使い古されてるようなシチュでも全然おk

18 :
今度届く年賀状は
太郎さん花子さん御夫妻に
娘の一朗ちゃんと春子ちゃんか。
http://postcard.jp/common/images/pict/DD-10NY.jpg

19 :
強引に話題転換か
こいつのいつもの手だな

20 :
厨房発言で爪弾きにされて
こっちで物言いつけて自尊心を満たそうとしているのか
懲りないな

21 :
>>20
いや、>>19って>>18に対するコメントだよね?

22 :
あ、読み間違えた。ごめんなさい。

23 :
七五三ネタでなんかないかな

24 :
>23
7歳になった男のコが、双子の妹が七五三のお祝いに行くことになったのを見て、「僕も行きたい」とゴネたところで、窮屈な晴れ着を着るのが嫌だったお転婆な妹が、こっそり入れ替わりを提案する……とか?
その日一日バレなかったコトに味をしめたふたりは、その後もちょくちょく互いの服を交換して立場を入れ替えるようになり、やがて小学校を卒業する頃には立場を逆転させているコトの方が多くなってる──という話を妄想した。

25 :
このスレならいっそ、「7歳と5歳の立場が交換」くらいやってもいいかも。
----------
 11月上旬の日曜日。
 爽やかに輝く太陽の下、晴れ着を来た母子連れたちが、街中にある神社を訪れています。
 またひとくみ、参拝客。
 7歳を迎えたのでしょう。ピンク色の振袖を可憐に着こなし、髪には花簪をさしてきれいに化粧した男の子が、
5歳になる羽織袴でそろえた妹の手をしっかり繋いで歩いています。
 その様子を後ろから微笑ましく見守って歩くのは、留袖姿の若々しいきれいなお母さん。
 参拝も終わり、千歳飴を持って帰り始めた一家。 
 もう一組の参拝客とであいます。
 今度は母親と男の子。母親は少し年嵩ですがやはり美人で、黒いフォーマルな服をすらっときこなしています。
男の子は赤の晴れ着姿で、襟元から覗くレース飾りが可愛らしさを演出します。
 全員顔見知りらしく、そのまま子どもたちのことを半分忘れて話し込むお母さんたち。
 女の子がふと、
「お兄ちゃん、可愛い格好ができていいなあ。あたしも7歳になったら可愛い着物きていい?」
「あなたは女の子だから、七五三は5歳で終わりなの。7歳は男の子だけだからあきらめましょうね」
「でも最近、七歳に晴れ着で写真を撮る女の子も増えてるんですって」
「へえ……それはどうなのかしらねえ。子どものことちゃんと考えてるのかしら。
 うちはやっぱり、伝統に従って晴れ着は男の子だけに着せたいところね」

26 :
しまった中旬だった。

27 :
こういうこと書くのは無粋で申し訳ないが
立場交換ではなく、男の子と女の子の意味が入れ替わっただけでは

28 :
・・・・・・はっ。
ムズカシイモンデスネ。

29 :
こういう交換もありだと思うな
>>24もちゃんとしたのが読みたい

30 :
pixivの立場交換の人が最近該当作品を投下してくれなくて寂しい

31 :
ついでにあげます

32 :
必だな

33 :
ピクシブの人はTSFの絵を描いてくれてるからそれで良いと思うが 
面白いよあれ 

34 :
あれ?何か変なのが文末に??

35 :
「続いては『まちイキイキ』のコーナー。
 今日は香巻町に古くから伝わる『身代わり様』をお送りします。
 VTRスタート!」

厳かな神社の境内、七五三の参拝客らしく晴れ着に身を包んだ女の子や
羽織袴を着込んだ男の子が両親に手を引かれて歩いている。
その参拝客の中で、ひときわ目立つ親子連れがいた。
格好だけを見たならば背広を着込んだお父さんと、
薄いピンク色の振袖でおめかしをした女の子。
しかし、背広を着ているのが女の子で、振袖を着ているのがお父さんなのだ。
通りがかる参拝客は、振袖を着たお父さんに対して
「かわいらしいわね」とか「似合っているわよ」などと声をかけ、
そして彼が配る千歳飴を受け取っていく。
その様子を見て、横にいる女の子が「娘をよろしくお願いします」と恭しく挨拶をする。
どこかちぐはぐなこの風習。これこそがこの地方に伝わる奇習『身代わり様』なのだ。

かつてこの地方には、子供を病気にする悪い鬼が暴れまわっていたという。
その悪さに困った村の人々が旅のお坊さんに相談すると、
「父親が娘に化け、逆に娘を父親に変装させることで鬼の目を欺くがいい」と教えてくれた。
その指示に従って父親が娘の振りをして遊びまわっていたところ、
鬼が現れて病気をまき散らしたが父親には効かず、
「この村の子供は大人みたいに強い」と音を上げて逃げていったという。
それからというものの、この村では悪い風邪が流行りそうになると
『身代わり様』をたてて子供たちの健康を祈るようになり、
それがいつのまにか七五三と結びついて
今のような「父親が女の子が着るような振袖を着て千歳飴を配る」風習に変化したとか。

「それでは身代わり様の田中さんにインタビューしてみましょう。田中さん?」
「はい! 田中博之、7歳です」
田中さんはかんざしで飾った頭をぴょこりと下げた。
見た目こそ成人男性だが、その動作はどこからみても7歳の女の子そのものだ。
「田中さんはこれから1週間、身代わり様として過ごすわけですが?」
「はい、小学校でお勉強したり、友達と遊んだり、今からとっても楽しみです」
「このように、田中さんは1週間、娘の春香ちゃんの代わりに7歳の女の子として暮らすわけです」
「1週間と短い間ですが、よろしくお願いします」
「逆に、春香ちゃんはこの1週間後に行われる奉納祭に向けて青年会の人たちとともに
 『男衆の心構え』を学んでいくそうです。
 その様子は来週、このコーナーでお伝えしたいと思います!」

「香巻町の『身代わり様』、なんとも変わった風習ですね。
 では続いては明日の天気……」

36 :
続きが止まってる「男子大学生の家庭教師⇔女子小学生の教え子」を横において
七五三で小ネタ
なんか別の風習になってしまった気がするけど(´・ω・`)

37 :
うむ、これは良い物を見た

38 :
いいぞもっとやれ

39 :
立場を入れ替えた人も含めて常識が変換してる系は好きだ

40 :
久方ぶりに社会常識とかが交換されてる系がこないかな

41 :
女子小中高生と成人男性の「性的な扱い・魅力」が入れ替わった世界
ロリコンは小学生ぐらいの女の子が40代後半以上を好きになることだったり
黒髪ロングな女子高生が脂ぎったおっさんを痴漢したり
キモオタが出ているAVを黒ギャルがハァハァしながら見たり

別スレ向きかもしれないが

42 :
なかなかいいじゃないの
服装も変化させればこのスレ向きじゃね

43 :
ここは人の社会的立場・存在がどうこうってスレだから
別スレ向きかと言われたら↓が該当かな
思想や価値観が逆転した世界
http://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1335910472/
ただこのスレは誘導すると荒れる奇妙な傾向があるから
SS書くなら好きにやってもらって構わないと思う。今書き手もあんまいないし

44 :
そのスレ過疎っていると言うよりゴーストタウンだな
人が全く居なくね?

45 :
過疎ってるならその手の作品が好きな人が盛り上げていけばいいのでは
このスレで時々需要がある割には向こうでそれを言う人がいないんだよな

46 :
いわゆる人格が入れ替わる「入れ替え」や性別が変化するTSではなく、
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」系統のなどをするスレです
たとえば成人会社員と女子小学生の立場が交換されたり
AV女優と女子高生の立場が交換されたり
ペットと飼い主の立場が交換されたりと
周囲は立場の交換に気づいていたりいなかったり
交換や変化の内容はさまざまです
そもそも「このスレ向き」の定義はテンプレに最初のスレから明記してあるんだから、
「肉体や人格はそのまま、突然別の立場に変化する」条件さえ満たせば何でもアリになるよ

47 :
#少し間があきましたが、「ポニテ」の続き、投下します。
 猪狩沢にある旅館"喜多楼"の北棟に設けられた従業員部屋の一室に、布団が仲良く3つ川の字に並べられ、少女達が眠りについていた。
 枕元に置かれた目ざまし時計が6時10分前を指し、セットされたアラームが鳴り響く……直前に、布団のひとつから伸びた手がボタンを押して阻止した。
 ──って他人事みたく言ってるけど、ソレをやったのは、ほかならぬ自分なんだけどね。
 「ふぁ……もう、こんな時間ですか」
 まだ少し眠い目をしばたたきながら布団から出て、傍らのふたりを揺さぶりながら声をかける。
 「晴海さん、雪さん、6時ですよ、そろそろ起きてください!」
 「──了解した」
 雪さんは、さっきまで寝てたのが嘘みたいに、シレッとした顔で起きてくれるのだけど……。
 「んん〜、あと3ぷん……」
 昨夜、3人で布団に入ってからも何かゴソゴソやってた、ねぇ…晴海、さんは、どうもまだおねむらしい。頭から布団をかぶってイモ虫になってる。
 そう言えば、平日はともかく休みの日には、ベッドで惰眠を貪る人だったなぁ……と、弟としての知識をチラと思い出す。
 もっとも、だからこそ、こんな時の晴海さんの扱いは心得てるわけで。
 「別に構いませんけど……朝ごはん、食べる暇なくなっちゃいますよ?」
 「!」
 途端にガバッと飛び起きる晴海さん。まったく、どんだけ食い意地が張ってるんだか。
 ともあれ、"友人"にして現在のバイト仲間であるふたりと、互いに「おはよう」と朝の挨拶を交わしてから、急いで身支度を整える。
 まずこの長い髪をなんとかしないといけない。幸い、"朝日奈恭子"の髪質はやや猫っ毛気味だけど、そのぶんブラシが素直に通るのは有難い。鏡台の前で、雪さんに教わった方法でブラッシングしてから、リボンでポニーテールにまとめる。
 「うーん、こんなもの、かなぁ」
 どうもイマイチ決まってない気がするんだけど……まぁ、見苦しくなくて、仕事の邪魔にならなければ当面はOKかな。
 「──大丈夫。ココをこうすれば……完成」
 と、横から現れた雪さんが、いったんリボンを解いたのち、再び結わえてくれた。
 「わ、すごい」
 やってる事はたいして変わらないはずなのに、自分でやったのより数段可愛く見える気がする。
 「──問題ない。ちょっとしたコツと、あとは慣れ」
 ニコッと微笑みかけてから、雪さんが身支度を始めたので、慌てて自分も着替えに取りかかった。

48 :
 まず、七分丈の白いパジャマの上を脱ぐと、裸の上半身に枕元に置いてあったクリーム色のブラジャーを着けてホックをとめたのち、脇の肉を無理くり集めてカップに押し込む。
 胸にささやかながら膨らみらしきものが出来たのを確認してから、ロングドロワーズタイプのパジャマの下も脱ぎ、着物を着る前にまず白い足袋を履く。
 そのあとで、縁側に移動させたちゃぶ台に畳んでおいてあるこの旅館の制服──仲居さん用の萌黄色の着物を広げて、身につけた。
 最後に、着物の上から白い前掛(エプロン)を腰に巻けば、"喜多楼"の見習仲居さんの出来あがりだ。
 いくら晴海さんの"術"の助けがあるとは言え、最初の頃はやはり戸惑ったんだけど、6日目ともなるとそれなりに慣れて、かなり手際よく着替えられるようになっていた──制服だけじゃなくて、下着その他も、ね。
 これは、一緒にいるふたり──晴海さんと雪さんが、ワタシをほぼ完全に"同い年の友人の朝日奈恭子"として扱ってくれる点も大きいんだろう。無論、その他の旅館の人達は言わずもがな。
 一応2日目くらいまでは着替えの時は多少はコッチを気遣っててくれたみたいなんだけど、一昨日辺りからは完全に自然体になって、ごく普通に談笑しながら着替えてるし。
 そもそも、晴海さんがかけてくれた"術"は、本人よりその人を見た他者に影響を及ぼすものらしい。しかも、現状を見る限り、術のことを知ってる雪さんや術者である晴海さん本人にも、ある程度効果があるみたい。
 そうなると、自分ひとりがアタフタしてるのはバカらしいし、挙動不審で怪しまれるのも避けたいから、"僕"もワタシとしての立場に身を委ねるようにしてたら……一週間も経たないうちに、すっかり馴染んじゃったみたい。
 そして、それをごく当り前のことと受け止めている自分がいるのも確かで、ふとした拍子に我に返ると、微妙にフクザツな気分にならないでもないんだけどね。
 ──まぁ、今は気にしたら負けだよね、うん。
 着替えのあと、従業員棟の洗面所で洗顔と歯磨きを済ませたのち、部屋で化粧水とジェルで簡単なスキンケア(こちらは晴海さんに教わった)してから、まずは厨房脇の控室に顔を出す。
 そこには小さめのおにぎりふたつにお新香を添えた小皿が3つ置いてあった。これがワタシたちの朝食代わり。ちなみにお茶はセルフサービスだ。
 「フンフンフ〜ン、今朝の具は、なにかなっ♪」
 晴海さんは上機嫌で早速手を出している。
 「もうっ! 晴海さん、お行儀悪いですよ。「いただきます」くらい言いましょうよ」
 「──いただきます。貴方も早く食べたほうがいい」
 雪さんに促されて、時計を見ると……6時18分!? ヤバい、急がないと。
 慌てて、ワタシもおにぎりを手に取り、食べ終ったのが6時25分。簡単に口をゆすいで、厨房に顔を出したのが6時28分。
 (ふぇえ〜、ギリギリだぁ)
 やっぱりあと5分早めに起きたほうがいいかもしれない。
 仲居頭の多岐江さんから、今朝の仕事──食堂代わりの座敷への配膳の指示を受けながら、ワタシはちょっぴり反省するのだった。
 * * * 

49 :
 6時半から9時まで配膳と片付け作業、9時からは厨房でお皿洗い(と言っても、食器洗いマシンがあるから、わりと楽だけど)……と、立て続けに仕事をしたのち、10時過ぎにようやく一段落。
 もっとも、11時過ぎからはお昼の配膳があるし、正社員(って言うのかな、この場合も)の仲居さんたちは、この時間もお部屋の掃除とかで忙しく働いてるんだけど、ワタシたちバイトは、いったん小休止となり控室でお茶くらいは飲める。
 「それにしても、団体客がいると、やっぱり忙しいわね」
 「──しかし、だからこそ、私たちがヘルプとして雇われたのでは?」
 「それは、まぁ、そうですよねぇ」
 他愛もない雑談をしながら、お昼は14時ごろまで食べられないので、それまでの"繋ぎ"に、控室に置かれたお煎餅やクッキーに手を出すワタシたち。
 初日とかは多少遠慮してたんだけど、けっこうハードなこのバイトで、ハラペコのまま仕事するのは辛いということが身に染みたので、ここは有難く頂いておくことにしていた。
 11時ごろになって、板前さんたちがお昼の料理を仕上げていくと、ワタシたちも仕事を再開。朝と同様に、座敷のテーブルに料理を配膳していくことになる。
 もっとも、朝に比べると、この旅館で昼食を摂るお客さんは少ないから、多少楽だけど。
 で、そのあと片づけとお皿洗いがあるのも朝と同じ。
 それが終わる2時過ぎに、遅めの賄いご飯を控室でいただく。
 「へぇ、今日は豆腐とナスと鶏つくねの味噌田楽かぁ。美味しそー♪」
 「──ワカメとサヤエンドウの和風スープも、大変いいお味」
 長身でスポーツウーマンな見かけどおり(というと本人は怒るだろうけど)食いしん坊な晴海さんと同じくらい、小柄な雪さんも実は健啖家だったりする。
 (この3人の中で一番小食なのが、本当は男のワタシってのも、なんだかなぁ)
 え? 「そんなんだから、背が伸びない」? 大きなお世話ですよーだ!
 15時から18時までは、廊下や庭園、裏口なんかの掃除、あるいは近所のお店へのお使いなどの雑用を言いつけられる。
 最初の2、3日は、簡易タイプとは言え、着物で作業するのはちょっとやりづらかったし、この格好のまま外出するのはちょっと照れくさかったけど、人間、何事にも慣れるモンなんだね〜。
 今じゃあ、内股気味にしずしず歩くことや、裾さばき袂さばきも随分巧くなったし、仲居姿のまま買い物に出かけて、お店の人と雑談交わすことにもなんら抵抗がなくなってる。
 昨日も、仲居頭の多岐江さんから、「恭子ちゃんは和服での立居振舞が随分達者ね」と褒められたし。まぁ、これは一緒にいるふたりとの比較の問題かもしれないけどさ。
 晴海さんはあの性格だから、着物姿でも随分豪快に動く(転びもせずにそれができるのは流石だけど)し、雪さんは逆に着物に"拘束"されたような感じでどうにも動きがぎこちない。
 多岐江さんいわく、「だから、旅館の仲居としては恭子ちゃんみたいなのが一番映える」んだってさ。
 で、午後の雑用に引き続いての夕食の配膳作業が終わると、バイト組のお仕事は無事終了となる(なんでも、高校生をあまり遅くまで働かせたくないらしい)。板前さんたちが作ってくれた賄いを食べたあと、部屋に戻って私服に着替え、あとは自由時間。
 もっとも、「外に出てもいいですが、22時ごろまでには帰って来てくださいね(ニッコリ)」と、仲居頭の多岐江さんから釘は刺されてるけど。
 それでも、好奇心と遊び心カタマリみたいな晴海さんが大人しくしてるワケがなく、雪さんとワタシは彼女に色々引っ張り回されることになるのが常だ。

50 :
 「あ! 見て見て、雪、恭子、ここのボーリングセンター、プールバーもあるみたいよ」
 「──私は、ダーツに興味がある」
 「え、えっと……こんな時間に高校生が行っても大丈夫なんでしょうか?」
 "朝日奈恭子"は、この三人娘の中では「常識人のストッパー」的役割を担ってるみたいなので、一応牽制の言葉は口にしておく。
 まぁ、いざとなれば、晴海さんの"暗示"で誤魔化しようはいくらでもあるんだけろうけどさ。
 ちなみに、今のワタシの服装は、ノースリーブの白いブラウスに赤いチェックのネクタイを締め、ボトムは膝上10センチの黒いティアードスカート、足元は素足に心持ちヒールのあるグラディエーターサンダルといった格好。
 髪型は、赤地に金のラメの入った少し派手めのリボンで、トレードマークになりつつあるポニテにまとめている。
 このバイトを始める前なら、こんな格好恥ずかしくて仕方なかっただろうけど、いまさらだし、開き直ったら気にならなくなった──というか、鏡を見て、実は自分でもちょっと可愛いと思ってしまったのは内緒。
 ついでに言うと、晴海さんはちょっと襟ぐり深めな淡い若草色のミニワンピ、雪さんはピンクのベアトップに小豆色のビスチェを合わせ、同色同素材のかなりタイトなホットパンツを履いている。
 (ふたりとも、スタイルがいいから、こういう服装してると、女子大生くらいにも見えるなぁ……)
 なんとなく自分のペタンコの胸元を見下ろして溜め息をつきたくなったのは、きっと気のせいだよね、ウン。
 ともあれ、ワタシ自身も含めて、普通ならこういう格好の女の子3人が避暑地の商店街をうろついていたら、ナンパやよからぬ誘いの標的になるんだろうけど、そこはそれ、晴海さんの"ナンパ避けの香"におかけで、スルーされてるのは有難いなぁ。
 だから、そんな状況下でワタシが「彼」に出会ったのは、後になって考えればとんでもない幸運か……あるいは運命の導きだったのかもしれない。
-つづく-
#というわけで、バイト初めて6日目の"恭子"ちゃんの一日。話がイマイチ進展してないようですが、ようやくとっかかりまで漕ぎ着けました。
#ちなみに、長津田雪さんは(モデルになったキャラとは逆に)、小柄だけど胸が大きいロリ巨乳属性。逆に朝日奈恭子の方が、背は普通ながらツルペタ娘です。

51 :
GJ!
次回から楽しい展開になりそうですね

52 :
重複スレようやく落ちたかー。
意外にもつものですな。

53 :
レーシングマシンとレースクイーンの立場交換
というフレーズだけ思いついたが、どうにもならん
>>50
遅ればせながらGJ!
続き、期待してますですよ

54 :
>53
そこで、「レーサーとレースクイーン」の立場交換ならOKではないかと思う私は凡人過ぎて恥ずかしい。
昔からクルマが好きで、プライベートではスポーツカーを乗り回している女性が、「趣味と実益を兼ねて」
恋人であるレーサーが所属するレーシングチームのレースクイーンに採用される。
ところが、シーズン途中のある日、そのレーサーが事故り、ケガはたいしたことがなかったものの、
トラウマから巧く運転できなくなる。
レーサーは、そのシーズン、かなりよい成績を残しており、あと2戦でシーズンが終わるというところ
だったため、非常に悔しい想いをする。
女性も同情し、「代われるものなら代わってあげたい」と発言したところで、レーサーの部屋に飾ってあった
お土産の神像が光を発し、気が付くと「レーサーとレースクイーン」というふたりの立場が入れ替わっていた。
レーサーになった女性は、密かな念願だったレースに出られることでテンションが上がりまくり。
一方、いきなりレースクイーンをやらされることになった恋人の方は恥ずかしくて仕方ないが、
「これも仕事」と女性に説得され、また元に戻った時に女性が困らないよう、渋々RQをやることに……。
──てな感じか。超常的要因を絡めず、チーム公認で立場交換するというのも、アリかもしんない。

55 :
>>54
そういうストレートなのも大好物であります!
カメコが「うおお! あのタイヤ超エロイ!」
「あのウイングのラインがたまらん」とかいいながらマシンの写真を撮り
レースクイーンが口で「ぶるんぶるんばるるるる・・・」とエンジン音を表現しながら
サーキットでレースをするという情景までは思いついたのですが、
それ以上は進展しなかったのでw

「ああっと! ここでコスチュームトラブル! 先頭を走る伊藤さやかのストッキングに伝線!」
「このタイミングでピットインしなくてはいけないのは厳しいですね」
「ここでピットイン。ハイヒールの交換・・・・・・5秒! いいタイムです」

56 :
>>55
レースクイーンがドライバー負って走ってるんだな シュールな光景だ

57 :
週刊少年チャンピオンの「名探偵マーニー」で
主義主張の違う親子が「お互いの主義の素晴らしさをわからせるため」
主義を交換して生活するってのがあった
なんかいろいろと応用できそうだ
仕事人間で家族思いだけどくたびれた感じのする父親と
eggなんかを愛読してるようなファッションに身を包んで夜遊びしまくる娘が大ゲンカ
「お互いの生き方がいかに素晴らしいか」を証明するため、
お互いの立場を交換する・・・・・・とか

58 :
「練習試合も近いからな、体調管理に気をつけとけ。俺からは以上だ」
「したーっ!」
「「「「「したーっ!!」」」」」
顧問の権堂先生の話が終わると、わたしたちは野球部風の挨拶で部活を終えた。全身が泥と汗で汚れてて、今すぐシャワーを浴びたい。
「おい、一年はちゃんと片付けやっとけよー」
二年生の先輩が帰り支度をしながら、わたしたち一年生に声を掛けた。その先輩も、他の一年生たちもみんな、野球部の男子と立場交換した女子だ。
野球部のキャプテンである武藤先輩も、武藤先輩と話している権藤先生も、みんな。
野球部の『武藤先輩』といえば、運動神経もよくて成績優秀、野球に打ち込んで日焼けした顔は凛々しくて、女子のあこがれ…
という絵に描いたような理想の先輩だったのだけど、今の姿は全然違っていた。
今の『武藤先輩』は坊主頭ではなくて、茶髪に染めた髪はウェーブのセミロング。
顔も日焼けしていないし、練習で引き締まっていた胸板は、男子中学生どころか女子中学生でもちょっとありえないほどの巨乳だ。
三年生の問題児、姫嶋先輩が武藤先輩の立場になってしまっているせいだ。
美人ではあるけど派手なことで有名な先輩で、高校生の彼氏がいるっていう噂もある。
学校に化粧をしてきたり、制服のスカートを改造して裏地を派手な柄にしたり。
あとは授業をサボるのもしょっちゅうで、生徒指導の権藤先生としょっちゅう口論をしていた。
だけど今は真面目な『武藤先輩』の立場になっているせいか、キリッとした凛々しい表情でタオルで汗を拭っていた。
その生徒指導の先生で、野球部の顧問もしている『権藤先生』といえば、角刈りの頭に角ばった顔、短足寸胴でゴリラのように毛深い先生だったのだけど…
今は黒髪ストレートの髪を肩まで伸ばし、すらっとした四肢をくたびれたジャージの袖から覗かせていた。
三年生の優等生である、雛川先輩が権藤先生の立場になったからだ。
切れ長の瞳に肩まで伸ばした黒髪はまさに大和撫子といった姿で、たまに眼が合うと女のわたしでもどきりとした。
…実は少し、憧れていたりしたのだけど。その雛川先輩が、権藤先生の立場になったせいでガサツなオヤジになってしまっていた。
くたびれたジャージを履いてガニ股で歩き、ボリボリと品なくお尻を掻いている。こんな先輩見たくなかったのに!

59 :
他の一年生たちと一緒に片付けを終わらせると、わたしも帰ることにした。
……その前にトイレに寄っておかないと。いつも一緒に帰っているらしい助川の友だちたちに声を掛けると、
わたしはグラウンド脇のトイレに向かった。
薄汚い屋外のトイレに入り、小便器の前でユニフォームのチャックを開け、股を広げる。少し力むと、勢い良くわたしのあそこからおしっこが出てきた。
服にかからないのが不思議だったけど、それも立場交換のせいなのかな。まっすぐにおしっこが出ていく。最後に体を揺すって残りを出し終えた。
トイレから戻る途中で、校舎の裏に誰かがいるのに気づいた。
あれは…本物の方の権藤先生だ。
今は『雛川先輩』の立場になっているから、ゴリラ顔の中年教師がセーラー服を着ているというおぞましい姿だったのだけど。
でも『雛川先輩』として、才色兼備な女子生徒の立場なのだから何もおかしくはなかった。
…こんなところで何をしているんだろう。気になったわたしは、植え込みの陰を通ってこっそり近づいた。
「手紙…読んでくれたかな」
『雛川先輩』になりきった権藤先生が俯き加減にそう言った。
手入れなんてしていない濃い眉を下げて、もじもじとはにかんでいる。女子中学生とはほど遠い筋肉質な肩が、上下していた。
その向かい側にいたのは…さっきまで一緒に部活をやっていた『武藤先輩』だ。
姫嶋先輩は普段の不真面目な様子とは全然違って、キリッとした顔つきで口を開いた。
「読みました。実はおれも先輩のこと、前から気になってて…おれでよかったら、お付き合いさせて欲しいです」
『武藤先輩』が低い声音を作ってそう答えた。
ユニフォームに入ったストライプ模様のお陰で、ウエストラインの女の子らしいくびれが余計に強調されている。
不良女子生徒だったはずの姫嶋先輩は、今は野球部の凛々しいキャプテンなのだから。
『武藤先輩』がさらに二言三言呟くと、『雛川先輩』の顔が真っ赤になった。脂ぎってテカる額まで赤く染まっている。
『武藤先輩』が『雛川先輩』の肩を掴んで、ゆっくりと抱き寄せた。
野球部のキャプテンとしては不釣り合いなほど大きな胸が『雛川先輩』に押し付けられる。
『雛川先輩』の身体がビクッと震え、毛むくじゃらな太い足を内股でもぞもぞと動かした。
興奮しているのか、股のあたりで『雛川先輩』のスカートが内側から持ち上がってしまっている。
二人は今どんな気持ちなんだろう。
いつも自分を説教してきた生徒指導の中年教師を『彼女』にすることになった姫嶋先輩。
逆に自分が指導してきた女子生徒に告白して、『彼氏』になってもらった権藤先生。
たぶん本物の先輩たちが告白の返事をする日がもともと今日で、二人は仕方なく立場にそって行動したんだろうけど……
今は二人共幸せそうで、権藤先生は姫嶋先輩の両胸にことんと頭を預けて甘えている。
わたしは倒錯したカップルの誕生を見届けながら、自分の割れ目が熱く疼くのを抑えきれずにいた。

60 :
「うぅ…やっぱり恥ずかしい……」
俺は洋式便座の前で悶えていた。
ここは斉藤の家にある、トイレの中だ。
自宅なら多少立場から外れた行動をしても大丈夫だろうと思い、立ちションを試みたのだが。
それが恥ずかしい。性格まで交換されたわけじゃないが、俺にも女子中学生の「立場」というものがあるわけで、さすがに立ちションはしづらかった。
「いいや、やっちゃえ!」
思い切ってスカートをたくしあげ、立ちションの準備を始めた。
俺のヒラメ筋でパンパンに膨らんだ紺のハイソックスと、毛深い太腿。
そしてずらしたパンティの中からもっさりと溢れる陰毛と、ぐでんとしたチンポが眼に飛び込んでくる。
どうみても変態すぎる。頭ではそう分かっているのだが、最初ほどの違和感は感じなかった。俺自身、斉藤の立場にかなり馴染んでいるようだ。
そんなことに気をやっているうちに、ちょろろ…と尿が出始めた、っておい!まずいぞ止まれ!!
「ひゃぁ!ちょっとやだぁ!!」
俺が可愛らしい悲鳴を上げた時には、もう床や便座が尿でびちょびちょに汚れてしまっていた。
女性器と立場交換してしまった俺の男性器は、機能からして完全に違っているらしい。普段とは全く違う方向に、違う勢いで飛び散ってしまった。
俺は泣きそうになりながらも、トイレットペーパーを何枚も重ね、汚してしまったところを拭き取り始めた。
    ※
「小夜子、顔色が悪いけど大丈夫なの?」
「…うん。大丈夫。続きやるね」
俺は台所に戻ると、さっきまでしていた晩御飯の手伝いを続けた。
斉藤の母親は娘が担任教師になっていることに微塵も気づかないまま、リズミカルに包丁を動かして野菜を刻んでいく。
俺はその横でハンバーグの生地を捏ねていた。腕の太さとは反して筋力が出ないせいで、結構な重労働だ。
他にも付け合せのポテトサラダを作ったり、捏ねおえた肉を焼き始める頃合いになると、もう外が暗くなりかけていた。
俺がフライパンの上に形を整えた肉を起き始めると、ちょうどただいまという声が玄関の方でした。父親が帰ってきたようだ。
「おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
台所にやってきた斉藤の父親が、シュッとネクタイを緩めながら答えた。
やはり俺のことを完全に斉藤だと思っているようで、娘の担任がセーラー服を着て晩飯の手伝いをしてる姿をなんとも思っていないらしい。
やがて飯も炊けたので、三人で食卓を囲むことになった。
「そういや、沙希子はどうしたんだ」
味噌汁の椀に手を伸ばしながら父親が訊くと、母親がエプロンの端で濡れた手を拭きながら答えた。
「留学しちゃう子がいるから、サークルで送別会があるんですって。あんまり飲み過ぎないといいんだけど」
沙希子…という単語を聞いた俺の中で、記憶がふっと蘇った。確か斉藤の姉で、大学生だったはずだ。
「えー、お姉ちゃんに数学教えてもらおうと思ってたのになぁ」
俺はそう呟くと、食事が終わったら宿題に取り掛からないとなと考えて、少しばかり憂鬱になった。

61 :
「おーし、これできれいになったな!さ、入るぞ」
「うん!」
三浦先生として帰宅したわたしを待っていたのは、妻の小百合さんと娘の美香ちゃんだった。
昼間体育教師としてバリバリ動きまわったわたしの空腹は、ご飯を三杯もおかわりして、おかずのレバニラ炒めをモリモリ食べることでようやく収まった。
今は美香ちゃんと一緒にお風呂に入っている。
さっきまでは美香ちゃんの身体を洗ってあげながら、今日は幼稚園でパパの絵を描いたんだよと教えてもらっていたところだ。
それを聞いてると、わたしの立場がすっかり変わっちゃったんだなあ、というのを昼間よりも強く感じた。
学校だと、生徒から教師へという立場の変化を強く感じたけれど、三浦先生の家に帰ってみると、女の子から父親へという立場の変化を強く意識してしまう。
今朝までわたしは中学生の女の子だったのに、奥さんと子どもまでいる大人の男の人の立場になってるんだなあ、って。
「あのね、みかね…おおきくなったら、パパとけっこんするの!」
美香ちゃんがほっぺにえくぼを作ってコロコロと笑った。
三浦先生の娘の美香ちゃんは、とてもかわいい。それは小さい子だからかわいい、というのとは少し違っていて、
自分の血を分けた娘だからかわいい、という感覚がふつふつと湧き上がってくるのだ。
きっとこれは、三浦先生の持つ父性、なんだと思う。
二人でお湯を掛けあったりしてふざけていると、いつの間にか美香ちゃんがじいっとわたしの身体を見ていた。なんだろう。
「パパのここって、どうしてみかとはちがうの?」
毛のうっすら生えたわたしの股の割れ目を見ながら、美香ちゃんが不思議そうに訊いた。
ううん、ホントは同じなんだけど…
今のわたしのここは、おちんちんとしての立場になってるわけで…ややこしいなあ、もう。
お風呂から出ると美香ちゃんの身体を拭いて着替えさせ、小百合さんにバトンタッチした。
わたしはバスタオルを腰に巻いてキッチンへと向かった。胸が剥き出しなのはもうプールでだいぶ慣れちゃった。
喉が渇いてたので冷蔵庫を開けると、麦茶があったのでそれに手を伸ばそうとした。そのとき、ふと銀色の缶が眼に入った。
缶ビール。
今までは冷蔵庫に入っていても、飲み物として意識したことはなかった。
それなのにいまは、缶ビールが飲みたくてしかたない。
風呂あがりに飲むビールは美味しい、ってよく大人が言ってるのもそうだけど、
なにより三浦先生の立場になってしまったわたしの細胞のひとつひとつが、湯上りのビールを欲しがっていた。
ゴクリ、とわたしの喉が鳴る。社会的にはわたしは三浦先生として扱われるんだから、飲んでも大丈夫なはずだ。
逆に三浦先生が飲んだら補導されちゃうんだろうけど。
現に三浦先生の家に帰るのにも車を運転したけれど、免許証の写真もわたしに書き換わっていたし、運転席に座っただけで車の動かし方を思い出せた。
今のわたしは、三浦先生がしていいことならば何でもできるのだ。
わたしは缶ビールを手に取り、プルタブを開けた。
プシュっと心地いい音がして、泡がしゅわしゅわと弾けていった。
腰に手を当てて、グビリグビリと飲み干していく。
泡だったビールが喉を流れ落ちていく感覚と、キィンとした清涼感がこめかみを貫き、わたしは思わず眼を見開いた。
「うおっ!うめえな…ビールってこんなに旨かったのか」
ふと、美香ちゃんと遊んでいる小百合さんの姿が眼に入った。
しなやかな腰、悩ましげなバスト、透き通るような肌…わたしの喉がゴクリとなる。
男の立場になってしまったわたしの身体が、また疼きだす。
今のわたしは、三浦先生ができる事ならなんでもできる。

62 :
シーツと肌が擦れる音に混じり、あっ、あっ、と切なげな声が寝室に響く。
わたしがその、砂糖菓子のようにぼってりとして甘そうな乳首を口に含んであげると、息を深く飲む音がした。
「んっ…ぁ。ダメ…そんなに舌使わないで……」
震えるような声音に従って口を離すと、声の主はホッとしたようだった。
呼吸を整えつつ、強張っていた身体を緩めている。
「小百合は感じやすいな…」
わたしはベットに横たわる女性に声を掛けた。小百合。三浦小百合。
三浦先生の奥さんで……今は、わたしの奥さんだ。
だからわたしが小百合さんとこんなことをするのも、ちっともおかしくない(けど三浦先生ごめんね!)。
わたしの言葉に、小百合さんは恥ずかしそうに口を尖らせた。
「もう…そんなふうに言わないで」
「悪い悪い」
わたしは謝りながら、小百合さんの滑らかな肌の手触りを楽しんだ。小百合さんもわたしの身体に手を伸ばしてくる。
お互いに身体を触りあっているだけなのに、なんだかとても気持ちいい…。
でもこれ、まだセックスじゃないんだよね。
わたしは立場交換で手に入れた知識をもとに、そんなことを考えていた。今のこれは『前戯』というやつらしい。
けどもうそろそろ『本番』にいってもいいかな。小百合さんの割れ目にそっと指を這わせた。
温かな粘膜が優しくわたしの人差し指を包み込む。小百合さんが掠れたような声を上げ、腰をくねらせた。
間接照明だけが灯る薄暗い寝室のカーテンに、わたしと小百合さんが絡みあう影が影絵のように映る。
見た目の上では互いに女同士、女子中学生と人妻のレズセックスにしか見えないんだけど…
だけど実際には、普通の男女の夫婦のセックスとしか扱われない。
小百合さん本人も、わたしが中学生の女の子だなんて夢にも思っていない。
体育教師をしている、逞しい自分の夫に抱かれていると思い込んでいる。
わたしは小百合さんを組み伏せ、両足を持ち上げて割れ目がよく見えるようにした。
ひくひくと小さく喘ぐように動くそこからは、もうとろりとした汁が出始めている。
わたしと違って毛もしっかり生えている大人の女性の性器。それが、今はわたしのモノを求めている…
熱く疼き始める自分のクリトリスの存在を感じながら、わたしも股を開いて小百合さんの割れ目に擦りつけた。
くちゅり、と女同士の粘膜が擦れ合ういやらしい音がした、その時だった。
「うおっ!?おぉぉ!」
「ひんっ!ぁぁあ!」
二人で同時に喘ぎ声を上げた。なにこれ…すごい。
ほんの少し割れ目同士を擦り合わせただけなのに、まるで…まるでクリトリスが、小百合さんの中に入っていくみたいな感覚だった。
こんなの初めて…あ、そっか。わたし、処女なのに、先に男としてセックスしちゃうんだ。でももう、そんなことどうでもいい!
そこからは、もう夢中になって腰を振った。
「小百合っ!小百合っ!!いいぞ、お前ん中最高だぞっ!!」
「ぁんっ!いいっ!そこぉ!!すごくいいのぉ!!!」
腰をぐっと深く埋め、そして引きぬくように持ち上げる度に、わたしの背筋に鋭い快感が走る。
それを繰り返しているとわたしの割れ目の中で、筋肉がぴくぴくと動く感触と、何かが込み上げてくる感覚があった。
無意識に三浦先生がいつも言っているだろう言葉が出た。
「出すっ!出すぞ!!小百合の中にっ!!ウオォォッ!!!」
「はやく…はやく来てっ!ひぁっ!!?んァァァ〜〜!!!」
ブシュ!ブシュウ!!と勢い良くわたしの割れ目から白い汁が溢れだした。
小百合さんはぎゅっとシーツを掴んで身体を強張らせ、掠れたような声で悶えた。
こうしてわたしは、担任の先生の奥さんに中出ししてしまったのだった。

63 :
お久しぶりです。前回からかなり間が空いてしまいましたが、思いやり学習の続きです。
これで帰宅編は半分終了。あとは三浦先生のエロパートとエピローグを残すのみとなりました。
三浦先生を既婚者にした理由は、このレズセックスがやりたかったからだったりします。
(逆に言うと三浦先生と斉藤姉は、男女間のセックスなのにレズとして扱われるというわけで…)
この辺り書いていて楽しかったです。それではまた近いうちに

64 :
待ちわびた思いやり学習の続編相変わらずGJです!
続き楽しみです

65 :
とってもイイです、乙です

66 :
乙でございます

67 :
GJ。これは名作

68 :
乙です!
オタクと立場交換して美人がフィギュアでオナるとこや助川プライベート編など想像してしまいます
これは是非思いやり学習社会人版も創作して欲しいですww

69 :
斉藤の姉、沙希子がぐでんぐでんに酔って帰宅したのは、
宿題と風呂も済ませ、斉藤の持っている少女漫画でも読もうとしていた頃合いだった。
「なんらのよぉ〜! うっぷ…アタシ振って高飛びしやがってぇ」
「あらあら、沙希子ったら…今お水持ってくるからね。小夜子、お姉ちゃん見てて」
「うん。ちょっと…お姉ちゃん、ここで寝ちゃダメだよ!」
俺は酔いつぶれた沙希子を起こそうとしたが、今の腕力では大学生の身体を持ち上げられないようだった。
代わりに顔をぺちぺちと叩き、母親が持ってきた水を飲ませる。
「んぐ…ありがと。あ゛ーぎもぢわるぃ」
一息ついたところで本人を立たせ、肩を貸しながら階段を登った。これぐらいなら今の俺でも十分にできる。
「ほら、お姉ちゃん着いたよ」
「うっぷ…」
俺は沙希子の部屋の扉を開け、二人で中に入った。
電気も点けていないので暗いままだったが、廊下から照らされる明かりでベットはすぐにわかった。
どのみちすぐ寝てしまうのだから、このままでいいだろう。
俺がベットに沙希子を寝かせていると、母親が荷物を置きに来た。
「小夜子、とりあえず着替えさせちゃってくれる?」
「うん」
そうは答えたものの、ちらりと俺の頭に罪悪感がよぎった。
いい歳をした既婚の男が、酔いつぶれた女子大生の服を脱がせていいものか?小百合と美香の顔がちらつく。
だがまあ……別にいやらしいことをしようとしてるわけじゃない。今の俺は、沙希子の妹ということになっている。
妹が姉を介抱しようとしてるだけなんだ……そう言い訳しながら服を脱がせていく。
…妻と同じくらいはありそうな胸が、ブラに包まれて揺れていた。
それを見ても、意外なほどに俺は冷静だった。性欲のせの字も湧いてこない。
これも当然といえば当然で、今の俺と沙希子は『女同士』なのだから、裸を見たぐらいでどうこうなるわけがなかった。
それに気づいた俺は安心して沙希子の服を着替えさせようとした。
「う…ん」
「きゃっ」
ぐいっ、と俺の手が沙希子に引っ張られた。
沙希子は上半身は胸を剥き出しにし、下半身にはパンティが引っ掛かったままというあられもない姿だ。
その上に覆いかぶさる形で、淡いピンク色の女の子向けのパジャマを着た俺の身体が重なった。
「ひっぐ…えっぐ……なによぉ、男なんてぇ」
「お姉ちゃん…」
「せっがぐ、こぐはぐしたのにぃ〜!」
どうやら留学する男に告白して、玉砕したらしい。俺は沙希子を慰めるように、ぽんぽんと頭を撫でてやった。
「うんうん」
「いいっ…もん!あだし……」
その時、沙希子の手がすすっと俺の尻を撫でたのに気が付かなかった。
いや分かってはいたが、酔って不可解な動きをしているのだと、そう思っていた。
「小夜子ぉ……」
潤んだ眼で俺を見上げた沙希子が、俺をぎゅうっと抱きしめた。
…酒臭い。だが男としての性欲がなくなった俺は、その若い女性の特有の柔らかい感触を純粋に楽しんだ。
そしてそのまま、沙希子を宥めながらいつの間にか眠ってしまった。

70 :
…熱い。体が熱い。
ぽうっとした熱っぽさを感じて眼を覚ますと、渋みのような快感が全身に広がっていた。
思わず艶っぽい声音が漏れた。俺の野太い声で。
「はぁっ…ぁん」
眼を開ける。暗がりで見えづらかったが、俺の上に誰かがいた。
寝ぼけた頭と眼が次第に覚めてくる。そこにいたのは…
「おねえ、ちゃん!?」
「ハァ…小夜子の肌、すべすべしてるね…きもちぃ」
とろんとした口調で沙希子はつぶやくと、俺の毛深い腕に頬ずりした。
おいおい!こりゃまずいなんてもんじゃないぞ!
「ダメだよぉ!こんなの!離してっ」
「んふふふ…やーだぁ!」
俺の両腕を押さえつけると、沙希子はえへへと笑った。
女子中学生の腕力になっちまった俺が彼女に敵うはずもなく、あっけなく押さえこまれてしまう。
「ふふっ。小夜子だって…もうこんなじゃない……」
「えっ!あっ!?」
くちゅ、と音を立てて、勃起しきった俺のチンポの皮を、沙希子が上下させた。
先走り…いや、愛液を亀頭から垂らした俺のチンポが、いやらしい水音を立てる。
その様子を満足気に見下ろしていた沙希子は、俺のチンポをしっかりと握ったまま自分の腰を近づけていった。
おい…まさか……!?
「お姉ちゃんね、さびしいの。でも小夜子となら…」
「ダメだよっ!わたしたち、姉妹なんだよっ! ひゃぅん!!?」
俺の乳首を、沙希子がくりくりと押した。途端にきゅぅんと胸が切なくなるような快感が突き抜ける。
男の小さな乳首が、熟れて弾けそうな果実のように堅く勃ち上がっている。
「んっ…んンっ!」
「お姉ちゃんと…ひとつになろ?小夜子」
にゅぷっ…にゅぷぷ……と、俺のチンポが沙希子のマンコに飲み込まれていった。
下半身を中心に甘い感覚が俺を包み込む。
完全に俺のチンポを咥え込むと、沙希子は自分の胸を揉みしだきながら腰を動かした。
まるで泉のようにじわじわと身体の内側から湧き上がってくる。
少しずつ少しずつ…潮が満ち干きするように、それは俺の中で次第に高まっていった。
こんなの初めてだ。男の快感とどっちが……あれ? そこで俺は気づいた。
射精の感覚がどんなだったか思い出せない。それどころか、セックスに関する知識がスッポリと頭の中から抜けている。
何度も小百合としていたはずの夜の営みも、頭ではしていたはずだとわかっているのに思い出せない。
…知識が入れ替わったのは、数学や英語だけだとなぜ思い込んでいたのだろう。性知識も知識だ。
それがすっかり斉藤のものと入れ替わっているようだった。なにせ、今のたい…なんだっけ。たいい?さえわからない。
ガタイこそ厳つい男のくせして、初心な女子中学生並みの性知識しか持っていない。それが今の俺だった。

71 :
それに気づいちまった俺は、一気に堕ちた。
なにせ今の俺には性的な耐性が全くない。
オナニーもしたことがない女子中学生が、人生初めての快感を与えられて抗えるはずがなかった。
童貞どころか、今の俺は処女なのだ。
「きもちぃよぉ…おねえちゃぁっ、ぁぁあん♪」
俺は涎を垂らしながら、ひくひくと毛深い身体を痙攣させた。
俺の上にまたがった沙希子が腰を振る度に、とろりとした快感が身体に溜まっていく。
ゆっくりと、だが確実にコップに水が注がれていくように。それはあふれだす機会を狙っているようだった。
「ね?女の子同士って、すごくいいでしょ…」
「うん…ぁん。もっと…」
「あっ!小夜子…!」
俺は自分から腰を突き上げた。ぐちゅんと愛液とチンポの皮が擦れて音を立て、俺はその心地よさに眼を細めた。
「いぃ。すごいよぉ…!わたしのおまんこきもちぃ…」
「ふふっ。もっと気持ちよくしてあげる」
沙希子が腰を動かし、俺が突き上げ、互いに快感を高めていった。ときおり胸を揉み、いやらしい言葉を囁く。彼女がより大きく股を開くと、さらに深くチンポが膣内に飲み込まれていった。
見た目こそ既婚男と女子大生のセックスだが、これは姉妹のレズセックスなのだ。
そしてとうとう、蜜が溢れる時が来た。
「ひあっ!んぅ…くぅ……ぅぁんんっ!!? ひぁあんっ!!!!」
今まではじんわりとした快感がずっと続いていたのが、腰を激しく動かし続けていると、
眼の前が真っ白になるような快感が数秒間も続いた。
俺は何も考えられなくなり、ただ身体を弓なりに仰け反らせて喘いだ。
どさっとベットに身体を落とし、肩で息をしていると、沙希子が俺のチンポをマンコから抜いた。沙希子の膣からとぱぁと粘る汁が溢れだす。
沙希子は「小夜子ったら、初めてで潮吹くなんて素質あるわよ」と言いながら、今も俺の亀頭からどくどくと溢れだす愛液を舌で舐め始めた。
そのくすぐったい感覚に、俺はまた女の子のようにベットの上で悶えた。
こうして俺は、教え子の姉相手にレズセックスをしてしまった。

72 :
「んあ…?」
翌朝は、なんだか早く眼が覚めてしまった。
しかも寝ぼけた頭では立場交換のことなんかすっかり忘れていて、最初は自分が本当に三浦先生だと思い込んでしまった。
(そういや今日の朝当番は俺だったな……早めに家を出るか。ん?)
途中で何か自分の考え方が変だなと思い、身体を触ってみた。
二次性徴が始まって柔らかく丸みを帯びた胸、くりっとした乳首。毛のない華奢な腕、くびれた腰。そして……
(んっ、朝起ちが収まらねえな。小百合を起こすのも悪いし、一発抜いとくか)
毛の薄い女性器の中で堅くなっていた、クリトリス。
自分の身体のあらゆる女性的な部分を、
立場交換によって「ガタイのいい男性体育教師の身体」と認識してしまっていたわたしは、寝ぼけたまま三浦先生のつもりでオナニーを始めた。
小百合さんの寝顔をおかずにしながら、くちゅくちゅと割れ目の中で指を動かす。
フーッ、フーッと鼻息を荒くして、ほっそりした足をガニ股に広げてもぞもぞさせていたところで、ようやく自分が三浦先生じゃなかったことに気づいた。
(やっ、やだわたし! すっかり自分が三浦先生だと思い込んでた…!)
冷静になってみれば、昨日まで女子中学生をしていた記憶ははっきりと残っている。
立場交換用に一部の記憶(車の運転とか身体の動かし方とか)が入れ替わっているけど、あくまでも基本はわたしのままだ。
だけど、アイデンティティ…っていうのかな。自分が自分である実感、それが三浦先生のものとごっちゃになってきてる。
頭では自分が中学生の女の子だってわかってるのに、自分は妻子持ちの男だ、って気がしてきちゃう。
昨日まではそんな感じはなかったんだけど、だんだん三浦先生の立場に染まってきてるのかな。
…もしこのまま、ずっと三浦先生の立場でいたらどうなるんだろう。頭の中まで三浦先生そっくりになっちゃうんだろうか。
わたしは横で寝ている小百合さんの寝顔を見た。昨日した、男としてのセックスの記憶が蘇る。
小百合さんを悶えさせ、中出ししたことで充実感…いや征服感さえ感じることが出来た。
この人は、わたしの妻なんだ。
小百合さんの髪を優しく撫でる。
その女らしい身体を見ていると、この人はわたしが守らないといけない、という本能のようなものが湧き上がってくる。
お母さんやお姉ちゃん、お父さん。学校のみんな…今までに会った誰とも違う。
小百合さんが軽く眉根を寄せたが、まだ起きないようだ。私は囁いた。
「愛してるぞ、小百合」
そう。わたしは、小百合さんを愛してしまっていた。男として、夫として。
わたしがわたしでなくなってもいい。小百合さんと一緒にいられるなら…。
そんなことを考えながら、シャワーを浴びに寝室を出た。

73 :
「おはようございまーす!」
「おはよう!今日も朝から元気いいな」
三浦先生が「朝のあいさつ運動」の当番だったため、わたしは少し早めに出勤して校門前で生徒たちに声を掛けていた。
同時に制服の規則違反をしている生徒がいないかチェックする。
…みんな大丈夫そうだ。グラウンドの方を見ると、朝練のある部活が普段と変わりなく練習をしていた。
野球部員と立場交換した女子生徒たちがキャッチボールを始め、サッカー部員になった女子生徒たちは低い声で掛け声を掛けながらランニングをしていた。
テニスコートの方を見ると、女子テニス部員と立場交換した男子生徒たちが、すね毛の生えた足で女子用のテニスウェアを着てラリーをしている。
そんなとき、裏門の方からノシノシと勢い良く歩いてくる人影があった。
「ちょっとぉ!イミわかんないんですけどォ〜」
「生徒指導室まで来い!髪を染め直すまで教室には入れんからな!」
生徒指導の『権藤先生』だ。
真っ赤なジャージに白いランニングシャツ、そして竹刀といういかにも生徒指導の先生らしい格好をしている。
ただし立場交換をしてしまっているので、うちの中学きっての大和撫子、雛川先輩がその立場を務めていた。
白いランニングシャツに乳首の色が透け、ガニ股で歩いている様子は、立場交換をしていなかったらありえない光景だ。
女の子でも見惚れちゃうほどのスタイルの良さ、長いストレートの黒髪と凛とした面差しはそのままで、ガサツな中年教師の立場をこなしている。
「離してってばぁ!もーまぢムリ!髪の染めんのなんて、うちのじゆーぢゃん!」
そんな『権藤先生』に捕まって騒いでいるのは、問題児で有名な『姫嶋先輩』だ。
こっちは野球部のキャプテンだった武藤先輩がその立場になってる。
女子からも人気の男らしい先輩だったのに、今は頭が悪そうな舌っ足らずな喋り方をしていた。
おまけに坊主頭が茶髪に染まっているし、なんだか化粧をしてるっぽい。たぶん『姫嶋先輩』として昨日染めちゃったんだろう。
そういえば雛川先輩と武藤先輩は、そろそろ付き合うんじゃないかって噂があったはずなんだけど……
よりによってこんな天敵同士みたいなペアと立場交換しちゃったんだ。
雛川先輩と武藤先輩は、ギャーギャー騒ぎながら昇降口の中に消えていった。
しばらくすると他の生徒たちも次々に登校してきた。
柔道部員になったチアの綾瀬さんや、水泳部のエースになった文化系女子の沢木さん。
仲のいい由佳ちゃんの立場になった野球部の後藤くんや、帰宅部のぽっちゃりした女の子の立場になった水泳部の千葉くん。
みんな異性の制服を着ているとはいえ、立場交換のせいで見ていてもさほど違和感を感じなかった。
男子の夏用カッターシャツに女子の膨らんだ乳首が汗で透けていても、
ハイソックスを履いた毛深い足がスカートから覗いてても、なんだかそれが当たり前のように思えてしまう。
教師から生徒になった人もちらほらと登校していた。
わたしの眼に留まったのは、新体操部員になった数学の山川先生と、雛川先輩の立場になった権藤先生だ。
山川先生はむっつりとしていて無表情なオジサン、って感じの先生だったのに、
立場交換したのがハキハキして元気な嶋田さんだったので、今は楽しそうに友だちとおしゃべりしながら登校している。
権藤先生は大股で荒っぽく校内を歩きまわってるような先生だったのに、
今はおしとやかな雛川先輩の立場になったせいで、セーラー服姿で太く毛深い足を内股にしてしずしずと歩いていた。
角刈りでいかにもオヤジ臭い外見なのに、今は雛川先輩の立場になっているので男子からも女子からも憧れの視線を送られている。
ちらっと野球部の方を見ると、照れたように頬を染めて昇降口に入っていった。
そんな生徒たちに挨拶していると、委員長の立花さんの立場になった助川くんがやってくるのが見えた。
「おはよう!立花。どうだ、今の立場には慣れたか」
「おはようございます、三浦先生。そうですね…だいぶ慣れちゃいました」
助川くんは野球部らしい坊主頭で頷きながら答えた。
普段はクラスでニヤニヤしながらスケベな話ばかりしてるのに、今はとても思慮深げな表情だ。
小首をかしげる仕草とか、ひとつひとつが女の子っぽい。
「立花さんの立場になってからは、勉強にとても集中できるんです。むしろ勉強が好きになりそうで」
「ほう、そりゃあ収穫だな。元に戻ってもその気持ちを忘れないようにな」
「ええ。そのつもりです」
助川くんはすっかり立花さんの立場が板についたようで、機嫌よく校内に入っていった。

74 :
「おはよー。ね、昨日どうだったー?」
「うん。三田さんの部屋にあったテディベアがすごい可愛くて、あたし気に入っちゃった。元に戻っても買おっかな」
「えー、あんた元は空手部じゃん。ね、それより彼氏とはどうだったの?」
「男のってすげーよな。始めてオナったんだけどよ。癖になりそうだったぜ」
「だよなー。おれなんか兄貴のエロ本借りて三発も抜いちった」
朝の教室は、昨日の立場交換の話題で持ちきりだった。
セーラー服を着た男子たちが、女子の部屋の可愛らしさや彼氏の話できゃっきゃと騒ぐなか、
学生服に夏用のカッターシャツを着た女子たちは、男のオナニーの気持ちよさで盛り上がっていた。助川の立場になった立花もやはりその中にいた。
俺はというと昨日のトロけるような余韻がまだ残っている気がして、気だるげに机にカバンを置いた。
「ね、小夜子ちゃんはあれからどうだったの?」
前の席の後藤が、カチューシャを付けた坊主頭で振り返り話しかけてきた。
斉藤と仲のいい『鴨志田 由佳』の立場のため、俺に対しては親しげだ。
「うん…あのね、ちょっとエッチなことしちゃった……酔っ払ったお姉ちゃんと」
ヒソヒソ声で後藤に打ち明けた。教師と生徒の間柄では出来ない話題だが、斉藤と鴨志田の間柄だと、なんだか相談したいという気分になってしまう。
「えっ…すごい!も、もうちょっと詳しく聞かせてくれるかな」
後藤は眼をキラキラさせて食いついてきた。プールの時も思ったが『鴨志田』はちょっとレズっ気があるんじゃないか?
もっとも今の俺たちは肉体的には男なわけで、ホモっ気があるようにしか見えないのだが…。
俺がこそこそと昨日の熱い一夜を話しているうちに、俺の立場になった斉藤が教室にやってきた。
「おーし、席につけ〜。出席を取ったらもう一度立場交換するぞー」
昨日と同じように出席が取られていく。
男子の名前が呼ばれると女子が低い声音で返事をし、女子の名前が呼ばれると男子が高い声を作って返事をする。
「斉藤」「はい!」
俺も斉藤の名前が呼ばれたため、少し高めの声で返事をした。
全員の名前が呼ばれると、斉藤は再び立場交換箱を取り出した。
「よし。欠席のやつはいないな。元の立場に戻すぞ」
斉藤がそう言ってスイッチを入れると、急に目眩がして俺の視界が暗くなった。

75 :
次に感じたのは、急に身体が重くなった感覚だった。
眼を開けて自分の身体を見ると、いつも通り男物のポロシャツとチノパンを履いている。
股間に違和感を感じてそっと触れると、これも普段通り俺のイチモツが収まっているようだった。
今までは胸の重さを感じていたのに、それが消えている。
俺は、男の立場に戻ったのだ。
「なんかスカート履くのって変な感じ。こんなスースーしてたっけ」
「うわっ、身体重てえなー。さっきまですげー軽かったのに」
周囲を見回すと女子は女子の、男子は男子の制服を着ている。
立場交換に慣れてきていたため、なんだか今の状態がおかしいような気がしてくるから不思議だ。
「よーし、それじゃあ全員元の席に戻ってくれ。今からアンケートを配るからな」
俺は斉藤の席から立ち上がり、再びの立場交換でざわめく教室に向かって呼びかけた。
    ※
    
Q1.立場交換で社会的立場が交換されたことで、便利だと感じたことを書いてください。
Q2.では逆に、社会的立場が交換されたことで、不便だと感じたことを書いてください。
Q3.あなたが体験した異性の生理現象を思いつく限りここに書いてください。
Q4. Q3で書いた生理現象の感覚を、今の性別と比較してそれぞれ簡単に表現してください。
………
……

アンケート用紙には、このような質問が続いている。今後の思いやり学習に活かすためのアンケートだが、最後の質問だけは異質だった。
Q20.今後も立場交換を継続したいですか?
「よし。まだみんな書いてる途中だろうが、手を止めて聞いてくれ。一番最後の質問の『今後も立場交換を継続したいですか?』って奴だ」
その言葉でクラス中がアンケート用紙の最後に注目した。
「この質問に『はい』と答えた場合、昨日までの立場交換をこれからも続けることになる」
俺が言い終わるやいなや、クラス中が騒がしくなりかけたので、声を張り上げて詳しい条件を話した。
「待て待て! 交換が行われるのは、ペア同士が互いに『はい』と答えた場合だけだ。片方が『いいえ』と答えた場合は交換は行われない」
クラス中の注目が再び俺に集まり、そしてアンケート用紙を真剣に見つめた。
「交換した場合でも、片方が交換を嫌になればいつでも元に戻れる。そこのところ注意してよく考えてくれ。この時間の最後に集めるからな」
俺はクラスへの説明を終えると、自分の分のアンケート用紙の記入を始めた。教師が交換した場合も書かなくてはならない。
生徒たちはヒソヒソと友達同士で相談し合う中、皆真剣にシャーペンを走らせていた。
俺も順調に質問に答えていき……そして、最後の質問にやってきた。
脳裏には、小百合と美香が当たり前のようにいる我が家の日常が浮かぶ。
そして沙希子と過ごした情熱的な一夜も。
俺が持つペンが固まった。刻一刻と時間だけが過ぎていく。
妻もいる、娘もいる。男として充実している俺が、女子中学生になる必要はどこにもない。
それにたとえ俺が『はい』と書いても、斉藤が同じ答えを出すとは限らない。
だが、もう一度女として生きてみるのは面白いんじゃないか?
昨晩女として味わった悦びは、俺の価値観を大いに揺さぶっていた。
そうだ。いつでも好きなときに男に戻れるんだ。だったら。
やがてチャイムが鳴り、俺は意を決して答えを書いた。
「よし!アンケート回収するぞ!!」

76 :
〜12年後 斉藤小夜子 24歳
「緊張してるのか?」
彼が私の顔を心配そうに覗きこんだ。私はううん、とかぶりを振った。
「すごく幸せで…怖いくらいなの」
ウエディングドレスに身を包んだ身体を、彼に預けた。
タキシード姿の彼がそっと肩を抱き寄せてくれる。それだけで、私の不安が少しずつ消えていく。
今日は私と彼の結婚披露宴。スタッフからの合図があれば、眼の前にある扉を開けて会場へと入る。
その時はもうすぐだ。
「…綺麗だよ。小夜子」
「和久さんこそ…素敵よ」
ふふ、と互いに笑顔が浮かんだ。ふと振り返って待合室にある鏡を見る。
そこに映っているのは、旦那様になる和久さんの凛々しい姿と、花嫁姿の私。
やっぱりプリンセスラインのウェディングドレスにして正解ね。
ふんわりとしたバニエで下半身のラインが見えないし。ウエストより上はきゅっと引き締まって見える。
ヘッドドレスにしたティアラも綺羅びやかで、手に持つキャスケードブーケも可愛いものを選べた。今の私はドレスの名前通り、お姫様みたい。
私のゴツゴツした骨太な手に、彼がそっと指を絡めた。
本当に夢みたい…妻子持ちの男だった私が、花嫁になって男の人と結婚してしまうなんて。
あの『思いやり学習』から12年。体育教師だった私は『三浦健吾』としての立場と、教え子だった『斉藤小夜子』の立場をもう一度交換した。
斉藤さんが、どうして昔の私になりたがったのかはわからないけど……いつでも戻れるという気軽さもあって、私は立場交換を希望した。
でも、周りから女の子として扱われ続けて、いつまでも男としてのアイデンティを保てるわけがなかった。
気がついた時には私の内面はすっかり女の子になっていて、斉藤さんはすっかり男らしくなってしまってた。
一度斉藤さんと相談して元に戻ってみたこともあったけど…運動が苦手になっちゃった私が、体育教師なんて続けられるはずもなかった。
ボールを投げるときも女の子みたいに下手投げしか出来なくなっちゃったし、走り方も腕を横に振る女の子走り。
それにブラも何も付けないで、ポロシャツ一枚で授業するなんて恥ずかしくて仕方なかった。
男の立場だった時は当たり前にできてたけど…今そんなことするなんて、痴女か何かみたいで耐えられないわ!
結局私たちは、お互いの立場を交換したまま暮らすことにした。それからいろんなことがあった。
みんなと別れを惜しんだ中学の卒業式、部活に打ち込んだ女子高時代。
大学のサークルでできた初めての彼氏…そして初体験。処女だった私のズル剥けおちんちんが、ようやく女になった瞬間だった。
お姉ちゃんの影響でレズっ気のあった私が、ようやく男の人に興味が出てきたのがその時で…
そしてその運命の人が、和久さんだ。
男の立場だった時には、こんな気持ち味わったことがなかった……
彼のことを想うだけで、幸せが身体に溢れてくる。女性は精神的な快感に敏感、って話を聞いたことがあるけど、まさにそんな感じだった。
今も、心臓が張り裂けそうなほどの幸せを噛み締めてる。
小百合、美香……パパ、これから幸せになるからね。
スタッフからの合図があった。私は和久さんと腕を組んで、式場へと足を踏み出した。
身体は41歳のオジサンだけど、立場と中身は24歳の花嫁。
斉藤小夜子の人生はこれからだ。

77 :
〜12年後 三浦健吾 41歳
新郎新婦の入場が始まった。新郎は20代くらいの精悍そうな若い男で、新婦は40過ぎの中年男だった。
新婦の中年男は若い頃には鍛えていたのか、その筋肉の上に中年太りで脂肪がついてしまい、固太ったゴツゴツした体格になっている。
髪の生え際も歳相応にM字に後退し始めており、いかにもオヤジっぽい。お世辞にも花嫁という面構えではない。
だが招待客たちは口々にため息を吐いて、彼女を羨望の眼差しで見つめた。
「斉藤さん…すごく綺麗ね」近くにいた招待客の女性が呟く。花嫁の名は『斉藤小夜子』。俺の教え子で……俺の昔の名だ。
何かボタンが掛け違っていたら、あそこにいたのは俺だったかもしれない。
中学生だった頃の『思いやり学習』で、俺は担任だった三浦と立場交換をした。
それでまあ、もの知らずな女子中学生だった俺は、男としての暮らしに憧れて立場交換の継続を希望したわけだが……思った以上に俺の中身まで男になっちまった。
以来ずっと、俺は自分が通っていた中学校で体育教師として働いている。
だが不満があるわけじゃない。ロクに運動も出来なかった俺の身体が、三浦の身体能力を身につけて目覚しく動かせるようになったのは、いつになっても爽快な気分だった。
妻の小百合や娘の美香ことも愛している…もっとも高校生になった娘から「パパと一緒に洗濯しないで!」と言われたのはショックだったが
(立場や中身こそ不惑を迎えたオヤジだが、俺の身体は20過ぎの若い女なんだぞ?)。
礼装用のスーツを盛り上げる大きな膨らみが、自己主張するように揺れる。いつの間にかネクタイが谷間に挟まっていたので、引っ張って外に出した。
Dカップは胸がある若い女が、オッサンじみたスーツを着ている様は奇妙かもしれないが、今ではごくありふれた光景だった。
俺以外にも服装と外見がチグハグな連中はわりといる。
あれから立場交換はだいぶ一般にも広まったし、それに俺の居る中学校友人のテーブルは立場交換を継続した連中ばかりだ。
俺の左にいるのは、斉藤と仲の良かった『鴨志田』の立場になった後藤だ。思いやり学習の時は坊主頭だったが、いまは髪を伸ばしてアップでまとめている。
そういや『後藤』の立場になった鴨志田は甲子園にまで出場したんだったな。
『鴨志田』になった後藤はもう野球には興味がなくなったらしいが、当時はそれを嬉しそうに話していたのが記憶に新しい。
その隣にいるのは『助川』の立場になった立花だ。
中学生の頃は三つ編みだった髪を短く刈り上げた様は営業マンのようで、実際今は大手の商社で食品の輸入をしているらしい。
立花の生真面目そうな顔つきもあって、手の軽さも収まったかと思ったが…
「この仕事天職っすよ。海外出張に行く度に現地妻を作れるんすからね…へへ」と言っていたので、根っこの方は変わっていないようだ。
その隣は『立花』の立場になった助川だ。スケベだった男子中学生とは思えないほど、淑やかな女性として成長していた。
客室乗務員という華々しい職業に就いたため、男から引く手数多らしいが、今のところ浮いた話はないらしい。
……おいおい。さっきから『助川』の方を睨んでるぞ。『助川』もいいかげん気づいてやれ。
式はつつがなく進んでいく。
主賓挨拶、ケーキカット、乾杯……キャンドルサービスの段階になると、新郎新婦が各テーブルのキャンドルに火を灯すためにやってきた。
幸せそうなその姿を見ていると、自分のことのように嬉しい。…いや、実際自分のことなのか?
「三浦先生、お久しぶりです」
「ああ。この度はおめでとう!」
花嫁姿の三浦と俺の眼が合う。
一瞬、俺と三浦が立場交換をしていない世界が脳裏によぎった。
そこでは俺は女性として成長し、結婚式に招待した友人や恩師から祝福を受ける中、ウエディングドレス姿で夫と共にキャンドルサービスに回るのだ。
(……いやいやいや!気色悪いな)
俺は苦笑いを浮かべてその妄想を打ち消した。
身体こそ女だが、俺は社会的にも自覚的にもすっかり男だ。そんな俺が男と結婚するなんて、ぞっとする話だ。
「互いを思いやることが夫婦円満の秘訣だ……って、お前なら大丈夫だな」
「ふふっ。そうですね」
俺の言葉に、かつて妻子持ちの男だった花嫁が微笑む。
三浦ならきっと幸せになれるだろう。男の立場も女の立場も知っているのだから。
夫としての経験が、妻となった今に活かせるはずだ。
『他人の立場を知ることでお互いを理解する』それが思いやり学習の目的なんだからな。
(終)

78 :
以上で思いやり学習は終わりです。
助川プライベート編は委員長がお堅い子なんで、あんまり萌えるような話にはならないかな?ということで今回は見送りました。
社会人版思いやり学習は、書きたい人がいればどうぞという感じですね(そもそも思いやり学習自体他の方のネタですし)。
沢山の乙ありがとうございました。半年以上かかってしまいましたが、最後まで書ききれてよかったです。
それではまた。

79 :
名残惜しいですが乙!

80 :
うむ、素晴らしい
心から乙でした!!

81 :
 

82 :
>>78
乙!
余韻が残る。
ありがとうございます。

83 :
GJでした! 完結おめでとうございます

84 :
完結乙です
終わってしまうのがもったいないな

85 :
 

86 :
#あれだけ巧い作品のあとだと、微妙に投下しづらいですが……ヨソはヨソ、ウチはウチ! の精神で気力を奮い起します。
『ポニーテールは伊達じゃない!』7
 あとから思い返してみれば、それは、よく言えば少女漫画のようにドラマチック、悪く言えばラノベのように陳腐な出会いだったた。
 それは、バイトを始めて5日目の金曜の夜。明日の土曜日は丸一日お休みをもらえるということで、いつもハイテンションな晴海さんはもちろん、雪さんやワタシも、心なしか浮かれていたんだと思う。
 そのせいで、ワタシたち3人は、いつもは足を向けない、繁華街でも少しいかがわしい店の並ぶエリアまで来てしまっていた。
 金曜の夜は、やはり人出が多く、そのうえ、"朝日奈恭子"としてもあまり履き慣れないヒールの高めのサンダルを履いていたせいで、気が付けばワタシはふたりの友人とはぐれて半ば迷子みたいな状態に。
 ──そのことを自覚した途端、ワタシは突然、心細くなってしまいました。
 元々土地勘のない場所のうえ、夜ということで辺りも風景もどこか薄暗く、対照的にお店のネオンがギラギラと毒々しい。
 いまいる場所の見当もつかなくなったワタシは、酔っ払いやチャラい男の人の視線を避けるようにして、何とか見覚えのある場所へと戻ろうとするのですが、そういう時に限って、ますます迷ってしまうのは、お約束なのでしょう。
 (子供じゃないんだから、しっかりしなきゃ!)
 そう、心の中で言い聞かせても、まるで落ち着きません──まるで、自分が自分じゃなくなったみたいに。
 (こ、こわい……恐いよぅ……)
 ここ数日間"高校一年生の女の子の恭子"になりきって行動していたせいで、心まですっかりか弱い女の子になってしまったのでしょうか? ワタシの顔は不安に歪み、たぶん今にも泣きそうになっていたかもしれません。
 (はるみさぁん……ゆきさぁん…………うぅ、誰か助けて」
 心の声が思わず唇から零れ落ちた、その時──。
 「あれ……ねえ、キミ、もしかして、1-Aの朝日奈さん?」
 背後から「わたし」のことを知ってるらしい優しげな声をかけられた瞬間、ワタシは反射的にその人にすがりついてしまったのです。
 「ふ、ふぇえええーーーん!!」
 まるで「本物の朝日奈恭子」のように半泣き(というか7割5分泣き)状態で、パニックに陥っているワタシを、声をかけてくれた人──同い年くらいの少年は、困ったような顔で、それでも落ち着くまで見守ってくれたのでした。
 * * *

87 :
 「お、お見苦しいところをお見せしました……」
 その少年に駅前まで連れて来てもらい、バーガーショップの2人席で差向いに腰かけながら、ワタシは穴があったら入りたいような気恥しさを覚えていました。
 「いや。女の子が、あんな場所でひとりで迷ったら、心細くなっても仕方ないと思うよ」
 いかにも人の良さそうな少年は、苦笑してはいるものの、ワタシを馬鹿にしている感じはありません。
 「そうだ。自己紹介が遅れたね。ぼくは、恒聖高校2年C組の国枝逸樹」
 こういう言い方をするということは、この人は"朝日奈恭子"と初対面か、それに近いほど面識はないのでしょう。
 「あ、先輩だったんですね! すみません。"わたし"は、1年A組の朝日奈恭子です。でも、国枝先輩はわたしのことをご存知みたいですけど……」
 おそるおそる、そう探りを入れると、国枝先輩は、眉の端をほんのちょっと下げて微妙に困ったような表情になりました。
 「あー、まぁ、なんと言うか、その……君達、応援部の一年生トリオは、校内では、色々有名人だからねぇ」
 ちなみに、"応援部"というのは、晴海さん、雪さんと一緒に"わたし"が入っている部活のことです。
 この部活、いわゆる応援団とはちょっと違って、「よその部活で手伝いが必要な時に助けの手を差し伸べる」というのが設立理念のクラブです。もっと分かりやすく言うなら、助っ人部、あるいは人材派遣部、でしょうか。
 晴海さんは、ああいう性格ですから、いろいろなトコロに大手を振って首をツッコめる応援部に入学当初から興味深々で、3年の武ノ内部長にスカウトされた時、一も二もなくOKして、以来、いつも活き活きと活動されてます。
 その際、わたしと雪さんも、付き合いというか引っ張り込まれたと言うか……結局一緒に入部届けを出して、「いろいろなトコロをお手伝い」しています。
 つまり、1年女子の要注意人物(おさわがせむすめ)のひとりとして顔を知られていたということのようです。はぅ〜、またまた穴があったら入りたい気分になってきました。
 もっとも、国枝先輩は、その点にはそれ以上言及することなく、気の置けない雑談で、わたしが笑顔を見せることができるほど落ち着くまでつきあってくださいました。
 で、ちょうどそうなった頃に、肩に欠けたポシェットに入れたケータイに、メールが何件も来ているのにわたしも気付き、無事に晴海さんたちとも合流できたのです──ケータイ持ってることも忘れてるなんて、どれだけ慌ててたんでしょうね、わたし。
 ともあれ、そろそろ"門限"の時間が近づいていたので、この町の親戚の家に遊びに来ていて、しばらくはコチラにいるという国枝先輩と連絡先を交換してから、わたしは晴海さんたちとともに帰路につきました。
 あんな経験をした直後だと言うのに、何となく浮き浮きした気分になったわたしは、そのせいか、ふたり──晴海さんと雪さんが、アイコンタクトで「ニヤリ」と含みのある笑顔を交わしていたのを、ウッカリ見逃してしまったのでした。
-つづく-
#実は、自覚はありませんが、香吾は以外にシスコン。というか、「いつも行動力のある姉に振り回されていた=自分から能動的に行動するのに慣れていない」ため、見かけよりも単独行動能力は低かったり。
#今回はそれが露呈したのですが、禍福は糾える縄の如し、おかげで頼りになる"ボーイフレンド"と出会えたワケです。
#そして、一瞬「我を忘れた」ことで、"暗示"に対する自我の防衛線が崩れ、これまで以上に今の立場に適応することに……本人は気付いてませんが。

88 :
   
 
 

89 :
今日はクリスマスイブ
一体どんな交換が起きるんだろうか

90 :
願いが足りない

91 :
大人になりたい幼女の願いに巻き込まれて立場交換されたい

92 :
>>91
5人ぐらいでぐっちゃぐちゃに立場交換とかかな

93 :
クリスマスのプレゼントに妹が欲しいとお願いする小学生の娘の願いを叶えてあげたいがすぐには無理なので、苦肉の策として実は魔女の家系のお母さんが高校生のお兄ちゃんと妹の立場を入れ替えてしまう。
とりあえずそれでなんとかなったと思ったら今度は因果律がどうのこうので問題が起こってテンパったお母さんの魔法が暴発して世界中のいたるところで立場交換がおこっちゃう。
みたいな妄想したけどなんだろう、なんかおもしろくならない

94 :
>93
そのタイプだと、自分も母親を幼い頃に亡くした小学生3年生の女の子が、
サンタさんに「ママが欲しい」と願い事をして、
よりによって、その願いが本物のサンタさんに届いて叶えられることになってしまい、
父親が身体はそのままに、母親という立場に変えられてしまう……というのを考えたこともある。
願い事の有効期限は1年で、その期限の日=翌年のクリスマスが近づくにつれて、
感慨深くこの1年間を振り返る元父な「ママ」……とか。

95 :
#せっかくなので、即興で書いてみた。
『ラスト・クリスマス・イヴ』(前編)
 「じんぐるべーる、じんぐるべーる、すっずがなる〜……」
 リビングで、クリスマスソングを歌いながら、9歳になる娘の美弥子が、キラキラしたモールやお手製の色紙チェーンで部屋を飾りつけています。
 「ママぁ〜、おへやのじゅんび、できたよー!」
 「あら、ありがとう。ケーキももう少しで焼けるから、手を洗って、お台所に来てくれる?」
 「はーい!」
 4年前に連れ合いを事故で亡くし、それ以来、片親ながら懸命にひとり娘を育ててきたつもりですが、幸いにして美弥子はとてもよい娘に育ってくれています。
 今日は12月24日。同僚や部下の好意で休暇が取れたので、私は娘とふたりでクリスマスパーティーの準備をすることにしました。
 昼間から夕方にかけては、娘の学校のお友達数人が訪れる予定です。
 そして、子供達のパーティーが終わる夕方からは、何かとお世話になっている、私の友人を招いています。
 「わぁ〜、いーにおーい!」
 「ウフフ、摘み食いはタメよ。さっき焼けたから、オーブンから出して熱をとってるの。ちゃんと冷やしてから、デコレーションは、ふたりでやりましょうね」
 「あ、クリーム塗るの手伝っていいの!? やるやるー!」
 目を輝かせて私の手元を見つめる娘の視線をちょっとくすぐったく感じながら、手際良くホイップクリームを泡立てます。
 ワクワク……という擬音が聞こえてきそうなくらい、楽しそうな娘の様子に苦笑しつつ、手早くポットからお湯を入れて飲み物を作ります。
 「はい、あったかいココアよ。サービスでコレも入れてあげる」
 泡立て途中のまだ柔らかな泡状のクリームを、ひとさじカップに垂らします。
 「わーい! ありがとう、ママ♪」
 両手でカップを持ち、フーフーする娘の様子をにこやかに見守りつつ、数年ぶりのクリスマスホームパーティーの料理番として、残りの料理のことにも計算します。
 (ターキーとテリーヌは昨日デパートで買ってあるし、ローストビーフも昨日作って冷蔵庫に冷やしてあるわよね。野菜サンドもできてるし……クラッカーにはあとで美弥子といっしょに色々載せてカナッペにしましょ。あとは……先週焼いたクッキーも出そうかしら)
 外で働く兼業主婦として、手を抜けるトコロはさりげなく抜きつつ、それでもできるだけ「母親の手料理」を娘やその友人に味わってほしい──という事故に化した課題をこなすのは、少々ホネですが、同時にやり甲斐のあるクエストです。
 実際、多少手間暇かかったとしても、「美味しいよ、ママ!」という娘の笑顔が見れただけで、それで十分、私自身報われた気になります。
 仕事は忙しいですが、やり甲斐はありますし、職場もアットホームな雰囲気で、上司も部下も、心根の優しい人たちに恵まれていると思います。
 私に小学生の娘がいることを皆知っているせいか、こういう時には優先的に休みを取らせてくれますし……「働く子持ちの未亡人」としては、破格に恵まれているのではないでしょうか。

96 :
 (未亡人、か……)
 自然に、そんな言葉で自分を表現したことに気付いて、私はクスリと片頬に微苦笑を浮かべました。
 確かに、今の私の立場を他の人から見れば、それは「働く子持ちの未亡人」以外の何者でもないのでしょう。
 久賀小夜子、33歳。大手アパレルメーカー、"ルコーワ"本社の商品開発部第三課に勤務するチーフパターンナー。4年前に大手商社に勤める夫・孝太郎を交通事故で亡くし、現在、娘を単身育てる一児の母。
 ──世間様には、そう認識されているはずです。
 ですが、真相は違います。
 4年前亡くなったのは、孝太郎ではなく小夜子の方でした。
 ならば、私は誰なのかと言えば──ええ、お察しの通り、私こそが、本来は美弥子の父親である久賀孝太郎その人なのです。
 なぜ、そんな奇妙なことになっているのか。もしかして「子供には父親より母親の方が必要」と考え、事故後のどさくさにコッソリ擦り替わったのか……などと、漫画か推理小説のようなことを推測されるかもしれませんが、決してそういうワケではありません。
 正気を疑われるのを承知で言いますが──コレは、"サンタクロースの贈り物"の結果なのです。
 * * * 
 「ママが欲しい」
 クリスマスイブの夜、枕元に置かれた大きめの靴下の中に入れられた美弥子の手紙に書かれた、その文字を見た時、私は頭を抱え、深い溜め息をついた。
 3年前に妻である小夜子を亡くして以来、娘がふさぎ込んでいることに薄々気付いてはいたものの、美弥子自身が泣き言を漏らさないのに甘えて、ついその方面を蔑ろにしていたツケが、今になって回ってきたというべきか。
 単に戸籍上の母親というだけなら、私が再婚すればいいので、簡単、とまではいかないまでも、不可能ではない。私にその甲斐性があるか否かはこの際別にして。
 しかし、そうして出来た「母親」が、美弥子の意に沿う存在かと問われれば、はなはだ疑問視せざるを得ないだろう。
 「どうしたもんかなぁ」
 最善とまでは言えずとも、次善の策としては、実家の母──美弥子にとっては祖母にあたる存在や、義姉──小夜子の姉で、美弥子から見て伯母にあたる女性に頼ることだろう。
 もっとも、あの事故の直後、手を差し伸べてくれたそのふたりに、「美弥子は俺が育てます!」とタンカを切った手前、どうにもバツが悪い話ではあるが。
 とりあえず、美弥子が以前から欲しがっていた携帯電話(ただし子供向けの限定機能品)を、手紙の入っていた靴下に押し込むと、私はナイトキャップ代わりのウィスキーを軽く一杯ひっかけて、ベッドに入った。
 そして、その夜、不思議な夢を見たのだ。
 いや、今にして思えば、アレは夢ではない。少なくとも、曖昧模糊とした潜在意識と記憶の塊りが紡ぐ、絵空事ではないはずだ。
 その夢の中では、パジャマ姿の美弥子が、真っ赤な衣装の老人──いや、誤魔化すのは止めよう。言い伝えに聞くサンタクロースそのものにしか見えない衣裳を着た、初老の外国人男性と会話していた。
 「ふぅむ、では、美弥子ちゃんはクリスマスプレゼントにママが欲しいんじゃな?」
 「うん。あのね、クリスマスって一年で1回だけのすぺしゃるなプレゼントがもらえる日なんでしょう? だったら、わたしは……ママがいい」

97 :
 嗚呼、やはり男親では真の意味で娘の力にはなれないということなのか。
 確かに、家事その他で不慣れな我が身では、娘の世話を満足にこなせているとは言い難いのも確かだ。
 「むぅ……いかに1年だけとは言え、者の蘇生は、さすがに禁忌に触れるのじゃがなぁ」
 腕組みをして、どうしたもんかと、チラとコチラに目をやりながら考え込む老人。
 その様子からすると、「禁じられているからやらないが、その気になれば者の復活も可能」らしいというのが見てとれた。
 私は決意をかためて──届くかどうかわからないが、心の中の声で呼びかける。
 『サンタさん、もし貴方が本物だと言うなら、提案がある。
 3年前にんだのは、妻である小夜子ではなく、夫である孝太郎だった──そういう風に事実を変更できないだろうか? 
 者の魂が現世に舞い戻るのが問題だと言うのなら、私が妻の身代りになろう。
 この世から久賀孝太郎が消え、代わりに久賀小夜子が甦るのなら、さほど問題ではないはずだ』
 さほど期待はしていなかったのだが、すぐにテレパシーのようなもので返事が来た。
 『む。それなら確かに、ワシの負担も、現世の歪みも最小限に留められるが……お主は、それで良いのか?』
 『──はい。娘のためなら構いません』
 清水の舞台から飛び降りるつもりの決断だったが、それに対するサンタの答えは、予想外に明るかった。
 『……よーし、わかった、その方向でとりはからおう。とは言っても、何、心配するな。ワシらが贈る"プレゼント"は、どの道、1年限りのものだ』
 『! ということは』
 『うむ。来年のクリスマスが来れば、晴れて元通り、久賀孝太郎は復活できる』
 それを聞いた時、正直、私の心に安堵が浮かばなかったと言えば嘘になるだろう。
 いくら娘のために覚悟を決めたとは言え、やはり私も人の子、ぬのは正直恐い。
 しかし、天国だか地獄だか霊界だか、とにかく"あの世"にいるのが一年間だけで済むと言うのなら、確かに有難い話だった。
 『それでは、明日の朝、目を覚ましたら、お主、久賀孝太郎の存在は消え、妻である久賀小夜子が……』
 サンタ(?)のテレパシーの語尾を聞き取る前に、私はスーッと気が遠くなるのを感じた。
 (ああ、これで一年間はあの世逝きか。まぁ、可愛い娘と妻のスキンシップの機会のためなら、この程度は我慢しないとな)
 最後にそう考えていたのだが……しかしながら、翌朝、私が思っていたのとはいささか異なる形で娘の願いがかなっていることを、私は目にすることになるのだった。
(-後編につづいてもOK?-)

98 :
OK
たとえ他の人が許さなくても俺が許す

99 :
テスト

100 :
  

101 :
大人になりたい幼女
お金持ちになりたいOL
幸せになりたい風俗嬢
いつか「幼女と立場交換したい」と望む男
ブラック企業の経営者
このあたりでぐちゃぐちゃな交換
ってのをイメージしたけど、時間が足りない!
>>95
続き期待してます

102 :
#個人的シュミ全開ですが、クリスマス記念ということで、大目にみてください。
『ラスト・クリスマス・イヴ』(後編)
 12月25日──クリスマスの日の朝、目が覚めた私が最初に感じたのは、フローラルで優しい──そしてどこか懐かしい印象の香りでした。
 はて、天国とやらは花が咲き乱れていい香りがする、と聞いたことがありますが、それにしても、この匂いは、どこかで嗅いだ記憶があるような……。
 その正体を確かめようと、目を開けた途端、視界に入って来たのは、見慣れた我が家の寝室の天井にほかなりません。
 (え……? 私は、妻の代わりにんだんじゃあ……)
 いえ、よくよく考えてみれば、アレは単なる夢だったのでしょう。いい歳した大人が、随分メルヘンチックな夢を見たものです。
 私は、苦笑しながらベッドの上に起き上が……ろうとして異変に気付きました。
 第一に、目の前にある布団の色が、いつもとまるで異なります。
 昨日までは、シンプルな水色のカバーをかけた普通の掛け布団だったはずなのに、なぜか白いフリルで縁取られたファンシーなカバーのかかったピンク色の羽根布団に変わっていました。
 そして、慌てて起き上がったことで滑り落ちた掛け布団の下から現れた私の身体は、いつものような紺色のパジャマのではなく、オフホワイトのワンピース型夜着(ナイティ)──俗に「ネグリジェ」と呼ばれる寝間着を身に着けていたのです。
 「な!? ななな……」
 シルクコットン製でしょうか、とても肌触りがよく、また身体の線を締め付けない着心地のよいモノでしたが、そんなことはなんら慰めになりません。
 混乱しつつ、どこか見覚えがあるので、再度よく見てみれば、何のことはない、生前の妻が何度か着ていたはずの代物でした。
 (ど、どうしてこんな……)
 この家にいるのは、私と美弥子のふたりだけですし、まだ8歳の幼児である美弥子に、私を起こさずに着替えさせるなんてことは到底できません。
 そうなると、「誰か他の人が着替えさせた」か、もしくは「自分で着替えた」の二択です。
 前者は、ワザワザそんなコトをする意味がわかりません。あるいは、この姿の私の写真を撮って、脅迫にでも使用するつもりでしょうか?
 しかし、会社で同僚などとの交流(つきあい)は少ない私ですが(美弥子のことがあるので、できる限り家にいてやりたいのです)、その分、同時に他の人の恨みを買うような可能性もあまりないはずです。出世関連もむしろ遅い方ですし……。
 後者は──もし私に夢遊病の気があったと仮定したら、あり得ない話ではないかもしれません。たとえば、昨夜、美弥子の「サンタさんへのお願いの手紙」を見たので、無意識に自分が母親代わりを務めようとした、とか?
 (あの奇妙な夢も、もしかしたら、その伏線だったのかも……)
 なんとなく結論が出た気になって、私は苦笑しつつ、ベッドから抜け出そうとしたのですが……。

103 :
 ──ファサッ……
 頭から垂れ下がった「何か」が肩を覆う感触に、ギクリと動きを止めました。
 (もしかして……カツラまで!?)
 何と言うことでしょう。あるいは、夢遊病時の私には、女装の趣味でもあったのでしょうか。
 しかし、慌てて、背中の半ばまでを覆うその綺麗なライトブラウンの髪を引っ張ってみたのですが……。
 「い、イタタッ──まさか、コレ、自毛!?」
 どうやっても"カツラ"は取れず、それどころか乱暴にしたせいか、長い髪が何本か抜けて涙目になる始末です。
 たった一晩で、日本人成人男性のごく平均的な長さだった髪が、ここまで伸びるなんて、ただごとではありません。
 思い起こせば、この髪の色も、生前の妻が好んで染めていた色に相違ありません。
 ──もしかして、私は、とんでもない勘違いをしていたのでしょうか?
 昨夜、「夢」の中でサンタクロースと交わした約束が事実だったと仮定して、「久賀孝太郎の代わりに小夜子が甦る」というのは、私がぬのではなく、私を妻の肉体に変えてしまうという意味だったとしたら……。
 慌てて、私はベッドの脇に置いてある妻の化粧台(ドレッサー)の前まで足を運びました。
 けれど、鏡に映る姿は、私のその予想を裏切るものでした。
 夜着や髪型などの全体の印象は、確かにパッと見、妻の小夜子と似ていますが、よく見れば顔立ち自体は私自身のモノにほかなりません。
 生憎、私は成人男性として体格的にも貧相な方──160センチ代前半で、事務職のせいか筋肉もほとんど付いてないので、こんな格好をしていても、あまり違和感はありませんが、それでも、その平らな胸や股間の膨らみを見れば、男性であることは一目瞭然です。
 「これは一体……」
 呟きかけて、私はドレッサーに見慣れない紙片のようなモノが置いてあることに気付きました。
 恐る恐る手に取って開くと、それ自体は「メリー・クリスマス」と書かれた平凡なクリスマスカードだったのですが……同時に、頭の中に夢の中のサンタの"声"が聞こえてきたのです。
 いわく、者の蘇生はやはり問題があるので、私の提案通り、"久賀孝太郎の存在"を代償に、"久賀小夜子の存在"を復活させたこと。
 つまり、今の私は、他人からは、「3年前に夫を亡くして女手ひとつで娘を育てている女性、久賀佐代子」として認識されるのだということ。
 肉体そのものを女性に変えなかったのは、1年間という期限付きで元に戻るので、私の身体に短期間に2度も大きな負担をかけるのははばかられたからだということ──ただし、サービスで体毛の永久脱毛処理がされているので、髭剃りその他の手入れは不要らしい。
 そして、肉体的には男性でも、自分以外の他人の目や耳には、ちゃんと"小夜子"として感知されるので、安心してよいこと。
 最後に、今の私は妻が結婚前に務めていた会社"ルコーワ"で働いていること。
 それらを一方的に説明した後、カードは以後沈黙を保ちました。

104 :
 「そ、そんな事言われても……」
 「ママが欲しい」という娘の望みが叶ったこと自体は喜ぶべきかもしれませんが、いきなりこんな状況に放り出された私は戸惑うばかりです。
 とは言え、幸いにしてコレは一年間の期限付きのシチュエーション。元々「んでもいいという気持ち」で妻の──いえ、「美弥子の母」の復活を願ったのですから、これくらいの労苦は甘受すべきなのでしょう。
 私は覚悟を決めて、まずは「キチンとした母親」らしい格好に着替えようと、妻のタンスを開けて、今日着る服を選び始めました。
 タンスの中味の多くには見覚えがありましたが、3分の1程、見慣れない衣服が混じっています。おそらく、「夫がんで」からの3年間に買い足したものなのでしょう。
 念の為、元の私の服がしまってあるはずのタンスを覗いてみたところ、最近買ったはずの何点かが見当たらないので、この推測は当たっているのだと思います。
 さて、いかに既婚男性だからと言って、伴侶の着替える姿を頻繁に目にしていたワケではありません。むしろ、小夜子は、たとえ夫にでも、化粧している場面や着替えを見られるのを嫌がるタチでした。
 そのため、男性のそれよりはるかに複雑で繊細な、女性の衣服に着替えるという作業が、巧くできるか心配だったのですが……。
 結論から言うと杞憂でした。
 妻の──そして今は私のものとなっているタンスを開け、休日(今日は幸いにして日曜です)用の衣類をひと揃えを下着も含めて選び出し、それを身に着ける──そんな一連の行動を、ほとんど手間取らずに行うことができました。
 どうやら、「久賀小夜子」として暮らしていくのに必要なだけの知識は、私の頭の中に備わっているようです。
 ショーツとセットになったブラジャーを取り出して、キチンと正しいやり方でそれを胸に着けることも、男物とは逆に付いたブラウスのボタンを留めることも、スカートを履いたあとの裾さばきも、ほとんど無意識に近いレベルでできています。
 ──むしろ、意識すると、途端に恥ずかしく、ぎこちなくなるので、極力意識しないように務めました。
 早朝の冷たい空気に身を震わせつつ、洗面所で、まずは軽く水で顔を洗い、頭を覚醒させます。そのまま、今度は洗面台の横に置かれた洗顔フォームを付けて、ぬるま湯で丁寧にお肌の手入れ。最後にもう一度、冷水+ヘタマ水でお肌を引き締めます。
 20代前半までならいざ知らず、お肌の曲がり角もとうに過ぎた30代ともなると、洗顔ひとつとっても、色々気を使うもの……らしいです。
 そのせいか、元々あまり色黒とは言えない私の肌ですが、昨晩までの記憶にあるより、ずっと白く、また滑らかになっているように思われます。
 鏡に映る細く刈られた眉毛には、微妙な違和感を感じざるを得ませんが、生前の妻の行動からすると、「今時の成人女性」なら眉の手入れは必須なようなので、仕方ありません。むしろ、今後は自分で気をつけないといけないのでしょう。
 いったん、寝室にとって返し、ドレッサーの前に腰かけて、ブラッシングと、休日用の簡単なメイクを施します。
 妻が生きていた頃は、「家の中だけなのに、わざわざ化粧なんてしなくても……」と呆れていた記憶があるのですが、いざ自分がその"妻"の立場になってみると、たとえ顔を合わすのが娘だけだとしても、やはりスッピンだと落ち着かないようなのです。
 あるいは、娘には「ママはお家の中でもちゃんとしてる」と見られたいのかもしれません。

105 :
 幸か不幸か、ナチュラルメイクを施した私の顔は、美人だった妻──"本物の小夜子"には遠く及びませんが、それでもごく普通に「30代初めの女性」に見える造作に仕上がっていました。
 顎が細めで、エラの張っていない草食系な元来の顔立ちが功を奏したのかもしれません。
 たとえ他人には「小夜子」に見えるとしても、私自身もこうやってしばしば鏡に向かいあう機会があるのですから、平均点ギリギリとは言え女性に見えないこともない面相だったことは、主に自分の精神衛生上、有難いと言えるかもしれません。
 ──鏡を見るたびに、化粧オバケと対面せねばならないとしたら、拷問以外の何者でもありませんからね。
 とりあえず、一通りの身支度を整えたのち、私は寝室からキッチンへと移動して、朝食を作り始めました。
 普段の私は、トーストを焼いてせいぜいベーコンエッグを作りコンビニで買ったサラダを付けるくらいですが、「小夜子が生きている」という設定のせいか、朝は滅多に使わなくなった炊飯器でキチンとご飯が炊かれています。
 「ええと、今朝は……」
 何を作ろうかと考えただけで、冷蔵庫の中身と調理方法が自然に浮かび上がってきます。
 そして、30分後、我が家の台所には、久しぶりにお味噌汁の香りと、私がこの手で調理した卵焼きと焼き鮭、ワカメの佃煮と自家製のお漬物が並べてありました。
 「よしよし」
 満足げな笑みを浮かべた私は、いったんコンロの火を止めてから、子供部屋に娘を起こしに行きました。
 親の欲目を承知で言えば、天使のような寝顔の美代子は、私が優しく揺さぶると、ゆっくりと目を覚まし、ボンヤリした表情から徐々に覚醒すると、ニッコリと花のような微笑を浮かべて、「おはようございます、ママ!」と元気よく挨拶してくれました。
 それは、本来の"孝太郎"としての立場の私が、近年滅多に目にしたことがないほど、無邪気で翳りのない笑顔。その事実に、微かに胸の奥がチリリと痛みますが、今はソレをかみして、同じく笑顔で「おはよう、美代子ちゃん」と返事をしました。
 どうやら、美代子だけは私が孝太郎だったことを覚えているのではないか……という懸念は、考え過ぎだったようです。
 「わぁ、ケータイでんわだぁ♪」
 靴下に入れられたクリスマスプレゼントを見て、美代子は無邪気に喜んでいます。
 どうやら、昨晩書いた「サンタさんへの手紙」にも、そのことを書いていたみたいです。
 (あ……「パパが欲しい」とは書いてくれなかったんだ)
 「ママぁ、どうしてさびしそうな顔してるの?」
 「え!? あ、ううん、なんでもないのよ。さぁ、朝ごはんが出来てるから、早く顔を洗ってらっしゃい」
 妻の口調を真似する……必要もなく、スルリとそんな言葉が口からこぼれます。
 「はーい!」
 マイ・ラブリー・エンゼルたる愛娘は、そんな私に疑問を抱くことなく、素直にパジャマ姿のまま、洗面所に向かいました。
 「はぁ……これで良かったのよね」
 少なくとも、「ママが欲しい」という美代子の願いに──いささかイレギュラーな形とは言え──応えられたのは事実のようです。その事だけは、サンタクロースに感謝すべきなのでしょう。
 「まぁ、物は考えようよね」
 幸いと言っていいのかんわかりませんが、「小夜子と美代子」の関係は、「孝太郎と美代子」よりも、ずっと良好で仲良しさんのようです。
 ただでさえ可愛い娘のよりキュートで愛らしい表情を間近で堪能できると思えば、一年間のシングルマザー生活も、苦にならないはずです……たぶん、メイビー。
 「ママぁ、ごはん、食べようよぉ」
 「はいはい、ちょっと待ってね」
 私はキッチンから"ママ"を呼ぶ娘の声に返事をしながら、そんな事を考えるのでした。
<完結編につづいちゃった……>

106 :
続き来てた!
早く完結編を!

107 :
>>105
GJです!
即興でこんなの思いつくのすげー
なんかいろいろシナリオ考えたりするけどどうにも文章にできない
続き楽しみです!

108 :
#「完結編」のクセしていちばん長くなってしまった罠。
#そして、このスレ的には外角高めのビーンボール気味な展開。一応、ストライクゾーンをギリギリかすめたということで、勘弁してください。

『ラスト・クリスマス・イヴ』(完結編)
 美弥子に、スポンジケーキにクリームその他をデコレーションするやり方を教えながら、私は楽しかったこの一年間のことを思い出していました。
  * * * 
 あのクリスマスの日の朝食のあと、私は初めて"久賀小夜子"としてお手洗いに入り、座って用を足したのですが……正直、あまり違和感は感じませんでした。
 もともと、男性だって大きい方をする時は座りますし、そもそも今みたいなスカートを履いた状態で立ち小便するというのもやりづらそうですしね。
 万が一、そんなコトをして女子トイレで便座を上げたままにしたりしたら、さすがに他人に怪しまれるでしょうし(推理小説やマンガで、女装しているキャラがバレる際のお約束のひとつですよね?)。
 無事に用を足し、朝食の後片づけを終えたのち、せっかくのクリスマスなので、私は娘とふたりで出かけることにしました。
 と言っても、ふたつ離れた駅前のデパートに買い物に行くだけなのですが、美弥子は「ママとお出かけ」するのが余程うれしいのか、いつもより子供っぽくはしゃいでいます。
 美弥子は、白いカシミアのセータードレスに真紅のベロア地のポンチョを羽織り、私は赤いストレッチベルベットのツーピースの上に、クリーム色のモヘヤのウールコートを着こんで、「サンタさんと同じ色だね」と互いに笑い合います。
 懸念していた9センチヒールのミディブーツも、思ったほど歩くのに手間取りません。あるいは、これこそが私が"久賀小夜子"という存在(たちば)になっていることの証なのでしょうか。
 そう言えば、記憶にある我が妻は、どんな格好をしていてもピンと背筋を伸ばして姿勢が良く、そのクセ、女らしく優雅な立居振舞を絶やさない、素敵な女性でした。
 ──私は、そんな彼女の名を汚さぬよう、極力仕草などにも気を使うことを心に誓ったのです。
 ともあれ、今は美弥子との"おでかけ"が最優先事項です。
 "孝太郎"であった頃は、妻のショッピングに付き合うのは、嫌とは言わないまでも、夫としての義務と割り切っていたのですが、こうやって"母親"としての立場で娘と買い物に来ると、視線、あるいは物の見方が随分変わっていることを感じます。
 美弥子と歩調を合わせ、娘の好奇心いっぱいの様子を微笑ましく感じながら、デパートの中をウィンドーショッピングして歩いていだけで、とても楽しいのです。
 無論、愛娘とともに過ごす時間だからというのもあるのでしょうが、そればかりでなく、俗に言う"ウィンドーショッピング"という行為自体に、自分が面白みを感じているのがわかります。
 とくに、"孝太郎"としては鬼門に近かった子供服や婦人服、あるいはキッチン用品のフロアーなども、ディスプレイされた商品を見ながら歩いているだけで何時間でも過ごせそうです。
 そればかりでなく、つい衝動(ぶつよく)に負けて、美弥子のための可愛らしいニットの帽子と、自分用のマフラー、そして母娘ペアのミトン型手袋を、「せっかくのクリスマスだから」と自分に言い訳しつつ、買ってしまいました。
 「えへへ〜、ママぁ、にあうかな?」
 「ええ、もちろんよ、美弥子ちゃん」
 「わーい♪ ママもね、そのマフラー、とってもステキだよ」
 「うふふ、ありがと♪」
 そんな風に買ったばかりの衣料品を身に着けて、母と娘で笑い合います。

109 :
 ──ああ、そうですね。この頃には、すでに私の頭の中には、自分が本当は父親の孝太郎であるという意識は、すっかり抜け落ちていました。
 私がかろうじてその自覚を取り戻したのは、娘を連れて入った、デパートの女子トイレでスカートの中のショーツを下ろしたときでした。
 「キャッ!」
 しかも、あろうことか、自分自身のナニを見て、まるで見慣れぬ、あるいは久しぶりに目にするモノであるかのように驚いてしまったくらいです。
 「どうしたの、ママぁ?」 
 「あ……ううん、何でもないのよ」
 そして、そんな状況下でも、娘の心配そうな声を聞いた途端、私の意識は「母親」らしいモノへと即座に復帰していました。
 ──どうやら、コレは「美弥子のママという立場になる」という枷のようなものなのかもしれません。
 自分の意識を歪められているようなのは、あまり気持ちのよいものではありませんが、どの道、一年間は今の立場に甘んじるしかないのです。ならば、下手に逆らって不審な行動をとるより、流れに身を任せる方が得策でしょう。
 自分の中でそう折り合いを付けると、私はこのまま"久賀小夜子"としての振る舞うことを改めて決意しました。
 トイレから出て、そのままデパートのレストラン階で少し遅めの昼食をとったのち、私と娘は、仲良く手を繋いで帰宅しました。
 それにしても、朝食の時も感じましたが、やはり「久賀小夜子」の立場になっているせいか、普段の半分くらいの食事量でお腹がいっぱいになってしまいます。亡き妻は、確かに食の細い人でしたが……どうやら、今の立場ではダイエットの必要はなさそうです。
 さて、家の前まで帰ってくると、ちょうど、ドアの前で見覚えのある男性と鉢合わせしました。
 「!」
 「あ、サスケおじさんだぁ!」
 「──こんにちは、美弥子ちゃん。
 小夜子さん、よろしければ、お宅をお伺いしようと思っていたのですが……」
 「ええ、もちろん、歓迎するわ」
 娘同様、私も笑顔で彼を我が家に招き入れます。
 彼の名前は、ロジャー・S・ヒュウガ。本来は日系三世のアメリカ人ですが、小学生のころに家族ぐるみで日本に移住してきたため、金髪碧眼の外見に反して、そのメンタリティはほとんど日本人と変わるところはありません。
 私とは──"孝太郎"としても"小夜子"としても、高校時代に出会って以来の友人で、孝太郎とは同じ会社に勤める同期の桜でもありました。
 我が家にも時折遊びに来てくれましたし、美弥子も「サスケおじさん」とまるで、実の叔父のように懐いています(ちなみに、本人いわく、ミドルネームのSが「サスケ」なのだとか。本当か嘘かは知りませんが)。
 「せっかくのクリスマスにケーキのひとつも食べないのは惜しい気がしたんだけど、いい歳した男がひとりで食べるのも寂し過ぎるからね。良かったら、おじさんといっしょに食べてくれないかな?」
 そういう口実で、立派なクリスマスケーキ──ブッシュドノエルを手土産に持って来てくれたようです。
 「わーい、チョコレートケーキだぁ!!」
 無論、美弥子は大喜びです。
 まったく、昨日、あれだけ食べたはずなのに……。
 「あまり、甘やかさないでくださいね、ヒュウガくん」
 「ははっ、まぁ、年に一回のクリスマスくらいはいいじゃないですか」
 ともあれ、去年のクリスマス──そして、私が「小夜子」になった初日は、つつがなく過ぎていきました。
  * * * 

110 :
 翌日の月曜日は、私の「久賀小夜子」としての初出勤……だったのですが、こちらも拍子抜けするほどスムーズに事が運びました。
 亡き妻は、美弥子を産むまでは、主に女性向け下着メーカーとして知られる"ルコーワ"という会社に勤めていたのですが、"未亡人"である私は、どうやら同じ会社に職場に復職しているようです。
 軽く緊張しつつカッチリしたスーツ(もちろん女物です)で身支度を整え、冬休み中の美弥子にいい子でお留守番しているように言い含めてから、私は家を出て電車に乗りました。
 やはり「小夜子」としての知識が刷り込まれているのか、乗り替え駅も、駅からの道のりも簡単にわかります。
 それどころか、一度も入ったことのないはずの"ルコーワ"本社に堂々と正面から足を踏み入れ、守衛さんに軽く笑顔で会釈しつつ、意識しないで8階──"私"が働く開発部のあるフロアのボタンを押していました。
 職場に着いてからも、昨日──正確には一昨日の夜まで、名前も顔も知らなかったはずの"同僚"や"部下"と気軽に談笑しつつ、慣れた手つきでパターンナー(デザイナーのデザインを実際の衣服に仕立て上げる仕事です)としての業務をこなしていきます。
 そして、一分一秒ごとにそんな自分に対する驚きの念が薄れ、まるで数年来の古巣にいるかのような、よくも悪くもこの場に慣れた感覚が、私の心を満たしていくのです。
 その日の6時過ぎに退社する頃には、私は、単なる脳内の知識だけでなく心情的にも、この商品開発部第三課のチーフパターンナーになりきっていました。
 初日の今は、かろうじて自分の内心の変化を、一歩引いて客観的に眺めることが出来ていますが……このままひと月、いや一週間勤めただけで、もはやその些細な違和感すら消えてしまうのではないでしょうか。
 ──実際、その予想は当たり、わずか数日後には、如何に良いデザインの商品を生み出せるかについて、パートナー・デザイナーである大瀬芙美子(ちなみに、私の1年上の先輩でもあります)と、活発に意見を戦わせるようになっていました。
 ともあれ、「新しい仕事」(という気はあまりしないのですが)に早々に馴染めたのは、歓迎すべきことなのでしょう。"ルコーワ"は福利厚生も充実していますし、職場の雰囲気も良いのですから、むしろ万々歳と言ってもよいくらいですよね?
  * * *
 さて、そんなこんなで、「小夜子」の立場になって以来、公私ともに非常に充実した毎日を過ごすことができました。
 年末年始には短いながら休みを取って、実家(この場合は、小夜子の生家を指します)に美弥子を連れて帰省しました。
 ──神社である「実家」で、まさか娘ともども巫女さんの手伝いをやらされるとは思いませんでしたけど 。
 というか、「子持ちの未亡人」が神職である巫女なんてやってもいいんでしょうか?
 「だーいじょーぶ、城島神社(ウチ)のご祭神は安産祈願と子宝の神様だから♪」
 「月乃姉さん……そういう問題じゃないでしょう? もぅ」
 そもそも、私は、本来女ですらないのですから──私自身、今の今まで失念してましたし、間違っても口外できませんけど。
 もっとも、私(正確には本物の小夜子)が子供のころに着ていたという小さな巫女装束を着せてもらった美弥子は御機嫌ですし、それだけで、私も「まぁ、いいかな」という気になってるのですけど。

 やがて、春が来て、美弥子は4年生に進級し、(母親の欲目かもしれませんが)ちょっぴり大人っぽく、あるいは女らしく成長した感があります。
 この頃になると、すでに私自身、自分の本来の立場や性別を思い出すことは、ほとんどなくなっていました。
 あのカードが「告げた」通り、髭はおろか脛毛などの無駄毛は一切生えてきませんし、肌もキチンと化粧品などで手入れしているせいか、年齢の割には、柔らかさと艶のあるハリを保てていると自負してます。
 無論、お肌だけでなく、髪や爪の手入れも怠っていません。

111 :
 体型に関しても、食が細いせいか自然とウェストが以前より細くなっていますし、加えて職場が職場ですから、社販で最新の補整下着(ファウンデーション)を格安で購入できるため、着衣状態なら、それなりに女らしい曲線を形作ることができています。
 股間に関しても、インターネットで調べた「タック」という方法で、殆ど目立たなくすることができました。いくら他人には見えていないとは言え、「小夜子」として暮らす「女」がモッコリするのは、自分で見てイヤですしね。
 ──まぁ、さすがに胸に関しては、ヌーブラの助けを借りても貧乳の域を出ませんが。
 嗚呼、バカみたいに暴飲暴食するくせに、AVモデルばりのセクシーでグラマラスな体型を保っている芙美子先輩がニクい! ……と嫉妬する程度には「女心」も理解できるようになってしまいました。
 外見だけではありません。一児の母として必要な、料理、洗濯、掃除に裁縫などなどのスキルも、ちゃんと発揮しています。
 働いているので専業主婦には劣るかもしれませんが、娘のメンタルケアにもキチンと心を配っているつもりです。
 実際──コレを認めるのはフクザツなのですが──"久賀孝太郎"と暮らしていた頃よりも、明らかに美弥子は、活き活きしていて、笑顔を見せる機会も多い気がします。
 その分、いくらか甘えん坊になっている感もありますが……まぁ、以前がむしろ不自然に大人びていた、いえ、「大人を装わざるを得なかった」のでしょうね。
 では、娘にとって、父親が不要なのか……というと、無論そんなことはないでしょう。ただ、私が小夜子として母親役を務める一方、頻繁に我が家に訪れてくれるヒュウガくんのおかげで、美弥子も男親的な要素を多少は「補給」できているのかもしれません。
 そう言えば、彼がウチに来る回数が、"孝太郎"の頃より随分多いような……いえ、考え過ぎですね。きっと、父のいない美弥子のことを気遣ってくれているのでしょう。
 ──もっとも、後になって思うとソレは決して私の思い過ごしではなかったのですが。
 夏が来て、そのヒュウガくんの好意で、1週間だけ取れた夏期休暇の際には、彼の"田舎"──日本人の曾祖父の家のある、南紀白浜へと招待されました。
 流石にそこまで甘えるのは……と最初は遠慮したのですが、美弥子を海辺の町に泊りがけで旅行に連れて行けるという誘惑には、結局勝てませんでした。
 彼の曾祖父は先年亡くなったそうですが、今年白寿を迎えるという曽祖母の方は未だ健在で、厚かましくも子持ちで押し掛けた「女」に、たいそう良くしはてくださいました。
 滞在した5日間、美弥子は毎日思い切り海で遊び、帰る頃には真っ黒になっていました。まぁ、思い切り日焼けできるのは、子供の特権ですよね。
 私ですか? 一応、美弥子に誘われて、初日は水着姿(あまりラインの際どくない黒のワンピース+パレオ)にもなりましたが……30女には紫外線は大敵なので、早々に退散しました。
 海辺の田舎町でののんびりしたバカンスを共に満喫したせいか、ロジャー(なにせ彼の祖父の家系が「日向」なので名前で呼ばないと区別つかないのです)と、私たち家族の距離が少し縮まったような気がして、なぜかソレを嬉しく感じる私なのでした。
  * * *
 さて、頭の片隅でそんな追想にフケりつつも、手はキチンと動かして、私はキチンとパーティー用の料理は作り上げました。
 この日のために、11月頃から暇を見つけてはお料理の本などを見て、色々試行錯誤していたおかげか、幸いにして娘の友人達にも私の作った料理は好評を得ることができました。
 やがて、夕方6時になり冬場で暗くなるのでパーティーはいったんお開きです。
 子供達を送りだしたのと入れ違いに、今夜最後の招待客──ロジャーが我が家を訪れました。

112 :
 「ほ、本日はお招きいたただき、誠に……」
 こんな風に正式に「ご招待」したのは初めてなせいか、柄にもなく随分緊張しているようです。
 私はクスリと微笑って、ガチガチになった彼の手から、著名なパティシエールが手掛けた、数ヵ月前から予約が必要なはずのクリスマスケーキを受け取り、リビングに招き入れました。
 「あ、サスケおじさんだ! メリークリスマス!」
 「あ、ああ、美弥子ちゃん、メリークリスマス」
 無邪気な娘のおかげで、どうやら彼もいつもの調子を取り戻したようです。
 ケーキを切って(さすがにこの大きさのホールを三等分するのは無謀なので、8分の1程度ですが)、シャンパン(美弥子はシャンメリー)で乾杯し、しばらく談笑したところで、パーティーではしゃいだ疲れが出たのか、美弥子が船を漕ぎ始めました。
 起こさないように慎重に抱き上げて、娘の寝室へ運び、そのまま寝かしつけてリビングに戻ると、ロジャーがテーブルから立ちあがったまま、真面目な顔で私を待ってしました。
 「? あら、もう帰るの? もう少しゆっくりしていけばいいのに……」
 「いや、そうじゃない……その、小夜子さん、大事な話があるんだ」
 「え……?」
 びっくりして反射的に聞き返したものの、真剣なロジャーの目を見た瞬間、私には彼が何を話すつもりなのか、おおよそ見当がついてしまいました。
 「僕は、もしかしたら、親友に対してとんでもなく卑怯な真似をしているのかもしれない。
 でも、もうこの気持ちが抑えきれないんだ」
 迂闊でした。
 彼が、ロジャーがまさか、久賀小夜子に想いを寄せるようになるなんて!
 本当は"孝太郎"である私にとって、彼はあくまで高校時代からの一番の友人で、家族に準じるとも言える存在でした。
 そして、それは小夜子にとっても同様で、夫の親友で、自分も高校時代からよく知っている、気のおけない男友達……そのはずだったのです。
 ……そう、孝太郎と小夜子が共に生きていた頃は。
 小夜子が亡くなって以降も、孝太郎とロジャーの友誼に変わりが無かったため、私は勘違いしていたのです──あるいは、そのコトに気付かないフリをしていたのかもしれません。
 ロジャーが、少しずつ小夜子を愛するようになっていることを。
 いえ、実のところ、高校時代に出会った当初、彼が密かに小夜子に憧れていた事は、男同士の勘で薄々知っていました。
 ですが、それ以前から私は小夜子とつきあいがあり、高校2年に上がった早々に告白して、正式に彼女と交際するようになりました。
 そして、それ以後は、ロジャーが親友の恋人(妻)である小夜子に、不埒な視線を向けたことはない、と断言できます。

113 :
 ですが……いまのこの"世界の設定"では、4年前に交通事故で亡くなったのは、小夜子ではなく孝太郎です。
 ロジャーも最初は、純粋に気落ちする親友の妻を慰めるつもりだけだったのでしょうが、やはりかつての憧れの女性への想いは立ち切れなかったのかもしれません。
 はてさて、いったいどうしたものか、と思い悩む私の肩を彼の手がグッと掴みます。
 「小夜子さん、君のことが好き……いや、愛してるんだ!」
 ──きゅんっ♪
 (えっ!?)
 どうしたことでしょう。
 今時、中学生でももうちょっと言葉を飾るだろうと思えるほど、ストレートと言うより稚拙と評してよいくらい生のままの感情をブツけてきた彼の熱いまなざしを見た途端、胸がドキドキしてきました。
 (そんな……いけないわ。私には夫が……)
 な、なに、昼メロで浮気する主婦みたいなコトを脳内で口走ってるんですか、私は!
 浮気──いえ、本来操を立てるべき私の伴侶は既に亡くなっていますし、ロジャーは独身なのですから、少なくとも浮気ではありませんね。
 彼の事は、少なくとも友人としては嫌いではありません──というか、大変好ましい人物です。
 ……ならば、「夫」としては?
 ──ぽむっ!!
 そう考えただけで、30代半ばのいい歳した女のクセして、恥ずかしさで脳味噌が沸騰しそうになりました。
 真っ赤になって照れている私の様子に、脈ありと見たのか、ロジャーは私の肩をグイと抱き寄せます。
 そしてそのまま、顔を近づけてくる彼。
 反射的に私も、長身の彼を見上げるような姿勢で、目を閉じてしまいました。
 (バカバカ、こんなのまるっきり受け入れ体勢じゃないですか!)
 そう思い至った瞬間、私はロジャーに唇を奪われていました。
 想いの伝わる優しくも熱い口づけに、私は自分の中の抵抗感が脆くも崩れていくのを感じました。
 (ああ……ごめんなさい、アナタ……)
 心の中で「誰か」にそう謝罪した後、私は彼の情熱的な抱擁に身を委ねたのでした。
  * * *
 「やっちまった」
 その時の私の想いを簡潔に言い表せば、その一言で足りるでしょう。
 長年友誼を重ねてきた友人と身体を重ねてしまい──しかも、満更嫌ではないどころか、激しく突かれて思い切りよがり乱れ、何度となく快楽の頂きに連れていかれた後、彼の腕枕で満ち足りた気分に浸っていたところで、ふと我に返ったのです。
 自分が、本当は何者であるのかを自覚して。

114 :
 そう、私は、本当は久賀小夜子ではありません。
 不思議極まりないことですが、本物のサンタクロースが娘の美弥子の願いに応えた結果、一時的に小夜子の立場を与えられた、「久賀孝太郎」なのです。
 ──たとえ、そのことを自覚した今になっても、自分が男であるという実感が一向に湧いてこないとしても。
 むしろ、彼のモノを受け入れた結果、体内にその白濁を放たれたことを嬉しいとさえ感じているのです。
 嗚呼、一年間の女性暮らしで、私はすっかり女性という立場に染まりきってしまったのでしょうか?
 ──けれど、それも今夜でお終いなのです。
 サンタクロースは、期限は一年だと明言していました。
 たとえ、どれだけ彼を愛しいと感じても、夜が明ければ、私は小夜子から孝太郎の立場に戻り、彼とは友人同士に戻るのですから。
 「どうしたの?」
 彼が、心配そうな視線を私に向けてきます。
 「ううん、なんでもないの」
 ならば、せめて今だけは……私は、今度は自分から彼の胸に身を委ね、口づけをねだるのでした。
  * * *
 目が覚めた時、まだ辺りは薄暗く、枕元の時計は、午前5時5分前を指していました。
 傍らには、ロジャーが半裸のまま眠っています。
 「もしかして、立場が元に戻れば昨日の情事もなかったコトになるのでは」という私の希望的観測は、どうやら外れてしまったようです。
 (さて、彼が目を覚ましたら、どう説明したものかしら)
 私は物憂げに髪をかき上げ……それが、未だ背中を覆うほど長いことに気付きました。
 (え? どうして……)
 反射的に起き上がり、ベッド脇の鏡を見たところ、昨日と変わってるところは見受けられませんでした。むしろ、思う存分可愛がられて満ち足りた女の貌を……って、それはともかく!
 もしかして、1年というのはクリスマス当日である今日も含めてのことなのでしょうか?
 もしそうなら、少しだけ嬉しく、そして残酷です。
 彼との思い出を重ねるほど、それを無くしたときの悲しみが募るでしょうから。
 ふと、私は見覚えのあるクリスマスカードが、鏡台に置かれていることに気付きました。
 「これは……」
 意を決して、再びソレを手に取ります。
 案の定、例のサンタクロースの"声"が脳裡に聞こえてきました。

115 :
 「こんなコトは前代未聞──とは言わないまでも、百年に一度あるかないかという珍事なのじゃが……。
 厳正なる抽選の結果、お主の娘の美弥子ちゃんが、今年もわしらの"プレゼント先"に選ばれた」
 ……へ?
 「無論、あの子はすでに「ママ」としてのお前さんとの暮らしを堪能しているのだから、今年も「ママが欲しい」と願ったわけではないぞ。今年の願いはこうじゃ。
 『サスケおじさんに、パパになってほしい』
 サンタ(わしら)としては、可能な限り願い事を叶えてやらんわけにはいかん」
 えっと……つまり……。
 「ああ、心配せんでも、その男性がお主に対して、そしてお主が彼に対して、抱いておる想いは本物じゃ。ソコに手を加えるほどワシらも無粋ではないからの。
 ただ……昨夜は、すこ〜しだけ、その男性の自制心と、お主の欲望のタガを緩めた。
 なに、酒を飲ませてハメを外させるのと同程度の、軽い誘導じゃよ」
 そ、そう。それじゃあ、アレはあの人の本心で間違いないのね。
 「結論から言おう。お主の横で寝ておる男性は、目を覚ましたらお主にプロポーズをするじゃろう。それを受けろ、とワシらが強制するワケにはいかぬが……少なくとも美弥子ちゃんは、賛成というかソレを望んでおる。じゃから……」
 だから……?
 「うむ。このまま「久賀小夜子」の立場を続けてみんかね? そして、もしお主に異論がなければ、今度は一年と言わず、一生ずっと」
 !!
 「もし、それが嫌なら、このカードを引き裂いて燃やすがエエ。しかし、そのままでいたいと願うなら、大切に保管しておくように」
 ──私は、タンスの奥の螺鈿細工の文箱に丁寧にそのカードを仕舞ったうえで、ベッドで眠る彼の隣に潜り込んだのでした。
 -HAPPY End?-
#以上、やたらダラダラ長くなって申し訳ありません。私のこのテの作品同様、「小夜子」さんは、元の立場に戻らないことを選んだワケです。
#以下は蛇足的なエピローグ。読み飛ばしても問題ありません。

116 :
【そしてまた聖誕祭がやってくる】
 あの日──私がロジャーからプロポーズされ、それを受け入れた日から、早くも一年が過ぎました。
 美弥子にもキチンと話して了解を得たうえで、年明けに籍を入れ、私と美弥子は久賀姓から日向姓になりました(ロジャーは、私との結婚を機に正式に日本に帰化したので、姓の表記も漢字に改めたのです)。
 結婚後も仕事は続けているので、娘と過ごす時間が劇的に増えたワケではないのですが、美弥子はもう慣れっこのようで、「優しくて頼りがいのあるパパ」ができただけで満足なようです。
 さて、私に関しては、あれ以来、少しだけ変化がありました。
 事実上、一生「美弥子の母親の小夜子」としての立場で過ごすことを選択したわけですが、彼と結婚した翌月から、その……"月のモノ"が訪れるようになったのです。
 いえ、私の身体自体は(少なくとも私の目で見る限りは)生物的には男性……のはずなのですが、普通の成人女性と同様、月に一度、性器の付け根の会陰部から鈍い痛みとともに、血が滲み出るようになったのです。
 おかけで月一で生理用品を買い揃える必要が出てきました。しかも、最初の頃はナプキンで済ませていたのですが、悪ノリしてタンポンを当てがってみたところ……アッサリ入ってしまったのです。
 何もないはずの部位からタンポンの紐だけ出ているというのは、とてもシュールな光景でした──いや、さりげなく確認してみたところ、夫にはソコに膣があるように見えるらしいのですが。
 と、とにかく、生理用品が必要な身になって気付いたのですが、おそらくコレは、来るべく美弥子の初潮の日に、母として慌てず対処できるように、という気遣いなのでしょう。
 ──そう、思っていたのですが……。
 「まさか、二度あることは三度あるとはのぅ」
 今年のクリスマスの夜、夫とベッドに入ったはずの私は、いつの間にか見覚えのある空間で、サンタクロースと対面していました。
 「また、美弥子が当選したんですか?」
 「うむ」
 ──まったく、あの子は……こんなことで運を使い果たしてなければいいのですけれけど。
 「それで、今年の願い事は何だったんですか?」
 ホレ、と渡された手紙には、確かに美弥子の筆跡でこう書かれていました。
 『そろそろ弟か妹が欲しいな☆』
 …………。
 「いやいやいや! さすがにソレは無理でしょう!?」
 「というワケでもないのじゃよ。お主も心あたりがあるのではないか?」
 ……え? た、確かに、夫とはそれなりのペースで「愛し合って」はいますけど……。

117 :
 「そして、お主の身体には、後孔とは異なる、夫のモノを受け入れる場所ができたのではないか? いや、むしろ最近はもっぱら……」
 わーわーわー!!
 「こ、子供達の夢を守るべきサンタさんが、何ハレンチなこと言ってるんですか!」
 「いや、夫婦の愛の結晶として子供が生まれることは祝福すべきくことじゃぞ。
 ともかく、そういうワケで、お主らの昨晩の"営み"で当たりを引き当てとるんで、10ヵ月後のコトを覚悟完了しておくようにな」
 は、ハハハハ……私が妊娠&出産、ですか。
 いえ、「お腹を痛めて産んだ子」というフレーズに興味があったのは事実ですが。
 「サービスで、そのペタンコの胸も、授乳期までにはちっとは膨らむようにしておいてやるから、せいぜい旦那に揉んでもらうがエエ」
 余計なお世話です、この生臭サンタ!
 「なんじゃ、いらんのか?」
 「すみません、お願いします。できればCか、せめてBくらいまで……!!」
 そして、この"夢"の通り、十月十日後、私は男女の双子を出産することになるのでした。
<今度こそおしまい>

118 :

いつも思うのですが、ぺたんこ好きなんですかw
まあ、あくまで立場変化であって、極端な肉体変化を望むのもおかしな話かもしれませんけどw

119 :
GJ!
王道だけどいいですよね
ちょっとTS寄りでしたが

もうすぐお正月・・・・・・なんかネタはないかなぁ

120 :
今年と来年の立場が入れ替わるとか。

121 :
参拝客と巫女さんの立場交換。とある村の習慣で、厄年になった村の住人は、正月に神社に初詣に来たとき、厄から逃れるためにその1年間は巫女と立場を交換して、神社で暮らすことになる……とか。
女性の19、33、37歳は、まぁいいとして、男性の25、42(!)、61(!!)は流石に大変そう。

122 :
──で、実はそのしきたりも近年は形骸化してたのに、たまたま都会から転勤で引っ越してきた
新婚夫婦の夫がちょうど25歳で、お節介な近所の人々にススメられて、神社にお参りに行く。
神主に「厄避け」の儀式があると聞き、軽い気持ちで「じゃあ、お願いします」と言った結果、
旦那は神社の娘の16歳の少女に代わって「巫女」として一年を過ごすハメに……とか。
(無論、その間、16歳の女の子が、彼に代わって新婚夫婦の「夫」を務めることになる)
うーん、ちょっとヒネりが足りないかなぁ。

123 :
#衝動にまかせて書き始めてみるテスト。
『厄違(やくたが)え』
 現代では廃れたが、その昔の日本には「方違え」という風習があった。
 陰陽道的思想に基づくもので、外出や公務、あるいは戦の出陣の際に方角の吉凶を占い、もし目的地の方角が悪いと出た場合、いったん別の方向に出かけることで、目的地へ行く際、悪い方角にならないようにする……と言うものだ。
 バカバカしいと思うかもしれないが、21世紀の現在でも、占いやおみくじなどを、それなりに気にする人はいるのだから、当時としては無理もない話と言えるかもしれない。
 さて、少し話は変わるが、これまた日本独特の考え方に「厄年」というものがある。数え年で、ある年齢に達すると、その一年間は色々悪いことが起こりやすい……といったものだ。
諸説あるが一般的には、男性は25・42・61歳、女性は19歳・33歳・37歳が、「本厄」と言い、とくに注意すべきだとされている。
 そして、この物語の舞台となる雁屋村では、この厄年に関して、古来より、ある意味の「方違え」的な対処方法をとる風習があったのだ……。
 * * * 
 元日の朝、彼が妻と共に村の外れにある神社に向かったのは、初詣に加えて"お祓い"をしてもらう意図があったからだった。
 彼の名は遠坂真紀(とおさか・まさのり)。この正月に満24、つまり数え年25歳となった男で、隣町にある高校で国語を教えている。
 妻の名は慶子(けいこ)。彼女とは半年前の6月に結婚したばかりなので、まだまだ新婚夫婦と言えるだろう。
 ふたりは親戚のツテによる見合い結婚だったが、慶子は器量も気立てもよく、自分には勿体ないくらいの女性だと、真紀は思っていた。
 実際、2歳年長とは言え、彼女がどうして容姿も社会的地位も平平凡凡な真紀を夫に選んでくれたのかは、正直未だ謎であった。
 しかも、間の悪いことに、彼は2学期が始まる9月から、この県内でもかなり僻地にあたる龍刻町の高校へ赴任が決まり、妻と暮らし始めて早々に新居を引き払うことになってしまった。
 ただ、都内の住まい自体は借家だったため、引っ越すのにはさほど不自由は(引っ越し代以外は)なかったのが不幸中の幸いだろう。
 また、龍刻町と隣接するこの雁屋村に真紀の大伯父が地主として住んでおり、その屋敷の一角の離れ(といっても風呂や台所もある立派な造りだ)を、ほとんどただ同然の値段で貸してもらえることになったのも、運が良かったのかもしれない。
 雁屋村から、彼が勤務する高校の近くまでは1時間に2本(ただし、昼間は1本)のバスも通じており、所要時間30分ちょっとで着くので、通勤に問題はない。むしろ、都内の通勤ラッシュとは無縁な点は恵まれているとさえ言えるかもしれない。
 都会の刺激的な文物や最新の流行とは無縁の閑静な土地だが、元来真紀は、そういったものに関心が薄い。「温故知新」を座右の銘にしている──と言えば、おおよその性格はわかってもらえるだろう。
 そんな彼にとっては、むしろこの環境は願ったり叶ったりだったと言っても良かった。
 その妻である慶子も、ゆったりした時間の流れる田舎の空気と、少々お節介ながらも親密なご近所との人間関係を楽しんでいた……とように見えた。いや、ハッキリ本人聞いたわけではなかったが。

124 :
 さて、遠坂夫妻が、この村に住み始めてから秋が過ぎて冬になり、ご近所づきあいもそれなりにサマになってきた、年の瀬の迫ったある日のこと。
 真紀は、お隣りの原さんの奥さんから、厄年にまつわるこの村独自の風習があると、話を聞く機会があった。
 より正確には、この村にある夏樹神社に、そのための"儀式"が伝わっているのだとか。
 彼の大学の文学部時代の専攻は、「文献から読みとる明治から昭和にかけての神道の変遷」だ。この種の民俗学的に価値のありそうな伝統儀式には今だに興味があった。
 幸い……という言い方もなんだが、真紀は今度の正月で数えで25歳、つまり男の最初の本厄を迎える。
 「正月には、ぜひともその厄除けの儀式を自分の身で体験することにしよう」
 そう決心し、そして迎えた元日の朝、お正月だからというだけではない理由で傍目にもわかる程、彼は浮き浮きしていた。
 妻には、「まさのりさん、子供みたい」とクスクス笑われたものの、彼女も彼が"儀式"を受けることに異論は、はさまなかった。
 ──実は、慶子はご近所の森さんから、その儀式の大まかな内容を聞いていたみたいなのだが、「せっかくだから、ご自分の目で確かめてみてはどうかしら」と、真紀に教えてくれなかった。
 そんな風に気を持たされたものだから、彼としても余計に気になり、結果、ご近所との新年の挨拶もそこそこに、ふたりで夏樹神社に向かっている──というワケだ。
 妻の慶子は黒地に鶴と松の遠景が描かれた留袖を凛と着こなし、対して真紀も新年用に新調したネイビーブルーのスーツに身を包んでいる。
 逸る気持ちを抑え、和装の妻の足元を気遣いつつ、真紀はついに夏樹神社の正殿前までやって来た。
 建前である初詣を、それでも手水舎での身清めから二礼二拍二礼の礼拝までキチンとこなすのは、古典教師の面目躍如といったところか。
 「ところで、神主さん。この神社には、厄年の人のための、特別な儀式が伝わっていると聞いたのですが……」
 本殿での礼拝を済ませた途端、真紀はその場にいた宮司に早速声をかける。
 「ん? おお、確かに、この夏樹神社には、厄年の人のためのお祓いの儀式が伝わってはおります」
 60代半ばくらい思しき年齢の温和な顔つきの宮司は、真紀の疑問を首肯したうえで、こう付け足す。
 「もっとも、最近はわざわざ進んで受けに来られる人も随分少なくなりましたが」
 ──近年廃れつつある、この村独特の厄除けの儀式。
 そう聞いては、この種の事柄に関心の深い真紀が、とびつかないはずがない。

125 :
 「実は私は今年に25歳の本厄を迎えるのですが、その儀式を受けさせてもらうわけにはいきませんか?」
 口にしてから、ふと懸念が湧く。
 「……それとも、秋からこの村に越して来たばかりの新参者では無理でしょうか?」
 「いやいや、遠坂さんは、田辺さんのお身内だと聞いておりますし、実際にこの村に住んでおられるのですから、問題はないでしょう」
 真紀の懸念を、初老の宮司は首を横に振って否定すると、本殿横の社務所に歩み寄ると、そこで肘枕を突いて退屈そうに売り子──というか店番をしている巫女の少女に声をかけた。
 「こらこら、勇美(ゆみ)、お客さんが来ている時くらい、もう少しキチンとしなさい」
 「げ、おじいちゃん。ゴメーン!」
 どうやら、この巫女の少女は宮司の孫娘のようだ。
 格好こそ白の浄衣に緋袴と巫女の定番を守っているが、長身で体格がよいうえに、言動の端々から、いかにも活発そうな雰囲気が滲んでおり、あまり「清楚な巫女さん」というイメージではない。
 髪型も背中まで伸ばした黒髪を首の後ろで結わえた、いわゆる"巫女さんスタイル"ではあるものの、この娘ならむしろポニーテイルとかにした方が似合いそうだ。
 「で、どうしたの?」
 「久しぶりに、"厄違えの儀"を受けたいとおっしゃる方が来てらっしゃるんだが……お前、参加できるかい?」
 「え、嘘!? アレ、まだ希望する人、いたんだ……」
 目をまんまるにして驚いているところからして、どうやらこの子も"儀式"のことは知っているようだ。まぁ、宮司の孫らしいので、ある意味当然だが。
 「いったい誰が……って、遠坂先生?」
 突然、職場での呼び方をされて、少し驚く真紀。
 「君は、もしかして、龍刻高校の生徒かい?」
 「うん…じゃなくて、はい。一年生だから、先生の授業は受けてませんけどね」
 確かに真紀が担当しているのは、2年生と3年生の文系クラスのみだ。副顧問をしている弓道部などに所属しているならともかく、さすがに全1年生の顔まで覚えていない。
 「ねーねー、そっちの綺麗な女の人が、もしかして新婚ホヤホヤだっていう奥さん?」
 目を輝かせて、好奇心もあらわに聞いてくる。
 答えに窮している真紀に代わって、控えめな慶子が珍しく助け舟を出してきた。
 「初めまして、遠坂真紀の妻の慶子です。夫がいつもお世話になって……って、生徒さんに言うのはヘンかしら」
 「アハハ、そうかも。ふ〜ん、先生がアレを受けるんだ……うん、おじいちゃん、あたしは別に構わないよ」
 「ふむ。そう言えば、遠坂さんは、学校の先生をしてらっしゃるのでしたな。これも何かの縁でしょう。
 では、儀式の準備がありますので、遠坂さんはコチラへ。奥さんは、あちらで甘酒でも飲みながら、しばしお待ちください」
-つづく-
#というわけで、イマイチ捻りのない話ですが、つづきはお正月に。

126 :
早く正月になって続きが読みたいところ
「しょうがつ」と打とうとして「しょうがく」と打ってしまったのは秘密

127 :
gjにも程がある
正月明けの楽しみが一つ増えたわ

128 :
>>123-125
いいね!

129 :
【その1】
普段は寒風が吹きすさぶ深夜の神社も、今日ばかりは二年参りに来た人々でごったがえしている。
にぎわう出店を横目に見ながら、俺は妹に手を引かれながら沿道を歩いていた。
「ちょっと速いよ茜!」
「茜じゃないでしょ! 『お兄ちゃん』だって何度言ったらわかるんだ」
「そんなこと言ったって……あっ」
あまりにも早く歩く妹のペースに合わせられず、軽く蹴躓いてしまった。
転びそうになる俺を慌てて抱きとめるように支える茜。
「あ、ありがとう……」
転んでしまったことよりも、妹に抱きとめられたことがなんだか照れくさくて顔がほてる。
「まったくドジなんだから」
そう言って妹は明るく笑った。
「だってこんな格好したことないから……」
鮮やかな赤に桜の花びらが華やかにあしらわれた振袖に、白いふわふわの襟巻。
短めの髪の毛はまるで女の子らしくセットされ、
淡いピンク色した花のような髪飾りから垂れた藤の花のような細工がしゃらりしゃらりと耳元で音を立てる。
今の俺は、本来妹が着るはずだった振袖を身に纏い、初詣に来ているのだ。
逆に妹の茜は俺が普段着ていたシャツにジーンズ、そしてお気に入りのフライトジャケットで決めている。
つまり、俺と茜はお互いの服装を交換してこの場にいるのだ。
「でも振袖ちゃんと似合ってるよ。かわいい」
「茜にそんなこと言われても全然うれしくない」
「だから今日から『茜』は自分の名前だろ?」
「……そうだった」
今日、1月1日から俺と茜はお互いの立場を交換することに決めたのだ。
今日から俺が茜となり、茜が俺として暮らす。
普通ならばありえないし、仮にやろうとしても親が周囲が反対しそうなものだが、
茜の学力が小学生のそれを大きく超越し、大学生をも軽く凌駕するというのが
この件を実現する大きな原動力となったのだ。
そして茜――今日からは茜じゃないけれども――はこの冬に大学を受験し、
少し出来の悪い(とは言っても普通の高校生程度はある)俺は女子中学を受験する。
その人生交換の第一歩を、この初詣という1年の最初を飾る行事から始めるというのも、とても自然な流れと言えよう。

130 :
【その2】
これからの人生にご縁がありますようにとお賽銭を入れて鈴を鳴らし、
2回深くお辞儀をしてから2回手を打ち鳴らしてお祈りをする。
妹として、茜として歩むこれからの人生の事。
迫りくる女子中学受験の合格について。
そして……。
……。
ゆっくりとお辞儀をし、神様の前から静かに立ち去ろうとすると、
横で茜――いや、お兄ちゃんが静かに微笑んでいた。
「茜は何をお祈りしたんだい?」
「ひ・み・つ」
俺も満面の笑みを返す。
願い事は誰かに話してしまったら叶わないという。
自分が立派な『妹』に、そして来年の春からあこがれの女子中学生になるためにも、
この想いは胸の中にしまっておいた方がいいだろう。

「お、本当に『女子小学生』になるのか!」
ふと聞き覚えのある声に振り向くと、俺が『俺』だったときに仲が良かったヤツが
俺の振り袖姿を見て驚いていた。
「これからはこちらの『兄』をよろしくお願いしますね」
深々と、そして精いっぱい女子小学生らしくお辞儀をする俺。
「どうだ、うちの妹はかわいいだろ」
横で兄が胸を張る。
どうやら初詣でした自分の願いはすぐに叶いそうな予感がしてきた。

131 :
あけましておめでとうございます
ということで正月の小ネタ
今年は止まっているネタをきちんと終わらせたいな

132 :
あけましておめでとうござい乙

133 :
あけましておめでとうございま乙
年の初めから【】の人の作品が読めるとは
思わなんだ
今年は短いのでいいから一作作りあげてみたい。
アイデアは思い浮かぶけど文章化できないんだよなぁ

134 :
いやっふう! 【】さんの復活、まさに「明けましておめでとうございます!」状態。
そして、私も続きを投下させていただきます。
『厄違(やくたが)え』2
 夏樹神社に古くから伝わる"厄除け"のための儀式を受けることになった真紀(まさのり)は、先程の巫女──勇美(ゆみ)の、姉らしき20歳ぐらいの巫女に、なぜか社務所裏にある住居の風呂場へと案内されていた。
 「あのぅ、コレはいったい……?」
 「すみません、儀式に参加していただく"厄持ち"の方には、こちらで身を清めてから、儀式用の衣装に着替えていただくことになっております」
 なるほど、確かに納得のいく話だ。
 合点がいった真紀は、素直に服を脱ぐと風呂場で軽くシャワーを浴び、よく身体を拭いてから、事前に言われていた通りバスタオル1枚の姿で、風呂場近くの座敷へと足を運んだ。
 「一応、身体はキレイにしたつもりですが……」
 「はい。それでは、こちらに着替えてください」
 そこで真紀が渡された"儀式用の衣装"とは……。
 「こ、これ、巫女装束じゃないですか!?」
 「ええ、その通りですが?」
 間髪入れず聞き返されて、一瞬言葉に詰まる真紀。
 「えーっと、もしかして、コチラの儀式というのは、アレですか? 子供の頃は男の子も、病魔に目をつけられないよう女の子の格好をするという風習的な……」
 「フフフ、おもしろい発想ですけど、ウチの"厄違え"の儀式の意味は、それとは少し異なります。遠坂さんは、勇美の学校の古文の先生だそうですから、"方違え"という風習はご存知ですよね?」
 「ええ、一通りの知識は、まぁ」
 「悪い気の流れを呼び込まないよう、本来とは異なる場所を経由して目的地に赴くのが"方違え"。そして、我が神社の"厄違え"もまた、厄の流れ込む方向を分散し、かつ弱めることで、厄による被害を軽減するのですよ」
 「??」
 わかったような、よくわからないような理屈だ。それが真実だとしても、真紀が巫女姿になることとの関係はあるのだろうか?

135 :
 「百聞は一見に如かずと言いますので、実際に経験される方が早いと思いますよ」
 それもそうだ。真紀も、なんとか自分を納得させて、勇美の姉、希美(のぞみ)の手を借りて、ごく一般的な巫女の衣装──白の浄衣と緋色の袴という姿になる。
 その際、白い肌襦袢はともかく、純白の女物のショーツまで履かされたのは、凝り過ぎではないか、と思う真紀だったが、後になって、実はソレに深い意味があったことに気が付くことになる。
 「……はい、こんな感じですね。よくお似合いですよ」
 さらにそのあと、後ろ髪に付け毛を水引で結わえられ、薄化粧まで施された真紀は、165センチという男性としてはあまり高くない身長と細身の体格のせいで、パッと見には「神社の巫女さん」として違和感のないルックスに仕上がってしまった。
 これには、真紀自身もビックリだ。それは、自分でも、あまり男っぽいタイプだとは思っていなかったが、まさかココまで女装(?)が似合うとは……。
 「そ、それで、コレから何をするんですか?」
 鏡を見ていて急に恥ずかしくなった真紀は、気ぜわしげに希美に問う。
 「はい。遠坂さんには、我が神社の巫女として、この儀式に参加してもらいます」
 「?」
 「そして、勇美の方は、"遠坂さん"として儀式に参加するのです。それによって、遠坂真紀という男性が受けるはずだった"厄"の流入先を、まず二分して弱めます」
 「そ、そんなコトをして、勇美さんの方は大丈夫なんですか!?」
 元より学究肌の真紀は、それほど信心深いではないが、さすがに教え子(厳密には違うが)を、自分の厄年の身代わりにするというのは気がひける。
 「もちろんです。あの子も、あまり巫女に向いた気性とは言えませんが、それでも幼い頃からこの神社で修業してきましたから。弱まった厄を跳ね返す程度のことはできます。
 一方、勇美の立場となったアナタにも、神聖な巫女としての力がある程度備わります。さらに、儀式でそれを強化しますから、半減した厄になら、そうそう負けることはないはずです」
 なるほど、ある意味「似ているモノは本物である」「類似したもの同士は互いに影響しあうという」という類感呪術的発想の応用なのだろう。
 得心した真紀は、あとは実際の儀式の方へと興味の対象が移ったのだが……。
 いざ、儀式の場である本殿に入ったところで、妻の慶子を伴い、自分のスーツを着て現れた男装の少女の姿に驚くことになる。
 「の、希美さん、アレは……」
 「もちろん、遠坂さんの服を着た勇美です。あの格好は立場を取り替えたことの象徴なのですよ」
 一度接触したものは離れても互いに作用する──感染呪術の応用か。
 (待てよ……それじゃあもしかして!?)
 今、自分が着ているのが、おそらく──というかほぼ間違いなく、先程まで勇美が身に着けていただろう服と下着であろうことに思い至り、顔が真っ赤になる真紀。
 ちょうど儀式用の衣冠に着替えた宮司が入って来たため、そのことに思い悩む暇がなくなったのは幸いだろう。
 そして始まった"厄違え"の儀式そのものは、「配役」が普通と異なる点を除いて、ある意味、大半の神社で見受けられる"厄祓い"の儀式と大差はなかった。
 いや、真紀はそう感じていたのだが……。

136 :
 宮司の唱える祝詞がクライマックスに差し掛かったところで、その場に異様な雰囲気が充満し、ご神体の祀られた本殿の奥から眩しい光が射し、気が付けば、その場にいた一同は、見知らぬ場所へと招き入れられていた。
 『ほほぅ……およそ50年ぶりかの。てっきり、この儀式は廃れたものと思ぅておったが……』
 頭の中に響く声に、ハッと視線を向けると、そこには身長50センチくらいの立ちあがった平安雛程の大きさ──そして格好も、まさに女雛を思わせる"存在"が、おもしろそうな表情で、プカプカ浮いていた。
 普通なら、手品か何かと疑う光景だが、その存在の持つ神々しい雰囲気が、見る者にアレが「神」であることを直感させる。
 「河比奈媛様につきましては、御機嫌うるわしぅ……」
 宮司が恭しく頭を下げるが、"彼女"は、面倒くさそうに言葉を遮る。
 『あぁ、よいよい、その様に畏まらずとも。それで、此度の対象者は、そちらのふたりじゃな?』
 決して悪意や敵意があるわけではなく、むしろ優しい(あるいは楽しげ)とさえ見えるその視線を受けただけで、しかし、真紀は背筋に震えが来るのを感じた。
 (こ、これが、本物の"神"……!)
 「は、はいッ!」
 真紀は、反射的に頭を下げて、返事をしていた。
 『ふむ……ま、よかろう。久方ぶり故、少々気合いを入れて我が"力"を振るぅてやろうぞ』
 "神"──河比奈媛が、手にした檜扇を軽くひと振りしただけで、金色の光の粒のようなものが、紺色のスーツ姿の勇美と、巫女装束姿の真紀に降り注ぐ。
 『これで、ふたりともこの一年、厄に悩まされず大過なく過ごせるじゃろぅて』
 "神"の声がドップラー効果のように遠ざかりつつ聞こえたかと思うと……次の瞬間、唐突に辺りの景色は、元の本殿に戻っていた。
 そして、最後に、宮司がこの夏樹神社の祭神たる"河比奈媛命"に感謝の言葉を捧げ、「厄違え」の儀式は終了となったかと思われたのだが……。
 「それでは、この後、遠坂真紀さんはこの神社で、勇美に代わり巫女として一年間過ごしてもらいます」
 本物の"神"らしきものと遭遇したことへの興奮で、いささか注意力散漫になっていた真紀は、まるで町内会の伝達事項でも伝えるかのような何気ない宮司の言葉に、ハイハイと頷きかけたものの、寸前で聞き流せない点があったコトに気が付く真紀。
 (……えっ? いちねんかん?)

137 :
 「そうなんですか。でも、ご存知の通り主人にも高校教師としての務めがありますし、一年も休職するわけには……)
 「あ、心配ないよ、慶子さん。この一年は、あたしが先生に代わって、立派に慶子さんの旦那さん役を務めてあげるから」
 「先程の河比奈媛様の神力で、そのことがすでに"既定事項"として世間に広く刷り込まれていますから、問題ありませんよ、奥さん」
 「ああ、そうなんですか。それなら、大丈夫ですね」
  真紀の狼狽をよそに、あれよあれよという間に話がまとまっていく。
 「じゃあ、今日からあたし──いや、オレは、遠坂勇美(いさみ)だな。
 さぁ、厄違えも終わったし、帰ろうか、慶子」
 「はい、あなた。宮司さん、今日は色々とお世話になりました」
 仲睦まじく寄り添いながら帰って行く、妻と勇美の姿を見て、何か声をかけたいのだが、なぜか掛けるべき言葉が浮かんでこない。
 「さぁ、真紀(まき)ちゃん、ちょっと疲れたかもしれないけど、社務所の店番の続き、よろしく頼むわね?」
 そして、勇美の──そして、つい先程から自分の"姉"となった希美の言葉に、力なく頷いて社務所へと向かうのだった。
-つづく-
#言うまでもなく、勇美はこの状況をおもしろがって楽しんでます。元から、男勝りでレズっけもあったので、真紀の妻の慶子が美人であったことも、後押しした模様。

138 :
非常に良い。GJ!
男性教師と女生徒の交換が個人的にツボすぎてやばい

139 :
#新年だから──というワケでもないのですが、本作は、これまでの拙作で用いた描写や理屈との重複をあまり気にせず、新鮮な気持ちで書いています。故に、ちょっとかったるい部分があるかもしれませんが、ご寛恕ください。

『厄違(やくたが)え』3
 "姉"に言われるがままに、フラフラと社務所の脇にこしらえられた畳2畳分ほどの狭い売り場に入ると、真紀(まき)は赤い座布団の上に正座して、赤外線ヒーターのスイッチを付け、お守りやお札等のストックを確かめ始める。
 やがて、それらの在庫に問題がないと確認できた頃には、ようやく茫然自失の態から覚め、まともに頭が回るようになっていた。
 「なんでこんなコトに……いや、ある意味自業自得、なのかな?」
 同じ学校の教師と生徒という接点こそあるにせよ、ほぼ赤の他人と言ってよい関係のふたりの「立場」を(性別すら無視して)交換する──普通に他人から聞いたら、どんなヨタ話だと一笑に付しそうな事態に、今の真紀は遭遇、いや己が身で体験しているのだ。
 あの"河比奈媛命"と呼ばれていた女神の神通力(?)によって、その「奇跡」が実現したことは、その"対象者"として何となく確信している。
 たぶん、今の巫女姿のままこの神社の中を歩き回っても、誰もが真紀を「夏樹神社の次女」と見なして、不審に思わないだろう。
 社務所裏の"家"に帰れば、"お母さん"や"お父さん"たちも、暖かく"娘"として迎えてくれるに違いない(まぁ、"祖父"である宮司や"姉"の希美から話を聞いている可能性もあるが)。
 夏樹神社の"厄違え"とは、希美いわく、厄の矛先を二分したうえで、本人"達"が弱められた厄を跳ね返せるようにすることらしい。
 そのことから類推すると、「どうせ儀式が終われば、すぐに元に格好に戻れる」と気楽に構えていた真紀の方が、考えが浅かったのだろう。
 あるいは儀式の本質を考えるなら、むしろ今現在も"厄違え"の儀式は絶賛進行中だと言えるのかもしれない。"遠坂真紀"の厄年は今年の大晦日まで続くのだから。
 このような事態になった大本の原因は、真紀がいらぬ好奇心を出して、廃れつつあるこの神社の"厄違え"の儀式を受けたい、と願ったからだ。
 だから、そのコトで他の人を責めるのはお門違いだという理屈は理解していたが……それでも、もうちょっと事前説明やら、せめて覚悟を決めるための時間やらが欲しかったと思う真紀なのだった。
 「ふぅ……不幸中の幸いでコレは一年間限定なんだから、滅多にできない経験と割り切るしかないのかな」
 いつまでもウジウジしていても始まらない。空元気でも元気──そう開き直った真紀。
 すると、まるでその空気を読んだかのように、ポツポツと参拝客が現れ、真紀は、現在の立場にふさわしく「社務所の売り場の巫女さん」としての仕事をせざるを得なくなった。
 夏樹神社自体は決して有名なわけではないのだが、この近辺ではもっとも歴史のある大きめの神社ということもあってか、雁屋村はもちろん、隣接する龍刻町からも、それなりの人がお参りに来る。元旦の初詣ともなればなおさらだ。
 「では、安全祈願はコチラのお守りで、500円になります。あ、おみくじの番号、拾参番ですか、少々お待ちください……はい、こちらをどうぞ」
 11時を過ぎる頃には、神社も相応のにぎわいを見せ、ひとりで売り場を切り盛りしている真紀は売り子の仕事に忙されることになった。
 幸いにして真紀は大学時代にクレープ屋でバイトしていた経験もあるため、こういったお客さんとの応対もそれほど苦にはならない。
 笑顔を絶やさず、言葉遣いは丁寧に、そして迅速かつ正確に!
 売り子の鑑とも言えそうな見事な客さばきを見せる真紀。

140 :
 おかげで、てんてこ舞いになっているだろう真紀を助けるために希美が売り場に駆けつけた頃には、列の大半ははけていた。
 (ウソ!? てっきり慣れない環境と立場で、困っていると思ったのに……)
 立派な真紀の「巫女っぷり」(いや、神社のグッズ販売が巫女の本業かと言うとソレは微妙だが)に、目を丸くする希美。
 「あれ、どうかしましたか、姉さん?」
 ごく自然に希美に「姉」と呼び掛ける真紀──ただし、無意識なのか本人は気付いていないようだが。
 「……あ、ううん。何でもないの。そろそろお昼だから、交代するわ。マキちゃんはお台所でお昼ご飯を食べてきなさい」
 希美は内心の戸惑いを面に表さず、笑顔で"妹"を気遣う。
 「ああ、もうそんな時間でしたか。すみません、それでは少し外させてもらいます」
 ニッコリ笑って真紀は売り場の座布団から立ち上がり、狭い小部屋を出る。草履をつっかけ、希美とチラホラ見える参拝客に軽く一礼すると、きびきびしてはいるが、はしたなくない程度の巫女らしい足取りで、裏の母屋へと立ち去る。
 その一連の仕草や表情に、ぎこちないトコロは欠片も見当たらなかった。
 「これは……思いがけない逸材だったかしらね」
 "妹"に代わって売り場に入る希美の顔には、楽しそうな笑みが浮かんでいた。
  * * * 
 「夏樹真紀」としての自分の行動に、真紀自身が違和感を感じたのは、社務所でのお務めが終わり、売店内を簡単に整理した後、私服に着替えるために"自室"に戻った時点だった。
 より正確には、「違和感を感じた」というより、「違和感が無さ過ぎることが逆におかしいと気がついた」と言うべきか。
 「な、なんで、僕、こんなに簡単に"この神社の巫女"としての業務に適応してるんだろう?」
 思い起こせば、最初に売店スペースに足を踏み入れた時点から、自分が其処で何をするべきかわかっていたように思う。
 いや、わかっていたというより、そのことを意識すらせず、普通に「夏樹神社に於ける巫女の務め」を極めてスムーズにこなしていたのだ。
 「これが……立場を入れ換えて巫女になる、ということなのか……」
 『──まぁ、それも間違いではない。それだけではないがの』
 !
 「──だ、誰!?」
 慌ててキョロキョロ部屋の中を見回す真紀。
 『──おぉ、やはり聞こえておるようじゃな。感心感心』
 脳裏に聞こえて来るその"声"には、聞き覚えがあった。
 「あのぅ……もしかして、我が神社の祭神たる河比奈媛命(かわひなひめのみこと)様でいらっしゃいますでしょうか?」

141 :
 『うむ、いかにも。それと、過剰に畏まる必要はないぞえ。あまり馴れ馴れし過ぎるのも問題じゃが……そうさな、「比奈様」とでも呼ぶがよい』
 儀式のときにも感じたが、身に纏う神々しい雰囲気に反して、存外気さくな神様のようだ。
 「は、はい。そうさせていただき…いえ、そうさせてもらいます」
 謙譲語から丁寧語に言い直す真紀を見て、比奈は満足そうに頷いた(ようなニュアンスが伝わってきた)。
 『なかなか間の取り方を心得ておるの。霊感の冴えもよいし、ますます気に入ったぞ』
 「えーと、何のことでしょう? それに、さっき「それだけではない」って……」
 教えてもらえませんか、と恐る恐る申し出る真紀に、上機嫌な比奈のテレパシー(?)が返ってくる。
 『ふむ、ほかならぬ、そなたの頼みじゃ。よかろう、簡潔に説明してやろうぞ』
 さすが神様と言うべきか、やや古風な言い回しはするものの、比奈の説明自体は要点が抑えられていてわかりやすかった。
 要点をまとめると、
1)儀式の主眼が"巫女としての"勇美との立場交換であるため、巫女としての言動や知識に関する部分は、自動的に補助されている
2)反面、それ以外の"ひとりの少女として"勇美の部分に関しては、一応入れ替わってはいるものの、神通力の補助がないため、真紀自身の常識に依る部分が大きい
3)そして、これは1)、2)両方に言えることなのだが、真紀と入れ替わったのは立場であり、"勇美の、巫女としてあるいは一女子高生としての普段の言動"をそのまま受け継いでいるのではない
 「3番目の意味がよくわからないのですが……」
 『そうさな。もう少し噛み砕いて言えば、入れ替わったのは立場だけなのじゃ。故に、今現在のそなたの実際の言動は、「もし、自分が巫女/16歳の少女の立場であったら、どんな風に行動するか」という仮定に基づいて矯正されておる』
 「な、なるほど……」
 実際に顔を合わせていた時間は短いが、確かにあの活発(おてんば)な勇美の行動を模しているにしては、先程までの自分の立居振舞は、随分としおらしく、また淑やかであったように思う。
 しかし、真紀自身の「巫女さん、かくあるべし」という理想(おもいこみ)が基本にあったと言うのなら納得がいく。
 『逆に、"普通の娘としての日常"に関する想像(いめぇじ)が足りぬが故に、この部屋に入った途端、どう行動するべきか戸惑い、綻びが生じたのであろうよ』
 比奈の推論も確かに理に適っていた。
 「けど、それじゃあ、これから日常生活を送るのに困るんじゃあ……何とかなりませんか?」
 『ふーむ……(普通の男児(おのこ)であれば、若い娘の立場になったと知ったら、多少はけしからん邪念を抱くものなのじゃが、こやつにはその欠片すら見当たらんな)……よし、そちらは我が少し手を貸してやろう。それっ!』
 一瞬、真紀には自分の身体が光ったように感じられる。
 「い、いまのって……」
 『おお、今の光が見えたのか。やはりそなたの霊感はなかなか鋭敏なようじゃな』
 それに比べて、勇美めは、神社の娘とも思えぬくらい信心も霊感も言動の品格も足りておらぬ。希美は確かに巫女向きの性格じゃが、残念なことに霊感に乏しい──と、比奈は愚痴る。

142 :
 「あの、それより、今、何したんですか?」
 『ああ、済まぬ。論より証拠じゃ。お主が通う龍刻高校の学級と席を思い出してみよ』
 「へ? それは……1年B組で、窓際の後ろから三番目の席ですけど?」
 何の疑問も抱かず、そう答える真紀。
 『倶楽部活動とやらは何をしておる? その部長とやらは?』
 「高校に入ってから弓道を始めました。部長は3年の仲井先輩ですね」
 『得意な学科と苦手な学科は?』
 「得意と言うか、国語とか英語とか歴史とか読み物的な要素の強い教科が好きです。逆に数式を追う、数学とか物理化学とかはちょっと……」
 比奈の質問に、つかえることなく、スラスラと答える真紀。
 『これから私服に着替えるようじゃが、今日は何を着るつもりじゃ?』
 「今日はちょっと寒いので、下着の上にキャミソールを重ね着してから、ベージュのニットワンピースを着て、厚手のタイツを履くつもりでしたが……」
 『して、その下穿きはどこにしまっておる』
 「そちらのタンスの一番下の段に……って、セクハラですよ、比奈様!」
 最後まで答え……かけて顔を赤らめて、真紀は、お茶目な神様を非難する。
 「──って、あれ? どうして……」
 『少しだけ術の方向を弄って、「もしそなたが夏樹神社の次女として生まれていたら、どのような16年間を辿っていたか」を疑似的に"しみゅれぇと"したうえで、因果を歪める術式にシンクロさせた。これで、「夏樹真紀」としての日常を過ごすのに問題はなかろう』
 「少し疲れたので、我は寝る」と言い残して、比奈からの"テレパシー"は切れた。
 「えーーと……これで良かった、のかなぁ」
 首を捻りつつ、巫女装束を手際良く脱いで半裸になり、先程比奈に告げたような私服に着替える真紀。
 本来なら、「遠坂真紀」もれっきとした男だ。年頃の少女の部屋に入り、なおかつそのタンスを漁り、さらに取り出してそれに着替えるなどと言う背徳的な行為に、躊躇いとそこはかとない興奮を覚えないはずがないのだが……。
 (でも、今の私からすると、此処は自分の部屋で、自分の服だものね)
 興奮などするはずもない。一応、今の"立場"同様、本当は"借り物"だという知識は頭の中にあるので、罪悪感は皆無でもないが、ほとんど気にならなかった。
 首の後ろの水引を解くと、付け毛だったはずの長い後ろ髪が、そのまま自分の髪となって腰まで垂れさがり、肩口にファサッと広がる。それすらも、今の真紀には慣れた感触に思えた。
 (ああ、そうか。巫女って髪の毛を伸ばさないといけないから)
 もし、自分が「神社の娘」として生まれていれば、確かにこんな風に髪を伸ばしていただろう。比奈の言う"しみゅれぇと"は完璧だった。
 「マキちゃーん、そろそろ晩御飯よー」
 「はーい、今行きまーす」
 階下から聞こえる"母"の呼び声に、反射的にそう返事すると、真紀は軽く髪に櫛を通してから、夕飯を食べに部屋を出るのだった。
  * * * 

143 :
 夕飯の食卓は、「いつも通り」終始和やかな雰囲気で会話と箸が進んだ。
 数年前に還暦を迎えたものの、いまだかくしゃくとして宮司を務めている、柔和さと厳格さを併せ持つ祖父・善行。
 善行に言われて神職の資格は取ってはいるものの、普段は村役場に勤めている、寡黙だが優しい目をした父・隆之。
 自称「永遠の二十五歳」で、その言葉通り確かに若く見えるため、希美たちと一緒に出かけると時折姉妹に間違えられるのが自慢の、明るくお茶目な専業主婦の母・未央。
 "ミス・エルダーシスター"という称号を進呈したくなるほど、容姿も性格も才能も「理想的なお姉さん」という言葉を体現したような、今年成人式を迎える姉・希美。
 ここに本来は、男勝りで元気一杯だが、少々ガサツな妹の勇美が加わるのが夏樹家の食卓なのだが、今は彼女に代わって真紀がそのポジションを占めている。
 そして、「夏樹真紀」は「夏樹勇美」と違って、どらかと言うと古風で控えめな少女……という"設定"らしい。
 勇美のように食卓で、積極的に話題提供したり、ときには下品なネタや行儀の悪い仕草を披露して両親にたしなめられたりはしなかったものの、それでも他の人の話にキチンと耳を傾け、適切な呼吸で相槌や合いの手を入れる。むしろ聞き上手と言ってよいだろう。
 そのため、今日の夕食も、至極穏やかな空気のまま終わるかと思われたのだが……。
 「ああ、そうそう。お父さん、お母さん、今日、"厄違え"の儀式があって、マキちゃんが参加したからね」
 ──食後のお茶とミカンという段階になって、希美がトンデモない「爆弾」を投下した。
 「ね、姉さん!」
 「ほらね、いつもだったら、妹はわたしのこと、「お姉ちゃん」って呼んでたでしょ?」
 真紀の抗議もどこ吹く風と受け流し、希美は言葉を続ける。
 「そう言われてみると、確かにそんな気もするかなぁ……」
 「本当ですの、お義父さん?」
 息子夫婦の視線を受けた善行は「うむ」と短く肯定する。
 「い、いったい誰と、どんな立場の人と入れ替わってるんだい? まさか、男じゃないだろうね!?」
 男親だけあって、隆之は「本来の娘」の現状が気になるようだ。
 「そうなの……でも、全然違和感ないわよ。もしかして、入れ替わったのは19歳の娘さんなのかしら」
 対して、未央の方は、存外のんびり構えている。いや、自らの言葉通り、たぶん相手は若い娘だろうとタカをくくっているせいかもしれないが……。
 「──知っての通り、この儀式を受けている者の素性に関しては、関係者以外に漏らすことは禁じられている。余計な詮索は無用だ」
 さすがは社を預かる宮司だけあって、善行の口は堅い。

144 :
 「ただ、あえて付け加えると、相手もキチンとした立場の人だから心配ないと思うわ。ん〜、むしろ、巫女さん適性と妹適性は、本物より上かも?」
 祖父の言葉を補足しつつ、立ち上がった希美は、真紀の椅子の後ろに立つと、背後からギュッと"妹"を抱きしめる。
 「キャッ! い、いきなり、どうしたんですか、姉さん?」
 驚きつつも"姉"の真意がわからず、真紀はされるがままになる。
 「──ほらね? いつもだったら、「お姉ちゃん、鬱陶しいから止めてよ!」って乱暴に振りほどいてるはずだもの。それが、こんな従順でいいコになってるし……」
 どうやら、優しげに見える希美も、我がまま気ままで粗雑な妹に、密かな不満(ストレス)は抱いていたらしい。
 あるいは、本当は自分よりずっと年長の若い男性が、"妹"として自分の下に立つという倒錯的な事実に、密かな愉悦を感じているのかもしれない。
 「いいコ、いいコ」と希美に頭を撫でられ困惑する真紀。
 本来の24歳の男性としては「バカにするな」あるいは「やめてくれ」とでも言って、振り払うべきなのだろうが、今実際にそうされている"彼女"としては、決して嫌ではなかったのだ。むしろ、「優しい姉に可愛がられている」という事実に、安らぎにも似た感情を覚える。
 「──そうね。このマキちゃんなら、お家の事の手伝いとかもお願いできそうだし、可愛らしいお洋服とかも着てくれそうだし……」
 同じく、下の娘の放埓さに手を焼いていた記憶がうっすら残る未央も、キュピーンと目を光らせて、じりじりと今の"下の娘"に近づいていく。
 「わ〜〜ん、父さん、助けてー!」
 "祖父"の善行は、仲良き事は麗しき哉と言わんばかりの好々爺の表情でひと足先に台所から離脱していたので、唯一、残った"父"に助けを求める真紀だったが……。
 「おお、"父さん"……なんと心洗われる響きだッ!」
 隆之は、何やらワケのわからない感慨にふけっている。
 実は、中学に入った辺りから、勇美は両親のことを「親父」「お袋」と呼ぶようになっていたので、その呼び方が、何気に新鮮だったのだ。
 ──その晩、真紀は、希美と未央に夕飯の後片付けに参加させられたのはともかく、そのあと、風呂に入るまでの時間、ふたりに、振袖だの、ゴスロリワンピだの、甘ロリ系ドレスだのを用いた"着せ替えファッションショー"を強要されるのだった。
 まぁ、そのおかげで、「儀式により立場を入れ換えた偽物の娘」という気まずさは霧散し、"家族"に好意的に受け入れられたのだから、結果オーライと言えるかもしれないが。
-つづく-
#今回は経緯説明とちょいコメディ。次回は、待望(?)の入浴シーンです。
#できるだけ色々盛り込むつもりなので、このSS、思ったより長引きそう。松の内に完結させる予定だったのですが、難しいかも。

145 :
GJです
個人的には奇をてらうよりも王道のほうが好きです
どうぞ欲望の赴くままにお書きになってください!

146 :
素晴らしい

147 :
 

148 :2013/01/05
これは好み
ありがとう、ありがとう。
嬉しすぎて私の息子から白い涙が出そうだよ
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