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2012年07月創作発表60: 自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第72章 (822)
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自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第72章
- 1 :12/05 〜 最終レス :12/08
- ハイテク兵器 vs 剣と魔法。
内容はガイドラインを参照。
・sage厳守。
・書きこむ前にリロードを。マナーとして。
・SS作者は投下前と投下後に開始・終了宣言を。分断防止のため。
・SS投下中の発言は控えてください。
・支援は50レスに1回。
・嵐、煽り、気に食わないコテは徹底放置。自然現象として脳内あぼーんしましょう。
・品性に欠けるレスはなるべく付けませんよう。
・気に食わないレスを、気に食わないコテハンまたは気に食わない人間のものと根拠無く認定するなかれ。
ループ禁止。対策としての『萌え』などには書き手も読み手も極端な反応をしないこと。
そんなことより海産物の話でもしよーぜ。
・以上を守らないものはぬるぽと見做し、鉄槌制裁( ・∀・)つ=■彡☆))`Д´)されます。
前スレ
自衛隊がファンタジー世界に召喚されますた 第71章
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1326519134/
保存庫
ttp://www26.atwiki.jp/jfsdf/
ttp://pixus.iinaa.net/jfs.htm
分家
ttp://jbbs.livedoor.jp/movie/4152/fjieitai.html
- 2 :
- 新暫定ガイドライン
0. 現代科学であれ男塾理論であれ異次元科学であれ議論であれ、第一に置くべきははスレ住人が楽しいこと。住人が不快に思う事は避ける。
1. 投下してくれる作者は神。批評はいいが節度を持ってやること。
2. 「自衛隊がファンタジー世界に」とあるように、あくまで「現代の日本国自衛隊」が主に関わる話であること。
3. 自衛隊の組織・装備はあくまで現用もしくは近未来的に配備が予想されるものに限る。
核兵器・旧東側諸国製兵器・未来兵器・巨大人型兵器など、現代の日本国が配備するにはナンセンスなものは極力避けること。
現代科学と作中の設定で説明できる場合にはこの限りではない。
4. 軍事力の背景となる社会構造、政治・戦略・作戦・戦術・戦闘に関してはある程度しっかり設定しておくのが好ましい。
作中の設定で説明できないものは避けること。
5. F世界側の設定は作者が勝手に決めることが出来るが、「超魔法・無敵キャラまんせー」な話にならぬよう気をつける。
基本的には自衛隊・近代兵器マンセーの方が好まれる。
また、オーバーテクノロジーの扱いは慎重に。
6. ファンタジー側の人間もきちんと描写する方が好ましい。
自衛官主観という演出などであえて描写しないのはこの限りで無い。
7. 萌えだけ、エロだけ、グロだけを目的とした作品は、このスレ以外のしかるべき板やスレに書き込むこと。
8. スレ外の該当作品にかんする批評などの雑談は、ほどほどに。
9. 次スレは>>980か480KBを踏んだ方が立ててください。
- 3 :
- ■今までこのスレで討議された議題
・ファンタジー世界の市場規模についての考察
・による世界支配は許されるか
・江戸時代とファンタジー世界の類似性について
・大陸国家VS海洋国家戦略、その長短について
・マッチとメラ、着火手段としてどちらが優れているか
・F世界での日本経済再生と交易について
・ドラゴン…契約方法と空軍戦力としての有効性を考える
・自衛隊的ダンジョン攻略法
・対人地雷と魔法の罠。
・F世界における神の影響力について。
・F世界的陣地攻略法
・熊に見るモンスターの手強さ
・巨大昆虫対策〜界面活性剤から核弾頭まで
・決闘における非致死性制圧法(殺さずにいたぶる百の方法)
・F世界の街道、交通路における運搬手段が道に与える負担うんぬん
・銃弾を受け付けない素材を武具の材料に用いれるか
・マクロ経済を考慮すべきか
- 4 :
- ■さんざんガイシュツの話題
・シーレーン確保における脅威の排除(海賊、海の怪物対策)
・日本が傭兵を雇用することは可能か?
・萌えは是か否か。
・議論は是か否か。
・魔法・怪物の設定(最終的には作者に一存という結論)
・補給が断たれた場合、弾薬を何とか確保可能か?不可能な場合はどうなるか?
・球形以外の世界。
・食糧対策・餓死者の局限−魔物を喰らうモノ−
・在日外国人・異世界住人対策。政治思想の殴り合いは勘弁
・資源・エネルギー問題。
・外交方針について。
・人間と亜人の共生について。
ガイシュツだが、再考察とかは特に禁止されてない
SFは禁止だと言うことです
- 5 :
- 関連サイト
「帝國召喚」(作:くろべえ/分家皇軍スレ)
ttp://www.geocities.jp/wrb429kmf065/index.html
「輸送戦記」(作:Call50/本家)
ttp://homepage2.nifty.com/Call50/
分家まとめサイト
ttp://www.geocities.jp/wimsigma/
SSの書き方
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan01.html
ttp://www6.plala.or.jp/Action/taidan02.html
- 6 :
- 過去スレ
創作発表板
70 ttp://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1318261509/
69 ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1280728791/
68 ttp://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1261921219/
67 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1254132077/
66 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1247917732/
65 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1242886494/
64 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1235983300/
63 ttp://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220184382/
軍事板
63 ttp://gimpo.2ch.net/test/read.cgi/army/1220300122/
62 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1214912385/
61 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1210853200/
60 ttp://hobby11.2ch.net/test/read.cgi/army/1206945872/
59 ttp://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1200068856/
58 ttp://hobby10.2ch.net/test/read.cgi/army/1187502563/
57 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1181167154/
56 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1177836560/
55 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1173715591/
54 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1171625885/
53 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1170750554/
52 ttp://hobby9.2ch.net/test/read.cgi/army/1166436294/
51 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1163066160/
50 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1161084208/
49 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1160188326/
48 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1157263954/
47 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1153579549/
46 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1149155655/
45 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1145708454/
44 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1141803533/
43 ttp://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/army/1138537013/
42以前は保存庫参照
- 7 :
- スレ立て乙です。本当にありがとうございます。
当面、異世界側の攻撃に対し、守勢が続きますが、ご了承ください。
とりあえず、昨晩の残りから。
- 8 :
- 京都府綾部市渕垣付近 16時7分綾部発 特急まいづる7号 4号車内
2012年6月4日 16時14分
意味わかんねえよ。何だよあれ。すし詰め状態の車内で、高校2年生の荻野祐樹は、ようやく何かを考える余ことが出来た。間一髪だった。駅前をぶらぶらしていたところで、血相を変えて逃げてくる群衆に巻き込まれた。
県道は舞鶴方面へ向かう車があっという間に事故を起こし、塞がった。パトカーがけたたましいサイレンの音とともに福知山方向に走り去り、暫くして槍や剣で武装した連中が、人をなで斬りにしながら押し寄せた。
どうやって特急に乗ったかは覚えていない。気が付いたら電車は出発していた。
隣のサラリーマンがワンセグでテレビを見ている。綾部市が燃えていた。ヘリからと思われる映像は、綾部市が燃える様子と、人が殺される様子を鮮明に映し出していた。壊れた人形みたいだな。祐樹はぼんやりと思った。そして、怖くなった。
自分や母親や、友達がそうなっていたら。今も、家族とは連絡が取れない。電話にも出ない。どうしよう。
- 9 :
- 「おい、なんだあれ?」
前の方の席で誰かが窓の外を指さした。そこには馬に乗った集団が、特急列車に並走していた。
茶色い服にヘルメットの様なものを被り、胸には鎧、だろうか?映画で見た西洋の騎士に比べると、なんだかとても軽装に見えた。
そのかわり、動きやすそうだな。ああ、あれはなにをもっているんだろう?……弓だ。
次の瞬間、電車の右側の窓ガラスが、酷い音を立てて崩れ落ちた。続けて飛来音。鈍い音。くぐもった悲鳴。隣を見ると、ワンセグを見ていたサラリーマンの右目に深々と矢が刺さっていた。
「ふ、ふせろっ!」
「狙われているぞ。弓矢だ!」
「もう、いやぁ!」
パニックに陥った乗客は、どうにかして矢から逃れようとするものの、すし詰めの車内に逃げる場所など存在しない。
まいづる7号が西舞鶴駅に到着した時
、4号車内の乗客27名が死亡、67名が重軽傷を負い、血の海に沈んでいた。無傷の乗客は6名であった。
- 10 :
- この時間は以上です。
残りはまた。
- 11 :
- 投下乙
以後、名前欄に作品名と、できたらトリップつけてちょ
- 12 :
- ついでに投稿済の2レスも纏めて戴ければ >名前欄に作品名と、できたらトリップ
- 13 :
- トリップつけてみましたが、ちゃんとついていますかね。初めてなので不安です。
>>11
すみません。題名はまだしっくり来るのが浮かばなくて。
- 14 :
- 京都府綾部市渕垣付近 16時7分綾部発 特急まいづる7号 4号車内
2012年6月4日 16時14分
意味わかんねえよ。何だよあれ。すし詰め状態の車内で、高校2年生の荻野祐樹は、ようやく何かを考える余ことが出来た。間一髪だった。
駅前をぶらぶらしていたところで、血相を変えて逃げてくる群衆に巻き込まれた。県道は舞鶴方面へ向かう車があっという間に事故を起こし、塞がった。
パトカーがけたたましいサイレンの音とともに福知山方向に走り去り、暫くして槍や剣で武装した連中が、人をなで斬りにしながら押し寄せた。
どうやって特急に乗ったかは覚えていない。気が付いたら電車は出発していた。
隣のサラリーマンがワンセグでテレビを見ている。綾部市が燃えていた。ヘリからと思われる映像は、綾部市が燃える様子と、人が殺される様子を鮮明に映し出していた。
壊れた人形みたいだな。祐樹はぼんやりと思った。そして、怖くなった。
自分や母親や、友達がそうなっていたら。今も、家族とは連絡が取れない。電話にも出ない。どうしよう。
「おい、なんだあれ?」
前の方の席で誰かが窓の外を指さした。そこには馬に乗った集団が、特急列車に並走していた。
茶色い服にヘルメットの様なものを被り、胸には鎧、だろうか?映画で見た西洋の騎士に比べると、なんだかとても軽装に見えた。
そのかわり、動きやすそうだな。ああ、あれはなにをもっているんだろう?……弓だ。
次の瞬間、電車の右側の窓ガラスが、酷い音を立てて崩れ落ちた。続けて飛来音。鈍い音。くぐもった悲鳴。隣を見ると、ワンセグを見ていたサラリーマンの右目に深々と矢が刺さっていた。
「ふ、ふせろっ!」
「狙われているぞ。弓矢だ!」
「もう、いやぁ!」
パニックに陥った乗客は、どうにかして矢から逃れようとするものの、すし詰めの車内に逃げる場所など存在しない。
まいづる7号が西舞鶴駅に到着した時
、4号車内の乗客27名が死亡、67名が重軽傷を負い、血の海に沈んでいた。無傷の乗客は6名であった。
- 15 :
- 京都府綾部市綾部市庁舎前
2012年6月4日 17時53分
どうやら、日が落ちる前に配下の再集結を終えることが出来そうだ。
軍団の先鋒を務める騎士団の指揮官、帝国西方諸侯領エレウテリオ子爵家当主、ブエナベンドゥラ・ディ・エレウテリオ・イ・ロッサは、安堵のため息を漏らした。
32歳になるエレウテリオは、西方諸侯領の中でも特段豊かな穀倉地帯である、ロッサ地方の領主である。
それは子爵では釣り合わないほどのものであり、今回の出兵において、彼は相応しい勲功をあげることで、伯爵位を授けられることを周囲から期待されていた。
大柄とは言えないものの引き締まった体躯は、重い板金鎧を馬上においても難なく支えており、騎士団長としての威厳を周囲に示していた。
視界の端に、副官が近付いていることを認めたエレウテリオは、豊かな口髭を蓄えた顔に厳しい表情を作りなおすと、馬首を巡らせた。
「団長、我が方の損害は騎士ドウェルが討死。その他、郎党と兵合わせて15名でございます。その他、ゴブリン共が少々。まぁこれは些末なことでごさいまする」
「ドウェル家の長男坊が死んだか。あそこの親父殿は相当気を落とすだろうな。しかし、これだけの市邑に騎士も自警団もいないとは。何より城壁がない。どう見る?」
「よほど、敵国の内側に食い込めたので御座いましょう。でなければ、これほどまでに備えが薄いことの説明がつきませぬ」
「衛卒か邏卒か知らぬが、やつらは魔術士か?ドウェルもそれで顔を打ち抜かれて死んだようだが。騎士がいない代わりに、魔法戦士団が我らを迎え撃つとなれば──弟に所領を任せることになりかねんな」
「お戯れを。あのような連中が1000人いようと、物の数では御座いませぬ。して、この後如何なされますか?」
エレウテリオは、周囲を見回した。配下の疲労は、大したものではないようだ。まあ、これだけの勝ち戦、士気が上がって疲れを感じぬのであろう。
「本隊は西にある市を攻めておる。あちらは夜戦となろう。我らは先駆けとして進まねばならん。だが、もうすぐ日が落ちるな」
「では」
「うむ、騎士団は野営の支度を。だが、周囲は探る。ゴブリン共を放て。街道には斥候を出す──そういえば、あの鉄の車はどうなった?」
エレウテリオが副官に訪ねようとしたその時、ひとりの騎士が本陣に戻ってきた。
本人も乗馬も汗まみれで、全身から湯気を立ち昇らせている。しかし、その表情は生気に満ち溢れており、同時に口惜しさを隠そうともしていなかった。
- 16 :
- 「騎士パスクアル只今戻りました。申し訳ありません。取り逃がしてございます」
「ふむ、騎兵を振り切るか」
「はっ。面妖な鉄車は、北へ向かいました。街道に沿って鉄路があり、その上を走る物のようでございます。街道の規模からして、相当な都市に通じるものと思われます」
「騎士パスクアル、御苦労。愛馬と配下を休ませよ。明日はさらに働いてもらうぞ」
「御意」
放っておけば、どこまでも追撃してしまいそうな若い騎士に対し、エレウテリオは労いの言葉をかけた。配下とはいえ、己の名誉を何よりも重視する西方騎士である。失態を取り戻さんとして、抜け駆けを試みられても困る。
諸侯を束ねる騎士団長には、この種の気遣いが求められる。なんとも、面倒な現実であった。
とにかく、明日に備え更なる情報が必要である──エレウテリオはそう判断した。
「騎士モデストは、軽騎兵を率いて街道を北に向かい、騎士斥候を行え」
「敵に出くわしましたならば……」
「騎士の流儀に従えばよい。我らは夜明けを待って後を追おう」
「ははっ」
騎士団主力は、市庁舎前及び東綾公園にて野営に入った。周囲にはゴブリンで編成される亜人小隊が放たれ、街道──国道27号線上に軽騎兵30騎からなる偵察部隊が放たれた。斥候は周囲を探りつつ北へ進むだろう。
綾部市から国道27号線を北北東へ約20キロ進んだところには、舞鶴市が存在している。
綾部市を襲った惨禍は、北近畿の港湾都市舞鶴に、その触手を伸ばそうとしていた。
- 17 :
- というわけで、第一話投稿終わりです。御意見御感想お待ちしております。
第二話も今晩投下する予定です。
- 18 :
- >>15
投稿乙!
あとでゆっくり読ませていただきます
あと前スレの小説サイトのリンク先
おもしろかった!
とりあえず登録して評価してきた
- 19 :
- 乙
ゲートもので最初ゲートつながったところが蹂躙されるのは定番だな。
- 20 :
- 乙でした wktkして次話待ってます
そういえば、ここまで地名が具体的に決まってるとなると、舞鶴では海自あたりが
活躍するのかな
- 21 :
- 投下乙。続きも楽しみです
ゲートもので思うのだけど
鎧兜着た人間乗せた馬が舗装道路を走って大丈夫なんだろうか
- 22 :
- >>21
サラブレッドだとつま先傷めるのは確実だけど
ローマ時代の石畳や近代英国騎乗衛兵もアスファルト走るし
そこらへんは騎士の按配程度と考えて気にしなくてもいいかと
まぁ方向変えるとき滑る危険性はあるか
- 23 :
- 蹄鉄をちゃんと付けていればさほど問題は無いとは思う
土の地面歩くより足に悪いのは変わらないけど
- 24 :
- >>19
大体奇襲になりますものね。
>>20
ご明察。海上自衛隊に頑張ってもらう予定です。
>>21
多分、蹄なり蹄鉄なりがさっさとやられそうですね。
皆さんありがとうございます。
では、第二話いきます。
- 25 :
- 京都府舞鶴市海上自衛隊北吸岸壁護衛艦みょうこう 士官室
2012年 6月4日 16時7分
護衛艦みょうこう当直士官、稲富祐也一等海尉は、テレビ画面を見ながらあんぐりと口を開けていた。
とても現実の光景であるとは思えなかった。自分のよく知る街が、燃えている。自然災害の結果であればまだ納得がいったであろう。
だが、眼前に映し出されたものは、どう見ても現代日本のものではない甲冑を着た人間(一部は明らかに人間ではないように見える)に、市民が殺害されていく姿。
特撮ではないだろうか──そんな考えも浮かんだが、彼の中の自衛官としての思考がそれを否定した。
これは現実だ。俺が狂っていて、この士官室で幻覚を見ているのであればいいが、そうじゃない。であるならば、現実が狂っている。なんてこった。
稲富一尉は、護衛艦みょうこうの砲術長として砲熕武器を指揮する立場にある。筋肉質だが身長163センチの短躯である彼のことを、口さがない一部の乗員は「豆タンク」とか「ドワーフ」と呼んでいる。
だが、その綽名の示す通り、太い眉を蓄え、巌のような作りの容貌を持つ彼は、常に積極的で精力的な士官であるという評価を得ていた。普段の性格が陽性であることも相まって、曹士の評判も悪くない。
稲富は、かぶりを振って気持ちを切り替えると、副直士官に指示を出した。
「幹部に電話してくれ。非常事態だ。艦長には俺から連絡する」
「はい。乗員はどうしますか」担当警備区で非常事態が発生した以上、乗員を集めなければならない。曹士の取りまとめ役である警衛海曹に指示を出す必要があった。
「当然、警急呼集をかける。ああ、警衛海曹を──」
「当直警衛海曹、沢田曹長入ります。各パート先任者に連絡を指示しました。警急呼集でよろしいですね?」
稲富の思考が言葉になる前に、当直警衛海曹である沢田曹長はすでに士官室に姿を見せていた。
何をぐずぐずしているといわんばかりの態度である。稲富は思った。若い幹部じゃ歯が立たねえ訳だよ。まあ、こんな時は頼もしくもある。
「警急呼集だ。それから、機関科には試運転の用意をさせてくれ」
「災害派遣でしょうか?」副直士官が言った。
「どう考えても、それで収まるとは思えないな。──武器に火を入れることになりそうだ」
副直士官は顔を引きつらせると「電話をかけます」と士官室を出て行った。
「沢田曹長、どうなるかな、これ」
テレビを見ると、中継が途切れたらしく、スタジオの男性司会者が必死に現場レポーターを呼んでいた。
「ろくなことにはなりませんな。少なくとも、綾部市で終わるとは思えません」
よく見ると、鉄面皮に思えた沢田曹長の顔面にも冷汗が浮いていた。誰も、こんな経験などしたことがないのだ。稲富は、胃の辺りに重たい感触を覚えつつ、艦長の電話番号を呼び出した。
- 26 :
- 京都府舞鶴市 舞鶴市役所会議室
2012年 6月4日 19時14分
「綾部市からの連絡は途絶しました。市長、副市長共に行方不明です。警察も消防も応答しません。中心部は暴徒に制圧されたようです」
「暴徒?甲冑と槍で武装した1000人からの集団を、君は暴徒とよぶのかね?」
総務部長が苛立ちを隠さない口振りで、担当職員に質問した。
「福知山はどうや?」
「はい、さらに大規模な暴徒に襲撃された模様です。ただ市長は辛うじて難を逃れたようです。ただ、現在も騒乱が続いております」
「京都南部及び兵庫方面との連絡は絶たれたということだな」
職員の報告は気の滅入るものしかなかった。舞鶴市長、京極高男は薄くなった頭髪をぼりぼりと掻き毟り、さらなる報告を求めた。
「市内の状況は?」
「現在、市広報車を走らせて、綾部方面に向かわず、テレビラジオの情報に注意するよう呼びかけています。今のところ、パニック等は発生しておりません」
「市内インフラは平常通りです。綾部市域は大規模停電が発生しているようですが、舞鶴市内は今のところ被害が報告されておりません」
「綾部市からの避難民は、とりあえず各公民館、文化公園体育館、市民病院、赤十字病院、共済病院等に収容していますが、負傷者が多数発生しています」
「すでに消防本部の要請によりDMATが派遣され、救急医療に当たっています」危機管理・防災課の職員が発言した。
舞鶴市に限って言えば、現状はまだそう悪いものではなかった。市内のインフラと治安は守られ、通信手段も確保されている。しかし、明日の朝もそうであるとは、誰も言えない。速やかに手を打つ必要があった。
京極は、市職員を20年勤めあげた後、市長選に出馬し当選した、何処にでもいる経歴の平凡な市長であった。
冴えない風貌をした彼の強みは、幼少時から舞鶴市で育ち、誰よりも街を知っているという事と、その見かけによらず判断が早いという事である。
彼は、迷うことを嫌った。
「暴徒は必ずここに来る。その前に市民を避難させなければならない。市民に避難指示を出す」
京極は矢継ぎ早に指示を出した。広報車と防災無線を活用し、南部地域を優先して避難を指示。市民は最寄りの公民館、学校等に集合させる。市バスと民間バス会社を総動員して、市民の移動に当たらせる。
京極は警察署長に向き直った。
「署長、舞鶴市の警察力で暴徒に対処は可能ですか?」
舞鶴警察署長の表情は、くるくると変わった。治安を預かる者の矜持もあったであろう。しかし、最終的には苦い物を飲み下した様な表情で、絞り出すように答えた。
「──舞鶴警察署員170名余では、1000名を超える暴徒を抑えることは困難であります」
京極は、5秒ほど思考を巡らせた後、静かに告げた。
「舞鶴市長として西舞鶴地区から市民を避難させる。市民の避難先を東舞鶴各施設とする。消防は入院患者の移送に全力を挙げるように。警察は、避難誘導を確実に行ってください」
会議室内が一瞬凍りついた。市長が西地区の放棄を宣言したのだ。数名の職員が何か言いたそうな素振りを見せたが、結局それは果たされなかった。
綾部市からの映像は、それだけの力を持っていたのだった。ぐずぐずしていれば、綾部市の二の舞になる。その認識が、市長の判断を後押しした。
「小浜市、高浜町の担当者に連絡して、市民の受け入れを調整してくれ。向こうは大きな施設がたくさんある。こういうときに役に立つはずだ。市各課は防災避難計画に基づき市民の避難誘導に必要な行動をとること」
「非常事態宣言を出そう。対策本部は此処に設置する。電話回線の増設を急いでくれ」
「保安庁と自衛隊に連絡官を出すように要請してくれ。彼らの力が必要だ」
「災害派遣を要請するのですか?」その指示を聞いた総務課長が、質問した。
「災害派遣では、この事態には対処できんよ」京極は、静かに否定した。
「府知事に電話をつないでくれ。治安出動の要請を依頼する」
職員が会議室を慌ただしく出ていく中、京極は警察署長を呼びとめた。目には何かを決意した光があった。
「署長、頼みたいことがある」
「……なんでしょうか?市長」
「避難途中に暴徒に乱入されたらおしまいだ。我々には時間が必要だ。時間を──稼いでいただきたい」
- 27 :
- と、とりあえず、以上です。
投下時に操作ミスって上書きしてしまいました。
このため第二話の主題、騎士団斥候と警官隊の交戦場面は、あしたアップします。
(;´д`)バックアップしとこう。
- 28 :
- 投下乙!
明日にもう次を投下予定とは、なんという速度!
内容も良い感じだし、期待大!!
- 29 :
- 乙
署長は時間を稼ぐことができるのか・・・
あと質問なんだけど舞台設定、震災起こった後?
- 30 :
- >>29
日本転移じゃなくゲートとか言ってた筈>設定
「震災」が東日本大震災を指すなら日付からして経験後の日本と考えればいいんじゃない?
- 31 :
- >>29
舞台設定は概ね我々の現実と同じと考えていただいて結構です。ただし、幾つかの事柄が異なっており、その結果政治や自衛隊の現状に影響を与えています。
私の知識では大きな改変が不可能だったんですよねー(;´д`)
では、第二話の続きです。
- 32 :
- 京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時35分
「202より現本。現在まで真倉阻止線異状なし。」
『現本了解。引き続き阻止線にて警戒に当たってください』
片側一車線の国道27号線上には、赤色回転灯を点けたパトカーが2台、人員輸送用のワンボックスが1台、道路を塞ぐようにして停車していた。
その周囲には警官が8名、配置に就いていた。いずれも、出動服の上から防護衣とバイザー付ヘルメットで身を固め、ポリカーボネート製の大盾を所持している。
腰には拳銃の携帯が許可されていた。
「なあ尾崎、相手は騎士様らしいぞ。高らかに名乗りをあげて、槍をしごいて突撃だ。堪らんな」
「やかましい。ちゃんと前見とかんかい!只でさえ貧弱な阻止線なんやぞ」
彼らの任務は、市民の避難完了まで現阻止線を可能な限り維持すること、である。同様の阻止線が市街地に通じる全ての道路上に設けられていた。
本来であれば、3倍の人員があっても覚束ない状況である。しかし、市民の避難誘導のために、警察、消防、市職員の大部分が忙殺されている現状においては、警察官8名が配置された真倉阻止線は、最も強力な阻止線であると言えた。
例え、その半数が地域課や交通課の職員であったとしても。
昼間の熱気は夜になっても冷めきっておらず、風は生温い。周囲の建物はは避難が完了しているため、電気は消えており、月明かりに照らされるばかりであった。
「嫌やなあ。蒸し暑いし、静かで陰気臭いし、お化けでもでそうや」
奥村巡査は、首に巻いたマフラーで汗を吹きながら、呟いた。空に浮かぶ満月は、何故か普段より大きく見えて、不穏な雰囲気を振り撒いているように思えた。
「……なんか、聞こえる」
後方からは、サイレンの音や自動車のエンジン音が、絶えることなく聞こえている。それらに混ざって、微かに違う音が聞こえた。
一定のリズムで何かが地面を叩いている。それは次第に大きく、また複数の音源から発せられるようになった。
音は阻止線の前方から聞こえてくる。
「……まじかよ」奥村巡査が前方に目を凝らすと、そこには騎乗した集団が、満月の光を背に受けながら、こちらに近付きつつあった。
「来たぞ!マイク使え!」
パトカーの拡声器が、大音量で警告を発した。
『前方の集団に告ぐ。こちらは警察です。現在の位置で止まりなさい』
集団は、止まらなかった。馬は速足に変わり、騎乗した者たちは何かを構えた。
「あかん、やばい」尾崎巡査は背筋に悪寒を感じた。何かを弾く様な音と何かが風を切る音が聞こえた。
「奥村!パトカーの後ろに下がれ!」尾崎巡査は大盾を構えながら、相棒に指示を飛ばした。その直後、ザァという音とともに、複数の矢が彼らに降り注いだ。
- 33 :
- 京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時39分
よく整備された街道の先に、赤い光が点滅している。どうやら鉄の車が道を塞いでおり、それが光っているらしい。なんとも面妖な光景だった。
帝国西方諸侯領エレウテリオ子爵配下の帝国騎士エミグディオ・ディ・モデストは、今日何度目かの異様な光景に向かい合った。
当初は異様な文物に心を惑わされたが、軽騎兵を率いる騎士らしく、考えても分からないことについては考えることを止めた。
単純に、脅威があるかどうかを判断し、命ぜられた使命を果たすことに集中することにした。
さもなければ、この異国の地で、わずか30騎余を率いて斥候に出ることなど出来はしない。
「何者かがおりますな。あの鉄の車、昼間の市邑で衛卒が詰め所に停まっておったものと同じやもしれませぬ」
騎兵組長の一人が報告する。
「盾を持つ者がいるな。10名ほどか……蹴散らすぞ」
モデストは、街路上に立ち塞がる以上、その向こうに奴らが守りたいものがあるに違いないと判断した。であれば、これを突破し、さらに先を探るべきである。
『────!』
その時、鉄の車が吠えた。予期せぬ大音量に愛馬が足を止める。何語かは聞き取れない。これ以上冒涜的な光景は見たくもない。自分がよく知る世界を作ろう。モデストはそう思った。
「皆、聞けい!三斉射の後、突撃に移る。蹂躙して街道の先を探るぞ。構え──放てぇ!」
部下が怯えてしまう前に、戦闘に突入する。彼はそう決めた。配下の軽騎兵達は、短弓を素早く構え、立て続けに三度矢を放った。敵に乱れが生じている。
「帝国西方騎士エミグディオ・ディ・モデスト、参る!皆続けぇ!」
スピアを振りかざし、モデストは突撃にかかった。配下の軽騎兵も短弓を短槍に持ち替え、彼に続く。僅か10名足らずの衛卒に、騎兵30騎の馬上突撃を止めることなど出来はしない。モデストは確信していた。
- 34 :
- 京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時42分
呻き声が周囲から聞こえていた。尾崎巡査が周囲を見回すと、ガラスの割れたパトカーの周りに、腕や足に矢が刺さった同僚が転がっている。
さっと見た限りでも、3名が負傷していた。パトカーのシートや、一部は車体にまで矢が突き立っている。
「き、来たぞ!」
奥村巡査が悲鳴のような声で警告を発した。道の向こうからは恐ろしげな喚声を上げながら、地響きとともに騎兵が迫っていた。もう50メートルもない。
「車両の後ろに退避しろ!奥村、脇坂を引っ張ってこい!」
尾崎巡査は同僚に指示しながら、腰の拳銃を抜き出した。震える手で安全ゴムを外す。口の中がカラカラだった。パトカーを盾にしてニューナンブM60を構える。もう20メートル。相手のぎらついた目が見えたような気がした。
「正当防衛射撃だ。単射、撃て!」
阻止線の指揮を執る、速水巡査部長の叫び声が聞こえた。尾崎巡査の視界には、自分に向けて突っ込んでくる騎兵しか見えなくなっていた。あと10メートル。
「正当防衛射撃」と何度も呟きながら、尾崎巡査は引き金を引いた。
京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時44分
先頭を進んでいた騎兵が弾かれたように落馬する。鋭い擦過音を残して、何かが右頬のすぐ傍を通り過ぎて行った。周囲を見ると、数名が落馬している。敵の衛卒は鉄車の後ろに隠れて何かを放っているようだった。
「構うな!乗り崩せ!」
モデストは配下を鼓舞し、突撃した。敵が何をしようと、この段になって騎兵は止まらない。モデストは、一番手近にいた衛卒に、スピアを突き込んだ。
だが、鉄車という障害物によって速度を減じられた彼の乗馬突撃は、衛卒の持つ盾に弾かれてしまった。初めての感触であった。
鉄の盾を突いたとは思えないほど柔らかく、それなのに突き通すことが出来ない。
スピアを弾いた衛卒は一瞬怯んだ様であったが、すぐさま右手に構えた何かをこちらに向けてきた。
「seitou-bouei-syageki」詠唱とともにその小さな筒の様なものが光を放った瞬間、破裂音が響き、モデストは胸に衝撃を受け、弾き飛ばされた。熱い塊が喉を駆け上る。彼は自分が血を吐いたことを知った。
周囲では、配下の軽騎兵が光る筒に打たれて、次々と落馬していた。衛卒は大盾を構え、筒から光を放っている。
衛卒ではなく魔法戦士団!薄れゆく意識の中で、モデストは己の過ちを悔み、敬愛する騎士団長の武運を祈った。
エレウテリオ団長、此は魔導の國にございます。油断召されるな。
- 35 :
- 京都府舞鶴市真倉 国道27号線上
2012年 6月4日20時48分
騎兵の突撃はどうにかしのぎ切ったようだ。尾崎巡査はまだ痺れる左腕を庇いつつ、ゆっくりと立ち上がった。大盾は大きく歪んでいる。もう一撃食らえばどうなっていたかわからない。
「みんな、無事か?」
「な、なんとか……」
「速水巡査部長がっ!」
悲鳴の上がった方向をみると、速水巡査部長が騎兵と刺し違える形で息絶えていた。
警官隊の損害は、殉職1名、重傷3名。その他のものもどこかに傷を負っている。弾も予備弾を装填すればあと1弾倉分はあるものの、同規模の突撃に堪えることは不可能であった。
「202より現本。マル被の襲撃を受けた。速水巡査部長が殉職、重傷3名。現阻止線維持のためには、応援が必要。
なお、マル被は約30名程度。騎乗した外国人の集団であり、12名が死亡。5名が重傷。軽傷者は逃走した」
『現本より202。相手の凶器は何か?騎乗した外国人と言うのは何人か?』
「槍と弓矢。全員が甲冑を着けている。人種は不明。英語はしゃべっていないようだ」
『現本より202。相手は何だ?本当に騎士なのか?君は大丈夫か?』
無線の声は、尾崎巡査の正気を疑っているかのように聞こえた。
土手っ腹に槍が刺さって死んだ速水巡査部長の死体。銃弾を受けて斃れ伏す西洋騎士。足を折った馬が、悲しげに嘶いている。同僚は放心状態で、自分の足に刺さった矢を見つめている。
尾崎巡査は、全てがばかばかしくなり、無線機に向かって怒鳴り上げた。
「202より現本。そんなに知りたきゃ見に来い!くそったれ」
- 36 :
- 第二話終わりです。
御意見御感想お待ちしております。ここが分かりにくいとかもありましたら、是非。
- 37 :
- 投下乙。
お願いだから、せめてエタるのは日本側の反撃ですっきりさせてからにしてね
…とか言うとエタるの前提みたいだな、反省
- 38 :
- 乙
もいっこ質問なんだけど政権はどこがとってるのかな
もし某左翼政権なら自衛隊が行動できるのはいつになるのやら・・・
まあいろいろ言われるかもしれないけど応援してるのでがんばって続けてくださいな
- 39 :
- いい感じやね、おもろいよ。ただ周囲の情景がうまくイメージできなかったな。パトカーの赤灯
をいぶかしく思ってるけど、道々で信号だとかに目を奪われはしなかったのか、市内放送に驚い
たりすることはなかったのか情景が欲しいや。
そういえば騎兵突撃てさすがにパトカーで撥ねるのは無理なのかな?現金護送車かバスでも徴発
して突っ込むとか想像したら笑ったww
- 40 :
- >>38
この状況で友愛政権下だったら、京都失陥がしかねん・・・・・
- 41 :
- 投下乙!
続きも期待してますよー、頑張って下さい!
>そういえば騎兵突撃てさすがにパトカーで撥ねるのは無理なのかな?現金護送車かバスでも徴発
>して突っ込むとか想像したら笑ったww
そういう「型にとらわれない臨機応変な対応」はリアリティに欠けますからどうでしょう?
そこら辺のバスを徴発して轢きのは有効な戦術だと思うけど、実際に今回のような敵がいきなり攻めて来たとして、警察がそういう発想と行動が出来る柔軟性、優秀性があるかどうか。
無能とまでは言わんけど、利益を最大にし、害を最小にする「最高の行動」を警察が出来るとは思えないんですよね。
むしろバスを使った敵の轢き殺しは、警察官より民間人が実行した方がリアリティがある。
- 42 :
- 臨機応変を否定するのはなあまあ「ドマゾ」的には否定すべきだと思うけど
騎馬隊対策なんて戦国時代からある訳で バスなど車両を移動式の緊急バリケードにするとかもダメなんだろうね
そんなの「住民のザイサンがー」に真っ先に抵触する訳だし
- 43 :
- 対策ができていたならまだしも突然の大規模な襲撃に日本警察が民間車を徴発して対処なんてできないと思うな
ただでさえ奇襲で混乱してるし見たところ本部も事態を把握してなさそうだし
- 44 :
- 乙でした。
騎兵が射掛けてくる光景を思い浮かべたら、背筋が寒くなった
現代技術で作られた防護装備が無ければ、突破されていただろう……
少し時間を稼ぐことが出来ましたね
- 45 :
- 沢山の感想ありがとうございます!励みになります。
エタらないように頑張ります。
>>38
現政権は…さて、現実よりはましなはずです。
>>39
御指摘ありがとうございます。確かに私なら、信号やらなんやらにびびって進めないと思います(笑)
バス等は住民避難に投入されていると脳内補完していただければ幸いです。
- 46 :
- 投下乙
ゲートからの侵攻(侵攻経路)が不明な時点では
民間車両の徴用とか車両でのひき殺しは現場での判断では難しいだろ
ただ、昼間の惨劇(民間人殺害や報道機関に対する攻撃)を目にしていたなら
都道府県の知事が自衛隊の『治安出動』を依頼するのは理にかなう
攻撃の起点が侵攻ラインから逆算が出来るなら自衛隊ヘリによる偵察か強襲を取れる
問題はその決断が下されるまでにどれだけ日本人の血が流れるかだな
- 47 :
- 早くすっきりしたい方には申し訳ありません。
第三話、半分ほどできましたが、冗長にならないように、しかも必要な話を書こうとするのは、難しいですね……。
- 48 :
- 赤子の手をひねるだけの話じゃ面白くもないからそう先走りせんでもいいと思うよ
そういややっこさんの数が1000くらいしかいないてやけに少なく感じるな、規模か
らして先遣隊なのかな?
- 49 :
- >>48
ありがとうございます。楽しめる物を書けるよう頑張ります。
エレウテリオ子爵指揮下の騎士団は、先鋒です。主力は福知山で第七普通科連隊と殴りあっています。
- 50 :
- 有名な島戦争だと1章で溜めに溜めまくって、2章で爆発するかのようなスッキリだったな。
ラストの停戦がアレなのが唯一の不満だけど。
- 51 :
- >>50
続きを書く予定だったから、中途半端な停戦も伏線となるはずだったのかも知れんけどな。
- 52 :
- >続き
こーゆーことを勝手にぶっちゃけたらいかんのかもしれないが…
前にあの人に「続編まだか(超意訳)」とメールを送ったら「書くつもりだけどまだ時期としてビミョーなんでもうしばらく待って(超意訳)」
と返ってきたことがある。
- 53 :
- 時期が微妙?
意訳おかしくないか
単純に仕事の都合だと聞いてるが
- 54 :
- >>50
島戦争は現実感や最後を無視すれば最高だよな
アレが俺をこの道に導いた
- 55 :
- 一瞬>>54が「島戦争は俺が育てた」に
見えて思わず罵倒しそうになったのは俺だけでいい。
- 56 :
- 島戦争は私も好きです。島戦争や帝國召喚を読んで、スレの保管庫読んで、自分も書きたいと思いました。
第三話、本日夜投下します。
- 57 :
- 全裸のヨツンヴァインで待機!
- 58 :
- 遅くなってすみません!
第三話投下します。なお、内容は題名の通りです。
- 59 :
- 3 合戦準備
京都府舞鶴市北吸岸壁 護衛艦みょうこう士官室
2012年 6月4日 20時33分
舞鶴市に点在する複数の海上自衛隊施設は、帝国海軍の施設があった場所に置かれている物も多い。
普段は静かな各施設であるが、この夜は煌々と地上を照らす月明かりと、闇を消し去ろうとするかの様な光量を放つ照明灯の下で、隊員達が慌ただしく動いていた。
それは、北吸岸壁に係留された唯一の護衛艦。日本に四隻しか存在しないBMD対応イージス艦「みょうこう(DDG-175)」においても、例外ではなかった。
主機関は起動を終え、艦内各部のシステムには、火が入れられていた。54口径127o単装速射砲や、CIWS(高性能20o機関砲)といった火器類は、作動確認のため、砲身を前後左右に振っている。
「試運転は完了しました。乗員は八割が帰艦しています」
当直士官である稲富は艦長に報告した。護衛艦みょうこう艦長、細川孝英一等海佐は顔を書類から上げると、涼やかな声色で命令を下した。
細川は、色白で細身の身体を持った、会う人におっとりとした印象を与える男である。茶道を嗜みとする趣味人でもあり、稲富は細川が声を荒げたところを、まだ一度も見たことはなかった。
「砲術長、合戦準備だ」
「はッ。合戦準備令します」
「ああ、それから。──陸戦隊はどれだけ出せるか?」
細川の声は相変わらず冷静だったが、微かに苦悩の色が浮かんだように思えた。
乗員を陸に降ろすことが嫌なんだろう。河童は陸に揚がったらいいとこなしだからな。稲富は頭の片隅でそんなことを考えつつ、素早く計算した。
「本艦の警備を考慮しますと、一個小銃小隊が限度かと考えます」
「そうか……立検はどうか?」
「もちろん、立入検査隊は別です」
艦長は新たな命令を下した。
「砲術長は一個小銃小隊を編成し、指揮を執れ。立入検査隊の指揮官は水雷だったな?」
参った。俺が陸戦隊指揮官だと。陸戦なんて防大と幹候でしかやったことないぞ。
「はい、しかし大盤振る舞いですね」
「総監から直々だ。出せるものは全部出す。なにせ、舞鶴の危機だからね」
艦長は、そこまで話すと、目を閉じ一呼吸置いた。次に発せられた言葉は、細川のような男でさえ、その内心に生じた熱を隠しきれない程の意味を持っていた。
「まもなく、治安出動が令される。明朝には暴徒──いや、敵が来襲するだろう。海上自衛隊は、全力を持ってこれを迎撃する」
稲富の背に、言い知れぬ感覚が走った。叫びたくなる衝動を抑え、延び上がるように姿勢を正すと、稲富は艦長に返答した。
「本分を、尽くします」
- 60 :
- 一般報道
2012年6月4日
『京都府北部で大規模暴動か?死傷者多数発生の模様』
『──現在までに入った情報によりますと、京都府福知山市及び綾部市周辺で、武装した多数の暴徒による暴動が発生している模様です。
なお未確認ですが、暴徒は鎧を身に付け、槍や弓矢で武装した数百名規模の集団であるとの情報が寄せられています』
『京都府警察は直ちに府警機動隊及び管区機動隊を派遣し、治安の回復に努めると発表しています。
しかし、これだけの規模の武装した集団が、いったいどこから現れたのか、また目的は何なのか、全くわからない状況です──』
「綾部市では、数百名が死亡したとの情報があります。ネット上には、槍や剣で市民が切り殺される、大変ショッキングな映像が流れています」
「Twitter上に、救助を求めるツイートが投稿されているようなんですよ。これは、相当数の方が取り残されているんじゃないですか?」
「大変酷い話ですね。いったい何が起きているんでしょうか?」
「今の日本で、何百人もの人間が、刀や槍で暴動を起こすなんて、まずあり得ない話です!」
「北朝鮮の難民の可能性はどうですかね?」
「もしそうであれば、見逃した海上保安庁や自衛隊は大失態ですよ。大体、政府はまだ何も手を打っていないじゃないですか!」
「危機管理能力不足としか言いようがないですね。我々市民としては、もっとしっかりして欲しいところです」
「ことによると、これは自衛隊のクーデターという可能性も──」
『政府は、今回の大規模騒乱に関して【目下関係機関による情報収集と、警察による治安の回復に努めているところであり、国民の皆様におきましては、テレビラジオの情報に注意して、冷静に行動していただきたい】とのコメントを発表しています』
『アメリカ国務省のマイヤーズ報道官は【今回の事態に際して、アメリカ合衆国は、日本国に対しあらゆる支援を行う用意がある】と発言しました。
また、ロシア・韓国・中国・台湾の各政府は、今回の大規模騒乱に対して、全く無関係であるとの立場を表明しています』
『明日6月5日の京都府北部の天気は曇りのち雨。降水確率は午前60%、午後は90%です。大気の状態は極めて不安定で、早朝から雲が広がり始め、昼前には雨になるでしょう』
『此度の騒乱は、過去に犯した反人倫犯罪を反省しようとしない日本政府が、その統治能力の欠如を露呈した結果である。
しかし、一部の妄言にあるような共和国の関与は存在しないことを、ここに表明し、共和国を陥れようとする卑劣な策謀には断固たる措置をとるものである』
『防衛省によりますと、午後8時現在も陸上自衛隊福知山駐屯地では、暴徒との衝突が続いているとのことです』
『本日午後9時、政府は長岡与一郎京都府知事の治安出動要請を受け、自衛隊法第81条2項の規定に基づき、陸海空自衛隊に対し、治安出動を命じました。
自衛隊による治安出動は現行憲法下において初の事態であり──』
- 61 :
- 京都府舞鶴市北吸岸壁 護衛艦みょうこう
2012年 6月4日 21時01分
艦内各所のスピーカーから、号令が達せられた。
『合戦準備、艦内警戒閉鎖。陸戦隊、立入検査隊装備受け取れ』
護衛艦を巨大な一匹の獣に例えるならば、乗員は血液であろうか。彼らは猛烈な勢いで艦内を隅々まで走り回り、閉鎖区分に従い防水ドアやハッチを閉鎖していった。
応急班員は、消火ホースを床に這わせ、通路に防火着を並べ、応急器材を格納ラックから引き出した。
艦が被害を受けた時には、彼らが真っ先に炎や海水に挑みかかることになっている。消火ホースや大ハンマーは彼らの剣であり、防火着は彼らの鎧であった。
操縦室やCIC(戦闘指揮所)では、オペレーターがチェックリストを一つ一つ確認していた。灯りの落とされた室内に光るコンソールの表示灯が、みょうこうが戦う準備を急速に整えつつあることを静かに示していた。
科員食堂では、立入検査隊と臨時編成の陸戦隊要員が、武器庫から銃を受け取り、装具を整えていた。その表情は一様に硬い。
立入検査隊は海上で不審船舶に対する臨検等の任務に当たり、陸戦隊は陸上戦闘や警備のために編成される。いずれも、その要員は乗員から選抜される。
基本的に海上自衛官──特に艦艇乗員は、陸上戦闘に習熟しているとは言い難い。彼らはまず、艦を運航し、戦闘力を発揮させるため、専門職種のプロフェッショナルでなければならないのだ。
だが、現実はそんな事情を勘案してくれるほど優しくはなかった。彼らは舞鶴市民の避難を成功させるため、市街地戦闘に投入されることになる。
俺たちで勝負になるのか?誰もがそう感じていた。
そんな状況下でも、ごく自然に明るく振る舞う者もいる。
「水筒いるか?重いし、一日くらいはなんとかなるんじゃねえかな?」
「お前、無茶苦茶言うよな」
「だってなぁ。あ、進士、抗弾プレートは要らないぜ。これくそ重いし」
「マジですか?」
「おう、ただ、あいつら槍投げてくるから、ちゃんと避けろよ」
立入検査隊第二班長の妻木二曹が、気楽な口調で班員をからかっている。
それを第三班長斎藤二曹が、呆れた様子でたしなめていた。顔には苦笑が浮かんでいる。
「進士三曹、どう考えても悪い予感しかしないから、やめとけ。プレートが無いと槍が刺さるぞ。あと、水は持っていけ」
「はい!斎藤二曹」
いつの間にか、食堂の空気が僅かに軽くなっていた。立入検査隊先任海曹、可児吉郎一等海曹は、その様子を見て片眉を上げた。ふん、うちの立検の連中は思ったよりやれそうだな。まあ、あいつ等は何も考えておらんだろうが。
可児一曹は、189センチ、100キロの巨漢である。その体躯はよく日焼けした鋼の様な筋肉に覆われている。
徒手格闘三段の実力は、全自拳法大会で空挺団の猛者と互角以上に渡り合った程であり、ついた仇名は【丹後半島最強の漢】。個性派揃いのみょうこう立検隊を締める立場にある。
普段は目下にも穏やかな態度であるが、部下は口を揃えて「笑顔の時も目が笑っているのを見たことがない」と、畏れていた。
可児は、食堂の空気がほぐれたことを確認し、大音声で指示をだした。
「ブリーフィングをやるぞ。小僧ども!各班ごとに集まれ」
隊員がホワイトボードに注目する。
「うへ、カニちゃん気合十分だな。」
「お前、少し黙っとけよ」
- 62 :
- 「陸自の状況は?」
「福知山七普連は駐屯地で暴徒と依然衝突中です。このため、京阪神の部隊はまず福知山の解囲を優先します」
「舞鶴市救援のため、滋賀の今津駐屯地から第三戦車大隊が出動準備中です」
戦車、という響きに隊員の間に安堵の空気が生まれた。
「ただし、到着は明日の昼過ぎになると思われます」
だが、それはすぐに霧散した。暴徒は朝には舞鶴市を襲撃すると見積もられていたからだった。
「中即連は?空挺団や第一ヘリ団もいるでしょう!あいつらなら朝には間に合うはずですよ」
「馬鹿、忘れたのか?その辺は全部南スーダンで施設部隊の撤退支援だ。派遣前、国会であれだけ揉めたろ」
陸自の誇る即応任務部隊は、国境紛争が戦争に変化し、陸の孤島と化した南スーダンからPKO部隊を救出すべく、現在ジブチ共和国に展開していた。
「艦艇部隊の増援はありませんか?」
「舞鶴にはうちとましゅう、はやぶさしか残っていないよ。あとはひうちか。護衛隊群主力は尖閣諸島で中国とにらめっこしてたからなあ。帰還命令は出たらしい」
「しらねは『只今、31ノットで急行中』だとさ」
「空自も、現状では航空偵察任務のみが付与されている状況です。治安出動ですし、民間人と暴徒との距離が近すぎて、迂闊なことは出来ません」
情勢ブリーフィング担当の通信士は、暗い声で続けた。
「気象予察によれば、明日は雨になります。シーリング(雲底高度)は200フィート」
「低すぎる。異常だ」
航海科員が呻いた。
浮き足立ちつつあった雰囲気を、可児が断ち切った。
「つまりだ。少なくとも明日の昼までは、舞鶴にいる連中だけで何とか守り抜かんといかん訳だ」
可児の後を受けて、稲富が命令を示達する。
「みょうこう陸戦隊は砲術長稲富ー尉が指揮を執る。任務は五老トンネル付近に応急陣地を構築、市民の避難完了までこれを固守することだ。第一、二分隊及び機関銃班は車輌に分乗し、準備出来次第出発する。」
第一分隊長松井二曹、第二分隊長有吉二曹が頷く。
「第三分隊は、総監部前に予備陣地を構築、別令あるまで待機」
第三分隊長小笠原一曹は、不器用に笑顔を作った。少しでも自分を鼓舞しようとしているらしい。
「では、次に立入検査隊について水雷長から──、水雷長!」
隅の椅子の上で、いささか肥満した体を濃紺のつなぎに押し込めた幹部自衛官──みょうこう立入検査隊指揮官の明智充一等海尉が、慌てて答えた。
「えー、立検隊は僕が指揮します。任務は……可児ー曹宜しく頼む。どうも話すのは苦手だ」
その言葉に幾人かがため息をついた。
「斎藤、俺ら本当にあの゛昼行灯油マシマシ″の指揮で戦うの?」
「言いたいことは分かるが、聞こえてるぞ妻木」
可児が怖い顔をしていた。明智は困った顔をしていた。上手い表現だな、と自分を揶揄しているにも関わらず、思ってしまったのだ。
「立検隊は、陸警隊の機動班と協同で、予備兵力として行動する。まあ、ヤバい所に投入されると思っておけ」
可児は人を取って喰いそうな笑みを浮かべると、言った。
「移動は、23空のSH-60Jが使える。喜べ小僧ども。くそ重い装備を着けて駆け足はしなくてすむかもしれんぞ」
「市街地戦闘で、ヘリ機動……シーホークダウン、なんちゃっ──痛ぇ!」
立検隊の全員が、こいつ口に出しちまいやがった、という顔をした。斎藤二曹は涼しい顔で、迂闊な発言をした妻木二曹を蹴り飛ばした。
- 63 :
- 「各自装備を再確認しろ。弾はあるだけ持ってけ。現地では単独行動するな。通信を確保しろ。仲間を守れ。撃つときは躊躇するな。責任は幹部が持つ」
稲富は、総員を見渡しながら命じた。
「根拠法規は治安出動だが、最早相手の規模、戦力いずれも暴徒と呼ぶには大きすぎる。敵として扱うとの艦長のお達しだ。いいか──俺たちが最後の砦だ。勝手に死ぬな。以上!」
「総員装備を確認しろ。かかれ!」
可児ー曹の声に、陸戦隊と立検隊は弾けるように立ち上がり、装備の確認を再開した。
「艦長、合戦準備よろしい」
副長の報告に細川はゆっくり頷いた。
「総監とSFに報告。『みょうこうハ只今カラ舞鶴市防衛ノ任ニ就ク』」
「はッ」
「副長、明日は長い一日になりそうだ」
- 64 :
- 以上です。すみませんまだ戦闘にたどり着かない……。
改行を増やした方が読みやすいですね。次から気を付けます。
次回、ようやく戦闘に突入です。
- 65 :
- 投下乙!
短いけど、頻繁に投下するならこのぐらいの文量が丁度いいのかな?
次回、遂に戦闘に突入! 楽しみに待ってます!!
- 66 :
- 乙
一瞬自衛隊に陸戦隊?って思ったけど乗員を武装させて上陸って意味ね
次に戦闘回か、期待して待ってます
- 67 :
- 乙です。
やっぱり前途多難か……でもやるしかない
続きが楽しみ
- 68 :
- 投下乙
第二話(偵察隊と警察防衛ライン戦)では重傷だが騎士に生存者居るな
警察の増援を待つだけじゃなく「マル被の身柄確保」は大事だな
増援が来たら情報収集の為後方に移送すべきだが...
警察と自衛隊間の連携が上手くいくかどうかだな
こんなとき管轄争いしている暇はないと思うが
- 69 :
- 乙
しかしこういう非常時に備えてる精鋭部隊が日本にいないのもきつい。魔法勢に対しての最大の脅威ともいえる航空戦力も使えないのもな。
次回楽しみにしてます。
- 70 :
- 感想ありがとうございます。
日本側としては、この大変なときに!という感じです。平時で特に兆候もなかった場合、必ず奇襲を受けるとかんがえて、こんな展開になりました。
いざ、書いてみると短い文でも時間がかかりまして、長編をしっかり書ける方の凄さがわかりました。
確保された騎兵は、ちゃんと後送できるんでしょうか……。
- 71 :
- 1回の投下の文量は短くても構わないので、無理せず楽しんで頑張って下さい。応援してます!
- 72 :
- 何てこった。戦闘回になると思ったら、たどり着かなかった……。
期待した方すみません。
第4話 接敵
投下します。
- 73 :
- 4 接敵
舞鶴市は、市街地が西と東に分割された都市である。西は田辺城址を中心とした古くからの城下町であり、東は帝国海軍舞鶴鎮守府の設置とともに発展した軍港都市であった。
都市の成り立ちが違えば当然住民の気質も異なる。実際、過去には舞鶴市を東と西に分離しようという運動が、住民の間で進められたこともあった。
地理的には、舞鶴市の南には綾部市が存在する。綾部市から北上した国道27号線は、海岸付近で左右に分岐する。左(西)へ進めば宮津天橋立方面へ、右(東)へ進めば東舞鶴方面へ続いている。
西舞鶴と東舞鶴を結ぶ主要道路は、この国道27号線と、通称「白鳥街道」と呼ばれる県道28号線の2本であり、国道27号線は五老岳、県道28号線はは白鳥峠を越えなければならなかった。
警察と自衛隊は、この2箇所を第1次防衛線とし、東舞鶴への敵の侵入を食い止め、その間に市民の避難を完了させる計画であった。避難は陸路及び海路を使用する。
そのための部隊配備は以下の通りである。
陸上部隊
【旧田辺城址前阻止線】 府警察警官隊一個小隊約20名。任務は前哨警戒
【西舞鶴港】 第8管区海上保安庁特別警備隊一個小隊約20名及び警察官4名。任務は市民の避難完了までの西舞鶴港の防衛。
商業港である西舞鶴港には、貨物船、漁船、そのほか多数の船舶が動員され、市民の避難にあたっていた。
【五老岳陣地】 みょうこう陸戦隊一個小隊(第三分隊欠)約30名。任務は国道27号線の防衛と敵の侵攻阻止。
【総監部前陣地】 みょうこう陸戦隊一個分隊約10名。任務は予備陣地構築と交通の確保
【白鳥街道陣地】 府警察警官隊一個小隊及び舞鶴陸警隊一個分隊合計約30名。任務は県道28号線の防衛と敵の侵攻阻止。
【舞鶴市役所及び東警察署】 府警警官隊。任務は舞鶴市緊急事態対策本部の防衛。
市民の避難集合場所は、【西舞鶴港】【東舞鶴港前島フェリーターミナル】【舞鶴教育隊グラウンド】【舞鶴航空隊】とされ、それぞれ舞鶴地方総監部隷下の海上自衛隊各部隊から臨時編成された兵力により、守られていた。
予備兵力として陸警隊機動班10名とみょうこう立入検査隊14名が、舞鶴航空隊所属の哨戒ヘリSH?60J×2機とともに、待機中である。
艦船部隊
・巡視船「みうら」「わかさ」「ゆらかぜ」「あおい」
市民の救出及び東西舞鶴港から出港する船舶の護衛を担当。
・護衛艦「みょうこう」、補給艦「ましゅう」
北吸岸壁の防衛。「ましゅう」を港外に待避させることも検討されたが、救出船の出入港を優先させた結果、岸壁待機となった。
・ミサイル艇「はやぶさ」
舞鶴湾の哨戒任務を担当。
・支援船「ひうち」、曳船他
舞鶴湾において、物資、人員の輸送を担当する。各基地に弾薬を輸送する重要な役割を担っていた。
航空部隊
・海上自衛隊哨戒ヘリSH?60J×2機
任務は航空偵察及び機動対処部隊の輸送。
警察、海上保安庁、海上自衛他すべてを合計しても、銃火器を保有する兵力は300名程度である。
また各施設等の防御等のため市内各所に分散配備されている。敵の兵力は約1500名程度と見積もられていた。
- 74 :
-
京都府綾部市東綾公園 エレウテリオ騎士団野営地
2012年 6月5日 5時40分
野営地に起床を告げる太鼓が打ち鳴らされた。各家の兵たちが天幕を畳み、炊事場の竈からは炊煙が立ち昇っていた。
兵の動きに鈍いところは見られない。昨日の大勝利は、兵の士気を十分に高めているようであった。
それでいて、規律の乱れも見られない。戦場の常で、兵たちがちょっとした戦利品を懐に収めているのは別として、身動きの取れぬほどに財物を抱え込んだ愚か者や、虜囚を嬲る者は見当たらなかった。
このことは、エレウテリオ子爵家を中心として編成された騎士団が、西方諸侯軍の中でも、もっとも統制がとれた軍の一つであることを示していた。
通常であれば、各家の独立性が強い西方騎士団の常として、準男爵や騎士といった下級貴族が配下に略奪を命ずることが少なくない。
貴族とはいえ裕福な者ばかりではない彼らは、戦というものを経済的収奪の良い機会であると捉えがちであった。
名誉だけでは人は生きていけず、神の恩寵を受けない蛮地であれば、略奪は不名誉には当たらないとされるのであれば、なおさらである。
何しろ妖魔(亜人と呼称して運用するという酷い誤魔化し方をしているが)を戦場に投入しているのである。
南方征討領軍と異なり、西方諸侯は妖魔を戦に用いることを好まない。
そういった意味では、逃げ遅れた綾部市民はまだ少しは幸運であったのかもしれない。ただし、傭兵団や亜人兵に出くわしてしまった場合は、その限りではない。
配下が戦備を整えるのを眺めていたエレウテリオに、副団長セサル・ディ・アランサバル男爵が報告を上げた。
「団長殿、貴方の騎士団はあと半刻で出立出来ましょう。今日は良い戦が出来るとよいですな」
彼の野太い声には、エレウテリオへの信頼が溢れていた。齢52を数えるアランサバル男爵は、エレウテリオが15で初陣を飾った時からの付き合いであった。
先代エレウテリオ子爵の同輩であったアランサバルは、数多の戦場で良き指南役としてエレウテリオを助け、また槍働きでも一人の武篇として数多くの武勲をあげることで、騎士団と両家の威名を広く西方諸侯領に轟かせていた。
「今日辺りそろそろ敵の騎士団が出てきてもよいころだ。そうだろう?」
「いかに惚けた連中であったとしても、市邑を落とされて黙ってはおりますまい。しかし、このような地図が手に入るとは思いもよりませんでしたな」
アランサバルの手には、書店から持ち出された舞鶴・綾部近郊の地図が握られていた。当初、余りの精巧さにこれが地図であるとなかなか信じることが出来なかった。
歴戦の野戦指揮官であるエレウテリオが、周囲の地形と地図の内容が完全に一致することを確認し、ようやくこれが恐るべき精度の地図であることを認めたのだった。
正直、どうやってこれを作ったかを考えると、気持ちは晴れぬな。
配下の騎士たちは進撃先の地形がわかったことを無邪気に喜んでいたが、エレウテリオはそう単純ではいられなかった。
昨日の戦闘後、市邑を探索させて出てきた代物は、彼の想像をはるかに超えていた。ガラスの杯や皿一つとっても、異常な精巧さであったし、彼の祖国では宝物として扱われるべき存在である書物が、ここでは街に溢れている。
さらには、鉄の車、火を使わぬ灯り(これは昨夜のうちに魔力が尽きたか、すべて消えていた)、彼には用途が理解できないさまざまな品物。
帝国貴族としての教養と、帝国騎士としての経験が、昨夜から「此の地は異常である」と警告を発し続けていた。
「また、考え込んでおられますな?」
アランサバルが言った。
「其れがしも、この地の面妖さは感じておりまする。ですが今は其れを考える時ではありますまい。兵を進め敵を討ち果たすことに心を砕かれよ」
「うむ、そうだな。今はわからぬことを考えても仕方あるまい。異国の文物は、いくさに勝ってのち、ゆっくりと検分するとしよう」
- 75 :
- 「まさに、その通りでございまするぞ」
エレウテリオの背後からしわがれた声が掛けられた。陰気な声である。エレウテリオもアランサバルも、一瞬嫌な顔をみせたが、すぐに無表情に戻る。
「蛮地の文物は、我らにお任せあれ」
「これはこれは、バルトロ殿。神官戦士団は出立の支度を進めておりますかな?」
「もちろんじゃ、エレウテリオ卿。こたびの戦、我らの力が必要になりましょうぞ?」
バルトロ、と呼ばれた男は、帝国本領軍から派遣された魔導師である。年齢定かでない小柄な体をローブで覆い、皺だらけの顔はフードに隠れて表情が読めない。
20名程度の神官戦士団を護衛とし、どうやら現地の文物の収集を行っているようだった。
「そういえば、ずいぶんとたくさんの者を捕えたようですな。しかし、移送に戦士団の半数を使われては、我らの支援が疎かにはなりませぬか?」
「蛮地の文物と、蛮族の捕虜を連れ帰るは、本領軍直々の下知じゃて、な。ひゃっひゃっひゃっ」
昨日の戦闘で捕えられた蛮族は、神官戦士と傭兵団の一部によって、帝国へ移送されるようだった。
「それよりも、エレウテリオ卿。斥候はとうとう戻りませなんだな。努々油断せぬことじゃ」
「敵も、木偶ではないのでしょう」
固い声で、エレウテリオが答える。真っ当な騎士を自任するエレウテリオにとって、バルトロに対しては、嫌悪ばかりが先に立つ。
「ひとつ、蛮地でのいくさのコツをお教えしようかの。どのような敵かわからぬ時は、先ず死んでも惜しくない者を当てることじゃ。例えば──」
バルトロは野営地の外れに蠢く、異形の軍を指した。
「ゴブリン。あ奴らならいくら死んでも惜しくあるまいて」
気がつけば、空には低く雲が垂れこめていた。エレウテリオは何かを汚されたような感覚に苛立ちを覚えつつ、副団長に命令を伝達した。
「陣触れをだせ。半刻後に出立する」
- 76 :
- 京都府舞鶴市真倉 国道27号線上空2012年 6月5日 12時5分
『マイヅル27、クレインネスト』
『クレインネスト、マイヅル27。真倉上空に到着した。エンジェル(高度)─ゼロポイントファイヴ。シーリング200』
『マイヅル27、地上の状況は確認できるか?』
『27ネガティブ。雲量8、何も見えない──』
『ラジャー。警察から敵部隊を視認したと通報あり。雲の下に降りることは可能か?』
『敵の対空火器の情報がない。危険すぎる』
『クレインネスト了解。ミッションコンプリート、RTB(帰投せよ)』
『マイヅル27ラジャー、アウト』
「ヘリの音、遠ざかりよるな……」
「尾崎、ごっつい眺めだわ」
「見してみいや……こら、あかん。路面が見えへん」
まだ、何本か矢が刺さったままの、フロントガラスのないパトカーの中で、双眼鏡を構えた尾崎巡査は呻き声をあげた。
運転席では奥村巡査が、本部と無線で話している。
双眼鏡のレンズの向こうには、色とりどりの軍旗を掲げた大軍勢が、国道27号線をゆっくりと進んできていた。
昨日は騎馬隊だけやったけど、今日は足軽もぎょうさんおりよるな。
このときのエレウテリオ騎士団の兵力は、
重騎士(貴族・騎士階級)65名
軽騎兵(短弓装備)186名
重装歩兵(郎党及び兵)705名
長弓兵192名
傭兵団143名
神官戦士9名
ゴブリン(一部ホブゴブリン)約10000
軍夫300名
というものであった。騎士団正規兵だけで1148名、妖魔を含めると2000を超える。
自衛隊側の見積もりよりも、実勢は有力であった。
「本部は何て言うとる?」
「尻に帆かけて逃げてこいと」
「言われんでも──!」
そのとき、眼前の大軍の一部が動きを見せた。奥村は慌ててアクセルを踏み込もうとした。
しかし、どうやらその集団は、国道を降り支道にある施設に突撃を敢行するようであった。
「──なあ、彼奴等ほんまに現代人や無いかも知れんな」
奥村は茫然と呟いた。
昨晩検挙した暴徒のうち、意識のある者に対して尋問が試みられたが、全く未知の言語を話し、意志疎通が出来なかったという話を思い出していた。
「俺もそう思うわ。幾ら何でもあの建物を城館と間違えるなんて、ありえんわ」
眼前では、見ようによっては城に見えなくもない形の建物が、炎上していた。
「、燃えてもうたな」
- 77 :
- 京都府舞鶴市真倉国道27号線
2012年 6月5日 12時28分
ついに敵の根拠地に辿り着いた。途中ろくな抵抗も受けず、堂々たる進軍をしてきたことで、騎士たちの士気は天を衝かんばかりである。
「騎士団長殿、もはや市街は目前。早く突入の下知を!」
「我に先陣の誉れを賜りたく!」
「何を言うか。我こそがその役目に相応しい。貴殿の甲冑では、敵に侮られようぞ」
昨夜、騎士斥候の生き残りが『魔導師の集団に撃退された』ことなど、頭に無かった。
しくじった者は敵を過大に報告しがちであるし、例え魔導師の集団が本当にいたとしても、それだけの魔法を使えば、次の日は使い物にならないだろう。
そんなことより、この戦で勝利することが重要であった。この蛮地征討で得た領土は、そのまま従軍した西方諸侯に下賜されることになっている。
つまり、エレウテリオ騎士団が勝てば勝つほど、自分も豊かになるのだ。加えてこの地は、望外に豊かな地であった。
財宝は奪い、蛮族を奴隷とし、植民団を送り込むべし。
左手では城館が燃えている。案の定、腑抜けた蛮族どもは逃げ出して無人であった。
「蛮族に兵無し!このまま一気に蹂躙すべし!」
「こうまで歯応えが無いのはつまらぬがな」
抜け駆けすらしかねない騎士たちの様子に、エレウテリオは悠然と答えた。
「誠に頼もしき限り。諸卿の戦気に蛮族は戦う前から逃げ出しておるわ」
しかし、その表情は言葉ほど気楽なものではない。行軍の間に目にした光景に、疑念は膨らむばかりであった。
西方諸侯領の誰の領地が、いったい全ての街道を、石で固められようか。
だが、騎士たちは「行軍のしやすい」と、喜んでいるだけである。
「騎士諸卿!蛮族は水稲を糧としておる。水の張った田は兵を動かすには適さぬ」
エレウテリオは戦術指揮官としての頭に切り替え、配下に下知を下した。
「まずは、一団となって街道を平押しに押す。敵あらば此を討ち、しかるのちに港を押さえる」
「騎士パスクアルは先陣を勤めよ」
「はッ」
「左右備えは、敵を包囲せよ。アランサバル卿は後陣につき、しかるのち支道を東に進まれよ。貴隊を助攻とする」
「御意」
「街道を行く我らと、どちらが早いかな」
「負けませぬぞ」
騎士団長の勇ましい言葉に、騎士たちがどっと沸いた。
そうだ、ここまできたら是非も無し。敵を撃ち破るしかあるまい。
「騎士団、前へ!」
下知を受けた騎士──中下級指揮官たちが自分の手勢に散った。あちこちで雄叫びが上がる。
進軍ラッパが高らかに鳴り響き、騎士団は西舞鶴市街に進軍を開始した。
ついに、戦端が開かれようとしていた。
- 78 :
- >ゴブリン10000
間違いです!一桁多い……。舞鶴陥落してしまう。
投下終わりです。まだ、戦わないのかよという声が聞こえてきそうです。
キャラに魅力を出したいなぁ。気が付けば女っ気ゼロですな。
- 79 :
- 投下乙!
ゴブリンの数は1000の間違いですか。流石に10000は多過ぎると思ったので。
女っ気はいるかなぁ? ボトムズのペールゼン・ファイルズのようにモブですら女性キャラが全く登場しないのもアリだと思うけど。
- 80 :
- 自衛隊のターンはまだ来ないのかぁ。
とはいえ、昼頃に滋賀の戦車が来るらしいから、守りきればなんとかなるか・・・?
- 81 :
- 侵攻軍の規模にもよるが女性を伴うのは中世レベルではほぼ無いかと
神官や医師も男性であるほうが納得行く
魔女もどちらかと言うと戦力にするより鎮圧対象になる
実力無いのに火あぶりにされたし、あればもっと酷い事になる
(侵攻先の住民を奴隷にするような文化レベルなら特に)
まぁ我々の世界の過去の例に過ぎないが
我々の世界より倫理観があるなら
『布告なしの奇襲』とるのがどれだけしっぺ返しくらうかは自明の理
- 82 :
- 進行軍に女性が伴っていた例はあるよ
確かフランス軍は慰安婦(婦)を伴っていたと思う
日本の従軍慰安婦の元ネタもこの辺から来てる
占領地での性病や統治でも民心の確保のために婦を伴うことはある
アメリカみたいにし放題という例もあるがね
ただ近代に入ってからの話かもしれないけどね
- 83 :
- 100年戦争期のフランスは婦の他にも武器・食糧・古着・酒・両替・奴隷など各種商人、さらに大道芸人なんかが軍隊の後に付いて回ってる
これらが当時の兵站を担当していた
現代で言うなら駐屯地にいる連隊が出征すると、その駐屯地の周辺にある歓楽街や商業施設が一緒に付いて行って
現地に総合PXを建設するみたいな感覚
他にも古代〜中世には軍隊が長期にわたって野戦滞陣することで生まれた町なんかも存在する
- 84 :
- 感想ありがとうございます。
>>79
暫くは女っ気のない、暑苦しい殴りあいになるかと思います。
>>80
戦車大隊の到着は、市長たちも待ち望んでいるところです。
>>81
この異世界軍は、我々の現実よりいくらかファンタジーとロマンを含んでいます。なので、そのうち女性も出てくるかもしれません。
従軍する商売の方々については、勉強不足なので参考になります。
今夜も、投下できればいいなあ。
- 85 :
- まぁゲート開いて来てるんだからファンタジー要素は有って当たり前か
そして今夜も投下(するかもしれない)。ペースが速いのは本当に良い事だ
- 86 :
- ナポレオン戦争の時なんかの士官の愛人が男装して兵隊に紛れてついてったこと
があるのを聞いた覚えがあるよ、まあそんな形をとってまでして女性だしても話
に混ざれんだろうけどね。
そういえば異界の魔法だか魔術だか民放のヘリ撃墜してからみてないな
- 87 :
- >女っけゼロ
発言者は日本側のキャラを想定してたのに
聞き手みんながファンタジー側(侵攻軍)と受け取ってたりw
- 88 :
- 正直戦記に女っ気って邪魔な気がs(ry
- 89 :
- >>86
派手な攻撃魔法だけが物語りの華じゃないぞ
日本の書物や捕虜を本国に連れて帰る所を見ると単なる奴隷じゃなく
情報収集の手段があると見ていいだろう
予想としては言語翻訳の魔法で会話をし、書物の内容を捕虜から聞き出すと見ている
侵攻軍先遣隊と警察との戦闘で警官の短銃を魔法と認識してる
それらも一会戦あとは使い物にならないと予想している(もちろん誤解だが
魔道士バルトロがいみじくも言ってたが
「相手の手の内が判らない時は死んでも惜しくない者を当てる」
額面どうり受け取るならゴブリンなどの妖魔の事だが
(本領軍所属)魔道士からみれば西方諸侯軍の騎士もあてはまる
こちら(侵攻軍)の手の内を蛮族相手でもなるべく隠しておきたいと意図して居るかと
- 90 :
- バルトロみたいな頭の良い魔導師が現代世界にとって最大の敵だな
パソコン使えなくたって、使えるやつを洗脳して情報を引き出せばいいし
魔法で記憶を消せば洗脳された事実すら悟られない
不可視になれれば普通の監視カメラにも映らない
重要人物が誰かってわかれば、変身して中枢に入り込んでVIPを一網打尽にできるかもしれない
設定次第だけど、戦場以外での闘いも熱くなりそう
- 91 :
- 女キャラが作者の創作意欲を維持してくれるから続きが読める
それは嬉しいけど、女キャラを第一に書くようになるのが怖いな
- 92 :
- 女キャラだしてキャラ小説になった先人をいくも見てきたからな。特に女性自衛隊員とか地雷
まぁでもファンタジー側になら普通に違和感ないけどな
ハプスブルク家だの英国女王だのスペイン女王だの、史実でもちょくちょく女性が表舞台に出てるわけだし
ただ恋姫無双とかそんな具合のキャラの場合リアリティが霧散する
進軍ラッパがある ってことは意外と近世的な軍なのかもなF侵略軍
- 93 :
- 皆さんにこんなに考察されているというのは、励みでもあり、恐ろしくもあり、です。
ありがとうございます。
今のところ女キャラに走ることは予定しておりませんゆえ、ご安心あれ(笑)
- 94 :
- 警察は放水車とか催涙ガスとかから押収した武器使って無いのかな?
盾を並べ放水車や装甲車準備した機動隊との全面衝突は有る?
地元の暴力団は真っ先に逃走(笑)
- 95 :
- 機動隊も後でがんばってくれるはずです。
ようやくできました。第五話投下します。
- 96 :
- 京都府舞鶴市西舞鶴駅前
2012年 6月5日 13時1分
全天を雨雲に覆われた空は暗く、激しい雨は視界を極端に悪化させていた。
西舞鶴市の攻略を決心した西方諸侯領軍エレウテリオ騎士団は、街道に重装歩兵の戦列を敷くと、喇叭と軍太鼓が鳴り響くなか、悠然と前進を開始した。
エレウテリオ等騎士たちは、この時点で敵は未だに初戦の混乱から立ち直っていないと判断している。
まともな防御指揮官であれば、市街地に入る前に迎撃を試みるからである。彼等の常識では、市街地に突入された時点で、既に守備軍は敗北している。
ろくな守備軍はいないと見たエレウテリオは主力を街道──国道27号線上に展開し前進させると共に、左右の隊を率いる部隊長に、自己の判断で進撃することを許可した。
部隊間の連絡が難しくなるため、有力な敵がいる場合は、各個撃破の恐れがあるが、現状では其の恐れはない。
騎士と兵は市街をアメーバの如く、侵食していった。
「はっ、あの程度の小勢で我らを防げると思うたか。戯けた奴らよ」
蛮族が前方に陣を敷いているのを見て、騎士の一人が嘲りの声をあげた。鉄車が数台、盾のように置かれ、其の後ろに数十名程の重装歩兵がいるようであった。
其の程度の兵力では、抵抗を試みるだけ無駄であろう。エレウテリオも騎士の意見に同意であった。
先鋒の騎士パスクアルが、大きく腕を降り下ろした。配下の太鼓手が小気味よいリズムで、軍太鼓を打ち鳴らす。
槍を揃えた重装歩兵の隊列が、太鼓のリズムに合わせ、並足から早駆けに移行しようとしていた。
「長弓、構え!」
長弓兵指揮官の命令のもと、革の胸当てのみを身につけた軽装の弓兵が、一斉に矢を番えた。
長弓兵は西方諸侯領軍によくみられる軍種である。長射程(平均300ヤード)と速射能力を誇り、戦場ではしばしば猛威を振るってきた。
曲射弾道で飛来する長弓兵の矢は、後衛から放たれ、敵を地に縫い付ける。
ただし、其の扱いの難しさから育成には時間と資金を要するため、誰もが揃えられる兵種ではない。
約200名の長弓兵の全力射撃は、一分間に2000本以上の投射量を誇る。
恐るべき兵どもであった。
──だが。
- 97 :
-
「何と、奴ら逃げ出したぞ」
嘲りの声がさらに大きくなる。蛮兵は、鉄車に飛び乗り、猛烈な速さで道の奥に走り去っていた。
「放ち方待て!」
長弓兵指揮官が命じる。
「これほどまでに脆弱とはのう」
「腰抜けが!」
騎士たちの言葉には、怒りさえ滲んでいた。名誉ある武篇の振る舞いではない、という想いを抱いたのだった。
エレウテリオは軍に前進を命じた。馬上から、周囲の街並みを見渡す。中心部に違いなかった。
もはや、敵に抵抗の術は無い。少し前に覚えた不安など、すでに消え去った。
「進め!騎士たちよ。恩賞は思いのままぞ!」
兵は猛り立ち、前進を再開する。左手から、それまで後備に控えていた傭兵団が、気勢をあげながら突撃していった。
「相変わらず、傭兵共は鼻が利きますな。もはや危険は無いと見たのでしょう」
アランサバルが馬を寄せてきた。
「では、団長。我が隊は助攻を勤めましょうぞ」
「うむ、後ほど会おう」
エレウテリオは頷いた。どうやら、普段は冷静なアランサバルも、前に出たくて仕方のないようだった。
エレウテリオに挨拶を済ませると、手勢を鮮やかに旋回させ、県道28号線を、東に向けて進撃していった。
13時30分。田辺城址大手門に、帝国軍旗、西方諸侯領軍旗、エレウテリオ子爵旗が翻った。
輸送車の中で、警官たちは屈辱に震えていた。西舞鶴駅前で阻止線を守っていた20名は、本部からの退避命令を受け、五老岳陣地まで後退したのだった。
「畜生、犯罪者を前に逃げ出すなんて!」
尾崎が吐き捨てた。綾部市で暴虐の限りを尽くした、その相手から逃げ出してしまった。そんな命令を出した本部も許せなかった。
そして、何より眼前に現れた大軍勢に、臆した自分が許せなかった。命令が下されたとき、心のどこかで安堵した自分がいた。
「あの、数は無理だ。雨でガスも使えん。執行実包は一人18発、弾が足りん」
「しかし!市民がまだ──」
「今は耐えろ」阻止線の指揮官、志馬警部が諭すように言った。
帝国軍の圧倒的な物量の前に、日本側は未だに有効な手が打てず、時間を稼ぎつつ、ひたすら市民の脱出を急ぐのみだった。
- 98 :
- 京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時27分
「押さないでください!ゆっくりと進んで!手荷物は持ち込めません」
「押すな!止めろ子供がいるんだ」
「早く乗せてくれ!彼奴等が来ちまう」
「慌てずに!全員乗れます!こら、そこ順番を守りなさい!」
「おかあさん、おとうさん。どこにいっちゃったの?」
「怪我人がいるんだ。先に乗せてくれ!」
まるで、終戦間際の満州か朝鮮みてえだな、畜生。
埠頭で避難誘導を行いながら、第八管区海上保安本部所属、巡視船「わかさ」特別警備隊員、中川清春三等海上保安正は唇を噛んだ。
眼前では、舞鶴市内から命からがら脱出してきた市民がいた。舞鶴西港は市民の避難場所に指定されている。舞鶴市はあらゆる船舶をかき集めて、市民の救出を試みていた。
すでに貨客船からプレジャーボートに至るまでの、民間船は福井方面に向けて脱出している。
残るは、巡視船「みうら」のみであった。普段は海上保安学校の練習船として活動している。
だか、戦禍の迫る今は【災害対応型】巡視船の本分を果たすべく、3136トンの船体に、1000人以上の市民を何とか収容しようとしていた。
当初は順調に乗船が進んでいたのだが、警官隊か蹴散らされたという話が広まった途端、状況は一変した。
自家用車で避難してきた市民が立て続けに接触事故を起こし、埠頭の道を塞いでしまった。
このため、シャトルバスが使用できなくなり、徒歩で避難する羽目になった市民は互いに押し合い、進めなくなってしまった。
恐怖心ってやつは、止められねえってことだな。
中川は、防弾ヘルメットとベストを装着し、陸上自衛隊制式小銃である89式5.56o自動小銃を構え、鋭い視線を市内へ向けている。
【海の機動隊】とも称される彼の姿は、少なからず付近の市民に安心感を与えるものであったが、全体の混乱収拾には、寄与することは出来なかった。
だけどよ、まあ何とかなりそうだな。中川は漸く最後の百数十人となった埠頭を見て思った。
4名の警官と18名の「わかさ」特警隊(母船はすでに出港していた)が警護するなか、港湾職員、税関、消防署員などが必死の誘導に当たり、 ようやく目処がついたのだった。
まだ一山あるって訳か──。
中川の視線の先には、埠頭に向かって突進してくる数百名の集団がいた。
何とも柄の悪そうな連中だなオイ。俺といい勝負だ。中川はにやりと笑みを浮かべたあと、周囲の部下に呼び掛けた。
「『わかさ』特警隊集まれ!気ィ抜くなよ!ここが、俺らの見せ場だぜ!」
- 99 :
- 栗毛の愛馬に跨がり、港へ迫る傭兵団の団長ジスカールは笑いが止まらなかった。戦場で受けた無数の傷でひきつった顔面を、いかにも愉しそうに歪めていた。
ジスカールと、彼の傭兵団にとってこの蛮地は夢のような土地だった。敵は脆弱で、雇い主は気前がよく、財貨や女子供は拐い放題。まさに傭兵の楽園。
手下共も餓狼の如く、貪欲に振る舞っている。
「頭ァ、堪らんですな!」
「なんもかんも、ぶんどり放題じゃあ!」
下卑た声があちこちからあがる。その姿に、真面目な西方騎士であったモデストなどは「我が軍に山賊紛いの連
中を、なぜお加えになったのですか!」と、一時はエレウテリオに訪ねてきたほどであった。
ジスカールも、数ある傭兵団のなかでも、悪名高い方であると自負していた。しかし、それが何ほどのことであろうか。奪い、焼き、犯すのが人の楽しみであろう。
「見ろ、港だ!野郎共、好きにやれィ!」
「イャッハー!!」
戦斧や手槍、片手剣を持ち、スケイルメイルやチェインメイルと、バラバラの武装で身を固めた傭兵たちが、舞鶴西港に雪崩込んでいった。
京都府舞鶴市 舞鶴西港第二埠頭
2012年 6月5日 13時52分
中川三正が声を張り上げる。
「隊列を組め。前列大盾中段に構え。後列、威嚇射撃用意」
機動隊によく似た装備を持つ海保特警隊は、18名を二列横隊に編成し、傭兵団を迎え撃つ構えをとった。隙のない大盾の列は、練度の高さを物語る。後列の隊員は89式小銃を立射姿勢で構え、ドットサイトを覗き込んだ。
その様子は、ジスカールからも見えた。歴戦の傭兵隊長であるには、前方の重装歩兵はなかなかの兵に見えた。
なんじゃあの武器は?弩にしては、矢が見えねぇ。嫌な予感がするな。
手下共は相手が少ないため、完全になめきっている。ジスカールは、念のため自分の位置を集団のやや後方に下げた。
弩はこれで大丈夫だ。撃ってきたところで、手下がやられる間に間合いを詰めて揉み潰してやろう。
「蹴散らせェ!」
「応ッ!」
「威嚇射撃、単射。撃て!」
距離にして約100メートル。中川は法執行機関として手順を踏むべく、まず足元に銃弾を叩き込んだ。
敵が何かを放った。破裂音と微かな白煙、そして、敵の弩が光った次の瞬間、傭兵団の手前に何かが撃ち込まれた。
「痛ェ──ギャッ」
手下の一人が膝を砕かれ倒れ、そのまま後続に踏み潰される。
「怯むな。敵の弩は次を放つまで暇がある。その間に突っ込め!」
重装歩兵の戦列まで、あと50ヤード。142名の傭兵が突っ込めば、ひとたまりもない。
この敵を破れば、港だ。その先にはお宝が──。
「小隊、正当防衛射撃。連射──撃て!」
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