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2012年2月アニキャラ個別49: 【Fate/Zero】ギルガメッシュは金ピカドヤかっこいい 2 (785) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【Fate/Zero】ギルガメッシュは金ピカドヤかっこいい 2


1 :11/11/25 〜 最終レス :12/02/13
スレ立てようと思うけどテンプレこれでいい?
アーチャー(Archer)
声:関智一
身長:182cm 体重:68kg
血液型:不明 誕生日:不明
属性:混沌・善
パラメータ: 筋力:B 耐久:B 敏捷:B 魔力:A 幸運:A 宝具:EX
※※ネタバレ禁止。原作話禁止。新規に優しく、懐の深い王であれ
ここはアニメFate/Zero関連スレです。次スレは>>950が宣言して立てて下さい。
●関連スレ
・ネタバレ上等な方はこちらへ
【誰の許しを得て】ギルガメッシュ45【我を見ておる?】(外部スレ)
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/995/1320308184/l50
・カップリング話はこちらへ
Fateシリーズの男女カップリングを語るスレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1320815773/
【SN】Fate◆ギルガメッシュ×セイバー萌え【Zero】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1322155832/
・前スレ
【fate/zero】ギルガメッシュはドヤ可愛い
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1318219707/

2 :
1行目は間違いです…
本当に申し訳ない

3 :
我様「>>1、忠道大儀である」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%83%AB%E3%82%AC%E3%83%A1%E3%82%B7%E3%83%A5
エンディング絵の元ネタ (?)
今も昔もライオン(セイバー)を手懐けようとするのがギル様

4 :
 _)\)ヽ_
 >ヾ))) /
 ヽミ⌒⌒ミフ
  ロ、`Д´ノロ 度し難いほどに>>1乙だ!
 <⌒)水(⌒>
  (フEVヨヒ)
  んL∧亅〉

5 :
GO>>1

6 :
>>1
>>3
生前からの運命だったんだなw
現在に置き換えるとこういうこと↓か
322 名前:風の谷の名無しさん@実況は実況板で [sage] :2011/11/24(木) 21:58:01.62 ID:XYhfvCoW0
ttp://citrus.raindrop.jp/cbs/garally/53.jpg
とあるエンディング

7 :
その内容はカプスレ向きかな?と思いつつ、
アンコでシロウに対して「貴様に獅子(セイバーのこと)は似合わん」っていうんだよね
ギル様どんだけライオン好きなんだw

8 :
 ○○○
○ ・ω・ ○ <1乙がおー
 ○○○
c(_uuノ
      ○。○
 ミ ハックシュ ○  o ○
`ミ`д´∵゚。o ○
c(_uuノ ○○ ○
  ∧∧
 ( ・ω・)  ○○○
c(_uuノ ○○ ○○○

9 :
>>8
ギル「セイバーライオンじゃない!誰だ貴様!」

10 :
黄金に光る姿を見て、中の人のデビュー作を思い出した。

11 :
セイバーへのセクハラとプロポーズまだー?

12 :
やっとzero読み終わったけど、ギルの描写が艶めかしい視線だとか何とかで
ぶっちーのギル様大好きオーラがひしひしと伝わってきて笑ったwww

13 :
天地乖離す開闢の >>1

14 :
>>12
ギルの妖美形描写は菊地秀行を彷佛とさせるw
きのこもぶっちーも世代的に通ったからだと思うけど
読んでてニヤニヤしたわ

15 :
>>1
乙です

16 :
>>12
どんな感じなの?読みたい

17 :
買えよ

18 :
>>17
お前には聞いてねーよ

19 :
構うな

20 :
乞食はスルー推奨
zero小説のギルは女キャラよりも描写に力入ってたな
ホロウやってから読んだからすごい違和感だったw

21 :
ブチ切れ過ぎだろw
描写を丸写しでもして欲しかったのか?

22 :
てs

23 :
リア中・高のオタク女子がはりついてるんだろスルーしろ

24 :
http://www.gpara.com/files/contents/c_l1215783414_10.jpg

25 :
かっけーな我様

26 :
ギル:まあ良いではないか、焦れながら今宵眠るがよい
http://pic.prcm.jp/gazo/cNY/aQvWOc.jpeg

27 :
もし我様が目の前で
おおきな荷物抱えてヨタヨタしてる年寄り見たら一体どうすんだろな

28 :
>>26
膝にセイバーを乗せてなでなでしながら言ってるんだなw

29 :
Fakeって頑張って手に入れる価値あり?ギルとエルキが気になるんだけど…

30 :
あれはあれで面白いから頑張ってもいいと思うがそのうちプロローグ以降追記して完全版でるかもしれないぞ まぁ今は作者が忙しいからあれだけど

31 :
あまりないかなぁ
内容しりたいならwikiで十分だし
あくまで付録の小説なので期待するほどではない
作者はデュララララとか書いてる人なんでこの作家が好きで
この作家のFate二次創作読みたいっていうなら別だが

32 :
>>30-31
そうかーありがとう
取りあえず保留で他の物集めてからまた考える事にする
というかあれ普通に本として流通してるんだと思ってたら雑誌付録だったからびっくりしたw

33 :
バラバラ肢体になる金ピカギルのフィギュアどこにも売ってないな
ダサい私服はよく見かけるが

34 :
5話でライダーの挑発に誘われて出現してたけど
この人も初戦のセイバーVSランサーをどこかで観戦してたの?

35 :
>>33
バラバラ肢体になる金ピカギルのフィギュア<ミクロマンとか超合金とか子供が大喜びアイテムみたいだw
フィギュア新しく作ってほしい、セイバーは60cmくらいの人形出てるんだっけ?うらやましい
金ピカ鎧姿で我様人形発売してくれたら五月の節句に床の間に飾るのに

36 :
なんで、態度が異常なくらいでかくて、威張り散らしてるのか、知らんと聞いててムカつくだろうな・・・
世界最古の二次創作(漫画・アニメ)の主人公なら、あれくらいの態度で居てくれないと困る。
世界ではじめての「アニメ化決定!」

37 :
フィギュアならネイキッドを所望する

38 :
>>34
ギル様は余興大好きなので高見の見物してたらライダーに指摘されて
怒って出てきた。
>>36
他の国の王さまの頭を足蹴にした話とかがあるからねギルガメシュ。
しかも神格だし。

39 :
ラブラブでワロタ&萌えたw
ギルの一方通行具合な愛がいいw
ttp://t.co/p5zSmarQ

40 :
EDのシーンのフィギュアもほしい

41 :
ここ最近カプ厨乞食転載厨の巣窟になってるぞ雑種共!!

42 :
宴まで出番ナシか
酒のんでる場合じゃないっすよギル様

43 :
ここに粘着してるカプ厨&転載乞食に対するオチスレを独断で立ててきた
構うとつけあがるし、出来たらこれからは↓で愚痴吐き出して、こっちでは徹底スルーでやってくれるとありがたい
【Fate/zero】金剣厨オチ&愚痴スレ
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1322533091/

44 :
オチじゃなくてヲチな
あとむやみに立てるな

45 :
独断で立てたスレの方が大方無視される物だ

46 :
ケリィはfigmaでるんだよな
我様のもでてくれると嬉しいが金ぴか鎧は難しそうだな

47 :
ギル様は、ねんどろ、で来年来そうな(゚∀゚)ヨカーンーーーーー!
つーか、来てって思うの。

48 :

 _)\)ヽ_
 >ヾ))) /
 ヽミ⌒⌒ミフ
  ロ、`Д´ノロ
 <⌒)水(⌒>
  (フEVヨヒ)
  んL∧亅〉

49 :
>>29
エルキドゥがプロローグだけでもかっこいいからエルキが気になるなら見る価値あり

50 :
と言っても今や入手不可能に近い状態でもあるので以前外部ギルスレに貼られてたのを貼っておくことにする>fake
元は無料公開されてたしいいよね?ちなみにギルとエルキのとこだけ
ちなみに製品版はこれに多少色々追記されてる

51 :
プロローグ『アーチャー』
 その男は、結局の所はどこまでも魔術師であり――
 しかしながら、どこまでも澱んでいた。
 偽りの聖杯戦争。
 この儀式が東洋の島国で行われた物の贋作であるという事を理解しながらも、彼はその事実を鼻で笑った。
 ――下らん。
 ――真似だろうがなんだろうが、結果さえ同じならば何の問題も無い。
 尊き魔術師ならば、他人の作り上げたシステムは載らず、聖杯戦争を組み上げた三家のように自らそれを生みだそうと思うのだろうが、彼の場合は手っ取り早く、他者が用意したものの尻馬に乗る道を選んだ。それはそれで合理的な考えであるとも言えるのだが。
 最初から『贋作』として執り行われる聖杯戦争に、彼はどこまでも本気であり、誰よりも気合いを入れていたと言っても良いだろう。
 すなわち、彼は最初から覚悟を決めてこの町に現れた。
 最初に噂を聞いた時は、単なる風聞の類と笑っていたが、ランガルの手によって伝えられた一方は協会を静かに揺るがし、その振動は多くの魔術師達を通じて彼の耳にも伝わった。
 彼はそれなりに名のしれた魔術師の家系ではあったが、その力は緩やかに下降の道を辿っており、現時点での当主である身として少なからずプレッシャーを感じていた。
 それなりの理論も知性も技術も持ち合わせていた彼は、ただ、魔術師の家系として積み上げてきた純粋なる『力』だけが不足している状態であり、それが彼をより一層苛立たせる。
 通常ならば、その力の技術を研鑽し、より素養のある子孫へと魔術刻印ごと引き継がせるべきだったのだろう。
 だが、彼は焦っていた。
 自らの子もまた、自分よりも魔術師としての素養の落ちる事を確認してしまったからだ。
 徐々に魔術師としての素質が薄れ、ついに魔術の世界との縁を経つ事となった家系も数多く存在する。
 ――冗談ではない。
 ――マキリのようになるのはまっぴら御免だ。
 協会にも、通常の企業や組織と同じように多くのしがらみが存在する。
 子孫を繁栄させる為の手段を得るには、まず強い魔術師の血統たらねばならない。

52 :
そうした矛盾に晒された男は、魔術師であり、未熟でもあった。
 彼は偽りかもしれぬ聖杯戦争に全てを賭け、このスノーフィールドという町に、聖杯戦争というテーブルにありとあらゆるチップを乗せたのだ。
 財産も、過去も、未来すらも。
 ――大丈夫だ、上手く行くさ。
 己の覚悟を示す為に、先の無い息子は既に間引いてきた。
 止める妻も始末した。
 繁栄をもたらさぬ女に未練はない。
 だが、魔術師としての矜恃が理解されなかった事は少なからずショックだった。
 あんな女に生ませたからこそ、素質の無い息子が生まれたのだろう。
 だが、あの女が今の自分の『ランク』で手に入る上限だ。
 さらに自分の位を上げるには、この戦争に勝ち残るしか無い。
 仮に聖杯がまがい物であったとしても、『聖杯戦争』と名の付くものを勝ち抜ければ、それだけで魔術師としてのアドバンテージは上がる。戦いの仮定で『根源』への道を掴む事もできるだろう。
 あるいは、アインツベルンやマキリの業を識る事ができるかもしれない。
 如何なる結果になろうとも、聖杯戦争は自らの魔術師としてのランクを上げるものだ。
 なんと緩いギャンブルだ。
 最低でも、賭けた以上のものは確実に取り返せるのだから。
 そのように、様々な利益を思い描きながらも――彼は、自分が敗北して完全に家系を終わらせる可能性については考えていなかった。
 だが、考えないのにはそれだけの理由がある。
 彼には勝算があった。
 少なくとも、自らの息子を始末するに価するだけの勝算が。
 ――しかし……これが令呪か。聞いていたものとは少し違う紋様だな。
 男はそう思いながら自分の右手を見て、それこそ生まれたばかりの我が子を見るように、愛おしい笑みを顔面に貼り付けた。
 閉じた鎖を思わせるその入れ墨は、聖杯戦争のマスターとして選ばれた証のようなものなのだという。
 ――だが、これが宿ったという事は……
 ――認められたのだ! この私が! マスターとして!

53 :
――すなわち、あの英霊の主として!
 言いながら、男は静かに傍らに置いた布包みに目を向け――
 もう一度、笑う。
 笑う。笑う。
 笑う。
 スノーフィールドの北部に広がる大渓谷。
 赤い岸壁が連なる渓谷から程近い場所の山岳部に、その洞窟は存在した。
 元々は天然の洞窟だったが、現在は人払いの結界を始めとして、魔術師が生み出した『工房』として機能している状態だ。
 ランプの明かりに照らされながら、魔術師は静かに布包みを持ち上げ、その中にある者を懇切丁寧に取り出した。
 それは――鍵だった。
 だが、単なる鍵というのは少々憚られる代物だ。
 それは余りにも装飾過多であり、ちょっとしたサバイバルナイフほどの長さと重さを持ち合わせている一品である。
 鍵を彩る宝石一つとっても、魔術的、金銭的、共に多大なる価値を持ち合わせていると思われた。
 ――過去の聖杯戦争においては、『それ』を蛇の化石で呼び出したと聞くが……。
 ――この遺物ならば、より確実に『それ』を呼ぶ事ができるだろう。
 かつて――彼の家系にまだ力があった頃、やはり今の自分と同じように、全てを賭けてその鍵を手に入れ、あるものを探し求めたのだという。
 この世の全ての物が詰まっていると言う、黄金郷の宝物殿。この鍵は、その縹渺たる伝承の奥にある扉を開く為に使われた物に相違なかった。
 財に興味があるわけではない。ただ、その宝物の中にはあらゆる魔術的な宝具が秘められている事だろう。
 結局、先人が証明したのは鍵が本物のであるという一点のみであり、結果として蔵を見つける事は叶わなかった。鍵自体にも未解明の魔力があるようだが、今の時点では全く関係の無い事だ。
 自らが望む英霊の遺物。それこそが召喚において最高の触媒となり、より確実に自らの望むサーヴァントを手に入れる事ができるのだ。
 ――時も満ちた。
 ――始めるとするか。

54 :
彼は静かに立ち上がると――彼は瞬時に笑みを消し、感情も打算も全て忘れ、自らが臨む儀式に全ての意識を集約させる。
 感覚が一点に統合され、研ぎ澄まされ、必要無い階層の官能の一切合切が遮断される。
 神経とも血管とも異なる、体中に張り巡らされた目に見えぬ回路。
 その中に、やはり不可視の熱水が走り抜けるのを感じながら――
 男は自らへの祝詞であり、万象の天秤への呪詛でもある召喚の文言を吐き出した。
 数分後。
 彼の人生と、この闘争に賭けた数々の代償。
 そして、彼がこだわり続けた魔術師としての家系。
 全ては一瞬。ただの一瞬。
 ほんの数秒のやりとりで、彼の存在は、あっさりと終焉を迎える結果となった。
                 ⇔
「やった……ハハ、ハハハハハ! やったぞ!」
 目の前に現れた『それ』を見て、魔術師は思わず言葉を漏らす。
 相手の真名など確認するまでもない。
 自分が何を喚ぶのか、最初から理解できていた事だ。
 喜悦の笑みだけが喉の奥から押し寄せ、僅か数秒の間とは言え召喚した英霊を放置する、
 英霊の顔にはあからさまに不快の色が浮かんでいるが、英霊として喚ばれた己の義務を行使する。もっとも、その英霊がそれを『義務』などと受け取っていたかどうかは疑問だが。
「……答えよ。貴様が不遜にも王の光輝に縋らんとする魔術師か?」
 黄金色の髪、黄金色の鎧。
 豪奢を極めた外観のサーヴァントは、こちらを見下す形で問いかけた。
 だが、問われた言葉の内容に思わず鼻白み、眼前に存る絶対的な『力』を実感しつつも、僅かな苛立ちを沸き上がらせる。
 ――サーヴァント風情が何を偉そうな! 
 魔術師としてのプライドが威圧感に押し勝ったが、自らの右手に輝く令呪の疼きを感じて済んでの所で冷静さを取り戻す。

55 :
――……まあ、この英雄の性質からすればそれも仕方在るまい。
 ならば、最初にハッキリと解らせて置かなければならないだろう。
 あくまでもこの戦いにおいて、主が自分であり、サーヴァントとして顕現した英霊などただの道具に過ぎぬという事を。
 ――そうだ、その通りだ。この私が貴様の主だ。
 令呪を見せつけながら答えを放つべく、右腕を前に差し出し――
 その右手が、無くなっている事に気がついた。
「……え? あ?」
 形容する言葉もなく、呆けた声を洞窟内に響かせる。
 血の一滴すらも出ていないが、確かに、直前まであった筈の右手がない。
 慌てて自らの手首を顔の前に持ってくると、焦げた臭いが鼻腔を強く刺激する。
 手首の断面からは煙が薄く立ち上っており、焼き切られているというのは明白だった。
 それを認識した瞬間、脊髄と脳に痛みの流れが伝播し――
「ひがぁ……ぎひがぁぁぁぁぁっぁぁぁあっぁぁぁ! あぁぁぁっぁぁぁぁっぁぁぁあぁ!」
 悲鳴――悲鳴――圧倒的、悲鳴。
 巨大な蟲の鳴き声さながらの絶叫を響かせる魔術師に、金色の英霊は退屈そうに口を開く。
「なんだ、貴様は道化か? なれば、もっと華美のある悲鳴で我を愉しませよ」
 眉一つ動かさず、相変わらず驕傲に振る舞うサーヴァント。どうやら、右手の消失は英霊の手によるものではないらしい。
「ひぁ、ひぁ、ひぁぁっぁぁっぁぁ!」
 理解の範疇を超えた出来事に、魔術師は完全に理性を崩しかけたが――魔術師としての脳髄がそれを許さず、強制的に精神を落ちつかせ、即座に体勢を立て直す。
 ――結界の中に……誰かがいる!
 ――私としたことが、何という迂闊!
 本来ならば、工房と化したこの洞窟に誰かが入ってきた時点で気配を察知できる筈だった。しかし、サーヴァント召喚の決定的な隙を突かれた為に、洞窟内に満ちた英霊の魔力に紛れて気付く事が出来なかったのだ。
 だが、結界に合わせてそれなりの罠も張り巡らせていた筈だ。それが発動した気配はなく、闖入者がそれらを解除して進んできたとすれば、相当に油断のならぬ相手だと推測できる。
 残った右手で魔術構成を練りながら、気配のする方角――洞窟の外へと向かう穴道へと叫び上げた。

56 :
「誰だ! どうやって私の結界を抜けてきた!」
 すると――次の瞬間、洞窟の闇からの声が響く。
 ただし、魔術師ではなく、金色のサーヴァントに対して。
「恐れながら……偉大なる王の前にこの身を晒すお許しを頂きたく存じます」
 不意に声を掛けられたサーヴァントは、ふむ、と一考した後、やはり傲岸な態度を見せる。
「よかろう。我が姿を拝謁する栄誉を許す」
「……ありがたき幸せ」
 その声は――透き通るような無垢さと、全てを悟りきったような感情の無さを揃えていた。
 続いて、岩陰より姿を現したのは――ただでさえ若く受け取れた声の印象から、さらに数歳若い――12歳前後の、褐色の肌の上に艶やかな黒髪を掲げる少女だった。
 深窓の佳人というべき形容が相応しい、下品さの無い華美な礼装。端正な顔がその衣装によって更に引き立てられているが、表情にはそれに見合った華やかさは感じられない。
 ただ、粛々と畏まった調子で一歩工房内に踏みだし、祭壇上の英霊へと恭しく一礼をした後、裾が土に塗れる事を気にもかけずに跪く。
「なッ……」
 完全に無視された形となった魔術師は、目の前の少女の力が計りきれずに、憤る事もできずに怒りを喉の奥へと押し込めた。
 英霊は少女の恭しさが当然であるとばかりに、視線だけを向けて力ある言葉を押しつける。
「俺の前に雑種の血を飛び散らせなかった事は褒めてつかわす。だが、喰うに価せん肉の臭いを我の前に漂わせた理由について、弁解があるならば申してみよ」
 一瞬だけ魔術師の方をちらりと見据え、少女は跪いたまま英霊に対し申し立てる。
「恐れながら、王の裁きに委ねるまでもないと……蔵の鍵を盗みし賊に罰を与えました」
 言いながら――少女は自らの前に一つの肉塊を取り出した。
 それは、確かに先刻まで魔術師の体の一部だったものであり、令呪によって英霊との魔力の筋道を繋ぐ接合部――つまりは、魔術師の右手である。
 金色の英雄は、少女の言葉にフム、と足下を見下ろし、台座に置かれた一つの鍵を手に取り――興味なさげに投げ捨てた。
「この鍵か、下らん。我の財宝に手を出す不埒物など、我が庭には存在しなかったからな。造らせたは良いものの、使う必要が無いと捨て置いたに過ぎん」
「……ッ!」
 その行動に衝撃を覚えたのは、右手首の痛みを遮断する為の呪文を呟いていた魔術師だった。
 彼の先祖が全てを賭けて追い求めた『蔵』の鍵。
 魔術師の家系として唯一と言っても良い誇りであったその偉業を、ゴミのように投げ捨てられたのだ。しかも、自らが奴隷として、道具として扱うべきサーヴァントという存在に。
 憤慨のあまり、呪文を唱えるまでもなく右手の痛みが薄らいだ。
 だが――そんな彼に追い打ちを掛けるように、褐色肌の少女は首だけを魔術師に向け、威圧と憐れみを込めた声を浴びせかける。
「それが王の意向なら、貴方とこれ以上命のやりとりをするつもりはありません。どうか、お引きとり下さい」
「なッ……」
「そうすれば、命までは取りません」
「――――――  ――――――――」
 刹那、魔術師の意識が簡単に支配される。
 自らの内より沸き上がった憤懣が魔術回路を支配し、言葉すらあげる事もできず、左手に集めた全ての魔力を暴走させる。
 ありったけの呪いと熱と衝撃が込められた黒い光球が、勢いよく少女の顔面を呑み込むべく空間を切り裂き――疾る、奔る、趨る。
 ほんの一呼吸の間すらなく、魔力の奔流は少女を押し流すと思われた。
 だが、そうはならなかった。
「(     )」
 無音の詠唱。
 少女は口を開きつつも、音も無く己の中で魔術の構成を紡ぎ出す。
 だが、瞬時にして膨大な魔力が少女と魔術師の間に沸き上がった。
 まるで、極限まで呪詛を圧縮したが故に無音に辿り着いたとでも言うような、圧倒的詠唱。
 最後の瞬間――魔術師は見た。
 少女の前に現れた、自分の身長の倍はあろうかという巨大な炎の顎が、自分の放った魔力をあっさりと呑み込み――――――
 ――違う。
 最後に思い浮かんだ言葉。
 果たして何をもって『違う』という言葉が出たのか、それを考える暇すら与えられない。
 ――ちがッ……ち、ちがッ……こんなッ
 自分が死んでも家系は続く。魔術師である彼はせめてそう思おうとしたのだが……その家系の後続を、つい数日前に自らの手で始末した事を思い出す。

57 :
――ちがう! 違う! ここでッ……死ぬッ……私が……? 違う、ちが……
 ――違う違うちが――――――――――
 ――――――――――――
 そして――魔術師は姿を消した。
 彼の人生と、この闘争に賭けた数々の代償。
 そして、彼がこだわり続けた魔術師としての家系。
 全ては一瞬。ただの一瞬。
 ほんの数秒のやりとりで、彼の存在は、あっさりと炎の中に呑み込まれる結果となった。
「お見苦しい所をお見せ致しました」
 人を一人したというのに、少女は平然と英霊に頭を垂れる。
 金色のサーヴァントは、さして興味が無いといった視線を送りながらも、今しがた彼女がつかった魔術について口にする。
「なるほど、我が不在の間、貴様らがこの土地を支配していたわけか」
 今の魔術は、彼女の内から直接沸き上がった魔力によるものではない。
 恐らくは、この土地自体のもつ霊脈を利用した魔術だろう。
 それを肯定するように、少女はそこで初めて表情を浮かべ、顔を地に向けたまま、どこか寂しげに言葉を返した。
「支配ではなく、共生です。……御推察の通り、このスノーフィールドの土地を出れば、私の一族はただの人にございます」
「雑種は雑種に過ぎん。魔術の有無など区別する程の差にはならぬ」
 自分以外は全て同等とでもいうような傲慢なものいいに、少女は何も言い返さない。
 彼女の右手には、既に魔術師の右手にあった筈の令呪が転写されている。
 魔力の流れが魔術師から少女に移り変わった事を確認しながら、英霊はやはり変わらぬ威光を放ちながら、やはりどこか退屈そうに――しかし、どこまでも堂々と言い放つ。
「ならば改めて尋ねよう。貴様が、不遜にも王の光輝に縋らんとする魔術師か?」
 金色の英霊。
 英雄の中の英雄。王の中の王と言われるその存在に――
 少女は力強く頷き、再度、敬意の籠もった一礼をしてみせた。
「……私は、聖杯を求めているわけではありません」
 洞窟の外に向かう道すがら、少女は静かに言葉を紡ぐ。
 少女は、自らを『ティーネ・チェルク』と名乗り、黄金のサーヴァントを得て聖杯戦争へと参加した。
 だが、彼女は聖杯を求めるわけではないという、矛盾ともいえる言葉を口にし、それに続いて詳しい真意を言葉に変えた。
「この土地を偽りの聖杯戦争の場として選び、すべてを蹂躙しようとしている魔術師達を追い払いたい……我らの悲願はそれだけで御座います」
 あっさりと『この聖杯戦争を潰す』と呟いた少女に対し、金色の英霊――六種類用意されたクラスの中で、弓兵のクラスとして再度この時代に顕現したと言う『王』は、さして興味も無さそうに言葉を返す。
「我も聖杯などに興味はない。本物ならば我の宝を奪おうとする不埒な輩どもを罰し、贋物ならばそのままこの儀式を執り行った輩ごと誅するだけだ」
「ありがたき御言葉」
 少女は例を言った後、尚も自分達の素性について語り続けた。
「このスノーフィールドは、1000年前から我々の部族が共生してきた土地……東よりこの国を制した者達からの圧政からも守り抜いた土地です。それを、政府の一部が魔術師などという連中と手を組み……わずか70年で蹂躙されました」
 言葉に悲しみと怒りを織り交ぜて語る少女に、英霊は特に感慨を抱いた様子は無い。
「下らんな。誰が上に乗ろうと、全ての地は我の庭に帰するのだ。庭で雑種が諍いを起こそうと、本来ならば捨て置く所だが……それが我の宝を掠め取ろうとする輩ならば話は別だ」
 あくまでも自分の事しか考えていない男に、少女は何を思ったのだろうか。
 特に不快を抱いたわけでもなく、呆れたわけでもない。
 彼はどこまでも王として振る舞い、だからこそ王として認められるのだろう。
 一瞬だけその傲岸さに羨望のような感情を抱き、気を引き締め直して洞窟の外に踏みだした。
 
 洞窟の外にて彼女達を待っていたのは――数十から数百を数える、黒服の男女。
 少女と同じように褐色の肌をした者が多いが、中には白人や黒人の姿も見受けられる。
 あからさまに堅気ではないと解る雰囲気を持った大集団が、渓谷の麓まで何台もの車で乗り付け、洞窟を厚く取り囲んでいる状態だった。
 彼らは洞窟から出てきた少女と、その傍らに立つ威圧的な男を目にし――
 一斉にその場へと跪き、少女と『英霊』に対して敬服の意を表す。
「こやつらは何者だ?」

58 :
淡々と尋ねる王に、ティーネは自らも跪きながら答えを返す。
「……我らの部族が生き延び、魔術師達と対抗すべく、都市の中に作り上げた組織の者達に御座います。私が父の後を継ぎ、総代としてこの戦にも選ばれた次第です」
「ほう」
 多くの人間達が一斉に自分を崇敬し、跪いている。己の肉体が存在していた頃の光景を思い出したのか、金色の王は僅かに目を細め、少女に対する認識を僅かに改めた。
「雑種同士とはいえ、随分と慕われているようだな」
「王の威光を前にして言われては、ただ恐縮する他ございません」
「我の威を借りようとするだけの事はある。それなりの覚悟でこの戦に挑んではいるようだ」
「……」
 光栄と受け取るべき言葉だが、少女には不安もあった。
 目の前の『王』は、そう言いながらも、やはり退屈そうな感情を隠しもしていないからだ。
 そして次の瞬間、彼女の不安が的中したとばかりに、英霊は淡々と言葉を紡ぎ出す。
「だが、所詮まがい物の台座。我以外に引き寄せられた有象無象などたかが知れておろう、そんなものにいくら裁きを下そうが、無聊の慰めにはならぬ」
 言うが早いか、彼はどこからか、一本の小瓶を取り出した。
 その瞬間を見ていた黒服は後に述懐する。『空気が歪んで、その中から一本の小瓶が直接英霊の手中に落ちた』と。
 美しい装飾が施されているものの、一体何を素材としているのか解らない。陶器なのか硝子なのか、滑らかな表面は半透明に透き通り、中になんらかの液体が漂っているのが見える。
「児戯ならば児戯らしく戯れ程度に相手をしてやるのが相応しかろう。我が一々本気になるまでもない。本気を出すに価する敵が出るまでは、しばし姿を変えるとしよう」
 彼はそう呟くと、そのまま瓶の蓋を開け、それを飲み干そうとしたのだが――
 まさにその瞬間。
 偶然というよりは、何かの運命が作用したとしか思えないタイミングで――
 大地が、啼いた。
【―― ̄ ̄――__ ― ―  ̄  ̄ ― ― 】
『!?』

59 :
ティーネも、彼女の配下たる黒服の集団も、一斉に空を仰ぎ見る。
 遠くから聞こえてきたのは、天と地を揺るがす、巨大な咆吼。
 だが、咆吼というには余りにも美麗な音で、まるで巨大な天使か何か、あるいは大地そのものがが子守歌を歌っているような音だった。
 それでいて、その音が遙か遠く――スノーフィールドの西方に広がる森の方角から聞こえてきたという事も分かる。
 物理法則すら無視したその鳴動に、ティーネは何故か確信する事ができた。
 これは、何かが生まれた事を示す産声のようなものであり――
 それは恐らく、途轍もなく強力なサーヴァントなのであろうと。
 一方、その声に動きを止めたのは、アーチャーとて同じ事だった。
 口につけかけた瓶を持つ手を止め、そこで初めて、金色の王は強い感情を顔に貼り付ける。
 それは――仮に彼を以前から知るものならば、滅多に見られるものではないと驚きを見せる事だろう。かの『王の中の王』は激高しやすく、決して泰然自若とは言い難い存在であったが――果たして、こんな顔をする事があるのかと。
「この声は……まさか」
 彼の目に浮かんでいたものは、驚き、焦燥、そして――感動。
「……お前なのか?」
 ティーネはそう呟いた英霊の表情を見て、ほんの一瞬だけ、彼から王としての威圧感が揺らいだ事に気がついた。
 だが――次の瞬間、アーチャーの顔には王としての傲慢な威圧感が戻り、高く高く、ただひたすらに空高く笑い声を響かせる。
 そして、一頻り笑い終えた後――

60 :
「ハッ……なんという事か! 斯様な偶然に巡り合うも、我が王たる証と謳うべきか!」
 先刻までの退屈に満ちた表情が嘘のように、彼の顔には歓喜と英気が満ちあふれていた。
「雑種の小娘よ! 喜べ、どうやらこの戦、我が本気になるべき価値となったようだ!」
 らしくない事を口にしながら、胸が空いたとばかりに饒舌になる英雄の王。
「かの広場での決闘の果てに向かうも一興か。……いや、もしもあやつが狂戦士として顕現していたのならば、あるいは――いや、言うまい。雑種に一々拝聴を赦す事でもなかろう」
 上機嫌になりつつも、自分が王である事は欠片も損なわず、くつくつと笑いながら咆吼の震源を見据え――傍らに跪いたままのティーネに声をかける。
「面を上げよ。ティーネ」
 突然名前を呼ばれたティーネは、驚きながらも言われるがままに英霊の顔を見上げた。
すると、ティーネの手に、先刻まで王が手にしていた小瓶が投げ渡される。
「若返りの秘薬だ。使う必要はなかろうが、今の我には不要となった。ありがたく拝領せよ」
「はッ……? は、はい!」
 驚き目を開く少女に、アーチャーは僅かに視線を向け、威厳に満ちた声を口にした。
「我の臣下となるならば、一つお前に命じておく事がある」
 一方のアーチャーは、こちらには目もくれぬまま、だが、実に機嫌の良さそうな声で王としての言葉を賜った。
「幼童ならば少しはそれらしくせよ。万物の道理の解らぬうちは、ただ王たる我の威光に目を輝かせておれば良い」
 それは皮肉混じりの言葉だったが、あまりにも力強い言葉だった。
 一族の為に感情を捨てた筈の少女は、英霊の言葉に、僅かに揺らぐ。
 感情を捨てたつもりだからこそ、目の前の男に心底からの敬意を払いつつ――少女はまだ目を輝かす事ができず、ただ申し訳なさそうに頭を垂れた。
「努力致します」

61 :

 ともあれ――こうして、一組のサーヴァントとマスターが戦の中へと躍り込む。
 英雄王ギルガメッシュと、土地を奪われた少女。
 彼らはこれが偽りの聖杯戦争と知りながら、ただ、我を通す為だけに全てを賭ける。
 この瞬間より、王と少女は君臨する。
 偽りしかない戦の中を、己という偽らざる真実に塗り替える為に。
 
 王の戦が、幕を開けたのだ。
調子こいてたら忍法帖の存在忘れてたw

62 :
プロローグ『ランサー』
 その森はどこまでも深く――
 彼の姿は、まるで永遠に続く底なし沼を落ちているようだった。
      ――走る
  ――走る      ――走る
    ――走る  ――走る   ――走る
 彼はただ、夜の森を風を裂いて駆け抜ける。
 なんの為に走るのか、その理由を彼が一々考えているのかは解らない。
 『逃げる』という単純にして一言で済む言葉があるのだが、恐らくはそれを意識しながら走れる程の余裕はないだろう。
 敢えて言うなれば、その『逃げる』という行為の先に在るもの――
 すなわち、『生きる』というただ一点の為だけに、大地を全力で蹴りつける。
 思考ではなく、本能。
 理性ではなく、衝動。
 どこに逃げるべきなのかも理解できぬまま、彼はただ、前へ前へと己の身を躍らせる。
 既にどれだけの時を掛け続けているのだろうか。
 一歩踏み出すごとに足が悲鳴を上げ、その痛みは全身へと狂い無く放散する。
 だが、それでも彼は足を止めない。体も脳味噌もブレーキを求めない。
 既に脳内も切れかけたのか、ただ苦痛だけが彼の体を襲うが――
 ――――――――――――ッ
 獰猛な本能は、それすらも乗り越える。
 木々が風のように流れ、彼はまさに風となって夜の森を潜り抜けようとしていたのだが――

63 :
魔力を帯びた弾丸が、その風を撃ち落とした。
「ッ!」
 痛みよりも先に、衝撃が彼の全身を包み込む。
 踏み出したエネルギーは失われる事なく、彼の体を容赦なく地面に叩きつける。先刻まで足蹴にし続けた事のお返しだとでも言うように、大地は凶器となって彼の体を打ちすえる。
「〜〜〜〜〜ッ!」
声にならぬ悲鳴。
 立ち上がろうにも、全身を襲う痙攣がそれを許さない。
 全身の悲鳴が脳味噌に響くのと同時に、静かな声が鼓膜へと響き渡る。
「……手こずらせおって」
 理知的な声ではあったが、その冷静な声色の裏にはあからさまな憤怒が見え隠れする。
 手にした装飾銃を下げながら、魔術師らしき男は、倒れる逃亡者の腹をゆっくりと踏みつけ――次いで、まだ熱を持ったままの銃口を足の銃創に突きこんだ。
 ジュウ、と肉の焼ける音が響き、焦げた匂いが森の中に木霊する。
 逃亡者は口を限界以上まで開け広げ、喉の奥から濡れた空気だけを吐き漏らした。
「全く、よりにもよってお前に『令呪』が宿るなどと……一体なんの冗談だ!?」
 無音の悲鳴と共に体をのたうち回らせる逃亡者。彼の体には、確かに令呪と思しき鎖状の紋様が浮かび上がっている。
「何のために無理矢理お前を造ったと思っている? 何のために限界まで魔力回路を『増設』してやったと思っている? なんの為に、今まで生かされて来たと思っている?」
 魔術師は静かに首を振ると、のたうつ逃亡者の頭部をボールのように蹴り飛ばした。

64 :
「……聖杯戦争を勝ち抜くには、英雄を越える存在を手に入れなければならん」
 歩み寄り――再び顔面を蹴り抜く。
「既に英雄を通り越し、『神』と呼ばれし格を手に入れた者を呼ばねば『王』と呼ばれる類の英雄どもに勝つ事はできん」
 蹴り抜く。
「なれば……英雄の起源より更に過去――エジプトにて『神』となった者達を呼び寄せる」
 踏みつける。
「貴様は、その為の触媒なのだぞ! 神を呼ぶ触媒となる栄誉を何故受け入れん!? 恩を仇で返しおって!」
 既に悲鳴を上げる事もできず、逃亡者の視界は既に半分以上が血の赤と暗闇に染められつつあった。
 それでも――
 既に息をすること自体が苦痛となっていようと―― 
 喉の奥から溢れる血を呑み込みながら、彼は尚も立ち上がろうとする。
 あくまで諦めぬ様子の逃亡者を見て、魔術師は呆れたように溜息をつき――
 逃げようとするその背に足を乗せ、なんの容赦もなく体重をかける。
「もう良い、スペアは何体か用意してある……令呪だけは返して貰うが、その後は。だが、貴様に自由は無いぞ。窯に放り込んで、新たなモルモットの素体としてくれる」
男の右手が、逃亡者の令呪へと伸びる。

65 :
だが、実際、彼にとって令呪などというものはどうでもよい存在だった。
 彼は『聖杯戦争』の意味すらも、名前すらも知らなかった。
 ただ、彼は一個の生命として、体の内より沸き上がる本能に従っただけなのだ。
 そして、その衝動はこの後に及んでも一滴たりとも失われてはいなかった。
 ――生きる。
 と、ただそれだけを意識する。
 ――生きる。  生きる。 生きる。   生きる 生きる 生きる 生きる
   ――生きる。 生きる。 生きる。 生きる 生きる 生きる 生きる
 『死にたくない』ではなく、ただ『生きる』とだけ願う。
 その差異に彼自身気付いているのかどうか――
 いや、そもそも彼の中に『死にたくない』という言葉があるのかどうかすら疑わしい。
 彼は徐々に動かなくなる体の中で――
 スノーフィールドという土地に住まう、ありとあらゆる生き物の中で、もっとも強くその意思を叫び上げた。
「――――――――――――――――」
 だが、その『叫び声』の意味を魔術師は気付く事なく――故に、彼は気付かなかった。
 その瞬間、まさに『儀式』は完遂されたのだという事を。
 彼にしか紡げぬその叫びこそが、彼にとっての魔術であり、召喚の言葉であったのだと。
 魔術師は知らなかったのだ。
 つい先刻、五体目のサーヴァントが北部の渓谷にて召喚され――
 偽りの聖杯は、多少強引にでも六体目のサーヴァントの顕現を望んでいたという事に。
 もっとも、最初に召喚されたライダーの経緯からして、この聖杯戦争において『召喚』の儀式については実に曖昧な定義が成されていると見ても良いだろうが。
ともあれ、この瞬間――
 六体目のサーヴァントが、ついにスノーフィールドの森に降臨したのである。

66 :
森の中をまばゆい閃光が貫き、巻き起こる旋風が周囲の木々を激しく揺らめかせる。
 力強い風に数メートル吹き飛ばされた魔術師は、何事かと銃を構え――次の瞬間、圧倒的な魔力を感じ、己の全身に巡る魔力回路を強ばらせた。
「なッ……」
 魔術師の目の前に現れたのは――質素な貫頭衣を身に纏っていた。
 『それ』が英霊であるというのは、目の前に存在する圧倒的な魔力の量を見れば一目瞭然だ。
 しかしながら、不自然な点もある。
 英雄と呼ばれる存在としては、あまりにも質素な外見だった。
 コレと言って装備らしき装備を携えてはおらず、纏っている服もそれほど価値のあるものではないだろう。無論、英雄の価値が財力で決まるわけではないが――それにしても、武器一つすら持ち合わせていないとは如何なる事だろうか。
 彼は静かに相手の姿を観察する。
 ――女?
 ――い、いや、男……? どっちだ……?
 そのサーヴァントの顔は男女どちらとも受け取れ、そのどちらだとしても、実に端麗な顔立ちをしている事は確かだったのだが――
 ――そ……そもそも……人、なのか?
 どこかしら違和感を感じさせるその雰囲気に、魔術師は思わず鼻白む。
 確かに人間の顔をしているのだが、どこか、口では上手くいえない違和感がある。完成されすぎているとでも言うべきだろうか。見ただけでは解らないが、全体から放つ雰囲気がどこかマネキン人形や――魔術師達が造る魔術的な意味での『人形』を思わせる。
 ゆるりとした服装のせいか、体型はよくわからない。それがますますその英霊の性別、ひいては『人間なのか否か』という事もあやふやにさせる。

67 :
その英霊は、僅かに残る風に艶やかな髪を靡かせつつ――
 目の前に横たわる傷ついた逃亡者に問いかける。
「君が……僕を呼び出したマスターかい?」
 と、実に柔らかい声色で。
 声すらも中性的であり、ついぞ魔術師は、その英霊の正体を掴む事ができなかった。
逃亡者は突然の閃光と風に面を喰らっていたが――
 眼前に現れた存在を見て、一目で確信する。
 ――目の前の者は、敵ではない。
 ただ、それだけが確信できた。
 逃亡者は一端逃げるという衝動を抑え、その救いの主をじっと見つめる。
 まるで、相手の心の全てを推し量るかのような純粋な瞳で。
 その瞳を正面から受け止めた英霊は、静かにその場に跪き、よろよろと立ち上がった逃亡者と同じ目線の高さで――
「―― ――  ――――――」
 と、魔術師には理解できない言葉を口にする。
 逃亡者はその言葉を聞き、自らも静かに言葉を返す。
「―――――― ――――――」
 すると、英霊は静かに手を差し伸べ、逃亡者の傷ついた体を抱えあげた。
『ありがとう、契約は成立した』
 長年の友に語るような言葉に――逃亡者は心から安堵する。
 生きる事を許された。そんな感覚が彼の心を包み込む。
 もう逃げる必要は無くなったのだと確信し――彼は、ようやく全身の力を抜いた。

68 :
「ばか……な……馬鹿な! そんな話があるか!」
 魔術師は目の前の光景が理解できず、銃を振りかざしながら森に叫び声を響かせる。
「こんな馬鹿な話が認められるか!」
 叫びながら彼が銃口を向けた先にあったもの。
 それは――
 唐突に現れた英雄に抱え上げられる、銀色の毛並みを血と土に染めた狼の姿だった。
「獣がッ! そんな……さしたる能もない合成獣がマスターだとッ!? 巫山戯るな!」
 装飾銃をカタカタと震わせながら狙いを付ける魔術師だが、英霊はそんな彼に対して静かに言葉を紡ぎ出す。
「その銃を降ろして下さい。マスターは、貴方に意を抱いていない」
「なッ……」
 存外に丁寧な言葉使いにも驚いたが、それよりも、その言葉の内容に動揺する。
「馬鹿な! 適当な事を……」
「僕には、彼らの言葉が理解できますし……マスターが貴方に何をされたのかも、状況を見れば想像はつきます」
 嘲笑を浮かべようとした魔術師に、サーヴァントは真剣な表情で語り続け――
「ですが、マスターは貴方に意を抱いていない。……この意味が、解りますね」
 それだけ告げると、魔術師にあっさりと背を向け、ゆっくりと森の奥へと歩み始める。
「ま、待て、待ってくれ! お前も聖杯を望んでいるんだろう!? そんな犬畜生をマスターとするより、私と組んだ方がより確実に聖杯へと近づけるぞ?」

69 :
すると、英霊はその言葉にピタリと足を止め――
 ただ、振り返る。
 それだけだった。
 しかし、次の瞬間――魔術師は『ひ……』と声を漏らし、銃を持ったまま自らも英霊と獣に背を向け、そのまま森の中を駆け出した。
 英霊が魔術師に向けた視線には――それ程までに強い『拒絶』が込められていた。
 彼は魔術師が姿を消した事を確認すると、瞬時に視線から険の色を消し去り、マスターとして認めた友を治療すべく、川の方へと歩き始めた。
 水音も無く、視界にも無い状態だが――
 確かにそちらに水の『気配』を感じ取り、大地の化身は優しく大地を蹴り――――
 胸に優しく獣を抱きながら、ハヤブサを思わせる速度で森の中を跳躍した。
 
 その英雄は――当然ながら人の姿をしていた。
 だが――彼は人ではなかった。
 はるか太古――神の泥人形として地上に落とされた彼は、男も女の性別すらなく、ただ、妖怪じみた泥人形として森の中に顕現した。
 人間としての知性もなく、ただ森の獣と戯れ続ける泥人形。
 しかしながらその力は人智を越えており、一度怒りと解き放てば、当時国を治めていたとある英雄の力を上回るとすら噂された。
 当の王はそれを鼻で笑い飛ばし、『獣と力比べなどできるか』と眼中にも入れなかった。
 王は自分の力を絶対だと信じており、それを上回る者など存在しないと確信していた。だからこそ、王はそれをただの噂として一笑に付したのだ。
 だが――聖娼として名高い娘がその獣と出会った事により、全ての運命は流転する。
 男女の区別すらなかった泥の塊は、男女の垣根を越えたその女の美しさに、一目で心を奪われたのだ。
 6日7晩共に過ごす内に、泥人形は徐々に己の姿を人間へと近づけていった。
 自らと寝食を共に過ごす、美しい娼婦の姿を真似るように

70 :
そして、人間の姿と知恵を手に入れた人形は、王の前に立つ事となり――――
 天地を揺るがさんとした私闘の末、彼は一人の友を得た。
 黄金の王と泥人形。これ以上無いという程に立場に差のある二人だったが――彼らは唯一無二の朋友として、多くの冒険を通じ、互いにその苦楽を共有する存在となったのである。
 その黄金と大地の色に彩られた日々から幾星霜。
 運命は再び流転し――――――
 10qほど移動した場所にあった小川で最低限の手当を済ませ、英霊は草地にマスターである銀狼の体を横たわらせた。
『しかし……安心したよ、この世の全てがウルクの街のようなものに埋め尽くされていると思ったけれど、世界は相変わらず美しいらしい』
 周囲に広がる雄大な自然を前にして、彼は『獣の言葉』で傍らのマスターに語りかける。
 だが、既にマスターたる狼は深い眠りに落ちていたようで、その言葉に対する返事はない。
 英霊は微笑みながら静かに腰を下ろし、暫し川の音に心を委ねようとしたのだが――
 ふと、その目を北の方角へと滑らせる。
 彼のスキルである最高クラスの『気配感知』の力が――自分達のいる場所よりも遙か北に、とても懐かしい気配を捉えたのだ。
 それはまさに、黄金の鎧を纏った英霊が、魔術師の結界が張られた洞窟から出てきた瞬間の事であった。
「まさか――」
 最初は運命を信じられず、静かにその目を見開き――

71 :
「まさか……君なのか?」
 北に感じる気配が、自分の知る『王』のものである事を確信し、ゆっくりとその身を起き上がらせる。
暫しの沈黙。
 その間に、彼の胸に去来したものはなんだったのだろうか。
 戸惑い、焦燥――やがて、圧倒的、歓喜。
 聖杯戦争である以上、その『王』とし合うという運命もあり得る。
 だが、それが何だというのだ。
 自分達の間に織りなされた綿布は、たかが一度や二度のし合いなど物ともすまい。
 いや、例え千度しあおうとも、決して裂かれる事は無いだろう。
「はは……」
 自然と笑みが零れ、英霊は、静かにその両手を広げていく――
「あの広場での決闘の続きも……それはそれで楽しそうだね」
 彼は両手を開ききると、自らの心中を全て吐き出すかのように――――
 優しげな声のまま、喉の奥より歌を奏でる。
 英雄エルキドゥ。
 彼の唄声は大地そのものを震わせ――美しき大地の鳴動となって、スノーフィールド全土へと響き渡った。
 そして、それこそが、全てのサーヴァントが揃った証であり――――
 同時に、闘争を開始を告げる合図でもあった。
 偽りの台座に集まった魔術師と英霊達。
 これが偽りの聖杯戦争であると知りながら――彼らはそれでも、台座の上で踊り続ける。
 真偽などは悲願の彼方。
 聖杯ではなく――他でもない、彼ら自信の信念を通す為に――――
 彼らだけの聖杯戦争。
 その火蓋は、確かに切って落とされた。
以上。続きマダ-?しかしここだけじゃ全貌がよく分からんだろうからできれば全部読んでほしい

72 :
まぁ完全版を気長にまとうぜー

73 :
うわぁ…('A`)

74 :
一体何がおこったんだw

75 :
本当にゆとりしかいないスレだな

76 :
ゆとりじゃありません
愚民です

77 :
やたらスレが進んでると思ったら…

78 :
うっわあ…
こんな馬鹿目の当たりにしたのは初めてかもしれない

79 :
二次創作ならせめてセイバー出せよ

80 :
ギルにゆとり扱いされたい

81 :
>>ID:hmwjYgsd0
うん…なんかスマン…びっくりしたわ…バーボン大丈夫だったか
ギルといいねやっぱ通して読みたいから需要落ち着いた頃に探してみるわ…
聖杯問答11話なんだねもう少し遅いかと思ってたから楽しみだ
10話の最後辺りにちょろっとでも出番ないだろうか

82 :
これはひどい
自覚のない>>29とID:hmwjYgsd0はここからいなくなって欲しい

83 :
>>82
クレクレした訳でもないのに余計な事すんな氏ねって言わないと伝わらないか

84 :
他のキャラスレに来られても困るのでこのまま隔離しといてください
っていいたいけどまじギルスレ住人かわいそう。
雑種以下のすくつですね。

85 :
来週やっと出番あるな
2クール目は出番多いだろうし春が楽しみだ

86 :
台本の表紙から考えると聖杯問答私服なのかね
Tシャツ一枚の征服王が居る時点でもうあれだけどあの部屋着は寒そうだ

87 :
そうなの?残念
セイバーにはスカートはいてて欲しかったな
スカートならセクハラもしやすくてギルも喜んだだろうし

88 :
何だこの長文ww

89 :
ギルはスカート派かな?
てか一度ギルのトンデモセンスでセイバーを着飾らせてみたいねw
酷いことになりそうだけど、セイバー自身センスなさそうだし以外に気に入るかもしれないよ

90 :
つ【ライオン着ぐるみ】

91 :
公式設定では一応お洒落なギル様
でもホロウの一点物はないわー
女体化企画のナイスバディギルならあの奇抜な衣装も似合いそうだが

92 :
どの服も無理だわー
まあそれ含めて笑えるから好きだけどw
好きな子への行動も、ファッションセンスもなギルが大好きです

93 :
>>91
どう考えても少数派だと思うけどむしろあのホロウの服好きだよ
どこで売ってんだよみたいな唯一無二加減がw

94 :
あの小判みたいなハッピーターンみたいなのは何なの?
お洒落なの?

95 :
ハッピーターンw確かにw
いちおうオサレのつもりなんじゃね?ギルの中ではな
しかしあんな服よりセイバーとペアでスーツ着てくれないかな〜

96 :
もうやだ、このスレ

97 :
金剣厨は巣に帰れよ

98 :
>>97
構ったら負け
スルーしろ

99 :
>>91
なんだあれヤベェェエェェェ
もみしだきたい下…ッ!
企画ならあのギルはゲームには出ないのか…勿体無いな

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