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2012年3月アニキャラ総合304: 【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 12【一般】 (485) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 12【一般】


1 :
ここはローゼンメイデンの一般向けSS(小説)を投下するスレです。
SSを投下してくれる職人は神様です。文句があってもぐっとこらえ、笑顔でスルーしましょう。
18禁や虐待の要素のあるSSの投下は厳禁です。それらを投下したい場合は、エロパロ板なりの相応のスレに行きましょう。
次スレは>>950を踏んだ人が、またはスレ容量が500KBに近くなったら立てましょう。

2 :
前スレ
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 11【一般】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1287763738/
過去スレ
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 10【一般】
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1255756428/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 9【一般】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1222956916/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 8【一般】
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1198461642/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 7【一般】
http://anime3.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1191748088/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 6【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1184419565/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 5【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1178641673/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 4【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1171710619/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 3【一般】
http://anime2.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1156249254/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ 2【一般】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1146976611/
【ノーマル】ローゼンメイデンのSSスレ【一般】
http://anime.2ch.net/test/read.cgi/anichara/1143018114/
保管庫
ttp://rozen.s151.xrea.com/
ttp://www.geocities.jp/rozenmaiden_hokanko/
ttp://rinrin.saiin.net/~library/cgi-bin/1106116340/
避難所(規制時投下先)
ローゼンメイデンのSSスレ 避難所
ttp://jbbs.livedoor.jp/otaku/14657/

3 :
■スーパーリンク
ttp://www.tbs.co.jp/rozen-maiden/
↑ TBS公式
ttp://p-pit.ktplan.ne.jp/
↑ もものたね (原作PEACH-PITのHP)
ttp://www.gentosha-comics.net/birz/index.html
↑ コミックバーズ
ttp://kanaria.ddo.jp/rozen_upload2/
↑ アップローダー (画像関連)
ttp://i.cool.ne.jp/rozen-aa/
↑ ローゼンメイデンAA保管庫
ttp://futaba-info.sakura.ne.jp/cgi/dic/chara/ziten.cgi?action=aiu_i
↑ 虹裏キャラ辞典 (実装・赤提灯など)
ttp://rozen.sync2ch.cc/
↑ 2ch RozenMaiden過去ログ倉庫

4 :
以上テンプレでした。
さよなライオン!

5 :
即死回避が必要らしいので
駄文埋めを図ります

6 :
 昨日の雨が上がって空は底抜けの青さ。
 まあ、視界の端には雲も見えてはいるけれども。気にしない気にしない。
 物件も見ずに決めた郊外の古い一軒家は、つい1週間前まで学生が住んでいたせいか荒れ放題と言うわけでもなく、パッと見にはなかなかのものに見えた。
 もっとも一戸建てに庭と駐車場、物置までついて敷金礼金なしの月額3.5万円という、街中ではまずお目にかかれない格安物件というところが素晴らさの主要因であることは否定しない。
 有体に言ってしまえば田舎のボロ家だ。
 しかしそんなことは百も承知。
 にやにやしっ放しで縁側から引越し荷物一式を屋内に入れ、借りてきた1トントラックを置いてチャリで戻ってくると、俺はまだ電灯一つ据え付けてない家の真ん中で一人祝杯を上げた。
 ビバマイハウス。素晴らしい。
 いい加減に酔っ払ってから、缶ビール片手に家の中を見て回る。
 予想通りのオンボロで、窓なんかはこのご時世というのにサッシでないところさえあったものの、学生が一人で住んでいたにしてはどの部屋も荒れていなかった。
 よほど几帳面なやつだったのか、出て行く前に掃除でもしていったのか。
 異変に気付いたのは、玄関に回ったときだった。
 外から見たときは気が付かなかったが、玄関に何か四角いものが置かれていた。
 ボロ家にそぐわないと言えばそぐわない、古さという点では似つかわしいとも言えそうなそれは、革製の大きなトランクだった。
 無論俺の荷物ではない。上にうっすらと埃が積もっているから、間違いなく暫く前からここに置いてあったものだ。
──前の住人の持ち物か?
 しかし学生が持つにしては違和感がある。アンティーク趣味のおっさんおばはんあたりが好きそうな凝ったデザインだ。
 それに、忘れ物だとしたらこんなでかくて目立つものを1週間もほおって置くとは思えない。いくらなんでも気付くだろう。
──この家の備品か何かでも詰まってるのか。
 その方がまだ可能性としてはありそうだ。
 温くなってしまったビールをちびりと遣りながら、取り敢えず開けてみようと俺は決めた。
 忘れ物なら鍵がかかってるだろう。この家の品なら素直に開くに違いない。
 UHFアンテナか延長コードでも入っててくれれば御の字なんだが、と買い忘れたものが都合よく入っていてくれることを期待しながら鞄に手を掛ける。

7 :
「……なんだこりゃ」
 あっさりと開いたそこに入っていたのは、予想の斜め上を行く品物だった。
「子供……?」
 暫く俺はその姿勢のまま固まっていた。
 丁寧に内張りされたトランクの中には、栗色のショートカットに青い服、黒い帽子を被った子供がひざを抱えるようにして……
 なんだこれは。人死体遺棄事件てやつか。いや腐臭はない。少なくとも俺の鼻には感じられない。血の匂いもない。じゃあなんだ。できたての病死体。まさか。
 いや死んでるとは限らないだろう。その辺のガキがかくれんぼのついでに空いたトランクに入ってみせてるんじゃないのか。
 しかし、凝固したような視線をじっと向けていても、子供は一向に起き出す気配はなく、それどころか微動だにしなかった。
 ビール缶に付いた露で濡らした指をおそるおそる口元にかざしてみたが、風の動きは感じられない。つまりは……
──いや待て。冷静になれ俺。脈だ。脈があれば生きてる。
 後から考えればお笑いなのだが、とにかくそのときの俺は「脈を取れば生死がわかる」というところに考えが固着してしまっていた。
 アル中のおっさんもかくやというほど震える手を慎重に伸ばし、子供の手首を掴んで……
「……なんだ、脅かしやがって……」
 俺はその場にへたりこんだ。汗が安堵感と一緒にどっと全身の毛穴から噴き出したような気がする。
 トランクの中にいたのは、子供じゃなかった。手首の感触は柔らかかったが人間のそれとは決定的に違っていた。人形の関節だった。

8 :
 トランクを薄暗い玄関から縁側に運び出し、ビールをもう一缶空けてから改めて中身を観察してみる。
 中は高級そうな絹の内張りで、そこに立たせると80センチはありそうなでっかい人形が納まっている。どっちもできたての新品のように綺麗だった。
 念のため肩と肘をそっと触ってみたが、やはり両方とも人間のものではなかった。
 球体関節というやつだろう、大きさはだいぶ違うが昔懐かしのコンバットジョーやらミクロマンと同じタイプ。人間とおおむね同じポーズが取れるってアレだ。
 するってーとこいつがアンティークドールってやつか。話に聞いたことはあるし、愛好家がいるというのも知っているが、実物を見るのは初めてだった。
 人形とはいえレジンやらポリプロピレンあたりの素材で組み立てられた大量生産品とは別格だ。
 着ている物は人間用の衣装と同じかそれ以上に凝っている。髪の毛の質感も安いナイロン糸とは訳が違うようだ。
 それに何より、肌の質感や造形が半端じゃない。義肢の上張りに使うようなシリコン系かゴム系の素材を使ってるんだろうが、上っ面だけ塗りつけたんじゃなく、積層は分厚い。
 手や顔なんかは骨の上に素材そのものを盛ってあるようだ。つついてみた触感も含めてまるきり人間そのものだった。
 もっとも、よく見れば顔立ちはいささか美少年過ぎる。もう少し不細工にできていたなら、逆に人間と見分けがつかないだろう。
──こんなモン作るのに幾ら掛かるんだか。
 そんなことを考えながら鞄を閉じようとして、ふと人形の脇に置かれたものに目が行った。少し洒落た形をしているがゼンマイ巻きのようだった。
 他にオルゴールでも入ってるのかと鞄の中をよく見直してみると、案に相違してゼンマイ穴は人形の背中のほうに開いていた。
 これはすごい。ぜんまい巻いたらカタカタ動き出す、なんてお茶汲み人形も真っ青のギミックまでついてるとは、さすがこの手のアンティーク風当世物。
 しかし、待てよ。どう動かすつもりなんだこれ?
 二本足で歩くのか、時計でも内蔵されてるのか、なんにしても不自然だ。
 この体型で二足歩行なんて人間でもなければバランス取れそうにないし、頭かなんかがぱっくり割れて鳩がコンニチハって方も、斜め上すぎて幾らなんでもなさそうな気がする。
 だいたい、愛好家連中は人形買うと「○○ちゃんをお迎えしました〜〜♪」とか言うんだよな、確か。まさにこういうトランクなんかに入れて旅行に連れて行ったり。
 そんなもんに安物の家電みたいに余分な機能を付けるもんかね?
「わからんなぁ」
 謎だ。動かしてみれば分かるとは思うが。
 だが、さすがに鞄から取り出して勝手に動かすのはまずすぎる。なにやら異様に高価そうな代物だし、無闇にぺとぺと触るのでも止めておいたほうが良さそうだ。
 もっとも既に数回触ってしまっているわけだが、そこは勘弁して貰うしかない。手首などに指紋が付くような触り方をしたのは、こっちとしても事情があってのことだ。
 問題はこれが誰のものかということだが……
 鍵が掛っていなかったとはいえ、最初に期待してたような物でなかった以上、これは前の住人の忘れ物とみて間違いなかろう。
 まあ取り敢えずは大家に連絡しよう、と俺は鞄を閉じた。

9 :
意外に容量がなかった。残念。
という訳で今のところ続きはありません。悪しからず。

10 :
スレ立て乙。
この板の即死回避条件ってどうなってんの?

11 :
3レス転載します。
>>10
よくある10レスで回避ってやつかも? と前スレの冒頭見て思ったんですが。
でも他のスレでは見なかったような気もする。

12 :
シカ婆「ああ、任せといておくれ。
ところで、あんた折角里へ来たんだし、正月をここで過ごしていったらどう
だい?」
番人「ああ、いや、今夜一晩は里に泊めてもらうが、明日の朝には帰るよ。
やっぱり、西側の番人としてはあまり長くあの場所をあけておきたくねえし
な。
それに、最近、犬を飼い始めたんだ。
明日までは大丈夫なように食い物を置いてきたけど、ずっとほっとく訳には
いかなくてな。」
シカ婆「そうかい。まあ、それじゃしょうがないね。あんたは西側の警戒の
要だしね。」
番人「まあな。西側は任せといてくれ。
ただ、他の方角までは距離がありすぎて手が届かねえから、そっちは他の奴
らで警戒を頼むぜ。」
シカ婆「ああ、分かってるよ。今の侍ごとの親方はしっかりしてるし、結界
もある。心配いらんよ。
ところで、今夜はこの家に泊まるよね?」
番人「ああ、いや、この後兄貴の所へ行くつもりだから、そのままそっちへ
泊めてもらうつもりだ。
何か、実験始めちまって手が離せねえって言うけど、手え動かしながら話聞
くぐらいは出来るだろうからな。」
シカ婆「あの子は実験だの分析にのめり込んじまうとアレだから、聞くかど
うか怪しいよ(笑)
ま、これだけ大事な事だから大丈夫とは思うけどね。」
番人「ははは、兄貴は昔からああいうのにのめり込むとまわり見えなくなる
からな(笑)ま、無理にでも聞いて貰うさ。」

13 :
シカ婆「ま、長老としての自覚もあるだろうからきっと大丈夫さ。
じゃあ、柿屋敷に泊まるとして、夕飯はうちで食べていくだろう?
あの家、干し柿しかないよ(笑)」
番人「ははは、それもそうだな(笑)じゃあ、もうしばらく居て、夕飯はこ
こで食わせて貰うよ。」
その後、夕飯時までは他愛のない話をする。
番人が最近飼い始めた変わった仔犬の話はかなり面白く、皆で笑い転げる。
夕飯がすむと、番人は柿屋敷へ向かう支度をする。
シカ婆さんは明日の朝里を発つ前に顔を出して行くように言い、送り出す。
銀「番人さん、全然変わってなかったね。」
シカ婆「そうだね。元気でよかったよ。」
カ「ねえ、シカさん、番人さんの話・・・」
シカ婆「ああ。」
カ「場合によってはかなり深刻よね?」
シカ婆「ああ、場合によってはそうだね。最悪の場合、この場所は捨てない
といかんかもしれない。」
銀「えっ、そんな・・・」
カ「ここまで作り上げた里を今さら捨てられるの?」
シカ婆「そりゃもう、それは大変な事になる。出来るだけしたくないね。
でも、あたしらの財産は醸しの技と醸しの種だ。それさえあれば場所は変わ
っても何とかなるさ。
それにね、弟が話したのはあくまでも最悪の場合の話だよ。
そこまで悪い方へ物事が運ぶ事は滅多にないさ。
あたしら長老は里を守る立場だからね、そういう最悪の場合の事も考えない
といけない。
弟もそれが分かってるからああいう話もしたけど、まずそこまでの事は起き
やしないよ。」

14 :
カ「本当?」
シカ婆「本当だとも。今までも、心配な事はたくさんあったのさ。
それこそ、このあたりが大軍同士のいくさの場所になりそうだった事さえあ
るんだよ。
でも、実際はそんな事にはならなかった。
今回はそれに比べれば大した事じゃないさ。
結界があるからまず見つかりやしないし、見つかったら見つかったで、検地
のお役人に袖の下を握らせれば何とでもなるさ。」
カ「ああ、そうね、賄賂って方法もあるね。」
シカ婆「他にも色々方法はあるのさ。だから、あんたらは心配しないで暮ら
しなさい。」
シカ婆さんはいつもの人を安心させる笑顔を浮かべる。
カワセミと水銀燈も安心して笑顔になる。
シカ婆「そうそう、弟が帰るとき、お餠と正月料理を少し持たせてやりたい
んだ。
ちょっと料理と包むの手伝っておくれ。」
カ・銀「はーい。」
三人は少し遅くまで料理をし、いくつかの正月料理を完成させ、大きな竹の
弁当箱に詰める。
良い具合に乾いた餠をいくつか選び、弁当箱と一緒に風呂敷に包む。

15 :
3レス投下します。
現在不良超長期掲載物を複数抱えてる身なので>>6-8の続きはご勘弁願いたく。
あくまで即死回避用の埋蔵物ということで。

16 :
>>1
スレ立て乙っすー。
>>6-8
投下乙です。
男のモノローグ形式もいいですね。
読みやすくていい感じです。
続き・新作が浮かんだら是非投下を。

17 :
翌朝。
番人は昼に近い時間になって現れた。
シカ婆「どうだい、あの子とゆっくり話せたかい?」
番人「ああ、兄貴は分析の手を動かしながらだけど、話はたっぷり出来たぜ。
気になる事の話だけじゃなくて、昔の思い出話までしちまったぜ。ついつい、
夜更かししちまって寝坊したよ。」
シカ婆「あはは、まあ、たくさん話せたなら良かったね。それで何か言って
たかい?」
番人「まあ、特に。考えておく、とは言ってたけどな。」
シカ婆「ま、あの子ならそんなとこだろうね(笑)
そうそう、これ。正月料理とお餅だよ。持っていきんさい。」
番人「おお、すまねえな、姉貴。ありがたく頂くよ。」
シカ婆「どういたしまして。
また、もうちょっとまめに里に顔出しんさいな。半日とかからない所に住ん
でるんだから。」
番人「ああ、気が向いたらな。
じゃあまたな、姉貴、お嬢ちゃんたち。世話になったな。」
銀「ええ、また。」
カ「またお待ちしています。」
シカ婆「ああ、またね。近いうちに来んさいよ。」
番人は軽く手を上げると歩き去って行った。
カ「不思議な人ね。」
銀「ええ、でもいい人ね。」
シカ婆「わが弟ながら、何となくうさんくさいけどね(笑)」
カワセミと水銀燈も、口には出さないが内心そう思っていたので笑い転げる。

18 :
今年も残すはあと二日。
一度、カワセミが警備の当番で抜けた以外はずっと三人で正月の支度を続け
る。
例によって共同作業場に晴れ着用の支度部屋が整えられ、いつも借りている
大鏡を持って行って据える。
そして大晦日の夜。
大掃除もお節の支度も済み、いつも通り酒樽も運び込んで正月の支度は万全
だ。
年越し蕎麦を食べ、いつもより夜更かししてお喋りする。
シカ婆「今年はいい年だったね。」
銀「ええ、本当に素晴らしい年だったわ。」
カ「本当だね・・・今年は最高だったね。」
シカ婆「来年もいい年にしようね。」
カ・銀「ええ!」
風に乗って微かに除夜の鐘が聞こえてくる。
鐘の音に聞き入りながら、三人はぐっすりと眠る。

19 :
>>15の一行目の恥ずかしい誤字。
× 投下
○ 転載
いくらなんでも他人様の文を自分のもの扱いしちゃいけません。反省orz

20 :
規制、終わったかな?

21 :
規制、解除されました。
転載、どうもありがとうございました。

22 :

一晩明けて正月。
この里で祝う二度目の正月だ。
好天は続いており、元旦からからりと晴れた青空が広がる。
三人は去年と同じく、新年の挨拶をし、雑煮とお節とお屠蘇の朝食をゆった
りと楽しむ。
料理は去年より一回り豪華になっていた。
昼からは初詣だ。
晴れ着に着替え、広場へと向かう。
一回り立派になった祭壇に順番にお参りし、北の社と南の祠にもお参りする。
去年はいろいろな事が上手く行った年だったので感謝の祈りも長く、結構時
間が掛かった。
とはいえ、元旦の合同初詣はもともと比較的簡素な行事だ。
長くなったといっても午後の早いうちに終わり、あとは広場での雑談になる。
寒い中ではあるが、甘酒と温かい汁物が出され、それなりに話がはずむ。
長老たち、親方たち、職人たち、女衆たち、源三くん、仁くん、クローザー
さん・・・皆の姿があり、入れ替わり立ちかわり新年の挨拶と雑談、そして
笑顔の交換が繰り返される。
親しい人間の増えた今となっては、いつまで経っても話は尽きないのだが、
夕方になるとさすがに寒くなり、みんな家路についた。
夜も御馳走三昧だ。
去年はあまりなかった海産物が今年は豊富になっている。
特に海老が華やかだ。
三人はご馳走を堪能する。
カワセミは例によって、あー太る太ると言いながら一番たくさん食べていた。

23 :
開けて二日。
朝食が終わるとシカ婆さんは重箱に料理を詰め、餠をいくつか持って柿屋敷
に行ってきた。
何でも、柿屋敷の先生は年末の鉱物調べ以来、分析にのめりこんでしまって
正月の支度もせず、ろくに食べてすらいないらしい。
シカ婆「全く、あの子も困ったもんだよ、いい年して・・・まあ、集中力が
あるのは悪い事じゃないけどねえ。」
カ「食べるのも忘れて、って凄いよねえ。」
銀(食いしん坊のカワセミなら有り得ないわね・・・)
カ「・・・ねえ、水銀燈、あなた今なんか失礼な事考えなかった?(笑)」
銀「え?何の事かしら?(笑)」
シカ婆「ま、食べ物は置いて来たから大丈夫さ。しかし、今年は正月料理を
多めに作っておいて良かったねえ。」
カ「ほんとね。品数が増えたから三が日で食べられるのか心配なぐらいだっ
たけど、丁度よくなりそう。」
シカ婆・銀(いや、カワセミの食欲なら余る事は・・・)
カ「ねえ、二人とも、今何か・・・(笑)」
シカ婆・銀「(笑)」

24 :

午後は書き初め、という儀式をする。
儀式と言っても大げさな物ではなく、ほんのちょっと形式ばった書の練習だ。
去年は紙があまりなかったので子供のいる家以外ではやらなかったのだが、
今年はほとんどの家でやっているらしい。
水銀燈も読書やシカ婆さんの手ほどきのおかげ、そして酪水の開発の時にい
ろいろ書いた経験から、書く事もほぼ不自由なくできるようになっていた。
ゆっくりと墨をすり、普通の筆では大きすぎるので小筆を使い、様々なおめ
でたい言葉を半紙に書いていく。
かなりの達筆のシカ婆さんには及ばないものの、なかなか上手に書が書けた。
カワセミもそこそこ書が上手いのだが、途中から脱線して水墨画を書き始め
る。
結構上手い。
そういえば以前、絵地図を巧みに描いていた事もあった。
最終的に、この家を背景にシカ婆さん、カワセミ、水銀燈が並んで立ってい
る絵をなかなか見事に描きあげる。
シカ婆さんはにこにこしながら、水銀燈の書とカワセミの画を簡単な掛け軸
風に仕立て、部屋の壁に飾る。
気づくともう夜だ。
書と画の後始末をし・・・結構、墨がとんでいた・・・食事をする。
こういう時には準備の楽なお節料理は便利だ。
食事が終わっても、今日の書と画の出来具合の話、書の歴史の話、カワセミ
がかなり画才があるという話、有名な絵師の話・・・と話題は尽きなかった。
三人は夜半までお喋りをしてから眠る。

25 :

そして三日。
この里では三が日が終わると概ね正月が終わるため、楽しい正月も今日が最
後の日だ。
天気は良いし、からりと乾燥した空気で清清しい日ではあるが、非常に寒い。
しかも風が強かった。
三人は外に出ないで家の中で過ごした。
だらだらしながら食べ続け、時折かるたや双六で遊んだりする。
正月の定番とも言える過ごし方だ。
外は風が強いようで風音が聞こえるし、どこかが微かにがたがたと鳴ってい
る。
それでも三人で過ごしていれば気になる程ではなく、家の中は温かく穏やか
だった。
穏やかで楽しい時間は早く過ぎてしまう。
気が付くともう、夕食の時間だ。
昼間あれだけ食べ続けたのにまた餠をたくさん食べ、お節料理を食べつくす。
すっかり満腹になり、食事の後片付けをする。
囲炉裏を囲み、お茶と茶菓子、そしてシカ婆さんはぐい飲みを手にする。
ぼんやりとしてあたたかい雰囲気の中、取り留めのない事を話す。
穏やかで気だるく、幸せな時間だ。
カワセミ「ん?」
シカ婆「おや?」
二人はちょっと不審げな表情になる。
銀「? どうしたの?」

26 :

突然、夜だというのに窓の外が明るくなる。
陽光の色とは違う、もっと橙色の明るさだ。
そして、大勢の叫び声が聞こえてきた。
カワセミは飛び上がり、縁側に走り寄ると素早く雨戸を開ける。
シカ婆さんも水銀燈を抱きあげてカワセミに続く。
カ・銀・シカ婆「!!」
三人は驚愕に言葉を失う。
里のあちこちに火の手が上がっていた。
まだ里全体を覆う程ではないものの、驚くほど急に火が燃え広がっている。
あたりは昼間のように明るい。
銀「か、火事?」
カ「あれを!」
カワセミは南西のあたりの一角を指差す。
そこには唖然とするような光景が広がっていた。
大勢の人間がいた。
里の者ではない。
皆、胴丸を付けるか鎧を着込み、槍や刀、弓矢、斧、木槌などを手にしてい
る。
半数ほどの人間は松明(たいまつ)も手にしている。
これは明らかに軍勢であり、兵だ。
弓矢を手にした者たちは火のついた矢をつがえ、次々と放っている。
何人かが細長い布を振り回している。
長い布を二つ折りにし、そこに何か丸っこいものを挟んで振り回し、勢いが
ついたところで上手くその布の一方を放すと、かなり遠くまで丸っこい何か
が飛ぶ。
小さな壷か何かのようだ。
壷は近場にある里の建物を狙って放たれているらしい。
建物にあたると壷は割れ、中からどろりとした液体が流れ出す。
そこへ火矢が当たると急激に炎が上がる。
乾燥続きの気候のせいでどこもかしこも乾ききっている。
折からの風にあおられ、火はあっという間に燃え広がる。

27 :
解除おめっす。
ついに来たねぇ公儀隠密(違
ジ(ュ)ン君の頑張りに期待。

28 :
「者ども!」
急に大声が響き渡る。
呆然と・・・戦闘経験のあるカワセミでさえ呆然としていた・・・燃える里
に見入っていた三人ははっとわれに返る。
声のするほうを見ると、一人だけ、山の中だというのに馬に乗った男が居る。
立派な鎧兜を身につけ、抜き身の刀を掲げている。
よく見ると男は腕に包帯を巻いており、そこに血が滲んでいる。
周りの徒歩の男たちにもちらほらと怪我をしている者が居る。
騎馬の男「者ども!ここの化け物どもが隣国の卑怯者どもの手先であること
は明白だ!
やれ!せ!焼き払え!」
別の男「隣国の手先をせ!化け物どもを焼き払え!」
銀(化け物?隣国の手先?・・・一体何のこと?それに・・・せ、ってそんな)
兵たち「せ!焼き払え!」
騎馬の男「かかれ!」
全員「応!」
男たちは雄たけびをあげながら武器を構え、手近にあった数軒の家へと到
していく。
目は吊りあがって血走り、興奮に半ば我を忘れた状態だ。

29 :
軍勢のそばの家から里の者らしい男が両手をあげながら飛び出してくる。
里人「待ってくれ!俺たちはなにも・・・がっ!!」
問答無用で槍が突き出され、男は串刺しになって痙攣する。
刺した兵は容赦なく男を蹴りはなし、槍を引き抜くと次の獲物をさがす。
話し合いなど出来る状態ではないようだ。
騎馬の男「本陣以外は散開して攻撃だ!手元に固まるな!奥へ散開しろ!
大きな建物からどんどん焼き払え!」
一同「おお!」
たいまつと武器を持った兵たちが四方八方へ走り出す。
どういった経過でこうなったのかは分からないが、里は完全に不意打ちを受
けてしまった。
軍勢・・・敵は容赦なく襲い掛かって来ている。
シカ婆「こ、こんな・・・何で・・・そんなはずは・・・結界は・・・」
シカ婆さんは両手を胸の前で合わせ、指を複雑に絡み合わせ、何か唱えよう
とした。
が、その動作を急に止め、視線が一点に釘付けになる。
カワセミと水銀燈はシカ婆さんの視線を追う。
カ「あっ!」
騎馬の男の少し後ろに道服姿の男が数人立っている。
先頭の男は豪華な道服を身につけ、星を象った複雑な紋章をあちこちにつけ
ている。
指にまじない紐のような物をまきつけ、両手で印を組んで里の中心の方を見
つめている。
カ「陰陽師・・・」
背後の闇の中からゆっくりと大きな鳥が飛んできて道服の男の一人の肩にと
まる。
・・・いや、よく見ると鳥ではない。鳥のような翼を持つが鳥ではない何か、だ。
男が何かを差し出すと、その翼をもつ何かは差し出されたものを掴み、飛び
立ってゆく。

30 :
>>27
コメントありがとうございます。
ええ、やっと規制が解けました。
皆さんにご面倒をおかけしてしまっていましたが、これで自力で進められます。
しかし、一回の連載で規制が三回・・・なんともまあ。
♪ ら〜ら〜ら らら〜ら〜 ことぉばに できなぁい〜 ♪

31 :

その間にも新たにあちこちで炎があがり、悲鳴が上がる。
三人とも棒立ちになったまま動けない。
数人の兵が向きを変え、こちらに向かってくる。
カワセミは我に返ると一瞬だけ考え、手裏剣やクナイの入った袋と玄関に置
いてあった自分の槍をひっつかみ、先程雨戸を開けた縁側から飛び出す。
銀「カワセミ!」
カ「私がここで食い止める!その間に逃げて!」
言いながら、カワセミは飛んできた火矢を槍で叩き落す。
銀「駄目!カワセミも一緒に!」
カワセミは丸々一枚開いていた雨戸を顔の幅ぐらいだけ残して閉める。
カ「あんた達は足が遅い。普通に逃げたら追いつかれる。私が時間を稼ぐか
ら、その間に皆と合流するか、脱出路へ!」
カワセミは再び火矢を叩き落す。
銀「でも!」
カ「早く!あんた達が出て、百数えたら私も行くから!」
銀「カワセミ!」
シカ婆「水銀燈、カワセミの言う通りにしよう。多分、それが一番だ。」
シカ婆さんは軍勢と陰陽師の登場の驚きから回復したようだ。
シカ婆「カワセミ!言う通りにするよ。ただ、百も数える必要はない。五十
数えたら追っておいで!」
カ「分かった!」
シカ婆さんは玄関に駆け寄り、一瞬考えたあと、荒地に強い二号車の車椅子
を抱え上げて裏口へ運ぶ。
次いで玄関に戻ると自分の草鞋を持ち、水銀燈を抱き上げて裏口に連れて行
き、手早く車椅子に乗せる。
部屋にあった小さな袋と懐刀だけを懐に入れ、草鞋を履く。

32 :
シカ婆「出るよ!」
カ「急いで!」
シカ婆さんは裏口を細く開け、様子を伺う。
見える範囲では誰も居ない。
裏口を大きく開け、水銀燈の車椅子を押しながら小走りに東の道へ向かう。
幸い、先の方も足元が見える程度には明るい。
先の方も明るい?
辺りを見回すと、思った以上に火が燃え広がっている。
軍勢はまだ東側には回り込んでいないようだったが、先の方にもぽつぽつと
火の手が上がっている。
この乾燥と風だ。
火が燃え広がるのは相当速いだろう。
急いで何とかしないと里中が燃えてしまう。
突然、シカ婆さんが足を止め、その場にしゃがみこむ。
銀「シカさん!」
シカ婆「・・・あああ・・・あたしのせいだ・・・よその陰陽師に結界が破られた
のに気づかないなんて・・・」
銀「シカさん・・・」
一瞬、水銀燈もその場で動けなくなりかける。
しかし、後ろで戦っているはずのカワセミや、恐らく逃げまどっている里の
皆の事が頭に浮かぶ。
水銀燈はシカ婆さんの腕に触れながら強い声音で言う。
銀「シカさん!今は行かないと!きっとみんな逃げてる。誰かが皆をまとめ
ないと!」
シカ婆「・・・そうだね・・・行かないと・・・」
シカ婆はよろよろと立ち上がり、再び進み始める。

33 :
水銀燈はシカ婆さんにも押して貰いながら、車椅子を懸命に進める。
曲がり角になっている場所まで来ていったん足を止め、建物の壁のかげから
森の東側の道の様子を伺う。
銀「あっ・・・」
森の東側の脱出路のある辺りは炎に包まれていた。
軍勢はまだ来ていないのに、どうして?
ばさばさと音を立てて、炎の向こう側から何かが飛んでくる。
茶色くてちょっと白っぽく、割と頭の大きい鳥・・・いや、鳥ではない。
近くで見ると良く分かる。
それは鳥の翼に獣の頭部を持つ、異形の存在だ。
その何かは、明らかに先程の陰陽師の肩に止まっていたものだった。
・・・そして、以前、里の上空を旋回しているところを水銀燈が見かけたもの
だった。
よく見るとその異形の獣は一匹ではなく数匹おり、東の道の入り口の上空に
集まっていた。
さらに一匹の獣が飛来すると、空から何かを東の道に落とす。
その何かが落ちるとさらに大きな炎があがる。
異形の獣は明らかに脱出路を塞ごうとしていた。・・・おそらくは、先程の陰
陽師の命令で。
炎はかなり大きくなっており、ここを通る事はできない。
シカ婆「水銀燈、ここは駄目だ。共同作業場の地下の脱出路を使おう。多分、
みんなそこにいるはずだよ。」
銀「え、ええ、そうね。」
幸い、異形の獣は二人に気づいていないようだ。
二人は東側の森から離れ、進路を北に取り、共同作業場へと向かう。
微かだが戦闘の物音らしいものが聞こえる。
炎が上がっているのも見える。

34 :

二人は共同作業場がはっきり見えるところまで来る。
炎がかなり広がっている。
共同作業場はほとんどが炎上している。
広場の北側では里の警備の者たちを中心に、戦える男たちが小さな防衛線を
作り、抵抗が行なわれていた。
侍ごとの親方が大槍を振り回している。
その向こう側に何人かの里人がおり、戦う者たちの手助けをしつつこちらを
気に掛けているようだ。
何人か見覚えのある姿が見えたような気もするがはっきりしない。
一応防衛線を作ってはいるものの、不意をつかれたためか、里の方は十人も
いない。
武器や防具も少ないし、統制がとれていない。
敵ははるかに数が多い上、完全武装だ。弓矢もある。
多勢に無勢だ。
間もなく、全滅するか防衛線が崩れて散り散りになるだろう。
炎はどんどん勢いを増す。
炎と敵の陣のせいで、これ以上北側へは行けない。
様子すら見えなくなってくる。
シカ婆「ああ!」
シカ婆さんの視線の先を見ると・・・あの、地下の抜け道のある蔵が炎上して
いた。
抜け道を見抜かれたのか、単に目立つ大きな建物だから火を放たれたのか。
その木造の蔵はまるで松明のように炎上していた。
これでは地下の抜け道は使えない。
そもそも、近づくことさえできなかった。

35 :
あっ。
上のログ、
「二人は南側からそっと広場に近づき、物陰から様子を伺う。
 広場にたくさんの敵が見える。」
が抜けてました。
シカ&ギンは物陰から様子を伺っています。
敵の軍勢の南にシカ&ギン、北側に里の防衛線。
大勢の敵に間に入られ、合流できない状態です。

36 :
?「スイギントウ〜!シカサン!」
訛のある叫び声が先の方から聞こえてくる。
微かに大きな人影が見えたような気がする。
銀(クローザーさん?・・・あ、だめ!危ない!!)
敵の陣から驚愕の叫び声が上がる。
兵「鬼だあ!!」
少し立派な鎧を着た男が叫ぶ。
男「ひるむな!矢、放て!」
一瞬の間の後、ひゅんひゅんと音を立てて矢が放たれる。
向こうの方で叫び声が上がる。
銀「クローザーさん!!」
炎と人に遮られ、状況は分からない。
クローザーが矢に驚いて逃げたのであって欲しかった。
シカ婆さんは血が滲むほど唇をかみ締めていたが、決断を下し、口を開く。
シカ婆「水銀燈、抜け道は駄目だ。それにこれ以上北側へも行けない。
あたしたちは南側の脱出路へ行こう。」
銀「え?南へ?」
シカ婆「ああ。敵は自分達が火に巻かれない様に、自分達が来た南側だけは
火を付けてない筈だ。
連中をすり抜けていく事になるから厳しいが、逃げられるのはそこしかない。
カワセミと合流して、生き残りが居れば拾って、南の脱出路を目指そう。
あそこは常緑樹が多くて視界が利かないから、あの鳥もどきにも見つかりに
くいはずだ。」
銀「え、それはそうだけど、でも・・・北側にいるみんなは?」
シカ婆さんは血を吐くような声で言う。
シカ婆「ここより北の里人には・・・もうあたしたちにはどうしてやること
も出来ない。それぞれ、無事に逃げてくれて、後で合流できる事を祈るしか
ない。」
銀「・・・分かったわ。」
涙をこらえながら二人はその場を離れ、目立たないように物陰伝いに進む。

37 :
まわりに注意しながら、家の方へと向かう。
火は燃え広がり、あるいはさらに火矢を放たれ、ほとんど全ての建物が燃え
ていた。
周囲の森にも火が放たれたようで、ぐるりと里を丸く取り巻くように炎が上
がっている。
里は完全に炎に包囲されてしまっていた。
あたりの空気自体が熱を持ち始めており、時折熱気がうねるのを肌で感じる。
家に近づくと、裏側には誰もいないが、表側からは戦闘の物音がしている。
そして、この家も燃え始めていた。
カワセミは五十数えたら追ってくるはずだが・・・とっくにそれだけの時間
は経っているはずだ。
二人は裏口をそっと開けて家の中の様子を伺う。
家の中はまだほとんど燃えていないものの、かなり熱くなっており、熱い空
気が形あるもののように顔を打つ。
所々から煙が上がっている。
カワセミはまだ家の前で戦っていた。
雨戸が一枚だけ残して倒れており、縁側の前で槍を構えたカワセミが見える。
銀「カワセミ!」
カ「!!馬鹿、何で戻って来たの!?」

38 :
銀「東も、地下の抜け道も燃えてて駄目だったの!南に行くしかっ、危ない!!」
水銀燈の叫びを聞いてカワセミは振り向く。
少し離れた茂みから弓矢を構えた兵が立ち上がり、さらにそれぞれ槍と刀を
構えた二人の兵が呼吸を合わせて左右から突っ込んでくる。
カワセミは一瞬で弓兵に手裏剣を放つ。
弓兵は喉を押さえてのけぞり、そのまま後ろに倒れる。
矢は放たれたが、狙いがそれてあさっての方向へ飛んでいく。
刀を持った兵が右から突っ込んでくる。
カワセミは右側へ大きく踏み込みながら、勢いを付けて槍を突き出す。
兵は刀で槍を払おうとしたが、両者とも踏み込んでいるので勢いが強く、払
いきれない。
槍は兵の左肩と胸の境あたりに深々と突き刺さる。
同時に左から槍を持った兵が突きかかってくる。
カワセミは自分の槍から手を離し、斜めに身を沈めてぎりぎりで槍をかわす。
そのまま敵の槍の柄を左手で掴み、力いっぱい引く。
敵はたたらを踏んで前のめりになる。
カワセミは槍を掴んだまま一気に踏み込み、右手で順手に握った手裏剣を相
手の顔に突き刺す。
敵は槍から手を離して両手で顔を覆い、叫びを上げる。
カワセミはそのまま敵の槍を奪い、中ほどを握って半回転させ、穂先を前に
して逆手に掴み、勢いをつけて体ごとのしかかるように槍を敵に突き刺す。
敵はそのまま仰向けに倒れ、上半身が半ば空中に浮いたまま串刺しになる。
勢いでカワセミも一緒に倒れこむが、すぐに立ち上がる。
先程の刀を持った兵は膝をつき、肩に刺さった槍を抜こうともがいている。
カワセミは槍の柄を掴んでえぐりこんで兵に止めを刺し、その体を蹴り放し
て槍を引き抜く。
血が噴水のように噴き出す。
まるで鬼神のような戦いぶりだ。

39 :
ひなちゃがいつも乗っている三輪車
サドルを外して素っ裸にしたひなちゃを無理矢理乗せると
肛門にパイプが刺さってしまった
「うをおおおーーー!」
物凄い叫び声を上げてハンドルを掴み
物凄い速さでペダルをこいで庭を三輪車で走り回るが
壁に激突して頭を打って気絶してしまった
             ,',(><)ヽ っ   うをおおおーーー!!
            /((ノノリノ))  っ
            ((ミi!;'゚'Д゚';)ミ) 
   キコキコキコ.    ( O┬O
        ≡ ◎-ヽJ┴◎ キコキコキコ
|                    |
|                |
|                    |
|     \、,,'(><)ヽ 、   |
|     _,ノ (ノリノ))ノ))    |
|     `) ('《ミ)ミ)ノ)ミ)  ___──
|         ヽ   /      ̄ ̄ ̄
|        / , ) )   ̄ ̄ ̄──
|    '⌒)(__,/ ヽ__)(`   |
|    /'        '^\   |
   ,',(><)ヽ
   /((ノノリノ))
  (ミ(;;;)'Д`;(;;)ミ))      
  ⊂    ヽつ
  r'⌒  '(:i:) ⌒つ
  (_ノー''--*⌒´´
      ;:;,・;:.,;

40 :
連載だがなんか知らんけどダラダラうぜぇ
邪魔でほかのssが来ねえだろうが

41 :
ほかの来てもお前どうせ読まんだろ

42 :
>>41
本人乙

43 :
キモイ

44 :
ん?本人って俺の事?
>>41は俺じゃないですよ。
idとかip変えられるなら規制で中断とかしてないし(苦笑)
うーん・・・
誰が読んでも面白い、なんて物は書けないから、「つまらない」とかの系統
の批判は気にしても仕方ないけど、ほかのSSの邪魔になってるというなら
気になりますね。
一つの作品の専用スレじゃないのに、ここしばらくスレを使いっぱなしだし。
ちょっと、しばらく中断してみる事にします。
何か意見があったら聞かせてください。

45 :
一レスごとの容量/行数に余裕があるから、変な折り返しやレス分けせずに纏めて投げればいいとは思う
書けたら投下ってスタイルもありだが、纏まったところで1章分とか丸めて投げても良い感じ

46 :
>>40
以前にあらかじめ断って投下してたろう
問題があるならその時に言えばよかったろうに

47 :
>>45
うーん、変な折り返しに見えてますか。
以前、一行が長いと、環境によっては横スクロールバーを操作しないとならなく
なった事があって以来の習慣なんですが・・・今はそういう心配はないのかな?
あと、1ログの切り方ですが、だいたい一日分(2〜5ログ)が内容的にひと
かたまりになっていて・・・章より下の単位、節とか小節ですね・・・それを1
ログが一画面分ぐらいになるように分けています。
せっかく連載風にしているので、ちょこちょこ読んでくれる人が読みやすいよ
うに、一日分が内容的にひとかたまりになるようにしたいので。
(ひとかたまりが長い場合はそうならない事もありますが)
今のやり方では凄く読みづらいですか?
>>46
ありがとうございます。

48 :
ども、俺です。
今月中に33話を投稿したいと思います。
遅くなって本当にすいません。
あとタイトル(いつもの○○と△△とかではなく)
が決まったのでその時に発表しよう思います。
>>47=酸菌さん
俺のようにトリをつけると良いですよ。
一時的にではありますが本人である証になります。
IDは一日で変わっちゃいますからね。
ちょっち余裕がなくて前スレのケツらへんから読めてないんで、
帰ったら続きを読みます。

49 :
>TEGさん
あ、どうもお久しぶりです。
新作が出来たんですね。
楽しみにしています。
>俺のようにトリをつけると良いですよ。
>一時的にではありますが本人である証になります。
>IDは一日で変わっちゃいますからね。
実は、これを読んだとき、しばらく意味が分かりませんでした(TEGさんのせい
ではないですよ)。
で、38〜44あたりを見直して初めて気づきました・・・>>38と41〜42あたりって
同じ日じゃなかったんですね(汗
>>38を夜中に投下したんで、0時過ぎててその翌日に投下したものと勘違いし
てました。・・・マヌケだ>自分
確かにこれじゃ、>>44で書いてる事はわけわからん事になってますね。
id見ても何の証明にもなってないし。
失礼しました。
もし、再開するとしたらご助言の通り、トリップつけるようにします。

50 :
で、と。
アクセス規制を除いても三ヶ月に及んだ連載、「酸菌とってるぅ?」ですが、
まだ読んで下さっている方、読みたいと思って下さっている方はいますか?
ちなみに現在の進度は四分の三から五分の四というところ。
もし、元通りの連載のペースにすると・・・残りは一ヶ月ないと思います。
最後の方はペースアップするので、多分もっと短いです。

51 :
>>50=酸菌さん
そりゃあもちろんです。読みたいっす。
こっから本編に繋がっていくわけですし
あと、SS書く励みにもなってるんで。
俺は多分壮大な物語になると思うので終わりが見えないのです。
最後の最後までゆっくりと共に頑張りましょうぜ。

52 :
飽きた
人がいなくなったので察しろ

53 :
 ども、TEGです。第33話が上がりましたんで投下開始しますよ。
遅くなってすいません、俺は最後までやりまっせ!
 俺が09年8月から投下してきた作品群へのタイトルがやっと決まりまして。
題して「RozenMaiden Fortsetzung」
Fortsetzungは独語で「継続」「続き」、トロイメントからの
時代の続きということで名づけました。
このスレ最初の投下なんで、名前欄もこちらにします。

54 :
【第33話 桜田のりと翠星石の年末】
[2004/12/30 15:50]
[桜田家 台所。]
ザブザブ
のり「お皿を洗ったら〜 お洗濯お洗濯〜♪
   もう年末ねぇ〜……♪」
翠星石「あっというまでしたねぇ。クリスマスが終わってからの
    残り1週間は、とくに早かった気がするですぅ。」
のり「本当ねぇ。クリスマスって昨日じゃなかったかな?
   ……そんなわけないけどね。」
翠「……のりがノリツッコミーってですかぁ?」
のり「さあ……?」

55 :
 12月30日、薄曇り。大掃除も殆ど終わり、翠星石ちゃんと
いっしょに家事をしてます。私の会社もお正月休みに入って、
あとは新年を迎えるだけ。
 今年、2004年はジュン君と巴ちゃんの進学、私の就職、
あの探偵犬くんくんそっくりの犬が来たことや、父の日には、
水銀燈ちゃんたちが、お父さんに手紙を届けられたこと。
 そして、真紅ちゃんがお家に来て1000日。この1年は、
とにかく、色んな事がありました。

56 :
翠「しかし、チビチビがトモエの家でこしらえてもらってきた
  サンタの服……ちょっとうらやましいです」
のり「あらあら、それなら今度、ジュン君に作ってもらったら?
   でも、パーティーのときの、翠星石ちゃんのトナカイ姿、
   とってもよく似合ってたわよぅ!」
翠「す、翠星石は、パーティーだからって言ってちょっとハメを
  外してやっただけですぅ……真紅にサンタ役を譲ってやった
  だけのことでしてぇ――」
 我が家は、何だか前以上に賑やかになったような気がします。
私はお仕事があるから、お家に居られる時間は減っちゃったけど
その分、お休みの日には全力でこの子たちと遊んでいます。

57 :
 12月25日の夜は、巴ちゃんの家から帰ってきた雛ちゃんと
真紅ちゃんがサンタクロースの格好、翠星石ちゃんはトナカイの
格好ではしゃぎながらパーティーをしました。
 12月26日からは大掃除。いつも片付けてるつもりでも、
けっこう埃が貯まっちゃったりしてて、みんなでお掃除しても
家中を綺麗にするのに3日もかかってしまいました。
 あとは、ジュン君のお部屋が終われば大掃除は終わり。
年賀状ももう出してるし、テレビはみんな年末ムード。
年賀状は、真紅ちゃんにモデルになってもらいました。

58 :
ピーピーピー
のり「あっ、お洗濯が終わったみたい!」
翠「こっちは翠星石がやっとくですから、のりは手洗ってから
  さっさと洗濯物を取り込んでくださいですぅ。」
のり「はぁい!」
[16:27]
のり「ふぅ、やっと第2便が終わったわねぇ♪」
翠「一仕事終えた後の紅茶は格別ですぅ。」
のり「もう、すっかり日が暮れるのが早くなっちゃって……」
翠「もうカラスがアホな歌を歌いながら巣へ帰ってるですねぇ。
  なんか幻想的な空の色ですぅ。」

59 :
 山の端から、赤、白、青。間にオレンジや薄い水色も混じって
翠星石ちゃんの言うとおり、とても幻想的。私も、この空の色は
結構気に入っています。仕事帰りに見ると、切なくなるなぁ。
のり「昔から、この時期にジュン君と外で遊んでたら、なんだか
   歯磨き粉みたいだね、って……」
翠「3色の練り歯磨き粉ですか? アレは、イマイチ仕組みが
  わからんのですぅ。一回、凍らせて縦に割ってみたいです」
のり「た、多分パソコンで検索したら出てくるんじゃないかな?
   切っちゃったら後が大変だし……」
翠「そ、そーですけど……別に翠星石は本気で言ったわけじゃ
  なくて、です……ちょいとジュンの世話になってみるです。
  数学の教科書といい、アイツはいいものを持ってるです」

60 :
 翠星石ちゃんは、ジュン君をよく慕っています。真紅ちゃんも
雛ちゃんも、周りのみんなが、ジュン君のことを慕っています。
おかげでジュン君も明るくなれたし、姉として、うれしいです。
のり「翠星石ちゃんは、数学が好きなのかな? 2年前から、
   ジュン君の教科書、よく読んでるみたいだけど……」
翠「こまけー事を考えるのは苦手ですけど、問題は解けるです。
  こないだジュンに見てもらったら『すげえじゃん!』、って
  ……フフフ♪」
のり「そうなの! ジュン君は頭がいいから、たくさん教えて
   もらうといいわよぅ。私はちょっと勉強は苦手だけどね。
   そういえば、面白い話があるんだけど」
翠「何ですか?」

61 :
のり「『あなたの銀行口座に、毎日86400円が振り込まれます。
    しかし、眠りにつくときこれが消えてなくなります。
    あなたならどう使いますか?』」
 これは、私が高校2年生の時に、学校の集会で耳にした話。
私も最初はその言葉の通りに意味を取ってて、「大事に使う」と
思ったけど……本当の意味を知ってから、考えが変わりました。
翠「そりゃあ、毎日それだけ振り込まれるなら、
  ある分全部使わないともったいないです」
のり「その通りだね。じゃあ、これが何のことか分かる?
   86400円」

62 :
翠「86400…… 86400……
  むむっ、これは一日を秒に直した時の数ですねぇ!?」
のり「正解! つまり、1日1日を精一杯生きることが、
   とっても大切なことだってことなのね。日だけじゃなくて
   ひと月なら259万2千、1年なら3153万6千。」
翠「コレを考えたヤツは見どころがあるです。
  ……うーむ、翠星石たちも長いこと生きてきましたが、
  今こそ、時間についてよく考えるべきかもですぅ。」
のり「そうねぇ…… 86400秒をどう過ごすか、選ぶのも
   それぞれ次第。未来は選び取れるって、真紅ちゃんが
   いつも言ってるね。」
翠「まったくもってその通りですぅ。姉として鼻が高いですぅ。」
のり「ふふ……」

63 :
[16:55]
ピーピーピー
のり「あっ、ご飯が炊けたわ! もうそろそろ、ジュン君たちも
   掃除が終わって降りてくるころだし、いっしょに晩御飯の
   支度でもしましょう」
翠「よーし、ジュンたちの為に気合入れて作ってやるですぅ!
  そういえば、チビチビはどっちの所で年を越すですか?」
のり「確か、年越しは巴ちゃんと神社に行くって言ってたわよぅ。
   『12時になっちゃうけど、頑張って起きるの』って。
   ジュン君も行くみたいだけど……」

64 :
翠「なるほど、その日はフルに86400円を使うってことですねぇ。
  のりも行くですか?」
のり「そうねぇ。今年は、行ってみようかな?
   社会人になったことだし……2年目もうまくいくように、
   みんながいい年を過ごせるようにお祈りしなきゃ」
翠「翠星石も、そーするですぅ。」
 去年までは、初詣に行く前に眠ってしまっていたけど、今年は
頑張って起きて、みんなでお参りしに行こうと思います。

65 :
[17:05]
翠「天気の方は大丈夫ですかねぇ?」
のり「九州とか大阪が雪になるって言ってたわよぅ。多分、こっちも
   少し降るかもね。初日の出が見られればいいけど……」
翠「完全武装で行くことにするです。」
 珍しく、年をまたいでの雪の予報が出ていました。雨だった
ことは何回かあったけど、雪が積もるかも……という予報は、
記憶の中にはありませんでした。

66 :
のり「お給料で買った新しいコートを着ていこうかな。
   翠星石ちゃんも、前に買ってあげたコートを着ていくと
   いいわよぅ。真紅ちゃんと雛ちゃんもね。」
翠「そうするですぅ。 ヒヒヒ、ちょっと趣を変えて、ジュンを
  驚かせてやるです、イッヒッヒッ……♪」
のり「ふふ……」
 ジュン君のことになると、顔がにやけちゃう翠星石ちゃん。
本人が居るとすぐに素直じゃなくなっちゃうけど、私といると
結構素を出してくれるんです。

67 :
[17:09]
ガチャッ
ジュン「よし、終わった! 姉ちゃん、片付けたぞー!」
真紅「やっと片付いたわね。」
雛苺「おかたづけ、かんりょーなの!」
翠「おっ、終わったみてーですね。ご苦労さんですぅ。」
のり「お疲れさまー! 何とか年内に終わったわね!」
ジュン「じゃ、翠星石、後お前の棚だけなんだ。
    僕たちはいじられないから、あとは頼んだぞー。」
翠「ぬぬうっ、後でやろうと思っとったですぅ!」

68 :
のり「ホラホラ、ご飯を食べ終わったら、お片付けしましょう。
   ジュン君、アレはちゃんと取ってる?」
ジュン「ああ、鏡もちだろ、心配しなくても食べてないって。
    4つあるぞ、コイツらの分。」
紅「なら、夕ご飯が済んだら、鏡もちを飾るのだわ。」
雛「ヒナね、一番上にみかん置いてー、それからそれから、
  苺のおもちゃも置くの!」
ジュン「……いいのかなー……?」
のり「……いいんじゃないかな? 本当は昆布も置くみたいだし
   紙垂(しで)とか沢山飾りつけするのよぅ」

69 :
ジュン「立派なのはもうクリスマスあたりに売り切れてたよ……
    ……姉ちゃん、今日は晩御飯何ぃ?」
のり「三十日だけに、お味噌汁! それから花丸ハンバーグ!」
雛「今日花丸なの!? わーい!! やったなの〜!」
翠「年忘れ特大号にしてやるですぅ、腕によりをかけて、
  気合入れて作っちゃるですぅ! 楽しみにするがいいです!」
紅「じゃあ、私も何か手伝うわ。」
雛「ヒナもヒナもー!」
ジュン「よーし、作るかー!」

70 :
 例えば、翠星石ちゃんが手を挙げると、雛ちゃんも手を挙げて
真紅ちゃんがおすましして賛同し、ジュン君も立ち上がる。
蒼星石ちゃんたちが遊びに来ると、みんながみんな集まって……
雛「お皿の上に、お花のかたぬきを置いてー……」
翠「そこを目掛けて、白身と黄身を投下するです!」
紅「ジュン? ねぎを切って頂戴。」
ジュン「じゃあ、端の方を持っててくれ。」
 変わらない日常の光景だけど、一番好きな、一番大切な光景。
私は、それを支えにして過ごしてきました。勿論、これからも。

71 :
のり「ふふ…… よーし、これでご飯5膳!
   今日はジュースもあるわよぅ!」
雛「わぁ……♪」キラキラ
翠「おぉ……♪」キラキラ
紅「ありがとう、のり。私は食後でお願い。」
のり「はぁい!」
[20:32]
 楽しい夕ご飯も終わり、食器を片づけ、みんなの髪を梳かして
歯磨きして、身体を拭いて、その後、みんなでお餅の飾りつけ。
 雛ちゃんが、2段のお餅の下の方が埋まる程苺の置物を置いて、
みんな笑いが止まりませんでした。翠星石ちゃんも棚の片づけを
終わらせて、これで本当に大掃除が終了です。
 一足早く、新年に向けてみんなでお願い。
のり「ちょっと早いけど、2005年もいい年になりますように!」

72 :
[21:14]
[ジュンの部屋。]
ジュン「……がー……ぐー……Zzz」
雛「……すぅ……すぅ……」
翠「つくづく、どこの国も年末は忙しいですねぇ。クリスマスで
  街が盛り上がったと思ったら、次は正月って……」
紅「一日の終わりも良い眠りで終わり、次の一日も良い目覚めで
  始まることを祈るように、一年の終わりも良いものにして、
  次の一年も素晴らしく始める、心意気かもしれないわね。」
翠「おっ、いいこと言うじゃねーですか。1日の86400秒も、
  1年の3153万6千秒も、順繰り大切に使わんとですねぇ。」
紅「まあ、素晴らしいわね。その通りよ。
  ……私たちは螺子が朽ち土に還りく迄、人間とは比べ物に
  ならないほどの時間を過ごす」

73 :
紅「だからこそ、日々を大切に過ごしていかなければならない。
  今年は、一年中平穏だったから、とても良かったのだわ。」
翠「コイツ(雛苺)もチビ人間も、大きくなった気がするです。
  もちろん、他の姉妹も、人間たちもですぅ。 今頃世界樹の
  木も、ドでかくなってるですよ!」
紅「そうね。貴女も立派になった…… 自慢の姉なのだわ。」
翠「そ、そんなこと言われたら、照れちまうですぅ……
  ……あっ、ちょいと鏡もちの位置が」
紅「……もう、9時を15分、16分を回ろうとしているわ。
  早めに切り上げて、今日は眠りについた方がいいわ……。」
翠「も、もう少ししたら寝るですよ!
  心配しなくてもいいですぅ!」

74 :
[21:30]
紅「……すー……すー……」
翠「うーん…… どうも左すぎるような……ですぅ
  ちょっと真紅のくんくんを一つ借りてみるか……
  いや、バレたらヤバいからやめとくですぅ」
チャッ
のり「……あら、翠星石ちゃん、起きてたのね。」
翠「ああ、もちの位置が微妙なんですぅ。もうちょい右ですかね
  この、棚のド真ん中に鎮座させたいんですけど…… もう、
  真紅もあきれて寝ちゃったです。明日の予定はなんですか?」

75 :
のり「そうねえ、もしかしたら雪が降るかもしれないから、
   ずっとお家にいると思うわ。お菓子でも作ろうかなぁ。
   夜には初詣に行くわよぅ!」
翠「そりゃー楽しみですぅ♪ 明日夜11時に巴が来るですね。
  大晦日も楽しくなりそうですぅ。じゃ、翠星石はそろそろ
  寝るですよ。」
のり「はぁい。 おやすみ、翠星石ちゃん!」
翠「おやすみですぅ。 いい夢見るですよ!」
[2004/12/31 00:19]
ガチャッ
のり『……ただいまー! 今日はみんな来てるから
   花丸ハンバー……』
のり『って……』

76 :
[桜田家 階段。]
ジュン『うおー、僕の部屋からうまい棒を調達してくれ!』
雛『はいなのォ!』
金糸雀『カナは…… ここから数えて8段目にサラミ味を設置するかしら!
    加えて! 12段目にコーンポタージュでカンペキかしらァ!
    勝利は我々 カナリアンボーゲルズ の手に!!』
のり『……!?』
水銀燈『ふふ…… なかなかやるわねぇ……。
    けどぉ、こっちには うにゅーがあるわよ!
    くんくんは守り通すわ!』
紅『卵ボーロもあるのだわ。まさにおいしい作戦ね……』
翠『ヒヒヒ…… 我らがチーム135にこそ勝機ありですぅ!
  とっとと降伏しやがれですぅ!』

77 :
のり『ちょっ、何やって…… くんくん……!?』ワナワナ
薔薇水晶『これは探偵ゲーム…… くんくんの方を追うの……
     さあ、くんくんはどこ……? わたしたち
     チーム蒼雪薔に 勝利を差し出しなさい……♪』
雪華綺晶『いいところに帰ってこられましたわね♪
     間もなくゲームも大詰め、3つのチームのうち
     どこが勝ってもおかしくありませんわ……♪』
蒼星石『これは、自分の陣地にあるくんくんフィギュア3体を
    20分間で多く守った方の勝ちというゲームだよ!
    フィギュアの場所は秘密で、お菓子で釣って尋問……』
のり『…… ……』プルプル

78 :
のり『『こらァァァ!! 食べ物で遊んじゃダメでしょーっ!!』』
ボカァァーン!! ビリビリ……
蒼『わああ……!!』
銀『ひっ……!?』
金『ひええ!!』
翠『だから、翠星石は最初にどうなっても知らんですぅって
  言ったですぅ……!?』
ジュン『お前が一番ノってただろうがァー!』

79 :
のり『……9人でお片付けしなさーーーい!!』
翠『……やっぱり、怒るとのりが一番コワイですぅ……』
ジュン『ああ……』
のり「…… すー…… すー…… ふふっ
   ……Zzz」
              【桜田のりと翠星石の年末 完】

80 :
 ハイ、「RozenMaiden Fortsetzung」、
第33話「桜田のりと翠星石の年末」は
以上で完結でございます。読んでくれた方乙でした。
 一話完結の日常系を目指して書いてみました。
とりあえず、まだまだ続くんでゆっくりとお付き合い
頂ければ幸いです。
 では、また次回。グッナイ!

81 :
>>TEGさん
乙でした!
やっぱりSSはこういう、原作のメインストーリーじゃない部分に限りますよね。

82 :
やっと規制解けたよ
自分が避難所使う破目になるかと……
って何も書いてないから駄目だけどね!
TEGさん長編乙でした。
酸菌さんもペースはともかく、完結まで頑張ってくだされ。

83 :
微妙にご無沙汰です。
状況を見るに、結局、スレ住人(書き込みしてくれる人)が以前より減って
るんですね。
まあそれならそれで、まだ見てくれる人の意見を尊重させて頂きます。
色々意見をありがとうございました。

84 :
   「酸菌とってるぅ?」  最近のあらすじ
のんびりと正月を過ごしていたカワセミ、シカ婆さん、水銀燈。
楽しく過ごした正月も終わりに近づいた三日の夜のこと。
不意に、里に正体のはっきりしない軍勢が現れ、里を攻撃し始める。
軍勢にとっては何か理由があるらしいが、もはや話し合いの出来る状況では
なかった。
軍勢に同行している陰陽師に結界を破られたらしく、里は完全に不意打ちを
受ける形となってしまった。
軍勢はあちこちに火を放ち、折からの乾燥と強風のため、あっという間に里
は炎に包まれる。
カワセミは時間を稼ぐために家のそばに残り、その間にシカ婆さんと水銀燈
は裏口から脱出路に向かう。
しかし、偶然か狙ってかは分からないが、複数の脱出路は全て炎に包まれ、
里の北側との行き来も出来なくなっていた。
里はぐるりと炎に取り囲まれてしまっている。
残された出口は軍勢が侵入してきた南側のみ。
シカ婆さんと水銀燈は南を目指す事に決め、まずはカワセミと合流するため
に家へ向かう。

85 :
(本編再開)
近づくと、三人の住んでいた家も燃え始めていた。
しかし、まだ半分以上が無事のようだ。
家に近づくと、裏側には誰もいないが、表側からは戦闘の物音がしている。
カワセミは五十数えたら追ってくるはずだが・・・とっくにそれだけの時間
は経っているはずだ。
家の屋根や壁の一部が燃えている。
幸い、裏口のあたりは無事だ。
二人は裏口をそっと開けて家の中の様子を伺う。
家の中はまだほとんど燃えていないものの、かなり熱くなっており、熱い空
気が形あるもののように顔を打つ。
所々から煙が上がっている。
カワセミはまだ家の前で戦っていた。
雨戸が一枚だけ残してはずされており、あるものは盾がわりに置かれ、ある
ものはへし折られている。
カワセミは縁側の前で槍を構えている。
銀「カワセミ!」
カワセミはこちらを振り向く。
カ「!!馬鹿、何で戻って来たの!?」
銀「東も、地下の抜け道も燃えてて駄目だったの!南に行くしかっ、危ない!!」
水銀燈の叫びを聞いてカワセミは向こう側へ向き直る。
少し離れた茂みから弓矢を構えた兵が立ち上がり、さらにそれぞれ槍と刀を
構えた二人の兵が呼吸を合わせて左右から突っ込んでくる。

86 :

カワセミは一瞬で弓兵に手裏剣を放つ。
弓兵は喉を押さえてのけぞり、そのまま後ろに倒れる。
矢は放たれたが、狙いがそれてあさっての方向へ飛んでいく。
刀を持った兵が右から突っ込んでくる。
カワセミは右側へ大きく踏み込みながら、勢いを付けて槍を突き出す。
兵は刀で槍を払おうとしたが、両者とも踏み込んでいるので勢いが強く、払
いきれない。
槍は兵の左肩と胸の境あたりに深々と突き刺さる。
同時に左から槍を持った兵が突きかかってくる。
カワセミは自分の槍から手を離し、斜めに身を沈めてぎりぎりで槍をかわす。
そのまま敵の槍の柄を左手で掴み、力いっぱい引く。
敵はたたらを踏んで前のめりになる。
カワセミは槍を掴んだまま一気に踏み込み、右手で順手に握った手裏剣を相
手の顔に突き刺す。
敵は槍から手を離して両手で顔を覆い、叫びを上げる。
カワセミはそのまま敵の槍を奪い、中ほどを握って半回転させ、穂先を前に
して逆手に掴み、勢いをつけて体ごとのしかかるように槍を敵に突き刺す。
敵はそのまま仰向けに倒れ、上半身が半ば空中に浮いたまま串刺しになる。
勢いでカワセミも一緒に倒れこむが、すぐに身を起こす。
素早く視線を走らせ、先の弓を持った兵と刀を持った兵の様子を確かめる。
弓兵はぴくりとも動かない。こと切れているようだ。
刀を持った兵は膝をつき、肩に刺さった槍を抜こうともがいている。
カワセミは兵に駆け寄り、槍の柄を掴んでえぐりこんで兵に止めを刺し、その
体を蹴り放して槍を引き抜く。
血が噴水のように噴き出す。
まるで鬼神のような戦いぶりだ。

87 :

カワセミにそうさせているのは怒りと・・・
カ「わたし、あなたを守るからね!みんなを守るからね!」
カワセミは荒い息をつきながら、返り血にまみれた凄惨な姿で微笑む。
その場に似つかわしくないほど澄み切った笑顔だ。
カワセミは自分の槍と、拾い上げた刀を構え、周囲を警戒したまま言う。
カ「南へ抜けるしかないのね?分かった。
私がここでしばらく敵を引き付けるから、裏に大きめに回り込んで南へ向か
って。裏へは一人も通さないから。」
良く見ると、返り血だけではなく、カワセミ自身も何箇所か怪我をしている
ようだ。
幸い、それほど大きな怪我ではないようだが・・・
その間にも家を覆う炎は広がり、煙が充満してくる。
外壁からは細かい燃える破片が落ち始めている。
銀「カワセミ、一緒に!」
カ「追いつかれるに決まってるでしょう!さあ、早く行って!あんたらが充
分進んだら行くから!」
銀「でも!」
カ「早く行って!・・・んっ?」
向こう側から人が近づいて来るようだ。
炎に照らされて、その姿が見える。
再び、数人の敵兵が迫って来ていた。

88 :

カワセミは槍と刀を構えて突っ込んで行き、その姿は雨戸の陰に隠れる。
数回、剣戟の物音が響き、いくつかの野太い叫び声があがる。
どうやらまた何人か敵兵が斃されたようだ。
再び雨戸の陰からカワセミの後姿が少し見える。
敵兵が気圧されて下がった様子が伝わって来る。
手ごわいぞっ、という叫びが聞こえる。
シカ婆「水銀燈、カワセミの言う通りにしよう。連中が気圧された今がいい機
会だ。さあ。」
シカ婆さんは裏口から様子を伺う。
裏側も火が燃え広がっている。
もはや、里全体が燃え盛るたいまつのようだった。
熱風が荒れ狂う。
再び、表側から剣戟の物音。
野太い悲鳴。
おおい、と野太い声が誰かに呼びかけている声が聞こえる。
きっと仲間を呼んでいるのだ。
急がないとさらに敵が来てしまう。
カワセミが心配だが、二人が行かない限り、彼女は今の場所で戦い続けるだ
ろう。
出来るだけ早くカワセミも来てくれる事を願って、ここは行くしかない。
裏口のあたりも、ぼろぼろと火のついた破片が落ちてきている。
腕で顔と頭をかばいながら、シカ婆さんと水銀燈は裏口から出る機会を見計
らう。

89 :
再会待ってました!
かわせみ、おしかさん、外人さん
 ↓
めぐさん、???、えんじゅさん
脳内生まれ変わり表(適宜変動致します)

90 :
>>89
待っていてくれてありがとうございます。
脳内生まれ変わり表、いいですね。
この後、どう変動するんでしょうか・・・

91 :
裏口側も炎に包まれつつあるものの、素早く通るぶんには問題なさそうだ。
カワセミに出るよ、と一声掛けようとする。
その時だった。
パン!パン!
炎の音と戦闘の物音を圧して、不吉な音が響く。雨戸の上の方に穴が開き、
何かがひゅんと音を立てて家の中を飛び過ぎる。
頭上で木屑が散る。
この音は!
パン!パパパン!
雨戸に表側から「何か」がどさりと倒れこむ音がした。
短くうめき声が上がる。
野太い声ではない。よく知っている声・・・
からん、と槍が落ちる音がした。
銀「カワセミ!」
雨戸の横から、カワセミの手が見えている。
水銀燈は裏口へ向かうのをやめ、カワセミのもとへ向かおうとする。
シカ婆「水銀燈、危ない!行っちゃ・・・うわっ!」
背後で家の梁が燃えながら落下し、シカ婆さんと水銀燈の間に落ちる。
銀「カワセミ、カワセミ!」
カワセミが怪我して倒れてる。
早く行かなきゃ・・・
車椅子にとっては大きすぎる段差がある。
構わず進む。
車椅子は段差に引っかかって倒れ、水銀燈は投げ出される。
がちゃん、と大きな音を立て、板の間と畳の境目に叩きつけられる。
衝撃が全身を突き抜け、一瞬気が遠くなるが、水銀燈は構わず進む。
両手を使い、這って進む。

92 :

家の中も火が燃え広がり、煙があがり、壁に掛かった暦や書や画が燃え出す。
銀「カワセミ!」
早く行ってあげなきゃ。
炎と煙の中、進みは遅いが、着実に這って進む。
背後から叫び声が聞こえたような気がしたが、最早それも耳に入らない。
銀「カワセミ!」
燃える破片がばらばらと降り注ぐ。
もう少しだ。
天井からぎしり、と不吉な音がする。
天井が崩れかけている。
銀「カワセミ!カワセミ!!」
カワセミの手がはっきりと見える。
懸命に手を伸ばす。
あと少し、あと少しで手が届く。
燃える天井が大きく崩れはじめた。
その瞬間。
信じられない事が起きた。
水銀燈の斜め前。
何も無い空間に縦に裂け目が走った。
裂け目は大きく広がり・・・水銀燈は強い力でその中へ引き込まれた。
一瞬、黒い西洋服を着た兎が見えたような気がする。
あまりの事に思考が停止する。
数瞬の後、はっと気づくとそこは薄暗いnのフィールドだった。
銀「え?・・・え?」

93 :

銀「・・・!!嫌あっ、カワセミ!!」
慌ててnのフィールドから出ようとする。
出口は・・・ない!出口がない!
いつもの鏡は支度部屋だった。
しかも、支度部屋のあった場所は炎上している。
里のはずれの泉は?
その残骸らしき物はあったが、出入り口はほとんど見えないぐらい小さくな
り、濁っている。
森が燃え、干上がるか残骸が積もるかしてしまったのだろうか。
銀「嫌ぁ!カワセミ!カワセミ!シカさん!みんな!!」
水銀燈は半狂乱になってnのフィールドを探し回る。
里の近くには出られる出口が全く無い。
手当たり次第に扉を開け、覗き込む。
どこも里の近くではない。
似た風景を見つけては飛び出すが、どれも違う場所か、似ているが別の世界、
並行世界だった。
何度かは完全に並行世界に出てしまい、時にはそこにいた人間が驚いた顔を
したり、あたりが大騒ぎになる事もあったが、そんな事は気にもせず探し回
る。
探し回る。

94 :

どれだけ探し回ったのだろうか、自分でも分からなくなってきたが、それで
も探し回り続ける。
永遠にも等しい時間が経ったように感じた頃。
小さな出口、通る事は出来ないが覗き込むことはできる出口を見つけ、覗き
込む。
はっとする。
ここは確かに里のある場所だ。
地形に見覚えがある。
だが、あたりの風景は一変していた。
里のあった盆地の端のあたりには「鉱山入口」と墨で書かれた大きな看板が
あった。
盆地には深い穴が幾つも穿たれ、半裸の男たちが忙しく出入りしている。
建物が一つあり、そこには暦が掛けられている。
不思議な事に、視点がそこに近づいていく。
月と日付が大きく書かれ、その上に年号と数字、それから漢字二文字が書か
れている。
これは何だったか。
水銀燈はシカ婆さんから教わった暦の知識を必死で思い出す。
年号は朝廷の都合で変わるから参考になる場合とならない場合がある。
漢字二文字は干支の組み合わせで年を表す干支紀年だ。
ええと、甲、乙、丙・・・甲子、乙丑、丙寅・・・・・・

95 :
・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
でも
この水銀燈は
きっと、きっと、きっと。

96 :
え?そんな馬鹿な!
もう一回頭の中で計算し直す。
水銀燈の全身から力が抜ける。
普通の世界ならへたり込んでいただろうが、ここは重力のないnのフィール
ドだ。
水銀燈の体は力が抜けて宙を漂う。
人生五十年。
カワセミの言葉が思い出される。
nのフィールドの特性なのか、並行世界に出入りしたせいか、あるいは本当
にそれだけの時間が経っていたのか。
干支紀年で表された年は・・・人間の寿命にとっては、あまりに長い時間が
過ぎてしまっている事を示していた。
みんな・・・ごめんね、みんな・・・
自分だけが、こんな風に生き残ってしまった。
涙が流れ始める。
nのフィールドを、水銀燈の体がゆっくりと漂い始める。
みんな、いい人で・・・良くしてくれて・・・
ちゃんと生きてて・・・
カワセミは命がけで・・・命を捨ててまで・・・自分を・・・
カワセミとの絆・・・みんなとの絆・・・
自分は・・・絆を貫き通せなかった・・・
絆に殉ずる事ができなかった・・・
水銀燈の体がnのフィールドを漂って行く。
涙の雫の筋を引きながら。

97 :

※ まだ終わりじゃないです。念のため。

98 :
>>95
コメントありがとうございます。
ええ、泣いてあげてください。
>きっと、きっと、きっと。
きっと、何なのかはいくつも考えられるので分からなかったのですが・・・
まだ、水銀燈の人生(人形生)は続いていくのです。
こんな事があっても。

99 :
      酸菌とってるぅ? 
            後編 インターミッション
   〜 現代、廃教会 〜
銀「・・・・・・またお父様を探し始められるまで、かなり長い時間がかかった
わ。長い、長い時間が。」
うつむいた水銀燈の顔は半ば銀色の前髪に隠されており、その表情は窺い知
る事ができない。
銀「・・・誰が何のためにあんな事をしたのか、結局分からなかった。
最後、鉱山が見えたけど・・・後から考えると、あれはちょっと怪しいのよね。
あれは私を諦めさせるためにラプラスが見せたのかもしれない。
nのフィールドからしか見てないしね。
もっとも、あれが嘘だったとしても・・・里は・・・みんなは・・・・・・」
水銀燈は俯いたままだ。
メイメイも掛ける言葉が見つからない。
銀「・・・そして・・・私は漂い続け・・・探し続け・・・疲れ切って・・・
真紅とサラの家に辿り着いて・・・」
口調が一瞬激しくなる。ゆらり、と暗く激しい何かが立ちのぼる。
思い出すのも嫌な記憶。
銀「お父様からローザミスティカを頂いて・・・」
そして、真紅のあの仕打ち。
怒りと屈辱。
心の中に積もった闇が溢れ出す。
銀「この翼を得て・・・・・」
そして、水銀燈は大きな「何か」を失った。(ローゼンメイデン オーベルテ
ューレ参照)

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