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2012年5月文学23: フランツ・カフカ Franz Kafka 9 (442)
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フランツ・カフカ Franz Kafka 9
1 :12/03/18 〜 最終レス :12/05/10 誰の害になるわけでもなさそうだが、 しかし、自分が死んだあともあいつが生きていると思うと、 胸をしめつけられるここちがする。 「父の気がかり」池内紀訳 *前スレッド http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1312212395/ * 過去スレッドなどは >>2-10 あたりに。
2 : [01] (2000/11/13) フランツ・カフカ http://mentai.2ch.net/test/read.cgi/book/974080157/ http://mentai.2ch.net/book/kako/974/974080157.html [02] (2001/12/03) フランツ・カフカについて http://book.2ch.net/test/read.cgi/book/1007376212/ http://book.geocities.jp/usr2ch/book/1007376212.html [03] (2003/08/03) フランツ・カフカについて 2 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/book/1059893822/ http://book.geocities.jp/usr2ch/book/1059893822.html [04] (2006/03/18) フランツ・カフカについて 3 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1142685724/ http://book.geocities.jp/usr2ch/book/1142685724.html [05](2007/12/07)フランツ・カフカ Franz Kafka 5 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1196979811/ [06](2009/06/29)フランツ・カフカ Franz Kafka 6 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/book/1246265864/ [07](2010/09/14)フランツ・カフカ Franz Kafka 7 http://kamome.2ch.net/test/read.cgi/book/1284392083/ [08] (2011/08/02) フランツ・カフカ Franz Kafka 8 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/book/1312212395/
3 : >>1-2 ありがとうございます!
4 : カフカ翻訳書リスト(*絶版) 『変身』[文庫] 1952年 高橋義孝訳 新潮社 1952年 中井正文訳 角川書店 1958年 山下肇訳 岩波書店 * 1971年 高安国世訳 講談社 * 1973年 川崎光隆・浦山光之訳 旺文社 * 2004年 山下肇・萬里訳 岩波書店 2006年 池内紀訳 白水社 2007年 丘沢静也訳 光文社 『変身』[全集] 1953年 高橋義孝訳 カフカ全集第3巻 新潮社 1974年 城山良彦訳 世界文学全集30 集英社 1977年 立川洋三訳 世界文学全集33 学研 1980年 原田義人訳 河出世界文学大系 河出書房新社 1981年 川村二郎訳 決定版カフカ全集1 新潮社 2001年 池内紀訳 カフカ小説全集 白水社
5 : 『審判』[文庫] 1953年 本野亨一訳 角川書店 1966年 辻ひかる訳 岩波書店 1971年 原田義人訳 新潮社 * 1991年 飯吉光夫訳 筑摩書房 * 1993年 中野孝次訳 新潮社 * 2006年 池内紀訳 白水社 2009年 丘沢静也訳 光文社(『訴訟』) 『審判』[全集] 1953年 原田義人訳 カフカ全集第2巻 新潮社 1960年 辻ひかる訳 世界文学大系第58巻 筑摩書房 1974年 立川洋三訳 世界文学全集30 集英社 1981年 中野孝次訳 決定版カフカ全集5 新潮社 2001年 池内紀訳 カフカ小説全集 白水社
6 : 『城』[文庫] 1966年 原田義人訳 角川書店 * 1971年 前田敬作訳 新潮社 2006年 池内紀訳 白水社 『城』[全集] 1953年 辻ひかる・中野孝次訳 カフカ全集第1巻 新潮社 1953年 岡村弘訳 現代ドイツ文学全集第13巻 河出書房 1960年 原田義人訳 世界文学大系第58巻 筑摩書房 1970年 前田敬作訳 新潮世界文学第38巻 新潮社 1974年 谷友幸訳 世界文学全集66 講談社 1977年 立川洋三訳 世界文学全集33 学研 1981年 前田敬作訳 決定版カフカ全集6 新潮社 2001年 池内紀訳 カフカ小説全集 白水社
7 : 『アメリカ』[文庫] 1972年 中井正文訳 角川書店 2006年 池内紀訳 白水社(『失踪者』) 『アメリカ』[全集] 1953年 原田義人訳 カフカ全集第2巻 新潮社 1974年 谷友幸訳 世界文学全集66 講談社 1981年 千野栄一訳 決定版カフカ全集4 新潮社 2000年 池内紀訳 カフカ小説全集 白水社(『失踪者』) その他 [文庫] 1963年 本野亨一訳 ある流刑地の話 他6編 角川書店 * 1987年 池内紀訳 カフカ短編集 岩波書店 1988年 長谷川四郎訳 カフカ傑作短編集 福武書店 1998年 池内紀訳 カフカ寓話集 岩波書店 2006年 池内紀訳 カフカ・コレクション 白水社 2008年 浅井健二郎・柴田翔・平野嘉彦訳 カフカ・セレクション1〜3 筑摩書房 その他 [全集] 1953年 カフカ全集第3〜6巻 新潮社 1974年 世界文学全集30 集英社 断食芸人(城山良彦訳) 流刑地にて(柏原兵三訳) 1981年 カフカ全集1〜11 新潮社 1992年 カフカ自選小品集 高科書店 (吉田仙太郎訳) 2001年 カフカ小説全集 白水社 (池内紀訳)
8 : >>4-7 貴重な情報ありがとうございます
9 : >>1 乙 またピースきてるのかよ
10 : ムー大陸 ◆DMnIjpZYd2 = アセンション ◆ZCAcNhb9dZs7 = N ◆.a7VUr.VD. = この板の主役◆OZ/B6fTcn6 = v(・x・)vピース ◆JSPf4VvHXo
11 : 変なのが居着いちゃったな ピースはこのスレに来るなよ
12 : 変なのはお前だww
13 : >>12 お前もなww カフカの話しろや!
14 : カフカの労働条件いいよねえ。ヨーロッパでは普通なのか?デキメンだったからか?
15 : これからはカフカのこと絶望先生って呼ぶわ
16 : やめてー
17 : カフカの評伝で決定版みたいなやつってある?
18 : 比較的 手に入りやすいのは 池内紀の「カフカの生涯」
19 : 新潮文庫の「城」の帯ってなんて書いてたのかな? 変身はいっぱいあんのに、城はさすがに帯付きを見たことないわ
20 : >>18 ありがとう 読んでみる
21 : >>19 「目的地はある、しかし道はない」じゃなかったけ? こまかいところまでは覚えてないけど
22 : 上の邦訳データいい!
23 : 21 へー、サンキュー
24 : 「変身」の最後の文なんですけど Und es war ihnen wie eine Bestatigung ihrer neuen Traume und guten Absichten このihrerがよく分かりません。 高橋訳では「彼らの(つまりザムザ一家の)新しい夢」と訳されていますが、 「彼女の(つまりグレーテの)新しい夢」と訳しうる可能性もあるのでしょうか?
25 : 邦訳データはテンプレ化したいな。 作ってくれた人ありがと!
26 : フランチュ・キャフュキャ
27 : >>24 『変身』は、家族がテーマの作品 家族の中に突然、厄介者ができて大変なことになったが それが死んでいなくなり、家族に平安と新しい夢と希望が戻った 元気を取り戻したグレーテの姿がそれを保証していた それがグレーテの夢の保証でしかなかったら、物語のシメとしてちょっと物足りない だから、ihrerは「彼らの」と解釈するのが普通じゃないの
28 : でもまあ新世代はグレーテなんだから「彼女の」と訳しても ザムザ一家全体の夢とも十分とれる。
29 : >>27 28 文法的には「彼女の」としても間違いではないということですよね。 ここでいう夢の内容ってなんだろう? 漠然とよき未来を意味するなら「夢」とはいわないよね。 グレーテのだとすると音楽学校に通うことなのかもしれない。 家族のだとすると、グレーテにいい婿を見つけることかもしれない。 「夢」という単語が出てくるのは冒頭と真ん中に一箇所と最後のここだけなんだよね。 だからここでの「新しい夢」というのは冒頭の「気がかりな夢」と照応させていると思った。 冒頭のグレーゴルの見ていた「気がかりな夢」の内容もわからない。 まさかこの「変身」ぜんたいをあらかじめ夢見ていたのか?夢ループ? とかいう発想は陳腐だろうか。
30 : >>29 いや、日本語の「夢」だって意味の幅広いからそこまで考える必要ないんじゃね
31 : >>27 がふつうの解釈。 >>29 は「陳腐」だとは思わないが 理屈をこね回し過ぎで作品から離れている。
32 : 白水Uブックスの「失踪者」買ったけど積ん読です
33 : グレーテを含めた「家族の」だろうね。
34 : ええとドイツ語のできる人に 教えてもらいたいんですが 高橋訳では「ザムザ夫婦の目には・・・」と訳している 中井訳でも「・・・と夫婦には思われた」と訳している これは正確な訳といっていいのでしょうか? これでいくととやっぱり「新しい夢」を確証する主体は両親ということになる 両親がグレーテ込みの未来像を描いていたとしても、やっぱりそれは両親の夢だ。 グレーテがそれに同意するかどうかはわからないということになる。
35 : グレーテの肉体的成長が叙述されていることから 結局グレーテの結婚ではないかと
36 : あれは明らかに両親の、でいいでしょ。
37 : 審判再読したけど、カフカも結構出世というか向上心強かったのかなあ
38 : デキメンだったらしいね
39 : >>37 審判読むと、Kは組織内での地位をやたら気にしてるよね そういうところには共感しかねるな
40 : >>39 なんかカフカのイメージと違ってたので意外だった。 まあ俺が勝手にイメージしたのかもしれないけどね。 でもある意味俺もそういうところあるから逆に身につまされるところあった。 考えたら城も上昇志向の部分大きいんだよな。
41 : >>40 そうだね、俺も意外に思った Kは自分より低い立場の人間にはめちゃくちゃ強気だが、権威とか地位には弱そうだ 訴訟に抗うでもなく(抗いようもないが…)長いものには巻かれるタイプだな
42 : >>41 意外と俗物つか受身型人間というか。 まあロマン主義的な破滅型、革命促進型ではないよね。 そこらが逆に共感を呼ぶのかもしれないけど。
43 : 著者=小説の主人公、じゃないだろw
44 : >>43 誰もそんな話してないじゃんw
45 : つか作者と主人公はいろんな意味で近い、同じだろう。 そんなことちょっと文学に親しんでたらあたりまえじゃね? >>43 はなんか話が進んでいるのでイジワル言いたくなっただけだろう。 ちょっと小さい。
46 : まあまあ 「城」も「審判」のKも強気のところあるよね あまり内気に感じない カフカはもっと内気な感じする
47 : 主人公が強く出るのは、カフカの願望のあらわれかもね 実際は内気な人だったのかもしれないな どちらかというと、グレーゴルの方がカフカのイメージに近い性格のような…
48 : ハナレメ笑
49 : 女にモテルのは結構事実かも スタンダールよりはもてるだろw
50 : けっこうイケメンだよね
51 : ヤックン(薬丸)と鈴木亜久里に似ている
52 : 以前のスレでも話題になっていたが、 カフカの作品はそれなりにお堅い組織で働いてから読むとかなり共感できるようになるよ。
53 : お堅い組織で働いた事ないけど面白いんだけど、ダメ?
54 : 面白いと共感は違うものじゃね? 確かに院生でちんたらカフカ研究するより働いた方がカフカの想像力に迫ることができると思う気がする院卒社会人です。
55 : 俺はブラック企業のリーマンだけど、カフカ作品で唯一共感できたのが審判だ 他の作品はまったくわけがわからないし、共感できない
56 : 共感できたってのは正しい読み方なのか?
57 : 正しい読み方などないだろうね。
58 : 共感されるために書いちゃいねえだろうよ
59 : 共感されたいという思いはあると思うわ。 人間なら誰でも持っている普遍的な感情だから。
60 : それを言い切るか?
61 : 審判とか城よりも短編とか小品の方がぐっとくるなぁ ちなニー
62 : 俺も短篇の方が好きだわー ボルヘスに共感するわー
63 : 城が退屈ってレスがあったけど審判も結構退屈だぜ。 両方とも事件が起こってるってより、事件を又聞きするってのが 多いんだよな。読者からすればマタマタ聴きだ。
64 : 失踪者は全く話題にならんなw
65 : >>32 で出てるじゃん
66 : スルーされてるな
67 : 中原昌也が「アメリカ」を褒めてて、それは高いから白水社の新書版を買ったんですよ。池内さん好きだしね。
68 : アメリカ (角川文庫) http://amazon.co.jp/dp/4042083056 あっそんな事ない!文庫であるじゃねえか!
69 : あれって新書なん?
70 : 白水Uブックスは新書ですね
71 : 池内さんの『失踪者』は、訳がむちゃくちゃなのでお勧めできん
72 : そうだったのか…どう無茶苦茶なんですか?
73 : たしかに、他の訳者と全然違うことが多いなぁ 池内訳は審判もかなり酷いと思う 辻訳と比べると、意味が違い過ぎて愕然とする
74 : 最近の訳はいざ知らず、80年代後半ぐらいの池内訳はどうなのよ? 岩波のカフカ短篇集が好きなんだけど、やっぱりむちゃくちゃなんだろうか? そうなると、短編はちくまのカフカセレクションあたりで読むべきか
75 : 全体的に白水社のは全部読みづらかったな。「何か」を意識してる感じ。
76 : カフカの小説、特に長編は基本的に翻訳不可能なんだろうなという気がする
77 : 散文にそれはないわ。作品自体の謎っぽさを翻訳作業にとり換えてる スノッブのこけおどし意見だな。その意見を納得させたいならその 理由を書かないとな。それこそ翻訳不可能な意見だ。
78 : 池内さんは、最初はエッセイとか出してて、それは独特の文体でなかなかよかったんだよ。 それでいつのまにかカフカの権威みたいになっちゃって、翻訳も出しはじめたんだけど、 翻訳は向いてないって本人もじかくしてるんじゃないかなー。 白水社全集よりも、30年も前の新潮社全集のほうがぜんぜん読みやすいよ。
79 : >>74 カフカセレクションは巻によって訳者が違うのがちょっとなぁ 2巻の訳は良い感じだったが、1巻と3巻は微妙だった
80 : ハナレメ笑
81 : >>78 >翻訳は向いてないって本人もじかくしてるんじゃないかなー。 皆がそう思ってたら「ブリキの太鼓」の翻訳も頼まれないし、本人も やらないでしょうw 表だって色々言ってるのは丘沢静也さんだけだし。
82 : 丘沢さんは池内さんの訳を目の敵にしてるよねぇ 二人の間に何があったのか?
83 : >>82 なんか光文社新訳文庫の訳者ってそういう連中集めてね?
84 : 丘沢さんの経歴をwikiでみたけど、 なんか池内さんと同じような経歴だが一歩及ばずといった印象を受けた。 嫉妬やらなんやらがあるのだろうなあと燕雀である私は思うのです。
85 : >>83 そうなの? 他の作家は光文社新訳文庫で読んでないから、知らなかった 既存の訳を批判することで、自分の地位が上がると思ってるのかもね >>84 嫉妬は少なからずあるかもね でも、池内さんの訳は他でも批判されているし、実際、誤訳が多いからなぁ
86 : 丘沢さんがとくに粘着しているというよりは、 若手研究者とかの多くが感じつつも (あえて業界の権威に楯突くまでのヒトはいなかったが) 口に出さなかったのを、新訳を出すのでこのさい書いてみた、 っていう感じじゃないの。
87 : >>85 いや、あきらかに既成訳への批判は多い>光文社の あとがき読んでたら、結局大胆に変えてみたつうのも、このほうが従来の 訳より正しいってニュアンスが感じられる、つっかかなり露骨なのもある。 「訴訟(審判)」でも、カフカの原文は改行してないのに既成訳は改行している というところで「私たちはカフカに代わって改行できるほど偉くない」つうてる。
88 : これは、1981年刊行の『決定版カフカ全集1』の付録の中で、作家の古井由吉さんがその十数年前の出来事について書いた文章である。 おそらく本野亨一あたりのことを言っている思われるが、今なら池内さんにぴったり当てはまりそうである。 「文才」時代の終焉 古井由吉 (1980年11月) 私がまだドイツ文学者として、仮にも登録されていた頃のことである。ある日、同業の友人から電話があり、君はカフカの短編の、何々を読んだことがあるか、とたずねる。 むろん読んでいる。私の卒論は、カフカである。それで、どう思う、あれはやはり難解か、と友人はまたたずねる。声がなんだか浮かない。 それは、隅から隅まで、一元的に解釈しきろうとすれば、難解ですがね、と私は答えた。しかし文章そのものは、きわめて明快だと思うよ、と。 そうだよね、と友人は息をついた。それから、テキストをちょっと手もとに持ってきてくれないか、と頼んだ。誰々氏の訳とつきあわせて、君の意見を聞きたい箇所がある、という。 私がテキストを電話口まで運んで、どうぞ、と声をかけると、友人は該当の箇所を教えて、訳文をゆっくり読みあげはじめた。 要所要所で相槌を打ちながら、私は原文を目でたどっていたが、やがて溜息ばかりになった。そうだろう、と友人もつぶやいて、いまさら絶句した。 あまりと言えばあまりな、悪訳であった。訳文が粗悪だとか、文体を取り違えているとか、読み違いがあるとか、誤訳がいささか目立つとか、そんな次元の話ではない。 基礎文法が、踏みはずされているのだ。長文の主語が途中で消えたり紛れたり、入れ違ったりする。一連の句が、文全体の中へ位置づけられずに、あてずっぽうに近い日本語をあてはめられただけで、訳されずじまいになっている。 文脈が、接続詞やら関係代名詞を無視して、はすかいに飛ぶのだ。斜め横断訳というやつだね、こいつは、たいした才能だ、と私は唖然たる口をようやくほどいた。 (中略) つづく
89 : つづき 多少なりとも翻訳に従事したことのある人間ならば誰でも覚えのあることだろうが、原文の文法的構造をないがしろにすればかならず、訳文は文章として、おさまらなくなる。 どこかで破れ目ができて、「無意味」がはらわたのごとくはみ出す。ことに、文章の結びがどうにもつかなくなる。ところが訳者になまじ「文才」(といっても、たいていは俗なものだが)あると、結べぬものを、まがりなりにも、結んでしまうことがある。 そして、訳文は、平静に読めばまるで筋の通らぬものとわかるのだが、ある調子に乗せられると、それらしいものとして、読めてしまう。 それにまた、意味の甲殻が破れて、無意味のはらわたが流れ出すというのは、表現のひとつの極致でもある。訳文は騒々しいが、原文はそのような限界域にあるのではないか、と読者はつい憧れもする。 時代の雰囲気なのだ、このような悪訳と、そして悪訳への理解とを、可能ならしめたのは。カフカの場合なら昭和20年代の、外国の新文学をがつがつと呑みこんだ、あの熱っぽい焦りの時代を思出させられる。 超現実的なものへの憧れにも、熱烈なものがあった。そして「文才」というのも、考えてみれば、時代の雰囲気のものなのだ。 (中略) しかし外国文学の翻訳は、とうに「文才」の時代を抜けている。認識の時代である。むしろ訳の「文才」を排することによって、原作の実質を浮かびあがらせようとする。 カフカの場合、新しい訳からもっとも望まれるものは、ストイックな訳の苦行によっておのずからあらわれるはずの、原文の響き、歌うがごとき躍動である。
90 : >>88 古井由吉の愛読書29に白水の「審判」が入ってるよ つまり、池内さんの翻訳は読むに耐えるということだね あんなに誤訳だらけなのに? いいかげんなもんだな
91 : >>90 古井さんが作品名だけざっと挙げたのを まとめた人が適当に既訳を拾ってリストをつくったんじゃないの? 古井さんがきっちり出版社まで指定したのかな?
92 : >>91 出版社まで指定したかどうかはわからないね まとめた人が適当にやったのかもしれない 白水の関連サイトでは「小社の本が古井氏の愛読書に選ばれました」的なことを書いてあった
93 : じゃあやっぱりふつうに原文で愛読してるんでしょ
94 : 古井さんは原文で読めるからねぇ あえて池内訳で読む必要はないか
95 : これにて一件落着
96 : 審判 (ちくま文庫) [文庫] フランツ カフカ (著) (著), 飯吉 光夫 (翻訳) http://www.amazon.co.jp/%E5%AF%A9%E5%88%A4-%E3%81%A1%E3%81%8F%E3%81%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84-%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%AB/dp/4480025081/ref=sr_1_2?s=books&ie=UTF8&qid=1332921558&sr=1-2
97 : >>96 このリンクって、どういう意味? 飯吉訳は絶版だよね
98 : 舞踊絶賛の飯沼訳か。
99 : 舞踊って誰?
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