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2012年5月ロボットゲー212: SRXチームに萌えるスレ (141)
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SRXチームに萌えるスレ
- 1 :09/08/05 〜 最終レス :12/05/13
- このスレはSRXチームのメンバーに萌えたり、燃えたりするスレです。
SRXチームの叩きはもちろん、他キャラの叩きは止めましょう。
- 2 :
- イングラム
- 3 :
- プリスケン
- 4 :
- まわれ
- 5 :
- いんふぃにてぃ☆しりんだぁ!
- 6 :
- 対怪獣用
- 7 :
- 一撃必殺型
- 8 :
- バンナムビーム
- 9 :
- すぐ落ちそうな予感が
- 10 :
- だがやらせん。
- 11 :
- 落ちちゃいなちゃ〜い
…と誰か言うと思ったんだが
- 12 :
- age
- 13 :
- リュウセイとかがいるカスチームだっけ
- 14 :
- 保守。
- 15 :
- ヴィレッタ隊長だけは好き
- 16 :
- 新の頃のペルシャ猫なアヤが好きだった。
- 17 :
- 保守
- 18 :
- 保守あげ
- 19 :
- >>16
あの頃はまだキャラが立ってたよな
- 20 :
- >>19
今じゃ鬱展開要員で不幸設定を置く場所扱いだもんな。
- 21 :
- そう言えばリュウセイも新の頃はまだ女性型ロボットに鼻息荒くする奴ではなかったな。
- 22 :
- sage
- 23 :
- 踏み
- 24 :
- >>21
リュウセイも寺豚+自己投影キモ豚の
犠牲者
- 25 :
- ヴィレッタ隊長が一番かわいい
- 26 :
- ですな
- 27 :
- えー
- 28 :
- アヤ大尉が一番エロい。
- 29 :
- クスハ汁飲んだ時のイングラムの喘ぎ声もエロい。
- 30 :
- 二人共エロい
- 31 :
- 379:””削除””依頼 2009/10/23(金) 13:01:03 HOST:353690021411617 w41.jp-t.ne.jp
削除対象アドレス
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1216553283/
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1249452050/ ←
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1253012239/
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1249411353/
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1253989079/
http://jfk.2ch.net/test/read.cgi/gamerobo/1199683009/
削除理由・詳細・その他
GL4.投稿目的による削除対象
※掲示板の主旨に関係があっても、利用者の気分を害するため・利用者を揶揄するために作られた物
※全く情報価値の無い物・真面目な議論や話し合いを目的としない物
- 32 :
- 最近、オリキャラスレに対して荒らしによる理不尽な削除依頼、誘導が頻発しています。しかし、
・そもそも乱立するスパロポ関連のスレをまとめるために作られたのがロボゲ板であること
・アニメキャラ板、ゲーキャラ板は容量的に余裕がないこと
・対してロボゲ板は荒らしのスレが乱立できることから分かるよう、かなり余裕があること
以上の点から、オリキャラスレは板違いではなく、他板への移動は不要、むしろ迷惑です。ですのでこのスレをそのままお使いください。
また、削除人さんが間違えて削除してしまわないよう、ローカルルールを今一度よく読んで利用してください。特にエロゲの話題には注意してください。
以上、マルチ、長文失礼しました。
- 33 :
- ヴィレッタ「二本が合体して一本の武器になるゼロスラッガーって、スラッシュブーメランみたいよね」
リュウセイ「ウルトラマン・ゼロ……以前一緒に戦った事があるような気がするぜ」
ライ「俺はむしろ一戦交えたような気すらするのだが……」
マイ「話についていけない(´・ω・`)」
アヤ「ついていく必要もないから」
イングラム『話に入れない……|||orz』
クォヴレー「黙れ背後霊」
- 34 :
- 保守
- 35 :
- !
- 36 :
- age
- 37 :
- あげ
- 38 :
- 今度やるアニメじゃ影薄いよな…
いやまともにアニメとして再構成するんならキャラとエピソード絞るのは当然の話だからいいけどさ
DWじゃえらいことになったし
紅の幻想筆頭に好きなイベント結構あるけどおざなりにやられるくらいならばっさりカットのほうがいいや
- 39 :
- >>38
確かに、おざなりにされるくらいなら、バッサリカットの方が諦めもつくな……。
出来れば活躍してほしいけど。
- 40 :
- 話の上での活躍は微妙としても超絶クオリティのSRX合体とか
SRXフルバーストによる無双再びとか見たいよそりゃ
でも前者はともかく後者は曲がりなりにもSRXチーム主役だったからこそできた荒技だし
いや、超絶クオリティバリRX合体は実はほんのちょっっっぴり期待してるんだけど
- 41 :
- SRXはバリってロボでもないなあ・・・
- 42 :
- ttp://blog-imgs-46-origin.fc2.com/r/a/k/rakusyasa/1282566880400.jpg
- 43 :
- SRXは合体したらめっちゃかっこ悪かったけど
最終形態のバンプレイオスだっけ?あれになったらめっちゃカッコよくなったなぁ
ただ、名前がね…
- 44 :
- >>38
今回はメインじゃないからそれならしょうがないよな…
>>39
最低でもアインストレジセイア戦での展開だけは有ると思いたいな
>>40
今回は手書きだろうから
OVA版以上のものを期待したいな
- 45 :
- チーム萌えもいいけどカプ話もしたいの(´・ω・`)
- 46 :
- >>45
どんなカプ話がしたいの?
- 47 :
- アヤ×マイは鉄板
- 48 :
- なんでATXが優遇されんだよと・・・旧ファンは思う。
お手柔らに頼むよ。
- 49 :
- >>48
正直やっかみの気持ちがないかと言われると嘘になるがよそじゃ口が裂けてもいえないw
とりあえずOG3でたぶんやるだろうリュウセイ復活はサルファ通りにしてほしい
- 50 :
- パイスーが胸元の空いたデザインに
- 51 :
- 一話目でアインスケに殺されてた件
スピリッツといいサルファといい今回といいボコラレ率高いなリュウセイ
- 52 :
- >>50
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org1179141.jpg
谷間全開ですよ。
http://brunhild.sakura.ne.jp/up/src/up467730.jpg
全くけしからんですな。
- 53 :
- 過疎るのもほどほどにして
単独スレがなくなって久しいヴィレッタ隊長にみんなもう少し優しくしてあげてください
- 54 :
- DSでいいから魔装みたいに超機大戦で1本ゲームでないかな
DC関係やガンエデンをうまくイジればバルマーと霊帝で十分纏まると思うけど
- 55 :
- SRXチームが活躍するのはいつだろう?
- 56 :
- OG3まではじっと我慢の子かねぇ……。
- 57 :
- 新年あけました一撃必殺乙
- 58 :
- 「こんなに暇なら、特訓のほうがまだマシだぜ」
雲すら見えない空を見上げて、そっとぼやく。さっき見た時と同じ光景なのが、なおさらゲンナリさせる。
「任務はあくまで警戒だ。敵が必ず来るとは限らん。」
聞こえないように呟いた独り言に、冷静な切り返しが飛んでくる。
「だが、それほど暇なら後でスケジュールの見直しを隊長に進言してやる。
体力を持て余しているとな。それでやる気も出るだろう」
冷静なその言葉は揶揄する響きも含まれていた。
「ちょ、ちょっと待ってくれ。あれ以上、特訓の量を増やされたら、体が動かなくなっちまう」
慌てて、顔を前へと戻す。そこに見えるのは何度も見た光景だ。その白けた風景が、焦りとやる気を忘れさせていく。
たまらず、先ほどの声の方へと顔を向ける。
「なぁ、本当にDC残党はここへ来るのか?戦争はもう終わってんだぜ」
「奴らにとっては終わっていない。それにこの基地にあるものは、奴らにとって見過ごすことのできない代物だ。油断はできん」
「今更持ち出したところで何も変わらないだろ。どこが使おうが、核ミサイルなんて壊すことしかできねぇんだよ」
DC戦争のことを思い出す。あの時、DCのミサイルによっていくつもの基地と命が失われたが、
結局は連邦の勝利で終わった。そのことを思うと、苦い思いが口の中に広がる。
「リュウセイ、だからこそだ。使われないために、壊されないために、俺達はここにいる」
口調こそ冷静だが、そう言ったライディース、ライもまた、同じ苦味を感じているようだった。
- 59 :
- アフリカ方面軍ではここ最近、DC残党の組織的な行動に大きな被害が出ており、連邦軍の頭を悩ませていた。
そこで引っ張り出されてきたのが俺達SRXチームなわけだが…、
待っていた任務は前線ではなく、そこから一歩手前の基地の警備だった。
その理由がさっき言っていた核ミサイルだ。
この基地に保管されている核ミサイルを狙って、DC残党が何度も偵察を送ってきている。
だがそれは最初の頃の話で、最近はリオンシリーズどころか戦闘機すら見掛けはしない。
それでも、DC残党の行動を連邦が黙って見過ごすはずもなく、核ミサイルの移送と各方面軍からの援軍が計画されていた。
その計画が実行に移されるまでの間の警護のために俺達が呼ばれた、ということらしい。
ただ、そんな重要な任務にも関わらず、いつも通りの特訓に決まったコースの巡回という、
目的とやることが乖離しているというジレンマを感じていた。
「そういえばライ。アヤとマイはいつ、研究所から戻ってくるんだ?隊長が迎えに行ってるんだろ」
決められたスケジュールが終わって、夕食をつついている時、気になっていたことを聞いてみた。
「予定ではもう到着しているころだ。大調整が終われば、すぐにこちらに戻ると言っていた」
「そうか、あんまり会えないんだし、たまには親子でゆっくりしてもいいと思うんだけどな」
「目が離せない弟のような子がいるんだから、しょうがないでしょう」
聞き慣れた声のほうに思わず振り返ると、見知った顔が並んだ。
「アヤ、マイ、隊長!なんだよ、戻ってるなら言ってくれれば迎えにいったのに…って、弟って俺のことかよ」
「他に誰がいる」
思わずライを睨むと、意地の悪い笑顔をしている。アヤ達が近くにいたのも気づいていたらしい。
「隊長、不在中のトレーニングがどうやら甘かったようで、リュウセイの奴、暇を…」
「ライ、いつも世話になっているからな!今日の夕飯は奢らせてくれ!」
もう少しで飛び出しそうだった爆弾発言を全力で遮る。
「そう、悪いわね。リュウセイ、気を使わせて」
それを聞いて楽しそうに、隣へ腰を下ろす隊長。
「そんな気にしなくていいのに、私達はチームなんだから。でもたまにはお言葉に甘えようかしら」
と、その反対に座るアヤ。やぶ蛇を恐くて、何も言い返せずにいると、
「リュウ、私はちゃんと自分の分を払うぞ。リュウには世話になってるから」
とマイが肩を叩いてくれた。
「…ありがとよ、マイ」
今月のプラモは、保存用を諦めるハメになるかもしれない。財布の中身を思い出して、呻くしかなかった。
- 60 :
- 「それで隊長、DC残党の情報は手に入りましたか?」
夕食後に、ミーティング室に集合がかかる。内容は、例のDC残党の動きについてだ。
「それについては、研究所に行く前に、ギリアム少佐を通じて情報部から調査を頼んでおいたわ。
その調査結果が、帰りの便の中で送られてきたの」
ディスプレイに、調査内容の文字と画像データが映し出される。
文字が多くて全て読むのは大変そうだったが、画像と調査結果をざっと見ただけで、言いたいことはなんとなくわかってくる。
「DC残党の動きが、かなり少なくなってるな」
自分の考えもマイと一緒だった。たぶん、アヤやライも同じ事を思っているだろう。
どこの場所もDC残党に対して後手にまわっており、痛撃を与えたなどという報告はどこにもない。
ということは、考えられるのはおそらく…。
「そうね、マイ。たぶん近く大規模な軍事行動にでるためでしょうね」
「そう。情報部も同じ推論に達して、核ミサイルの移送計画を早めるべき、と上層部に報告したそうよ」
「いつ行動するか、といった具体的な情報はまだ掴めていないのですか」
「残念ながら、AMや戦車、戦闘機といった兵器の動きすら掴めていないのが現実よ。
こちらとしては当分、警戒を強めるしかないわ。全員、いつ敵襲がきてもいいように心がけておきなさい」
いつ敵襲がくるのわからない、最前線とは違ったつらい戦いになることが雰囲気で伝わってきた。
- 61 :
- DC残党を見なくなって十数日、核ミサイルの輸送の、正式な日程とルートが決められた。
基地の兵士達は、警戒する理由とお荷物が消えることに喜んでおり、
士官たちも、安堵と喜びを隠そうとはしていなかった。
少しずつ、核ミサイルの輸送日が近づいているが、DC残党は全く姿を見せない。
敵に輸送を悟らせないようにするため、基地は外面だけは通常運転へと戻っていった。
それでも、DC残党は動かない。
それはこちらの杞憂だったということではなく、ただひたすら時期を待っている。
そんな気がした。しかし、そんな予想と裏腹に、とうとう輸送日までDCの機体は一度も見かけることは無かった。
- 62 :
- あ〜、よりにもよって順番間違えた、61はスルーしてくれ
- 63 :
-
「でも、いつ来るのかわからないってのはつらいよなぁ、本当に」
「もう音を上げたのか。まだ半日も経ってないぞ」
巡回任務が一段落ついて休憩を入れる。ずっと張り詰めていた集中が切れると、どうしても本音が漏れてしまう。
「ハガネにいた時は、こちらから敵を叩きに行くか、少し経てば嫌でも敵襲が来たからな。
じっと敵を待ってるってのは、あんまり性に合わないんだよ」
「敵はこちらの都合など考えてはくれん」
「わかってるよ。しかし、物々しいな。まるでDCやインスペクターとの最前線だぜ、この状況は」
呟きの上を戦闘機とAMが通り過ぎていく。
昨日の報告が原因なのか、昨日とは明らかに違う雰囲気に包まれて、さきほどから哨戒部隊が常に基地上空を飛び回っている。
「上層部も事態を重く見て、援軍を待たずに、核ミサイルの移送を行うべきか検討してるそうよ」
「えらく早い決断だな、アヤ。確かに核ミサイルが無ければ、この基地が襲われる理由が無くなるんだろうが」
「万が一、奪われでもしたら連邦政府にとって大きな痛手になるわ。
ただでさえ、各地の残党や異星人対策に頭を悩ませているのだから、少しでも厄介事を減らしたい、というところかしら」
「まぁ、ここが平和になるなら、それに越した事はないよな」
ふと、核ミサイルが保管されている倉庫のほうへ視線を移す。
PTのライフル程度では、そう安々と壊せない堅さであると説明されていたが、見た目はただの倉庫にしか見えなかった。
「アヤ、そろそろ哨戒の交代の時間よ。マイと交代しなさい」
哨戒を終えた隊長がこちらにやってきた。
「私はこれから基地司令とミサイル護衛についての会議に出席してくるから、スケジュールはきちんと守るように」
了解、と返事し、アヤが格納庫と向かっていく。しばらくすると、R-3パワードが滑走路から上空へ飛びたっていった。
- 64 :
-
「すっげぇ、見た事ないPTだ!」
場に不釣合いな幼い声がすぐ近くから聞こえてくる。
思わず声が聞こえていたほうへ振り返ってみると、そこにはさっきの声のイメージに、ぴったりな少年がいた。
先ほどの出撃の場面に、興奮冷めやらぬ様子だ。
「ねぇねぇ、さっきのPTってさ。ゲシュペンストシリーズやヒュッケバインシリーズとは違う奴だよな!?
どこか面影はあるけど、あんな飛行機みたいな機体って聞いた事ないし!もしかして超極秘機体って奴!?」
次々とかけられる甲高い声に、少し呑まれそうになる。
ライはこの厳戒態勢に不釣合いな子供の登場で、いぶかしげに眉根を寄せている。
「ここは立ち入り禁止区域だ。いったいどこから入ってきた」
「え〜、お父さんがお偉いさんだから、知り合いや部下がいる時は入れてもらえたりするんだよ。ほら、俺以外にもいるし」
子供が指し示したほうを見てみると、そこには基地の備品に目を輝かせた子供の団体様があった。
街中とは違った雰囲気が珍しく、思うままに観察したり、触ろうとしている。
入り口の見張りに目をやってみると、自分のやってしまった事に顔が青くしていて、どうしたらいいのかわからないようだった。
「リュウセイ、この子供を出口まで送っていってくれ。俺はあそこの子供達を連れてくる」
「ライ、あまり怖い顔するなよ。子供が怖がるぜ」
返事もせず、大股で子供達のところへと向かっていった。
その姿を見た子供達が、恐ろしいものを見たかのように固まり、一部の子供達は怯えたように逃げ出していく。
それ走って追いかけてゆくライの姿は、子供を襲う怪人のようだった。
「こっちも戻るぜ。あの怖いお兄さんに追いかけられたくないだろ」
視線を戻してみると、こっちの子供はすり足で逃げようとしていた。駆け出す間も与えず、裾を引っ掴んで捕まえる。
「歩兵の連中は、さっきの金髪よりずっとおっかないぜ。おとなしく帰っときな」
頬をふくらまして、抵抗する子供を引きずっていく。こっちの子供は懲りもせず、ぶちぶちと不満を垂れていた。
「せっかく見た事ないロボットが見れると思ったのにさ…。
あんなタイプ、雑誌やテレビだって見た事ないのにさ…。
新型やワンオフが集まってきているっていう話は本当みたいだったのにさ…。
撮るためにカメラだって持ってきたのにさ…」
なんというか、他人事とは思えない話だ。
- 65 :
- 「なんだ、ロボットとか好きなのか?」
「当たり前だろ!まともに異星人と戦える兵器なんだぜ!
最近は機種も増えてきたし、エースパイロットだってたくさん紹介されてるんだぜ!」
「へぇ、カメラにはどんなのが写ってるんだ」
そう言うと、子供は自信ありげにカメラを手渡してくれた。
中身を覗いてみると、先ほど撮ったであろうR-3に加えて、リオンシリーズに量産型ゲシュペンストが写っていた。
中にはネットやカタログを写したような写真もある。
とはいえ、子供が集めたもので、こちらではあまり馴染みがないだろう、宇宙専用のコスモリオンや海専用のシーリオン、
それに数が少ない特機の写真は写っていなかった。
「結構集まってるんだな。でもいくらか穴があるな。シーリオンとかコスモリオンとか」
「そうなんだよ。こんな内陸じゃ、シーリオンやコスモリオンなんてあるわけないし、
雑誌とかで出てくるのって大体ガーリオンだったり、ゲシュペンストだったりするんだよな。
玄人の俺からすれば、そんなの見飽きたから、もっとマイナーな奴を出して欲しいんだよ。
それにインスペクターとの戦争でロールアウトしたアステリオンのような新型も見てみたいんだけど、
全然特集とか組まれないんだよな。ネットとか見ると存在しているのは確実なのにさ」
「パイロットが兵器として紹介されるのに抵抗あるからな。でも、ネットには1枚や2枚転がっているだろ?」
「全然駄目。まともに写ってる写真が一つもないんだもの。
撮影者が言うには、速すぎてフレームに収められないんだってさ。
ってか、兄ちゃん。あの幻のアステリオンのパイロットを知ってるの!?」
「同じ部隊に何度かいたからな。幻なんてあだ名はついてなかったけど」
「マジかよ…、もしかして兄ちゃんって…」
子供の目がふてくさた物から、尊敬の輝きが混じり始める。確かにパイロットというのは一種憧れを持たれる職業だろう。
俺も高校に通っていた頃は、パイロットに特別な憧れや尊敬を抱いていたものだ。
「あのハガネかヒリュウの整備士とかだったりするのか!?」
反応からした答えと予想が盛大にかけ離れて、思わずずっこけそうになる。
俺の乗ってるR-1とSRXがどんなにすごいか説明してやろう、と意気込んでいただけに、
階段を一段多く登ろうとして、つんのめるような気分だ。
「確かに、うちの整備士もすごい連中揃いだけどさぁ」
- 66 :
- 「おーおー、自分ですごいって言えるなんて大した自信。でも確かに、整備士もすごい人間揃いだよな。
アーマーリオンやズィーガーリオンとか、整備士が設計したのにそこらの異星人顔負けの性能らしいからな。
ほんと、あそこは異常な部隊だって」
正確には、設計したのがパイロット兼整備士兼技術者という。真面目に考えてみると嘘くさいような話だ。
「まぁ、設計の専門家は、さらに1歩2歩先へぶっとんだ物を作るしなぁ」
「なに、専門家って?それよりさ、あの部隊の整備士ならレアモノの写真とか持ってるんでしょう」
子供が駄々をこねるように腕を揺すりはじめる。
さっきまでなんとか逃げようとしていたのに、今は、逃がさないと言わんばかりに、腕を巻きつけてきていた。
「わかってるよ。ほら、機密情報とかあるから、あんまり詳細な写真ってのはないけどな」
コレクションが入っているDコンを差し出す。
今まで作られてきたロボットは全て入ってきていると言ってもいい自慢の一品だ。
今まで販売されたプラモの箱絵まで全て網羅してある。
隊長やギリアム少佐に協力してもらってまで作ったコレクションなのだから、
これ以上のものは軍の情報室にでもいかないと拝めないだろう。
取り上げられた設計図が今思い出しても惜しくなる。
子供は、マニア垂涎のコレクションを目の前に興奮した様子でDコンをいじっている。
興奮し過ぎて手足が勝手に動いているかと思えば、興味が無ければ苛立ったようにボタンを連打する。なんというかわかり易い。
「すげぇや。ネットとかじゃ全く見たこと無いような写真ばかりだね」
「だろ。このコレクションを越えるものは無いって断言できるぜ」
「でもこれ、AMやPTより特機の写真のほうがずっと多いね。
正直、スーパーロボットって嫌いだから、すごくもったいないよね、これ」
確かに子供の表情は不満げだった。特機を入れるんだったら、その分AMやPTを入れろ、と言わんばかりだ。
「なんだよ。スーパーロボットが嫌いなのか。
写真を撮る角度や持ってる武器によって全然イメージが違ってくるんだから、数が多くなるのは当たり前のことだろ」
「お兄ちゃん、ほんとにオタクだねー。
だけど、スーパーロボットものって、自分の周りじゃ評判良くないよ。
いっつも気合で解決したり、友情で強くなったりとかありえないじゃん」
「おいおい、敵の弱点を探したり、強敵の倒すための武器や作戦を練ったりするのは、スーパーロボットのお約束だぜ!
気持ちだけで強くなったりするわけじゃねぇよ」
- 67 :
- スーパーロボットを馬鹿にされては黙っていられず、語気が荒くなる。
子供は予想してなかった反論に言葉が詰まっていた。なんとか、さらに反論しようとするが適当な言葉は出てこないみたいだ。
「さては、スーパーロボットものをちゃんと見たことないな。
しょうがねぇ、Dコンに入ってるバーンブレイドを移してやるよ。やっぱりキチンと見ないと良さってのは伝わらないからな」
「いいよ。Dコン持ってきてないし、リアル系しか見ないもん」
両手でDコンをいじろうとした隙を狙われ、子供が駆け出して離れていく。気がつけば、入り口の近くまで来ていたようだ。
どうやら、レア物の写真への熱情は醒めてしまったらしく、あまり未練も無さそうに離れていく。
「あ、そうだ。」
走っていた子供が思い出したように振り返る。
「それにさ、スーパーロボットってさ、人が死なないじゃん。やっぱりリアル系のようにバンバン人が死なないと嘘くさいって」
何気なく放った言葉は、とても衝撃的なものだった。言葉の意味を理解するのにワンテンポ遅れる。
しかし、その言葉を放った本人にとっては大したものでもないらしく、一矢報いた程度の表情で駆け出していく。
「おい、まてよ!」
子供は、声を無視して入り口から走り去っていった。先ほどの言葉を逡巡してみる。そのふざけた台詞に怒りが沸いて来る。
だが、沸いてくるのは怒りだけでなく、痛いところをつかれたという気分もあった。
それは、スーパーロボットに対してではなく、
かつて似たような気持ちで戦いに出ていた頃、PTにスカウトされていた頃のことを思い出すからだろうか。
確かにあの頃は、PTを扱えれば異星人を追い出せる、とまではいかないが、
力を持たない者を無条件で守れると思うくらいには自惚れていた。
そしてその自惚れを打ち砕いたのが、今守っているミサイルだ。苦い思いをかみ殺しきれず、
胸に痛みのような感覚が突き抜ける。その痛みから逃れるように、格納庫へと足を向ける。
今はR-1で巡回するか、でなければ整備点検でもして、少しでもあの過去から逃げたかった。
- 68 :
-
DC残党を見なくなって十数日、核ミサイルの輸送の、正式な日程とルートが決められた。
基地の兵士達は、警戒する理由とお荷物が消えることに喜んでおり、
士官たちも、安堵と喜びを隠そうとはしていなかった。
少しずつ、核ミサイルの輸送日が近づいているが、DC残党は全く姿を見せない。
敵に輸送を悟らせないようにするため、基地は外面だけは通常運転へと戻っていった。
それでも、DC残党は動かない。
それはこちらの杞憂だったということではなく、ただひたすら時期を待っている。
そんな気がした。しかし、そんな予想と裏腹に、とうとう輸送日までDCの機体は一度も見かけることは無かった。
- 69 :
- そんな時に、俺はライと二人で通信室へと向かっていた。
本当なら核ミサイルが積み込まれるタウゼントフェスラーの警護をしなければならなかったはずだ。
それを邪魔した挙句、呼び出しをするのがあのタコハゲ司令なのだから、重い気分に包まれる。
呼び出された理由は、先日の子供の件だった。
隊長が言うには、悪いのは子供の親である士官と入れた衛兵だと認められており、きちんと処分はでているらしい。
それでも呼び出されたのは、ただ厭味を言いにきただけ、とのことだ。
隊長が情報部やマオ社に太いパイプを持っているため、目を付けられており、釘を刺しておく、というのも理由もあるみたいだが。
相手の厭味に思いっきり反論してやりたいが、やればやるだけ隊長の動きが制限されかねない。
おとなしく相手に合わせておこう、というのがライとの相談の結論だった。
とはいっても、そんな理性的な判断で、このかったるい気持ちが解消できそうものない。
整備や巡回が長引いたことにして、遅刻でもできないかと考える。
しかし、そんな幼稚な考えを見透かしたようにライが急かしてきた。
「遅れてもその分、終わる時間が遅くなるだけだ。さっさと終わらせるぞ」
ぐうの音も出ず、渋々従う。壁の通信室の文字が、テストの点数のような死刑宣告に見えていた。
そして、その日の始まりを告げる風きり音に爆発の衝撃が、基地の雰囲気を一変させた。
この音と衝撃はとても馴染み深く身近なもの。実弾だとすぐにわかった。
- 70 :
- 「隊長、外の状況はどうなってるんだ!?」
ライと共にR-1とR-2のある格納庫まで全力で駆けつけた時、隊長は整備士や待機中のパイロットに指示を出していた。
元々、警備に参加する予定だったおかげか、機体はすぐにでも出撃できる状態のようだ。
「状況は一刻を争うわ!コクピットで説明するから、すぐに搭乗しなさい!」
「「了解!」」
整備士から差し出されたパイロットスーツを脇目も振らず受け取り、コクピットへと昇っていく。
機動シーケンスを行っている間に通信をつなぎ、パイロットスーツへと着替えはじめる。
「アヤとマイが巡回中にDC残党を発見したわ。敵の数はリオンタイプが5機程だから、それほど心配はいらないはずよ。
むしろ危険なのは、接敵直後から砲撃されているこの基地ね」
「じゃなきゃ、こんな砲撃してこないだろうしな」
格納庫までの道のりで、着弾音が聞こえたのは両手じゃ利かない。
今は基地の迎撃システムをフル稼働させて、敵弾の迎撃させているはずだ。
「遠距離砲撃のみによる核ミサイルの破壊なんて運任せでしかない以上、絶対に後詰が来るはずよ。
今までの動きからして、完全に輸送日だけを狙っていたわね。スパイがいるのか、情報が漏れている可能性が高いわ」
確かにそれも問題だが、今やるべきことは目の前の状況に対処するべきだ。
「それに先ほどから、他の格納庫や司令部との連絡がとれないわ。最悪、自分達だけ戦うことを覚悟しなさい」
「核ミサイルは今どうなってんだ?」
「核ミサイルの積み込みをした輸送機の左翼が砲撃のせいで破損したおかげで、今は動かせない状況なの。
下手に核ミサイルにでもあったたりしたら、放射性物質が漏れ出したりしたら大惨事よ。なんとしても輸送機を守り抜きなさい」
「了解!」
厳しい状況だが、泣き言を言ってられるような場合でもなかった。無理を通してでもなんとかするしかない。
- 71 :
- 「ライはリュウセイの援護に専念しなさい。砲撃がどれだけ続くかわからない以上、R-2で前に出るのは危険だわ」
「了解」
こういった状況では、トロニウムエンジンが搭載されているのはこっちにとって足枷でもある。
装甲が厚く作られているとはいえ、R-2はバリアの類は一切もってないし、
何よりエンジンに直撃すれば、核ミサイルの比ではない被害がでる可能性もある。
乗っているのがライじゃなければ出撃すら見合わせていたかもしれない。
砲撃の音と着弾の衝撃が少しずつ止み始める。それは戦闘停止ではなく、敵の後詰が基地に突入してくる合図である。
それを迎撃するため、管制の合図もGOサインへ切り替わる。
「ライ、後ろは頼んだぜ」
「お前のフォローはいつものことだ。存分にやってこい」
「そっちのそれも、いつものことだけどな」
この皮肉も、腕が伴えば頼もしく聞こえてくる。
「リュウセイ・ダテ、R-1出るぜ!」
「R-2続いて発進します」
そして格納庫の扉が戦場への道を、重々しく開き始めた。
- 72 :
-
基地の状況は思った以上に悪かった。あちこちから黒煙が上がり、見慣れた風景がその面影を残しているものは一つもない。
一つ横にある通常PTの格納庫は入り口近くに砲弾が落ちたのか、建物の4分の1が崩れ落ちている。
あれでは入り口ごと瓦礫を吹き飛しでもしない限り、出ることは難しそうだ。
うちの格納庫にも周りには砲撃の跡が残っているが、それでも無事なのは運が良かったというよりは、ただの偶然としか思えなかった。
「隊長、外はかなりの被害がでています。他の部隊からの援護は期待できません」
「だいぶやられてやがる。死傷者が何人でてるか…、クソ!」
苦い思いを噛み締めながら、ポジションにつく。これ以上、味方の損害を出すわけにいかない。
DC残党の奇襲方法は、前々の戦いでよくわかっている。
ブーステッドライフルのセーフティを外し、いつでも敵の出現に備えられるように構える。
R-2もハイゾルランチャーのチャージを始めており、いつでも撃てるよう、その時に備えていた。
「リュウセイ、ライ!12時の方向から基地へ向かう機体をアヤ達が確認したわ!
数はおよそ20!最初の部隊は巡回から、本命を引き離すための囮だったようね。
ASRSを展開しているから、通常のセンサーには反応しないわ。リュウセイ、T-LINKセンサーで補足を試みなさい!」
「わかった!」
DC残党のいつもの手だ。ASRSに有効なセンサーが無い以上、使い古されていようが効果的な手だろうが、
特別製のT-LINKセンサーを積んでいるR-3がいたのが幸運だった。
大体の方向がわかれば、こっちのT-LINKセンサーと目視で敵の居場所をつかめる自信がある。
ブーステッドライフルの照準から、接近してくる機体群を探す。
注意していれば20機近い部隊のブーストドライブの光を探すのはそう難しいことではない。
嫌な気配の元を辿っていくと、高速でこちらに向かってくる光点がいた。
ズームアップで目視してみると思ったとおり、ガーリオンタイプだ。
さらにその先には、敵の母艦と思わしき戦艦が3艘いる。恐らく基地への砲撃はこいつらだろう。
囮のことも考えると、そうとうの大部隊だ。敵にとっても、核ミサイルはかなり脅威ということなのだろう。
「ライ、隊長見つけた!ガーリオンが21機、こっちに向かってくる!敵戦艦がその先に3!たぶん、敵部隊の母艦だ」
報告するより先に、ライとアヤ、マイ、そしてサポートしている隊長に向けて、敵部隊のデータを送る。
一拍してレーダーに、送った敵のデータが表示されてくる。これでASRSのアドバンテージはほぼ無くなったようなものだ。
「リュウセイ、ライ!可能限り、敵が基地に近づく前に叩き落しなさい!」
「了解」
「まかせろ!」
- 73 :
- 照準を敵の部隊の先頭へと合わせる。
凄まじい勢いで近づいては来るが、動きが直線的なので補足し続けるのは決して難しくは無い。
ジリジリとズレる照準を直しながら、射程に入るその時まで息を止めてずっと待ち続ける。
そして、敵との距離を測るメーターがあるカウントまで達した時、反射的に引き金を引いていた。
放たれた弾丸は目視できない速度で敵へ向かっていき、
敵の先頭が有効距離に入ったことを知らせる合図と同時に、ライフル弾がその敵を吹き飛ばした。
だが、ブレイクフィールドを展開したガーリオンを落とせるほどの威力は無かったらしい。
バランスを崩したガーリオンに向けて再び、引き金を引く。
今度こそ勢いを失ったブレイクフィールドを撃ち抜き、狙い通り、右足と右腕を吹き飛ばして地上へと落下していった。
息をつく間もなく、次の先頭のガーリオンに照準を合わせた時、
ハイゾルランチャーのビームが、先頭のガーリオンとその隣のガーリオンをまとめて貫いていた。
さすがにハイゾルランチャーは、ガーリオンでは防げないらしく、2機とも、メインカメラとその周辺を貫き、失速しながら地上に落下していく。
あのスピード相手に、2機同時なんて芸当はライならではだろう。
その技量に安心感を覚えながら、間髪いれずに次のガーリオンに照準を合わせ、銃弾を撃ち込んでいく。
今度もブレイクフィールドに阻まれ、直接敵の機体に損害を与えることは出来なかったが、
距離が近づいたおかげで威力が上がったのか、敵機は態勢が崩れて、オーバーブーストそのままの速度で地面に突っ込んでいった。
さらに次の敵機へ狙いつけようとする横で、またR-2のハイゾルランチャーが2機の敵機のメインカメラ周辺を、丸ごと吹き飛ばしていた。
しかし、これ以上撃墜されまいと敵もバーストレールガンを乱射してくる。
高速移動中に撃っているだけに、狙いも何もない滅多撃ちだが、輸送機を護衛しているこちらにとっては、逆にそれが恐ろしい。
輸送機を中心に着弾していく。慌ててライフルを捨て、シールドを構えて輸送機の前に出る。
念動フィールドを全開にするが、それでもコクピットへ衝撃が飛び込んでくる。
ヘルメットが無ければ、頭が血だらけになりそうなくらいだ。
「クソ!これじゃ手出しできねぇ!」
ライの方も狙撃を諦め、シールドを構えて輸送機の前に立ち、守ろうとしている。
「ライ、輸送機は俺がなんとか守ってみせる。お前は砲撃を続けろ!このまま、敵に来られたら、2機だけじゃ守りきれねぇ!」
「…!わかった、無茶だけはするなよ」
舌を噛まないように、必死では歯を噛み締め、機体が動かないように踏ん張る。
後ろから聞こえるR-2からの援護の音だけが、今の状況の救いだ。ライのためにも、ここを動くわけにはいかない。
だが、敵が近づくにつれて、狙いが正確になってるらしく、少しずつ敵からの圧力が強くなっている。
いつ終わるかわからない衝撃に耐え続けた後、急に着弾音と衝撃が無くなり、一気に静かになった原因は…。
- 74 :
-
「リュウセイ、来るぞ、クロスレンジだ!」
敵はオーバーブーストそのままの勢いで、こっちへ突っ込んでくるつもりだ。敵の数を確認すると、さらに2機、ライが撃墜したみたいだが、それでもお構い無しに、地面スレスレの高さで向かってくる。
「接近戦なら、こっちの十八番だぜ!」
念動フィールドを拳へと集中し、1呼吸、息を整えて敵へ構える。もう、こちらと敵の先頭が交錯するまで間も無い距離だ。
ソニックブレイカーで突撃してくるガーリオンに向けて、一歩だけ地面を踏みしめ、拳に全質量を込めて敵へぶち込む。
「くらえ、T-LINKナッコォ!!」
一瞬だけ、何かに阻まれるような感触を感じたものの、それに構わず拳を振りぬき、ガーリオンへと直撃する。
カウンターでT-LINKナックルをまともに食らったガーリオンは、速度はそのまま風穴を空けて、輸送機と自分の遥か後方へ吹っ飛んでいった。狙いが正確ならコクピットは無事なはずだ。
「へ、R-1に近接戦闘を挑むなんて10年早いぜ!」
こちらの武装に怖気づいたのか、こっちへの攻撃はスピードを落とし、牽制するように射撃を打ち込んでくる。
どうやら狙いを変えて、鈍重なR-2を落そうとしているようで、最後尾の二機だけがライへ向かって突撃していく。
それに対して、ライは避けようとせずに、迎撃しようとビームチャクラムを発射する。
しかし、威力が足りず、チャクラムがはじかれてしまう。鈍重なR-2では今から避けるのは難しいだろう。
だが、ライははじかれたチャクラムを上で一回転させ、さらに勢いをつけてガーリオンに叩き付ける。
さすがにこれは防げず、横に回転しながらまた後方へと吹っ飛んでいった。
「俺に出会った不幸を呪え」
その決め台詞が聞こえてきそうな鮮やかさだった。
さらにもう一機向かっているが、ライなら避けて態勢を整えることなど簡単だろう。
牽制していたガーリオンは驚いて動きの鈍っている。
このまま一気に片付けるべく、こちらから突撃しようとしたその矢先、R-2にソニックブレイカーが直撃した。
驚いてR-2の状況を確認しようとした所に、調子を取り戻したガーリオンの射撃が降り注ぐ。
「ライ、大丈夫か!?」
「っ…、俺は大丈夫だ…。なんとか、シールドで防いだ」
こんな時でも、敵は待ってはくれない。
アサルトブレードで止めを刺そうと馬乗りになっているガーリオンに、Gリボルバーを全弾叩き込む。
弾は全て直撃し、ガーリオンは蜂の巣になって倒れこんだ。
「それよりもリュウセイ、輸送機の近くに人がいる!あの子供だ!」
「…マジかよ!」
- 75 :
- センサーで生体反応を探してみると、確かに子供くらい小さい反応が、さっきまでR-2がいた場所の近くにある。
R-2が直撃を食らったのもこいつのせいだろう。
モニターで拡大してみれば、弾丸と衝撃が飛び交う戦場のど真ん中で何をすればいいのかわからず、突っ伏して泣き喚いている。
「隊長、聞こえたよな!?輸送機の近くに子供がいる!誰か避難させられる人間はいないのか!?
このままじゃ、どうなるかわからねぇぞ!」
「こちらでも確認したわ。例の基地に侵入した子供ね。…まったく。」
隊長にしては珍しく、苦々しくモニターを見つめている。
冷静な隊長がそんな顔なのだから、周りのスタッフは怒りや驚きは半端ではない。
「位置からして、最初は輸送機に乗っていたみたいね。
リュウセイ、輸送機にコンタクトを取るから、なるべく周りに被害が出ないようにしなさい!」
「了解!どっちにしろ輸送機だって守らなきゃならな…!」
言い終わらないうちに敵の攻撃が飛んでくる。不意の衝撃で後ろに傾き始めるR-1の姿勢を慌てて直し、シールドを構えなおす。
敵はこちらの武装を悟ったせいか、遠距離で仕留めようとしているらしい。
牽制のような半端な攻撃ではなく、全弾叩き込んでケリをつける勢いだ。
着弾の爆発と衝撃で、辺りに煙幕のように煙がたちこみ始める。もう少し耐えれば、敵の攻撃も一旦止むはずだろう。
だが、そんな事を待っていられるような状況じゃない。
まとわりつくような煙を振り切るように、一気にブーストを最大出力へと持っていく。
胸や肩に2、3発食らいながらも、高速で間合いを詰めるこっちの動きに敵は虚を衝かれたようだ。
一番近い敵へと狙いをすまし、大きく拳を振りかぶる。
煙を切り裂きながら現れたR-1を敵がはっきりと自覚する前に、T-LINKナックルは敵機体の肩へと突き刺さり、地面へと倒れていった。
「アルトほどじゃねぇが、こっちだって踏み込みの速度なら自信があるんだぜ!」
地面へと倒れた僚機を見て、こちらがクロスファイトの距離にいることがわかったようだ。
なんとか距離をとろうとするガーリオンを追いかけるように、こちらも距離を詰めていく。
迎撃するようにこちらに向けてアサルトブレードを突き出してくる、が遅い。
シールドでブレードを止め、こちらへ向けて思いっきり引き寄せる。
その勢いに態勢を崩されたガーリオンは態勢を立て直す前に、頭部に盾が、アサルトブレードごとを突き刺さった。
さらに次の敵機へと向かおうと位置の確認し、思わず舌打ちしてしまう。
敵機は空へと離脱をし、上からこちらと輸送機を狙い撃ちにするつもりのようだ。
一瞬、ブーステッドライフルで狙撃をするか、R-WINGで追いかけるか逡巡し、
次の手を決めた時、空へ上がったガーリオンの足をビームがもぎ取っていく。
- 76 :
- ガーリオンを叩き落したビームは、さっき直撃を受けてボロボロになっているR-2からの砲撃だった。
直撃を受けていたのだから、まともに動かせる状況ではないはずだ。
「エンジンの出力も上がらないし、照準も定まらないが…、空への援護くらいやってみせる。リュウセイ、こちらは気にするな」
「…わかった、お前がそう言うなら信じるぜ」
そう返事はしたが、最悪、R-1と自分がどうなってでも、R-2と輸送機を守らなければならない。
その覚悟を決めたとき、救世主のような通信が入ってくる。
「駄目よ、リュウ。ライは何でも自分で背負い込むんだから、たまには私達が負担を減らしてあげないと」
その通信と同時に、複数の杭にも似た鈍器が残った敵に襲い掛かっている。
なんとか最初の一撃を避けた敵機の、さらに死角を突くかのようにその後ろから突撃し、
敵機は何が起こったかもわからないまま撃沈していった。
R-2のハイゾルランチャーと同じくらい見慣れた武器、R-3のストライクシールドだ。
「アヤ、来てくれたのか!」
「遅れてごめんなさい、少し手間取ってしまって」
「リュウ、ライ。私達が来たからもう大丈夫だ」
敵機の集団の中心をR-3とART-1が駆け抜けていく。
浮き足立ったところにライの援護が入り、残った敵機も次々と撃墜されていく。
なんとか現状を打破しようと浮ついた敵集団の中、1機、落ちついた雰囲気で動かないガーリオンを発見する。
その視線は輸送機だけに据えられていた。嫌な予感が後押しするように、考えるより先に輸送機の前に立ちはだかろうと動く。
ガーリオンが動き出したのはそれと同時だった。通常のガーリオンより数段速い速度で、地面へと近づいていく。
「あの機体、輸送機を狙って!」
「通常より早い、カスタム仕様か!?」
ライの発言とハイゾルランチャーが交わされたのはほぼ同時だった。
地面スレスレの高さまで降下すると、そのままソニックブレイカーで突撃してくる。
輸送機に迫るスピードはさらに上がっており、この位置からではR-2の援護も難しいだろう。
このままじゃ間に合わない。R-WINGで一気に加速し、ガーリオン・カスタムに追いすがる。
「輸送機と子供をやらせてたまるか!」
ガーリオン・カスタムが輸送機に突き刺さる寸前、R-WINGから、勢いを維持しながら変形し、その横面に拳をぶち込む。
- 77 :
- 「つっ!」
手応えはあったが浅い。
やっぱり、カスタムだけあって通常より威力は上がっている。
メインカメラを潰せたが、それでも態勢を立て直し、こちらに体を向けてきている。
その姿から、戦意を失っていないのは明白だ。
少しだけモニターに目をやる。子供が搭乗員に背負われて輸送機へ戻ろうとしていた。
ガーリオン・カスタムは真正面から止めるしかない。避けるなんて持っての他だ。
R-1の両手に意識を集めていく。それに合わせて、自分の手にも力が集まっていくように感じる。
その力が大きくなるにつれて、手の上で大きな刃が形成されていく。
「意地でもここは通さねぇ…」
呟いた後。一瞬だけ静寂が訪れる。しかし、一瞬だけだ。
次の瞬間にはガーリオン・カスタムがこちらへ突撃してくる。
メインカメラが潰れた状態でソニックブレイカーを放つのは、どこへ吹っ飛ぶかもわからない自殺行為のようなものだ。
しかし相手は躊躇したように見えず、最大速度でこちらへ向かってくる。
力が溢れそうになるのを抑えつけ、実体化した剣を相手に向かって放つ。放たれた剣は寸分違わず、ガーリオンに突き刺さった。
だが、先ほどの拳と同じように少し浅い。敵は、突き立った剣にすこしも臆さず、こちらへ向かって突撃してくる。
「破を念じて…」
接触まで数秒も無い。
反対の手に先ほど以上の力が集まってくるのを感じる。
迷いも雑念も全てを込めて拳を握り、大きく振りかぶる。もう交錯まで数秒もない。
「刃を穿てぇ!」
全身全霊の一撃は突き立った剣を、ブレイクフィールドと装甲を物ともせずに押し込んでいく。
一本の剣閃がガーリオン・カスタムを貫いた後は静寂だけが残り、ゆっくりと崩れ落ちる音だけが響いていた。
- 78 :
-
どんな戦いにも残務処理はある。ましてや、基地が砲撃を受けたのだ。
戦闘中と同じか、むしろそれ以上に人が駆けずり回っている。
そんな中、予定を大幅に遅れて、新しい輸送機が核ミサイルを積んで飛立つのを、格納庫から見守っていた。
Rシリーズは補給と整備で、さすがに今は警備には参加できそうも無い。
「それで隊長、結局どこから情報が漏れたんだ?」
「ハルパーの鎌において、連邦はDC残党と手を組んだでしょう。
その時にケネス司令官のそばに、DC残党の人間が潜り込んでいたのよ。連絡員としてね。
それが今回はスパイとして活動していたというわけ。司令官は今頃弁明に必死じゃないかしら」
自分の尻拭いに奔走してる司令官を思うと、実にいい気味だ。
「ギリアム少佐が見逃したなんて珍しいこともあるのね…」
「情報部は上に睨まれていて、戦後処理に各残党の追跡も担当しているの。いくら情報部が有能だからって手は足りてないよ。
アヤ、今回は大目に見てあげて」
「いえ、決してそんなつもりじゃ…」
アヤが、慌てて手を振って否定する。隊長からそんな風に言われて、少し戸惑っているみたいだ。
「もうひとつ、例の子供はなんだってあんな所に」
「あの子の父親が権限を利用して、子供を基地に入れていたりしていた事等が発覚したから、左遷されるために飛行機に同乗。
輸送機降りたのは、レア物のPTを近くで動くのを見たかったから、だそうよ」
「…人騒がせな」
ライが隣でため息をついている。
子供のおかげでR-2が壊れたのだから、仕方の無いことだろう。
残りのミーティグも和やかに進む中、ライだけは終始憮然としていた。
- 79 :
- 「リュウセイ、少しいいか」
ミーティングが終わってようやく自由時間がもらえたところに、ライが話しかけてきた。
その顔はミーティングの時と同じように険しい。
「今回の戦闘での死者は今のところいないらしい。戦傷者は大量にいるがな」
「なんだよ、しかめっ面で。いいことじゃねぇか」
「偶然、いや奇跡に近いだろうが、DC残党のパイロットだけは違う」
「…」
「リュウセイ、わざとコクピットを外したり、機体が爆発しないような場所を狙っただろう」
「…気づいてたのか」
「子供の手間、死者を出したくないのはわかるが、いざという時に躊躇すればやられるのはこちら側だ。
今更、それがわかっていないお前ではないだろう」
「…」
「恐らく、隊長も気づいているはずだ。アヤもマイも戦闘の映像を見れば、同じように思うだろう」
伊達にチームをやっているわけではない、というか。
「…なんて言ったらいいんだろうな。例の子供。あいつにスーパーロボットって人が死なないから嫌いだって言われてさ」
「その意趣返しか?」
「図星というには変かもしれないけど、俺も同じような事を前は考えていたんだ。
ロボットに乗れれば、みんな救えるってな。言ってることは逆なのに、昔の俺にダブった。
だから、あの子供の前では殺したくなかった。あいつの言ってることを肯定したくなかった」
ライが呆れたようにため息をつく。
「だから、お前は子供なんだ」
「なんだよ!戦争に犠牲が付き物だって、大人になれば誰だってわかることだろ」
「お前が戦い始めた理由、戦い続けている理由を思い出せ。それらがブレているとは、俺は思っていない」
- 80 :
- 「…俺のやっていたことは無意味じゃないのか?」
「いつかお前が誰も死なせないように戦ったことが、あの子供に伝わる機会があるかもしれん。
あの子供だけじゃない、他の人間にだってな」
「ライ…」
「それでもまた、やりたくなったら、いつでも俺に言え。その時は殴ってでも止めてやる。…場合によっては付き合ってやる」
それで解決だ、と言わんばかりに顔をこちらから外す。
「…すまねぇな。いつも心配をかけて」
「本当にいつもの事だ。気にする必要もない。それより食事にいくぞ。呼び出しを受けてから、何も食べてないんだ」
「おお、そうだな。ちょうどいい、今日は俺がおごるぜ」
「この間チーム全員におごったのに、随分と気前がいい話だな。遠慮なく甘えさせてもらう」
「うっ…!ちょっと財布と相談させてくれないか…?」
戦争の一枚先にはここにあるような日常が転がっている。その隔たりはとても薄い。
その隔たりを守るために俺達は戦っている。少しだけ迷いながら、チームで支えあって。
- 81 :
- 以上、OGIN記念に、OGINが始まった時から書いていたお粗末なSSです
OG萌えスレにも投下したけど、元々はこっち用に書いていたもの、
これで、少しでもスレに活気がでてきたら嬉しいです
にしても、書いてて
スーパーロボット好きと昔はちょっとヤンチャ、クールな相棒を始めとしたチームに特殊能力持ちって、
本腰入れれば、100ページ書けそうなおいしい設定だと思った
- 82 :
- いきなりレスが進んでてなにかと思ったがGJ!!
- 83 :
- GJ!
SRXチームはやはり良い
- 84 :
- 久しぶりに来たが良SSに出会えて良かった
話の内容も俺好みだしw
GJ
さて皆さん、とうとう来週のOGINはSRXチーム回ですよー
紅の幻想をちゃんと再現してくれるかな
- 85 :
- いけね、今週のだったな
- 86 :
- さぁて、SRX合体シーンはどうなってるかな
- 87 :
- SRX合体、まさに「バリ」アブルフォーメーションだったなw
ソルグラビリオンに食われたかもしれんが
- 88 :
- ノヴァやグラヴィオン的な合体シーンを期待したが尺の都合か結構あっさりしてたね
- 89 :
- アーチボルト関連の話、気合が入ってたな
開きがあんな形で使われるとは
- 90 :
- しかしOGIN放送前は主人公がキョウスケだしSRXチームは脇で2、3話目立った話があれば良いと思ったが
ライをはじめ全員に以外に出番があって嬉しいぞ
- 91 :
- 今回はアヤ大尉が活躍したぜ!
新スパの頃のアヤ大尉が見たら喜びそうな感じだったぜ!
- 92 :
- 念導爆砕剣が死ぬほど格好よくて全俺が涙
まさかウェンドロの止めをやらせてもらえるとは
- 93 :
- これでSRXは全部の武器を使ったな、以外に演出的には優遇されてた感じがする
まあバリってる人が合体ロボが好きってのがあるかも
- 94 :
- そういや、今度SRXを作ったら翼付けてくれってリュウセイがロブに言ってたけど、
これってもしかして伏線かな?
だとしたら嬉しいんだが・・・
- 95 :
- >>94
翼か……SRX用の高機動フライトユニットってとこかしらん。
人型に変型する・しないに関わらず、物凄いスピード特化の機体になるだろう。
チーム内でそんな物を乗りこなせそうな凄腕といえば……。
- 96 :
- ライディースといいたいがコアであるR2のエンジン制御ができなくなるか
個人的にアールガンはイングラムのだからヴィレッタしかいないな
機体名はR-ブースター?もういっそR-ダイガンとかでもいい
- 97 :
- OG3はまだかな早くSRXチーム使いたいぜ
- 98 :
- 第2次OGけってーいPS3持っててよかったー!
- 99 :
- しかしOG2以上に脇に回されそうな予感…
バンプレイオスで縦横無尽に活躍できるのは更に3、4年後か?
サルファから10年経っちまうよ…
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