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2012年6月アニメ2684: 源氏物語千年紀 Genji 第八帖 (286) TOP カテ一覧 スレ一覧 2ch元 削除依頼
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源氏物語千年紀 Genji 第八帖


1 :09/06/26 〜 最終レス :12/05/02
時は平安時代。所は日本国・京都・平安京。
帝とその寵愛を一身に受けた桐壺の更衣との間に光源氏が誕生した。
やがて見目麗しい青年に成長した光源氏は、
三歳の時に失った母に瓜二つの父帝の妃・藤壺の宮を慕い、道ならぬ恋に落ちていく。
その苦悩から救いを求めるかのようにあまたの女性と契りを結んでいく光源氏―。
平安の世を艶やかに彩る、光源氏と彼を取り巻く女性たちによる
千年の時を超える不朽のラブストーリー。
◆公式:http://genji-anime.com/
@実況厳禁、実況は実況板で。→アニメ特撮実況板:http://atlanta.2ch.net/liveanime/
サーバー負荷軽減の為、2chブラウザ(無料)の使用を推奨。→ttp://monazilla.org/index.php?e=109
sage進行推奨。E-mail欄(メール欄/メ欄)に「sage」と記入。
荒らし・煽りは放置して下さい。反応したら荒らし・煽りを喜ばせるだけです
次スレは>>950が立てる。立てられない時は代わりを指名。
<『源氏物語千年紀Genji』TV放送局>
[CX] フジテレビ        毎週木曜日 24:45〜 (H21/1/15〜)
[KTV] 関西テレビ       毎週火曜日 25:29〜※初回25:34〜放送 (1/20〜)
[THK] 東海テレビ       毎週木曜日 26:05〜 (1/22〜)
[TNC] テレビ西日本      毎週水曜日 26:15〜 (1/28〜)
[NST] 新潟総合テレビ    毎週木曜日 26:00〜 (1/29〜)
[KSS] 高知さんさんテレビ  毎週水曜日 15:30〜 (2/4〜)
[TKU] テレビ熊本       毎週火曜日 26:05〜 (2/10〜)
[SAY] さくらんぼテレビ    毎週水曜日 25:40〜 (2/11〜)
前スレ
源氏物語千年紀 Genji 第七帖
http://changi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1235310318/
その他の情報は>>2-5辺り。

2 :
スタッフ
原作・紫式部「源氏物語」
監督・脚本:出崎統
シリーズ構成・脚本:金春智子
キャラクターデザイン・作画監督:杉野昭夫
音楽監督:鈴木清司
音楽:S.E.N.S. Project
美術監督:河野次郎
CG監督:下山真吾
アニメーション制作:トムス・エンタテインメント、手塚プロダクション
キャスト
光源氏:櫻井孝宏
弘徽殿の女御:藤田淑子
紫の上:遠藤綾
藤壺の女御:玉川紗己子
桐壷帝:堀内賢雄
頭の中将:杉田智和
葵の上:平田絵里子
六条の御息所:鶴ひろみ
朧月夜:長沢美樹
王命婦:田中敦子
主題歌
オープニングテーマ「日和姫」
作詞・作曲:椎名林檎、歌:PUFFY
エンディングテーマ「恋」
歌:中孝介

3 :
前スレ
源氏物語千年紀 Genji 第八帖
http://hideyoshi.2ch.net/test/read.cgi/anime/1236920362/
ここは実質第九帖です

4 :
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5 :


6 :
かそ

7 :
『源氏物語千年紀Genji』TV放送局にこれを追加
[TSS] テレビ新広島    毎週水曜日 25:00〜 (5/6〜現在放映中)

8 :
待たない女、来たれり
再度の逢瀬の契りで源氏の事を好きだとあらためて認識した朧月夜に、
事後の源氏が、兄は良い人です的な恋の達人とは思えぬKYな発言
せめてなぐさめようとして言った言葉だろうけど朧が泣き出すのも無理ないなw
新しい帝の元に入内したくないというほど源氏の事を強く想っているのに
自分が想うほどには源氏は自分の事を想ってくれていない事を覚ったのだろうか
暫く泣いた後に泣き止んで身を正し、しばらく逢えなくなりますねと告げるが、
その言葉とは裏腹に朧はまた光源氏と密会する気満々の御様子
最後にみせる笑顔が怖くもあり、女のたくましさも感じさせられる
朧月夜との関係がこの先の波乱の展開を予感させる終わりだった

9 :
父の桐壺帝が退位して藤壺と共に御所を去り、藤壺が奏でる琴の音を
もう秘密の場所から聴けなくなってショボーンな光源氏
藤壺の揺れる心を感じさせる激しい演奏っぷりは見物だっただけに
時の移り変わりは諸行無常

10 :
葵の妊娠がわかって頭の中将と光源氏が取っ組み合うシーンがコミカルで可笑しかった
相撲というか、格闘技の起源は遠く日本書紀の時代にまでさかのぼれるらしい
まさに人類の歴史は戦いや争いと共に進化してきた歴史だなぁ

11 :
六条の御息所が源氏の正妻が身篭ったという噂を聞き、
すっかり関係が途絶えた源氏との甘い蜜月時代を思い出す
それが激しく体を求め合う情景ばかりというのも凄まじい情念の世界
安彦良和の漫画「神武」に、大国主ナムジの後妻のタギリ姫に対して
嫉妬の炎を燃やす正妻スセリ姫がかつての自分達の夜の睦み事を
話して聞かせるという場面があったがそれを思い出した
げに凄まじきは女のプライド

12 :
葵祭での六条と葵の車争いは迫力ある演出で緊迫感のある名場面になっていると思う
現代でも場所取りのシビアさは花見の場所取り合戦に通じるものがあるなw
牛車を押し倒され情人呼ばわりされて衆人の中で辱められた六条の御息所
自分は光源氏の情人なのだと改めて思い知らされた場面だが、
その後の洗い髪のシーンは怖すぎるよ…
水滴をポチャンポチャンと髪から滴らせながら、
「わ〜か〜れ〜な〜け〜れ〜ば〜……」

13 :
病に倒れた葵の加持祈祷の最中、駆けつけた源氏の目の前で
横たわる葵の姿が六条の御息所の姿と重なる場面
源氏の手を自分の胸に導いて触らせるが、源氏がギョッとして慌てて手を引く
死体のように冷たい胸の感触が伝わってきそうだ
涙を流す六条の表情は綺麗なんだけど恐ろしい

14 :
赤ん坊を抱きかかえて幸せそうな葵の姿
子供を交えた夫婦としての生活がようやくこれから始まるという時に……
源氏の御子を出産し終えた事でまるでその役目を終えたかのように亡くなってしまうとは
二人目の源氏の子も数奇な運命を辿る事に…

15 :
鳥辺野の斎場で荼毘に付される葵の遺体
夕焼け空を見上げる男が二人、、、 源氏の君、声をあげての男泣き
葵を失う事で気付かされた己の罪深さ、失ったものの大切さ
いくら悔恨に身を焦がそうと、過ぎ去りし時が戻る事はもう無い…
…葵の雲は何処に?

16 :
怨霊の悪夢に悩まされる六条が地獄の業火に焼かれる場面、
気がつくと自分の顔もまた怨霊のような表情に変わって……
生霊と化した姿を源氏に見られてしまった事で
源氏に真相を知られて、二人の関係がもう元には戻れない事を
自覚したのであろうか
源氏に別れを告げられる前に、いっそ自分のほうから去ろうと…
それが六条の御息所に唯一残された道だったのだろう

17 :
源氏への想いを断ち切ろうとするかのように、斎宮となった娘に付き添い、
一年間の禊の為に嵯峨野の野宮へ向かう六条の御息所
牛車の中で眠る娘の髪を撫でる六条は光源氏にみせる女の顔とは異なり、
優しい母親の顔になっている
当然ではあるけど、六条にもこのような一面があった事に驚かされる

18 :
葵の四十九日の法要の日、疲れてまどろむ源氏が見る夢
源氏と葵が愛し合うこの場面はこのアニメの中でも屈指の美しさだと思う
雪が降りしきる光と影の幻想的な映像美は圧巻
葵が源氏の元から去り、目覚めると建物の外は雨が降っていて、
やって来た頭の中将に夢の中で葵が会いに来てくれたことを告白
「私の浮気を責めました(実際は責めていない)、今はそれさえも嬉しい」と
堪え切れずにすすり泣き
亡くなってしまった今では例え夢の中でも会えただけで嬉しく、いとおしい
せめてもう一度逢いたいという切ない想い
知らぬ間にそれ程深く深く、妻を愛していたんだなあと…

19 :
四十九日の法要も終わり、葵の忘れ形見・夕霧を義父母に預けて
約半年ぶりに二条の自宅に戻る事になった光源氏
葵の死後、疲労が重なってかなりやつれていた様子だったけれど
それも大分回復してきたのだろうか
屋敷に帰る道すがら、惟光が六条の御息所様が伊勢に下る為に
嵯峨野へ向かった事を話すと、光源氏が厳しい表情をみせる
しばし何かを考えているようだが、
かつて愛した夕顔、そして北の方である葵の上をとり殺した相手が
六条の御息所だとわかっているからこそ、
このまま去らせてはいけないと考えているのかもしれない

20 :
そして二条の屋敷に帰り着くと紫の君がお出迎え
半年会わないうちにすっかりと大人びて見違えるように成長
これには光源氏も呆気にとられて驚いていた様子だった
この時期の女の子の成長は本当に早いな〜

21 :
葵が亡くなってから半年以上が経過したある日、競い馬に励む光源氏と頭中将
その光景はホセ・メンドーサとジョーの草競馬を思わせるものがあるw
平和な一幕にも見えるけど、元々は軍事教練の一種といえるかも
練習を終えて汗を拭っていると頭の中将が急に女の話題を振ってくる
義兄としては葵を亡くして激しく落ち込んでいた源氏を見ているだけに
今現在の女っ気のない源氏の事が気にかかっていたのだろう
「三年は喪に服すという教えもあります」と源氏が答えると「それは長い」と頭の君
「私もそう思います」と冗談めかして笑う源氏だが、その頭の中には
数ヵ月後に伊勢下向を控えた六条の御息所のことがあるのかもしれない
亡くなった葵の為にも六条ともう一度会い、けじめをつける必要があると…

22 :
そして頭の中将が源氏の家に美しい花が咲いているらしいという噂が流れている事を話す
どうやら服喪中の源氏が出仕後に遊び歩かずに直帰で自宅に帰っている事で
宮中に紫についてのあらぬ噂が流れているらしいw
「確かにある事情があってお預りしている方がいます、しかしまだ子供ですよ」
「健やかに育って欲しい、そう願っているだけです」と答える源氏の君
その表情はすっかりお父さんw
葵を失って落ち込む源氏を心配していたが、どうやら大切に想う相手がいるらしい、
それはなにより、と一人で納得してニコニコと頷いている頭の中将
そのしたり顔の笑顔が癪に障ったのか、汗を拭って着替えたばかりの源氏が
「もう一戦いかがでしょう」と即座に申し込み、それに驚く頭の中将の反応が可笑しいw
一連のやり取りが男の友情ですな〜w
頭「よよよよよよよよ、よ!?」

23 :
ここで紫が源氏の屋敷に初めて連れて来られた頃の回想が入るわけだが、
惟光があれこれと事情を調べてきた話によると、
紫の父親は藤壺の兄・兵部卿宮だという事
側室だった母親は紫がまだ幼い頃に兵部卿宮の正妻にいびり殺されている事
その正妻のせいで兵部卿宮が紫を引き取れずに断念した事
代わりに北山で紫を育てていた祖母が最近亡くなった事などなど…
雪が降る中、祖母の尼が寒さから紫を守るように抱きしめている構図の絵は
『雪の女王』のマッチ売りの少女のエピソードを思い出させる
あれも祖母を失い、一人残された幼い少女が不幸な最期を遂げる話だったが、
もし源氏が引き取らなければ紫も同じような運命を辿っていたかもしれない
紫に同情的な惟光は源氏が二条の屋敷に紫を引き取る事に大賛成の様子w
寝起きで寝ぼけている無邪気な若紫が可愛い

24 :
回想シーン後、舞台は源氏邸に移って外は雨
光源氏の帰りを出迎えた紫の姿は
葵の四十九日の法要後の半年振りに会った頃よりも更に成長している
昼間の頭の中将との競馬勝負は引き分けだったらしいw
それを聞いて紫の君がころころと鈴のように笑う
日に日に美しく大人びていく紫の姿に、子の成長を見守る父親のように目を細める光源氏
「……楊貴妃か」
ふと、昼間の頭の中将の言葉を思い出して呟くが、すぐに何でもないと笑ってごまかす
紫のナレーションではこの頃の自分にとって源氏の君はまだ雲の上の方だと言っているが、
まだまだお兄様は憧れの存在なのだろう

25 :
書き込みに合わせて一話ずつ見返してる
同じ人が書いてるんだろうけど、毎日楽しみにしてるよー
しかし放送終わるとネタもないなー

26 :
>>25
サンクス!ありがたや〜
源氏相撲対決
頭「どうだ、参ったか!」
光「あなたの手が先についた!」(←負けず嫌い)
頭「む、むう」
源氏競馬対決
紫「ご首尾はいかがでしたか」
光「両者互角の引き分けでした」(←負けず嫌い)
紫「まあ、それはそれは(笑)」

27 :
そして再び月日は流れて、葵の一周忌の法要も無事に済ませた頃、
いよいよ六条の御息所が野宮での一年間の潔斎を終えた斎宮と共に
明日、伊勢へと旅立つ日がやって来た
折り悪く、空には暗雲が立ち込めて暴風雨が吹き荒れる生憎の天候
しかし、まるでこの日が来るのを一年の間、待ちわびていたかのように
供もつけずに一人、源氏は馬を駆って疾風の如く嵐の中へ飛び出していく
突然の雷光が闇の中で馬上の源氏の姿を強く照らし出す
一瞬浮かび上がったその表情は厳しく険しい…
葵を死の呪いから救えなかった罪
生霊と化すほど六条を追いつめ、苦しめた罪
妻を殺した六条の御息所に何故会いに行くのか?
赦したいのか? それとも赦されたいのか?
ただ別れを告げるその為だけに…

28 :
一方、六条の御息所は光源氏が今日訪れる事を強く予感しているようだ
葵を呪い殺した生霊の姿を源氏に見られてしまっている六条は
自分が京を去る前に、源氏は全てを終わらせる為に必ずやって来るだろう、と
瞑想を止めて外に出て、豪雨の中に立ち尽くして源氏の来訪を待ち受けている六条の御息所
その顔はさながら病んだ目をした幽鬼の如き表情で、鬼気迫るものが感じられる
激しい雨に打たれている全身が時折、影のように黒くぶれて
まるで怨霊と六条の姿が一体化しているかのようにも見える
源氏は気がついていないかもしれないが二人は何かが繋がっている、と六条自身は確信している
それは愛しても決して報われない相手を愛してしまった者同士という事なのだろうか…
六条は他の誰か(藤壺)を想っている源氏を愛し、追い求め、
源氏は父の寵妃である藤壺を愛し、追い求めている
どちらも求めても決して手に入る事はない叶わない恋
約一年振りに二人が再会する瞬間が近づいている…

29 :
雪の女王スレはエロパロコピペ厨
源氏物語スレはわけのわからん感想野郎

30 :
>>29
自分がネタをふれよ
文句は立て逃げ>>1に言え

31 :
六条の伊勢に行った娘って、のちの秋好?
見てみたかったなあ。母ゆずりのイイ女だろーな
出崎源氏の女達はアクがつえーから六条院がどうなることやらw

32 :
嵐の中を駆け抜けて源氏が嵯峨野に到着
馬上から飛び降りて向かい合う光源氏と六条の御息所
「明日、御発ちになると聞き、せめてご挨拶を…」と到着早々に源氏が切り出すと
「こんな時、言葉は要りません。その事は貴方も御存知のはず」と六条が答える
少しの間があり、源氏が全てを呑み込む様に静かに頷く
「……はい」
目を逸らさずに見つめ合い、対峙する二人の間に凄まじい緊迫感が流れている
そして唐突に、息詰まる一瞬の静寂が!?

33 :
静寂の後に続く、反響と色彩の残像…
そこにあるのはただ繰り返される男女の行為
無言に交わされる互いの精神の世界
それは荒御霊を鎮める魂鎮めの儀式か
傷ついた心の癒し、慰めか…
それとも二人の別れの時を告げる返歌なのだろうか
「別れられる……、これでよい…、何もかも…、これで良い……」

34 :
翌朝、六条を乗せた牛車が伊勢へと旅立っていく
あれほど吹き荒れた嵐は嘘のように過ぎ去っている
牛車の中の六条が今はどのような面持ちでいるのか窺い知る事は出来ない
果たして六条の御息所の荒ぶる心は救われたのだろうか?
回る牛車の車輪
ただ朝の光が美しく辺りを包んでいく…
それを馬上から一人見送る源氏の姿は哀しく寂しげである
ある意味、源氏の一番の理解者だった六条の御息所が去っていく
深まっていく源氏の孤独を埋める者は未だいない
光源氏の心を救える者は何処に?
今はただ 愛した人に さよならを
               第八話  『嵯峨野』    ―完―

35 :
タイムスケジュールを纏めると大体こんな感じ?
妊娠中の葵が病に倒れる
源氏、葵の実家に行く
 ↓(約4ヶ月経過)
葵死去
 ↓(約2ヶ月経過)
四十九日の法要後、源氏、半年振りに二条邸に帰る
 ↓(約5ヶ月経過)
御所内の馬場で競い馬
 ↓(約5ヶ月以上経過)
六条、伊勢へ旅立ち

36 :
前スレからお役立ちなものを拝借
                  . 桐壺の更衣─┬(夫婦)─桐壺帝    右大臣
                    .    |  .|  .    | .       |
左大臣       藤壺─(夫婦)─────┘     (夫婦)      (親子)
 |           \       .  |          |  ┌───┤
(親子)       (義理の親子・恋愛)|          |  | .   |
 ├─────┐      \    (親子)      弘徽殿の女御  朧月夜
 |   .    |        \   |               .    U
頭の中将  葵の上─(夫婦)──光源氏-------(恋愛)-------------┘
   |         |     . |U|\
   └─(友情).──|────┘U|  \
             (親子)  .  .  U|  (恋愛)
              |     .  U|     \
             夕霧        U|   六条の御息所
惟光(源氏の従者)           U|
                      U└(夫婦)─紫の上(若紫)
                     (恋愛)
                      U
                      夕顔

37 :
前々スレからも一つ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::\ ,∠__ , ― 、∠ _/  /  /::::::::::::::::l::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|::::::::::::::::::::::::::_ヽ、ク´ ̄/´` \`ヽ,、 /:::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::: |:::::::::, - 、 i´ `Y  ∠ , ―‐ ヽ \二):::::::::::::::::::::::::::l::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:.:
::::::::::::::::::::::::::::γ⌒ヽ:::::::l   Y ゝt-ヘ/´  /´`\ヽ (ヘ, -.、::::, - 、:::::::|::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:.:
::::::::::::::::::::::::::::::!、  .ノ|::::::ゝー ' /`T/j  /  ,、  \,_ソ、_ノ (  ):::::|:::__:::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.
:::::::::::::::::::::::::::::::::: ̄::::|::/ / /〈'_/´ ̄ ̄ ̄\、 <ヽ::::::::::::::`゛´:::::::l〃 `ヽ::::::::::::::::::::::::.:.:.
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|  ∠、./  ,|/ー‐フ>ー '  ̄ヽー|::::::::::::::::::::::::::::|ヘ、__ ノ::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::|/(  ) /.|  〆´  , ィー-、_ム |::::::::::::::::::::::::: l::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i´ `i/´ /./| . /   イ |     |::::::::::::::::::::::_|:::::::::::γ⌒ヽ::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ー ' / /  | !     イ /     |:::::::::::::::::::i´ `i:::::::::::ヘ   ノ:::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::, -‐ 、:::::|/ /  /.|     V     |:::::::::::::::, -ゝ、 ィ::::::::::::::` ̄:::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::l   ,}::::|/r ‐ 、.   |      |     |::::::::::::〈   〉::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::`ー‐´:::::| 人   ノ__|__   γ⌒ヽ、  /`ヽ,_:ゝー ':::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

38 :
更にもう一つ
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\.:.:./.:.:./.:./.:.    . . . . . . . . . . . . . ./ノl | く::::::::::::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::`ヽ, ん-、/.:. .      . . . . . . . . . . / 从 ノ∧\::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.::ノしイ /ー、.:. . . _     . . . . . . . . .´ ̄ ̄ ̄. . ..\:::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:./  い/ /⌒y'´ _      、. . . . .   . : . : . : .ヽ:::::::::::
:::::::::::::::::::::::::.:.:.:.:.:.:.:/     (ノ/ ./ー ´   ` ー--、 ヽ.. :.:.:.    . : . : . : .:i::::::::::
:::::::::::::__ , -‐ ´\       し´       __, ゝ、.:::::./..   . : . : . :/:::::::::::
― ´ ̄/_ , -‐―‐t、` Y⌒i           `ヽ `ー.´:.:./. . .    . : . /:::::::::::::::
    /´ /    |. \__!ノ、             \ .:.:.:.l. . .    . : .:/::::::::::::::::::
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  //` ー<´     ` Y  `ヽ.       .r 、 \ ヽ. 〈. . .   . :./ ヽ::::::::::::::::
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39 :
日本のアニメーションを代表する監督5人、
杉井ギサブロー監督、りんたろう監督、出崎統監督、高橋良輔監督、富野由悠季監督が広島に集結した!
五大監督かく語りき……「私が手塚治虫から学んだこと」
ttp://ascii.jp/elem/000/000/166/166784/
虫プロ出身の五大巨匠の根っこにあるものが会話から垣間見えますな

40 :
アニメ会の『ヲタめし!』 出崎統監督ゲスト登場回
ttp://www.voiceblog.jp/wotameshi/766516.html
『源氏物語千年記 Genji』の見所、女性観、ヤンデレについての監督の話あり
かなり後半

41 :
デジタル技術で描いた“古典”と“常識”
『源氏物語千年紀 Genji』 出ア統監督インタビュー
ttp://www.p-tina.net/interview/283
「監督にこんなこと言われちゃったし、監督にこんな風にやれって言われてるけど、俺はこの方が面白いと思う」って言ってくるのを、
俺は待ってるわけよ。で、そういうのと自分がぶつかったときに、やっぱり作ってる実感がするじゃない。
「こいつ、イイなあ」と思ったりね。
これが集団作業で作品を作り上げる醍醐味ですな

42 :
今月発売のDVD第四巻を買ってきた
これで源氏物語DVDもついに最終巻だな〜
できればもっと続きを観たい
今回は初回特典の紙パッケ裏に幼い紫の絵があるサプライズがあった
パッケ表の大人紫と少女の紫で、時を越えてW競演ということにw
杉野昭夫氏が描く成長した紫の絵は可愛いな〜

43 :
紙パッケの中の真パッケージでは若紫の絵が前の方にコラされてる
キャラと一緒に描かれている羽ばたく鳩は出崎作品ではお馴染みw
鳩と鳩の間を動画で繋ぐとそのまま動きそうだ

44 :
今回のDVDに付いている6P解説書に
「Genjiで見る出崎スタイル 出崎演出が光る名シーン」というコーナーがあって
そこでいろいろな出崎演出法が簡単に解説されていたのだが、
「止め絵」の所の説明に「光源氏の笑顔が眩しい、劇画止め絵表現」と書いてあった
そこの部分の絵に、第4話での若紫との初めてのの笑顔を選ぶとは
ナイスチョイスだww
このカットを選んだ人はわかっているなw

45 :
「繰り返しショット」の所では「重要なシーンなので3回繰り返す」という説明とともに
光源氏が藤壺に迫るカットが使用されていた
重要なことなので3回言いました、みたいな解説が面白いw

46 :
DVD特典CDも今回が最後というわけで
ミカドラジオ完全版の第7回と第8回のゲストは出崎監督
第7回 16:30→21:16
第8回 18:47→24:25
収録時間は第7回が約5分、第8回が約5分半、ネット配信版より多く収録されている模様
ちなみにあと千年経てばまたアニメ化されるかもしれないそうな
次は、源氏物語二千年紀委員会発足か?

47 :
第九話のタイトル『叢雲』は光源氏の周囲に立ち込め始める暗雲を指すのだろうか
諸行無常の言葉が示す通り、万物は絶えず流転変化し、常なるものは無し
今まで輝きを放つ存在であった光源氏に陰りの季節が訪れるのがこの話数辺りからであろう

48 :
雨雲が空を覆い、やがて静かに雨が降り出す
しかし闇の中でも鈍く妖しい光を全身から放つ存在があった
屋敷で一人、竹笛を吹く光源氏の表情は苛立ち、激しい怒りが瞳に宿っている
その内なる怒りは何に向けられたものなのか?
光源氏の脳裏をよぎるのは、葵の無念の死の記憶か、六条との苦い別離なのか…
望まぬままに愛する者や近づく者を傷つけてしまう己への激しい怒りと苛立ち、
それは誰よりも一番許せない存在である自分自身に対する怒りなのではないだろうか

49 :
そんな源氏の元に惟光が駆け込んできて
源氏の父・桐壺院が危篤に陥った報を伝える
愕然とする源氏
子にとってあまりにも大きな父親の存在
失って初めて、その庇護の元に己が自由に生き得ていた事を知る
強く逞しい人間でも永遠ではなく、いつかは終わりの時を迎える
考えたくなかった未来、あえて目を背けていた事実
それが今、訪れようとしている
雨の中、必死に馬を走らせる光源氏
今また大切な存在が源氏のそばから去っていこうとしている…

50 :
場面は、病床の桐壺院と傍に付き添う藤壺に変わり、
死の床につき、今までの諸々の事がまるで夢のようだと述懐する桐壺院
やつれきったその表情には明らかに死相が現れている
長い間尽してくれた藤壺に礼を言い、二人の子、春宮を頼むと言い残す
そして今まさに光を失おうとしている桐壺院の虚ろな目は現実を離れ、
果たせなかった近江での藤壺との舟遊びの夢を見る……
霧に包まれた幻想的な湖面
幻の船の行き先は観音菩薩がおわす補陀落浄土なのだろうか
人の一生は一夜の夢の如し

51 :
桐壺院 崩御
雨の中、駆けつけた源氏はひと足遅く、呆然と立ち尽くす
足元がグラリと揺らぐような衝撃を受けたのだろうか
頭から滴る水滴をぬぐいもせずに立つ光源氏に藤壺が声をかける
最近視力が衰えて遠くの物が見えなくなってた院に御顔を見せてあげて下さい、と
ただ力なくうなだれるしかない光源氏
父の死に目に間に合わなかった後悔は、この後、源氏を苦しめていく事になっていくだろう
抱えた裏切りの秘密の重さと共に…
降り続く雨は光源氏の涙雨なのか
まるで道に迷った幼子のように、雨に打たれながら馬で帰る源氏の後姿が淋しい
もはや敬愛する父はどこにもいない
時雨はそのまま次の月まで降り続いたという……

52 :
「光る君」「六条」終了
映像になると女ったらしぶりがムカつくのは何故だろう?

53 :
>>52
最初の辺りの話では、父の側室であり継母である藤壺への禁断の想いを
他の女(主に年上)に溺れることで忘れようとしているからかな
女たらしも代償行為の逃避でしかなく、そこには愛がない

54 :
しかしこうしてアニメになるとさすが古典だ。枠としての強度が半端じゃない。
アニメ作品としてどちらが優れているかは別として、ベルばらやら兄さまへを
超える物語の強度がある。1000年間物語の女王として日本に君臨してきた
だけのことはあるわ。原作読みたくなった。円地版は1巻だけ読んだけど、
やっぱり原著じゃないと折角日本人に生まれたのに損だよなあ。

55 :
はてさて
桐壺院がお隠れになってから時は移ろい、季節は冬
光源氏と頭中将が源氏邸にて降りしきる粉雪を眺めながらの雪見酒
風流な美しい眺めとは裏腹に何やら頭中将が憂い顔
酔いが回れば愚痴も出る

56 :
酔った頭中将の話によると、先帝・桐壺院が亡くなってからというもの、
政務の場での右大臣の専横が目に余るようになってきているとの事
それも、皇太后・弘徽殿の女御が右大臣家の一の姫であり
そして現帝・朱雀帝の生母でもある威光からだという
現帝の威を借る右大臣一派にとって、光源氏は亡き先帝が愛した側室の子であり
次の帝となられる春宮の後見人でもあって何かと邪魔な存在
その連中にくれぐれも足をすくわれぬよう気をつけるよう警告する頭中将
ほろ酔い気分の雪見酒も何やら空虚な苦い酒に…
不吉な予感を孕ませつつ、
偉大な父を失い、政治的な後ろ盾を無くした光源氏の背後にも
ひたひたと暗い政争の影が迫ろうとしていた……

57 :
>>54
原作は世界的な著名度がある作品です。

58 :
一方、光源氏と重大な秘密を共有する藤壺は
桐壺院の死後、日増しに大きくなる罪の意識に苛まれていた
一心に琴を激しく掻き鳴らす藤壺の姿は千々に乱れた心中を表すかのよう
突然、弦の上に手の平を叩きつけて泣き崩れてしまう
院を騙し続けた苦しみの余り、いっそ死にたいと命婦に告白する
そんな藤壺を労わるかのように後ろからそっと抱きしめて
たとえ行き先が地獄でも自分はついて参りますと答える命婦
そこで画面の色調が急にモノクロフィルムのように変わる演出がゾクリとくる
王命婦の藤壺に対する深い忠義心を感じさせられる

59 :
そして季節は再び流れて、桜が咲き誇る春
春宮の御殿に母の藤壺の宮が訪れる
誕生から数年が経ち、春宮は幼いながらも利発そうな子に成長している
瞳の色は藤壺と同じで、顔立ちは光源氏の幼い頃に似ているようだ
春宮と戯れている藤壺は優しい母親の表情をみせている
悩み深き藤壺にとって、ひとときの安らげる幸せな時間であろうか
そこにたまたま春宮の後見人である光源氏が御機嫌伺いに訪れる
春宮の母から藤壺も別の御殿に訪問中と聞き、さすがに動揺の色を隠せない光源氏
春宮の本当の父母である二人の再会……、
春の嵐ならぬ、波乱の予感である

60 :
藤壺に御伽噺を聞かせてもらっている途中、光源氏が現れてはしゃぐ春宮
春宮は後見の源氏の君にかなり懐いている様子だ
春宮に御挨拶をしつつ、御簾越しに藤壺の方をちらりと見遣る源氏
しかし拒絶するかのように、さっと目をそらす藤壺
幾万の言葉を重ねるよりも、光源氏のその視線は今も変わらぬ藤壺への想いを
熱く語りかけている
しかし藤壺は急に用事を思い出したと立ち上がり、その場を離れようとする
…明らかに避けられている
その事実がかつての切ない記憶と心を苛み、源氏の表情が僅かに歪む
しかし言葉には出さない
あの日の晩、藤壺が源氏に伝えた決意、密かに交わされた約定…
平伏した姿勢のまま微動だにしない源氏の横を足早に通り過ぎていく藤壺と王命婦
二人の子を前にして互いに何も語らず、話す事さえ出来ず、触れ合えもしない……
これがあの日、禁忌を犯した源氏が受けるべき罰なのであろうか?

61 :
>>53
源氏って結局、自身が一番好きだったんだろうなと思う。。
藤壷(桐壺)に捕われてる自分が好きというか。。
葵も紫もその他女君も死んだり、手の届かない状態にならないと
本気で大事だとは実感してない気が。

62 :
>>61
自分が一番好きな男だったならば、身の破滅につながるような相手には手を出さずに
まず保身に走るのではないかと思う
相手の反応で自分が傷付くような事は言わず、行わず、当り障りのない事だけをやる
しかし光源氏はそうはしなかったと
心の命ずるままに行動して結果的に相手も自分も周囲の女性も傷付いた
光源氏は本当に藤壺の事を愛していたのではないでしょうか
その方法は間違っていたとしても、本来、恋とはそういうものではないかな

63 :
藤壺が立ち去る場面で特筆すべき点として
三つの異なる角度からの連続した止め絵と
画面分割による両者の表情の微細な変化を捉えた心理描写だろうか
かつてベルサイユのばら(後半)などでも用いられた独特の手法であり
藤壺と光源氏の心の内を見事に表現している
あいかわらず出崎演出が冴え渡っていて嬉しい

64 :
光源氏とすれ違ったその夜、藤壺は妖しい夢をみる
それは自分の寝所に忍んでくる光源氏の夢
帝の不在時に、藤壺から文をもらって忍んできたのだという
そんな文は出していないと藤壺が否定すると源氏は帰ろうとする
思わず引きとめようとして本心を話してしまう藤壺
本当は貴方が来るのをずっと待っていたのだと
否定する理性を心は裏切り続け、光源氏その人を求める藤壺
吹雪の屋外へ出て去っていく源氏の背を見送りながら泣き崩れる
もしも二人が普通の男女のであったのなら、と……

65 :
藤壺がハッと眠りから目覚めると、全身にすっかり寝汗をかいている
寝間に王命婦を呼び、今しがた夢を見たことを話す
それは、ほとほと自分自身に愛想が尽きるような許しがたい夢であったと…
今日、内裏でほんの少し源氏の君を見かけたこと
ただそれだけで大きく心乱されてしまったこと
虚ろな藤壺の瞳は暗い絶望の色に染まり、
その心中には未だ夢で見た吹雪がごうごうと音を立てて吹き荒れている
桐壺院の遺言通り、春宮を守る為、そして許しがたい我が身を罰する為
覚悟を決めたと、藤壺は淋しげに微笑みながら告げる
もしやと察する王命婦
藤壺は、まるで世俗の重いしがらみを脱ぎ捨てるかのように
肩に羽織った艶やかな衣をはらりと落とす
ある決意をもって

66 :
そして、夜空に満月が輝くある日の晩のこと、
自宅にて光源氏が竹笛を吹いていると、王命婦が密かに庭に忍んでくる
藤壺の宮様からの「お会いしたい」という言伝をもって
以前、藤壺から別れを告げられることになった真夜中の密会の時には
命婦から伝えられた藤壺の言葉に激しく胸を高ぶらせ、承知したと答えた源氏だったが
今回は一転して落ち着いているようにみえる
あれから流れた歳月は光源氏の心境を僅かでも諦観へと導いたのであろうか?
数年前に交わされた約束は今も守られ続けている
全ては藤壺の為、そして二人の子、春宮の為
春宮の出生に疑いをもたれぬよう徹底して源氏から遠ざかろうとする藤壺の振る舞いも
全て己が犯した罪によるものと受け入れているのであろうか

67 :
出崎統癌だって
もう全身に転移してるかもらしい…

68 :
王命婦に誘われ、密かに藤壺の元を訪れる光源氏
御簾越しに藤壺と源氏が静かに見つめあう
互いに多くの想いが交錯しているのか
最後の別れからあまりにも長い月日が流れてしまった
しかし、見つめ合う時が藤壺と源氏を昔の二人に引き戻す
源氏12歳の元服時、藤壺との御簾越しの別れ
あの時、せめて最後に御簾を上げて一目御顔をお見せ下さいという
ほんのささやかな願いすらも叶えられなかった
多くの時を経て、源氏は再びあの時と同じ願いを口にする
どうか御簾を、御簾を上げていただけますか、と
すると、「はい」と静かに応じる藤壺の宮
藤壺も昔のように「光君様」という、かつての呼び方に戻っている
源氏が元服した日が少年期の藤壺との別れとするなら、
今また同じような場面で、今度は御簾を上げての直接の対面…
それは現し世における今生の別れを意味しているのか
光源氏を呼び出した藤壺の用向きとは何なのか
この後、話された内容は?
果たして藤壺が心に期したものとは……

69 :
源氏はショタからナルシスト青年へと立派に成長してるのに
初登場時から全く見かけの変わらない藤壷すげえ
若い時から老けてたというべきか?

70 :
>>69
1話の      9話のラスト
光源氏 9歳   →   24歳くらい?
藤壺宮 14歳  →  29歳くらい?

71 :
一話の藤壺14歳...ラストは29歳...マジか
そう思ってよ〜く見れば多少違うような...?
しかし出崎源氏のおなごは皆30代に見える。外見内面含めて。
実際は10代後半〜20代前半か

72 :
光源氏と藤壺のつかの間の逢瀬の夜の後、
藤壺中宮が出家したのはそれからほどなくしての事であった
剃髪し、袈裟を纏って、戒を授かる藤壺
共に得度した尼僧姿の王命婦をともない、何処かヘ旅立っていく
行先は観音霊場巡礼を目指した修行の旅であろうか
夕焼けの道を歩み去る、うら寂しい二人の女人
墨染めの衣が最早二人が俗世に生きる者ではない事を物語っている
一方、光源氏は自分の屋敷で一人、膝を抱えて悄然と座り込んでいる
憔悴し切った表情はまるで全てが終わってしまったかのように虚ろで
放心状態に陥ってしまっている
時折その瞳には荒んだ危うい光が見え隠れする
この世を捨てた藤壺と、一人取り残された光源氏
この別れが源氏の未来に破滅的な暗い影を落とす
また一人、光源氏と深い関わりのあった女性が去っていく…
生きる支えであり目的でもあった藤壺を失い、
これから光源氏は何処へ向かっていくのだろうか……
               第九話  『叢雲』    ―完―

73 :
源氏物語千年紀Genjiの脚本・シリーズ構成の金春智子氏が
出崎監督との最初のを語る
ttp://www.madhouse.co.jp/column/fuunroku/01.html

74 :
アニメ会の『ヲタめし!』 「源氏物語千年紀 Genji」出演者ゲスト回
第47回ゲスト:光源氏役・櫻井孝宏
ttp://www.voiceblog.jp/wotameshi/760748.html
第51回ゲスト:桐壺帝役・堀内賢雄
ttp://www.voiceblog.jp/wotameshi/784269.html
第52回ゲスト:紫の上役・遠藤綾
ttp://www.voiceblog.jp/wotameshi/789653.html

75 :
第十話のタイトル『謀叛』はかなりセンセーショナルな題名だが、
古来より人の世に争いの種は尽きず、白村江の戦い、壬申の乱、
大津皇子の処刑など、朝廷内の権力闘争において政敵を葬る際の口実として
謀叛という言葉はその時々で都合良く使われてきたようだ
そして今また、政治的に微妙な立場にいる光源氏にも謀叛の嫌疑をかけて
権力の座から追い落とそうとする者達がいた

76 :
一日が終わる夕暮れ時の都の往来
行き交う立派な二台の牛車
すれ違いざまに牛車の網代から物見越しに扇が投げ込まれる
(すごいコントロールの良さだw)
牛車の主・光源氏がそれを手にとり開いてみると
それはかつてある女性と交わした見覚えのある扇だった
扇には大江千里和歌が書かれている
 照りもせず 曇りもはてぬ 春の夜の
            朧月夜に しくものぞなき
来る女・朧月夜の君との危険な再会であった

77 :
そして雨の降るある夜のこと、右大臣の屋敷で密会する光源氏と朧月夜
以前、二人が会ったのがまだ葵の上懐妊発覚前だったとすると
あれから数年ぶりの再会ということになろうか
朧月夜はその後入内し、現在は尚侍として帝のそばに仕えているという
今回は帝にはわらわ病みと偽って実家に宿下がりしたとの事
それも全て源氏の君に会うための嘘

78 :
こうして時々源氏の君にお逢いしないと生きている気がしないと朧月夜は言う
しばらく逢瀬を重ねれば帝の元に戻ってもまた元気にご出仕ができます、と
晴れ晴れとした表情であっけらかんと話す朧月夜を見て光源氏は思わず笑いを洩らさずにはいられない
藤壺が去った後の鬱々と落ち込んだ気分を自由奔放な朧月夜の明るさが吹き飛ばしてくれたのだろうか
仮病でさえも自分に会う為の嘘と思えば可愛く思えてくるもの
身勝手は嫌われてしまいますか、と朧月夜が問うと、いいえ、呆れるほどにいとおしい、と光源氏が答える
部屋には馥郁とした香の香りが立ちこめ、二人の男女の艶めいた会話が続く…
朧月夜の着物の柄の花が浮き上がるような画面効果が美しい

79 :
すると急にドタバタと廊下から慌しい足音が聞こえてくる
帝から見舞いの品が届いたと喜んでいる朧月夜の父・右大臣であった
(娘の部屋に夜中にずかずかと押し入る無神経な父親である)
情事の最中に踏み込まれ、慌てて単を身に纏い御簾の外に出る朧月夜
返事をして御簾の中から注意を逸らそうとするが、
右大臣は男物の帯が御簾の中に引き込まれていくのに気がついてしまう
さては男か?と血相を変えて御簾の中に分け入ってみると
素肌に派手な衣を羽織っただけの裸の男がこちらに背中を向けて座っている
貴様、何者かと誰何するも見覚えのある顔にたじろいでしまう
「ごきげんよう、右大臣殿」
光源氏としては、最早、逃げも隠れも出来ぬ、この状況
せめて見苦しい振る舞いだけはせぬようにと思ったのだろうか
しかし居直りにも映る光源氏の冷静振りにかえって怒りが込み上げる右大臣であった

80 :
朧月夜は権勢を増している右大臣の六番目の娘
その右大臣の屋敷において朧月夜と事に及ぶのがどういうことを意味するのか
頭中将にも以前注意するように警告されていたが、
現在の自分が置かれている政治的立場とその危険性は
光源氏も十分に理解していたはず
それなのに敢えて危険を冒して右大臣の屋敷に忍んで行ったのは
最愛の藤壺の出家という衝撃、それにより心にぽっかりと大きく生じた空虚な穴、
その隙間を埋めるかのようなタイミングで朧月夜が再び現れた為だろうか?
藤壺との繋がりを断たれた光源氏はまるで錨を失った嵐の中の船のように危なげで
どこか投げやりになっているようにも感じられる
これも因果が招いた巡り合わせなのであろうか

81 :
夕日に赤く染まった右大臣邸
事の仔細を父の右大臣から聞き、驚く弘徽殿大后
源氏と六の君との関係が入内後も続いていた事にとまどう右大臣だが、
父から相談を受ける内に弘徽殿の表情が厳しくなっていく
さっそく帝への言上を提案するが、いや、それは待て待てと止める右大臣
現在、朱雀帝の一番のお気に入りが六の君の朧月夜であり、
その寵愛が損なわれるのは右大臣家としては宜しくない
それに弘徽殿の息子である朱雀帝は右大臣にとっては孫にあたる
その朱雀帝の心を傷つけるのはあまりに忍びないという
しかし弘徽殿はひるむことなく更に父に言い寄る
今、問題にすべきなのは源氏の君のことである、と
帝が大切になされている六の君と知っての此度の狼藉、
謀叛の心これありと思われても仕方ないこと、と言い放つ
さすがの右大臣も「謀叛」という不穏な言葉には息を呑むのであった…

82 :
「謀叛ですか?」
結局、内裏にて帝に事のあらましを伝える弘徽殿大后
だが、朱雀帝に一笑に付されてしまう
源氏の宰相と六の君との関係はずっと以前からの事と聞き及んでおり、
むしろ横車を押しているのはこちらのほうであると、穏やかに話す朱雀帝
だが、後先は関係ありませんと、鬼のような形相で弘徽殿は我が子に言い募る
帝が御手元に置き、その御心をかけられている内侍との密通はまことに恐れ多きこと、
本来ならば死罪にも値する重罪にございまする、と捲くし立てる
朱雀帝がまあまあとなだめるも、まあまあではございません!と更に激しさを増す
この事が宮中に知れ渡って国中の民までもが知る事となれば、帝の権威に傷が付き、
ひいては御国の乱れる元ともなりかねません、と

83 :
弘徽殿の激しい剣幕に眉をひそめつつも、そう、事を大袈裟になさいますなと答える朱雀帝
恋は恋です、と穏やかに母に語りかける
「人と人、心と心で説けばよい事。 国の興亡を持ち出すまでもありますまい」
静けさを持つ瞳で諭すように話す朱雀帝はさすがは国の頂点に立つ人格者の佇まいである
「確かに我が身は六の君に恋焦がれております。 ゆくゆくは我が妻に、と思わぬ日はないくらいです。
でもそれとて、六の君の心が第一。 六の君の恋が私のほうに向いてくれたらの話。
私はその日が来るのを楽しみに待つのみ。 いけませんか、母上? それが恋、私の恋…」
我が子の切ないまでの素直な心情を聞き、悲しそうな弘徽殿大后
「まことに貴方という人は…。 待つこと、耐えること、選ぶのはそんな道ばかり…。 小さい頃から…」
朱雀帝が淋しげに笑い、不器用な恋は母親似ですよ、と答えると、少し驚く弘徽殿
「桐壺の更衣、そして藤壺の女御。 貴女という子を生した人がありながら別の人を愛した父を、
先帝を、それでも貴女は待っていた。 そんな貴女を見ながら私は大人になったのです」
朱雀帝がかける優しい労わりの言葉に、弘徽殿は涙を堪えて目を伏せるのであった

84 :
だが、なればこそと弘徽殿は思う
やはり、我が子・朱雀帝の障害となる存在は許せない、と
しかしながら、と更に訴えを続ける
「帝を軽んずる密通はやはり謀叛と見なさざるを得ない大罪、
せめて流罪との御処置があっても宜しいかと」と尚も執拗に食い下がる
弘徽殿の目には狂気が宿る
しかし、その感情は己が夫の愛した藤壺の更衣とその子・光源氏に対する
嫉妬と憎しみが入り混じった私情によるものでもあった
「母上、いいかげんになさりませ!」と、ついに声を荒げて言い放つ朱雀帝
御殿の廊下から振り返ったその姿は、逆光で黒くシルエットになっていて
その表情を読み取る事は出来ない
だが、弘徽殿に二の句を告げさせない帝の威厳を強く感じさせるものであった
こうして密通騒動は朱雀帝の判断により一旦収まったかのようにも思えたのだが……

85 :
>>84
× 藤壺の更衣  →  ○ 桐壺の更衣

86 :
人の口に戸は立てられぬとは良く言ったもので、
帝の心配をよそに、光源氏の噂は瞬く間に都中に広まっていく……
今までなまじ光源氏の評判が高かった分、嫉妬と羨望が混ざった悪意ある噂が付け加えられて
異様な盛り上がりをみせていく
そして季節は流れて、京の都に再び春がやって来る
街のそこかしこに満開の桜が咲き誇り、都大路に桜吹雪が舞い落ちる
そんな中を頭中将が供もつけずに一人散策をしている
道行く頭中将の耳には都人たちの口さがない噂話が入ってくる
茶屋で一服する最中も、聞こえてくるのは話題の主の光源氏のことばかり
貴族の娘から町屋の娘、果ては自分の屋敷の飯炊き女まで手当たり次第に手をつけるとか
ついには帝の女に手を出して腕折りで都を追放されるとか、無責任な噂で盛り上がっている
(口の軽い噂好きの女房たちが醜聞を洩らしたのであろうか?)
酷いものになると、光源氏が後見している春宮を押し立てて帝を退位させ、
自分が政事を一人占めする気だったらしい、と勝手な憶測をする者までいる始末
噂の影響は決して馬鹿に出来ないものがある…
友の身を案じて険しい表情をみせる頭中将であった

87 :
一方、噂の渦中の人、光源氏は二条邸にいた
特に何をするでもなく座り込み、庭の桜が散る様をただ呆けた様に見上げている
悪意に満ちた噂は当然光源氏の耳にも届いているだろうが、
その事が光源氏の心にどのような痛みを与えているのだろうか?
すると何処からか澄んだ笛の音が流れてくる
どこか悲しげなその音色に惹かれるように屋敷の中を歩いていくと
若紫が一人、竜笛を一心に吹いている
源氏は戸口に座り込みながら紫の演奏にじっと耳を澄ませる
「……美しいが、どうにも寂しい曲ですね……」
源氏がそう呟くと、紫の瞳から一筋の涙が静かに流れ落ちるのであった…
(杉野紫の作画が美しい止め絵である)

88 :
笛を落として源氏に駆け寄り、「お兄様!」と抱きつく紫
光源氏は震える紫を抱きとめると、自分の不穏な噂のせいで不安になっているのだろうと謝るが
紫は、いいえ、違うのですと否定する
きっとお兄様がお困りになっているはずなのに私にはお助けするだけの力がない、
それが悲しいのです、と
紫のその真摯な訴えを聞いて源氏は驚く
紫が本心から不安でないはずがない
屋敷の外に出ることすら躊躇われるような、今まで光源氏を誉めそやしていた世間の誰もが
手の平を返したように好奇や非難の視線を注ぐ中、
このようなうら若い少女が、誰よりも自分を真剣に心配をしてくれているという事に
光源氏はこの少女を何とか安心させてやりたいと願って、喉の奥から声を搾り出す
大丈夫、貴女のその気持ちを聞いただけで私は勇気が出ます、ありがとう、ありがとう、と
その言葉を聞いて光源氏の腕の中で紫は泣き出してしまう
庭の池に舞い落ちた桜の花弁が水流に巻かれて水の中で渦巻いている
まるで運命に翻弄される二人のように……

89 :
紫が光源氏に駆け寄るこの場面では非常に美しい特殊効果が施されている
紫が小走りに走ることで着物の花模様が体の動きから遅れてずれるように浮かび上がり、
そして源氏に抱きとめられて大きく広がる
まるで一瞬、紫の背後が一面の花畑になったかのようである
そして動きが止まって、花々は衣の元の位置に収まるようにゆっくりと消えていく
これはヒロインの背後に花が咲く、一人少女漫画背景効果とでも呼ぶべきだろうかw
出崎演出にまた新たなる独特の映像技法が加わったようである

90 :
膨れ上がった噂はその真偽の如何を問わずに無形の圧力を持ち始める
大内裏では、今や官吏たちまでもが光源氏の処遇に関する噂話に熱中している
そこにふと通りがかった頭中将が足を止めて聞き耳をたてる
もし源氏の君が流罪と決まれば、位はもちろん、屋敷や所領の荘園も全て没収されて
家族や抱えている家来たちもその日から路頭に迷うことになるだろう、
全ては帝のご決断ということだ、と言う
また別の官吏は、源氏の君の運命はもはや風前の灯、
いくら栄耀栄華を誇っても消える時は消えるということですか、と
利に聡い役人らしい日和見的な言葉を発している
戸口の外で一人、沈思黙考する頭中将
すると急に官吏の一人が辺りを憚るように声をひそめて別の話題を口にする
ここへきて、新しい、しかもとてつもなく深刻な疑惑が浮かんできたことをご存知か?と

91 :
「新たな疑惑!?」
「そうです。 しかも御国の根幹を揺るがすような恐ろしい疑惑です」
夕暮れの右大臣邸で、弘徽殿大后と向かい合って座る右大臣が驚きの声をあげる
遠くの寺院からは鈍い鐘の音が響いてくる
話を聞く内に、右大臣の額にはさすがに冷汗が浮かぶ
弘徽殿が言うには、その疑惑とは今の春宮が先の帝と藤壺宮の御子ではなく、
実際は源氏の君と藤壺宮との間に出来た御子ではないかというものだったからである
その会話を偶々その場に居合わせた朧月夜が聞き、ハッと息を呑む
二人に気付かれないように几帳の影に隠れて、そっと様子を伺う
何か確たる証しでもあるのかと右大臣が訊ねると、弘徽殿はその根拠を挙げる
第一に、春宮の顔立ちが宮中でも評判になったほど源氏の君の幼い頃に生き写しである事
第二に、藤壺宮の出産日からの逆算が微妙に藤壺の御宿下がりの頃と合致する事
藤壺宮の御宿下がりの頃に源氏の君との密通があったというのか!?と右大臣が叫ぶと
あくまでも疑惑でございますと、平然と答える弘徽殿
しかしその表情は不敵な自信に満ち溢れている
右大臣は思わず唸り声をあげるしかなかった

92 :
「しかしながら先の帝はもう既に御隠れになり、藤壺宮様は先日御出家され、
もはやこの現し世の方ではありません」
残るは源氏の君のみ、と語る弘徽殿の目がギラリと鋭く光る
弘徽殿大后には今度こそ邪魔な源氏を追い落とそうという決意が漲る
故に右大臣である父上のお力をもって源氏の君の御詮議を、と本題を切り出す
だが、事の重大さに怖気づいたのか右大臣は動揺し、思わずその場に立ち上がる
「罪人のように捕らえて取調べをせよと申すのか!?
源氏の姓を名乗っていても帝の皇子ぞ、そのような事は私の一存では出来ない」
駄目だ、駄目だ、と完全に腰が退けてしまっている
それならばと、弘徽殿は自ら朱雀帝に進言すると言い出す
勝手にせい、と右大臣が匙を投げると、その言葉を待っていたかのように
その場を立ち去る弘徽殿であった

93 :
邸内の渡殿を歩む弘徽殿
外はすっかり薄暗くなっている
すると廊下の途中で、後ろから「お姉さま」と声をかけられる
姿を現わしたのは、弘徽殿が通るのを待ち構えていた朧月夜の君である
「……お見事なまでのご執心。 私、感心致しましたわ」
朧月夜の遠回しの皮肉に、足を止めた弘徽殿が無言で僅かに振り返る
「源氏の君様をどこまで追い詰めればお気が済みますの?
只々、源氏の君様が御自分の昔の恋敵・桐壺の更衣様の御子であるというだけで…」
核心を突いたその言葉に息を呑む弘徽殿
だが、源氏の身を案ずる朧月夜は構わずにそのまま言葉を続ける
「…新しい恋をなさいませ」
純粋に人を想う恋の気持ちも、満たされぬ年月が醜い妄執へと変化させてしまうのだろうか?
弘徽殿も新しい恋に生きれば、そのような煩悩の古い迷妄から逃れられようと
だが、その言葉を聞いた途端、弘徽殿は激しく身を翻す!
一瞬で朧月夜の背後をとって腕をつかみ、まるで懐刀のように扇を喉元に突き付ける
刹那の一瞬の逆転の後、二人の間に異常に緊張した空気が走る
弘徽殿が放つ凄まじい殺気に朧月夜は身動きどころか、声一つあげられない
「……お部屋にお戻りなさい。 貴女は父上から謹慎を仰せつかった身なのですよ」
もし手元の扇が真剣であったならば、朧月夜はとっくに死んでいたであろう
世間に恥を晒して省みる事の無い愚かな我が妹、その気ならばとうに殺しているという恫喝か
これが弘徽殿と朧月夜の、帝の後宮で長年くぐってきた修羅場の数の差であろうか?
弘徽殿の前では朧月夜もただの世間知らずの小娘にすぎない
完全に気圧された朧月夜は、ただ「…はい」と頷く事しか出来なかった

94 :
場面は変わり、夜の源氏邸
突然、前触れもなく来訪した頭中将が夕餉を振舞われている
迷惑気な源氏に対して、頭中将は何故か御機嫌の様子で飲み食いしている
「少なくとも私の知るところ、今、都で最も名が通り、その上、最悪と言われている男が
我が友である、という事がどうも、何となく気分が良い」
普通、気分が悪くなるはずだが…、と納得がいかない様子の源氏の君に
爽やかに笑いながら理由を説明する頭中将
(このアニメ内で今まで見たことのないような最高の笑顔であるw)
「いや、理由は簡単。 美しい、完璧だ、などと言われている友をもっていると
知らず知らずのうちに羨望と嫉妬がない交ぜの肩こりが起きて、
体がどうも思うように動かなくなる」
しかしその言葉とは裏腹に、実に愉しげな表情で茶碗から飯を掻き込む頭中将
「だが!今は快適! まさに快適なのだ!」

95 :
「どうも良く解らぬ、何をしに参られた?」と、源氏が訝ると、
頭中将は笑いながら、横に控えている惟光に、返事の代わりに茶碗を差し出す
そして、当分ここに寝泊りするから宜しく頼む、とようやく要件を切り出す
(豪快におかわりを要求する居候w)
「お前の御主人様の用心、警護の為だ」と、頭中将は答えるが、
まだ事態がよく飲み込めない様子の惟光
「何しろ、これだけ評判が悪いと何が起こるかわからん。
前にもちょっとした事件を起こした貴族の家が焼き討ち、強盗という目にあった」
権力の基盤を失えば、なまじ金持ちの貴族の屋敷は夜盗の格好の標的にもなろう
あれこれ口の悪い事を喋っていたのは、落ち込んでいるであろう源氏を励ます為、
家まで押しかけてきたのも、友である光源氏の身の安全を心配しての事
親友に気を使わせぬ気さくな振る舞いの中に、さりげない男の優しさをみせる頭中将であった
(しかし最後まで箸を離さないのが可笑しいw)

96 :
それからしばらくの後、澄んだ満月が都の夜空を照らす頃、
帝から召喚された光源氏が密かに拝謁を賜る
弘徽殿大后からの執拗な陳情を受けて、さすがに朱雀帝も光源氏にまつわる悪質な噂が
巷に蔓延るのを放置する事が出来なくなったのであろう
それが此度の秘密裏の謁見に繋がったのだと思われる
それに、源氏に直接会ってその真意を確かめておきたいという帝の意向もあるのだろうか
煌々と輝く満月の明かりが暗い室内を照らし出す中、向かい合って座る二人
無言で帝に対して深々と頭を下げる源氏
(自らの不徳で生じた一連の騒ぎをお詫びする意味もあるのか…?)
朱雀帝が戸外の月を見上げながら静かに口を開く
「……このような月が、もし毎晩出ていたら本当に困った事になりますねぇ。
いつも心の底まで照らし出されて、大事に、大事に、心の奥にしまっておいたものが
何もかもさらけ出されてしまう……」
光源氏と藤壺宮に関する重大な疑惑を既に伝え聞いている朱雀帝、
そして呼び出された時点で、己に処分が下される事を覚悟している光源氏、
この邂逅で源氏の運命が決しようとしていた……

97 :
朱雀帝は穏やかな口調で全てを見通しているかのように語り続ける
「人は誰も心に秘密をもって生きるものです。 その秘密があるから人に優しさを与え、
自らを励ますこともできる……。 そうだとは思えませんか?」
源氏のほうに身を乗り出す朱雀帝
源氏は平伏したままの姿勢で「御意」と答える
暗に、藤壺宮と源氏の関係を示唆しているようにも聞こえる朱雀帝の問いかけだが、
しかしその言葉には決して非難の響きはない
朱雀帝は労わるような優しい眼差しで源氏を見ながら、「大変でしたね…」と声をかける
伏せていた目を僅かに上げる源氏
朱雀帝は源氏の手を取り、その場に立たせる
「貴方の舞、大好きです。 一緒に舞っていただけますか?」
朱雀帝の問いに静かに微笑む光源氏
「……喜んで」
舞にはその時の演者の心が如実に現れる
共に舞う事で源氏の心の奥底を知りたいと朱雀帝は考えているのだろうか

98 :
静かに舞い始める二人
力強い足捌きと優美な手の動き、そして次第に熱を帯びていく舞
きらきらと飛び散る汗
室内に衣擦れの音が響く…
源氏の舞はかつて頭中将と青海波を舞った時以上の見事さだが、
朱雀帝の動きも決してそれに劣っていない
源氏の動きに合わせて見事についていく
息の合った踊りは、腹違いではあるがやはり同じ血を分けた兄弟だからであろうか
二人が舞う様はまるで一幅の美しい書画のような清涼な趣である
月光の元で鮮やかな二人舞をみせる光源氏と朱雀帝
その動きには一切の迷いや澱みが感じられない
これから下される裁定の事など心の内から消え去っているかのように……
舞うことを通じて、互いに何かを確認しあっているかのような兄弟の姿であった

99 :
踊り終わって座り込み、暫し、乱れた呼吸を整える二人
(汗をかいて扇でパタパタあおいでいる朱雀帝)
心地良い爽快な高揚感と心躍る舞の共有の感覚、
それらがゆっくりと治まっていく中、
それとは別に、国を治める帝として、その政の全てを司る者として
臣下に公正に下さねばならない判断もある…
どうしても避けられぬものならば、その前に一つだけ尋ねておきたい事がある
朱雀帝はふいに、隣に控えて座る光源氏にさり気無く問い掛ける
「貴方が今、どうしても守りたいものを教えて下さい」と…
すると源氏は少しの間の後に、静かに口を開いて答えた
「先の御帝より後見を託された春宮様、
私の為に仕事をし、私の為に全てを尽してくれている私の家の者達すべて、
 ………以上でございます」
源氏の思わぬ返答に驚く朱雀帝
既に源氏は己が断罪される覚悟を決めていたのだと…
たとえ自分にどのような極刑が下されようとも構いませぬゆえ、
どうか春宮様の身と、関わり無き私の家の者達をお救い下さい、と

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