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2013年02月携帯ゲーキャラ87: 【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.13】 (395)
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【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.13】
- 1 :2013/01/23 〜 最終レス :2013/02/09
- 超高校級の“???”である「霧切響子」(CV:日笠陽子)について語るスレです(キリギリッ)
◆ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生(※音量注意)
http://www.danganronpa.com/1/
◆キャラ総合スレ
【論破】ダンガンロンパキャラ総合【7回目】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1312334728/
◆前スレ
【ダンガンロンパ】霧切響子はクーデレかわいい【FILE.12】
http://kohada.2ch.net/test/read.cgi/pokechara/1353942252/
◆ダンガンロンパSSまとめwiki
http://www43.atwiki.jp/dgrpss/
次スレは>>970ぐらいでスレ立て宣言してから立ててください。
sage進行推奨でお願いします。
- 2 :
- ここまで>>1乙れば分かるわね?
- 3 :
- >>1乙
気が早いかもしれんが、テンプレにアニメ公式も入れていいかもしれんな
- 4 :
- 超高校級の>>1乙…そう呼べるんじゃないかしら
- 5 :
- 1000 名無しさん@お腹いっぱい。 sage 2013/01/24(木) 10:07:36.83 ID:yU+s4Bhx
1000なら霧切さんスピンオフ発売決定
うむ
- 6 :
- 出て欲しいな、スピンオフ
- 7 :
- 確かに出てほしいなぁ
霧切さん過去編 火傷の詳細なエピソードとか
あと>>1とwiki更新した人乙ですm(_ _)m
- 8 :
- しばらくの間・・・>>1乙させてくれないかしら
1で惚れて2で再登場したときは興奮しますた
3あるならまた出てきてほしいものだ
- 9 :
- >>1乙
霧切さんの火傷の過去編は見てみたいけど...
霧切さんが裏切られて終わるとか後味悪すぎて嫌なんだよな
苗木くんとのラブロマンスでオナシャス!
- 10 :
- >>9
過去語り的な感じで苗木くんに聞かせてる霧切さん
最後に時間軸が現在に戻って苗木くんが霧切さんを論破し結果で変わるマルチエンドということですね
- 11 :
- >>1乙!
>>10壮大なココロンパだな
- 12 :
- 石油ストーブに手をおいたとかそんなんでいいよ
- 13 :
- ストーブで火傷とか探偵として未熟云々の問題じゃないw
いやまてよ、それはそれで可愛いかも。。
- 14 :
- 過去スレから
575 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2011/02/01(火) 00:44:01 ID:78iwdvhn [1/2]
過去編という手もあるぜ
Chapter1 霧切響子の帰還
某国首都発国際線の機内。高度3万フィートの密室で事件は起きる。
数年ぶりに日本へ帰国する霧切響子。
家族旅行の帰路にあった苗木誠。
これが二人の最初のRであった。
Chapter2 霧切響子の事件簿
希望ヶ峰学園。
新たな生活。級友達とのR。
しかし響子の心は帰国の目的――父の、血の束縛を絶つことにのみ向けられていた。
学園事務局員の一人が変死体となって発見されたのは、そんな折のことであった。
Chapter3 霧切響子の心霊学
夏休み。
十神家のプライベートビーチを無理やり占拠し、青春を謳歌する希望ヶ峰学園78期生達。
しかし響子に安息の暇は与えられない。
名探偵に引き寄せられたか、十神家の歴史の影に埋もれた過去の亡霊が姿を現す。
Chapter4 霧切響子の回想
忘れられない過ち。消せない傷。
少女は訥々と語り出す。
Chapter5 霧切響子の冒険
世間を震撼させる劇場型犯罪者「超高校級の爆弾魔」。
次なる標的となったのは、なぜか同人誌の即売会場。
そこには山田をはじめとした級友達との姿も……。
爆破予告のタイムリミットが迫る中、響子は惨劇を止めることができるのか。
Chapter6 霧切響子最後の挨拶
そして避けられぬ運命の日がやって来る。
絶望が紛れ込んでいる。だから私達が生き残った。
真実を求め、閉ざされた学園内を響子が走る。
「希望」を繋ぐために。
- 15 :
- 幼霧切「うわーん、おかーさーん!」
…………
霧切「……未熟だった頃の怪我よ」
苗木「そっかぁ」
- 16 :
- >>14
いいな
実際出たら五本買おう
- 17 :
- 改めて>>1乙
スピンオフといや、霧切さんの誕生日に小高がこんなツイートしてたな
小高和剛 ?x200F;@kazkodaka
[霧切響子の事件簿 あらすじ] それは彼女が両手に傷を負った忌々しき思い出…
すべては霧切響子がミスを犯したあの時から始まる復讐だった…
「霧切の若きの娘よ…あの時のツケは払って貰うぞ」そんな声と共に、彼女の周囲で事件が起きる。
果たして、その事件は解かれる事を望んでいるのだろうか…!
小高和剛 ?x200F;@kazkodaka
最終的に犯人は小野妹子です。
RT @FAUST_editor_J @kazkodaka 超読みたい。
小高和剛 ?x200F;@kazkodaka
予定ないけど、霧切さんの誕生日にあらすじだけ考えました。どうですか、少年マガジンさん!
RT @lighton_real @kazkodaka また、小説を出すんですか???ワクワク
- 18 :
- >>17
超高校級の遣隋使が犯人か・・・
- 19 :
- 小高はマガジン派なのか…いやまあ、そこはどうでもいいんだが
なんとか実現しないものかな(妹子は置いとくとして)
- 20 :
- 霧切さん舐めたい
- 21 :
- アニメ次第でなにかしら動きがあることに期待しようぜ
- 22 :
- 手の火傷
実は料理を作ってる時に大火傷した可能性
推理だけで作った事もない料理に手を出すから……
「あの時のツケ」とんでもない料理を食わされた人
最終的には飛鳥時代の料理の文献を残した妹子のせいになる
うん、無理がある。分かってる。
でも絶望は飽きもうした。
- 23 :
- 心に傷を負っているからこそ霧切さんは美しい…そうは思わんかね?
- 24 :
- そしてその傷を苗木くんが癒してあげるんですね
- 25 :
- 霧切さんの傷跡をぺろぺろする苗木君とな
- 26 :
- 霧切さん、ってうとうとすると7割の確率で苗切さん、ってうってる自分がいる
- 27 :
- この前2クリアしたけど霧切さん出てきて思わず叫んでしまったわ
最後のスーツ姿も可愛かった
- 28 :
- 2の設定資料集にスーツ霧切さんのイラストが無くて絶望した
- 29 :
- 希望をすてちゃダメだ!
っカップメンの妖精
- 30 :
- スーツ霧切さんのかっちょいい立ち絵が見たいです
- 31 :
- >>26
苗木「霧切さん……」
こっくりこっくりと船を漕ぎだす苗木
意識が定まらぬままそのままエンターを押す
同時刻
某スレを見ている霧切さん
霧切「この書き方は苗木君かしら……っ!?」
霧切さんが見た苗木くんの書きこみ
――苗切さん
霧切「えっ!ど、どういうこと!?落ち着いて、落ち着くのよ霧切響子……探偵霧切響子はこの程度では狼狽えない」
スレを再び見る霧切さん
――好きだよ
霧切「ッッッ!」
顔が真っ赤になるのを自覚しスレを閉じた霧切さん
翌日、朝一でR狼狽える霧切さんを見て首を傾げる苗木くんが目撃されたという
- 32 :
- 学校の先生を「お母さん」と呼んでしまうノリで
霧切さんを「お母さん」と呼んでしまう苗木君はありませんか
- 33 :
- 霧切さんは怒るのか呆れるのか
あるいは喜ぶのか
- 34 :
- ちょっとSっ気だして
「どうしたの?さみしいの?ふふ、誠君はお子様ね?」
とか言い出すかもしれない
- 35 :
- 通信簿ネタで意外と苗木君をいじってたし
>>34がしっくりきそう
2の未来機関でもあのやりとり続いてんだろうか
- 36 :
- >>34
ちくしょう…萌えるじゃねえか!
もっと言って下さい!
- 37 :
- 苗木「あ、そういえばお母さ――」
霧切「……どうしたの、誠君?」
苗木「いや、あの、今のは、その、間違えただけで……!」
霧切「ふふ、同級生を母親と間違えるなんて、苗木君も案外お子様なのね」
苗木「そ、それは違うよ!」
霧切「何が違うのかしら?ま・こ・と・君?」
- 38 :
- よいぞよいぞ
というか、なんだ
ナチュラルに名前呼び…だと…?
どういうことだ!説明しろ苗木!
- 39 :
- 数スレもらうよ!
注意点としては
・2ネタバレなし
・誰こいつら
です。
- 40 :
- 今日の霧切さんは、なんだか朝から挙動不審だった。
「霧切ちゃん、おっはよー」
「おはよう、朝日奈さん」
「おはよう、霧切さん、朝日奈さん」
「苗木もおはよっ。今日もいい天気だねぇ」
「っ、お、おはよ、う、苗木君」
――訂正。正確には、僕に対して、挙動不審だった。
朝日奈さんの挨拶にはごくごく普通に、いつもどおりの返事をしていたのに、僕に対してはどこか気まずそうにそっぽをむいて。
何かあったのだろうか。というか、僕、何かしたっけ?
「こういういい天気の時はさぁ、やっぱ思いっきり泳いで、そんでドーナツをたくさん食べるに限るよね!」
「今日に限らなくったって、朝日奈さんはそればっかりな気がするけれど……」
「天気のいい日は特別なだって! それがわかんないなんて、苗木、人生の8割は損してるね! ね、霧切ちゃん?」
との朝日奈さんの言葉に、霧切さんは、
「そ、そうね、損しているわね……」
僕と朝日奈さんは、思わず顔を見合わせた。やっぱり、いつもの霧切さんじゃない。
「……苗木、なんかやったの?」
「な、何もしてないよ! というか僕のせいなの?」
「決まってるじゃん! あの冷静沈着な霧切ちゃんがこんな挙動不審になるなんて、苗木絡みとしか思えないもん」
朝日奈さんの霧切さん評はさて置いて、
「いや、でも、本当に心当たりは……」
と、僕が言いかけた時だった。
「……ごめんなさい、今日は少し調子が悪いみたい」
こほん、とわざとらしい咳払いとともに、霧切さんはそう言って、
「少し、保健室で休んでくるわ。元気になったら授業にでるつもりだから、先生方と石丸君にはそう伝えておいてくれる?」
かつかつかつ、と廊下に硬質な音を立てながら去っていった。
僕と朝日奈さんは、そんな彼女の後ろ姿を見送って、再び顔を見合わせる。
「……本当に何もしてないの?」
「してないよ!?」
―――――
- 41 :
- ―――――
「なるほど、了解した。そういうことならば僕の方から先生方に伝えておこう」
教室に入ると、既に石丸クンは自分の席に座って、自習だろうか、ノートを広げていた。
相変わらず真面目だな、と思いながら、霧切さんのことを伝えると、返ってきたのがそんな言葉だった。
「ありがとう、石丸クン。本当は頼まれた僕が伝えるべきなんだろうけれど……」
「なに、気にすることではないさ。僕は日直簿を書いているし、クラス委員でもある。僕から伝えたほうが手間がなくていいだろう」
言いながら早速日直簿に、『霧切、体調不良により遅刻』と石丸クンは書き込んだ。
「それにしても珍しいこともあるものだな。霧切くんは職業柄、体調には十分に気を払っているようにも見えたのだが」
「きっとトキの撹拌ってやつだべ!」
……鬼の霍乱?
「おはよう、葉隠くん!」
「おはよう、葉隠クン」
「おはようだべ、石丸っち、苗木っち」
葉隠クンは薄っぺらな鞄をぽーん、と自身の机に向けて放り投げると、石丸クンの前の席から椅子を引っ張り出して、どっかりと腰を落ち着けた。
「いやー、しかし珍しいこともあるもんだな。霧切っちなんて俺らのクラスの中でも風邪に縁遠い方だと思ってたべ」
「なんでだろう、葉隠クンが言うとろくな意味に聞こえない」
「ひっでーな苗木っちは。俺にだってデリバリーっちゅもんはあるって」
「デリカシー?」
「そうそれ!」
一人ボケを連発している葉隠クンはさて置いて、確かに霧切さんが体調不良、というのは僕も少し信じられないものがあった。
自惚れかもしれないけれど、この学園の中で一番霧切さんと一緒にいるのは僕だと思う。だから霧切さんが体調管理にどれほど気を付けているのか、ある程度は知っている。
手洗いうがいは基本としても、食事の時も、少なくともお昼の学食では栄養を考えて食べているようだし、時間があればランニングをしたりして身体を動かしてもいるらしい。
ランニングなんかは時々僕も付き合うことがあって、その時に本気か嘘か、乾布摩擦もやっているとか言っていた記憶がある。……さすがに冗談だと思うけれど。
それもこれも時に過酷な探偵稼業を無理なくこなすためのもの、と霧切さんは言っていた。体調不良で捜査ができない、なんてことがあったら、探偵失格でしょう? とも。
だからやっぱり、珍しいなぁ、と思う反面、にんげんだもの、体調崩すこともあるよね、とも思った。
「ノートは誰かから見せてもらえばいいし、休み時間になったら無理しないで休むように言ってくるよ」
僕の提案に石丸クンは頷きながら、
「そうだな、それがいい。風邪は引き始めが大切だと言う、無理してこじらせたら大変だ」
「んだべ、風邪こじらせてもいいことなんかひとっつもねーしな」
男三人うんうんと頷いて、それから僕らは雑談へとなだれ込んでいった。
―――――
- 42 :
- ―――――
「さて、申し開きはありますか?」
……はずだったのに、なぜか教室後方のスペースで正座させられている僕がいます。
「あの、セレ――」
「被告人は挙手をしたのち許可を得てから発言するように」
……大人しく手を挙げた。
「どうぞ」
「……あの、これはどんな状況なの?」
発言した後、僕は改めて当たりを見渡した。
教室後方のスペースに、机をアーチ型に並べて、その中心に僕がいる。真正面にはセレスさんがいて、並べられた机にはなにやら楽しそうな表情の桑田クンや人仕事やり遂げた表情の山田クンがいた。他の面々はこの異様な状況を遠巻きに眺めている。……誰か助けてよ。
「学級裁判です」
「学級裁判?」
と、オウム返しに尋ねる僕に、
「ええ、学級裁判です。容疑者及び被告人である苗木誠君を、検事及び裁判長であるわたくし、セレスティア・ルーデンベルクが裁くための裁判です」
「べ、弁護人は!?」
「居ません」
ひどい出来レースだった。
「罪状は『霧切響子の体調不良について』。……ここまで言えばわかりますね?」
「わかんないよ!」
セレスさんはそんな僕に対して、やれやれ、と肩を竦ませ、
「わからない、ということはないでしょう。なにせわたくしが直に彼女から聞いたのですから」
「え……?」
霧切さんが?
「はーい、裁判長。まずは事件の全貌を明らかにするべきだと思いまーす」
机に頬杖付いた桑田クンが、ニヤニヤしながらそう発言した。完全に他人事として楽しんでいる様子だ。
しかしながらセレスさんは、そんな桑田クンを気にした風もなく、
「一理あります。いいでしょう、桑田クンや他の皆のためにも彼女との会話を再現してさしあげましょう」
セレスさんは口に手を当て、可愛らしくこほん、と咳をし喉の調子を整えると、
「と言っても、そう長い話ではありません。今朝方、ちょうど寮の自室を出た頃、携帯に朝日奈さんからのメールが届いていることに気がつきました。内容はいたってシンプル、霧切さんが体調不良らしい、と」
「それ、霧切ちゃんが保健室に行ってすぐに送ったメールだよ」
遠巻きにしていた筈の朝日奈さんが、いつの間にか僕を取り囲む机のひとつに座って裁判に参加していた。
- 43 :
- 「足取りは結構しっかりしてたし、大丈夫だとは思ったんだけど、やっぱり心配だったから女子にメールしたんだ」
「うむ、我も受け取った。生憎保健室に顔を出したときは眠っていたようだったが」
「私も、教室に来る前に軽く。その時も寝ていましたよ、霧切さん」
と我も我もと集まってくる女子に対して、
「ちっ、男子ばっかりのけ者にしやがって」
「うむ、僕は苗木くんから直に聞いたから知っていたが、やはり時間があるならお見舞いに行きたいと思うぞ」
「だべだべ。朝日奈っち、ちっと薄情すぎねぇか?」
「馬鹿! いくらクラスメイトっていっても、誰彼構わず弱ったところ見せられるわけじゃないんだからね!」
「そそそ、その通りよ。わわわわわ私だって白夜様以外には見せたいと思わないもの……!」
「お前は黙っていろ」
「ひゃぃん!」
十神クンは疲れた様子でため息を吐くと、腕を組んだまま顎でセレスさんを示し、
「続けろ。時間の無駄だ」
「まあ不遜な態度。……別に構いませんけれど」
セレスさんはそう言って、再び僕を見る。
「メールを見たわたくしは、知ってしまったのですから放っておくのも気分が悪いと思ったので、まずは保健室に向かいました。半分うとうとした様子の霧切さんがいらっしゃいました」
いつの間にかクラスの全員が、つまり僕と霧切さんを除く14人が僕を囲んでいた。あの戦刃さんすらぽーっとした様子ではあるけれど机についている。
ぱっと見いじめの現場としか思えない状況だ。江ノ島さん寝てるけど。
「わたくしが室内に入ってくるのに気づいて……」
「時間の無駄だと言ったろう。要点だけを述べろ」
「ちっ」
こころなし楽しげに語っていたセレスさんは、十神クンのそんな一言に露骨な舌打ちをして、
「体調不良、と言っていたので、心当たりがないか聞いたのです。昨晩遅く寝た、不摂生な生活が続いた、等々。すると霧切さんは、どこか上の空な様子で、『苗木くん……』と、呟いたのです」
さて、とセレスさんは僕を指さし、
「苗木くん、ここまで言えばわかりますね?」
「だから知らないってば!」
絶叫する僕に、セレスさんは呆れた視線を向け、十神クンからは
「くだらん」
の一言をもらい、朝日奈さんからは冷たい視線を浴びて……、心が折れそうです。
「しかしあれですな、霧切響子殿の体調不良の原因が苗木誠殿……こう言うと、こう、なんかキター!」
「黙ってなさい豚野郎」
「ブヒィー!」
「……随分とRされてんなぁ」
びくんびくん恍惚に浸っている山田クンはさて置いて、
「つーかさ、なにがあったか知んねーけど霧切本人が言ってんなら決定じゃねぇの?」
「苗木本人が否定してもなぁ、やっぱ霧切の口から名前が出たんなら、そう考えねぇわけにゃいかねぇよな」
「ちょ、ちょっと待ってよ!」
どうしよう、着々と意見が固められている。僕じゃないのに……!
- 44 :
- 「大丈夫ですよ、苗木君」
「ま、舞園さん!」
頭を悩ませる僕に、傍聴席(裁判員席?)から手を差し伸べてくれたのは舞園さんと大神さんだった。
「私も、大神さんも、苗木君のこと、信じてますから」
「うむ。苗木にそのような度胸が無いこと、よく知っているからな」
なんか凄い毒を吐かれた。
「……それもそうですわね」
そして納得されてしまった。
「それはち――」
「違うのですか?」
「ち、ちがわない、です」
ふっ、と誰かが鼻で笑う声が聞こえてきた。……ああ、埋まってしまいたい。
「さて、苗木君で一頻り遊んだところで本題に入りましょうか」
「ああ、やっぱりそういうノリだったんだね……」
ため息と一緒に、いい加減しびれかけていた足を解いた。
がらがらと音を立てながら皆が机を戻していく中、僕はセレスさんに問いかける。
「どこまで本当なの?」
「だいたい全部本当ですわ。ただ、霧切さんが呟いた言葉というのが『苗木君』ではなく『ちょっと悩み事があって』でしたけど」
「今の学級裁判が根底からひっくり返る気がするんだ」
ふい、とセレスさんがそっぽをむいた。……ああもう、この人は本当に。
「ともかく、霧切さんにはなにか悩みがあること、そしてそれが苗木君、あなたに関係があるということはほぼ間違いありません」
「どうして?」
その言葉は、今まさに僕が口にしようとしたもので、けれど発したのは僕ではなく。
「戦刃さん?」
「えっと、あ、はい」
つ、とセレスさんに視線を向けられた彼女は、慌てた様子で右手をぴん! と真上に挙げた。
「……もう裁判は終わっていますから、一々発言に許可を求めなくても結構ですよ」
「あ、そっか。えっと、それじゃあ、今の話なんだけど」
「霧切さんの悩み事について、ですわね?」
- 45 :
- 戦刃さんは、うん、と頷いた。
「決まって――」
「そんなの……決まってるじゃないですか……」
セレスさんの答えを、さっきまで眠っていた江ノ島さんが遮った。
面倒臭そうに、怠そうに、つまらなそうに、自慢の髪の毛をいじりながら、
「あの人が……悩みそうなことなんて……事件か家族か苗木くんくらいのものですし……。そんなこともわからないなんて……本当、絶望的なまでに残念ですね……残念おねえちゃん」
「ご、ごめんね、盾子ちゃん」
いつものやりとりを二人と、ため息を吐く僕。そんな僕らに、
「君たち、いつまでそうしているんだ、そろそろ授業が始まるぞ!」
石丸クンのそんな声が飛んでくる。
セレスさんは気がついたら自分の席についていて、かなわないなぁ。
……とりあえず、授業が終わったら、霧切さんの様子を見に行ってみよう。ああでも、弱った姿は見られたくないんだっけ……?
―――――
「苗木が行くのがベストだと思うよ」
朝日奈さんのひとこえで、クラス代表お見舞いは僕に決定した。
ほかの男子ではダメで、僕ならいいのだろうか、なんて思いながら教室を出ようとしたところで、不二咲さんに呼び止められる。
「あの、苗木君、ちょっといいかなぁ」
小さなノートPCを抱えていた彼女(彼?)は、言うやいなやPCをスリープモードから復活させ、
「これ、見て欲しいんだけど……」
画面に映っていたのは、希望ヶ峰学園の内部匿名掲示板だった。
「これが、どうしたの?」
「うん、とりあえずでいいんだど、読んでみてくれる?」
授業の合間の休み時間は、それほど長いわけではない。
でも、不二咲さんもそのことは知っているはずだし、なのにこのタイミングでそんなことを言うということは、たぶん霧切さんに関することなんだと思う。
ひょっとして、なにか心無い誹謗中傷でも書かれているのだろうか……。
そう思った僕は、少し唇をかみしめ、画面をのぞき込む。
- 46 :
- すると、そこに書かれていたのは、
『最近、78期生の霧切さんを呼ぶとき、苗切さんって呼びそうになって困る』
『わかる』
『わかる!』
『あー、すげぇわかる。あれだよな、苗木と一緒にいることが多いから、苗木と霧切、って呼ぼうとして苗切、って言いそうになるんだよな』
『あのコンビいいよね。何か見てて和む』
『本人たち無自覚なのか知らんけど、昼飯時の学食とか二人のとこだけほんのりピンクな空気だからな。さっさと結婚しろよ』
『リア充爆ぜろ! 爆ぜろ! 畜生!』
「……もしかしなくても原因これだよね、きっと」
「うん……」
顔が火照っているのが、自分からしてもよくわかった。
穴があったら入りたい。というか埋まりたい。もういっそ死んでしまいたい。恥ずかしさで人間Rるんだ、ということを証明したい。
「さっきちょっと調べてみたら、霧切さんきのうこの掲示板見てたみたいで……」
「……もしかしてさ、このクラスに他にも見てる人いる?」
「……」
無言が答えだった。たぶん桑田クンとかセレスさんとか山田クンとか江ノ島さんとかかなぁ……。
「と、とにかく、あの、原因は知っておいたほうがいいと思って」
「……うん、ありがとう、不二咲さん」
できれば知りたくなかったけど。
「が、頑張ってねぇ」
「ありがとう、行ってくるね」
なんか戦地に送られる気分。
とにかく。
僕は不二咲さんに見送られて、霧切さんが眠る保健室へと向かった。
―――――
「失礼しまーす……」
小さな声で訪いを告げた。しかしながら、保健室の中は無人だった。入ってすぐのところに、小さなホワイトボードがかけられていて、そこには養護教諭がしばらく離席する旨が書かれていた。
物騒だなぁ、と思う反面、まあ監視カメラもあるし、とも思ったり。
でも霧切さんが眠ってるんだっけ、と思うと、やっぱり鍵も占めずに席を離れたのは少し腹立たしい。
ホワイトボードから視線をずらすと、すぐに休息用のベッドが目に入る。
いくつか並んでいる中で、ひとつだけカーテンが引かれている。たぶん、あそこに霧切さんが眠っているのだろう。
どうしようか。
といっても、出来ることなんてそう多くない。眠っているところに突撃をかけるなんて論外だし、眠っているのに外から声をかけて起こすのも良くないだろう。
ということで、なにか書くものを、と養護教諭の机の上を漁り始めた時だった。
「……誰かいるの?」
小さな声が聞こえた。
- 47 :
- 「あ、あの、苗木だけど……起こしちゃったかな?」
「な、苗木君!?」
思ってもみなかった、といった様子で裏返る霧切さんの声。それからほんの少し、沈黙が続いて、
「……カーテン、開けてもいいわよ」
「え、でも……」
「別に、睡眠不足からくる体調不良だもの。少し眠ったら平気になったわ」
だから、と言われて、ことさらに断る理由もない。それに少し話をするにしても、やっぱり顔を見ながらの方がしやすいし。
「……失礼します」
「どうぞ。……ふふ、自分の部屋でもないのに、変な感じね」
霧切さんは、ベッドの上で身体を起こしていた。僕はベッドの横に小さな腰掛を置く。
「気分はどう? 石丸クンが、風邪は引き初めが肝心だから、今日は休んでもいいって。ノートは皆で見せるから、って」
「さっきも言ったけれど、ただの睡眠不足だから。少しでも寝れたし、仕事中は徹夜なんて日常茶飯事だから、それほど苦でもないわ」
でも、と霧切さんは続けて、
「……たまには、皆の厚意に甘えるのも悪くないかもしれないわね」
そう言って、目を閉じた。
その横顔をじっと見ているとわかるのは、どことなく疲れているようだ、ということ。苦じゃないと言ったけれど、やっぱりなんというか、日頃のものとはまた別の疲労感があるんだと思う。
もしあれが原因だったなら、の話だけれど。
「その、さ、霧切さん」
「なにかしら?」
「僕も見たよ、あの書き込み」
途端、霧切さんの顔が真っ赤に染まった。
「な、なえぎくんはきにするひつようないのよああいうとくめいけいじばんなんてものはたいていくちさがないうわさばかりでむせきにんなひとたちにあふれかえっていてそうねもはもこんきょもないこうりょにあたいしない――」
「お、おちついて、落ち着いてよ霧切さん」
引っ張り上げた掛け布団に半分顔を埋めながらマシンガンのような勢いで言葉を放つ霧切さんをなだめながら、僕はぼんやりと珍しいな、なんてことを考える。
日頃慌てさせられたり言い訳したりするのは僕の役目で、霧切さんはどっちかって言うと僕の手を引っ張ってくれるタイプだから、こうやってなだめるなんてことはめったになくて。
顔を真っ赤にして、子供みたいに掛け布団で顔を隠す霧切さんの姿は、なんだかいつも以上に歳相応で、
「……可愛いなぁ」
「………………えっ?」
その言葉が自分の口から出たのだと、理解するまでにかかった時間は、霧切さんが茹で蛸になるのに十分すぎる時間だった。
気づいたときには、霧切さんは頭まですっぽりと毛布に埋もれ、まるで亀のようにこもってしまっていた。
「えっと、その……」
ごめん、とか、誤魔化すべきなのかどうかもよくわからない。けれどあの掲示板に書かれていた『ピンクの空気』って、きっとこういうことだと思う。
すごく、気まずい。けれど、なぜか、嫌じゃない。
少なくとも、僕は。
- 48 :
- 「……冗談じゃ、ないからね」
「……」
「さっきの霧切さん、その、すごく、可愛かったから」
「……」
「……怒った?」
なんの反応もないのが怖くて、思わずそう日和ってしまったけれど、
「……可愛い、なんて言われて、怒るわけないでしょう」
もぞもぞと掛け布団の中からそんな言葉が返ってきて、思わず笑ってしまった。
「……なによ」
「なんでもないよ」
「……苗木君のくせに、生意気よ」
「霧切さんの割に、今日は控えめだね?」
「……今日は体調が悪いから」
「ただの寝不足だったんじゃないの?」
「くっ……」
舌打ちをひとつこぼしたきり、霧切さんは静かになってしまった。
やり込めた嬉しさと、可愛い霧切さんが見れた喜びと、不思議な満足感で胸が満たされた気分。
本当はもっとこうしていたいけれど、次の授業がもう始まってしまう。名残惜しいけれど、行かないと。
「それじゃあ、僕はそろそろ教室に戻るね。お大事に」
そう言って立ち上がった僕の手を、霧切さんの手がつかんだ。
ちょっとした驚きと共に彼女を見やると、掛け布団から鼻より上を覗かせて、もごもごと、
「……苗木君もあの書き込みを見たのよね?」
「えっと、うん」
「そう。だったらきっと苗木君も体調不良になるわよね?」
「え?」
「な・る・わ・よ・ね?」
訳の分からない凄みを感じて思わず頷いてしまう。
すると霧切さんは僕の手をくいっくいっと引いて、
「……なら、ここにいなさい」
それだけ言って、そっぽをむいてしまった。
仕方なしに腰掛に再び座り、ほんのり赤くなった霧切さんの横顔を見つめる。
しばらく動く様子はなくて、眠ってしまったのかとも思ったけれど、霧切さんはもぞもぞと僕の方に目を向けて、
「……何か言うことはないの?」
「えっと……」
なにかを期待するような目に、慌てて言葉を探したけれど、結局なにを期待されているのかはわからなくて、
「……可愛いね、霧切さん」
「……ばか」
どうやらお気に召さなかったようで、再びそっぽをむいてしまった。
結局、なんと言えばよかったのか分からなかったけれど、その後の穏やかな雰囲気は居心地の悪いものではなく。
それからしばらくして、授業開始のチャイムが鳴った後、霧切さんの静かな寝息を聞きながら、僕は片手で携帯を取り出して、朝日奈さんと石丸クン(たぶん、石丸クンは授業中に携帯を見ないだろうけれど)に授業を欠席する旨を連絡した。
もう片方の手に、霧切さんの手の温もりを感じながら。
- 49 :
- 以上になります。
もはや霧切さんも苗木君も誰これ状態。
>>26と>>31より発想を得ての投下でした。
ところで>>35の通信簿ネタってなんだろう……?
- 50 :
- 乙
霧切さんは可愛いなあ…
- 51 :
- GJ!
狼狽えてひらがな言葉になる霧切さんで鼻血でるかと…
- 52 :
- どうやらこのスレには超高校級のSS書きがいるようだな
いいぞもっとやれ
- 53 :
- GJ!すごくニヤニヤした!
照れて布団に潜り込む霧切さん可愛いな…
- 54 :
- >>49GJッス!!
>>35ってのは 1にて霧切さんが苗木君に 相手のペースに乗らせないって話で
苗木君が「可愛いよ」って言う→照れる霧切さん→「冗談だよ」っていっちゃって→霧切さん怒る
→苗木君あせる→霧切さんの芝居でした いつものドヤ顔
ってやつです
- 55 :
- >>49乙
通信簿はニコニコに全キャラのまとめ上がってる(ジェノサイダー以外)
- 56 :
- 正直アレって1章以外は上げるなっていうやつの穴をついただけで
ネタバレ動画と変わらんよね
- 57 :
- でもゲームだと一回見た会話がもう見られないからなぁ
3が出たら回想機能つけてほしい
- 58 :
- >>49
GJGJ!
照れギリさんかわいいよ照れギリさん
- 59 :
- >>49 おつおつ 苗切さん可愛い
- 60 :
- 霧切さんの手を握って…まさか同衾!?
- 61 :
- >>40-48です。
なんか皆どこにいたのってくらいの乙ありがとうございます。
通信簿って自由時間のコミュのことっすね。ありがとうございます。
またやり直そうかなぁ……
- 62 :
- >>60
そこは敢えて最初は手を繋いでただけだが霧切さんが寝返りをうった際に引っ張られてダイブ
更にまた寝返りをうって
1、苗木くんの腕が丁度枕状態
2、苗木くんに抱きつき抱き枕状態
で密着でどうだい兄弟?
- 63 :
- さすがだな兄弟、いい発想だ
俺は2番を推すぜ
- 64 :
- 3、霧切さんの胸枕状態
- 65 :
- 4.霧切さんが苗木君の胸枕で眠ってる状態
- 66 :
- 5.霧切さんにカニばさみされて眠っている苗木君
- 67 :
- おっとこの展開を忘れてた
5、抱き枕にされ苗木くんも眠たくなり無意識的に霧切さんを抱き枕にし互いに抱き枕状態
目を覚ました霧切さん大混乱のちキス
実は霧切さん大混乱中に起きてた苗木くん
キスされてそれで起きたフリ
- 68 :
- 7.なんだか色々と運命の悪戯が働いた結果、
こける苗木君→霧切さんの上に覆い被さる形に
- 69 :
- そしてその様子を後から様子を見に来た他の皆に見られてしまうわけですね
わかります
- 70 :
- そういえば霧切さんって探偵だから
侵入捜査とかしてたのかな?メイド喫茶とか
- 71 :
- >>69
何者かにRされて写真をばら撒かれる展開でもいいぞ!
- 72 :
- よし完成したから数レス借りて投下します
※作中ちょっと出てる苗木君の手袋と火傷については前スレ935−937参照
※苗木君視点練習も兼ねてます
※一応書いとくと前スレ935−937書いた人です
- 73 :
- 『シ○○ッ○』
現在希望ヶ峰学園は冬休み中
クラスメートのほとんどは実家に帰ったり仕事だったりして現在学園にはいない
僕は実家に帰る前に部屋の掃除をしていた
そして終わったころ外の空気を吸いたくなり屋上へと向かった
ドアを開けると流れ込む冷たい冬の空気に身を震わせる
「寒くなってきたなぁ」
はぁ、と吐いた息は白くなり空へと消えていく
ポケットに手を突っ込み目的のものを取り出す
それを箱から出す
「うーん……手袋つけたままだとやっぱり剥がれないか」
仕方なく右手の手袋を外し封を破る
焼け爛れた右手が露わになるが気にせずそのまま箱の中身を取り出し口に咥える
希望ヶ峰学園の校章が描かれた黒い手袋をはめ直した
「……」
咥えたそれの味をかみ締める
久しぶりに見かけたこれを思わず衝動買いしてしまったけどこれは正解だったかな?
「苗木君……!?」
「霧切さん?」
声に気づき僕が振り返ると信じられないものを見たような霧切さん
つかつかと歩み寄り僕の咥えていたそれを奪い取る
「霧切さん!?」
「苗木君!あなたがこんな物を吸うなんて……」
「えっ?」
吸う?
……僕は吸ってなんかしないんだけど?
「こんなもの吸ってたら体を悪くするわよ!それ以前に未成年じゃない!!」
「……もしかして霧切さん勘違いしてない?」
霧切さんの発言から僕はある事に気づいた
確かにこれはよくあれに似ている
昔、妹にも勘違いされ一度僕はまったく悪くないのに怒られた記憶があるし……
「勘違いですって……言い訳は見苦しいわよ」
「いやいや言い訳じゃなくてさ……ああもういいや」
手っ取り早くポケットから残りを取り出し一本取り出す
それを文句を言われる前に霧切さんの口に無理やり咥えさせる
- 74 :
- 「ちょっと苗木くっむぐ!?」
「はい霧切さんも一本あげるよ」
「そういう事じゃ……えっ甘い?」
咥えさせられたそれを手に取りまじまじと霧切さんは見る
繋ぎ目を見つけ外装を器用に剥がす
「……チョコレート?」
「うん、タバコっぽいやつ。たまたま見かけて懐かしくて買っちゃったんだ」
そう。
僕が咥えていたのはタバコに似せた包装紙に包まれたチョコレートだ
誰もがやったであろう冬に買って白い息を吐いてタバコを吸ってるようにするというアレ
ちょっとした気分転換になればいいかなぁ、と思ってそれをやりにきたのだが……
「……」
「……」
霧切さんはチョコを片手に固まっている
気まずいのと霧切さんの機嫌取りのために彼女の持ってるそれを奪う
「霧切さん、ポッキーゲームってあるよね?」
「……」
それを口に咥えると霧切さんと向かい合う
「霧切ふぁん、ここまふぇいえふぁふぁかふよね?」
「……」
何も言わず霧切さんは反対側を咥えてくれた
- 75 :
- 以上です
昔よく見かけたアレを思い出して書いてみました
あと苗木君に逆にここまで言えばわかるよね?を言わせて見たかったんだ
- 76 :
- 乙した。霧切さんきっと顔真っ赤にしてんだろうなぁ……
- 77 :
- 自分も数レスいただきます。>>32からの流れに発想を受けて。
- 78 :
- その一言は僕にとって、まさに不覚と呼んでいい一言だった。
「あ、お母さ―――」
ん、と、最後まで言うことなく、僕の顔は朱に染まって口ごもる。立派なデスクに腰かけ本を読んでいた霧切さんが、僕の方を見てきょとん、とした。
昼下がりの一時。希望ヶ峰学園校舎の一室を借りて作られた霧切さんの事務所。
霧切さんを所長とし、僕をその助手として学園側に届け出て、その結果借りられたいわゆる部室のような場所に、僕と霧切さんはいた。
入口から入ってすぐのところに低いテーブルとそれを挟むように置かれた二つのソファ。そのさらに奥に霧切さんが座っている大きなデスク(霧切さんの自費らしい)があって、その背中に窓。そして小さなシンクが備えられている。
部屋の両脇には本棚と棚が混在していて、いろんな書類や霧切さんが持ち込んだ推理小説、僕が持ち込んだ娯楽小説や食器、電話などが置かれている。
本棚は比較的きれいに整頓されているけれど、棚の方は手当り次第に物を配置した結果、かなり、こう、ごちゃっとしていて、いつか整頓しないといけないなぁ……。
「……苗木君?」
……そろそろ現実逃避をやめないといけないらしい。
霧切さんが、片手に本を持ったまま、僕の方をじっと見つめている。きょとん、と不思議そうだった目は次第に細められてなにやら楽しそう。まるで、獲物を見つけた猫のよう。
対して僕は、まさに追い詰められた鼠のように冷や汗をかきながら愛想笑いを浮かべる他なかった。
どうにかして誤魔化せないかな、なんて、思ってもみるけれど。
「なにか、言ったかしら?」
分かりきっているくせに。
霧切さんは本当に楽しそうに僕にそう問いかける。この獲物はまだ動くかしら、と確認するように軽いジャブを入れてくる。わざとらしく、ゆっくりと、はっきりと、区切りながら。
「いや、その、あはは……」
誤魔化せる訳がないのは明白だし、逃げ出すこともできないのは経験上理解している。けれども僕になぶられて喜ぶ性癖は、あまり、うん、ないわけで。
ニヤニヤという笑みを隠そうともしなくなった霧切さんを前に、どうにかやり過ごせないかとなけなしの知恵を振り絞ってみる。
「お、お、おー……」
「お?」
「お、母さんが、さ……」
「苗木君のお母様が?」
どうする僕。どうする僕。どうするのが一番傷が浅くて済む?
出来ることならば霧切さんの興味が僕から別のものへと逸れてくれるのがベスト。
なのだけれど、一番期待できそうな、彼女が先程まで読んでいた本は、既に栞を挟まれ閉じられて机の上。霧切さんは両手を組んで僕の言い訳を楽しそうに待っていて、今は本なんてどうでもいいわ、と言わんばかりだ。
そうなると依頼人やあるいはひまつぶしのお客さんでもいいから来てくれればベターかな……。
「ドアがどうかしたの?」
ちらり、と一瞬見やっただけで咎められてしまった。
「そう。それで、苗木君のお母様がどうしたのかしら。お互い本を読んでいて特に会話もなかったというのに突然口にしたのだから、もちろんよっぽどのことよね?」
そしてハードルを上げられてしまった。なにこれ、実は読んでる本があまり面白くなくて、僕に面白い話でもさせようというのだろうか。
えーと、えーと、と意味のない言葉が溢れ出す。えーと、どうしよう、なんだっけ、なにを言えばいいんだろう。
- 79 :
- テンパリ具合がマックスになり、頭が真っ白で言葉の出てこなくなった僕を見て、霧切さんは小さくくすりと笑い、
「苗木君は追い詰められると弱いのね」
「そんなの、誰だってそうじゃないかな……」
お茶、飲む? と、立ち上がった霧切さんは僕に問いかけた。ようやく追求が終わったのかぁ、と安堵のため息を吐きながら、僕はお言葉に甘えることにした。
棚に置いてあった電気ケトルを手にして、霧切さんは勢い良く蛇口を開いた。じゃー、と水の流れる音。ケトルに溜まるにつれて低くなる音。きゅっきゅ、と音がして蛇口が閉まり、電気ケトルを座にセットして電源をオンにする。
その間、僕らは無言だった。特になにか話さなくてはいけないわけじゃないし、僕も、そしてたぶん霧切さんもこのちょっとした静寂が嫌いではない。
こうして霧切さんと事務所にいる時間は、はじめのうちに感じていた緊張や遠慮も、過ぎ行く年月(といっても、そんなに長くないけれど)とともに消え去って、なんというか、生活の一部にまで組み込まれている気がする。
時々、この部屋でぼんやりしていると、どこかマンションの一室で霧切さんとのんびり笑いあっている光景を夢見ることがあった。まるで恋人とか、夫婦のように。……恥ずかしいから、霧切さんに言ったことはないけれど。
「はい、苗木君」
「ありがとう、霧切さん」
受け取った紅茶は、インスタントのティーパックのものだったけれど、自分で淹れたときに比べて随分と香り高いように思えた。
霧切さんが僕の前に腰掛けた。長い髪が紅茶の中に入らないように片手で抑えながら、カップに口付ける。少し節目がちになって、長い睫毛がはっきりと見えた。
それにしても、と僕は思う。さっきの妄想の話。恋人だとか夫婦だとか、勝手に想像してちょっと自分で気持ち悪いな、と思うけれど、そんなことを考えてしまうくらいに、僕は霧切さんのことが
「好きなんだなぁ……」
「え?」
霧切さんが顔を上げて、僕を見た。慌てて口を抑えたけれど、だからと言って飛び出てしまった言葉が引っ込んでくれるわけもなく。
本日の失言、パート2。
「……今日の苗木君は、随分と迂闊ね」
口を抑えたまま、顔を真っ赤にして黙り込む僕をしばらく見つめたあと、霧切さんは呆れたようにそう呟いた。
「お母さん発言に続き、好き、と。男の子は皆少なからずマザーコンプレックスだと聞くけれど、他人がいるところであまり口にするものではないと思うわ」
「そ、そう、だね、あはは、気をつけるよ……」
勘違いしてくれた霧切さんの言葉に乗っかる形で、乾いた笑い。
気づかれなくて嬉しいやら悲しいやら。でもまあ、もし想いを告げることがあるならもう少しちゃんとした形で伝えたいし、よかった、ということにして。
とりあえず、誤魔化そう。
「今日はほら、ちょっと暖かいからさ。ぼーっとしちゃって、うん、ホームシック的な感じになっちゃったんだ」
「前後の文脈がつながっていない気がするけれど……」
まあいいわ、と霧切さんは呆れた溜息を一つ。それから再びティーカップに口をつけ。
- 80 :
- なにかを思いついたように、チェシャ猫のように笑った。
「ねえ、苗木君」
あ、これあれだ。ダメな笑いだ。
「今日一日、私のことお母さんって呼んでも良いわよ」
「なにがどうしてそうなったんですか霧切さん」
霧切さんは笑顔のまま、ティーカップをテーブルに置いた。ソーサーなんて小洒落た物はなくて、直にテーブルと触れ合ったカップは、かしゃん、と音をやたらと高い音を立てた。
「同級生を母親と見間違えるくらいだもの、きっと家族に逢いたくて今にも胸が張り裂けそうなのでしょう?」
「いや、あの、別にそういうわけでは……」
さっきまでの僕を思い切り殴りたい気分だ。霧切さんは追求をやめたわけじゃなかった、ただ少し間をおいてただけだったんだ!
「ほら、どうぞ。遠慮しないでいいのよ?」
「あのね、霧切さん」
「ああでもやっぱり私が母親というのは無理があるわね……、ならそう、姉、姉ならどうかしら」
「どうかしらじゃなくってさ」
「確か苗木君には妹さんがいらしたのよね。だったらちょうどいいじゃない」
「なにがちょうどいいんですか」
「さ、お姉ちゃんって呼んでご覧なさい?」
「霧切さん、正気に戻ってよ!」
「ほら、ま・こ・と・君?」
誰か助けて! 心の中で叫んでみても、助けがやってくることはなく。
結局、その日は日が落ちるまで、僕はくすくすと笑う霧切さんにからかわれ続けた。
心底疲れ果ててしまったけれど、それでも霧切さんに誠君、と呼ばれるたびにくすぐったくて、嬉しくて、なんかもうすごいどうしようもねぇな僕……。これも惚れたなんとやらだろうか。
維持でもお姉ちゃんともお母さんとも呼ばなかったけどね!
- 81 :
- 以上になります。
そして投下してから誤字に気づく。
>維持でもお姉ちゃん〜
意地でも、ですねorz
- 82 :
- ただいまの時刻午前2:00過ぎ
かろうじて目の端に見える。身動きが取れない、何故ならば
霧切さんに抱きつかれているから!
話は少し前にさかのぼる。
2時間前
「…zzz……zzz」
「あーあ、また僕のベッドで寝てる。なんで自分の部屋で寝ないんだろ?
ほらっ、起きなよ霧切さん、寝るなら自分の部屋で!」
「・・・うー」
安眠を妨害するそれに抗議の声を上げつつ寝返りをうって僕に背中を向ける
「しょうがないな・・・」
実はこうなるのも始めてではない。
何かと理由をつけてやってくる霧切さんがそのまま僕の部屋で寝てしまうのはもう日常茶飯事だった。
最初は僕も気を使って桑田君や葉隠君の部屋に移動したりしてたのだけど、
どうせそっちでも床で寝なくちゃいけないのは一緒で、それに毎回彼らのプライベートな時間に割り込むのも悪いので
最近ではこのまま自分の部屋の床で寝る事が当たり前になっていた。
(逆に言うとそれだけ彼女が僕の部屋に来てるという事にもなるのだけど・・・)
(もう一回肩を揺すって起こそう。それでダメならまた床で寝よう)
そう決意して彼女の肩に手を伸ばした時だった。
ちょうど彼女も手探りで何かを探していたのか動かしていたその手にぶつかってしまい掴まれてしまった。
「あっ、霧切さん起きた?自分の部屋にもどっt!」
掴まれた手をそのまま引っ張られ不意打ちを食らった僕はそのままベッドに倒れこんでしまった。
そのまま僕を布団越しにホールドすると満足そうな笑みを浮かべると霧切さんはふたたび寝息を立ててしまった。
恐らくお気に入りのぬいぐるみとかと勘違いしてるんだろう。
普段は高校生らしくないクールで大人びて人との距離をとっている彼女もやっぱり年頃の女の子なんだなと、
知らず知らずうちに頬が緩んでしまう。
正直、力任せに振り払って起きる事は出来た。
そうすれば彼女も目を覚まして自室に戻ったであろう。
だが、目の前の安心しきった笑顔を浮かべた彼女の寝顔をみて起こせる程、僕は心を鬼には出来なかった。
それに・・・他人の体温が・・・こんなに心地・・・良いなんて・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
・・・・・・
そのままうっかり僕も寝てしまい現在にいたる。
気が付けば霧切さんにがっちりホールドされてしまい動けなくなっているし無理な体勢のせいかちょっと力をいれようとしてもうまく入らない。
しばらく脱出しようとあがいてみたけど(それで彼女が目を覚ましてくれたら解放してくれるだろうし)
結局彼女が「う〜〜!」
とうなってさらに強く抱きしめられてしまい叶わなかった。
というのを昔作りかけて挫折したんだけど>>67の案を見てサルベージしてみた
今読んでも文才ないね
スレ汚しスミマセン
- 83 :
- 67です
まさか具現化されるとは……
さすが兄弟
感謝の極み
- 84 :
- ここはどうか知らんけど、他のSSとか投下できるスレとかだと
前の人が直前にSS投下してたら、その人がちゃんと乙もらえるように、少し時間を空けるのがマナーだぞ
自治厨っぽくてスマン みんな乙
- 85 :
- >>81
>>32だけどGJ!!
なんてことない俺のレスから話を広げて貰えてこんなに嬉しいことはない…
悪戯っぽい霧切さんも可愛いよ!
- 86 :
- 俺も霧切さんを「お姉ちゃん」と呼ばせてもらいたいです
- 87 :
- じゃあ俺は霧切さんの部屋の鍵で
- 88 :
- じゃあ俺は「あなた」「お前」と呼び合う苗霧を…
ダメだ、上手くイメージできない
- 89 :
- ところで忘年会SSの続きはまだかのう…
- 90 :
- 気長に待とうぜ、兄弟
>>88
苗木君は結婚したとしても「響子さん」とさん付け呼びのままになりそうな気がするんだ
- 91 :
- 霧切さんをくすぐりたい
わりかしハードに
- 92 :
- 突然苗木君を行方不明にして一月くらい経つまで二人を合わせない
その後苗木君を返す
その後拉致しようとして失敗する
苗木君依存症の霧切さんを作るにはこれでいいかな?
- 93 :
- ・突然苗木君を拉致する
→いつごろ返そうかな、と悩んでいるうちに霧切さんに居場所を突き止められる
→さぁ、今回のクロは誰かなぁうぷぷぷ
- 94 :
- >>91
ハードかどうかはわからんが、くすぐりネタのSSは過去スレにあったな
- 95 :
- >>90
「ねえ、誠」と呼び掛けて「何? 響子さん」と返されることに
ちょっと不満げな霧切さんください
- 96 :
- >>95
もうこれだけで十分萌えた
- 97 :
- ちょっと過去スレを覗いてみたらSSがてんこ盛りじゃないか!
どういうことだ!? 説明しろ苗木!!
- 98 :
- >>97
苗木「それだけ僕と霧切さんが愛されてるってことだよ十神君」
霧切「わざわざ言わせないで……恥ずかしい」
- 99 :
- SSはこのスレの財産だべな
歴代の職人に敬礼
>>95
マスター、耳元で「響子、愛してるよ」と囁かれて茹でダコみたいになる霧切さんはあるかい?
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