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【小説】まりや「『選抜総選挙()ゲーム』……?」


1 :2012/12/30 〜 最終レス :2013/10/18
8/11 1:20
???
佐藤「ルールは簡単。過去四回の選抜総選挙を振り返って不審な点を順番に挙げてくだけ」
中塚「不審な点?」
佐藤「例えば『1。三連年連続で26位』とか」
中塚「なるほど」
佐藤「全員で四十八個挙げたらゲーム終了」
まりや「48!?」
紫帆里「四十八……」
田名部「…………」

2 :
佐藤「自分の番に答えられなかったらチェック、これはパスになる。で、もう一度答えられなければゲームオーバー」
野中「パスは一回だけ……」
佐藤「そう。そして、罰ゲームは……死」
内田「……し?」
野中「?」
佐藤「ゲームオーバーになったら死んでもらうよ」
鈴木「!?」

3 :
中塚「はあ!?」
内田「えっ、えっ、えっ!?」
近野「待て待て待てーい!!」
佐藤「……何?」
近野「ゲームオーバーになったら死ぬんですか!?」
佐藤「さっきも言った通り、この腕輪が作動する」
近野「いやいやいや、ええええええ!?」

4 :
佐藤「他のメンバーが答えられなかったら代わりに答えてもいいよ。何回でもね」
中塚「へえ」
佐藤「あと、他のメンバーに自分のパスを譲渡することができる。自分の命と引き換えにならもう一度パスの譲渡を認める」
まりや(一回しかないパス。前者は余裕がなければできないし、後者はありえない……。でも……)
紫帆里「……その腕輪を着けてるってことはなっちさんとなっつみぃさんもゲームに参加するんですか?」
松原「もちろん」
佐藤「選ばれざる九人全員参加しなきゃ意味ないからね」
田名部(選ばれざる九人? ……圏外!)

5 :
佐藤「ハンデとして私となっつみぃはパスなし。つまり、一回でも言えなかったらおしまい」
松原「まあそんなことはありえないけどね」
佐藤「制限時間は三分。三分経って答えられなければパスになって次の人の番になる」
中塚「三分……」
佐藤「あまりにぶっとびすぎた回答は認めないから。順番は私から時計回り」
佐藤「何か質問ある?」
近野中塚「…………」
内田名部「…………」
鈴木「…………」
ぽかーんと開いた口が塞がらない七人。

6 :
近野「あのー『選抜総選挙()ゲーム』の()って何ですかー?」
佐藤「ggrks」
近野「ぐぐれかす? なにそれ、おいしいの?」
まりや「……聞いてもいいですか?」
佐藤「何?」
まりや「どうしてこんなことをさせるんですか?」
佐藤「このゲームの趣旨?」
まりや「はい」
佐藤「それは……ゲームが終わったら答えるよ」
まりや「……はい」

7 :
佐藤「それじゃあ……」
松原「……」コク
佐藤「『選抜総選挙()ゲーム』スタート……!」
ピッ、ピッ、ピッ。壁にかけられたタイムキーパーがカウントダウンを始める。
――どうしてこんなことになっちゃったんだろう……

8 :
X時間前
8/10 22:00
B5thシアターの女神公演後楽屋
美優紀「お先に失礼しまーす! お疲れ様ですー!」
まりや「みるきーお疲れー」
美優紀「あっ、まりやんぬさん。ブ○カ九月号見ましたよ〜」
まりや「あー、みるきー表紙だったよね。ビキニすっごく可愛かったよ」
美優紀「いえいえ、そんなことは……じゃなくて! まりやんぬさんが載ってはったの読みましたよ〜。めち
ゃめちゃ可愛かったです!」
まりや「いやー照れるなー」

9 :
美優紀「正直私チームBに来るまであまりまりやんぬさんのことを知らなかったんです。でも、こんな可愛い人がいてビックリしました。スタイルもよくて、ダンスもすごく上手で、あの記事に載ってた上を目指す気持ち。尊敬します!」
まりや「そうかなー?」
美優紀「これから一緒に頑張っていきたいですし、もっと仲良くなりたいです! というわけで今度一緒にちゃぷちゃぷしてくれませんか?」
まりや「うん、もちろん!」
美優紀「ありがとうございます!」ニコ
まりや「……!」ドキッ
美優紀「それではー」
まりや「ばいばーい」
まりや(釣られた?)

10 :
佐藤「まりやんぬー」
まりや「なっちさん」
佐藤「この後話したいことがあるんだけど、いいかな?」
まりや「いいですけど……何ですか?」
佐藤「ちょっとね……」
まりや「?」
メンバーは次々に帰宅し楽屋には佐藤、近野、まりや、紫帆里の四人だけになった。
近野「なっちさーん、話って何ですかー?」
佐藤「うん、その前に……ちょっと待ってて」
紫帆里「話ってなんだろ……」
近野「珍しいよね、この組み合わせ」
まりや「そうだね」

11 :
近野「なっちさん遅いなー。もー寝るぞー?」
まりや「こらこらっちかちゃん」
近野「zzzz……」
まりや「ってほんとに寝た! ねー、しほりーん」
紫帆里「すぅ……すぅ……」
まりや「しほりんも!?」
まりや(いくら公演終わりで疲れてるからってこんな急に眠るなんて……なんだか……私、も……)

12 :
中塚「…………んぬ。まりやんぬ!」
まりや「んん……はっ! ともちゃん! ……ここはっ!?」
中塚「分からない……。私も起きたら何が何だか」
まりや「……?」
何もない部屋に九人のメンバーがいる。
壁には大きい鏡とその上にタイムキーパーがかけられている。
全員の左腕には見たこともないごっつい機械の腕輪がはめられている。
自分の置かれた状況が理解できていない。ある二人を除いて。

13 :
佐藤「はーい、皆起きたねー?」
まりや「なっちさん!」
内田「ここどこなんですか?」
野中「何ですかこの腕輪? 外れない……」
近野「えー今何時ー?」
中塚「知るかよ」
田名部「ドッキリ?」
松原「静かにしてー。今から説明するからー」
まりや「! なっつみぃさん」
紫帆里「……」

14 :
佐藤「この腕輪なんだけど無理に外そうとしたり壊そうとしたりしないでね。作動して高圧電流が流れて感電死するから」
内田「いいっ!?」
中塚「はあ!?」
田名部「へ?」
野中「……」ポカーン
佐藤「さて、この腕輪を外す方法は一つしかない。あるゲームにクリアしてもらう」
まりや「ゲー……」
紫帆里「……厶?」
佐藤「名を――」

15 :
佐藤→野中→田名部→中塚→まりや→紫帆里→近野→内田→松原→
8/11 1:30
???
1巡目
佐藤「例で1言ったから、みちゃ2」
野中の腕輪の二つあるのランプの一つが点滅する。
野中(ガチチヤレ? それとも週刊? いくらなんでもガチすぎるでしょ。てか、この企画の議題いいの?)
野中「2。三年連続で才加ちゃんの次に亜美菜ちゃん……?」
佐藤「認める。次、たなみん3」
田名部(マジなんなのこれ? ドッキリにしては異質っていうか異常だなぁ。仕掛け人がなっちさんとなっつみぃさんってことでおk?)
田名部「3。四年連続で順不同だけどたかみなさんとこじはるさんが連番……」
佐藤「……認める。次、クリス4」

16 :
中塚「4。今年、SKEとNMBの2トップが連番? しかも速報もだった! できすぎてる!」
佐藤「認める。次、まりやんぬ5」
まりや「えー、何があるかなー……」
まりや(大きい鏡、多分あれマジックミラー。向こうからカメラ回してるんだろうなぁ。にしても……おかしい)
まりや「ご。ジンクス。一回目〜三回目の総選挙で速報1位だったら開票2位、速報2位だったら開票1位を三度繰り返している」
佐藤「認めるよ。次、紫帆里6」
紫帆里「はい。えっと……」
紫帆里(大きすぎるマジックミラー。この部屋、まるで映画の実験室みたい……)

17 :
紫帆里「六。珠里奈、去年と比べて速報から謎の爆上げ。今年珠里奈が玲奈ちゃんに勝つ要素なんてなかったのにゴリ押しの珠里奈を勝たせてSKEで初の一桁にランクインさせた」
佐藤「ん。認めるよ」
佐藤「ちかりな7」
近野(この収録長そうだな。トイレどこー?)
近野「えっと、えっと……きたりえ! 連続じゃないけど今年で三度目の13位!」
佐藤「認める。次、うっちー8」
内田(静かすぎる……。それに換気扇が回ってるけど、妙に涼しい。ここどこなんだろう……)
内田「8。じゃんけん大会が八百長なんだから総選挙も八百長!」
佐藤「……。認めない」
内田「えー!」
内田はドヤ顔で答えたが通らなかった。

18 :
中塚(今のはダメなのか)
内田「うーん。ジンクス……こじはるさん速報二桁からの開票神7、とか?」
佐藤「認める。なっつみぃ9」
中塚(ジンクスはいいのか)
松原「9。今年のアンダーガールズはSKEで半分を占めてる。24位から35位まで有華とわさみんを除いてSKEの連番」
佐藤「認める」
近野(あー! 次言おうと思ってたのにー!)
佐藤(一巡目終了……)

19 :
面白い 期待アゲ

20 :
続きが楽しみ

21 :
プレイヤーがジャッジって、なっちずるいだろー
そこがカギになるのか?

22 :
2巡目
佐藤10、田名部11を答え、野中の番。
佐藤「みちゃ12」
野中「えー……」
野中「……んー」
唸りながら考えるが結局答えられず時間切れになり野中パス1。
点滅していたランプが消え、一つになった。
佐藤「12クリス」
中塚(さっき紫帆里が言ってた珠里奈の謎の爆上げ。もう一人いたな……)
中塚「12。珠里奈と同様にみるきー速報から謎の爆上げで19位。二人共AKBと兼任しているから兼任マジック?」
佐藤「認める」
中塚(あー早く家に帰りてー)
佐藤「まりやんぬ13」

23 :
まりや「じゅうさん。去年圏外だったみるきーがいきなり19位ランクイン。去年も由依ちゃんが圏外から19位に」
佐藤「いいよ、認める。14紫帆里」
紫帆里「十四。逆ランクイン率が高い」
田名部「……逆ランクイン?」
紫帆里「4の田野優香ちゃんにHKTの宮脇咲良ちゃん、咲子に萌乃にすみれに小森も速報は外れてたけど開票で入ってる」
中塚「確かに多いな」
佐藤「高いから何?」
紫帆里「えっ?」
佐藤「それじゃあ認められないよ」

24 :
紫帆里「……。速報で外れてて開票で入ってたら……より盛り上がる。盛況効果をもたらすために逆ランクイン率を高くした……?」
佐藤「うん、認める」
紫帆里「ほっ」
佐藤「次、ちかりな15」
近野「え〜、も〜思いつかないよ〜」
近野パス1。内田15、松原16を答えて三巡目を迎える。

25 :
3巡目
佐藤「17。仮説」
内田(仮説……?)
佐藤「SKEの2topの人気はともちんを凌ぐ。しかし、ソロデビュアーにしてオリメンの面子を保つために超えさせない」
松原「ok」
中塚(一期生の面子……ね)
佐藤「18たなみん」
田名部(……逆ランクイン率が高いってことは……)
田名部「……18。逆ランクアウト率の高さ」
まりや「逆ランクアウトお!?」

26 :
田名部「HKTの研究生、SKE平松可奈子ちゃんに木下有希子ちゃん、ここにいるなっつみぃさんとみちゃ、それに私は速報入ってたのに開票で外れた。開票で入れなかったから圏外のレッテルを貼られたけど……速報に入れたのは名前を世間に知らせ知名度を上げるため」
田名部「HKTの研究生の子なんかは速報に入っただけで大勝利って感じだったし。過去三回とも圏外だった私も……みちゃもでしょ?」
野中「あ、うんうん。そうだった」
田名部「つまり、どうせ圏外なんだから速報くらいは入れといてやるか、的な? 速報にも入ってなかったらファンもせっかく投票したのに推し変やAKB離れしかねないと思った運営の策略」
佐藤「認める。みちゃ19」
中塚(たなみん、すげーなー!)
まりや(すごい……!)
野中(仮説……オリメンの面子……)
野中「19。仮説。去年、26位はオリメンのなっちゃんで28位は難波のエース山本彩ちゃんだった。去年の時点で山本彩ちゃんの人気はなっちゃんを超えていた。オリメンの面子を保つために超えさせなかった?」
佐藤「認めるよ」
野中(ふぅ、一番最初にだけは脱落したくない。けど、もう流石に次は……)

27 :
佐藤「次、くりす。20」
中塚「あー……」
中塚(う〜、思いつかない〜)
そのまま三分経過して中塚パス1。番がまりやに移る。
まりや「にじゅう。さっしーが麻里子様にたったの300票差で勝った。今年さっしーはソロデビューしたりい○とものレギュラーになったり大躍進したけど、まさかあの麻里子様を僅差とはいえ超えるなんて誰も予想していなかった。激的な盛況効果を狙った」
まりや「あと、上位四人のバランスも考えて優子ちゃんまゆゆゆきりんと麻里子様より、優子ちゃんまゆゆゆきりんとさっしーの方がいいから勝たせた?」
佐藤「認める」
まりや「ふう」

28 :
佐藤「紫帆里21」
紫帆里「…………。二十一。NMBの2topが18,19位だったのはアンダーガールズのセンターの両サイドのポジションにするため」
まりや(へえ、ポジションか……)
佐藤「認める。ちかりな22」
近野「んー……ダメだー! もう何も思い浮かばなーい!」
中塚(ここで近野脱落か)
まりや(重いなぁ、この腕輪。腕が疲れ、っ! もしかして……まさか、ね)
佐藤「あと一分」
近野「え〜、どうしよ〜。う〜……」

29 :
佐藤「3、2、1……」
ビー、タイムキーパーの0が四つ並び、タイムアップの音が鳴り響く。
佐藤「ゲームオーバー」
近野「いやーね、無理無理! こんなん無理だって!」
野中(ほっ、最初の脱落者にならずにすんで良かった。私ももう何も思い浮かばないし……)
近野「づず!!」
野中「!?」
内田「ちかりな!?」
近野「痛い゚痛い゚!! ごで、外ぢで……!」
まりや「ちかちゃん!?」
田名部「っ?!」
佐藤「…………」
松原「……」
腕を抱え踊りだす少女を見て驚き焦る少女たち。それを静かに眺める二人。

30 :
近野「あ゚あ゚!!」バタ
紫帆里「……ちかりな?」
近野「…………」
中塚(あーそーゆーことかー。あいつも仕掛け人だったのか。ゲームオーバーになって死んだふりを……迫真の演技に一瞬面食らっ……)
内田「! どーゆーことだ、おい……」
紫帆里「うっちー?」
内田「こいつ……死んでるじゃねーかよ!」
中塚「……マジ、かよ……!?」
――演技じゃない! さっきまで生きていた近野が死んでる……。
まりや「そんな!?」
野中「嘘……」
ピッ、ピッ、ピッ。近野が死に再びカウントダウンが始まる。

31 :
佐藤「うっちー。22」
内田「……あ? 佐藤、夏希ィッ!!」
佐藤「……」
佐藤の胸倉を掴み上げる内田。
内田「どーいうことだこりゃあ!! 収録じゃなかったのか?!」
佐藤「誰が収録なんて言った?」
まりや「ドッキリじゃないんですかっ!?」
佐藤「見ての通り」
内田「この腕輪を外せ!!」
佐藤「無理だよ」
内田「じゃあお前をR……!」
佐藤「やめときなって」
内田「何ぃ? 命乞いかあ!?」

32 :
佐藤「違うよ。私を殺せばその分答えなければならないってこと。あと27もあるのにまだ余裕あるの?」
内田「何だと!? 今すぐこのゲームを終わらせろ!!」
佐藤「だから無理だって。賽は投げられたんだ」
内田「チクショー!」
まりや「やめて、うっちー!!」
内田の体にしがみつくまりや。
内田「止めるな! こいつは許さねえ!」
まりや「今はダメ! このゲームを終わらせるのが先!」
内田「離せ、まりやんぬ!」
紫帆里「うっちー、今だけは堪えて……!」
紫帆里も止めに入り、内田は止まった。
内田「チィ! てめえもグルなんだろッ、松原ァ?」
松原「……。22」

33 :
内田「ああ? ニジューニィイイ? 次は私の番だろーがあああ!」
野中「う、うっちーの番、終わっ……ちゃった……」
内田「ゑ」
松原「仮説。チームA空き一枠。Aは速報で全員入ってたのに開票で一人(私)だけ外れた。総選挙がやらせと思わせないためにあえてAにたった一枠空けた」
佐藤「認める」
内田「しまった……!」
中塚「こ、この腕輪を外す方法は!?」
佐藤「最初に言ったはずだよ。このゲームをクリアするしかない」
中塚(クソ、やっぱりそうなるか!)
野中(私、今パス1だから次答えられなかったから……死ぬ!?)

34 :
4巡目。
佐藤23、田名部24を答えた。
まりや(やっと半分!)
紫帆里(まだ半分か……)
中塚(あと24……!)
佐藤「次みちゃ25」
野中「あっ……あぁ……」
田名部「み、みちゃっ!?」
内田(! 目が回ってる……!)
中塚(っ、みちゃはもうダメだ!)

35 :
紫帆里「そうだっ! 代わりに答えてもいいってルールでしたよね?」
佐藤「うん。何回でも」
紫帆里「誰か! 代わりに言って……! このままじゃ……」
中塚(! 言えるわけねえだろ! 命がかかってんだから……)
内田(い、言えない……。一つあるけど……いや、一つしかないんだ!?)
紫帆里(やっぱり無理か! ああああ、考えろ考えろ……!!)
まりや「みちゃ……」
佐藤「残り一分」
野中「た、すけ……て……」
まりや「……っ」
紫帆里「ま、まりやん……?」

36 :
まりや「わ……わさみん33位。AKBにはソロデビューが5人いてその内の4人は選抜入りしている。わさみんは選抜には入れないからせめてネクストガールズのセンター33位にランクインさせた」
佐藤「!」
野中「まり、やんぬ……!」
まりや「……判定は?」
佐藤「……認める」
内田(マジかよ、まりやんぬ……)
まりや「諦めないで! がんばろみちゃ!」
野中「う、うん……! がんばる……うぅ……」ポロポロ
中塚(人が良すぎるってのっ!)
紫帆里(まさか、まりやんぬが……)

37 :
面白い!

38 :
中塚26、まりや27を答え、ここで紫帆里パス1、内田28を答えた。
佐藤「認める。次、なっつみぃ29」
内田(ふぅ、今のは一巡前飛ばされた時に言うはずだった……。だけど、本当に命がかかってくるとなるともう考えても焦って何も思いつかない……! どうしよどうしよ!! 次言えなかったら私……私……!)
松原「29。今年KとBに空き四枠ずつ。去年はKとBに空き六枠ずつ。これは格差調整のため。必然的にAの空き枠が1番に少ない、これはAを1位にし、KとBの優劣をつけないために空き枠の数を統一した」
佐藤「認める」
まりや(A>K=Bってことか……)
紫帆里(すごい、本当にそのために空き数を一緒にしてるのかもって思っちゃいそう……)
佐藤(五巡目。脱落者は一人。予想以上に順調だな。だけど、ここから先は……)

39 :
5巡目
佐藤「30。AKB研究生枠、SKE研究生枠、チームE枠、HKT枠、一人ずつランクイン。これはチーム推しのファンのために椅子を一枠設けている。例えば、チームE推しのファンがいて花音ちゃん一人でもランクインして大勝利だったでしょ?」
松原「ok」
まりや(指定校推薦みたいだなあ)
中塚(30を超えた! あと18!)
佐藤「次、たなみん31」
田名部「…………っ」
田名部(焦るな……落ち着け私。まだパスがあるからゆとりをもって考えればきっと何かおもいつく……はず……)
まりや(たなみん……)
沈黙の三分間。時間切れで田名部パス1。
佐藤「たなみんパス1。次、みちゃ」
田名部「……くっ」
中塚(ここに来てたなみんパスか……やばいな)

40 :
野中「…………」
田名部「みちゃっ!!」
野中「だ、大丈夫……」
まりや(大丈夫? 何か思いついたのなら、早く答えて!)
佐藤「残り一分」
まりや「みちゃ!?」
野中「大丈夫、大丈夫だから……」
まりや(みちゃ……?)
野中(私、もうだめだ……。これ以上は皆に迷惑かけちゃう……。どうしてこんなところにいるんだろう。私は売れなかったけど六期から頑張ってきた。恋もしないで、普通の青春を犠牲にしてステージで踊り続けた)

41 :
野中(正直、二人だけになった六期であきちゃだけが活躍してるのを妬んでいた……そのバチが当たったのかな? ……最後に……)
佐藤「残り三十秒」
紫帆里「代わりに答えよう!」
野中「待って! 私が、答えるから……!」
中塚「みちゃ……!」
野中「さ、31……。六期空き一枠」
鈴木「!?」
松原「……」

42 :
野中「チームA空き一枠同様に、Aが全員ランクインしたら八百長だと怪しまれるからあえて一枠空けた。二人しかいない六期で二人共ランクインしたら怪しまれる。だから……私、あえて外されたんだ……!」
佐藤「……」
中塚「っ、判定!!」
佐藤「認め……」
まりや(お願い通ってっ!)

43 :
佐藤「ない」
ビー、タイムアップ。
まりや「そんな!?」
野中「まりやんぬ。代わりに答えてくれてありがとう、嬉しかった! 足引っ張っちゃってごめんね……」
まりや「みちゃ……嫌だよぉ……」
野中「じゃあね。……あ゙あ゙!!」バタ
まりや「みちゃあああああああああっ!!」
佐藤「クリス31」

44 :
まりや「! なっちさん……なっち……? 1+2はNなっちぃ? 1+2はさ......!」
紫帆里「落ち着いてまりやんぬ」
激昂しそうなまりやを制する紫帆里。
紫帆里「今は……このゲームを」
まりや「……。うん、そうだね。ごめん……」
中塚(くっそ、これ以上何があるってんだよ!! 何か不審な点はないか!? 10位……20位……30……40、50……あ)
中塚「31。10位玲奈ちゃんと20位古川愛李ちゃんはラブラブカップル!」
佐藤「……で?」

45 :
中塚「っ、でぇ……40位のれいにゃんとぉ50位のはるきゃんは夫婦! 10の倍数位はカップル枠!」
佐藤「……認める。まりやんぬ32」
中塚(ふいー、危なかったー……?)
まりや(今の通ったの!? じゃあ)
まりや「さんじゅうに。えっと、11位の宮澤佐江ちゃんと21位の佐藤亜美菜ちゃんは同い年で……51位のあやりんと61位のすみれも同い年!」
佐藤「……認める」
まりや「ありがと智ちゃん! 助かったよ!」
中塚「いいっていいって」
佐藤「紫帆里33」
紫帆里「三十三……。4位さっしー14位みぃちゃん、24位高柳明音ちゃん44位はるごんさん、54位鈴蘭64位小森。共通点は同年代」
佐藤「認める。次、うっちー34」
紫帆里「クリスありがと! 助かった……」
中塚「だからいいって! ほら、次考えよっ」

46 :
内田「…………」
まりや「……ん?」
紫帆里「……うっちー? うっちー!」
内田は気絶して岩のように動かない。
紫帆里「! 気を失ってる……!」
田名部「いつから!?」
まりや(そういえば静かだなーって思ってたけど……)
中塚「クソがあ! もうお前はR岩! 二度と目を覚ますことはねえから安心して死んでろ!」
まりや「智ちゃんっ!」
まりや(答えないとうっちーが! でも、さっき言ったばかりで何も……)
紫帆里「起きてうっちー!」
内田「……」
紫帆里「ダメだ! 起きる気配ない!」
中塚「あーあ。あと一分」

47 :
まりや「――っ。パス、譲渡……!」
中塚「何ィ!?」
佐藤「ん。次、なっつみぃ34」
中塚「まりやんぬ正気か!? そいつはもうただの岩と化した豚だぞ! それなのに貴重なパスを……」
まりや「ごめん智ちゃん。でも、私……」
まりや(パスは意味ない。ただその場を凌ぐだけで、結局は順番を先送りにしてるだけ……。このゲーム……)
佐藤(まりやんぬ、気がついたか)

48 :
松原「34。ユニット贔屓説」
紫帆里(ユニットひいき?)
松原「去年アンダーガールズのセンター梅ちゃんが今年選抜に入った。アンダーガールズと選抜の壁は大きい。それなのに去年一年間特に何をしたわけでもない梅ちゃんが選抜に入るのは不自然」
松原「そこでユニット贔屓。AKBの派生ユニットで渡り廊下(は人数が多いから全員を選抜入りすることはできない)以外のユニットに入ってるメンバーで総選挙で選抜に入ったことがないのはDiVAの梅ちゃんだけ。だから、今年選抜入りするのは必然的だった」
佐藤「認める」
紫帆里(なるほど)
まりや「智ちゃん、しほりん」
中塚「ん?」
まりや「七人であと14こ。一人あと2つ答えれば終わり。パスは皆使ったから誰も脱落せずにいけば……なっつみぃさんがラスト!」
中塚「あと2つ……!」
紫帆里「ゴールが見えてきた……」
まりや「うっちーも連れて帰る。自分だけが助かろうなんて考えないで! 協力しよう!」
紫帆里「うん!」
中塚「分かった!」
中塚(肩の荷が少し軽くなった。ありがとうまりやんぬ)

49 :
6巡目
佐藤「35。ユニット贔屓説。渡り廊下走り隊全員ランクイン。チームAみたいに全員入れると八百長疑惑が浮上するから一人外したが、ユニット贔屓によって全員入った。都合よく最下位の64位に小森がランクインするなんてできすぎている」
松原「ok」
佐藤「次、たなみん36」
田名部「……36。NMBの城ちゃんが圏外の理由。チームMのエースの城ちゃんがランクインできなかったのはおかしい。秋元先生のゴリ押しだったのに。でも、チームAの空き一枠と同様に総選挙のガチさを出すため」
田名部「さっきなっつみぃさんが言った枠制度でMにも一枠与えてしまったらできすぎと怪しまれるからあえてMからは誰もランクインしなかった……」
佐藤「認める」
まりや(さっきパスだったたなみんが持ち直した……! この調子なら!)
紫帆里(本当は入ってたの八百長だと思われるから外した、か……。城ちゃんの他にもいるかな……)
佐藤「くりす37」
中塚「ちっ、もう回ってきやがったか……!」

50 :
中塚(仮説……ユニット贔屓……オリメンの面子。八百長疑惑緩和……ジンクス、盛況効果……枠)
中塚「えー……ゆきりん! 三回目の総選挙で八位から大躍進の三位! 今までの上位7人は神7とオリメンの面子を保つため二期生一人(優子ちゃん)と三期生一人(まゆゆ)と一期生で構成していたがゆきりんの人気が上昇しすぎてもう神7を保つことはできなかった」
中塚「たぶん、二回目の総選挙で神7に入っててもおかしくない人気を誇っていた。だから三回目にして中途半端な順位ではなくいっきに三本指、三位にくい込ませたんだ!」
佐藤「ん。認める」
中塚「っしゃ!(あと一つ!)」
佐藤「認める。次は……38。まりやんぬ」
まりや「さんじゅうはち。一回目〜三回目は一位と二位の速報から逆転ジンクスがあったが今年なかったのは優子ちゃん以外一位はありえない風潮で逆転劇とか言ってる場合じゃなかったからできなかった」
まりや「速報2位ゆきりんと3位まゆゆに逆転ジンクスを適用し盛況効果を狙った!」
紫帆里「うん。この逆転は予想できなかったし盛り上がりもはんぱじゃなかった!」
佐藤「認める」

51 :
地下に立てればよかったのに

52 :
まりや(やったっ! あと10!!)
紫帆里「39。HKT枠は一つ確定していた。速報では研究生の子がランクインしていたが今後売っていかなければならないのは宮脇咲良ちゃん。そして、フューチャーガールズではなく、ネクストガールズに入れたのは、64位から49位のフューチャーガールズの最初の発表」
紫帆里「フューチャーガールズで入ってなければHKTからは誰も入れなかったんだと絶望させてからのネクストガールズランクイン。盛況効果も狙ったと思われる」
まりや「うん! 盛り上がりすごかったもんね!」
紫帆里(真似するな)
まりや(thpr)
中塚(随分余裕あるなー……)
佐藤「グット、認めるよ」
佐藤「次は……うっちー。40」
内田「……」
まりや「智ちゃん何か思いついた?」
中塚「うんん……」フルフル
まりや(順番的にうっちーのを答えるのは不利すぎる! 私たち三人の後だから考える時間が……)
紫帆里(くっ、私たちはなっちさんたちが答えたやつを参考にして答えている。だから、もう一度なっちさんたちの番にならないと案も思い浮かばない!)
中塚(ああああ、そうこう考えてるうちにあと二分じゃねえか!)
まりや「たなみん何かない!?」
田名部「!? あ……あぁ」
まりや(目が泳いでる……! あるけど答えられないのか。それとも本当になくて焦ってる? こうなったら!)

53 :
内田「んん……じゃんけん、大会が……」
佐藤「ん?」
鈴木「え?」
中塚「ね、寝言!?」
内田「イカサマなんだかるぁ、総選挙もイカサムヮ……」
佐藤「それは認めないよ」
内田「仮説……ぢゅわんけん選抜とぉ……総選挙の圏内うわ同価値ぃ……」
佐藤「じゃんけん選抜=総選挙圏内、ね。それで?」
内田「だかりゃ……今まで選抜未経験の正規メンバーがじゃんけん選抜に入る確率が、高い。現にここにいる九人中五人がじゃんけん選抜が初選抜……」
佐藤「まだ……」
まりや「っ、補足。総選挙圏外(と選抜未経験正規メンバー)がじゃんけん選抜に入るのが多いのは、じゃんけん選抜に入れるから総選挙は圏外した! 総選挙とじゃんけん選抜が同価値ならこういうこともありえますよね?」
佐藤「うん、認めるよ」
中塚「よし内田あああ!」
紫帆里「ナイスまりやんぬ!」
まりや(うっちーも夢の中で戦ってるんだ……!)

54 :
佐藤「なっつみぃ41」
松原「41……。……」
珍しく長考する松原。その間にまりやたち黙々は思考する。残り一分を切ってやっと口を開く松原。
松原「……結論。総選挙はただの金儲け企画。投票券が同梱されたシングルは他のシングルの売上と比べ1,5倍以上にも及ぶ」
松原「それとモバイル会員になれば一票つく、総選挙の月だけ会員数は100万人を越える。CDにモバイル会員……総選挙の結果をそのまま発表してもつまらないので運営が儲け相応の順位付けにしている」
紫帆里(結論、企画論か)
中塚(どんな企画にも裏があるのは皆知ってる……)
佐藤「認める……」
まりや(ふー、ついに……ラスト、一巡!)

55 :
松原と佐藤がグルなら自分で言ったことを自分で認めるってフェアじゃないだろ

56 :
面白い!
やんぬ頑張れ

57 :
7巡目
佐藤「……42。三年連続圏外だったのに不自然なネクストガールズ入り。しかも三人、香菜なかやんちぃちゃん。HKTの宮脇咲良ちゃんみたいにあえてフューチャーガールズにランクインさせずネクストガールズに入れた」
松原「ok」
佐藤「次、たなみん43」
田名部「……」
中塚「た、たなみん……?」
田名部(もう……だめだ……。目が、回る……?)
まりや(マズイ、あの様子……!)

58 :
田名部(順調にいけばこの一巡で終わり。皆もう限界だろう。うっちーを連れて帰るとか言ってたけど、それが叶うかどうか、自分が帰れるかどうかも危ういっていうのに……)
田名部(うっちーが助からないとして、もう一人誰か言えなかったらもう一度私に回ってくる……。あと二つなんて無理だ、もう……終わった)
佐藤「あと一分」
紫帆里「お、お尻シスターズの優子ちゃんとまゆゆが1,2位フィニッシュ!」
佐藤「……認めない」
田名部(! しほりんありがとう。しほりんは三年前の組閣で辞めてなかったら一緒のチームKだったんだ……あんまり関わる機会がなかったのに私のために……)
紫帆里「っ! まゆゆとゆきりんの親子で2,3位!」
佐藤「認めない」
紫帆里(これもダメか……!)
まりや(どうしよう……!?)
まりや「智ちゃん! 何かない?」
中塚「私は……」

59 :
中塚(ある! さっき思いついた最後の一つ! 多分これは通る! でも、次は私の番なのに使える訳がない!)
中塚「……ない! まりやんぬは?」
まりや「わ、私も……」
田名部(最期に……言うだけ言ってみるか)
田名部「三期空き一枠。A空き一枠と同様、三期生全員ランクインしたら八百長だろと疑われる! だから一枠空けた!」
まりや「!」
中塚(みちゃと同じ!)
佐藤「……。認めない」
田名部(ふっ、やっぱりね……)
ビ―――、田名部生来の二十年にも満たない人生の終わりを告げる音が鳴り響く。

60 :
田名部「ぢじ!!」バタッ
まりや「たなみんっ!」
紫帆里「くっ……!」
中塚(許して、たなみん……)
佐藤「次、クリス」
まりや(一つずれてなっつみぃさん47、なっちさん48で終わり。うっちーを助けられなければ……また一つずれて再びクリスの番に回ってくる! なんとしてでもうっちーの分を答えないと……! この一巡で終わらせなければ多分、私たち帰れない!)
紫帆里(最悪、うっちーを見捨てても最後はなっちさんで終わるはずだったがたなみんさんがリタイヤした今、うっちーの分を絶対に答えなくちゃならなくなった……。でも、私……まだ……!)

61 :
中塚「これで……ラストォ! 選抜、アンダーガールズ、ネクストガールズ、フューチャーガールズのセンターは全てAKBのメンバー。フューチャーガールズセンターが研究生の十夢ちゃんなのは四人とも正規メンバーにすると八百長疑惑が浮上するから」
中塚「一〜三回目の総選挙で選抜はもちろんアンダーガールズのセンターも全てAKBのメンバー。AKBのシングル曲だからアンダーのセンターをAKB枠にしている」
佐藤「認めるよ」
中塚「ふぅ……」
――終わった……いや、安堵するのはまだ早いか。
中塚(内田の代わりに答えなくちゃ48が私に回ってくる……! 内田は起きる気配なし。あんな岩だけど五期からやってきて昇格してチームKで共に汗を流してきた仲間だ……岩を連れて帰る! 考えろ私! 多分、まりやんぬも紫帆里も限界……。私が岩を助ける)
佐藤「44まりやんぬ」

62 :
まりや「さてと、私の番……」
紫帆里「まりやんぬ、大丈夫?」
まりや「……うん、大丈夫。安心して」
紫帆里「そう……」
まりや(大丈夫、大丈夫。私なら……大丈夫!)
まりや「よんじゅうよん……。ユニット贔屓説!」
紫帆里(ここでユニット贔屓説……!)
まりや「1位優子ちゃん、17位あきちゃ、33位わさみん、49位武藤十夢ちゃん。四人中三人がユニットに入ってるメンバー。四人ともユニットメンバーで固めるとやらせと疑われるから49位のフューチャーガールズセンターは研究生の武藤十夢ちゃんにした!」
中塚(さっきの私のと似ている……通るのか!?)

63 :
佐藤「認める。紫帆里45」
まりや「ほっ。しほりん!」
紫帆里「大丈夫。私も大丈夫だから……。それより、うっちーの分のを考えて」
まりや「うん……!」
中塚「紫帆里……」
松原「…………」
中塚「あああと一分……!」

64 :
紫帆里「……四十五。まりやんぬが……」
まりや(?)
紫帆里「まりやんぬがランクインできなかった理由!」
まりや「!」
紫帆里「去年、今年ホラー映画の主演を二作やったまりやんぬが圏外なのはありえない! 何故ランクインできなかったのか、まりやんぬとまりやぎの人気はまりやぎの方が少し高い。『まりや』は二人もいらないからまりやぎを優先し、まりやんぬを圏外にした!」

65 :
佐藤「……うん、認める」
紫帆里(よし! 後は……)
佐藤「うっちー46」
内田「…………」
中塚「これで終わりだ」
紫帆里「クリス……!」
中塚「46。19〜24位、37〜57位、58〜64位まで連番で同じチームがいない。アンダーガールズにSKEが固まってる分、他でバラバラにすることによってSKEの連番の八百長疑惑を緩和させた!」
佐藤「……駄目。認めない」
紫帆里(チーム数と順位が増えたから、バラバラになるのは当たり前……むしろ連番になるほうが珍しい。だからSKEの連番は通ったんだ……!)
中塚「くっ、そがッ!! 何でダメなんだよ!?」
内田「……」
紫帆里(ダメ……もう限界なの……!?)
まりや「ハア、ハア、ハア……」
息を切し汗を垂らすまりや。

66 :
中塚「ま、り、や……?」
まりや「よ……よんじゅうろく……」
紫帆里(まりやんぬ、いけるか!?)
まりや「AKB研究生、SKE研究生、チームE、チームHの一枠制度に対してチームA同様の空き一枠制度。チームA、三期生、六期生、そして七期生に空き一枠。一人だけ外れることによって総選挙のガチさを出すための制度。通称『絶望枠』……」
中塚「ぜ、絶望枠……」
紫帆里(三期はたなみん、六期はみちゃ、七期はまりやんぬ。そして、Aは……)
まりや「私も七期で唯一の圏外。でも、チームAの絶望枠は三、六、七期の絶望の比じゃない……そうですよね、なっつみぃさん?」
松原「……っ……」

67 :
中塚「は、判定は!?」
紫帆里(通って……!)
まりや(通る……!)
佐藤「…………。認め……」

68 :
アゲ

69 :
佐藤「る」
中塚「い……よっしゃああああ!! でかしたまりやんぬうううう!!」
紫帆里「まりやんぬ……!!」
まりや「あ、ははは……! ふー……」
まりや(ありがとう……みちゃ、たなみん。二人の最期のヒントがなかったら私たちは帰れなかった……)ツー
歓喜する中塚と紫帆里。一筋の涙を流すまりや。
佐藤「なっつみぃ47」
松原「……」

70 :
まりや(ふう……。終わっ……たー……)
紫帆里(長かった……ものすごく長く感じた……。それももう終わる……!)
中塚(結局、三人も死んじゃっ……ん?)
松原「……」
中塚(何もったいぶってやがるんだなっつみぃさん。とっとと答えろよ、ったく!)
松原「…………」
佐藤「……」
まりや「……え」
紫帆里「? なっ……つみぃ……さん?」
中塚「まさか!?」
いつまでも口を開かない松原。鉄仮面の下に若干焦燥の色が見える。

71 :
まりや「なっつみぃさん……!」
佐藤「……夏海……」
松原「ぁ……あうぁ……」
まりや(マズイ! 最後の最後でこんなことって……! 待って、もし答えられなければなっつみぃさん……死ぬ!?)
紫帆里(いや待て! そして、最後の番は……!)
中塚(おいおいおいおいおいおいおいいいいい!! え? は? 最後、私ぃいいいい?)
まりや「ああああと一分っっ!!」
中塚「ちッ、松原ァ!! なんでもいいから答えろォおおおおおぉおおお!!」
松原「ぅう……あっ。……あぁっ!!」
まりや(思いついた!?)
中塚「早く言えこのノロマああああああ!!」

72 :
松原「47ぁっ!! 今年……あの、指原が……麻里子様より順位が上なんてありえなあああああああい!!」
紫帆里(と、通るか!?)
まりや(……こ、これは……!)
ピッ、ピッ。止まらないカウントダウン。
佐藤「認めない」
松原「なっ、何でどうしてっ!? だってありえないでしょあのサセコがマリコ様より上なんて!!」
佐藤「……」
ビ――――。タイムアップ。

73 :
松原「ゔっ……!」
紫帆里「嘘……でしょ」
中塚「マジかよ……」
まりや「なっつみぃさん! なっつみぃさん!! なっつみぃさあああん!!!」
松原「……ま、り…………ぉ。……ぁ……ぁ」バタッ
まりや(! 最期、私の名前を……?)
佐藤「ありがとう、夏海。後は任せて」
佐藤は誰にも聞こえない声で呟く。
松原が死に、再びカウントダウンが始まる。

74 :
8巡目
佐藤「47。結論。総選挙はメンバーの名を売るためのただの企画。総選挙でランクインしたメンバーはその後一年間その順位を背負う。だから売っていきたいメンバーを上位にランクインさせる」
佐藤「対して、売っていきたくない干したいメンバーを圏外にし、圏外だから干されても仕方ないという風潮にするため」
佐藤「ラストクリス」
中塚「う……うわあああああああああやばいやばいやばいやばいやばいいいいいいいいい!!!!!! 何か、答えないと……!! コタエナイト……!!??」
まりや(……私、こんなところで何やってんだろう……。もう疲れた。何も考えたくない。どうせ皆死ぬ、皆で死のう)
紫帆里(終わる……! このままじゃ皆死ぬ! でも、これ以上何が……)
内田「…………」
中塚「誰かァ!! 誰か助けてッ!! ああああああ」

75 :
まりや「…………」
紫帆里「まりやんぬ? まりやんぬ!」
まりや「?」
紫帆里「まりやんぬも考えて!! このままじゃクリスが! クリスだけじゃない皆死ぬ!!」
まりや「……もういいよ。しほりんも疲れたでしょ? 考えるだけ無駄だよ」
紫帆里「っ」パァン
まりや「痛っ」
紫帆里の本気の平手打ちがまりやの頬に炸裂する。白い頬は真っ赤になる。

76 :
紫帆里「諦めないで! あと一つ!」
まりや(あと一つ……そうだ! あと一つ!)
まりやの脳内で今年の高校野球の応援曲が流れる。
あと一粒の涙で ひと言の勇気で 願いが叶う その時が来るって僕は信じてるから 君も諦めないでいて何度でも この両手を あの空へ♪
まりや(甲子園へ行く! って高校球児か私は! なんて言っている場合じゃない!)

77 :
佐藤「残り……一分」
中塚「内田ぁぁぁぁぁ!!!! 紫帆里ぃぃぃいいい!!!!!! まりやんぬうううううううう!!!!!!!!」
内田「…………」
紫帆里「くっそぉ!!(どうしてあと一つが思いつかないんだ!?)」
まりや「(あと一つ! けど、その一つがどうしても思いつかない……!)」
紫帆里「うっ……」
まりや「うっ、うぅ……」
どうしようもなくて涙する二人の鈴木と絶叫する中塚。考えても考えても何も思い浮かばない。頭が真っ白になって何も考えられない。
中塚「あああああああ誰でもいいから言ええええええええええッ!!!!!!」
佐藤「十、九……」
中塚「あわわわあああああああッ!!!!!!!!」

78 :
まりや「っああああこのゲームは何の意味もない! 例え百個挙げたところで総選挙が八百長だったと証明できない!! つまり! このゲームはただのゲ○カス妄想に過ぎないいいいい!!」
佐藤「!!」
紫帆里「まり、やんぬ……!」
中塚「xxxxxx」
中塚は白目を剥き泡を吹き、禁と神を失った。

79 :
ピッ……。タイ厶キーパーは00:01で止まった。
紫帆里「と、止まった……!」
まりや「お、終わっ……たの……?」
佐藤「…………」
シーン。ずっとタイムキーパーの時を刻む機械音が鳴り止まなかったがここに来て初めて訪れる沈黙。
静か過ぎて怖くなる鈴木。黙っている佐藤。
紫帆里(早く、終わりだと言って!)
まりや(この感じ……まだ機械音が聞こえてるような錯覚が……今にもあのピッって音が、聞こえてき、そう……っ……)

80 :
――ピッ、ピッ、ピッ。
鈴木「!?」
まりや(空耳? じゃないっ!)
紫帆里「見て! またカウントダウンが!」
まりや「!! どういうことなんですかなっちさんッ!! さっきのはなしなんですかァ!?」
佐藤「いいや、カウントするよ」
まりや「じゃあどうしてあれは動いてるんですかっ!?」
佐藤「何言ってんの。自分で言ったじゃんまりやんぬ」
まりや「はい!? 私が一体何を言っ……」
佐藤「まりやんぬ49」
まりや「? よんじゅーきゅー?」
紫帆里「っ、佐藤……!!」
佐藤「百個挙げてもらうよ」
紫帆里「ひゃっ……!?」
まりや「ふっ……ふふ……」
紫帆里「もう……ダメだ……」
まりや「ふふふ……ふ、ざっけんなNうううううううううう!!!!!!!!」
まりやはここに来て初めて激昂し、佐藤に掴みかかる。

81 :
まりや「ざけんなざけんなァッ!! 早くあれを止めろこれを外せ私たちを開放しろおおおおおおお!!!!!!!!!」
佐藤「あと二分」
まりや「こいつ、R! R!! ぶっRっ!!!」
佐藤の顔面を殴り倒し、すかさずマウントポジションを取り、顔面を殴打する。
まりや「ちかちゃんを返せ!!! みちゃを返せ!!!!!! たなみんを返せえええええええええ!!!!!!!!!」
佐藤「」
佐藤は既に気を失っているのにまりやは殴り続ける。
佐藤の顔面はめちゃくちゃ。瞼は腫れ、鼻は曲がり、鼻血が吹き出し、額が割れ血が流れ、軟骨は凹み、頬骨も陥没し、前歯は砕け、唇が裂け、口内も切れた。まりやの拳も血に染まる。

82 :
まりや「Rっ、Rぇ、死んでしまええええ!!!!!!!!」
ゴッ、最後の一発はクリティカルヒットした。
まりや「ハア……ハア……ハア……!!」
佐藤「あっははっ、無駄無駄ァ。ほーらあと三十秒。早くしないと」
まりや(!! 生きてる死んでない!? どうしてあんなに殴っ……)
まりや「おらおらおらおらおらおらおらおらおらぁ!!」
佐藤「あっはははははははははははっ!」
まりやは殴るのを止めない。佐藤は笑うのを止めない。カウントダウンは止まらない。
そして、ビ―――――。
まりや「わああああぁあああああぁあああああああぁぁあああああああああああぁあああ

83 :
あああ!!! …………あ?」
紫帆里「まりやんぬ!! 大丈夫!?」
病院のベットで目を覚ますまりや。その傍らに紫帆里。
まりや「し、しほりん……? ここは……ゲームは!?」
紫帆里「もう終わったんだよ! 安心して!」
まりや「……そっか。終わったんだ……」
紫帆里「うん。今先生呼んでくるから話はその後でね」
まりや「……うん」
まりやの身体に大事はなかったが心に負った傷は計り知れない。それは紫帆里も。

84 :
18:00 病室
まりや「私どのくらい寝てた?」
紫帆里「丸半日かなー? あのゲームが終わったのが朝の四時頃だった」
まりや「そんなに寝てたんだ!」
紫帆里「どこまで覚えてる?」
まりや「えっと……私、最後言った?」
紫帆里「うん、言ってくれて終わったんだよ。本当にありがとう」
まりや「ううん……。智ちゃんとうっちーは?」
紫帆里「二人も大丈夫だよ。昼には起きたよ」
まりや「しほりんは大丈夫?」
紫帆里「私も寝たし、大丈夫。この後警察の事情聴取があるらしいけど」
まりや「そっか……。じゃあ教えて。あの後どうなったの? なっちさんは?」
紫帆里「クリスとまりやんぬが気を失った後に自動で腕輪が解除された。あの部屋はドンキ・ホーテの地下の隠し部屋みたいなところだった」
まりや「! どこだろうと思ってたけど、劇場から近いどころか同じ建物だったなんて……!」

85 :
紫帆里「うっすら夜も明けていて私は通行人に助けを呼びに行った。戻ったらなっちさんは消えていた」
まりや「……」
紫帆里「警察が来るまで私はあの部屋の隣、マジックミラーの部屋に入った。案の定、その部屋からあの部屋は丸見え。しかも、涼しかったんだ。地下だからじゃない。クーラーがあったからさっきまで点いてたと思った」
まりや「! それって、誰かいたってこと?」
紫帆里「多分ね」
まりや「なっちさんとなっつみぃさん以外にもう一人……。しかも、その人はゲームにも参加しないで高みの見物? まさか黒幕!?」
紫帆里「複数いるのかもしれない……」
まりや「一体誰が……」
紫帆里「謎が多すぎる。なぜこんなことをさせたのか、動機……愉快犯? でも、なっつみぃさんは死んじゃったし……訳がわからないよ」
まりや「なっちさんと……最後何か話した?」
紫帆里「うん話した」

86 :
佐藤「おめでとう。これで『選抜総選挙()ゲーム』は終わりだよ」
紫帆里「何が『選抜総選挙()ゲーム』だ! 何故こんなことをさせた!?」
佐藤「再生が必要だったんだよ」
紫帆里「再生……? 何の話だ!」
佐藤「…………ってね」ボソ
紫帆里「えっ?」
佐藤「ほら、早く助けを呼びに行ったほうがいいよ」
紫帆里「っ」

87 :
・・・・・・
紫帆里「小声で聞き取りづらかったんだけどなっちさん『がんばってね』って言ったんだ」
まりや「『再生』……『がんばってね』?」
内田「まりやんぬうううう!!」
中塚「まりやんぬ……!」
まりや「うっちー! 智ちゃん!」
内田「ありがとうまりやんぬ! 勝手に気絶しちゃっててごめんね!」
中塚「ありがとう……。うぅ……」
まりや「いいよいいよー!! えーん!」
紫帆里「ふふ……」
泣きながら抱き合って喜ぶ三人を見て微笑む紫帆里。その後四人は警察に長い事情聴取を受け、終わる頃には日を跨いでいた。

88 :
8/12
四人は死んだ近野、野中、田名部の葬式に足を運んだ。三人の葬式は一緒に行われた。もちろん、松原の葬式は別。
メンバーや戸賀崎劇場支配人を始め多くのスタッフも足を運んだ。
選抜メンバーや秋元プロデューサーは多忙なため来ていない。
片山「ううぅうううぅうううぅ!!!!!!!」
仲谷「たなみん……どうしてこんなことに……」
松井「みちゃ……」
藤江「ちかりなぁああああぁあああぁあ!!!!!!」
石田「くっ……」
tgsk「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
仲間の死に涙するメンバーと戸賀崎。

89 :
中塚「世間では共犯のなっつみぃさんは死に、主犯のなっちさんは逃亡……てことになってる」
内田「……」
まりや「……サクリファイス」
紫帆里「まりやんぬ?」
まりや「駒を犠牲にしてでも最終的に目的を達せられればいい。つまり、二人は捨て駒……」
中塚「目的?」
まりや「分からない。でも『再生』に何か関係があると思う」
内田「じゃあ、なっちさんは……」
まりや「逃げたんじゃない。消されたんだ」

90 :
中塚「黒幕……」
まりや「私たちで犯人を捜して捕まえる。だから、協力して……?」
中塚「何言ってんの?」
まりや「え?」
中塚「当ったり前じゃん!」
紫帆里「うん!」
内田「もちろん!」
まりや「しほりん、うっちー、智ちゃん!」
――私は、私たちは必ず黒幕を捕まえる。黒幕は誰?
第一話 終わり

91 :
こういったものを書くのは初めてなのですが誤字脱字多くてすみません
とりあえず一話終わりまして五話で完結する感じです
あ……見てる人おりますか?

92 :
データや性格が踏まえられててなかなか面白かった
5話までとは壮大だが期待してます

93 :
見てるよ 正月休み返上でヨロシク

94 :
SKE板に一年ぶりに来てみてよかった。
俺様用しおり

95 :
第二話
8/13
中塚「で、黒幕に心当たりある人いる?」
まりや「今のところなんとも。ただ……」
内田「ただ?」
まりや「なっちさんとなっつみぃさんの共通点は同期、2期生」
中塚「てことは2期生の誰かってこと!?」
内田「2期は優子ちゃん、佐江ちゃん、才加ちゃん、梅ちゃん……」
紫帆里「ともーみちゃん、有華ちゃん。あと、香菜ちゃん」
まりや「この七人の誰か……?」
紫帆里「もしくは複数犯かも」

96 :
まりや「どうしてあんなゲームをさせたのか。……何か選抜総選挙に思い入れがあるような気がする」
内田「優子ちゃんは1位だし、佐江ちゃんは選抜で、才加ちゃんは選抜落ち、梅ちゃんはアンダーから選抜入り」
紫帆里「ともーみちゃんは選抜、有華ちゃんは選抜落ち、香菜ちゃんは圏外からランクイン」
まりや「香菜ちゃん……今回の総選挙でランクインできてなかったら四年連続圏外ってことになってたんだね」
まりや「……今年圏外だったらあのゲームに参加させられていたのかな?」
紫帆里「かもしれないね」
中塚「それが何か関係してて、香菜ちゃんが犯人!?」
まりや「分からない。そう安直に決めつけられない」

97 :
中塚「総選挙の象徴といえば1位の優子ちゃん」
内田「1位の優子ちゃんと圏外のうちらって天と地の差ってやつだよね」
紫帆里「うん。優子ちゃん以外の二期生六人は総選挙でそれほど大差ないと思うんだ、さっき言った香菜ちゃんを除いて」
まりや「優子ちゃんと香菜ちゃんか……」
中塚「あ! あと、佐江ちゃんってなっちさんたちと同い年だよね?」
内田「確かに! 同期で同年代!」

98 :
紫帆里「じゃあこの三人に事件のアリバイを聞きに行こう。メールじゃなくて直接聞いたほうがいい」
まりや「分かった。香菜ちゃんは私が引き受けるよ」
内田「じゃあ優子ちゃんは私が」
中塚「内田一人だと心配だから私も行く」
紫帆里「そうだね。念のため私もまりやんぬに同行するよ」
まりや「ありがとう」
紫帆里「あとは、佐江ちゃんか」
中塚「同じチームだしうちらが引き受けるよ」
まりや「うん。お願い」

99 :
――今はどんな妄想みたいな推理でも前に進むしかない。
そこでまりやは閃く。推理スキルを高めるために推理小説を買おう。
しかし、まりやは読書はあまり好きではない。ゲームは好きだからゲームにしよう。
小林と明日遊ぶ約束を取りつけた後、まりやは帰りに購入したミステリーPCゲームをプレイする。
夜遅くまでプレイしてEpisode1を読了した。

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