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2012年2月エロパロ245: 無口な女の子とやっちゃうエロSS 九言目 (352) TOP カテ一覧 スレ一覧 Pink元 削除依頼

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無口な女の子とやっちゃうエロSS 九言目


1 :11/01/09 〜 最終レス :12/02/08
無口な女の子をみんなで愛でるスレです。
前スレ
無口な女の子とやっちゃうエロSS 八言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1248348530/
過去スレ
無口な女の子とやっちゃうエロSS 七言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1228989525/
無口な女の子とやっちゃうエロSS 六言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1218597343/
無口な女の子とやっちゃうエロSS 五言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1203346690/
無口な女の子とやっちゃうエロSS 四言目
http://yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1198426697/
無口な女の子とやっちゃうエロSS 3回目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1191228499/
無口な女の子とやっちゃうエロSS 2回目
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1179104634/
【隅っこ】無口な女の子とやっちゃうエロSS【眼鏡】
http://sakura03.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1155106415/
保管庫
ttp://wiki.livedoor.jp/n18_168/d/FrontPage
・・・次スレは480KBを超えた時点で・・・立ててくれると嬉しい・・・
・・・前スレは無理に・・・消化して欲しく無い・・・かも・・・
・・・ギリギリまでdat落ち・・・して欲しく・・・無い・・・から・・・

2 :
2

3 :
そぉい!

4 :
前のスレでアレな話を書いた物です。
スレ立てありがとうございました。

5 :
>>1
「……………………いちおつ」
「…………」
「…………」
「…………ふふん(←今度は噛まずに言えたと得意げ)」
「っ!?(←どや顔が可愛過ぎてツボに入った)」

6 :
おめぇら無口にも程があるぞ

7 :
hosyu

8 :
「前スレ落ちたな」
「……」
「寂しくないのか?」
「……」
「そうか」
「……さびしい」

9 :
非エロ。今回は長いです。
似非SFな話が出ます。苦手な方はNG指定をお願いします。

10 :

――――あつい
――――くるしい
――――いたい
――――なにも、みえない
――――なにも、きこえない
――――たすけて
――――おかあさん
――――おとおさん
――――こえを、きかせてよ
――――つな
――――
――――――――
(――――綱!)
「大丈夫か、結」
渡辺結は目を覚ますと、直ぐ間近で兄の綱が心配そうに覗き込んでいる事に気付いた。
総合病院の待合室。ベンチに座ったまま眠り込んでいたらしい。
見回すと辺りは薄暗く、人気も無い。
時計を見るとすでに10時を回っていた。
「うなされてたぞ。悪い夢でも見たか?」
(うん)
この世にたった一人、綱にしか判らない"声"で結は返答した。
発話障害を負う彼女には、この方法が最も簡単なコミュニケーション手段だ。
(ちょっと昔の夢を、ね)
いつも通り笑顔を出そうとするが、顔が強張る。
喉が渇いていた。
「ほれ」
投げて寄越されたオレンジジュースの缶を受け取る。
タブを開けて一口啜った。
疲れた脳に爽やかな酸味が広がる。
(絵麻さんは?)
「さっき連絡来た。無事だってさ」
結は安堵の息を漏らした。
直ぐに緩めた表情を引き締めて呟く。

11 :
(あの代謝速度、普通じゃなかった。
伊綾の御尊父さん、例の会社の系列だよね。
ひょっとすると絵麻さんも……)
「とすると、俺達のふたつ下だから、もう試作段階に入ってた世代か。
じゃあ、多分ウィルス共生型……殆ど処分されたって聞いたけど。
上のほうがバカなせいで、例のウィルスに感染性が有るなんて信じちゃってさ」
結は缶を置いて俯いた。
「どした?」
(これから、あの娘とどう接していけばいいのかな)
弱々しく笑う結。
「いつも通りでいいんじゃね」
さも当然と言った風に、綱は答えた。
(でも、予想が正しければ、彼女そう長くは……)
「んなの、誰だって同じだ」
綱は力強く断言する。
「俺だってお前だって、明日交通事故でぬかもしれないし、今日階段で足滑らせてぬかもしれない。
隕石が偶然頭直撃してぬかもしんねえし、饅頭5コいっき食いして喉を詰まらせてぬかもしんねえ」
(最後のでぬのは綱だけだと思うけど)
結は緊張がほぐれて苦笑した。
「まあ、とにかく俺達に出来るのは、車に気をつけたりとか、足元を注意したりとか、そんなことだ。
どうしようもない事はどうしようもないし、まして他人の事ならなおさらさ。
絵麻ちゃんの場合、恐らくそのどうしようもない部分が多いってだけだろ」
(私は綱ほど割りきりが良くないよ)
結はジュースを飲み干すと、立ち上がって伸びをした。
(時を見計らって、一度話をしてみる、絵麻さんと。
一応私達の出自も話しておいたほうが良さそうだし)
「そーだな。今日のとこは帰ろうぜ。
おっと、その前になんか食っていこう。
もうハラがへって背中とくっつきそうだ」
(母さん、夕飯作っておいたと電話で言ってたでしょ。
ちゃんと家に帰ってから食べようね)
傍から見ると片方が一方的に話しかけている奇妙な二人。
缶をくずかごに入れて立ち去った後、照明が完全に落ち、待合室は闇に包まれた。


12 :
深夜の総合病院。
病室の前で俺はベンチに座る事もせず、絵麻の診療が終わるのを待ち構えていた。
集中治療室ではないが、クリーンルームを丸々一つ貸し切っている。
約20分間の心肺停止。命に関わる程ではないものの、大出血を数点。一部に2度程の火傷。恐らく骨折も多数。
以上を踏まえれば若干物足りない処置では有るが――――。
――――救急車で運ばれて行く直前の彼女の容態を考えれば、余りに物々しい。
そう、あの時点で、彼女は全くの無傷だった。
呼吸停止から救急車がたどり着くまでの間に、全ての症状が回復していた。
脈拍も意識も正常。傷のあった場所には、真新しい皮膚が生え変わっていた。
非常識だ。有り得ない。
プラナリアだか何かなら話は判るが、彼女は人間だ。
人間の、筈だ。
「……判んねえ」
呟いたその直後、病室の扉が横にスライドし、白衣姿の人間が数名廊下に出て来る。
その中に一人、見知った顔がいた。
「親父」
白衣を着た親父は俺の姿に気付くと、一緒に出て来た医者達に頷いて、一人俺の方へ近付いて来る。
「あんた医者だったのか? サラリーマンだとばかり思っていた」
「サラリーマンだよ。製薬会社のね。
医師免許は無いけど、薬剤師の資格ならある」
親父は近くのベンチに座ると、俺にも座る様に促す。
随分と疲れた顔だった。
俺は直ぐには座らずに、ベンチの脇の自動販売機に向かう。
「何か飲むか? 時間があればで良いが」
「ん? ああ、時間なら大丈夫。
そうだね。熱いお茶を頼むよ」
俺は金を入れて、ホットの緑茶と無糖カフェオレを選んだ。
湯気の立つ紙コップの片方を渡す。
「ありがと」
二人少し距離を置いてベンチに腰掛け、飲み物を啜った。
「絵麻は?」
「大丈夫だよ。精神肉体とも平常と変わりない」
予想通りの答えが返って来た。
「……説明、してくれるんだろうな」
今更何を、とは言わない。
親父は溜息を吐いて、手に持っていたクリップファイルを俺に手渡した。
「カルテ……?」
ドイツ語ではなく、有る程度見慣れている英語で書かれたそれには、坊主頭で今より少し幼い絵麻の顔写真が載せられている。
"Patient"の欄に"Ema Kornberg"とあり、その横に"subject No.723"と記されていた。
"実験体第723号"、と。
「実験、動物」
どこかで予想はしていたものの、余りに非現実的で頭の中から閉め出していた可能性。
俺はファイルを握る手に力を込めた。
親父は虚空を眺めながら、話を切り出す。

13 :
「話は長くなるよ。いい?」
俺は無言で頷いて先を促した。
「優生学ってのは知ってる?」
「名前だけなら。……あれだろ、ナチスか何か」
親父は頷いた。
「簡単に言えば、『金持ち』とか『犯罪者』とか、社会的な価値観で決定される個人の形質を、単純に遺伝子に依るものと仮定して研究する学問のことだね。
これを階級闘争と結び付けて考えたのが社会ダーウィニズム。
そして偏った民族主義と結び付いた果てがホロコーストになる。
かつてはヨーロッパに限らずアメリカでもありふれた考え方だった。
植民地支配を正当化するには都合の良い考え方だったからね。
何より、自然科学とキリスト教的世界観のギャップを埋める矛盾の無い理論が求められていた。
化石の発掘により判明する、救済なく絶滅した数え切れないほどの種。
彼らはより優れた存在へ至るための、意味の有る尊い犠牲者でなければならなかった。
故に、自分達が進化の頂上にあると言う自尊と共に、優生学は浸透していく。
その結果、精神疾患罹患者、同性愛者、被差別階級、少数民族に対する極端な法律が多数採択された。
やがて、第二次世界大戦を経てナチスのユダヤ人虐が明るみになると、優生学者たちは軒並み支持を失う。
けれど一部のパトロンは、その後も彼らの強力な支持者であり続けた」
親父はそこで茶を一口啜り、息をついた。
「……1950年代に入り、DNAこそが遺伝物質であると証明された後も、人間に対する遺伝子の研究は禁忌だった。
かつての優生学者たちの一部、優生的遺伝学者とでも言おうか、そして彼らの支持者たちはそれを怠慢であると見なす。
より高次の存在へ、進化の階段を進むという神聖な義務を怠っている、とね。
彼らは独自のコミュニティの中で、秘密裏にヒトを直接対象にした研究を進めた。
ただ、当初その研究で目に見える成果はなく、実際に"より優秀な"人類を創造するレベルからは程遠いと言わざるを得ない。
まあ、当然なんだけどね。彼らの求める"優秀さ"は主に後天的な社会スキルだったし。
何より閉鎖的な狭いコミュニティの中で、設備は不十分、ろくな対称実験もなく、基礎研究を疎かにしている。
そんな中でまともな成果が出せるはずもない。
何千と言う受精卵、胚、胎児、そして数十に及ぶ児と未熟児を犠牲にして、彼らが得たものは自己満足だけだった。
けれど、20年ほどして状況が変わる。
強力なスポンサーが付いたんだ。
大きいのが製薬会社。
70年代、公害や薬害に対する認識が広まり、臨床試験に対する規制が厳しくなった上に、動物愛護団体が動物実験に反対し始める。
実験を円滑に進めるためにも、地下に潜った優生的遺伝学者たちのラボは利用のし甲斐があり、学者の方も資金や資材が必要だった。
後は軍隊だね。
ベトナム戦争で、先進国における戦者が後方に与える打撃を痛感した軍の関係者たちは、機械化を急ぐ一方、それまで以上に"ににくい兵士"の研究に力を注ぐようになった。
まともな研究資材とバックアップ、そして成果を出さなければならないプレッシャー。
これらによって、優生的遺伝学者たちの研究は、一気に加速した。
そして、ついに彼らの理想を体現した、生後数年は生存できるまともなデザイナチャイルドが誕生する。
最初は身体能力の増強、免疫力の強化、そして"無駄な"遺伝子外DNAの削除が課題だった。
けどね、ヒトの細胞システムは元々上手く出来ていて、しかも極めて微妙なバランスの上に成り立っているものだ。
どれかを動かせば、片方のバランスが崩れる。
彼らが望む"優秀な"子供なんて、一朝一夕には生まれてこない。
"実験体"から"試作"に至るまでに、20年の期間と数百の犠牲者を要した。
彼女は、絵麻は、その"試作"の一人で、生存しているものの中では最も新しい、もっとも完成に近い存在だ」

14 :
現実感がなかった。
遠い国での実験。優秀な子供。ヒトの遺伝子操作。
そんなものが、普段生きていく上で必要になるのか。
「信じられないって顔だね」
「当たり前だ。そんなの。
有り得ない。どう考えたって――――犯罪だろう」
親父は、そうだね、と頷いた。
「でも、この国においてすら、優生保護法が改正されたのはつい最近の1997年なんだよ。
積極的消極的の差はあれ、優生思想そのものは世界中にありふれたものだ。
社会をより良いものにして行こうという情熱を、そういう形で実現する人たちはどこにでもいる」
「……」
親父は先を続けた。
「"試作"に採用された機能は、主に二つ。"生体ユニットの神経胚へのインプラント"と"レトロウィルスによるゲノム最適化"だ」
「生体ユニット?」
ゲノムの話をしていたはずなのに、行き成り別の用語が出てきて混乱する。
こちらから話してしまおうか、と親父は呟いた。
「絵麻って、口下手でしょ?」
「ガイジンだし、当然だろう」
「まあ、それもあるけど」
親父は口ごもる。
「彼女は、決まった相手、同じ世代の"試作"と、えーと、テレパシーみたいなことが出来る」
「テレパシーだぁ?」
取り分け胡散臭い言葉に目をしかめる。
「"物理的媒体に拠らない、直接的なコミュニケーション手段"を別の良い言葉で表現できなかったんだよ。
僕の専門じゃないから詳しくないけれど、用いる手段は別に超能力でもなんでもない。
量子的絡み状態に有る分子を核とする生体ユニットを別々に発生初期の神経胚に移植し、そこからマイクロマシンで決まった神経回路を誘導してやるんだ。
披験体の子供たちは、言葉を思い浮かべ伝えたいと念じるだけで、周囲にいる仲間のウェルニッケ野を直接刺激して概念を伝えることが出来る。
限定的とは言え実際にこの手段での意思伝達が達成されたことはチョムスキーらの提唱する普遍文法論を――――」
「……あんたの言っている事は半分も理解できんぞ」
親父は肩をすくめた。
「だから、テレパシーみたいなものと考えてくれていいよ。
どの道、絵麻と同世代の"試作品"は彼女を除いて皆亡くなっているから、もうその能力の使い道はない。
後に残されたのは、友達との言葉による普通のコミュニケーションにちょっと難の有る普通の女の子、と」
テレパシー、という言葉がどこかで引っかかっていた。
どこか、他で似たような物を見たような気が……。
俺は首を振って、頭を切り替えた。
「遺伝子のほうに話を戻すよ。
何百と言う幼児の生育過程を観察し終えて、その処分を終えるころには、学者たちもゲノムのどの部分を動かせばいいのかが大体判ってきた。
何かの機能を得れば、別の何かを失う。
全てを選んでいれば複雑になりすぎてシステムがパンクする。
ならば、周囲の環境に応じてゲノムを書き換えれば良い。
たどり着いた一つの解が、レトロウィルスの変種を寄生させて、都度細胞を生存に最適なシステムに作り変えていく手段だった。

15 :
彼女の体内で共生している数10種のレトロウィルス。
これら普段は体内にばらばらに分布し、数も知れていて消費するエネルギーは極めて少ない。
そして、環境の変化を感知すると、特定のものが爆発的に増殖し、細胞に入り込んで自身も大量のたんぱく質を合成しながら核のDNAを書き換えるんだ。
例えば、極端に偏った栄養しか取れない状況に置かれても、彼女は健康のままでいられる。
本来人体には合成不可能で体外からの摂取に頼らざるを得ない必須アミノ酸やビタミンなど、これらを合成するよう細胞を作り変えることが出来るからね。
だから、壊血病にも脚気にもならない。
また、今回の様に血中酸素濃度が薄れると細胞が冬眠状態に入り、本来は持ち得ない部位にも無酸素代謝系を作成して最低限のエネルギーを利用し生存を維持する。
そして極浅い呼吸と脈拍を低サイクルで続けて、酸素が戻るのを待つ。
酸素レベルが通常まで回復すると冬眠状態を解除しつつ、幹細胞を発生させて失われた機能を瞬く間に修復。
神経幹細胞まで作り上げるから、普通なら回復しない脳の損傷も、時間さえかければ元に戻る。
実験報告によると、被験者の一人に前頭部から後頭部にかけて拳銃弾を貫通させた所、数ヶ月のリハビリで社会性まで回復したそうだよ。
普通の銃創程度は言わずもがな。
十分なカロリーさえあれば、粉砕骨折だろうが内臓破裂だろうが、どんな怪我でもほぼ1日で元通りになる」
親父は俺の手元に有る資料を捲った。
胸部に大きな傷を負い、胸骨が露出している幼い少女――恐らく昔の絵麻――の白黒写真。
思わず目を顰める。
肺に、多分心臓にも重大な損傷が有るだろう。生きているとは思えない。
その直ぐ隣に同じ少女の白黒写真、こちらは露出している上半身に傷一つ無い。
写真の下には"30 minutes after the wound"と記されていた。
「それは先端を潰した銃弾を直接撃ち込んで、何の処置もせず放置した実験の経過らしいよ。
抵抗力が強いのは、何も怪我に対してだけじゃない。
病原体に対してもいち早く反応し、毒は分解中和され、細菌には抗生物質の分泌、有害なウィルスにはレセプターの不活性化で対応する。
HIVもプリオンも彼女の活動を妨げることは出来ない。
そして特筆すべきは、テロメラーゼが活性であること。
普通の人間の細胞は分裂回数が決まっていてそれ以上は自を引き起こすけど、"試作品"の細胞分裂には制限がない。
加えて遺伝子異常を修復するウィルスが常に分裂中の細胞の中で働いている。
理論上は、地球上のどんな環境でも適応し、無制限に生きる事が出来る」
相変わらずその話は半分程度しか理解できなかったが。
その話が事実ならば、彼女の体は、余りに違い過ぎる。
「あいつは……」
「ん?」
「絵麻は、なないのか。永遠に生きる、メトセラなのか」
親父は静かに頭を振った。
「老化のメカニズムについては、まだ判っていないことが多い。
テロメアが修復されても、別の要因で老衰する可能性は十分有り得る。
それに、さっき遺伝子異常を修復できると言ったけど、それは完璧じゃない。
特にレトロウィルスはRNAだからDNAより変異しやすい。二重三重のチェックがあってもいずれは破綻する。
実際破綻したケースも多く、その結果……」
親父は暫し言い淀んだ。

16 :
「細胞の癌化率が、同年代で平均的な現代人のおよそ千倍。
彼女と同じ"試作"の約7人に1人が、毎年急性の癌で亡していた。
楽観的要素と悲観的要素を差し引いて、4年後彼女が生きている確率は五分五分と考えられる」
非現実的な話に付いて行けず、ぼんやりとしていた頭に、一気に血が上った。
4年後は、想像も出来ない程遠い未来では無い。
大体、4年と決まっている訳ではなく、明日にもそれは起こり得るのだ。
「一度ウィルスに異常が生じると、癌は瞬く間に全身に転移し、1日も経たずにあらゆる生体機能が停止する。
止める手段は無い。抗がん剤も放射線も、このウィルスの特性故に無意味だ」
「……予防する手段は無いのか」
絞り出すように声を上げる。
温くなったカフェオレを飲み干しても、喉はカラカラのままだ。
「……なくもないよ。
無菌室に閉じこもり、怪我などのリスクを避け、強い抗ウィルス剤を飲み続ければ、癌化の確率は確実に下がる。
けど、絵麻はそれを選ばなかった。
『普通の場所で、普通に生きてみたい』と言ってね」
あいつらしい、少しだけ笑う。
話に区切りが付いたので、俺はさっきから気になっていた事を尋ねた。
「なんであんたはそんな事を知ってるんだ。
元々あいつやその学者達とどんな関係が有った」
「バックにいた製薬会社はウチの系列でね。
一年前内部で事が明るみに出かけ、ラボは閉鎖、関係者は殆ど逃亡。
処分を免れたごく一部の実験体の処遇は、系列の会社に任されることになった」
「……それで終わりかよ。
何とか学者達は今も娑婆の空気吸ってて、バックにいた奴等はのうのうと居座ったままか。
で然るべき裁きを受けるのが筋だろうが!」
親父は目を伏せて静かに答えた。
「そんな事をして、誰が得をするの」
「誰って……」
言葉に詰まる。
「訴える人がいなければ、は成立しない。
誰かの損失を引き起こさない限り、誰も訴えることはない。
被験者の子供達は殆どが既に亡くなっていて、それ以外も大方が閉鎖直前に処分されている。
もともと戸籍も身よりも社会的身分もない彼らが誰に知られる事もなくいなくなったとしても、警察は関知できないよ。
絵麻には訴える権利が有るけど、境遇を示す証拠は少ないし、彼女自身が奇異の目に晒されるだけだ」
俺はやり場の無い怒りを抑えながら、拳を強く握り締めた。
「大丈夫だよ。
騒がれるのは嫌だからという理由で、関係者にはちゃんと処分が下った。
実験を指示していた上役は退職金を貰った上で職を辞したし、学者達は社会的に抹されている。
同様の事件をこのグループが起こす可能性は低い」
その言葉に少しだけ溜飲を下げる。

17 :
「何で絵麻はされなかったんだ」
「美奈子さんが庇った」
突然出てきた名前に面食らう。
俺の記憶が正しければ、親父がこの名で呼ぶ人間は、随分前に失踪したあの人しかいない。
「……母さんの事か」
「美奈子さんは児童心理学者だった。
閉鎖環境での社会性の発育を研究していた彼女は、論文を通じて偶然件のラボの存在を知った。
口封じと、専門家の確保の二重の目的で、美奈子さんは誘拐され、実験体の子供たちの制御を強要されていたそうだよ」
一瞬、疑念が俺の頭を掠めた。
「本当に強制だったのか」
あまり言いたくはなかったが、それでも確認せずにはいられない。
「実際には自分から参加したんじゃないのか」
親父は俺の目を見て、強く否定した。
「それは違う。絶対に、違う。
彼女は、そんな人じゃない。自己満足や独りよがりのために、子供を犠牲にするような人じゃない。
もし自分からあんな所に行ったなら、その前に身の回りを整理しておくはずだ」
俺は納得した振りをした。
実際に母さんがどんな人だったかなど、俺は知らない。
「それで、結局母さんはどうなった」
「んだよ」
感情を押しした声で、親父は淡々と答えた。
「ラボの閉鎖直前に、子供達の処分に反対して、銃で撃たれた。
何とか絵麻を連れて逃げたけど、ラボの外はずっと砂漠で、歩き続けて1日後にんだそうだよ」
半ば答えは予想できていたからだろうか、ショックは小さかった。
同時に、自分の親への情が薄い事に動揺していた。
「葬式は」
「6月に済ませたよ。御義父さんも御義母さんも亡くなっているから、僕一人で荼毘に付した。
……黙っててごめん」
「それと絵麻の事もだ。なんでそっちを含めて俺に話さなかった」
「ああ、それは――」
親父は顎に手を当てた。
「話してたらきみ、絵麻に同情したでしょ」
「……そう、かも知れないな」
「彼女、同情は嫌いだからね」
そんな理由でかと思わなくもなかったが、知っていた所で俺に何が出来た訳でも無い。
精々万が一の事態に対する心構え位は出来たかも知れないが、それは俺の問題でしかない。
絵麻の事を"可哀相な奴"と思ってしまったら、接し方も変わっていたのだろうか。
「…………俺は、あいつの事が知りたい。
絵麻にとって重要な事は、知って置きたい」
例え、知る事には責任が伴うとしても。
「知らない方が、幸せなことだってあるよ」
「危なっかしいんだよ、あいつは。
平気な顔して、大事な事は全部自分の中に溜め込みやがる。
今回の事だって、あんな馬鹿をやりかねんと知っていたら、注意位していた。
まあ、まさか火事場に単身で突っ込むとは流石に想像出来なかっただろうが」
命には別状無いかもしれないが、あんな目に遭って苦しかったろうに。痛かったろうに。
言いたい事を見越してか、親父は新たな事実を告げた。

18 :
「あの子の痛覚は極めて鈍感だ。
元々は過敏な位だったそうだが、年齢と共に段々と体性痛内臓痛共に痛み刺激に対する反応が低下している。
理由は良くは判っていないけど、多分、体の方が痛覚を"必要ない"と認識してるんじゃないかな。
怪我をしても直ぐ直るんだから、それを忌避するための警告信号も必要なくなる」
「それでか……」
思い当たる節はあった。
絵麻は他人の負傷は大袈裟な位怖がる癖に、自分の怪我に関しては酷く無頓着だ。
「……馬鹿だ、あいつは」
「泰巳……」
「自分が平気なら、どんな目に遭っても良いのかよ。
治るなら、痛く無いなら、どんな怪我しても構わないって言うのかよ。
不身のハリウッドヒーローにでもなった心算なのかは知らないが、周りがどんな思いで――――」
その時、病室のドアがスライドし、中から看護士らしき男が出て来た。
看護士は親父を見付けると、傍に寄って何事か耳打ちする。
親父が頷くと、男はそのまま部屋とは反対の方向へ去って行く。
「その言葉は、絵麻に直接言うといい」
親父は俺の方へ向き直ると、一寸逡巡してからこう告げた。
「お姫様がお呼びだよ。
きみに会いたいってさ」

クリーンルームの中は、その名の通り清潔で最低限の物しか置かれていない、シンプルな造りだった。
二つのパーティションに分かれ、奥の区画に入るには、防塵服を着込んでエアシャワーを浴びなければならない。
万が一の事態――絵麻の免疫が機能を失ったり、彼女のウィルスが他人への感染能力を得たり――に備えた措置らしい。
大きなガラスの向こう側、絵麻はベッドの上に横たわったままこちらを見ていた。
腕や胸元からチューブとかコードが伸びて、透析装置だの心電計だのに繋がっている。
物々しい医療機器に接続された少女は、しかし元気そうで、俺の姿を認めて微笑んだ。
「体調は如何だ」
『大丈夫』
マイク越しの声。
俺は憮然と頷きながら、部屋の中程、区切りを挟んでベッドと相対する位置に置かれたパイプ椅子に腰掛ける。
そこから上目遣いに絵麻を睨んだ。
少し気圧される絵麻。
『ヤスミ……?
怒って、る?』
「当たり前だ。怒ってるに決まっている。
事情を黙ってた事じゃない。
馬鹿な真似をして、余計な心配を掛けさせた事だ」
行き成り、きつ過ぎる言い方だったかも知れない。
それでも、俺は視線を伏せて繰り返した。
「……心配したんだ」
『…………ごめん』
「お前は別に悪くない。俺が勝手に怒っているだけだ」
我ながら理不尽なことを言っている。
その侭、二人して暫し黙り込んだ。
何故か空気が重い。

19 :
「お前の体の事は聞いた」
絵麻は無言で俯いた。
「馬鹿だな、お前は。
何を隠す必要が有った。
癌の事は兎も角、お前が昔どうしていたかなんて、今の俺には関係無い」
『ごめん』
同じ言葉を繰り返す彼女に苛立つ。
「だから、何で謝る。
お前は悪くないと言っているだろう」
『お母さんのこと』
俺は一瞬言葉に詰まった。
それが、勿論彼女の生みの親等ではなく、俺の母親を指している事は明白だった。
『あなたの、お母さんのこと。なせてしまった。
それなのに、ずっと、言え、なくて――――』
時折、絵麻は声を詰まらせる。
『だから、ごめんなさい』
「そんな事……」
どうでも良い、と続け様として、余りの薄情さに自分で呆れる。
「……お前が気に病む事じゃない。母さんが勝手に、やりたいようにやってくたばっただけだ」
絵麻は俯いたまま首を振った。
『あの人、最期まで平気な振りして、笑ってた。
最近、漸くわかった。本当は物凄く痛くて、苦しくて、怖くて、でも我慢して、心配させないようにって』
気付いていれば、何とか出来たのかもしれない。そう言いたいのだろう。
何故、今更そんな事を言うのか。
家族が、少なく共肉親と言う意味に於いては、いた事の無い彼女に、家族の情は実感し難いものだったのかも知れない。
それを理解し始めたからこそ、今になって俺や親父に罪悪感を感じている。それもあるのだろうが。
「――――怖かったんだな」
絵麻は顔を上げ目を瞬かせた。
「怖かったんだろう。周りは火の海で、手元には助けなきゃいけない奴がいるのに、自分の事は誰も助けてくれない。
幾ら体が頑丈でも、頭が瓦礫に押し潰されればぬ。
そう、お前だってぬんだ」
それが判ったからこそ、判ったのだろう、母さんの気持ちが。
自分の身を案じるのは一瞬で、結局この少女は他人の心配ばかりしている。
自分の明日すら、定かで無いと言うのに。
俺は苦笑した。
「矢張り馬鹿だな、お前は。
ガキが年上に気を遣うもんじゃない。
ガキはガキらしく、自分の事を考えてりゃ良い。
怖ければ怖かったって、他人に甘えてりゃ良いんだ。
お前は、お人好し過ぎる」
絵麻は困惑した顔で首を振る。

20 :
『違う、よ』
「何が違う」
もどかしかった。
眼前のガラスが邪魔で仕方が無かった。
今すぐ近寄り、彼女を抱きしめたかった。
『だって、私は、……人の痛みが、わからないから』
そう言って彼女は悲痛な表情で自分の体を抱きしめる。
(――――眼球に針を近づけると、人は痛みを想起して反射的に目を閉じる。
けれど検診の時、絵麻は瞬きすらしなかった。
彼女にとって痛覚は、未知の感覚になりつつあるのかもしれないね)
親父が最後に言っていた言葉を思い出す。
もう彼女は、歯を叩き折っても悲鳴一つ上げないそうだ。
『きっと私、いつか痛覚を全部なくす。
そうしたら、人を傷つけても何も感じなくなる。
だんだん、そんな人間になってるのが、判る』
絵麻が自分の事を、自分の苦しみを吐露するのは、俺が知る限りこれが初めてだった。
だから、直ぐにでも否定したい気を抑え、彼女の途切れがちな言葉を待つ。
きっとそれが、彼女にとっての苦痛であると、俺は知っているから。
『周りで誰かが苦しんでいても、気付いてあげれない。
ヤスミが酷いケガしてもきっと無関心で、んでしまってもどうでも良くなるかもしれない。
ヤスミが、いなくなっても、気にすら留めなくなる。
そんな風になるのが、――――こわい』
「ならねえよ」
黙っていようと決めていたのに、自然と声が溢れる。
「お前みたいなお人好しの馬鹿が、そんな風になる訳ないだろう。
自分の苦痛が判らないと、他人の苦しみに共感出来なくなるだ?
お前は刻んできたんだろうが。母さんの苦痛と、んじまった同輩の苦痛を、全部。
それは10年やそこらで風化しちまう程度の物なのかよ。
お前は只、忘れたいだけなんだろうが!」
いつの間にか、俺は立ち上がってガラス窓に詰め寄っていた。
絵麻は僅かにたじろいだが、俺からは逃げない。
その場で弱々しく首を振った。
『……わから、ないよ』
「断言してやる。お前は、忘れない。
忘れたくても、絶対に忘れやしないさ。
もし忘れそうになったら、その時は――――」
一瞬だけの逡巡。
何の保証も無い、根拠も無い事を俺は言おうとしている。
けれど、そうしなければならない。
そうするのだと、俺は決めた。

21 :
「――――俺が、思い出させてやる」
絵麻は目を丸くした。
無言のまま、秒針の進む音が響く。
「……あー、言って置くが、別に暴力を振るうとか、そう言う事じゃないぞ」
頭を掻き毟って、言葉を選ぶ。
「ただ、俺はお前が苦しんで来た事とか、お前が辛いと感じた事とか、それが何なのか、少しは理解している心算だ。
お前の代わりにそれを感じる事も、それを肩代わりする事も、俺には出来ない。
けれど、お前がもしそれに耐えられなくて、忘れたいと思った時は、取り敢えず俺にぶつけろ。
愚痴位聞いてやるし、ストレスで暴れるんならそれでも良い。
俺が全部受け止める。
俺がいなくなるのが不安になったら、何時でもお前の傍に行く。
だから、もう、一人で抱え込むな」
後で思い出したら、恥ずかしさの余り穴に入りたくなるであろう事は、自分でも容易に想像が付く。
だがそれを自覚しつつも、今の自分は大真面目だった。
(まるでプロポーズみたいだな……)
絵麻は呆気に取られていたが、段々と顔がその顔が赤くなって行った。
『え……う、あ…………、
ほ、ほん、とう?』
「本当だ」
絵麻は相当混乱している様で、首を上げたり下げたり横に振ったり、時折ブツブツと呟いたりと、挙動不審だった。
『で、でも……』
結局、顔を紅くしたまま俯いて、絵麻は呟く。
『私、ヤスミに何もしてあげれないよ』
「そんな事はない。
お前は自覚して無いんだろうが、俺は随分お前に助けられている」
以前の俺は、意味も無く遣り場も無い苛立ちを抱えながら、日々を過ごしていたように思う。
分別の付かない時分では、それを暴力で発散しようと、不良を相手に荒れていた事もあった。
他人に期待されるのが怖くて、周囲に嫌われるような事ばかり言っていた。
今もそうなのかも知れない。
でも、あれから少しでも変われたのだとしたら、それは少なからぬ割合で彼女のお陰なのだと思う。
「俺にはきっと、お前が必要だ。
俺自身の為にも、お前が望む限り、お前の支えになりたい」
『…………』
絵麻は暫く顔を伏せていたが、ゆっくりと俺に向き直った。
『……約束、して』
小さな声で囁く。

22 :
指きりでもするのか? この状態で。
そう冗談めかして答えようとした俺は、彼女の目を見て息を呑んだ。
微かに上気した頬。潤んだ瞳。薄く戦慄く唇。
それらが、余りに目の近くに存在している。
心臓が何故か高鳴っていた。
顔が熱くて、冷静な判断が出来ない。
何時の間にか、絵麻はガラス窓の間近に寄って来ていた。
何時の間にか、俺もまたガラスの直ぐ近くまで詰め寄っていた。
絵麻が更に身を乗り出して来る。
俺も若干身を屈めて、顔に近付いた。
絵麻がそっと目を閉じる。
異様な雰囲気に呑まれ、俺も釣られて目を瞑った。
ガラス戸越しに、互いの口を寄せる。
近付く熱と熱。
数ミリの距離を隔てて、唇と唇が重なる。
その直前、プチンと何かが切れる音がし、続けて耳障りな警音が響いた。
慌てて目を見開くと、絵麻の襟元から伸びたチューブの一つが外れている。
「あ……」
『……』
二人、呆然と静止したまま。
突然ノブが回る音。
「伊綾さん。面会の時間過ぎてま――――」
看護士が姿を現す迄の僅かの間に、俺と絵麻は脱兎の如く元居た場所に戻った。
「伊綾さん?」
「大丈夫です。判りました」
チューブを付け直す絵麻から目を逸らし、俺は看護士の人に返事を返した。
動揺を押し隠しながら、俺は肩越しに絵麻の姿を確認する。
彼女は背中を向けていたが、その首筋が真っ赤に染まっているのが見えた。
「済まん。先に帰るぞ。
明日も見舞いに行く」
『……』
無難な言葉を掛けるが、返事は無い。
俺は看護士に促され、病室を辞した。


23 :
それから、家に帰る迄の事は良く憶えていない。
一応真っ直ぐ帰った筈だが、玄関に辿り付く頃には、もう深夜を回っていた。
余りに、考える事が多過ぎた。
真っ暗な我が家に入る。
他には誰もいない。
親父は絵麻の健康状態について調べなければならない事があるらしく、病院に泊り掛けになった。
絵麻本人については言わずもがな。
俺に出来る事は、何も無い。
「……寒いな」
暗闇の中でも、息が白く染まっているのが判る。
ドアを閉め施錠し、電灯を点け、そのまま玄関に倒れ込む。
カラン、と乾いた音が手元から響き、手提げバッグの中からシアンの四角い箱が転がり出て来た。
今日の、否既に昨日の、昼に母さんの部屋から出て来たトイカメラだった。
絵麻がアパートの前に置いて来た荷物を受け取っていた事を、今更思い出す。
カメラを拾い上げる。
結局、こんな物が遺品となってしまった。
バッグの中にカメラを仕舞おうと身を起こすと、他にも何かが入っている事に気付く。
現像済みの写真が、40枚程封筒から覗いている。
「もう現像終わってたのか……」
最初の一枚に目を落とす。
真っ白だった。
電灯にかざして見ても、何も写っていない。
次の一枚。
また一面白。
次も同じ。
一枚一枚確認しながら、俺は写真を捲って行った。
何か写っていないかと、祈るような気持ちで。

24 :
最後の一枚。
恐らく最初に撮られたものなのだろう。
一番奥にあったから感光を免れたのだろうか。
そこには微かに、誰かの姿が写っていた。
桜の木の下、スーツを着た大人二人と小さな子供一人。
子供は小学校の頃の俺だと直ぐに判った。
着慣れぬ正装姿で、はにかんでいる。
その右隣で、今よりずっと元気そうな親父が笑っていた。
そして、左隣では背の高い長髪の女性が微笑んでいる。
見えるのは口元までで、目より上は白く霞んで見えない。
目を凝らしても、何も見えない。
目を閉じれば、今でも、彼女がどんな顔をしているか頭の中で描くことが出来るのに。
もう、その姿を証明してくれるものは、なにもない。
不意に、目の奥から何かがこみ上げてきた。
再び床に崩れ落ちる。
あたたかい滴が、何も写っていない写真を濡らす。
涙が止められなかった。
玄関の隅で、靴も脱がぬまま、俺は一人嗚咽を抑える。
悲しかった。
母さんはもういない、その事実が悲しかった。
そして、怖ろしかった。
絵麻もやがていなくなる。
4年後、10年後、あるいはもっと早く、きっと俺より先にんでしまう。
写真の中にしか残らない、想い出になってしまう。
その事がただ、ひたすら怖ろしく、俺は身を震わせた。
俺は、絵麻が好きだ。


25 :
痛い。
痛い。
いたい。
彼が去り、もう夜を回って大分経つのに。
あれからずっと、胸の奥のどこかが締め付けられている。
とうに失くしたと思っていた場所が。
『絵麻、調子は変わらな……って、
ど、どうしたの!』
様子を見に来たヤスシさんが慌てている。
ベッドの隅でうずくまり、胸を押さえている私を心配しているようだ。
私は無言で首を横に降った。
『……どこか悪いところでもあるのかい?』
只、首を振る。
どこも悪くはない。
悪いのは、きっと私だ。
私は、馬鹿だ。
家族が亡くなれば、誰だって心が痛む。
判り切っていた事だ。
なのに、私は家族を求めた。
事情を知っているヤスシさんは、私と適度な距離を取っていたと思う。
ヤスミは知らなかった。
知って欲しくなかったから、教えなかった。
私の体について知らないのを良い事に、ヤスミの内側に踏み込んでしまった。
家族以上にまで、踏み込もうとした。
彼の寂しさに、付け込んで。
自分がぬのは怖くなかった。
私にとって、は日常の一部だった。
一日一日を精一杯生きていれば後悔なんてない、そう思っていた。
今は、怖い。
こわくてたまらない。
私はきっと、いなくなることで、ヤスミを悲しませてしまう。
彼の心を、傷つけてしまう。
その傷は、酷く痛むことを初めて知った。
私は、馬鹿だ。

26 :
胸の奥深く、失くしたと思っていたなにか。
そこがいつまでも、幻痛の様に軋みをあげている。

27 :
投下終了です。即回避にでもなれば
次は間が空きそうです

28 :
>>27
超GJです!
ヤスミが遂に自覚を……重い恋だ
ところで双子にも何か秘密が

29 :
「…………」
「…………」(ビクビク)
「…………過ぎたるは猶及ばざるが如しって言葉を知ってるか?」
「…………」(コクコク)
「やりすぎはダメっていう意味だ」
「…………」(コクコク)
「確かにここは無口娘のスレだ。だがな、無口過ぎて書き込みが無くなるのはどうかと思うぞ?」
「…………」(ビクッ!)
「お前、皆に言うことがあるだろ?」
「…………」(コクン)
「よし、言ってみな」
「……………………………………………………ほしゅ」

30 :
無口だとフェラとか出来ねーのか?

31 :
「ラヴ・リンク」六話 まだかー!

32 :
それよりもまず保管庫の方を……

33 :
……かゆ………うま……………ほしゅ………

34 :
「……はもはも。……はもはも」
「お? それもしかして恵方巻か? 昨日食ってねえと思ったら今頃食ってんのか」
「!? 鬼は……外……! 鬼は……外!」
「あでっ!? いたたた、コラ止めろ馬鹿っ! 豆投げんな!」
「……………………」
「あ? なになに? 『口いっぱいに恵方巻頬張ってる姿を見せるのが恥ずかしかった』?」
「…………(もじもじ)」
「恥ずかしいって、いやお前いつも俺のを旨そうに頬張って」
「っ! っ!!?(ぽこぽこ)」

35 :
無理して太いの頬張ってたら顎が疲れてしまって
ちょっぴり涙目になっている無口っ子の頭を撫でてやりたい

36 :
アヒルの雛みたいにとてとてついて来る無口幼馴染かわいい

37 :
>>27
GJです。このスレに初めて来ましたが、面白かったです。
しかし、1〜5は読めないのでしょうか?
>>1の保管庫に行っても、過去ログの保管は一昨年と前々スレで止まっているようですし……

38 :
過去スレはこういうのがあるのですよ
ttp://mirrorhenkan.g.ribbon.to/

39 :
なんだこの素晴らしいスレは

40 :
静かな図書館に小説のページをめくる微かな音が響く。
本は一冊だが、その本に落ちる影は二つある。
やや大きな影が一つと、小さな影が一つ。
小さな影が少し動き、もう一つに寄り添うようにする。
寒いのかと問うと、小さな少女は微かに否定の動きをする。
彼女は自らの口では滅多に言葉を紡がない。
まるで何かの戒めでもあるかのように。
喜びも、怒りも、哀しみも、楽しさも。
その小顔に合った小さな口からは表現されることはない。
腕を反対側の肩に回して、彼女を優しく抱き寄せる。
彼女は少し擽ったそうに身じろいだが、そのまま大人しくしていた。
長く、艶やかな髪を撫でる。
少し青っぽい色の黒髪は、なんの抵抗もなく指の隙間から抜けて行く。
そうしてしばらくの間楽しんでいると、少女は小説のページを可愛らしい指でつついた。
そろそろ続きを読みたいということだろう。
二人は再び本の上に影を落とす。
小説では丁度主人公がヒロインに告白をする場面で、主人公はヒロインをしっかりと抱きしめ、耳元で愛を囁いていた。
少女の横顔を見遣ると、可愛らしい瞳を輝かせて小説に没頭していた。
少年はそんな少女を見ながら、今日の夜はどんな台詞にするか、密かに心の中で決めたのだった。

41 :
おわり
もしかしたら続くかも
台詞なしの方がココでは上手く行くみたいだなと思った

42 :
台詞なしはGJだがエロなしはどうかと思います!
続き期待してますよー

43 :
>>41
おお、上手いな
このまま台詞なしでいくのか気になる
是非続き読ませて下さい

44 :
朝、目が覚めると姉さんがベッドの横に座っていた。
六時半。まだ早いと言って差し支えない時間だ。
それにいくら家の中でも空気は冷たい。いつからココにいたのか分からないが、風邪などひかないか心配になる。
しかし姉さんは僕の心配も届かぬようでニコニコとこちらを見つめるだけだ。
まあ、何はなくとも。
「姉さん、おはよう」
コックンと大きく頷く姉さん。ご機嫌はすこぶるよろしいらしい。
では本題を。
「で、こんな朝早くにどうしたの?」
すると姉さんは何かを僕に差し出してきた。かわいい包装に小さなリボンのついた箱。
ここでようやく僕のまだ少し寝ぼけていた頭も動き出した。
「バレンタイン、ってこと?」
すると姉さんはコクコクと二回頷いた。ああ、それはとても嬉しそうに。
そして姉さんは携帯の画面を僕に示す。
『一番乗り』
そこには、ただそれだけが書いてあった。
うん、姉さんが満足ならいいんじゃないかな?
以上。
即席なので色々至らぬ点は御容赦を。

45 :
>>44
GJです。姉さんに取られちゃいましたw
日付変わっちゃいましたが投下します。

46 :
 『彼女の嫉妬』
 ぼくは生まれてこの方、バレンタインデーというものを不思議に思っていた。
 なぜチョコレートなんだろう、と。
 いや、別にチョコが嫌いなわけじゃない。むしろ好きだ。それはもう板チョコ麦チョコチロル
チョコ、どんなものでもおいしくいただける。
 好きなんだけど。
 でも今の状況にはちょっとそぐわない。
 ぼく、日沖耕介は今、ベッドの上で拘束されている。
 万歳の恰好で、両手首をパイプ部分にロープでつながれて、身動きが取れない。
 すぐ脇にはぼくの彼女がいて、ベッドの縁に腰掛けながらこちらの顔を覗き込んでいる。
かわいい顔立ちだけど、無表情極まりないために、間近で見ると結構怖い。
 青川文花はその小さな手をおもむろにぼくの頬に伸ばした。
 ひやりと冷たい感触が走る。
 そして、もう一方の手で、ぼくの口に茶色い物体を運んだ。
 今日は、二月十四日。
 もちろんその物体は、ご多分に漏れずチョコレートである。
 口の中にべたつくような甘さが広がり、ぼくはゆっくりと咀嚼した。
 文花の視線に気圧されるように。
 彼女は、笑っていない。普段の無口加減も手伝って、見ていて非常に圧倒される。
 怒っているのだろうか。
 放課後に彼女の家に寄ったのは、バレンタインのチョコを受け取るためだったんだけど。
 部屋でいきなり押し倒されて、柔術スキルを持つ文花にあっという間に拘束されて、今に
至る。
 まあ、怒っているんだろうな。
 怒らせたつもりはないんだけど。
「ねえ、文花」
 ぼくの呼びかけに文花はチョコレートを取る手をぴたりと止めた。
「このチョコレート、文花の手作り?」
 彼女は答えない。
 ぼくは怯まず、感想を口にした。
「おいしいよ、ありがとう」
 文花は少しだけうろたえたように目を逸らした。
 たぶん照れているのだと思う。
 文花はしばらく迷ったように動きを止めていたけど、やがてチョコレートを手にして再び
ぼくの口元に運んできた。
 ぼくもそれに合わせて口を開ける。おかしな状況だけど、こういうプレイだと考えれば、
まあ。
 馬鹿なことを考えながら、一口サイズのチョコを受け取ろうとして、しかし空振りした。
 チョコを摘んだ手がぼくの口元から離れる。捕まえようと顔を伸ばそうとするも、うまく
いかない。
 焦らしプレイ?
「あのー、文花さん?」
 文花はぼくにじっと剣呑な目を向けてくる。さっきよりも幾分感情がこもった表情だけど、
その理由がわからない。今のも、恋人同士の馴れ合いなどではなく、何か理由があっての
意地悪なのだろう。ぼくはもう一度問い掛けた。
「文花、ぼく何か悪いことしたかな? ちょっと思い当たらないんだけど」
 目がさらに細まった。
 自分の胸に聞けと、そんな顔だ。
 しかし思い当たらない。今日一日を振り返ってみても、特に、
 ん?
「……ひょっとして、今朝のこと?」
 今日何か変わったことがあったとしたら、あれ以外思いつかない。見られていたのだろう
か。
 文花はやっとわかったかとでも言うように、こくりと頷いた。

47 :
 
      ◇   ◇   ◇
 うちの近所に、同じ学校に通っている一学年上の先輩がいる。
 小学校中学校と同じところに通っており、端から見れば幼馴染みともいえる間柄だ。
 でも学校ではそんなに親しい付き合いはなく、子ども会での付き合いの方が多い。
 つまりはそんなに親しい関係ではない。
 普通の、どこにでもいる先輩後輩の関係だ。
 その先輩から、今朝チョコレートをもらった。
 特別な意味合いは無いと思う。いやホントに。
 なぜならその先輩は、ぼく以外にもチョコを配っているからだ。
 義理チョコではない。彼女が言うには義理などという意識は無いから、どちらかというと
友チョコらしい。
 もう少し正確に言うと、「いつもお世話になってます。これからもよろしく」チョコらしい。
 バレンタインのチョコというより、お歳暮に近い気がする。
 つまりはそんなわけで、先輩は毎年友人知人にチョコをばらまいており、ぼくもその
ご相伴に与ったというわけだ。
「チョコレートはカロリー高いから、非常食に最適だよ。今年の冬は寒さが厳しいから、
遭難した時にでも備えて持ってなさい」
 先輩の言葉である。去年は山にでも持っていきなさいと言っていた。
 ということを、柔らかくかつ丁寧に、誤解の無いように説明した。
 文花の表情は変わらなかった。
「えーと、そういうことで、あのチョコには特別な意味など何も無くてですね」
 なぜか敬語になるぼくに対して、文花は小さくため息をついた。
 少し顔が赤くなっている。
「文花?」
 突然、文花が動いた。
 手にしたチョコを自分の口に放り込むと、ぼくの目前に迫ってきた。
 拘束されている身ではろくに反応することもできず。
 あっという間に唇を奪われた。
「――」
 繋がる口唇。その隙間から甘味が送られてきた。
 口移しで、バレンタインのプレゼントを受け渡される。
「ん……んむ……」
 舌が絡み合う。甘さの中に苦味が入り混じり、唾液と一緒に溶けて、温かく広がっていく。
 ぴちゃりぴちゃりと、いやらしい音が耳を打ち、興奮を高める。
 文花のキスにいつのまにか夢中になっていて、ぼくは頭がくらくらと酔いそうだった。
 別にアルコール入りでもないだろうに。
 たっぷり三十秒はつながっていたぼくらは、離れた途端に苦しげに息を吐いた。
「……おいしい」
 短く感想を伝えると、文花はぼくの体に倒れ込んできた。
「文花」
「……」
 吐息のように小さな声で囁かれた。
 ごめんなさい。でも、
「私だけ……見ててほしい」
 ぼくは安心させるように笑顔を浮かべて頷いた。

48 :
 
      ◇   ◇   ◇
 拘束は解いてもらえなかった。
 文花はぼくの服を脱がすと、自らも制服を脱ぎ始めた。
 急に目の前で行われるストリップに慌てる。
「ちょ、文花!?」
 彼女はぼくの狼狽などまるで意に介さず、生まれたままの姿になると、口にチョコレートを
含んだ。
 それから妖艶な目で微笑むと、ぼくの剥き出しのお腹に舌を這わせた。両腕は縛られた
ままなので、上半身の制服はボタンを外してはだけられているだけだ。でも下半身はしっかり
脱がされていて、下腹部のモノもすっかり硬直している。
 肌に舌の生温かい感触が生じ、段々と上の方に上ってくる。
 口の中で溶けたチョコレートが、舌先に乗ってぼくの肌に塗りつけられる。
 やがて、舌が胸まで到達した。
 乳首を舐められて、ぞくりと震える。
 手が使えないせいか、いつもとは逆で受けになっているせいか、妙に敏感になっている
自分がいた。
 文花はぼくの反応を見て気をよくしたのか、調子に乗ってどんどん舌使いが大胆になる。
乳首を甘噛みしたり、先端を転がすように舐め回したり、そのかわいい口で次々に攻めて
くる。普段ぼくが彼女にやっているように、ぼくの体をいっぱいなぶる。
 乳首だけじゃない。腹も、首筋も、脇も、腕や脚さえも舐め回された。舌のざらざらした
感触を受けるたびに、ぼくは体を強張らせ、熱い吐息を洩らした。
 口の中のチョコレートはすっかりどろどろの絵の具と化し、舌を使って全身に塗りたくられ
た。それを残さないように、もう一度丁寧に舐め取っていく。
 妙な興奮を覚えながら、ぼくは文花の奉仕を受け続けた。
 最後に残された部位は、天井に向かってそそり立つ逸物だった。そこにはまったく触れ
られず、焦らされるように他の場所を攻められるたびに、びくんびくんと上下に揺れる。
 文花は、うっすらと笑みを浮かべて言った。
「さわって、ほしい?」
 ぼくは激しく首を縦に振った。
「文花……触ってほしい……」
 笑みを深めると、文花は指先で逸物の先端に触れた。
「っ」
 それだけで、ぼくの性器は大きく跳ねた。
 文花は亀頭の真ん中を押し潰すように、指に力を加えていく。
 掌で肉棒全体を包み込んできた。ぼくはそれを見つめながら、下腹部に力を入れる。
 手を上下させて、しごかれた。今までとは比べ物にならないほどの快感が脳天に響いた。
散々焦らされたせいか、急激な射精感に襲われた。なんとか堪えるものの、長くは持ち
そうにない。
 ぼくの余裕の無さがわかっているのか、文花は嬉しそうに手を動かした。
 さらに追い討ちをかけるように、逸物をくわえ込んだ。
「ううっ」
 ぼくは低く喘ぐと同時に、文花の口の中に大量の白濁液を吐き出した。
 文花は少しだけ目を見開いたものの、特に動揺は見せなかった。待ってましたとばかりに
ちゅうちゅう吸い取り始める。
 魂を抜かれるのはこんな感覚なのだろうか。ぼくは射精の気持ちよさに浸りながら、そんな
ことを思った。
 すべてを出し切ると、文花もそれを受けて口を離した。
 それから噛むように口をもぐもぐ動かしてから、精液を少しずつ飲み込んでいった。
「……大丈夫?」
 文花はこくこく頷く。飲んでくれるのは嬉しいけど、心配にもなる。
 しかし文花は特に気にしてはいないようだ。それより半勃ちのそれをいとおしげに擦って
いる。直後の刺激に思わず息を止めた。

49 :
 文花がまたチョコレートを一口頬張った。
 膝立ちの体勢でぼくの体の真ん中に移動すると、手で逸物を固定して、ゆっくりと腰を
下ろしていく。
 彼女の股間を見ると、もうそこは自身の液で濡れすぼっていて、先っぽが割れ目に触れ
ると、格別の興奮が沸き起こった。
 半勃ちだったそれはあっという間に硬度を取り戻し、愛液のおかげか、抵抗なく中に入って
いった。
「んん……」
 文花の喘ぎが洩れる。桜色に染まったきめの細かい肌が、うっすらとかいた汗で綺麗に
映える。
 文花が腰を動かし始めた。膣内がきゅうきゅう締まり、ぼくの逸物が苦しげに強張った。
 彼女が動くと、形のいい胸も微かに揺れた。巨乳ではないけど、小さめの乳首も相俟って
触りたくなる胸だ。いつもなら迷わず揉みしだいているところだけど、残念ながら両手は
不自由な状態である。
 文花が上体を倒して、顔を近づけてきた。
 つながったままキスをすると、再び口移しをされた。手作りチョコレートの味が舌から舌
へと移され、ぼくは陶酔するように甘いキスを味わった。
 どこかからお叱りを受けそうなくらい、いやらしいバレンタインだ。
 ぼくは高まる興奮を抑え切れず、腰を跳ね上げた。
「ふあっ!?」
 文花の嬌声が響いた。
 そのかわいい声がさらにぼくの興奮を高め、腰を激しく動かしていく。
「や、だめっ、こーすけくんは、うごいちゃだめえ!」
 訴えを無視して、ぼくはひたすら機械のように文花の奥を突き上げた。
 文花の顔が頭の上へと流れる。ぼくの頭を抱きしめることで、快楽に耐えようとしている
のだろう。しかしそれは逆効果だ。なぜならちょうど、ぼくの口元の当たりに、彼女の胸が
降りてくるから。
 ぼくは文花の乳首に、ここぞとばかりにおもいっきり吸い付いた。
「あんっ、やあっ」
 甲高い喘ぎを聞きながら、ひたすら乳首を吸う。口内のチョコレートを飲み込みながら、
とにかく貪った。
 まるで本当に乳を吸ってるみたいだ。ミルクチョコレートの乳はどこまでも甘く、酩酊しそう
だった。
「やん、やあっ、そんなに吸わないでぇ……」
 文花の弱々しい声に反比例するように、腰の動きが加速する。
 もう止まらなかった。ぼくは再び欲望の塊を吐き出すために、全力で肉棒を突き入れた。
 強烈に締め付ける膣内の奥に、硬い先端を無心に打ち込んだ。擦れ合う性器は互いの
液でまみれ、痺れるような刺激に打ち震えた。
 淫らな水音にさらに興奮を高め、ぼくは下から文花を攻め続けた。
「やぁんっ、あん、あっ、いく、いくの、わたし、わたし、」
「文花っ、ううっ」
 二度目の放出は一度目よりも強烈だった。水風船が弾けるように、大量の子種が奥の
奥に向かって飛び出していった。
「あん……はう……」
 文花も絶頂を迎えたようで、噛みしめるように快楽の波の中で意識を揺らしている。
 ぼくはびくびく痙攣するように、断続的に精子を子宮へ向けて放った。
 衝動が収まるころには、文花が体重をぼくに預けて目をつぶっていた。
 余韻に浸っているのだろう。ぼくも心地良い感覚に身を委ねてしまいたかった。
 しかし、ここで眠ってしまうわけにはいかない。家に帰らないといけないし、チョコレートで
体もだいぶ汚してしまった。後始末をしないといけない。文花の両親も帰ってくる。
 なにより、今のこの状況をどうにかしなければならない。
「文花……とりあえず、ロープ解いてくれる?」

50 :
 
      ◇   ◇   ◇
 バレンタインから三日後。
 朝の登校中に、突然声をかけられた。
「耕介くん」
 振り返ると、先輩がいた。厚手のコートに身を包み、長い髪が緩やかな風に揺れている。
 とりあえずおはようございます、と頭を下げた。
「おはよ。耕介くん、ちょっと訊きたいことがあるのだけど、いいかな?」
 先輩の問いかけにぼくは首を傾げた。
「なんですか?」
「あんなかわいい彼女とどこで知り合ったの?」
「かっ」
 咳き込んだ。
 思わぬ不意打ちに、ぼくはなぜかうろたえる。
「げほっ……えと、誰から聞きました?」
「一昨日、彼女さんから直接会いに来てくれたんだよ」
 妙に楽しそうに先輩は話す。
「教室にやってきてね、いきなり私に言ったの。小さな声だったけど、『負けませんから』
って。事情を聞いてみると、バレンタインにいろいろあったみたいじゃない。で、ちょっと
おもしろかったから、私が申し出たの。『よければおいしいチョコレートの作り方、教えて
あげようか?』って」
「……」
「そしたら案外素直についてきてくれて、一緒にお菓子作っちゃった。闘志メラメラだった
けど、かわいいし言うこと聞いてくれるし手際いいしで、友達になっちゃった」
「……はあ」
 なんと答えていいかわからず、ぼくは曖昧に頷いた。
「で、ものは相談なんだけど、あの子さ、私にちょうだい?」
「……はあ!?」
 ありえない申し出にぼくは叫んだ。
「だってかわいいんだものー。もうずっと愛でていたいくらい。そういうわけで、どうかな?」

51 :
「お断りします」
 ぼくは即答した。当たり前だ。
「えー、なんでー」
「文花はぼくの大切な恋人だからです。絶対に離しません」
 力強く断言する。先輩のたわごとはともかく、こればっかりは譲れない。
「ふうむ、そっかー。じゃあ仕方ないな」
 案外あっさり引いてくれそうで、ぼくは内心ほっとした。まさかとは思うけど、一応警戒
しておかないと。
 しかし、続けて吐かれた台詞にはさすがに絶句した。
「じゃあ二人とももらっちゃおうかな。二人は恋人のままで、セットでいただくというのは?」
「……!?」
 理解不能だった。
「あ、あの、先輩?」
「ん? なにー?」
「先輩って、失礼ですけど……同性愛の気があるんですか?」
 先輩は首を振った。そうか、そりゃそうだよな。
「違う違う。私は両刀使いなの」
「はああっ!?」
 予想のさらに上だった。
「二人ともかわいいから、一緒にかわいがりたいの。ねえ、悪いようにはしないよ? どう?」
 ぼくはもうどう答えていいかわからず、その場から駆け出した。
「あ、ちょっと」
 どう答えればいいんだ。とてもぼくだけでは対処できない。文花に早く会って相談しないと。
 って、一昨日会った? じゃあもう文花は先輩の毒牙にかかってしまったのか? いや、
まさか、そんな、
「あ、安心して! 青川さんにはまだ手は出してないから!」
 後ろからそんな声が届く。まだって何だ。
「やっぱりまとめていただくのがおいしいと思うの! だから耕介くんと文花ちゃん、いっしょに
味わいたいから、楽しみにしててね! あと、文花ちゃんに伝えて! 今度デートしようって!」
「あんたもう黙れっ!」
 ありえない恋敵の出現に、ぼくは頭が痛くなりそうだった。
 っていうか、ぼく自身も狙われているし!

52 :
以上で投下終了です。後半はギャグ風味。
新キャラ登場ですが、ハーレム要員ではなくギャグ要員です。
今後も書くかどうかはわかりませんが。
それでは。

53 :
をちゅー
文花かわいいよ文花

54 :
>>44
GJ
近親アドバンテージのある意味もっとも正しい使い方を見た
>>52
もうなんだかみんないろいろと間違っている感じが非常にGJでした
なんか三人ともたまらんわ……

55 :
「……………………ちゅー」

56 :
無口っ子のキスおねだりとかたまりません

57 :
>>44
遅ればせながらGJ。
過去話読み返してくるとともに、続き楽しみにしてます
>>56
無口っ子が両手を伸ばしてハグおねだりっていうのもいいと思うんだ

58 :
>>57
アンカー間違ってるぞー。
そして、まさかのかおるさとーさんとは。なんかもうスイマセン。
GJです。この二人の話はもっと読んでみたいです。
で、今更ながら続きを書いてしまいました。

59 :
とは言え。
朝の、ましてや朝食前からチョコを食べるというのも、少しばかりおかしな気もする。それに遅刻ギリギリというわけではないけど、まったりできるほど余裕があるわけでもないし。
食べたい気持ちはもちろんあるのだが。
そうなると、
「姉さん、コレは今日帰ってから二人でゆっくり食べない?」
という選択になる。
姉さんは一瞬驚いたような表情をしたあと、首を傾げて指を二本立てた。
「え?うん、二人で、だね」
その瞬間、姉さんから後光がさした。いや、そんな錯覚がする程の笑顔だった。
ちょっと喜びすぎじゃないかと。
「そんなにチョコが好きなら一人で先に、何なら全部食べちゃっても構わないよ?」
姉さんが、止まった。
キッとこちらを見上げると右手を、人差し指を、まっすぐピンと伸ばして僕の顔に向ける。
コレはマズイ、と思う間もなく、姉さんはそのまま、ふにふにふにふにと僕の鼻を押し始めた。
どうやら、姉さんをひどく怒らせてしまったらしい。なぜなんだろう?
以上。
なんかもう、いろいろスイマセン。

60 :
ふにふにふにふに・・・・・・・・

61 :
age

62 :
やっぱ無口お姉ちゃんってイイよな・・・・・・

63 :
保管庫更新乙です
「……」
これなしで無口っ子話を作るのって、なかなか難しいな

64 :
>>63
妙なテンションで挑戦してみた。
やっぱりあった方が楽なのは事実ですね。
目が覚めると僕は一人だ。リビングも冷め切っている。ああ、また何時も通りの朝だ。
たまには誰かリビングでコーヒーでも飲んでいて欲しい。一人きりで食事を取るぐらいならと隣の家に向かう。
まったく、君は一人きりの朝というものを感じた事は無いのだろうね。僕がいるから。
「って、相変わらず勝手に侵入してくんのな」
おや、珍しいな君がもう起きているとは。
「首を傾げてかわいい子ぶっても表情がそれだと意味ないぞ」
何、媚びるとかいうつもりはないから安心したまえ。君との間にはそんなものは不要だろう。
大体、僕が無表情なのが昔からなのは君も知っているはずなのだがな。
「何で不機嫌そうにするんだよ」
まったく、君はズルいよ。
「たく、甘いもんでも飲んで落ち着け」
僕の目の前に置かれたのはペールトーンのコーヒー。口に含めば、苦味より先に蜂蜜の甘みが舌に付く。
僕が君を知る術の多くは言葉だと言うのに。
「少しはマシになったけど相変わらずだな。何か食うか? 腹減ってると機嫌も悪くなるからな」
言いながら食パンを牛乳に浸す。
僕が何も言わずとも君は感じてくれる。例えば、僕が多分に甘党な事とか。
「そうそう、親父また浮気がバレたらしいぜ」
フライパンから上がる甘い匂いが食欲をそそる。
口下手だけど沈黙は苦手な事とか。
「というわけで実家に帰ったオカン呼び戻しに行ってるからしばらくは平気だぞ」
ただ待つのも気まずいからサラダを作ろうと席を立つ。パンは駄目だ。君の方が甘く美味しく作れるからな。
本当はこうして忍び込んで良いものか悩んでいる事。
「なんなら、泊まっていくか?」
一瞬、トマトではない赤で包丁を彩りそうになった。問いかけに首を振る。
ただでさえ、君に溺れてしまいそうなんだ。これ以上一緒にいたら勘違いしてしまうよ。
そうそう、寂しがり屋なのも君にはお見通しなんだな。
「悪い、変な事言ったな」
君は妙に潔いが少しは押してくれても良いと思うぞ。これではまるで社交辞令ではないか。
「何、拗ねてるんだよ」
まったく君くらいだぞ。僕を子供扱い出来るのは。先入観のコーティングのせいでクラスメートの扱いなんかヒドいものだからな。
でも、僕は間違えなく子供だ。一人でいたらガクガクと膝を抱えて震えるだろう。

65 :
そう、だからかな。君が好きだ。
もっともこんな僕の「好き」なんて、目立たなくておぼろげなもの流石の君も気づいてはくれない。
「何、ぼーとしてるんだよ、ほのか」
そう、僕の名前はほのかだ。多くの人は似合わないと言う。
だけど、「好き」と伝える事さえ覚束ない弱々しい僕にはピッタリだと思う。
君ならあるいは気づいてくれるのだろうけどね。
「ん? どした?」
今ではないどこかでなら、きっとね。

66 :
すげえ!
まさか「……」無しで無口っ子を表現出来る猛者がいるなんて思わなかった
GJ

67 :
>>65
GJ!
なるほど一人称視点か
クールな性格というのもあまり見ない感じで新鮮だ

68 :
投下してみます。
本当は1日に書き上げたかったけどダメだった奴。
※(すぐ終わるけど)手を拘束する描写があるので苦手な方はスルーその他で。

69 :
 ある休みの日。遅い目覚めを迎えた少年、大滝慎也が起き上がると、
「…………ん?」
 自分の部屋に少女がいた。
 寝ぼけた頭がのんびりと思考をする。
 妹はいない。
 人間そっくりのロボットが届いたわけでもない。
 影を落としたように黒く、長い髪。白の長袖をまとったその少女は、どこか違和感を
漂わせた状態で慎也の部屋にいた。
「……って、沙那か」
 目を擦りながら、正座で待機していた彼女の頭をぽんと叩く。それを合図に振り向い
た少女は、慎也の顔を見上げて笑顔を作った。
 一宮沙那。慎也とは片手で数えられる程度の年齢から同じ時を過ごしており、その関
係は現在では一組の男女。すっかりお互いの両親が認めるほどの仲になっており、とき
たま結婚しないかと茶化される。
「いつからいたんだ?」
 聞くと、沙那は指折り数える。
 一つ、二つ、三つ……八つ。それきり彼女の指は曲がらない。
「二時間前かよ……」
 お互いが幼い時、共働きで両親が家にいない沙那に渡したという、護身用の合鍵を使
ったことは大方想像がつく。それは別にかまわないが、彼女が家にいるのに、二時間も
眠ったままというのは男として何か申し訳なく感じる。
「来るなら言ってくれればな」
 沙那は手をぱたぱたと左右に振った。これは否定、つまり「驚かせるために来た」と
考えているようにも読み取れる。
 ヒトは誰しも欠点がある。他人から見れば、沙那が口を開かないことがそこに当ては
まるだろう。人見知りが激しい上、恥ずかしがりな性格のため、会話らしい会話をする
ことは無い。――幼馴染になる慎也にさえこうなのだから、『ほぼ』とか『ほとんど』
などの言葉が頭につくことはなく、『全く』ない。少し目線がずれているのもそのせい
であり、最近なんとか慎也に対して正面に顔を向けられるようになったくらいだ。そん
な彼女を、昔の慎也は『動物』と比喩することもあった。しかし今では何にも代えがた
い、彼女と呼べる存在である。
「沙……ああ、そうか」
 服に手をかけた途端、慌ただしい足音が響いた。視界は遮られているが、おそらく沙
那が部屋を出たためだろう。
 着替えを済ませて部屋を出ると、彼女は廊下で体を動かしていた。物音に気付いて振
り返り、慎也と目が合うと、途端に両手で顔を隠した。
 遅い朝食には簡単なサラダと目玉焼きが追加されていた。
 そこは幼馴染、勝手知ったる大滝家という事でこの光景は珍しくない。エプロンをつ
けていたが、スカートは学生服のそれであり、まるで沙那の家にいるのではと錯覚させ
る。
 当人はすでに済ませているようで、テーブルの向かい側に座って慎也が食べる様子を
伺っているところだ。
「ものすごく食べ辛いんだ」
 食事の様子をじっと見られて、そう思わないはずはない。もちろん慎也も例外ではな
く、正面からまじまじと見つめている沙那に告げる。
 すると彼女は拳を作って額に当て、何か考える。ほどなくして閃いたようで、慎也の
手から箸を取る。それで刻んだ野菜を一口分ほどまとめ、手を添えて寄越した。
 所謂『あーん』の状態。箸を持つ沙那は笑みを浮かべており、周囲には誰もいないの
に気恥ずかしくなる。どうやら、視線を感じて「食べにくい」のではなく、用意した食
事が「食べにくい」と判断したらしい。
 もちろんそんなことは決してないのだが、言えない。結局、差し出された箸を口に運
んだ。咀嚼している様子を見て、沙那は満足げな顔になった。なんとも可愛らしかった。
 二人でどこかに行く予定もないため、食事の後は居間でテレビを眺めていた。いつも
なら退屈になるところだが、やはり一人より二人、隣に沙那がいるだけで違う。星座別
の占いに対して肩を落としたと思えば、通販の商品紹介に対して頷いてみせたり。どち
らかというとテレビよりも彼女に注目していた。
「ああ、それは御神籤だ」

70 :
 ふと、テレビの下に置かれていた箱を彼女は指差していた。それが何か教えると、沙
那はそれを取出し、床に置く。仕事から帰ってきた母がそう言って置いたのだが、それ
きり一度も引いたことはなかった。赤く塗られた六角形の箱、その上部には小さな穴が
あけられている。沙那が軽く揺らすとカラカラと音が響いた。
「引いてみるか?」
 頷く。それから、彼女は真剣な表情で、まるで睨むような眼差しで箱を見つめる。先
程の占いがよっぽど堪えたのだろうか、ガシッという効果音が聞こえそうな勢いで、彼
女は赤い箱を持つ。
 しばらく念を送った箱をついにひっくり返し、その口から一本の棒が吐き出される。
これに運勢が書かれているようだ。
『大凶』
 沙那は何も言わず、ただ慎也にその棒を見せた。白い棒には確かに、赤い字で大凶の
二文字。心なしか彼女の肩は震え、打ちひしがれているようにも見える。なんというか、
その落胆ぶりがこちらにも通じてきた。
 そう気を落とすな……と言うところだが、慎也はそこで少し意地悪をする。
 耳元で囁かれた言葉に、沙那はびくりと体を震わせた。
 自分の部屋で、慎也は悩んでいた。
 右手には小学生の時に使っていた縄跳びの縄。左手には学校で使用しているタイ。得
物を見比べて首を捻っている彼とは対照的に、ベッドの上にいる沙那は追い詰められた
動物のように縮こまっていた。
 問題はいかに彼女の体を傷つけないか、だ。やはり縄では肌に食い込んでしまう可能
性もある。それに普段から締めていて手馴れている分、タイの方が扱いやすさでも勝っ
た。
「さあ、沙那」
 縄を床に置き、タイを持って振り返る。沙那は掛布団をくるんで丸くなっていた。座
ったままの姿勢では掛布団に全身が入りきらず、ソックスに覆われた爪先が出ているこ
とだけはわかる。
 ベッドの中央で丸まっていた彼女の前に座り込み、布団から顔だけ出させる。静電気
で少し乱れた髪を振って、沙那はすぐ目をそらした。
 そんな彼女の頬に軽く触れると、口が正面を向く。慎也は一拍おいてからその唇にキ
スをした。そっとした口づけだが沙那には効果抜群で、布団を掴んでいた手から力が抜
け、その外殻が剥がれ落ちた。
 抵抗をやめた彼女の両腕を重ね、紺色のタイで軽く縛る。それを背の後ろにまわし、
慎也は沙那をもたれさせた。
 ここは自宅。そして日中とはいえ二階の部屋。他に誰もいない状況で彼氏と彼女が揃
えば、やることは一つしかない。今回は少し趣向を変えた変態プレイである。
 テレビでの占いで最下位。それから御神籤で大凶。そんな彼女に意地悪のつもりで両
腕の自由を奪った慎也だったが、沙那は不安そうな顔で眺めてくる。二割増しの威力だ
った。
 耳、首筋と順に舌を這わせると、控えめな吐息が漏れる。いつもは片手で口を押えて
いるが、それができない今はかなり意識して押しとどめているようにさえ感じられる。
指をやると夢中でしゃぶりつき、あっという間に湿らせる。その間もタイで縛られた手
首を窮屈そうに動かし、それがちょうど下腹部に当たってさり気ない刺激を生む。
 首から肩にかけてひとしきりキスを浴びせた後、頭を膝に乗せる形で沙那の姿勢を変
える。それから、彼女が羽織っている長袖に手をかけた。
 ボタンを外すと白の下着。身長と引き換えに成長をやめてしまったのか、小ぶりでわ
ずかな膨らみを覆っているそれを上にずらす。桃色の突起はつんと尖っていて、首や耳
だけでかなり感じていたようだ。
 まずはふくらみの全体に触れる。あまり主張しないが感度はよく、ただ触れているだ
けで体を揺らす。マッサージの要領で包むようにすると、自由な脚をシーツに擦らせて
抵抗した。しかし脚が動く度にスカートが動き、沙那は特に意識していないだろうが意
外と挑発的な行動である。
「大丈夫だからな」
 言葉を聞いて、沙那は強張らせていた体から力を抜いた。手の自由がきかないだけで、
大滝慎也という男の印象が全く変わるから不思議だった。今は咥えている指と背中でし
か、彼を感じられない。

71 :
 が、ついにその指も抜き取られた。すっかり唾液をまとったそれを名残惜しそうに見
送る。彼の人差し指は糸を残して視界の外に消えていき、自分の胸にあてられた。
 ぬるりとした感触で、それは胸の突起をはじく。舌とはまた違う感触で突かれ、潰さ
れ、つままれる。さらに、両手が自由な彼はふたつの先端を指で挟み、くいと引く。痛
みが痺れに変わるが、休む間もなく次の刺激に変わる。突起は挟まれ引かれた後、すぐ
に指の腹で押し潰される。肋までたどり着くかというところまで進み、また引っ張られ
る。
 沙那は背を反らせて執拗な責めを受けた。指だけで弄ばれた胸に舌が這うと、唾液の
滲みる感覚に悶える。自由に動いて万遍なく唾液を塗されると、指に代わって彼の舌が
乳首責めを担当した。指にはない独特の凹凸が擦れ、先程までのわずかな痛みが再び疼
く。ぴちゃぴちゃと音を立てて責められ、耳を通じて性感を刺激する。相変わらず片方
は指で責められ、全く異なる二つの刺激に身をよじらせた。
「気持ちいいか?」
 囁くと、沙那は控えめに頷き、顔をそむけた。その頬はすっかり紅潮しており、肩や
胸にも桜の色が滲んでいる。
 学生服のスカートからのびている脚に触れると、沙那はわずかに体を震わせた。こち
らも熱っぽく、それを包んでいるニーソックス越しに体温が伝わる。少しだけ見える素
肌をさすり、次第にカーテンの奥へ手が入る。それが触れたのは一枚の布地のはずだが、
触れた途端にじわりとしたものを感じた。
 慎也は沙那を壁によりかからせ、彼女が閉じた両脚を再び開く。白のショーツからは
肌色が見えるほどに液が出ており、もはや下着として機能していない。それを片足だけ
外すと、光を浴びて輝く糸筋が見えた。そこは熱を帯びた肌よりも鮮やかなピンク。た
だ眺めている間にも小刻みに動き、その度に愛液が揺れる。指を当ててすぐに離すと、
その間に橋が架かり、崩れた。
 十分すぎる濡れ具合で、クレバスは簡単に指を飲み込み、一本どころか二本も咥え、
そのまま往復できるほど滑らかだった。
 奥に進むと“にち”、入り口に戻ると“にち”、と鈍い音。沙那は脚を閉じて手の動きを
止めたいようだが、奥に進んだ状態で指先を動かすと、水音と共に彼女の体がはね、腿
から力が抜ける。抜き取った指に絡みつく液体の量は多く、オーガズムに達したことを
伺わせる。荒い息をしながら、紅潮した顔で慎也を見つめた。
「…………沙那」
 その目が、どこか不安そうな色をしていた――いや、手を結んだ時からその色のまま
だった。
 目が覚めた慎也は沙那の手からタイを外す。自由になった両手を、彼女はぼうっと眺
めた。それから動かせることを確認すると、体を起こして慎也に手を伸ばす。
 肩で息をしながら、彼に抱きついた。まるで最愛の人物と再会したかのように。
「……!?」
 慎也は耳を疑った。
 胸元で嗚咽が聞こえるのだ。鼻をならしながら顔を押し付け、かすかに肩が震えてい
る。彼女は両手を縛られたときから不安でしょうがなかったのだ。
 慎也はそれを興味本位でやってしまった自分を悔やむ。手が動くようになった沙那は、
これでもかとこちらの背中に触れて、その存在を認識していた。その様子が妙にいじら
しかった。
 少しして、顔を上げた沙那は慎也の頬に両手を当て、口をわずかに上げて目を閉じた。
『小動物』と比喩するには背の高すぎる彼女が、彼より下の目線でキスをせがむ機会は
ほとんどない。膝立ちの慎也に、彼女は座ったままの姿勢で。
 やさしい、ほんの一瞬だけの口づけ。沙那は充血して赤くなった目を笑わせると、目
の端から涙が滲んだ。それから、お返しとばかりにキスをする。今度は長く、最初にし
なかった大人のキス。舌に舌が絡み、お互いの唾液を交換。口を離すとすぐに透明な橋
が出来上がり、一瞬のうちに途切れた。
 二人は手を握り合い、沙那はベッドに倒れ、その上に慎也がかぶさる。仕切り直し…
…という訳ではないが、とにかく彼女を可愛がりたかった。
 ぴんと起った胸の突起に触れると、繋いでいる手に力が加えられる。すっかり自由な
手は彼女の口にぴったりと当てられ、彼女の声を遮断する。本人はこれで吐息を抑えて
いるつもりなのだが、何度か経験してから考えてみると、手の中で息がこもって大きな
音になっている。慎也は何となく理解しているが、まだ沙耶はそれに気づいていない。
 そして、彼は自分の口から出る音をわざと大にしてみせ、沙那の耳を経由して性感を
刺激する荒業を会得していた。彼女の胸は片方だけ、中心部分が日光で鈍く光るくらい
に唾液が塗されていた。

72 :
 下着を外しただけで残っていたプリーツの内側は、あふれ出る蜜を滲みこませて湿っ
ていた。一部だけに染みができており、その下のシーツまで到達していた。閉じられて
いた丘を広げると、桃色の肉からは汁が溢れ出る。
 そこに指を一本。抵抗もなく飲み込まれ、中で襞が絡みつく。一度絶頂を迎えた体だ、
そう難しく考えなくても準備は万端だろう。慎也は中に入れていた指をゆっくりと抜き、
しばらく動きを止めてから沙那に視線を送る。
 沙那は、こくりと頷いた。
 開かれたジッパーから、反り起つ棒が現れる。もう何度も目にしているが、やっぱり
慣れない沙那はすぐに顔を隠した。それも彼の一部なのだが、何か別の生物に見えてし
ょうがない。
 太腿に手が乗せられ、慎也の腰が沈む。同時に腹を押し上げられるような感覚に見舞
われ、シーツを掴んでいる手に力が加わる。ずんと前に進んだ彼を根元まで飲み込み、
そこでふたりは繋がった。
 奥まで入り込んだものはゆっくりと後退し、また勢いをつけて戻ってくる。自身が分
泌した潤滑油がその動きを助け、何一つ抵抗もなく簡単にぶつかる。繋ぎ直した手には
お互いが汗をにじませ、往復する接合部も含めて熱い。
「沙那、聞こえるか?」
 訊くと、視線が下腹部に移動する。すぐに元の位置に戻り、わからなさそうな顔にな
った。
 慎也の耳には水音がまとわりついていた。粘り気のある鈍い音が動作を追うように聞
こえ、さらに彼女の中が棒を締め付け、感情を昂らせる。しかし、沙那は一瞬だけきょ
とんとした表情になり、込み上げる性感でつないだ手を強く握る。
 進入するその動きを遅くすると、奥の方で鈍い音が響く。それを引き返させると、や
はり耳につく音が発せられた。細かい動作をしばらく続けていると、やがて沙那にも理
解できたのか、既に赤い顔に火が付き、慌てて耳をふさいだ。もう片方の耳が音を拾う
だろうが、彼女は片方を塞ぐのに精一杯のようだった。
 しばらく揺さぶった後、慎也は一度手を離す。繋がったままの状態で沙那を抱き起こ
し、股座に座らせて下から突き上げた。動きに合わせて金属製のベッドが軋み、根本ま
で入り込んだ屹立を彼女の襞がきつく締め付ける。
 片手で肩にしがみつく沙那。慎也の顔はちょうど彼女の胸元に押し付けられる形で、
舌を動かして突起を舐めあげる。するとギシギシと響く金属音に混じって、耳元に甘い
息がかけられる。そんな動きを途中で中断して、舌を絡めるキスの時間。糸を垂らして
から、再び胸元への責めを再開する。沙那の体が揺れると、それに合わせて彼女の黒髪
が乱れて広がっていく。
 度重なる締め付けによって、慎也もいよいよ限界が近くなっていた。膨張して脈を打
つそれは、条件によっては暴発さえしてしまいそう。再びベッドに寝かせて正常位のか
たちになり、勢いよく腰を打ち付ける。
「沙那……っ、好きだ……!」
 ぐっと手を繋いで、一言。未だに涙が乾かない沙那は、泣き顔を笑わせて頷く。
 肌がぶつかって軽い音。二人の足元から聞こえる金属音。結合部の淫靡な水音。それ
に沙那の息が合わさって響き、スパートをかけた慎也の棒が引き抜かれるかというとき、
 脚が、沙那の脚が絡まった。
 引こうとした腰を押し付けられ、必然的に勃起は収まるべき場所に戻る。限界に達し
ていた慎也はこの事態に対応できず、引き上げられた精をその中に放つ。ほぼ同時に沙
那の体が痙攣したように震え、吐精した棒を逃がすまいと押さえつけた。
 慎也が自分でも驚くほどの精を放った長い時間の後、オルガスムスを味わって恍惚の
表情になっていた沙那が、「してやったり」と言いたそうに笑みを浮かべた。ようやく
抜かれた茎には愛液と精液が混じったものが付着し、栓が抜かれた蜜壺からは同様の液
体が溢れだした。

73 :
「沙那、ごめんな」
 行為の後、慎也はタイを片手に謝った。
 それに対して沙那の手は左右に振られ、握りこぶしでガッツポーズをしてみせる。あ
まり気にしてはいないようだが、それでも手が動かせない間は不安そうな表情だった。
慎也は少し気が重くなる。
 次にバツ印。もう縛ったりしないように戒めているようで、慎也の頭を小突いた。素
直に詫び、口づけして誠意を見せる。
「昼はどうしようか」
 すると、沙那は拳を握って胸を叩いた。どうやら、腕によりをかけて作るつもりらし
い。頷いて返すと、彼女は実に幸せそうな笑顔になった。

74 :
終了です。
彼女はともかく彼も話す機会がないでやんの。

75 :
おつ
自身に怯える無口っ子

76 :
ミス
地震に怯える無口っ子

77 :
再び投下。
>>40の続きです。

78 :
今年はとても寒い。
例年は滅多に雪が降らないこの町でも、それなりの雪が積もった。
我が家でも早々に炬燵を出して、春がやってくるのを今か今かと温もりの中で待つ。
今日も小柄で無口な少女と二人で炬燵で温まって居た。
少女の小さな手が差し出される。
少女の手からオレンジ色を受け取り、丁寧に皮を剥いていく。
やがて丁度いい具合に熟れた果肉が顔を出す。
皮を剥き終えると再び小さな手が差し出され、その上に剥き終えたばかりの蜜柑を乗せてやる。
彼女はそれを口にいれるのかと思いきや、白く残った筋を一本一本丁寧に剥いていく。
丸裸にされたオレンジ色はひとつ、またひとつと解体されていく。
少女の小さな手が差し出される。
手の中には丁寧に解体された蜜柑の一房。
それを受け取ろうとすると、ひょい、と遠ざかる。
少女の顔をみると首をふりふりと横に振り、次に口をぱくぱくとして見せた。
なるほどと思い、口を開けて待つ。
少女の手から解体された果肉が口の中に放り込まれる。
咀嚼すると、確かな甘みと仄かな酸味が口の中に広がる。
嚥下し終わると、再び少女が蜜柑の一房を差し出す。
口を開けると、少女はまた首を横に振った。
訝しんでいると、手首を掴まれ、掌の上に蜜柑の一房を置かれた。
少女を見やると、口を小さく開けて待っている。

79 :
少女の口に蜜柑を入れてやる。
それを飲み込み、少女は満足そうに薄く微笑むと、再び蜜柑の一房を差し出してきた。
口を開けると、再び口の中に甘味と酸味が同時に広がる。
4つ目は少女へ。
5つ目は少女から。
6つ目は少女へ。
7つ目は少女から。
8つ目は少女へ。
最後に、一つだけ残った。
少女は何かを考えるような顔をして、それから何故か頬を染める。
少女の考えていることは何となく読めたが、可愛らしく頬を染める彼女を見て、あえて黙っておく。
少女は頬を染めたまま、最後の一つをおずおずと口へ運び、咥えた。
そして、咥えたままこちらへ擦り寄ってくると、潤んだ瞳でこちらを見上げる。
少女の顔が近づき、それにつられてこちらも近づけてしまう。
少女が咥えたままの蜜柑を咥え、軽く押し潰す。
果汁が口の中に広がるが、この甘味は蜜柑だけのものだろうか。
何時の間にか、互いに口の中に舌を差し込み、蜜柑の果汁と、お互いの唾液を啜りあっていた。
名残惜しく口を離すと、ほんの少しの間だけ橋が架かり、途切れる。
少女を抱きしめ、少女に抱きしめられる。
そうして今日も、春がやってくるのを今か今かと待つ。
小さな少女との温もりの中で。

80 :
終わり。
自身による被災者の方々の冥福とご無事を祈ります。

81 :
>>80
GJ! 雰囲気良いな。
けど本当に人がいないな。
それとも無口なだけ?

82 :
>>68,>>80
Gj!
和ませてもらったぜ

83 :
無口っ子と無表情の相関関係について

84 :
無口でも表情豊かな子は居る
よく話すが無表情な子も居る

85 :
>>84
上は恥じらい系無口に多く
下は素直クールに多い
かな。

86 :
>>85
恥じらい系無口とか大好物です
気持ちを伝えたいのになかなか言えなくて、顔赤らめながらモジモジしてるのを見るだけで俺のジョニーはヒャッホォォォォォォォ

87 :
ジョニーって誰だ?彼氏か?
伝えたいことの適当な単語を思い出せなくてモジモジしてたらジョニーがヒャッハーって言うのか?

88 :
ジョニー=チ○コの隠語

89 :
女の子視点で書いても良いかもしれんな。
海外旅行中に外人が困っているのか?と言ってくれたが
言葉がわからない+元々無口なので顔を赤くするだけ
そして後ずさりするも間を詰められて下がっていく内に
気づくと路地裏に誘導されている

90 :
普段はそっけないけど、用事があるとカリカリ引っ掻いてきたりする猫系無口幼馴染

91 :
犬がいいな……

92 :
無口なくせに彼氏を束縛しようとする
でもしゃべるとか彼女の中で問題外
どうしようかと頭かかえて悩み始めて彼氏が心配する

93 :
ことあるごとにおめめうるうるさせつつ抱きつくことで物理的に拘束するんですねわかります

94 :
投下します。
題名:無口な彼女
語り手(彼氏)が時々、感情表現(暴走)をするときがあります。
無口は初めてなのでどうか温かい目で見てください。
では行きます。

95 :
「はぁ〜…」
俺の名は淳、今俺はあることに困っている。
好きな娘ができた?そんなんじゃねぇよ…
幼馴染で俺の彼女、渚のことだ。
簡単に話そう、あいつは無口だ、ただそれだけだ。
何も困ることは無い…と思うだろ?あるんだよ…
付き合ってもう3ヶ月は余裕で経っている…
何が言いたいかって?簡単だよ、もうヤっていてもおかしくない時期なんだよ!
じゃあ何でできないかって?タイミングがわかんねぇんだよ!!
と言うわけで俺は今、渚とデートをしている…
「今日も天気いいな〜!」
「…………うん」
「今日はベタに映画でも見に行くか?」
「…………うん」
「……」
「………」
会話にならねぇ!!!なんで?まぁでもそれこいつの可愛いところでもある…
べ、別にやましい気持ちなんてねぇんだからな!か、カン違いするなよ?!
「で、何見んの?」
「……………あれ」
渚が指差した先には今年最恐と噂されているホラー映画のタイトルがあった…
「大丈夫か?3Dだぞ?」
「…………うん」
いざ座席へ行くとほとんどがカップルだった…
上映が始まり、映画の中間、噂の最恐シーンに近づいていた。
そのとき…渚が俺の腕にしがみついてきた…
怖いと言わんばかりに俺の腕を圧迫してきた。
「ふぅぅ…おわった〜…どうだった?」
「…………怖い」
おいおい、お前が見たいって言った(?)映画だぞ?
そんな事を思いながら近くのファーストフード店で飯を食った。
街を二人で歩いてるときふと時計を見ると…
「6時か…いい加減に帰んねぇとな〜…ん?」
渚がいきなり止まりある建物を指差していた…ラブホだ…
「行きたいの?」
「…………(コクリ」
渚の頬が赤みを帯びていた…か、可愛い!!今すぐめちゃくちゃにしてぇ!!!

96 :
俺達は渚が指差したラブホへ直行し、入室した。
「さ・て・と…」
「………ん」
俺は渚にディープキスをした。
「はぁぁ…本当にいいんだな?」
「…………(コクリ」
さすがに緊張してきた…女子の服を脱がすなんてやったことねぇし。
しかもお互い初体験だぜ?
そんなことを考えながら渚の服を脱がして、下着だけの姿にした。
「キレイだ…」
俺は渚に覆いかぶさるようにベットへ倒れこんだ。
渚は頬を赤らめてガタガタと震えていた。
「怖いか?」
「……………(コクコク」
やべぇ…むちゃくちゃ可愛い!!ってこんなときに何考えてんだ?
俺は自分を制してフロントホックのブラを外し、露わになった胸を揉んだ。
「ふ…んん…!!」
渚の喘ぎ声…すげえ色っぽい…可愛い!
俺はさらに強く揉んだ。
「ぁん!!!つ…よ…い…!!」
「胸はこれくらいにして…」
俺はショーツを脱がし、渚の膣内を指で弄りだした。
「あぁ…!!」
「気持ちいいか?」
「ふあぁん…!!いい…!!」
「ほら…びちゃびちゃになって来た…」
渚は言わないで欲しいかのように首を横に振った。
可愛い!!!もっといじわるてぇな!!!!
けどなんだか締まりがかなりきつくなって来たような…
「ふあ!!…あぁぁぁぁぁぁ…!!!!!」
「うわ!?」
渚は予告無しで絶頂に達した。
「はぁ…はぁ」
「潮噴きやがった…」
「……………ごめん」
「いやそれはかまわない…」
「!」
「むしろそれだけ気持ちよかったって言う事になる…俺はそう思う、うん」
「……………」
「じゃあなんでやっちゃ駄目みたいな顔してるかって?」
「……………(コクリ」
「当たり前だ…イクとか言えよ…」
「?」
渚は俺の言葉にきょとんとしていた…

97 :
おいおい無口にもほどがあるだろうが…
「まぁしかし、お前ずいぶんと色っぽく喘いでたな?」
「…………(ビクッ!」
あ、顔色変わった…やっぱこいつ分かりやすいな〜。
「まあいいや…渚…」
俺はビンビンになった肉棒を渚の割れ目にあてがった。
「………ぁ…」
「いいよな?」
「…………(コクリ」
俺は一気に腰を押し出した。
「ッ!!!」
渚の処女膜を貫通した。
「痛いか?」
「………(コクリ」
「んじゃ一旦抜くぞ……え?」
渚が俺の腕を掴んできた。
「………痛くない…!!………動いて」
渚は必に訴えた。
――あ゛ーーーー!!!!めちゃめちゃにしてぇーーー ――
俺は理性を失くし我武者羅に激しく腰を動かした。
「いい…!!あぁ…!…激しいよぉ…!!」
「クゥ!!!出る!!!」
「ふあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…!!!!!!」
俺は渚の膣内に射精した。

98 :
「「はぁ…はぁ…」」
「………出したでしょ…」
「え?」
俺は渚の膣内から出る精液を見て冷や汗をたらした。
「………なんで…」
「ほら…お前が可愛いからさぁ…思わず本能のままにさ…こう…」
「…………できる」
渚は頬を赤らめながらの単語言葉を呟いた。
「は!?」
俺はその言葉にド肝を抜かれた。
「なに!?まさか今日…危険日か?」
「…………(コクリ」
やっちまったーーー!!!やっちまったよ俺!!!
どうしよう…マジでやべぇ…
しかもかなり出してるし…
よりによってピル買ってねぇしやっちゃった…
「…………ピル…ポケットに入ってる…」
「マジ!?」
「でも…飲みたくない…」
「え?なんで?できるんだぞ?」
「それでいい……だって……」
「だって?」
「……淳が離れずに…そばに居てくれるから……」
渚は思い詰めたように言った。
「渚!!」
俺は渚を抱きしめた。
「絶対に離れない!!だから心配するな!!」
俺は本音を渚にぶつけた、しかし…
「……………うそ」
「へ?」
渚は悪戯っぽい笑みを浮かべ親指を突きたてた。
「な〜ぎ〜さぁ〜!!!!!」
「きゃ!!!」
俺は渚を押し倒し、再び膣内に肉棒を突き入れた。
「勘弁しねえからな!!!!」
「あぁん!!!…ごめんなさい…!!!!」
こうして俺は渚と初夜を共に楽しく過ごした。
END

99 :
以上です。

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