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新漫画バトルロワイアル第12巻


1 :
ここは、漫画作品のキャラクターたちによるバトルロワイアルパロディ(パロロワ)の
リレーSS企画スレです。
この企画は性質上、版権キャラの残酷描写や死亡描写が登場する可能性があります。
苦手な人は注意してください。
前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1283946360/
したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/12531/
まとめwiki
http://www26.atwiki.jp/shinmanga/

2 :
★参加者名簿★
【スパイラル 〜推理の絆〜】 6名
○鳴海歩/○結崎ひよの/○竹内理緒/○浅月香介/○高町亮子/○カノン・ヒルベルト
【トライガン・マキシマム】 6名
○ヴァッシュ・ザ・スタンピード/○ニコラス・D・ウルフウッド/○ミリオンズ・ナイブズ/
○レガート・ブルーサマーズ/○ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク/○リヴィオ・ザ・ダブルファング
【ハヤテのごとく!】 6名
○綾崎ハヤテ/○三千院ナギ/○愛沢咲夜/○鷺ノ宮伊澄/○西沢歩/○桂雪路
【鋼の錬金術師】 6名
○エドワード・エルリック/○アルフォンス・エルリック/○ロイ・マスタング/○ゾルフ・J・キンブリー/○グリード(リン・ヤオ)/○ウィンリィ・ロックベル
【うしおととら】 5名
○蒼月潮/○とら(長飛丸)/○ひょう/○秋葉流/○紅煉
【未来日記】 5名
○天野雪輝/○我妻由乃/○雨流みねね/○秋瀬或/○平坂黄泉
【銀魂】 5名
○坂田銀時/○志村新八/○柳生九兵衛/○沖田総悟/○志村妙
【封神演義】 5名
○太公望/○聞仲/○妲己/○胡喜媚/○趙公明
【ひだまりスケッチ】 4名
○ゆの/○宮子/○沙英/○ヒロ
【魔王 JUVENILE REMIX】 4名
○安藤(兄)/○安藤潤也/○蝉/○スズメバチ
【ベルセルク】 4名
○ガッツ/○グリフィス/○パック/○ゾッド
【ONE PIECE】 4名
○モンキー・D・ルフィ/○Mr.2 ボン・クレー/○サンジ/○ニコ・ロビン
【金剛番長】 4名
○金剛晄(金剛番長)/○秋山優(卑怯番長)/○白雪宮拳(剛力番長)/○マシン番長
【うえきの法則】 3名
○植木耕助/○森あい/○鈴子・ジェラード
【ブラック・ジャック】 2名
○ブラック・ジャック/○ドクター・キリコ
【ゴルゴ13】 1名
○ゴルゴ13
全70名

3 :
★ロワのルール★
 OPなどで特に指定がされない限りは、ロワの基本ルールは下記になります。
 OPや本編SSで別ルールが描写された場合はそちらが優先されます。
【基本ルール】
最後の一人になるまでし合いをする。最後まで生き残った一人が勝者となり、元の世界に帰ることができる。
参加者間でのやりとりに反則はない。
ゲーム開始時、参加者は会場内にランダムで配置される。
【首輪について】
参加者には首輪が嵌められる。首輪は以下の条件で爆発し、首輪が爆発したプレイヤーは例外なく死亡する。
首輪をむりやり外そうとした場合
ロワ会場の外に出た場合
侵入禁止エリアに入った場合
24時間死者が出ない状態が続いた場合は、全員の首輪が爆発
【放送について】
6時間おき(0:00、6:00、12:00、18:00)に放送が行われる。
放送の内容は、死亡者の報告と侵入禁止エリアの発表など。
【所持品について】
参加者が所持していた武器や装備などはすべて没収される(義手など体と一体化しているものは没収されない)
かわりに、支給品の入ったデイパックが支給される。
デイパックは何故か、どんなに大きな物でも入るし、どんなに重い物を入れても大丈夫だったりする。
デイパックに入っている支給品の内容は「会場の地図」「コンパス」「参加者名簿」「筆記用具」
「水と食料」「ランタン」「時計」「ランダム支給品1〜2個」
※「参加者名簿」は、途中で文字が浮き出る方式
※「水と食料」は最低1食分は支給されている。具体的な量は書き手の裁量に任せます

4 :
★書き手のルール★
【予約について】
予約はしたらばにある予約専用スレにて受け付けます。
トリップをつけて、予約したいキャラクター名を書き込んでください。
予約期限は5日(120時間)です。期限内に申請があった場合のみ、2日間延長することができます。
これ以上の延長は理由に関わらず一切認めません。
予約に関するルールは、書き手からの要望があった場合、議論のうえで変更することを可能とします。
【キャラクターの死亡について】
SS内でキャラが死亡した場合、【(キャラ名)@(作品名) 死亡】と表記してください。
また、どんな理由があろうとも、死亡したキャラの復活は禁止します。
【キャラクターの能力制限について】
ロワ内では、バランスブレイカーとなるキャラの能力は制限されます。
【支給品制限について】
ロワ内では、バランスブレイカーとなる支給品は制限されます。

5 :
【状態表のテンプレ】
SSの最後につける状態表は下記の形式とします。
【(エリア)/(場所や施設の名前)/(日数と時間帯)】
 【(キャラ名)@(作品名)】
 [状態]:
 [服装]:(身に着けている防具や服類、特に書く必要がない場合はなくても可)
 [装備]:(手に持っている武器など)
 [道具]:(デイパックの中身)
 [思考]
  1:
  2:
  3:
 [備考]
  ※(状態や思考以外の事項)
【時間帯の表記について】
状態表に書く時間帯は、下記の表から当てはめてください。
 深夜:0〜2時 / 黎明:2〜4時 / 早朝:4〜6時 / 朝:6〜8時 / 午前:8〜10時 / 昼:10〜12時
 日中:12〜14時 / 午後:14〜16時 / 夕方:16〜18時 / 夜:18〜20時 / 夜中:20〜22時 / 真夜中:22〜24時

6 :
前スレあと70kb分くらいあるけど、◆Jv氏の投下で埋まる可能性が高いので新スレ立てておきました

7 :
>>1乙です

8 :
即死判定って10レスなんだっけ

9 :
即死とかないのかも
前、4くらいしかレスなかったスレがいつまでも生きてたし

10 :
マジか
まあ過疎板だしなぁ

11 :
即死は無かったのか…

12 :
来ないな…

13 :
再予約キター

14 :
向こうに投下来たな

15 :
思い当って然るべきだった。
情報だけで構築された、情報の為のネットワーク。
……それは、物質を描いて作った錬成陣などよりも遥かに純度も密度も高い錬成陣となりえるのではないか。
参加者達の使用する掲示板やら何やらは全てカモフラージュだ。
本当に必要なのは、高密度の情報体そのもの。
インターネットこそ、この島の文字通りのライフライン。
アルフォンスは血を媒介にした錬成陣で魂を鉄の鎧に定着させることで、現世に居続けることが出来た。
携帯電話、そしてパソコン。自らの知らない鉄の技術。
それを応用して、この島のネットワークに魂を定着させることはできるだろうか?
……代価として、“扉”を開ける。
肉体など、いくら持っていかれてもかまわない。
元々首輪を外す手段として試みるつもりでいたのだ。
これを機に試してみるのは――悪くない、と思う。
それに、仮に、の話ではあるが。
もし誰かが錬金術を行使してくれれば、またこの体を持って戻ってくることが出来るかもしれない。
のろのろと両手を動かし、パン、と打ち鳴らす。
鋼の手と肉の手、二つが一つになり、ゆっくりと離れて行った。
そのまま両手は、携帯電話に。
――押し当てる。
光に融けていくのが、最後の感覚だった。
【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 消息不明】
**********
現場検証を始めてすぐ、鳴海歩はそれに気付く。
「……これは」
東郷の死体のすぐ傍に転がっていた、もう一つの死体。
年端もいかない少年のそれは、見覚えのあるものを握っていた。
「コピー日記……。なんで、これが?」
我妻由乃との邂逅で失ったはずのコピー日記。
それを、この少年が持っているのは、どうしてか。
「……やられた、か?」
無論、あの時学校に置いてきたのをたまたまこの少年が回収したのだろうと考えることもできる。
勿論そんな偶然を信じるつもりはない。
何故なら、コピー日記は一見単なる携帯電話にしか見えない。
当然、この道具の真の価値を知っている者だからこそ、あのどさくさに紛れて持って行ったと考えるべきか。

16 :
思い当って然るべきだった。
情報だけで構築された、情報の為のネットワーク。
……それは、物質を描いて作った錬成陣などよりも遥かに純度も密度も高い錬成陣となりえるのではないか。
参加者達の使用する掲示板やら何やらは全てカモフラージュだ。
本当に必要なのは、高密度の情報体そのもの。
インターネットこそ、この島の文字通りのライフライン。
アルフォンスは血を媒介にした錬成陣で魂を鉄の鎧に定着させることで、現世に居続けることが出来た。
携帯電話、そしてパソコン。自らの知らない鉄の技術。
それを応用して、この島のネットワークに魂を定着させることはできるだろうか?
……代価として、“扉”を開ける。
肉体など、いくら持っていかれてもかまわない。
元々首輪を外す手段として試みるつもりでいたのだ。
これを機に試してみるのは――悪くない、と思う。
それに、仮に、の話ではあるが。
もし誰かが錬金術を行使してくれれば、またこの体を持って戻ってくることが出来るかもしれない。
のろのろと両手を動かし、パン、と打ち鳴らす。
鋼の手と肉の手、二つが一つになり、ゆっくりと離れて行った。
そのまま両手は、携帯電話に。
――押し当てる。
光に融けていくのが、最後の感覚だった。
【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師 消息不明】
**********
現場検証を始めてすぐ、鳴海歩はそれに気付く。
「……これは」
東郷の死体のすぐ傍に転がっていた、もう一つの死体。
年端もいかない少年のそれは、見覚えのあるものを握っていた。
「コピー日記……。なんで、これが?」
我妻由乃との邂逅で失ったはずのコピー日記。
それを、この少年が持っているのは、どうしてか。
「……やられた、か?」
無論、あの時学校に置いてきたのをたまたまこの少年が回収したのだろうと考えることもできる。
勿論そんな偶然を信じるつもりはない。
何故なら、コピー日記は一見単なる携帯電話にしか見えない。
当然、この道具の真の価値を知っている者だからこそ、あのどさくさに紛れて持って行ったと考えるべきか。

17 :
悪い
重なった
続きはそちらがどうぞ

18 :
そうなると、だ。
「こいつが秋瀬或……か」
あの場にいたはずの関係者で、雪輝でも由乃でもないなら、それしか考えられないだろう。
放送の情報があてにならないというのは、掲示板にも書かれている。
あるいは何らかの手段で自分達を誤魔化して、死んだことにしたのかもしれない。
いずれにせよ、この少年はずっとこそこそ裏で動いていたのだ、きっと。
電話越しのやり取りを思い出す。
……警戒すべき相手だし、実際に言葉という矛を交えたこともある。
だが――嫌いにはなれなかった。
「…………」
黙祷を捧げる。
今できるのは、後はこの少年の遺志を継ぐこと。それくらいだ。
そして、東郷。
この男もまた、最後まで実直に在り続けたのだろう。
……まさか死ぬなどとは思えなかった。
理性ではなく感情の面で、想像が出来なかったのだ。
「……あんたが死ぬなんて、一体何があったんだ?」
目を閉じ、やはり同じようにする。
目的のために手段を選ばない男だった。
善でもなく、悪でもなく、ただ自分であろうとする存在。
……ある意味、自分が見てきた中で一番完成された人間だったのかもしれない。
だからこそその力を頼り、危険性を封じる為に、安藤と同行させたのだが。
……そう、安藤だ。安藤が、ここにはいない。
そのことにうすら寒いものを感じる。
彼の安否はどうなったか。それとも、彼自身がこれを引き起こしたのか。
物言わぬ躯と語らうことで、その片鱗でも拾えればいいのだが。
東郷の死体を見やる。
あんまりにも綺麗に、脳天が撃ち抜かれている。
だが、状況があまりに不自然だ。抵抗の様子が全く見られない。
この狭い部屋の中で、この男が何もできずこうまで圧倒された?
……有り得ない。これほど用心深い偉丈夫が、室内戦で後れを取るはずがない。
何らかの理由で全く抵抗が出来なかったと考える方が妥当だ。
……そう。
例えば、相手の意識を完全に奪う異能の様な。
しかし、しかしだ。
東郷の死因は、間違いなくこの銃痕だ。
そして自分の知る限り、あの能力はこの口径の銃と同時に扱う事は不可能なはずだ。
と、なると――最低でも一人、共犯者がいることになる。
思い当るのは、やはり先刻の狙撃手だ。

19 :
>>17
こちらこそかぶってすみません。
投下つづけます

20 :
「…………」
知人を疑う自分に、嫌気がさす。
だが、思考を止めることはしない。
それが自分に出来ることだと知っている。
たったひとつの冴えたやりかた、などと、何かを妄信するつもりはない。
ありとあらゆる可能性を試し、足掻き、藻掻き、進んで退いてを繰り返し。
この道の先を知らぬ人間でも、それでもいつか、どこかに手が届くのだ、と。
――それが鳴海歩なのだから。
頭を振り、検証を続ける。
まだ、あの少年が犯人だと決まった訳ではない。
……しかしだ。
やはりこの室内は綺麗すぎる。
秋瀬或と、東郷。最低二人はいたはずなのに、どちらか一方すら犯人と争った形跡がないのはやはり妙だ。
「…………?」
視線の先に、弾痕が止まる。
壁にぽっかと開いたそれは、一見流れ弾による産物のようにも見える。
が。
「……血液の飛び散り方と、射線軸が一致するな」
――壁越しに攻撃した、とでもいうのか?
馬鹿な、と自分の考えを否定する。
完全な盲射ではないか、と。
謎の狙撃手の仕業だとしても馬鹿馬鹿しい。
……だが、もしそうなら東郷さえ手も足も出なかった理由に説明がつく。
流石に壁越しに正確な攻撃を脳天に食らう、などというのは想像すらできないだろう。
異能による意識の喪失と、壁越しの奇襲。
これらが同時に発生したならば、流石の東郷でもどうにもなるまい。
……もし、壁越しに攻撃したとして。
予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、
こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ?
「…………」
結論ありきで考えている。それは分かっている。
――誰かに意識を誘導されているのかもしれない。
踊るのは慣れている。……この感覚は、身に染みている。
だが、それでも。自分にはこれしかないのだ。
大きく、ゆっくりと、時間をかけて溜息を。
酸素を取り込み、掻き乱された頭を整調する。

21 :
時間が惜しい。
一つの疑問点にかかずらってはいられない。
東郷の躯から、秋瀬或と思しき死体にまた視線を戻す。
「ん……?」
よくよく見ると、握っているモノはコピー日記だけではない。
もう片方の手には、メモ帳が握られていた。
それもわざわざ、自分の血に濡れないように。
「これは……」
――感嘆する。
そこには数々の、秋瀬或の得た情報や、そこから導いた考察が詰まっていた。
特に最後の方には、錬金術とその視点から見たこの島について詳しく書かれている。
エドワード・エルリックより聴取、と、小さく脇に記されていた。
几帳面なことに、この情報を聞いた時刻までしっかりと。
「エドワード・エルリック……か」
……この男は、何処にいる?
記された時間からして、まだ遠くには行っていないはずだ。
この惨劇が発生してからの時間は、きっと思うより遅くない。
おそらくは東郷や、安藤とも共にいたはず。
「探してみる価値は……あるな」
書かれている内容は錬金術を不完全とはいえ齧った自分には興味深いものばかりだが、
後で読み返すことにして一旦置いておく。
……自分の兄の名前が記されていたことも、今は保留だ。
懐に手帳をしまい、次に手を伸ばしたのはコピー日記だ。
これもまた、血に濡れないように気遣われていた。
「……懇切丁寧だな」
苦笑する。
……この男は、そういう男だ。
僅かなやり取りではあったが、十分に理解させられた。
もしかしたら最初から自分に遺すつもりでこうしていたのかもしれない。
神社で合流というのは、おそらく東郷達から聞いていたのだろうから。
「……っと」
ひらりと、二つ折りのコピー日記の隙間から紙が零れ落ちる。
「なんだ……?」
畳まれたそれを開いてみる。
――名簿だった。
一部の名前が赤に染まった、名簿。
「……っ!」

22 :
不自然なことではない。名簿に記された死人の名前は、赤く染まる。
だが、その中で一つだけ。
染まった方法が、明らかに違うものがあった。
「安藤……!?」
その名前が、真っ赤に染まっている。
この名簿の機能ではない、秋瀬或自身の、血によって。
――秋瀬或は、探偵だ。
こんな名簿をわざわざ、コピー日記に挟んでおいた、その意図は。
歩の中で、何かがカチリと填まる。
そう、コピー日記だ。
あの秋瀬或が、単に自分が秋瀬或だと自分に伝える為だけに、こんな回りくどいことをした?
否だ。
待て。
待て、待て。自分は先ほど何と考えた?
『予めそこに撃ち込めばこの結果がもたらされると確信していたが如く、
 こうも正確に脳天を撃ち抜く――その手段はなんだ?』
――そうか、と歩はしっかりと、秋瀬或のバトンを受け取った。
「未来日記。……安藤、お前は」
【ゴルゴ13@ゴルゴ13 死亡】
【秋瀬或@未来日記 死亡】
【F-5/神社/1日目/夜中】
【鳴海歩@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:疲労(中)、腹部裂傷(小)、貧血、左肩に深い刺創(応急手当済み)、両腕に複数の裂傷
[服装]:上半身裸
[装備]:秋瀬或のメモ帳、小型キルリアン振動機“チェシャキャット”(バッテリー残量100%)@うしおととら、コピー日記@未来日記、風火輪@封神演義
[道具]:支給品一式×3、医療棟カードキー、破魔矢×1、社務所の売り物(詳細不明)×0〜3、錬丹術関連の書籍、
    手錠@現実×2、警棒@現実×2、警察車両のキー 、詳細不明調達品(警察署)×0〜2(治癒効果はない)、
    No.11ラズロのコイン@トライガン・マキシマム、居合番長の刀@金剛番長、月臣学園男子制服(濡れ+血染め)、雪輝日記@未来日記
[思考]
基本:主催者と戦い、し合いを止める。
0:未来日記を得た安藤と狙撃手の協調への強い疑い。
1:放送の内容やネット情報、秋瀬或のメモについて考察したい。
2:競技場に向かい、趙公明の動向を探る。並行してエドワード・エルリックの捜索。
3:結崎ひよのに連絡を取り、今後の相談をしたい。
4:島内ネットを用いて情報収集。
5:首輪を外す手段を探しつつ、し合いに乗っていない仲間を集める。
6:カノン・ヒルベルトの動向には警戒。
7:『砂漠の星の兄弟(姉妹?)』に留意。
8:『うしおととら』と、彼らへの言伝について考える。
9:神社の本殿の封印が気になる。

23 :
[備考]
※第66話終了後からの参戦です。自分が清隆のクローンであるという仮説に至っています。
 また時系列上、結崎ひよのが清隆の最後の一手である可能性にも思い至っています。
※主催者側に鳴海清隆がいる確信を得ました。
 また、主催者側にアイズ・ラザフォードがいる可能性に気付きました。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については情報を得られていません。
※錬丹術(及び錬金術)についてある程度の知識を得ました。
※安藤の交友関係について知識を得ました。また、腹話術について正確な能力を把握しました。
※未来日記について、11人+1組の所有者同士でし合いが行われた事、未来日記が主観情報を反映する事、
 未来日記の破壊が死に繋がる事、未来日記に示される未来が可変である事を知りました。
※考察に関しては、第91話【盤上の駒】を参照。
※秋瀬或のメモ帳には、或が収集した情報とエドワードの錬金術についての知見、それらに基づく考察が記されています。
※神社の石段手前に中型トラックが停められています。
※ゴルゴ13の死体はブラックジャックのメス(8/10)@ブラックジャック、ジャスタウェイ(4/5)@銀魂、携帯電話(白)を身につけています。
※秋瀬或の死体はクリマ・タクト@ONE PIECE、ニューナンブM60(4/5)@現実を身につけています。
※ゴルゴ13の死体の傍にデイパック(支給品一式、賢者の石@鋼の錬金術師、包丁、不明支給品×1(武器ではない)、熱湯入りの魔法瓶×2、ロープ
 携帯電話(黒)、安物の折り畳み式双眼鏡、腕時計、ライターなどの小物、キンブリーの電話番号が書かれたメモ用紙)が落ちています。
※秋瀬或の死体の傍にデイパック(支給品一式、各種医療品、 天野雪輝と我妻由乃の思い出の写真、ニューナンブM60(5/5)@現実、.38スペシャル弾@現実×20、
 警棒@現実×2、手錠@現実×2、携帯電話、A3サイズの偽杜綱モンタージュポスター×10、A3サイズのレガートモンタージュポスター×10
 永久指針(エターナルポース)@ONE PIECE)が落ちています。
**********
目の前で、エドワードが撃たれた。
たったそれだけで、安藤は混乱の極みに陥った。
何故?
どうして?
誰が?
何処から?
今すぐここから逃げる、という選択肢さえ、考える余裕はなかった。
こんな筈ではない。
こんなの予定にない。
妄信は依存を生み、依存は安寧を育てる。
然らば、依存を失った安寧は淪落するが道理というものだ。
「そんなっ! なんで……!?
 駄目だ、こんなの駄目だ! エド、エド!」
半狂乱。
かろうじて理性がアトラスのように自我を支えているだけで、安藤は己の体調をも顧みずエドワードに縋りつく。
捨て去ったと思っていた罪悪感はちっともそんなことなく整然と心に積み上げられていて、あたかも図書館の本棚の如く自分の周りに聳え立っている。
……ただ整理をつけて、動き回るのに支障はないようにしただけ。
どこまで行っても安藤は、その心は、どこにでもいる普通の人のものなのだから。

24 :
「エド、駄目だ! あんなこと言っといて死ぬなよ!
 お前……っ、ウィンリィさんを守るんだろ! 救うんだろ!?
 俺とおんなじで、弟がいなくなって、辛いんだろ?
 だったら駄目だ! ちゃんと最後まで生き抜いて、あいつを――死んだあいつらを救わなきゃ!」
喚き散らす。
涙と鼻水と血が顔面をぐちゃぐちゃに汚し、ついた膝は泥塗れ。
尊厳とか誇りとか、そんなものとはこの世で一番程遠い姿である。
実に惨めったらしい。
けれど、エドワードはそんなことはお構いなしで。
目の前でごそごそ何かを取り出すと。
「……エ、ド?」
呼び掛けは虚空へ。
エドワードは自分を見てなどいないのだと、脳漿に氷柱をぶっ刺されたように急速に理解した。
これ以上一人相撲を続けることはできず、けれどこのまま黙って何もしない訳にもいかず。
硬直した僅かな間のその隙に、安藤の出来ることは全て終わっていた。
唐突にまばゆい光が目の前で起こり、焼かれないよう一瞬目を閉じる。
とっさに掲げた腕がその動きを止める頃には、事態はとっくに終わっていたのが間抜けな光景ではある。
ちかちかとする視界を無理にこじ開け、目を眇めながらすぐ先のエドワードを確かめる。
「エド?」
返事はない。
急に辺りが冷え込んだように、感じた。
「……え、あ?」
そこに動く影は、もはや安藤一つしか存在しなかった。
エドワードがいた場所には、首輪と、服と、彼の荷物が転がっている。ただそれだけ。
どういうしかけか、機械鎧はそこにはない。
ベージュとハートの携帯電話が、やけに月明かりに輝いていた。
「え……、何、が」
理解できない。
銃で撃たれた、それだけなら理解はできる。
たとえ取り乱してもちゃんと筋道立てて考えられる。
……もう、安藤の頭は飽和状態だ。故に完全な思考停止に陥る。
倒れた。光った。消えた。
安藤に分かるのはそれだけ、因果も何も見えては来ない。
何も分からず、何もできず、ただそこに立ち尽くしていた。
たった一人で。
……一人? いや、違う。

25 :
ざり、という音が、安藤のすぐ傍から届く。
はっとして顔を挙げる。
佇む影が、静かににじり寄っていた。
まるで幽鬼のように音もなく、しかし、おぞましいほどの笑みをその顔に浮かべて。
「電話をかけてみて正解だったね。
 どっちが僕に連絡を入れてきたのか分からなかったから、試しただけなんだけど。
 こんなに簡単に君を特定できるとは思わなかったよ」
言葉が出ない。
ああ、神様。それとも悪魔?
こので、何を自分に求めているのです?
「やあ……」
たった今戮を行ったばかりのその手を柔らかに伸ばし、人好きのする表情で。
それは、告げた。
「初めまして、僕はカノン。カノン・ヒルベルトだ」
【D-4/川辺/1日目/夜中】
【カノン・ヒルベルト@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:疲労(小)、全身にかすり傷、手首に青痣と創傷、掌に火傷、“スイッチ”ON
[服装]:月臣学園男子制服
[装備]:M16A2(12/30)@ゴルゴ13、理緒手製麻酔銃@スパイラル〜推理の絆〜、麻酔弾×15、携帯電話(シルバー)
[道具]:支給品一式×4、M16の予備弾装@ゴルゴ13×3、パールの盾@ONE PIECE、
    大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー、
    五光石@封神演義、マシン番長の部品、秋葉流のモンタージュ
    不明支給品×1
[思考]
基本:全人類抹
1:鳴海歩と合流は保留。通信ネットワークの存在下における最適な殲滅方法を再定義。
2:安藤(兄)への興味。
3:十分なアドバンテージを確保した状態であれば、狙撃による人類の排除。
[備考]
※アイズ・ラザフォードを刺してから彼が目覚める前のどこかからの参戦です。
※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。
※みねねのトラップフィールドの存在を把握しました。(竹内理緒によるものと推測、根拠はなし)
 戦術を考慮する際に利用する可能性があります。
※森あいの友好関係と、キンブリーの危険性を把握しました。

26 :
【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:全身打ち身(中)、頭部裂傷(小)、腹話術の副作用(大)、魔王覚醒、風邪気味
[服装]:飼育員用のツナギ
[装備]:人日記@未来日記(機能解放)
[道具]:イルカさんウエストポーチ、菓子数個、筆記用具(以上全て土産物)、土産品数個(詳細不明)
    水族館パンフレットの島の地図ページ、携帯電話(古い機種)
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦う。危険人物は可能な限り利用した上で同士討ちを狙う。
0:エドワードの消滅とカノン・ヒルベルトの意図に混乱。
1:首輪を外す手段と脱出、潤也の蘇生の手掛かりを探る。
2:闘技場に向かい、C・公明の企みに介入する。可能ならば病院で治療も。
3:し合いに乗っていない仲間を集める。利用できるならし合いに乗っていても使う。
4:歩本人へ強い劣等感。黒幕の一味との疑い。
5:エドの機械鎧に対し、恐怖。本人に対して劣等感。
6:リンからの敵意に不快感と怯え。
7:関口伊万里にやりどころのない苛立ち(逆恨みと自覚済み)。
8:今後の体調が不安。『時間』がないかもしれない。
[備考]
※第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です。
※鳴海歩から、スパイラルの世界や人物について彼が確証を持つ情報をかなり細かく聞きました。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については
情報を得られていません。
※我妻由乃の声とプロファイル、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。由乃を警戒しています。
※未来日記の世界と道具「未来日記」の特徴についての情報を聞きました。
※探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。
※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。
  詳細は鳴海歩の状態表を参照。
※掲示板の情報により、ゆのを一級危険人物として認識しました。
※腹話術の副作用が発生。能力制限で、原作よりもハイスピードで病状が悪化しています。
※九兵衛の手記を把握しました。
※月食が"何か"を引き起こしかねないという考察をエドに聞いています。
※秋瀬或から彼自身の考察や鳴海清隆についての話をある程度聞いています。
※エドワードと秋瀬或の交渉の中で、エドワードの考察をある程度聞いています。
※キンブリーと趙公明の繋がりを把握しています。
※携帯電話(ベージュ+ハート)、エドワードの首輪、エドワードのコートと服、バロンのナイフ@うえきの法則、
 デイパック(支給品一式(二食消費)、かどまツリー@ひだまりスケッチ、柳生九兵衛の手記、食糧1人半分、割れた鏡一枚、土産品数個(詳細不明))が安藤の目の前に落ちています。

27 :
以上で代理投下の代理終了です。
書き手さんと途中まで代理投下された方、投下乙です。
こっから感想。
ゴルゴォォォォォォォォォォ!!
…この人が亡くなるところが見られるのは新漫画ロワだけだな。
状況だけなら完全に安藤兄が詰みだったのに……逆に追い詰め過ぎたのがアダになった。
そしてエド、或、お疲れ様。
現時点で一番主催に近い人物か!?と思いきや
本当に「鳴海清隆と接触したところで役割は終わりだ」と言わんばかりだった。
フラグとダイイングメッセージが歩の元に渡ったのはせめてもの救いか
…しかしそれも主催の思い通りっぽいという
そして、ドシリアスな状況なのに
「巨大好き」と言うゴルゴを想像して不覚にも笑ってしまったじゃないか…
>捨て去ったと思っていた罪悪感はちっともそんなことなく整然と心に積み上げられていて、あたかも図書館の本棚の如く自分の周りに聳え立っている。
>……ただ整理をつけて、動き回るのに支障はないようにしただけ。
そして、氏のこういう言い回しがすごく好きだ。
大作を本当に乙です

28 :
投下と代理の代理投下乙です
ゴルゴが死ぬとは……
でもこれって依頼人の意図を無視して都合よく解釈して二重に依頼を受けた…
これは原作のゴルゴならやらなかったのにやった…のか? ルール違反なのか? 
ならルールを破った者には死を…か
そうだったのか。主催に近いのでなく役割が終わったのか
最後のメッセージもまた神の思い通りか
エドは最後の最後でとんでもない事をw また○○不明かよwwwww
だか、とてつもないフラグが立ったかも
安藤兄は……なるほど破局への種は既に蒔かれていたのか
ああ、怖い怖い。最後の命の炎は消えそうな…そんな時にカノンキター
いやあ、お帰りなさい
一度は挫折したがよく書き切ってくれました
もう一度言います。お帰りなさい

29 :
そう言えば
ゴルゴ13の最期の台詞は「巨大好き!」になるのか…
ある意味、今回の話でこれが一番可哀想かもしれんw

30 :
とりあえず
>神様同士が殴り合って、気持ちよくケリを付け合って、消える間際の誰かが胸をそらして勝利を誇る。
漫画ロワのことか…漫画ロワのことかーーーっ!!
いやほんと漫画ロワとは真逆の方向に突き抜けてる感があるよねこのロワw
ひさびさの投下乙でした!

31 :
投下乙です!
「読み応え」とかこういう話のためにあるような言葉だなとつくづく思いました
特大フォントで「巨大好き!!」って言ってる様子が目に浮かぶわw
死亡者欄がゴルゴだけ異彩を放ちそうだ
まさかの人間ばっかり退場して先が読めないにもほどがあるというか、
「消灯ですよ」のタイトルからして安藤オワタとまんまとひっかかった。
ネットワークを使ったギミックにはもうやられたとしか言いようがない
エドはどうなる?
ズタボロだけど運命にあがき続ける主人公らしい主人公たち(つーかカノン以外全員主人公経験者か)が読めて本当によかったです

32 :
乙でした〜
ゴルゴでも人間関係を軽視すると死ぬというのが、ロワやなぁ

33 :

予想外な展開ばかりで楽しませてもらいました!
ゴルゴwww

34 :
またか……またキンブリーかw

35 :
確かにキンブリーも間接的に一枚噛んでるわw

36 :
一番戦闘力もない一般人に限りなく近い安藤が生き残ってる所に容赦なさを感じる
今はゆのっちの方が安藤よりも修羅場慣れしてそうな気さえするわw
「一般人」って、「対主催」ってなんだったっけ……
そしてやっぱり死亡者のゴルゴのセリフがやばいwww

37 :
すごかった
クロスオーバー作品でそれぞれの原作の味を生かしきるとこんな作品が出来上がるんだ
安藤とカノンの最後の位置を考えると分裂した潤也に遭遇しそうなのがまたえげつない

38 :
関係の破綻は必然だったか
どんな達人でも一瞬意識を奪える安藤兄の腹話術は結構怖い能力だなー
ネットワークを使った錬成陣は凄く面白い発想
そして何気にカノン無双だな

39 :
>>38
カノンは紙メンタルだったからさずに済んでただけで、冷静になると凄いからな
一般人が軽く数十人はいる学食で「その気になればここにいる全員を20秒以内に皆しにできるよ」とかぬかすレベル

40 :
それに加えて腹話術と人日記だからなあ、ゴルゴでも後れを取るのは仕方ない
地味に残り19人で20人切ったね、もう終盤か……
フラグが歩に収束しつつあるとはいえマーダー6人+ハイブリッドな生物も残ってるよ、これどーすんだw
まあ競技場で一気に減るとは思うけど

41 :
競技場へ行くまでにもう一波乱ありそうな気もするがやっぱり難所は競技場かな
競技場への移動で誰かとご対面しそうだし
あ、マーダーの数と能力が逆転してる様な
ロワ序盤は少ないと言われてたのにw

42 :
何だろうな。改めて死亡者リスト見ると、対主催展開で死んだのがヴァッシュくらいしかいないっていう
ロワとはいえ殆どが鬱死にって何なんだ…

43 :
それこそが新漫画クオリティ

44 :
戦闘力よりも相手の心理を読み解く能力のほうが重要なんだよな

45 :
その読み解いてるのも誰かに誘導されてる雰囲気が付いて回ってるのが救いが無いというかw

46 :
今回のキンブリーの仕事は
・ゴルゴと密会
・エドを挑発
・安藤を覚醒
あたりか?
なんか清隆に気に入られてるんだろうかこいつはw

47 :
隣国の軍を煽動して自国にけしかけた奴だからなキンブリー

48 :
でもこのロワの最後ではどうなるんだろう?
清隆とご対面してお前は掌の上で踊ってただけみたいな事を突きつけられたら…

49 :
キンブリーの死因としては、安藤を脅かす要因=携帯電話(交換日記)をゴルゴにぶっ壊されて死亡ってのを
おぼろげながら考えてたけど、死因が一つ減ったな!

50 :
うーん、しかし安藤を追ってくと転落っぷりが笑えるレベルだなw
カノンとどう動いてくつもりだろ

51 :
書き手諸氏がこぞって苛めるからこんなことになったんやwww
悲劇なんやなwwww
いいぞもっとやれ

52 :
ゆのっちの件含めて何かをさせたいんだろう
それまでは死ぬことは無い
そう、どんなにズタボロにされても…

53 :
最初は幸運だったけど急転直下なゆのっちとドン底から真綿で首を締められ続けてる安藤か・・・
地図見たら案外近くにいるし、もしかしたら2、3話中に再開するかもね

54 :
しかしこれだけやられて、かつやらかしても頭のネジが吹っ飛んだだけで方針は間違いなく対主催なんだよな
そこはさすがあの魔王の主人公だわ
うまく腹話術と人日記とカノンを組み合わせて利用出来たらトリックスターになるかもしれん

55 :
んなこと書くと次の話で瞬されるぞw
でもホントゆのっちと安藤は絶望ツートップだな

56 :
安藤兄
重度の劣等感
不信
人日記
腹話術の副作用
生贄フラグ
安藤弟
獣化
憑りつき
融合
分裂
蝕フラグ
もうやだこの兄弟
しかもまだ色々あった気がしてならない

57 :
安藤兄はとらに擬態されたりゆのに目つけられたり写真ばらまかれたりしてたなwww
まあ先に相手が死んだんだけど
あと地味にいろんなやつに危険視されたり敵視されたりしている
安藤弟は生前もだっきちゃんに金剛番長の脳味噌食わされたりなんだり
そういやゆのは意外にも律儀に伝言してくれたな

58 :
しかもエドを守るためのひと芝居ではあったのにカノンがやらかしたからなあ
スイッチ入ったブレチルを甘く見てたのが原因だろうが
しかしこのカノンもこえーなあ
今生きてるマーダーってどっかに遊びがあったり戦闘を楽しんだり怯えが残ってたりが多いから、一番容赦のない人者かもしれん

59 :
>>56
兄弟揃って女の子(ひよの、剛力)のあられもない姿を見てる

60 :
落ちた?

61 :
当分は予約は来ないかもね
気長に待とうよ

62 :
すいません冗談抜きで人生左右する局面にいるんす、リアルに注力しないと食いぶち無くなりそうであと半年は書けそうにないっす。
決して、決して見捨てた訳ではないんじゃよ……。

63 :
半年待てば投下が来るのか
wktk

64 :
時期によって仕事量がまったく違う職種とかかな、SE系とか
リアル大事だし無理せずリアル落ち着いてから来てくださいね
私はいつまでも待ち続ける

65 :
俺も何時までも待つよ

66 :
予約キター!!

67 :
来てるぞw

68 :
うわっほい!!
明後日就活面接だが楽しみで良く寝れるぜ!!

69 :
そういや、結局エドってこれで何回扉を開けたんだろ
そろそろ真理に呆れられそうだな

70 :
その真理の扉そのものもコピーの可能性があるからな……
案外清隆のいた空間辺りにエドの肉体は行ってるかもしれん
しかしエドが魂をネットに定着させたって事は、ひよのとか辺りとおもしろくなりそうだな

71 :
月報間に合うかな?
投下いたします。

72 :
表が出たら僕の勝ち、裏が出たら君の負け。
ゲームにすらならないコイントスを、神は投げ続ける。
#####
赤い。
砂漠ではあるまじき水と氷の演舞の先。
目の前を歩く男は紛れもなく赤い服に袖を通している。
視界の悪さは砂嵐と似たようなものだが、それでも見間違える距離ではない。
錯覚とも思える光景だった。
むしろ錯覚だった方がありがたいとすら思う、想像の範疇から遠く飛び出したものだった。
そこにいるのがヴァッシュであるなら、これから向かう先が競技場だろうが地獄だろうが墓場だろうが納得いく。
ミッドバレイは何度も繰り返し、森が消滅した後の出来事を辿る。
ヴァッシュは死んだ。放送でも呼ばれている。
問題はその後だ。
ナイブズが真っ二つにされた男に墓を作ってやり、ハデな貴族のような男と小娘を追っている。
間違いはない。
なんの間違いもない。
よもやすぐ前を歩く男が、実はヴァッシュなどということは決してない。
中身が入れ替わるといった酔狂な話ですらない。
貴族から手渡された戦闘のチケットを投げ返すために、ナイブズは進んでいる。
それが目的だ。
そしてまた確認する。
ヴァッシュではないのだ。
決して、あの娘を追っている訳では――
「ミッドバレイ」
唐突に名を呼ばれる。
反射的に身構えた。
ナイブズが声をかけるタイミングは、考えを覗かれていないかと疑るほどに悪い。
叩きつけるみぞれが耳障りだ。
鮮やかな赤が濡れて色を黒く変え、擂鉢状態になった森での喧騒で土がこびりついている。
ナイブズは、こんなにも雪や土砂が似合う男だっただろうか。
「走らせろ」
ナイブズが視線で指すところに、車が数台残っていた。

73 :

#####
道を別ち、またひとつに戻った片割れが、そしてその片割れが命を懸けて救おうとした者が呼ばれている。
放送が終わり、そこで改めて喪失を味わう。
GUNG-HO-GUNSもほぼ全員死に至ったが、このほどには遠く及ばない。
ヴァッシュ・ザ・スタンピード。
自身でも呆れるほど、その名を繰り返す。
眼前で見送ったにも関わらず、お前はもういないのかと、無意味な言葉をなおも話しかけようとする。
そこでやっと気づく。
無意味、そう無意味なのだ。
これは喪失を受け入れる、慰み程度の感情に過ぎない。
ヴァッシュも、喪失を博愛主義で埋めていた。
滅ぼした人間に自責の念を感じているため、その博愛は無償でも、無条件でもない。
博愛主義も、都市を失わせた埋め合わせと言ってしまえば、終いである。
そして投げた愛のブーメランに、された。
ここまでくると馬鹿者である。
馬鹿者ではある……が、ヴァッシュは貫いた。
生半可な覚悟で貫ける意思ではないと、ナイブズはよく知っている。
自らの何を失おうが他人の命を選ぶ、強靭で一途すぎた志だ。
プラントと融合を望んだときも、そしてこの戮の場でも抜きん出ていた。
異常なまでの博愛だったのだとわかる。
永遠の別れなど、砂漠の星においては容易に描けた。
文明はあるが犯罪は蔓延る。一般人であろうと命は死と隣り合っているのが常である。
西沢歩という取り立てて目立たない少女がいたからこそ、その当たり前がない、平和呆けができる世界の存在を知った。
ヴァッシュが望んでいたような地だ。
娘はヴァッシュと最初に出会うべきだったのだ。
平穏であればあるだけヴァッシュの『守る』意義もなくなる。
ただでさえこの世に居ることに価値を見ていない兄弟である。
自己同一性が更に揺らぐだけだが、それでもあの弟は、そのような世界の存在を喜んだのだろう。
今や知る術はない。
持ってくる力も持っていく力も届かない、絶対的な溝の向こう側へヴァッシュはった。
放送を鑑みて思う。
ヴァッシュが救いたがったのはひょう一人ではない。
"人間"だったのだ。

74 :
これまでに五十人ほどの命が一様に消えている。
目の前では数人、知らぬ場所では多数、リタイアした。
ヴァッシュはその命を背負う気概でいたのだ。
たった一人の優勝者の枠を懸けた戦いだ。人間同士、火種も怨みもあっただろう。
その全てのしがらみをも一心に引き受けるつもりで、助けに向かっていた。
ならば奔走し、命を狙われるのも道理であったと、言わざるを得ない。
それが身を滅ぼすと承知していてもなお、見捨てずにいた。
愛するべき者を、愛しきった。
胸の閊が、今しがた無意味だと結論づけた感情ですすぎ流される。
ラブアンドピースを掲げるまでほだされてはいない。
だが、ヴァッシュが最期まで想い救おうとした、既に亡き五十の重さを、代わりに背負ってやる程度ならできる。
生きてきた百五十年に上乗せすることなど雑作もない。
五十そこらの命を多数と称するなど、砂漠の星を制覇しかけた頃には考えもよらない話だ。
――クズまで救おうとしてないか――
天地崩壊のさなか、ヴァッシュに突きつけた現実が、目の前に靄として出現する。
五十の人間の中に知己の者、袖振り合った者は合わせても両手に余る人数だ。
名も知らぬ残りの死者には、必ずやあの時と同様、他人にすがり付き寄生し、蹴落とし醜く無様に這いずり回る愚者がいただろう。
『(これだけはいえる
 僕が消してしまったあのたちは
 優しかったんだ……)』
恫痛と孤独を抱えながらも、愛を枯らすことを忘れなかったあの男が、想像以上に侵食しているらしい。
不思議ではあるが、胸がむかつくような悪い気分はしなかった。

75 :

ミッドバレイにハンドルを託したナイブズは、助手席ではなく後部座席に腰を下ろした。
他人の支給品が雑多に増えていったデイバッグから、携帯可能なパソコンが入っていたのは確認済みである。
競技場までこの足を転がしていけば、そう時間はかからない。
到着までに新たな情報を素早く取捨するには、携帯電話の小さな画面よりパソコンを接続した方が手間がかからずに済む。
この地に来てから丸一日が経とうとしているにも関わらず、立ち上げるどころかウィンドウを開いた様子もない。
初期画面を片付けると、研究所で繋いだサイバー環境に限りなく近いものへと変貌した。
電脳のネットワークは凄まじい勢いで構築されているようだ。
ウェブ上の掲示板には書き込みが増えていた。
ひとつは名簿には無い名への呼び掛けだ。連絡方法まで紹介している。
放送では呼ばれていないなら、このツールはまだ生きている。
念の為『エドワード・エルリック』のアドレスを拾い、携帯電話に保存をする。
もうひとつ……問題のある書き込みに、ナイブズは携帯を握り潰しかける。
直接名を出してはいないが、ナイブズを騙るような真似をする輩が、まだいるらしい。
投下の主はあの現場をどこかで見ていた。
謀を目論んでいる。
趙公明の目的は戦闘だ。
人質を用意し、多くの者を誘き寄せている。
ナイブズ自身が書き込んだならともかくも、呼び掛けの理由が『人質の娘を助けたい』でないのは明白だ。
心から助けたいのであれば、騙る必要などない。
戦闘の促進、趙公明との相討ちを狙っているといったところか。
暗闇に灯火を用意して、飛び込む虫を誘っている。
これについて無論考えるところはあるのだが、他者の人間関係より優先順位が高い情報が更新されていた。
天気予報である。
戦闘狂が指定した時間からの天候が、ディスプレイに表示されている。
  00:00〜06:00:快晴(強風注意報)
  00:00〜02:00:皆既月食
嵐のピークは過ぎる。
疑いようもない。安定しない天候はやはり不自然だ。
そして新たに加わった情報は、天候の問題ではない。

76 :
皆既月食。
大地の自然循環ですらない。
月が陰るのは宇宙の理のひとつだ。
宇宙をも揺り動かせるということか。
雪が降る天候に続き、未知の景色が待ち構えている。
天候など、小さな星のせせこましい現象に過ぎないのだと言わんばかりに、仰々しく掲載されていた。
共に貼り付けられている画像を確認した。
数個の月が一列に並び、端から欠けていく様子が写し出されている。
グランドクロスのように規則正しく五つの月が並ぶはずはない。
時間の経過を表すために、一つの月を一つの画像へ収めていると思われる。
画像中央へ向かうに従い月は光を失い、赤銅色を帯びる。
中央を過ぎると光を取り戻し、白い輝きを膨らませていった。
月の海に見慣れた形はない。
予想はついていたが、クレーターのどれを取ろうが、画像の月は五つの月と合致しない。
皆既月食とはこの星にはひとつしかない月が、短時間で欠けていく現象を指すようだ。
皆既月食とは何か、ご丁寧に説明をする画像があるのならば、その知識がない者が複数存在するのだ。
実際、ナイブズは知らなかった。
反対に一定数、恐らく半数前後の人間は皆既月食の実態を知っている。
集められた者全員が知らない自然摂理を持ち出したところで、恐怖を煽り絶望を増長させる効果は極めて薄い。
嵐を知らない人間は、前兆になる雲の流れを気に留めないものだ。
しかし、画像を貼り付ける意義はそれだけだろうか。
皆既月食が何かを知っている者に対しても、画像を貼ってまで「こういうものだ」と説明する必要はあるのか。
絶対不可欠では無い。
そう言い切れる。
文章で表せば数文字で済むはずなのだ。
天候の操作には、地下から目を反らす以外にも役割があると仮定する。
天気予報が表示されだしたのは、日が昇り出してからだ。
午前・午後・夜・深夜の四度に渡り、天気予報が更新されている。
表示されている通り、雲は太陽を隠し、空から氷の欠片が降り、雨へと変わっていた。
深夜までの天候も、今のところは予報に沿っている。
天気予報に関しては、螺旋楽譜や探偵日記などといった他者の主観に基づくネットワークと比較すれば、一番具体的かつ客観的な情報である。
記載通りに天候は移り変わり、ある程度信用を得ているだろう。

77 :
だからこそ。
『必ずその天候になる』と印象をづけ、刷り込んでいるとは考えられないか。
"本物の皆既月食"が起こると思い込むように、誤認させようとしている可能性がある。
画像はそのブラフ、もしくは布石と取れる。
"本物の皆既月食"が素直に起こるとは考えられない。
ただ月が陰り、復活するだけで終わる可能性は除外してもいい。
半ば無視する形でも構わない。
奇術師の常套手段だ。
GUNG-HO-GUNS四番手の、絡繰人形を用いたゲリラ戦法の丁度真逆である。
何度も本物を見せ、トリックのタネになる偽物も本物だと見せかける。
木の葉を隠すのは木の葉の中、ではない。
危険な本命を隠すには信頼のおけるもので囲い、警戒を解いていくものがいい。
数回に渡り正しい情報を流して信頼を持たせ、疑う感覚を麻痺させているのだ。
皆既月食の画像は、高めてきた天候情報の信憑性に、更に鮮烈なイメージを付加させている。
特に、予備知識として皆既月食を知っている者は陥りやすい。
起こるのは"本物の皆既月食"であり、その他の何物でもないとのイメージが既に築かれているからだ。
ナイブズは皆既月食を理解はしたが、『月が短時間で欠ける』と聞いて真っ先に浮かんだのは……
フィフスムーンである。
ヴァッシュの力が月を穿ちクレーターを残した、あの事件。
隕石であろうと作りえない巨大な孔だ。
言い方を変えれば、月が欠けたと称せなくはない。
・"皆既月食"は、月を消し飛ばすなり、もしくはそれに近い強大な現象を引き起こすなりの方便として引き合いに出されている。
あるいは、
・プラントの暴走に近い、苛烈なまでに膨大なエネルギーを放出する直喩。
あまりに突飛な仮定であるのは自覚している。
地下施設に対しての考察も確証はなく(重要視できる施設であるのは確かだろうが)、
上塗りするように代入した論理的でない理論は現実味を無視している。
仮定に仮定を重ねた、机上の空論だ。

78 :
支援

79 :


80 :
どちらにせよ、世界が一変するイベントを準備している。
しかし何より不快なのは、今の考察に辿り着くのに必要な絶対条件、
『皆既月食は知らない』『一般的な月食や月が物理的に欠けた事件は知っている』、
この二つを満たす関係者を参加させていることだ。
少なくともノーマンズランドから来た者が該当する。
用意していた"皆既月食"に関して、懐疑の目を向けると予想はついているはずだ。
誰が生き残ろうと、気づく事は想定内としての人選である。
『空想的な"皆既月食"概念を考察することすら、神のシナリオ通りだと言いたいのか』
更に、先の仮定を考慮すると、まだ引っ掛かる箇所があった。
ミッドバレイには関わりがない、ナイブズのみ当事者になる問題だった。
フィフスムーンへ実際に孔を空けたのはヴァッシュだ。
より細かくいうなら、プラントの力である。
フィフスムーンの事件の再来を暗示させているのならば、月を欠く現象を完遂させる為のエネルギー源として、
搾取されている同胞、下手を打てばナイブズ自身がキーファクターに選ばれる危険がある。
無論易々とされる気は毛ほどもないが、レガート・ブルーサマーズのこともある。
ヴァッシュと融合したことにより、プラントの力は回復した。
キーファクターどころか……
皆既月食が何を表しているにせよ、ヴァッシュ・ナイブズ含むプラントの存在は、神の目論見の歯車として用意されていたとでもいうのか。
この用途だけに生きていくのは、許しようがない。
唐突に、山を越した向こう側、施設でいえば工場があるあたりで爆発音が轟く。
火薬などの見知った爆裂ではなかった。生命エネルギーの暴発のようである。
今いる山麓では、爆発衝撃の余波は窮めて小さくなっていた。
が、未知の生命エネルギーでも覆い隠せなかった一筋の"糸"が、ナイブズを絡め取る。

81 :


82 :

#####
肉を腹一杯に食い、まだ食事を続けているゾッドを待つ間に、キンブリーは今まで情報の整理をしていた。
情報はまるで子供向けのゲーム、七並べのようである。
全体像を浮かばせるには各々の手札を全て提示しなければならないが、誰かが六や八で止めている。
キングやエースがどれほど重要な情報を抱えていようが、必要な札が出てこなければただの荷物でしかない。
キンブリーは止める側だ。
《神》の麾下の未来を知り得る日記、二人の出戻りなど、まず間違いなく何枚か良いカードを手中にしている。
加えて安藤潤也の兄と潮の火種も用意している。
だが、他人に手札を出させるほど力を持つ情報はまだまだ足りない。
はっきり言って、この場ではいかなる情報も嫌らしいけれん味ばかりを感じる。
生き残る為に使えなくはないが、人を食いつかせるには弱い。
神の内輪で反乱が起こっている可能性、ゾッドとウィンリィ・ロックベルの存在意義など、
そう事実から遠くはないと思われる切り札はある。
もう一押し、実用的な材料があればいい力になる。
そこをひり出せばいい。
キンブリーは二度世話になった"あの"ギミックを思い返す。
首輪やら空間を繋げるやら、《神》側は奇怪なギミックを仕掛けている。
首輪は文字どおり枷の役割。
出戻り二人にですらしっかりと填められている。
空間を切ったり貼ったりしているというのは、龍脈の流れによるものか、趙公明のいうところの宝貝なるものが発動しているのか。
処処未確定だが、大方それに近いだろう。
しかしもうひとつ、この島にいる者へ平等に仕組まれたギミックがある。

83 :

名簿だ。
首輪も空間の切り貼りも、実利的な目的がある。だが名簿はどうだ?
白紙から文字が浮かぶ。死亡者を認識すると赤く染まる。
こんな無意味なことはない。
ただの印刷であれば配るだけで済む。
地図の立ち入り禁止区域でも赤くした方が実利的だ。
効能は肉親友人知人他人を亡くした参加者に万感交到らせるか、
あとはせいぜい森あいと安藤潤也に施したように、虚像を見せて混乱を導けるぐらいである。
目的無くして手段は存在しない。
死者の名前を彩り、恐怖と絶望を植えつけるにしては、どうも動機が不明瞭だ。
そこで登場するのが出戻りという糸口だ。
出戻りという要素を加えると、この無意味に見えるギミックに『目的』が生まれる。
死んだと思った人間の名が染まる。
名簿の変色は不可逆で、元には戻らない。
放送が過ぎれば、気絶やら睡眠やらで聞いていない者以外は一様に同じ変化を辿る。
復活を遂げた者は名簿の情報から漏れて、自由に裏工作が可能となる。
出戻りを知った参加者が、便乗する形で撹乱を狙い、利用するように仕向けているのではなかろうか。
それどころか、《神》はあらかじめ……蘇りが出るのだと想定していたのではあるまいか。
二人の出戻りの名前が呼ばれたのは第二放送後だ。
ゾッドの言では、戦線復帰した時にはまだウィンリィ・ロックベルは帰還していなかったとのことである。
それよりも遥かに前、道標は既に、このゲームが始まった頃から用意されていたのだ。
――シナリオが覆らない証として。
《神》の不和で感じられる、『一人になるまでし合え』とのルールの矛盾。
仮にあの道化とは進行司会者役グループとしておく。
ゾッドを再び送り込んだ者は、ルールの矛盾から、進行司会者役グループとは少なくとも違う役割を持ったグループに所属しているとわかる。
具体的には、反乱を起こしているであろう者だ。
《神》の黒幕は、反乱分子が出戻りを仕組むことすら、ゲームを始める準備段階から『予想』をしていた。
いや、『予想』では生温い。
  緻密な計算。
  思惑の誘導。
  運命の俯瞰。
闡明した名簿という座標は、どこまでも残酷である。

84 :


85 :


86 :

名簿だ。
首輪も空間の切り貼りも、実利的な目的がある。だが名簿はどうだ?
白紙から文字が浮かぶ。死亡者を認識すると赤く染まる。
こんな無意味なことはない。
ただの印刷であれば配るだけで済む。
地図の立ち入り禁止区域でも赤くした方が実利的だ。
効能は肉親友人知人他人を亡くした参加者に万感交到らせるか、
あとはせいぜい森あいと安藤潤也に施したように、虚像を見せて混乱を導けるぐらいである。
目的無くして手段は存在しない。
死者の名前を彩り、恐怖と絶望を植えつけるにしては、どうも動機が不明瞭だ。
そこで登場するのが出戻りという糸口だ。
出戻りという要素を加えると、この無意味に見えるギミックに『目的』が生まれる。
死んだと思った人間の名が染まる。
名簿の変色は不可逆で、元には戻らない。
放送が過ぎれば、気絶やら睡眠やらで聞いていない者以外は一様に同じ変化を辿る。
復活を遂げた者は名簿の情報から漏れて、自由に裏工作が可能となる。
出戻りを知った参加者が、便乗する形で撹乱を狙い、利用するように仕向けているのではなかろうか。
それどころか、《神》はあらかじめ……蘇りが出るのだと想定していたのではあるまいか。
二人の出戻りの名前が呼ばれたのは第二放送後だ。
ゾッドの言では、戦線復帰した時にはまだウィンリィ・ロックベルは帰還していなかったとのことである。
それよりも遥かに前、道標は既に、このゲームが始まった頃から用意されていたのだ。
――シナリオが覆らない証として。
《神》の不和で感じられる、『一人になるまでし合え』とのルールの矛盾。
仮にあの道化とは進行司会者役グループとしておく。
ゾッドを再び送り込んだ者は、ルールの矛盾から、進行司会者役グループとは少なくとも違う役割を持ったグループに所属しているとわかる。
具体的には、反乱を起こしているであろう者だ。
《神》の黒幕は、反乱分子が出戻りを仕組むことすら、ゲームを始める準備段階から『予想』をしていた。
いや、『予想』では生温い。
  緻密な計算。
  思惑の誘導。
  運命の俯瞰。
闡明した名簿という座標は、どこまでも残酷である。

87 :
ただ、出戻り二人が、単純に『死亡→復活』の道を辿ったとは思えない。
そもそも何を持ってして「死んだ」扱いをするのかを《神》は明かしていない。
肉体的な死か、魂魄的な死か。
少し考えればわかる。魂魄の方だろう。
アルフォンス・エルリックもグリードも、肉体と呼べる肉体を持っていない。魂のみがここにいた。
肉体の死だけをもって死亡とするには無理がありすぎる。
魂が消滅するかした時点で"死亡"扱いされるとすれば、今度はゾッドの復帰に疑問が残る。
この通り、肉体も魂もここにある。
魂が滅んで残った肉体を誰かが操る、もしくは他の魂と癒着させられているのなら。
名簿から雲隠れできる手駒を作るために、誰かと何かを融合させて、
合成獣かそれに近い者を生み出しているとしてもいい。
『ゾッド』は元々違う姿だった?
いや違う。
隻眼の男の反応から、姿形と中身は合致しているようだ。
密度の高い筋肉は実にエネルギッシュだ。
走らせた馬のように、身体から蒸気が昇り立つ。
死人とは程遠い。
ともかく、名簿の細工は出戻りの隠匿が目的だろう。
名簿や《神》の反乱の観照は、ある程度真に近いと思われる。
これを脚色せずして煽動はない。
清濁真偽を織り混ぜた情報を用いた取引・カマ掛けは、キンブリーが得意とする煽動方法である。
数学の命題問題のように、嘘を見破るには一つでも撞着を見つければいいが、
真が混じっている嘘は突き詰めるのが極めて難しくなる。
真を織り混ぜ述べていれば、潤也のように即座に嘘を見破る能力があっても答えは出ない。
ついでに鋼のや潤也の兄などそこそこ機転の認められる者には考察視点の拡散・攪乱をさせられる。
しかしこのような俗まみれの情報だけを使うのは考えものだ。
とすれば、もう少し待ってみよう。
剛毅木訥仁に近し。
それを体現した、賢者の石の材料を調達してくれるという、その男を――
「おい」
地面に滴りきった猪の脂が焚き火の光を照り返す。
推考の手掛かりになる本人が、最後の肉片を千切りむしゃぶっていた。
骨が出揃ったので武器錬成の催促なのだろう。
「急かさないでくださいよ。
 さて、どのような武器にしますかねぇ」

88 :


89 :


90 :
すっかり骨と牙と皮だけになった猪をキンブリーは撫でた。
約束は約束。腹を膨らましてくれた義理を先に立てるとしよう。
適当な布で、骨の表面に僅かに残る肉のスジをこそげ落とす。
軟骨を剥ぎ取り磨いた骨は、焦れったいまでにゆっくり昇る月の光を受ける。
一から想像して武器を作るのも労力の無駄なので、図書館から拝借した本を適当に開いてみた。
斜め読みした何冊目かの本に別冊のように冊子が挟まれていた。
冊子のとあるページに、横から覗くゾッドが感心を寄せる。
「これに似た剣を作れるか」
「!……
 構いませんよ。貴方の希望であるならこれにしましょう。
 造形も簡単ですし、すぐに作れます」
かくして要望通りの剣は完成した。
軽かった。
照らす月光が剣先に白い星を作る。
握られ振られるのを待ち侘びた剣はゾッドの手に収まった。
隻眼の男が持つ鉄の板ともとれる剣よりも更に大きい。
骨のままに白色である刀身はゾッドの荒々しい姿態には不釣り合いになりそうなものだが、
大きさと白銀と象牙を足したような重厚な剣太刀で辛うじて均衡を保っている。
一端の鍛冶屋にでもなった気分である。
ものを創造し依頼人の満足に応えるなど爆弾狂にあったはずもなく、
気に入った素振りのゾッドに対し奇妙な感動が湧く。
だが、キンブリーがこの剣に思い入れを持つことはないだろう。
ゾッドは冊子のタイトルを知らずに、この武器のオリジナルに惹き付けられた。
ごく薄い冊子だった。たった十数ページしかない。
軽少な冊子であるこれに嫌怨を抱く。
燐酸カルシウムの形を変えただけの剣の形は。
――神器と呼ばれる、『快刀乱麻』の姿を模していた。
ゾッドに悟られないように、『神器取扱い説明書』に対して苦笑う。
知らないうちに神を選択した(もしくは選択の余地など与えられていなかった)彼は、この剣をどう使うのだろうか。
《神》よ。
どこまでイニシアチブを握る気だ。

91 :

炎のはぜる音に紛れ、電子音が鳴る。
ゾッドからのメールらしい。
また長ったらしい文面かと思い、開けてみると相変わらず娘の画像が添付されていた。何故か着飾っている。
しかし、文面は短い。
----
Sub:キンブリー君の未来
やぁ、元気かい?
時間が押しているので手短にメールをするよ。
君の未来にノイズが入っている。
『賢者の石が手に入る未来』が、『賢者の石の材料らしき物が手に入る未来』に変わった。
詳しく知りたければメールか電話をくれたまえ。
P.S このドレスは僕が見立てたのさ! 彼女に似合うだろう!
----
追伸は心底どうでもいい。
しかし、『賢者の石が手に入る未来』が無くなるということは、電話口の男と材料予定の人間との間に不和でもあったのだろうか。
さて、書き変わった未来とは一体。
北の地で爆轟が起こった。

92 :


93 :

#####
太陽などとっくに沈み、少しずつ昇る満月が溶け残ったみぞれに光を与えている。
真っ暗な森の真っ暗な建築物に、青い炎が灯る。
確かにこの建物では六人もの死者が出ているが、人魂などではなかった。
カンテラ代わりに、和食亭などで小鍋調理に使われる固形燃料を燃やしているだけだ。
幸い着火用具もあれば固形燃料も数を持っており、しばらくは明かりに苦労せずに済みそうだった。
「ハ、あいつに感謝するのはこれっきりダナ」
この道具を持っていた野郎が夜を向かえる備えをしていたことを、多少はありがたく思う。
リンはまだ辛うじて崩れていない工場の一階を歩いていた。
幾度に渡る激しい戦闘により、工場はいつ潰れるかもわからない状態だった。
工場には部屋という部屋の間に防火シャッターが下り、リンの行動範囲を制限していた。
武器が刃こぼれするのはもったいない上、バールのような破壊する道具もなかったので、所々ぶち抜かれたシャッターをくぐっていく。
ゆく先々の部屋の機器は止まって飴のように曲がりくねり、機械油がダラダラ零れている。
部屋を一周し、どこにも妙な仕掛けがないのを確認してから、また次の破れているシャッターの部屋で同じことを繰り返す。
探しものがあるのだ。

94 :


95 :
小さな火で辺りを見回していると、グラトニーに飲まれ松明片手に右往左往した記憶が、催眠術のように浮かんでくる。
『暗闇に火』が、ちょうどあの時の状況に似ていたからかもしれない。
エドワードは松明を口にくわえてまでして、引き摺る勢いでリンを連れていこうとしていた。
エンヴィーの身体、クセルクセスの器無き者にまで情けをかけていた。
炎が揺らぎ、我に返る。
一瞬無防備だったが、襲われる危険はなかった。
何せ工場にはリンしかいないのはわかっている。人の気配が感じられない。
……ついでに、なぜか日中よりも龍脈が鮮明に感じ取れる。
いつもより霞がかっているのは変わっていないが、磨りガラスを一、二枚取っ払った程度に感覚を取り戻している。
島に身体が慣れたのか、それともバラバラ人間になった副作用なのか。
どのみち、悪いことではない。
ともかくも復活した感覚とかすかな灯火を頼りに、『目当てのもの』を探す。
一つ目の固形燃料の炎が消え始める。
チャッカマンを出しながら廊下の角を曲がると、あっさりと『目当てのもの』へつながる地下への階段が見つかった。
二つ目の固形燃料に火を灯し、見てくれは悠々閑々と、実際には足裏に嫌な汗をかいて進む。
手すり付きの更なる闇が、奈落のようにぼっかりと開いていた。
泉下の客にしようと、真っ黒な手が招いている気がした。
ここを降りて行かなければ『目当てのもの』に出会えない。
片手を手すりに、空いたもう片方を武器に伸ばす。
指先が軽く手すりに触れた。
やけに冷たいその感触に、急に後足を踏んでしまう。
尻込みするほど暗い地下に、思考が吸い込まれる。
この先に『目当てのもの』があるのに、階段を降りるどころか手すりにすら触れられない。
鼻白んだまま立ち尽くす。
逡巡する原因など、判りきっている。
探している『目当てのもの』は"もの"である。
"人"ではない。
エドワードでは決してない。
それどころか、彼を探すつもりは全くない。

96 :
エドワードよりも優先して『目当てのもの』を探している事実に、つのっていた罪悪感が身体と一緒に凝り固まって動かない。
獣に因縁があったらしきナガレとかいう男を刺したら、もうエドワードと合わせる顔がないのだと気づいていた。
彼はどんな絶望下でも他人に希望を捨てさせない。
人道主義で、人しを何より厭い、誰より命の重さを知っている。
誰にも覆すことのできない強固な信念だと知っていながら、リンはナガレを突き刺した。
それはエドワードの生きざまを否定する裏切り。
味方の砦の壁にハンマーをぶちかまして大穴を空けたも同然だった。
遺恨を晴らした代償はあまりに大きく、そして益は何もない。
死んだ人のためだけに、一人の仲間の信頼を失うのはバカだと、もしアルフォンスがいたならそうたしなめたかもしれない。
それでも、エドワードに背いてでも、あの男に一太刀くれてやらねばならなかった。
あの男を許してはいけないのだ。
どういった理由もなく、大事な部下をしたのだ。それもどん底のどん底まで突き落とす形で。
死んでも死ななくても咲夜はグリードの大事な部下。庇護対象だ。
意味もなくズタズタに汚された彼女を救いたかった。
ナガレと同じ身に堕ちると知っていても、だ。
これをエドワードが知ったら酷く憤慨するのが目に見えている。
だが……血ヘド吐いて悩み苦しみぬいてまでリンを許そうとするだろう。彼は優し過ぎる。
彼を、彼自身の信念とリンの罪の間で苛ませたくはない。
会う訳にはいかないのだ。
黙っていればいい、とも考えたが、それはナガレと同じ轍を踏むことであり、ナガレにされた咲夜に対しての冒涜となる。
咲夜にまた泥を塗るのは絶対に嫌だった。
だからエドワードと袂を分かち、合流も共闘もせず別の道を辿ろうと決めた。
彼の無事を祈っているのは本心だ。
気丈な友人である。
勇敢な同士である。
大切な仲間である。
友人で同士で仲間だから。だったから。
傷つけないために、何よりここの島に来ても揺らぐことのない己の使命を貫き通すために、エドワードとの決別を選んだ。
ならこれからなすべきことは何か。
彼とは別のやり方で《神》への反逆と脱出を試みる。
それを前提に、今はやるべきことから片付けていく。
エドワードを探す時間が省かれたので、その分の労力を皇帝への橋頭堡を築くために注ぐのだ。
――結果的に、仲間を捨てて地位の確保に走っている自分が嫌になる。心気が湧く。

97 :


98 :
独善的。身勝手。
王の器がこれでいいのかとせめぐ心を無理に押さえ込む。
一歩たりとも戻るつもりもなく、脇目ふらず猛進する。
バラバラの実を食って人間を辞めたとき、そう誓ったはずだった。
悩むのはいくらでも後回しにできる。
「……行ってやるサ、何を捨ててモ」
階段に向き直った。
氷を知らない子供が恐る恐る扱う風に、また手すりに触れた。今度はしっかり握る。
ゼンマイ仕掛けの人形のように、機械的に足を出す。
この下に、皇帝に一歩また近づく『目当てのもの』があるのだと思うと、何か大切なものを挽っ切った身体も少しは軽く感じられた。
「……でもナ、人間捨ててモ、皇子を捨てる訳にはいかないんダヨ」
底無しにも見える階段を、そう呟いて一段一段降りていく。
再び人ならざる身へ、今度はグリードのように強制的ではなく、完全なる自分の意思で変貌した。
もう人間ではない。妖怪か化物だ。
罪のけじめとして、化物の身を受け止めたい。
皇帝という立場は、人類が辿ってきた進化を捨ててでもなるべきであり、
自分にはそれになるために存在する価値がある。
――と、そうでも言い聞かせなければ、覚悟が歪んでしまう。
『皇子』の単語に、飲んだこともないアルコールに似た麻痺感を求めていた。
まるで失敗を忘れようとスコッチをあおる飲んだくれのようだ。
無辜の民を救う命を受け誕生したも同然の生い立ちだ。
ひどい鉄飯碗時代を打破したい一心で、真の王を目指していた。
民無くして王は無く、暴政を正す。
咲夜の死はその意思を固めた。
彼女のような民を出してはいけない。
手段を選んでいる時間など残されていないのだ。
なりふりかまっていられない。
最悪の場合、例えばエドワードが死んでしまった時は……
眩しすぎる太陽に背を向けて道を行こうとする姿が、どこか流と重なっていたのは、もはや誰も知らないことだった。

99 :


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