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2013年03月ミステリー23: ディクスン・カー(カーター・ディクスン)Part14 (210)
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ディクスン・カー(カーター・ディクスン)Part14
- 1 :2013/02/20 〜 最終レス :2013/03/11
- 前スレ
ディクスン・カー(カーター・ディクスン)Part13
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1341265619/
過去スレ
Part1 http://book.2ch.net/mystery/kako/978/978799895.html
Part2 http://book2.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1051019646/
Part3 http://book2.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1071321826/
Part4 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1083345832/
Part5 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1091020269/
Part6 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1102681395/
Part7 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1113320390/
Part8 http://book3.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1136820030/
Part9 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1163155847/
part10 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1198516828/
Part11 http://love6.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1227466232/
Part12 http://toro.2ch.net/test/read.cgi/mystery/1293277896/
※「書斎魔神」という荒らしが、ネタバレや自作自演、嘘知識などの
書き込みを繰り返し、多くの人に迷惑をかけています。
彼はろくにカーなど読んでおらず、具体的に作品内容には決して踏み込めず、
ただ住人を煽る事を目的にしています。
例えば過去スレでは何日にも渡って「野暮」「無粋」だと他人を中傷し続けるという
それこそ無粋で陰険な嫌がらせをし続けました。
どうかNGワードに設定し、絶対にレスしないよう、お願い致します。
- 2 :
- 書斎魔神にどうしても我慢できなくなったり反論したくなった場合は、下記スレにて
↓
書斎魔神・アホアホ語録指導部屋 19
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8993/1358690910/l50
書斎魔神・アホアホ語録格納庫 その33
http://anago.2ch.net/test/read.cgi/tubo/1325054903/l50
【痛恨の】書斎魔神ファンクラブ15【インポ】
http://ikura.2ch.net/test/read.cgi/bobby/1347681408/l50
なお、今後荒れるようならこちらに避難所があります
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/8993/1243148912/l50
- 3 :
- >>1乙
- 4 :
- 乙!
- 5 :
- ネタばれ黙認の風潮が出てきたようですし、更なるスレ盛り上げのため僕も努力しますから、
お前たちもがんがれ!!!
ポケミスでマイナー作品をゲットできたので読了後はこのスレにレポするね!
- 6 :
- ネタばれで頼みます。
- 7 :
- >>1
貴婦人として乙
- 8 :
- >>7
つまらん、偽装じゃない身投げしろや(w
- 9 :
- 赤後家の殺人は過大評価だと思う
徐番面白そうと思ったけど、後半になるにつれて微妙になっていくという・・・
- 10 :
- ごめん徐番→序盤だった
- 11 :
- >>1
ロンドン橋が乙
- 12 :
- >>1
乙意の浜辺
- 13 :
- >>1
乙闇の女神
- 14 :
- >>9
乱歩のあれと小松左京の絶賛(笑)をべつにすれば、いま「過大」というほどに評価されてるかな?
都筑道夫は一刀両断してたし、「黒死荘」や「白い僧院」に比べて昔から毀誉褒貶相半ばだったような。
歴史趣味を絡めた雰囲気づくりは一級品。
でも、カー嫌いの本格ファンがトリックを抜き出して難癖つけるにはもってこいのサンプルでもある。
「昨日の本格」と言われたら、うん、これはまあね、と口を濁しちゃうかな。
- 15 :
- >>9
うーん「赤後家」が微妙といわれると苦しいな。
まぁ、尻すぼみのところはあるが、発端の不可解さや
因縁物語を読むと、やはりA級作品群に加えたい。
- 16 :
- まあ、H・M卿が間抜けだったというオチだからね
それでも個人的には好きなんだけど、赤後家
- 17 :
- 過去の因縁話は他の作品と比べても読み応えがあったし好きだ
でも確かに「毀誉褒貶相半ばする昨日の本格」と言われることはあるかも
犯人も発表当時は斬新だったんだろうけど
- 18 :
- >>11-13を見ると、
>>8がジョークとわからぬ椰子多数とわかる。
まあ、このレベルでしょ(w
赤後家は悪い作ではないが、現時点評価でAランクはないな。
Bランク相当。
同じ密室殺人トリックだけなら、既に古典だったイズレイル作品の方が
コンパクトに纏めている。
- 19 :
- 赤後家は前半が凄い良くて、名作の予感!
…だったのに途中からどんどんテンション落ちていって最後まで持ち直さなかったって感じの作品
トリックはなかなかユニークで良いけど、結末に至るまでの過程が良くないと思う
- 20 :
- >>1乙まやの悪魔
「赤後家」はやはり、>>14で言われているように
メイントリックだけを取り出してケチをつけるような
作品じゃないものな。
怪談みたいな過去話が小道具の使い方にまで生きてたり
途中で明かされてしまうアリバイの種明かしなんかが
それ自体怖かったりと、読み物として実に面白い。
実作家が称賛するのもむべなるかな。
真相が肩透かしというか、中盤まで読んでの期待と
噛み合わなくて不満に感じるのも正しいと思うけど。
- 21 :
- 「赤後家」は、ミステリ入門期に最初に手にした大人向けのカーwだった。
それまで読んでたクリスティーやクイーンとは全然ちがうお話づくりに、ワクワク
しながら読んだ想い出がある。
それでもいま振り返ると、洗練された40年代のカーの話術を知ってしまうと、まだ
この時期のカーのストーリーテリングは、水が流れるように、とは行っていないよね。
パーツの面白さはあるのに、「テンションが落ちてい」くとすれば(俺は必ずしも
そう思わないんだけど)、そのへんに一因があるかも。
とはいえ晩年のニューオーリンズものあたりの弛緩した展開に比べれば――「赤後家」と、
似たタイプの「ヴードゥーの悪魔」を読み比べてみればその差は歴然――、上り調子のカー
のエネルギーに満ちてるから、俺みたいにカー入門期に出会う一冊としては、全然悪くない、
むしろカーの特色が味わえる(ロマンス成分が足りないけどw)お薦め作品のひとつだと思う。
南條竹則・高沢治両氏の新訳を期待したい。
- 22 :
- 赤後家なあ…やっぱり最後のあの態度は“酸っぱい葡萄”なのかね
- 23 :
- ありゃ、抜けてた
>22メ欄を読んでたんで何となく「そんなに念押しってことはそれかな」
くらいには思ってた。どうやるかはさっぱりわからんかったがw
- 24 :
- >>21
ニューオリンズものは、ちょっとひどい。「弛緩」という表現がまさにぴったり。
晩年とはいえ、衰え方が急激すぎる。
「ヴードゥー」しかり、「死の館」しかり、ミステリー以前の問題、
カーはサービス過剰なので、どんな作品にも「おもしろみ」があるんだけど
ちょっとかばいきれない。
- 25 :
- 赤後家完全マンセーの流れでないのは評価。
イズレイル作品未読者ばかりなのが残念。
まあ、歴史ミステリのビロードマンセーなワンパターンもそろそろNGにして欲しいものである。
- 26 :
- 逆に過小評価されてる作品ってのは何だろ
個人的に「死が二人をわかつまで」はもう少し評価されてもいいと思う
- 27 :
- おはようございます、>>1さんスレ立てありがとうございました。新スレでもお願いします。
近年は物語しての出来不出来や、ミステリとしての新しい「騙し方」「愉しませ方」を常に
模索していたカーが「この作品では何を狙っていたのか」なども評価しようとする傾向が
多くなってきていると感じます。
乱歩時代・松田道弘さんの時代と違って、色々な作品がそれにふさわしい評価を得て
「過小評価」というのもまだ知られていない、という風になってきた感はありますね。
昔はなかなか入手できなかった貴婦人、囁く影などは今やトップクラスの傑作という
高評価が完全に定着しましたし、緑のカプセルは創元の冊子でカーのおすすめ作
ベストワンとして挙げられましたし、悪魔のひじの家など円熟の後期作品も評価が
確立していくでしょう。(前スレでの話ですが、テニスコートが温かく迎えられているのを
見て大変うれしく思いました。)
二階堂黎人氏がかつて「一番取り柄も何もない」作品と評していた「かくして殺人へ」も
後に新訳を読んで再評価されていますし、「九人と死で」「蝋人形館」のように新訳で
面目を一新する作品がこれからも続々出てくるでしょうね。
前スレで名前の出ていた「九つの答え」「バトラー弁護に立つ」や、「四つの兇器」
「アラビアンナイト」「震えない男」なども、新訳によって評価を上げられる思います。
個人的には「青ひげの花嫁」あたりが新しい角度からの評価を得られるんじゃないかと
期待していたりするのですが。あとは新訳はもう難しいでしょうけれど「剣の(略)
- 28 :
- >>24
ニュー・オーリンズものが残念な出来なのは、これはもうどうしようも
ないのですけど(笑)
しいて言えば「ヴードゥーの悪魔」は、まだお話自体に面白みはあるかと。
何を書くか、の部分は及第点。どう書くか、の部分で老いが目立って哀しい
というのが個人的印象です。
少なくとも「真昼」や「死の館」のように、即カーのワースト候補とまでは
いかない・・・って、やっぱりあんまり褒めたことにはならないか(笑)
- 29 :
- >>27
お待ちしてました(笑)
過去のあなたの書き込み(コテハンwではないので推察ですけど)を拝見
すると、あなたはカーのおおらかさ――多分に作者の人柄が反映している――
がお好きなのですね。
「テニスコート」への愛には、同作を高評価していない私でも胸が暖かくなります。
いまさらの改訳は望み薄だろうけど、翻訳次第では違った評価が得られそうな・・・
というところでは、「青銅ランプの呪」がありますね。
じつはこれ、(旧)訳書が入手困難だった時期、どうしても読みたくて原書を取り寄せて
一読した、想い出深い一冊なんです。
当方の英語力なんて、たかが知れたものですが、それでも惹きこまれて最後まで楽しく
読めました。
ところが、待望の新訳が出て手にしてみると・・・何か違う。ストーリーは確かに
私が読んだ Lord of the Sorcerers なんだけど、どうも味気ない。
だからプロット等の問題じゃないんですね。翻訳の基本モード、キーが違っている
という感じ。
あれはもっとはっちゃけて訳して欲しかったと、いまだに思っているのです。
- 30 :
- 「情報」を「読んで」る方々か
- 31 :
- >>29
横から失礼。
平井呈一訳の「黒死荘殺人事件」を再評価するとすれば、その観点からかな、
と思ったので。
初期ポケミス時代の、致命的な誤訳や悪文があるものは論外として―
畢竟、翻訳はその訳者の解釈の産物でしかないのだから、どの解釈が読者としての
自分に一番しっくりくるか、楷書か草書か、読者が読み比べられるのがベスト
だと思う。
原書でカーのリズムとメロディを理解できる人は羨ましい。
- 32 :
- >>27
「青ひげの花嫁」ですか。久しぶりに手に取ったら、1946年作なんですね。
油がのってるころの作品か。全く覚えていないので読み直してみますか。
本作と「雷鳴の中でも」が再読していない筆頭です。
- 33 :
- もう少し評価をということなら「殺人者と恐喝者」かな。
翻訳紹介が遅れて損している感があるが、意外にスリリングな展開で面白い。
>貴婦人、囁く影などは今やトップクラスの傑作という
>高評価が完全に定着しました
オタなのはOKだが、出鱈目書いては駄目でしょ。
さて、ソースは?
前スレでの、どう高く評価してもB級標準程度のテニスコートに対する
異様な執着を見ていると、少し逝っちゃてるかな感はあったが・・・
- 34 :
- 死時計すらまともに読んでない誰かさんが何か言ってるぞ
- 35 :
- シーッ、そして誰もいなくなったすら読んでいない子供を
かまっちゃいけない!
- 36 :
- >>29
スレ汚しの身ですが、また皆さんの御賢察にを伺いに足を運んでしまいます。
お世話になります。
そうですね、そもそもミステリの中でカーの時に図々しいまでの、時に温かいほどの
おおらかさを魅力と感じていたのは確かです。
推理小説を読み始めた頃、カーの「帽子収集狂」と、カー的な作品だと言われていた
クイーンの「チャイナ橙」を読んで、犯行動機と犯人の行く末の、あまりの扱いの違いに
推理物という以前の、世界観の違いとでもいうものを実感させられて、今さらながら
茫然とし、やっぱりカーの方が自分には合ってるなあと思ったものでした。
「テニスコート」を読んだのは世の中というかテレビ、アニメ、プロレスといったエンタメが
妙にシリアス志向、中途半端なリアリティ路線を打ち出していた頃で、その中二病ぶりに
辟易していおりました。そんな時代に読んだあのラストの一章のぬけぬけとした言い種には
唖然としながら大笑いして(「そいつは後日ハマースミス橋かどこかから落ちることになる」
←記憶ですみません ― の一節には、手を叩いて喜んだものでした)、すっかり「全部許す!」
という気持ちにされられました。
- 37 :
- 横溝正史が最初に読んだカーの原書は「黒死荘」ではなく「帽子収集狂」だと知れましたが、
自分たちが罪人だと思い込んでいた男女が名探偵の推理によって遂に解放され泣き伏す…
なんていうラストの作品を戦前から書いていた横溝正史が、「帽子収集狂」のラストを読んで
小躍りしたのは一読者にも十分想像・理解できます。
謙虚な横溝正史は、「この行き方なら自分にも書けるんじゃないかと思った」と言っていますが、
つまるところ「探偵小説でもこういうものが読みたかったんだあ!」ということだったと思います。
で、その原書で読んだ「帽子収集狂」「黒死荘の殺人」「盲目の理髪師」について、周知のように
横溝正史は、僕程度の英語でも原書で読んで面白いというより日本語訳で読むとぜんっぜん
面白くなくなる、という趣旨の話をしています。たぶん帽子や黒死荘のラストの一行に至るまでの
単語の使い方、言葉のリズムというものにたっぷり喚起されたイメージがあって、それに浸って
感激出来たのに、翻訳ではそのイメージと「何か違う。ストーリーは確かに○○○なんだけど」
という完を抱かざるを得なかったのでしょう。
「翻訳の基本モード、キーが違っている」 という言葉はこれから使いでのある言葉だと思いました。
決して訳語ばかりでなく、仲介者や読み手が作品を認識する際の「キー」が狂ってしまっている、
方向性がズレているがために、カーは「誰も喜ばないユーモア」「取ってつけたようなオカルト趣味」
などと言われていた部分は必ずあると思いますね。
>>31さんのおっしゃっている「その訳者の解釈」「楷書か草書か」というスタンスがカーの場合とても
大きいのですね。「原書でカーのリズムとメロディを理解できる人」ではない身としては、やはり
その作品の基本キーにのっとった演奏、歌唱をしてくれる人が望ましいものです。
かつてこのスレで御指摘のあった、黒死荘の一夜明けた13章の描写など、やっとカーの「キー」を
掴んだ人たちが出てきてくれたがための光明だと感じました。新訳が完全に路線に乗って、これからが
とても楽しみです。
- 38 :
- ユーモアなんかは訳者にかなりセンスがないとうまく伝えられないのかもね
日本の笑える小説がもし翻訳されたら、外国人に笑ってもらえるかを想像するとそう思う
笑いに関しては洋の東西だけでなく時代差も大きいかもしれないけど
- 39 :
- >>32
「雷鳴の中でも」と並び称される(笑)「青ひげ」ですが、なんというか、作品全体の
狙いというか終着点が、本格ミステリとしてのカー作品を期待する人の思っていた
予想地点と、てんでかけ離れたところに吹っ飛んで宇宙開発してしまっていると
思える作品なのですね。
そういうところが、原典の「キー」を読み説いた訳者の手にかかれば、
「あ〜、カーはこれがやりたかったのか!」
という形で見えてくるのではと思うのですね。いえ、それが見えたからと言って
読んで面白いものになるかは、かな〜り自信がないのですが(笑)。
「雷鳴の中でも」も確かに再読意欲の湧かない代物ですが、解決編でそれまで
ハラハラドキドキしていた部分が根底から覆った時、ああ、これもやりたいことの
一つだったのだろうな、と感じてしまったものでした。
カーはいくつもの傑作佳作で、「自分が作り上げたカー特有のパターン」をすら
引っ繰り返して見せて読者の足元をすくうという人でしたから。
とんでもない遊びを思い付いてしまうと、とりあえず後さき考えずに作品化してしまう、
そんな所がカー作品には感じられて、それに熟達の筆致が加わると何ともいえぬ
味わいになっているのでしょうね。
BBCドラマ「シャーロック」のマーク・ゲイティスは大のドイルファンですが、「聖典」
のいくつかについて「ドイルはホームズ譚をよくパーティーの席で書いてたんだよね。
で、人に誘われてちょっと待て、これ終わらせちまう、みたいな終わり方をするものが
結構ある。悪いな、この話はもう終わらせなきゃ、いや、この話は移動している間に
書いちゃうよ、…みたいな、それで終わりかょっ!と言いたくなる話が」 と言っています。
「五つの箱の死」のように、もうちょっと推敲してくれれば面白いアイデアだねと言われる
比率が増えたのになあ、と思うような作品もありますが、書籍化の際に訳者や装丁の
担当者の努力などで、修正できるところはあるんじゃないかと思ってしまうのです。
- 40 :
- >>39
「青ひげ」は着地点が飛んでいるのですか。それだと「五つの箱の死」と
同じパターンだね。「五つ」もご指摘のとおり、ものすごくアクロバティック
な着地を狙って、踏み切ったはいいけど、回転不足で着地失敗という
作品だもんなぁ。改めてよんでみます。
- 41 :
- 書斎の「翻訳書は訳者の著作」という論考がようやく浸透してきたようだね。
- 42 :
- >>40
>「五つ」もご指摘のとおり、ものすごくアクロバティックな着地を狙って、
>踏み切ったはいいけど、回転不足で着地失敗という作品だもんなぁ。
二階堂氏は「見事な空振り」、某G・F亭は「狙いすぎた趣向が空回り気味」
「犯人が指摘された瞬間の思わず途方に暮れてしまう感覚は本書ならでは」
とおっしゃっているなど、カーの怪作珍作を語る際などには、必ず酒の肴に
なっているとおぼしき「五つの箱」ですが、昨今の女子フィギュアのプロのように
分割して解決するコンビネーションにしていれば、G・F亭も誉めてくださっている
「犯人特定の手順」などが高得点を取れたと思うんですけどねえ。
(外道な技でこの25年ろくに手を出す人間がいなかったトリプルアクセルよりも、
最高難度のルッツから始まる3回転−3回転の方が価値があるというのは
スケート芸術の観点からすれば当然のことなのでしょうけれど…)
しかし後年に芸術性を極めるカーはというと、複雑怪奇作品時代から大技を
コンビネーションに組み込む冒険ばかりやっていましたからね(笑)。
ロシアのプルシェンコが練習でケガをした!というニュースが飛び込んできて、
実は「4回転−3回転−3回転」のコンボの練習をしていたと、いう話を聞いて
ファンは「さすがプル」と大笑いしていました。
カーをその欠点を含め、笑って賞賛する人の気分もそんなものなのかもしれません。
全然関係ありませんが荒川静香が7年前にデモで見せていた3-3-3です(笑)
ttp://www.youtube.com/watch?v=SauJKulmYlU&feature=related (1:35あたり)
ttp://www.youtube.com/watch?v=NDRXawkcPsQ
この人の私生活のムチャなおおらかさというのもちょっとカー的ですねw
- 43 :
- 書斎の論考はいつだって先行しすぎているからスレ住人が追いつくまでには時間がかかるね。
- 44 :
- >>31
>原書でカーのリズムとメロディを理解できる人は羨ましい。
試しに、あなたの好きなカー作品、別に短篇でもいいしエッセイでもいい、を原文で
再読してみることをお勧めします(昔と違って、海外からのテキストの入手はずっと楽に
なってますから)。
意味の理解度はさておき、原文のリズムは必ず体感できますよ。
たとえばセンテンスが変わって、日本語で「おお、これだ、これだ!」という発言を読むのと、
Hola! Wow!
が目に飛び込んでくるのじゃ、全然違うじゃないですか(笑)
- 45 :
- 自分は、着地に成功・失敗していようが
提出された謎自体が面白いかどうかで左右されるかな
初期の作品では、やる気が空回りして失敗しているものあるが
カーが面白がって書いてる感じが好きなんだけど
晩年は謎自体が、もういいっやって思ってしまう
- 46 :
- >>37
前後のレス番の、カー作品に対するあなたのご感想は、“自由演技”
の楽しさがあって、思わずこちらも当該作品を読み返したくなります。
いっぽうで、横溝正史を引き合いに出した部分は、お手元にすぐ参照
できる資料がないためでしょうか、正確さに欠ける漠然とした記憶
(のもとは、「片隅の楽園」や角川の『横溝正史読本』あたり?)からの
推測で、“結論”を導き出してしまっており、論としては弱いものになって
しまっているのが残念です。
正史はこう書いているが(とデータを引用したうえで)、その裏にはこういう
思いもあったのではないか、と処理するのが妥当ではないかと思います。
妄言多謝。
- 47 :
- カー作品の翻訳に関して、原書でカーを体験していた正史の、あまり知られていない
発言を二、三、ご紹介しておきます。
座談会「ディクスン・カーの魅力」(『ヒッチコック・マガジン』1962年6月号→
晶文社『東京のドン・キホーテ』)からの引用です。司会は中原弓彦(小林信彦)、
他の参加者は中島河太郎、大内茂男。
横溝 つまりあれは、まずいかうまいかというより、翻訳しにくい文章で、雰囲気作家
で、ひじょうになんかアイロニーがあるんです。
横溝 しかし翻訳じゃ添えた味が、ぜんぜん出ないんだ。
横溝 私が英語が達者なら、一つくらいカーを訳してもいいな。――ちょっと
いないな、あの人ならカーがいいだろうという訳者は。
- 48 :
- (続き)
>>47の座談会における、正史のカー・ベスト3。
横溝 私としては、絶対に「黒死荘」を読んでほしいナ。あの書き出しの面白さ
は、ちょっとないよ。あの密室は、雨のふったあとのドロドロが面白いんだナ。
(・・・)私はやっぱり「黒死荘の殺人」と「帽子蒐集狂事件」がいいな。それか
ら、「死人を起す」。
- 49 :
- >>46
37以下の妄言を書き散らしていた者です。
いえいえ、まさにその通りで、手元には横溝正史読本があるくらい、
(それも「カーは抄訳すると全然おもしろくない」という発言くらいしか
見つけられず)、他の資料を追跡するのは断念して、寝ぼけ眼で
書きなぐった妄想なので論にもなんにもなっていないのはそのまま
そんな丁重な形でご指摘いただく価値すらない事実です。
かえってお気遣いさせてしまって全く恐縮です。
ただ正直、横溝正史がカーのどこに一番触発されたのかというのには
興味があるのですね。
いえ、とっくにきちんとした研究が為されていることで、昨今発刊されている
研究誌や論文などを見ていない私がずっと後方をウロウロしているだけの
ことなのでしょうけれど、横溝氏自身も「クリスティー読んだときに、この
書き方なら自分でも書けると思わなきゃいけなかったのね」と言っていたり、
ちょっと前には「横溝はカーの影響なんかほとんど受けていない」という
趣旨のことを断言される人もいたしで、ヘタをするとカーは単なるきっかけで
接点がなかったとしても戦後の横溝氏は、もともと持っていた才能を発揮し
いま残されているようなものを書けたという風潮もあるようにも見えるので…
- 50 :
- あの当時の横溝氏がカーの何を新鮮だと感じ、何をもって「本格探偵小説」に
自分の作風を活かせる触媒になると思えたのか、カーの作風というものが
横溝作品というフィルターを通さなくても理解されるようになっている今こそ、
改めて指摘してほしい、教えてもらいたいなどと感じているのですね。
自分で調査すべきなのですが怠惰ですみません(笑)。
直接トリックを借用していると言った即物的なことよりも、やっぱりカーには
ヴァン・ダインなどの、「事件があって探偵が現れて調査をしたあげく犯人を
指摘する、というコネコネクチャクチャ小説」とは異なるものを見つけたのだと
思うし、当時クリスティすら「小手先がききすぎ、どうですこれはという見てくれが
高慢ちきな鼻の先にぶら下がっているよう」とまで言った横溝氏が、そういう
意表を突く奇抜さとは異なるものも、カーには見ていたと思いたいですし。
>>47-48でもご指摘いただいている「帽子」や「黒死荘」などは、原文の最後の
一文までがとてつまなく「決まっている」作品ですし、その一言が事件全体の
人間模様までを言い表してしまっている。
原文音読の楽しさというものも含めて、歌舞伎や読み本好きだった横溝氏の
何をカーが揺り動かしたのか、(あるいは動かさなかったのか)ということを
考えながら資料に当たっていきたいと思っています。
- 51 :
- >>45
「仮面劇場の殺人」を読んでいて、男女の仲が簡単にはいかないこと、
戦争などをはさんで時代や社会の影響を受けていること、犯人の動機や
心理を謎のまま明快に割り切らないこと、などの「新境地」を見ていて、
なんだか社会派が跋扈していた時代の横溝正史を思い出してしまった
ものでした。
一部の横溝作品には、やれ政治家の不正だのそれが追求できなくなったのと、
なんだか身の丈に合わないというか、あまりやりたくないことを無理に作品に
入れて滑っている…いえ、新しいものを取りこんで現役としての力量を示して
くれている所はあるのですが、勝手なようだけれどやっぱり昔のすっきりした
プレーンな味わいの方に愛着があるなあ、みたいな(笑)。
とはいえカーは後年の円熟が見直されているところ。
初期とは違う味をこちらも思い切って新たな目で見直してみたいものです。
- 52 :
- >>49-50
>横溝正史がカーのどこに一番触発されたのか
>あの当時の横溝氏がカーの何を新鮮だと感じ、何をもって「本格探偵小説」に
>自分の作風を活かせる触媒になると思えたのか
それに対する、正史自身のコメントは、『獄門島』連載開始直前の「作者の言葉」
(『宝石』昭和二十一年十二月号)にくわしく述べられています。
これは全文が、創元推理文庫『日本探偵小説全集9 横溝正史集』の「編集後記」
に再録されています。カー・ファン、横溝ファンにとってまことに興味深い内容
ですので、ご一読をお勧めします。
キー・ワードは「その小説のひとつひとつの書方が変っているところ」と「そこに
揺曳している一種の情緒」です。
ただ。
作者のコメンタリーの危険性は、それが「正解」になってしまって、読み手の発想
を束縛してしまう嫌いがあることです。貴重な「資料」ではあっても、それはあくまで
参考材料にとどめ、そこからさらに、あなたならではの考察を深めてくださるよう、
期待しています。
コテハン化する愚は避けたいので、冗談めいた名前はこれでオシマイにしますが、何か
あれば、またその都度やりとりさせていただければと願っています。
- 53 :
- >>45
確かに。着地が失敗しても、魅力的な謎を提出するのがカーの真骨頂
だったが、晩年それができなくなった。
それでも、読んでしまう魅力があるんだけど、作品の評価とは区別しないとね。
>>52
カーファンの俺の私見では、カーとクリスティと、横溝と乱歩の関係は相似形
かなと思う。
東西のミステリー界の代表者といえば、クリスティと乱歩なんだろうけど
最高傑作はいわれると「火刑法廷」と「獄門島」になるんだな。。
- 54 :
- 警告の効果あったらしく、
長レスが垂れ流されているものの、
(内容的に目新しいものは無し。要はやはり「翻訳不可能論」に帰着せざる
を得ないようである)
私見と強調する姿勢に転じている点は良しとしましょう。
わずかながら、オタの良心を感じるものあり。
カーマニアの仏作家ポール・アルテ作品の訳者である平岡氏も指摘
したいたと思うが、ストーリーテラーと称されながらも、実はジョンの文体
は読み難い面もあるのだ。
これが、当然、翻訳にも反映されてくる。
その奇抜なトリック、怪奇なる基本設定等を活かし
大乱歩あたりが、翻訳ならぬ翻案対象にしていれば、
「三角館の恐怖」「幽鬼の塔」クラスの面白い読物になったと思われだ。
- 55 :
- 目を転じて、ワーストはとなると、「死の館」、「パンチとジュディ」この辺が
双璧とやっぱりなっちゃうね。次点(?)はニューオリンズもの全部か。
- 56 :
- 晩年の作品について、男女の恋愛の描き方がガキみたいだと
言われてるのは無理な若作りだったのか幼児退行だったのか?
『血に飢えた悪鬼』なんか批評家もさすがに笑って済ませられなかったか…
- 57 :
- 昔から子供っぽい人間しか描けないのを、なんとかカバーしてたんだけど、
仮面劇場の後半でたがが外れちゃったんだよ。あとは自分の書いている
内容を把握できなくなって、メカニカルに組み立てたのを書き流すだけ。
- 58 :
- 流れを中断してすみません。
>>52
午後に出かけていてようやく帰宅しました。返信できず失礼を致しました。
いろいろご教授ありがとうございます。
横溝正史のカーによる「覚醒」は、宮崎駿の言う「記憶の井戸の底を開けて
自分でもよくわかっていないものを呼び出してしまう行為」のようなものだと
思っているので、ご指摘いただいた通り、本人の言葉といえどあくまで資料の
一つとして読んでいくつもりです。
周知のように、謎と論理と合理的解決の西欧本格ミステリを楽しむ嗜好と、
歌舞伎をはじめとする人情劇的な作劇の仕方を体質として持っていた氏が
カーのどこを見て触発され、それがどんな形で現れてきたのかは、戦後すぐ
「探偵小説」「神楽太夫」から溢れるように生み出された作品の各場面、要素、
構成などから判断するしかないと思いますし、それをピックアップしつながりを
見つけ出すのは、ファンとしてのとてつもない楽しみだと思いますから。
- 59 :
- それでも今回紹介していただいたものも含めて、数々の発言に見られるように
パズル小説と割り切ることのできない「情緒」、型にはまらない奔放な語りの
スタイルなどがカーの魅力だと氏が自覚していたのは確実ですね。
それが海外でもいまだに娯楽読物としてカーが読み継がれ、ラノベ全盛の
日本の若者にも読者層を広げていることのカギになる、カーの真髄に関わる
秘密なのでしょうけれど。
翻訳の善し悪しの鍵となるカーの「キー」についてもご教授いただきたいし、
コテハンにしていただく御配慮は別にして(笑)、今後とも宜しくご指導ください。
- 60 :
- >>55
「パンチとジュディ」はもうちょい評価してくれw
かわりに「赤い鎧戸のかげで」をワースト候補に推薦する
「死の館」とか「赤い鎧戸」ほど駄目じゃないけど、元ネタを引きのばして
改悪しちゃった「仮面荘の怪事件」を、充実の40年代のワーストにあげさせてくれ
- 61 :
- 原書でカーを読む話だけど……
実は自分も、1冊だけ Seeing is Believingを読んだことある
東京泰文社がまだあった頃、見かけてふらふら買ったやつ
ドロシー・セイヤーズやイネスで挫折して、英語読書は無理かな〜
と思ってた自分がまがりなりにも完読できたわけで、英文の難易度
はそれほどもでも無い
だけど漠然とわかることと、それを的確に訳せることはまったく別で、
ああ、こりゃ翻訳家は苦労する文章だな、と感じたのははっきり覚えてる
- 62 :
- とりあえず新訳のカーをひととおり読んだ限りじゃ、「かぎ煙草入れ」
(駒月)と「蝋人形館」(和爾)の翻訳は見事だと思った(どこが翻訳
不可能なんだwww)
つまりは、原作にマッチする訳者を起用できるか、という編集部の問題
が大きいだろ
早川の場合、昔はミステリ・マガジンが新人訳者育成の場でもあったんだろうけど、
いまの状況じゃあねえ
- 63 :
- 書斎以外の長文は読む価値がないね。
- 64 :
- >>60
「赤い鎧戸」忘れてた。ワースト3本の指にはいりまする。
- 65 :
- 「パンチとジュディ」はヒッチコック型巻き込まれサスペンスや
犯人も結構意外性があって面白いはずなんだけど
あのラブコメについていけない
カーのフォースは好きだけど、ラブコメはダメだ
- 66 :
- >カーのフォースは好きだけど
そうかカーはスターウォーズも書いていたのか
タイプミスに突っ込んですいません…
- 67 :
- 赤い鎧戸そんなに酷いのか。
まだ読んでないので楽しみだ。
- 68 :
- カーオタって、ジョンに厳しいのか、甘いのか、よーわからんところがあるな。
スレを見る限り、世評に流されがちなのは否定しようもない事実だが。
こなれた翻訳イコールそれは既に原書を離れたオリジナリティさえ有したもの
であるという点を、いまだに理解してない奴までいる始末。
ニュー・オーリンズものは時代小説として読めば悪くないし、
パンチ、青髭、赤い鎧戸、ノック(注 横山ではない(w )、
そして叩かれていないところを見ると、それなりに評価されているのか(?)
時計の中の骸骨とか、この辺の駄作・失敗作にも、それゆえの魅力があるのが
この作家の不思議なところである。
すなわち、アホな展開、トリック等々の駄目っぷりを見るのが、
なぜか楽しいものあり。
手品師に喩えると、昔の伊藤一葉、現代のマギー司郎的魅力も感じられる
マジカル野郎、わが愛すべきJ・D、と言うたところか。
- 69 :
- 帽子収集狂って過小評価されてる作品だと思う
江戸川乱歩が過大評価したせいで、過大に期待して読むからガッカリしてしまう
乱歩の評価を知らず、普通に読んだら結構面白かったなって感じでそこそこの評価を受ける作品だったろうに
- 70 :
- >>65
>あのラブコメについていけない
>カーのファースは好きだけど、ラブコメはダメだ
そうか、ユーモアに関しては個人差が大きいからな
カーの作でも、張りつめたメロドラマのほうがしっくりくる向きには、あのベタ
な路線は受け入れがたいのかも
「皇帝のかぎ煙草入れ」、「死が二人をわかつまで」、「囁く影」、それに「貴婦人
として死す」あたりがあなたの好みではないかと推察するが、どうか?
- 71 :
- マッドハッターの話しなら書斎が詳しいよ。
- 72 :
- >>58
>横溝正史のカーによる「覚醒」
>カーのどこを見て触発され、それがどんな形で現れてきたのか
そういう興味で正史作品を読んでいかれるなら、「戦後」に限定してはいけません。
カーの影響の、最初期のサンプルとして、たとえば
由利先生もの「双仮面」(S13)
朝顔金太もの(のち人形佐七ものに改稿)「お時計献上」(S19)
をあげておきます。後者に関しては、原型版を読まれるのがベターなので、テクスト
には出版芸術社「奇傑左一平 <横溝正史時代小説コレクション捕物篇(3)>」
をお勧めしておきます。
余計なお世話かと思いましたが、ご考察の一助になれば幸いです。
- 73 :
- >>72
朝顔金太とは、なんともすごいですね。。。
カーの横溝にたいする影響がそんな初期に現れているのですか。
「本陣」あたりが、最初に浮かんだのですが勉強がまだ足りないなぁ。
- 74 :
- >>70
あげてもらった作品はもちろん好きですよ
というより唯一飛ばし読みしたカーの作品が「パンチとジュディ」だった
あの2人は一角獣にも出てるらしいので
なかなか手が出ない
- 75 :
- カーの影響では犬神家を書いた時に曲った蝶番が横溝の頭に有ったのか一番知りたい。
- 76 :
- マッドハッターの犯人像は、もてないヒッキーなねらーには
シンパシー大かと。
気軽に悪行に走る者も多いねらーと比べて、
ひたすら真面目に生きたが犯罪者になってまうのは憐れ。
ギディオンやハドリーの最終ジャッジは個人的には支持したく思うのだ。
- 77 :
- 朝顔金太も凄いが時期的にはカーの影響はあっておかしくない
しかし!双仮面はスゲーな!
確かにカーの影響があっておかしくないんだ
いやー、勉強になるスレだわ感謝感謝
- 78 :
- >>77 日記によると横溝が『夜歩く』を読んだのは戦後のことみたいだ。
1947年7月20日→7月23日。「幻影城」増刊号「横溝正史の世界」より
- 79 :
- >横溝が『夜歩く』を読んだのは戦後のことみたいだ
「桜日記・第二部」の記述は、モノが日記だけに簡潔すぎて、椎側する
しかないのですが・・・
本格的にカーと取り組むための、再読ではないか、と思います。あるいは
「山崎君」から拝借したのは原書かもしれません(十月二十日に、あきらかに
原書で読んだ例の作品を「カーの「ユダの窓」読了」と書いていることに留意)。
正史が天人社の「夜歩く」(昭和五年)を読んでいたことがわかるコメントを、
次のレスで引用します。
- 80 :
- (続き)
横溝 私は「夜歩く」「魔棺」、井上君の「絞首台の秘密」も読んだんですが、
みんなくだらんのだナ。しかしなんかいいものがある感じがしたんですよ。
たまたま戦争中、作家のとなり組がつくられて、――私は吉祥寺にいたんですが――
井上英三君に会って、「カーの愛読者らしいが、なんかいいところがあるように思うか」
といったら、「カーは面白いですよ」というんだ。(以下略)
- 81 :
- 引用は、さきに「キー違いじゃが(略)」名義で、>>47でご紹介させていただいた、
座談会「ディクスン・カーの魅力」からのものです。如何でしょう?
打てば響くように「夜歩く」に言及されるかたがいたのは、嬉しいオドロキでした。
これは皮肉でもなんでもなく、他人の意見を鵜呑みにせず、疑問な点は調べてみるという
姿勢にも敬意を表します。
こういうコワい住人がいるとわかると、こちらも気合がはいります。
今後ともよろしくお願いします。
- 82 :
- (最後っ屁w)
>>79
×椎側する
○推測する
なんじゃこりゃ〜、でした。連投失礼いたしました。
- 83 :
- 念のため
夜歩く 内山賢次訳 天人社 昭和 5年(1930年)10月
魔棺殺人事件 伴大矩 訳 日本公論社 昭和11年(1936年)3月
絞首台の秘密 井上英三訳 新青年 昭和11年(1936年)夏期増刊号
- 84 :
- 72は邪魔。往ねや。
- 85 :
- 一角獣は、おまえらそんな紙持ち歩いていいのかとずっこけた気が
それ以外は普通におもしろかった (素人なんで何でもおもしろいけど)
- 86 :
- 一角獣は突っ込みどころ満載だけど、エンターテイメントとして凄く面白い作品だと思う
犯人の意外性も抜群だし
- 87 :
- >>86
登場人物の描き分けが悪く、損をしているけど面白いよね。
- 88 :
- >>86
それに以前国書刊行会で出るまでは、カーのプレミアものの最右翼の一冊だったなあ
- 89 :
- >>82 う〜ん、「横溝正史読本」や「真説金田一耕助」「ミステリマガジン」のカー追悼号なんかだと、
「絞首台」「魔棺」しか挙がっていないんですよね。
「夜歩く」に関しては記憶の混同・補正があるのだとは考えられませんか?
本気で読み直すんなら、「魔棺」(「三つの棺」)を原書となりそうな気も…。
確信があるわけではないのでこの先は、もう少し資料を当たって何か分かったら書き込みます。
- 90 :
- マッドハッターについての語り、さすがに書斎という感じだね。
長いだけの駄文を垂れ流しているヲタは猛省すること。
あと、マル公よ、名無しじゃなく名乗って出て来いや。
- 91 :
- >>89
おはようございます。
確かに、座談会の発言だけでは弱いかもしれませんね。ほかに何かないか、私ももう少しあたってみます。
(この件に関して情報をお持ちのかたがいらっしゃれば、是非書き込んでいただきたいです)
しかし。
もし正史が「夜歩く」を未読でアレを書いてしまったのだとしたら、そのシンクロニシティは凄いなあ・・・
と思いますよね。発想の共通性、やはり出会うべくして出会う運命の作家だった、ということでしょうか。
- 92 :
- 「一角獣の殺人」で盛り上がっているのが嬉しいので、私もちょっと。
「黒死荘」「白い僧院」「赤後家」とオーソドックスな流れのあとで、
ちょっとカー(ディクスン)が羽目を外した感じの「一角獣」「パンチ
とジュディ」は、好きなんですよ。
「一角獣」は、人物の描き分けもそうですが、“犯行現場”の視覚的な
描写がヘタなので、せっかくのユニークな不可能犯罪(もとネタは、アン
トニー・ウインの未訳長編だと思います)が、謎解きされても、ああ、
そうなんだ・・・になってしまうのが残念。
でもこのあと、軌道修正してお手本的な本格(真相はお手本にならないけどw)
に仕立てた「孔雀の羽根」などより、読み物としてはずっと面白いと思います。
- 93 :
- すでに原書でトレントや矢の家を読んでいた横溝なんだから
国内で刊行されたものにアンテナ張っていないとは
思えないよな
とはいえこちらは無責任な思いつきでしかないからキチッと調査・
検証している人のレポートに口出しできる身分じゃあないな
久しぶりに棚から横溝関係の資料を引っ張り出してみるか
- 94 :
- >>92
孔雀の羽根は読んでる間も読後もい感情が持てないままだったが
一角獣は冒頭いきなりかわいいイヴリンからドタバタ乱闘、そして
まるでファンファーレが鳴るようなHMの登場と、つかみから
完全にノックアウトされたなあ。
文庫で読み返した時に初読の時ほどときめかなかったのが
意外だったくらいだ
- 95 :
- 書斎タンの論考はやっぱり凄い・・
オニイタンも凄い・・
勉強になりまつ
- 96 :
- 本当に勉強になるね。
- 97 :
- >>96
オニイタン、お元気でつたか?
再会できて光栄でつ
- 98 :
- でつまつくん、再会できて嬉しいですよ。
前よりも随分成長しましたね。
- 99 :
- 『孔雀の羽根』あまり評価されてないけど自分は良い作品だと思うんだけどなあ
ティーカップが十客残されていた理由もトリックも納得できるものだったし
ただ、あのトリックは成功率低そうな気がする
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