>>39 ノウハウ本の類は不要。例文暗記によって英文を書く思考回路は自然と構築される。 以下、思考のプロセスを説明混じりに再現するから読まなくても構わない。 例えば2008年の阪大(外語)では夏目漱石の『こころ』の和文英訳が出たけど、では同じ漱石の小説『草枕』の英訳が出されたとして、 冒頭「とかくこの世は住みにくい」の出だしの部分だけを少し考えてみよう。 「とかく」をどう訳すか。 “とかく→とにかく→往々にして→一般的に”という日本語の変換がまずできる。 つまり「一般的に言って〜である」と言いたいわけだ。 次に英語への変換だが、ここで例文暗記の功がものを言う。 700選をしっかり暗記していれば、例文81の“It is said that〜”と例文143の“They say that〜”が直ちに候補に浮かぶ。 ここで例文409の“Generally speaking,”は論文やジャーナル紙等で使われるようないわゆる論文調の言い回しであって、『草枕』は小説だからすぐにリストから外れる。 で、“It is said that〜”か“They say that〜”で一瞬迷うわけだが、これもすぐに前者が最適だと判断できるんだ。 熟語帳とかで前者が文語的、後者が口語的って区別で覚えてるかもしれないが、これが例文で覚えない弊害。 確かにこの区別は間違いではないが、後者のthat以下には伝聞的な内容が来て、前者のthat以下には“常套句・よく言われること・諺”が来る、と用法までしっかり覚えるべきなんだ。 現に700選の例文はその通りになってる。 で、これにて“It is said that〜”を選択するというわけだ。 なぜなら今言いたいのは「一般的に言われること」「誰もが一度は感じること」だからね。 それに“It is said that〜”が“They say that〜”に対して文語的ってこともまさにベスト。 明治期の日本語は言文一致体という新しい形態になったばかりで、たとえ小説や会話文であってもやや堅いんだわ。 「我が輩は猫である」がいい例。“我が輩”という一人称に加え、“である調”ときてる。 もっとも、プロの翻訳家だったらもっといい英文を書くかもしれないが、それはあくまでプロの話。 本番では以上のような思考プロセスを一瞬で頭の中で行う。 暗記の過程で、上記のような似た表現のニュアンスの違い等をちょくちょく考えればいい勉強になる。
42 :
>>41に付け足すと、仮主語ってのは新情報を導くためのツールだから文頭で使うってのも含め“It is said that〜”は最適。 文頭でいきなり新情報が出てくるという唐突感を見事に回避してる。
>>70 だから、700選の700文をやりゃネクステの1380文は不要だって理屈が何回言ってもわからんようだな。 いい例を見せてやるよ。 わかりやすく“not so much A as B”でいこう。 ネクステ:In his own home he is not so much a master as a servant. (自分の家で、彼は主人と言うよりもむしろ召使いだ) 700選:The question is not so much what it is as how it looks. (問題はその本質よりもむしろ外観だ) ネクステで“not so much A as B”を学ぼうとすると、本当に“not so much A as B”しか含まれない英文を扱ってるから極めて非効率なわけ。 一方、700選は“not so much A as B”の知識プラス、what節やhow節を使うことにより“本質”だの“外観”だのの思いつきにくい単語、スペルに自信のない単語等を平易な言葉に置き換えるという英作文における有効な手法も同時に学べるんだ。 このwhat、howの使い方をネクステで学ぼうとするなら、このためにまた別に2文覚える必要がある。 このように一文に一つの事項を割り当てたネクステに対し、一文に複数の機能を持たせた700選の英文の方がはるかに実戦的かつ高効率なわけよ。 これが数700にしてネクステの1380文や他の例文集、文法問題集を凌駕する理由。
一方、『英語必修例文600』におけるnot so much as〜構文は以下の通り。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 532.The animals kept dying, not so much from disese as from neglect. 動物が次々に死んだのは、病気からというよりは等閑(なおざり)からであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− そして解説のページにはこの英文の単語や熟語の説明のあと、 同種表現として次のようなまとめがある。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [Aというより(むしろ)B] @not so much A as B(⇒532) Aless A than B →He was less scared than surprised. 彼は怯えるというよりむしろ驚いたのだ。(⇒415) Bmore B than A(⇒531) CB rather[rather B] than A(⇒477,530) ※引用者注(⇒ )で示された数字はそれぞれ該当番号の例文。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
85 :
次は飯田康夫先生の『英作文頻出文例360』から。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 237. A man's worth lies not so much in what he has as in what he is. 男の価値は、財産にではなく、むしろ人格にある。 not so much A as Bは、B rather than A「どちらかというとAではなく、むしろB」 と同義と考えられる。 cf. A man's worth lies in what he is rather than in what he is. −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− さて、どちらが本当に受験に直結するという意味で有益だろうね? 時間が限られている受験生が700選で勉強しながら>>82のようなこと気づいて チェックできるだろうか? 言い換え可能な同種表現をひとまとめに憶えるほうが受験に役立つんじゃないかな? 受験生は英語ばかりやっているわけではない。 マニアックな700選原理主義者の言葉を真に受けないように。
86 :
>>83 Duoは著者が700選を踏襲してるだけあってなかなかいい。“not so much A as B”の文も>>82で書いた700選の文に近い。 ただね、やっぱり例文の質感ってのが単熟語帳の範疇を超えられてないんだよねぇ。 どうしても単語・熟語の記憶の補助として作られた文と、英作文(や広く英語の基幹一般)の学習を想定して作られたものとでは違いはあるのはしょうがない。 著しい違いはやっぱり英文の構造にある。 例えば後者だと「これが仮主語構文の文ですよ」「これが第4文型の文ですよ」としてその型を提示したら、(被ることはあるが)次の別の型の提示に移るわけ。 ところが前者の様に単語帳や熟語帳の体裁をとると、例えば構造的にSVCの文がいくつも出てきて、構造そのものが学習要素であるような文は出てこないんだ。 その結果、700選では“That he is innocent is quite certain.”みたいな構造自体が学習課題である英文もしっかり網羅されるわけ。 だから、英作文等の対策としてならDuoあんまりおすすめできない。 上記のような、知っておくべき(使えるべき)英文の抜け漏れが生じるからね。
>>82 仰ることは分かったけどさ。 英語に限らず勉強法の基本は「単純なもの→複雑なもの」だと思うんだ。 not so much A as Bの構文を既に知っている人なら、 A man's worth lies not so much in what he has as in what he is. を覚えることは能率的かも知れないけど、 まだその構文を習ったことすらない初学者がいきなりそんな文を見ても分かり辛いし、 覚えにくいと思うぞ。 ネクステやフォレストのような文法書を読んでから700選をやる方が、 頭への負担も少ないと思う。