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勇気を出して家を出た


1 :12/06/19 〜 最終レス :12/07/07
大学時代、就活に失敗。
そのまま卒業し公務員になろうと考えたが
上手くいくはずもなく、一年以上にわたり引きこもり生活を続けてた
そんな俺の話だが暇つぶしにでも聞いてくれ

2 :
毎日午後4時くらいに起床。
起きてまず電気ケトルでお湯をわかしテキトーにカップ麺を食べる
そんでもって薄暗い部屋でパソコンに向かうだけ
それの繰り返し
たまに週間の雑誌を買いにコンビニ行くくらい
本当にクズな生活を繰り返していた

3 :
別にコミュ障というわけでもなく
普通に友達もいてゼミもやって楽しく大学時代を過ごしたのだが
就活は本当に厳しかった
内定もらえなくて、安易に公務員だ、と考えたが
それが間違いだった
大学4年の秋くらいからバイトもしつつ勉強も始めたが
それも最初のうちだけだった

4 :
はよ

5 :
俺みたいなやつって案外結構いるんじゃないか
大学時代就職できなくて
まあ来年でいっか、って言ってうっかり卒業しちゃって
為す術なくなってひきこもりかフリーターになっちゃうヤツ
まあ俺の場合バイトしてたのも最初のうちだけで
あとは家に篭もってたから本当のクズなんだけどな

6 :
大学卒業したあとの4月ころは
まだ公務員勉強とかそれなりにはやってた
でも普通に試験落ちまくって
マジで落ち込んだ
まわりの友達は「大変だー」と言いつつも
新しい世界、環境で、堂々と働いている
そう思った瞬間、俺は本当になにもやる気がなくなった

7 :
そこからはマジでクズの日々
親には公務員勉強すると言っていたが
そんなものするわけもなく
毎日朝寝て夕方に起きる生活
次の年の春、24歳の誕生日を迎えた時
俺はいつも通り午後4時に起きて
ヒゲボーボーの顔をして家で独りでパソコンをいじってた
「ああ、俺の人生は詰んだんだ」ってなんとなく悟った

8 :
俺は聞いてるぞ

9 :
俺だって好きでこうなったわけじゃない
焦りや不安、当然あった
周りの友達はみんな真面目に働いて
辛いながらもしっかり未来を見据えているのだろう
そう思うと吐き気が止まらなくて
必死に必死に現実を見ないようにしていた
毎日親の突き刺さるような視線が痛かった

10 :
「明日は頑張ろう」
毎日そう思って眠りにつくけど
目覚めれば日が傾いていて何もかも嫌になる
そしてまたパソコンに夢中になって現実逃避
こーんな日々を大学卒業してから続けてたんだ
笑えてくるだろ?

11 :
24歳になって少し経った5月頃
「こんなことなら、いっそのこと少し旅にでも出てみようかな」
という考えがよぎった
久しくコンビニ以外に出かけていなかったし
それもアリだな、なんてがらでもないことを考えた
そう思い浮かぶと、途端にワクワクし始める
色々と忘れられるし、家にいるよりずっと精神衛生にも良さそうに思えた

12 :
旅日でても、何も変わらない。
そんなことで変わるんなら、すでに変われてる。

13 :
環境を変えるのは良いと思う。

14 :
何より、知らない人ばっかりのところに行きたかった
家にいると親の視線が痛くて仕方ない
申し訳なくて、後ろめたい気持ちもあったから尚更だった
思い立ったらすぐ始めないと辞めてしまう、と思い
その日の翌日には出かけることにした
そしてすぐに準備を始めた
携帯と財布に、煙草と缶コーヒー…
荷物は最低限に抑えることにした

15 :
20歳過ぎて何が勇気を出してだ
実家住まいの引きこもり
やるなら独り暮らしをしてから引きこもってみろよ粕
んで続きはよ

16 :
うんうん、

17 :
缶コーヒーなんて普段飲むわけでもないが、ちょうど家にあって
少し気取ったつもりで持って行こうと思った
パソコンで時刻表とかチェックしちゃって、久しぶりにワクワクしたな
その日の夜は「明日は予定があるな」って思うと
嘘のように穏やかに眠れた
「明日やることがある」
これって、実は本当に大事なことだったんだな

18 :
行き先はどこ?

19 :
次の日起きると、まだ太陽が低い位置にあって
これだけのことでなんか凄く晴れがましい気持ちになった
とは言え、9時をまわった辺りの時間だったので親は既にいなかった
俺はテキトーにお茶漬けをかきこんで出かける準備を進めた
とりあえずは、近所の在来線に乗っていけるとこまで行く心づもりだった
しばらく家をあける気もしたから
台所にあったブロックメモに
「東京の旧友に会いにいくのでしばらく帰らない」
という旨のメモを残しておいた

20 :
もちろんそんなメモは嘘で
俺に会いにいくような友達もいない
そのまま家を出ると
まだ「午前中」って感じの賑やかさが街を包んでる気がして
とても新鮮に見えた
俺はよっぽど家を出てなかったんだな…ってつくづく実感した

21 :
見てるぞー

22 :
みてるよー

23 :
何故か、しみじみするなぁ

24 :
>>23
わかるー

25 :
最寄り駅に着くと
時間帯もあってか人は少なかった
まあ田舎の駅だし、こんなハンパな時間に電車を使う人もいなかったのだろう
駅の横に作られた喫煙スペースみたいなとこで一服して、
次に来る電車を待った
行き先などは特に決めて無く、次に来た電車に乗ろうと考えていた

26 :
そして、駅に入り、電光掲示板で次に来る電車を確認
そのホームに行ってしばらく突っ立っていると
電車がやってきた
この時、偶然この時間のこの電車に乗ったことで
俺の人生は変わった
もし違う時間なら、違う路線なら、違う方向なら、と今でも思う。

27 :
みてますん

28 :
俺はそのまま電車に乗って、しばらく揺れていた
なんのことはない、フツーの電車のフツーの車内。
ついに旅に出た…と胸が高ぶっていたのも最初のうちだけ
揺られている間に眠くなり
俺は眠ってしまった 電車の揺れって気持ちいいもんな

29 :
>>11
>そう思い浮かぶと、途端にワクワクし始める
オレもワクワクし始めた。

30 :
はよ

31 :
あたしもどっかいきたくなった

32 :
見てます

33 :
目が覚めて時計を見ると
一時間半近く経過していた
けっこう遠くまできたな…って思って
次の駅で降りることにする
そこは、地名は聞いたことがあったが初めて降りる駅で
下りて駅の看板を見た瞬間に一気にワクワクが込み上げた

34 :
高原のようなところでそれなりに観光客もいるっぽくて
一気に自分の知らない世界に来たかのような感覚になった
もうお昼もまわっていい時間だったので
俺はテキトーにコンビニを見つけて昼飯をすませ
とにかく歩いて色々見てみることにした

35 :
陽が傾き始めるまで色々まわってみたが
お洒落な喫茶店や、〇〇作り体験工房のようなものばかりで
まわればまわるほど俺とは無縁の場所に思えた
賑やかで楽しそうなのは結構なことだが
なんだかとても寂しい気持ちになった
そういうのを見ていると、あとすこしで
「俺に何してんだろう」って気持ちになってしまいそうで
旅に出た決意やワクワクがなくなりそうだった

36 :
・・・・

37 :
>>35
ワクワクする気持ちも、次の瞬間冷めてる気持ちもどちらも分かるわぁ
wktk

38 :
人通りの少ない外れた道を選んで
ゆっくり自然でも堪能して帰ろうか、と思って
少し道を下っていった
山側の斜面には草や木々が生えていて
人通りもあまりなくて、良い感じだなぁ〜と浸りながら歩いていた
道を下り続けると割とひらけた場所に出て
ポツポツと民家があるのが目に入った

39 :
みてます

40 :
夕焼けの強い日差しが俺を突いて、
正直もう歩き疲れもあったしで、どこかで休みたくて仕方なかった
ひらけた道を歩いていると、途中「民宿〇〇」と書かれた
薄汚れた看板が目に入った
割としっかりした感じの建物があり、敷地の中に駐車場があった
いかにも田舎の宿って感じで俺は一瞬で心を奪われた
こういう所に来たかったんだ

41 :
みてる

42 :
俺はさっそくその敷地に入り
恐る恐る玄関を開けた
引き戸?っていうのかな、ガラガラ…って開けるやつ。
玄関を開けると脇に水槽があって、ジュースの自販機があった
番台のようなところに
「厨房にいます。御用の方は呼び鈴を鳴らしてください」
と書かれていた

43 :
はよ

44 :
俺はいそいそと靴を脱いであがり
番台の上にあった呼び鈴を鳴らした
すると奥のほうから初老の女性が出てきて
「こんにちはー」と愛想よく言った
俺は「今日泊まれますか?」と聞いた
「宿泊ですね、大丈夫ですよ」と笑顔で応えてくれた
手続きを済ませると部屋の鍵を渡された

45 :
寝るから明日の朝また見に来る

46 :
そこで軽い世間話になって
若く見られたのか
「学生さんですかー?」とか聞かれたので
「今年で24ですよw」とか言ってはぐらかした
でもとても雰囲気の良い方で
この宿見つけてよかったなあって思った
部屋が3階だったので、しばらく部屋で外眺めたりしてマッタリして
頃合いを見て大浴場?のような所に行ってひとっ風呂浴びた
なんだかんだでけっこう堪能していた

47 :
風呂出てぼーっとしてたら8時前くらいになってて
そういや夕飯食ってねえな、と思い
一階の受付へ行った
するとさっきの女将さんが出てきて
「あ、そういえばお夕飯の案内するの忘れてました…ごめんなさい」と言ってきた
どうやら夕飯は18時〜食堂だったらしく、他のお客さんは食べた後だったようだ
俺は「いえいえ今からは申し訳ないんで」と言ったのだが
平謝りされ、俺だけ食堂に案内され遅れて夕飯をいただくことに

48 :
見てるよー

49 :
いるよー

50 :
どした?寝たのか?

51 :
どした?旅に出たのか?

52 :
今二十歳フリーターだけど、この前家でたよ^
お互い頑張ろうぜw

53 :
ゼミで挫折、卒論が書けずに二留、生活スタイルはヒキニートな俺も今年で24

54 :
t

55 :
保守

56 :
続きが気になる

57 :
え、終わり?

58 :
今追いついたんだが

59 :
みてるよ

60 :
終わり?

61 :
え?
引きこもりクズニートが、一大決心して、ひとり暮らし始めて、起業して大当たり、なサクセスストーリーと思って読んでたら
ただのおっさんひとり旅(近場)?

62 :
※旅費は親から

63 :
24の時って、証券関係のでかいプロジェクト(ホスト、端末合わせて数Mstep)に組み込まれて、1ヶ月に20日間くらい泊まり込んでた頃だ
そんな中でも彼女できて、たまの休みは必ずデートして、今となってはよくあんなハードな生活してたなと思う
今はあんなパワーないわ
若さって、それだけで価値があると思う
腐らすのはもったいなさ過ぎる

64 :
嘘でもいいから>>1のサクセスストーリーが見たい

65 :
>>1 はまだ寝てるのか?

66 :
つずきまだー?

67 :
続きは?

68 :
支援

69 :
>>1は仕事してるんじゃないか?
また後で見に来る

70 :
ほほう

71 :
おいついたー!

72 :
こんばんは
昨日は寝落ちしちゃってごめんなさい…
続きを書いていこうと思います。

73 :
みてるよ!続きよろしく

74 :
食事の時間が終わった食堂は
ほのかに夕飯の香りが残っていたけどガランとしていた
俺が椅子に座ると
すみにあるソファに座ってテレビを見ていた親父さんが近づいてきて
女将さんと何やら話していた
そして俺の斜め前に「よっこらせ」と言って座った

75 :
女将さんは奥の厨房でなにやらいそいそと準備をしていて
親父さんは俺の方を見て優しく笑った
親父さん「こちらのミスで、どうもすいません」
俺「いえいえ、遅かったこっちも悪いんですw」
親父さん「ビールでも飲みますか?」
と言って脇にあった冷蔵庫からビール瓶をとり出し始めた
「お言葉に甘えてw」と言って俺も差し出されたグラスを受け取る

76 :
「乾杯!」と言ってカチンとグラスをぶつけた
この親父さんもとても人当たりのイイ人で、話しやすかった
そうしてるうちにご飯が運ばれてきて
テーブルの上はたちまち暖かい食卓と化した
親父さん「今日は一人で?」
俺「はい、気晴らしにw」
親父さん「さっき家内に24と聞いたけどまだ若いよね、お休み?」
と聞かれた
すると立って仕事をしてる女将さんも
「若いよねーw」と声をかけてきた

77 :
こうなったらもう言ったれ、と思った
どうせ旅の、もう会うこともないし
「あー…なんというか、自分仕事はしてないんです。
フリーターでもなくて…ニートみたいな…」
きっとこんな事を言ったらどんびかれるし変なヤツに思われるだろうなぁ
と半ば諦めも含めて覚悟していた

78 :
はよ

79 :
いいなあ

80 :
ふむふむ

81 :
再開してた

82 :
ところが親父さんの反応はあっさりしていた
「そうなんだ」と言って笑ってみせた
親父さん「色々大変な世の中だもんなぁ、若い人は辛そうだよ」
と言って優しく笑って「ビールつぐよ」と言ってくれた
俺はかなりの決心で言ったのだが全然態度を変えることなく
驚いた、驚いたし何より嬉しかった

83 :
そのあと女将さんも立ちながら話に参加していた
親父さん「それでここまで一人旅か、いいことじゃないかうんうん」
と言ってニコニコした
女将さんも、「このへんは馬鹿みたいに広くて自然があるだけだよねーw」
と言って笑っていた
俺は本当に心を打たれた
今まで自分にとって決して向き合いたくないレッテルだった「ニート」「ひきこもり」というものを
こんなにも暖かく受け入れてくれるなんて

84 :
俺はそのあとビールが入っていたこともあって
楽しくて嬉しいのに、泣きながら自分のことを語った
今まで誰かに話したくてたまらなかったけど、誰にも言えなかったこと
自分がどれほど甘いかは分かっていて焦ってる
でも結局弱くて全然踏み出せないこと
まわりの友人達はどんどん立派に成長していく
それを痛感するたびどんどん相談できる人もいなくなって独りになったこと
親にはとても申し訳ないと思っていること
見ず知らずの親父さんと女将さんに、俺は自分の今まで溜め込んでいたことを
思い切り吐き出した
親父さんと女将さんも涙目になって「うん、うん」と話を聞いてくれていた

85 :
待ってた!見てるぞ

86 :
親父さんも女将さんも、俺の話を親身になって聞いてくれて、励ましてくれた
今日会ったばかりの、ただの客にすぎない俺なのに
そのあと、親父さんに誘われて玄関の灰皿が置いてある場所に行って
一緒に一服した
親父さん「人生って長いよな。色々あるんだ」
俺「はい…」
親父さん「焦りなさんな、まだまだ〇〇君も始まったばっかり。
これからゆっくり歩いてけばいいんだよ」
俺はその言葉に黙って頷いた
喋ると、また泣いてしまいそうだった

87 :
今来た!
すでにジーンと来てるぜ!

88 :
旅してぇええええ

89 :
すっかり親父さんと女将さんとも仲良くなって
胸に熱いものがこみあげていた
しかし夜もとっぷり暮れていたので
俺は部屋に戻って寝ることにした
この日、俺は密かにもう一泊していくことを決めた
見知らぬ町に来て、とても大事な場所を見つけたような気がした

90 :
みてるぞ

91 :
その日はいつもより格段に良く眠れた
目覚めると家じゃない、ってのがすげえ新鮮で
目覚めた瞬間一人で「おー…」とか言っちまったw
下に降りて女将さんに挨拶する
もう一泊したい旨を告げると
「いいよーwチェックアウトとかそういうのもないし、あの部屋そのまま使ってねw」
となんだかとてもあっさり承諾された。

92 :
朝飯を食べて、他のお客さんもぼちぼちいなくなり…
さて何しようか、となった。
とりあえず風通しの良い3階の部屋で窓から外を見つつ読書。
すごく気持ちいい、窓から見える景色はのどかな田舎の景色だった
読書をしていると部屋の外から掃除機をかける音や
パタン、パタンと女将さんやスタッフさんの歩く音が聞こえた
それもとても心地よくて
気付くと時刻は3時をまわっていた

93 :
>>1 の家はどのへんなんだろうか

94 :
見てる

95 :
なんかすることないかな〜と思い
フラフラと下に降りて
受付に女将さんがいたので話しかけた
女将さん「ゆっくりしてる?」
俺「とっても居心地いいですw」
俺「何か、手伝えることとかあります?」
と聞いたら
「とんでもないw」と言われて遠慮されたんだけど
少しして女将さんが思い出したように言った

96 :
女将さん「あ、じゃあウチの犬の散歩にでも行ってみる?」
俺「ワンちゃんいるんですかw名前は?」
女将さん「ケンちゃんって言うんだけどね、まだ若い柴犬だよ」
と言われて俺はそれを喜んで引き受けた
女将さんいわく「そのへんを適当に歩いてきてごらん」とのことだった
散策にもなるし、一石二鳥だ
裏に回ると、とてもおとなしい可愛い柴犬と目があった
なるほど、これなら俺にも散歩を任せられるはずだ、と思った

97 :
渡された袋とカニバサミのようなものを持って
俺はケンを連れてゆっくり敷地から出た
来た時の道に出て
この宿を見つけたことでまだ先に行ってないな、と思ったので
来た道をそのまま歩いて行ってみることにした
もう夕方だったけど
まだ日は眩しくてまだまだお昼くらいのように感じた

98 :
ジーン来たよ。
俺も焦ったり色々と辛い時を思い出してしまった。

99 :
よく分からない更地であったり、畑であったり
その中に家がぽつぽつとあって…本当に田舎だった
俺の住んでるところも田舎だが…それ以上に田舎だった
ちょっと小道にそれれば舗装されてない道もあって
車は大変そうだな〜なんて思った
ケンもおとなしく歩いてくれるので気持よかった
ひとしきり歩いて
「空気が美味いなあ」と感じて
そろそろ帰るかーって思って来た道を引き返した

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